JPWO2016047798A1 - ハードコートフィルム及びディスプレイ装置用光学フィルム - Google Patents
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Abstract
本発明は、ハードコート層の基材への密着性及びハード性に優れるとともに、光学ムラのない良好な塗工面を有し、ハードコート層と液晶ディスプレイ部材等との接合において使用されるアクリル系粘着剤との高い接着性を有しつつ、天然ゴム系粘着剤の剥離性に優れるハードコートフィルムを提供する。本発明は、フィルム基材上に電子線硬化型樹脂及びレベリング剤を含有するハードコート層を形成させたハードコートフィルムである。上記電子線硬化型樹脂は例えば3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂を含有し、且つ上記レベリング剤はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを含有する。
Description
本発明は、フィルム基材上にハードコート層を形成させたハードコートフィルムに関する。特にCRTディスプレイやフラットパネルディスプレイ(液晶表示体、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ、タッチパネルディスプレイ等)の表面に用いるハードコートフィルムに関する。また、このハードコートフィルムを用いたディスプレイ装置用光学フィルムに関する。
液晶ディスプレイ、CRT、プラズマディスプレイ、屋外表示パネル、電光掲示板などの各種表示体またはガラスは、その表面を保護する目的で熱可塑性樹脂フィルムを基材とし、その上にハードコート層を設けたハードコートフィルムが使用されている。特に液晶ディスプレイに代表されるフラットパネルは、光透過性の高さ、欠点の少なさ、偏光性が少ないこと等から、基材としてトリアセチルセルロースフィルムが使用されている。
ハードコート処理の方法としては、熱可塑性樹脂フィルム表面に電子線硬化樹脂などの硬化性樹脂を塗工・硬化することでハードコート層が形成される。電子線硬化樹脂はモノマー、オリゴマー、光重合開始剤等で構成され、電子線を照射することで3次元的な架橋が起こり、ハード性が発現する。
また、ハードコート層には表面平坦性や塗工性を向上させる目的として、シリコーン系やフッ素系、アクリル系のレベリング剤を配合することが通常行われる。特に液晶ディスプレイに用いるハードコートフィルムでは、光学ムラを抑制するために、レベリング剤が使用されている(下記特許文献1、2を参照)。
また、ハードコートフィルムを液晶ディスプレイに用いる場合、液晶ディスプレイには多数の光学フィルムが用いられて積層構造を形成している。そのため、液晶ディスプレイに用いられるハードコートフィルムのハードコート層は、別の光学フィルムや筐体等とアクリル系粘着剤などの粘着剤を介し強固に貼り合わせられて使用されることがある。また、一方そのハードコート面に弱接着力の粘着剤(天然ゴム系粘着剤等)を介した保護フィルムを貼り合わせて使用されることがある。
しかしながら、レベリング調整作用が大きなシリコーン系及びフッ素系のレベリング剤を使用した場合、シリコーン系及びフッ素系のレベリング剤がハードコート層表面にブリードするため、ハードコート層の表面の極性が低くなり、アクリル系粘着剤との接着性が低下するといった問題がある。一方、添加によるハードコート層の極性低下が起こりづらく、さらにアクリル系粘着剤との接着性が高いアクリル系のレベリング剤を使用した場合では、十分なレベリング調整作用が得られず光学ムラに劣り、さらにハードコート層と基材との密着性に劣るといった問題があった。
そこで、本発明では、ハードコート層の基材への密着性及びハード性に優れるとともに、光学ムラのない良好な塗工面を有し、ハードコート層と液晶ディスプレイ部材等との接合において使用されるアクリル系粘着剤との高い接着性を有しつつ、一方天然ゴム系粘着剤の剥離性にも優れるハードコートフィルムを提供することを目的とする。また、このハードコートフィルムを用いたディスプレイ装置用光学フィルムを提供することも目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を有する発明を提供する。
(第1の発明)
フィルム基材上に、電子線硬化型樹脂、及びレベリング剤を含有するハードコート層を形成させたハードコートフィルムであって、前記レベリング剤が、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを含有することを特徴とするハードコートフィルム。
(第1の発明)
フィルム基材上に、電子線硬化型樹脂、及びレベリング剤を含有するハードコート層を形成させたハードコートフィルムであって、前記レベリング剤が、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを含有することを特徴とするハードコートフィルム。
(第2の発明)
フィルム基材上に、電子線硬化型樹脂、及びレベリング剤を含有するハードコート層を形成させたハードコートフィルムであって、前記レベリング剤として、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーを含有することを特徴とするハードコートフィルム。
フィルム基材上に、電子線硬化型樹脂、及びレベリング剤を含有するハードコート層を形成させたハードコートフィルムであって、前記レベリング剤として、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーを含有することを特徴とするハードコートフィルム。
(第3の発明)
第1又は第2の発明において、前記電子線硬化型樹脂が、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂を含有することを特徴とするハードコートフィルム。
(第4の発明)
第1又は第3の発明において、前記ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの配合量は、前記ハードコート層の電子線硬化型樹脂に対して、0.1重量%〜3.0重量%の範囲であることを特徴とするハードコートフィルム。
第1又は第2の発明において、前記電子線硬化型樹脂が、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂を含有することを特徴とするハードコートフィルム。
(第4の発明)
第1又は第3の発明において、前記ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの配合量は、前記ハードコート層の電子線硬化型樹脂に対して、0.1重量%〜3.0重量%の範囲であることを特徴とするハードコートフィルム。
(第5の発明)
第2又は第3の発明において、前記ハードコート層に含有される前記ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーを含むレベリング剤の総配合量は、前記電子線硬化型樹脂の配合量に対し0.1重量%〜3.0重量%の範囲であることを特徴とするハードコートフィルム。
(第6の発明)
第5の発明において、前記ハードコート層に含有される前記レベリング剤であって、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーの配合比率が、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン:フッ素基を含有するモノマー又はポリマー=50重量%〜95重量%:50重量%〜5重量%の範囲であることを特徴とするハードコートフィルム。
