JP5738588B2 - 酸素供給シート - Google Patents

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Description

本発明は、酸素供給シートに関する。
酸素には、抗菌作用、創傷治癒、皮膚ケラチノサイト増殖、コラーゲン産生等の生理作用があり、これを皮膚に供給することによってシミ、シワ、たるみ、乾燥、くすみを改善したり、美白化を促進したりすることが可能となることから、従来よりこれを皮膚に供給しようとする技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、酸素難透過性容器内に、酸素を保持した液層又はゲル層と酸素低透過性フィルムとが積層されたシートが密封されてなる容器入り身体貼付用酸素供給シートが開示されており、かかるシートを身体に貼付することによって、皮膚に酸素を供給する。ここでは、保存時における上記容器中の空隙部気体の酸素濃度を一定以上にすることで、液層又はゲル層内の酸素溶存量を維持してなるものである。
特開2010−180161号公報
しかしながら、上述のようなシートは、貼付した際に液層又はゲル層内に溶存した酸素が皮膚に移行することにより、皮膚に酸素を供給するものであることから、その酸素供給量は液層又はゲル層内に溶存した量に留まるものであり、持続的に酸素を皮膚へ移行させる点で検討の余地がある。また、液層又はゲル層内に酸素を溶存させるために容器内のガスを酸素に置換する等の工程を要し、より簡易な方法で得られる簡略化された構造の酸素供給シートであることも望まれている。
従って、本発明の課題は、優れた酸素供給能を発揮しつつ、より簡略化された構造の酸素供給シートを提供することにある。
本発明者は、鋭意検討の結果、皮膚の角層を水分で膨潤させると、皮膚の酸素に対するバリア性が低下して皮膚自体の酸素吸収能を向上させることができる点に着目し、特定の関係を満たす含水ゲル層とフィルム層とを含む積層体からなる酸素供給シートとすることにより、大気中の酸素を効果的に取り入れることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、貼付した際に皮膚と接触する面を含む含水ゲル層と、
酸素透過性であるとともに水難透過性であるフィルム層とを含む積層体からなり、
前記含水ゲル層中の水分量(A)と含水ゲル層の厚み(B)とが、下記式(X)の関係を満たし、かつ
前記フィルム層の厚み(C)と前記含水ゲル層の厚み(B)とが、下記式(Y)の関係を満たす酸素供給シートを提供するものである。
A/expB≧45 ・・・(X)
30−(30×B)≧C ・・・(Y)
(式中、Aは含水ゲル層中の水分量(質量%)、Bは含水ゲル層の厚み(mm)、Cはフィルム層の厚み(μm)を示す)。
本発明の酸素供給シートによれば、貼付した際に含水ゲル層が皮膚と接触することにより、皮膚の角層を充分に膨潤させて皮膚の酸素吸収能を効果的に向上させることができるので、皮膚に貼付するだけで大気中の酸素を有効に取り入れることができる。よって、長時間に亘って貼付した場合にも、皮膚への酸素供給能の持続性が高い。また、非常に簡略化された構造のシートであるので、別途シート内に酸素を溶存させる必要がなく、製造工程の簡略化をも図ることができる。
酸素供給シートの酸素浸透速度を測定するための装置を示す斜視図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の酸素供給シートを形成する積層体に含まれる含水ゲル層は、酸素供給シートを皮膚に貼付する際、皮膚と接する面を含む層である。かかる層には多量の水分が含まれており、この水分が皮膚へ移行して皮膚の角層を充分に膨潤させ、酸素に対する角層のバリア性を低下させることによって、皮膚が酸素を吸収しやすい状態にする。かかる含水ゲル層は、水性ゲル又は油相を含む乳化ゲルや油性ゲルのいずれの形態であってもよい。かかる含水ゲル層を形成するにあたり、水溶性高分子をゲル基材として用いるのがよい。
