JP2000297009A - 生体用粘着ゲルシート、これを用いた化粧品および医薬部外品 - Google Patents

生体用粘着ゲルシート、これを用いた化粧品および医薬部外品

Info

Publication number
JP2000297009A
JP2000297009A JP11107080A JP10708099A JP2000297009A JP 2000297009 A JP2000297009 A JP 2000297009A JP 11107080 A JP11107080 A JP 11107080A JP 10708099 A JP10708099 A JP 10708099A JP 2000297009 A JP2000297009 A JP 2000297009A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
gel
sheet
synthetic polymer
extract
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11107080A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3913926B2 (ja
Inventor
Yasushi Hayashi
康 林
Kozo Sakai
幸三 酒井
Shinichi Sato
眞市 左藤
Takashi Azuma
孝 東
Akihiro Kuroda
章裕 黒田
Saori Ishihata
さおり 石畠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
Kanebo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Plastics Co Ltd, Kanebo Ltd filed Critical Sekisui Plastics Co Ltd
Priority to JP10708099A priority Critical patent/JP3913926B2/ja
Publication of JP2000297009A publication Critical patent/JP2000297009A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3913926B2 publication Critical patent/JP3913926B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 視覚的な違和感を生じさせない程度の透明性
を有し、使用時に破壊や剥離が生じることがなく、皮膚
の動きに対する追従性に優れ、かつ熱安定性や耐腐敗性
に優れた生体用粘着シートを提供する。 【解決手段】 本発明の生体用粘着ゲルシート1は、溶
媒として少なくとも水を含み、網目構造を有し、かつ粘
着性を有する単一の合成高分子ゲル体からなるシートに
おける一方の表面に非粘着処理を施して、この表面を非
粘着面とし、他方の表面を粘着面としたことを特徴とす
る。また、本発明の化粧品および医薬部外品は本発明の
生体用粘着ゲルシートから形成されたものであって、前
記合成高分子ゲル体中に、化粧品や医薬部外品の用途等
に応じた薬効成分等が配合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品、医薬部外
品、化粧品、衛生材料、雑貨等の分野に用いられる生体
用粘着ゲルシートに関し、より詳しくは、使い勝手、感
触および柔軟性に優れ、皮膚に貼り付けても視覚的な違
和感が生じることのない生体用粘着ゲルシートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、美容、美顔および皮膚の治療等に
用いられるパック料や貼付剤、または経皮吸収剤、生体
用粘着テープ、創傷被覆剤、消炎鎮痛剤等の生体用粘着
シートとしては、取り扱いの容易さや皮膚表面への閉塞
効果等の観点から、不織布、織布、プラスチックフィル
ム等のシート状の素材を支持基材として、この支持基材
上に、各種の有効成分を含有させた親水性の粘着ゲルを
付着させたものが使用されている。しかしながら、前記
不織布や織布等には、粘着ゲルの裏抜けを防ぐために、
開口率がほとんどなく不透明なものが使用されるため、
皮膚表面に貼り付けた際の視覚的な違和感が大きく、生
体用粘着シートの使用に際しては時と場所とが大きく制
限されるという問題があった。
【0003】一方、支持基材としてプラスチックフィル
ムを用いると生体用粘着シート全体を透明にすることが
できるため、使用時に目立つことがなく、視覚的な違和
感を与えることのない粘着シートを提供することができ
るが、親水性の粘着ゲルとプラスチックフィルムとの接
着性が乏しく、双方が容易に剥離するため、その使用に
際して不具合が生じる。さらに、プラスチックフィルム
が柔軟性に欠けるため、生体用粘着シートが皮膚表面の
動きに対して十分に追従できず、皮膚表面から剥離し易
くなったり、使用時に皮膚に違和感を伴うという問題が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記課題を解決するた
めに、特開平3−86806号公報や特開平3−167
117号公報には、ゼラチンを多価金属イオン化合物、
アルデヒド類、多価アルコール類または糖類とを反応さ
せて得られるゲルを支持基材として用い、ポリアクリル
酸系ポリマーを多価金属イオン化合物と反応させて得ら
れる含水ゲルを粘着層として用いたシート状パック剤ま
たは貼付剤が開示されている。
【0005】上記公報に開示のパック剤等を用いれば、
支持基材としてのゼラチンや、粘着層に用いられる含水
ゲルの双方が透明ないしは半透明であることに起因し
て、皮膚表面に貼り付けた際に視覚的な違和感が生じる
ことがない。また、支持基材と粘着層がともにゲルから
なるため、使用時に双方が剥離するという不具合が生じ
ず、さらに皮膚表面の動きに対する追従性が良好となる
ため、皮膚表面から剥離し易いといった従来の課題をも
解決することができる。
【0006】しかしながら、ゼラチンを主成分とするゲ
ルは熱に対する安定性が乏しいという別の問題があるた
め、気温が高い状態で保存すると製品自身の形状が損な
われてしまい、例えば夏場に梱包して輸送する際には製
品が劣化するという問題が顕著に生じる。また、ゼラチ
ンは天然物であるためにゲルが腐敗し易く、多量の防腐
剤を配合してゲルの腐敗を防止したとしても、ゲルが人
体に直接触れる用途には好ましくないものとなってしま
う。さらに、ゼラチンは天然物である故に品質にばらつ
きがあるなど、品質安定性の観点からも問題がある。
【0007】そこで、本発明の目的は、上記の課題を解
決し、視覚的な違和感を生じさせない程度の透明性を有
し、使用時に破壊や剥離が生じることがなく、皮膚の動
きに対する追従性に優れ、かつ熱安定性や耐腐敗性に優
れた生体用粘着シートを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、粘着性を有す
る合成高分子のゲル体をシート状に形成し、こうして得
られたシートの一方の表面に非粘着処理を施すことによ
って両表面の粘着度合いに差異を設けたときは、上記課
題を解決した生体用粘着シートを得ることができるとい
う新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の生体用粘着ゲルシート
は、溶媒として少なくとも水を含み、網目構造を有し、
かつ粘着性を有する単一の合成高分子ゲル体からなるシ
ートにおける一方の表面に非粘着処理を施して、この表
面を非粘着面とし、他方の表面を粘着面としたことを特
徴とする。上記本発明の生体用粘着ゲルシートによれ
ば、シート自体が少なくとも水を含む合成高分子ゲル体
であるために、皮膚に貼り付けた場合でも視覚的な違和
感を生じさせることがなく、前記シートが粘着性を有す
る合成高分子ゲル体であることから、皮膚の動きに対し
て優れた追従性を得ることができ、前記シートが単一の
合成高分子ゲル体であることから、貼り付けたり剥がし
たりする際に、あるいは前記シートの伸縮や摩擦を繰り
返したりする際に(すなわち、使用時に)、シートが破
壊して剥離が生じたりすることがなく、前記シートの製
造工程は、例えばプラスチック等のシートやフィルム、
あるいはゼラチン等の天然のゲルからなる支持基材に前
記ゲル体を積層する場合に比べて簡易であるため、製造
コストを低減することができ、前記シートが天然高分子
系のゲル体ではなく、合成高分子系のゲル体で構成され
るため、優れた熱安定性や耐腐敗性、すなわち優れた保
存耐久性を得ることができ、さらに、前記シートがその
両表面の粘着度合いを異ならせているものであることか
ら、例えば粘着面についてはその粘着性が皮膚に対して
十分なものとなる程度に、非粘着面についてはその粘着
性が粘着面よりも低くなるように設定することで、皮膚
に貼り付けたり、剥がしたりする際の操作性を良好なも
のとすることができる。
【0010】本発明の生体用粘着ゲルシートにおける粘
着面と非粘着面との粘着度合いとしては、上記の観点か
ら、JIS Z 0237−1991「粘着テープ・粘
着シート試験方法」に記載の傾斜式ボールタック装置
(傾斜角20度)で測定した場合において、粘着面と非
粘着面とのボールナンバーの差が1以上であり、かつ粘
着面のボールナンバーが2〜50の範囲となるように調
整されているのが好ましい。
【0011】上記本発明の生体用粘着ゲルシートをつく
る単一の合成高分子ゲル体は透明または半透明であり、
このゲル体の一方の表面に非粘着処理剤を施すことによ
っても、この(半)透明性は保持される。従って、本発
明の粘着ゲルシートの外観も透明または半透明であっ
て、これを皮膚に貼り付けた際に視覚的な違和感が生じ
ることがない。
【0012】上記本発明の生体用粘着ゲルシートにおい
て、合成高分子ゲル体を形成する合成高分子と非粘着処
理剤とは、それぞれ少なくともアニオン性官能基を有す
る重合性不飽和単量体を重合した親水性合成高分子と、
少なくとも多価カチオンを有する処理剤であるのが、本
発明の生体用粘着ゲルシートを簡易にかつ安価に製造す
るといった観点から好ましい。上記アニオン性官能基
は、とりわけカルボキシル基であるのが好ましく、上記
多価カチオンは、とりわけ三価以上のイオンであるのが
好ましい。
【0013】上記本発明の生体用粘着ゲルシートには、
その強度や取扱い性を向上させるといった観点から、粘
着ゲルシートの透明性を損なうことのない範囲で、かつ
使用時にシートが剥離、破壊することのない範囲で、開
口率が十分に大きい織布または不織布を粘着ゲルシート
に内在させてもよい。一方、本発明の化粧品および医薬
部外品は、上記本発明の生体用粘着ゲルシートから形成
されたことを特徴とする。
【0014】なお、本発明において「生体用粘着ゲルシ
ート」および「生体用粘着シート」は、パック料、貼付
剤、経皮吸収剤、生体用粘着テープ、創傷被覆剤、消炎
鎮痛剤等の、美容、美顔および皮膚の治療等を目的とし
て皮膚に貼り付けて使用される粘着シートをいう。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 〔合成高分子ゲル体〕本発明の生体用粘着ゲルシート
は、少なくとも水を含み、網目構造を有し、かつ粘着性
を有する単一の合成高分子ゲル体で構成され、好ましく
は無色、または着色された透明ないしは半透明であり、
かつ保形性を有することを特徴とする。
【0016】本発明において「単一の合成高分子ゲル
体」とは、 ・硬化が終了したゲル体同士を積層したり、 ・一方のゲル体の硬化が終了した後で、他方のゲル体
を、その硬化が始まらない状態もしくは硬化の進行が途
中の段階にある状態で積層することによって得られる従
来の合成高分子ゲル積層体とは異なるものであって、 ・シート状に形成された前記合成高分子ゲル体の一方の
表面に、架橋度が高く、それに伴って粘着性が低下した
部分があるものの、当該一方の表面における架橋度を上
昇させる前(すなわち、前記のゲル体の製造直後)にお
いては、均一な組成のゲル体からなる単一の層であった
ものを示す。
【0017】(溶媒)本発明の生体用粘着ゲルシートを
構成する単一の合成高分子ゲル体に占める水の割合は1
〜99重量%であるのが好ましい。ゲル体に占める水の
割合が1%を下回ると、ゲル体中に配合される薬効成分
等の各種添加剤等を容易に溶かすことができなくなるお
それがある。逆に、ゲル体に占める水の割合が99重量
%を超えると、ゲル体の腰強度が弱くなったり、ゲル体
中に封じ込めた溶媒や薬効成分等の添加剤を安定に保つ
ことが困難となるおそれがある。ゲル体に占める水の割
合は、上記範囲の中でも特に5〜95重量%であるのが
好ましく、10〜85重量%であるのがより好ましい。
【0018】上記合成高分子ゲル体を構成する溶媒とし
ては、水のほか、水と相分離を起こさないものであり、
従来、化粧品、医薬品、医薬部外品、衛生材料、雑貨等
の分野で経皮用途として使用されている溶媒であれば、
これを水と混合した上で使用することができる。かかる
溶媒としては、例えばエチルアルコール等のモノアルコ
ール類;1,3−ブチレングリコール等のグリコール
