JP3913926B2 - 生体用粘着ゲルシートとその製造方法、それを用いた化粧品および医薬部外品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品、医薬部外品、化粧品、衛生材料、雑貨等の分野に用いられる生体用粘着ゲルシートに関し、より詳しくは、使い勝手、感触および柔軟性に優れ、皮膚に貼り付けても視覚的な違和感が生じることのない生体用粘着ゲルシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、美容、美顔および皮膚の治療等に用いられるパック料や貼付剤、または経皮吸収剤、生体用粘着テープ、創傷被覆剤、消炎鎮痛剤等の生体用粘着シートとしては、取り扱いの容易さや皮膚表面への閉塞効果等の観点から、不織布、織布、プラスチックフィルム等のシート状の素材を支持基材として、この支持基材上に、各種の有効成分を含有させた親水性の粘着ゲルを付着させたものが使用されている。しかしながら、前記不織布や織布等には、粘着ゲルの裏抜けを防ぐために、開口率がほとんどなく不透明なものが使用されるため、皮膚表面に貼り付けた際の視覚的な違和感が大きく、生体用粘着シートの使用に際しては時と場所とが大きく制限されるという問題があった。
【0003】
一方、支持基材としてプラスチックフィルムを用いると生体用粘着シート全体を透明にすることができるため、使用時に目立つことがなく、視覚的な違和感を与えることのない粘着シートを提供することができるが、親水性の粘着ゲルとプラスチックフィルムとの接着性が乏しく、双方が容易に剥離するため、その使用に際して不具合が生じる。さらに、プラスチックフィルムが柔軟性に欠けるため、生体用粘着シートが皮膚表面の動きに対して十分に追従できず、皮膚表面から剥離し易くなったり、使用時に皮膚に違和感を伴うという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記課題を解決するために、特開平3−86806号公報や特開平3−167117号公報には、ゼラチンを多価金属イオン化合物、アルデヒド類、多価アルコール類または糖類とを反応させて得られるゲルを支持基材として用い、ポリアクリル酸系ポリマーを多価金属イオン化合物と反応させて得られる含水ゲルを粘着層として用いたシート状パック剤または貼付剤が開示されている。
【0005】
上記公報に開示のパック剤等を用いれば、支持基材としてのゼラチンや、粘着層に用いられる含水ゲルの双方が透明ないしは半透明であることに起因して、皮膚表面に貼り付けた際に視覚的な違和感が生じることがない。また、支持基材と粘着層がともにゲルからなるため、使用時に双方が剥離するという不具合が生じず、さらに皮膚表面の動きに対する追従性が良好となるため、皮膚表面から剥離し易いといった従来の課題をも解決することができる。
【0006】
しかしながら、ゼラチンを主成分とするゲルは熱に対する安定性が乏しいという別の問題があるため、気温が高い状態で保存すると製品自身の形状が損なわれてしまい、例えば夏場に梱包して輸送する際には製品が劣化するという問題が顕著に生じる。
また、ゼラチンは天然物であるためにゲルが腐敗し易く、多量の防腐剤を配合してゲルの腐敗を防止したとしても、ゲルが人体に直接触れる用途には好ましくないものとなってしまう。さらに、ゼラチンは天然物である故に品質にばらつきがあるなど、品質安定性の観点からも問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記の課題を解決し、視覚的な違和感を生じさせない程度の透明性を有し、使用時に破壊や剥離が生じることがなく、皮膚の動きに対する追従性に優れ、かつ熱安定性や耐腐敗性に優れた生体用粘着シートを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、粘着性を有する合成高分子のゲル体をシート状に形成し、こうして得られたシートの一方の表面に非粘着処理剤を施す非粘着処理によって、両表面の粘着度合いに差異を設けたときは、上記課題を解決した生体用粘着シートを得ることができるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の生体用粘着ゲルシートは、溶媒として少なくとも水を含み、網目構造を有し、かつ、粘着性を有する単一の合成高分子ゲル体のシートからなり、
前記シートの一方側表面に対し、非粘着処理剤を施す非粘着処理が、
(a) 前記合成高分子ゲル体の硬化が終了した後に、
(b) 前記シートの厚みの調整後で、前記合成高分子ゲル体の粘度が1000cP以上に達した後、前記合成高分子ゲル体の硬化が終了する前に、または、
(c) 前記シートの厚みの調整とともに、前記合成高分子ゲル体の硬化が終了する前で、前記合成高分子ゲル体の粘度が10000〜2000000cPであるときに、
施されており、
前記非粘着処理後に、JIS Z 0237−1991「粘着テープ・粘着シート試験方法」に記載の傾斜式ボールタック装置(傾斜角20度)で測定された、前記シートにおける前記一方側表面と他方側表面とでのボールナンバーの差が、1以上であり、かつ、前記他方側表面でのボールナンバーが、2〜50であることを特徴とする。
上記本発明の生体用粘着ゲルシートによれば、
シート自体が少なくとも水を含む合成高分子ゲル体であるために、皮膚に貼り付けた場合でも視覚的な違和感を生じさせることがなく、
前記シートが粘着性を有する合成高分子ゲル体であることから、皮膚の動きに対して優れた追従性を得ることができ、
前記シートが単一の合成高分子ゲル体であることから、貼り付けたり剥がしたりする際に、あるいは前記シートの伸縮や摩擦を繰り返したりする際に(すなわち、使用時に)、シートが破壊して剥離が生じたりすることがなく、
前記シートの製造工程は、例えばプラスチック等のシートやフィルム、あるいはゼラチン等の天然のゲルからなる支持基材に前記ゲル体を積層する場合に比べて簡易であるため、製造コストを低減することができ、
前記シートが天然高分子系のゲル体ではなく、合成高分子系のゲル体で構成されるため、優れた熱安定性や耐腐敗性、すなわち優れた保存耐久性を得ることができ、さらに、
前記シートがその両表面の粘着度合いを異ならせているものであることから、例えば粘着面についてはその粘着性が皮膚に対して十分なものとなる程度に、非粘着面についてはその粘着性が粘着面よりも低くなるように設定することで、皮膚に貼り付けたり、剥がしたりする際の操作性を良好なものとすることができる。
【0011】
上記本発明の生体用粘着ゲルシートをつくる単一の合成高分子ゲル体は透明または半透明であり、このゲル体の一方の表面に非粘着処理剤を施すことによっても、この(半)透明性は保持される。従って、本発明の粘着ゲルシートの外観も透明または半透明であって、これを皮膚に貼り付けた際に視覚的な違和感が生じることがない。
【0012】
上記本発明の生体用粘着ゲルシートにおいて、合成高分子ゲル体を形成する合成高分子と非粘着処理剤とは、それぞれ少なくともアニオン性官能基を有する重合性不飽和単量体を重合した親水性合成高分子と、少なくとも多価カチオンを有する処理剤であるのが、本発明の生体用粘着ゲルシートを簡易にかつ安価に製造するといった観点から好ましい。上記アニオン性官能基は、とりわけカルボキシル基であるのが好ましく、上記多価カチオンは、とりわけ三価以上のイオンであるのが好ましい。
【0013】
上記本発明の生体用粘着ゲルシートには、その強度や取扱い性を向上させるといった観点から、粘着ゲルシートの透明性を損なうことのない範囲で、かつ使用時にシートが剥離、破壊することのない範囲で、開口率が十分に大きい織布または不織布を粘着ゲルシートに内在させてもよい。
一方、本発明の化粧品および医薬部外品は、上記本発明の生体用粘着ゲルシートから形成されたことを特徴とする。
【0014】
なお、本発明において「生体用粘着ゲルシート」および「生体用粘着シート」は、パック料、貼付剤、経皮吸収剤、生体用粘着テープ、創傷被覆剤、消炎鎮痛剤等の、美容、美顔および皮膚の治療等を目的として皮膚に貼り付けて使用される粘着シートをいう。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
〔合成高分子ゲル体〕
本発明の生体用粘着ゲルシートは、少なくとも水を含み、網目構造を有し、かつ粘着性を有する単一の合成高分子ゲル体で構成され、好ましくは無色、または着色された透明ないしは半透明であり、かつ保形性を有することを特徴とする。