第2又は第3の発明において、前記ハードコート層に含有される前記ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーを含むレベリング剤の総配合量は、前記電子線硬化型樹脂の配合量に対し0.1重量%〜3.0重量%の範囲であることを特徴とするハードコートフィルム。
(第6の発明)
第5の発明において、前記ハードコート層に含有される前記レベリング剤であって、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーの配合比率が、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン:フッ素基を含有するモノマー又はポリマー=50重量%〜95重量%:50重量%〜5重量%の範囲であることを特徴とするハードコートフィルム。
(第7の発明)
第1乃至第6のいずれかの発明において、前記ハードコート層の膜厚が、1〜20μmの範囲であることを特徴とするハードコートフィルム。
(第8の発明)
第1乃至第7のいずれかの発明において、前記ハードコート層の膜厚(μm)×前記レベリング剤の総配合量(重量%)で定義される値が、0.1〜60.0(μm・重量%)の範囲であることを特徴とするハードコートフィルム。
第1乃至第6のいずれかの発明において、前記ハードコート層の膜厚が、1〜20μmの範囲であることを特徴とするハードコートフィルム。
(第8の発明)
第1乃至第7のいずれかの発明において、前記ハードコート層の膜厚(μm)×前記レベリング剤の総配合量(重量%)で定義される値が、0.1〜60.0(μm・重量%)の範囲であることを特徴とするハードコートフィルム。
(第9の発明)
第1乃至第8のいずれかの発明のハードコートフィルムを用いたことを特徴とするディスプレイ装置用光学フィルム。
第1乃至第8のいずれかの発明のハードコートフィルムを用いたことを特徴とするディスプレイ装置用光学フィルム。
本発明によれば、ハードコート層の基材への密着性及びハード性に優れるとともに、光学ムラのない良好な塗工面を有し、ハードコート層と液晶ディスプレイ部材等との接合において使用されるアクリル系粘着剤との高い接着性を有しつつ、一方で天然ゴム系粘着剤の剥離性にも優れるハードコートフィルムを提供することができる。
また、本発明のハードコートフィルムを用いることにより、良好な特性を備えたディスプレイ装置用光学フィルムを提供することができる。
また、本発明のハードコートフィルムを用いることにより、良好な特性を備えたディスプレイ装置用光学フィルムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
本発明に係るハードコートフィルムの一態様は、上記の第1の発明にあるとおり、フィルム基材上に、電子線硬化型樹脂、及びレベリング剤を含有するハードコート層を形成させたハードコートフィルムであって、前記レベリング剤が、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを含有することを特徴とするものである。
また、本発明に係るハードコートフィルムの他の態様は、上記第2の発明にあるとおり、フィルム基材上に、電子線硬化型樹脂、及びレベリング剤を含有するハードコート層を形成させたハードコートフィルムであって、前記レベリング剤として、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーを含有することを特徴とするものである。
また、上記第1又は第2の発明において、前記電子線硬化型樹脂が、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂を含有するものである。
以下、詳しく説明する。
本発明に係るハードコートフィルムの一態様は、上記の第1の発明にあるとおり、フィルム基材上に、電子線硬化型樹脂、及びレベリング剤を含有するハードコート層を形成させたハードコートフィルムであって、前記レベリング剤が、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを含有することを特徴とするものである。
また、本発明に係るハードコートフィルムの他の態様は、上記第2の発明にあるとおり、フィルム基材上に、電子線硬化型樹脂、及びレベリング剤を含有するハードコート層を形成させたハードコートフィルムであって、前記レベリング剤として、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーを含有することを特徴とするものである。
また、上記第1又は第2の発明において、前記電子線硬化型樹脂が、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂を含有するものである。
以下、詳しく説明する。
(フィルム基材)
本発明において使用されるフィルム基材は、特に限定されるものではなく、例えば、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレングリシジルメタクリレート及びこれらの混合物を例示することができるが、耐熱性、入手性、経済性の点からポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロースを構成材料とする熱可塑性樹脂フィルムを用いることが好ましい。
本発明において使用されるフィルム基材は、特に限定されるものではなく、例えば、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレングリシジルメタクリレート及びこれらの混合物を例示することができるが、耐熱性、入手性、経済性の点からポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロースを構成材料とする熱可塑性樹脂フィルムを用いることが好ましい。
(ハードコート層)
本発明におけるハードコート層には、バインダー樹脂である電子線硬化型樹脂、及びレベリング剤を含有する。
本発明において上記ハードコート層に用いられる電子線硬化型樹脂は、ハードコート層とフィルム基材との密着性を安定的に確保するために、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂を少なくとも含むことが好ましい。
本発明におけるハードコート層には、バインダー樹脂である電子線硬化型樹脂、及びレベリング剤を含有する。
本発明において上記ハードコート層に用いられる電子線硬化型樹脂は、ハードコート層とフィルム基材との密着性を安定的に確保するために、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂を少なくとも含むことが好ましい。
本発明において用いられる、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂とは、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する電子線又は紫外線硬化可能な(メタ)アクリレート樹脂からなるものをいう。分子内に含まれる(メタ)アクリロイル基の個数は、3〜6個が好ましく、4〜6個がさらに好ましい。(メタ)アクリロイル基が分子内に6個よりも多く含まれる場合、電子線硬化樹脂の硬化収縮により、ハードコート層のカールが大きくなりすぎてしまい、ロール巻取りの際にシワやヨレが発生しやすくなり製造工程等での取り扱い性が低下する。一方、分子内に含まれる(メタ)アクリロイル基の個数が3個未満の場合、ハードコート層に要求される所望のハード性が得られない。