類;グリセリン等の多価アルコール類等が挙げられ、こ
れらは単独でまたは2種以上を混合して用いることがで
きる。
【0019】合成高分子ゲル体に占める水以外の溶媒の
割合は98重量%以下であるのが好ましい。かかる割合
が98重量%を超えると、溶媒としての水の含有量が低
下するため、ゲル体中に配合される各種の添加剤等を容
易に溶解できなくなるおそれがある。さらに、ゲル体の
腰強度が弱くなったり、ゲル体中に封じ込めた溶媒や薬
効成分等の添加剤を安定に保つことが困難となるおそれ
がある。
【0020】(ゲル体を構成する合成高分子)前記合成
高分子ゲル体を構成する合成高分子としては、水と親和
性があり、網目構造を有し、少なくとも水を含んでゲル
体を形成し、少なくとも60℃で1ヶ月保存した後にお
いても前記ゲル構造が保持され、かつ前記ゲル体を形成
したときに粘着性を有するものであって、従来、化粧
品、医薬品、医薬部外品、衛生材料、雑貨等の分野で経
皮用途として使用されているものであるほかは特に限定
されず、種々の合成高分子を用いることができる。
【0021】中でも、製造が容易であるとの観点から、
(a) 1種または2種以上の重合性不飽和単量体と架橋性
不飽和単量体との共重合体、または(b) 側鎖にカルボキ
シル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ基か
らなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有す
る、1種または2種以上の重合性不飽和単量体を重合し
て得られる親水性合成高分子と、多価金属イオン化合
物、多価カルボン酸、多価アルコール、多官能エポキシ
ド類およびジアルデヒド類からなる群より選ばれる少な
くとも1種の架橋性因子とを反応して得られる架橋構造
体が好適に用いられる。
【0022】上記(b) の架橋構造体を形成する、側鎖に
カルボキシル基を有する親水性合成高分子としては、ポ
リ(メタ)アクリル酸やそのカルボキシル基の一部また
は全部を水酸化ナトリウム等のアルカリで中和したもの
等が挙げられる。側鎖にスルホン酸基を有する親水性合
成高分子としては、ポリt−ブチルアクリルアミドスル
ホン酸やそのスルホン酸基の一部または全部を水酸化ナ
トリウム等のアルカリで中和したもの等が挙げられる。
側鎖に水酸基を有する親水性合成高分子としては、酢酸
ビニルモノマーを重合し、加水分解して得られるポリビ
ニルアルコール等が挙げられる。側鎖にアミド基を有す
る親水性合成高分子としては、ポリ(メタ)アクリルア
ミド、ポリN,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミ
ド、ポリビニルピロリドン、ポリN−ビニルアセトアミ
ド等が挙げられる。側鎖にアミノ基を有する親水性合成
高分子としては、ポリアリルアミンやそのアミノ基の一
部または全部を塩酸等の酸で中和したもの、ポリ塩化メ
タクリロイルトリメチルオキシエチルアンモニウム等が
挙げられる。
【0023】上記親水性合成高分子を構成する単量体
は、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド
基、アミノ基のほかに、これらを変性した官能基を有し
てもよい。例えば、皮膚への密着性の向上を目的として
親水性合成高分子中における水酸基やカルボキシル基の
40%程度をエステル化して親油化する処理を行なって
もよい。また、側鎖に長い飽和炭化水素部分がある場合
には、当該部分に親水性を付与することを目的として、
さらにカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド
基、アミノ基等を導入したり、酸やアルカリ等の試薬で
処理してもよい。これらの処理は単量体の重合前に行っ
てもよいし、重合後に行ってもよい。
【0024】また、上記(b) の架橋構造体を形成する架
橋性因子としては、前述のように、多価金属イオン化合
物、多価カルボン酸、多価アルコール、多官能エポキシ
ド類およびジアルデヒド類が挙げられる。このうち多価
金属イオン化合物としては、例えばアルミニウム化合
物、カルシウム化合物、マグネシウム化合物等が挙げら
れる。中でも、架橋効率の観点から、水酸化アルミニウ
ムおよびその塩、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸
アルミン酸マグネシウム、マグネシウム−アルミニウム
酸化物、アルミニウム酸化物、ジヒドロキシアルミニウ
ムアミノアセテート、マグネシウム−アルミニウムハイ
ドロオキサイドカーボネートハイドレート、水酸化アル
ミニウム−炭酸ナトリウム共沈物等の、3価のアルミニ
ウムイオンを含む化合物が好適であり、さらには非晶質
構造であるものがより好適である。多価カルボン酸とし
ては、例えばコハク酸、フマル酸、フタル酸、クエン
酸、リンゴ酸等が挙げられる。多価アルコールとして
は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、グリセリン、ジエチレングリコー
ル、ジグリセリン等が挙げられる。多官能エポキシドと
しては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチ
レングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポ
リグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジ
ルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソ
ルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポ
リグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテ
ル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等が挙
げられる。また、ジアルデヒド類としては、例えばグリ
オキサール、テレフタルアルデヒド、グルタルアルデヒ
ド等が挙げられる。
【0025】一方、上記(a) の共重合体を形成する重合
性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸およびそ
の塩;t−ブチルアクリルアミドスルホン酸およびその
塩;N,N’−ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミ
ノプロピルメタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミ
ドの誘導体;ビニルピロリドン等が、製造が容易である
などの観点から好適に用いられる。前記重合性不飽和単
量体は単独で、または2種以上を混合して用いられる。
【0026】また、上記(a) の共重合体を形成する架橋
性不飽和単量体としては、例えばN,N' −メチレンビ
スアクリルアミド、N,N' −メチレンビスメタクリル
アミド、N,N' −エチレンビスアクリルアミド、N,
N' −エチレンビスメタクリルアミド、1,2−ジアク
リルアミドエチレングリコール等が挙げられる。本発明
の生体用粘着ゲルシートにおいて、単一の合成高分子ゲ
ル体を構成する合成高分子の配合量は、当該合成高分子
ゲル体の総量に対して1〜50重量%であるのが好まし
い。合成高分子の配合量が1重量%を下回ると、ゲル体
の腰強度が弱くなり、ゲル体中に封じ込めた溶媒、薬効
成分等の添加剤を安定に保つことが困難になるおそれが
ある。逆に、50重量%を超えると、ゲル強度は強くな
るものの、ゲル体の高分子構造が密になりすぎて、ゲル
体中に保持できる溶媒や薬効成分等の量が少なくなりす
ぎるおそれがある。合成高分子の配合量は、上記範囲の
中でも特に、3〜30重量%であるのが好ましく、5〜
25重量%であるのがより好ましい。
【0027】合成高分子ゲル体を形成する合成高分子と
して前記(a) の共重合体を用いる場合、架橋性不飽和単
量体の配合量は、合成高分子ゲル体に対して0.005
〜0.5重量%であるのが好ましい。配合量が0.00
5重量%を下回ると十分な腰強度を有するゲル体が得ら
れにくくなり、ゲル体中に封じ込めた溶媒、薬効成分等
の添加剤を安定に保つことが困難になるおそれがある。
逆に、配合量が0.5重量%を超えると、得られるゲル
体の脆さが増大し、引張応力や圧縮応力によって切断や
破壊が生じやすくなるおそれがある。
【0028】一方、合成高分子ゲル体を形成する合成高
分子として前記(b) の架橋構造体を用いる場合におい
て、架橋性因子が多価金属イオン化合物である場合は、
当該多価金属イオン化合物の配合量は、合成高分子ゲル
体に対して0.1〜10重量%であるのが好ましい。架
橋性因子が多価カルボン酸または多価アルコールである
場合は、当該多価カルボン酸または多価アルコールの配
合量は、合成高分子ゲル体に対して0.1〜5重量%で
あるのが好ましい。また、架橋性因子が多官能エポキシ
ド類またはジアルデヒド類である場合は、当該多官能エ
ポキシド類またはジアルデヒド類の配合量は、合成高分
子ゲル体に対して0.01〜3重量%であるのが好まし
い。多価金属イオン化合物等の架橋性因子の配合量が前
記範囲を下回ると、得られる合成高分子ゲル体の腰強度
が弱くなり、ゲル体に封じ込めた溶媒や薬効成分等の添
加剤を安定に保つことが困難になるおそれがある。逆
に、配合量が前記範囲を超えると、ゲル体の脆さが増大
し、引張応力や圧縮応力によって切断や破壊が生じやす
くなるおそれがある。
【0029】〔非粘着処理〕本発明における非粘着処理
としては、例えば合成高分子ゲル体の一方の表面に、当
該ゲル体と反応してその架橋密度を上昇させることがで
きる非粘着処理剤を施す方法;紫外線、電子線等を照射
して、合成高分子ゲル体の一方の表面における架橋密度
を上昇させる方法等が挙げられる。
【0030】これらの方法の中でも、特に合成高分子ゲ
ル体の一方の表面に上記非粘着処理剤を施す(より具体
的には、上記非粘着処理剤を塗布、噴霧する等の方法を
採る)のが、作業の容易さや製造コスト等の観点から好
ましい。 (非粘着処理剤)本発明における非粘着処理剤として
は、生体用粘着ゲルシートを形成する合成高分子ゲル体
と反応し、当該合成高分子ゲル体の架橋密度を上昇させ
得る架橋性因子を含むものが用いられる。すなわち、本
発明に用いられる非粘着処理剤は、当該処理剤による処
理を施した表面(以下、非粘着面という)の粘着性を、
前記処理を施していない他方の表面(以下、粘着面とい
う)に比べて低下させることができるものであって、従
来、化粧品、医薬品、医薬部外品、衛生材料、雑貨等の
分野で経皮用途として使用されているものであるほかは
特に限定されない。
【0031】本発明における非粘着処理剤は、当該非粘
着処理剤に含有される架橋性因子が合成高分子ゲル体と
反応して、当該ゲル体の架橋密度を上げることに特徴を
有する。このため、上記ゲル体中には、非粘着処理剤が
有する架橋性因子と架橋反応を起こし得る成分を必要と
する。かかる成分は、それ自体が合成高分子ゲル体を形
成する合成高分子であってもよいし、合成高分子ゲル体
を形成する合成高分子とは別に、当該ゲル体中にその溶
媒とともに包含された未架橋の合成高分子であってもよ
い。
【0032】上記非粘着処理剤と合成高分子ゲル体との
組み合わせは特に限定されるものではないが、製造が容
易であるとの観点から、(i) 非粘着処理剤が、多価カチ
オン、多価カルボン酸、多価アルコール、多官能エポキ
シド類およびジアルデヒド類からなる群より選ばれる少
なくとも1種の架橋性因子を有するものであり、かつ、
(ii)ゲル体を構成する網目構造を有する合成高分子が、
側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド
基、アミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の
官能基を有する、1種または2種以上の重合性不飽和単
量体を重合して得られる親水性合成高分子(すなわち、
上記(i) の架橋性因子と架橋反応を起こし得る合成高分
子)からなるものである組み合わせが好適である。
【0033】上記(ii)における、カルボキシル基、スル
ホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ基からなる群より
選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、1種または
2種以上の重合性不飽和単量体を重合して得られる親水
性合成高分子に網目構造を導入するには、 ・上記重合性不飽和単量体を架橋性不飽和単量体ととも
に共重合する方法や、 ・上記重合性不飽和単量体を重合して得られる親水性合
成高分子と、多価金属イオン化合物、多価カルボン酸、
多価アルコール、多官能エポキシド類およびジアルデヒ
ド類からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋性因
子と反応させて架橋構造体を形成する方法等が挙げられ
る。
【0034】上記(ii)記載の、側鎖にカルボキシル基、
スルホン酸基、水酸基、アミド基またはアミノ基を有す