【0016】
本発明において「単一の合成高分子ゲル体」とは、
・硬化が終了したゲル体同士を積層したり、
・一方のゲル体の硬化が終了した後で、他方のゲル体を、その硬化が始まらない状態もしくは硬化の進行が途中の段階にある状態で積層する
ことによって得られる従来の合成高分子ゲル積層体とは異なるものであって、
・シート状に形成された前記合成高分子ゲル体の一方の表面に、架橋度が高く、それに伴って粘着性が低下した部分があるものの、当該一方の表面における架橋度を上昇させる前(すなわち、前記のゲル体の製造直後)においては、均一な組成のゲル体からなる単一の層であったもの
を示す。
【0017】
(溶媒)
本発明の生体用粘着ゲルシートを構成する単一の合成高分子ゲル体に占める水の割合は1〜99重量%であるのが好ましい。ゲル体に占める水の割合が1%を下回ると、ゲル体中に配合される薬効成分等の各種添加剤等を容易に溶かすことができなくなるおそれがある。逆に、ゲル体に占める水の割合が99重量%を超えると、ゲル体の腰強度が弱くなったり、ゲル体中に封じ込めた溶媒や薬効成分等の添加剤を安定に保つことが困難となるおそれがある。ゲル体に占める水の割合は、上記範囲の中でも特に5〜95重量%であるのが好ましく、10〜85重量%であるのがより好ましい。
【0018】
上記合成高分子ゲル体を構成する溶媒としては、水のほか、水と相分離を起こさないものであり、従来、化粧品、医薬品、医薬部外品、衛生材料、雑貨等の分野で経皮用途として使用されている溶媒であれば、これを水と混合した上で使用することができる。かかる溶媒としては、例えばエチルアルコール等のモノアルコール類;1,3−ブチレングリコール等のグリコール類;グリセリン等の多価アルコール類等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0019】
合成高分子ゲル体に占める水以外の溶媒の割合は98重量%以下であるのが好ましい。かかる割合が98重量%を超えると、溶媒としての水の含有量が低下するため、ゲル体中に配合される各種の添加剤等を容易に溶解できなくなるおそれがある。さらに、ゲル体の腰強度が弱くなったり、ゲル体中に封じ込めた溶媒や薬効成分等の添加剤を安定に保つことが困難となるおそれがある。
【0020】
(ゲル体を構成する合成高分子)
前記合成高分子ゲル体を構成する合成高分子としては、水と親和性があり、網目構造を有し、少なくとも水を含んでゲル体を形成し、少なくとも60℃で1ヶ月保存した後においても前記ゲル構造が保持され、かつ前記ゲル体を形成したときに粘着性を有するものであって、従来、化粧品、医薬品、医薬部外品、衛生材料、雑貨等の分野で経皮用途として使用されているものであるほかは特に限定されず、種々の合成高分子を用いることができる。
【0021】
中でも、製造が容易であるとの観点から、
(a) 1種または2種以上の重合性不飽和単量体と架橋性不飽和単量体との共重合体、または
(b) 側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、1種または2種以上の重合性不飽和単量体を重合して得られる親水性合成高分子と、多価金属イオン化合物、多価カルボン酸、多価アルコール、多官能エポキシド類およびジアルデヒド類からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋性因子とを反応して得られる架橋構造体
が好適に用いられる。
【0022】
上記(b) の架橋構造体を形成する、側鎖にカルボキシル基を有する親水性合成高分子としては、ポリ(メタ)アクリル酸やそのカルボキシル基の一部または全部を水酸化ナトリウム等のアルカリで中和したもの等が挙げられる。側鎖にスルホン酸基を有する親水性合成高分子としては、ポリt−ブチルアクリルアミドスルホン酸やそのスルホン酸基の一部または全部を水酸化ナトリウム等のアルカリで中和したもの等が挙げられる。側鎖に水酸基を有する親水性合成高分子としては、酢酸ビニルモノマーを重合し、加水分解して得られるポリビニルアルコール等が挙げられる。側鎖にアミド基を有する親水性合成高分子としては、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリN,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリN−ビニルアセトアミド等が挙げられる。側鎖にアミノ基を有する親水性合成高分子としては、ポリアリルアミンやそのアミノ基の一部または全部を塩酸等の酸で中和したもの、ポリ塩化メタクリロイルトリメチルオキシエチルアンモニウム等が挙げられる。
【0023】
上記親水性合成高分子を構成する単量体は、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ基のほかに、これらを変性した官能基を有してもよい。例えば、皮膚への密着性の向上を目的として親水性合成高分子中における水酸基やカルボキシル基の40%程度をエステル化して親油化する処理を行なってもよい。また、側鎖に長い飽和炭化水素部分がある場合には、当該部分に親水性を付与することを目的として、さらにカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ基等を導入したり、酸やアルカリ等の試薬で処理してもよい。これらの処理は単量体の重合前に行ってもよいし、重合後に行ってもよい。
【0024】
また、上記(b) の架橋構造体を形成する架橋性因子としては、前述のように、多価金属イオン化合物、多価カルボン酸、多価アルコール、多官能エポキシド類およびジアルデヒド類が挙げられる。
このうち多価金属イオン化合物としては、例えばアルミニウム化合物、カルシウム化合物、マグネシウム化合物等が挙げられる。中でも、架橋効率の観点から、水酸化アルミニウムおよびその塩、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、マグネシウム−アルミニウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、マグネシウム−アルミニウムハイドロオキサイドカーボネートハイドレート、水酸化アルミニウム−炭酸ナトリウム共沈物等の、3価のアルミニウムイオンを含む化合物が好適であり、さらには非晶質構造であるものがより好適である。多価カルボン酸としては、例えばコハク酸、フマル酸、フタル酸、クエン酸、リンゴ酸等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジグリセリン等が挙げられる。多官能エポキシドとしては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられる。また、ジアルデヒド類としては、例えばグリオキサール、テレフタルアルデヒド、グルタルアルデヒド等が挙げられる。
【0025】
一方、上記(a) の共重合体を形成する重合性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸およびその塩;t−ブチルアクリルアミドスルホン酸およびその塩;N,N’−ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミドの誘導体;ビニルピロリドン等が、製造が容易であるなどの観点から好適に用いられる。前記重合性不飽和単量体は単独で、または2種以上を混合して用いられる。
【0026】
また、上記(a) の共重合体を形成する架橋性不飽和単量体としては、例えばN,N' −メチレンビスアクリルアミド、N,N' −メチレンビスメタクリルアミド、N,N' −エチレンビスアクリルアミド、N,N' −エチレンビスメタクリルアミド、1,2−ジアクリルアミドエチレングリコール等が挙げられる。
本発明の生体用粘着ゲルシートにおいて、単一の合成高分子ゲル体を構成する合成高分子の配合量は、当該合成高分子ゲル体の総量に対して1〜50重量%であるのが好ましい。合成高分子の配合量が1重量%を下回ると、ゲル体の腰強度が弱くなり、ゲル体中に封じ込めた溶媒、薬効成分等の添加剤を安定に保つことが困難になるおそれがある。逆に、50重量%を超えると、ゲル強度は強くなるものの、ゲル体の高分子構造が密になりすぎて、ゲル体中に保持できる溶媒や薬効成分等の量が少なくなりすぎるおそれがある。合成高分子の配合量は、上記範囲の中でも特に、3〜30重量%であるのが好ましく、5〜25重量%であるのがより好ましい。