上記水溶性高分子としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース、セルロース誘導体又はその塩、アルギン酸塩、ペクチン等のアニオン性ポリマーと多価陽イオンからなるゲル;キサンタンガム、ゼラチン、プルラン、寒天、アラビアゴム、キトサン及びその誘導体など水溶性高分子及び水を使用した含水ゲル等が挙げられる。多価陽イオンとしては、2価以上の金属塩、例えばアルミニウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。これらの水溶性高分子は1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、常温域(5〜40℃)でゲル強度が変化しにくく、かつ、含水量の多いゲルに調整しても使用時にゲルが破壊されにくい点から、カルボキシメチルセルロース又はカルボキシメチルセルロース塩、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸塩により形成された含水ゲル層が好ましい。含水ゲル層中に含有する上記水溶性高分子の量は、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%、更に好ましくは2〜15質量%である。
含水ゲル層には多価アルコールを配合してもよい。しかしながら、多価アルコールを配合する場合は、多価アルコールを配合しない場合にくらべて、水分による角層の膨潤が抑制されて皮膚の酸素に対するバリア性が増大し、皮膚自体の酸素吸収能が低下してしまいがちであるので、多価アルコールの含有量は少ない方がよく、特に好ましくは全く含まないことが好ましい。一方で、含水ゲル製造時に上記水溶性高分子の溶解性を向上させたい場合は、常法に従い多価アルコールを配合してもよい。すなわち、含水ゲル製造時に、多価アルコールをあらかじめ上記水溶性高分子と混合させた後、水と混合させるとダマが生じにくくなり、上記水溶性高分子をすみやかに溶解することができる。多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブタンジオールなどが挙げられる。これらの多価アルコールは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。含水ゲル層中に含有する上記多価アルコールの量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
本発明の酸素供給シートは、アニオン界面活性剤を、含水ゲル層の質量に対するアニオン界面活性剤の質量比(アニオン界面活性剤/含水ゲル層)で5.0×10-6〜5.0×10-4で含有している。好ましくは1.0×10-5〜3.0×10-4、より好ましくは2.0×10-5〜1.0×10-4で含有している。上記範囲内の量でアニオン界面活性剤が含まれることにより、通常であれば接着性の低い疎水性フィルムとの間に適度な接着性を発現することができ、使用時に身体に貼付したときに、フィルム層と含水ゲル層とにズレが生じて身体から剥離するのを有効に防止することができる。したがって、上記フィルム層と含水ゲル層との間に接着剤層やプライマー層等の他の層を設けることなく優れた接着性を発現することができ、身体貼付用シート剤の製造工程の簡便化を図ることが可能である。上記アニオン界面活性剤の含有量が上記下限値未満であると、フィルム層と含水ゲル層との間の接着性が低下するおそれがあり、上記上限値を超えると含水ゲル層においてゲルが充分に固化しないおそれがある。
アニオン界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、アシルアミノ酸、アルキルエーテルカルボン酸、脂肪酸及びこれらの塩が好ましく、具体的には、例えば、ラウリルリン酸、ポリオキシエチレン−ラウリルエーテルリン酸、ココイルグルタミン酸、ラウリルグルタミン酸、ミリストイルグルタミン酸、ラウリル硫酸、ポリオキシエチレン−ラウリル硫酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレン−ラウリルエーテル酢酸、ラウリン酸、及びこれらのカリウム塩又はナトリウム塩が挙げられる。なかでも、接着効果が高く、含水ゲル中への溶解性が良く、弱酸性(pH4.0〜6.5)においても界面活性剤として機能し易く、皮膚刺激性が小さいという点から、アルキルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、アシルアミノ酸、アルキルエーテルカルボン酸、脂肪酸及びこれらの塩が好ましく、具体的には、ラウリルリン酸、ポリオキシエチレン−ラウリルエーテルリン酸、ラウリルグルタミン酸、ココイルグルタミン酸、ミリストイルグルタミン酸、ポリオキシエチレン−ラウリルエーテル酢酸、ラウリン酸、及びこれらのカリウム塩又はナトリウム塩が好ましい。
