JP4349772B2 - 局所適用に好適な予め成形されたシート貼付具 - Google Patents
局所適用に好適な予め成形されたシート貼付具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4349772B2 JP4349772B2 JP2001575980A JP2001575980A JP4349772B2 JP 4349772 B2 JP4349772 B2 JP 4349772B2 JP 2001575980 A JP2001575980 A JP 2001575980A JP 2001575980 A JP2001575980 A JP 2001575980A JP 4349772 B2 JP4349772 B2 JP 4349772B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- skin
- gel
- patch
- coating composition
- gel sheet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q19/00—Preparations for care of the skin
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/02—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by special physical form
- A61K8/0208—Tissues; Wipes; Patches
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/02—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by special physical form
- A61K8/0212—Face masks
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/18—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
- A61K8/30—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds
- A61K8/40—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds containing nitrogen
- A61K8/42—Amides
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/18—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
- A61K8/30—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds
- A61K8/60—Sugars; Derivatives thereof
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/18—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
- A61K8/30—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds
- A61K8/67—Vitamins
- A61K8/673—Vitamin B group
- A61K8/675—Vitamin B3 or vitamin B3 active, e.g. nicotinamide, nicotinic acid, nicotinyl aldehyde
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/18—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
- A61K8/30—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds
- A61K8/67—Vitamins
- A61K8/676—Ascorbic acid, i.e. vitamin C
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/18—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
- A61K8/30—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds
- A61K8/67—Vitamins
- A61K8/678—Tocopherol, i.e. vitamin E
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/18—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
- A61K8/72—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic macromolecular compounds
- A61K8/73—Polysaccharides
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/18—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
- A61K8/72—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic macromolecular compounds
- A61K8/73—Polysaccharides
- A61K8/737—Galactomannans, e.g. guar; Derivatives thereof
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q3/00—Manicure or pedicure preparations
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q5/00—Preparations for care of the hair
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q19/00—Preparations for care of the skin
- A61Q19/08—Anti-ageing preparations
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Birds (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Dermatology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Cosmetics (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Materials For Medical Uses (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、皮膚、毛髪、又は爪に有益剤を送達するための、ゲルシートの形をした予め成形された貼付具(device)に関する。より詳細には、本発明は、少なくとも1つの表面上にコーティング組成物を有するゲルシートに関する。このコーティング組成物は、少なくとも1種の皮膚有益剤を含み、従来のコーティングしていないシートよりも皮膚に有益剤をより効率良く送達させることを可能にし、及び/又はより大きな処方柔軟性を提供する。
【0002】
(発明の属する技術分野)
美容の目的で皮膚、毛髪又は爪を処置したり、又は火傷や創傷の治癒を促進させるために、クリームやローションなどの代わりに、ポリマー性ゲル形成剤を含む貼付剤又はマスク貼付具を使用することが有益であることが、当該技術分野において認識されている。様々な化粧用の貼付剤や貼付具が市販されており、又は、ビタミン類、抗ニキビ活性剤、及び保湿剤などのようなスキンケア用活性物質の送達に有用であることが報告されている。貼付剤はまた、医療分野でも、薬剤の経皮的投与の有用な手段として、文献に報告され、市販されている。
しかし、多くの貼付剤又は同様の貼付具は、その物理的な製品形状に欠点を有しており、消費者や装着者にとっては使用時の特性が好ましくないと感じられている。例えば、貼付剤又は貼付具には、貼付剤又は貼付具に含まれるゲル形成剤が固体ゲル構造を形成しないために、濡れ過ぎていたり、べたつき過ぎていたりし得るものもあり、その結果、貼付剤又は貼付具の取り扱い及び皮膚への貼り付けが困難となる。他には、接着力が強く、装着及び取り外しが難しく、そして多くの貼付剤が有益剤を効果的に放出及び浸透させていない。さらに貼付剤又は貼付具には、乾燥し過ぎていたり柔軟性に欠けており、そのためそれを貼り付ける表面の輪郭に十分には適合しないものもある。
【0003】
WO97/17944は、任意で水溶性又は水分散性活性成分に富む、構造化された化粧用ゲル形成について開示している。この任意成分は、ゲル形成中に組み込まれる。
いくつかの特許出願は、感圧接着剤貼付具の中に組み込まれた、ビタミン類等の活性剤を開示している。例えば、GB−A−2265086は、皮膚美白剤、及び浸透増進剤やグリセリン等の他の成分を、不透過性の裏材に取り付けた接着剤層中に配合した、皮膚美白用貼付剤について述べている。US−A−5785978は、不透過性の裏材も有する接着剤層中への、ビタミン類、特にビタミンCの粉末形状での組み込みについて教示している。US−A−5965154もまた、接着剤層中への粉末状ビタミンC等の活性成分の組み込みに関して述べている。公開特許WO98/42303もまた、接着性ポリマーを含む層と基材とを有する製品中への、粉末状ビタミンC等の活性成分の組み込みを扱っている。この特許出願では、接着剤層の役割は、角質の栓塞(keratoticplugs)を取り除くことである。その基材層は非閉塞性であることが好ましい。US−A−5723138は、しわを防ぎ、除去し、又は軽減するための化粧用成分を接着剤中に組み込み、且つテープに貼り付けた製品について教示している。
【0004】
EP−A−161681は、湿布として使用する多糖類ゲルプレートについて開示している。このプレートは、皮膚刺激剤、抗炎症剤、鎮痛剤、及び抗生物質等の薬用成分を含むことができる。この薬用成分は、プレートを形成する時に、又はその後プレートを、成分の溶液又は分散液でコーティング又は含浸させる時に、プレート中に組み込むことができる。薬用成分を後に添加する場合、薬用成分に高吸収性を与えるために、中間ゲルプレート製品を乾燥すると教示されている。
NZ329525には、皮膚に化粧品を適用し、その後表面上に包帯を適用することを含む、皮膚の処置方法について述べられている。JP11−130625には、顔のしわを処置するためのアクリルゲルベースのシートパックについて述べられている。任意で、パックを貼り付ける前に、顔に別個のローションを適用してもよい。同様に、日本では花王(Kao Corporation)のソフィーナリンクルセラティ目もと貼付剤(Sofina Seraty Wrinkle Device Eye Patch)等の市販品があり、顔にシートを貼り付ける前に、ジェル又はローションで顔を予め処置することを推奨している。かかる製品類は、キットとして販売されて、別個のジェル/ローション及びシートの適用を必要とする可能性がある。
【0005】
同時係属PCT出願第PCT/US99/15202号には、中に分散した化粧用剤を含んでいるが、滲出物が表面上に放出されるように中程度の量のシネレシスを起こすゲル貼付剤について開示している。
皮膚、毛髪、又は爪への有益剤の送達におけるゲルシートの効力は、少なくとも1種の皮膚有益剤を含む分離した別個のコーティング組成物で予め成形されたゲルシートをコーティングすることによって、向上することが見出された。さらに、ゲル貼付具用のこの構造体は、例えば、ゲルマトリックス外に移動しない粉末等の有益剤、又は、取り扱いが容易、もしくは、コーティングしていない部分の感触がより心地よい乾燥ゲルの組み込みを与えることによって、高い処方柔軟性を可能にする。
本明細書のゲル貼付具は、美容又は治療用途のための貼付剤又はマスクである。
【0006】
(発明の概要)
本発明は、皮膚、毛髪、又は爪に有益剤を送達するための予め成形された貼付具(device)に関し、この貼付具は第1の表面とその反対側に位置する第2の表面とを有する固体ゲルシートを備え、このゲルシートが、1種以上のゲル化剤及び少なくとも10%の皮膚科学的に許容可能な親水性溶媒を含み、第1の表面が、皮膚、毛髪、又は爪のための少なくとも1種の有益剤を含み且つ1000mPa・sより大きい粘度を有する別個の液体コーティング組成物で、少なくとも部分的にコーティングされ、前記ゲルシート及び前記液体コーティング組成物のそれぞれが、少なくとも1種の共通の皮膚有益剤を含み、前記液体コーティング組成物が、水中油型エマルションの形態であることを特徴とする。また、このコーティング貼付具の製造方法及び使用方法についても提供する。
コーティング組成物を使用することにより、従来の貼付具よりも、皮膚への有益剤のより効率的な送達が可能となり、より高い処方柔軟性が与えられる。本発明の予め成形されたコーティング貼付具は、局所適用に対する優れた加湿及び保湿利益、ならびに局所的に有効な活性物質の送達の向上による長期的な利益も同様に提供する。さらに、本発明の予め成形された貼付具は、柔軟性、弾性、且つ光学的に透明な高強度構造体を有するという、機械的及び光学的に優れた特性を有し、その結果、目立たず快適であるというような使用時の望ましい特徴を提供する。コーティング組成物は、周知の貼付具よりも、皮膚に有益剤をより効率よく送達させる事を可能にし、及び/又はより高い処方柔軟性を提供する。
【0007】
(発明の詳細な説明)
本発明の予め成形された貼付具は、固体ゲルシートおよび別個のコーティング組成物を含む。特に指示しない限り、ゲルシート組成物のレベル及び割合は全てゲルシートの重量によるものであり、コーティング組成物の成分のレベル及び割合は全てコーティング組成物の重量によるものである。特に指定しない限り、本明細書の全ての測定は、25℃で行う。本発明は、詳細には、工業規模で製造、出荷及び小売のために保護包装材中に包装された、予め成形された貼付具に関する。本貼付具は、皮膚、毛髪、又は爪に、好ましくは皮膚又は爪に、より好ましくは皮膚に、詳細には顔の皮膚に、有益剤を送達するために使用される。
本明細書で使用する用語「予め成形された」は、貼付具が予め定められた厚み、形状、及びサイズを有する形で製造されていて、使用者がさらに準備工程なしにこの貼付具を任意の付属の包装から取り出し、標的表面上に指で置くか覆いかけることができることを意味している。
【0008】
本明細で使用する用語「ゲルシート」は、連続、単層状、2層状、又は多層状シートである、美容又は医療用途の貼付剤又はマスクを意味し、その形状は処置する皮膚、毛髪、又は爪の特定の領域に基づいて予め定められており、マスクは顔の領域を覆うように設計され、目、鼻、又は口のための開口部を有する。好ましいゲルシートは単層状、つまり単一の層を含むものである。
本明細書でゲルシートに関連して使用する、「固体」とは、シートを平坦な表面に置いた時に、25℃でその形状を実質的に保つことを意味する。しかし、シートは、起伏のある表面に適用された時又は押し付けられた場合には、伸縮し、又は変形することがある。
本明細書で溶媒に関連して使用する用語「親水性」は、少なくとも溶媒と水の比が1対10、好ましくは1対5で、溶媒が水に混和できることを意味する。
本明細書で使用する用語「水溶性」は、ゲル化が可能なポリマー性ゲル形成剤が室温又は加温下で水溶液に溶解して、連続相を形成するような能力を意味する。
【0009】
本明細書で使用する用語「シネレシス」は、液の滲出を伴ってゲルが収縮する過程を意味する。理論に限定されるものではないが、本明細のゲル組成物は3次元マトリックスを形成し、それが組成物中の他の成分を結合又は包み込んでいると考えられている。シネレシスは、初期の均一系から凝集性のゲル相および液体への自然分離に関与するものと考えられている。浸出液は、その組成が元のゲルの組成に依存する溶液である。
本明細書使用する用語「多糖類」は、自然由来又は合成的に製造された、単糖類単位の直鎖、分枝状、又は架橋ポリマーを意味し、これは低濃度で水中に分散させると膨張して水相の厚みを増す。
用語「非平面的トポグラフィー」は、表面をテクスチャ加工するために異なる平面内に置かれた、少なくとも2つの隣接する線引きした貼付具の表面、又は貼付具に非平面的トポグラフィーを適用するための補助表面の領域であって、領域を指す。このテクスチャは、でこぼこ、波状、又は階段状であってもよく、且つ規則的でも不規則でもよい。
本明細書で使用する用語「周期性」は、繰り返し単位のパターンを意味し、そのパターンの繰り返し単位の始点と終点との間の距離の尺度である。
【0010】
ゲルシート
本発明の予め成形された貼付具は、固体ゲルシートを含む。本シートは、貼付具に一次構造及び形状を与え、貼付具を取り扱いできるようにし、且つ皮膚、毛髪、又は爪の特定の標的領域の処置に適するようにする。これはまた、有益剤に対してリザーバ又は送達媒体としても働くことができ、シートからの溶媒の蒸発により、使用中に貼付具に冷却作用を与えることもできる。
本ゲルシートは、所望の標的領域に適合したサイズ及び形状を有し、この領域としては、爪又は甘皮、毛髪又は頭皮、ヒトの顔またはその一部分、脚、手、腕、足、又はヒトの胴体が考えられる。シートは一般に外観上は平坦で、向かい合った第1と第2の表面を有する。本発明に基づく貼付具は、一般に、各表面が約0.25cm2〜約1,000cm2、好ましくは約1cm2〜約100cm2の面積を有するようなサイズである。表面積とは、表面として同じ境界を有する平坦な表面、すなわち表面のいずれのテクスチャの存在も無視した表面の表面積を指す。一般に、本貼付具の少なくとも1つの表面寸法、好ましくは両方の表面寸法は、本貼付具の深さよりも大きく、貼付具の表面寸法と深さとの比は、約2:1〜約100:1、より好ましくは約5:1〜約50:1の範囲内である。本明細書で使用する用語「表面寸法」は、x軸又はy軸での寸法を意味し、深さはz軸に沿って測定する。
【0011】
正確なサイズと形状は、使用目的及び製品の特徴による。本明細の貼付具は、例えば、正方形、円形、半円形、長方形、長円形、環形、三日月形、涙形、又はこれらの複合である他のより複雑な形状であることができる。顔に合わせた形状をした貼付具は、その表面積が約0.25cm2〜約500cm2、好ましくは約1cm2〜約400cm2の範囲内である。本貼付具の平均厚さは、一般に、約0.5mm〜約20mm、好ましくは約0.7mm〜約5mmである。好ましい貼付具は、その中央部分よりも約0.1〜約1.5mm、好ましくは約0.2〜約1mm厚い、厚みのある縁部を有する。この厚みのある縁部は、使用に際して、貼付剤の柔軟性を顕著に減少させずに、その強度をかなり増加させることが見出された。
【0012】
本ゲルシートの第1と第2の表面の、一方又は両方が、非平面的トポグラフィーを有してよい。非平面的トポグラフィーは、表面テクスチャのように貼付剤の表面にわたって一般化されていても、又は厚みを増した周縁部のように局部的に不連続であってもよい。少なくとも第1の表面が、テクスチャ加工され、約10μmより大きいRaで定義されるテクスチャを有することが好ましい。テクスチャ加工は、規則的又は非規則的なパターンを有してもよい。好ましいパターンは、約0.1mm〜約10mm、好ましくは約0.5mm〜約5mmの周期性をもつ、正弦波状、のこぎり歯状、又は円錐状である。第1の表面のテクスチャ加工は、コーティング組成物のゲルシートへの付着を向上させるのに有用である。第2の表面のテクスチャ加工は、使用中には皮膚、爪、又は毛髪から遠位になり、表面の光沢を減少させるのに有用で、装着時に本貼付具を目立たなくさせる。厚みのある縁部は、本貼付具にいくらかのさらなる一体性を与え、引き裂くことなくより容易に取り扱えるようにする。テクスチャ加工した表面、又は同時に同一の平均厚さを取らない少なくとも2つの線引きした領域の非平面的トポグラフィーを、本ゲルシートの第1及び第2の表面の両方に適用することが好ましい。
【0013】
本ゲルシートは、必須成分として、1種以上のゲル化剤、及び少なくとも10%の皮膚科学的に許容可能な親水性溶媒を含む。これらはまた、種々の他の成分、詳細には、以下のコーティング組成物の概要で詳細に述べる有益剤及び補助添加物も、任意で含むことができる。ゲル化剤及び親水性溶媒については、これから詳細に述べる。
【0014】
ゲル化剤
一般に、本発明のゲルシートは、ゲル化剤を全体の70重量%未満、好ましくは50重量%未満、より好ましくは30重量%未満、特に好ましくは10重量%未満含む。多くのタイプのゲル化剤、又はゲル形成剤が当該技術分野において周知であり、例えば様々なタイプの粘土類又はケイ酸塩ベース材料等の微粒子ベースのゲル形成剤、及びポリマー性ゲル形成剤が挙げられる。本明細書できわめて好ましいのは、ゲルに与える構造体の観点から、ポリマー性ゲル化剤である。
本明細書で使用するためのポリマー性ゲル形成剤は、天然由来でも合成的に得られたものでもよく、自己ゲル化であることができ、又は、他の物質と組み合わせる時のみゲルを形成してもよい。これらは、物理的又は化学的に架橋されていてよい。ゲル化剤には、糖、アルコール、又は、1価又は多価塩類等の物質との組み合わせで、ゲルを形成するものがある。1価又は多価塩類は、本明細のゲルシートに追加強度を付与するゲル強化剤として、さらなる働きをする可能性がある。かかる塩類に好適なカチオン類は、カリウムイオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、又はこれらの混合物から選択することができる。前述のカチオン類に関係する好適なアニオン類は、塩化物アニオン、クエン酸塩アニオン、硫酸塩アニオン、炭酸塩アニオン、ホウ酸塩アニオン、リン酸塩アニオン、またはこれらの混合物から選択することができる。
【0015】
物理的架橋結合とは、化学的な共有結合ではなく、貼付具中に高い結晶性を持つ領域がある、又は高いガラス転移温度をもつ領域があるような、物理的な性質の架橋結合を有するポリマー類である。化学的架橋結合とは、化学結合によって架橋されたポリマー類である。ポリマーが、熱放射、電子線放射、紫外線放射、ガンマ線放射、マイクロ波放射等の放射線技術によって化学的に架橋されていることが好ましい。加えて、この系で化学架橋が形成される時には、プレミックス中に多官能価架橋剤及び/又は遊離ラジカル反応開始剤が存在して、照射下で架橋を開始させてもよい。かかる化合物は、5重量%まで存在することができる。
ポリマー性ゲル形成剤は、水溶性又は非水溶性であるが、水溶性であることが好ましい。あるいは、シリコーン材料、例えばオルガノポリシロキサン樹脂類、又はブロックコポリマー熱可塑性エラストマー類を含む非水溶性ポリマー性ゲル形成剤であってもよい。同時係属PCT出願PCT/US99/15201号に、非水溶性ポリマー性ゲル形成剤に関する詳細な記述がされており、その出願の全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0016】
本発明で使用する水溶性ポリマー性ゲル形成剤は、合成又は天然ポリマー類、及びこれらの混合物から選択される。一般に、本発明の予め成形されたゲルシートは、水溶性ポリマー性ゲル形成剤を50重量%未満、より好ましくは30重量%未満、特に好ましくは20重量%未満含む。本明細で用いるのに好適な合成ポリマー類としては、非イオン系水溶性ポリマー類、アクリル酸ベースポリマー類、セルロース誘導体類、及びこれらの混合物が挙げられる。このタイプの多くの材料は当該技術分野において周知であり、同時係属PCT出願PCT/US99/15201号に代表的な材料が記載されている。
WO00/06215に特に好ましい合成ポリマー系について開示され、これは生物医学用の貼付具の皮膚への取り付けに好適な製品について記述しており、これは参照として本明細書に組み込まれる。詳細にはこの文献は、水性可塑剤を含む生体接着性ヒドロゲル組成物、親水性不飽和水溶性アクリルアミドモノマーを含む1つ以上のモノマーのポリマー、特にNaAMPS、及びエチレン/ビニルアセテートコポリマー等の疎水性ポリマーについて開示している。
【0017】
本明細書で使用する好ましいポリマー類は、ゼラチン、多糖類、及びこれらの混合物を含む、天然ポリマー類である。好ましくは多糖類である。本明細の貼付具に用いる多糖類は、紅藻多糖類、グルコマンナン類、ガラクトマンナン類、発酵多糖類又はその誘導体、褐藻多糖類、海生無脊椎動物抽出物、デンプン又はその誘導体、天然果実抽出物、植物繊維誘導体、ケルプ、天然植物滲出物、及び樹脂性ゴム、又はこれらの混合物から選択されることが好ましい。本明細書のゲルシートが水溶性ポリマー性ゲル化剤(類)として1種以上の多糖類を含む時には、本シートは一般に、多糖類又はその混合物を全乾燥量の10重量%未満、好ましくは7重量%未満、より好ましくは5重量%未満含む。多糖類全体のレベルを抑えることによってゲル構造が開放されたものとなり、それにより、ゲルのその他の成分がゲルの網目中に強固に拘束されず、自由に拡散できると考えられている。
【0018】
本明細書の貼付具でゼラチンを使用する時には、高分子量のゼラチンと低分子量のゼラチンを組み合わせて溶解度を調節する。分子量が低く、20,000以下のゼラチンは、ゲル化性能に劣る。
褐藻多糖類は、褐藻綱(Phaebophyceae)の様々な種からの抽出物によって単離される。本明細書で使用する好適な褐藻多糖類としては、アルギン、アルギン酸、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸ナトリウム、プロピレングリコールアルギン酸エステル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0019】
紅藻多糖類は、紅藻綱に属する海生植物種から単離される。紅藻多糖類は水性ゲルに機械的強度を与える。本発明での使用に好適な紅藻多糖類としては、当業界では(CTFA)通称寒天フレーク(agaragar flake)として知られ、TICゴム(TIC Gums)(米国、メリーランド州ベルキャンプ)から「寒天(Agar Agar)100」又は「寒天(Agar Agar)150」として、又はグミックス・インターナショナル社(Gumix International Inc.)(米国、ニュージャージー州フォートリー)から「寒天(Agar Agar )K−100」として市販されている、種々のテングサ種又は近縁種である紅藻を由来とする寒天;FMC(米国、ペンシルバニア州フィラデルフィア)から「シー・プラーク(Sea Plaque)(登録商標)」として、及びシグマ・アルドリッチ社(Aldrich Co. Ltd.)(英国、プール)から「アガロース・タイプ(Agarose Type)1−b」として市販されているアガロース;当業界では(CTFA)通称ツノマタ属(chondrus)として知られ、FMC(米国、ペンシルバニア州フィラデルフィア)から「ゲルカリン(Gelcarin)(登録商標)LA」、「シーケム(Seakem)(登録商標)3/LCM」、又は「ビスカリン(Viscarin)(登録商標)XLV」として市販されており、スギノリ科又はミリン科の種々の生物から得られる水抽出物である、λ型、ι型、及びκ型を含むカラゲナン;及び、ガム・テクノロジー社(Gum Technology Corporation)(米国、アリゾナ州トゥーソン)及びコンチネンタル・コロイド社(Continental Colloids Inc.)(米国、イリノイ州シカゴ)から市販されているファーセレラン、又はその混合物が挙げられる。好ましくは、本明細で使用する紅藻多糖類は、寒天、アガロース、κ−カラゲナン、及びファーセレラン又はその混合物から選択される。
【0020】
グルコマンナン類は、グルコース及びマンノース残基の本質的には直鎖状の骨格鎖を含む多糖類である。グルコマンナン類では、直鎖状の骨格鎖に短い側鎖がついており、アセチル基が糖単位のC−6位に無作為に存在している。通常このアセチル基は、6〜20糖単位あたりに1つの割合で見られる。本明細書で用いる好適なグルコマンナン類又はその誘導体では、マンノースとグルコースの比が約0.2〜約3である。本明細で用いるのに好ましいグルコマンナン類としては、サトイモ属コンニャク科植物(ゾウコンニャク)の塊茎根を製粉して作った粉末の総称であり、FMC(米国、ペンシルバニア州フィラデルフィア)から商品名「ニュートリコール(Nutricol)(登録商標)コンニャク粉末(konjac flour)」として市販されているコンニャクマンナン;及び、脱アセチル化したコンニャクマンナン;又は、これらの混合物が挙げられる。
【0021】
ガラクトマンナン類は、マメ科の多くの種子の胚乳細胞中に存在する植物貯蔵多糖類である。「ガラクトマンナン」という総称には、ガラクトース及びマンノース残基で形成された全ての多糖類が含まれる。ガラクトマンナン類は、(1→4)−結合した、β−D−マンノピラノシル単位の直鎖状の骨格鎖を含む。これらの環に対して分枝として付き、α−(1,6)−グルコシド結合によりガラクトピラノース残基が単離される。ガラクトマンナン類には、さらに、少量の他の糖残基が含まれていることもある。本明細での使用に好適なガラクトマンナン類は、フェヌグリークゴム;アルファルファ;クローバー;例えば当業界で(CTFA)通称イナゴマメ(carob bean)ゴムとして知られ、FMC(米国、ペンシルバニア州フィラデルフィア)から「シーガルL(Seagul L)」として市販されているイナゴマメゴム;スターライト・プロダクツ(Starlight Products)(フランス、ルーアン(Rouen))又はブンゲ・フーズ(Bunge Foods)(米国、ジョージア州アトランタ)から市販されているタラゴム;TICゴム(TIC Gums)(米国、メリーランド州ベルキャンプ)から「バートナイト(Burtonite)V7E」として、ローヌ・プーラン(Rhone-Poulenc)(米国、ジョージア州マリエッタ)から「ジャガー(Jaguar)C」として、又はアクアロン(Aqualon)(米国、デラウエア州ウィルミントン)から「スーパーコール(Supercol)」として市販されている、シアモプシス・テトラゴノロブス(Cyamopsis tetragonolobus)の基底胚乳(ground endosperm)由来のグアーゴム;及び、スターライト・プロダクツ(Starlight Products)(フランス、ルーアン(Rouen))から市販されているカッシアゴム、又はその混合物である。本明細書で使用するガラクトマンナン類は、平均して1〜約5個のマンノシル単位のうちの1個を(1→6)−結合−α−D−ガラクトピラノシル単位で置換したものであって、グアーゴム、イナゴマメゴム、及びカッシアゴム又はその混合物から選択されることが好ましい。
【0022】
発酵多糖類とは、炭素及び窒素源、緩衝剤、及び微量元素を含む培地中で、微生物発酵により商業的に生産される多糖類である。本明細書で使用する好適な発酵多糖類又はその誘導体としては、当業界では(CTFA)通称ガムジェラン(gum gellan)として知られ、シュードモナス・エロデア(Pseudomonas elodea)による炭水化物の純粋培養発酵によって産生される高分子量のヘテロ多糖類ゴムであり、ケルコ(Kelco)(米国、カリフォルニア州サンディエゴ)から「ケルコゲル(Kelcogel)」として市販されている、ジェランガム;当業界では(CTFA)通称キサンタンとして知られ、キサントモナス・カムペストリス(Xanthomonas campestris)による炭水化物の純粋培養発酵により産生される高分子量のヘテロ多糖類ゴムであり、カルゴン(Calgon)(米国、ペンシルバニア州ピッツバーグ)から「ケルトロール(Keltrol)CG1000/BT/F/GM/RD/SF/T/TF」として、又はケルコ(Kelco)(米国、カリフォルニア州サンディエゴ)から「ケルザン(Kelzan)」として市販されている、キサンタンガム;納豆ゴム;プルラン;ラムサンガム(rhamsan gum);カードラン;サクシノグリカン;ウェランガム;ファルマシア・ファイン・ケミカルズ(Pharmacia Fine Chemicals)(米国、ニュージャージー州ピスカタウェイ)から「セファデクス(Sephadex)G−25」として市販されている、デキストラン、及びその誘導体;及び、アルバン・ムラー・インターナショナル(Alban Muller International)社(フランス、モントレイユ)から「アミゲル(Amigel)」として市販されているスクレロチウムゴム、又はその混合物が挙げられる。好ましい発酵多糖類又はその誘導体は、ゲランガム、及びキサンタンガム又はその混合物から選択される。より好ましい発酵多糖類又はその誘導体は、キサンタンガムである。
【0023】
海生無脊椎動物の抽出物もまた使用することができる。海生無脊椎動物由来の多糖類、特にかかる無脊椎動物の外骨格は、主にN−アセチル−D−グルコサミン残基からなる。本明細書で使用する好適なかかる多糖類の例としては、味の素(Ajinomoto)(米国、ニュージャージー州ティーネック(Teakneck))から「マリン・デュー(Marine Dew)」として市販されているキトサン;例えば一丸ファルコス(Ichimaru Pharcos)(日本、岐阜県山県郡)から「HPCH液(Liquid)」として市販されている、ヒドロキシプロピルキトサン及びその誘導体;又はこれらの混合物が挙げられる。
デンプン類は、2つのグルコースポリマー、アミロース、及びアミロペクチンの、種々の比率からなる多糖類である。本明細書で使用する好適な材料としては、デンプン、アミロペクチン、及びデキストリン(ナショナル・スターチ(National Starch)(米国、ニュージャージー州ブリッジウォーター)から「ナデックス(Nadex)360」として市販)、及びこれらの誘導体又は混合物が挙げられる。本明細書で使用する好適な天然果実抽出物の例としては、ペクチン、アラビナン(arabian)、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書で使用する好適な植物繊維誘導体の好適な例は、セルロースである。天然植物滲出物から得られる、本明細書で使用する好適な多糖類としては、カラヤゴム、トラガカントゴム、アラビアゴム、タマリンドゴム、ガッチゴム(ghatty gum)、又はこれらの混合物が挙げられる。本明細書で使用する好適な樹脂ゴムの例としては、昆虫のラックカイガラムシ(Laccifer (Tachardia) lacca)の樹脂状分泌物から得られるシェラックゴム、ダンマル樹脂(damar gum);コーパルゴム及びロジンゴム;又はこれらの混合物が挙げられる。
【0024】
本明細書の予め成形された単層状ゲルシートは、水溶性ポリマー性ゲル形成剤の混合物を含むことが好ましい。この混合物は、1つ以上の非イオン系水溶性ポリマー;1つ以上のアクリル酸ベースポリマー又はその誘導体;1つ以上の多糖類;及びこれらの混合物から選択される。例えば、本明細書で好ましい水溶性ポリマー性ゲル形成剤混合物は、多糖類及び非イオン系水溶性ポリマーを含んでよく、又は、その代わりに2個の多糖類を含んでもよい。より好ましくは、この水溶性ポリマー性ゲル形成剤が多糖類混合物であり、ここで、この多糖類混合物が、(1)少なくとも1種の紅藻多糖類;褐藻多糖類;又はこれらの混合物;及び(2)少なくとも1種の発酵多糖類;ガラクトマンナン;グルコマンナン;天然植物滲出物;又は天然果実抽出物;及びそれらの誘導体又は混合物を含む。さらにより好ましくは、本発明の貼付具の水溶性ポリマー性ゲル形成剤が多糖類混合物であって、(1)少なくとも1種の紅藻多糖類;及び(2)少なくとも1種の発酵多糖類;グルコマンナン;又はガラクトマンナン;及びそれらの誘導体又は混合物を含む。
【0025】
好ましい実施形態では、本発明の水溶性ポリマー性ゲル形成剤が多糖類混合物であって、紅藻多糖類、及びグルコマンナン又はガラクトマンナンを含む。この多糖類混合物中の、紅藻多糖類と、グルコマンナン又はガラクトマンナンとの比は、好ましくは約20:1〜約1:5、より好ましくは約10:1〜約1:2である。
ポリマー性ゲル形成剤が天然由来であるときには、ゲルはある程度のシネレシス(本明細で先に定義済み)をおこす。シネレシスは、標的領域に有益剤を送達するための1つのメカニズムを提供する。凝集性ゲル相の表面上に滲出する液相は容易に拡散することができ、それによって本貼付具の貼付け時間を楽に短くすることができる。
【0026】
親水性溶媒
本発明の貼付具のゲルシートは、少なくとも10%の皮膚科学的に許容可能な親水性溶媒を含む。この溶媒は、本貼付具に対して可塑剤又は軟化剤として働き、その結果望ましい機械的特性、特に柔軟性を与える。本明細書で使用する時、皮膚科学的に許容可能な親水性溶媒とは、皮膚に対して適用するシート中で刺激症を起こすことなく使用することができ、且つ溶媒と水との比が少なくとも1:10、好ましくは1:5で、水と混和することができるものである。きわめて好ましい親水性溶媒は、水そのものである。他の好適な親水性溶媒としては、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール;分子量30,000未満、好ましくは10,000未満のポリエチレングリコール類;及び分子量5,000未満、好ましくは1,000未満のポリプロピレングリコール類が挙げられ、これは単独でも、混和物中でも、又は好ましくは水との混和物中でも使用することができる。必要であれば、この溶媒を温めて液化させてもよい。親水性溶媒を使用することは、本貼付具に望ましい機械的特性を与えるのに役立つだけでなく、皮膚に有益剤を拡散させる助けにもなり得、またゲルシートからの蒸発により冷却効果をももたらし、本貼付具の装着をより快適にし得る。この後者の点で好ましいのは25℃で液体である溶媒であり、含まれる25℃で固体の溶媒は溶媒混合物の20重量%未満であることがより好ましい。特に好ましい親水性溶媒は、水、エタノール、プロピレングリコール及びこれらの混合物である。ゲルシートの親水性溶媒の全含有量は、ゲルシートの、好ましくは約15重量%〜約99重量%、より好ましくは約20重量%〜約95重量%、さらにより好ましくは約50重量%〜約90重量%である。好ましいゲルシートは、約10%より多くの水、より好ましくは約30%より多くの水を含む。
【0027】
コーティング組成物
本発明の予め成形された貼付具では、皮膚、毛髪、又は爪のための少なくとも1種の有益剤を含む別個のコーティング組成物により、第1の表面が少なくとも部分的にコーティングされている。「別個の」コーティング組成物とは、明確に異なる組成物としてゲルシートに適用されるものを意味し、詳細には、異なる化学構造を有し、ゲルシートとは別に製造され、ゲルシートの形成前、形成後、又は形成時に、別の層として置かれる組成物を意味する。このコーティング組成物によって、有益剤を皮膚により効率よく送達させることができ、より高い処方柔軟性を与える。
【0028】
本明細書で「コーティング組成物」の1種だけの使用とは、2種以上のコーティング組成物を含んで同じゲルシートの異なる部位に適用することを意図するものではないということである。詳細には、顔用マスク等の貼付具に対して、貼付具の、いわゆる「Tゾーン」に接触することになる部分には脂性肌に好適な組成物を適用することができ、マスクの、例えば頬に接触することになる他の領域には乾燥肌に好適な異なる組成物を適用することができることが想像される。より一般的には、このコーティングは、皮膚、毛髪、又は爪の異なる領域に適した、異なる組成物の2つ以上の領域を含むことができる。あるいはこのコーティングを異なる組成物の2つ以上の層に適用して、成分の逐次的放出を行ってもよい。しかしながら、単一で均一な組成物を適用することが好ましい。本明細書で「コーティング組成物」と呼ぶものは、均一又は異種の組成物を対象としようとするものである。一般に、本コーティング組成物は、第1の表面の面積の少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約75%を覆う。本コーティング組成物は、皮膚に貼付剤を付着させるのを助けることができ、この場合には、第1の表面全体を本コーティング組成物でコーティングすることが適切となり得る。あるいは、貼付具の取り扱いをより容易で煩わしくないものとする目的で、又は皮膚、毛髪、又は爪の標的領域に本貼付具を付着し易くするために、第1の表面のうちの周縁部などの領域を、任意で第1の表面の中央部分のいくらかの領域と共にコーティングせずにおくこともできる。
【0029】
本コーティング組成物は、液体であり、特に、ブルックフィールド(Brookfield)粘度計でヘリオパスTバー・Cスピンドル(heliopath T−bar C spindle)を用いて5rpmで測定した時に、粘度が約1000mPa・sより大きい、好ましくは約5,000mPa・sより大きい、より好ましくは約7,000mPa・sより大きい液体である。
液体コーティング組成物は、水中油型エマルションである。本発明の好ましい実施形態では、本コーティング組成物は、シリコーン油層を含むことができる1以上の内油層を有する、水中油型エマルションである。
【0030】
コーティングとゲルシートの重量比は、一般に約1:100〜約2:1、好ましくは約1:25〜約1:1、より好ましくは約1:15〜約1:2である。ゲル貼付剤上のコーティング組成物の好ましい分量割合を、あるいは、約0.001〜約0.2gcm-2、好ましくは約0.005〜約0.05gcm-2と表すことができる。
本コーティング組成物は、皮膚、毛髪、又は爪に有益な少なくとも1種以上の薬剤を含む。かかる有益剤は、コーティング組成物に独特のもの、又はゲルシート中に存在し得る有益剤と同じものであってもよい。ゲルシート及びコーティング組成物が、それぞれ、共通の皮膚有益剤を少なくとも1種含むことが好ましい。このように、コーティング組成物が標的領域に有益剤を迅速に与えることができる一方で、ゲルシートは、有益剤に対する貯蔵所として機能することができ、又はゲルシートがコーティング組成物から有益剤を吸収するのを妨げることができる。
【0031】
有益剤
本発明の予め成形された貼付具に不可欠な特徴とは、コーティング組成物が、皮膚、毛髪、又は爪のための少なくとも1種の有益剤を含むことである。固体ゲルシートもまた、1種以上のかかる有益剤を含むことが好ましい。本明細書で使用する用語「有益剤」とは、適用する領域に、美容的及び/又は治療的な効果をもたらすような活性成分を意味する。この有益剤の定義には、例えばビタミン類や保湿剤に加えて、以下に記載される分類が含まれる。
有益剤は、安全且つ有効な量、すなわち皮膚、毛髪、又は爪に利益を送達できる十分な量であり、しかし深刻な副作用を避けられるように十分少なく、確かな医療判断の範囲内の適当な利益対危険比にある量で使用する。有益剤の重量による量は、特定の剤が皮膚を通って浸透する能力、又は毛髪及び/又は爪の内部又は表面に浸透する能力、使用者の年齢、使用者の健康状態、使用者の皮膚、毛髪、又は爪の状態、及び他の同様の要因によって変わる。
【0032】
本明細の有益剤は、その製薬上許容可能な塩、すなわちヒトの組織に接触させて使用するのに適しており、過度の毒性、刺激性、不適合性、及びアレルギー反応などがない、一般に使用される任意の塩を含む。
一般に本発明のコーティング組成物は、その約0.01重量%〜約60重量%、好ましくは約0.1重量%〜約40重量%、最も好ましくは約0.5重量%〜約30重量%の少なくとも1種の有益剤、又はその混合物を含む。
本明細書で有用な有益剤は、その美容的又は治療的な利益、又は想定される作用様式によって分類することができる。しかし、当然のことながら、それらが場合によっては複数の美容的又は治療的な利益を提供し、又は複数の作用様式を介して機能する。したがって、ここで行う分類は便宜上のものであって、特定の用途又は記載された用途類に対する有益剤だけに限定しようとするものではない。本発明の貼付具には、以下の代表的な有益剤が有用である。WO98/18444及び同時係属PCT出願PCT/US99/15202に、有益剤のより完全に記載されており、これらは共に参照として本明細書に組み込まれる。
【0033】
抗ニキビ活性物質:抗ニキビ活性成分は尋常性座瘡、すなわち毛嚢脂腺の慢性疾患の治療及び予防に効果を発揮する。好ましい抗ニキビ剤としては、過酸化ベンゾイル、乳酸、4−メトキシサリチル酸、メトロニダゾール、ナイアシンアミド、パンテノール、レチノイン酸及びその誘導体、サリチル酸、イオウ、トリクロサン、酸化亜鉛、及びこれらの混合物が挙げられる。
皮膚軟化剤:本明細書で有用な皮膚軟化剤の例としては、鉱油、ワセリン、C7〜C40分枝鎖炭化水素、C1〜C30カルボン酸のC1〜C30アルコールエステル、C1〜C30カルボン酸のモノグリセリド、糖類のC1〜C30カルボン酸モノエステル及びポリエステル、例えばセファ・コットンネート(sefa cottonate)(スクロース・ポリコットンシ−デート(sucrose polycottonseedate))、ポリジアルキルシロキサン類;シリコーンゴム類、樹脂類、及びエラストマー類;3〜9個のシリコン原子を有するシクロメチコン類、植物油類、硬化植物油類、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましい皮膚軟化剤は、直鎖及び分枝鎖炭化水素類、糖ポリエステル類及びシリコーン類、特にジメチコーン及びジメチコノールから選択される。
【0034】
非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDS):本明細書で使用する好適なNSAIDS及びそのエステル類の例については、WO98/18444に述べられている。
局所麻酔薬:本明細書で使用する好適な局所麻酔薬剤の例としては、ベンゾカイン及びブピバカインがある。
人工日焼け剤及び促進剤:人工日焼け剤は、皮膚中のメラニンを増加させたり、見かけ上皮膚中のメラニンが増加したような状況を作ることにより、自然の日焼けを真似るのに役立つことができる。人工日焼け剤及び促進剤の非限定的な例としては、ジヒドロキシアセトン、グルコースチロシネート及びアセチルチロシン、ブラジリン、カフェイン、コーヒー抽出物、DNA断片、イソブチルメチルキサンチン、メチルキサンチン、PHOTOTAN(ラボラトリーズ・セロバイオロジクス(Laboratoires Serobiologiques)(ニュージャージー州サマービル)から入手可能)、プロスタグランジン、茶抽出物、テオフィリン、UNIPERTAN P2002(ユニケム(Unichem)(イリノイ州シカゴ)から入手可能)及びUNIPERTAN P27(ユニケム(Unichem)(イリノイ州シカゴ)から入手可能)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0035】
防腐剤:本明細書で使用する好適な防腐剤としては、アルコール類、安息香酸塩、ソルビン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。
抗菌及び抗カビ活性物質:抗菌及び抗カビ活性物質には細菌及び菌類の増殖や成長を抑える効果がある。抗菌及び抗カビ活性物質の非限定的な例としては、ケトコナゾール、過酸化ベンゾイル、テトラサイクリン、塩化ベンザルコニウム、安息香酸及びその塩類、ブチルパラベン、桂皮油、シトロネラ油、エキナセア、エチルパラベン、GLYDANT PLUS(ロンザ(Lonza)(ニュージャージー州フェアローン)から入手可能)、グレープフルーツ種子油、ヨウ化プロピル(iodopropynl)・ブチルカルバミド・セイヨウヤマハッカ油、サリチル酸、メタ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸及びその塩、ティー・ツリー・オイルが挙げられる。
【0036】
皮膚鎮静剤:皮膚鎮静剤は、皮膚の炎症の防止及び治療に効果を発揮することができる。皮膚鎮静剤は、本発明の皮膚の外観的な利益を増進させるものであって、例えば、このような薬剤によって皮膚がより均一になり、皮膚の色調や顔色を整える。皮膚鎮静剤の例としては、アラントイン、アロエ、ビサボロール、ルリチシャ油、カミツレ、マツヨイグサ、パンテノール、及びトコフェロールが挙げられる。
日焼け止め剤:本明細書で有用な日焼け止め剤には、チタン及び酸化亜鉛等の無機日焼け止め剤、並びに多くの市販のUVA及びUVB吸収性有機日焼け止め剤の両方が含まれる。
【0037】
皮膚保護修復助剤:皮膚保護修復活性物質とは、スキンケア活性物質であって、表皮のもつ自然の湿分防護機能を修復し補充することを助けることができるものである。皮膚保護修復助剤の非限定的な例としては、セラミド類、コレステロール、ラノリン、ラノリンアルコール類、n−アセチルシステイン、n−アセチル−L−セリン、ナイアシンアミド、ニコチン酸及びそのエステル、ニコチニルアルコール、パンテノール、ホスホジエステラーゼ阻害物質、トリメチルグリシン、トコフェリルニコチネート、及びビタミンD3及び類似体又は誘導体が挙げられる。
しわ防止及び皮膚萎縮防止活性物質:しわ防止及び皮膚萎縮防止活性物質は、表皮層及び/又は真皮層を補充し若返らせる効果を発揮することができる。これらの活性物質は、一般に、皮膚マトリックス成分(例えば、コラーゲン及びグリコサミノグリカン類)を落屑及び/又は再生させる自然なプロセスを促進又は維持することによって、このような望ましいスキンケア利益を与える。しわ防止及び皮膚萎縮防止活性物質の例としては、ナイアシンアミド、ニコチン酸及びそのエステル、ニコチニルアルコール、エストロゲン類及びエストロゲン様化合物類、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0038】
皮膚修復活性物質:皮膚修復活性物質は、表皮層及び/又は真皮層を修復するのに効果を発揮することができる。皮膚修復活性物質の非限定的な例としては、アデノシン、アロエ由来レクチン、アスコルビン酸パルミテート、アザレイン酸(azaleicacid)、ビオチン、クロイチゴ樹皮抽出物、カテコールアミン類、カルコン類、シス−レチノイン酸、クエン酸エステル類、補酵素Q10(ユビキノン)、デヒドロコレステロール、デヒドロエピアンドロステロン、デヒドロアスコルビン酸及びその誘導体、硫酸デヒドロエピアンドロステロン、エストロゲン及びその誘導体、ファルネソール、イチョウ葉抽出物、薬用ニンジン抽出物、乳酸デヒドロゲナーゼ阻害物質、マグネシウムアスコルビルホスフェート、メラトニン、N−アセチルシステイン、パンテチン、フィチン酸及びその塩類、レチナール、レチノール、レチニルアセテート、レチニルプロピオネート、及びビタミンKが挙げられる。
【0039】
脂質:好適な脂質の例としては、セチルリシノレエート及びフィタントリオールが挙げられる。
皮膚ライトニング剤:皮膚ライトニング剤は、皮膚中のメラニン量を実際に減少させるか、又は他のメカニズムによりそのような効果をもたらすことができるものである。本明細で使用するのに好適な皮膚ライトニング剤については、EP−A−758,882号及びEP−A−748,307号に記載されており、これらは共に参照として本明細書に組み込まれる。他の皮膚ライトニング剤としては、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミテート、アゼライン酸、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸及びその誘導体、グリシルリジン酸、ヒドロキニーネ、イノシトールアスコルビン酸、コウジ酸、ナイアシンアミド、及びビタミンD3及びその類似体が挙げられる。
【0040】
皮脂阻害物質:皮脂阻害物質は、脂腺での皮脂の生産を減少させることができる。好適な皮脂阻害物質の例としては、ジクロロフェニルイミダゾールジオキソラン、アルミニウムヒドロキシクロリド、コルチコステロイド類、及びキュウリ抽出物が挙げられる。
皮脂腺刺激剤:皮脂腺刺激剤は、脂腺による皮脂の生産を増加させることができる。皮脂腺刺激剤の非限定的な例としては、ブリオノリン酸(bryonolic acid)、デヒドロエピアンドロステロン、及びオリザノールが挙げられる。
皮膚感覚剤:本明細書で使用する好適な皮膚感覚剤の非限定的な例としては、樟脳、チモール、1−メントール及びその誘導体、ユーカリ油、カルボキサミド等の清涼感を付与する剤;メンタンエーテル類及びメンタンエステル類;及び、カイエンヌチンキ、カイエンヌ抽出物、カイエンヌ粉末、ノナン酸バニリルアミド、ニコチン酸誘導体(ベンジルニコチネート、メチルニコチネート、フェニルニコチネートなど)、カプサイシン、オランダガラシ抽出物、サンショウ抽出物、及びショウガ抽出物等の温暖感を付与する剤、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0041】
プロテアーゼ阻害物質:プロテアーゼ阻害物質とは、タンパク質分解プロセス、すなわち、タンパク質をより小さいペプチド断片及びアミノ酸に分解するプロセスを阻害する化合物である。好適なプロテアーゼ阻害物質の例としては、A E COMPLEX(バーネット・プロダクツ(Barnet Products)(ニュージャージー州エングルウッド)から入手可能)、BLUE ALGAE EXTRACT(コラボレイティブ・ラボ社(Collaborative Labs Inc.)(ニューヨーク州イーストセトーケット)から入手可能)、及びSEPICONTROL AS(セピック(Seppic)(フランス、パリ)から入手可能)が挙げられる。
皮膚引き締め剤:皮膚引き締め剤の例としては、スルホン化ポリスチレンナトリウム、BIOCARE SA(アメルコール(Amerchol)(ニュージャージー州エジソン)から入手可能)、及び卵白が挙げられる。
【0042】
かゆみ止め成分:かゆみ止め成分の例としては、イヒチオール、及びOXYGENATED GLYCERYL TRIESTERS(ラボラトワール・セポージア(Laboratoires Seporgia)(フランス、ソフィア・アンティポリス)から入手可能)が挙げられる。
発毛阻害物質:発毛の阻害に好適な剤としては、17βエストラジオール、抗脈管形成ステロイド、ウコン抽出物、シクロオキシゲナーゼ阻害物質、マツヨイグサ油、リノール酸、及びエチニルエストラジオール及びゲニスチン等の5−α還元酵素阻害物質が挙げられる。
落屑酵素エンハンサー:これらの剤は内因性落屑酵素の活性を高める。落屑酵素エンハンサーの非限定的な例としては、N−メチルセリン、セリン、トリメチルグリシン、及びこれらの混合物が挙げられる。
抗グリケーション剤:抗グリケーション剤は、糖によって誘起されるコラーゲンの架橋を防止する。好適な抗グリケーション剤の例としては、AMADORINE(バーネット・プロダクツ・ディストリビューター(Barnet Products Distributor)(ニュージャージー州エングルウッド)から入手可能)が挙げられる。
【0043】
本明細書で有用な有益剤の好ましい例としては、次から成る群から選択されるものが挙げられる、すなわち、アスコルビン酸及びその誘導体、サリチル酸、ナイアシンアミド、パンテノール、トコフェリルニコチネート、過酸化ベンゾイル、3−ヒドロキシ安息香酸、フラボノイド類(例えば、フラバノン、カルコン)、ファルネソール、フィタントリオール、グリコール酸、乳酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アセチルサリチル酸、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、シス−レチノイン酸、トランス−レチノイン酸、レチノール、レチニルエステル類(例えばレチニルプロピオネート)、フィチン酸、N−アセチル−L−システイン、リポ酸、トコフェロール及びそのエステル類(例えばトコフェリルアセテート)、アゼライン酸、アラキドン酸、テトラサイクリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、ヒドロコルチゾン、アセトミノフェン、レゾルシノール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、オクトピロックス、塩酸リドカイン、クロトリマゾール、ミコナゾール、ケトコナゾール、ネオマイシンサルフェート、テオフィリン、及びこれらの混合物である。
【0044】
皮膚、毛髪、又は爪の処置をする美容方法に対して、化粧用の有益剤は好ましくは以下のものから選択される、すなわち、しわ防止及び皮膚萎縮防止活性物質、抗ニキビ活性物質、人工日焼け剤及び促進剤、皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚修復活性物質、皮膚保護修復助剤、皮膚ライトニング剤、皮膚感覚剤、皮膚鎮静剤、脂質、皮脂阻害物質、皮脂腺刺激剤、日焼け止め剤、プロテアーゼ阻害物質、皮膚引き締め剤、かゆみ止め成分、及び落屑酵素エンハンサー、又はこれらの混合物である。
【0045】
保湿剤
好ましいコーティング組成物及びゲルシートは、少なくとも1種の保湿剤を含む。保湿剤は、本貼付具を標的表面に適用するときに、貼付具の加湿特性を増加させる。グリセリンなど、保湿剤には溶媒としても機能して、ゲルシートを可塑化することもできるものがある。へキシレングリコール等の特定の保湿剤もまた、本発明の予め成形された貼付具の抗細菌特性に寄与し得る。
本発明での使用に好適な保湿剤については、WO98/22085、WO98/18444、及びWO97/01326に記載されており、これら全ては参照として本明細書に組み込まれる。本明細書で使用するための保湿剤は、グリセリン、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、パンテノール、ポリエチレングリコール、及びこれらの混合物から選択されることが好ましい。
一般に、本発明のコーティング組成物及びゲルシートは、約1.0重量%〜約50重量%、好ましくは約5重量%〜約45重量%、より好ましくは約10重量%〜約40重量%の保湿剤を含む。
【0046】
乳化剤/界面活性剤
本発明のゲルシート及びコーティング組成物は、任意で、1種以上の界面活性剤及び/又は乳化剤を含む。乳化剤及び/又は界面活性剤は、一般に、不連続相を連続相中に分散及び懸濁させるのを助ける。製品が、皮膚、毛髪、又は爪のクレンジングを目的としている場合にも、界面活性剤は有用であり得る。以後、便宜上、乳化剤は用語「界面活性剤」のもとで言及するものとし、従って界面に活性な物質が、乳化剤として使用されるか、又は皮膚、毛髪、又は爪のクレンジング等の他の界面活性剤目的に対して使用されるかに関わらず、これを「界面活性剤」という用語を用いて呼ぶものとする。周知の、又は従来の界面活性剤を本組成物中で使用することができるが、選択した薬剤は、組成物中の必須成分と化学的及び物理的に適合性があり、所望の特徴を与えるものでなければならない。好適な界面活性剤としては、シリコーン系材料、非シリコーン系材料、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0047】
本発明の組成物は、単独の界面活性剤又は界面活性剤混合物を、約0.01%〜約15%の量で含むことが好ましい。選択する正確な界面活性剤又は界面活性剤混合物は、組成物のpH及び他の併存成分よって異なる。界面活性剤としては、非イオン系が好ましい。
本明細書で有用な非イオン系界面活性剤には、アルキレンオキシド類と脂肪酸類の縮合生成物(すなわち、脂肪酸類のアルキレンオキシドエステル類);アルキレンオキシド類と2モルの脂肪酸類の縮合生成物(すなわち、脂肪酸類のアルキレンオキシドジエステル類);アルキレンオキシド類と脂肪族アルコール類の縮合生成物であって、その例としてはPEG40硬化ヒマシ油、ステアレス−2、イソセテス−20、及びオレス−20が挙げられる縮合生成物などがある。さらに他の非イオン系界面活性剤としては、アルキレンオキシド類と脂肪酸類及び脂肪族アルコール類の両方との縮合生成物[すなわち、ポリアルキレンオキシド部分の、一方の端は脂肪酸でエステル化され、他方の端は脂肪族アルコールでエーテル化されている]がある。
【0048】
本明細書で有用な他の非イオン系界面活性剤には、アルキルグルコシド類及びアルキルポリグルコシド類があり、これらについてはWO98/18444に詳細に記載されている。さらに他の有用な非イオン系界面活性剤としては、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤が挙げられ、これはWO98/04241に記載されている。
本明細書で使用する好適な他の非イオン系界面活性剤としては、任意でアルコキシル化した糖エステル類、及びポリエステル類、脂肪酸アミド類が挙げられる。
好ましい非イオン系界面活性剤は、ラウレス−4、ラウレス−23、セテアレス−12、スクロースココエート、ステアレス−100、ポリソルベート60、PEG−60硬化ヒマシ油、イソセテス−20、オレス−20、PEG−100ステアレート、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものである。
【0049】
本明細書で有用な他の乳化剤は、ソルビタン又はソルビトール脂肪酸エステルとスクロース脂肪酸エステルとの混合物をベースとする脂肪酸エステルブレンドであり、これについてはWO98/22085により詳細に記載されており、これは参照として本明細書に組み込まれる。
本明細書で有用な親水性界面活性剤としては、代替的又は追加的に、当該技術分野においてで周知であるような、各種陽イオン系、陰イオン系、双極性イオン系、及び両性イオン系界面活性剤の任意のものを含むことができる。例えば、マカッチャン(McCutcheon)著「洗剤と乳化剤(Detergents and Emulsifiers)」北米版(1986)、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(Allured Publishing Corporation)出版;US−A−5,011,681(チオッティ(Ciotti)他、1991年4月30日発行);US−A−4,421,769号(ディクソン(Dixon)他、1983年12月20日発行);及び、US−A−3,755,560(ディッカート(Dickert)他、1973年8月28日発行)を参照されたい。なおこれら4件は、その全体は参照として本明細書に組み込まれる。
【0050】
多種多様な陽イオン界面活性剤が、本明細書で有用である。本明細書で使用する好適な陽イオン界面活性剤については、WO98/18444に開示されている。陰イオン界面活性剤の代表的なものとしては、アルコイルイセチオネート類(例えば、C12〜C30)、アルキル及びアルキルエーテルサルフェート類及びそれらの塩類、アルキル及びアルキルエーテルホスフェート類及びそれらの塩類、アルキルメチルタウレート類(例えば、C12〜C30)、及び脂肪酸の石鹸類(例えば、アルカリ金属塩類、例えば、ナトリウム又はカリウム塩類)などが挙げられる。両性及び双性界面活性剤の例としては、ベタイン類、スルタイン類、ヒドロキシスルタイン類、アルキルサルコシネート類(例えば、C12〜C30)、及びアルカノイルサルコシネート類が挙げられる。
【0051】
本発明の貼付具のゲルシート及びコーティング組成物は、任意で、シリコーン含有の乳化剤又は界面活性剤を含んでよい。本明細書では、多種多様なシリコーン乳化剤が有用である。これらのシリコーン乳化剤は、典型的には、有機的に変性したオルガノポリシロキサン類であって、当該技術分野においてではシリコーン界面活性剤としても知られている。有用なシリコーン乳化剤に含まれるものとして、ジメチコーンコポリオール類がある。これらの材料はポリジメチルシロキサン類であって、変性によって、ポリエーテル側鎖、例えばポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、これらの混合物、及びエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの両方に由来する部分を有するポリエーテル鎖などを含んでいる。他の例としては、アルキル変性ジメチコーンコポリオール類、すなわちC2〜C30のペンダント側鎖を含有する化合物が含まれる。さらに他の有用なジメチコーンコポリオール類としては、種々の陽イオン性、陰イオン性、両性、及び双極性のペンダント部分を有する材料が挙げられる。
【0052】
他の任意成分
本発明の貼付具は、各種の他の任意成分を含むことができる。これらの追加成分は、皮膚科学的に受容可能なものであるべきである。CTFA化粧品成分ハンドブック(CTFA Cosmetic Ingredient Handbook):第2版(1992年)(その全体は本明細書に参照として組み込まれる)には、化粧品業界で一般的に用いられており、本発明の組成物中での使用に好適な、非限定的な各種化粧品及び医薬品成分について記載されている。成分の機能的分類の非限定的な例については、この文献の537頁に述べられている。これらの及び他の機能的分類の例としては、吸収剤、抗生物質、抗ふけ剤、制汗剤、酸化防止剤、生物学的添加物、漂白剤活性化剤、光沢剤、緩衝剤、キレート化剤、化学添加物、着色剤、化粧品、洗剤、防臭剤、落屑活性物質、脱毛剤、収斂薬剤、染料、染料付着剤、酵素、外用鎮痛剤、皮膜形成剤、芳香成分、防虫剤、殺菌剤、不透明化剤、酸化性染料、酸化剤、害虫駆除剤、pH調整剤、pH緩衝剤、医薬品活性物質、防腐剤、ラジカル捕そく剤、皮膚・毛髪・又は爪用漂白剤、皮膚・毛髪・又は爪用コンディショナー、皮膚・毛髪・又は爪用浸透エンハンサー、安定剤、表面コンディショナー、還元剤、温度抑制剤、及び温覚生成剤が挙げられる。
【0053】
他に本明細書で有用なものとしては、着色剤等の美観的成分、芳香油、及び皮膚・毛髪・又は爪用の治療剤がある。
本明細の他の任意材料としては、視覚的又は肌触り的な利益を提供し得る、顔料及び他の微粒子類が挙げられる。本発明の組成物に使用するのに好適な顔料は、有機物及び/又は無機物であることができる。顔料という用語にはまた、艶消し仕上げ剤等の色や光沢を低く抑える材料や、また光散乱剤なども含まれる。好適な顔料の例としては、酸化鉄類、アシルグルタメート酸化鉄類、二酸化チタン、ウルトラマリンブルー、D&C染料、カルミン及びそれらの混合物が挙げられる。通常は組成物のタイプに応じて、顔料の混合物が使用されることになる。本明細書で有用な他の微粒子としては、ナイロン−12、ポリメチルシルセスキオキサン(polymethylsilsesquioxane)、及びジメチコーン/ビニルジメチコーン架橋ポリマーが挙げられる。
本明細書のゲルシート及びコーティング組成物のpHは、好ましくは約3〜約9、より好ましくは約4〜約8である。
【0054】
ゲルシートの製造方法
本ゲルシートは、1種以上のゲル化剤と親水性溶媒とを混合し、可塑剤又は有益剤等の任意の添加物をそれに加え、ゲル化ステップを行い、それによって自立性ゲルシートを形成して作る。ゲル化ステップの性質は、使用するゲル形成剤の性質に依存する。例えば、金属イオンを添加してポリマー溶液を架橋させることがあり、又は紫外線を照射して自立性のゲルを得ることもある。
多くの場合、冷却することでゲル化ステップが達成される。これには、溶媒とゲル化剤、及び任意の他の任意成分を加熱及び混合し、混合物のゲル化点より高い第1の温度までにするステップと、この混合物を適当な形状をした型に入れるステップと、第2の温度でゲル形成混合物をゲル化するステップとを伴い、ここで第2の温度は、第1の温度よりも低く、固体ゲルシートを製造するために混合物のゲル化点の温度又はゲル化点より低い温度である。あるいは、型内で直接混合物を作ることもできる。
【0055】
ゲルシートの形成の際には、成分を同時に加えることもでき、又は任意の順番で順次加えることもできる。成分を加える順番は、それらの特性及び特徴に依存してよい。ゲル化剤及び任意の有益剤が、任意の他の成分を加える前に、溶媒中に十分に溶解していることが好ましい。「十分に溶解した」とは、混合物がほぼ又は完全に透明に見えることを意味する。通常、全ての成分を加えるまで、混合物の温度はゲル化点よりも高く維持する。特定の成分を加える前に、混合物の温度を下げ始めることが有益である場合もある。
好ましい実施形態では、ゲルシートは射出成形によって製造する。このように製造したシートは、表面の仕上がりがより滑らかなために強度がより高くなり、引き裂き抵抗がより大きくなると考えられている。ゲルシートを製造する射出成形プロセスには、ゲル形成性混合物を適当な形状の型に射出するステップであって、この混合物は射出ステップの前にそのゲル化点よりも高い第1の温度に維持しておくステップと、適当な形状の型の中でゲル形成性混合物をそのゲル化点よりも低い第2の温度まで冷却して、固体シートを形成するステップとが含まれる。ゲル化させる前に、射出成形プロセスに加えて、任意の従来の手段によって混合物を容易に型に入れられるように、混合物は十分に流体状に保持する。このゲル形成性混合物を押出しバレルの内側に沿って送入するのを助けるために、潤滑剤を使用することができる。
【0056】
ゲル形成性混合物は、重力供給システム及び圧空式又は機械式射出システムを含む任意の周知の技術によって、好適な形状の型に供給することができる。混合物の流動性と加工温度の低さから、射出成形が最も好ましい技術である。採用可能な成形圧力範囲は非常に広い。一般には、成形圧力は約0.1〜約5MPa(約1〜約50気圧)の間であるが、使用する成形技術によってはこれよりも高い又は低い圧力を用いてもよい。
冷却によってゲル化を行うときには、成形温度はもちろん、固体シートを製造するために、ゲル形成性混合物のゲル化点以下でなければならない。この適切な成形温度にするのは、混合物を型に供給する前、供給中、又は供給後のいずれであってもよい。シートを成形し、ゲル化点未満の温度まで冷却した後、シートを型から取り出す。シートを型から取り出すのに、特別な取り扱いは必要としない。
【0057】
少なくとも1つの表面、好ましくは第1と第2の表面の両方に非平面的なトポグラフィーを有するゲルシートでは、型は、シート自身の第1と第2の表面の反転像である、対応する表面を有する。この非平面的なトポグラフィーは、自由に選択可能な形状である。この非平面的なトポグラフィーが周期性を有する場合、対応する型表面は同じ周期の反転像を有する。
本発明に従って貼付具を製造する好ましい方法は、以下のステップ、
a)固体ゲルシートを提供すること、
b)少なくとも1種の皮膚有益剤を含むコーティング組成物で、その第1の表面を少なくとも部分的にコーティングすること、
c)コーティングしたゲルシートを、密封保護包装材中に包装することを含む。
包装した貼付具には、任意で剥離ライナーを与えて、貼付具が乾燥しきるのを防ぐのを助けることができ、又は取り扱い性を向上させることができる。剥離ライナーは使用前に取り除く。
【0058】
基材
本発明の予め成形された貼付具は、よく基材と呼ばれる閉塞性又は非閉塞性の裏材で支持したり強化したりする必要がない。しかし、使用者が装着するときに貼付具の一部となるような基材は、ゲルシートと一体化させることができ、さらなる支持又は強度を与えることになる。加えて、基材は、貼付具が濡れていたり触るとべたつく場合に、貼付具をより快適にしたり又は取り扱いを容易にしたり、活性成分の蒸発を妨げたり、又は、接着剤が周辺部周りにコーティングされているときに、皮膚に貼付具を付着させる手段として機能させたりするためにも採用され得る。基材は、貼付具の片側の面に、染み込ませたり又は付着させたり又は積層化させてもよい。基材は、本発明に基づく貼付具が顔全体のマスクのように大きな表面積を有するときに、特に有用である。
【0059】
さらなる支持又は強化を与えるために基材を用いる場合には、貼付具から層状剥離しないように、基材は本発明の貼付具と十分に適合性があることになる。基材とゲルシートを合致させる際には、困難もあり得る。柔軟性がある基材と柔軟性があるゲルを組合せても、必ずしも柔軟性がある貼付剤やマスク貼付具が得られるとは限らない。層状剥離の問題は別にして、柔軟性がある多くの基材はある程度の多孔性を有することがよくあり、そのため湿潤性のあるゲルが基材に浸透して、その繊維の内部に強固なゲルの網目を形成する。このような網目が得られる貼付具の柔軟性を低下させることがある。さらに、基材が存在すると、皮膚、毛髪、又は爪の上で、貼付具やマスク貼付具の外観的な目立たなさが損なわれることもあり得る。これは、基材の選択及び基材の特徴に依存することが多い。
【0060】
しかし、多種多様な材料を基材として使用することができる。次のような特徴を有することが望ましい、すなわち、(i)使用のための十分な湿潤強度、(ii)十分な柔軟性、(iii)十分な嵩高さ及び多孔性、(iv)ゲル混合物が基材内部に拡散及び浸透できるような十分な親水性、(v)層間剥離を防ぐような混合物との十分な適合性、(vi)十分な透明性又は透光性、及び(vii)適切な寸法、である。この基材は非閉塞性であることが好ましい。上の諸基準を満たす好適な基材の分類としては、織布及び不織布材料、成形フィルム等のポリマー性シート材料、及び紙の基材が挙げられる。
あるいは、基材のような材料をテクスチャ加工表面として使用してもよい。このような基材のような材料をテクスチャ加工表面として使用する場合には、剥離ライナーと同じように、貼付具から容易に層状剥離されることが好ましい。
【0061】
使用方法
以下のような、皮膚、毛髪、又は爪の標的領域への貼付具の適用では、貼付具は一般に標的表面上に少なくとも1分間、好ましくは少なくとも5分間置いておき、そしてこれは12時間までの間、好ましくは3時間まで、より好ましくは1時間まで、最も好ましくは15分未満であるが、置いておくことができる。その後貼付具を壊さずに取り除くことができる。
含有する1種又は複数の有益剤によっては、本発明の予め成形された貼付具は、以下の使用用途の少なくとも1つを有してよい、すなわち本貼付具を適用する標的領域の、皮膚、毛髪、又は爪に潤いを与え、細かい線及びしわを平滑化;化粧品的なにきびの治療;皮膚の引き締め、強化;柔軟化;角質除去;皮膚の色調及び/又はきめの、改善及び/又は均一化;皮膚、毛髪、又は爪のライトニング;日焼け;毛穴の見ための低減;分泌物の吸収又は抑制;皮膚、毛髪、又は爪、筋肉のうずき又は痛みからの保護及び/又は鎮静化;むくみ及び/又は目の周りのくまの低減;創傷治癒の促進;皮膚、毛髪、又は爪の加温、リフレッシュ、又は冷却;炎症の軽減;顔色を明るくする;うっ血の緩和;腫れの軽減;皮膚科学的状態の治療;緩衝作用;清浄化;芳香作用;細菌又は微生物の成長の抑制;ヒーリング;虫除け;不必要な毛、汚れ、又は化粧の除去;及び、着色又は漂白である。本明細の予め成形された貼付具は、皮膚、毛髪、又は爪に潤いを与え、細かい線及びしわを平滑化し、及び皮膚の色調及び/又はきめを改善及び/又は均一にするために、美容的に使用されることが好ましい。
【0062】
(実施例)
本発明を以下の実施例により説明する。
【0063】
【表1】
【0064】
1ケルゴム(Kelgum)(登録商標)及びケルトロール(Keltrol)(登録商標)Tはそれぞれ、キサンタンガムとイナゴマメゴムの1:1混合物であり、これらとキサンタンガムはケルコ(Kelco)(米国、カリフォルニア州サンディエゴ)から購入した。
【0065】
多糖類ゴムを水と混合し、均一な分散混合物(非溶媒、例えば多価アルコール中に多糖類を予め分散させることで容易にできる)を形成して、任意の追加成分を添加する。この混合物を攪拌しながら、混合物のゲル化点(約90℃)より高い第1の温度まで加熱し、多糖類ゴムを完全に水和させる。その後液体ゲルを好適な形状の型中に分注する。好ましい分注方法は、射出成形である。この方法では、ゲルの切断によって生じ得るあらゆる欠陥がなくなるので、シートの堅牢性が改善される。また射出成形では、シートを容易に3次元構造に成形することもできる。次いで液体ゲルを、第1の温度より低く、混合物のゲル化点以下である第2の温度まで冷却し(環境温度)、ゲル構造を作り上げる。その後シートを型から取り出して、以下に示すようなコーティング組成物でコーティングする。
【0066】
基材を使用する場合には、基材を、ゲルを分注する前に好適な形状の型中に置いてよく、又は冷却段階中に液体ゲルの表面上に置いてもよい。
組成物の中には、シートのゲル強度を高めるために、処方中に金属イオン(例えば、Ca2+、K+)を含んでよいものもある。この場合、金属イオンは水溶液の形で添加し、分注段階の直前に液体ゲル中に攪拌させる。
上記の方法は、任意の追加成分の性質によっては必要なように変更することができる。例えば非水性の成分が存在する場合、成形又は鋳造の直前に液体ゲルを均一化して、非水性成分の分散を確実にすることができる。同様に、熱に敏感な成分を用いる場合には、ゴムの水和ステップの後に処方を適当な温度(成分によって異なる)にまで冷却する必要があり、この段階で熱に敏感な成分を添加する。
【0067】
液体ゲルは、例えば真空により脱気し、液中に分散する気泡を除去してもよい。この脱気ステップは、もし実施するなら、液体ゲルを分注する直前の最終段階で実施する。
他の好適なゲルシートは、以下のWO00/06215の実施例1〜15に従って製造することができる。
【0068】
【表2】
【0069】
2ポリメチルシルセスキオキサン(Polymethylsilsesquioxane)(東芝(Toshiba)から購入)
3ジメチコーン、ジメチコノール、ラウレス−4、ラウレス−23、水;ダウ・コーニング(Dow Corning)から購入
4水、セチルベタイン(ロンザ(Lonza)から購入)
5水、トコフェリルアセテート、ポリソルベート80、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、レシチン(チバ(CIBA)から購入)
6アルラトン(Arlatone)2121(ICIから購入)
コーティング組成物の製造方法は、組成物の性質、例えば水溶液、水中油型(o/w)エマルションなどによって異なり、当該技術分野において周知の手順に従う。ゴム類はゴム用の非溶媒(例えば多価アルコール)中に予め分散させ、その後、水相の部分中に分散させる。水溶性成分(例えばナイアシンアミド、パンテノール)を水相の部分中に溶解させ、その後増粘剤プレミックスを加え、攪拌し、厚みを増したコーティング組成物を得る。溶解しにくい成分(例えばエチルパラベン)を確実に完全に溶解させるには、又は増粘剤成分を確実に完全に水和させるには、加熱する必要があるかもしれない。水溶性でない成分(例えばトコフェリルアセテート)は、コーティング組成物に添加する前に、可溶化剤(例えば、PEG−60硬化ヒマシ油)中に予め分散させてもよい。従来の混合技術によって、微粒子物質をコーティング剤中に分散させてもよい。
【0070】
ゲルシートへのコーティング剤の塗布
最終的な貼付具を形成するために、ゲルシートにコーティング剤を塗布する好適な方法には、様々なものがある。例えば、コーティング剤をゲルシートに直接塗布することができ、例えばピペットで分配してコーティング剤の「点」を作ってもよいし、ブラシでコーティングするか又は広げて均一層を作ってもよい。あるいはスクリーン印刷技術を用いたり、又は押し出し法によって、コーティング剤を塗布してもよい。間接法によってゲルシートにコーティングを行ってもよい。例えば、包装した材料(例えば、プラスチックトレイ、剥離ライナー)の表面にコーティングしてもよく、その後ゲルシートをこのコーティング層の頂面上に置く。包装した材料にコーティングを行うには、様々な方法を用いることができる。例えば、コーティング剤の空気噴霧スプレー法、ノズル装置によるコーティング剤の点沈着法、又はインクジェット印刷法で使用される電気流体コーティング方法などが挙げられる。ノズルを用いて包装したトレイ中にコーティング組成物を点沈着させる方法が好ましく、ノズルを旋回させて均一なコーティング層を作り、その後ゲルシートをコーティング組成物の頂面上に押圧する。
【0071】
このようにして得られた貼付具は、貯蔵中に貼付具が乾燥するのを最小限に抑えるために、水蒸気透過性が低い材料中に包装する。ここでの貼付具に対して好適な包装は、袋又はシール付きトレイである。プラスチック材料及びフォイルラミネート等の包装には、任意の好適な材料を使用することができる。本貼付具を袋の中に包装する場合には、使用の前にさらに機械的に保護されていることが好ましい。この保護は、貼付具が簡単に取り出せる、プラスチックフィルム等の基材又は剥離ライナーで行うことができる。
図1に、本貼付具の実施形態の側断面図を示す。貼付具1は、ゲルシート2と、ゲルシートの第1の表面12上のコーティング組成物とを含む。貼付具は一般に平面状で、隆起した外縁部18を有し、これが取扱い時に貼付具に大きな機械的強度を与える。平面図では、貼付具は概して三日月形状に見え、4cm×2cmの概念上の長方形が三日月に接するような寸法を有する。ゲルシートは、第1の表面12と向かい合った第2の上方表面16を有する。ゲルシートの中央の薄い部分22は平均厚さが1.2mmであり、第1と第2の表面上にテクスチャ加工されている。第1と第2の表面上のテクスチャ加工は異なるパターンで、これが貼付剤の光沢の低減に役立ち、使用時に視覚的に目立たないようにしている。第1の表面12上のテクスチャ加工はまた、コーティング4のゲルシートへの付着にも役立つ。
【0072】
貼付具の評価方法
貼付具の透明性
貼付具の透明性は、貼付具を通した印刷文字の視認性を評価して測定する。印刷文字は、マイクロソフト・ワード(Microsoft Word)のArialフォントを使用し、黒インクカートリッジを実装したレーザージェット4プラス(LaserJet 4 Plus)プリンタ(ヒューレット・パッカード(Hewlett Packard))を用いて、透明フィルム(ユニバーサル・オフィス・サプライズ(Universal Office Supplies))上に英語のアルファベット(大文字)を印刷したものを用いる。4ポイント〜28ポイントの範囲のフォントサイズを印刷した透明フィルムを用意する。この印刷した透明フィルムを白い紙シート上に置いて背景の均一化をした上で、全ての試料について通常の室内光条件下で評価を行う。
調査対象のゲル試料を成形して、厚さ(深さ)7mmのゲルの円盤を作成する。このゲルの円盤に0.015gcm-2の割合でコーティング組成物を均一にコーティングし、コーティング面を上にして、フォントサイズ4を印刷した透明フィルム上に置く。印刷文字の視認性をゲルの円盤を通して評価する。文字がゲル円盤を通して読めない場合には、ゲル円盤を次の大きさの印刷フォントに移動して評価を繰り返す。ゲルを通して読めるフォントサイズになるまでこのプロセスを繰り返す。ゲル試料を通して読みとれる最小のフォントサイズを、その貼付具の「透明閾値」と判定する。
【0073】
本発明の貼付具に対する好ましい「透明閾値」は、好ましくは約10ポイント以下、より好ましくは約7ポイント以下、特に好ましくは約4ポイント以下である。
【0074】
貼付具の柔軟性
本発明の貼付具の柔軟性は、貼付具が縁部を突き出したときに自重でどの程度たわむかを測定することによって、直接評価することができる。本貼付具の製造に使用する材料の、4cm×2cmの長方形試験ストリップを用意する。このストリップは、調査対象の貼付具の平均厚さと同じ厚さの長方形断面を有するべきであり、この平均とは第1と第2の表面の最大の面積に対する加重平均である。本発明の貼付具に対しては、柔軟性はゲルシートによって優勢に決定されるが、疑念を回避するために、試験ストリップを調査対象の貼付具のコーティング組成物で0.015gcm-2の割合で均一にコーティングすべきである。同様に、調査対象の貼付具が、使用者が装着するときに貼付具の一部となるように意図された基材を含む場合には、試験は基材を含めて行うべきである。ストリップを、コーティング表面を上にして、その長さの4cmのうちの2cmが妨害なしに突き出ることができるように、垂直な縁部を有する平坦な表面上で支持する。図2にその配置を概略的に示す。ゲルストリップ30(コーティングは示さず)を、上面が水平である安定した支持体40の垂直縁部から突き出させる。ゲルシートの先端から支持体の縁部に直線を引き(図2に点線で示す)、垂直面からの突出角度θを測定する。これは写真を用いて簡便に行うことができる。
【0075】
突出角度θは、貼付具のフレックス角度(Flex Angle)である。一般に本発明に基づく貼付具は、約15〜約80°、好ましくは約25〜約75°、より好ましくは約40〜約60°のフレックス角度を有するべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に基づく貼付具の断面図で、貼付具のゲルシートは第1と第2の表面上でテクスチャ加工されており、第1の表面はコーティングされている。
【図2】 貼付具の柔軟性を測定するためのセットの概略図である。
Claims (9)
- 皮膚、毛髪又は爪に有益剤を送達するための予め成形された貼付具であって、
貼付具が、第1の表面とその反対側に位置する第2の表面とを有する固体ゲルシートを含み、その際、ゲルシートが、1種以上のゲル化剤及び少なくとも10%の皮膚科学的に許容可能な親水性溶媒を含み、
前記第1の表面が、皮膚、毛髪又は爪のための少なくとも1種の有益剤を含み且つ1000mPa・sより大きい粘度を有する別個の液体コーティング組成物で、少なくとも部分的にコーティングされ、
前記ゲルシート及び前記液体コーティング組成物のそれぞれが、少なくとも1種の共通の皮膚有益剤を含み、
前記液体コーティング組成物が、水中油型エマルションの形態であることを特徴とする予め成形された貼付具。 - 前記液体コーティング組成物が、シリコーン油層を含む1以上の内油層を有する水中油型エマルションの形態である請求項1に記載の貼付具。
- 前記液体コーティング組成物が、0.01重量%〜60重量%の前記有益剤を含む請求項1又は2に記載の貼付具。
- 前記親水性溶媒が、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン及びこれらの混合物から選択される請求項1〜3の何れか一項に記載の貼付具。
- 前記ゲルシートが、単層状である請求項1〜4の何れか一項に記載の貼付具。
- 使用者が装着する時、前記貼付具の一部となるように意図された基材を更に含む請求項1〜5の何れか一項に記載の貼付具。
- 密封保護包装材中に包装される請求項1〜6の何れか一項に記載の貼付具。
- 10ポイント以下、好ましくは7ポイント以下の透明閾値を有する請求項1〜7の何れか一項に記載の貼付具。
- 請求項1〜8の何れか一項に記載の貼付具を製造する方法であって、以下のステップ、
a)固体ゲルシートを提供すること、
b)少なくとも1種の皮膚有益剤を含み、1000mPa・sより大きい粘度を有し且つ水中油型エマルションの形態である液体コーティング組成物で、前記固体ゲルシートの第1の表面を少なくとも部分的にコーティングすること、及び
c)コーティングしたゲルシートを密封保護包装材中に包装すること
を含む方法。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/US2000/009694 WO2001078678A1 (en) | 2000-04-12 | 2000-04-12 | Pre-formed sheet devices suitable for topical application |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003530421A JP2003530421A (ja) | 2003-10-14 |
JP2003530421A5 JP2003530421A5 (ja) | 2005-10-13 |
JP4349772B2 true JP4349772B2 (ja) | 2009-10-21 |
Family
ID=21741262
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001575980A Expired - Lifetime JP4349772B2 (ja) | 2000-04-12 | 2000-04-12 | 局所適用に好適な予め成形されたシート貼付具 |
Country Status (11)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP1289487B1 (ja) |
JP (1) | JP4349772B2 (ja) |
CN (1) | CN1289059C (ja) |
AT (1) | ATE347871T1 (ja) |
AU (2) | AU2000242314B2 (ja) |
BR (1) | BR0017212A (ja) |
CA (1) | CA2402791C (ja) |
DE (1) | DE60032389T2 (ja) |
ES (1) | ES2278603T3 (ja) |
MX (1) | MXPA02010108A (ja) |
WO (1) | WO2001078678A1 (ja) |
Families Citing this family (28)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4615759B2 (ja) * | 2001-04-19 | 2011-01-19 | 日東電工株式会社 | 皮膚貼付用粘着シート |
ATE445385T1 (de) * | 2000-11-09 | 2009-10-15 | Teikoku Seiyaku Kk | Maske in tuchform |
CN100496446C (zh) | 2001-12-11 | 2009-06-10 | 宝洁公司 | 制造预成形物品的方法 |
DE10317692A1 (de) * | 2003-04-17 | 2004-11-11 | Lts Lohmann Therapie-Systeme Ag | Medizinische Wirkstoffpflaster mit veringerter optischer Auffälligkeit auf der Haut |
AU2004247102A1 (en) | 2003-06-11 | 2004-12-23 | The Procter & Gamble Company | Preparation-at-use device comprising pre-formed hydrogel product |
JP4128521B2 (ja) * | 2003-12-19 | 2008-07-30 | 信越化学工業株式会社 | ゲル状シート及びその製造方法 |
US20050220882A1 (en) * | 2004-03-04 | 2005-10-06 | Wilson Pritchard | Materials for medical implants and occlusive devices |
JP4790535B2 (ja) * | 2006-08-07 | 2011-10-12 | ニプロパッチ株式会社 | しなやかさ測定方法及び貼付剤 |
EP1889608B1 (en) * | 2006-08-09 | 2012-11-28 | Korea Atomic Energy Research Institute | Therapeutic hydrogel for atopic dermatitis and preparation method thereof |
GB2450477A (en) * | 2007-06-18 | 2008-12-31 | Ethicon Inc | Stabilized wound dressing |
BRPI0908216A2 (pt) | 2008-02-25 | 2019-01-15 | Procter & Gamble | composições para tratamento dos cabelos compreendendo poliésteres de sacarose |
ITMI20080636A1 (it) * | 2008-04-10 | 2009-10-11 | Biophil S R L | Patch per uso dermico |
FR2963888B1 (fr) | 2010-08-17 | 2013-04-05 | Crystale De Collagena Lab | Procede de preparation et de conditionnement d'un hydrogel cosmetique ou pharmaceutique destine a etre applique sur la peau |
CA3101792C (en) * | 2011-10-17 | 2023-03-07 | Paraffinusa, Llc | Skin therapy systems |
CN104095778A (zh) * | 2013-04-03 | 2014-10-15 | 上海珍馨化工科技有限公司 | 一种白芨营养面贴膜用乳液、面贴膜及其制备方法 |
AU2014374103A1 (en) * | 2013-12-31 | 2016-07-07 | Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc. | Process for forming an integral film product |
WO2015158841A1 (en) | 2014-04-17 | 2015-10-22 | Grasl Jürgen | Patch, set of patches, method and use for medical or cosmetic treatment |
TWI728957B (zh) | 2014-10-31 | 2021-06-01 | 美商盧伯利索先進材料有限公司 | 用於傳送活性劑至皮膚表面的熱塑性聚胺基甲酸酯膜及其用途和形成方法 |
KR101552180B1 (ko) * | 2014-12-17 | 2015-09-11 | 김주원 | 보습 및 탄력 증진용 무지지체 수분 패치 |
CN108136230B (zh) | 2015-10-22 | 2022-05-13 | 宝洁公司 | 发泡膜的阻隔贴片和改善皮肤外观的方法 |
EP3364936B1 (en) | 2015-10-22 | 2019-11-20 | The Procter and Gamble Company | Barrier patch of a foamed film and methods of improving skin appearance |
US10857076B2 (en) | 2017-01-09 | 2020-12-08 | The Procter & Gamble Company | Barrier patch with soluble film and methods of improving skin appearance |
US10806681B2 (en) | 2017-01-09 | 2020-10-20 | The Procter & Gamble Company | Barrier patch with soluble film and methods of improving skin appearance |
US10751265B2 (en) | 2017-01-09 | 2020-08-25 | The Procter & Gamble | Barrier patch with soluble film and methods of improving skin appearance |
EP3603608A4 (en) * | 2017-03-31 | 2021-01-13 | Sekisui Plastics Co., Ltd. | GEL SHEET |
US10959918B2 (en) | 2017-06-22 | 2021-03-30 | The Procter & Gamble Company | Films including a water-soluble layer and a vapor-deposited coating |
EP3768249B1 (en) | 2018-03-19 | 2024-04-17 | The Procter & Gamble Company | Method of making a barrier patch with soluble film |
FR3117363A1 (fr) * | 2020-12-10 | 2022-06-17 | L'oreal | Substrat cosmétique d’origine naturelle |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3586713T2 (de) * | 1984-11-15 | 1993-05-13 | Hercon Lab | Vorrichtung zur kontrollierten abgabe von arzneimittelwirkstoffen. |
ZA902066B (en) * | 1989-04-14 | 1990-12-28 | Minnesota Mining & Mfg | Solid gel external drug delivery system |
FR2670673A1 (fr) * | 1990-12-21 | 1992-06-26 | Oreal | Composition cosmetique ou pharmaceutique se presentant sous la forme d'un gel a comportement rheologique ameliore, notamment en vue du maintien d'inclusions en son sein. |
JPH10502359A (ja) * | 1994-07-05 | 1998-03-03 | エルティエス ローマン テラピイ−システム ジイエムビイエイチ | 皮膚に治療用活性物質および/または美容用活性物質を適用するためのヒドロゲル |
FR2781670B1 (fr) * | 1998-07-30 | 2001-09-07 | Oreal | Patch cosmetique ou pharmaceutique et son conditionnement |
-
2000
- 2000-04-12 DE DE60032389T patent/DE60032389T2/de not_active Expired - Lifetime
- 2000-04-12 WO PCT/US2000/009694 patent/WO2001078678A1/en active IP Right Grant
- 2000-04-12 BR BR0017212-0A patent/BR0017212A/pt not_active Application Discontinuation
- 2000-04-12 AU AU2000242314A patent/AU2000242314B2/en not_active Expired
- 2000-04-12 CA CA002402791A patent/CA2402791C/en not_active Expired - Lifetime
- 2000-04-12 AT AT00922074T patent/ATE347871T1/de not_active IP Right Cessation
- 2000-04-12 JP JP2001575980A patent/JP4349772B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 2000-04-12 ES ES00922074T patent/ES2278603T3/es not_active Expired - Lifetime
- 2000-04-12 AU AU4231400A patent/AU4231400A/xx active Pending
- 2000-04-12 MX MXPA02010108A patent/MXPA02010108A/es active IP Right Grant
- 2000-04-12 CN CN00819528.5A patent/CN1289059C/zh not_active Expired - Lifetime
- 2000-04-12 EP EP00922074A patent/EP1289487B1/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE60032389T2 (de) | 2007-10-31 |
CN1452478A (zh) | 2003-10-29 |
JP2003530421A (ja) | 2003-10-14 |
BR0017212A (pt) | 2003-01-07 |
ES2278603T3 (es) | 2007-08-16 |
AU4231400A (en) | 2001-10-30 |
CA2402791C (en) | 2007-06-26 |
WO2001078678A1 (en) | 2001-10-25 |
CN1289059C (zh) | 2006-12-13 |
ATE347871T1 (de) | 2007-01-15 |
EP1289487B1 (en) | 2006-12-13 |
DE60032389D1 (de) | 2007-01-25 |
EP1289487A1 (en) | 2003-03-12 |
AU2000242314B2 (en) | 2005-11-03 |
CA2402791A1 (en) | 2001-10-25 |
MXPA02010108A (es) | 2003-02-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4349772B2 (ja) | 局所適用に好適な予め成形されたシート貼付具 | |
US7658942B2 (en) | Cosmetic devices | |
JP4223531B2 (ja) | 予備成形ヒドロゲル製品を含む使用時調製デバイス | |
AU2000242314A1 (en) | Pre-formed sheet devices suitable for topical application | |
JP4157840B2 (ja) | 予備成形物の作製プロセス | |
MXPA02000270A (es) | Hoja de gel preformada. | |
WO2001001816A1 (en) | Cosmetic or dermapharmaceutical patch | |
WO2001002478A1 (en) | Pre-formed, self-adhesive sheet devices suitable for topical application | |
EP1196139A1 (en) | Sheet-like devices | |
WO2001002479A1 (en) | Pre-formed, self-adhesive sheet devices suitable for topical application | |
WO2001002028A2 (en) | Pre-formed, sheet devices suitable for topical application | |
KR100511188B1 (ko) | 국부적인 적용에 적합한 예비 성형 시트 장치 | |
JP2002029913A (ja) | シート状化粧料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040202 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20040202 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20040308 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040601 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20040901 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20040916 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041201 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050726 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051124 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20060203 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20070502 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20090501 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20090511 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090603 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090721 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4349772 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130731 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |