JP5361372B2 - 身体貼付用シート剤 - Google Patents

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Description

本発明は、身体に貼付して使用する含水ゲルシート剤に関する。
化粧用や医療用の有効成分を皮膚へ浸透させる手段の1つとして、水溶性ポリマーからなる含水ゲルシートが用いられている。当該含水ゲルシートは、特に、素材由来の柔軟性や弾力性を必要とした身体の凹凸部や可動部位に適用されるため、接着性や使用性の向上について検討がされている。
例えば、2種類の水溶性ポリマーをゲル基剤に用いた、滲出物の放出性を有する含水ゲルシートが提案されている(特許文献1)。このゲルシートは、シネリシス(syneresis)により対象表面への粘着を促進するので粘着剤が不要である。また、静置状態でゲル内の液体を放出し、貼付時の皮膚に水分を供給し、潤い感を与えることができる。しかし、ゲル形成時に放出される液体層は増粘作用のある水溶性高分子を含まず、非常に粘性が低いため、液体層によりゲルシートが皮膚上で滑りやすくなり、長時間の貼付が難しい。さらに、寒天やグルコマンナンをベース基剤としたゲルシートは、塑性変形しやすく、使用時に爪などでキズが入ることでちぎれやすい。
また、ポリアクリル酸系の水溶性ポリマーをゲル基剤として用いた含水ゲルシートが提案されている(特許文献2)。このゲルシート剤は、ゼラチン基材のゲルシートに比べて気温変化の影響(変形)を受けにくく、伸張性が高く、ちぎれ難く、弾性変形しやすいという特徴を有し、クッション性により患部を物理的に保護できる点から、化粧料や医療用パップ剤などに数多く使用されている。さらに、皮膚に対する粘着性も良好である。しかし、ポリアクリル酸系の水溶性ポリマーは、吸水性、及び保水性の高い基剤であるため、含水ゲルシートに使用した場合は、皮膚に潤い感を与えるほど十分に水分を供与できないという問題があった。さらに、高い伸張性は、シートを薄くした際に自己保形性を低くする要因となり、織布や不織布などを支持体として積層し、ゲルの伸張性を抑制する手段が必要となる。しかしながら、支持体として用いる織布や不織布は、含水ゲル層に比べて伸展性や柔軟性が低く、含水ゲル層の柔軟性を制御する反面、凹凸のある皮膚や肘・膝などの可動する皮膚に対して、ゲルシート全体としての追従性を低下させるという問題がある。
さらに、特定の低親水性の多価アルコールを配合することにより、ポリアクリル酸系ゲルからの水の放出性や揮散性を促進させた含水ゲルシートが提案されている(特許文献3)。しかし、ゲル内から水が放出されることにより、貼付時にゲルシートの表面に増粘剤を含まない液状層ができてゲルシートが皮膚上で滑りやすくなり、粘着性が低下してしまう。
そこで、ゲルシートの粘着性を改善する一つの手段として、2層構成の含水ゲルシート剤が挙げられる。例えば、水蒸気が透過するプラスチックフィルムの片面に、含水ゲル層と親水性粘着層を順次積層した、2層構成の親水性貼付剤に関する技術が報告されている(特許文献4)。このゲルシート剤は、貼付面側に粘着性を付与する層をもうけた2層構成としているが、具体的な粘着層の形成法は示されておらず、また貼付部位の皮膚を積極的に保湿したり、剥離後の皮膚に潤い感を付与するといった思想もない。また、プラスチックフィルムの支持層は、含水ゲル層に比べると伸展性や柔軟性が低いため、含水ゲル層の柔軟性が制限され、凹凸のある皮膚や、肘・膝などの可動する皮膚に対して、親水性貼付剤の追従性が劣る。加えて、プラスティックフィルムと含水ゲル層は、物理的に絡み合っておらず、界面張力のみにより接着しているため、含水ゲル層に対するプラスチックフィルムの接着力が弱く、使用時にプラスチックフィルムと含水ゲル層間が剥離しやすい。また、親水性粘着層は、粘着基剤として、ポリビニルピロリドン、プルラン、ポリ(メタ)アクリル酸、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合物、ポリ(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル又は同系統共重合体、カルボキシメチル化デン粉等を用い、水分含有量が低いか、又は水分が含有されずに可塑剤の添加で接着性を示すように設計されているために、皮膚に水分を供給するのが難しい。さらに剥離後に粘着基剤が肌残りすることがあり、肌に残った粘着基剤は乾燥後に皮膚上で粉を吹いたような状態となる。
その他の含水ゲルシートとしては、使用直前に、美容成分を含有し乾燥させた可溶性フィルムと、含水ゲルシートを重ねあわせ、ゲルシートの液体が移動することで可溶性フィルムを溶解し、美容成分が溶出するパック用シートに関する技術が報告されている(特許文献5)。このパック用シートは、使用時に可溶性フィルムとゲルシートを重ね合わせ、可溶性フィルムを皮膚側に貼り付けて使用する。使用中に液体が移動して、可溶性フィルムが溶解することにより接着力が増し、皮膚に対して良好な密着性を示す。しかしながら、シートを剥離した後には、該水溶性高分子が多量に肌残りし、乾燥後に皮膚上で粉を吹いたような状態となってしまう。また、使用時に含水ゲルシートと可溶性フィルムを重ね合わせることによる液体の移動では、フィルムを溶解して粘着層を形成するまでに時間がかかり、ゲルシート、可溶性フィルム、皮膚の相互での接合力が十分でなく、皮膚の凹凸や可動に対する追従性や伸展性に劣ること、さらに可溶性フィルムと含水ゲルシートをずれなく重ねる必要があり利便性に欠ける、という問題もあった。
特表2003−518008号公報 特開昭60−60854号公報 特開平8−188527号公報 特開平3−227919号公報 特開2006−56804号公報
