JP2000119129A - 化粧用ゲルシート - Google Patents
化粧用ゲルシートInfo
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Abstract
目立たない化粧用含水ゲルシートを提供する。 【構成】 例えば、ポリエチレンフィルム/パルプ
(紙)、ポリエステルフィルム/レーヨン不織布など、
透明なフィルムとパルプ若しくはレーヨンからなる繊維
層とを積層した支持体の前記繊維層に、ポリアクリル酸
及びその塩、水、グリセリン等からなる含水ゲル層を積
層し、加温熟成して架橋をおこなわせしめて、本発明の
化粧用ゲルシートを得る。
Description
関する。具体的には、顔や脚等に貼付して用いられる化
粧用の含水ゲルシートに関する。
として、従来から顔面等に貼付したパック剤等が知られ
ている。含水ゲルシート製品は一般的に、シート状をし
た支持体上に含水ゲル層が積層された構造をしている。
含水ゲル層には、一般的に、安全性が広く確認されてい
るポリアクリル酸などのカルボキシル基含有ポリマーが
用いられており、これらカルボキシル基含有ポリマーを
多価金属塩(例えば水酸化アルミニウムなど)で架橋し
たものが使用される。
プロピレンなどからなる不織布が繁用されている。これ
は含水ゲル層の一部が不織布に含浸することにより、支
持体との間の投錨性が向上し、剥離後の糊残りが少なく
なるためである。また、不織布を用いることにより貼付
感も柔らかなものとなる。
くはこれに近い色をしており、顔や手、腕などに貼付し
た場合には、貼付していることが第三者によって直ちに
認識される。この結果、外出する際にはパック剤を剥が
さなくてはならず、貼付できる時間や場所などに制約さ
れるという問題点があった。特に、美白効果や痩身効果
を目的として使用する場合には、長時間貼付することが
重要であり、しかも人の目に付きやすい手や腕、腿など
に貼付して使用されることが多い。このために、できる
だけ人の目に触れないようにすることが大切である。
ば、支持体として、例えばポリエチレンフィルムや塩化
ビニルフィルム等の透明なプラスチックフィルムを用い
ることが考えられるが、これらのプラスチックフィルム
であれば、含水ゲル層との投錨性が悪く、剥離時にいわ
ゆる糊残り現象、つまり剥離後の皮膚面にゲルが残って
しまうことがあり、その対策を施す必要がある。
みてなされたものであり、支持体との投錨性を低下させ
ることなく、貼付時に透明感を与えて目立たない化粧用
ゲルシートを提供することにある。
意努力した結果、特定の構造の支持体を用いることによ
り、貼付した際に透明感を引き出せることを見出し、本
発明を完成するに至った。
レーヨンからなる繊維層と透明なフィルムとを積層した
支持体の前記繊維層に、含水ゲル層を積層したことを特
徴としている。
うに、パルプ又はレーヨンからなる繊維層と透明なフィ
ルムとが積層された構造をしている。つまり、本発明の
化粧用ゲルシートにあっては、含水ゲル層が積層される
支持体面には、繊維層が形成されているため投錨力を向
上させることができる。
パルプ又はレーヨンを挙げることができる。これらの繊
維を用いることにより、含水ゲル層に含有される水分が
これらの繊維に浸透される。この結果、繊維によって散
乱される光が減少するものと考えられる。
ゲルシートそのものに透明性を持たせるものではなく、
あくまでも皮膚面に貼付した際、皮膚面に含水ゲルシー
トを貼付していることを分かりにくくするものであっ
て、必ずしも光透過性を高くするものではない。つま
り、上記したように繊維層により散乱される光が減少す
るだけでなく、含水ゲル層が皮膚面に貼着されることに
より、含水ゲル層の貼着面における散乱光も減少するた
めに透明性が引き出されるものと考えられる。従って、
本発明においては、パルプ又はレーヨン以外にも、吸水
性の繊維、例えば(キュプラ、アセテート)などを用い
ることによっても同様な効果を発揮することが考えられ
る。
より作製された紙又は不織布を用いることが好ましい。
パルプやレーヨンの繊維を用いた編布や織布を用いるこ
とも考えられるが、この場合には編布若しくは織布に用
いる繊維体とその周囲とのコントラストが大きく、繊維
体が目に付きやすくなり好ましくない。
みならず、両者を混合して用いることもできる。パルプ
若しくはレーヨンの単独層を用いた場合には強度的に弱
