JP2011253926A - 両面フレキシブルプリント配線板、接続構造、電子機器 - Google Patents

両面フレキシブルプリント配線板、接続構造、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】電極端子を備え、該電極端子が異方性導電材を介して他の電極端子と電気接続されるようにした両面フレキシブルプリント配線板において、熱圧着を行う際、電極端子に均一な荷重をかけることができることで、安定した熱圧着が行え、電気的及び機械的な高接続信頼性を実現できる両面フレキシブルプリント配線板、該フレキシブルプリント配線の接続構造及びその接続構造を備えた電子機器の提供を課題とする。
【解決手段】絶縁性基材11の両表面に導電層を積層し、導電層の何れか一方又は両方に形成される電極端子12aが、異方性導電材30を介して他の電極端子22aと電気接続される両面フレキシブルプリント配線板10であって、電極端子12aのある側とは反対側の表面における電極端子に対応する位置に、絶縁性基材11に電極端子12aが接する接面E面積と同面積若しくはそれを超える面積の平坦部Gを形成してある。
【選択図】 図2

Description

本発明は、両面フレキシブルプリント配線板、該両面フレキシブルプリント配線板が電極端子を備える他のフレキシブルプリント配線板と電気接続されてなる接続構造及び該接続構造を備える電子機器に関する。
フレキシブルプリント配線板(FPC)などに備える複数の電極端子を露出させた実装用の接続部に、半導体パッケージを、いわゆるフリップチップボンディングなどによって実装したり、或いは複数のフレキシブルプリント配線板を、それぞれの配線板に備える多数の電極端子を露出させた接続部同士で電気接続したりするエレクトロニクス実装の分野においては、ますます機器の小型化、薄型化が加速しており、更なる高密度実装化、高接続信頼性を実現できる技術が要求されている。
エレクトロニクス実装における実装法の1つに、熱接着性を有する異方性導電材を用いる方法がある。
異方性導電材は、例えば粉末状の導電成分を、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の結着剤(バインダー)中に分散させた構造を有する。
このような異方性導電材は、熱圧着時の加熱、加圧によって厚み方向に圧縮されることで、導電成分同士が互いに近接若しくは接触して導電ネットワークを形成する結果、厚み方向の導電抵抗(接続抵抗という)が低くなる。
しかしこの際、異方性導電材の面方向は、絶縁抵抗が高く導電率が低い初期の状態を維持する。従って異方性導電材によれば、面方向の絶縁抵抗によって隣り合う電極端子間の絶縁を維持して短絡を防止しながら、厚み方向の接続抵抗によって接続領域に配列された多数の電極端子―電極端子間を一度に、そしてそれぞれ独立して電気接続することができる。
またそれと共に、FPC間を熱圧着によって機械的に強固に固定でき、しかもこれらの部材の接続領域を結着剤によって封止できるため、実装作業が容易である。
このような異方性導電材を用いた接続構造を示すものとして、例えば下記特許文献1がある。
特開平7−162120号公報
上記特許文献1は、フレキシブルプリント配線板の回路接続方法及びフレキシブルプリント配線板に関する発明で、スルーホールやジャンパー配線なしに両面の回路パターンの所定の回路間を電気的に接続できるメリットがある。
また上記特許文献1は、両面に回路を備えるフレキシブルプリント配線板60と、両面に回路を備えるプリント配線板70とが、異方性導電接着剤を介して相互に電気接続される構成を有するものである。
このような両面に回路や電極端子を備える、いわゆる両面フレキシブルプリント配線板が、異方性導電材を介して回路や電極端子を備える他のフレキシブルプリント配線板と電気接続される構成においては、熱圧着時に、両面フレキシブルプリント配線板における熱圧着される回路や電極端子に均一な荷重をかけることができるか否かが、電気的及び機械的な高接続信頼性の実現の可否と密接に結びつくこととなる。
しかし上記特許文献1においては、いわゆる両面フレキシブルプリント配線板において、熱圧着される回路に対する均一な荷重の実現を解決課題とするものではなく、そのような記載や示唆もなされていないという問題があった。
