JPWO2016043332A1 - トラフ着脱機構を備える振動搬送装置ならびに組合せ計量装置 - Google Patents

トラフ着脱機構を備える振動搬送装置ならびに組合せ計量装置 Download PDF

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Abstract

振動搬送装置(10)は、上流側から下流側へ物品を搬送するトラフ(20)と、トラフ(20)を振動させる加振機(30)と、トラフ(20)と加振機(30)を着脱する着脱機構(40)を備える。着脱機構(40)は、トラフ側着脱部材(50)と、加振機側着脱部材(70)と、レバー(65)を有する。トラフ側着脱部材(50)は、トラフ底板(21)に固定され、上流側に配置された突出部(55)と下流側に配置された偏心カム(66)を有する。加振機側着脱部材(70)は、加振機(30)に固定され、上流側に配置された突出部(72)と下流側に配置された曲げ部(73)を有する。レバー(65)は、上下に動かされることによって、トラフ側着脱部材(50)および加振機側着脱部材(70)が相互に固着している固着状態と、相互に脱離している脱離状態とを切り替える。

Description

本発明は、トラフ着脱機構を備える振動搬送装置に関する。
振動搬送装置は、トラフに振動を印加することにより、トラフ上の搬送対象物を搬送する。搬送対象物は、例えばポテトチップスなどのような小片または粒状物の集合体である。このような振動搬送装置は、食品工場に設置される組合せ計量機などに搭載される。
特許文献1(特開平7−285637)は、従来の振動搬送装置を開示している。この振動搬送装置は、トラフと、加振機と、トラフと加振機を相互に固定するための締め付けリングを有する。食品を扱う振動搬送装置は定期的に清掃を受ける必要があるので、トラフと加振機が着脱可能に設計されている。具体的には、トラフと振動機はいずれも平坦なディスク状部材を有しており、締め付けリングはそれらを重ね合わせた状態で固定する。締め付けリングは、2つのディスク状部材の全周を締め付け、自身の持つテーパ構造によってそれらを互いに押圧させることによって固定を行う。
装置を生産する工程においては、概して部品の形状にある程度のばらつきが生じる。ディスク状部材については、平坦さ、円周の真円度などが変動しうる。2つのディスク状部材を締め付ける場合、この変動のせいで締め付け力が全周の各部において不均等になる。このため、トラフの加振機への取り付けにおいて、位置ずれ、回転、傾き、および、2つのディスク状部材の密着度の悪化が生じ、ひいては、搬送対象物の適切な搬送が阻害される。
本発明の課題は、トラフの取り付け配置精度を向上させ、搬送対象物を適切に搬送することである。
本発明の第1観点に係る振動搬送装置は、トラフと、加振機と、着脱機構と、を備える。トラフは、上流側から下流側へ物品を搬送する。加振機は、トラフを振動させる。着脱機構は、トラフと加振機とを着脱する。着脱機構は、トラフ側着脱部材と、加振機側着脱部材と、レバーと、を有する。トラフ側着脱部材は、トラフに固定されている。トラフ側着脱部材は、上流側に配置されたトラフ側上流係合部および下流側に配置されたトラフ側下流係合部を有する。加振機側着脱部材は、加振機に固定されている。加振機側着脱部材は、上流側に配置された加振機側上流係合部および下流側に配置された加振機側下流係合部を有する。レバーは、上下に動かされることによって、固着状態と脱離状態を切り替える。固着状態では、トラフ側着脱部材および加振機側着脱部材が相互に固着している。脱離状態では、トラフ側着脱部材および加振機側着脱部材が相互から脱離している。トラフ側上流係合部および加振機側上流係合部は、互いに係合することによって、上流着脱係合部を構成する。トラフ側下流係合部および加振機側下流係合部は、互いに係合することによって、下流着脱係合部を構成する。
この構成によれば、トラフ側着脱部材および加振機側着脱部材は、上流着脱係合部と下流着脱係合部の2箇所において固定される。したがって、トラフの取り付けにおける配置精度が向上し、搬送対象物が適切に搬送される。
本発明の第2観点に係る振動搬送装置は、第1観点に係る振動搬送装置において、引っ張り部材をさらに備える。引っ張り部材は、上流着脱係合部および下流着脱係合部を結ぶ方向に延び、かつ、レバーに連結する。
この構成によれば、固着状態において、レバーが引っ張り部材に及ぼす引張り力によって、トラフ側着脱部材と加振機側着脱部材が相互に圧力を及ぼし合う。この結果、トラフの回転や傾きがより抑制される。
本発明の第3観点に係る振動搬送装置は、第1観点または第2観点に係る振動搬送装置において、トラフ側着脱部材および加振機側着脱部材のうち、一方は、凹面を有する凹面部材である。トラフ側着脱部材および加振機側着脱部材のうち、他方は、着脱時に凹面に摺動する摺動部を有する。摺動部は、トラフ側上流係合部、加振機側上流係合部、トラフ側下流係合部、および、加振機側下流係合部のいずれかである。
この構成によれば、ユーザは、摺動部を摺動させるためのガイドとして凹面を利用することによって、トラフを加振機に容易に取り付けることができる。
本発明の第4観点に係る振動搬送装置は、第3観点に係る振動搬送装置において、凹面部材が、摺動部を収容するための収容部を有する。
この構成によれば、ユーザは、目視によって着脱機構の状態を正確に把握しなくとも、トラフ側着脱部材と加振機側着脱部材を容易に係合させることができる。
本発明の第5観点に係る振動搬送装置は、第1観点から第4観点のいずれか1つに係る振動搬送装置において、レバーが下に動かされることにより、脱離状態を固着状態へ切り替える。
この構成によれば、ユーザがトラフを加振機に取り付ける際、自身の体重を利用してレバーに下に動かすことができる。その結果、ユーザにとってトラフの取り付けがしやすくなる。
本発明の第6観点に係る振動搬送装置は、第1観点から第5観点のいずれか1つに係る振動搬送装置において、レバーが、加振機よりも下流側に配置されている。
この構成によれば、加振機よりも搬送方向の下流側にある広いスペースに、レバーが設けられる。その結果、ユーザがレバーの操作を行う際、ユーザの腕は広いスペースの中を動くので、振動搬送装置はユーザにとって操作しやすい。
本発明の第7観点に係る振動搬送装置は、第1観点から第6観点のいずれか1つに係る振動搬送装置において、トラフ側着脱部材および加振機側着脱部材のうち、一方は、3つの突起を有しており、他方は、平坦部を有している。
この構成によれば、固着状態において、3つの突起が平坦部を3点で支持する。これにより、当該3点が一義的に平面を決定するので、平坦部の姿勢が安定する。
本発明の第8観点に係る振動搬送装置は、第1観点から第7観点のいずれか1つに係る振動搬送装置において、レバーに、偏心カムが形成されている。
この構成によれば、レバーはその姿勢に応じて、固着状態か脱離状態のいずれかに付勢される。その結果、固着状態または脱離状態が安定する。
本発明の第9観点に係る振動搬送装置は、第1観点に係る振動搬送装置において、弾性部材をさらに有する。弾性部材は、レバーを、レバーの位置に応じて上下のいずれかに付勢する。
この構成によれば、固着状態を作り出す力は弾性部材から生じている。したがって、可動部材のポジションを調整するための調整機構などを必要としない。
本発明の第10観点に係る振動搬送装置は、第9観点に係る振動搬送装置において、弾性部材が、曲がりを有する線状部材である。
この構成によれば、弾性部材の曲がりの角度が変化することによって、レバーの付勢力が生じるので、着脱機構の構成が単純である。
本発明の第11観点に係る振動搬送装置は、第10観点に係る振動搬送装置において、レバーが、物品搬送中心線に配置される。曲がりは、第1曲がり部と第2曲がり部とを有する。第1曲がり部および第2曲がり部は、物品搬送中心線の両側に配置されている。
この構成によれば、レバーに対して対称な付勢力がレバーに加わる。したがって、安定した固着状態がつくられる。
本発明の第12観点に係る振動搬送装置は、第10観点または第11観点に係る振動搬送装置において、曲がりが、平面視において直線であるとともに、側面視において曲がっている。
この構成によれば、弾性部材は平面視において横方向に張り出さない。したがって、弾性部材の他の部品との接触や干渉が抑制されるので、トラフの着脱がしやすい。
本発明の第13観点に係る振動搬送装置は、第9観点から第12観点のいずれか1つに係る振動搬送装置において、弾性部材およびレバーが、トラフ側着脱部材に取り付けられている。
この構成によれば、弾性部材およびレバーが、トラフと一緒に取り外されるので、装置や部品の清掃がしやすい。さらに、弾性部材およびレバーが異物として搬送中の物品の中に混入してしまうことが抑制される。
本発明の第14観点に係る振動搬送装置は、第9観点から第13観点のいずれか1つに係る振動搬送装置において、固着状態では、トラフ側着脱部材が、上流着脱係合部および下流着脱係合部において、加振機側着脱部材に押さえつけられる。
この構成によれば、固着状態において、上流側と下流側の2箇所において、トラフ側着脱部材と加振機側着脱部材が相互に圧力を及ぼし合う。この結果、トラフの回転や傾きがより抑制される。
本発明の第15観点に係る振動搬送装置は、第9観点から第14観点のいずれか1つに係る振動搬送装置において、トラフ側着脱部材および加振機側着脱部材のうち、一方が、凹面を有する凹面部材である。トラフ側着脱部材および加振機側着脱部材のうち、他方が、着脱時に凹面に摺動する摺動部を有する。摺動部は、トラフ側上流係合部、加振機側上流係合部、トラフ側下流係合部、および、加振機側下流係合部のいずれかである。
この構成によれば、ユーザは、摺動部を摺動させるためのガイドとして凹面を利用することによって、トラフを加振機に容易に取り付けることができる。
本発明の第16観点に係る振動搬送装置は、第15観点に係る振動搬送装置において、凹面部材が、摺動部を収容するための穴を有する。
この構成によれば、ユーザは、目視によって着脱機構の状態を正確に把握しなくとも、トラフ側着脱部材と加振機側着脱部材を容易に係合させることができる。
本発明の第17観点に係る振動搬送装置は、第9観点から第16観点のいずれか1つに係る振動搬送装置において、レバーが下に動かされることにより、脱離状態を固着状態へ切り替える。
この構成によれば、ユーザがトラフを加振機に取り付ける際、自身の体重を利用してレバーに下に動かすことができる。その結果、ユーザにとってトラフの取り付けがしやすくなる。
本発明の第18観点に係る振動搬送装置は、第9観点から第17観点のいずれか1つに係る振動搬送装置において、トラフ側着脱部材および加振機側着脱部材のうち、一方が、3つの突起を有している。トラフ側着脱部材および加振機側着脱部材のうち、他方が、平坦部を有している。
この構成によれば、固着状態において、3つの突起が平坦部を3点で支持する。これにより、当該3点が一義的に平面を決定するので、平坦部の姿勢が安定する。
本発明の第19観点に係る組合せ計量装置は、振動搬送装置を複数備える。当該複数の振動搬送装置のそれぞれは、第1観点から第18観点のいずれか1つに係る振動搬送装置である。
この構成によれば、トラフの加振機に対する位置ずれが起こりにくい組合せ計量装置が提供される。
本発明に係る振動搬送装置または組合せ計量装置によれば、トラフの取り付け配置精度が向上し、搬送対象物が適切に搬送される。
本発明の第1実施形態に係る振動搬送装置の側面図である。 本発明の第1実施形態に係る振動搬送装置のトラフの斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る振動搬送装置のトラフ側着脱部材の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る振動搬送装置の加振機側着脱部材の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る振動搬送装置のトラフ着脱機構の側面図である。 本発明の第1実施形態に係る振動搬送装置のトラフ着脱機構の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る振動搬送装置の第1変形例1Aに係る加振機側着脱部材の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る振動搬送装置の第2変形例1Bに係る加振機側着脱部材の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る振動搬送装置のトラフ側着脱部材の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る振動搬送装置の加振機側着脱部材の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る振動搬送装置のトラフ着脱機構の側面図である。 本発明の第2実施形態に係る振動搬送装置のトラフ着脱機構の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る組合せ計量装置を示す模式図である。
<第1実施形態>
(1)全体構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る振動搬送装置10の外観を示す側面図である。振動搬送装置10は、トラフ20と、加振機30と、着脱機構40と、を有する。トラフ20と加振機30は、着脱機構40を介して互いに固定されている。
(2)詳細構成
以下に、振動搬送装置10の各要素について説明する。
(2−1)トラフ20
図1に示すトラフ20は、その上に載せられた物品を搬送方向Fへ移動させる搬送路である。トラフ20の底面には、トラフ底板21が設けられている。
図2に示すように、トラフ20は、搬送方向Fから見たときにU型になるような形状を有する。
(2−2)加振機30
図1に示す加振機30は、電磁石31を有している。電磁石31は、板バネ32を通じて、振動部33を振動方向Vに沿って往復するように振動させる。振動部33には、支持部材34が固定されている。
(2−3)着脱機構40
図1に示す着脱機構40は、トラフ側着脱部材50と、加振機側着脱部材70を有している。
(2−3−1)トラフ側着脱部材50
図2に示すように、トラフ側着脱部材50は、ネジ、ボルト、リベット、溶接、その他の手段により、トラフ底板21に固定されている。
図3は、トラフ側着脱部材50の斜視図である。本図に示すように、トラフ側着脱部材50は、平面視において楕円形の本体部51を有する。本体部51は、高い位置にある第1平坦部52、低い位置にある第2平坦部53、第1平坦部と第2平坦部をつなぐ傾斜部54、および、収容部56が形成された突出部55を有する。トラフ側着脱部材50は、さらに、ネジ穴61が形成された第1棒材60、ネジ穴63が形成された第2棒材62、ネジ穴61およびネジ穴63に螺合するネジ64、および、第2棒材62に回動可能に取り付けられたレバー65を有している。レバー65には、偏心カム66およびタブ67が形成されている。
ネジ64は、第1棒材60と第2棒材62との距離を調節する調節機構であり、これを回転させることによって、固着状態においてトラフ側着脱部材50と加振機側着脱部材70が互いに押さえ合う力の強さを変えることができる。
(2−3−2)加振機側着脱部材70
図4は、加振機側着脱部材70の斜視図である。本図に示すように、加振機側着脱部材70には、平板部71、突出部72、凹部74が形成された曲げ部73、および、貫通孔75が設けられている。貫通孔75は、加振機側着脱部材70を加振機30の支持部材34に固定するためのボルト80を通すためのものである。
(3)着脱動作
図5は、トラフ20と加振機30が固着されている状態における着脱機構40の側面図である。図6は、当該着脱機構40の断面図である。これらの図を参照して、以下に着脱動作について説明する。
トラフ側着脱部材50の第1平坦部52(図3参照)は、トラフ20のトラフ底板21に固定されている。加振機側着脱部材70は、加振機30の支持部材34に固定されている。この状態で、ユーザはトラフ側着脱部材50を、加振機側着脱部材70の上に載せる。この時、ユーザは、加振機側着脱部材70の突出部72を、トラフ側着脱部材50の突出部55の収容部56に挿入する。収容部56の形状は、突出部55を収容できるものであればよく、U型穴、U型以外の形状の穴、U型溝、その他の形状の溝、または、凹部などであってもよい。以下、加振機側着脱部材70の突出部72と、トラフ側着脱部材50の突出部55およびその収容部56とからなる係合部を「上流着脱係合部41」という。ユーザはまた、トラフ側着脱部材50のネジ64を、加振機側着脱部材70の凹部74に載置する。以下、トラフ側着脱部材50のネジ64および偏心カム66等と、加振機側着脱部材70の曲げ部73および凹部74とからなる係合部を「下流着脱係合部42」という。
次に、ユーザは、トラフ側着脱部材50のレバー65のタブ67を下方に押してゆく。この時、はじめのうちは、偏心カム66において曲げ部73と接触している部分の径が増加していくので、偏心カム66と曲げ部73との接触圧力が徐々に大きくなってゆく。この段階で、もしユーザがタブ67を下方に押すのを止めれば、接触圧力による復元力がレバー65を元の位置に戻すよう作用し、トラフ側着脱部材50と加振機側着脱部材70が脱離状態に戻る。一方、この段階でもなおユーザがタブ67を押し続けると、偏心カム66において曲げ部73と接触している部分の径が最大値に達した後に再び減少するので、偏心カム66と曲げ部73との接触圧力も小さくなってゆき、レバー65が下方に下がりやすくなる。こうして、トラフ側着脱部材50と加振機側着脱部材70が固着状態となり、安定する。固着状態において、トラフ側着脱部材50には、図6に示す引っ張り力Tが加わる。これにより、トラフ側着脱部材50は、上流着脱係合部41と下流着脱係合部42において、加振機側着脱部材70に向かって押さえつけられる。
(4)特徴
(4−1)
トラフ側着脱部材50および加振機側着脱部材70は、上流着脱係合部41と下流着脱係合部42の2箇所において固定される。この場合、たとえトラフ側着脱部材50および加振機側着脱部材70が、ある程度の意図しない凹凸を有している場合であっても、トラフ側着脱部材50および加振機側着脱部材70の間でガタツキが起こりにくい。その結果、トラフ20の位置ずれ、すなわち回転や傾きが抑制される。したがって、トラフ20の取り付けにおける配置精度が向上し、搬送対象物が適切に搬送される。
加えて、レバー65が上下方向に動くので、ユーザがレバー65に対してどの位置にいるかに関わらず、トラフ20の取り付け作業や取り外し作業が容易である。
(4−2)
固着状態において、トラフ側着脱部材50に加えられる引っ張り力Tによって、トラフ側着脱部材50と加振機側着脱部材70が相互に押さえつけられる。この結果、トラフ20の回転や傾きがより抑制される。
(4−3)
ユーザは、トラフ側着脱部材50の第1平坦部52および傾斜部54の裏面にあたる凹面を、加振機側着脱部材70の突出部72を摺動させるためのガイドとして利用できる。この結果、ユーザは、トラフを加振機に容易に取り付けることができる。
加えて、トラフ側着脱部材50が凹面構造を有しているのに対し、加振機側着脱部材70は実質的に平板構造を有している。したがって、清掃が難しい複雑な凹面構造を有するトラフ側着脱部材50は取り外して動かすことがでるとともに、動かすことができない加振機側着脱部材70は清掃が容易である単純な平板構造を有している。その結果、振動搬送装置10の清掃を容易に行うことができる。
(4−4)
加振機側着脱部材70の突出部72は、トラフ側着脱部材50の突出部55に形成された収容部56に嵌合する。この結果、ユーザは、目視によって着脱機構40の状態を正確に把握しなくとも、トラフ側着脱部材50と加振機側着脱部材70を容易に係合させることができる。
(4−5)
レバー65が下方に動かされた時に着脱機構40は固着状態になる。この結果、ユーザがトラフ20を加振機30に取り付ける際、自身の体重を利用してタブ67を下に動かすことができるので、トラフの取り付けが容易である。
(4−6)
レバー65は、加振機30よりも搬送方向Fの下流側にある広いスペースに設けられる。その結果、ユーザがレバー65の操作を行う際、ユーザの腕は広いスペースの中を動くことができるので、振動搬送装置10は扱いやすい。
(4−7)
レバー65には偏心カム66が形成されている。したがって、レバー65はその姿勢に応じて、固着状態か脱離状態のいずれかに付勢される。その結果、固着状態または脱離状態が安定する。
(5)変形例
(5−1)変形例1A
図7は、本発明の上述の第1実施形態の変形例1Aに係る振動搬送装置10の加振機側着脱部材70Aを示す斜視図である。上述の実施形態に係る加振機側着脱部材70(図4参照)とは異なり、変形例Aに係る加振機側着脱部材70Aは、曲げ部73に代えて、延出部73Aを有している。さらに、加振機側着脱部材70Aは、3つの突起76Aを有する。3つの突起76Aは、固着状態においてトラフ側着脱部材50の第2平坦部53に当接する位置に設けられている。
着脱動作においては、延出部73Aは、上述に実施形態に係る曲げ部73(図4参照)と同じ役割を果たす。
この構成によれば、固着状態において、加振機側着脱部材70Aの3つの突起76Aが、トラフ側着脱部材50の第2平坦部53を3点で支持する。これにより、当該3点が一義的に平面を決定するので、第2平坦部53の姿勢が安定する。
(5−2)変形例1B
図8は、本発明の上述の第1実施形態の変形例1Bに係る振動搬送装置10の加振機側着脱部材70Bを示す斜視図である。上述の実施形態に係る加振機側着脱部材70(図4参照)とは異なり、変形例Bに係る加振機側着脱部材70Aは、曲げ部73に代えて、延出部73Bを有している。さらに、加振機側着脱部材70Aは、4つの突起76Bを有する。4つの突起76Bは、固着状態においてトラフ側着脱部材50の第2平坦部53に当接する位置に設けられている。これら4つの突起76Bは、2つが上流側に、2つが下流側に配置されている。
着脱動作においては、延出部73Bは、上述の実施形態に係る曲げ部73(図4参照)と同じ役割を果たす。
この構成によれば、着脱機構40の上流側は、上流着脱係合部41と2つの突起76Bの3点で固定される。着脱機構40の下流側は、下流着脱係合部42と2つの突起76Bの3点で固定される。したがって、トラフ側着脱部材50および加振機側着脱部材70が強固に固定される。
<第2実施形態>
(1)全体構成
図11に示す本発明の第2実施形態に係る振動搬送装置10’は、着脱機構40’の構造が、第1実施形態に係る振動搬送装置10に採用されている着脱機構40とは相違する。振動搬送装置10’は、第1実施形態と同様のトラフ20および加振機30を有している。
(2)着脱機構40’
図11に示すように、着脱機構40’は、トラフ側着脱部材50’と、加振機側着脱部材70’を有している。
(2−1)トラフ側着脱部材50’
トラフ側着脱部材50’は、ネジ、ボルト、リベット、溶接、その他の手段により、トラフ底板21に固定されている。
図9は、トラフ側着脱部材50’の斜視図である。本図に示すように、トラフ側着脱部材50’は、平面視において楕円形の本体部51を有する。本体部51は、高い位置にある第1平坦部52、低い位置にある第2平坦部53、第1平坦部と第2平坦部をつなぐ傾斜部54、および、穴56’が形成された突出部55を有する。トラフ側着脱部材50’は、さらに、フック66’とタブ67が形成されたレバー65を有している。
本体部51とレバー65は、第1ばね61’と第2ばね62’よって回動可能に連結されている。第1ばね61’と第2ばね62’は、レバー65の両側に設けられている。第1ばね61’と第2ばね62’は、個別の部材であってもよいし、一本の線材から形成されていてもよい。
第1ばね61’と第2ばね62’は、それぞれ、第1曲がり部63’および第2曲がり部64’を有している。第1曲がり部63’および第2曲がり部64’は、平面視において直線であるとともに、側面視において曲がっている。第1曲がり部63’および第2曲がり部64’の形状は、曲率半径の大きいゆるやかな湾曲から、曲率半径の小さい折れ曲がりまで、様々な態様をとることが可能である。第1ばね61’と第2ばね62’は、第1曲がり部63’および第2曲がり部64’が弾性変形することによって、力を他の部材に及ぼす。
(2−2)加振機側着脱部材70’
図10は、加振機側着脱部材70’の斜視図である。本図に示すように、加振機側着脱部材70’には、平板部71、突出部72、延出部73’、および、貫通孔75が設けられている。貫通孔75は、加振機側着脱部材70’を加振機30の支持部材34に固定するためのボルトを通すためのものである。さらに、加振機側着脱部材70’は、3つの突起76’を有する。3つの突起76’は、固着状態においてトラフ側着脱部材50’の第2平坦部53に当接する位置に設けられている。
(3)着脱動作
図11は、トラフ20と加振機30が固着されている状態における着脱機構40’の側面図である。図12は、当該着脱機構40’の断面図である。これらの図を参照して、以下に着脱動作について説明する。
トラフ側着脱部材50’の第1平坦部52(図9参照)は、トラフ20のトラフ底板21に固定されている。加振機側着脱部材70’は、加振機30の支持部材34に固定されている。この状態で、ユーザはトラフ側着脱部材50’を、加振機側着脱部材70’の上に載せる。この時、ユーザは、加振機側着脱部材70’の突出部72を、トラフ側着脱部材50’の突出部55の穴56’に挿入する。穴56’の形状は、突出部72と係合できるものであればよく、例えば、U型形状であってよい。また、穴56’は、代替的に、U型溝、その他の形状の溝、または、凹部などであってもよい。以下、加振機側着脱部材70’の突出部72と、トラフ側着脱部材50’の突出部55およびその穴56’とからなる係合部を「上流着脱係合部41’」という。ユーザはまた、レバー65のフック66’と、加振機側着脱部材70’の延出部73’とを噛み合わせる。以下、レバー65のフック66’と、加振機側着脱部材70’の延出部73’からなる係合部を「下流着脱係合部42’」という。
次に、ユーザは、トラフ側着脱部材50’のレバー65のタブ67を下方に押してゆく。この時、はじめのうちは、第1ばね61’の第1曲がり部63’および第2ばね62’の第2曲がり部64’が弾性変形して、復元力が大きくなってゆく。この段階で、もしユーザがタブ67を下方に押すのを止めれば、復元力がレバー65を元の位置に戻すよう作用し、トラフ側着脱部材50’と加振機側着脱部材70’が脱離状態に戻る。一方、この段階でもなおユーザがタブ67を押し続けると、第1曲がり部63’および第2曲がり部64’の角度が元の形状に再び近づいてゆき、レバー65が下方に下がりやすくなる。こうして、トラフ側着脱部材50’と加振機側着脱部材70’が固着状態となり、安定する。固着状態において、トラフ側着脱部材50’には、図12に示す引っ張り力Tが加わる。すなわち、トラフ側着脱部材50’は、上流着脱係合部41’と下流着脱係合部42’において、加振機側着脱部材70’に向かって押さえつけられる。
(4)特徴
(4−1)
第1ばね61’および第2ばね62’がレバー65に及ぼす付勢力によって、トラフ20の位置ずれが発生しにくい強固な固着状態が作られる。加えて、付勢力が第1ばね61’および第2ばね62’から生じているので、ポジションを調整するための調整機構などを必要としない。
(4−2)
第1ばね61’および第2ばね62’の曲がりの角度や形状が変化することによって、レバーの付勢力が生じるので、着脱機構40’の構成が単純である。
(4−3)
第1曲がり部63’と第2曲がり部64’は、物品搬送中心線の両側に配置されている。その結果、レバー65に対して対称な付勢力がレバーに加わるので、安定した固着状態がつくられる。
(4−4)
第1曲がり部63’と第2曲がり部64’が、平面視において直線であるとともに、側面視において曲がっている。その結果、第1ばね61’および第2ばね62’は平面視において横方向に張り出さず、他の部品との接触や干渉が起こりにくい。したがって、ユーザは、容易にトラフ20の着脱を行うことができる。
(4−5)
第1ばね61’、第2ばね62’、レバー65は、トラフ側着脱部材50’に取り付けられている。したがって、これらの部材は、トラフ20と一緒に取り外されるので、装置や部品の清掃がしやすい。さらに、これらの部材は、トラフ20と連結されているので、異物として搬送中の物品の中に混入してしまうことが抑制される。
(4−6)
固着状態では、上流着脱係合部41’および下流着脱係合部42’の2箇所において、トラフ側着脱部材50’と加振機側着脱部材70’が相互に圧力を及ぼし合う。この結果、トラフ20の回転や傾きがより抑制される。
(4−7)
ユーザは、トラフ側着脱部材50’の第1平坦部52および傾斜部54の裏面にあたる凹面を、加振機側着脱部材70’の突出部72を摺動させるためのガイドとして利用できる。この結果、ユーザは、トラフ20を加振機30に容易に取り付けることができる。
(4−8)
加振機側着脱部材70’の突出部72は、トラフ側着脱部材50’の突出部55に形成された穴56’に嵌合する。この結果、ユーザは、目視によって着脱機構40の状態を正確に把握しなくとも、トラフ側着脱部材50’と加振機側着脱部材70’を容易に係合させることができる。
(4−9)
レバー65は下方に動かされた時に着脱機構40’は固着状態になる。この結果、ユーザがトラフ20を加振機30に取り付ける際、自身の体重を利用してタブ67を下に動かすことができるので、トラフ20の取り付けが容易である。
(4−10)
固着状態において、加振機側着脱部材70’の3つの突起76’が、トラフ側着脱部材50’の第2平坦部53を3点で支持する。これにより、当該3点が一義的に平面を決定するので、第2平坦部53の姿勢が安定する。
<第3実施形態>
(1)構成
図13は、本発明の第3実施形態に係る組合せ計量装置100を示す図である。組合せ計量装置100は、これまでに説明した実施形態または変形例のいずれかに係る振動搬送装置10、10’を複数搭載している。組合せ計量装置100は、外部の物品供給部90から物品を受け取り、受け取った物品の中から、あらかじめ定められた目標重量に近い量の物品を取り分けて排出する。組合せ計量装置100が扱う物品は、通常は小片や粒状物などの集合体であり、例えばスナック菓子やカット野菜などである。
組合せ計量装置100は、分散フィーダ200と、放射状に配置された複数のヘッド300と、集合シュート400と、を有する。組合せ計量装置100に供給された物品は、分散フィーダ200によって、複数のヘッド300へ分散される。各ヘッド300は、ゲート321付きのプールホッパ320、ゲート341付きの計量ホッパ340、ゲート361付きのブースタホッパ360を有しており、物品はそれらへ貯留される。プールホッパ320は、貯留物品を計量ホッパ340へ渡す。計量ホッパ340は、貯留物品の重量を計量し、ブースタホッパ360に渡す。ブースタホッパ360は、貯留物品を集合シュート400へ渡す。図示しない制御回路は、複数の計量ホッパ340および複数のブースタホッパ360に関して貯留物品の重量を記憶しており、それらの中からいくつかを選択することで組合せを決定する。この組合せは、選択された単数または複数のホッパの貯留物品の合計重量が、目標重量に最も近くなる最適なものである。最後に、決定された組合せに係る計量ホッパ340およびブースタホッパ360のゲート341、361が開かれ、それらに貯留されていた物品が、集合シュート400から排出される。
各ヘッド300は、上述の振動搬送装置10、10’を有しており、それによって物品が分散フィーダ200からプールホッパ320へ搬送される。
この構成によれば、組合せ計量装置100において、トラフ20の加振機30に対する位置ずれが起こりにくい。
(2)変形例
上述の組合せ計量装置100では、振動搬送装置10、10’を各々含む複数のヘッド300は放射状に配置されているが、複数のヘッド300は、特許文献2(特開2010−38845号公報)に開示された組合せ計量装置のように、一直線上に配置されていてもよい。
10、10’ 振動搬送装置
20 トラフ
21 トラフ底板
30 加振機
31 電磁石
32 板バネ
33 振動部
40、40’ 着脱機構
41、41’ 上流着脱係合部
42、42’ 下流着脱係合部
50、50’ トラフ側着脱部材
70 加振機側着脱部材
70A 加振機側着脱部材
70B 加振機側着脱部材
70’ 加振機側着脱部材
80 ボルト
100 組合せ計量装置
F 搬送方向
V 振動方向
特開平7−285637号公報 特開2010−38845号公報

Claims (19)

  1. 上流側から下流側へ物品を搬送するトラフと、
    前記トラフを振動させる加振機と、
    前記トラフと前記加振機とを着脱する着脱機構と、
    を備える振動搬送装置であって、
    前記着脱機構は、
    前記トラフに固定され、前記上流側に配置されたトラフ側上流係合部および前記下流側に配置されたトラフ側下流係合部を有する、トラフ側着脱部材と、
    前記加振機に固定され、前記上流側に配置された加振機側上流係合部および前記下流側に配置された加振機側下流係合部を有する、加振機側着脱部材と、
    上下に動かされることによって、前記トラフ側着脱部材および前記加振機側着脱部材が相互に固着している固着状態と、前記トラフ側着脱部材および前記加振機側着脱部材が相互から脱離している脱離状態と、を切り替えるレバーと、
    を有し、
    前記トラフ側上流係合部および前記加振機側上流係合部は、互いに係合することによって、上流着脱係合部を構成し、
    前記トラフ側下流係合部および前記加振機側下流係合部は、互いに係合することによって、下流着脱係合部を構成している、
    振動搬送装置。
  2. 前記上流着脱係合部および前記下流着脱係合部を結ぶ方向に延び、かつ、前記レバーに連結する引っ張り部材、
    をさらに備える、
    請求項1に記載の振動搬送装置。
  3. 前記トラフ側着脱部材および前記加振機側着脱部材のうち、
    一方は、凹面を有する凹面部材であるとともに、
    他方は、着脱時に前記凹面に摺動する摺動部を有し、
    前記摺動部は、前記トラフ側上流係合部、前記加振機側上流係合部、前記トラフ側下流係合部、および、前記加振機側下流係合部のいずれかである、
    請求項1または2に記載の振動搬送装置。
  4. 前記凹面部材は、前記摺動部を収容するための収容部を有する、
    請求項3に記載の振動搬送装置。
  5. 前記レバーは下に動かされることにより、前記脱離状態を前記固着状態へ切り替える、請求項1〜4のいずれか1つに記載の振動搬送装置。
  6. 前記レバーは、前記加振機よりも前記下流側に配置されている、
    請求項1〜5のいずれか1つに記載の振動搬送装置。
  7. 前記トラフ側着脱部材および前記加振機側着脱部材のうち、
    一方は、3つの突起を有しており、
    他方は、平坦部を有している、
    請求項1〜6のいずれか1つに記載の振動搬送装置。
  8. 前記レバーには、偏心カムが形成されている、
    請求項1〜7のいずれか1つに記載の振動搬送装置。
  9. 前記レバーを、前記レバーの位置に応じて上下のいずれかに付勢する弾性部材と、
    をさらに有する、
    請求項1に記載の振動搬送装置。
  10. 前記弾性部材は、曲がりを有する線状部材である、
    請求項9に記載の振動搬送装置。
  11. 前記レバーは、物品搬送中心線に配置され、
    前記曲がりは、第1曲がり部と第2曲がり部と、を有し、
    前記第1曲がり部および前記第2曲がり部は、前記物品搬送中心線の両側に配置されている、
    請求項10に記載の振動搬送装置。
  12. 前記曲がりは、平面視において直線であるとともに、側面視において曲がっている、
    請求項10または11に記載の振動搬送装置。
  13. 前記弾性部材および前記レバーは、前記トラフ側着脱部材に取り付けられている、
    請求項9〜12のいずれか1つに記載の振動搬送装置。
  14. 前記固着状態では、前記トラフ側着脱部材は、前記上流着脱係合部および前記下流着脱係合部において、前記加振機側着脱部材に押さえつけられる、
    請求項9〜13のいずれか1つに記載の振動搬送装置。
  15. 前記トラフ側着脱部材および前記加振機側着脱部材のうち、
    一方は、凹面を有する凹面部材であるとともに、
    他方は、着脱時に前記凹面に摺動する摺動部を有し、
    前記摺動部は、前記トラフ側上流係合部、前記加振機側上流係合部、前記トラフ側下流係合部、および、前記加振機側下流係合部のいずれかである、
    請求項9〜14のいずれか1つに記載の振動搬送装置。
  16. 前記凹面部材は、前記摺動部を収容するための穴を有する、
    請求項15に記載の振動搬送装置。
  17. 前記レバーは下に動かされることにより、前記脱離状態を前記固着状態へ切り替える、請求項9〜16のいずれか1つに記載の振動搬送装置。
  18. 前記トラフ側着脱部材および前記加振機側着脱部材のうち、
    一方は、3つの突起を有しており、
    他方は、平坦部を有している、
    請求項9〜17のいずれか1つに記載の振動搬送装置。
  19. 請求項1〜18のいずれか1つに記載の振動搬送装置を複数備える、
    組合せ計量装置。
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