JP2016071001A - 反射防止フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】反射防止フィルムの色味ムラの改善効果に優れるとともに、反射防止層の耐擦傷性に優れる反射防止フィルムを提供する。
【解決手段】透明フィルム基材上に、電離放射線硬化型樹脂及び表面調整剤を含有するハードコート層、フッ素系樹脂を含有する反射防止層をこの順に積層してなる反射防止フィルムである。上記表面調整剤として、アクリルコポリマーとポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの2種類を併用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明フィルム基材上に、ハードコート層、反射防止層をこの順に積層してなる反射防止フィルムに関する。
近年、マルチメディアの進展とともに、携帯末端機、ノートパソコン、大型テレビなどの普及には目覚しいものがある。これらの機器には画像表示装置(ディスプレイ装置)が組み込まれているため、見易さ(視認性)が第一の機能として要求されているが、実際の使用にあたっては、背景が画像表示部(画面)に映り込んでしまうため、画面が見づらくなるといった状況が多々発生する。このため、視認性低減の原因となっている画面の表面反射を抑制する工夫がなされてきている。たとえば下記特許文献1には表面に光の厚さ程度の厚みからなるフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂の薄膜を形成し、光の干渉効果により反射率を低減する反射防止処理が開示されている。
特開2010−286657号公報
一般的にハードコート層の上に反射防止層を積層する場合、ハードコート層を塗工する際に用いる表面調整剤に反射防止層のリコート性に良いアクリル系共重合物を用いることがよいとされているが、アクリル系表面調整剤を使用した場合は、レベリング作用があまり得られず均一なハードコート層が得られないため、色味ムラが発生するという問題がある。一方、シロキサン系表面調整剤やフッ素系表面調整剤を使用した場合には、レベリング作用が大きく均一なハードコート層が得られるものの、反射防止層にブリードアウトしやすく反射防止層の表面に非硬化成分が多くなるため、ハードコート層に積層した反射防止層の耐擦傷性が低下するという問題が発生する。
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、反射防止フィルムの色味ムラの改善効果に優れるとともに、反射防止層の耐擦傷性に優れる反射防止フィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を有する第1の発明乃至第4の発明を提供するものである。
(第1の発明)
透明フィルム基材上に、電離放射線硬化型樹脂及び表面調整剤を含有するハードコート層、フッ素系樹脂を含有する反射防止層をこの順に積層してなる反射防止フィルムにおいて、前記表面調整剤として、アクリルコポリマー及びポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを含有することを特徴とする反射防止フィルム。
(第2の発明)
第1の発明において、前記ハードコート層に含有される前記アクリルコポリマーの添加率が、前記ハードコート層の全固形分に対して0.08重量%以上0.8重量%以下であり、且つ前記ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの添加率が、前記ハードコート層の全固形分に対して0.03重量%以上0.9重量%以下であることを特徴とする反射防止フィルム。
(第3の発明)
第1又は第2の発明において、前記ハードコート層に含有される前記アクリルコポリマーと前記ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの重量比が、アクリルコポリマー:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン=80/20〜20/80であることを特徴とする反射防止フィルム。
(第4の発明)
第1乃至第3のいずれかの発明において、前記アクリルコポリマーは、フッ素を含有するアクリルコポリマーであることを特徴とする反射防止フィルム。
本発明によれば、ハードコート層に含有する表面調整剤として、アクリルコポリマー及びポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを併用することで、反射防止フィルムの色味ムラの改善効果に優れるとともに、反射防止層の耐擦傷性に優れる反射防止フィルムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の反射防止フィルムは、上記のとおり、透明フィルム基材上に、電離放射線硬化型樹脂及び表面調整剤を含有するハードコート層、フッ素系樹脂を含有する反射防止層をこの順に積層してなる反射防止フィルムにおいて、前記表面調整剤として、アクリルコポリマー及びポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを含有することを特徴とするものである。