い場合があるため、本発明の効果に影響を及ぼさない範
囲で、強度を補強するためポリエステルなどからなる他
の合成繊維を混合しても差し支えない。他の合成繊維を
混合する場合、混合比率が高くなると上記目的を達成す
ることができなくなるため、一般には、パルプ若しくは
レーヨンの比率が、繊維層全体の70%以上あることが
必要である。
0〜60g/m2のもの、好ましくは10〜30g/m2
のものが好適である。上記したように、本発明にあって
は繊維層に水分が浸透されることが重要な要素となる。
特に、繊維層の厚さ方向に渡ってほぼ全体として水分が
浸透されることが望ましく、坪量が60g/m2を越え
ると、全体として水分が浸透されず、また浸透されたと
しても透明感が出ない恐れがある。一方、坪量が10g
/m2よりも小さい場合には十分な強度が得られず、ま
た、厚さが不均一となり投錨性も十分に得ることができ
なくなる。なお、このことは、含水ゲル層が繊維層の全
体に含浸していることを意味するものではなく、含水ゲ
ル層が一部のみ含浸している場合でもよく、単に水分が
繊維層全体(含水ゲル層が積層された平面領域の全体を
意味する。)に浸透すればよい。
ルムが積層される。上記したように、本発明にあっては
支持体層を構成する繊維層には水分が浸透されると共に
透明感を与えるために、繊維層としては比較的薄いもの
(坪量の少ないもの)が用いられる。このため、繊維層
のみであれば、十分に支持体としての機能を果たすこと
ができないのみならず、繊維層からの水分の蒸発量が多
くなりすぎ、さらに含水ゲル層からの裏抜けを生じるこ
とになる。係る観点から、当該フィルムが貼り合わせら
れたものである。
エチレンフィルムやポリエステルフィルム、塩化ビニル
フィルム、ポリウレタンフィルム等が用いられる。これ
らのフィルムには、柔軟性のあるものが好適に用いられ
る。特にポリウレタンフィルム、より具体的に言うと、
ポリエーテルポリアミド、ポリエーテルポリウレタン、
ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリエステ
ル、あるいはエチレン/酢酸ビニルコポリマーからなる
フィルムを用いることにより、伸縮性が向上される。こ
のため、ひじやひざ等の屈曲部位など伸縮性のある部位
に貼付する場合に好都合である。また、エチレン/酢酸
ビニルコポリマフィルムを用いる場合には、酢酸ビニル
含量を20%以上にすることが好ましい。
100μmのものが好適に用いられる。1μmよりも薄
い場合には、上記支持体としての機能を十分に発揮しえ
ず、100μmを越えると柔軟性に欠ける恐れがある。
記した繊維層とフィルムとを任意に組合せたものを用い
ることができるが、より具体的には、ポリエチレンフィ
ルム/パルプ(紙)、ポリエステルフィルム/レーヨン
不織布などの積層体が好適に用いられる。
以下、好ましくは500μm以下のものが好適に用いら
れる。これ以上の厚さになると、貼付後に含水ゲルシー
トが剥がれやすくなる。
支持体が得られるが、当該方法としては特に限定される
ものではなく、例えば、ドライラミネーションや各種押
出ラミネーションによる方法が挙げられる。
用いられるために、皮膚貼付時に冷却感を与えることが
望まれる場合がある。この場合、貼付された含水ゲルシ
ートの背面から水分の蒸発を促進させることが、冷却感
の持続を図る上で望ましい。ところで、上記支持体にあ
っては、支持体の外面にフィルム層が設けられているた
め、含水ゲル層からの水分の蒸発が妨げられる。このた
め、冷却感に持続性を与えることができない。そこで、
透明性のあるフィルムに、含水ゲル層が裏抜けしない程
度に、多数の穿孔を設けるのが好ましい。当該穿孔の大
きさとしても限定されるものではないが、概ね50〜1
000μm、好ましくは200〜500μm程度の穿孔
を、1〜100個/cm2、好ましくは5〜50個/c
m2程度の比率で設けるのが好ましい。
用いられるものであれば特に限定されるものではなく、
ポリアクリル酸やその塩、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドンなどの各種水溶性ポリマーを、多価金
属塩類で架橋したものが用いられる。特に、本発明にあ
っては、貼付時に透明感を与えることを目的としている
ため、含水ゲル層を薄膜状に形成させることが好まし
い。このためには、カルボキシビニルポリマーを含み、