【0027】
合成高分子ゲル体を形成する合成高分子として前記(a) の共重合体を用いる場合、架橋性不飽和単量体の配合量は、合成高分子ゲル体に対して0.005〜0.5重量%であるのが好ましい。配合量が0.005重量%を下回ると十分な腰強度を有するゲル体が得られにくくなり、ゲル体中に封じ込めた溶媒、薬効成分等の添加剤を安定に保つことが困難になるおそれがある。逆に、配合量が0.5重量%を超えると、得られるゲル体の脆さが増大し、引張応力や圧縮応力によって切断や破壊が生じやすくなるおそれがある。
【0028】
一方、合成高分子ゲル体を形成する合成高分子として前記(b) の架橋構造体を用いる場合において、架橋性因子が多価金属イオン化合物である場合は、当該多価金属イオン化合物の配合量は、合成高分子ゲル体に対して0.1〜10重量%であるのが好ましい。架橋性因子が多価カルボン酸または多価アルコールである場合は、当該多価カルボン酸または多価アルコールの配合量は、合成高分子ゲル体に対して0.1〜5重量%であるのが好ましい。また、架橋性因子が多官能エポキシド類またはジアルデヒド類である場合は、当該多官能エポキシド類またはジアルデヒド類の配合量は、合成高分子ゲル体に対して0.01〜3重量%であるのが好ましい。多価金属イオン化合物等の架橋性因子の配合量が前記範囲を下回ると、得られる合成高分子ゲル体の腰強度が弱くなり、ゲル体に封じ込めた溶媒や薬効成分等の添加剤を安定に保つことが困難になるおそれがある。逆に、配合量が前記範囲を超えると、ゲル体の脆さが増大し、引張応力や圧縮応力によって切断や破壊が生じやすくなるおそれがある。
【0029】
〔非粘着処理〕
本発明における非粘着処理としては、例えば合成高分子ゲル体の一方の表面に、当該ゲル体と反応してその架橋密度を上昇させることができる非粘着処理剤を施す方法等が挙げられる。
【0030】
これらの方法の中でも、特に合成高分子ゲル体の一方の表面に上記非粘着処理剤を施す(より具体的には、上記非粘着処理剤を塗布、噴霧する等の方法を採る)のが、作業の容易さや製造コスト等の観点から好ましい。
(非粘着処理剤)
本発明における非粘着処理剤としては、生体用粘着ゲルシートを形成する合成高分子ゲル体と反応し、当該合成高分子ゲル体の架橋密度を上昇させ得る架橋性因子を含むものが用いられる。すなわち、本発明に用いられる非粘着処理剤は、当該処理剤による処理を施した表面(以下、非粘着面という)の粘着性を、前記処理を施していない他方の表面(以下、粘着面という)に比べて低下させることができるものであって、従来、化粧品、医薬品、医薬部外品、衛生材料、雑貨等の分野で経皮用途として使用されているものであるほかは特に限定されない。
【0031】
本発明における非粘着処理剤は、当該非粘着処理剤に含有される架橋性因子が合成高分子ゲル体と反応して、当該ゲル体の架橋密度を上げることに特徴を有する。このため、上記ゲル体中には、非粘着処理剤が有する架橋性因子と架橋反応を起こし得る成分を必要とする。かかる成分は、それ自体が合成高分子ゲル体を形成する合成高分子であってもよいし、合成高分子ゲル体を形成する合成高分子とは別に、当該ゲル体中にその溶媒とともに包含された未架橋の合成高分子であってもよい。
【0032】
上記非粘着処理剤と合成高分子ゲル体との組み合わせは特に限定されるものではないが、製造が容易であるとの観点から、
(i) 非粘着処理剤が、多価カチオン、多価カルボン酸、多価アルコール、多官能エポキシド類およびジアルデヒド類からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋性因子を有するものであり、かつ、
(ii)ゲル体を構成する網目構造を有する合成高分子が、側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、1種または2種以上の重合性不飽和単量体を重合して得られる親水性合成高分子(すなわち、上記(i) の架橋性因子と架橋反応を起こし得る合成高分子)からなるものである組み合わせが好適である。
【0033】
上記(ii)における、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、1種または2種以上の重合性不飽和単量体を重合して得られる親水性合成高分子に網目構造を導入するには、
・上記重合性不飽和単量体を架橋性不飽和単量体とともに共重合する方法や、
・上記重合性不飽和単量体を重合して得られる親水性合成高分子と、多価金属イオン化合物、多価カルボン酸、多価アルコール、多官能エポキシド類およびジアルデヒド類からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋性因子と反応させて架橋構造体を形成する方法
等が挙げられる。
【0034】
上記(ii)記載の、側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基またはアミノ基を有する親水性合成高分子としては、前述の「ゲル体を構成する合成高分子」の欄に記載したものと同じものが挙げられる。
また、上記親水性合成高分子を構成する単量体は、「ゲル体を構成する合成高分子」の欄の記載と同様に、カルボキシル基等を変性した官能基を有してもよく、当該官能基を導入するための処理やその処理を行う時期等についても、「ゲル体を構成する合成高分子」の欄の記載と同様である。
【0035】
上記(ii)記載の、親水性合成高分子を形成する重合性不飽和単量体、および当該重合性不飽和単量体と共重合させ得る架橋性不飽和単量体についても、前述の「ゲル体を構成する合成高分子」の欄に記載したものと同じものが挙げられる。上記親水性合成高分子に網目構造を導入するために用いられる架橋性因子についても、前述の「ゲル体を構成する合成高分子」の欄に記載したものと同じものが挙げられる。
【0036】
親水性合成高分子に網目構造を導入する方法として、重合性不飽和単量体と架橋性不飽和単量体との共重合を用いる場合、架橋性不飽和単量体の配合量は、ゲル体に対して0.005〜0.5重量%であるのが好ましい。配合量が0.005重量%を下回ると十分な腰強度を有するゲル体が得られにくくなり、ゲル体中に封じ込めた溶媒、薬効成分等の添加剤を安定に保つことが困難になるおそれがある。逆に、配合量が0.5重量%を超えると、得られるゲル体の脆さが増大し、引張応力や圧縮応力によって切断や破壊が生じやすくなるおそれがある。
【0037】
一方、親水性合成高分子に網目構造を導入する方法として、親水性合成高分子と架橋性因子との架橋構造体を用いる場合において、前記架橋性因子が多価金属イオン化合物である場合には、当該多価金属イオン化合物の配合量は、ゲル体に対して0.1〜10重量%であるのが好ましい。前記架橋性因子が多価カルボン酸または多価アルコールである場合には、当該多価カルボン酸または多価アルコールの配合量は、ゲル体に対して0.1〜5重量%であるのが好ましい。また、架橋性因子が多官能エポキシド類またはジアルデヒド類である場合には、当該多官能エポキシド類またはジアルデヒド類の配合量は、ゲル体に対して0.01〜3重量%であるのが好ましい。多価金属イオン化合物等の架橋性因子の配合量が前記範囲を下回ると、得られる合成高分子ゲル体の腰強度が弱くなり、ゲル体に封じ込めた溶媒や薬効成分等の添加剤を安定に保つことが困難になるおそれがある。逆に、配合量が前記範囲を超えると、ゲル体の脆さが増大し、引張応力や圧縮応力によって切断や破壊が生じやすくなるおそれがある。
【0038】
上記非粘着処理剤として用いられる架橋性因子のうち、多価カルボン酸、多価アルコール、多官能エポキシドおよびジアルデヒド類としては、前述の「ゲル体を構成する合成高分子」の欄に例示したものと同じものを用いることができる。また、上記非粘着処理剤として用いられる架橋性因子のうちの多価カチオンとは、二価以上のカチオン全般を指し、その中でも、架橋反応効率の観点から、例えばAl3+,Fe3+,Ti3+,In3+,Zr4+,Ta5+等の三価以上のイオンが好適に用いられる。
【0039】