そこで本発明は上記従来技術における問題点を解消し、電極端子を備え、該電極端子が、異方性導電材を介して他の電極端子と電気接続される両面フレキシブルプリント配線板において、熱圧着を行う際、電極端子に均一な荷重をかけることができることで、安定した熱圧着が行え、電気的及び機械的な高接続信頼性を実現できる両面フレキシブルプリント配線板、該両面フレキシブルプリント配線板が、電極端子を備える他のフレキシブルプリント配線板と電気接続されてなる接続構造及び該接続構造を備える電子機器の提供を課題とする。
本発明の両面フレキシブルプリント配線板は、絶縁性基材の両表面に導電層を積層してなる両面フレキシブルプリント配線板であって、前記両表面の導電層の何れか一方又は両方に形成される電極端子が、異方性導電材を介して他の電極端子と電気接続されるようにしたものにおいて、前記電極端子のある側とは反対側の表面における、前記電極端子に対応する位置に、前記絶縁性基材に前記電極端子が接する接面面積と同面積若しくはそれを超える面積の平坦部を形成してあることを第1の特徴としている。
上記本発明の第1の特徴によれば、絶縁性基材の両表面に導電層を積層してなる両面フレキシブルプリント配線板であって、前記両表面の導電層の何れか一方又は両方に形成される電極端子が、異方性導電材を介して他の電極端子と電気接続されるようにしたものにおいて、前記電極端子のある側とは反対側の表面における、前記電極端子に対応する位置に、前記絶縁性基材に前記電極端子が接する接面面積と同面積若しくはそれを超える面積の平坦部を形成してあることから、熱圧着時に、電極端子に均一な荷重をかけることができる。よって安定した熱圧着が行えることで、電気的及び機械的な高接続信頼性を実現できる。
また本発明の両面フレキシブルプリント配線板は、上記本発明の第1の特徴に加えて、前記平坦部は、前記電極端子のある側とは反対側の表面に積層してある導電層を用いて形成してある導体配線からなることを第2の特徴としている。
上記本発明の第2の特徴によれば、上記本発明の第1の特徴による作用効果に加えて、前記平坦部は、前記電極端子のある側とは反対側の表面に積層してある導電層を用いて形成してある導体配線からなることから、高密度実装された両面フレキシブルプリント配線板においても、熱圧着時に、電極端子に均一な荷重をかけることができ、安定した熱圧着を行うことができる。従って高密度実装と電気的及び機械的な高接続信頼性とを同時に実現できる。
また本発明の両面フレキシブルプリント配線板は、上記本発明の第1の特徴に加えて、前記平坦部は、前記電極端子のある側とは反対側の表面に積層してある導電層のうち、前記電極端子に対応する位置の導電層を取り除くことで露出される前記絶縁性基材からなることを第3の特徴としている。
上記本発明の第3の特徴によれば、上記本発明の第1の特徴による作用効果に加えて、前記平坦部は、前記電極端子のある側とは反対側の表面に積層してある導電層のうち、前記電極端子に対応する位置の導電層を取り除くことで露出される前記絶縁性基材からなることから、平坦部の形成を容易なものとすることができ、コスト削減を実現できる。
また本発明の両面フレキシブルプリント配線板は、上記本発明の第1の特徴に加えて、前記平坦部は、前記電極端子のある側とは反対側の表面に積層してある導電層のうち、前記電極端子に対応する位置の導電層からなることを第4の特徴としている。
上記本発明の第4の特徴によれば、上記本発明の第1の特徴による作用効果に加えて、前記平坦部は、前記電極端子のある側とは反対側の表面に積層してある導電層のうち、前記電極端子に対応する位置の導電層からなることから、平坦部の形成を一段と容易なものとすることができ、一段とコスト削減を実現できる。
また本発明の接続構造は、請求項1〜4の何れか1項に記載の両面フレキシブルプリント配線板が、異方性導電材を介して、電極端子を備える他のフレキシブルプリント配線板と電気接続されていることを第5の特徴としている。
上記本発明の第5の特徴によれば、接続構造は、請求項1〜4の何れか1項に記載の両面フレキシブルプリント配線板が、異方性導電材を介して、電極端子を備える他のフレキシブルプリント配線板と電気接続されていることから、熱圧着時に、特に両面フレキシブルプリント配線板に備える電極端子に均一な荷重をかけることができることで、電気的及び機械的な高接続信頼性を実現できる接続構造とすることができる。
また本発明の電子機器は、請求項5に記載の接続構造を備えることを第6の特徴としている。
上記本発明の第6の特徴によれば、電子機器は、請求項5に記載の接続構造を備えることから、電気的及び機械的な高接続信頼性を実現できる接続構造を備える電子機器とすることができる。
本発明の両面フレキシブルプリント配線板によれば、熱圧着時に、電極端子に均一な荷重をかけることができる。よって安定した熱圧着が行えることで、電気的及び機械的な高接続信頼性を実現できる両面フレキシブルプリント配線板とすることができる。
また本発明の接続構造によれば、熱圧着時に、特に両面フレキシブルプリント配線板に備える電極端子に均一な荷重をかけることができる。よって安定した熱圧着が行えることで、電気的及び機械的な高接続信頼性を実現できる接続構造とすることができる。
また本発明の電子機器によれば、電気的及び機械的な高接続信頼性を実現できる接続構造を備える電子機器とすることができる。
本発明の実施形態に係る接続構造を示す図で、(a)は接続構造の全体斜視図、(b)は接続構造の分解斜視図である。 図1のa−a線方向における断面図の要部を示す図で、(a)は加熱バーによる熱圧着前の状態を示し、(b)は加熱バーによる熱圧着時の状態を示す。 本発明の実施形態に係る接続構造に対する比較例を示す要部の断面図である。 本発明の実施形態に係るフレキシブルプリント配線板及び接続構造の変形例を示す要部の断面図で、(a)は平坦部を絶縁性基材で形成する場合を示し、(b)は平坦部を導電層で形成する場合を示す。
以下の図面を参照して、本発明に係る両面フレキシブルプリント配線板、該両面フレキシブルプリント配線板が電極端子を備える他のフレキシブルプリント配線板と電気接続されてなる接続構造及び該接続構造を備える電子機器についての実施形態を説明し、本発明の理解に供する。しかし、以下の説明は本発明の実施形態であって、特許請求の範囲に記載の内容を限定するものではない。
まず図1を参照して、本発明に係る接続構造1は、2枚のフレキシブルプリント配線板が、異方性導電材により相互に電気接続されてなる接続構造であり、図示しない電子機器内部に配設されるものである。
この接続構造1は、図1に示すように、フレキシブルプリント配線板10、20と、異方性導電材30とから構成される。
なお本実施形態においては、図2に示す加熱バー40からの熱及び圧力を異方性導電材30を介して受ける、いわゆる受圧側のフレキシブルプリント配線板をフレキシブルプリント配線板10とし、加熱バー40からの熱及び圧力を異方性導電材30に加える、いわゆる加圧側のフレキシブルプリント配線板をフレキシブルプリント配線板20とする構成としてある。
前記フレキシブルプリント配線板10は、絶縁性基材の表裏両表面に導電層を備える、いわゆる両面フレキシブルプリント配線板である。
このフレキシブルプリント配線板10は、図1に示すように、主として、絶縁性基材11と、電極端子群12と、導体配線13と、カバーレイ14とから構成される。
前記絶縁性基材11は、フレキシブルプリント配線板10の基台となるものであり、絶縁材料からなる樹脂フィルムで形成されている。
樹脂フィルムとしては、柔軟性に優れた樹脂材料からなるものが使用される。例えばポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等の、フレキシブルプリント配線板を形成する樹脂フィルムとして通常用いられるものであれば、如何なるものであってもよい。
また特に、柔軟性に加えて高い耐熱性をも有しているものが望ましい。例えばポリアミド系の樹脂フィルムや、ポリイミド、ポリアミドイミドなどのポリイミド系の樹脂フィルムや、ポリエチレンナフタレートを好適に用いることができる。
また耐熱性樹脂としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等、フレキシブルプリント配線板を形成する耐熱性樹脂として通常用いられるものであれば、如何なるものであってもよい。
前記電極端子群12は、異方性導電材30を介してフレキシブルプリント配線板20の電極端子群22と電気接続される複数の並列される電極端子12aからなる集合体であり、図1(b)に示すように、フレキシブルプリント配線板20との接続部となるカバーレイ14の開口部14aに露出状態で配設されている。
前記電極端子12aは、図2に示すように、絶縁性基材11の表面に形成される導電性金属からなる電極端子である。
なお導電性金属としては、銅、銀、金等、フレキシブルプリント配線板の電極端子を形成するものとして通常用いられるものであれば如何なるものであってもよい。
また電極端子12aは、絶縁性基材11の表面に積層される導電性金属からなる導電層をエッチングする等の公知の形成方法を用いて形成することができる。
また本実施形態においては、詳しくは図示していないが、電極端子群12を構成する複数の電極端子12aの幅、長さ、厚みを同一なものとしてある。
なお、必ずしもこのような構成に限るものではなく、複数の電極端子12aの幅、長さをそれぞれで異なるものとしてもよい、が、厚みは同一厚とすることが必要である。
また電極端子群12を構成する電極端子12aの数、フレキシブルプリント配線板10上の配置位置等は本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
前記導体配線13は、フレキシブルプリント配線板10の両面における回路を形成するものである。
本実施形態においては、図2に示すように、特に複数の並列される電極端子12aのある側とは反対側の表面における、電極端子12aに対応する位置に、複数の導体配線13を配設してある。
より具体的には、図2(b)に示すように、複数の並列される電極端子12aのある側とは反対側の表面における、複数の電極端子12aに対応する位置に、電極端子12aの幅A及び厚みBと同一な幅C及び厚みDの導体配線13を配設してある。また図示していないが、複数の並列される電極端子12aのある側とは反対側の表面における、複数の電極端子12aに対応する位置に配設する導体配線13の長さも電極端子12aの長さと同一長としてある。
なお、ここで及び以下の説明において、「幅A」とは絶縁性基材11に電極端子12aが接する接面Eの幅を指すものし、「幅C」とは導体配線13における表面Fの幅を指すものとする。
このような構成とすることで、複数の並列される電極端子12aのある側とは反対側の表面における、複数の電極端子12aに対応する位置に、電極端子12aの圧着面Pと平行で且つ接面Eと同一面積の表面Fを備える導体配線13で平坦部Gを形成することができる。
また図2(b)に破線で示すように、仮に電極端子12aや導体配線13の形成時にオーバーエッチングが生じ、圧着面Pの幅が接面Eの幅よりも小さくなった場合や、表面Fの幅が絶縁性基材11に導体配線13が接する接面Hの幅よりも小さくなった場合であっても、圧着面Pと平行で且つ接面Eと同一面積の表面Fを備える複数の導体配線13で平坦部Gを形成することができる。
よって熱圧着時に受圧側となる、いわゆる両面フレキシブルプリント配線板である、フレキシブルプリント配線板10における複数の電極端子12aの圧着面Pに、均一な荷重をかけることができる。
従って対向する電極端子12a、22a間で安定した熱圧着を行うことができ、電気的及び機械的な高接続信頼性を実現できる両面フレキシブルプリント配線板たるフレキシブルプリント配線10及び接続構造1とすることができる。
これに対して、例えば図3に示すように、複数の並列される電極端子12aのある側とは反対側の表面における、複数の電極端子12aに対応する位置に、電極端子12aの幅Aよりも小さい、幅Cとする導体配線13で平坦部Gを形成する接続構造2の場合、幅Jの部分において、熱圧着時における電極端子12aの土台となる導体配線13が存在しないこととなる。
よって異方性導電材30を介して電極端子12a、22a間で熱圧着を行う際、導体配線13を支点として電極端子12aの両端部たる幅Jの部分で曲げ変形が生じ、圧着面Pに均一な荷重をかけることができず、安定した熱圧着を行うことができない。
従って対向する電極端子12a、22a間において、導通に寄与する導電粒子が不均一となり、電気的な接続信頼性の欠如が生じる。
また対向する電極端子12a、22a間における異方性導電材30の充填度が不均一となり、機械的な接続信頼性の欠如が生じる。
なお従来の接続構造2は、本発明の実施形態に係る接続構造1に対して、導体配線13の大きさのみを異なるものとする構成であることから、接続構造1と同一部材、同一機能を果たすものには、同一番号を付すものとする。