多価金属塩で架橋されたものを用いるのが好ましい。
ニルポリマーは広義の意味で用いられ、ポリアクリル酸
やポリアクリル酸塩のように、カルボキシビニル基が重
合されたものを意味し、その一部若しくはその全てが中
和されたものを含み、さらにはその一部が架橋されたも
のをも含む概念である。また、商品名カーボポール、ハ
イビスワコー、ジュンロン等として市販されている、ア
クリル酸を主として、これに少量のアリルショ糖などを
配した共重合体であって、その一部が架橋された狭義の
カルボキシビニルポリマーをも含む概念である。
例えばポリアクリル酸及び/又はその塩を挙げることが
でき、このようなポリアクリル酸及び/又はポリアクリ
ル酸塩として、重量平均分子量が2万〜1000万、好
ましくは100万〜700万のものを用いることが望ま
しい。また、当該含水ゲル層中には、2〜30重量%、
好ましくは3〜10重量%程度の濃度となるように調整
することが望ましい。上記範囲の重量平均分子量のもの
を用い、濃度を上記範囲内に調整することによって、最
適な三次元骨格化ができる。
類を配合するのが好ましい。含水ゲル層に含有する多価
アルコール類としては、グリセリンやソルビトールの
他、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリ
コール類、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオールなどのジオール類を用いることができ、1種若
しくは2種以上を併用して用いることができる。これら
のうち、保湿力や使用前例などの点からグリセリンを用
いるのが好ましい。
クリル酸やポリアクリル酸塩等のカルボキシビニルポリ
マーの可塑剤として作用する以外に、水分を保持して保
湿効果も発揮するものである。その含有量は、含水ゲル
層中に5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%で
ある。また、多価アルコール類の含有量は通常、10〜
50重量%であるが特に限定されるものではない。
皮膚を湿潤して水和するために重要な成分であり、少な
くとも10重量%以上、好ましくは30〜70重量%の
範囲に調整することが望ましい。水の含有量が10重量
%に満たない場合には、皮膚の水和効果が充分でなくな
ることがあるからである。
リル酸塩などを架橋するために配合する外部架橋剤とし
ては、水酸化アルミニウムやカリミョウバン、硫酸アル
ミニウム、アルミニウムグリシネート、酢酸アルミニウ
ム、酸化アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、塩化
マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムな
どの多価金属塩、多価金属水酸化物、多価金属酸化物を
挙げられる。また、エポキシ化合物を用いることもでき
る。
によっても一概に言えないが、全体量に対して、通常
0.1〜5重量%に設定することが好ましい。架橋剤の
配合量が少なすぎると、架橋が充分に行なわれず、多価
アルコール類や水などの他の成分の保持性が悪くなると
共に、ゲル層自体の機械的強度が低下する。また、配合
量が多すぎると架橋が強すぎて得られるゲル層が硬くな
り柔軟性に劣るようになると共に、他の成分の保持性も
低下する傾向を示す。
外の各種水溶性ポリマーや、シリカ、酸化亜鉛、炭酸カ
ルシウム、ヒドロキシアパタイト、カーボンなどの各種
無機、有機の充填剤、香料、アロエ抽出物(液)、ハマ
メリス抽出物(液)、ヒアルロン酸などの各種植物、動
物等の抽出物(液)、l−メントールなどの清涼剤、酢
酸トコフェロール、BHTなどの酸化防止剤、パラオキ
シ安息香酸又はそのエステルなどの防バイ剤を配合する
ことができる。また、これら以外にも、保湿剤や各種紫
外線吸収剤など通常の化粧品類に配合することができる
添加剤を、有効成分であるか否かを問わず配合すること
ができる。
オイル成分や美肌成分等を配合することにより、肘や
膝、踝、踵などの部位の角化症、乾燥肌、肥厚性角質、
荒れ肌、ひび割れなどの症状の改善、あるいは美肌用な
どいわゆる長時間の貼付を必要とするスキンケア用の化
粧用シートに応用できるものである。
作製することができ、例えばセパレータ上に含水ゲル層
を製膜した後、上記支持体の繊維層面に転写して、その
