JP5647764B2 - 容器入り身体貼付用酸素供給シート - Google Patents

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Description

本発明は、身体に貼付することにより、皮膚に酸素を供給するためのシート剤に関する。
酸素には、抗菌作用、創傷治癒、皮膚ケラチノサイト増殖、コラーゲン産生等の生理作用があることから、これを皮膚に供給しようとする技術が知られている。その手段としては、使用時に酸素を発生させる技術(特許文献1)、酸素を気体で収納して皮膚に供給する技術(特許文献2、3)が報告されている。しかし、このように酸素を気体状態で皮膚に供給しても、皮膚に供給される濃度は、通常の空気から供給される濃度と変わらず、十分な効果は得られない。
一方、酸素を水等に溶解させた状態で皮膚に供給すれば、持続的に皮膚に供給することが可能であることから、皮膚に適用できる製剤に酸素を含有させる技術も報告されている。例えば、液体ペルフッ素化した炭化水素混合物とシリコーンポリマー混合物とオイル又は水ベースとからなる酸素キャリアシステムにより製剤中で安定性を高め長期間の酸素放出量を確保する技術(特許文献4)、水とポリグルタミン酸架橋物又はポリグルタミン酸及びその架橋物との水溶性ゲルを用いて水に対する飽和溶解濃度以上の高濃度で気体を溶解保持する技術(特許文献5)が報告されている。さらに、特許文献6は、酸素を含む気体を溶解又は分散させた組成物を皮膚に塗布することで、皮膚細胞のターンオーバーを促進させ、シミ、シワ、たるみ、乾燥、くすみを改善することが報告されている。しかしながら、特許文献6では、酸素付加膜等を用いた酸素濃縮式供給装置(医器研)や酸素ボンベを酸素の供給手段として用いているものの、シート剤として高濃度の酸素を皮膚へ供給するには十分でない。
特表平8−510155号公報 特表2007−524447号公報 特表2007−504089号公報 特表2007−513194号公報 特開2007−61665号公報 特開2008−50316号公報
しかしながら、これらの技術ではフッ化物やポリグルタミン酸架橋物等の高価な成分を使用する等の欠点や、皮膚に適用した際の製剤から皮膚への供給量が考慮されておらず、十分な量の酸素が皮膚に供給できないという欠点があった。
従って、本発明の目的は、簡便かつ安価に製造でき、かつ十分な量の酸素を皮膚に持続的に供給することができる製剤を提供することにある。
そこで本発明者は、持続的に皮膚に酸素を供給する手段として、液状又はゲル状のシート中に酸素を含有させて貼付することを検討した。例えば、特許文献6に記載のゲルシートの形態にして皮膚に貼付したところ、シートの皮膚に接する面とは反対側から酸素が流出しやすく、外用剤中に溶解又は分散させた酸素の多くは外部へ揮散することになり、持続性が十分でなく、結果として皮膚への酸素供給量は十分でないことが判明した。そこでさらに検討したところ、酸素を保持した液層又はゲル層に酸素低透過性フィルムを積層してシートとし、これを酸素難透過性容器内に充填する際に、さらに先の容器内の空隙部の酸素濃度を制御することにより、容器から取り出して皮膚に貼付したときにシート中の酸素が効率的に皮膚に供給され、その効果も持続することを見出した。
すなわち、本発明は、酸素難透過性容器内に、酸素を保持した液層又はゲル層と酸素低透過性フィルムとが積層されたシートを密封してなり、保存時の容器中の空隙部気体の酸素濃度が30質量%以上である容器入り身体貼付用酸素供給シート、及びその製造法を提供するものである。
本発明の身体貼付用酸素供給シートは、安価な材料を用いて簡便な操作で製造することができ、かつ単に容器から取り出して身体に貼付するだけで、貼付部位に高濃度の酸素を持続的に供給することができる。従って、皮膚局所における創傷治癒、ケラチノサイト増殖、コラーゲン産生等の生理作用が安全かつ簡便な操作で得られる。さらに、高濃度の酸素が供給された皮膚は、貼付部が白くなる(白抜けする)現象が認められ、美白を想起させる効果が得られることを見出した。
本発明の身体貼付用酸素供給シートは、酸素難透過性容器内に、酸素を保持した液層又はゲル層と酸素低透過性フィルムとが積層されたシートが密封されている。
