JP3910346B2 - シート状化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
発明は、透明な外観の中にパール材料を配合することで、美しい外観を示し、かつ使用感に優れたシート状化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開昭61−126017号公報、特開平4−193813号公報、特開平11-130664号公報には不織布などの支持体を用いた不透明タイプのシート状化粧料が示されている。また、特開平11−209226号公報、特開平11−269031号公報には透明タイプのシート状化粧料が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
不透明タイプのシート状化粧料は、その外観が不透明であり、たとえ支持体を着色したとしてもその外観は美的感覚に乏しいものであった。また、透明タイプは不透明タイプと比べて透明感、みすみずしさを感じることができ、より美的感覚に優れているが、あくまで実用性が中心であり、ファッション性には乏しいものであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの問題に鑑み鋭意検討したところ、透明または半透明タイプのシート状化粧料にパール材料を配合することでファッション性に富んだ製剤が得られることを見出した。
【0005】
すなわち、第1の本発明は、アニオン性官能基として少なくともカルボキシル基を有する、1種または2種以上の重合性不飽和単量体を重合して得られる親水性合成高分子と水を含む溶媒とから構成され、すくなくとも網目構造を有するゲル体であり、外観が透明または半透明のシート状製剤に、パール材料が配合されていることを特徴とするシート状化粧料であって、前記ゲル体の一方の表面が、多価カチオンより選ばれる少なくとも1種の架橋性因子を有する非粘着処理剤を施すことによって非粘着面とされていることを特徴とするシート状化粧料にある。
【0006】
第2の本発明は、シート状製剤の内部または表面に、開口率が十分に大きい織布または不織布を厚み方向に内在させてあることを特徴とする上記のシート化粧料にある。
【0007】
第3の本発明は、シート状製剤の表面が水を含む液体成分で覆われていることを特徴とする上記のシート状化粧料にある。
【0008】
第4の本発明は、パール材料の配合割合が、シート状製剤に対して0.0001〜15質量%であることを特徴とする上記のシート状化粧料にある。
【0009】
第5の本発明は、パール材料が、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆板状シリカ、酸化チタン被覆板状アルミナ、酸化鉄被覆雲母、板状酸化鉄、マイカ、オキシ塩化ビスマス、金属蒸着樹脂フィルム、金属酸化物蒸着樹脂フィルムから選ばれる1種、または2種以上であることを特徴とする上記のシート状化粧料にある。
【0010】
第6の本発明は、シート状製剤が、指部、爪部、手部、腕部、脚部、腹部、胸部または首部のいずれかの部位に使用されるものであることを特徴とする上記のシート状化粧料にある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のシート状化粧料は、外観が透明または半透明であって、かつパール材料を配合していることを特徴とする。パール材料を配合することによって、美しい外観を示し、また肌の冷却効果等が高まり、使用時の気持ちよさが得られる。
さらに本発明では、シートの強度を維持し、伸縮性を持たせるために、シートの内部に、開口率が十分に大きい織布または不織布を厚み方向に内在させてあることが特に好ましい。
【0012】
本発明でいうパール材料としては、化粧品で従来使用されている光輝性粉体が用いられる。例えば酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆板状シリカ、酸化チタン被覆板状アルミナ、酸化鉄被覆雲母、板状酸化鉄、マイカ、魚燐箔、真珠殻、オキシ塩化ビスマス、金属蒸着樹脂フィルム、金属酸化物蒸着樹脂フィルム、金、アルミニウムなどの金属箔などが挙げられるが、特に酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆板状シリカ、酸化チタン被覆板状アルミナ、酸化鉄被覆雲母、板状酸化鉄、マイカ、オキシ塩化ビスマス、金属蒸着樹脂フィルム、金属酸化物蒸着樹脂フィルムから選ばれることが好ましい。これらのパール材料は1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。また、酸化チタン被覆雲母の一種として、色素や酸化鉄などを併用したものも好ましく用いることができる。酸化チタン被覆雲母などの被覆粉体では被覆層の厚さは特に制限はなく、強いパール光沢を発するものから、わずかしかパール光沢を発しないものまで任意に使用可能である。これらのパール材料の大きさは、長径で1μmから5mmの範囲のものが好ましい。一般的に樹脂フィルムを母体とした場合にはその大きさが0.1〜5mmと大きくなる傾向があり、その他の粉体では1〜100μmの範囲にあることが多い。金属蒸着樹脂フィルム、金属酸化物蒸着樹脂フィルムについては星型、丸型、棒状、ハート型などの種々の形状に打ち抜いたものを使用することが好ましい。
【0013】
上記パール材料は各種の表面処理がなされていてもいなくても構わないが、シート状製剤が水系であるため、馴染みが悪くなる撥水化処理はあまり好ましくなく、表面処理としては金属酸化物処理、低温プラズマ処理、親水性樹脂処理などの親水性処理が好ましい。
【0014】
本発明のシート状化粧料に配合する上記パール材料の配合量としては、シ−ト状化粧料を構成するセパレーターなどの保護用樹脂フィルム、織布、不織布などの支持体を除いた化粧料部分(シート製剤)に対して、0.0001〜15質量%であることが好ましい。雲母を母体としたパール材料を用いる場合には0.001〜5質量%が特に好ましく、金属箔系や樹脂フィルム系のパール材料を用いる場合には、0.01〜10質量%が特に好ましい。
【0015】
本発明におけるシート状製剤は透明または半透明であることを特徴としているが、ここで透明または半透明とは、黒色線(幅2mm)を引いた白色紙にシート状化粧料を貼り付けた時に、肉眼で黒色線がはっきりと認識できるものを透明とし、ぼんやり認識できるものを半透明とし、認識できないものを不透明とする基準によって判断する。但し、パール材料の大きさと配合量によっては半透明なのか不透明なのかあいまいになる場合(透明感はあるが黒色線は見えにくい)が存在するため、このような場合にはパール材料を除いたシート状製剤を作製し、同様の試験を実施した時に透明性があるか否かを判断し、その判断結果を以って透明、半透明、不透明の判断とすることが好ましい。本発明では、シート製剤を透明または半透明にすることによって、人体の部位に位置決めして貼りやすく、また皮膚等の変化を観察し易くなり、さらにシート製剤中のパール材料のパール感が顕著にでる効果がある。
また、前記でいう開口率が大きい織布または不織布とは、織布または不織布を透しても10ポイントの黒色活字を肉眼で判読することができる程度に広い開口率をもつ(透明性が維持された)ものをいう。例えば、ナイロンやポリエステル製のメッシュなどが好ましく用いられる。
【0016】
本発明のシート状化粧料ではシートの表面が液体成分で覆われていてもいなくても構わないが、水を含んだ液体成分で覆われていると冷却効果やパック効果等が高まり、またパール感が増強されるので好ましい。また、本発明のシート状化粧料ではパール材料と共に本発明の目的を損なわない範囲で色素(合成、天然色素を含む)や顔料で着色してあっても構わない。
【0017】
本発明のシート状化粧料は、指部、爪部、手部、腕部、脚部、腹部、胸部、首部、顔部、目元部、唇部または頭部など、人体の各部位の何れかに貼着して使用されるものであるが、特に指部、爪部、手部、腕部、脚部、腹部、胸部、首部に使用されるものであることが好ましい。
【0018】
本発明のシート状化粧料には、上記の各成分以外に、シート状製剤が不透明とならない範囲内で、通常化粧料に用いられる生理活性成分、油剤、粉体(顔料、色素、樹脂)、フッ素化合物、樹脂、界面活性剤、粘剤、防腐剤、香料、紫外線防御剤(有機系、無機系を含む。UV−A、Bのいずれに対応していても構わない)、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤等の各種成分を配合することができる。
【0019】
生理活性成分とは、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美白成分、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。その中でも、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が特に好ましい。本発明では、これらの生理活性成分の1種、または2種以上を配合することが好ましい。
【0020】
これらの成分の例としては、例えばアシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、ゲンノショウコエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0021】
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜等の生体高分子、アミノ酸、ザルコシン、N−メチル−L−セリン等のアミノ酸誘導体、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ等の保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質等の油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA,B2,B6,C,D,E,K、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロ酢酸、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸等の細胞賦活剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体等の血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニオチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコルチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤等が挙げられる。
【0022】
保湿剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、マルビトール、トレハロース、ラフィノース、キシリトール、マンニトール、ヒアルロン酸およびその塩、トレハロースやラフィノース等の各種誘導体、トリメチルグリシン、サイクロデキストリン、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、ヒアルロン酸およびその塩等のグリコール類、多価アルコール類および多糖類等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることが好ましい。これらの成分は、液体層をシート表面に設ける場合には、液体層にも含まれていることが好ましい。
【0023】
これらの生理活性成分のシート状化粧料への配合割合は、その活性成分の効果発現濃度によるが、抽出エキス等を考慮した場合、一般的にはシート状製剤に対して、0.05〜98質量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜90質量%が好ましい。尚、生理活性成分は1種、または2種以上を組み合わせて配合することが好ましい。
【0024】
本発明のシート状化粧料の形状としては、適用部位の形状に合わせて正方形、長方形、楕円形、円形、ハート形、半円形、半楕円形あるいはこれらを組み合わせた形状等の種々の形状を用いることができる。また、本発明のシート状化粧料はアルミ箔プラスチック積層シートまたはアルミ蒸着プラスチック積層シート等を使用した袋体に収納し熱シールして包装されていることが好ましく、さらに密封包装のためにブリスターパック容器を用いていることも好ましい。または、本発明のシート状化粧料の複数枚をチャックつきのケースに入れて適宜使用しても良い。但しこの場合は二次汚染防止のために防腐剤をシート製剤、または液体層に配合することが好ましい。
【0025】
また、本発明のシート状化粧料を使用した後、クリーム、乳液、ローションを用いてマッサージを行ったり、粘剤入りのエッセンスをつけて継続的な保湿等を行ったりするとシート状化粧料の効果をより引き出すことができる。
【0026】
本発明のシート状製剤の製造の詳細を以下に示す。
【0027】
本発明のシート状製剤は、少なくとも網目構造を有する合成高分子と、水を含む溶媒とから構成される。さらにシートの構造は、単層であっても二層以上の複数の層を持っていても構わない。シートの厚みとしては、0.1〜7mmの範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜2mmである。0.1mm未満ではシートの取り扱い性が悪くなり、7mmを超えるとシートの自重が大きくなり、適用部位によっては使用中にはがれてしまう原因となる場合がある。
【0029】
発明では、シートの内部または表面に開口率が十分に大きい織布または不織布(支持体)を厚み方向に内在させることが好ましい。シートの内部または表面に開口率が十分に大きい織布または不織布(支持体)を厚み方向に内在させる方法としては、例えばポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂フィルム(セパレーター)の上に前記ゲルを形成する膏体を塗工し、その上から同支持体をローラーで圧着させる方法や、2本のローラーの間に膏体と支持体を同時に通過させた後に、シートの上下にセパレーターを張り付ける方法などが挙げられる。
【0030】
また、本発明では、シートの片面を非粘着処理する
【0031】
次に、本発明のシート状化粧料が、少なくとも網目構造を有する合成高分子と、水を含む溶媒とから構成される場合の製造について示す。
本発明のシート状化粧料中の化粧料部分(以下、ゲル体と呼ぶ)における水の割合は1〜99質量%であるのが好ましい。ゲル体に占める水の割合が1質量%を下回ると、ゲル体中に配合される薬効成分等の各種添加剤等を容易に溶かすことができなくなるおそれがある。逆に、ゲル体に占める水の割合が99質量%を超えると、ゲル体の腰強度が弱くなったり、ゲル体中に封じ込めた溶媒や薬効成分等の添加剤を安定に保つことが困難となるおそれがある。ゲル体に占める水の割合は、上記範囲の中でも特に5〜95質量%であるのが好ましく、10〜85質量%であるのがより好ましい。
【0032】
上記ゲル体を構成する溶媒としては、水のほか、水と相分離を起こさないものであり、従来、化粧品、医薬品、医薬部外品、衛生材料、雑貨等の分野で経皮用途として使用されている溶媒であれば構わない。かかる溶媒としては、例えばエチルアルコール等のモノアルコール類、1、3−ブチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン等の多価アルコール類等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0033】
ゲル体に占める水以外の溶媒の割合は98質量%以下であるのが好ましい。かかる割合が98質量%を超えると、ゲル体中に配合される各種の添加剤等を容易に溶解できなくなるおそれがある。さらに、ゲル体の腰強度が弱くなったり、ゲル体中に封じ込めた溶媒や薬効成分等の添加剤を安定に保つことが困難となるおそれがある。
【0034】
前記ゲル体を構成する、網目構造を有する合成高分子としては、水と親和性があり、少なくとも60℃で1ヶ月保存した後においてもゲル構造が保持され、従来、化粧品、医薬品、医薬部外品、衛生材料、雑貨等の分野で経皮用途として使用されているものであるほかは特に限定されず、種々の合成高分子を用いることができる。
【0035】
中でも、製造が容易であるとの観点から、
(a)1種または2種以上の重合性不飽和単量体と架橋性不飽和単量体との共重合体、または
(b)側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、1種または2種以上の重合性不飽和単量体を重合して得られる親水性合成高分子と、多価金属イオン化合物、多価カルボン酸、多価アルコール、多官能エポキシド類およびジアルデヒド類からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋性因子とを反応して得られる架橋構造体
が好適に用いられる。
【0036】
側鎖にカルボキシル基を有する親水性合成高分子としては、ポリ(メタ)アクリル酸やそのカルボキシル基の一部または全部を水酸化ナトリウム等のアルカリで中和したもの等が挙げられる。側鎖にスルホン酸基を有する親水性合成高分子としては、ポリt−ブチルアクリルアミドスルホン酸やそのスルホン酸基の一部または全部を水酸化ナトリウム等のアルカリで中和したもの等が挙げられる。側鎖に水酸基を有する親水性合成高分子としては、酢酸ビニルモノマーを重合し、加水分解して得られるポリビニルアルコール等が挙げられる。側鎖にアミド基を有する親水性合成高分子としては、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリN,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリN−ビニルアセトアミド等が挙げられる。側鎖にアミノ基を有する親水性合成高分子としては、ポリアリルアミンやそのアミノ基の一部または全部を塩酸等の酸で中和したもの、ポリ塩化メタクリロイルトリメチルオキシエチルアンモニウム等が挙げられる。
【0037】
上記親水性合成高分子を構成する単量体は、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ基のほかに、これらを変成した官能基を有してもよい。例えば、皮膚への密着性の向上を目的として親水性合成高分子中における水酸基やカルボキシル基の40%程度をエステル化して親油化する処理を行ってもよい。また、側鎖に長い飽和炭化水素部分がある場合には、当該部分に親水性を付与することを目的として、さらにカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ基等を導入したり、酸やアルカリ等の試薬で処理してもよい。これらの処理は単量体の重合前に行ってもよいし、重合後に行ってもよい。
【0038】
重合性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸(およびその塩); t−ブチルアクリルアミドスルホン酸(およびその塩)、 N,N’−ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミドの誘導体;ビニルピロリドン等が、製造が容易であるなどの観点から好適に用いられる。前記重合性不飽和単量体は単独で、または2種以上を混合して用いられる。
【0039】
架橋性不飽和単量体としては、例えばN,N' −メチレンビスアクリルアミド、 N,N' −メチレンビスメタクリルアミド、 N,N' −エチレンビスアクリルアミド、 N,N' −エチレンビスメタクリルアミド、1,2−ジアクリルアミドエチレングリコール等が挙げられる。
【0040】
架橋性因子としては、前述のように、多価金属イオン化合物、多価カルボン酸、多価アルコール、多官能エポキシド類およびジアルデヒド類が挙げられる。
このうち多価金属イオン化合物としては、例えばアルミニウム化合物、カルシウム化合物、マグネシウム化合物等が挙げられる。中でも、架橋効率の観点から、水酸化アルミニウムおよびその塩、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、マグネシウムアルミニウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、マグネシウムアルミニウムハイドロオキサイドカーボネートハイドレート、水酸化アルミニウム炭酸ナトリウム共沈物等の3価のアルミニウムイオンを含む化合物が好適であり、さらには非晶質構造であるものがより好適である。多価カルボン酸としては、例えばコハク酸、フマル酸、フタル酸、クエン酸、リンゴ酸等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジグリセリン等が挙げられる。多官能エポキシドとしては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられる。また、ジアルデヒド類としては、例えばグリオキサール、テレフタルアルデヒド、グルタルアルデヒド等が挙げられる。
【0041】
本発明のシート状化粧料をつくる単一の合成高分子ゲル体において、当該ゲル体を構成する、網目構造を有する合成高分子の配合量は、ゲル体に対して1〜50質量%であるのが好ましい。
前記合成高分子の配合量が1質量%を下回ると、ゲル体の腰強度が弱くなり、ゲル体中に封じ込めた溶媒、薬効成分等の添加剤を安定に保つことが困難になるおそれがある。逆に、50質量%を超えると、ゲル強度は強くなるものの、ゲル体の高分子構造が密になりすぎて、ゲル体中に保持できる溶媒や薬効成分等の量が少なくなりすぎるおそれがある。合成高分子の配合量は、上記範囲の中でも特に、3〜30質量%であるのが好ましく、5〜25質量%であるのがより好ましい。
【0042】
網目構造を有する合成高分子として前記(a)の共重合体を用いる場合、架橋性不飽和単量体の配合量は、ゲル体に対して0.005〜0.5質量%であるのが好ましい。配合量が0.005質量%を下回ると十分な腰強度を有するゲル体が得られにくくなり、ゲル体中に封じ込めた溶媒、薬効成分等の添加剤を安定に保つことが困難になるおそれがある。逆に、配合量が0.5質量%を超えると、得られるゲル体の脆さが増大し、引張応力や圧縮応力によって切断や破壊が生じやすくなるおそれがある。
【0043】
一方、網目構造を有する合成高分子として、架橋性因子が多価金属イオン化合物である前記(b)の架橋構造体を用いる場合、多価金属イオン化合物の配合量は、ゲル体に対して0.1〜10質量%であるのが好ましい。架橋性因子が多価カルボン酸または多価アルコールである場合において、多価カルボン酸または多価アルコールの配合量は、ゲル体に対して0.1〜5質量%であるのが好ましい。また、架橋性因子が多官能エポキシド類またはジアルデヒド類である場合において、多官能エポキシド類またはジアルデヒド類の配合量は、ゲル体に対して0.01〜3質量%であるのが好ましい。
【0044】
多価金属イオン化合物等の架橋性因子の配合量が前記範囲を下回ると、得られる合成高分子ゲル体の腰強度が弱くなり、ゲル体に封じ込めた溶媒や薬効成分等の添加剤を安定に保つことが困難になるおそれがある。逆に、配合量が前記範囲を超えると、ゲル体の脆さが増大し、引張応力や圧縮応力によって切断や破壊が生じやすくなるおそれがある。
【0045】
前記のシート状化粧料は、シートの一方の表面が粘着性を有しており、一方の表面が非粘着性であり、両表面の粘着度合いが異なっている。片面を非粘着剤処理してあることで、使用時に手にシート状製剤がくっついたりすることが防げるため、使用感を向上させることができる。非粘着剤処理の方法としては、例えば、かかる合成高分子ゲル体と反応しゲル体の架橋密度を上げる架橋性因子を含むものであって、その処理を施した表面(以下、非粘着面という)の粘着性を、処理を施していない他方の表面(以下、粘着面という)に比べて低下させることができるもの(以下、非粘着処理剤と呼ぶ)を塗布する方法が挙げられる。非粘着処理剤は、かかる非粘着処理剤が有する架橋性因子が上記ゲル体と反応しゲル体の架橋密度を上げることに特徴を有するため、上記ゲル体中には、非粘着処理剤が有する架橋性因子と架橋反応を起こし得る合成高分子を必要とする。かかる合成高分子は、それ自体がゲル体を構成する網目構造を有する合成高分子であってもよいし、ゲル体を構成する網目構造を有する合成高分子とは別に、ゲル体中にその溶媒と共にゲル体に包含された未架橋の合成高分子であっても構わない。
【0046】
上記非粘着処理剤とゲル体との組み合わせとしては、製造が容易であるとの観点から、(c)非粘着処理剤として、多価カチオン、多価カルボン酸、多価アルコール、多官能エポキシド類およびジアルデヒド類からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋性因子を有するものからなり、かつ、(d)ゲル体を構成する網目構造を有する合成高分子が、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、1種または2種以上の重合性不飽和単量体を重合して得られる親水性合成高分子(すなわち、上記(c)の架橋性因子と架橋反応を起こし得る合成高分子)からなるものの組み合わせを用いる。
【0047】
上記(d)における、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、1種または2種以上の重合性不飽和単量体を重合して得られる親水性合成高分子が、網目構造を有する方法としては、例えば、かかる親水性合成高分子を製造する際に、
(e)上記重合性不飽和単量体のほか架橋性不飽和単量体と伴わせて共重合によって製造する方法や、
(f)上記重合性不飽和単量体を重合した後、多価金属イオン化合物、多価カルボン酸、多価アルコール、多官能エポキシド類およびジアルデヒド類からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋性因子と反応させて架橋構造を製造する方法
等が挙げられる。
【0048】
前述のように、上記(d)記載の、側鎖にカルボキシル基を有する親水性合成高分子としては、ポリ(メタ)アクリル酸やそのカルボキシル基の一部または全部を水酸化ナトリウム等のアルカリで中和したもの等が挙げられる。側鎖にスルホン酸基を有する親水性合成高分子としては、ポリt−ブチルアクリルアミドスルホン酸やそのスルホン酸基の一部または全部を水酸化ナトリウム等のアルカリで中和したもの等が挙げられる。側鎖に水酸基を有する親水性合成高分子としては、酢酸ビニルモノマーを重合し、加水分解して得られるポリビニルアルコール等が挙げられる。側鎖にアミド基を有する親水性合成高分子としては、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリN,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリN−ビニルアセトアミド等が挙げられる。側鎖にアミノ基を有する親水性合成高分子としては、ポリアリルアミンやそのアミノ基の一部または全部を塩酸等の酸で中和したもの、ポリ塩化メタクリロイルトリメチルオキシエチルアンモニウム等が挙げられる。
【0049】
また前述のように、上記親水性合成高分子を構成する単量体は、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ基のほかに、これらを変成した官能基を有してもよい。例えば、皮膚への密着性の向上を目的として親水性合成高分子中における水酸基やカルボキシル基の40%程度をエステル化して親油化する処理を行なってもよい。また、側鎖に長い飽和炭化水素部分がある場合には、当該部分に親水性を付与することを目的として、さらにカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ基等を導入したり、酸やアルカリ等の試薬で処理してもよい。これらの処理は単量体の重合前に行ってもよいし、重合後に行ってもよい。
【0050】
また前述のように、上記(d)記載の、重合性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸(およびその塩); t−ブチルアクリルアミドスルホン酸(およびその塩)、 N,N’−ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミドの誘導体;ビニルピロリドン等が、製造が容易であるなどの観点から好適に用いられる。前記重合性不飽和単量体は単独で、または2種以上を混合して用いられる。
【0051】
さらに上記(e)記載の、架橋性不飽和単量体としては、前述のように、例えばN,N' −メチレンビスアクリルアミド、 N,N' −メチレンビスメタクリルアミド、 N,N' −エチレンビスアクリルアミド、 N,N' −エチレンビスメタクリルアミド、1,2−ジアクリルアミドエチレングリコール等が挙げられる。
【0052】
また上記(f)記載の、架橋性因子としては、前述のように、多価金属イオン化合物、多価カルボン酸、多価アルコール、多官能エポキシド類およびジアルデヒド類が挙げられる。
【0053】
このうち、前述のように多価金属イオン化合物としては、例えばアルミニウム化合物、カルシウム化合物、マグネシウム化合物等が挙げられる。中でも、架橋効率の観点から、水酸化アルミニウムおよびその塩、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、マグネシウムアルミニウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、マグネシウムアルミニウムハイドロオキサイドカーボネートハイドレート、水酸化アルミニウム炭酸ナトリウム共沈物等の3価のアルミニウムイオンを含む化合物が好適であり、さらには非晶質構造であるものがより好適である。多価カルボン酸としては、例えばコハク酸、フマル酸、フタル酸、クエン酸、リンゴ酸等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジグリセリン等が挙げられる。多官能エポキシドとしては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられる。また、ジアルデヒド類としては、例えばグリオキサール、テレフタルアルデヒド、グルタルアルデヒド等が挙げられる。
【0054】
網目構造を有する方法として前記(e)の共重合によって製造する場合、架橋性不飽和単量体の配合量は、ゲル体に対して0.005〜0.5質量%であるのが好ましい。配合量が0.005質量%を下回ると十分な腰強度を有するゲル体が得られにくくなり、ゲル体中に封じ込めた溶媒、薬効成分等の添加剤を安定に保つことが困難になるおそれがある。逆に、配合量が0.5質量%を超えると、得られるゲル体の脆さが増大し、引張応力や圧縮応力によって切断や破壊が生じやすくなるおそれがある。
【0055】
一方、網目構造を有する方法として、架橋性因子が多価金属イオン化合物である前記(f)の架橋構造を製造する場合、多価金属イオン化合物の配合量は、ゲル体に対して0.1〜10質量%であるのが好ましい。架橋性因子が多価カルボン酸または多価アルコールである場合において、多価カルボン酸または多価アルコールの配合量は、ゲル体に対して0.1〜5質量%であるのが好ましい。また、架橋性因子が多官能エポキシド類またはジアルデヒド類である場合において、多官能エポキシド類またはジアルデヒド類の配合量は、ゲル体に対して0.01〜3質量%であるのが好ましい。
【0056】
多価金属イオン化合物等の架橋性因子の配合量が前記範囲を下回ると、得られる合成高分子ゲル体の腰強度が弱くなり、ゲル体に封じ込めた溶媒や薬効成分等の添加剤を安定に保つことが困難になるおそれがある。逆に、配合量が前記範囲を超えると、ゲル体の脆さが増大し、引張応力や圧縮応力によって切断や破壊が生じやすくなるおそれがある。
【0057】
また上記(c)記載の、架橋性因子については、後述の多価カチオンのほか、多価カルボン酸、多価アルコール、多官能エポキシド類およびジアルデヒド類が挙げられる。
多価カルボン酸としては、例えばコハク酸、フマル酸、フタル酸、クエン酸、リンゴ酸等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジグリセリン等が挙げられる。多官能エポキシドとしては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられる。また、ジアルデヒド類としては、例えばグリオキサール、テレフタルアルデヒド、グルタルアルデヒド等が挙げられる。
【0058】
さらにシート状化粧料をつくる単一の合成高分子ゲル体の一方の表面に施す非粘着処理のための、上記(d)記載の親水性合成高分子と上記(c)記載の架橋性因子の好適な組み合わせは、製造がさらに容易であるとの観点から、かかる親水性合成高分子として、少なくともアニオン性官能基を有する重合性不飽和単量体を重合して得られる親水性合成高分子からなり、かつ、かかる架橋性因子として、少なくとも多価カチオンを有するものの組み合わせがよい。
【0059】
上記アニオン性官能基とは、水中でカチオンと化学結合を有する能力のある官能基全般であり、製造が容易であるとの観点から、−COOH、−COOX(X;対イオン)で示されるカルボキシル基が好ましい。
【0060】
また上記多価カチオンとは、二価以上のカチオン全般であり、架橋反応効率の観点から、例えばAl3+、Fe3+、Ti3+、In3+、Zr4+、Ta5+等の三価以上のイオンが好適である。
【0061】
多価カチオンの形態は、例えば塩化アルミニウムのように水中で可溶性な塩となるものであっても、例えば合成ケイ酸アルミニウムのように水中で難溶性な塩となるものであってもかまわない。これらの塩の可溶性/難溶性の選択は、その製造方法に最も適したものを選ぶ。すなわち、かかる非粘着処理を即効で行うことを目的とした場合は、その時選択した非粘着処理剤あるいはゲル体に包含された溶媒に可溶性な塩の形態で選べばよく、逆に、かかる非粘着処理を例えば1時間以上かけて行うことを目的とした場合は、その時選択した非粘着処理剤あるいはゲル体に包含された溶媒に難溶性な塩の形態を選べばよい。
【0062】
シート状化粧利用をつくる単一の合成高分子ゲル体の一方の表面に処理を施す非粘着処理剤は、上記架橋性因子を含むほか溶媒を含んでもよく、かかる溶媒としては例えば水やエチルアルコール等のモノアルコール類、1,3−ブチレングリコール等のグリコール類、グリセリン等の多価アルコール類等が挙げられる。前述のように、かかる溶媒に上記架橋性因子が溶解していても、スラリーのように溶解しなくてもよい。さらに、非粘着処理剤には必要に応じて各種添加剤を含んでも構わない。
【0063】
非粘着処理剤のゲル体表面に処理する処理量は、ゲル体表面平方センチメートルあたり、架橋性因子の架橋当量で、1×10-10当量/cm2〜1×10-2当量/cm2であるのが好ましい。処理量が1×10-10当量/cm2より小さくなると、非粘着面と粘着面との粘着の差が顕著に現れず、使用時に取り扱いが悪くなる。また、処理量が1×10-2当量/cm2より大きくなると、もはや非粘着面の非粘着処理は十分に施され、それ以上有効に作用することはない。
なお、ここでいう架橋性因子の架橋当量とは、架橋性因子の架橋点の量をモル数で表わしたものをいう。
【0064】
シート状化粧料をつくる単一の合成高分子ゲル体の一方の表面に非粘着処理剤を施す場合、かかる表面に対しては、一面に均一な処理量で処理を施しても構わないし、また、部分的に処理量が不均一になってもかまわない。したがって、上記好ましい処理量の範囲内で、かかる表面を不均一に処理を施しても構わない。
【0065】
以下にシート状化粧料の製造方法の例を示す。
シート状化粧料は当該ゲル体を構成する網目構造を有する合成高分子が、
(a)1種または2種以上の重合性不飽和単量体と架橋性不飽和単量体との共重合体、または
(b)側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、1種または2種以上の重合性不飽和単量体を重合して得られる親水性合成高分子と、多価金属イオン化合物、多価カルボン酸、多価アルコール、多官能エポキシド類およびジアルデヒド類からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋性因子とを反応して得られる架橋構造体
であることが好ましい。
【0066】
上記(a)の重合性不飽和単量体と架橋性不飽和単量体との共重合体を、網目構造を有する合成高分子として用いた場合のゲル体の製造方法としては、例えばゲル体を構成する溶媒に重合性不飽和単量体、架橋性不飽和単量体および重合開始剤を加えて重合を行う方法が挙げれる。重合には加熱または光照射を施すか、あるいは重合開始剤の添加によって重合が始まる系を選択してもよい。
【0067】
一方、上記(b)の親水性合成高分子と架橋性因子とを反応させてできる架橋構造体を、網目構造を有する合成高分子として用いた場合のゲル体の製造方法としては、例えばあらかじめ前述の方法と同様にして重合した親水性合成高分子を溶解し、この溶液に架橋性因子を添加して架橋反応を行う方法が挙げられる。架橋反応は加熱によって開始してもよく、反応開始剤の添加によって開始してもよい。また、架橋性因子の添加により直ちに架橋反応が始まる系を選択してもよい。
【0068】
前記(a)の不飽和単量体を重合してゲル体を得る場合において、前述の単量体および溶媒等を配合した溶液を用いて熱重合する場合には、アゾビスシアノ吉草酸やアゾビスアミノプロパン二塩酸塩等のアゾ系重合開始剤、あるいは硫酸第一鉄、亜二チオン酸塩、ピロ亜硫酸塩等の還元剤と過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ペルオキソ二硫酸塩等の過酸化物とからなるレドックス系重合開始剤を添加して重合することができる。これらのアゾ系重合開始剤およびレドックス系重合開始剤は、必要に応じて単独または混合して使用してもよい。なお、レドックス系重合開始剤を用いる場合には、加熱をせずに添加するだけで重合が始まる系としてもよい。また、光重合する場合は、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、リン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、アゾ系等の光ラジカル重合開始剤、ジアゾニウム塩、ジアリルヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等の光カチオン重合開始剤等を添加して重合することができる。
【0069】
シート状製剤の厚み調整は、かかるゲル体の硬化が終了する前のゲル形成用配合物に対して、例えば押出機やドクターブレード等を用いて展延したり、所定の厚みをもった容器、例えばブリスター容器に充填したりすることで行われる。
【0070】
所定の厚みをもった容器に充填する後者の方法では、かかる容器の形状を使用時のシート状化粧料の形状に合わせて形成しておけば、インライン製造プロセスが容易となり、製造工程上好ましいものとなる。さらに、長い帯状のゲル体を形成させこれから目的とする使用時の形状に打抜く方法に比べて、廃棄するゲルの発生量が抑えられること、またゲル体と打抜き刃の接触がないことから衛生的であること等の観点からも好適である。
【0071】
シート状化粧料の一方の表面に上記非粘着処理剤を用いて処理する方法としては、
(i)ゲル体の硬化が終了した後に、その表面に非粘着処理剤を用いて処理しても構わないし、
(j)ゲル体の硬化が終了する前に、その表面に非粘着処理剤を用いて処理しても構わない。
なお、本発明における「ゲル体の硬化が終了」とは、ゲル化前の配合物がゲル化反応を起こして保形性を有する状態になったことをいう。
【0072】
上記(i)の場合の製造方法としては、硬化が終了したゲル体の一方の表面に、例えばコーター、印刷機、ハケ等を用いた塗工やスプレー等を用いた噴霧等の方法で、非粘着処理剤を施す方法が好適である。
【0073】
また、上記(j)の場合の製造方法としては、前述の方法で厚み調整を行った硬化終了前のゲル形成用配合物の一方の表面に、例えばコーター、印刷機、ハケ等を用いた塗工やスプレー等を用いた噴霧等の方法で、非粘着処理剤を施す方法が好適である。
【0074】
ただし、上記(j)の場合の製造条件として、硬化終了前のゲル形成用配合物の一方の表面に非粘着処理剤を用いて処理する時のゲル形成用配合物は、ある程度以上粘度を有することが望ましい。かかる粘度としては、1,000センチポイズ以上が好ましい。すなわち、非粘着処理剤を用いて処理する時のゲル形成用配合物の粘度が1,000センチポイズより小さいと、かかるゲル形成用配合物と非粘着処理剤が混ざり合って、処理を施していない他方の面まで非粘着処理剤による効果が作用し、その結果、製造されるシート状化粧料の両表面の粘着度合いに差が生じなくなるおそれがある。
【0075】
また上記(j)の場合の製造方法として、硬化終了前のゲル形成用配合物の厚み調整を行う際に、かかるゲル形成用配合物に非粘着処理剤を施すことによって、製造されるシート状化粧料の両表面の粘着度合いに差を生じさせることもできる。すなわち、硬化終了前のゲル形成用配合物の厚み調整を行う際に、非粘着処理剤を介在させることが可能なシート(以下、介在シートという)に、非粘着処理剤を一面に介在させ、かかる介在シートを硬化終了前のゲル形成用配合物の上に乗せた上で、ドクターブレードやスキージー等を用いて硬化終了前のゲル形成用配合物の厚み調整を行う。その結果、介在シートが保持していた非粘着処理剤をかかるゲル形成用配合物に転写することができ、これをゲル体の硬化の終了まで静置することで、目的とする両表面の粘着度合いが異なったシート状化粧料を得ることができる。
【0076】
かかる製造方法の場合、厚み調整を行う直前のゲル形成用配合物の粘度は、10,000〜2,000,000ミリパスカル秒であることが好ましい。すなわち、10,000ミリパスカル秒より小さいと、かかるゲル形成用配合物と非粘着処理剤が混ざり合って、処理を施していない他方の面まで非粘着処理剤による効果が作用し、その結果、製造されるシート状化粧料の両表面の粘着度合いに差が生じなくなるおそれがある。また、2,000,000ミリパスカル秒より大きいと、かかるゲル形成用配合物の厚み調整自身が困難となる。
【0077】
なお介在シートとしては、非粘着処理剤を一面に介在させることができるものであればどんなものでもよく、例えば、プラスチックシート、スポンジシート、紙、織布、不織布等が挙げられる。介在シートは、使用時までにはシート状製剤から剥がすため、剥離が容易なプラスチックシート等が好ましい。
【0078】
また、介在シートに非粘着処理剤を介在させやすくするために、非粘着処理剤の中に増粘剤を加えることも可能である。
【0079】
シート状化粧料は、使用されるまでの間、少なくとも粘着面側にポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルムをそのままの状態で、またはそのプラスチックフィルムの表面にシリコーン樹脂等の離型剤を塗布もしくは焼付けした状態で離型紙として貼り付けておくのが、衛生上好ましい。また、シート状製剤の乾燥を防いだり、衛生上の配慮から、さらに非粘着面側にも上記離型紙を貼り付けるのが好ましい。
【0080】
なお、貼り付けられた離型紙は、その柔軟性が乏しいため皮膚表面の動きに十分追従することができないことから、使用時には剥がすことが好ましい。非粘着面に離型紙を貼り付けたままで使用すると、使用中に離型紙がシート状製剤から剥がれてしまい扱いにくくなる。上記離型紙は、シート状化粧料のゲル製造プロセスの際に下敷きや表面材として用いてもよいし、シート状製剤の製造が終了した後で貼り付けてもよい。
【0081】
ゲル体等のシート製剤の表面に水を含む液体層を設ける場合の方法としては、前記非粘着処理剤の架橋性因子の塩濃度を濃くしてゲル体中の内溶液の水を含む液体を表面に吐き出させる方法、水を含む液体成分を後添加でゲル体に加える方法、または水を含む液体成分を表面に塗布するか噴霧する方法等が挙げられる。この際には前記生理活性成分を添加しておくことが好ましい。
【0082】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。
実施例および比較例で用いた評価方法は以下の通り。
【0083】
[有用性評価]
16〜23歳のパネラーを各評価品目ごとに10名ずつ用意し(但し、品目によりパネラーが重複する場合もある)、表1に示す評価基準に従って評価を行い、全パネラーの合計点数を以て評価結果とした。従って、点数が高いほど評価項目に対する有用性が高いことを示す(満点:50点)。尚、サンプルは2日に1回ずつ2週間使用した後に評価を行なった。
【0084】
Figure 0003910346
【0085】
参考例1
表2の処方と下記製造方法に従って製品を得た。
【0086】
Figure 0003910346
【0087】
製造方法
表2の各成分を加熱溶解した溶液を、アプリケーターを用いてシリコーン処理PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に0.6mm厚で塗工した。その上から10ポイントの黒色の活字を判読することができる開口率をもつ6−ナイロン製のチュールをローラーで圧着した後、さらにその上からシリコーン処理PP(ポリプロピレン)フィルムを張り付けた。常温で1日放置した後、トムソン刃を用いて四隅を落とした長方形に打ち抜き、これをブリスター容器の凹部の中に設置し、さらに4層アルミ蒸着フィルムを用いて容器の周囲を熱シールし製品とした。尚、本製品は表層に水を含む液体層が保持されていないことをシート製剤の表面においた濾紙が液体で濡れないことによって確認した。
本製品は、脚部に貼り付けて使用した。
【0088】
比較例1
実施例1の製造方法の10ポイントの活字を判読することができる開口率をもつ6−ナイロン製のチュールの代わりに、10ポイントの黒色の活字を判読することができない開口率をもつ6−ナイロン製不織布を用いた他は全て実施例1と同様にして製品(脚部用)を得た。
【0089】
実施例2
下記の製造方法により、シート状化粧料を作製した。シート製剤をつくる単一の合成高分子ゲル体のゲル形成用配合物と非粘着処理剤の組成を表3に示す。
【0090】
Figure 0003910346
Figure 0003910346
【0091】
表3に示すゲル形成用配合物のうち重合開始剤(4%過硫酸アンモニウム水溶液および2%ピロ亜硫酸カリウム水溶液)を除く成分を、精製水および保湿剤を溶媒として溶解混合した後、前記重合開始剤を加えてよく攪拌して、ゲル形成用配合物を得た。次いで、表面にシリコーン樹脂(離型剤)が焼付けされたポリエチレンテレフタレートシート(厚さ50μm)上に厚さ0.7mmのスペーサーを設置し、当該スペーサーで囲まれた範囲に前記ゲル形成用配合物を流し込んだ。
さらに、当該配合物の表面を、表面にシリコーン樹脂(離型剤)が焼付けされたポリエチレンテレフタレートシート(厚さ100μm)で覆い、70℃で5分間加熱して重合を行うことにより、ゲル体の硬化を終了させて、合成高分子ゲル体を形成した。
【0092】
上記合成高分子ゲル体から、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートシートを剥がして、その剥がしたゲル体表面に、表2に示す架橋性因子(塩化アルミニウム六水和物)を溶媒(エチルアルコールおよび精製水)に溶解した非粘着処理剤をハケを用いて均一に、30mg/cm2(すなわち架橋当量で、1×10-5当量/ cm2)で塗って処理した。
ついで、ポリプロピレンシートを上から載せた後、ハーフカッターとトムソン刃を用いて指先の形に打ち抜き、アルミシートにて3方シールしてパック包装された製品を得た。
尚、この製品はゲル表面に水を含む液体層を保持していた。
【0093】
比較例2
開口率の小さい不織布にパール剤を含まない不透明な膏体を塗工したタイプの市販の爪用パッチを用いた。この製品はゲル表面に液体層を保持していなかった。
【0094】
表4に実施例および比較例の評価結果を示す。
【0095】
[表4]
透明性 見かけの面白さ 使用した時の気持ち良さ
---------------------------------------------------------------
参考例1 半透明 39 41
比較例1 不透明 10 38
実施例2 半透明 46 45
比較例2 不透明 32 34
【0096】
表4の結果より、本発明の各実施例は各比較例と比べて外観が異なり、面白さを感じていること、そして使用した時に気持ち良さを感じていることがわかった。比較例1は実施例1を不透明タイプにしたものであるが、実用性はあるものの面白さがなく、また、比較例2は市販の不織布タイプ(不透明)の爪用パッチを用いたものであるが、爪用自体に興味があるものの実施例2と比べると面白みに欠ける評価となった。
【0097】
【発明の効果】
以上の結果から、本発明は、透明または半透明タイプのシート状製剤にパール材料を配合することによって、ファッション性に富み面白さが感じられ、また使用感に優れた製剤が得られることは明らかである。

Claims (6)

  1. アニオン性官能基として少なくともカルボキシル基を有する、1種または2種以上の重合性不飽和単量体を重合して得られる親水性合成高分子と水を含む溶媒とから構成され、すくなくとも網目構造を有するゲル体であり、外観が透明または半透明のシート状製剤に、パール材料が配合されていることを特徴とするシート状化粧料であって、前記ゲル体の一方の表面が、多価カチオンより選ばれる少なくとも1種の架橋性因子を有する非粘着処理剤を施すことによって非粘着面とされていることを特徴とするシート状化粧料。
  2. シート状製剤の内部または表面に、開口率が十分に大きい織布または不織布を厚み方向に内在させてあることを特徴とする請求項1に記載のシート状化粧料。
  3. シート状製剤の表面が水を含む液体成分で覆われていることを特徴とする請求項1または2に記載のシート状化粧料。
  4. パール材料の配合割合が、シート状製剤に対して0.0001〜15質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート状化粧料。
  5. パール材料が、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆板状シリカ、酸化チタン被覆板状アルミナ、酸化鉄被覆雲母、板状酸化鉄、マイカ、オキシ塩化ビスマス、金属蒸着樹脂フィルム、金属酸化物蒸着樹脂フィルムから選ばれる1種、または2種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシート状化粧料。
  6. 前記シート状製剤が、指部、爪部、手部、腕部、脚部、腹部、胸部または首部のいずれかの部位に使用されるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシート状化粧料。
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