本発明に用いられる3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂の具体例としては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の、ポリオールポリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
ハードコート層に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂を用いることにより、基材との密着性を向上することができる。
本発明において、上記の3官能以上、すなわち3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂と他の電子線硬化型樹脂を所望の効果を阻害しない範囲で併用することができる。電子線硬化型樹脂とは、電子線または紫外線等を照射することによって重合し硬化する透明な樹脂であり、例えば、アクリル系のモノマーやウレタンアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、及びエポキシアクリレート系樹脂等のオリゴマーやポリマーなどから適宜選択することが出来る。モノマーとして好ましいものは、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化可能な多官能アクリレートからなるものが挙げられる。分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化可能な多官能アクリレートの具体例としては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールポリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルのジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリレートなどのエポキシ(メタ)アクリレート、多価アルコールと多価カルボン酸及び/またはその無水物とアクリル酸とをエステル化することによって得ることができるポリエステル(メタ)アクリレート、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させることによって得られるウレタン(メタ)アクリレート、ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
本発明におけるハードコートフィルムにおける上記の3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂の配合量は、ハードコート層における電子線硬化型樹脂の全重量に対し25〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%、更に好ましくは80〜100質量%である。
本発明(上記第1の発明)においては、ハードコート層のレベリング剤としてポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いることが重要である。
本発明において、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンとは、有機変性基及びシリコーン骨格の繰り返しユニットを有するポリシロキサンであって、該有機変性基がポリエステル鎖で構成されるジメチルシロキサンの重合体のことをいう。
本発明において、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンとは、有機変性基及びシリコーン骨格の繰り返しユニットを有するポリシロキサンであって、該有機変性基がポリエステル鎖で構成されるジメチルシロキサンの重合体のことをいう。
本発明に用いられるポリエステル変性ポリジメチルシロキサンとしては、たとえば市販されているBYK―310、BYK−315、BYK−370(以上、ビッグ・ケミー・ジャパン株式会社製、いずれも商品名)などが具体的に挙げられる。
本発明において、所望の効果を阻害しない範囲で、上記ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンと他の種類のレベリング剤を併用することができる。他の種類のレベリング剤としては、アクリル系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤、フッ素系レベリング剤などが挙げられる。
上記アクリル系レベリング剤としては、アクリル系共重合物であるBYK―350、BYK−352、BYK−354、BYK−355、BYK−381等、又はメタクリル系共重合物であるBYK−390(以上、ビッグ・ケミー・ジャパン株式会社製、いずれも商品名)等が挙げられる。
また、上記シリコーン系レベリング剤としては、ポリオキシアルキレンとポリジメチルシロキサンの共重合体などが挙げられ、上記フッ素系レベリング剤としては、ポリオキシアルキレンとフルオロカーボンとの共重合体等を挙げることができる。
また、上記シリコーン系レベリング剤としては、ポリオキシアルキレンとポリジメチルシロキサンの共重合体などが挙げられ、上記フッ素系レベリング剤としては、ポリオキシアルキレンとフルオロカーボンとの共重合体等を挙げることができる。
本発明のハードコート層におけるポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの配合量は、ハードコート層の電子線硬化型樹脂に対して、0.1重量%〜3.0重量%の範囲であることが好ましい。該ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの配合量が0.1重量%未満であると、レベリング剤の絶対量が少ないために、本発明の効果が均一に得られ難く、3.0重量%を超えると、未硬化性物質の配合比率が大きすぎるためハードコート層のハード性を低下させる可能性がある。
また本発明においては、ハードコート層の膜厚(μm)×ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを含むレベリング剤の総配合量(重量%)で定義される値において、0.1〜60.0(μm・重量%)の範囲にあることが好ましく、0.2〜40.0(μm・重量%)がさらに好ましく、1.0〜20.0(μm・重量%)がより好ましい。このハードコート層の膜厚(μm)×レベリング剤の総配合量(重量%)で定義される値が0.1(μm・重量%)未満であると、ハードコート層表面に現出するレベリング剤量が少ないために、十分なレベリング調整作用が得られ難い。一方、ハードコート層の膜厚(μm)×レベリング剤の総配合量(重量%)で定義される値が60.0(μm・重量%)を超える場合、ハードコート層に含まれる未硬化性物質の配合比率が大きすぎるため、ハード性を低下させる可能性がある。
本発明のハードコートフィルムは、上述のとおり、ハードコート層の電子線硬化型樹脂として、例えば3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂を含有し、且つハードコート層のレベリング剤として、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを含有するものである。