後ロール状に巻回して、加温保存して架橋を完成させ
る。あるいは、上記支持体の繊維層面に含水ゲル層を製
膜して架橋を完成させることにしてもよい。このとき、
含水ゲル層は透明感を得るために薄膜状、つまり、含水
ゲル層の厚さとしては2mm以下、好ましくは1000
μm以下、さらに望ましくは200〜500μmの厚さ
に製膜するのが望ましい。
は、支持体の背面、すなわち、透明なフィルム面にシリ
コーンなどの剥離剤を塗布し、離型処理しておくことも
できる。
れ、出荷される。従って、この場合には、含水ゲル層の
露出面をゴミやほこり等から保護するため、露出面には
セパレータが貼り合わされる。当該セパレータとして
は、特に限定されるものでなく、ポリエチレンフィルム
やポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルムなど
が挙げられる。このようにセパレータを貼り合わせるこ
とにより、離型処理することなくロール状に巻き取るこ
とができる。もちろん、セパレータの含水ゲル層の積層
面に離型処理を施すことにすれば、より一層好ましいの
は言うまでもない。
際に透明感を与え、目立たなくするようにするものであ
って、その用途等は限定されるものではない。また、パ
ルプやレーヨンからなる繊維層は白色若しくはこれに近
い色であって、透明フィルムとしてはいわゆる無色のも
のを用いるのが、より透明感を与えることができる。し
かしながら、皮膚の色も様々であり、化粧用ゲルシート
の使用用途や配合成分によって区別したい場合もある。
このために、透明感を妨げない程度で、含水ゲル層や繊
維層あるいは透明フィルムに薄い着色を施すことにして
も全く差し支えないものである。
に詳細に説明するが、これらの実施例に限定されるもの
でないのはいうまでもない。
量部、架橋型ポリアクリル酸4重量部、パラオキシ安息
香酸エステル0.1重量部をグリセリン40部に懸濁さ
せた後、精製水50重量部と乾燥水酸化アルミニウム
0.3重量部を配合してゲル状組成物を得た。これを幅
30cmの片面にシリコーン処理したポリエステルフィ
ルムにゲル厚が約1mmになるように、バーコータを用
いて製膜した後、表1に示すような各種の支持体を貼り
合わせ、直ちにロール状に30m連続して巻き取った。
この後、アルミニウムシートで当該ロールを密封し、5
0℃で3日間エージングして実施例1〜3及び比較例1
〜2の化粧用ゲルシートを得た。なお、支持体はそれぞ
れ不織布面又はパルプ面を、含水ゲル層に貼着した。こ
れらの各種化粧用ゲルシートについて、裏抜けの有無及
び投錨性(剥離時の糊残り)並びに皮膚面に貼付した際
の透明性について調べたところ、表1に示すように実施
例のゲルシートにあっては、裏抜けもなく良好な投錨性
や透明性が得られた。
はレーヨンからなる繊維層と透明なフィルムとを積層し
た支持体の前記繊維層に、含水ゲル層を積層しているの
で、皮膚に貼付した場合には化粧用ゲルシートの透明感
が増し、一見見ただけでは皮膚に何も貼付していないか
のように感じさせることができる。
貼付したままで外出することができ、長時間の貼着を可
能にすることができる。特に、ニキビケアシートや美白
・美肌シート、シワ伸ばし用シートなどの美肌成分含有
のフェイスマスク等、長時間の貼付を必要とする各種の
化粧用ゲルシートとして好適に使用できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 パルプ又はレーヨンからなる繊維層と透
明なフィルムとを積層した支持体の前記繊維層に、含水
ゲル層を積層したことを特徴とする化粧用ゲルシート。 - 【請求項2】 前記繊維層は、紙又は不織布である請求
項1記載の化粧用ゲルシート。 - 【請求項3】 前記透明なフィルムは、穿孔されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載の化粧用ゲルシー
ト。 - 【請求項4】 前記透明なフィルムは、ポリウレタンフ
ィルムであることを特徴とする請求項1、2又は3記載
の化粧用ゲルシート。 - 【請求項5】 前記含水ゲル層は、カルボキシビニルポ
リマーを含み、多価金属塩で架橋されたことを特徴とす
る請求項1、2、3又は4記載の化粧用ゲルシート。
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