本発明の課題は、保存時の含水ゲル層への保湿層の保持性能が高く、また使用時においては十分な皮膚への粘着性と、皮膚の凹凸や可動に対する追従性や伸展性を有し、さらに、貼付後の皮膚に対して粘着基剤による粉吹きが殆どなく、潤い感を付与できる身体貼付用シート剤を提供することにある。
そこで本発明者は、支持体としてのゲル層と、有効成分や水を皮膚に供給するためのジェル層の2層構成のシート剤を開発すべく種々検討した結果、含水ゲル層としてアニオン性ポリマーの架橋構造体を採用し、該含水ゲル層を水溶性高分子を含む水溶性フィルム上に塗工することで2層構成のシート剤が得られ、得られたシート剤は貼付時には水溶性フィルムが溶解して形成された粘稠なジェル層の一部が皮膚上に転写されて、ジェル層内の水及び有効成分を皮膚に供給されるとともに、さらにジェル層による皮膚への粘着性が高く、皮膚の凹凸や可動に対して良好な追従性を有し、かつ剥離、乾燥後の粉吹きのような肌残りもないことを見出した。
すなわち、本発明は、アニオン性ポリマーの架橋構造体を含む含水ゲル層と、該含水ゲル層の少なくとも片面に積層され、貼付後剥離時にその一部が皮膚上に転写されるジェル層とを含有する身体貼付用シート剤であって、該ジェル層が、水溶性高分子を含むフィルム上に該含水ゲル層を塗工することにより、該フィルムが溶解して形成されるジェル層である身体貼付用シート剤を提供するものである。
本発明の身体貼付用シート剤は、貼付面に粘稠なジェル層を有するため、皮膚との接着性が良好である。また、ジェル層の水分量が多いため、貼付中にジェル層から皮膚へ水分が供給され、剥離後の皮膚に潤い感を付与できる。さらに、多量の水を保持している含水ゲル層がジェル層に積層されているので、ジェル層を介して皮膚への水分供給が持続する。
また、皮膚への水分供給によって角層が膨潤するとともに、含水ゲル層による閉塞効果により、ジェル層に含まれる薬効成分が、皮膚に浸透しやすくなる。
さらに、ゲルシートの剥離後には水分や薬効成分を含むジェル層が「美容液」として皮膚に残るため、そのジェル層を皮膚上で塗り伸ばすことによって、より多くの薬効成分を皮膚に供給できるとともに、ジェル層の水溶性高分子が局所的に残留し、粉吹きのような肌残りを防ぐことができる。
本発明の身体貼付用シート剤は、アニオン性ポリマーの架橋構造体を含む含水ゲル層(A)と、該含水ゲル層の少なくとも片面に積層され、貼付時にその一部が皮膚上に転写されるジェル層(B)との2層構造を有する。
含水ゲル層(A)は、アニオン性ポリマーの架橋構造体により含水ゲルを形成された層であり、シート剤の支持体となり得るものであり、かつジェル層への水分供給層と皮膚閉塞層としての機能も有するものである。当該アニオン性ポリマーの架橋構造体は、アニオン性ポリマー、架橋剤及び水により、該アニオン性ポリマーが架橋剤と化学的に反応して、含水ゲル層の基本骨格となる緻密な網目構造を形成している。アニオン性ポリマーが化学的に架橋してなる含水ゲル層は非水溶性であるが、網目構造中に多量の水を保持して膨潤しているため、適度な弾力性や伸展性、柔軟性を有する。さらに、化学的に架橋してなる含水ゲルは、寒天ゲル等に比べて熱可塑性が小さいために、幅広い使用温度に対して保形性が安定であり、身体貼付用シート剤の支持体として非常に有用である。
本発明のシート剤の含水ゲル層の厚みとしては、好ましくは0.5〜5mmであり、より好ましくは0.8〜2mmである。水分保持やゲル層塗工時に水溶性フィルムを溶解させるために、含水ゲルから水分が提供されることから、少なくとも0.5mm以上の厚みを有することが好ましく、一方、身体への貼付時に自重により剥れやすくなることから、5mm以下の厚みであることが好ましい。
また、含水ゲル層のゲル強度は、適度な弾力性や伸展性、柔軟性を有する支持体としての機能から、1〜18N/cm2であることが好ましく、さらに1.5〜10N/cm2、特に2〜8N/cm2であることが好ましい。ここでゲル強度は以下の方法で測定できる。
架橋反応終了前の含水ゲルを、直径60mmφ、深さ80mmのカップ容器内に充填し、そのまま架橋反応を終了させて、直径60mmφ×高さ60mmの円柱ゲルを調製する。デジタルフォースゲージに接続したプランジャー(直径12mmφ、フラットタイプ)を、カップ容器内の円柱ゲルの上面中央部に接触させ、プランジャーを300mm/minの一定速度で、ゲル内部に30mm押し込み、その応力F[N]をデジタルフォースゲージにより計測する。プランジャー端面の面積をS[cm2]とすると、ゲル強度はF/S[N/cm2]で算出される。
含水ゲル層の水は、温泉水や湧水などの天然水、水道水、精製水、イオン交換水等の各種水が使用できる。本発明において、身体貼付用シート剤は含水ゲル層(A)と後述のジェル層(B)との2層を積層して形成されているため、含水ゲル層の水はジェル層(B)との間を移動することになる。含水ゲル液を塗工する際に含まれる水の量としては、含水ゲルの総質量を基準として、50〜95質量%が好ましく、より好ましくは55〜90質量%である。この範囲であると、水、ゲル化剤、その他の成分の溶解や分散性が良好であり作業性、すなわち塗工に好適である。水の含有量が少なすぎると、アニオン性ポリマーやその他の配合基剤の分散、溶解性が不十分となり、製造時の作業性の低下や、形成された含水ゲル層の保形性の低下や不均一化などの不具合が生じる。また、その含有量が多すぎると、含水ゲルの保形性が低下し、使用時にゲルがちぎれる等の不具合が生じる。
アニオン性ポリマーとしては、例えば、カルボキシル基、硫酸基、およびリン酸基を有するポリマーが挙げられる。具体的にはポリ(メタ)アクリル酸類、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のアニオン性セルロース誘導体、カラゲナン、アルギン酸及びその塩類、アニオン性の澱粉誘導体などが挙げられる。特に、高い保水量と、十分なゲル強度及び皮膚の凹凸や動きに追従可能な柔軟性を、すべて満たすような含水ゲルを得るためには、ポリ(メタ)アクリル酸類、カルボキシメチルセルロース、カラゲナンの内、少なくとも1種以上を含むことが好ましい。さらに、積層時における含水ゲル層とジェル層の水分バランスがコントロールしやすく、ジェル層の水分量を高く維持できる、また工業的に比較的安価に入手しやすいという理由から、カルボキシメチルセルロースが、より好ましい。