積層シートを密封する酸素難透過性容器は、容器内部の酸素を流出させず、また容器内部の水分や他の揮発成分も流出を防ぐことができること、他方、外部から窒素等の酸素以外の気体の流入を防ぐ点から酸素難透過性である。ここで難透過性とは、酸素透過度が50cc/m2・day・atm(ASTM D-1434)以下であることをいうが、非透過性であるのが好ましい。好ましい材料としてはヒートシール性を有するものが好ましく、具体的には、アルミニウム箔を積層したラミネートフィルム、アルミニウム蒸着層を有するラミネートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニリデン層を含むラミネートフィルムなどが挙げられる。容器の形態は平袋、ガゼットなどが好ましい。
積層シートは、酸素を保持した液層又はゲル層と酸素低透過性フィルムが積層されたものである。酸素を保持した液層又はゲル層の形態は、シート状の酸素を溶存する液層又はゲル層である。
当該液層又はゲル層は、水溶液、水性ゲル、油相を含む乳液状又は乳化ゲル状組成物、油層、油性ゲルのいずれの形態でもよい。ここで油相又は油層を形成する油分としては、酸素溶存量を向上させる点、皮膚に対する安全性、使用後の保湿感の点から、長鎖炭化水素、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級アルコール、シリコーン類、フルオロカーボン類等が挙げられる。長鎖炭化水素としては流動パラフィンが好ましく、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級アルコールでは、特に分岐脂肪酸、不飽和脂肪酸、分岐脂肪酸エステル、不飽和脂肪酸エステル、分岐脂肪族アルコール、不飽和脂肪族アルコールが液状を呈することから好ましく、ホホバ油、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミリスチン酸イソプロピル、ジイソステアリン酸ジグリセリルなど不飽和脂肪酸や分岐脂肪酸の誘導体などが好ましい。シリコーン類としては、ジメチルステアリルポリシロキサン等のアルキル変性シリコーン、高重合メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、フッ素化されたフルオロシリコーン等が好ましい。さらにフルオロカーボン類としては、2−(パーフルオロヘキシル)エチル1,3−ジメチルブチルエーテル等のパーフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロエーテル等が使用できる。これらの油分は、油相又は油層を形成した状態で液層又はゲル層に存在することが好ましく、液層又はゲル層中に1〜35質量%、さらに1〜20質量%、特に1〜15質量%含有させるのが好ましい。
また、液層又はゲル層には、上記油分や、植物エキスなどの分散、また肌への付着性を改良する為に、各種乳化剤を配合できる。例えば、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの非イオン性界面活性剤;炭素数12〜18の直鎖又は分岐脂肪酸塩、炭素数12〜18のアルキルリン酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩などのアニオン性界面活性剤;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤を挙げることができる。
液層又はゲル層には植物エキスを配合することができる。植物エキスとしては、例えば甘草エキス、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、脂溶性グリチルレチン酸類、アズレン、グアイアズレン、オウゴンエキス、カミツレエキス、クマザサエキス、シラカバエキス、ゼニアオイエキス、桃葉エキス、セイヨウノコギリソウエキス、キキョウエキス、ビワ葉エキス、ボダイジュエキス、ユーカリエキスなどの抗炎症作用をもつもの;ショウキョウエキス、オランダカラシ、カンタリスチンキ、サンショウエキス、ハッカ油、ワサビ大根エキスなどの局所刺激作用をもつもの;ルチン誘導体や、ヒバマタエキス、セージ抽出物など、はりやむくみに効果のあるものなどが挙げられる。また、植物エキス以外の抗生物質、抗真菌剤、抗炎症剤、血行促進剤、ビタミン類、保湿剤なども配合することができる。さらに、鉱物性粉体、例えばカオリン、スクメタイト、酸化亜鉛、酸化チタンなども配合できる。