よって本発明の実施形態に係るフレキシブルプリント配線板10の構成とすることで、熱圧着時に、複数の電極端子12aの接面Eの全面に対向する表面Fを備える導体配線13で平坦部Gを形成することができ、圧着面Pに均一な荷重をかけることができる。従って安定した熱圧着を行うことができ、電気的及び機械的な高接続信頼性を実現できる両面フレキシブルプリント配線板たるフレキシブルプリント配線板10及び接続構造1とすることができる。
この導体配線13は、絶縁性基材11における電極端子12aのある側とは反対側の表面に積層される導電性金属からなる導電層をエッチングする等の公知の形成方法を用いて形成することができる。
なお本実施形態においては、複数の導体配線13の幅C、厚みD、長さを、電極端子12aの幅A、厚みB、長さと同一とすることで、電極端子12aの圧着面Pと平行で且つ接面Eと同一面積の表面Fを備える導体配線13で平坦部Gを形成する構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではない。
例えば複数の導体配線13の幅C及び長さを、共に電極端子12aの幅A及び長さよりも長いものとし、表面Fの面積が接面Eの面積を超えるものとしてもよい。また複数の導体配線13のそれぞれで幅、長さを異なるものとする構成であってもよい。
但し、何れの場合も、それぞれの導体配線13が対応する電極端子12aにおける接面Eの全面と対向する表面Fを備える導体配線13で平坦部Gを形成できることが必要である。
また厚みは、複数の導体配線13において、共に同一厚とすることが必要である。
また導体配線13の数、フレキシブルプリント配線板上の配置位置等は本実施形態のものに限るものではなく、電極端子12aの構成にあわせて適宜変更可能である。
前記カバーレイ14は、フレキシブルプリント配線板10の絶縁層を構成するものである。
図1、図2に示すように、カバーレイ14における電極端子群12に対応する位置には、開口部14aを形成することで、電極端子群12を露出させた接続部を形成してある。
なおカバーレイ14としては、接着剤付きポリイミドフィルム、感光性レジスト、液状レジスト等を用いることができる。
なお本実施形態において、加圧側のフレキシブルプリント配線板20は、いわゆる片面フレキシブルプリント配線板であり、主たる構成部材である絶縁性基材21と、電極端子群22と、カバーレイ24とは、既述したフレキシブルプリント配線板10における絶縁性基材11と、電極端子群12と、カバーレイ14と同一部材、同一機能を果たすものであることから、以下の詳細な説明を省略するものとする。
前記異方性導電材30は、結着剤(バインダー)の中に導電成分を含有させたものであり、熱圧着時の加熱、加圧によって厚み方向に導通性を有すると共に、面方向に絶縁性を有し、更に部材同士を接着させる接着性を有する。
なお結着剤としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等、異方性導電材30を形成する結着剤として通常用いられるものであれば如何なるものであってもよい。
また導電成分としては、ニッケル等、異方性導電材30を形成する導電成分として通常用いられるものであれば如何なるものであってもよい。
また異方性導電材30の大きさは、既述した開口部14aにおいて、電極端子群12が占める領域よりやや大きいものとすることが望ましい。
なお、ここで及び以下の説明において、「電極端子群12が占める領域」とは絶縁性基材11の表面において、電極端子群12を構成する複数の並列される電極端子12aの全てを囲む領域のことを意味するものとする。
なお本実施形態においては、異方性導電材30として膜状に形成された異方性導電フィルムを用いる構成としてある。
勿論、このような構成に限るものではなく、異方性導電材30として異方性導電ペーストを用いる構成としてもよい。
また図1に示すように、フレキシブルプリント配線板10、20にはガイド孔15、25が形成されている。このガイド孔15、25は、接続構造1の熱圧着時にフレキシブルプリント配線板10、20の位置決めを行うためのものである。
具体的には、図示しない固定された台の上に位置決め治具を用いてフレキシブルプリント配線板10を載置し、異方性導電材30を仮接着させた状態で、開口部24aが開口部14aと対面するようにフレキシブルプリント配線板20を配置する。そしてガイド孔15とガイド孔25とで大まかな位置決めを行った後に、図示しない相互の配線板に形成されるアライメントマークで高精度な位置決めを行った後、フレキシブルプリント配線板20の上部から加熱バー40により所定の温度、圧力、時間で加熱、加圧することで接続構造1が形成される。勿論、接続構造1の形成方法は、本実施形態のものに限るものではなく、フレキシブルプリント配線板10、20を異方性導電材30を介して電気接続できるものであれば如何なる形成方法であってもよい。
そしてこのように形成される接続構造1は、図示しない携帯電話機等の電子機器内部に配設される。このような構成とすることで、電気的及び機械的な高接続信頼性を実現できる電子機器とすることができる。
次に図4を参照して、本発明の実施形態に係る両面フレキシブルプリント配線板及び接続構造の変形例1、2を説明する。
本変形例1、2は、既述した本発明の実施形態に対して、平坦部Gの構成を変化させたものである。その他の構成については、既述した本発明の実施形態と同一であることから、同一部材、同一機能を果たすものには、同一番号を付し、以下の詳細な説明を省略するものとする。
まず図4(a)を参照して、本変形例1に係る接続構造3を構成する、いわゆる両面フレキシブルプリント配線板たるフレキシブルプリント配線板10は、絶縁性基材11の表裏両表面に耐熱性接着樹脂等で導電性金属からなる導電層Sを積層してなる、いわゆる両面金属張積層基板を用いて形成されている。
また電極端子12aのある側とは反対側の表面に積層してある導電層Sのうち、電極端子12aに対応する位置の導電層S(図4(a)において仮想線で示す。)を取り除くことで露出される絶縁性基材11で平坦部Gを形成してある。
より具体的には、電極端子12aのある側とは反対側の表面に積層してある導電層Sのうち、電極端子群12が占める領域に対応する位置の導電層Sをエッチング等で一括して取り除くことで露出される絶縁性基材11で平坦部Gを形成してある。
このような構成とすることで、電極端子12aのある側とは反対側の表面における、電極端子12aに対応する位置に露出される絶縁性基材11で、絶縁性基材11に電極端子12aが接する接面Eの面積を超える面積の平坦部Gを一体的に形成することができる。よって熱圧着時における電極端子群12の土台を一体的に形成することができることで、熱圧着時に複数の電極端子12aの圧着面Pに一段と容易に均一な荷重をかけることができ、安定した熱圧着を行うことができる。従って電気的及び機械的な高接続信頼性を実現できる両面フレキシブルプリント配線板たるフレキシブルプリント配線板10及び接続構造3とすることができる。
また電極端子12aのある側とは反対側の表面に積層してある導電層Sのうち、電極端子群12が占める領域に対応する位置の導電層Sをエッチング等で一括して取り除くことで、熱圧着時に電極端子群12が占める領域に対応する位置の導電層Sに熱が逃げることを防止でき、効率的な熱圧着を行うことができる。
また平坦部Gを容易に形成することができ、コスト削減を実現することができる。
なお絶縁性基材11の厚みKは、7μm〜25μm程度とすることが望ましい。
また導電性金属としては、銅、銀、金等、両面金属張積層基板の導電層を形成する導電性金属として通常用いられるものであれば、如何なるものであってもよい。
また耐熱性接着樹脂としては、エポキシ樹脂等、両面金属張積層基板を形成する耐熱性接着樹脂として通常用いられるものであれば、如何なるものであってもよい。
次に図4(b)を参照して、本変形例2に係る接続構造4を構成する、いわゆる両面フレキシブルプリント配線板たるフレキシブルプリント配線板10は、絶縁性基材11の表裏両表面に耐熱性接着樹脂等で導電性金属からなる導電層Sを積層してなる、いわゆる両面金属張積層基板を用いて形成されている。
また電極端子12aのある側とは反対側の表面に積層してある導電層Sのうち、電極端子12aに対応する位置の導電層Sで平坦部Gを形成してある。
より具体的には、電極端子12aのある側とは反対側の表面に積層してある導電層Sのうち、電極端子群12が占める領域に対応する位置に積層してある導電層Sを、取り除くことなく、そのまま残すことで平坦部Gを形成してある。
このような構成とすることで、いわゆる両面金属張積層基板に別加工を施すことなく、電極端子12aのある側とは反対側の表面における、電極端子12aに対応する位置に積層する導電層Sで、絶縁性基材11に電極端子12aが接する接面Eの面積を超える面積の平坦部Gを一体的に形成することができる。
よってそのまま残す導電層Sで、熱圧着時における電極端子群12の土台を一体的に形成することができる。よって熱圧着時に、複数の電極端子12aの圧着面Pに一段と容易に均一な荷重をかけることができ、安定した熱圧着を行うことができる。従って電気的及び機械的な高接続信頼性を実現できる両面フレキシブルプリント配線板たるフレキシブルプリント配線板10及び接続構造4とすることができる。
また平坦部Gを一段と容易に形成することができ、コスト削減を実現することができる。
なお平坦部Gを形成する導電層Sの厚みLは、8μm〜35μm程度とすることが望ましい。
また導電性金属及び耐熱性接着樹脂としては、既述した変形例1と同様に、両面金属張積層基板を形成する導電性金属及び耐熱性接着樹脂として通常用いられるものであれば、如何なるものであってもよい。
なお本実施形態においては、加圧側のフレキシブルプリント配線板20をいわゆる片面フレキシブルプリント配線板とする構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、加圧側のフレキシブルプリント配線板20をいわゆる両面フレキシブルプリント配線板とする構成としてもよい。
また受圧側及び加圧側のフレキシブルプリント配線板の大きさ、形状等も本実施形態のものに限る必要はなく、適宜変更可能である。
本発明によれば、絶縁性基材の表裏両表面に導電層を積層してあると共に、何れか一方の導電層を用いて形成してある電極端子が、異方性導電材を介して他の電極端子と電気接続される両面フレキシブルプリント配線板において、熱圧着時に、安定した熱圧着を行うことができ、電気的及び機械的な高接続信頼性を実現できることから、電極端子を備える両面フレキシブルプリント配線板が、異方性導電材を介して、電極端子を備える他のフレキシブルプリント配線板と電気接続される構造を備える電子機器の分野における産業上の利用性が高い。
1 接続構造
2 接続構造
3 接続構造
4 接続構造
10 フレキシブルプリント配線板
11 絶縁性基材
12 電極端子群
12a 電極端子
13 導体配線
14 カバーレイ
14a 開口部
15 ガイド孔
20 フレキシブルプリント配線板
21 絶縁性基材
22 電極端子群
22a 電極端子
24 カバーレイ
24a 開口部
25 ガイド孔
30 異方性導電材
40 加熱バー
A 幅
B 厚み
C 幅
D 厚み
E 接面
F 表面
G 平坦部
H 接面
J 幅
K 厚み
L 厚み
P 圧着面
S 導電層

Claims (6)

  1. 絶縁性基材の両表面に導電層を積層してなる両面フレキシブルプリント配線板であって、前記両表面の導電層の何れか一方又は両方に形成される電極端子が、異方性導電材を介して他の電極端子と電気接続されるようにしたものにおいて、前記電極端子のある側とは反対側の表面における、前記電極端子に対応する位置に、前記絶縁性基材に前記電極端子が接する接面面積と同面積若しくはそれを超える面積の平坦部を形成してあることを特徴とする両面フレキシブルプリント配線板。
  2. 前記平坦部は、前記電極端子のある側とは反対側の表面に積層してある導電層を用いて形成してある導体配線からなることを特徴とする請求項1に記載の両面フレキシブルプリント配線板。
  3. 前記平坦部は、前記電極端子のある側とは反対側の表面に積層してある導電層のうち、前記電極端子に対応する位置の導電層を取り除くことで露出される前記絶縁性基材からなることを特徴とする請求項1に記載の両面フレキシブルプリント配線板。
  4. 前記平坦部は、前記電極端子のある側とは反対側の表面に積層してある導電層のうち、前記電極端子に対応する位置の導電層からなることを特徴とする請求項1に記載の両面フレキシブルプリント配線板。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の両面フレキシブルプリント配線板が、異方性導電材を介して、電極端子を備える他のフレキシブルプリント配線板と電気接続されていることを特徴とする接続構造。
  6. 請求項5に記載の接続構造を備えることを特徴とする電子機器。
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