本発明のハードコートフィルムは、含有されるポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの効果により、高いレベリング調整作用を得つつも、アクリル系粘着剤との高い接着性を維持し、かつ通常のレベリング剤と同様に配合量に比例して天然ゴム系粘着剤の接着性が低下する性質を有する。
本発明のハードコートフィルムは、含有されるポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの効果により、高いレベリング調整作用を得つつも、アクリル系粘着剤との高い接着性を維持し、かつ通常のレベリング剤と同様に配合量に比例して天然ゴム系粘着剤の接着性が低下する性質を有する。
ハードコート層は常温常湿状態の密着性に優れていても、加熱状態及び湿熱状態等に置かれることにより、その架橋構造を変化させ、フィルム基材との密着性が低下することが知られている
本発明によればポリエステル変性ポリジメチルシロキサンが含有されることによるアクリル系粘着剤との高い接着性及び天然ゴム系粘着剤の優れた剥離性は、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂と併存することにより、その構造体がハードコート層の3次元的な架橋構造内に取り込まれ、その効果を維持し易くなるものと推測される。そのため加熱及び湿熱耐久性において、常温常湿状態と同様な良好な密着性を維持するものと推測される。
本発明によればポリエステル変性ポリジメチルシロキサンが含有されることによるアクリル系粘着剤との高い接着性及び天然ゴム系粘着剤の優れた剥離性は、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂と併存することにより、その構造体がハードコート層の3次元的な架橋構造内に取り込まれ、その効果を維持し易くなるものと推測される。そのため加熱及び湿熱耐久性において、常温常湿状態と同様な良好な密着性を維持するものと推測される。
また、前記のとおり、上記ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンと他の種類のレベリング剤を併用することができるが、上記第2の発明においては、上記ハードコート層に含有されるレベリング剤として、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーの2種類を用いる(併用する)ことが重要である。
上記ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンについてはすでに説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
上記ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンについてはすでに説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
また、本発明において、フッ素基を含有するモノマー又はポリマーとは、分子内にパーフルオロアルキル基等のアルキル基の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換された炭素数20以下の重合単位を有するモノマー又はポリマーのことをいう。
本発明に用いられる上記分子内にパーフルオロアルキル基等のフッ素基を有するモノマー又はポリマーとしては、たとえば市販されているメガファックRS−75、メガファックF570、メガファックF−510(以上、DIC社製、いずれも商品名)などが具体的に挙げられる。
本発明においては、所望の効果を阻害しない範囲で、上記のポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーに、他の種類のレベリング剤を併用することができる。他のレベリング剤としては、アクリル系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤などが挙げられる。
上記アクリル系レベリング剤としては、たとえば市販されているアクリル系共重合物であるBYK―350、BYK−352、BYK−354、BYK−355、BYK−381等、又はメタクリル系共重合物であるBYK−390(以上、ビッグ・ケミー・ジャパン株式会社製、いずれも商品名)などが具体的に挙げられる。
また、上記シリコーン系レベリング剤としては、たとえばポリオキシアルキレンとポリジメチルシロキサンの共重合体などを挙げることができる。
また、上記シリコーン系レベリング剤としては、たとえばポリオキシアルキレンとポリジメチルシロキサンの共重合体などを挙げることができる。
本発明のハードコート層におけるポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーを含むレベリング剤の総配合量は、ハードコート層中の全固形分量に対して0.1重量%〜3.0重量%の範囲であることが好ましい。該レベリング剤の総配合量が0.1重量%未満であると、レベリング剤の絶対量が少ないために、本発明の効果が均一に得られ難く、一方3.0重量%を超えると、未硬化性物質の配合比率が大きすぎるためハードコート層のハード性を低下させる可能性がある。
また第2の発明においても、ハードコート層の膜厚(μm)×レベリング剤の総配合量(重量%)で定義される値において、0.1〜60.0(μm・重量%)の範囲にあることが好ましく、0.2〜40.0(μm・重量%)がさらに好ましく、1.0〜20.0がさらに好ましい。このハードコート層の膜厚(μm)×レベリング剤の総配合量(重量%)で定義される値が0.1(μm・重量%)未満であると、ハードコート層表面に現出するレベリング剤量が少ないために、十分なレベリング調整作用が得られ難い。一方、ハードコート層の膜厚(μm)×レベリング剤の総配合量(重量%)で定義される値が60.0(μm・重量%)を超える場合、ハードコート層に含まれる未硬化性物質の配合比率が大きすぎるため、ハード性を低下させる可能性がある。
上記ハードコート層に含有されるポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーの配合比率は、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン:フッ素基を含有するモノマー又はポリマー=50重量%〜95重量%:50重量%〜5重量%の範囲であることが好ましい。レベリング剤の配合比中で、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンが50重量%未満であると、アクリル系粘着剤の接着性向上効果が得られにくい。またフッ素基を含有するモノマー又はポリマーが5重量%未満であると、天然ゴム系粘着剤の接着性を調整し難く、密着性やハードコート面に保護フィルムなどの剥離性を持たせる処理に好ましくない。
なお、上記のポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーに、さらに他の種類のレベリング剤を併用する場合は、他の種類のレベリング剤の配合比率は、20重量%以下とすることが望ましい。
なお、上記のポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーに、さらに他の種類のレベリング剤を併用する場合は、他の種類のレベリング剤の配合比率は、20重量%以下とすることが望ましい。
第2の発明のハードコートフィルムは、ハードコート層に含有されるポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの効果により、フッ素基を含有するモノマー又はポリマーによる高いレベリング調整作用を得つつも、アクリル系粘着剤との高い接着性を有することができる。また天然ゴム系粘着剤では、ハードコート層に含有されるポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーの配合量に比例して接着性が低下する性質を有するために、本発明のハードコートフィルムのハードコート層の表面に保護フィルム等を用いる場合にも、天然ゴム系粘着剤を用いた保護フィルム等であれば剥離性に優れ、良好な作業性を有することができる。
本発明のハードコートフィルムにおいて、ハードコート層の厚みは特に限定されるものではないが、好ましくは1μm〜20μm、より好ましくは1μm〜15μm、更に好ましくは1μm〜10μmである。
ハードコート層の厚みが20μmを超える場合、電子線硬化型樹脂の硬化収縮によりハードコートフィルムのカールが大きくなりすぎてしまい、取り扱い性が低下する。またハードコート層の厚みが1μm未満である場合、ハードコート層は十分なハード性を有さず、ハードコートフィルムの機能を満たさない恐れがある。
ハードコート層の厚みが20μmを超える場合、電子線硬化型樹脂の硬化収縮によりハードコートフィルムのカールが大きくなりすぎてしまい、取り扱い性が低下する。またハードコート層の厚みが1μm未満である場合、ハードコート層は十分なハード性を有さず、ハードコートフィルムの機能を満たさない恐れがある。
上記ハードコート層を形成する塗液には、上記電子線硬化型樹脂、レベリング剤のほかに、必要に応じて、光重合開始剤、消泡剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、湿潤分散剤、レオロジーコントロール剤、酸化防止剤、防汚剤、帯電防止剤、導電剤などが配合される。
上記ハードコート層形成用塗液をフィルム基材上へ塗布するには、公知の任意の塗工方法を用いることができる。例えば、リバースコート法、グラビアコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、キスコート法、ワイヤーバーコート法、カーテンコート法などが挙げられ、これ等の方法を単独或いは複数組み合わせて用いてもよい。
また、フィルム基材上に塗布したハードコート層を硬化させる電子線、紫外線の照射条件等は、使用する電子線硬型樹脂、その他添加する各種薬品にあわせて適宜調整すればよい。なお、本発明において、表面のハード性を改善する場合には、窒素ガスなどを封入し酸素濃度を1000ppm以下とした条件下で電子線、紫外線等を照射することが好ましい。
以上説明したように、本発明のハードコートフィルムは、ハードコート層の基材への密着性及びハード性に優れるとともに、光学ムラのない良好な塗工面を有し、ハードコート層と液晶ディスプレイ部材等との接合において使用されるアクリル系粘着剤との高い接着性を有しつつ、一方で天然ゴム系粘着剤の剥離性にも優れる。
また、本発明のハードコートフィルムにより得られる効果は、特に光学性能と表面性の要求品質の高い液晶ディスプレイなどのフラットパネル部材として適しており、本発明のハードコートフィルムを用いることにより、良好な特性を備えたディスプレイ装置用光学フィルムを提供することができる。
また、本発明のハードコートフィルムにより得られる効果は、特に光学性能と表面性の要求品質の高い液晶ディスプレイなどのフラットパネル部材として適しており、本発明のハードコートフィルムを用いることにより、良好な特性を備えたディスプレイ装置用光学フィルムを提供することができる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜15、比較例1〜17]
酢酸エチル/酢酸ブチル=50/50重量部、3個の(メタ)アクリロイル基を有するペンタエリスリトールトリアクリレートを主成分とする電子線硬化型樹脂(商品名:ライトアクリレートPE−3A、共栄社化学(株)社製)95重量部、光重合開始剤(商品名:イルガキュアー184、チバ・ジャパン(株)社製)5重量部に、表1又は表2(後記)に記載の配合量でレベリング剤を配合したハードコート層用塗液を作製し、80μm厚さのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムにマイヤーバーを用いて塗工し、80℃で1分間乾燥させ溶剤を揮発後、積算光量300mJ/cm2の紫外線照射処理による硬化を行い、実施例1〜15および比較例1〜17のハードコートフィルムを作製した。ハードコート層の塗工厚み(表1及び表2記載)は、マイヤーバーの直径(番手)を適宜選択することによって調整した。
なお、表1及び表2に記載のレベリング剤は、商品名:BYK−枝番号は、いずれもビッグ・ケミー・ジャパン(株)製、商品名:メガファックRS-75は、DIC(株)社製である。
[実施例1〜15、比較例1〜17]
酢酸エチル/酢酸ブチル=50/50重量部、3個の(メタ)アクリロイル基を有するペンタエリスリトールトリアクリレートを主成分とする電子線硬化型樹脂(商品名:ライトアクリレートPE−3A、共栄社化学(株)社製)95重量部、光重合開始剤(商品名:イルガキュアー184、チバ・ジャパン(株)社製)5重量部に、表1又は表2(後記)に記載の配合量でレベリング剤を配合したハードコート層用塗液を作製し、80μm厚さのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムにマイヤーバーを用いて塗工し、80℃で1分間乾燥させ溶剤を揮発後、積算光量300mJ/cm2の紫外線照射処理による硬化を行い、実施例1〜15および比較例1〜17のハードコートフィルムを作製した。ハードコート層の塗工厚み(表1及び表2記載)は、マイヤーバーの直径(番手)を適宜選択することによって調整した。
なお、表1及び表2に記載のレベリング剤は、商品名:BYK−枝番号は、いずれもビッグ・ケミー・ジャパン(株)製、商品名:メガファックRS-75は、DIC(株)社製である。
[実施例16〜20]
上記塗液の樹脂成分を6個の(メタ)アクリロイル基を有するジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:ライトアクリレートDPE−6A、共栄社化学(株)社製)95重量部に変更した以外、同比率に調正した塗液を作製し、同様の方法にて表1に記載のレベリング剤及び塗工厚みを有する実施例16〜20のハードコートフィルムを作製した。
上記塗液の樹脂成分を6個の(メタ)アクリロイル基を有するジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:ライトアクリレートDPE−6A、共栄社化学(株)社製)95重量部に変更した以外、同比率に調正した塗液を作製し、同様の方法にて表1に記載のレベリング剤及び塗工厚みを有する実施例16〜20のハードコートフィルムを作製した。
[比較例18〜20]
上記塗液の樹脂成分を2個の(メタ)アクリロイル基を有するネオペンチルグリコールジアクリレート(商品名:ライトアクリレートNP−A、共栄社化学(株)社製)95重量部に変更した以外、同比率に調正した塗液を作製し、同様の方法にて表2に記載のレベリング剤及び塗工厚みを有する比較例18〜20のハードコートフィルムを作製した。
上記塗液の樹脂成分を2個の(メタ)アクリロイル基を有するネオペンチルグリコールジアクリレート(商品名:ライトアクリレートNP−A、共栄社化学(株)社製)95重量部に変更した以外、同比率に調正した塗液を作製し、同様の方法にて表2に記載のレベリング剤及び塗工厚みを有する比較例18〜20のハードコートフィルムを作製した。
得られた各ハードコートフィルムに対して以下の試験を行い、その結果を纏めて表1(実施例)及び表2(比較例)に示した。
[評価項目]
(1)テープ接着性試験
JIS−K6849に準拠して行った。測定用サンプルは、30mm×250mmサイズに切り出し、ハードコート面と反対面に支持体となるガラス板と貼り合わせた。ハードコート面に下記の粘着テープを各々貼り合わせ、ストログラフ引張試験機VS05D(東洋試験機製)を用い剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件にて測定を実施した。
・アクリル系粘着テープ:電気絶縁用ポリエステル基材粘着テープNo.31B(日東電工株式会社製、25mm幅)
評価基準は以下のとおりである。
◎:No31Bテープ接着性が5N/25mm以上
○:No31Bテープ接着性が4N/25mm以上〜5N/25mm未満
△:No31Bテープ接着性が3N/25mm以上〜4N/25mm未満
×:No31Bテープ接着性が3N/25mm未満
・天然ゴム系粘着テープ:セキスイセロテープNo.252(積水化学工業社製、24mm幅)
評価基準は以下のとおりである。
◎:No.252テープ接着性が4N/24mm未満
○:No.252テープ接着性が4N/24mm以上〜5N/24mm未満
△:No.252テープ接着性が5N/24mm以上〜6N/24mm未満
×:No.252テープ接着性が6N/24mm以上
[評価項目]
(1)テープ接着性試験
JIS−K6849に準拠して行った。測定用サンプルは、30mm×250mmサイズに切り出し、ハードコート面と反対面に支持体となるガラス板と貼り合わせた。ハードコート面に下記の粘着テープを各々貼り合わせ、ストログラフ引張試験機VS05D(東洋試験機製)を用い剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件にて測定を実施した。
・アクリル系粘着テープ:電気絶縁用ポリエステル基材粘着テープNo.31B(日東電工株式会社製、25mm幅)
評価基準は以下のとおりである。
◎:No31Bテープ接着性が5N/25mm以上
○:No31Bテープ接着性が4N/25mm以上〜5N/25mm未満
△:No31Bテープ接着性が3N/25mm以上〜4N/25mm未満
×:No31Bテープ接着性が3N/25mm未満
・天然ゴム系粘着テープ:セキスイセロテープNo.252(積水化学工業社製、24mm幅)
評価基準は以下のとおりである。
◎:No.252テープ接着性が4N/24mm未満
○:No.252テープ接着性が4N/24mm以上〜5N/24mm未満
△:No.252テープ接着性が5N/24mm以上〜6N/24mm未満
×:No.252テープ接着性が6N/24mm以上
(2)密着性試験
JIS−K5600−5−6に準拠して行った。
ハードコート層にカッターで100マスを作り、天然ゴム系粘着テープ(セキスイセロテープNo.252)での剥離試験をクロスカット法で実施し、密着性を100マスでのハードコート層の残存率で下記の通り評価した。
◎:クロスカット法での密着性が100%
○:クロスカット法での密着性が99%
△:クロスカット法での密着性が95%以上〜99%未満
×:クロスカット法での密着性が95%未満
JIS−K5600−5−6に準拠して行った。
ハードコート層にカッターで100マスを作り、天然ゴム系粘着テープ(セキスイセロテープNo.252)での剥離試験をクロスカット法で実施し、密着性を100マスでのハードコート層の残存率で下記の通り評価した。
◎:クロスカット法での密着性が100%
○:クロスカット法での密着性が99%
△:クロスカット法での密着性が95%以上〜99%未満
×:クロスカット法での密着性が95%未満
(3)加熱耐久性
各ハードコートフィルムを送風恒温槽(ヤマト科学製)温度90℃条件にて、24時間処理を行った。得られたサンプルを前記記載の密着性試験にて評価を実施した。
(4)湿熱耐久性
上記加熱耐久性と同様な方法で、恒温恒湿器(エスペック製)温度65℃/湿度95%条件で24時間処理を行い、得られたサンプルを前記記載の密着性試験にて評価を実施した。
各ハードコートフィルムを送風恒温槽(ヤマト科学製)温度90℃条件にて、24時間処理を行った。得られたサンプルを前記記載の密着性試験にて評価を実施した。
(4)湿熱耐久性
上記加熱耐久性と同様な方法で、恒温恒湿器(エスペック製)温度65℃/湿度95%条件で24時間処理を行い、得られたサンプルを前記記載の密着性試験にて評価を実施した。
(5)光学ムラ
各ハードコートフィルムを、10cm×15cmの面積に切り出し、試料フィルムを作製した。この試料フィルムのハードコート層とは反対面に、黒色光沢テープを貼り合わせ、ハードコート面を上面にして、3波長形昼白色蛍光灯(ナショナルパルック、F.L15EX−N15W)を光源として、斜め上方より反射光を目視で観察した。
○:干渉ムラが観察されない。
△:干渉ムラが弱く観察される。
×:干渉ムラが強く観察される。
各ハードコートフィルムを、10cm×15cmの面積に切り出し、試料フィルムを作製した。この試料フィルムのハードコート層とは反対面に、黒色光沢テープを貼り合わせ、ハードコート面を上面にして、3波長形昼白色蛍光灯(ナショナルパルック、F.L15EX−N15W)を光源として、斜め上方より反射光を目視で観察した。
○:干渉ムラが観察されない。
△:干渉ムラが弱く観察される。
×:干渉ムラが強く観察される。
(6)ハード性
#0000のスチールウールにより、各ハードコートフィルムの表面を4.9N/φ25mmの荷重をかけながら10回摩擦し、傷の発生の有無および傷の程度を目視により観察した。評価基準は下記の通りであり、◎と○を良好とした。
◎:傷の発生なし。○:5本以下の傷が発生する。△:傷が6〜10本発生する。×:傷が無数に発生する。
#0000のスチールウールにより、各ハードコートフィルムの表面を4.9N/φ25mmの荷重をかけながら10回摩擦し、傷の発生の有無および傷の程度を目視により観察した。評価基準は下記の通りであり、◎と○を良好とした。
◎:傷の発生なし。○:5本以下の傷が発生する。△:傷が6〜10本発生する。×:傷が無数に発生する。
上記表1の結果から、ハードコート層の電子線硬化型樹脂として、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂を含有し、且つハードコート層のレベリング剤として、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを含有する本発明の実施例によるハードコートフィルムでは、密着性、加熱耐久性、湿熱耐久性、アクリル系粘着テープ接着性、天然ゴム系粘着テープ接着性(剥離性)、光学ムラ、ハード性のすべての特性において良好な結果が得られた。つまり、本発明によれば、ハードコート層の基材への密着性及びハード性に優れるとともに、光学ムラのない良好な塗工面を有し、ハードコート層と液晶ディスプレイ部材等との接合において使用されるアクリル系粘着剤との高い接着性を有しつつ、天然ゴム系粘着剤の剥離性に優れるハードコートフィルムが得られる。
なお、レベリング剤として本発明のポリエステル変性ポリジメチルシロキサンと他の種類のレベリング剤(フッ素系)を併用しても(実施例13、20)、良好な結果が得られた。
また、本発明のポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの配合量が好ましい範囲よりも多い実施例14では、ハード性が若干低下した。一方、本発明のポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの配合量が好ましい範囲よりも少ない実施例15では、密着性、加熱耐久性、湿熱耐久性、天然ゴム系粘着テープ接着性(剥離性)、光学ムラなどの特性が不足した。
また、本発明のポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの配合量が好ましい範囲よりも多い実施例14では、ハード性が若干低下した。一方、本発明のポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの配合量が好ましい範囲よりも少ない実施例15では、密着性、加熱耐久性、湿熱耐久性、天然ゴム系粘着テープ接着性(剥離性)、光学ムラなどの特性が不足した。
これに対し、上記表2の結果からわかるように、ハードコート層の電子線硬化型樹脂として3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂を含有するが、レベリング剤として本発明のポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを添加していない比較例1、2では、アクリル系粘着テープ接着性は良好であったものの、それ以外の特性は得られなかった。また、本発明とは異なる種類のレベリング剤を添加しても(比較例3〜14)、上記のいずれかの特性が不十分であり、また本発明とは異なる種類のレベリング剤を2種類併用しても(比較例15〜18)、やはり上記のいずれかの特性が不十分であり、特にアクリル系粘着テープ接着性が劣っていた。また、ハードコート層の電子線硬化型樹脂として官能基が2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート樹脂を含有する場合、レベリング剤として本発明のポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを添加しても(比較例18〜20)、本発明の効果は得られず、特に密着性、加熱耐久性、湿熱耐久性、ハード性などの特性が劣っていた。
以上のことから、上述の本発明による優れた効果は、ハードコート層の電子線硬化型樹脂として、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂を含有し、且つハードコート層のレベリング剤として、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを含有することによってのみ得られることが分かる。
[実施例21〜31、比較例21〜25]
酢酸エチル/酢酸ブチル=50/50重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレートを主成分とする電子線硬化型樹脂(商品名:ライトアクリレートPE−3A、共栄社化学(株)社製)95重量部、光重合開始剤(商品名:イルガキュアー184、チバ・ジャパン(株)社製)5重量部に、表3又は表4(後記)に記載の配合量でレベリング剤を配合した塗液を作製し、80μm厚さのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムにマイヤーバーを用いて塗工し、80℃で1分間乾燥させ溶剤を揮発後、積算光量300mJ/cm2の紫外線照射処理による硬化を行い、実施例21〜31および比較例21〜25のハードコートフィルムを作製した。
なお、表3及び表4に記載のレベリング剤は、商品名:BYK−枝番号は、いずれもビッグ・ケミー・ジャパン(株)製、商品名:メガファック−枝番号は、いずれもDIC(株)社製である。
酢酸エチル/酢酸ブチル=50/50重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレートを主成分とする電子線硬化型樹脂(商品名:ライトアクリレートPE−3A、共栄社化学(株)社製)95重量部、光重合開始剤(商品名:イルガキュアー184、チバ・ジャパン(株)社製)5重量部に、表3又は表4(後記)に記載の配合量でレベリング剤を配合した塗液を作製し、80μm厚さのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムにマイヤーバーを用いて塗工し、80℃で1分間乾燥させ溶剤を揮発後、積算光量300mJ/cm2の紫外線照射処理による硬化を行い、実施例21〜31および比較例21〜25のハードコートフィルムを作製した。
なお、表3及び表4に記載のレベリング剤は、商品名:BYK−枝番号は、いずれもビッグ・ケミー・ジャパン(株)製、商品名:メガファック−枝番号は、いずれもDIC(株)社製である。
得られた各ハードコートフィルムに対して以下の試験を行い、その結果を纏めて表3(実施例)及び表4(比較例)に示した。
(1)テープ接着性試験
JIS−K6849に準拠して行った。測定用サンプルは、30mm×250mmサイズに切り出し、ハードコート面と反対面に支持体となるガラス板と貼り合わせた。ハードコート面に下記の粘着テープを各々貼り合わせ、ストログラフ引張試験機VS05D(東洋試験機製)を用い剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件にて測定を実施した。
(1)テープ接着性試験
JIS−K6849に準拠して行った。測定用サンプルは、30mm×250mmサイズに切り出し、ハードコート面と反対面に支持体となるガラス板と貼り合わせた。ハードコート面に下記の粘着テープを各々貼り合わせ、ストログラフ引張試験機VS05D(東洋試験機製)を用い剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件にて測定を実施した。
・アクリル系粘着テープ:電気絶縁用ポリエステル基材粘着テープNo.31B(日東電工社製、25mm幅)
評価基準は以下のとおりである。
◎:No.31Bテープ接着性が5N/25mm以上
○:No.31Bテープ接着性が4N/25mm以上〜5N/25mm未満
△:No.31Bテープ接着性が3N/25mm以上〜4N/25mm未満
×:No.31Bテープ接着性が3N/25mm未満
・天然ゴム系粘着テープ:セキスイセロテープNo.252(積水化学工業社製、24mm幅)
評価基準は以下のとおりである。
◎:No.252テープ接着性が4N/24mm未満
○:No.252テープ接着性が4N/24mm以上〜5N/24mm未満
△:No.252テープ接着性が5N/24mm以上〜6N/24mm未満
×:No.252テープ接着性が6N/24mm以上〜
評価基準は以下のとおりである。
◎:No.31Bテープ接着性が5N/25mm以上
○:No.31Bテープ接着性が4N/25mm以上〜5N/25mm未満
△:No.31Bテープ接着性が3N/25mm以上〜4N/25mm未満
×:No.31Bテープ接着性が3N/25mm未満
・天然ゴム系粘着テープ:セキスイセロテープNo.252(積水化学工業社製、24mm幅)
評価基準は以下のとおりである。
◎:No.252テープ接着性が4N/24mm未満
○:No.252テープ接着性が4N/24mm以上〜5N/24mm未満
△:No.252テープ接着性が5N/24mm以上〜6N/24mm未満
×:No.252テープ接着性が6N/24mm以上〜
(2)密着性試験
JIS−K5600−5−6に準拠して行った。
ハードコート層にカッターで100マスを作り、天然ゴム系粘着テープ(セキスイセロテープNo.252)での剥離試験をクロスカット法で実施し、密着性を100マスでのハードコート層の残存率で下記の通り評価した。
評価基準は以下のとおりである。
◎:クロスカット法での密着性が100%
○:クロスカット法での密着性が99%
△:クロスカット法での密着性が95%以上〜99%未満
