JPWO2016038940A1 - タッチパネル用導電フィルムおよびタッチパネル - Google Patents
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Abstract
Description
また、タッチパネルを薄型化することが近年求められており、薄型化するには、タッチパネル用導電フィルムの基板に薄い樹脂基板を用いる検討が行われている。
例えば、特許文献1には、樹脂基板の一方の面側に第1のフレキシブル回路基板を圧着して第1接合領域を形成し、次いで、樹脂基板の他方の面側に第2のフレキシブル回路基板を圧着して第2接合領域を形成し、第2接合領域が、平面視上、第1接合領域内に第2接合領域が位置するよう構成したタッチパネルが開示されている。このように、第1のフレキシブル回路基板と第2のフレキシブル回路基板を重なるように配置することにより、樹脂基板の両面にフレキシブル回路基板を熱圧着する際に樹脂基板の一方の面側と他方の面側で圧力が加わる位置にずれが生じることを抑制することができる。このため、圧力位置のずれに起因してタッチパネル用導電フィルムに段差が生じず、タッチパネル用導電フィルムとフレキシブル回路基板との良好な電気的な接続を得ることができる。
また、タッチパネル用導電フィルムは、130℃で30分間の熱処理に対する熱収縮率が0.20%以下であることが好ましい。
また、複数の検出電極は、開口率90%以上のメッシュ形状を有することが好ましい。
また、樹脂基板の一方の面上に形成された複数の外部接続端子と他方の面上に形成された複数の外部接続端子は、互いに最も近い位置に存在する外部接続端子同士の樹脂基板の面方向に沿った方向の距離で300μm以上の距離を隔てて配置されていることが好ましい。
この発明に係るタッチパネル用導電フィルムは、厚さが40μm以下で且つ可撓性を有する透明な樹脂基板と、樹脂基板の少なくとも一方の面上に形成された複数の検出電極と、樹脂基板の少なくとも一方の面上に形成され且つ複数の検出電極にそれぞれ接続された複数の周辺配線と、樹脂基板の少なくとも一方の面上に形成され且つ複数の周辺配線にそれぞれ接続された複数の外部接続端子とを備え、複数の外部接続端子は、互いに100μm以上200μm以下の端子間距離を隔てると共に500μm以下のピッチで配列され、それぞれ端子間距離以上の端子幅を有するものである。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係るタッチパネル用導電フィルムの構成を示す。このタッチパネル用導電フィルムは、厚さが40μm以下で且つ可撓性を有する透明な樹脂基板1を有し、この樹脂基板1の表面上に複数の第1の検出電極2が形成されると共に樹脂基板1の裏面上に複数の第2の検出電極3が形成されている。また、樹脂基板1の表面上には、複数の第1の検出電極2に対応する複数の第1の周辺配線4が形成され、この複数の第1の周辺配線4に接続された複数の第1の外部接続端子5が樹脂基板1の縁部に形成されている。同様に、樹脂基板1の裏面上には、複数の第2の検出電極3に対応する複数の第2の周辺配線6が形成され、この複数の第2の周辺配線6に接続された複数の第2の外部接続端子7が樹脂基板1の縁部に形成されている。
樹脂基板1は、可撓性の樹脂材料から構成された透明な基板である。樹脂基板1は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、エチレンビニルアセテート(EVA)、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)等のポリオレフィン類、ビニル系樹脂、その他、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)から構成することができる。なお、樹脂基板1は、可撓性および光学特性の観点から、ポリエチレンテレフタレートまたはシクロオレフィンポリマーから構成することが好ましい。尚、「透明な」とは可視光域(波長400nm〜800nm)の光の透過率が80%以上を有することを意味する。
樹脂基板1の膜厚は40μm以下であり、下限は特に制限はないが、タッチパネル用導電フィルムの自立性、取り扱い性を考慮すると15μm以上であることが好ましい。
必要に応じて、樹脂基板1の片面または両面には、樹脂基板1上に形成する検出電極、周辺配線および外部接続端子との密着を強化する為、樹脂基板1の透過率を向上させる為、および露光時の裏面の光抜けを防止する為等の目的の為、下塗層を設けても良い。下塗層は単層でも良いし、多層であっても良い。
熱収縮率=|(d2−d1)/d1 |×100(%)
の計算式で求めることができる。
なお、樹脂基板1として、二軸延伸のポリエチレンテレフタレート等を用いると、TD方向(横方向)とMD方向(機械流れ方向)とで、熱収縮率が異なる場合がある。その場合は、熱収縮率が大きい値を「130℃で30分間の熱処理に対する熱収縮率」として用いる。
検出電極とは、タッチパネルの表面への接触を検出する為の電極であり、特開2013-182548に記載された投影型静電容量式タッチパネルにおいて、自己容量方式の電極Xおよび電極Y、または相互容量方式の駆動電極および検知電極に相当する。
図1に示すように、複数の第1の検出電極2は、タッチパネルにおけるアクティブ領域(透光エリア)に形成され、それぞれ第1の方向D1に沿って延び且つ第1の方向D1に直交する第2の方向D2に並列配置されている。また、それぞれの第1の検出電極2の一端には、第1のコネクタ部8が形成されている。一方、複数の第2の検出電極3は、アクティブ領域(透光エリア)に形成され、それぞれ第2の方向D2に沿って延び且つ第1の方向D1に並列配置されている。また、それぞれの第2の検出電極3の両端には、それぞれ第2のコネクタ部9が形成されている。
第1の検出電極2および第2の検出電極は、透明な電極であり、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)および酸化インジウム亜鉛(IZO)等で代表される透明導電金属酸化物、PEDOT−PSSおよびチオフェン等の透明高分子導電材料、カーボンナノチューブ(CNT)および銀ナノワイヤー等の透明導電膜、または銀、アルミニウム、銅および金等の金属細線からなるメッシュパターンにより形成されたメッシュ状導電膜で形成することができる。
セルCの形状は、単一のセルCが繰り返し形成された定形セル形状でも、セルCがランダムな形状であっても良い。また、定形セル形状にある一定のランダム性を付与したセミランダム形状であっても良い。定形セル形状の場合、セル形状は正方形、菱形、および正六角形等とすることができるが、モアレ抑制という観点から菱形が好ましく、特に菱形の鋭角の角度が20度以上70度以下であるのが好ましい。また、セルピッチ(隣接するセルCの重心間距離)は、50μm以上500μm以下であることが好ましい。
第1の検出電極2のメッシュパターンと第2の検出電極3のメッシュパターンは、上面側から見たときに、図2に示されているように、第1の検出電極2のメッシュパターンのセルCの中心に第2の検出電極3のメッシュパターンのセルCの角部が配置されることが好ましい。このように第1の検出電極2のメッシュパターンと第2の検出電極3のメッシュパターンを配置にすることにより、金属細線のメッシュ見えをより低減することができる。この際、第1の検出電極2のメッシュパターンと第2の検出電極3のメッシュパターンとの組み合わせで形成されるメッシュパターンの開口率は、90%以上であることが、視認性および樹脂基板1のカールを防止する点で好ましい。
複数の第1の周辺配線4は、非アクティブ領域(額縁部)に形成され、複数の第1の検出電極2に形成された複数の第1のコネクタ部8にそれぞれ対応して一端部が接続されると共に、複数の第1の外部接続端子5にそれぞれ対応して他端部が接続されている。
また、複数の第2の周辺配線6は、非アクティブ領域(額縁部)に形成され、複数の第2の検出電極3に形成された複数の第2のコネクタ部9にそれぞれ対応して一端部が接続されている。この時、複数の第2の周辺配線6は、複数の第2の検出電極3を挟むように複数の第2の検出電極3の一端側と他端側にそれぞれ別れて配置されており、一端側に配置された第2の周辺配線6と他端側に配置された第2の周辺配線6が、第1の方向D1に向かって交互に対応する複数の第2のコネクタ部9と接続されている。また、複数の第2の周辺配線6の他端部は、それぞれ対応して複数の第2の外部接続端子7に接続されている。
また、第1の周辺配線4および第2の周辺配線6の最小線幅および最小間隔は、10μm以上50μm以下であることが好ましい。第1の周辺配線4および第2の周辺配線6の最小線幅および最小間隔が小さいほどタッチパネルの額縁部を小さくすることができ、10μm以上とすることで周辺配線の抵抗不足を抑制して周辺配線間でショートすることを防ぐことができる。
また、第1の周辺配線4上および第2の周辺配線6上を覆うように、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、およびエポキシ樹脂等からなる絶縁膜を設けても良い。絶縁膜を設けることにより、第1の周辺配線4および第2の周辺配線6のマイグレーションおよび錆び等を防止できる。
複数の第1の外部接続端子5と複数の第2の外部接続端子7は、タッチパネルの駆動制御回路に接続する為のフレキシブル回路基板に接続されるもので、例えば図1に示すように、タッチパネルの非アクティブ領域(額縁部)に形成され、第1のコネクタ部8に対向する樹脂基板1の一縁部11に沿って配列形成されている。ここで、図3に示すように、複数の第1の外部接続端子5を樹脂基板1の表面上において一縁部11の中央部に配置すると共に、複数の第2の外部接続端子7を樹脂基板1の裏面上において複数の第1の外部接続端子5が配置された中央部を挟む位置に配置することにより、複数の第1の外部接続端子5と複数の第2の外部接続端子7を樹脂基板1の表面側と裏面側とで互いに重ならないように配置することが好ましい。これにより、複数の第1の外部接続端子5に対するフレキシブル回路基板の接続と複数の第2の外部接続端子7に対するフレキシブル回路基板の接続とをそれぞれ容易に行うことができる。
さらに、複数の第1の外部接続端子5および複数の第2の外部接続端子7の形成範囲を樹脂基板1の狭い範囲に留めることができる。このため、樹脂基板1が熱収縮などにより変形した場合でも、複数の第1の外部接続端子5と複数の第2の外部接続端子7の位置がずれることを抑制すると共にフレキシブル回路基板に対する第1の外部接続端子5と第2の外部接続端子7のアライメントがずれることを抑制することができ、タッチパネル用導電フィルムをフレキシブル回路基板に対して確実に電気的に接続することができる。
第1の外部接続端子5と第2の外部接続端子7の膜厚としては、フレキシブル回路基板との電気的接続性の観点から、0.1μm以上10μm以下が好ましい。0.1μmより薄いと、タッチパネル用導電フィルムをフレキシブル回路基板に熱圧着する際に異方性導電フィルムに含まれる導電粒子の潰しが不十分となりフレキシブル回路基板との電気的接続が低下し、10μmを越えると、熱圧着する際に異方性導電フィルムに含まれる導電粒子がフレキシブル回路基板の電極を突き破って電気的接続の低下を招くおそれがある為に好ましくない。
また、第1の外部接続端子5および第2の外部接続端子7と、前述の第1の周辺配線4および第2の周辺配線6とは同一の材料で構成されると共に同一の工程で同時に作製されることが好ましい。
また、図1では、第1の検出電極2が5列に配列されると共に第2の検出電極3が6列に配列されているが、第1の検出電極2の個数および第2の検出電極3の個数に限定されるものではない。
樹脂基板1において複数の第1の外部接続端子5が形成された表面に対して反対側の裏面上に、複数の第1の外部接続端子5が形成された端子形成領域に対応して、厚さ20μm以上150μm以下の絶縁保護層をさらに形成することができる。同様に、複数の第2の外部接続端子7が形成された樹脂基板1の裏面に対して反対側の表面上に、複数の第2の外部接続端子7が形成された端子形成領域に対応して、厚さ20μm以上150μm以下の絶縁保護層を形成することもできる。
さらに、絶縁保護層を保護層と接着部の2層から構成すると共に保護層を樹脂基板1と同じ樹脂材料から構成することにより、樹脂基板1と保護層の熱膨張係数が同じになるので、熱圧着時における樹脂基板1の変形をより効果的に低減できる。
この第1の絶縁保護層21と第2の絶縁保護層22は、それぞれ樹脂基板1を支持して変形から保護するためのもので、例えば、保護部23と、この保護部23と樹脂基板1の間に配置された接着部24とから構成することが好ましい。保護部23は、樹脂基板1と同じ樹脂材料から構成することが好ましい。樹脂基板1と同じ樹脂材料とすることにより、樹脂基板1と熱膨張係数が同じになるので、熱圧着時における樹脂基板1の変形をより効果的に低減することができる。また、接着部24は、接着剤を含んでおり、この接着剤は、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーン樹脂系、ゴム系、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、低密度ポリエチレン(LDPE)および超低密度ポリエチレン(VLDPE)等から選ぶことができる。接着部24は、アクリル樹脂系接着剤を有する光学粘着シート(OCA;Optical Clear Adhesive)から構成されることが好ましい。接着部24を光学粘着シート(OCA)とすることにより、フレキシブル回路基板との圧着工程後の工程で、保護部23を剥がすことで、光学粘着シート(OCA)を他の部材との貼り合わせでの接着層として利用でき、工程の簡略化および部材数の低減化が可能となる。
同様に、第2の絶縁保護層22は、第2の外部接続端子7が形成された端子形成領域R2を含む所定の領域に対応して形成することができ、例えば図8に示すように、第2の外部接続端子7が形成された端子形成領域R2のみに対応して形成することができる。また、第2の絶縁保護層22は、図9に示すように、第1の外部接続端子5以外が含まれる領域の全面にわたって形成することもできる。この場合、第2の絶縁保護層22が、樹脂基板1を支持して変形から保護するとともに、第1の検出電極2、第1のコネクタ部8、第1の周辺配線4を保護する保護膜を兼ねることもできるので好ましい。
次に、この発明に係るタッチパネルについて詳細に説明する。
このタッチパネルは、上述したタッチパネル用導電フィルムと、複数の電極が形成されたフレキシブル回路基板と、タッチパネル用導電フィルムとフレキシブル回路基板の間に配置されると共にタッチパネル用導電フィルムの複数の外部接続端子とフレキシブル回路基板の複数の電極を接続する異方性導電フィルムとから構成することができる。
フレキシブル回路基板32は、タッチパネル用導電フィルム31の第1の外部接続端子5に対応して配置される第1のフレキシブル回路基板32aと、第2の外部接続端子7に対応して配置される第2のフレキシブル回路基板32bとを有する。第1のフレキシブル回路基板32aは、第1のフレキシブル基板34aと、第1のフレキシブル基板34aの第1の外部接続端子5に対向する表面に配置される複数の第1の電極35aとを有し、第2のフレキシブル回路基板32bは、第2のフレキシブル基板34bと、第2のフレキシブル基板34bの第2の外部接続端子7に対向する表面に配置される複数の第2の電極35bとを有する。
本発明に用いられるフレキシブル回路基板32は、絶縁性を有するフレキシブル基板と、上記フレキシブル基板の表面上に形成された電極とを有するものである。このようなフレキシブル回路基板32としては、樹脂基板上に検出電極および外部接続端子が形成されたタッチパネル用導電フィルム31との接続に一般的に用いられるものを使用することができる。このフレキシブル回路基板32の電極は、タッチパネル駆動制御回路に接続される。
本発明におけるフレキシブル基板としては、所望の絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、厚さ25μm程度の可撓性のポリイミドフィルム等から構成することができる。その中でも、フレキシブル基板としては、圧着時の圧着温度における熱収縮率がタッチパネル用導電フィルム31と同じであることが、圧着時でのアライメントのズレを防止できるので、特に好ましい。また、フレキシブル回路基板32の電極としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、銀、アルミニウム、銅、金、モリブデン、クロム等の金属およびそれらの合金から構成することができ、これらを単層または積層体として用いたものを使用できる。
本発明における異方性導電フィルム33とは、熱圧着により接着性と厚み方向への導電性とを示す異方導電性材料からなり、タッチパネル用導電フィルム31の外部接続端子とフレキシブル回路基板32の電極とを接続するためのものである。
異方性導電フィルム33としては、絶縁性バインダー中に導電粒子が分散されたフィルム状の構成であることが好ましい。導電粒子としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、金、銀、ニッケル等の金属粒子や、セラミックス、プラスチックまたは金属の粒子を核としてその表面にニッケルや金等の金属皮膜を形成した金属被覆粒子等を挙げることができる。絶縁性バインダーの材料としては、例えばエポキシ樹脂等を挙げることができる。導電粒子の粒子径は5μm〜15μmであることが好ましい。本範囲の導電粒子の粒子径を用いることにより、タッチパネル用導電フィルム31とフレキシブル回路基板32との良好な電気的接続を確保しつつ、外部接続端子間がショートすることを効果的に防止できる。
この第2の絶縁保護層22は、保護部23を剥離するだけで接着部24を露出させることができ、図13に示すように、露出した接着部24を介してタッチパネル用導電フィルム31の表面にカバー部材36を接着させることができる。
なお、タッチパネルの構成は本明細書に図示されたものに限定されず、例えば、特開2010−16067号公報等に開示されているように電極の交差部のみに絶縁膜を設け、絶縁膜上に形成したブリッジ配線で接続する構成、ならびにUS2012/0262414等に開示されている交差部がない電極構成のように検出電極が基板の片側にしかない構成のタッチパネルに適用可能である。さらに、樹脂基板1の一方の面上のみに検出電極、周辺配線および外部接続端子を有するタッチパネル用導電フィルムを2枚貼り合わせることにより構成されるタッチパネルに適応可能である。
20Nのテンションを掛けながら150℃の熱処理を3分間実施したポリエチレンテレフタレート(PET)からなる厚さ38μmのシートの表面にコロナ放電による親水化処理を施すことにより樹脂基板を作製した。続いて、樹脂基板の表面上に、下記に示すパターン形成方法により、膜厚1μmのAg膜で構成された第1の検出電極、第1の周辺配線および第1の外部接続端子を形成してタッチパネル用導電フィルムを作製した。ここで、第1の外部接続端子は、100μmの端子間距離dを隔てると共に300μmのピッチPで配列し、それぞれの端子幅Wは200μmとした。なお、第1の検出電極は線幅3μmで且つ鋭角の角度60°である菱形の定形セルからなる開口率98%のメッシュ形状(セルピッチ:300μm)で形成し、第1の周辺配線は線幅20μmで且つ最小間隔を20μmで形成し、第1の外部接続端子は長さLを1mmで形成した。
作製されたタッチパネル用導電フィルムに130℃で30分間の熱処理を施したところ、熱収縮率は0.16%であった。
続いて、ポリイミドからなる厚さ25μmの基板の表面上に銅からなる厚さ12μmの電極を形成したフレキシブル回路基板を、導電粒子の粒子径が10μmφの異方性導電フィルム(CP920AM−16AC:デクセリアルズ株式会社製)を介して、タッチパネル用導電フィルムに130℃20秒で熱圧着することにより、タッチパネルを作製した。
(ハロゲン化銀乳剤の調製)
38℃、pH4.5に保たれた下記1液に、下記の2液および3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形成した。続いて下記の4液および5液を8分間にわたって加え、さらに、下記の2液および3液の残りの10%の量を2分間にわたって加え、0.21μmまで成長させた。さらに、ヨウ化カリウム0.15gを加え、5分間熟成し粒子形成を終了した。
水 750ml
ゼラチン 9g
塩化ナトリウム 3g
1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg
クエン酸 0.7g
2液:
水 300ml
硝酸銀 150g
3液:
水 300ml
塩化ナトリウム 38g
臭化カリウム 32g
ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム
(0.005%KCl 20%水溶液) 8ml
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム
(0.001%NaCl 20%水溶液) 10ml
4液:
水 100ml
硝酸銀 50g
5液:
水 100ml
塩化ナトリウム 13g
臭化カリウム 11g
黄血塩 5mg
上記乳剤に1,3,3a,7−テトラアザインデン1.2×10−4モル/モルAg、ハイドロキノン1.2×10−2モル/モルAg、クエン酸3.0×10−4モル/モルAg、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩0.90g/モルAgを添加し、クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整して、感光性層形成用組成物を得た。
樹脂基板の表面に、下塗層として厚み0.1μmのゼラチン層、さらに下塗層上に光学濃度が約1.0で現像液のアルカリにより脱色する染料を含むアンチハレーション層を設けた。上記アンチハレーション層の上に、上記感光性層形成用組成物を塗布し、さらに厚み0.15μmのゼラチン層を設け、表面に感光性層が形成された樹脂基板を得た。表面に感光性層が形成された樹脂基板をフィルムAとする。形成された感光性層は、銀量6.0g/m2、ゼラチン量1.0g/m2であった。
上記フィルムAの表面に、上述の図1の第1の検出電極、第1の周辺配線および第1の外部接続端子が形成されるようにフォトマスクを介し、高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光を行った。露光後、下記の現像液で現像し、さらに定着液(商品名:CN16X用N3X−R、富士フイルム社製)を用いて現像処理を行った。さらに、純水でリンスし、乾燥することで、表面にそれぞれAg細線からなる第1の検出電極、第1の周辺配線および第1の外部接続端子と、ゼラチン層とが形成された樹脂基板を得た。ゼラチン層はAg細線間に形成されていた。得られたフィルムをフィルムBとする。
現像液1リットル(L)中に、以下の化合物が含まれる。
ハイドロキノン 0.037mol/L
N−メチルアミノフェノール 0.016mol/L
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/L
水酸化ナトリウム 0.360mol/L
臭化ナトリウム 0.031mol/L
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/L
上記フィルムBに対して、120℃の過熱蒸気槽に130秒間静置して、加熱処理を行った。加熱処理後のフィルムをフィルムCとする。
フィルムCに対して、タンパク質分解酵素(ナガセケムテックス社製ビオプラーゼAL−15FG)の水溶液(タンパク質分解酵素の濃度:0.5質量%、液温:40℃)に120秒浸漬した。フィルムCを水溶液から取り出し、温水(液温:50℃)に120秒間浸漬し、洗浄した。ゼラチン分解処理後のフィルムをフィルムDとする。このフィルムDがタッチパネル用導電フィルムである。
第1の外部接続端子を150μmの端子間距離dを隔てて350μmのピッチPで配列した以外は、実施例1と同様の方法により、タッチパネルを作製した。
第1の外部接続端子を200μmの端子間距離dを隔てて400μmのピッチPで配列した以外は、実施例1と同様の方法により、タッチパネルを作製した。
第1の外部接続端子を150μmの端子間距離dを隔てて配列し、それぞれの端子幅Wを150μmとした以外は、実施例1と同様の方法により、タッチパネルを作製した。
第1の外部接続端子を400μmのピッチPで配列し、それぞれの端子幅Wを250μmとした以外は、実施例4と同様の方法により、タッチパネルを作製した。
第1の外部接続端子を200μmの端子間幅dを隔てて500μmのピッチPで配列し、それぞれの端子幅Wを300μmとした以外は、実施例1と同様の方法により、タッチパネルを作製した。
樹脂基板の表面上に、上記に示すパターン形成方法により、それぞれ第1の検出電極、第1の周辺配線および第1の外部接続端子を形成すると共に、樹脂基板の裏面上に、上記に示すパターン形成方法により、膜厚1μmのAg膜で構成された第2の検出電極、第2の周辺配線および第2の外部接続端子を形成して、図1に示すタッチパネル用導電フィルムを作製した。ここで、樹脂基板の表面上および裏面上に形成された第1の外部接続端子と第2の外部接続端子は、150μmの端子間距離dを隔てると共に350μmのピッチPで配列し、それぞれの端子幅Wを200μmとした。また、第1の外部接続端子と第2の外部接続端子は、樹脂基板の面方向に沿って100μmの端子間距離Dを隔てて配置した。なお、第1の検出電極と第2の検出電極は線幅3μmで且つ鋭角の角度60°である菱形の定形セルからなる開口率98%のメッシュ形状(セルピッチ:300μm)で形成し、第1の周辺配線と第2の周辺配線は線幅20μmで且つ最小間隔を20μmで形成し、第1の外部接続端子と第2の外部接続端子は長さLを1mmで形成した。ここで、第1の検出電極のメッシュパターンと第2の検出電極のメッシュパターンとは、図2に示すように配置され、第1の検出電極のメッシュパターンと第2の検出電極のメッシュパターンとの組み合わせで開口率96%のメッシュ形状(セルピッチ:150μm)を形成した。
作製されたタッチパネル用導電フィルムに130℃で30分間の熱処理を施したところ、熱収縮率は0.16%であった。
続いて、ポリイミドからなる厚さ25μmの基板の表面上に銅からなる厚さ12μmの電極を形成した2つのフレキシブル回路基板を、それぞれタッチパネル用導電フィルムの表面および裏面に、導電粒子の粒子径が10μmφの異方性導電フィルム(CP920AM−16AC:デクセリアルズ株式会社製)を介して130℃20秒で熱圧着することにより、タッチパネルを作製した。
第1の外部接続端子と第2の外部接続端子を樹脂基板の面方向に沿って300μmの端子間距離Dを隔てて配置した以外は、実施例7と同様の方法により、タッチパネルを作製した。
第1の外部接続端子と第2の外部接続端子を樹脂基板の面方向に沿って500μmの端子間距離Dを隔てて配置した以外は、実施例7と同様の方法により、タッチパネルを作製した。
タッチパネル用導電フィルムの樹脂基板の裏面上に、第1の検出電極に対応して第1の絶縁保護層を形成した以外は、実施例1と同様の方法により、タッチパネルを作製した。ここで、第1の絶縁保護層は、光学粘着シート(OCA)からなる厚さが25μmの接着部(3M社製OCA#8146−1を用いた)と、ポリエチレンテレフタレートからなる厚さが25μmの保護部とから構成される。
タッチパネル用導電フィルムの樹脂基板の裏面上に、第1の検出電極に対応して第1の絶縁保護層を形成した以外は、実施例2と同様の方法により、タッチパネルを作製した。ここで、第1の絶縁保護層は、光学粘着シート(OCA)からなる厚さが25μmの接着部(3M社製OCA#8146−1を用いた)と、ポリエチレンテレフタレートからなる厚さが25μmの保護部とから構成される。
タッチパネル用導電フィルムの樹脂基板の裏面上に、第1の検出電極に対応して第1の絶縁保護層を形成すると共に、樹脂基板の表面上に、第2の検出電極に対応して第2の絶縁保護層を形成した以外は、実施例8と同様の方法により、タッチパネルを作製した。ここで、第1の絶縁保護層は、光学粘着シート(OCA)からなる厚さが25μmの接着部(3M社製OCA#8146−1を用いた)と、ポリエチレンテレフタレートからなる厚さが25μmの保護部とから構成される。また、第2の絶縁保護層は、光学粘着シート(OCA)からなる厚さが50μmの接着部(3M社製OCA#8146−2を用いた)と、ポリエチレンテレフタレートからなる厚さが25μmの保護部とから構成される。
15Nのテンションを掛けながら130℃の熱処理を3分間実施したシクロオレフィンポリマー(COP)からなる厚さ40μmのシートの表面にコロナ放電による親水化処理を施すことにより樹脂基板を作製した以外は、実施例1と同様の方法により、タッチパネルを作製した。尚、タッチパネル用導電シートに130℃で30分間の熱処理を施したところ、熱収縮率は0.16%であった。
15Nのテンションを掛けながら130℃の熱処理を3分間実施したシクロオレフィンポリマー(COP)からなる厚さ40μmのシートの表面にコロナ放電による親水化処理を施すことにより樹脂基板を作製した以外は、実施例8と同様の方法により、タッチパネルを作製した。尚、タッチパネル用導電シートに130℃で30分間の熱処理を施したところ、熱収縮率は0.16%であった。
15Nのテンションを掛けながら130℃の熱処理を3分間実施したシクロオレフィンポリマー(COP)からなる厚さ40μmのシート(130℃で30分間の熱処理に対する熱収縮率は0.16%であった)の表面にコロナ放電による親水化処理を施すことにより樹脂基板を作製すると共に、第1の絶縁保護層の保護部と第2の絶縁保護層の保護部に厚さが40μmのシクロオレフィンポリマー(COP)を用いた以外は、実施例12と同様の方法により、タッチパネルを作製した。
第1の外部接続端子を50μmの端子間距離dを隔てて250μmのピッチPで配列した以外は、実施例1と同様の方法により、タッチパネルを作製した。
第1の外部接続端子を250μmの端子間距離dを隔てて450μmのピッチPで配列した以外は、実施例1と同様の方法により、タッチパネルを作製した。
第1の外部接続端子を250μmのピッチPで配列し、それぞれの端子幅Wを100μmとした以外は、実施例4と同様の方法により、タッチパネルを作製した。
第1の外部接続端子を550μmのピッチPで配列し、それぞれの端子幅Wを350μmとした以外は、実施例6と同様の方法により、タッチパネルを作製した。
(樹脂基板の変形)
樹脂基板を目視で確認した際に、樹脂基板の変形が全く認められない場合をAと評価し、樹脂基板の変形が僅かに認められる場合をBと評価し、樹脂基板の変形は認められるがタッチパネル用導電フィルムとフレキシブル回路基板との間の電気的な接続は維持される程度の変形である場合をCと評価し、タッチパネル用導電フィルムとフレキシブル回路基板との間の電気的な接続が維持できない変形が生じている場合をDと評価した。
この結果を下記第1表〜第4表に示す。
第1の外部接続端子または第1の外部接続端子と第2の外部接続端子の両者を目視で確認した際に、フレキシブル回路基板の電極に対してアライメントに殆どずれが生じていない場合をAと評価し、フレキシブル回路基板の電極に対してアライメントにずれが生じている場合をBと評価した。
この結果を下記第1表〜第4表に示す。
フレキシブル回路基板と接続された第1の外部接続端子または第2の外部接続端子と、フレキシブル回路基板の電極との間の導通検査をプローブを用いて抵抗測定することにより行った。フレキシブル回路基板の電極に対して良好な電気的な接触が保たれており抵抗値が40Ω以下である場合をAと評価し、フレキシブル回路基板の電極に対して電気的な接触が保たれており抵抗値が40Ωより大きく且つ60Ω以下である場合をB、抵抗値が60Ωより大きくフレキシブル回路基板の電極に対して電気的な接触が保たれておらず導通が取れていない場合をCと評価した。
この結果を下記第1表〜第4表に示す。
また、実施例1〜3は、第1の外部接続端子の端子間距離dが200μmより大きい比較例2と比較して、樹脂基板の変形が大きく抑制されると共に第1の外部接続端子のコンタクト性が大きく向上していることがわかった。
また、第1の外部接続端子が互いに100μm以上200μm以下の端子間距離dを隔てると共に500μm以下のピッチPで配列され、それぞれ端子間距離d以上の端子幅Wを有する実施例6は、第1の外部接続端子のピッチPが500μmより大きい比較例4と比較して、第1の外部接続端子のアライメントとコンタクト性が共に大きく向上していることがわかった。
Claims (9)
- 厚さが40μm以下で且つ可撓性を有する透明な樹脂基板と、
前記樹脂基板の少なくとも一方の面上に形成された複数の検出電極と、
前記樹脂基板の少なくとも一方の面上に形成され且つ前記複数の検出電極にそれぞれ接続された複数の周辺配線と、
前記樹脂基板の少なくとも一方の面上に形成され且つ前記複数の周辺配線にそれぞれ接続された複数の外部接続端子と
を備え、
前記複数の外部接続端子は、隣り合う外部接続端子が100μm以上200μm以下の端子間距離を隔てると共に500μm以下のピッチで配列され、それぞれ前記端子間距離以上の端子幅を有することを特徴とするタッチパネル用導電フィルム。 - 前記複数の外部接続端子のそれぞれの端子幅は、前記端子間距離に50μmを加えた最小幅以上で且つ前記端子間距離に100μmを加えた最大幅以下である請求項1に記載のタッチパネル用導電フィルム。
- 前記タッチパネル用導電フィルムにおいて、130℃で30分間の熱処理に対する熱収縮率が0.20%以下である請求項1または2に記載のタッチパネル用導電フィルム。
- 前記樹脂基板において前記複数の外部接続端子が形成された面に対して反対側の面上に、前記複数の外部接続端子が形成された端子形成領域に対応して、厚さ20μm以上150μm以下の絶縁保護層をさらに有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のタッチパネル用導電フィルム。
- 前記樹脂基板は、ポリエチレンテレフタレートまたはシクロオレフィンポリマーからなる請求項1〜4のいずれか一項に記載のタッチパネル用導電フィルム。
- 前記複数の検出電極は、開口率90%以上のメッシュ形状を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のタッチパネル用導電フィルム。
- 前記樹脂基板の両面上にそれぞれ前記複数の検出電極と前記複数の周辺配線と前記複数の外部接続端子が形成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載のタッチパネル用導電フィルム。
- 前記樹脂基板の一方の面上に形成された前記複数の外部接続端子と他方の面上に形成された前記複数の外部接続端子は、互いに最も近い位置に存在する外部接続端子同士の前記樹脂基板の面方向に沿った方向の距離で300μm以上隔てて配置されている請求項7に記載のタッチパネル用導電フィルム。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載のタッチパネル用導電フィルムと、
複数の電極が形成されたフレキシブル回路基板と、
前記タッチパネル用導電フィルムと前記フレキシブル回路基板の間に配置されると共に前記タッチパネル用導電フィルムの前記複数の外部接続端子と前記フレキシブル回路基板の前記複数の電極を接続する異方性導電フィルムと
を備えたタッチパネル。
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