JP5647764B2 - 容器入り身体貼付用酸素供給シート - Google Patents
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Description
従って、本発明の目的は、簡便かつ安価に製造でき、かつ十分な量の酸素を皮膚に持続的に供給することができる製剤を提供することにある。
フィルムの厚さは、感触の面からなるべく薄いものが好ましく、100μm以下が好ましく、特に50μm以下が好ましい。また、積層時のシール条件により破れない為に、5μm以上のものが好ましい。
ここで、空隙部気体中の酸素濃度は、食品用微量酸素分析計IS−300(飯島電子工業(株)製)を用いて測定する。気体の酸素濃度が25%以下の場合には、測定器の使用方法に従い、通常の手順で行う。また、酸素濃度が25%以上の場合には、被検気体と窒素ガスを1:4で混合して測定し、以下の式で算出した。
空隙部酸素濃度(%)=測定値(%)×5
〔空隙部気体の酸素濃度測定方法〕
測定器として食品用微量酸素分析計IS−300(飯島電子工業(株))を用いた。
空隙部の気体中に酸素濃度が25%以下の場合には、測定器の使用方法に従い、測定器のサンプリング注射針をアルミピローに突き刺し、空隙部の酸素濃度を直接測定した。
一方、空隙部の気体中で酸素濃度が25%以上の場合には、以下の手順で測定した。
1)50mLの目盛り付き注射筒に注射針を装着し、100%窒素ガスで満たしたアルミピローから、40mL分を注射筒に吸入した。
2)さらに、サンプルの入ったアルミピローから10mL分を追加吸入した。
3)注射針を取り外してすばやくパラフィルムで吸入口を塞いだ。
4)1分経過後、測定器のサンプリング注射針をパラフィルム部分に突き刺し、酸素濃度測定を行い、以下の式で空隙部の酸素濃度を算出した。
空隙部酸素濃度(%)=測定値(%)×5
測定器として経皮血液ガスモニタPO−850A(新生電子(株)製)を用い、簡易的に以下の方法により測定を行った。
1)コントロールとして、ピロー内空隙を酸素置換をせずに空気のまま保持していたシートを前腕内側部の皮膚に5分適用した。
2)5分経過後貼付シートを除去し、すばやくシート適用部の水分をティッシュでふき取り、測定器のセンサーを加温しないで、直ちにシート適用部分の皮膚に装着した。
3)装着直後〜2分後までは10秒ごとに酸素分圧測定値を読み取り、以後2分後〜10分後までは30秒ごとに酸素分圧測定値を読み取った。
4)酸素分圧測定値をセンサー装着後の時間に対してグラフにプロットし、装着直後付近の測定値の並びに接するように直線を引き、直線の傾き、すなわち、皮膚表面酸素分圧低下速度を求めた。
5)また、測定開始から10分付近でほぼ一定となった値を、コントロールの皮下酸素分圧とした。コントロールの皮下酸素分圧はいずれもほぼ10mmHgであった。
6)次に、調整した試験シートについて、コントロールと同様に上記1)〜4)にしたがって酸素分圧を測定し、皮膚表面の酸素分圧低下速度を求めた。
7)皮膚表面酸素分圧低下速度が、外気酸素分圧(160mmHg)と皮下酸素分圧との差に比例すると仮定し、以下の式に従い、試験シート適用時の皮下酸素分圧を求めた。
試験シート適用時の皮下酸素分圧(mmHg)=160mmHg−(試験シート適用時の皮膚表面酸素分圧低下速度/コントロールの皮膚表面酸素分圧低下速度)×(160mmHg−10mmHg)
皮膚色の白さは、各シートの貼付時の境界が明確さを以下の基準で5段階評価を行った。
5:境界がはっきりしている
4:境界がややはっきりしている
3:境界がわずかに認識できる
2:境界がぼんやりしている
1:まったく境界が認められない
<液含浸シートの作成>
PEからなるフィルム(厚さ20μm;酸素透過性約4000cc/m2・day・atm)と、不織布P(レーヨン:アクリル:PE=50:25:25、坪量65g/m2、平均厚み1.0mm)とを、融着温度が約160℃になるよう設定し、1cmドットパターンと平面のプレートヒーターを用いて、1秒間で全面シールをおこなった。1つのドットの大きさは2mm角のパターンを使用した。積層したシートをさらに70mm×50mmの長方形シートに調製した。
表1に示す成分を混合し、80℃で撹拌し、均一に溶解した後室温まで徐冷した。この液状組成物のpHは5.0であった。上記長方形シートの不織布面に液状組成物をできるだけ均一に平均液厚1mmとなるように塗布し、液含浸シートを調製した。
上記液含浸シートを、不織布面を内側にして2つ折りにして、アルミピローに入れた。その後、このピローを厚さ3mmとなるような治具に挟み、酸素(100%)をピロー内に3秒間噴射してガス交換した後にピローをシールし、シートをエージングするため1週間放置した。これを試験シートAとした。
<試験シートBの調整>
ピロー内に噴射するガスとして、酸素50%窒素50%を用いたほかは試験シートAと同様の方法で試験シートBを調製した。ピロー内圧はほぼ常圧の0.1MPaである。
<試験シートCの調整>
シート材として不織布のみ(PEフィルムを積層していない)を用いたほかは、試験シートAと同様に酸素(100%)ガス置換させて比較品として試験シートCを調製した。
<コントロールシートの調整>
ピロー内のガス置換操作はおこなわず、空気のままでピローをシールして、コントロールシートを調製した。ピロー内圧はほぼ常圧の0.1MPaであった。
上記の4種類のシート(コントロールシート、試験シートA〜C)について、各種の測定を行った。
各シートをピローから取り出して折りたたんだシートを開き、不織布面を直ちに前腕内側部に貼付し、5分後にシートを剥がし、剥離直後の皮膚状態(皮膚色)を評価するとともに皮下酸素分圧を測定した。測定はそれぞれの実験を3回ずつ繰り返し、平均を表2に示す。
<試験シートDの調整>
EVOHからなるフィルム(厚さ15μm;酸素透過性約0.2cc/m2・day・atm)と不織布Q(PE100%;坪量30g)とをそれぞれを70mm×50mmの長方形に整形して重ね合わせ、全体的に均一に6箇所を超音波ホッチキスで接着させた。次に、不織布R(レーヨン:アクリル:PE=50:25:25;坪量35g/m2)を70mm×50mmの長方形に整形して、前記積層シートの不織布Q側に重ね合わせ、全体的に均一に9箇所を超音波ホッチキスで接着させた。
次に、長方形積層シートの不織布Rの外側面に表1の液状組成物をできるだけ均一に平均液厚0.5mmとなるように塗布した。また、適量の流動パラフィンをスポイドにとり、積層シートの不織布-フィルム間にスポイドを差し込んで、不織布Qにできるだけ均一に平均液厚0.5mmとなるように流動パラフィンを塗布した。最後に、70mm×50mmの長方形に整形したLDPEからなるフィルム(厚さ20μm)で積層シートの不織布R側をカバーして、アルミピローに入れた。その後、実施例1の試験シートAと同様の方法で試験シートDを調製した。ピロー内圧はほぼ常圧の0.1MPaであった。
不織布R(レーヨン:アクリル:PE=50:25:25;坪量35g/m2)上に、フィルム厚15μmとなるようにEVOH樹脂を250℃にて単層でTダイ押出しして積層させた。表3の処方のゲル状組成物1を調製し、積層シートの不織布R側の面にこのゲル状組成物1をのせ、さらに表面を多孔質のPPフィルムにて被覆した後、バーコータを用いてゲル厚1.5mmとなるように伸展し、70mm×50mmの長方形に整形してアルミピローに入れた。
その後、このピローを厚さ3mmとなるような治具に挟み、酸素(100%)をピロー内に3秒間噴射してガス交換した後に、ピローをシールした。このシートをピロー内にて60℃で4日間さらに室温で3日間エージングを行い、サンプルシートEを調製した。ピロー内圧はほぼ常圧の0.1MPaであった。
表4のゲル状組成物2を用い、エージング時間を室温で7日間放置した以外は、試験シートEと同様の方法で、試験シートFを調製した。ピロー内圧はほぼ常圧の0.1MPaであった。
Claims (7)
- 酸素難透過性容器内に、酸素を保持したゲル層と酸素透過性が0.001〜100cc/m2・day・atmである酸素低透過性フィルムとが積層され、さらに酸素低透過性フィルムと反対側のゲル層表面に保護フィルムが積層されたシートを密封してなり、かつ保存時の容器中の空隙部気体の酸素濃度が30質量%以上である、使用時に保護フィルムを除去して用いるための容器入り身体貼付用酸素供給シート。
- 酸素難透過性容器内に、不織布に水性溶液を含浸させた酸素を保持した液層と酸素透過性が0.001〜100cc/m2・day・atmである酸素低透過性フィルムとが積層されたシートを密封してなり、保存時の容器中の空隙部気体の酸素濃度が30質量%以上である容器入り身体貼付用酸素供給シート。
- 保存時の容器内部の気圧が、0.05〜0.15MPaである請求項1又は2記載の酸素供給シート。
- 酸素を保持したゲル層が、アニオン性ポリマーと多価陽イオンにより形成された水性ゲル層である請求項1又は請求項1を引用する請求項3記載の酸素供給シート。
- 酸素を保持した液層又はゲル層が、油分を含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の酸素供給シート。
- 酸素難透過性容器内に、酸素を保持したゲル層と酸素透過性が0.001〜100cc/m2・day・atmである酸素低透過性フィルムとが積層され、さらに酸素低透過性フィルムと反対側の液層又はゲル層表面に保護フィルムが積層されたシートを入れ、次いで容器中の空隙部気体の酸素濃度が30質量%以上になるように酸素を充填した後、容器を密封する、容器入り身体貼付用酸素供給シートの製造法。
- 酸素難透過性容器内に、不織布に水性溶液を含浸させた酸素を保持した液層と酸素透過性が0.001〜100cc/m2・day・atmである酸素低透過性フィルムとが積層されたシートを入れ、次いで容器中の空隙部気体の酸素濃度が30質量%以上になるように酸素を充填した後、容器を密封する、容器入り身体貼付用酸素供給シートの製造法。
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