なお、含水ゲル層には、そのほか、pH調整剤、セラミド類、ビタミン類、抗酸化作用を示すカロチンやアスタキサンチン、αリポ酸、ヒアルロン酸及びその塩、アミノ酸及びその誘導体や蛋白分解物、ヒドロキシ酸等の有機酸類、ラクトフェリン等の糖蛋白質、酵素、血行促進剤、収斂剤、痩身剤、抗炎症剤等を適宜配合してもよい。pH調整剤としては、酒石酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸、グリコール酸、塩酸、シュウ酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、モノメタノールアミン、ジメタノールアミン、トリメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、クエン酸塩、リン酸塩、炭酸塩等が挙げられる。なお、含水ゲル層のpHは4〜8の範囲に調整することが好ましく、更に弱酸性、すなわち、pH4.0〜6.5の範囲に調整することが好ましい。このように含水ゲル層を弱酸性に調整することで、シートを貼付している間だけ水分の作用で角層が膨潤し酸素透過性が向上するため、シートを剥がした後は速やかにバリア性が回復するため、皮膚にとって非常に好ましい。pH調整剤の含有量は含水ゲル中に0.01〜10質量%の範囲が好ましい。
上記含水ゲル層中の水分量(A)(単位:質量%)は、含水ゲル層の厚み(B)(単位:mm)との間において、下記式(X)の関係を満たす。
A/expB≧45 ・・・(X)
(式中、Aは含水ゲル層中の水分量(質量%)、Bは含水ゲル層の厚み(mm)を示す。)
このように、含水ゲル層中の水分量(A)と含水ゲル層の厚み(B)とが上記式(X)の関係を満たすことは、皮膚への酸素供給量が含水ゲル層中の水分量(A)に比例し、含水ゲル層の厚み(B)の指数値に反比例することを意味する。すなわち、含水ゲル層中の水分量を増大させれば、それに応じて含水ゲル層の厚みを厚くしてもよく、含水ゲル層中の水分量を低減すれば、それに応じて含水ゲル層の厚みを薄くすればよい。
上記A/expBは、好ましくは45〜95、より好ましくは60〜90である。このような関係を満たすことにより、皮膚に充分な水分を供給して角層のバリア性を低下させ、皮膚の酸素吸収力を効果的に向上させることができるので、別途酸素を供給することなく、大気中に存在する酸素だけで皮膚に充分な量の酸素を供給することができる。上記式(X)を充分に満たす観点から、上記含水ゲル層中の水分量(A)は、より具体的には、好ましくは45〜99質量%、より好ましくは55〜97質量%、更に好ましくは75〜95質量%である。また、上記含水ゲル層の厚み(B)は、より具体的には、好ましくは0.05〜0.6mm、より好ましくは0.06〜0.5mm、更に好ましくは0.08〜0.4mmである。なお、上記含水ゲル層の厚みは、酸素供給シート調製直後、或いは、保管用の包装袋から取り出した直後、すなわち、含水ゲル層を皮膚へ貼付するなどして大気中に長時間放置した後ではない状態のものを測定した値である。
本発明の酸素供給シートを形成する積層体に含まれるフィルム層は、酸素透過性であるとともに水難透過性であり、上記含水ゲル層における皮膚と接する面と反対側の面に積層される。したがって、フィルム層が含水ゲル層と大気との間に介在することとなり、しかもこのフィルム層が酸素透過性であることから、大気中の酸素が含水ゲル層を経由して皮膚に到達する作用を阻害することがなく、さらにフィルム層が水難透過性であることから含水ゲル層中の水分が大気中に揮散するのを有効に防止して、含水ゲル層による皮膚への水分供給量が低下するのを抑制することができ、充分に角層を膨潤させることが可能である。
上記フィルム層の厚み(C)(単位:μm)は、上記含水ゲル層の厚み(B)(単位:mm)との間において、下記式(Y)の関係を満たす。
30−(30×B)≧C ・・・(Y)
(式中、Cはフィルム層の厚み(μm)を示し、Bは上記式(X)中のBと同義である。)
このように、フィルム層の厚み(C)と含水ゲル層の厚み(B)とが上記式(Y)の関係を満たすことは、皮膚への酸化供給量を良好に保持する上で、フィルム層の厚みが含水ゲル層の厚みに対して必要以上に厚くならないようにすることを意味する。
上記式(Y)を充分に満たす観点から、上記フィルム層の厚み(C)は、より具体的には、好ましくは2〜30μm、より好ましくは2.5〜20μm、更に好ましくは3〜15μmである。
上記フィルム層の酸素透過性とは、より具体的には、室温(25℃)における酸素透過係数が、好ましくは1×10-13cm3(0℃;1気圧)・cm/cm2・s・Pa以上、より好ましくは1.5×10-13〜8×10-13cm3(0℃;1気圧)・cm/cm2・s・Pa、更に好ましくは2×10-13〜5×10-13cm3(0℃;1気圧)・cm/cm2・s・Paである。フィルム層の酸素透過係数の値が上記範囲内であると、上記式(Y)の関係を好適に保持しながら、大気中の酸素を良好に透過させることができ、皮膚に充分な量の酸素を供給することが可能となる。なお、上記酸素透過係数の単位中の(0℃;1気圧)とは、透過する酸素の体積を0℃;1気圧の値に換算してあることを意味する。