該ポリマーの含有量は、含水ゲル中に0.5〜25質量%が好ましく、より好ましくは3〜10質量%である。(以下、含水ゲル中の質量%とは、塗工時における含水ゲルの総重量を基準として値をいう。)また、未架橋状態のゲルの粘度調整や、アニオン性ポリマーの網目構造に物理的に絡むことにより架橋ゲルの保形性を高めるために、後述する水溶性高分子を配合する場合には、アニオン性ポリマーの含有量は、含水ゲル中に0.5〜6質量%が好ましい。
架橋剤としては、金属イオン化合物やカチオン性ポリマー、多官能性エポキシ化合物を使用することができ、使用するアニオン性ポリマーの官能基との反応性により、適宜選択する。
金属イオン化合物としては、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウムなどを含む酸化物や水酸化物、塩類などが挙げられ、例えば、水酸化アルミニウム、カリミョウバン、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウムグリシネート、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、含水珪酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、塩化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、カオリン、合成ヒドロタルサイト、水酸化カリウムなどが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を配合して用いることができる。
カチオン性ポリマーとしては、ポリリジンなどのポリアミノ酸などを使用することが出来る。
また、多官能性エポキシ化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を配合して用いることができる。特に、アニオン性ポリマーとしてカルボキシメチルセルロースを選択する場合には、架橋剤としてメタケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等のアルミニウムイオン化合物が好ましい。
含水ゲル層の架橋剤の含有量としては、含水ゲル中に0.01〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜5質量%、特に好ましくは0.1〜2質量%である。
本発明の含水ゲル層には、水、アニオン性ポリマー、架橋剤に加えて、必要に応じて、架橋状態や保存安定性に悪影響を与えない範囲で、水溶性高分子、保湿剤、油剤、界面活性剤、pH調整剤、薬効成分、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、溶解剤、着色料、香料等を適宜配合できる。
水溶性高分子は、例えば未架橋状態のゲルの粘度調整や、アニオン性ポリマーの網目構造に物理的に絡むことにより架橋ゲルの保形性を高める、などの目的で適宜配合される。
使用する水溶性高分子としては、例えば、ゼラチン、寒天、ペクチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、トラガントガム、アラビアガム、グルコマンナン、グアーガム、HPグアーガム、チューベロース多糖体等の天然高分子あるいはその誘導体;PVA、PVP、ポリビニルピロリドン・ビニルアセテート共重合体等のポリビニル系化合物;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のノニオン性セルロース誘導体;可溶性澱粉、プルラン、デキストリン、ヒドロキシアルキル澱粉、酢酸デンプン等の澱粉分解物あるいは澱粉誘導体などが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。水溶性高分子化合物の含有量は、含水ゲル中に0〜5質量%が好ましい。
保湿剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、メチルグルコシド、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、トレハロース等の多価アルコール類、糖アルコール類、糖類や、アミノ酸及びその誘導体や、蛋白質及びその誘導体等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。これらの保湿剤は、含水ゲル層に配合することにより、ジェル層を介して皮膚への持続的な保湿剤の供給が可能になる。同時に、これらの保湿剤は保水性が高いので、含水ゲル層の極端な乾燥を抑制し、身体貼付シート剤が肌の凹凸などに追従するための柔軟性を維持することができる。保湿剤の含有量は、含水ゲル中1〜55質量%が好ましく、特に1〜40質量%、さらに1〜25質量%の範囲が好ましい。これらの保湿剤は、含水ゲルの調製時に、アニオン性ポリマーの分散剤としての機能を有するために、含水ゲル中に配合することが好ましい。この範囲であると、保湿性や分散剤として有用であるが、55質量%超になるとアニオン性ポリマーのイオン基の解離を抑制する方向に働き、ゲル架橋を抑制するため、含水ゲルシートの強度低下、保形性を低下させる。
油剤としては、ホホバ油、オリーブ油、アボガド油、ハッカ油、ツバキオイル、グレープシードオイル等の植物油;ミンク油、ラノリン等の動物油;流動パラフィン、スクワラン、スクワレン等の炭化水素類;ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール等の高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等のエステル油類;エチレングリコールジオクチルエーテル等のエーテル油類;ジメチルシリコーンオイル、アルコール変性シリコーン油、アルキル変性シリコーン油、アミノ変性シリコーン油等のシリコーン油類;パーフルオロポリエーテル等のフッ素油などが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
油剤の配合量は、含水ゲル層の架橋状態や保存安定性への影響、さらに使用目的に応じて、例えば、不足した油分を肌に供給し、皮膚からの過剰な水分蒸散を防止して保湿効果を高める、あるいは薬効成分の皮膚浸透性を高めるなどの油剤の持つ機能を発揮させるために使用する場合では、油剤の含有量は、含水ゲル液中0.01〜20質量%の範囲が好ましい。また、これらの油剤も、保湿剤と同様に、貼付面のジェル層に乳化物あるいは可溶化物として配合することによって、より皮膚への分配性を高めることが可能である。
界面活性剤は、油剤を乳化、あるいは可溶化して含水ゲル内に均一に分散させるために使用される。界面活性剤としては、化粧料用として汎用的に使用される、例えば、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤;ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン等の非イオン界面活性剤;ステアリルベタイン、ラウリルジメテルアミンオキサイド等の両性界面活性剤などが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
界面活性剤の含有量は、使用する油剤の種類や配合量により適宜設定されるが、含水ゲル液中0.01〜10質量%の範囲であることが好ましい。
pH調整剤としては、酒石酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸、グリコール酸、塩酸、シュウ酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、モノメタノールアミン、ジメタノールアミン、トリメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、クエン酸塩、リン酸塩、炭酸塩などが挙げられる。含水ゲル層のpHは4〜8の範囲に調整することが好ましく、pH調整剤の含有量は含水ゲル液中0.01〜10質量%の範囲が好ましい。
薬効成分としては、種々の美肌成分やその他の薬効成分などが挙げられる。
美肌成分とは、美白効果、小じわ・たるみの改善効果、ターンオーバー改善効果、スリミング効果、保湿効果、収斂効果、皮膚軟化効果等の作用が認められる成分である。これらの成分も、保湿剤と同様に、貼付面のジェル層に配合することによって、より皮膚への分配性を高めることが可能であるが、含水ゲル層にも配合することにより、ジェル層を介して皮膚へ持続的に供給できる。
美肌成分としては、化粧料に使用されている各種の美肌用活性物質がいずれも使用でき、例えば、セラミド類、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、及びその誘導体など)、ヒアルロン酸及びその塩、コンドロイチン硫酸及びその塩、チューベロース多糖体、アミノ酸及びその誘導体や蛋白分解物、ヒドロキシ酸等の有機酸類、ラクトフェリン等の糖蛋白質、ユビデカレノン(コエンザイムQ10)、αリポ酸(チオクト酸)、動植物抽出液、尿素などが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。美肌成分の含有量は、含水ゲル液中0.01〜20質量%の範囲が好ましい。
他の薬効成分とは、血行促進作用、消炎鎮痛作用、鎮痒作用等の作用が認められる成分である。薬効成分としては、例えば、ニコチン酸及びその誘導体、ビタミンEやその誘導体、サリチル酸及びその塩、グリチルリチン酸及びその塩、アラントイン、グアイアズレン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩化リゾチーム、カフェイン、カルニチン、などが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。これらの薬効成分の含有量は、含水ゲル液中0.01〜20質量%の範囲が好ましい。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩、デヒドロ酢酸塩、フェノール、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジンなどが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。防腐剤の含有量は、含水ゲル液中0.01〜5質量%の範囲が好ましい。
酸化防止剤としては、アスコルビン酸及びその塩、アスコルビン酸エステル、カロチン、アスタキサンチン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエンなどが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸及びそのエステル類、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、オキシベンゾン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、シノキサートなどが挙げられる。
溶解剤は難水溶性の薬効成分などを含水ゲル中に均一に分散させるために使用され、具体的には、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等の低級アルコールが挙げられる。
着色料については、使用感や肌の活性化感の向上につながるものである。着色料としては、赤色102号(ニューコクション)、赤色104号−(1)(フロキシンB)、赤色105号−(1)(ローズベンガル)、赤色106号(アッシドレッド)、赤色2号(アマランス)、赤色3号(エリスロシン)、黄色4号(タートラジン)、黄色5号(サンセットエローFCF)、緑色3号(ファストグリーンFCF)、青色1号(ブリリアントブルーFCF)、青色2号(インジゴカルミン)等の法定色素が挙げられる。
香料としては、特に限定されず、医薬品、医薬部外品、化粧品、衛生材料、雑貨等の分野で使用可能な香料の中から、適宜配合できる。
本発明のジェル層(B)は、十分な粘着性を発現するために、水溶性高分子が、水に溶解、或いは分散しており、ゲル化していない粘稠な液状であって、皮膚に転写される層である。皮膚への転写とは、本発明のシート剤のジェル層側を皮膚に貼付し、一定時間後にゲル層を皮膚から剥がす際に、ジェル層がシート剤のゲル層側から肌側に転写される、すなわちジェル層が十分に肌に残ることを意味する。ジェル層の粘度(25℃)は使用時の肌への粘着性、皮膚への転写性の点から、ジェル層(B)の20%水溶液を調製した時に、100〜1,000,000mPa・s、さらに300〜800,000mPa・s、特に500〜600,000mPa・sであるのが好ましい。粘度はB型粘度計で測定する。
本発明においては、含水ゲル層(A)とジェル層(B)とが積層された構造を有し、保湿層が皮膚へ転写するような粘稠な液状を呈する身体貼付用シート剤(ジェル状)が得られる。このようなシート剤の製造方法として、ジェル層(B)は、水溶性高分子を含む水溶性フィルム上に含水ゲル層(A)を塗工することにより、該水溶性フィルムが吸水溶解して形成される。該水溶性フィルムは、予めプラスチックライナー上に塗工形成されたフィルムを用いる。水溶性フィルムは、プラスティックライナーを支持体として有する形態で使用することにより、水溶性フィルムの厚さ調整が容易であるだけでなく、薄いフィルムでも作業性(ゲル層の塗工)が良好である。また、水溶性フィルムの溶解によりジェル層を形成するために、水溶性フィルムは、エンボス状の凹凸を有するプラスチックライナーの凹部のみに水溶性高分子が存在するように加工した、非連続の水溶性のものであってもよい。
本発明の水溶性フィルムは、プラスチックライナー上に柔軟性を有する皮膜を形成しており、一方、その上に含水ゲル層を塗工した後には、溶解してジェル層を形成するものである。従って、該水溶性フィルムは、皮膜形成能を有する水溶性高分子で構成されることが好ましい。当該水溶性高分子は、皮膜形成能に加えて、水分保持性および増粘性を有することが好ましい。また、本発明の該水溶性フィルムは、前記水溶性高分子に加えて、分子量5000未満の水溶性粉体、可塑剤、及び水を含んで構成されるのが好ましい。
ジェル層(B)に使用する水溶性高分子としては、吸水溶解してジェル層を形成する点から、平均分子量が5000〜500万の水溶性高分子であることが好ましい。水溶性フィルムに使用できる水溶性高分子は、前述の水溶性高分子と重複していても良いが、含水ゲル層と化学反応して架橋体を形成しないものであるのが好ましい。特に、高保水力の水溶性高分子であることが好ましく、具体的には、ペクチン、キサンタンガム、ジェランガム、アラビアガム、アルギン酸、アルギン酸塩、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸Na等の、分子構造内にウロン酸を含む多糖類及びその誘導体;ヒドロキシプロピル基、リン酸基、及びアミノ基等を含む澱粉分解物あるいは澱粉誘導体が挙げられる。これら高保水力の水溶性高分子を使用することにより、含水ゲル層(A)に積層されたジェル層(B)にも水分を保持することができ、皮膚に転写されたジェル層が、乾燥後に粉吹きのように肌残りするのを、抑制することができる。
本発明においては、水溶性高分子として、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸分解物、ヒアルロン酸誘導体及びそれらの塩から選ばれる1種以上のヒアルロン酸類を含むことが好ましい。これらヒアルロン酸類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸及びヒアルロン酸ナトリウムの加熱及び酵素分解物、アセチル化ヒアルロン酸等が挙げられる。用いるヒアルロン酸類の平均分子量は、ヒアルロン酸の供給源により、例えば、鶏のトサカでは500万〜700万、乳酸菌等微生物発酵法により精製されたものでは100万〜300万である。ヒアルロン酸の分解物や、アセチル化ヒアルロン酸などを使用するのが好ましく、またこれらとヒアルロン酸又はヒアルロン酸ナトリウムを併用することが好ましい。ヒアルロン酸の分解物の平均分子量としては好ましくは5,000〜150万、より好ましくは5,000〜100万、特に好ましくは6万〜100万さらに好ましくは10万〜100万である。これらのヒアルロン酸類は、含水ゲル層上で保湿層中の水分を安定に保持して粘稠な液状(ジェル状)を形成し、貼付時の密着性を向上させ、シート剤剥離時にジェル状物が皮膚へ転写し、粉吹きやべとつきなく十分な保湿を付与する点から、ジェル層(B)中に1.5〜5重量%、さらに1.5〜4重量%、特に1.8〜3重量%含有するのが好ましい。
また、得られた水溶性フィルム中のヒアルロン酸類量は、1〜10質量%、特に1〜6質量%であることが好ましい。水溶性フィルム上に含水ゲル原液を塗工する場合、各層の暑さが違うためにジェル層を形成する水溶性フィルムが保持する水量に対して含水ゲル原液から供給される水分量が多い。そのため、このような水溶性フィルムを用いることにより、前記ヒアルロン酸類濃度のジェル層を形成することができる。
さらに、水溶性フィルムに使用できるヒアルロン酸類以外の水溶性高分子の分子量は、平均分子量が5000〜500万であり、水溶性フィルムの形成やジェル層の保持等のために、その含有量は乾燥した水溶性フィルム中に0.1〜65質量%が好ましく、特に1〜60質量%であることが好ましい。これらの水溶性高分子は、含水ゲル液を塗工した後にゲル架橋時および架橋後にその一部が含水ゲル側に移行するため、シート剤の貼付後の肌への粉吹きをより低減させるには、平均分子量5000〜6万未満が好ましい。
通常、水溶性フィルム(水溶性の可食フィルム)は、塗工したプラスチックライナーから剥離しても、フィルム単体で十分な保形性を維持するために、賦形剤として分子量の大きな水溶性高分子を多量に配合している。本発明の水溶性フィルムは、シート剤中ではゲル層が支持体として積層している形態であるため、プラスチックライナーを支持体とした状態、すなわちシート剤の製造段階(プラスチックライナーが付与された状態)で安定な保形性が維持できていることが好ましい。そのため、本発明の水溶性フィルムは、さらにフィルムの賦形剤として、それ自身では皮膜形成能が殆どない低分子量の水溶性粉体を含むことが好ましい。低分子量の水溶性粉体は、架橋した含水ゲル層を膨潤させている水にも相溶して、含水ゲル層に溶け込みやすいため、ジェル層が皮膚に転写された際にも、いわゆる“粉吹き状態”になりにくく、さらに、水への溶解速度が早いために、低分子量の水溶性粉体を配合すると、水溶性フィルムがすみやかに含水ゲル層から効率よく水を吸収して含水量の多いジェル層を形成しやすくなる。
従って、本発明の水溶性フィルムを調製するには、低分子量の水溶性粉体を混合して、使用することが好ましい。本発明において、低分子量の水溶性粉体は、平均分子量が5000未満の水溶性粉体のことをいう。
このような水溶性粉体としては、前記水溶性高分子を酸や酵素等を用いて分解し、平均分子量を5000未満に低分子化したものや、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、トレハロース等の糖アルコール類、糖類やアミノ酸及びその誘導体等が挙げられる。
水溶性フィルム中の皮膜形成能を有する水溶性高分子と低分子量の水溶性粉体の重量比(水溶性高分子:水溶性粉体)は、1:0.5〜1:10が好ましい。また、水溶性フィルム中の総量としては、40〜80質量%が好ましく、特に50〜80質量%が好ましい。
本発明の水溶性フィルムには、さらに乾燥時の水溶性フィルムに柔軟性を付与するために可塑剤を使用することが好ましい。本発明では、可塑剤は、水溶性フィルムが溶解してジェル層を形成する際に、含水ゲル層の水をすばやく吸収するための「吸水剤」としての機能や、皮膚に対する「保湿剤」としての機能も併せ持つものである。吸水剤としての機能を有する成分として、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンが挙げられる。また、皮膚に対する保湿剤としての機能を有する成分として、含水ゲル層に吸収されにくく、転写されるジェル層を介して皮膚上に移行しやすい成分として、例えばジグリセリン又はポリグリセリンのアルキレンオキサイド、アルキルグルコース誘導体が挙げられ、具体的には、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシドが挙げられる。水溶性フィルム中における可塑剤の配合量は、乾燥時の水溶性フィルムの柔軟性維持とベタツキ抑制の観点から、1〜35質量%が好ましい。
また、含水ゲル塗工前の水溶性フィルムには、15質量%以下の水を含んでいることが好ましく、特に1〜15質量%が好ましく、さらに5〜15質量%が好ましい。さらに、ジェル層(B)には、貼付時の密着性が高くなり、保湿層の転写性がよく、また角層を膨潤させて潤いを付与して有効成分の皮膚への浸透性が向上する点から、水が50〜95重量%、さらに55〜90重量%、特に60〜80重量%含まれるのが好ましい。
本発明で用いる水溶性フィルムには、賦形剤、可塑剤、水に加えて、必要に応じて、含水ゲル層の架橋状態や保存安定性に悪影響を与えない範囲で、前記含水ゲル層(A)の構成成分と同じ、保湿剤、薬効成分、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、油剤、界面活性剤、溶解剤、着色料、香料等を適宜配合できる。特に、皮膚を良好に保つ保湿剤や、効果剤を、水溶性フィルムに優先的に配合することにより、これらの皮膚への浸透効率を高められる。
水溶性フィルムの厚みとしては、10〜400μm、好ましくは20〜100μmの範囲で形成させることが、シートを安定的に形成させ、また乾燥する上でも好ましく、特に含水ゲルを塗工して再度ジェル層を形成させる点から20〜70μmが好ましい。
水溶性フィルムを調製する際に使用するプラスティックライナーとしては、通常用いられるPET、PPなどのシート材の他、PE、ナイロンなどの単層、多層フィルムを用いることも出来る。さらに、ライナーの表面形状についても特に制限されず、フラットライナーやエンボスライナーなどが使用できる。ライナーの厚さは、加工性に適したものであればよく、10〜400μmの範囲であることが好ましい。
特に、水溶性フィルムを積層する面に、コロナ放電などによる親水性処理が実施されていることが好ましい。
水溶性フィルムの製造法は、上記の水溶性高分子、水溶性粉体、可塑剤、その他の成分を含む水溶液を予め調製し、好ましくはコロナ放電処理を施した親水性表面を有するプラスチックライナー上に塗工後、乾燥することにより、厚さ一定の乾燥した水溶性フィルムを形成する。この様な水溶性フィルムの調製は、可食フィルムの製造設備や技術等を、そのまま応用して調製することが出来る。
本発明のシート剤は、プラスチックライナーに積層した水溶性フィルム面に、別途調製したゲル層(A)を形成する成分を混合した含水ゲル原液を、塗工することにより製造する。可溶性の水溶性フィルムは、塗工された含水ゲル原液中の水分を吸収して溶解し、粘稠なジェルに変化する。本発明では、水溶性フィルムがプラスチックライナーに積層されているため、プラスチックライナーはゲル塗工工程での支持体の役割を満たすので、含水ゲル液の塗工工程が簡便となる。
また、シート剤は、架橋前の含水ゲル液を別途準備したライナーに直接塗工した後、その上に調製した水溶性フィルム面を重ねてもよい。また、含水ゲル液を水溶性フィルムとプラスティックフィルムで同時にサンドイッチするように押し出しを行なっても良い。
また、水溶性フィルムは、含水ゲル層の片面だけでなく、両面にも使用することが可能である。この場合には、その水溶性フィルムの溶解性や組成を変えることにより、水溶性フィルムが溶解して形成されるジェル層の感触や、含水ゲル層の水分維持などを変化させることが出来る。勿論、上記プラスティックフィルム以外の基材を用いることも可能である。
水溶性フィルム上へ塗工する含水ゲル層は、架橋反応終了前の含水ゲルの原液を用いるのが好ましく、該フィルム上への塗工後に架橋反応が終了するようにするのが好ましい。
さらに、ジェル層を有する含水ゲルを、室温あるいは加温(例えば50℃)で数時間から数日間熟成することにより、ゲル層の架橋反応を完了させ、最終的に2層構成の身体貼付用シート剤とすることができる。
ジェル層は水溶性高分子を含み、含水ゲルと同様に流動性が低いため、未架橋の含水ゲル層とジェル層は完全に均一に相溶することはなく、架橋後の含水ゲル層の表面にもジェル層が残留する。
また、架橋反応が完了した後には、通常型抜きをして、目的とする最終形状(フェイスマスクや部分シート)に成型することができる。また、含水ゲル層が架橋を完了する前に、塗工−型押し−型抜きを行い、最終形状とした後に熟成処理を行ってもよい。
さらに、本発明のシート剤は、最終形態のシート剤を包装容器(ピロー)に入れるか、必要に応じて、目的の形状に切り出した後に、トレイ容器などに入れてもよい。この際、片面もしくは両面のフィルムを剥いだ後にトレイ容器に入れ、商品形態とすることもできる。
また、本発明の身体貼付用シートに二酸化炭素等の気体を添加する場合には、シートを包装容器(ピロー)内に入れ、次いで包装容器(ピロー)内の空気を二酸化炭素に交換する方法により製造できる。包装容器(ピロー)内における二酸化炭素の充填量は、シート中のゲルの容積に対し0.5〜5倍量、好ましくは1.0〜3.0倍量充填されていることにより、十分な血行促進効果を得るだけの二酸化炭素を、ジェル層及びゲル層中に十分に溶解させることができる。なお、二酸化炭素をジェル層及びゲル層に溶存させるには、なるべくガス透過性の高いポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスティックフィルムを少なくとも片面に使用することが好ましい。
得られた本発明のシート剤は、含水ゲル層とジェル層を有し、ジェル層が貼付面である。貼付面に形成されたジェル層の薬効成分の濃度を含水ゲル層よりも高めることが可能となり、従来の単層ゲルシート剤のように含水ゲル層全体に薬効成分を配合するよりも、肌への分配効率を高め、より効率よく浸透させることができる。さらに、含水ゲル層全体に薬効成分を配合するよりも、少量で同じ効果を発現できるというコストメリットがある。
また、含水ゲル層とジェル層に異なる薬効成分を配合するということも可能であり、特に、含水ゲル層の架橋状態や保存安定性に悪影響を与える可能性がある剤(例えば、油剤や乳化剤など)を、ジェル層の処方中にのみ配合することで、ゲル層の基本物性や保存安定性の維持と、薬効成分配合との両立が可能になる。
また、含水ゲル層(A)の表面には水分蒸散を防止するためプラスチックライナーを積層することも可能である。
得られた本発明シート剤は、必要によりプラスチックライナーを剥離して、ジェル層を貼付面として身体(顔など)に貼付して使用することができる。ジェル層は、粘稠性のある液体であるため、剥離後にその一部が皮膚上に転写される。従って、本発明のシート剤は、皮膚に対する粘着性が良好である。また、貼付後は、一定時間保持してもよいし、含水ゲル層を剥離した後皮膚上に残存したジェル層を塗擦することにより、ジェル層内の薬効成分を皮膚に浸透させることもできる。
実施例1〜10
(1)水溶性フィルムの調製
表1に示すF−1〜F−5の原液を調製し、原液を40〜60℃に保持してアプリケーターを使用してPETフィルム上に塗工後、80℃の熱風乾燥を行ない、水溶性フィルムを得た。フィルムの厚さは20〜40μmであった。
さらに、表1に示すF−6、F−7の原液を調製し、原液を80℃以上に昇温して加熱溶解した後、原液を50℃に保持してアプリケーターを使用してPETフィルム上に塗工後、80℃の熱風乾燥を行ない水溶性フィルムを得た。フィルムの厚さは30〜40μmであった。
得られた水溶性フィルムF−1〜F−7について、水溶性フィルムの厚さおよびフィルム中の水分量、ヒアルロン酸量を表2に示す。この水分量は、105℃2時間の重量減少量を水分量として算出した。
Figure 0005361372
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(2)含水ゲル液の調製
表3に示す含水ゲルを混錬機により調製し、塗工前の未架橋状態の含水ゲル原液を得た。
Figure 0005361372
(3)含水ゲル層と保湿層とを有する、2層構成シート剤の調製
前記(1)で調製した水溶性フィルム面に、前記(2)で調製した未架橋の含水ゲル原液を積層し、さらに通常のPETフィルムで含水ゲル原液を挟み込み、ベーカー式アプリケーターにより、ゲル層の厚さが2mmとなるように展延した。さらに、室温で2日間熟成し、含水ゲル層の架橋反応を完了させた後、4×5cmの矩形シートに切り出し、ジェル層を有する2層構成のゲルシートを得た。積層した水溶性フィルムと含水ゲルの組合せは、後述の各評価結果と合わせ表4〜表9に示す通りである。
比較例1
前記、実施例で調製した未架橋の含水ゲル原液(表2処方と同じ)を、通常のPETフィルム2枚の間に挟みこみ、ベーカー式アプリケーターにより、ゲル層の厚さが2mmとなるように展延した。さらに、室温で2日間熟成し、含水ゲル層の架橋反応を完了させた後、4×5cmの矩形シートに切り出し、ジェル状の保湿層のない単層ゲルシートを得た。
比較例2
ポリアクリル酸(Mw=400万)の粉体をエタノールに分散し、アプリケーターを使用してPETフィルム上に塗工後、80℃の恒温槽内でエタノールを蒸発させ、PETフィルム上に薄いポリアクリル酸粉体の堆積層を形成した。
さらに、前記比較例1で調製した保湿層のない単層ゲルシートの片面のPETフィルムを剥がし、形成したポリアクリル酸粉体の堆積層の上に積層し、室温で1日放置した。ポリアクリル酸粉体は含水ゲル層の水分を吸収し、粘着性を発現した。このようにして、特許文献4に報告されているシート剤に対応する低水分の親水性粘着剤層を有する2層構成のゲルシートを得た。
比較例3〜5
前記実施例で調製したF−5〜F−7の水溶性フィルムを4×5cmの矩形シートに切り出し、前記比較例1で調製した保湿層のない4×5cmの矩形単層ゲルシート3枚に対して、それぞれ片面のPETフィルムを剥がして、現れたゲルシート面に前記矩形の水溶性フィルムF−5〜F−7を各々積層し、特許文献5に報告されているシート剤と同じ、2層構成のゲルシート(3種類)を得た。矩形の水溶性フィルムを、矩形の単層ゲルシート面に、ずれることなく積層することは、非常に面倒であった。さらにF−5の水溶性フィルムは単層ゲルシートに積層してから1分以内に完全に溶解し、含水ゲル層の表面に粘稠なジェル状の保湿層を形成したが、F−6の水溶性フィルムは、10分経過しても完全に溶解しなかった。また、F−7の水溶性フィルムは完全に溶解するまでに5分程度要した。
(5)評価試験
前記、実施例及び比較例2で調製したゲルシートを用いて、保湿層あるいは親水性粘着剤層を貼付面として前腕内側の皮膚に15分間貼付し、以下の5項目について官能評価を行なった。
さらに、比較例1で調製したゲルシートについて同様に評価を行なった。なお、比較例1で調製したゲルシートは貼付面の区別がない単層ゲルシートであるため、片面だけで評価を行なった。比較例3〜5で調製したゲルシートについては、水溶性フィルムを単層ゲルシートに積層した直後に、水溶性フィルム側を貼付面として前腕内側の皮膚に15分間貼付し、同様に評価を行なった。
評価は女性パネラー5名により、各項目について下記の評点で評価を行ない、その平均点で判定した(○:平均3.5以上、△:平均3.0以上3.5未満、×:平均3.0未満)。結果を表4〜表9に示す。
A:貼付中におけるシートの「粘着性」(表4)
5点:良い、4点:やや良い、3点:どちらともいえない、2点:やや悪い、1点:悪い
B:シートを剥離後、皮膚へのジェルあるいは粘着剤の転写(表5)
5点:あり、4点:ややあり、3点:どちらともいえない、2点:ほとんどない、1点:ない
C:転写したジェルあるいは粘着剤の塗り伸ばし性(表6)
5点:塗り伸ばしやすい、4点:やや塗り伸ばしやすい、3点:どちらともいえない、2点:やや塗り伸ばしにくい、1点:塗り伸ばしにくい
D:乾燥後のジェルあるいは粘着剤の“粉吹き”(表7)
5点:ない、4点:ほとんどない、3点:どちらともいえない、2点:やや目立つ、1点:非常に目立つ
E:剥離後の潤い感(表8)
5点:潤った、4点:やや潤った、3点:どちらともいえない、2点:あまり潤わない、1点:潤わない
Figure 0005361372
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表4〜表9に示すように、実施例1〜10に示す保湿層を有する2層構成のゲルシートでは、いずれの評価項目においても良好な結果が得られたが、比較例1に示す保湿層のない単層ゲルシートでは、特に粘着性及び潤い感において不十分であった。
さらに、親水性粘着剤層を有する2層構成のゲルシートでは、比較例2に示すように、良好な粘着性は実現できたが、転写物の塗り伸ばし性、粉吹き、及び潤い感のいずれも不十分であった。また、使用直前に水溶性フィルムをゲルシート面に積層してから皮膚に貼付する2層構成のゲルシートでは、比較例3に示すように、水溶性フィルムの溶解性に時間がかかる場合や、溶解性が良好な場合でも、乾燥後の皮膚上に粉吹きのような肌残りが生じ、使用感が不十分であった。

Claims (4)

  1. アニオン性ポリマーの架橋構造体を含む含水ゲル層と、該含水ゲル層の少なくとも片面に積層され、貼付後剥離時にその一部が皮膚上に転写されるジェル層とを含有する身体貼付用シート剤であって、
    該ジェル層が、水溶性高分子を含むフィルム上に該含水ゲル層を塗工することにより、該フィルムが塗工された含水ゲル層の水分を吸収及び溶解して形成されるジェル層であり、
    水溶性高分子がヒドロキシプロピル基、リン酸基、及びアミノ基を含む澱粉分解物あるいは澱粉誘導体であり、かつ
    含水ゲル層のフィルム上への塗工後に熟成処理を行うことにより得られる身体貼付用シート剤。
  2. 水溶性高分子を含むフィルムが、さらに平均分子量が5000未満の水溶性粉体を含有する請求項1に記載の身体貼付用シート剤。
  3. フィルム上へ塗工する含水ゲル層が、架橋反応終了前のアニオン性ポリマー含有含水ゲル層であり、フィルム上への塗工後に架橋反応が終了するものである請求項1又は2記載の身体貼付用シート剤。
  4. アニオン性ポリマーが、カルボキシメチルセルロースである請求項1〜3のいずれか1項記載の身体貼付用シート剤。
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