ゲル層を形成するにあたっては、水溶性高分子、多価アルコール等を用いることができる。ここで水溶性高分子として、例えば、ポリアクリル酸類、ポリメタアクリル酸類、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース、セルロース誘導体又はその塩類、アルギン酸塩、ペクチン等のアニオン性ポリマーと多価陽イオンからなるゲル;キサンタンガム、ゼラチン、プルラン、寒天、アラビアゴム、キトサン及びその誘導体など水溶性高分子及び水を使用した含水ゲルなどが挙げられる。このうち、アニオン性ポリマーと多価陽イオンにより形成された水性ゲル層が好ましい。これらの水溶性高分子は1種又は2種以上用いることができ、ゲル層中に0.5〜20質量%、さらに0.5〜15質量%、特に0.5〜10質量%含有するのが好ましい。多価陽イオンとしては、2価以上の金属塩、例えばアルミニウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。
多価アルコールとしては、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、ソルビトール、キシリトールなどが挙げられる。これらの多価アルコールは1種又は2種以上用いることができ、ゲル中に3〜70質量%、さらに3〜60質量%、特に5〜40質量%含有するのが好ましい。また、付着性を調節する目的で、これらポリオール以外に、ワセリン、デキストリン、なども使用できる。
液層又はゲル層は、不織布に水性溶液を含浸させたものをそのまま、又は含浸後にゲル化させたものを用いることができる。
液層又はゲル層には酸素低透過性フィルムが積層されている。このフィルムの積層により、積層シートを容器に入れ、容器中に酸素を充填して容器を密封することにより、容器中に充填された酸素が液層又はゲル層に直接溶解するとともに、酸素低透過性フィルム側からも酸素透過性に応じて酸素が透過し液層又はゲル層中へ徐々に溶解する。一方、シートを容器から取り出して身体に、このフィルムと反対側、すなわち液層又はゲル層側を貼付することにより、フィルム側からの酸素の流出は抑制されるので、皮膚への酸素供給量及び持続時間が向上する。かかる観点から、フィルムの酸素透過性は低いことが必要であり、5000cc/m2・day・atm(25℃)以下が好ましく、さらに持続時間の観点から3000cc/m2・day・atm(25℃)以下がより好ましく、0.001〜100cc/m2・day・atm(25℃)が特に好ましい。また、積層シートの厚さによっては、実質的に酸素透過性がなくてもよい。
フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、軟質塩化ビニル、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマーなどのフィルムが使用できる。また、ナイロンフィルムやエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)をポリエチレンやポリプロピレンフィルムなどで挟み込んだ多層フィルムなども使用できる。さらに、これらフィルムにアルミニウム蒸着させたものやガラス蒸着させたフィルムや、さらにこれらをラミネートしたフィルムも使用できる。
フィルムの厚さは、感触の面からなるべく薄いものが好ましく、100μm以下が好ましく、特に50μm以下が好ましい。また、積層時のシール条件により破れない為に、5μm以上のものが好ましい。
より好ましいフィルムと液層又はゲル層との積層手段は、フィルムに予め不織布を積層しておき、これに液を含浸させるか又は含浸した液層をゲル化させるのが好ましい。フィルムと不織布の積層方法は、接着剤や熱融着、Tダイ押出ラミネートなどの方法を採用することができる。薄いフィルムを積層する場合、例えば接着剤を用いるか、もしくは耐熱性の高いナイロンを熱融着性の高いポリエチレンフィルムで挟み込んだ多層フィルムを使用することで、積層時に微細な破れ穴あきなどが起きないように熱融着することができる。
積層シートは、酸素ガスとともに容器内に密封することにより、積層シートの液層又はゲル層内に酸素を溶存させ、かつ酸素を溶存した状態で維持することができる。このとき、酸素は、容器内の空隙部気体中の30質量%以上、好ましくは50質量%以上、特に好ましくは70質量%以上で充填することにより、前記液層又はゲル層中の溶存酸素濃度を維持する点で必要である。容器内の酸素以外のガスとしては、例えば空気、窒素ガス、二酸化炭素等を含むことができる。
ここで、空隙部気体中の酸素濃度は、食品用微量酸素分析計IS−300(飯島電子工業(株)製)を用いて測定する。気体の酸素濃度が25%以下の場合には、測定器の使用方法に従い、通常の手順で行う。また、酸素濃度が25%以上の場合には、被検気体と窒素ガスを1:4で混合して測定し、以下の式で算出した。
空隙部酸素濃度(%)=測定値(%)×5
包装ピロー内に充填されたガスの圧力(保存時の容器内部圧)は25℃において、0.05〜0.15MPa、さらに0.08〜0.15MPa、特に0.09〜0.12MPaが好ましい。
本発明の容器入り酸素供給シートは、例えば前記積層シートを容器内に入れ、次いで容器内のガスを酸素に交換する方法により製造できる。また、シート形成時又は形成後に液又はゲルに酸素を溶存させ、得られたシートを容器内に入れ、容器内のガスを除去するか又はさらに容器内のガスを酸素に交換する方法で製造することもできる。このように、常圧下で容器内のガスを酸素に交換して、シートに酸素を溶存させる方法を採用すると、高濃度酸素溶存液又はゲルを調整する調整槽や、酸素が漏れない状態にて容器に充填する設備が不要となるメリットがある。特に好ましい形態としては、容器内に25℃で液又はゲルを充填し、これに適量の酸素を封入し、酸素を液又はゲルに溶解させる方法が、製造・流通上の体積を低減でき、かつ液又はゲルに酸素を飽和溶解させる上からも好ましい。勿論、酸素を容器内に充填する際に、常圧でなく加圧で行なっても良い。なお、酸素は一般的に水性溶液やゲルに対する溶解性が低いため、酸素で置換又は充填する製造工程であっても、包装容器に充填した後に液又はゲル層に溶存されて空隙から減少する量はわずかである。包装容器へ直接充填する際には、液体又はゲル層に溶存する量を計算し、上記空隙中の酸素量に加算した量を充填することが好ましい。例えば、水性溶液又はゲルを含む積層シートを容器内に入れた後に容器内のガスを100%濃度酸素で置換した場合、液又はゲルに溶解する酸素の量は、液又はゲル1gに対しておよそ0.03mLになる。また、油剤は一般に水に比べて3〜10倍程度酸素の溶解度が高いため、液又はゲルに油剤を含有させた場合は、その配合量に応じて酸素を多めに充填することが好ましい。
本発明酸素供給シートは、容器から積層シートを取り出し、液層又はゲル層側を皮膚に貼付することにより簡便に使用できる。
実施例で使用した各種の測定方法を以下に示す。
〔空隙部気体の酸素濃度測定方法〕
測定器として食品用微量酸素分析計IS−300(飯島電子工業(株))を用いた。
空隙部の気体中に酸素濃度が25%以下の場合には、測定器の使用方法に従い、測定器のサンプリング注射針をアルミピローに突き刺し、空隙部の酸素濃度を直接測定した。
一方、空隙部の気体中で酸素濃度が25%以上の場合には、以下の手順で測定した。
1)50mLの目盛り付き注射筒に注射針を装着し、100%窒素ガスで満たしたアルミピローから、40mL分を注射筒に吸入した。
2)さらに、サンプルの入ったアルミピローから10mL分を追加吸入した。
3)注射針を取り外してすばやくパラフィルムで吸入口を塞いだ。
4)1分経過後、測定器のサンプリング注射針をパラフィルム部分に突き刺し、酸素濃度測定を行い、以下の式で空隙部の酸素濃度を算出した。
空隙部酸素濃度(%)=測定値(%)×5
〔皮下酸素分圧の測定方法〕
測定器として経皮血液ガスモニタPO−850A(新生電子(株)製)を用い、簡易的に以下の方法により測定を行った。
1)コントロールとして、ピロー内空隙を酸素置換をせずに空気のまま保持していたシートを前腕内側部の皮膚に5分適用した。
2)5分経過後貼付シートを除去し、すばやくシート適用部の水分をティッシュでふき取り、測定器のセンサーを加温しないで、直ちにシート適用部分の皮膚に装着した。
3)装着直後〜2分後までは10秒ごとに酸素分圧測定値を読み取り、以後2分後〜10分後までは30秒ごとに酸素分圧測定値を読み取った。
4)酸素分圧測定値をセンサー装着後の時間に対してグラフにプロットし、装着直後付近の測定値の並びに接するように直線を引き、直線の傾き、すなわち、皮膚表面酸素分圧低下速度を求めた。
5)また、測定開始から10分付近でほぼ一定となった値を、コントロールの皮下酸素分圧とした。コントロールの皮下酸素分圧はいずれもほぼ10mmHgであった。
6)次に、調整した試験シートについて、コントロールと同様に上記1)〜4)にしたがって酸素分圧を測定し、皮膚表面の酸素分圧低下速度を求めた。
7)皮膚表面酸素分圧低下速度が、外気酸素分圧(160mmHg)と皮下酸素分圧との差に比例すると仮定し、以下の式に従い、試験シート適用時の皮下酸素分圧を求めた。
試験シート適用時の皮下酸素分圧(mmHg)=160mmHg−(試験シート適用時の皮膚表面酸素分圧低下速度/コントロールの皮膚表面酸素分圧低下速度)×(160mmHg−10mmHg)
〔皮膚色〕
皮膚色の白さは、各シートの貼付時の境界が明確さを以下の基準で5段階評価を行った。
5:境界がはっきりしている
4:境界がややはっきりしている
3:境界がわずかに認識できる
2:境界がぼんやりしている
1:まったく境界が認められない
(実施例1)
<液含浸シートの作成>
PEからなるフィルム(厚さ20μm;酸素透過性約4000cc/m2・day・atm)と、不織布P(レーヨン:アクリル:PE=50:25:25、坪量65g/m2、平均厚み1.0mm)とを、融着温度が約160℃になるよう設定し、1cmドットパターンと平面のプレートヒーターを用いて、1秒間で全面シールをおこなった。1つのドットの大きさは2mm角のパターンを使用した。積層したシートをさらに70mm×50mmの長方形シートに調製した。
表1に示す成分を混合し、80℃で撹拌し、均一に溶解した後室温まで徐冷した。この液状組成物のpHは5.0であった。上記長方形シートの不織布面に液状組成物をできるだけ均一に平均液厚1mmとなるように塗布し、液含浸シートを調製した。
Figure 0005647764
<試験シートAの調整>
上記液含浸シートを、不織布面を内側にして2つ折りにして、アルミピローに入れた。その後、このピローを厚さ3mmとなるような治具に挟み、酸素(100%)をピロー内に3秒間噴射してガス交換した後にピローをシールし、シートをエージングするため1週間放置した。これを試験シートAとした。
<試験シートBの調整>
ピロー内に噴射するガスとして、酸素50%窒素50%を用いたほかは試験シートAと同様の方法で試験シートBを調製した。ピロー内圧はほぼ常圧の0.1MPaである。
<試験シートCの調整>
シート材として不織布のみ(PEフィルムを積層していない)を用いたほかは、試験シートAと同様に酸素(100%)ガス置換させて比較品として試験シートCを調製した。
<コントロールシートの調整>
ピロー内のガス置換操作はおこなわず、空気のままでピローをシールして、コントロールシートを調製した。ピロー内圧はほぼ常圧の0.1MPaであった。
〔空隙部酸素濃度、皮下酸素分圧、皮膚の色の測定〕
上記の4種類のシート(コントロールシート、試験シートA〜C)について、各種の測定を行った。
各シートをピローから取り出して折りたたんだシートを開き、不織布面を直ちに前腕内側部に貼付し、5分後にシートを剥がし、剥離直後の皮膚状態(皮膚色)を評価するとともに皮下酸素分圧を測定した。測定はそれぞれの実験を3回ずつ繰り返し、平均を表2に示す。
Figure 0005647764
本発明品である試験シートA(ピロー内空隙部酸素濃度=95.5%)、試験シートB(濃度48.5%)は、皮下酸素分圧、皮膚の白さが高く、皮膚に対して高濃度の酸素が供給されていたと認められる。空隙部の酸素濃度がほぼ同じ(酸素100%を充填)であるにもかかわらず、積層シートを使用していない試験シートCは、皮下酸素分圧や皮膚白さは酸素未充填(ピロー内が空気)のものと同等の結果であり、貼付時間が5分後の皮膚への酸素の供給は認められなかった。
実施例2
<試験シートDの調整>
EVOHからなるフィルム(厚さ15μm;酸素透過性約0.2cc/m2・day・atm)と不織布Q(PE100%;坪量30g)とをそれぞれを70mm×50mmの長方形に整形して重ね合わせ、全体的に均一に6箇所を超音波ホッチキスで接着させた。次に、不織布R(レーヨン:アクリル:PE=50:25:25;坪量35g/m2)を70mm×50mmの長方形に整形して、前記積層シートの不織布Q側に重ね合わせ、全体的に均一に9箇所を超音波ホッチキスで接着させた。
次に、長方形積層シートの不織布Rの外側面に表1の液状組成物をできるだけ均一に平均液厚0.5mmとなるように塗布した。また、適量の流動パラフィンをスポイドにとり、積層シートの不織布-フィルム間にスポイドを差し込んで、不織布Qにできるだけ均一に平均液厚0.5mmとなるように流動パラフィンを塗布した。最後に、70mm×50mmの長方形に整形したLDPEからなるフィルム(厚さ20μm)で積層シートの不織布R側をカバーして、アルミピローに入れた。その後、実施例1の試験シートAと同様の方法で試験シートDを調製した。ピロー内圧はほぼ常圧の0.1MPaであった。
<試験シートEの調整>
不織布R(レーヨン:アクリル:PE=50:25:25;坪量35g/m2)上に、フィルム厚15μmとなるようにEVOH樹脂を250℃にて単層でTダイ押出しして積層させた。表3の処方のゲル状組成物1を調製し、積層シートの不織布R側の面にこのゲル状組成物1をのせ、さらに表面を多孔質のPPフィルムにて被覆した後、バーコータを用いてゲル厚1.5mmとなるように伸展し、70mm×50mmの長方形に整形してアルミピローに入れた。
その後、このピローを厚さ3mmとなるような治具に挟み、酸素(100%)をピロー内に3秒間噴射してガス交換した後に、ピローをシールした。このシートをピロー内にて60℃で4日間さらに室温で3日間エージングを行い、サンプルシートEを調製した。ピロー内圧はほぼ常圧の0.1MPaであった。
Figure 0005647764
<試験シートFの調整>
表4のゲル状組成物2を用い、エージング時間を室温で7日間放置した以外は、試験シートEと同様の方法で、試験シートFを調した。ピロー内圧はほぼ常圧の0.1MPaであった。
Figure 0005647764
試験シートD〜Fについて、空隙部酸素濃度、皮下酸素分圧、及び皮膚の白さを測定し、結果を表3に示す。皮下酸素分圧、皮膚の白さの評価は、各試験シートをピローから取り出し、保護フィルムを除去して積層シートの不織布面側を直ちに前腕内側部に貼付し、貼付時間5分、及び10分のそれぞれについて評価を行った。結果を表5に示す。なお、表中、各サンプルシートの貼付時間5分と10分のそれぞれは同じ条件で調製したものであり、「-1」および「-2」の符号を付与した。
Figure 0005647764
酸素の保持層が、油層と水層の積層である試験シートD(液厚合計1mm)、ゲル組成物を用いた試験シートE(ゲル厚1.5m)及びF(ゲル厚1.5mm)のいずれも、皮下酸素分圧、皮膚の白さが高く、皮膚に対して高濃度の酸素が供給されていたと認められる。そのうち、保持層が水性ゲル層のみの試験シートA(液厚1mm)に対し、液もしくはゲル層の半分を油層とした試験シートDは貼付10分後の酸素の供給効果が高い。また、試験シートAと同じ水性であるが厚みが1.5倍のゲル剤を含浸した試験シートE及びFも、油層+液剤の試験シートDと同様に10分後でも皮膚色の白さが維持されていた。

Claims (7)

  1. 酸素難透過性容器内に、酸素を保持したゲル層と酸素透過性が0.001〜100cc/m2・day・atmである酸素低透過性フィルムとが積層され、さらに酸素低透過性フィルムと反対側のゲル層表面に保護フィルムが積層されたシートを密封してなり、かつ保存時の容器中の空隙部気体の酸素濃度が30質量%以上である、使用時に保護フィルムを除去して用いるための容器入り身体貼付用酸素供給シート。
  2. 酸素難透過性容器内に、不織布に水性溶液を含浸させた酸素を保持した液層と酸素透過性が0.001〜100cc/m2・day・atmである酸素低透過性フィルムとが積層されたシートを密封してなり、保存時の容器中の空隙部気体の酸素濃度が30質量%以上である容器入り身体貼付用酸素供給シート。
  3. 保存時の容器内部の気圧が、0.05〜0.15MPaである請求項1又は2記載の酸素供給シート。
  4. 酸素を保持したゲル層が、アニオン性ポリマーと多価陽イオンにより形成された水性ゲル層である請求項1又は請求項1を引用する請求項3記載の酸素供給シート。
  5. 酸素を保持した液層又はゲル層が、油分を含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の酸素供給シート。
  6. 酸素難透過性容器内に、酸素を保持したゲル層と酸素透過性が0.001〜100cc/m2・day・atmである酸素低透過性フィルムとが積層され、さらに酸素低透過性フィルムと反対側の液層又はゲル層表面に保護フィルムが積層されたシートを入れ、次いで容器中の空隙部気体の酸素濃度が30質量%以上になるように酸素を充填した後、容器を密封する、容器入り身体貼付用酸素供給シートの製造法。
  7. 酸素難透過性容器内に、不織布に水性溶液を含浸させた酸素を保持した液層と酸素透過性が0.001〜100cc/m2・day・atmである酸素低透過性フィルムとが積層されたシートを入れ、次いで容器中の空隙部気体の酸素濃度が30質量%以上になるように酸素を充填した後、容器を密封する、容器入り身体貼付用酸素供給シートの製造法。
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