JPWO2015163457A1 - 歪補償回路 - Google Patents
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Abstract
Description
この歪補償回路が発生する逆特性の相互変調歪の振幅は、増幅器で発生する相互変調歪の振幅と同じであり、逆特性の相互変調歪の位相は、増幅器で発生する相互変調歪の位相と180度異なっている。
この歪補償回路では、入力端子101と出力端子102の間に、増幅器で発生する相互変調歪と逆特性の相互変調歪を発生する歪発生回路103を挿入している。
また、この歪補償回路では、入力端子101から入力される2波のRF信号(周波数f1のRF信号、周波数f2のRF信号)の差周波(f2−f1)に相当する周波数帯域に対するインピーダンスを変化させるインピーダンス変換回路104を備えている。
したがって、増幅器で発生する相互変調歪に合わせて、適宜、歪発生回路103から発生される相互変調歪の振幅及び位相特性を調整することで、増幅器で発生する相互変調歪を精度よく補償することができる。
インダクタンス105及びコンデンサ107は、固有の自己共振周波数を有しており、RF信号の周波数f1,f2が自己共振周波数以下でなければ、インダクタやキャパシタとして機能しない。通常、インダクタンスやコンデンサの値が大きいほど、寄生の容量等の影響で、自己共振周波数が低くなる傾向にある。
入力端子101から入力される2波のRF信号(周波数f1のRF信号、周波数f2のRF信号)の差周波(f2−f1)に相当する周波数帯域は数百MHz以下である。
そのため、その周波数帯域でインピーダンスを変更するには、大きな値のインダクタンス105及びコンデンサ107を使用する必要があるが、2波のRF信号の周波数f1,f2は、通常、数GHz以上であり、インダクタンス105及びコンデンサ107における固有の自己共振周波数を超えてしまうことが予想される。
仮に広帯域に理想的な特性を有するインダクタンスとコンデンサが存在すれば、そのようなインダクタンスとコンデンサを使用することで、2波のRF信号の使用周波数帯域におけるRFインピーダンスが開放条件になることも考えられるが、そのようなインダクタンスやコンデンサは価格が高く、コスト高を招いてしまうことになる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による歪補償回路を示す構成図である。
図1の歪補償回路には、入力端子1の前段又は出力端子2の後段に増幅器(図示せず)が接続されている。
図1において、入力端子1は2波のRF信号(無線周波数信号)を入力する端子であり、この実施の形態1では、周波数f1のRF信号と、周波数f2のRF信号とが入力されるものとする。f1<f2である。
この実施の形態1では、説明の簡単化のため、2波のRF信号が入力される例を説明するが、3波以上のRF信号が入力されるものであってもよい。
出力端子2は2波のRF信号や、増幅器で発生する相互変調歪と逆特性の相互変調歪などを出力する端子である。
DC端子6は直流電圧が印加される端子である。
リニアライザー回路7は信号路3に挿入されており、2波のRF信号(f1,f2)の入力に伴って、差周波信号(f2−f1)や相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)などを発生する回路である。
相互変調歪調整回路9はローパス回路8の他端とグランドの間に接続され、ローパス回路8を通過してきた差周波信号(f2−f1)を反射して、その差周波信号(f2−f1)をリニアライザー回路7に戻すことで、信号路3に現われる相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)を調整する回路である。
入力端子1から入力された2波のRF信号(f1,f2)は、リニアライザー回路7に入力される。
リニアライザー回路7の特性は非線形特性であるため、2波のRF信号(f1,f2)の入力に伴って、差周波信号(f2−f1)、相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)や2次高調波(2f1,2f2)などが発生し、リニアライザー回路7の出力側には、2波のRF信号(f1,f2)、差周波信号(f2−f1)、相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)や2次高調波(2f1,2f2)などが現れる。
一方、差周波信号(f2−f1)については、ローパス回路8を通過して相互変調歪調整回路9に到達する。
差周波信号(f2−f1)がリニアライザー回路7に戻ることで、リニアライザー回路7のミキシング効果により、2波のRF信号(f1,f2)と差周波信号(f2−f1)のミキシング波が2f2−f1,2f1−f2の周波数に現われる。
信号路3上でベクトル合成された合成成分の調整は、相互変調歪調整回路9が、差周波信号(f2−f1)のインピーダンスを調整することで行うことができるので、出力端子2の後段に増幅器が接続される場合には、信号路3上でベクトル合成された合成成分が、増幅器で発生する相互変調歪と逆特性になるように、差周波信号(f2−f1)のインピーダンスを調整する。
一方、入力端子1の前段に増幅器が接続される場合には、入力端子1から入力された増幅器で発生している相互変調歪が、信号路3上でベクトル合成された合成成分によって打ち消されるように、差周波信号(f2−f1)のインピーダンスを調整する。
なお、相互変調歪調整回路9で差周波信号(f2−f1)のインピーダンスを調整するに際して、インダクタンスやコンデンサなどの部品の低周波特性のみ考慮すればよいため、部品選択の自由度や調整の自由度が向上する。これにより、調整コストや部品コストの低減を図ることができる。
図2はこの発明の実施の形態2による歪補償回路を示す構成図であり、図2において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
高調波インピーダンス調整回路10は一端が信号路3に接続されており、リニアライザー回路7で生じている2波のRF信号(f1,f2)の高調波成分である2次高調波(2f1,2f2)を反射して、2次高調波(2f1,2f2)をリニアライザー回路7に戻すことで、信号路3に現われる相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)を調整する回路である。
高調波インピーダンス調整回路10は信号路3に現われる相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)が増幅器で発生する相互変調歪と逆特性になるように、2次高調波(2f1,2f2)のインピーダンスを調整する。
この実施の形態2では、高調波インピーダンス調整回路10が2次高調波(2f1,2f2)のインピーダンスを調整する例を説明するが、これは一例に過ぎず、例えば、3次高調波(3f1,3f2)のインピーダンスを調整することで、信号路3に現われる3次高調波に係る相互変調歪を調整するようにしてもよい。
図2の歪補償回路は、図1の歪補償回路に対して高調波インピーダンス調整回路10を追加している。
リニアライザー回路7の特性は非線形特性であるため、2波のRF信号(f1,f2)の入力に伴って、差周波信号(f2−f1)、相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)や2次高調波(2f1,2f2)などが発生し、リニアライザー回路7の出力側には、2波のRF信号(f1,f2)、差周波信号(f2−f1)、相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)や2次高調波(2f1,2f2)などが現れる。
2次高調波(2f1,2f2)がリニアライザー回路7に戻ることで、リニアライザー回路7のミキシング効果により、2波のRF信号(f1,f2)と2次高調波(2f1,2f2)のミキシング波が2f2−f1,2f1−f2の周波数に現われる。
これにより、2f2−f1,2f1−f2の周波数に現われているミキシング波の成分と、リニアライザー回路7により発生された相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)とが信号路3上でベクトル合成され、その合成成分が出力端子2から出力される。
一方、入力端子1の前段に増幅器が接続される場合には、入力端子1から入力された増幅器で発生している相互変調歪が、ベクトル合成された合成成分によって打ち消されるように、差周波信号(f2−f1)のインピーダンス及び2次高調波(2f1,2f2)のインピーダンスを調整する。
よって、高調波インピーダンス調整回路10を設けることで、相互変調歪調整回路9だけでインピーダンスを調整する場合よりも、増幅器で発生する相互変調歪の補償精度を高めることができる。
図3はこの発明の実施の形態3による歪補償回路を示す構成図であり、図3において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
リニアライザー回路7は抵抗7aとダイオード7bから構成されており、抵抗7aはDC端子6と信号路3の間に接続され、ダイオード7bは信号路3とグランドの間に接続されている。
ローパス回路8は伝送線路8aとオープンスタブ8bから構成されており、伝送線路8aは一端が信号路3に接続されて、他端が相互変調歪調整回路9に接続されており、オープンスタブ8bは一端が伝送線路8aの他端に接続されている。
相互変調歪調整回路9は低周波用インダクタ9aと低周波用コンデンサ9bから構成されており、低周波用インダクタ9aは一端がローパス回路8と接続され、低周波用コンデンサ9bは一端が低周波用インダクタ9aの他端に接続され、他端がグランドに接続されている。
なお、伝送線路8aやオープンスタブ8bの長さは設計パラメータであるが、例えば、中心周波数で4分の1波長となるように選択すればよい。
図4はこの発明の実施の形態4による歪補償回路を示す構成図であり、図4において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
第1の信号路である信号路3−1と第2の信号路である信号路3−2は、差動信号路を構成している。
分配器11は入力端子1から入力された2波のRF信号(f1,f2)を2つに分配して、一方のRF信号(f1,f2)を信号路3−1に出力し、他方のRF信号(f1,f2)を信号路3−2に出力する。
180度線路12は信号路3−1に挿入されており、分配器11により分配されたRF信号(f1,f2)の位相を180度移相する。
また、180度線路12による180度移相後のRF信号(f1,f2)と、分配器11から信号路3−2に出力されたRF信号(f1,f2)は、一対の差動信号を構成している。
以下、180度移相後のRF信号(f1,f2)を第1のRF信号(第1の無線周波数信号)、分配器11から信号路3−2に出力されたRF信号(f1,f2)を第2のRF信号(第2の無線周波数信号)と称する。
また、リニアライザー回路13は抵抗13aとダイオード13bと抵抗13cから構成されており、抵抗13aはDC端子6と信号路3−1の間に接続され、ダイオード13bは信号路3−1と信号路3−2の間に接続され、抵抗13cは信号路3−2とグランドの間に接続されている。
第2のローパス回路であるローパス回路8−2は一端が信号路3−2に接続されており、第2のRF信号(f1,f2)及び信号路3−2に発生している相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)より周波数が低い信号だけを通過させる特性を有するフィルタである。このため、ローパス回路8−2は第2のRF信号(f1,f2)及び信号路3−2に発生している相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)の通過を阻止して、差周波信号(f2−f1)を通過させるように作用する。
第2の相互変調歪調整回路である相互変調歪調整回路9−2はローパス回路8−2の他端とグランドの間に接続され、ローパス回路8−2を通過してきた差周波信号(f2−f1)を反射して、その差周波信号(f2−f1)をリニアライザー回路13に戻すことで、信号路3−2に現われる相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)を調整する回路である。
合成器15は信号路3−1を伝送されてきた信号と信号路3−2を伝送されてきた信号を合成することで、差動信号を単相信号に変換する。
なお、180度線路14及び合成器15から単相信号変換手段が構成されている。
図4の歪補償回路の基本的な動作は、上記実施の形態1における図1の歪補償回路と同様であるが、図4の歪補償回路では、入力端子1から入力された2波のRF信号(f1,f2)を差動信号に変換している点で相違している。
具体的には、以下の通りである。
180度線路12は、分配器11からRF信号(f1,f2)を受けると、そのRF信号(f1,f2)の位相を180度移相して、180度移相後のRF信号(f1,f2)を出力する。
180度移相後のRF信号(f1,f2)と、分配器11から信号路3−2に出力されたRF信号(f1,f2)は、上述したように、一対の差動信号を構成している。
一方、差周波信号(f2−f1)については、ローパス回路8−1を通過して相互変調歪調整回路9−1に到達する。
差周波信号(f2−f1)がリニアライザー回路13に戻ることで、リニアライザー回路13のミキシング効果により、第1のRF信号(f1,f2)と差周波信号(f2−f1)のミキシング波が2f2−f1,2f1−f2の周波数に現われる。
これにより、2f2−f1,2f1−f2の周波数に現われているミキシング波の成分と、リニアライザー回路13によって信号路3−1に発生された相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)とが信号路3−1上でベクトル合成され、その合成成分が合成器15に出力される。
相互変調歪調整回路9−1は、図1の相互変調歪調整回路9と同様に、例えば、インダクタンスやコンデンサなどから構成され、そのインダクタンスやコンデンサなどを調整することで、差周波信号(f2−f1)のインピーダンスを調整するが、相互変調歪調整回路9−1の前段に接続されているローパス回路8−1が、通常、周波数が数GHz以上のRF信号(f1,f2)の通過を阻止しているので、自己共振周波数が低い安価なインダクタンスやコンデンサを用いて、相互変調歪調整回路9−1を構成しても、相互変調歪調整回路9−1の特性がRF特性に影響を与えることがない。
一方、差周波信号(f2−f1)については、ローパス回路8−2を通過して相互変調歪調整回路9−2に到達する。
差周波信号(f2−f1)がリニアライザー回路13に戻ることで、リニアライザー回路13のミキシング効果により、第2のRF信号(f1,f2)と差周波信号(f2−f1)のミキシング波が2f2−f1,2f1−f2の周波数に現われる。
これにより、2f2−f1,2f1−f2の周波数に現われているミキシング波の成分と、リニアライザー回路13によって信号路3−2に発生された相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)とが信号路3−2上でベクトル合成され、その合成成分が180度線路14に出力される。
相互変調歪調整回路9−2は、図1の相互変調歪調整回路9と同様に、例えば、インダクタンスやコンデンサなどから構成され、そのインダクタンスやコンデンサなどを調整することで、差周波信号(f2−f1)のインピーダンスを調整するが、相互変調歪調整回路9−2の前段に接続されているローパス回路8−2が、通常、周波数が数GHz以上のRF信号(f1,f2)の通過を阻止しているので、自己共振周波数が低い安価なインダクタンスやコンデンサを用いて、相互変調歪調整回路9−2を構成しても、相互変調歪調整回路9−2の特性がRF特性に影響を与えることがない。
合成器15は、信号路3−1に現われている第1のRF信号(f1,f2)、差周波信号(f2−f1)、2次高調波(2f1,2f2)、ベクトル合成された合成成分(2f2−f1,2f1−f2)のうち、DCカット用コンデンサ5を通過してきた信号(差周波信号(f2−f1)はDCカット用コンデンサ5を通過できない)と、180度線路14により180度移相された信号とを合成することで差動信号を単相信号に変換し、その単相信号を出力端子2に出力する。
これに対して、この実施の形態4では、入力端子1から入力された2波のRF信号(f1,f2)を差動信号に変換しているので、リニアライザー回路13のダイオード13bの中心に仮想GNDを形成することができるため、ダイオード13bを実装する際にスルーホールを形成する必要がなくなり、スルーホールの寄生インダクタの影響を回避することができる。
したがって、この実施の形態4によれば、上記実施の形態1〜3と同様の効果が得られる他に、上記実施の形態1〜3の歪補償回路と比べて、寄生成分の影響を受け難くなり、より高い周波数でもリニアライザー回路13を動作させることができる効果が得られる。
また、DCカット用コンデンサ4と180度線路12の位置を入れ替えてもよい。同様に、DCカット用コンデンサ5と180度線路14の位置を入れ替えてもよい。
図5はこの発明の実施の形態5による歪補償回路を示す構成図であり、図5において、図4と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
第1の高調波インピーダンス調整回路である高調波インピーダンス調整回路10−1は一端が信号路3−1に接続されている高調波用オープンスタブ10aから構成されており、リニアライザー回路13で生じている第1のRF信号(f1,f2)の2次高調波(2f1,2f2)を反射して、その2次高調波(2f1,2f2)をリニアライザー回路13に戻すことで、信号路3−1に現われる相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)を調整する回路である。
また、高調波インピーダンス調整回路10−1は信号路3−1に現われる相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)が増幅器で発生する相互変調歪と逆特性になるように、2次高調波(2f1,2f2)のインピーダンスを調整する。
また、高調波インピーダンス調整回路10−2は信号路3−2に現われる相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)が増幅器で発生する相互変調歪と逆特性になるように、2次高調波(2f1,2f2)のインピーダンスを調整する。
この実施の形態5では、高調波インピーダンス調整回路10−1,1−2が2次高調波(2f1,2f2)のインピーダンスを調整する例を説明するが、これは一例に過ぎず、例えば、3次高調波(3f1,3f2)のインピーダンスを調整することで、信号路3−1,3−2に現われる3次高調波に係る相互変調歪を調整するようにしてもよい。
図5の歪補償回路は、図4の歪補償回路に対して高調波インピーダンス調整回路10−1,10−2を追加している。
リニアライザー回路13の特性は非線形特性であるため、第1のRF信号(f1,f2)と第2のRF信号(f1,f2)の入力に伴って、差周波信号(f2−f1)、相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)や2次高調波(2f1,2f2)などが発生し、リニアライザー回路13の出力側には、2波のRF信号(f1,f2)、差周波信号(f2−f1)、相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)や2次高調波(2f1,2f2)などが現れる。
2次高調波(2f1,2f2)がリニアライザー回路13に戻ることで、リニアライザー回路13のミキシング効果により、2波のRF信号(f1,f2)と2次高調波(2f1,2f2)のミキシング波が2f2−f1,2f1−f2の周波数に現われる。
これにより、2f2−f1,2f1−f2の周波数に現われているミキシング波の成分と、リニアライザー回路13により発生された相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)とが信号路3−1上でベクトル合成され、その合成成分が合成器15に出力される。
2次高調波(2f1,2f2)がリニアライザー回路13に戻ることで、リニアライザー回路13のミキシング効果により、2波のRF信号(f1,f2)と2次高調波(2f1,2f2)のミキシング波が2f2−f1,2f1−f2の周波数に現われる。
これにより、2f2−f1,2f1−f2の周波数に現われているミキシング波の成分と、リニアライザー回路13により発生された相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)とが信号路3−2上でベクトル合成され、その合成成分が180度線路14に出力される。
一方、入力端子1の前段に増幅器が接続される場合には、入力端子1から入力された増幅器で発生している相互変調歪が、ベクトル合成された合成成分によって打ち消されるように、差周波信号(f2−f1)のインピーダンス及び2次高調波(2f1,2f2)のインピーダンスを調整する。
よって、高調波インピーダンス調整回路10−1,10−2を設けることで、相互変調歪調整回路9−1,9−2だけでインピーダンスを調整する場合よりも、増幅器で発生する相互変調歪の補償精度を高めることができる効果が得られる。
図6この発明の実施の形態6による歪補償回路を示す構成図であり、図6において、図4と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
リニアライザー回路13−1,13−2は、図4のリニアライザー回路13と同様の回路であり、第1のRF信号(f1,f2)と第2のRF信号(f1,f2)の入力に伴って、差周波信号(f2−f1)や相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)などを発生する回路である。
リニアライザー回路13を多段に接続することで、増幅器で発生する相互変調歪と逆特性の相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)を高精度に作ることができるようになり、さらに、増幅器で発生する相互変調歪の補償精度を高めることができる。
図6では、実装しているリニアライザー回路13が2段構成であるが、3段以上の構成であってもよい。
また、リニアライザー回路13だけでなく、ローパス回路8−1,8−2や相互変調歪調整回路9−1,9−2についても、多段に接続するようにしてもよい。
図7この発明の実施の形態7による歪補償回路を示す構成図であり、図7において、図4と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
相互変調歪調整回路16はローパス回路8−1とローパス回路8−2の間に接続され、ローパス回路8−1を通過してきた差周波信号(f2−f1)を反射して、その差周波信号(f2−f1)をリニアライザー回路13に戻すとともに、ローパス回路8−2を通過してきた差周波信号(f2−f1)を反射して、その差周波信号(f2−f1)をリニアライザー回路13に戻すことで、信号路3−1,3−2に現われる相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)を調整する回路である。
相互変調歪調整回路16はインダクタ16aとコンデンサ16bから構成されている。
図7の歪補償回路の基本的な動作は、上記実施の形態4における図4の歪補償回路と同様である。
ただし、図7の歪補償回路では、相互変調歪調整回路16をローパス回路8−1とローパス回路8−2の間に接続しているので、相互変調歪調整回路16内に仮想GNDが形成される。
このため、相互変調歪調整回路16を実装する際に、図4の歪補償回路のように、相互変調歪調整回路9−1,9−2をグランドに接続するためのスルーホールを形成する必要がなくなり、スルーホールの寄生インダクタの影響を回避することができる。
したがって、この実施の形態7によれば、上記実施の形態4の歪補償回路と比べて、寄生成分の影響を受け難くなり、より高い周波数でもリニアライザー回路13を動作させることができる。
図8この発明の実施の形態8による歪補償回路を示す構成図であり、図8において、図5及び図7と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
次に動作について説明する。
図8の歪補償回路は、図7の歪補償回路に対して高調波インピーダンス調整回路10−1,10−2を追加している。
リニアライザー回路13の特性は非線形特性であるため、180度移相後のRF信号(f1,f2)である第1のRF信号(f1,f2)と、分配器11から信号路3−2に出力されたRF信号(f1,f2)である第2のRF信号(f1,f2)の入力に伴って、差周波信号(f2−f1)、相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)や2次高調波(2f1,2f2)などが発生し、信号路3−1には、第1のRF信号(f1,f2)、差周波信号(f2−f1)、相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)や2次高調波(2f1,2f2)などが現れ、信号路3−2には、第2のRF信号(f1,f2)、差周波信号(f2−f1)、相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)や2次高調波(2f1,2f2)などが現れる。
2次高調波(2f1,2f2)がリニアライザー回路13に戻ることで、リニアライザー回路13のミキシング効果により、2波のRF信号(f1,f2)と2次高調波(2f1,2f2)のミキシング波が2f2−f1,2f1−f2の周波数に現われる。
これにより、2f2−f1,2f1−f2の周波数に現われているミキシング波の成分と、リニアライザー回路13により発生された相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)とが信号路3−1上でベクトル合成され、その合成成分が合成器15に出力される。
2次高調波(2f1,2f2)がリニアライザー回路13に戻ることで、リニアライザー回路13のミキシング効果により、2波のRF信号(f1,f2)と2次高調波(2f1,2f2)のミキシング波が2f2−f1,2f1−f2の周波数に現われる。
これにより、2f2−f1,2f1−f2の周波数に現われているミキシング波の成分と、リニアライザー回路13により発生された相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)とが信号路3−2上でベクトル合成され、その合成成分が180度線路14に出力される。
一方、入力端子1の前段に増幅器が接続される場合には、入力端子1から入力された増幅器で発生している相互変調歪が、ベクトル合成された合成成分によって打ち消されるように、差周波信号(f2−f1)のインピーダンス及び2次高調波(2f1,2f2)のインピーダンスを調整する。
よって、高調波インピーダンス調整回路10−1,10−2を設けることで、相互変調歪調整回路16だけでインピーダンスを調整する場合よりも、増幅器で発生する相互変調歪の補償精度を高めることができる効果が得られる。
上記実施の形態3〜8では、ローパス回路8が伝送線路8a及びオープンスタブ8bから構成されているものを示したが(図9(a)を参照)、図9(b)に示すように、ローパス回路8が高周波用インダクタ8c及び高周波用コンデンサ8dから構成されていてもよい。
ただし、この場合、高周波用インダクタ8c及び高周波用コンデンサ8dの自己共振周波数が、RF信号(f1,f2)の周波数より高いものを使用する必要がある。
なお、ローパス回路8を構成する際は、図9(a)の回路と図9(b)の回路を多段で構成するようにしてもよい。
上記実施の形態3〜8では、相互変調歪調整回路9,16が低周波用インダクタ9a及び低周波用コンデンサ9bから構成されているものを示したが(図10(a)を参照)、低周波でインピーダンスを変えられるものであればよく(信号路3に現われる相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)を調整することが可能な回路)、例えば、相互変調歪調整回路9,16は、図10(b)〜(h)に示すような回路であってもよい。
図10において、9cは低周波用抵抗である。
実施の形態5,8では、高調波インピーダンス調整回路10が高調波用オープンスタブ10aから構成されているものを示したが(図11(a)を参照)、RF信号(f1,f2)の周波数の2倍波や3倍波でインピーダンスを調整できる回路であればよい。
図11は高調波インピーダンス調整回路10の一例を示す構成図であり、例えば、図11(a)及び図11(b)に示す高調波インピーダンス調整回路10であれば、例えば、2倍波で短絡になるように素子値を決定する。
通常、高調波でのインピーダンスを調整すると、基本波でのインピーダンスも変化してしまうが、図11(c)〜(h)の高調波インピーダンス調整回路10では、基本波におけるリアクタンス成分を打ち消すために、伝送線路10c又は高調波用インダクタンス10dを装荷している。これにより、基本波のインピーダンスを変更せずに高調波のインピーダンスを調整することが可能である。なお、10bはDCカット用の高周波用コンデンサである。
上記実施の形態1〜11では、相互変調歪調整回路9,9−1,9−2,16が、リアクタンスが固定のリアクタンス素子(例えば、低周波用インダクタ9a、低周波用コンデンサ9bなど)によって構成されているものを示しているが、相互変調歪調整回路9,9−1,9−2,16が、リアクタンスが可変のリアクタンス素子によって構成されているようにしてもよい。
相互変調歪調整回路21−1は、相互変調歪調整回路9−1に相当する回路である。ただし、相互変調歪調整回路9−1と異なり、リアクタンスが可変のリアクタンス素子(可変インダクタ21a、可変コンデンサ21b)によって構成されている。
相互変調歪調整回路21−2は、相互変調歪調整回路9−2に相当する回路である。ただし、相互変調歪調整回路9−2と異なり、リアクタンスが可変のリアクタンス素子(可変インダクタ21a、可変コンデンサ21b)によって構成されている。
調整回路制御器22は例えばマイコンなどで構成されており、入力端子1から入力される2波のRF信号(周波数f1のRF信号、周波数f2のRF信号)に関する周波数(例えば、動作周波数、信号帯域、離調周波数)の情報にしたがって相互変調歪調整回路21−1,21−2の可変インダクタ21a及び可変コンデンサ21bのリアクタンスを制御する。
また、図7,8の歪補償回路の相互変調歪調整回路16を相互変調歪調整回路21−1に代えて、調整回路制御器22を適用するようにしてもよい。
図14の歪補償回路の基本的な動作は、上記実施の形態4における図4の歪補償回路と同様である。
以下、図4の歪補償回路と相違する部分を説明する。
2波のRF信号に関する周波数の情報は、例えば、2波のRF信号を取り扱うモデムなどの信号生成装置から入手する。
ここで、図13は相互変調歪調整回路21−1,21−2による相互変調歪の補償特性の一例を示す説明図である。
図13の例では、離調周波数(f2−f1)が広くなるほど、可変インダクタ21aのインダクタンスを小さくすることで、増幅器で発生する相互変調歪の補償精度が高められる様子を示している。
図13の例では、離調周波数(f2−f1)が広くなるほど、可変インダクタ21aのインダクタンスを小さくしているが、離調周波数(f2−f1)が広くなるほど、可変コンデンサ21bの容量を小さくすることで、増幅器で発生する相互変調歪の補償精度を高めるようにしてもよい。
また、調整回路制御器22が、2波のRF信号の動作周波数(f1,f2)を示す情報を入力すると、例えば、その動作周波数(f1,f2)の中心周波数の高低にしたがって相互変調歪調整回路21−1,21−2のインダクタンスを制御するようにしてもよく、増幅器で発生する相互変調歪の補償精度を高めることができる。
上記実施の形態12では、相互変調歪調整回路21−1,21−2が、リアクタンスが可変のリアクタンス素子(可変インダクタ21a、可変コンデンサ21b)によって構成されているものを示したが、この実施の形態13では、相互変調歪調整回路21−1,21−2が、リアクタンスが固定の複数のリアクタンス素子と、複数のリアクタンス素子間の接続状態を切り替える複数の切替スイッチとから構成されているものについて説明する。
図14において、インダクタ31はインダクタンスがL1である固定のリアクタンス素子である。
インダクタ32はインダクタンスがL2である固定のリアクタンス素子である。ただし、L1<L2である。
コンデンサ33は容量がC1である固定のリアクタンス素子である。
コンデンサ34は容量がC2である固定のリアクタンス素子である。
コンデンサ35は容量がC3である固定のリアクタンス素子である。
コンデンサ36は容量がC4である固定のリアクタンス素子である。ただし、C1<C2<C3<C4である。
SPDTスイッチ52は調整回路制御器60の制御の下、インダクタ31又は信号路41を信号路42に接続する切替スイッチである。
SPDTスイッチ53は調整回路制御器60の制御の下、信号路42をインダクタ32又は信号路43に接続する切替スイッチである。
SPDTスイッチ54は調整回路制御器60の制御の下、インダクタ32又は信号路43を信号路44に接続する切替スイッチである。
SPDTスイッチ55は調整回路制御器60の制御の下、信号路44をコンデンサ33又はコンデンサ34に接続する切替スイッチである。
SPDTスイッチ56は調整回路制御器60の制御の下、信号路44をコンデンサ35又はコンデンサ36に接続する切替スイッチである。
ただし、これに限るものではなく、図1〜3の歪補償回路の相互変調歪調整回路9を図14の相互変調歪調整回路21−1に代えて、調整回路制御器60を適用するようにしてもよいし、図7,8の歪補償回路の相互変調歪調整回路16を図14の相互変調歪調整回路21−1に代えて、調整回路制御器60を適用するようにしてもよい。
相互変調歪調整回路21−1,21−2及び調整回路制御器60以外の処理内容は上記実施の形態12と同様であるため、ここでは、相互変調歪調整回路21−1,21−2及び調整回路制御器60の処理内容を説明する。
2波のRF信号に関する周波数の情報は、例えば、2波のRF信号を取り扱うモデムなどの信号生成装置から入手する。
具体的には、SPDTスイッチ51〜56の接続状態が、図14に示すように、ローパス回路8−1(または8−2)の他端に対して、インダクタ31,32が直列に接続され、かつ、インダクタ32に対してコンデンサ33,35が接続されているとき、例えば、2波のRF信号の離調周波数(f2−f1)を示す情報が、前回の制御時より広くなっている旨を示しており、現在の離調周波数(f2−f1)に対応するインダクタ31〜32及びコンデンサ33〜36の組み合わせ(SPDTスイッチ51〜56の接続状態)が、インダクタ32とコンデンサ34,36であれば、ローパス回路8−1(または8−2)の他端に対して、インダクタ32が直列に接続され、かつ、インダクタ32に対してコンデンサ34,36が接続されるように、SPDTスイッチ51〜56の接続状態を切り替える。
また、調整回路制御器60が、2波のRF信号の動作周波数(f1,f2)を示す情報を入力すると、例えば、その動作周波数(f1,f2)の中心周波数の高低にしたがってSPDTスイッチ51〜56の切り替えを制御するようにしてもよく、増幅器で発生する相互変調歪の補償精度を高めることができる。
上記実施の形態13では、調整回路制御器60が、相互変調歪調整回路21−1,21−2のインダクタンスのうち、誘導成分と容量成分の双方を変更することが可能な構成を説明したが、誘導成分又は容量成分のいずれかを変更することで、増幅器で発生する相互変調歪を補償するものであってもよい。
図15(a)は、インダクタ31に対するコンデンサ33〜36の接続を切り替えることで、容量成分を変更する構成例である。図15(a)では、インダクタ31を実装しているが、誘導成分が不要な場合は、インダクタ31を削除することができる。
図15(b)は、ローパス回路8−1(または8−2)の他端に対して、直列に接続するインダクタ31,32を切り替えることで、誘導成分を変更する構成例である。図15(b)では、コンデンサ33をDCカット用のコンデンサとして残している。
上記実施の形態1〜11では、ローパス回路8(または8−1,8−2)と相互変調歪調整回路9(または9−1,9−2,16)とが直列に接続されているものを示したが、ローパス回路8(または8−1,8−2)と相互変調歪調整回路9(または9−1,9−2,16)の間にバンドパスフィルタを接続するとともに、その相互変調歪調整回路9(または9−1,9−2,16)とバンドパスフィルタの組を複数設けるようにしてもよい。
相互変調歪調整回路9−3は、相互変調歪調整回路9−1と同様に、ローパス回路8−1の他端とグランドの間に接続され、ローパス回路8−1を通過してきた差周波信号(f2−f1)を反射して、その差周波信号(f2−f1)をリニアライザー回路13に戻すことで、信号路3−1に現われる相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)を調整する回路である。
相互変調歪調整回路9−4は、相互変調歪調整回路9−2と同様に、ローパス回路8−2の他端とグランドの間に接続され、ローパス回路8−2を通過してきた差周波信号(f2−f1)を反射して、その差周波信号(f2−f1)をリニアライザー回路13に戻すことで、信号路3−2に現われる相互変調歪(2f2−f1,2f1−f2)を調整する回路である。
バンドパスフィルタ70−3はローパス回路8−1と相互変調歪調整回路9−3の間に接続され、ローパス回路8−1を通過してきた差周波信号(f2−f1)を通過させる第1のバンドパスフィルタである。
バンドパスフィルタ70−1,7−3は、共に第1のバンドパスフィルタを構成しているが、中心周波数が互いに異なっている。
バンドパスフィルタ70−4はローパス回路8−2と相互変調歪調整回路9−4の間に接続され、ローパス回路8−2を通過してきた差周波信号(f2−f1)を通過させる第2のバンドパスフィルタである。
バンドパスフィルタ70−2,7−4は、共に第2のバンドパスフィルタを構成しているが、中心周波数が互いに異なっている。
図16の歪補償回路の基本的な動作は、上記実施の形態4における図4の歪補償回路と同様である。
ただし、第1の相互変調歪調整回路として、相互変調歪調整回路9−1,9−3を設けるとともに、第2の相互変調歪調整回路として、相互変調歪調整回路9−2,9−4を設けている。また、ローパス回路8−1と相互変調歪調整回路9−1,9−3の間にバンドパスフィルタ70−1,7−3を設けるとともに、ローパス回路8−2と相互変調歪調整回路9−2,9−4の間にバンドパスフィルタ70−2,7−4を設けている点で、上記実施の形態4における図4の歪補償回路と構成上相違している。
例えば、ローパス回路8−1,8−2が500MHz以下の差周波信号(f2−f1)を通過させる構成であるとき、バンドパスフィルタ70−1,7−2の中心周波数が50MHz、バンドパスフィルタ70−3,7−4の中心周波数が100MHzに設定されているとすれば、ローパス回路8−1,8−2を通過してきた差周波信号(f2−f1)のうち、バンドパスフィルタ70−1,7−3を通過する差周波信号(f2−f1)は、50MHz付近の信号となり、バンドパスフィルタ70−2,7−4を通過する差周波信号(f2−f1)は、100MHz付近の信号となる。
また、図7,8の歪補償回路に対して、バンドパスフィルタ70−1〜70−4を適用するようにしてもよく、同様の効果を奏することができる(図18を参照)。図18において、相互変調歪調整回路16−1,16−2は、相互変調歪調整回路16に相当する回路である。
Claims (24)
- 信号路における入力端子の前段又は出力端子の後段に接続される増幅器で発生する相互変調歪と逆特性の相互変調歪を発生して、前記増幅器で発生する相互変調歪を補償する歪補償回路において、
前記信号路に挿入されており、前記入力端子から周波数が異なる複数の無線周波数信号が入力されると、前記複数の無線周波数信号の差周波の信号及び相互変調歪を発生させるリニアライザー回路と、
一端が前記信号路に接続されており、前記複数の無線周波数信号及び前記リニアライザー回路により発生された相互変調歪の通過を阻止して、前記差周波の信号を通過させるローパス回路と、
前記ローパス回路の他端とグランドの間に接続されており、前記ローパス回路を通過してきた前記差周波の信号を反射して、前記差周波の信号を前記リニアライザー回路に戻すことで、前記信号路に現われる相互変調歪を調整する相互変調歪調整回路とを備えたことを特徴とする歪補償回路。 - 前記相互変調歪調整回路は、前記信号路に現われる相互変調歪が前記増幅器で発生する相互変調歪と逆特性になるように、前記差周波の信号のインピーダンスを調整することを特徴とする請求項1記載の歪補償回路。
- 一端が前記信号路に接続されており、前記リニアライザー回路で生じている無線周波数信号の高調波成分を反射して、前記高調波成分を前記リニアライザー回路に戻すことで、前記信号路に現われる相互変調歪を調整する高調波インピーダンス調整回路を備え、
前記信号路に現われる相互変調歪が前記増幅器で発生する相互変調歪と逆特性になるように、前記高調波インピーダンス調整回路が、前記高調波成分のインピーダンスを調整することを特徴とする請求項1記載の歪補償回路。 - 前記ローパス回路は、
一端が前記信号路に接続され、他端が前記相互変調歪調整回路に接続されている伝送線路と、
一端が前記伝送線路に接続されているオープンスタブとから構成されていることを特徴とする請求項1項記載の歪補償回路。 - 第1及び第2の信号路からなる差動信号路における入力端子の前段又は出力端子の後段に接続される増幅器で発生する相互変調歪と逆特性の相互変調歪を発生して、前記増幅器で発生する相互変調歪を補償する歪補償回路において、
前記入力端子から入力された周波数が異なる複数の無線周波数信号をそれぞれ差動信号に変換して、前記差動信号を構成する第1の無線周波数信号を前記第1の信号路に出力するとともに、前記差動信号を構成する第2の無線周波数信号を前記第2の信号路に出力する差動信号変換手段と、
前記差動信号路に挿入されており、前記複数の第1の無線周波数信号の入力に伴って、前記複数の第1の無線周波数信号の差周波の信号及び相互変調歪を前記第1の信号路に発生させるとともに、前記複数の第2の無線周波数信号の入力に伴って、前記複数の第2の無線周波数信号の差周波の信号及び相互変調歪を前記第2の信号路に発生させるリニアライザー回路と、
一端が前記第1の信号路に接続されており、前記第1の無線周波数信号及び前記第1の信号路に発生している相互変調歪の通過を阻止して、前記第1の信号路に発生している差周波の信号を通過させる第1のローパス回路と、
一端が前記第2の信号路に接続されており、前記第2の無線周波数信号及び前記第2の信号路に発生している相互変調歪の通過を阻止して、前記第2の信号路に発生している差周波の信号を通過させる第2のローパス回路と、
前記第1のローパス回路の他端とグランドの間に接続され、前記第1のローパス回路を通過してきた差周波の信号を反射して、前記差周波の信号を前記リニアライザー回路に戻すことで、前記第1の信号路に現われる相互変調歪を調整する第1の相互変調歪調整回路と、
前記第2のローパス回路の他端とグランドの間に接続され、前記第2のローパス回路を通過してきた差周波の信号を反射して、前記差周波の信号を前記リニアライザー回路に戻すことで、前記第2の信号路に現われる相互変調歪を調整する第2の相互変調歪調整回路と、
前記第1及び第2の信号路を伝送されてきた差動信号を単相信号に変換する単相信号変換手段と
を備えたことを特徴とする歪補償回路。 - 前記第1の相互変調歪調整回路は、前記第1の信号路に現われる相互変調歪が前記増幅器で発生する相互変調歪と逆特性になるように、前記第1の信号路に発生している差周波の信号のインピーダンスを調整し、
前記第2の相互変調歪調整回路は、前記第2の信号路に現われる相互変調歪が前記増幅器で発生する相互変調歪と逆特性になるように、前記第2の信号路に発生している差周波の信号のインピーダンスを調整することを特徴とする請求項5記載の歪補償回路。 - 第1及び第2の信号路からなる差動信号路における入力端子の前段又は出力端子の後段に接続される増幅器で発生する相互変調歪と逆特性の相互変調歪を発生して、前記増幅器で発生する相互変調歪を補償する歪補償回路において、
前記入力端子から入力された周波数が異なる複数の無線周波数信号をそれぞれ差動信号に変換して、前記差動信号を構成する第1の無線周波数信号を前記第1の信号路に出力するとともに、前記差動信号を構成する第2の無線周波数信号を前記第2の信号路に出力する差動信号変換手段と、
前記差動信号路に挿入されており、前記複数の第1の無線周波数信号の入力に伴って、前記複数の第1の無線周波数信号の差周波の信号及び相互変調歪を前記第1の信号路に発生させるとともに、前記複数の第2の無線周波数信号の入力に伴って、前記複数の第2の無線周波数信号の差周波の信号及び相互変調歪を前記第2の信号路に発生させるリニアライザー回路と、
一端が前記第1の信号路に接続されており、前記第1の無線周波数信号及び前記第1の信号路に発生している相互変調歪の通過を阻止して、前記第1の信号路に発生している差周波の信号を通過させる第1のローパス回路と、
一端が前記第2の信号路に接続されており、前記第2の無線周波数信号及び前記第2の信号路に発生している相互変調歪の通過を阻止して、前記第2の信号路に発生している差周波の信号を通過させる第2のローパス回路と、
前記第1のローパス回路の他端と前記第2のローパス回路の他端との間に接続され、前記第1のローパス回路を通過してきた差周波の信号を反射して、当該差周波の信号を前記リニアライザー回路に戻すとともに、前記第2のローパス回路を通過してきた差周波の信号を反射して、当該差周波の信号を前記リニアライザー回路に戻すことで、前記第1及び第2の信号路に現われる相互変調歪を調整する相互変調歪調整回路と、
前記第1及び第2の信号路を伝送されてきた差動信号を単相信号に変換する単相信号変換手段と
を備えたことを特徴とする歪補償回路。 - 前記相互変調歪調整回路は、前記第1及び第2の信号路に現われる相互変調歪が前記増幅器で発生する相互変調歪と逆特性になるように、前記第1及び第2の信号路に発生している差周波の信号のインピーダンスを調整することを特徴とする請求項7記載の歪補償回路。
- 一端が前記第1の信号路に接続されており、前記第1の信号路に生じている第1の無線周波数信号の高調波成分を反射して、前記第1の無線周波数信号の高調波成分を前記リニアライザー回路に戻すことで、前記第1の信号路に現われる相互変調歪を調整する第1の高調波インピーダンス調整回路と、
一端が前記第2の信号路に接続されており、前記第2の信号路に生じている第2の無線周波数信号の高調波成分を反射して、前記第2の無線周波数信号の高調波成分を前記リニアライザー回路に戻すことで、前記第2の信号路に現われる相互変調歪を調整する第2の高調波インピーダンス調整回路とを備え、
前記第1及び第2の信号路に現われる相互変調歪の合成波が前記増幅器で発生する相互変調歪と逆特性になるように、前記第1及び第2の高調波インピーダンス調整回路が、前記第1及び第2の無線周波数信号の高調波成分のインピーダンスを調整することを特徴とする請求項5項記載の歪補償回路。 - 一端が前記第1の信号路に接続されており、前記第1の信号路に生じている第1の無線周波数信号の高調波成分を反射して、前記第1の無線周波数信号の高調波成分を前記リニアライザー回路に戻すことで、前記第1の信号路に現われる相互変調歪を調整する第1の高調波インピーダンス調整回路と、
一端が前記第2の信号路に接続されており、前記第2の信号路に生じている第2の無線周波数信号の高調波成分を反射して、前記第2の無線周波数信号の高調波成分を前記リニアライザー回路に戻すことで、前記第2の信号路に現われる相互変調歪を調整する第2の高調波インピーダンス調整回路とを備え、
前記第1及び第2の信号路に現われる相互変調歪の合成波が前記増幅器で発生する相互変調歪と逆特性になるように、前記第1及び第2の高調波インピーダンス調整回路が、前記第1及び第2の無線周波数信号の高調波成分のインピーダンスを調整することを特徴とする請求項7項記載の歪補償回路。 - 前記差動信号路に対して、前記リニアライザー回路が多段に接続されていることを特徴とする請求項5記載の歪補償回路。
- 前記差動信号路に対して、前記リニアライザー回路が多段に接続されていることを特徴とする請求項7記載の歪補償回路。
- 前記相互変調歪調整回路は、リアクタンスが可変の回路で構成されており、
前記入力端子から入力される複数の無線周波数信号に関する周波数の情報にしたがって前記相互変調歪調整回路のリアクタンスを制御する制御器を備えたことを特徴とする請求項1記載の歪補償回路。 - 前記相互変調歪調整回路は、リアクタンスが可変の回路で構成されており、
前記入力端子から入力される複数の無線周波数信号に関する周波数の情報にしたがって前記相互変調歪調整回路のリアクタンスを制御する制御器を備えたことを特徴とする請求項7記載の歪補償回路。 - 前記第1及び第2の相互変調歪調整回路は、リアクタンスが可変の回路で構成されており、
前記入力端子から入力される複数の無線周波数信号に関する周波数の情報にしたがって前記第1及び第2の相互変調歪調整回路のリアクタンスを制御する制御器を備えたことを特徴とする請求項5記載の歪補償回路。 - 前記リアクタンスが可変の回路は、リアクタンスが可変のリアクタンス素子によって構成されており、
前記制御器は、前記入力端子から入力される複数の無線周波数信号に関する周波数の情報にしたがって前記リアクタンス素子のリアクタンスを制御することを特徴とする請求項13記載の歪補償回路。 - 前記リアクタンスが可変の回路は、リアクタンスが可変のリアクタンス素子によって構成されており、
前記制御器は、前記入力端子から入力される複数の無線周波数信号に関する周波数の情報にしたがって前記リアクタンス素子のリアクタンスを制御することを特徴とする請求項14記載の歪補償回路。 - 前記リアクタンスが可変の回路は、リアクタンスが可変のリアクタンス素子によって構成されており、
前記制御器は、前記入力端子から入力される複数の無線周波数信号に関する周波数の情報にしたがって前記リアクタンス素子のリアクタンスを制御することを特徴とする請求項15記載の歪補償回路。 - 前記リアクタンスが可変の回路は、リアクタンスが固定の複数のリアクタンス素子と、前記複数のリアクタンス素子間の接続状態を切り替える複数の切替スイッチとから構成されており、
前記制御器は、前記入力端子から入力される複数の無線周波数信号に関する周波数の情報にしたがって前記複数の切替スイッチの切り替えを制御することを特徴とする請求項13記載の歪補償回路。 - 前記リアクタンスが可変の回路は、リアクタンスが固定の複数のリアクタンス素子と、前記複数のリアクタンス素子間の接続状態を切り替える複数の切替スイッチとから構成されており、
前記制御器は、前記入力端子から入力される複数の無線周波数信号に関する周波数の情報にしたがって前記複数の切替スイッチの切り替えを制御することを特徴とする請求項14記載の歪補償回路。 - 前記リアクタンスが可変の回路は、リアクタンスが固定の複数のリアクタンス素子と、前記複数のリアクタンス素子間の接続状態を切り替える複数の切替スイッチとから構成されており、
前記制御器は、前記入力端子から入力される複数の無線周波数信号に関する周波数の情報にしたがって前記複数の切替スイッチの切り替えを制御することを特徴とする請求項15記載の歪補償回路。 - 前記ローパス回路と前記相互変調歪調整回路の間に、前記差周波の信号を通過させるバンドパスフィルタを接続し、
前記相互変調歪調整回路と前記バンドパスフィルタの組が複数設けられており、
前記複数のバンドパスフィルタの中心周波数が異なっていることを特徴とする請求項1記載の歪補償回路。 - 前記第1のローパス回路と前記第1の相互変調歪調整回路の間に、前記第1の信号路に発生している差周波の信号を通過させる第1のバンドパスフィルタを接続するとともに、前記第2のローパス回路と前記第2の相互変調歪調整回路の間に、前記第2の信号路に発生している差周波の信号を通過させる第2のバンドパスフィルタを接続し、
前記第1の相互変調歪調整回路と前記第1のバンドパスフィルタの組が複数設けられ、前記第2の相互変調歪調整回路と前記第2のバンドパスフィルタの組が複数設けられ、
前記複数の第1のバンドパスフィルタの中心周波数が異なり、前記複数の第2のバンドパスフィルタの中心周波数が異なっていることを特徴とする請求項5記載の歪補償回路。 - 前記第1のローパス回路と前記相互変調歪調整回路の間に、前記第1の信号路に発生している差周波の信号を通過させる第1のバンドパスフィルタを接続するとともに、前記第2のローパス回路と前記相互変調歪調整回路の間に、前記第2の信号路に発生している差周波の信号を通過させる第2のバンドパスフィルタを接続し、
前記相互変調歪調整回路と前記第1及び第2のバンドパスフィルタの組が複数設けられており、
前記複数の第1のバンドパスフィルタの中心周波数が異なり、前記複数の第2のバンドパスフィルタの中心周波数が異なっていることを特徴とする請求項7記載の歪補償回路。
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