上記フィルム層の水難透過性とは、より具体的には、室温(25℃)における水透過係数が、好ましくは100×10-13cm3(0℃;1気圧)・cm/cm2・s・Pa以下、より好ましくは5×10-13〜90×10-13cm3(0℃;1気圧)・cm/cm2・s・Pa、更に好ましくは10×10-13〜80×10-13cm3(0℃;1気圧)・cm/cm2・s・Paである。フィルム層の水透過係数の値が上記範囲内であると、上記式(Y)の関係を好適に保持しながら、含水ゲル層中の水分が大気中に揮散するのを有効に防止することができ、角層を充分に膨潤させて皮膚の酸素吸収力の向上を図ることが可能となる。なお、上記水透過係数の単位中の(0℃;1気圧)とは、透過する水の体積を0℃;1気圧の値に換算してあることを意味する。
上記フィルム層の材質は、上述のように酸素透過性であり、かつ水難透過性であるフィルム層を形成し得るものであれば特に制限されないが、具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂が好適なものとして挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上ブレンドして用いてもよい。上記ポリエチレンとしては、具体的には、密度0.91〜0.93g/cm3の低密度ポリエチレンが好ましく、上記ポリプロピレンとしては、具体的には、結晶化度が35〜70%のものが好ましい。上記フッ素樹脂としては、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体が挙げられる。
本発明の酸素供給シートは、常法に従って、含水ゲル層を支持体に形成した後、フィルム層を積層することにより製造することができる。なお、上記含水ゲル層及びフィルム層の層間に不織布からなる層を形成してもよい。上述のとおり、フィルム層は非常に薄層であることから、不織布からなる層を介在させることにより、含水ゲル層にフィルム層を積層する際における取り扱い性を向上させることもできる。また、不織布からなる層であれば、フィルム層が有する酸素透過性を阻害するおそれもない。
本発明の酸素供給シートは、含水ゲル層側を皮膚に貼付し、そのままフィルム層側を大気に接触させる状態で保持するだけでよい。皮膚に貼付した後、1時間経過時における酸素浸透速度は、好ましくは6.0×10-7cm3/cm2/sec以上、より好ましくは8〜20cm3/cm2/secである。なお、上記酸素浸透速度は、後述する実施例に記載の方法により測定した値を意味する。このように、長時間に亘って貼付した場合にも、非常に高速で皮膚に酸素を供給することができ、かつ、酸素供給能の持続性が高く、特に就寝時における使用に好適である。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜12、比較例1〜6]
表1〜2に示す成分を混合し、室温で攪拌して均一に溶解させ、各未架橋ゲルを調製した。次いで、表3〜4に示す構成に従って、得られた未架橋ゲルを各種フィルム層と基材(延伸ポリプロピレン70μm;シリコン処理)との間に挟みこみ、所定の厚みになるように伸展させてからアルミピローに入れ、熱シールして閉じた。そして、アルミピローごと50℃恒温槽に入れて1週間加温してゲルを架橋させた後、室温に戻してからアルミピローを開封して中身を取り出し、50mm×50mmの正方形に成形してシートを作製した。次いで、下記に示す方法に従って各シートの酸素浸透速度を測定し、シート貼付後の皮膚の色の変化を目視により評価した。なお、使用直前に基材を剥離除去してからシートを使用した。結果を表3〜4に示す。
Figure 0005738588
Figure 0005738588
《酸素浸透速度》
図1に示すように、1mm厚;穴径1cmφの金属ワッシャー1を用い、その上面に経皮ガスモニターセンサー2を配置した測定装置を準備した。金属ワッシャーの内側に湿度検知紙の小片、及び塩化カルシウムをティッシュペーパーにくるんだ包体を配置して、金属ワッシャー内における大気中の湿度を20〜30%となるように調製した。なお、測定時、経皮ガスモニターセンサー2の温度は37℃一定になるように調整した。測定は、得られた各シート3の含水ゲル層側を前腕内側の皮膚に1時間貼付した後に、その上面から上記測定装置を配置して行った。測定装置配置後から30分経過時までの金属ワッシャー内の酸素分圧を測定し、その変化率から酸素浸透速度(cm3/cm2/sec)を算出した。
なお、シートを貼付しない皮膚上に直接上記測定装置を配置して酸素浸透速度を算出したところ、2.08×10-7cm3/cm2/secであった。
《皮膚色の白さ》
各シートの含水ゲル層側を前腕内側の皮膚に貼付後、1時間経過した時点でシートを剥離し、剥離した後の皮膚の色の白さをシートを貼付しない皮膚との境界で判別し、下記基準に従って目視により評価した。皮膚の色が白いほど、皮膚に充分な量の酸素が供給されたことを示す。
5:境界がはっきりするほど、シートを剥離した後の皮膚の色が白い。
4:境界がややはっきりする程度に、シートを剥離した後の皮膚の色が白い。
3:境界がわずかに認識できる程度に、シートを剥離した後の皮膚の色が白い。
2:境界がぼんやりして認識できない程度の白さである。
1:シートを剥離した後の皮膚の色がシートを貼付しない皮膚の色と同じであり、境界が認識されなかった。
Figure 0005738588
Figure 0005738588
[実施例13〜14]
表5に示す構成に従い、フィルム層の代わりにフィルムラミさせた不織布(ポリエチレンテレフタレート・ポリエチレン複合体;スパンボンド;目付30g/m2)を用いた以外、上記実施例と同様にして、各含水ゲル層の上層に、不織布層を介在させてフィルム層を積層してシートを作製した。次いで、上記と同様にして各シートの酸素浸透速度を測定し、シート貼付後の皮膚の色の変化を目視により評価した。結果を表5に示す。
Figure 0005738588
表3〜5の結果によれば、実施例1〜14の酸素供給シートは、シート貼付後の皮膚の色が格段に白く変化させることができることから、皮膚に充分な量の酸素を供給できることがわかる。また、極めて高い酸素浸透速度を有することからも、大気中の酸素を非常に効果的に取り入れて、皮膚に充分な量の酸素を供給できることがわかる。さらに、実施例1〜12では、含水ゲル中に特定量のアニオン界面活性剤を含むので、使用時に身体に貼付したときに、フィルム層と含水ゲル層との間が剥離するのを有効に防止することもでき、長時間に亘る皮膚への酸素供給が可能である。
[実施例15]
実施例1のシートを用い、シートを貼付する時間をそれぞれ2時間、5時間、7時間にしたほかは上記の方法と同様にして、酸素浸透速度及び皮膚色の白さを測定した。結果を表6に示す。
Figure 0005738588
表6の結果によれば、実施例15の酸素供給シートは、高い酸素浸透速度及び皮膚色を白くする能力が長時間に亘って持続しており、フィルム層と含水ゲル層との間の良好な接着性を保持しながら、皮膚への酸素供給能の持続性が高められることがわかる。
1: 金属ワッシャー
2: 経皮ガスモニターセンサー
3: 酸素供給シート

Claims (3)

  1. 貼付した際に皮膚と接触する面を含み、厚みが0.05〜0.6mmであり、水分量が55〜97質量%である含水ゲル層と、
    ポリエチレン及びフッ素樹脂からなる1種又は2種以上から形成され、室温(25℃)における酸素透過係数が、1×10 -13 cm 3 (0℃;1気圧)・cm/cm 2 ・s・Pa以上であり、室温(25℃)における透過係数が、100×10 -13 cm 3 (0℃;1気圧)・cm/cm 2 ・s・Pa以下であり、かつ厚みが3〜15μmであるフィルム層とを含む積層体からなり、
    前記含水ゲル層中の水分量(A)と含水ゲル層の厚み(B)とが、下記式(X)の関係を満たし、かつ
    前記フィルム層の厚み(C)と前記含水ゲル層の厚み(B)とが、下記式(Y)の関係を満たす酸素供給シート:
    A/expB≧45 ・・・(X)
    30−(30×B)≧C ・・・(Y)
    (式中、Aは含水ゲル層中の水分量(質量%)、Bは含水ゲル層の厚み(mm)、Cはフィルム層の厚み(μm)を示す)。
  2. 前記含水ゲル層が、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種又は2種以上から形成されてなる請求項に記載の酸素供給シート。
  3. 前記含水ゲル層が、アニオン界面活性剤を、含水ゲル層の質量に対するアニオン界面活性剤の質量比(アニオン界面活性剤/含水ゲル層)で5.0×10 -6 〜5.0×10 -4 で含有する請求項1又は2に記載の酸素供給シート。
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