また、本発明の反射防止フィルムにおいては、前記ハードコート層に含有される前記アクリルコポリマーの添加率が、前記ハードコート層の全固形分に対して0.08重量%以上0.8重量%以下であり、且つ前記ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの添加率が、前記ハードコート層の全固形分に対して0.03重量%以上0.9重量%以下であることが好ましい。
また、本発明の反射防止フィルムにおいては、前記ハードコート層に含有される前記アクリルコポリマーと前記ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの重量比が、アクリルコポリマー:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン=80/20〜20/80であることが好ましい。
また、本発明の反射防止フィルムにおいては、前記アクリルコポリマーは、フッ素を含有するアクリルコポリマーであることが好ましい。
以下、詳しく説明する。
(透明フィルム基材)
本発明に用いることのできる透明フィルム基材は、特に限定はないが、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET;屈折率1.665)、ポリカーボネートフィルム(PC;屈折率1.582)、トリアセチルセルロースフィルム(TAC;屈折率1.485)、ノルボルネンフィルム(NB;屈折率1.525)などが使用でき、フィルム厚さも特に制限はないが、25μm〜250μm程度が汎用的に使用されている。一般的な、電離放射線硬化樹脂の屈折率は、1.52程度であるので、視認性を高くするためには前記樹脂の屈折率に近いTACフィルム、NBフィルムが好ましく、また、経済性及び流通量の点ではPETフィルムが好ましい。
(ハードコート層)
本発明のハードコート層に用いる樹脂は、被膜を形成する樹脂であれば特に制限なく用いることができるが、特にハードコート層表面にハード性(鉛筆硬度、耐擦傷性)を付与し、またハードコート層形成時に多量の熱を必要としないという点で、電離放射線硬化型樹脂が好ましいため、本発明ではこの電離放射線硬化型樹脂を用いる。
本発明に用いる電離放射線硬化型樹脂は、電子線または紫外線等を照射することによって硬化する透明な樹脂であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ウレタンアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、及びエポキシアクリレート系樹脂等の中から適宜選択することができる。これらの中で電離放射線硬化型樹脂として好ましいものは、透明フィルム基材との良好な密着性を得るために分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化可能な多官能アクリレートからなるものが挙げられる。分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化可能な多官能アクリレートの具体例としては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールポリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルのジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリレートなどのエポキシ(メタ)アクリレート、多価アルコールと多価カルボン酸及び/またはその無水物とアクリル酸とをエステル化することによって得ることができるポリエステル(メタ)アクリレート、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させることによって得られるウレタン(メタ)アクリレート、ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
上記の紫外線硬化可能な多官能アクリレートは単独または2種以上混合して用いてもよく、その含有量はハードコート層用塗料の樹脂固形分に対して、好ましくは50〜95重量%である。なお、上記の多官能(メタ)アクリレートの他に、ハードコート層用塗料の樹脂固形分に対して、好ましくは10重量%以下の2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の単官能アクリレートを添加することもできる。
本発明において、上記多官能アクリルモノマーなどの紫外線硬化型樹脂を硬化させる方法としては、紫外線を照射させる方法を用いることができる。この方法を用いる場合には、前記紫外線硬化型樹脂に光重合開始剤を添加することが好ましい。光重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾイルメチルエーテル、ベンゾイルエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ジベンジル、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン化合物などを用いることができる。中でも、表面硬化性の高い2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オンが望ましい。
本発明においては、上記ハードコート層に含む表面調整剤として、アクリルコポリマー及びポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの2種類を含有することを特徴としている。
本発明において、上記アクリルコポリマーとは、アクリル酸、メタアクリル酸もしくはアクリル酸又はメタアクリル酸を構造体中に少なくとも含む誘導体と共重合してなる共重合体のことを指し、添加した塗料の表面張力に影響を及ぼすものをいう。ここでアクリル酸又はメタクリル酸を構造体に含む誘導体とは、アクリル酸又はメタアクリル酸と共重合できる単量体で構成されるものであればよく、そのようなものとしてはマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのハーフエステルやジエステル類、上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのハーフアミドやジアミド類、上記アルコールまたはアミンに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン酸類とのハーフエステルやジエステル類、上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数2〜18のグリコールまたはこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフエステルやジエステル類、マレアミド酸と炭素原子数2〜18のグリコールまたはこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフアミド類等が例示される。
また、本発明においては、上記アクリルコポリマーは、特にフッ素を含有するアクリルコポリマーであることが好ましい。このフッ素を含有するアクリルコポリマーとは、例えばパーフルオロ基等のフッ素原子を有するアクリル酸、メタクリル酸もしくはこれらの誘導体の共重合体のことである。フッ素を含有するアクリルコポリマーを用いることにより、反射防止層の耐擦傷性低下を防止する効果が高く、また防汚性などの効果を得ることができる。
本発明に用いる上記アクリルコポリマー及びフッ素を含有するアクリルコポリマーとしては、たとえば市販されているBYK−315、BYK−350、BYK−354、BYK−3440(以上、ビッグ・ケミー・ジャパン株式会社製、いずれも商品名。)、LF1980、LF1984(以上、楠本化成株式会社製、いずれも商品名。)などが具体的に挙げられる。
また、本発明おいて、上記ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとは、有機変性基及びシリコーン骨格の繰り返しユニットを有するポリシロキサンであって、該有機変性基がポリエーテル鎖で構成されるジメチルシロキサンの重合体である。
本発明に用いる上記ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとしては、たとえば市販されているBYK−333、BYK−UV3500、BYK−UV3510(以上、ビッグ・ケミー・ジャパン株式会社製、いずれも商品名。)などが具体的に挙げられる。
本発明では、上記ハードコート層に含む表面調整剤として、上記アクリルコポリマー及びポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの2種類を併用することにより、反射防止フィルムの色味ムラの改善効果に優れるとともに、反射防止層の耐擦傷性に優れる反射防止フィルムとなる。
本発明の反射防止フィルムがこのような優れた効果を発現する理由は、以下のように推測される。
すなわち、アクリルコポリマーは、ハードコート層から反射防止層へのブリードアウト(浮き上がり)が少なく耐擦傷性を低下させ難いが、色味ムラを改善する効果は低く適さなかった。一方ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンは、単独で色味ムラの改善効果が高いが、反射防止層にブリードアウトしやすく反射防止層の表面に非硬化成分が多くなるため耐擦傷性が低下しやすい。しかしこれらを併用することにより、配合されるアクリルコポリマーがポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンに対し阻害的な効果、つまりポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンのブリードアウトを阻害ないしは抑制する効果を示し、その結果ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンのブリードアウトが減少するため、色味ムラの改善効果の高いポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを使用しても反射防止層の耐擦傷性が維持できると考えられる。
このような本発明の優れた効果は、上記アクリルコポリマー及びポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの2種類を併用することにより得られる特異的な相乗効果である。たとえば、後述の比較例3に示すように、表面調整剤として、たとえばフッ素を含有するアクリルコポリマーとアラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサンの2種類を併用しても本発明のような相乗効果はまったく得られず、色味ムラはある程度改善されるものの、反射防止層の耐擦傷性の低下が大きい。
