JP2017222106A - 透明導電フィルム及びその製造方法、透明導電フィルムを含むタッチパネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明導電フィルム9a及び9bは、透明基材20の一方面側にインデックスマッチング層21及び透明電極層22を有し、他方面側にアンチブロッキングハードコート層23を有する。算術平均高さSaの値が1〜7nmであり、アンチブロッキングハードコート層の表面に存在する凹凸の平均面からの高さが5nm以上である凸部の数が、1mm2あたり600個以上であり、このうち、平均面からの高さが5〜50nmかつ平均面上の面積が20〜200μm2である凸部の占める割合が30%以上であり、平均面からの高さが50nm以上かつ平均面上の面積が200μm2以上である凸部の占める割合が0.8%以下であり、表面のダイン値が38dyne/cm以上である。
【選択図】図2
Description
透明基材20は、透明導電フィルム9a及び9bの基体となるフィルムであり、可視光線の透過性に優れた材料により形成される。透明基材20の形成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン等の透明樹脂や無機ガラスを利用できる。この中でも、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムを好適に利用できる。透明基材20の厚みは、特に限定されないが、10〜200μmとすることが好ましい。
IM層21は、透明電極層22がある部分とない部分との光学特性の差を小さくし、透明電極層22のパターンを視認しにくくするために設けられる光学調整層である。IM層21は、低屈折率層により構成しても良いし、高屈折率層により構成しても良いし、低屈折率層及び高屈折率層の組み合わせにより構成してもよい。IM層21を低屈折率層及び高屈折率層の組み合わせにより構成する場合、透明基材20側から順に、高屈折率層及び低屈折率層の層構成とすることが好ましい。また、低屈折率層及び高屈折率層のそれぞれを複数層形成しても良い。
透明電極層22は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン等の屈折率が1.7〜2.2の透明導電材料を用いて形成される。透明電極層22の形成方法は、特に限定されないが、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレート法、化学気相成長法(CVD法)等により成膜できる。透明電極層22をITOにより形成する場合、ITOを結晶化させるため、成膜後に100〜200℃程度でアニール処理を行う。その後、透明電極層22は、所定形状にパターニングされ、マトリクス状に配列された複数の透明電極が形成される。
ABHC層23は、フィルム同士の貼り付きを防止するために設けられる層であり、表面に微細な凹凸を有する。この微細な凹凸は、ABHC層23に含まれるシリカ微粒子(シリカフィラー)によって形成される。
(1)ISO 25178に準拠して測定される、ABHC層23の表面の算術平均高さSaの値が1〜7nmである。
(2)ABHC層23の表面に存在する凹凸の平均面からの高さが5nm以上である凸部の数が、1mm2あたり600個以上である。
(3)平均面からの高さが5nm以上である凸部のうち、平均面からの高さが5〜50nmであり、かつ、平均面上の面積が20〜200μm2である凸部の占める割合が30%以上である。
(4)平均面からの高さが5nm以上である凸部のうち、平均面からの高さが50nm以上であり、かつ、平均面上の面積が200μm2以上である凸部の占める割合が0.8%以下である。
尚、本実施形態では、透明基材20の一面にABHC層23を形成した例を説明したが、透明基材20とABHC層23との間に他の層が設けられていても良い。
実施例及び比較例に係る評価用サンプルのABHC層の表面形状は、非接触表面・層断面形状計測システム(測定装置:バートスキャンR3300FL−Lite−AC、解析ソフトウェア:VertScan4、株式会社菱化システム製)を用いて光干渉方式により測定した。測定データを装置の粒子解析ソフトウェアを用いて解析し、(i)算術平均高さSa、(ii)平均面からの高さが5nm以上である凸部の数のうち、平均面からの高さが5〜50nmであり、かつ、面積が20〜200μm2である凸部の占める割合、(iv)平均面からの高さが5nm以上である凸部のうち、平均面からの高さが50nm以上、かつ、面積が200μm2以上である凸部の占める割合を、解析ソフトウェアで計測した。解析にあたっては、平均面からの高さが2.5nm以上であるものを凸部として取り扱った。
10cm角の正方形状の評価用サンプルを5枚重ね、120℃で6時間加熱した後に、貼り付き(ブロッキング)が発生したか否かを目視にて確認した。
評価用サンプルの透明性は、ヘイズを指標として評価した。ヘイズは、JIS K 7105に準拠し、ヘイズメーター(NDH2000、日本電色工業株式会社)を用いて測定した。ヘイズが0.8%以下の場合に、透明性が高いと評価した。
ABHC層表面の濡れ性は、ダインペン(acrotest社)を用いて評価した。ABHC層の表面にダインペンで試薬を塗布し、塗布から5秒経過後に試薬がはじかれない上限のダイン値を評価値とした。
2 画像表示パネル
3 タッチパネル
4 バックライト
5 偏光板
6 液晶パネル
7 偏光板
8 接着層
9a、9b 透明導電フィルム
10 接着層
11 接着層
12 カバーガラス
20 透明基材
21 インデックスマッチング層(IM層)
22 透明電極層
23 アンチブロッキングハードコート層(ABHC層)
Claims (5)
- 透明基材の一方面側に少なくとも透明電極層を有し、他方面側にアンチブロッキングハードコート層を有する透明導電フィルムであって、
ISO 25178に準拠して測定される、前記アンチブロッキングハードコート層の表面の算術平均高さSaの値が1〜7nmであり、
前記アンチブロッキングハードコート層の表面に存在する凹凸の平均面からの高さが5nm以上である凸部の数が、1mm2あたり600個以上であり、
前記平均面からの高さが5nm以上である凸部のうち、前記平均面からの高さが5〜50nmかつ前記平均面上の面積が20〜200μm2である凸部の占める割合が30%以上であり、
前記平均面からの高さが5nm以上である凸部のうち、前記平均面からの高さが50nm以上かつ前記平均面上の面積が200μm2以上である凸部の占める割合が0.8%以下であり、
前記アンチブロッキングハードコート層の表面のダイン値が38dyne/cm以上であることを特徴とする、透明導電フィルム。 - 前記アンチブロッキングハードコート層は、バインダーと表面修飾基とを有するシリカフィラーとを含有し、
前記バインダーの繰り返し構造が、ウレタン結合、ヒドロキシル基、芳香環、アミン、カルボキシル基、リン酸エステルからなる群から選ばれる1種類以上を有し、
前記シリカフィラーの表面修飾基が、アルキル基、エーテル結合、ヒドロキシル基からなる群から選ばれる1種類以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の透明導電フィルム。 - 請求項1または2に記載の透明導電フィルムを含む、タッチパネル。
- 透明基材の一方面側に少なくとも透明電極層を有し、他方面側にアンチブロッキングハードコート層を有する透明導電フィルムの製造方法であって、
少なくとも光硬化性樹脂及びフィラーを含むアンチブロッキングハードコート層形成用塗液を被塗布面に塗布して塗膜を形成する工程と、
形成したアンチブロッキングハードコート層形成用塗液の塗膜を光硬化させる工程とを含み、
前記アンチブロッキングハードコート層形成用塗液の塗膜を光硬化させる工程において、酸素濃度が0.5〜5%の雰囲気下で塗膜に光を照射することを特徴とする、透明導電フィルムの製造方法。 - 前記アンチブロッキングハードコート層形成用塗液の塗膜を光硬化させた硬化膜に、コロナ処理、大気圧プラズマ処理、エキシマUV処理のいずれかによる表面改質処理を施す工程を更に備える、請求項4に記載の透明導電フィルムの製造方法。
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JP7506520B2 (ja) | 2020-05-14 | 2024-06-26 | 株式会社トッパンTomoegawaオプティカルフィルム | 光学フィルム |
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