る親水性合成高分子としては、前述の「ゲル体を構成す
る合成高分子」の欄に記載したものと同じものが挙げら
れる。また、上記親水性合成高分子を構成する単量体
は、「ゲル体を構成する合成高分子」の欄の記載と同様
に、カルボキシル基等を変性した官能基を有してもよ
く、当該官能基を導入するための処理やその処理を行う
時期等についても、「ゲル体を構成する合成高分子」の
欄の記載と同様である。
【0035】上記(ii)記載の、親水性合成高分子を形成
する重合性不飽和単量体、および当該重合性不飽和単量
体と共重合させ得る架橋性不飽和単量体についても、前
述の「ゲル体を構成する合成高分子」の欄に記載したも
のと同じものが挙げられる。上記親水性合成高分子に網
目構造を導入するために用いられる架橋性因子について
も、前述の「ゲル体を構成する合成高分子」の欄に記載
したものと同じものが挙げられる。
【0036】親水性合成高分子に網目構造を導入する方
法として、重合性不飽和単量体と架橋性不飽和単量体と
の共重合を用いる場合、架橋性不飽和単量体の配合量
は、ゲル体に対して0.005〜0.5重量%であるの
が好ましい。配合量が0.005重量%を下回ると十分
な腰強度を有するゲル体が得られにくくなり、ゲル体中
に封じ込めた溶媒、薬効成分等の添加剤を安定に保つこ
とが困難になるおそれがある。逆に、配合量が0.5重
量%を超えると、得られるゲル体の脆さが増大し、引張
応力や圧縮応力によって切断や破壊が生じやすくなるお
それがある。
【0037】一方、親水性合成高分子に網目構造を導入
する方法として、親水性合成高分子と架橋性因子との架
橋構造体を用いる場合において、前記架橋性因子が多価
金属イオン化合物である場合には、当該多価金属イオン
化合物の配合量は、ゲル体に対して0.1〜10重量%
であるのが好ましい。前記架橋性因子が多価カルボン酸
または多価アルコールである場合には、当該多価カルボ
ン酸または多価アルコールの配合量は、ゲル体に対して
0.1〜5重量%であるのが好ましい。また、架橋性因
子が多官能エポキシド類またはジアルデヒド類である場
合には、当該多官能エポキシド類またはジアルデヒド類
の配合量は、ゲル体に対して0.01〜3重量%である
のが好ましい。多価金属イオン化合物等の架橋性因子の
配合量が前記範囲を下回ると、得られる合成高分子ゲル
体の腰強度が弱くなり、ゲル体に封じ込めた溶媒や薬効
成分等の添加剤を安定に保つことが困難になるおそれが
ある。逆に、配合量が前記範囲を超えると、ゲル体の脆
さが増大し、引張応力や圧縮応力によって切断や破壊が
生じやすくなるおそれがある。
【0038】上記非粘着処理剤として用いられる架橋性
因子のうち、多価カルボン酸、多価アルコール、多官能
エポキシドおよびジアルデヒド類としては、前述の「ゲ
ル体を構成する合成高分子」の欄に例示したものと同じ
ものを用いることができる。また、上記非粘着処理剤と
して用いられる架橋性因子のうちの多価カチオンとは、
二価以上のカチオン全般を指し、その中でも、架橋反応
効率の観点から、例えばAl3+,Fe3+,Ti3+,In
3+,Zr4+,Ta5+等の三価以上のイオンが好適に用い
られる。
【0039】上記多価カチオンの形態は、例えば塩化ア
ルミニウムのように水に可溶性の塩となるものであって
も、例えば合成ケイ酸アルミニウムのように水に難溶性
の塩となるものであってもよく、その製造方法に応じて
最適なものを適宜選択すればよい。すなわち、非粘着処
理に即効性を得ることを目的とする場合は、使用する非
粘着処理剤あるいは合成高分子ゲル体に包含された溶媒
との可溶性を有する塩を選択すればよく、逆に非粘着処
理を、例えば1時間以上かけて行うことを目的とする場
合は、使用する非粘着処理剤あるいは合成高分子ゲル体
に包含された溶媒に対して難溶性の塩を選択すればよ
い。
【0040】上記非粘着処理における上記親水性合成高
分子と架橋性因子との組み合わせは、製造がさらに容易
であるとの観点から、前述の中でも特に、少なくともア
ニオン性官能基を有する重合性不飽和単量体を重合して
得られる親水性合成高分子と、少なくとも多価カチオン
を有する架橋性因子との組み合わせが好適である。上記
アニオン性官能基とは、水中でカチオンと化学結合を有
する能力のある官能基全般を指し、製造が容易であると
の観点から、−COOH,−COOX(X:対イオン)
で示されるカルボキシル基が好ましい。
【0041】本発明の生体用粘着ゲルシートを構成する
合成高分子ゲル体の一方の表面に施される非粘着処理剤
は、上記架橋性因子とともに溶媒を含んでいてもよく、
かかる溶媒としては例えば水やエチルアルコール等のモ
ノアルコール類、1,3−ブチレングリコール等のグリ
コール類、グリセリン等の多価アルコール類等が挙げら
れる。前述のように、上記架橋性因子はかかる溶媒に溶
解していても、溶解せずにスラリーのようになっていて
もよい。さらに、非粘着処理剤には必要に応じて各種添
加剤を含んでいてもよい。
【0042】本発明における非粘着処理において、合成
高分子ゲル体の表面に施される非粘着処理剤の量は、架
橋性因子の架橋当量で表した場合、前記ゲル体の表面1
cm 2 当たり1×10-10 〜1×10-2当量であるのが
好ましい。処理量が1×10 -10 当量/cm2 を下回る
と非粘着面と粘着面との粘着の差が顕著に現れず、使用
時の取り扱い性が悪くなる。一方、処理量が1×10-2
当量/cm2 に達すると、もはや非粘着面への非粘着処
理は十分に施され、それ以上有効に作用することはな
い。
【0043】なお、ここでいう架橋性因子の架橋当量と
は、架橋性因子の架橋点の量をモル数で表わしたものを
いう。本発明における非粘着処理において、非粘着処理
剤は、合成高分子ゲル体の表面一面に均一な処理量で施
してもよく、部分的に処理量が不均一になってもよい。
従って、上記好ましい処理量の範囲内で、かかる表面を
不均一に処理を施しても構わない。
【0044】〔粘着面および非粘着面の粘着特性等〕本
発明の生体用粘着ゲルシートは、前述のように、合成高
分子ゲル体の一方の表面に非粘着処理剤を施すことによ
って、前記粘着ゲルシートの一方の表面を粘着面とし、
他方の表面を非粘着面としたものであって、両表面の粘
着度合いが異なっていることを特徴とする。
【0045】粘着面は粘着ゲルシートを皮膚に貼り付け
るための表面であって、皮膚に貼り付けたときに容易に
剥がれることがなく、十分に皮膚に密着し得る化学的性
質(とりわけ、粘着性)をもったゲル表面である。一
方、非粘着面は、粘着ゲルシートを皮膚に貼り付けた際
に皮膚表面の反対側に位置するゲル表面である。かかる
非粘着面は、粘着ゲルシートを皮膚に貼り付ける際にそ
の操作をスムーズに行うために、皮膚との粘着の度合い
を粘着面よりも弱くし、あるいは皮膚への粘着性を除去
したゲル表面である。
【0046】本発明において、粘着の度合いとは、JI
S Z 0237−1991「粘着テープ・粘着シート
試験方法」に記載の傾斜式ボールタック装置(傾斜角は
20度)で測定したものである。なお、上記JISの規
定によれば、ボールナンバーで示す粘着度合いが32よ
り大きい領域(すなわち、粘着度合いが非常に大きい場
合)については全て「ボールナンバー32」と表現され
るため、かかる領域における粘着度合いを適正に評価す
ることができない。そこで、本発明においては、粘着度
合いが非常に大きい領域においても粘着度合いを適正に
評価するため、JIS B 1501−1988に規定
するボールの呼び(JIS Z 0237の付表1、第
2欄)でいうところの「1」よりも呼び直径が大きいボ
ールを使用することとした。この場合のボールナンバー
は、ボールの呼び(同第2欄)が1以下のものを用いる
場合と同様に、前記呼びの数の32倍とした。ボールナ
ンバーが32を超える場合においても、粘着度合いの測
定は前述の方法と同様にして行った。
【0047】本発明の生体用粘着ゲルシートの操作性を
向上させるには、すなわち粘着ゲルシートを皮膚に貼り
付ける際の操作をスムーズに行えるようにするには、上
記傾斜式ボールタック試験による粘着面と非粘着面との
粘着度合いの差が、ボールナンバーで1以上、好ましく
は3以上であるのが好ましい。粘着面および非粘着面の
各々の表面に求められる粘着特性は、粘着ゲルシートの
使用目的、適用部位に応じて設定されるもので特に限定
されるものではない。しかしながら、一般に粘着面のボ
ールナンバーは、顔への適用を主な目的とする場合には
2〜40であるのが好ましく、3〜30であるのがより
好ましい。また、顔以外の身体各部への適用を目的とす
る場合には4〜50であるのが好ましく、5〜32であ
るのがより好ましい。粘着面のボールナンバーがこれら
の範囲で示した上限値より大きい場合には、粘着ゲルシ
ートを皮膚に貼り付けた後、これを取り除く際に痛みを
感じたり、不快感を感じることがある。また、下限値を
下回る場合には、粘着ゲルシートを皮膚に貼り付ける際
に密着性に欠け、容易に剥がれるおそれがある。
【0048】なお、粘着面のボールナンバーが2である
場合は、非粘着面についてのボールタック試験の結果が
2より小さくなり、前述のJISの規定では測定値が得
られない。そこで本発明においては、前述のJISの規
定にて、非粘着面の粘着度合いの測定値が出ないほど小
さい場合を「粘着面と非粘着面のボールナンバーの差が
1以上である」とした。
【0049】本発明において、生体用粘着ゲルシートの
粘着面における粘着度合いは、当該粘着ゲルシートを形
成する単一の合成高分子ゲル体における粘着性に基づい
ているが、かかる粘着性を制御するには、例えば、合成
高分子ゲル体の配合組成である重合性不飽和単量体の配
合量や、重合開始剤の種類、配合量を調整することによ
って重合度を制御したり、あるいはゲル体の配合組成で
ある架橋性不飽和単量体や架橋性因子の配合量を調整す
るなど、従来公知の手段に従えばよい。すなわち、重合
度を下げたり、架橋性不飽和単量体または架橋性因子の
配合量を少なめにすることで、得られるゲル体の粘着度
合いを上げることができる。ゲル体の粘着度合いを下げ
るには上記と逆の操作を施せばよい。また、粘着付与剤
を添加することでゲル体の粘着度合いを上げることもで
きる。
【0050】一方、本発明の生体用粘着ゲルシートにお
ける非粘着面の粘着度合いについては、前述のように、
前記粘着ゲルシートを形成する単一の合成高分子ゲル体
と非粘着処理剤が反応し、ゲル体の表面においてその架
橋密度を上げることで調整することができる。すなわ
ち、架橋密度を上げることによって、かかる表面の粘着
度合いを下げることができる。
【0051】〔粘着ゲルシートの構成等〕本発明の生体
用粘着ゲルシートの厚みについては、その使用状況に応
じて適宜設定すればよく、全体に均一であっても、部分
的に厚さが異なっていてもよいが、皮膚に貼り付けたと
きの違和感や強度を考慮すると、0.1〜3mmの範囲
であるのが好ましい。粘着ゲルシート全体の厚みが0.
1mmを下回ると粘着ゲルシートの強度が弱くなるおそ
れがある。一方、3mmを超えると、シートの自重が大
きくなりすぎて、皮膚に貼り付けたときに違和感が生じ
るおそれがある。なお、粘着ゲルシート全体が厚くない
のであれば、部分的にシートの厚みを6mm程度にまで
厚くすることが可能である。
【0052】本発明の生体用粘着ゲルシートにおいて
は、粘着ゲルシートの透明性を損なわせることなく、粘
着ゲルシートの引裂強度と取扱い性とを向上させること
を目的として、ゲル体内部に開口率が十分に大きい織布
または不織布を厚み方向に内在させることができる。な
お、本発明において、開口率が大きい織布または不織布
とは、織布または不織布を通しても10ポイントの活字
を判読することができる程度に広い開口率をもつ(透明
性が維持された)ものをいう。
【0053】〔添加剤〕本発明の生体用粘着ゲルシート
において、当該粘着ゲルシートを構成する合成高分子ゲ
ル体には、少なくとも水を含む合成高分子のほかに、前
記粘着ゲルシートの使用目的に応じて(すなわち、化粧
品や医薬部外品等への適用に応じて)、各種の添加剤を
適宜配合することができる。
【0054】また、本発明に用いられる非粘着処理剤に
は、前記合成高分子ゲル体と反応して当該ゲル体の架橋
密度を上昇させる架橋性因子と、溶媒とのほかに、非粘
着処理剤の使用形態等に応じて、各種の添加剤を適宜配
合することができる。かかる添加剤としては、例えば美
容、美顔および皮膚の治療等を目的とする薬効成分のほ
か、保湿剤、増粘剤、香料、着色料、安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、pH調整剤、キレート
剤、界面活性剤、防腐剤、抗菌剤等が挙げられる。
【0055】上記薬効成分としては、従来、医薬品、医
薬部外品、化粧品、衛生材料、雑貨等で使用されている
ものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ア
シタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アル
テアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエ
キス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエ
キス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキ
ス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキ
ス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエ
キス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オ
レンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラ
スチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラ
エキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エ
キス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキ
ス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、
クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クル
ミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキ
ス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、
紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵
エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、
コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイ
タイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササ
エキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケ
エキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シ
ナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキ
ス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキ
ス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、
セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキ
ス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイ
エキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエ
キス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョ
ウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキ
ス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエ
キス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニ
ンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビ
スカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂
蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコ
シエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエ
キス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャ
ーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマ
エキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイ
ジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキ
ス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエ
キス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキ
ス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、
ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、
リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソ
ウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマ
カミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げること
ができる。
【0056】また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒ
アルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウ
ム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水
分解卵殻膜等の生体高分子;アミノ酸、乳酸ナトリウ
ム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイ
ン、ホエイ、トリメチルグリシン等の保湿成分;スフィ
ンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール
誘導体、リン脂質等の油性成分;ε−アミノカプロン
酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リ
ゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎
症剤;ビタミンA,B2,B6 ,C,D,E,パントテ
ン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミ
ンCエステル等のビタミン類;アラントイン、ジイソプ
ロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシ
クロヘキサンカルボン酸等の活性成分;トコフェロー
ル、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナ
ン、サポニン等の抗酸化剤;α−ヒドロキシ酸、β−ヒ
ドロキシ酸等の細胞賦活剤;γ−オリザノール、ビタミ
ンE誘導体等の血行促進剤;レチノール、レチノール誘
導体等の創傷治癒剤;アルブチン、コウジ酸、プラセン
タエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサ
ム酸、グルタチオン等の美白剤;セファランチン、カン
ゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ
化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、dl−α−トコ
フェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン
酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−
パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチル
エーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチ
ルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジ
オール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩
酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチ
ル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミ
ド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、
l−メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシ
ン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシ
レチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチン
キ、シクロスポリン、ヒドロコルチゾン、モノステアリ
ン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、鎮痛
剤、精神安定剤、抗高血圧剤、抗生物質、抗ヒスタミン
剤、抗菌性物質、植物由来成分、海藻由来成分等も挙げ
られる。
【0057】薬効成分の配合量は、その素材により有効
成分量が異なるため一概には規定できないが、一般に生
体用粘着ゲルシートの総量に対して0.001〜80重
量%であるのが好ましく、0.05〜10重量%である
のがより好ましい。保湿剤としては、例えばエチレング
リコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、マルビトー
ル、トレハロース、ラフィノース、キシリトール、マン
ニトール、ヒアルロン酸およびその塩、ポリエチレング
リコール、ポリグリセリン等のグリコール類、多価アル
コール類および多糖類等が挙げられる。これらは単独で
または2種以上を混合して用いることができる。
【0058】増粘剤としては、比較的少量で、配合液が
ある程度の粘度をもつものが好ましく、例えばポリエチ
レンオキサイド、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶
性高分子が挙げられる。増粘剤の配合量は、合成高分子
ゲル体を形成する配合液および/もしくは非粘着処理剤
に対して0.01〜20重量%であるのが好ましく、
0.05〜10重量%であるのがより好ましい。
【0059】本発明の生体用粘着ゲルシートを構成する
合成高分子ゲル体は、粘着ゲルシートの使用目的、用途
に応じて、網目構造を有する合成高分子の種類や、水等
の溶媒の種類、組成等を選択することができる。例え
ば、生体用粘着ゲルシートを顔等に貼り付け、皮膚の引
き締め効果を出すことを目的とする場合は、合成高分子
ゲル体中の水の割合を、当該ゲル体の70重量%以上と
し、ゲル体を構成する網目構造を有する合成高分子を
(メタ)アクリル酸またはその塩等の、カルボキシル基
を有する重合性不飽和単量体を主体とした合成高分子と
すればよい。これにより、粘着ゲルシート内部に内在す
る水の蒸発を促進することができ、前記の目的を達成す
ることができる。
【0060】逆に、水の蒸発を好まない場合は、ゲル体
中の水の割合を、20重量%以下とすればよい。 〔生体用粘着ゲルシートの製造方法〕次に、本発明の生
体用粘着ゲルシートの製造方法について説明する。本発
明の生体用粘着ゲルシートを形成する単一の合成高分子
ゲル体は、前述のように、当該ゲル体を構成する合成高
分子が、(a) 1種または2種以上の重合性不飽和単量体
と架橋性不飽和単量体との共重合体、または(b) 側鎖に
カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、ア
ミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基
を有する、1種または2種以上の重合性不飽和単量体を
重合して得られる親水性合成高分子と、多価金属イオン
化合物、多価カルボン酸、多価アルコール、多官能エポ
キシド類およびジアルデヒド類からなる群より選ばれる
少なくとも1種の架橋性因子とを反応して得られる架橋
構造体であることが好ましい。
【0061】上記(a) の重合性不飽和単量体と架橋性不
飽和単量体との共重合体を、ゲル体を構成する合成高分
子として用いた場合における合成高分子ゲル体の製造方
法としては、例えば当該ゲル体を構成する溶媒に重合性
不飽和単量体、架橋性不飽和単量体および重合開始剤を
加えて重合を行う方法が挙げられる。重合には加熱また
は光照射を施すか、あるいは重合開始剤の添加によって
重合が始まる系を選択してもよい。
【0062】一方、上記(b) の親水性合成高分子と架橋
性因子とを反応させてできる架橋構造体を、ゲル体を構
成する合成高分子として用いる場合における合成高分子
ゲル体の製造方法としては、例えばあらかじめ前述の方
法と同様にして重合した親水性合成高分子を溶解し、こ
の溶液に架橋性因子を添加して架橋反応を行う方法が挙
げられる。架橋反応は加熱によって開始してもよく、反
応開始剤の添加によって開始してもよい。また、架橋性
因子の添加により直ちに架橋反応が始まる系を選択して
もよい。
【0063】前記(a) の不飽和単量体を重合してゲル体
を得る場合において、前述の単量体および溶媒等を配合
した溶液を用いて熱重合する場合には、アゾビスシアノ
吉草酸やアゾビスアミノプロパン二塩酸塩等のアゾ系重
合開始剤、あるいは硫酸第一鉄、亜二チオン酸塩、ピロ
亜硫酸塩等の還元剤と過酸化水素、t−ブチルハイドロ
パーオキサイド、ペルオキソ二硫酸塩等の過酸化物とか
らなるレドックス系重合開始剤を添加して重合すること
ができる。これらのアゾ系重合開始剤およびレドックス
系重合開始剤は、必要に応じて単独または混合して使用
してもよい。なお、レドックス系重合開始剤を用いる場
合には、加熱をせずに添加するだけで重合が始まる系と
してもよい。また、光重合する場合は、アセトフェノン
系、ベンゾインエーテル系、リン系、ベンゾフェノン
系、チオキサントン系、アゾ系等の光ラジカル重合開始
剤、ジアゾニウム塩、ジアリルヨードニウム塩、トリア
リールスルホニウム塩等の光カチオン重合開始剤等を添
加して重合することができる。
【0064】本発明の生体用粘着ゲルシートを形成する
合成高分子ゲル体における厚みの調整は、かかるゲル体
の硬化が終了する前のゲル形成用配合物に対して、例え
ば押出機やドクターブレード等を用いて展延したり、所
定の厚みをもった容器に充填したりすることで行われ
る。所定の厚みをもった容器に充填する後者の方法で
は、かかる容器の形状を使用時の生体用粘着ゲルシート
の形状に合わせて形成しておけば、インライン製造プロ
セスが容易となり、製造工程上好ましいものとなる。さ
らに、長い帯状のゲル体を形成させこれから目的とする
使用時の形状に打抜く方法に比べて、廃棄するゲルの発
生量が抑えられること、またゲル体と打抜き刃の接触が
ないことから衛生的であること等の観点からも好適であ
る。
【0065】本発明の生体用粘着ゲルシートは、単一の
合成高分子ゲル体における一方の表面に非粘着処理を施
すことによってその粘着度合いを低下させるだけで、両
表面の粘着度合いが異なり、かつ使い勝手、感触および
柔軟性に優れ、皮膚に貼り付けても視覚的違和感が生じ
ることもなく、さらに保存耐久性に優れた生体用粘着ゲ
ルシートを得ることができることに特徴がある。
【0066】単一の合成高分子ゲル体における一方の表
面に非粘着処理を施す時期は、合成高分子ゲル体の硬化
が終了した後であっても、当該ゲル体の硬化が終了する
前であってもよい。なお、本発明において「ゲル体の硬
化が終了する」とは、ゲル化前の配合物がゲル化反応を
起こして保形性を有する状態になったことをいう。
【0067】上記非粘着処理の中でも、前述のように非
粘着処理剤を施す処理においては、当該非粘着処理剤を
硬化が終了したゲル体の一方の表面に、例えばコータ
ー、印刷機、ハケ等を用いた塗工やスプレー等を用いた
噴霧等の方法によって非粘着処理剤を施せばよい。非粘
着処理剤を施す方法は、硬化が終了する前のゲル体の表
面に処理を施す場合であっても、上記と同様にすればよ
いが、処理を行う際のゲル形成用配合物がある程度以上
の粘度を有していることが望ましい。かかる粘度として
は、厚み調整が済んでいる状態にあっては、1000セ
ンチポアズ(cP)以上が好ましい。非粘着処理剤を用
いて処理する時のゲル形成用配合物の粘度が1000c
Pを下回ると、かかるゲル形成用配合物と非粘着処理剤
が混ざり合って、処理を施していない他方の面まで非粘
着処理剤による効果が作用し、その結果、製造される粘
着ゲルシートの両表面の粘着度合いに差が生じなくなる
おそれがある。
【0068】ゲル体の硬化が終了する前に非粘着処理剤
を施す場合であって、ゲル形成用配合物の厚み調整を行
う前に非粘着処理剤を施すことによって、製造される粘
着ゲルシートの両表面の粘着度合いに差を生じさせるこ
ともできる。この場合、非粘着処理剤を介在させること
が可能なシート(以下、介在シートという)に非粘着処
理剤を一面に介在させ、かかる介在シートを硬化終了前
のゲル形成用配合物の上に乗せた上で、ドクターブレー
ドやスキージー等を用いて硬化終了前のゲル形成用配合
物の厚み調整を行う。その結果、介在シートが保持して
いた非粘着処理剤をかかるゲル形成用配合物に転写する
ことができ、これをゲル体の硬化の終了まで静置するこ
とで、目的とする両表面の粘着度合いが異なった粘着ゲ
ルシートを得ることができる。
【0069】かかる製造方法のごとく、厚み調整を行う
前に非粘着処理を施す場合には、ゲル形成用配合物の粘
度は10000〜2000000cPであることが好ま
しい。粘度が10000cPを下回ると、ゲル形成用配
合物と非粘着処理剤が混ざり合って、処理を施していな
い他方の面まで非粘着処理剤による効果が作用し、その
結果、製造される粘着ゲルシートの両表面の粘着度合い
に差が生じなくなるおそれがある。逆に、200000
0cPを超えると、ゲル形成用配合物の厚み調整自身が
困難となる。
【0070】なお介在シートは、非粘着処理剤を一面に
介在させることができるものであればどのようなもので
あってもよく、例えば、プラスチックシート、スポンジ
シート、紙、織布、不織布等を用いることができる。中
でも、当該介在シートは生体用粘着ゲルシートの使用時
までに剥がされるため、剥離が容易なプラスチックシー
ト等であるのが好ましい。また、前記介在シートに非粘
着処理剤を介在させやすくするために、非粘着処理剤中
に増粘剤を加えることも可能である。
【0071】本発明の生体用粘着ゲルシートは、実際に
使用されるまでの間、少なくとも粘着面側にポリエチレ
ンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の
プラスチックフィルムをそのままの状態で、またはその
プラスチックフィルムの表面にシリコーン樹脂等の離型
剤を塗布もしくは焼付けした状態で離型紙として貼り付
けておくのが、衛生上好ましい。また、粘着ゲルシート
の乾燥を防いだり、衛生上の配慮から、さらに非粘着面
側にも上記離型紙を貼り付けるのが好ましい。
【0072】なお、貼り付けられた離型紙は、その柔軟
性が乏しいため皮膚表面の動きに十分追従することがで
きないことから、使用時に剥がす必要がある。非粘着面
に離型紙を貼り付けたままで使用すると、使用中に離型
紙が粘着ゲルシートから剥がれてしまい扱いにくくな
る。上記離型紙は、粘着ゲルシートのゲル製造プロセス
の際に下敷きや表面材として用いてもよいし、粘着ゲル
シートの製造が終了した後で貼り付けてもよい。
【0073】本発明の生体用粘着ゲルシートの形状とし
ては特に制限はないが、楕円形、円形、ハート形、半円
形、半楕円形、正方形、長方形、台形、三角形、適用部
位に沿った形状、あるいはこれら組み合わせ等が挙げら
れ、使用部位により最も適切に貼り付けることができる
形状を適宜設計すればよい。また、粘着ゲルシートの中
心部や周辺部に位置合わせ等の目的で凸部や凹部を設け
たり、使用部位の形状に応じて切り込みやくり抜き部分
等を設けると、粘着ゲルシートの取り扱い性を向上させ
ることができる。
【0074】本発明の生体用粘着ゲルシートの適用部位
としては、顔(唇、頬部、目元部、目の上下部、鼻部、
額部)、腕部、脚部、胸部、腹部、背部、首部等が挙げ
られる。生体用粘着ゲルシートの形状、面積、厚み、粘
着面の粘着特性等は、適用部位に応じて適宜調整すれば
よい。例えば、適用部位が顔全体である粘着ゲルシート
を形成する場合には、図1に示すように、目、口の位置
に相当する部分をくり抜き、鼻の位置に相当する部分に
切り込みを入れた形状とし、さらに貼付け面積が大きい
ことから、粘着面の粘着力を上昇させるか、厚さを薄め
にする等の調整を行うのが好ましい。
【0075】
〔生体用粘着ゲルシートの製造〕
実施例1 下記の製造方法により、生体用粘着ゲルシートを製造し
た。生体用粘着ゲルシートの製造に使用した合成高分子
ゲル体形成用配合物(ゲル体形成用配合物)と非粘着処
理剤との組成を表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】表1に示すゲル体形成用配合物のうち架橋
性因子(合成ケイ酸アルミニウム)を除く成分を混合
し、50℃で約30分間混練して均一にした。次いで、
前記架橋性因子を加えて、さらに60℃で約10分間混
練して均一にした。こうして得られた高分子ゲル体形成
用配合物を、ポリプロピレンシート(厚さ100μm)
上にドクターブレードを用いて厚さ0.8mmに均一に
展延し、室温で約2時間放置してゲル体の硬化を終了さ
せることによって、シート状の合成高分子ゲル体を得
た。
【0078】上記シート状の合成高分子ゲル体上に、表
1に示す非粘着処理剤〔すなわち、架橋性因子(硫酸カ
リウムアルミニウム)を溶媒(精製水)に溶解したも
の〕を、ハケを用いて均一に塗布することにより、前記
合成高分子ゲル体の一方の面に非粘着処理を施した。前
記非粘着処理剤の塗布量は、合成高分子ゲル体の表面1
cm2 辺り3mg(すなわち架橋当量で、4×10-8
量/cm2 )となるように調節した。
【0079】さらに、合成高分子ゲル体のうち、前記非
粘着処理剤が施された側の表面に厚さ50μmのポリプ
ロピレンシートを乗せて、図1に示す形状(フェイスマ
スク;長さx=180mm、幅y=220mm)に打ち
抜き、目的とする最終製品を得た。 実施例2 下記の製造方法により、生体用粘着ゲルシートを製造し
た。生体用粘着ゲルシートの製造に使用した合成高分子
ゲル体形成用配合物(ゲル体形成用配合物)と非粘着処
理剤との組成を表2に示す。
【0080】
【表2】
【0081】表2に示すゲル体形成用配合物のうち重合
開始剤(4%過硫酸アンモニウム水溶液および2%ピロ
亜硫酸カリウム水溶液)を除く成分を、精製水およびグ
リセリン(保湿剤)を溶媒として溶解混合した後、前記
重合開始剤を加えてよく攪拌して、ゲル体形成用配合物
を得た。次いで、表面にシリコーン樹脂(離型剤)が焼
付けされたポリエチレンテレフタレートシート(厚さ5
0μm)上に厚さ0.5mmのスペーサーを設置し、当
該スペーサーで囲まれた範囲に前記ゲル形成用配合物を
流し込んだ。
【0082】さらに、当該配合物の表面を、表面にシリ
コーン樹脂(離型剤)が焼付けされたポリエチレンテレ
フタレートシート(厚さ100μm)で覆い、70℃で
5分間加熱して重合を行うことにより、ゲル体の硬化を
終了させて、シート状の合成高分子ゲル体を得た。上記
シート状の合成高分子ゲル体から前記ポリエチレンテレ
フタレートシートを剥がし、その表面に、表2に示す非
粘着処理剤〔すなわち、架橋性因子(塩化アルミニウム
六水和物)を溶媒(エチルアルコールおよび精製水)に
溶解したもの〕を、ハケを用いて均一に、30mg/c
2 (すなわち、架橋当量で1×10-5当量/cm2
の処理量で塗布した。
【0083】さらに、上記合成高分子ゲル体のうち、前
記非粘着処理剤が施された側の表面に厚さ50μmのポ
リプロピレンシートを乗せて、実施例1と同じ形状に打
ち抜き、目的とする最終製品を得た。 実施例3 下記の製造方法により、生体用粘着ゲルシートを製造し
た。生体用粘着ゲルシートの製造に使用した合成高分子
ゲル体形成用配合物(ゲル体形成用配合物)と非粘着処
理剤との組成を表3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】表3に示すゲル体形成用配合物のうち重合
開始剤(チバガイギー社製、商品名「イルガキュア18
4」)を除く成分を、精製水およびグリセリン(保湿
剤)を溶媒として溶解混合した後、前記重合開始剤を加
えてよく攪拌して、ゲル体形成用配合物を得た。次い
で、表面にシリコーン樹脂(離型剤)が焼付けされたポ
リプロピレンシート(厚さ100μm)上に厚さ1.0
mmのスペーサーを設置し、当該スペーサーで囲まれた
範囲に前記ゲル形成用配合物を流し込んだ上で、15デ
ニールのナイロン製チュールの織布を前記配合物中に浸
漬させた。さらに、前記織布を含有するゲル形成用配合
物の表面を、表面にシリコーン樹脂(離型剤)が焼付け
されたポリエチレンテレフタレートシート(厚さ38μ
m)で覆い、強度50mW/cm2 の紫外線を60秒間
照射して重合を行いゲル体の硬化を終了させて、シート
状の合成高分子ゲル体を得た。
【0086】上記シート状の合成高分子ゲル体から前記
ポリエチレンテレフタレートシートを剥がし、その表面
に、表3に示す非粘着処理剤を、ハケを用いて均一に、
3mg/cm2 (すなわち、架橋当量で2×10-6当量
/cm2 )の処理量で塗布した。さらに、上記合成高分
子ゲル体のうち、前記非粘着処理剤が施された側の表面
に厚さ50μmのポリプロピレンシートを乗せて、実施
例1と同じ形状に打ち抜き、目的とする最終製品を得
た。
【0087】なお、非粘着処理剤中の架橋性因子(塩化
第二鉄)は、溶媒(精製水)には溶解せずスラリーの状
態であったため、十分撹拌し、前記架橋性因子を溶媒に
均一に分散させた状態で処理を行った。 実施例4 下記の製造方法により、生体用粘着ゲルシートを製造し
た。生体用粘着ゲルシートの製造に使用した合成高分子
ゲル体形成用配合物(ゲル体形成用配合物)と非粘着処
理剤との組成を表4に示す。
【0088】
【表4】
【0089】表4に示すゲル形成用配合物のうち架橋性
因子(合成ケイ酸アルミニウム)を除く成分を混合し、
50℃で約30分間混練して均一にした。次いで、前記
架橋性因子を加えて、さらに60℃で約10分間混練し
て均一にした。こうして得られた高分子ゲル体形成用配
合物を、図1に示す形状に成形されたポリプロピレン製
容器(深さ1mm)に流し込み、ドクターブレードを用
いて、容器内に隙間が生じないように均一に充填した。
【0090】上記容器内に均一に充填されたゲル体形成
用配合物の表面に、表4に示す非粘着処理剤〔すなわ
ち、架橋性因子(硫酸カリウムアルミニウム)を溶媒
(精製水)に溶解したもの〕を、スプレーを用いて均一
に、3mg/cm2 (すなわち、架橋当量で4×10-7
当量/cm2 )の処理量で噴霧した。さらに、上記合成
高分子ゲル体のうち、前記非粘着処理剤が施された側の
表面に厚さ50μmのポリプロピレンシートを乗せて、
図1に示す形状より一回り(2mm程度)大きな形状に
打ち抜いた。引き続き、これを室温で約2時間放置する
ことによって前記容器内のゲル体の硬化を終了させて、
目的とする最終製品を得た。
【0091】なお、非粘着処理剤で処理する直前のゲル
形成用配合物の粘度は、約20000cPであった。 比較例1 下記の製造方法により、粘着度合いが大きいゲル層(以
下、粘着層という)および粘着度合いが小さいゲル層
(以下、支持体層という)からなる二層構造の生体用粘
着ゲルシートを作製した。
【0092】粘着層ゲルおよび支持体層ゲル形成用配合
物の組成を表5に示す。
【0093】
【表5】
【0094】表5に示す粘着層ゲル形成用配合物を、実
施例1と同じ方法にて厚さ0.8mmに均一に展延した
後、室温で約2時間放置してゲル体の硬化を終了させる
ことによって、粘着層ゲルを形成した。表5に示す支持
体層ゲル形成用配合物のうち架橋性因子(硫酸カリウム
アルミニウム)を除く成分を混合し、30℃に加温して
ゼラチンを溶解させた後、前記架橋性因子を加えて5分
間混練した。こうして得られた支持体層ゲル形成用配合
物を、ゲル体の硬化が終了した上記粘着層ゲルの表面
に、ドクターブレードを用いて厚さ0.5mmに展延
し、室温で約2時間放置することによってゲル体の硬化
を終了させて、支持体層ゲルを形成した。
【0095】さらに、この支持体層ゲル上に厚さ50μ
mのポリプロピレンシートを載せて、実施例1と同じ形
状に打ち抜き、目的とする最終製品を得た。 比較例2 実施例1で使用したものと同じ組成の合成高分子ゲル体
形成用配合物を、実施例1と同じ方法にて厚さ0.8m
mに均一に展延した後、直ちにその表面に、支持基材と
して目付量100g/m2 のポリプロピレン製不織布を
圧着させ、室温で約2時間放置することによってゲル体
の硬化を終了させた。
【0096】次いで、これを実施例1と同じ形状に打ち
抜いて、最終製品である生体用粘着シートを得た。 比較例3 実施例1で使用したものと同じ組成の合成高分子ゲル体
形成用配合物を、実施例1と同じ方法にて厚さ0.8m
mに均一に展延した後、直ちにその表面に、支持基材と
してのエチレン−酢酸ビニル共重合体シート(厚さ10
0μm)を圧着させ、室温で約2時間放置することによ
ってゲル体の硬化を終了させた。
【0097】次いで、これを実施例1と同じ形状に打ち
抜いて、最終製品である生体用粘着シートを得た。 比較例4 実施例1で使用したものと同じ組成の合成高分子ゲル体
形成用配合物を、実施例1と同じ方法にて厚さ0.8m
mに均一に展延した後、室温で約2時間放置することに
よってゲル体の硬化を終了させた。
【0098】こうして得られた合成高分子ゲル体の上面
を、表面にシリコーン樹脂(離型剤)が焼付けされたポ
リエチレンテレフタレートシート(厚さ100μm)で
覆い、実施例1と同じ形状に打ち抜いた。次いで、上記
合成高分子ゲル体の両面を覆うシートを剥がして、両表
面が粘着面となる単一の合成高分子ゲル体からなる生体
用粘着ゲルシートを得た。
【0099】〔性能試験〕上記実施例および比較例で得
られた粘着ゲルシートもしくは粘着シートについて、そ
の性能を評価するための種々の試験を行った。 (粘着性評価)まず、各粘着ゲルシートもしくは粘着シ
ートにおける両面の粘着性を、JISZ 0237−1
991「粘着テープ・粘着シート試験方法 12.傾斜
式ボールタック」に記載の方法に従って測定した。測定
時の傾斜角は20度に設定した。但し、使用するボール
については、前述のようにJIS B 1501−19
88に規定するボールの呼び(JIS Z 0237の
付表1、第2欄)で1より大きいものも使用することに
より、高粘着性のゲルシートにも対応させた。測定結果
を表6に示す。
【0100】
【表6】
【0101】(官能特性評価) (1) 透明性 上記実施例および比較例で得られた粘着ゲルシートもし
くは粘着シートをそれぞれ白色の紙面に載せて、紙面上
に黒色インキで印字された10ポイント文字(明朝体)
を読み取った。透明性は、紙面上の文字が判読できた場
合を○とし、判読できなかった場合を×として評価し
た。
【0102】(2) 操作性 粘着ゲルシートもしくは粘着シートの操作性は、粘着面
が皮膚に接触するようにして顔に貼り付けた上で評価し
た。すなわち、粘着ゲルシートもしくは粘着シートを顔
に貼り付けた際に指に全くまとわりつかず、容易に貼り
付けすることができた場合を5、指にまとわりついて貼
り付けが全くできなかった場合を0として、0から5の
6段階で測定した。なお、実施例および比較例1におい
て、非粘着面に貼り付けたプラスチックシートは、使用
時に剥がしてから顔に貼り付けた。
【0103】(3) 追従性 上記(2) の「操作性」の評価と同様にして貼り付けた粘
着ゲルシートもしくは粘着シートが、顔の動きに伴わせ
て完全に追従して伸縮する場合を5とし、動きへの追従
が全く見られない場合を0として、0から5の6段階で
測定した。 (4) 密着性 上記(2) の「操作性」の評価と同様にして貼り付けた粘
着ゲルシートもしくは粘着シートが、顔の局面に沿って
密着する場合を5とし、粘着ゲルシートもしくは粘着シ
ートの各部にシワができて、浮きが多数発生した場合を
0として、0から5の6段階で測定した。
【0104】(5) 剥離時の感触 上記(2) の「操作性」の評価と同様にして貼り付けた粘
着ゲルシートもしくは粘着シートを顔から剥がす際にお
いて、肌に不快感を感じない場合を5とし、痛みや不快
感を感じる場合を0として、0から5の6段階で測定し
た。 (6) 冷涼感 粘着ゲルシートもしくは粘着シートの貼り付け時に冷涼
感を感じ、貼り付け中(約20分間)も十分に冷涼感が
持続した場合を5とし、貼り付け時に冷涼感を感じない
場合を0として、0から5の6段階で測定した。
【0105】(7) 層間剥離 各粘着ゲルシートもしくは粘着シートを使用する際にお
よび使用後顔から剥がす際、また使用後顔から剥がした
後各粘着ゲルシートもしくは粘着シートを右手もしくは
左手の親指と人差し指で両表面を挟み20回擦った際
に、積層した層間もしくはゲルシート自身の破壊が起こ
らない場合を○とし、剥離もしくは破壊が起こる場合を
×とした。
【0106】上記評価の結果は、専門パネラー10名に
よる評価の平均をとった。上記(2)〜(6) の評価におい
て、評価結果(平均値)が4以上であれば、その項目に
ついて評価が良好であるとした。各評価項目を表7に示
す。
【0107】
【表7】
【0108】表7の結果より、比較例2および比較例3
の粘着シートは、支持基材として、既存のプラスチック
シートや不織布を使用しているため、層間剥離や不透明
あるいは皮膚の動きへの追従性等の点で重大な欠点を有
することが判った。また、比較例4で得られた単一の合
成高分子からなる粘着ゲルシートは、両表面の粘着性が
同じであるために操作性に重大な欠点を有することが判
った。
【0109】比較例1の二層構造ゲルシートでは、層間
剥離の点で重大な欠点を有することが判った。すなわ
ち、比較例1の結果を注意深く調べた結果、層間剥離
は、使用後に顔から剥がした後、粘着ゲルシートを右手
もしくは左手の親指と人差し指で両表面を挟みつつ20
回擦った際に起きたものであることが判った。これに対
し、実施例1〜4の粘着ゲルシートでは、前述のように
使用後に20回擦った場合であっても、層間剥離が生じ
なかった。また、他のいずれの評価項目についても良好
な結果が得られた。
【0110】なお、実施例3の粘着ゲルシートは、特に
肌への密着感が極めて良好であるものの、粘着面の粘着
性が高すぎるために顔から剥がす際の感触について評価
がやや低かった。但し、実施例3における粘着性の程度
は、顔以外の皮膚に適用する場合には問題とならない程
度であった。 (熱安定性試験)実施例1〜4および比較例1で得られ
た粘着ゲルシートを、両表面を覆うプラスチックシート
を装着した状態でアルミ袋の中に入れ、シールを行い、
1ヶ月経過後、アルミ袋から粘着ゲルシートを取り出
し、図1に示す形状が保持されているか否か、および液
ダレが起きているか否かを外観検査した。
【0111】検査の結果、実施例1〜4の粘着ゲルシー
トは形状が保持され、液ダレも起きていなかった。この
ことから、実施例で得られた粘着ゲルシートは、熱安定
性に優れると判断した。これに対し、比較例1の粘着ゲ
ルシートでは、支持体層にゼラチンゲルを用いたため、
熱安定性が不十分であった。
【0112】(腐敗試験)実施例1〜4および比較例1
で得られた粘着ゲルシートを、両表面を覆うプラスチッ
クシートを剥がした状態で、前記両表面を1週間室外に
暴露した後、温度38℃、湿度40〜80%で2週間、
シャーレーの中で放置した。放置後、粘着ゲルシートに
腐敗が生じているか否かを検査した。
【0113】検査の結果、実施例1〜4の粘着ゲルシー
トには腐敗が生じていなかった。このことから、実施例
で得られた粘着ゲルシートは、防腐性に優れると判断し
た。これに対し、比較例1の粘着ゲルシートでは、支持
体層にゼラチンゲルを用いたため、防腐剤を添加してい
るにも関わらず腐敗が生じた。
【0114】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
単一の合成高分子ゲルシートにおける一方の表面に非粘
着処理剤を施すという簡易な処理を施すだけで、粘着シ
ート全体が透明で、操作性、密着感、皮膚の動きへの追
従性等に優れ、さらに熱安定性や防腐性等の保存耐久性
に優れた粘着ゲルシートを得ることができる。
【0115】従って、本発明は、医薬品、医薬部外品、
化粧品、衛生材料、雑貨等の分野において好適に用いる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる生体用粘着ゲルシートの一実施
形態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 生体用粘着ゲルシート
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 15/58 C08F 220/00 4J040 C08F 220/00 C08J 7/12 C 4J100 C08J 7/12 C09J 7/00 C09J 7/00 7/04 7/04 201/00 201/00 201/08 201/08 A61L 15/06 // C08L 33:00 (72)発明者 左藤 眞市 大阪府大阪市城東区野江1−10−19−806 (72)発明者 東 孝 奈良県桜井市桜井585番地 ローレルコー ト桜井南706号 (72)発明者 黒田 章裕 神奈川県小田原市寿町5丁目3番28号 鐘 紡株式会社化粧品研究所内 (72)発明者 石畠 さおり 神奈川県小田原市寿町5丁目3番28号 鐘 紡株式会社化粧品研究所内 Fターム(参考) 4C076 AA74 BB31 DD23 DD27 DD38 DD59 EE06A EE09A EE16A EE25A EE26A FF36 FF67 4C081 AA03 AA12 BB06 CA081 CA082 CA101 CA102 CA231 CA232 CB051 CB052 CC05 CF21 DA02 DC03 EA06 4C083 AB032 AB051 AB332 AB352 AB372 AC102 AC122 AC642 AC842 AD011 AD092 AD532 AD642 BB36 CC07 DD12 DD41 EE03 4F073 AA01 AA05 BA18 BB01 BB04 BB09 EA60 EA65 FA03 FA04 FA13 4J004 AA06 AA08 AA10 AB01 BA07 CB01 CC02 DB03 FA09 FA10 4J040 DD021 DF011 DF091 DH011 DH031 GA05 GA07 GA13 GA22 GA25 HB10 HB11 HB17 HB26 HB44 JA09 JB09 LA06 LA10 LA11 MA14 MB10 NA02 4J100 AJ02P AM19P AM21P AM24Q AQ08P BA31P CA04 CA21 JA51

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶媒として少なくとも水を含み、網目構造
    を有し、かつ粘着性を有する単一の合成高分子ゲル体か
    らなるシートにおける一方の表面に非粘着処理を施し
    て、この表面を非粘着面とし、他方の表面を粘着面とし
    たことを特徴とする生体用粘着ゲルシート。
  2. 【請求項2】前記非粘着処理が、前記粘着ゲルシートの
    一方の表面に非粘着処理剤を施すことである請求項1記
    載の生体用粘着ゲルシート。
  3. 【請求項3】前記粘着面と非粘着面との粘着度合いをJ
    IS Z 0237−1991「粘着テープ・粘着シー
    ト試験方法」に記載の傾斜式ボールタック装置(傾斜角
    20度)で測定した場合において、前記両面のボールナ
    ンバーの差が1以上であり、かつ前記粘着面のボールナ
    ンバーが2〜50の範囲である請求項1または2記載の
    生体用粘着ゲルシート。
  4. 【請求項4】外観が透明または半透明である請求項1〜
    3のいずれかに記載の生体用粘着ゲルシート。
  5. 【請求項5】前記合成高分子ゲル体を構成する合成高分
    子が、少なくともアニオン性官能基を有する重合性不飽
    和単量体を重合した親水性合成高分子であり、かつ前記
    非粘着処理剤が、少なくとも多価カチオンを有する化合
    物を含む請求項2〜4のいずれかに記載の生体用粘着ゲ
    ルシート。
  6. 【請求項6】前記アニオン性官能基がカルボキシル基で
    ある請求項5記載の生体用粘着ゲルシート。
  7. 【請求項7】前記多価カチオンが三価以上のカチオンで
    ある請求項5記載の生体用粘着ゲルシート。
  8. 【請求項8】開口率が十分に大きい織布または不織布を
    内在する請求項1〜7のいずれかに記載の生体用粘着ゲ
    ルシート。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の生体用粘
    着ゲルシートから形成されたことを特徴とする化粧品。
  10. 【請求項10】請求項1〜8のいずれかに記載の生体用
    粘着ゲルシートから形成されたことを特徴とする医薬部
    外品。
JP10708099A 1999-04-14 1999-04-14 生体用粘着ゲルシートとその製造方法、それを用いた化粧品および医薬部外品 Expired - Fee Related JP3913926B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10708099A JP3913926B2 (ja) 1999-04-14 1999-04-14 生体用粘着ゲルシートとその製造方法、それを用いた化粧品および医薬部外品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10708099A JP3913926B2 (ja) 1999-04-14 1999-04-14 生体用粘着ゲルシートとその製造方法、それを用いた化粧品および医薬部外品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000297009A true JP2000297009A (ja) 2000-10-24
JP3913926B2 JP3913926B2 (ja) 2007-05-09

Family

ID=14449984

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10708099A Expired - Fee Related JP3913926B2 (ja) 1999-04-14 1999-04-14 生体用粘着ゲルシートとその製造方法、それを用いた化粧品および医薬部外品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3913926B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030093615A (ko) * 2002-06-04 2003-12-11 한웅코텍 주식회사 친수성 겔 시트
JP2004231567A (ja) * 2003-01-30 2004-08-19 Lion Corp 貼付剤組成及びその製造方法
WO2011129497A1 (ko) 2010-04-14 2011-10-20 Kim Bong Jo 접착성 함수 겔시트
WO2013108918A1 (ja) * 2012-01-20 2013-07-25 積水化成品工業株式会社 パック化粧料収容物及びパック化粧料並びにパック化粧料の製造方法
WO2014003183A1 (ja) * 2012-06-29 2014-01-03 積水化成品工業株式会社 パック基材、パック化粧料ならびにパック化粧料キット
JP2014515728A (ja) * 2011-03-03 2014-07-03 ポリツシユ,ナンシー・ジヨセフイン ホメオパシー的療法的方法および組成物
US10022335B2 (en) 2011-03-03 2018-07-17 Nancy Josephine Polich Homeopathic therapeutic method and compositions

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030093615A (ko) * 2002-06-04 2003-12-11 한웅코텍 주식회사 친수성 겔 시트
JP2004231567A (ja) * 2003-01-30 2004-08-19 Lion Corp 貼付剤組成及びその製造方法
JP4519408B2 (ja) * 2003-01-30 2010-08-04 ライオン株式会社 貼付剤組成及びその製造方法
EP2543350A4 (en) * 2010-04-14 2014-04-23 Bongjo Kim Hydrogel BONDING FILM
WO2011129497A1 (ko) 2010-04-14 2011-10-20 Kim Bong Jo 접착성 함수 겔시트
JP2014515728A (ja) * 2011-03-03 2014-07-03 ポリツシユ,ナンシー・ジヨセフイン ホメオパシー的療法的方法および組成物
US10022335B2 (en) 2011-03-03 2018-07-17 Nancy Josephine Polich Homeopathic therapeutic method and compositions
US10799465B2 (en) 2011-03-03 2020-10-13 Cearna, Inc. Homeopathic therapeutic method and compositions
JP2021001183A (ja) * 2011-03-03 2021-01-07 サーナ・インコーポレーテッド ホメオパシー的療法的方法および組成物
US11911520B2 (en) 2011-03-03 2024-02-27 Cearna, Inc. Homeopathic therapeutic method and compositions
WO2013108918A1 (ja) * 2012-01-20 2013-07-25 積水化成品工業株式会社 パック化粧料収容物及びパック化粧料並びにパック化粧料の製造方法
JPWO2013108918A1 (ja) * 2012-01-20 2015-05-11 積水化成品工業株式会社 パック化粧料収容物及びパック化粧料並びにパック化粧料の製造方法
WO2014003183A1 (ja) * 2012-06-29 2014-01-03 積水化成品工業株式会社 パック基材、パック化粧料ならびにパック化粧料キット
JPWO2014003183A1 (ja) * 2012-06-29 2016-06-02 積水化成品工業株式会社 パック基材、パック化粧料ならびにパック化粧料キット

Also Published As

Publication number Publication date
JP3913926B2 (ja) 2007-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2273471C2 (ru) Гели, образованные при взаимодействии поливинилпирролидона с производными хитозана
KR101507301B1 (ko) 점착성 하이드로겔 조성물 및 이를 이용한 점착성 하이드로겔 시트의 제조방법
KR100847971B1 (ko) 상처치료용 키토산 하이드로겔 패치
JP2008137970A (ja) 生体用粘着ゲルシートおよびそれを用いたシート状化粧料
JPH07250886A (ja) ポリビニルピロリドンとキトサンとの相互作用で形成されるゲル
JP2009536647A (ja) 皮膚送達用活性剤を含む水分散性パッチ
JP4230221B2 (ja) 生体用貼付ゲルシートの製造方法
KR20180058641A (ko) 보습력이 우수한 하이드로겔 조성물 및 이를 이용한 시트
US20160346422A1 (en) Dermatological adhesive agent, patch material, and method for producing dermatological adhesive agent
JP2006503118A (ja) 制御された水溶性流動体の吸収をともなうイオン性ヒドロゲル
JP2000212074A (ja) 多層ゲル構造生体用粘着シ―ト、これを用いた化粧品および医薬部外品
WO2004078165A1 (ja) 貼付剤用基剤及びそれを用いた貼付剤
JP3913926B2 (ja) 生体用粘着ゲルシートとその製造方法、それを用いた化粧品および医薬部外品
JP2001104468A (ja) 生体用粘着ゲルシート
JP3874966B2 (ja) シート状美白パック化粧料
JP3907872B2 (ja) ボディ用シート状パック化粧料
JP3991080B2 (ja) 毛穴ひきしめパック料および使用方法
JP3910346B2 (ja) シート状化粧料
JP2001335427A (ja) シート状化粧料および化粧方法
JP3983928B2 (ja) シート状美白用パック化粧料
JP2010215553A (ja) ハイドロゲル外用剤
JP3875005B2 (ja) アフターサン用シート
JP2002003360A (ja) 指先用シート状化粧料
JPH11269031A (ja) 透明シート状化粧料、その製造方法および化粧方法
JP2001335428A (ja) アイパック化粧料

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20041214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20041227

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20041215

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060411

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060706

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061024

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3913926

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140209

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees