JP2014162889A - コーティング組成物およびコーティングフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】活性エネルギー線硬化型化合物と、平均粒径2〜300nmのシリカナノ粒子と、レベリング剤とを含有し、シリカナノ粒子の含有量が、活性エネルギー線硬化型化合物100質量部に対して10〜280質量部であり、レベリング剤の含有量が、活性エネルギー線硬化型化合物およびシリカナノ粒子の合計量100質量部に対して0.007〜0.5質量部であるコーティング組成物。
【選択図】図1
Description
〔コーティング組成物〕
本実施形態に係るコーティング組成物は、活性エネルギー線硬化型化合物と、平均粒径2〜300nmのシリカナノ粒子と、レベリング剤とを含有し、所望によりさらに有機微粒子を含有してもよい。そして、シリカナノ粒子の含有量は、活性エネルギー線硬化型化合物100質量部に対して10〜280質量部であり、レベリング剤の含有量は、活性エネルギー線硬化型化合物およびシリカナノ粒子の合計量100質量部に対して0.007〜0.5質量部である。
本実施形態に係るコーティング組成物が含有する活性エネルギー線硬化型化合物は、特に限定されるものではなく、形成するコート層に付与すべき性能に応じたものを適宜選択すればよい。例えば、ハードコート層を形成する場合には、硬度の高いコート層を形成できるものを選択すればよい。
本実施形態に係るコーティング組成物が含有するシリカナノ粒子は、平均粒径が2〜300nmであるナノオーダーのシリカの微粒子である。本実施形態に係るコーティング組成物が、かかる平均粒径を有するシリカナノ粒子を所定量含有することで、形成されるコート層は、印刷材料や粘着剤等との密着性に優れたものとなる。なお、シリカナノ粒子の平均粒径は、ゼータ電位測定法によって測定したものとする。
本実施形態に係るコーティング組成物が含有するレベリング剤としては、所望のレベリング効果、すなわち、コーティング時におけるハジキ等の塗布欠点抑制効果や、形成されるコート層の表面平滑化効果が得られるものであれば、特に限定されるものではない。かかるレベリング剤としては、例えば、シリコーン系レベリング剤、フッ素系レベリング剤、アクリル系レベリング剤、シロキサン変性アクリル系レベリング剤、ビニル系レベリング剤等が挙げられる。
本実施形態に係るコーティング組成物は、さらに有機微粒子を含有してもよい。有機微粒子を含有することにより、得られるコート層に所望の機能を付与することができる。例えば、コート層表面の滑り性を向上させたり、コート層に防眩性を付与したりすることができる。コート層表面の滑り性が向上すると、コーティングフィルムにおけるブロッキングを防止・抑制することができる。
粒径の変動係数(CV値)(%)=(標準偏差粒径/平均粒径)×100
なお、本明細書における平均粒径および粒径の変動係数(CV値)は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用い(実施例では、堀場製作所社製のLA−920を使用)、分散媒であるメチルエチルケトンにより調製した5質量%濃度の分散液をサンプルとして数滴使用し、測定した値とする。
図1に示すように、本実施形態に係るコーティングフィルム1は、基材フィルム11と、基材フィルム11の一方の面に形成されたコート層12とからなる。
活性エネルギー線硬化型化合物としてのジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業社製,NKエステルA−DPH)100質量部(固形分換算値;以下同じ)と、シリカナノ粒子(日産化学工業社製,MIBK−ST,平均粒径:10nm)20質量部と、シリコーン系レベリング剤(ポリエステル変性シリコーンオイル)としてのアクリロイル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミー社製,BYK−UV3570)0.01質量部(上記活性エネルギー線硬化型化合物および上記シリカナノ粒子の合計100質量部換算とした場合のレベリング剤配合量:0.01質量部)と、光重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製,イルガキュア184)3質量部とを混合し、コーティング組成物を得た。そのコーティング組成物をプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈し、固形分濃度30%の塗工液を調製した。
[紫外線照射条件]
・光源:高圧水銀灯
・ランプ電力:2kW
・コンベアスピード:4.23m/min
・照度:240mW/cm2
・光量:307mJ/cm2
コーティング組成物を構成する成分の配合量を表1に示すように変更する以外、実施例1と同様にしてコーティングフィルムを製造した。なお、実施例5では、有機微粒子として架橋アクリル微粒子(綜研化学社製,Mx−300,平均粒径:3μm,粒径の変動係数(CV値):15%)2質量部をさらに配合したコーティング組成物を使用した。
実施例および比較例で得られたコーティングフィルムのヘーズ値(%)を、ヘーズメーター(日本電色工業社製,NDH−2000)を用い、D65光源、測定方法3にて、JIS K7136−2000に準拠して測定した。結果を表1に示す。
実施例および比較例で得られたコーティングフィルムのコート層表面における濡れ張力(mN/m)を、和光純薬社製の濡れ張力試験液を使用し、JIS K6768に準拠して測定した。結果を表1に示す。
実施例または比較例で得られた2枚のコーティングフィルムにおけるコート層の表面同士を、200g/cm2の荷重で互いに押し当て、ブロッキングが生じるか否かを評価した。ブロッキングが生じなかったものを良好(○)、ブロッキングが生じたものを不良(×)と評価した。結果を表1に示す。
実施例および比較例で得られたコーティングフィルムのコート層表面を、3波長蛍光灯下で観察し、外観の評価を行った。コート層表面の10cm角中に、欠点が4個以下のものをA、欠点が5〜9個のものをB、欠点が10個以上のものをCと評価した。Aは外観良好、B及びCは外観不良と判断される。結果を表1に示す。
実施例および比較例で得られたコーティングフィルムについて、#0000のスチールウールを用いて、250g/cm2の荷重でコート層を10cm、10往復擦り、傷の有無を確認した。傷が実質的になかったものを○、傷の発生が見られたものを×で表す。結果を表1に示す。
11…基材フィルム
12…コート層
Claims (5)
- 活性エネルギー線硬化型化合物と、
平均粒径2〜300nmのシリカナノ粒子と、
レベリング剤と
を含有し、
前記シリカナノ粒子の含有量が、前記活性エネルギー線硬化型化合物100質量部に対して10〜280質量部であり、
前記レベリング剤の含有量が、前記活性エネルギー線硬化型化合物および前記シリカナノ粒子の合計量100質量部に対して0.007〜0.5質量部である
ことを特徴とするコーティング組成物。 - 有機微粒子をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
- 前記活性エネルギー線硬化型化合物は、多官能性(メタ)アクリレート系モノマーおよび/または(メタ)アクリレート系プレポリマーであることを特徴とする請求項1または2に記載のコーティング組成物。
- 基材フィルムと、
前記基材フィルムの少なくとも一方の面に、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコーティング組成物を塗布し硬化させてなるコート層と
を備えたことを特徴とするコーティングフィルム。 - 前記コート層の前記基材フィルム側とは反対側の表面における濡れ張力は、30mN/m以上であることを特徴とする請求項4に記載のコーティングフィルム。
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