本発明における上記アクリルコポリマーの添加率は、ハードコート層の全固形分に対して0.08重量%以上0.8重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.15重量%以上0.25重量%以下である。また上記ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの添加率は、ハードコート層の全固形分に対して0.03重量%以上0.9重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05重量%以上0.1重量%以下である。上記アクリルコポリマーとポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンをそれぞれ上記の範囲で添加することにより、色味ムラの改善効果が大きく、反射防止層の耐擦傷性にも優れる反射防止フィルムが得られる。
また、上記ハードコート層に含有されるアクリルコポリマーとポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの重量比は、アクリルコポリマー:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン=80/20〜20/80であることが好ましい。ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの配合率が20重量部を下回ると、色味ムラの改善効果が薄れ、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの配合率が80重量部を超えると反射防止層の耐擦傷性が低下する。
なお、本発明において、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記アクリルコポリマー及びポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン以外に、例えばポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等の他の表面調整剤を併用することができる。
本発明において、上記ハードコート層は、本発明の効果を阻害しない範囲で、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、湿潤分散剤、レオロジーコントロール剤、酸化防止剤、防汚剤、帯電防止剤、導電剤、防眩効果を現す微粒子などを必要に応じて含有してもよい。
本発明において、上記ハードコート層は、上記電離放射線硬化型樹脂と表面調整剤等を溶剤に溶解した塗料を透明フィルム上に塗工乾燥して形成することができる。溶媒としては、樹脂の溶解性に応じて適宜選択でき、少なくとも固形分(樹脂、触媒、硬化剤、表面調整剤、その他添加剤) を均一に溶解できる溶媒であればよい。そのような溶媒としては、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等) 、エステル類( 酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類、アミド類などが例示できる。また、溶媒は単独で使用しても混合して使用してもよい。
また、ハードコート層の積層(塗工)方法については特に限定しないが、グラビア塗工、マイクログラビア塗工、バー塗工、スライドダイ塗工、スロットダイ塗工、ディップコートなど、塗膜厚さの調整が容易な方式で塗工が可能である。
本発明の反射防止フィルムにおいて、上記ハードコート層の膜厚は特に限定されるものではないが、好ましくは1μm〜20μm、より好ましくは1μm〜15μm、更に好ましくは1μm〜10μmである。
ハードコート層の膜厚が20μmを超える場合、電離放射線硬化型樹脂の硬化収縮により反射防止フィルムのカールが大きくなりすぎてしまい、ロール巻取り中にシワやヨレ等が発生しやすく製造工程等での取り回し扱い性が低下する。またハードコート層の膜厚が1μm未満である場合、ハードコート層は十分なハード性を有さず、ハードコート層の機能を満たさない恐れがある。
また、フィルム基材上に塗布したハードコート層を硬化させる電離放射線(電子線若しくは紫外線)の照射条件等は、使用する電子線硬化型樹脂の種類、その他添加する各種薬品にあわせて適宜調整すればよい。
(反射防止層)
本発明のフッ素系樹脂を含有する反射防止層とするためには、電子線または紫外線等を照射することによって硬化する、たとえば少なくとも1個の重合性の不飽和二重結合と、少なくとも1個のフッ素原子を有する化合物を含有することが好ましく、その具体例としては、例えば(1)テトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、3,3,3−トリフロロプロピレン、クロロトリフロロエチレンなどのフロロオレフィン類;(2)アルキルパーフロロビニルエーテル類もしくはアルコキシアルキルパーフロロビニルエーテル類;(3)パーフロロ(メチルビニルエーテル)、パーフロロ(エチルビニルエーテル)、パーフロロ(プロピルビニルエーテル)、パーフロロ(ブチルビニルエーテル)、パーフロロ(イソブチルビニルエーテル)などのパーフロロ(アルキルビニルエーテル)類;(4)パーフロロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)などのパーフロロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類;(5)トリフロロエチル(メタ)アクリレート、テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフロロデシル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メタ)アクリレート類;その他を挙げることができる。これらの化合物は、単独で、または2種以上を併用することができる。具体的な商品としては、反射防止膜形成用塗料としてJSR社から上市されているオプスターTU2205(商品名)などを挙げることができる。
反射防止フィルムとして、良好な反射防止機能を得るためにはハードコート層との屈折率差の大きい、屈折率1.42以下の低屈折を示す樹脂を用いることが良く、好ましくは反射率1.40以下であり、特に好ましいのが1.38以下の樹脂となる。フッ素系樹脂では1.35〜1.38の屈折率を示すため、良好な反射防止機能を得るために用いることが好ましい。また、フッ素系樹脂は、ハードコート層との密着性、防汚性においても良好である。
本発明において、上記フッ素系樹脂を硬化させる方法としては、紫外線を照射させる方法を用いることができる。この方法を用いる場合には、フッ素系樹脂に光重合開始剤を添加することが好ましい。光重合開始剤の具体例としては、前記のハードコート層に用いたものと同様である。
本発明の反射防止層には、その効果を阻害しない範囲において、上記の電離放射線硬化型樹脂、有機粒子、無機粒子、レベリング剤、消泡剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、湿潤分散剤、レオロジーコントロール剤、酸化防止剤、防汚剤、帯電防止剤、導電剤などを必要に応じて含有してもよい。
本発明の反射防止層の厚さは、通常80〜120nm程度であるが、特に限定されるものではなく、反射防止フィルムの使用される用途によって適宜調整することが望ましい。例えば、反射率・色相が重視される用途では80〜100nmに調整されることが一般的であり、色相よりも反射率が重視される用途では90〜120nmに調整されることが一般的である。
上記反射防止層は、上記フッ素系樹脂、重合開始剤等を溶剤に溶解した塗料をハードコート層上に塗工乾燥して形成することができる。
本発明の反射防止層をハードコート層上に積層するにあたって、上記のハードコート層を積層する場合と同様の塗工方法及び塗工装置を使用することができる。それぞれの塗工装置に適した粘度及び濃度になるように、有機溶媒を用いて任意の塗料濃度(固形分濃度)にすることが好ましい。希釈する有機溶剤の種類は特に限定されるものではないが、極性の高いフッ素樹脂との相溶性の点からケトン類、アルコール類が好ましく、更に塗工性の点からアルコール類を使用することがより好ましい。なお、アルコール類の中でも、tert-ブチルアルコール(2-メチルプロパン-2-オール)を使用することが、相溶性及び塗工性の点から特に好ましい。
また、ハードコート層上に塗布した反射防止層を硬化させる紫外線等の照射条件は、使用するフッ素系樹脂の種類、その他添加する各種薬品にあわせて適宜調整すればよい。
以上説明したように、本発明の反射防止フィルムによれば、反射防止フィルムの色味ムラの改善効果に優れるとともに、反射防止層の耐擦傷性に優れる反射防止フィルムが得られる。
以下、本発明の実施の形態を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜10、比較例1〜3]
<ハードコート層の積層>
トルエン44.4gに、ウレタンアクリル系紫外線硬化樹脂U−10HA(新中村化学(株)社製)44gと光重合開始剤イルガキュア−184(BASF(株)社製)を適量添加し、表1又は表2(後記)に記載の添加率(ハードコート層全固形分に対する)、配合比で表面調整剤を配合した塗液を作製し、80μm厚さのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムにマイヤーバーを用いて塗工し、80℃で1分間乾燥させ溶剤を揮発後、積算光量300mJ/cm2の紫外線照射による硬化を行い、5μm厚のハードコート層を積層した。
<反射防止層の積層>
tert−ブチルアルコール72g、反射防止層形成用塗料オプスターTU2276(フッ素系樹脂、JSR(株)社製、屈折率1.35)28gを添加し十分攪拌して反射防止層形成用塗料を作製した。この塗料を上記で得られたハードコート層上にマイヤーバーを用いて塗工し、80℃で1分間乾燥後、窒素雰囲気下で200mJ/cm2の紫外線を照射して硬化を行い、約0.1μmの反射防止層を得た。
以上のようにして実施例1〜10および比較例1〜3の反射防止フィルムを作製した。
なお、表1及び表2に記載の表面調整剤(商品名:BYK−枝番号)は、いずれもビッグ・ケミー・ジャパン(株)製である。
得られた各反射防止フィルムに対して以下の試験を行い、その結果を纏めて表1(実施例)及び表2(比較例)に示した。
[評価項目]
(1)色味ムラ
塗工反対面に黒色のビニールテープ(日東ビニールテープ、PROSELFNo.21(幅広))を貼り、塗工面を観測者側にしてフィルム表面に白色蛍光灯を写りこませた状態にて、白色蛍光灯を見たときに、塗工面の色味ムラを目視で評価した。色味にムラがあるものを「×」、色味にわずかにムラがあるものを「△」、3波長型蛍光灯下で見たときに色味にわずかにムラがあるものを「○」、色味にムラが無いものを「◎」とした。
(2)耐擦傷性
テスター産業(株)の学振型摩擦堅牢度試験機「AB-301」を用い、スチールウール(ボンスター♯0000)に265gf/cm2の荷重を掛け、擦り傷の本数にて評価した。
◎:傷がみられない。
○:浅い傷は若干みられるが、大きいものはみられない。
△:傷が若干発生する。
×:傷が発生する。
Figure 2016071001
Figure 2016071001
上記表1の結果から、ハードコート層に含まれる表面調整剤として、アクリルコポリマーとポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの2種類を併用する本発明の実施例に係る反射防止フィルムでは、色味ムラの改善効果に優れるとともに、反射防止層の耐擦傷性に優れる反射防止フィルムが得られた。
なお、アクリルコポリマーとポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの配合比は好ましい範囲内であるが、各々の添加率が好ましい範囲よりも多い実施例6においては、耐擦傷性の低下が見られ、各々の添加率が好ましい範囲よりも少ない実施例7においては、色味ムラの改善効果が低い。また、アクリルコポリマーとポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの添加率はいずれも好ましい範囲内であるが、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの配合率が好ましい範囲を下回る実施例8においては、色味ムラの改善効果が低く、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの配合率が好ましい範囲を超える実施例9においては、耐擦傷性の低下が見られる。
本発明においては、アクリルコポリマーの添加率が0.08重量%以上0.8重量%以下であり、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの添加率が0.03重量%以上0.9重量%以下であることが好ましい。
また、アクリルコポリマーとポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの配合比(重量比)が、アクリルコポリマー:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン=80/20〜20/80であることが好ましい。
また、アクリルコポリマーとして、フッ素を含有するアクリルコポリマーを用いた実施例10では、特に反射防止層の耐擦傷性に優れていた。
一方、上記表2の結果から、表面調整剤としてアクリルコポリマーを単独で用いた比較例1では、耐擦傷性は得られたものの、色味ムラの改善効果が得られなかった。また、表面調整剤としてポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを単独で用いた比較例2では、色味ムラの改善効果は十分に得られたものの、耐擦傷性は低下してしまった。また、表面調整剤として、本発明のフッ素を含有するアクリルコポリマーと、本発明とは異なる種類のアラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサンの2種類を併用した比較例3では、色味ムラは改善されるものの、反射防止層の耐擦傷性の低下が大きい。

Claims (4)

  1. 透明フィルム基材上に、電離放射線硬化型樹脂及び表面調整剤を含有するハードコート層、フッ素系樹脂を含有する反射防止層をこの順に積層してなる反射防止フィルムにおいて、
    前記表面調整剤として、アクリルコポリマー及びポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを含有することを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 前記ハードコート層に含有される前記アクリルコポリマーの添加率が、前記ハードコート層の全固形分に対して0.08重量%以上0.8重量%以下であり、且つ前記ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの添加率が、前記ハードコート層の全固形分に対して0.03重量%以上0.9重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 前記ハードコート層に含有される前記アクリルコポリマーと前記ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの重量比が、アクリルコポリマー:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン=80/20〜20/80であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
  4. 前記アクリルコポリマーは、フッ素を含有するアクリルコポリマーであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
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