×:クロスカット法での密着性が95%未満
JIS−K5600−5−6に準拠して行った。
ハードコート層にカッターで100マスを作り、天然ゴム系粘着テープ(セキスイセロテープNo.252)での剥離試験をクロスカット法で実施し、密着性を100マスでのハードコート層の残存率で下記の通り評価した。
評価基準は以下のとおりである。
◎:クロスカット法での密着性が100%
○:クロスカット法での密着性が99%
△:クロスカット法での密着性が95%以上〜99%未満
×:クロスカット法での密着性が95%未満
(3)光学ムラ
作製した各ハードコートフィルムを、10cm×15cmの面積に切り出し、試料フィルムを作製した。この試料フィルムのハードコート層とは反対面に、黒色光沢テープを貼り合わせ、ハードコート面を上面にして、3波長形昼白色蛍光灯(ナショナルパルック、F.L15EX−N15W)を光源として、斜め上方より反射光を目視で観察した。
評価基準は以下のとおりである。
◎:干渉ムラが全く観察されない。
○:干渉ムラがほとんど観察されない。
●:干渉ムラが若干観察される。
△:干渉ムラが弱く観察される。
×:干渉ムラが強く観察される。
作製した各ハードコートフィルムを、10cm×15cmの面積に切り出し、試料フィルムを作製した。この試料フィルムのハードコート層とは反対面に、黒色光沢テープを貼り合わせ、ハードコート面を上面にして、3波長形昼白色蛍光灯(ナショナルパルック、F.L15EX−N15W)を光源として、斜め上方より反射光を目視で観察した。
評価基準は以下のとおりである。
◎:干渉ムラが全く観察されない。
○:干渉ムラがほとんど観察されない。
●:干渉ムラが若干観察される。
△:干渉ムラが弱く観察される。
×:干渉ムラが強く観察される。
(4)ハード性
#0000のスチールウールにより、ハードコートフィルムの表面を4.9N/φ25mmの荷重をかけながら10回摩擦し、傷の発生の有無および傷の程度を目視により観察した。評価基準は下記の通りであり、●以上を良好とした。
◎:傷の発生なし。○:4本以下の傷が発生する。●:5〜6本の傷が観察される。△:傷が6〜10本発生する。×:傷が無数に発生する。
#0000のスチールウールにより、ハードコートフィルムの表面を4.9N/φ25mmの荷重をかけながら10回摩擦し、傷の発生の有無および傷の程度を目視により観察した。評価基準は下記の通りであり、●以上を良好とした。
◎:傷の発生なし。○:4本以下の傷が発生する。●:5〜6本の傷が観察される。△:傷が6〜10本発生する。×:傷が無数に発生する。
上記表3の結果から、ハードコート層に含有されるレベリング剤として、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーの2種類を併用する本発明の実施例に係るハードコートフィルムによれば、ハードコート層の密着性、アクリル系粘着テープの接着性、天然ゴム系粘着テープの接着性(剥離性)、光学ムラ、ハード性のすべてにおいて良好な特性が得られる。つまり、本発明の実施例に係るハードコートフィルムによれば、ハードコート層の基材への密着性及びハード性に優れるとともに、光学ムラのない良好な塗工面を有し、ハードコート層と液晶ディスプレイ部材等との接合において使用されるアクリル系粘着剤との高い接着性を有しつつ、一方天然ゴム系粘着剤の剥離性にも優れるハードコートフィルムが得られる。
一方、上記表4の結果から、レベリング剤としてポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを単独で用いた比較例21では、ハードコート層の密着性、天然ゴム系粘着テープの接着性(剥離性)において良好な結果が得られなかった。また、レベリング剤としてアクリル共重合物を単独で用いた比較例22では、ハードコート層の密着性、天然ゴム系粘着テープの接着性(剥離性)が得られず、光学ムラも見られた。また、レベリング剤としてフッ素基を含有するUV反応性オリゴマーを単独で用いた比較例23では、アクリル系粘着テープの接着性が得られなかった。また、レベリング剤として、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン及びフッ素基を含有するUV反応性オリゴマーの2種類を併用する比較例24、レベリング剤として、アクリル共重合物及びフッ素基を含有するUV反応性オリゴマーの2種類を併用する比較例25においても、アクリル系粘着テープの接着性が得られなかった。要するに、上記比較例では、ハードコート層の密着性、アクリル系粘着テープの接着性、天然ゴム系粘着テープの接着性(剥離性)、光学ムラ、ハード性のすべてにおいて良好な特性を備えるハードコートフィルムを得ることができない。
Claims (9)
- フィルム基材上に、電子線硬化型樹脂、及びレベリング剤を含有するハードコート層を形成させたハードコートフィルムであって、
前記レベリング剤が、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを含有することを特徴とするハードコートフィルム。 - フィルム基材上に、電子線硬化型樹脂、及びレベリング剤を含有するハードコート層を形成させたハードコートフィルムであって、
前記レベリング剤として、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーを含有することを特徴とするハードコートフィルム。 - 前記電子線硬化型樹脂が、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のハードコートフィルム。
- 前記ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの配合量は、前記ハードコート層の電子線硬化型樹脂に対して、0.1重量%〜3.0重量%の範囲であることを特徴とする請求項1又は3に記載のハードコートフィルム。
- 前記ハードコート層に含有される前記ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーを含むレベリング剤の総配合量は、前記電子線硬化型樹脂の配合量に対し0.1重量%〜3.0重量%の範囲であることを特徴とする請求項2又は3に記載のハードコートフィルム。
- 前記ハードコート層に含有される前記レベリング剤であって、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、及びフッ素基を含有するモノマー又はポリマーの配合比率が、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン:フッ素基を含有するモノマー又はポリマー=50重量%〜95重量%:50重量%〜5重量%の範囲であることを特徴とする請求項5に記載のハードコートフィルム。
- 前記ハードコート層の膜厚が、1〜20μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のハードコートフィルム。
- 前記ハードコート層の膜厚(μm)×前記レベリング剤の総配合量(重量%)で定義される値が、0.1〜60.0(μm・重量%)の範囲であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のハードコートフィルム。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載のハードコートフィルムを用いたことを特徴とするディスプレイ装置用光学フィルム。
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