上記多価カチオンの形態は、例えば塩化アルミニウムのように水に可溶性の塩となるものであっても、例えば合成ケイ酸アルミニウムのように水に難溶性の塩となるものであってもよく、その製造方法に応じて最適なものを適宜選択すればよい。すなわち、非粘着処理に即効性を得ることを目的とする場合は、使用する非粘着処理剤あるいは合成高分子ゲル体に包含された溶媒との可溶性を有する塩を選択すればよく、逆に非粘着処理を、例えば1時間以上かけて行うことを目的とする場合は、使用する非粘着処理剤あるいは合成高分子ゲル体に包含された溶媒に対して難溶性の塩を選択すればよい。
【0040】
上記非粘着処理における上記親水性合成高分子と架橋性因子との組み合わせは、製造がさらに容易であるとの観点から、前述の中でも特に、少なくともアニオン性官能基を有する重合性不飽和単量体を重合して得られる親水性合成高分子と、少なくとも多価カチオンを有する架橋性因子との組み合わせが好適である。
上記アニオン性官能基とは、水中でカチオンと化学結合を有する能力のある官能基全般を指し、製造が容易であるとの観点から、−COOH,−COOX(X:対イオン)で示されるカルボキシル基が好ましい。
【0041】
本発明の生体用粘着ゲルシートを構成する合成高分子ゲル体の一方の表面に施される非粘着処理剤は、上記架橋性因子とともに溶媒を含んでいてもよく、かかる溶媒としては例えば水やエチルアルコール等のモノアルコール類、1,3−ブチレングリコール等のグリコール類、グリセリン等の多価アルコール類等が挙げられる。前述のように、上記架橋性因子はかかる溶媒に溶解していても、溶解せずにスラリーのようになっていてもよい。さらに、非粘着処理剤には必要に応じて各種添加剤を含んでいてもよい。
【0042】
本発明における非粘着処理において、合成高分子ゲル体の表面に施される非粘着処理剤の量は、架橋性因子の架橋当量で表した場合、前記ゲル体の表面1cm2 当たり1×10-10 〜1×10-2当量であるのが好ましい。処理量が1×10-10 当量/cm2 を下回ると非粘着面と粘着面との粘着の差が顕著に現れず、使用時の取り扱い性が悪くなる。一方、処理量が1×10-2当量/cm2 に達すると、もはや非粘着面への非粘着処理は十分に施され、それ以上有効に作用することはない。
【0043】
なお、ここでいう架橋性因子の架橋当量とは、架橋性因子の架橋点の量をモル数で表わしたものをいう。
本発明における非粘着処理において、非粘着処理剤は、合成高分子ゲル体の表面一面に均一な処理量で施してもよく、部分的に処理量が不均一になってもよい。従って、上記好ましい処理量の範囲内で、かかる表面を不均一に処理を施しても構わない。
【0044】
〔粘着面および非粘着面の粘着特性等〕
本発明の生体用粘着ゲルシートは、前述のように、合成高分子ゲル体の一方の表面に非粘着処理剤を施すことによって、前記粘着ゲルシートの一方の表面を粘着面とし、他方の表面を非粘着面としたものであって、両表面の粘着度合いが異なっていることを特徴とする。
【0045】
粘着面は粘着ゲルシートを皮膚に貼り付けるための表面であって、皮膚に貼り付けたときに容易に剥がれることがなく、十分に皮膚に密着し得る化学的性質(とりわけ、粘着性)をもったゲル表面である。
一方、非粘着面は、粘着ゲルシートを皮膚に貼り付けた際に皮膚表面の反対側に位置するゲル表面である。かかる非粘着面は、粘着ゲルシートを皮膚に貼り付ける際にその操作をスムーズに行うために、皮膚との粘着の度合いを粘着面よりも弱くし、あるいは皮膚への粘着性を除去したゲル表面である。
【0046】
本発明において、粘着の度合いとは、JIS Z 0237−1991「粘着テープ・粘着シート試験方法」に記載の傾斜式ボールタック装置(傾斜角は20度)で測定したものである。
なお、上記JISの規定によれば、ボールナンバーで示す粘着度合いが32より大きい領域(すなわち、粘着度合いが非常に大きい場合)については全て「ボールナンバー32」と表現されるため、かかる領域における粘着度合いを適正に評価することができない。そこで、本発明においては、粘着度合いが非常に大きい領域においても粘着度合いを適正に評価するため、JIS B 1501−1988に規定するボールの呼び(JIS Z 0237の付表1、第2欄)でいうところの「1」よりも呼び直径が大きいボールを使用することとした。この場合のボールナンバーは、ボールの呼び(同第2欄)が1以下のものを用いる場合と同様に、前記呼びの数の32倍とした。ボールナンバーが32を超える場合においても、粘着度合いの測定は前述の方法と同様にして行った。
【0047】
本発明の生体用粘着ゲルシートの操作性を向上させるには、すなわち粘着ゲルシートを皮膚に貼り付ける際の操作をスムーズに行えるようにするには、上記傾斜式ボールタック試験による粘着面と非粘着面との粘着度合いの差が、ボールナンバーで1以上、好ましくは3以上であるのが好ましい。
粘着面および非粘着面の各々の表面に求められる粘着特性は、粘着ゲルシートの使用目的、適用部位に応じて設定されるもので特に限定されるものではない。しかしながら、一般に粘着面のボールナンバーは、顔への適用を主な目的とする場合には2〜40であるのが好ましく、3〜30であるのがより好ましい。また、顔以外の身体各部への適用を目的とする場合には4〜50であるのが好ましく、5〜32であるのがより好ましい。粘着面のボールナンバーがこれらの範囲で示した上限値より大きい場合には、粘着ゲルシートを皮膚に貼り付けた後、これを取り除く際に痛みを感じたり、不快感を感じることがある。また、下限値を下回る場合には、粘着ゲルシートを皮膚に貼り付ける際に密着性に欠け、容易に剥がれるおそれがある。
【0048】
なお、粘着面のボールナンバーが2である場合は、非粘着面についてのボールタック試験の結果が2より小さくなり、前述のJISの規定では測定値が得られない。そこで本発明においては、前述のJISの規定にて、非粘着面の粘着度合いの測定値が出ないほど小さい場合を「粘着面と非粘着面のボールナンバーの差が1以上である」とした。
【0049】
本発明において、生体用粘着ゲルシートの粘着面における粘着度合いは、当該粘着ゲルシートを形成する単一の合成高分子ゲル体における粘着性に基づいているが、かかる粘着性を制御するには、例えば、合成高分子ゲル体の配合組成である重合性不飽和単量体の配合量や、重合開始剤の種類、配合量を調整することによって重合度を制御したり、あるいはゲル体の配合組成である架橋性不飽和単量体や架橋性因子の配合量を調整するなど、従来公知の手段に従えばよい。すなわち、重合度を下げたり、架橋性不飽和単量体または架橋性因子の配合量を少なめにすることで、得られるゲル体の粘着度合いを上げることができる。ゲル体の粘着度合いを下げるには上記と逆の操作を施せばよい。また、粘着付与剤を添加することでゲル体の粘着度合いを上げることもできる。
【0050】
一方、本発明の生体用粘着ゲルシートにおける非粘着面の粘着度合いについては、前述のように、前記粘着ゲルシートを形成する単一の合成高分子ゲル体と非粘着処理剤が反応し、ゲル体の表面においてその架橋密度を上げることで調整することができる。すなわち、架橋密度を上げることによって、かかる表面の粘着度合いを下げることができる。
【0051】
〔粘着ゲルシートの構成等〕
本発明の生体用粘着ゲルシートの厚みについては、その使用状況に応じて適宜設定すればよく、全体に均一であっても、部分的に厚さが異なっていてもよいが、皮膚に貼り付けたときの違和感や強度を考慮すると、0.1〜3mmの範囲であるのが好ましい。粘着ゲルシート全体の厚みが0.1mmを下回ると粘着ゲルシートの強度が弱くなるおそれがある。一方、3mmを超えると、シートの自重が大きくなりすぎて、皮膚に貼り付けたときに違和感が生じるおそれがある。なお、粘着ゲルシート全体が厚くないのであれば、部分的にシートの厚みを6mm程度にまで厚くすることが可能である。
【0052】
本発明の生体用粘着ゲルシートにおいては、粘着ゲルシートの透明性を損なわせることなく、粘着ゲルシートの引裂強度と取扱い性とを向上させることを目的として、ゲル体内部に開口率が十分に大きい織布または不織布を厚み方向に内在させることができる。
なお、本発明において、開口率が大きい織布または不織布とは、織布または不織布を通しても10ポイントの活字を判読することができる程度に広い開口率をもつ(透明性が維持された)ものをいう。
【0053】
〔添加剤〕
本発明の生体用粘着ゲルシートにおいて、当該粘着ゲルシートを構成する合成高分子ゲル体には、少なくとも水を含む合成高分子のほかに、前記粘着ゲルシートの使用目的に応じて(すなわち、化粧品や医薬部外品等への適用に応じて)、各種の添加剤を適宜配合することができる。
【0054】
また、本発明に用いられる非粘着処理剤には、前記合成高分子ゲル体と反応して当該ゲル体の架橋密度を上昇させる架橋性因子と、溶媒とのほかに、非粘着処理剤の使用形態等に応じて、各種の添加剤を適宜配合することができる。
かかる添加剤としては、例えば美容、美顔および皮膚の治療等を目的とする薬効成分のほか、保湿剤、増粘剤、香料、着色料、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、pH調整剤、キレート剤、界面活性剤、防腐剤、抗菌剤等が挙げられる。
【0055】
上記薬効成分としては、従来、医薬品、医薬部外品、化粧品、衛生材料、雑貨等で使用されているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0056】
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜等の生体高分子;アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、トリメチルグリシン等の保湿成分;スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質等の油性成分;ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤;ビタミンA,B2 ,B6 ,C,D,E,パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類;アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分;トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤;α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸等の細胞賦活剤;γ−オリザノール、ビタミンE誘導体等の血行促進剤;レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤;アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤;セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ヒドロコルチゾン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、鎮痛剤、精神安定剤、抗高血圧剤、抗生物質、抗ヒスタミン剤、抗菌性物質、植物由来成分、海藻由来成分等も挙げられる。
【0057】
薬効成分の配合量は、その素材により有効成分量が異なるため一概には規定できないが、一般に生体用粘着ゲルシートの総量に対して0.001〜80重量%であるのが好ましく、0.05〜10重量%であるのがより好ましい。
保湿剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、マルビトール、トレハロース、ラフィノース、キシリトール、マンニトール、ヒアルロン酸およびその塩、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン等のグリコール類、多価アルコール類および多糖類等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0058】
増粘剤としては、比較的少量で、配合液がある程度の粘度をもつものが好ましく、例えばポリエチレンオキサイド、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子が挙げられる。増粘剤の配合量は、合成高分子ゲル体を形成する配合液および/もしくは非粘着処理剤に対して0.01〜20重量%であるのが好ましく、0.05〜10重量%であるのがより好ましい。
【0059】
本発明の生体用粘着ゲルシートを構成する合成高分子ゲル体は、粘着ゲルシートの使用目的、用途に応じて、網目構造を有する合成高分子の種類や、水等の溶媒の種類、組成等を選択することができる。
例えば、生体用粘着ゲルシートを顔等に貼り付け、皮膚の引き締め効果を出すことを目的とする場合は、合成高分子ゲル体中の水の割合を、当該ゲル体の70重量%以上とし、ゲル体を構成する網目構造を有する合成高分子を(メタ)アクリル酸またはその塩等の、カルボキシル基を有する重合性不飽和単量体を主体とした合成高分子とすればよい。これにより、粘着ゲルシート内部に内在する水の蒸発を促進することができ、前記の目的を達成することができる。
【0060】
逆に、水の蒸発を好まない場合は、ゲル体中の水の割合を、20重量%以下とすればよい。
〔生体用粘着ゲルシートの製造方法〕
次に、本発明の生体用粘着ゲルシートの製造方法について説明する。
本発明の生体用粘着ゲルシートを形成する単一の合成高分子ゲル体は、前述のように、当該ゲル体を構成する合成高分子が、
(a) 1種または2種以上の重合性不飽和単量体と架橋性不飽和単量体との共重合体、または
(b) 側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、1種または2種以上の重合性不飽和単量体を重合して得られる親水性合成高分子と、多価金属イオン化合物、多価カルボン酸、多価アルコール、多官能エポキシド類およびジアルデヒド類からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋性因子とを反応して得られる架橋構造体
であることが好ましい。
【0061】
上記(a) の重合性不飽和単量体と架橋性不飽和単量体との共重合体を、ゲル体を構成する合成高分子として用いた場合における合成高分子ゲル体の製造方法としては、例えば当該ゲル体を構成する溶媒に重合性不飽和単量体、架橋性不飽和単量体および重合開始剤を加えて重合を行う方法が挙げられる。重合には加熱または光照射を施すか、あるいは重合開始剤の添加によって重合が始まる系を選択してもよい。
【0062】
一方、上記(b) の親水性合成高分子と架橋性因子とを反応させてできる架橋構造体を、ゲル体を構成する合成高分子として用いる場合における合成高分子ゲル体の製造方法としては、例えばあらかじめ前述の方法と同様にして重合した親水性合成高分子を溶解し、この溶液に架橋性因子を添加して架橋反応を行う方法が挙げられる。架橋反応は加熱によって開始してもよく、反応開始剤の添加によって開始してもよい。また、架橋性因子の添加により直ちに架橋反応が始まる系を選択してもよい。
【0063】
前記(a) の不飽和単量体を重合してゲル体を得る場合において、前述の単量体および溶媒等を配合した溶液を用いて熱重合する場合には、アゾビスシアノ吉草酸やアゾビスアミノプロパン二塩酸塩等のアゾ系重合開始剤、あるいは硫酸第一鉄、亜二チオン酸塩、ピロ亜硫酸塩等の還元剤と過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ペルオキソ二硫酸塩等の過酸化物とからなるレドックス系重合開始剤を添加して重合することができる。これらのアゾ系重合開始剤およびレドックス系重合開始剤は、必要に応じて単独または混合して使用してもよい。なお、レドックス系重合開始剤を用いる場合には、加熱をせずに添加するだけで重合が始まる系としてもよい。また、光重合する場合は、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、リン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、アゾ系等の光ラジカル重合開始剤、ジアゾニウム塩、ジアリルヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等の光カチオン重合開始剤等を添加して重合することができる。
【0064】
本発明の生体用粘着ゲルシートを形成する合成高分子ゲル体における厚みの調整は、かかるゲル体の硬化が終了する前のゲル形成用配合物に対して、例えば押出機やドクターブレード等を用いて展延したり、所定の厚みをもった容器に充填したりすることで行われる。
所定の厚みをもった容器に充填する後者の方法では、かかる容器の形状を使用時の生体用粘着ゲルシートの形状に合わせて形成しておけば、インライン製造プロセスが容易となり、製造工程上好ましいものとなる。さらに、長い帯状のゲル体を形成させこれから目的とする使用時の形状に打抜く方法に比べて、廃棄するゲルの発生量が抑えられること、またゲル体と打抜き刃の接触がないことから衛生的であること等の観点からも好適である。
【0065】
本発明の生体用粘着ゲルシートは、単一の合成高分子ゲル体における一方の表面に非粘着処理剤を施し、その粘着度合いを低下させるだけで、両表面の粘着度合いが異なり、かつ使い勝手、感触および柔軟性に優れ、皮膚に貼り付けても視覚的違和感が生じることもなく、さらに保存耐久性に優れた生体用粘着ゲルシートを得ることができることに特徴がある。
【0066】
単一の合成高分子ゲル体における一方の表面に非粘着処理剤を施す時期は、合成高分子ゲル体の硬化が終了した後であっても、当該ゲル体の硬化が終了する前であってもよい。なお、本発明において「ゲル体の硬化が終了する」とは、ゲル化前の配合物がゲル化反応を起こして保形性を有する状態になったことをいう。
【0067】
前述のように非粘着処理剤を施す処理においては、当該非粘着処理剤を硬化が終了したゲル体の一方の表面に、例えばコーター、印刷機、ハケ等を用いた塗工やスプレー等を用いた噴霧等の方法によって非粘着処理剤を施せばよい。非粘着処理剤を施す方法は、硬化が終了する前のゲル体の表面に処理を施す場合であっても、上記と同様にすればよいが、処理を行う際のゲル形成用配合物がある程度以上の粘度を有していることが望ましい。かかる粘度としては、厚み調整が済んでいる状態にあっては、1000センチポアズ(cP)以上が好ましい。非粘着処理剤を用いて処理する時のゲル形成用配合物の粘度が1000cPを下回ると、かかるゲル形成用配合物と非粘着処理剤が混ざり合って、処理を施していない他方の面まで非粘着処理剤による効果が作用し、その結果、製造される粘着ゲルシートの両表面の粘着度合いに差が生じなくなるおそれがある。
【0068】
ゲル体の硬化が終了する前に非粘着処理剤を施す場合であって、ゲル形成用配合物の厚み調整を行う前に非粘着処理剤を施すことによって、製造される粘着ゲルシートの両表面の粘着度合いに差を生じさせることもできる。この場合、非粘着処理剤を介在させることが可能なシート(以下、介在シートという)に非粘着処理剤を一面に介在させ、かかる介在シートを硬化終了前のゲル形成用配合物の上に乗せた上で、ドクターブレードやスキージー等を用いて硬化終了前のゲル形成用配合物の厚み調整を行う。その結果、介在シートが保持していた非粘着処理剤をかかるゲル形成用配合物に転写することができ、これをゲル体の硬化の終了まで静置することで、目的とする両表面の粘着度合いが異なった粘着ゲルシートを得ることができる。
【0069】
かかる製造方法のごとく、厚み調整を行う前に非粘着処理剤を施す場合には、ゲル形成用配合物の粘度は10000〜2000000cPであることが好ましい。粘度が10000cPを下回ると、ゲル形成用配合物と非粘着処理剤が混ざり合って、処理を施していない他方の面まで非粘着処理剤による効果が作用し、その結果、製造される粘着ゲルシートの両表面の粘着度合いに差が生じなくなるおそれがある。逆に、2000000cPを超えると、ゲル形成用配合物の厚み調整自身が困難となる。
【0070】
なお介在シートは、非粘着処理剤を一面に介在させることができるものであればどのようなものであってもよく、例えば、プラスチックシート、スポンジシート、紙、織布、不織布等を用いることができる。中でも、当該介在シートは生体用粘着ゲルシートの使用時までに剥がされるため、剥離が容易なプラスチックシート等であるのが好ましい。また、前記介在シートに非粘着処理剤を介在させやすくするために、非粘着処理剤中に増粘剤を加えることも可能である。
【0071】
本発明の生体用粘着ゲルシートは、実際に使用されるまでの間、少なくとも粘着面側にポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルムをそのままの状態で、またはそのプラスチックフィルムの表面にシリコーン樹脂等の離型剤を塗布もしくは焼付けした状態で離型紙として貼り付けておくのが、衛生上好ましい。また、粘着ゲルシートの乾燥を防いだり、衛生上の配慮から、さらに非粘着面側にも上記離型紙を貼り付けるのが好ましい。
【0072】
なお、貼り付けられた離型紙は、その柔軟性が乏しいため皮膚表面の動きに十分追従することができないことから、使用時に剥がす必要がある。非粘着面に離型紙を貼り付けたままで使用すると、使用中に離型紙が粘着ゲルシートから剥がれてしまい扱いにくくなる。上記離型紙は、粘着ゲルシートのゲル製造プロセスの際に下敷きや表面材として用いてもよいし、粘着ゲルシートの製造が終了した後で貼り付けてもよい。
【0073】
本発明の生体用粘着ゲルシートの形状としては特に制限はないが、楕円形、円形、ハート形、半円形、半楕円形、正方形、長方形、台形、三角形、適用部位に沿った形状、あるいはこれら組み合わせ等が挙げられ、使用部位により最も適切に貼り付けることができる形状を適宜設計すればよい。また、粘着ゲルシートの中心部や周辺部に位置合わせ等の目的で凸部や凹部を設けたり、使用部位の形状に応じて切り込みやくり抜き部分等を設けると、粘着ゲルシートの取り扱い性を向上させることができる。
【0074】
本発明の生体用粘着ゲルシートの適用部位としては、顔(唇、頬部、目元部、目の上下部、鼻部、額部)、腕部、脚部、胸部、腹部、背部、首部等が挙げられる。生体用粘着ゲルシートの形状、面積、厚み、粘着面の粘着特性等は、適用部位に応じて適宜調整すればよい。例えば、適用部位が顔全体である粘着ゲルシートを形成する場合には、図1に示すように、目、口の位置に相当する部分をくり抜き、鼻の位置に相当する部分に切り込みを入れた形状とし、さらに貼付け面積が大きいことから、粘着面の粘着力を上昇させるか、厚さを薄めにする等の調整を行うのが好ましい。
【0075】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。
〔生体用粘着ゲルシートの製造〕
実施例1
下記の製造方法により、生体用粘着ゲルシートを製造した。生体用粘着ゲルシートの製造に使用した合成高分子ゲル体形成用配合物(ゲル体形成用配合物)と非粘着処理剤との組成を表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
表1に示すゲル体形成用配合物のうち架橋性因子(合成ケイ酸アルミニウム)を除く成分を混合し、50℃で約30分間混練して均一にした。次いで、前記架橋性因子を加えて、さらに60℃で約10分間混練して均一にした。
こうして得られた高分子ゲル体形成用配合物を、ポリプロピレンシート(厚さ100μm)上にドクターブレードを用いて厚さ0.8mmに均一に展延し、室温で約2時間放置してゲル体の硬化を終了させることによって、シート状の合成高分子ゲル体を得た。
【0078】
上記シート状の合成高分子ゲル体上に、表1に示す非粘着処理剤〔すなわち、架橋性因子(硫酸カリウムアルミニウム)を溶媒(精製水)に溶解したもの〕を、ハケを用いて均一に塗布することにより、前記合成高分子ゲル体の一方の面に非粘着処理を施した。
前記非粘着処理剤の塗布量は、合成高分子ゲル体の表面1cm2 辺り3mg(すなわち架橋当量で、4×10-8当量/cm2 )となるように調節した。
【0079】
さらに、合成高分子ゲル体のうち、前記非粘着処理剤が施された側の表面に厚さ50μmのポリプロピレンシートを乗せて、図1に示す形状(フェイスマスク;長さx=180mm、幅y=220mm)に打ち抜き、目的とする最終製品を得た。
実施例2
下記の製造方法により、生体用粘着ゲルシートを製造した。生体用粘着ゲルシートの製造に使用した合成高分子ゲル体形成用配合物(ゲル体形成用配合物)と非粘着処理剤との組成を表2に示す。
【0080】
【表2】
【0081】
表2に示すゲル体形成用配合物のうち重合開始剤(4%過硫酸アンモニウム水溶液および2%ピロ亜硫酸カリウム水溶液)を除く成分を、精製水およびグリセリン(保湿剤)を溶媒として溶解混合した後、前記重合開始剤を加えてよく攪拌して、ゲル体形成用配合物を得た。
次いで、表面にシリコーン樹脂(離型剤)が焼付けされたポリエチレンテレフタレートシート(厚さ50μm)上に厚さ0.5mmのスペーサーを設置し、当該スペーサーで囲まれた範囲に前記ゲル形成用配合物を流し込んだ。
【0082】
さらに、当該配合物の表面を、表面にシリコーン樹脂(離型剤)が焼付けされたポリエチレンテレフタレートシート(厚さ100μm)で覆い、70℃で5分間加熱して重合を行うことにより、ゲル体の硬化を終了させて、シート状の合成高分子ゲル体を得た。
上記シート状の合成高分子ゲル体から前記ポリエチレンテレフタレートシートを剥がし、その表面に、表2に示す非粘着処理剤〔すなわち、架橋性因子(塩化アルミニウム六水和物)を溶媒(エチルアルコールおよび精製水)に溶解したもの〕を、ハケを用いて均一に、30mg/cm2 (すなわち、架橋当量で1×10-5当量/cm2 )の処理量で塗布した。
【0083】
さらに、上記合成高分子ゲル体のうち、前記非粘着処理剤が施された側の表面に厚さ50μmのポリプロピレンシートを乗せて、実施例1と同じ形状に打ち抜き、目的とする最終製品を得た。
実施例3
下記の製造方法により、生体用粘着ゲルシートを製造した。生体用粘着ゲルシートの製造に使用した合成高分子ゲル体形成用配合物(ゲル体形成用配合物)と非粘着処理剤との組成を表3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】
表3に示すゲル体形成用配合物のうち重合開始剤(チバガイギー社製、商品名「イルガキュア184」)を除く成分を、精製水およびグリセリン(保湿剤)を溶媒として溶解混合した後、前記重合開始剤を加えてよく攪拌して、ゲル体形成用配合物を得た。
次いで、表面にシリコーン樹脂(離型剤)が焼付けされたポリプロピレンシート(厚さ100μm)上に厚さ1.0mmのスペーサーを設置し、当該スペーサーで囲まれた範囲に前記ゲル形成用配合物を流し込んだ上で、15デニールのナイロン製チュールの織布を前記配合物中に浸漬させた。さらに、前記織布を含有するゲル形成用配合物の表面を、表面にシリコーン樹脂(離型剤)が焼付けされたポリエチレンテレフタレートシート(厚さ38μm)で覆い、強度50mW/cm2 の紫外線を60秒間照射して重合を行いゲル体の硬化を終了させて、シート状の合成高分子ゲル体を得た。
【0086】
上記シート状の合成高分子ゲル体から前記ポリエチレンテレフタレートシートを剥がし、その表面に、表3に示す非粘着処理剤を、ハケを用いて均一に、3mg/cm2 (すなわち、架橋当量で2×10-6当量/cm2 )の処理量で塗布した。
さらに、上記合成高分子ゲル体のうち、前記非粘着処理剤が施された側の表面に厚さ50μmのポリプロピレンシートを乗せて、実施例1と同じ形状に打ち抜き、目的とする最終製品を得た。
【0087】
なお、非粘着処理剤中の架橋性因子(塩化第二鉄)は、溶媒(精製水)には溶解せずスラリーの状態であったため、十分撹拌し、前記架橋性因子を溶媒に均一に分散させた状態で処理を行った。
実施例4
下記の製造方法により、生体用粘着ゲルシートを製造した。生体用粘着ゲルシートの製造に使用した合成高分子ゲル体形成用配合物(ゲル体形成用配合物)と非粘着処理剤との組成を表4に示す。
【0088】
【表4】
【0089】
表4に示すゲル形成用配合物のうち架橋性因子(合成ケイ酸アルミニウム)を除く成分を混合し、50℃で約30分間混練して均一にした。次いで、前記架橋性因子を加えて、さらに60℃で約10分間混練して均一にした。
こうして得られた高分子ゲル体形成用配合物を、図1に示す形状に成形されたポリプロピレン製容器(深さ1mm)に流し込み、ドクターブレードを用いて、容器内に隙間が生じないように均一に充填した。
【0090】
上記容器内に均一に充填されたゲル体形成用配合物の表面に、表4に示す非粘着処理剤〔すなわち、架橋性因子(硫酸カリウムアルミニウム)を溶媒(精製水)に溶解したもの〕を、スプレーを用いて均一に、3mg/cm2 (すなわち、架橋当量で4×10-7当量/cm2 )の処理量で噴霧した。
さらに、上記合成高分子ゲル体のうち、前記非粘着処理剤が施された側の表面に厚さ50μmのポリプロピレンシートを乗せて、図1に示す形状より一回り(2mm程度)大きな形状に打ち抜いた。引き続き、これを室温で約2時間放置することによって前記容器内のゲル体の硬化を終了させて、目的とする最終製品を得た。
【0091】
なお、非粘着処理剤で処理する直前のゲル形成用配合物の粘度は、約20000cPであった。
比較例1
下記の製造方法により、粘着度合いが大きいゲル層(以下、粘着層という)および粘着度合いが小さいゲル層(以下、支持体層という)からなる二層構造の生体用粘着ゲルシートを作製した。
【0092】
粘着層ゲルおよび支持体層ゲル形成用配合物の組成を表5に示す。
【0093】
【表5】
【0094】
表5に示す粘着層ゲル形成用配合物を、実施例1と同じ方法にて厚さ0.8mmに均一に展延した後、室温で約2時間放置してゲル体の硬化を終了させることによって、粘着層ゲルを形成した。
表5に示す支持体層ゲル形成用配合物のうち架橋性因子(硫酸カリウムアルミニウム)を除く成分を混合し、30℃に加温してゼラチンを溶解させた後、前記架橋性因子を加えて5分間混練した。こうして得られた支持体層ゲル形成用配合物を、ゲル体の硬化が終了した上記粘着層ゲルの表面に、ドクターブレードを用いて厚さ0.5mmに展延し、室温で約2時間放置することによってゲル体の硬化を終了させて、支持体層ゲルを形成した。
【0095】
さらに、この支持体層ゲル上に厚さ50μmのポリプロピレンシートを載せて、実施例1と同じ形状に打ち抜き、目的とする最終製品を得た。
比較例2
実施例1で使用したものと同じ組成の合成高分子ゲル体形成用配合物を、実施例1と同じ方法にて厚さ0.8mmに均一に展延した後、直ちにその表面に、支持基材として目付量100g/m2 のポリプロピレン製不織布を圧着させ、室温で約2時間放置することによってゲル体の硬化を終了させた。
【0096】
次いで、これを実施例1と同じ形状に打ち抜いて、最終製品である生体用粘着シートを得た。
比較例3
実施例1で使用したものと同じ組成の合成高分子ゲル体形成用配合物を、実施例1と同じ方法にて厚さ0.8mmに均一に展延した後、直ちにその表面に、支持基材としてのエチレン−酢酸ビニル共重合体シート(厚さ100μm)を圧着させ、室温で約2時間放置することによってゲル体の硬化を終了させた。
【0097】
次いで、これを実施例1と同じ形状に打ち抜いて、最終製品である生体用粘着シートを得た。
比較例4
実施例1で使用したものと同じ組成の合成高分子ゲル体形成用配合物を、実施例1と同じ方法にて厚さ0.8mmに均一に展延した後、室温で約2時間放置することによってゲル体の硬化を終了させた。
【0098】
こうして得られた合成高分子ゲル体の上面を、表面にシリコーン樹脂(離型剤)が焼付けされたポリエチレンテレフタレートシート(厚さ100μm)で覆い、実施例1と同じ形状に打ち抜いた。
次いで、上記合成高分子ゲル体の両面を覆うシートを剥がして、両表面が粘着面となる単一の合成高分子ゲル体からなる生体用粘着ゲルシートを得た。
【0099】
〔性能試験〕
上記実施例および比較例で得られた粘着ゲルシートもしくは粘着シートについて、その性能を評価するための種々の試験を行った。
(粘着性評価)
まず、各粘着ゲルシートもしくは粘着シートにおける両面の粘着性を、JISZ 0237−1991「粘着テープ・粘着シート試験方法 12.傾斜式ボールタック」に記載の方法に従って測定した。測定時の傾斜角は20度に設定した。但し、使用するボールについては、前述のようにJIS B 1501−1988に規定するボールの呼び(JIS Z 0237の付表1、第2欄)で1より大きいものも使用することにより、高粘着性のゲルシートにも対応させた。測定結果を表6に示す。
【0100】
【表6】
【0101】
(官能特性評価)
(1) 透明性
上記実施例および比較例で得られた粘着ゲルシートもしくは粘着シートをそれぞれ白色の紙面に載せて、紙面上に黒色インキで印字された10ポイント文字(明朝体)を読み取った。透明性は、紙面上の文字が判読できた場合を○とし、判読できなかった場合を×として評価した。
【0102】
(2) 操作性
粘着ゲルシートもしくは粘着シートの操作性は、粘着面が皮膚に接触するようにして顔に貼り付けた上で評価した。すなわち、粘着ゲルシートもしくは粘着シートを顔に貼り付けた際に指に全くまとわりつかず、容易に貼り付けすることができた場合を5、指にまとわりついて貼り付けが全くできなかった場合を0として、0から5の6段階で測定した。なお、実施例および比較例1において、非粘着面に貼り付けたプラスチックシートは、使用時に剥がしてから顔に貼り付けた。
【0103】
(3) 追従性
上記(2) の「操作性」の評価と同様にして貼り付けた粘着ゲルシートもしくは粘着シートが、顔の動きに伴わせて完全に追従して伸縮する場合を5とし、動きへの追従が全く見られない場合を0として、0から5の6段階で測定した。
(4) 密着性
上記(2) の「操作性」の評価と同様にして貼り付けた粘着ゲルシートもしくは粘着シートが、顔の局面に沿って密着する場合を5とし、粘着ゲルシートもしくは粘着シートの各部にシワができて、浮きが多数発生した場合を0として、0から5の6段階で測定した。
【0104】
(5) 剥離時の感触
上記(2) の「操作性」の評価と同様にして貼り付けた粘着ゲルシートもしくは粘着シートを顔から剥がす際において、肌に不快感を感じない場合を5とし、痛みや不快感を感じる場合を0として、0から5の6段階で測定した。
(6) 冷涼感
粘着ゲルシートもしくは粘着シートの貼り付け時に冷涼感を感じ、貼り付け中(約20分間)も十分に冷涼感が持続した場合を5とし、貼り付け時に冷涼感を感じない場合を0として、0から5の6段階で測定した。
【0105】
(7) 層間剥離
各粘着ゲルシートもしくは粘着シートを使用する際におよび使用後顔から剥がす際、また使用後顔から剥がした後各粘着ゲルシートもしくは粘着シートを右手もしくは左手の親指と人差し指で両表面を挟み20回擦った際に、積層した層間もしくはゲルシート自身の破壊が起こらない場合を○とし、剥離もしくは破壊が起こる場合を×とした。
【0106】
上記評価の結果は、専門パネラー10名による評価の平均をとった。上記(2) 〜(6) の評価において、評価結果(平均値)が4以上であれば、その項目について評価が良好であるとした。
各評価項目を表7に示す。
【0107】
【表7】
【0108】
表7の結果より、比較例2および比較例3の粘着シートは、支持基材として、既存のプラスチックシートや不織布を使用しているため、層間剥離や不透明あるいは皮膚の動きへの追従性等の点で重大な欠点を有することが判った。
また、比較例4で得られた単一の合成高分子からなる粘着ゲルシートは、両表面の粘着性が同じであるために操作性に重大な欠点を有することが判った。
【0109】
比較例1の二層構造ゲルシートでは、層間剥離の点で重大な欠点を有することが判った。すなわち、比較例1の結果を注意深く調べた結果、層間剥離は、使用後に顔から剥がした後、粘着ゲルシートを右手もしくは左手の親指と人差し指で両表面を挟みつつ20回擦った際に起きたものであることが判った。
これに対し、実施例1〜4の粘着ゲルシートでは、前述のように使用後に20回擦った場合であっても、層間剥離が生じなかった。また、他のいずれの評価項目についても良好な結果が得られた。
【0110】
なお、実施例3の粘着ゲルシートは、特に肌への密着感が極めて良好であるものの、粘着面の粘着性が高すぎるために顔から剥がす際の感触について評価がやや低かった。但し、実施例3における粘着性の程度は、顔以外の皮膚に適用する場合には問題とならない程度であった。
(熱安定性試験)
実施例1〜4および比較例1で得られた粘着ゲルシートを、両表面を覆うプラスチックシートを装着した状態でアルミ袋の中に入れ、シールを行い、1ヶ月経過後、アルミ袋から粘着ゲルシートを取り出し、図1に示す形状が保持されているか否か、および液ダレが起きているか否かを外観検査した。
【0111】
検査の結果、実施例1〜4の粘着ゲルシートは形状が保持され、液ダレも起きていなかった。このことから、実施例で得られた粘着ゲルシートは、熱安定性に優れると判断した。
これに対し、比較例1の粘着ゲルシートでは、支持体層にゼラチンゲルを用いたため、熱安定性が不十分であった。
【0112】
(腐敗試験)
実施例1〜4および比較例1で得られた粘着ゲルシートを、両表面を覆うプラスチックシートを剥がした状態で、前記両表面を1週間室外に暴露した後、温度38℃、湿度40〜80%で2週間、シャーレーの中で放置した。放置後、粘着ゲルシートに腐敗が生じているか否かを検査した。
【0113】
検査の結果、実施例1〜4の粘着ゲルシートには腐敗が生じていなかった。このことから、実施例で得られた粘着ゲルシートは、防腐性に優れると判断した。これに対し、比較例1の粘着ゲルシートでは、支持体層にゼラチンゲルを用いたため、防腐剤を添加しているにも関わらず腐敗が生じた。
【0114】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、単一の合成高分子ゲルシートにおける一方の表面に非粘着処理剤を施すという簡易な処理を施すだけで、粘着シート全体が透明で、操作性、密着感、皮膚の動きへの追従性等に優れ、さらに熱安定性や防腐性等の保存耐久性に優れた粘着ゲルシートを得ることができる。
【0115】
従って、本発明は、医薬品、医薬部外品、化粧品、衛生材料、雑貨等の分野において好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる生体用粘着ゲルシートの一実施形態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 生体用粘着ゲルシート
Claims (9)
- 溶媒として少なくとも水を含み、網目構造を有し、かつ、粘着性を有する単一の合成高分子ゲル体のシートからなり、
前記シートの一方側表面に対し、非粘着処理剤を施す非粘着処理が、
(a) 前記合成高分子ゲル体の硬化が終了した後に、
(b) 前記シートの厚みの調整後で、前記合成高分子ゲル体の粘度が1000cP以上に達した後、前記合成高分子ゲル体の硬化が終了する前に、または、
(c) 前記シートの厚みの調整とともに、前記合成高分子ゲル体の硬化が終了する前で、前記合成高分子ゲル体の粘度が10000〜2000000cPであるときに、
施されており、
前記非粘着処理後に、JIS Z 0237−1991「粘着テープ・粘着シート試験方法」に記載の傾斜式ボールタック装置(傾斜角20度)で測定された、前記シートにおける前記一方側表面と他方側表面とでのボールナンバーの差が、1以上であり、かつ、前記他方側表面でのボールナンバーが、2〜50であることを特徴とする、生体用粘着ゲルシート。 - 外観が透明または半透明である請求項1に記載の生体用粘着ゲルシート。
- 前記合成高分子ゲル体を構成する合成高分子が、少なくともアニオン性官能基を有する重合性不飽和単量体を重合した親水性合成高分子であり、かつ、前記非粘着処理剤が、少なくとも多価カチオンを有する化合物を含んでいることを特徴とする、請求項1または2に記載の生体用粘着ゲルシート。
- 前記アニオン性官能基が、カルボキシル基であることを特徴とする、請求項3に記載の生体用粘着ゲルシート。
- 前記多価カチオンが、三価以上のカチオンであることを特徴とする、請求項3に記載の生体用粘着ゲルシート。
- 開口率が十分に大きい織布または不織布を内在することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の生体用粘着ゲルシート。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の生体用粘着ゲルシートから形成されたことを特徴とする、化粧品。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の生体用粘着ゲルシートから形成されたことを特徴とする、医薬部外品。
- 溶媒として少なくとも水を含み、網目構造を有し、かつ、粘着性を有する単一の合成高分子ゲル体からなるシートの一方側表面に対し、
(A) 前記合成高分子ゲル体の硬化が終了した後に、
(B) 前記シートの厚みの調整後で、前記合成高分子ゲル体の粘度が1000cP以上に達した後、前記合成高分子ゲル体の硬化が終了する前に、または、
(C) 前記シートの厚みの調整とともに、前記合成高分子ゲル体の硬化が終了する前で、前記合成高分子ゲル体の粘度が10000〜2000000cPであるときに、
非粘着処理剤を施して、
JIS Z 0237−1991「粘着テープ・粘着シート試験方法」に記載の傾斜式ボールタック装置(傾斜角20度)で測定された、前記シートにおける前記一方側表面と他方側表面とでのボールナンバーの差を、1以上となるように調整し、かつ、前記他方側 表面でのボールナンバーを、2〜50となるように調整することを特徴とする、生体用粘着ゲルシートの製造方法。
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