JPWO2015104913A1 - ステアリングホイールの位置調節装置 - Google Patents

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Abstract

ステアリングホイールの位置調節装置は、ステアリングコラム6aに固定された変位ブラケット12aと、変位ブラケット12aを両側から挟持する1対の支持板部20a、20bを有する支持ブラケット13aと、変位ブラケット12aに形成されたコラム側貫通孔と1対の支持板部20a、20bに形成された車体側貫通孔に挿通された調節ロッド22aと、1対の支持板部の外側面から突出した調節ロッド22aの両端部に設けられた1対の押圧部24a、24bと、調節ロッド22aの一方の端部に設けられて1対の押圧部24a、24bの間隔を拡縮する調節レバー23と、揺動摩擦板26と、を備える。揺動摩擦板26は、1対の支持板部20a、20bと変位ブラケット13aとの間部分、および、1対の支持板部20a、20bと1対の押圧部24a、24bとの間部分、の少なくとも1つに挟持されている。揺動摩擦板26は、揺動支持軸25に枢支された基端部と、調節ロッド22aが係合したガイド長孔29が設けられた先半部とを有する。

Description

本発明は、運転者の体格や運転姿勢に応じてステアリングホイールの上下位置を調節する為のステアリングホイールの位置調節装置に関する。
関連技術の自動車用の操舵装置は、図19に示す様に構成されている。ステアリングホイール1の回転がステアリングギヤユニット2の入力軸3に伝達されると、入力軸3の回転に伴って左右のタイロッド4、4が押し引きされ、前車輪に舵角が付与される。ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト5の後端部に支持固定されている。ステアリングシャフト5は、円筒状のステアリングコラム6を軸方向に挿通された状態で、ステアリングコラム6に回転自在に支持されている。ステアリングシャフト5の前端部は、自在継手7を介して中間シャフト8の後端部に接続されている。中間シャフト8の前端部は、別の自在継手9を介して、入力軸3に接続されている。本明細書において、前後方向、左右方向(幅方向)、及び上下方向は、特に断らない限り、車両の前後方向、左右方向(幅方向)、及び上下方向を言う。
上述の様な操舵装置において、運転者の体格や運転姿勢に応じ、ステアリングホイール1の上下位置を調節する為のチルト機構、および、ステアリングホイール1の前後位置を調節する為のテレスコピック機構が、従来から知られている。チルト機構を構成する為に、ステアリングコラム6の前端部は、車体10に対して、左右方向に設置した枢軸11を中心とする揺動変位を可能に支持されている。変位ブラケット12は、ステアリングコラム6の後端寄り部分に固定され、車体10に支持された支持ブラケット13に対して、上下方向及び前後方向の変位を可能に支持されている。テレスコピック機構を構成する為に、ステアリングコラム6は、アウタコラム14とインナコラム15とがテレスコープ状に伸縮自在に組み合わされた構造を有している。ステアリングシャフト5は、アウタシャフト16とインナシャフト17とが、スプライン係合等により、トルク伝達可能に、且つ、伸縮可能に組み合わされた構造を有している。図19の例では、電動モータ18を補助動力源としてステアリングホイール1を操作する為に要する力の低減を図る、電動式パワーステアリング装置が組み込まれている。
チルト機構とテレスコピック機構は、電動式のものを除く手動式の構造の場合には、調節レバーの操作に基づいて、ステアリングホイール1の位置を調節可能な状態としたり、調節後の位置に固定できる様に構成されている。この様な手動式のチルト機構やテレスコピック機構の構造に就いては、従来から各種構造のものが知られており、且つ、実施されている。例えば、図19に示した構造の場合には、アウタコラム14に固設された変位ブラケット12に、前後位置調節方向であるこのアウタコラム14の軸方向に長い、前後方向長孔19が形成されている。支持ブラケット13は、変位ブラケット12を左右両側から挟む、1対の支持板部20を備えている。支持板部20の互いに整合する部分に、それぞれ上下方向に長い、上下方向長孔21が形成されている。上下方向長孔21は、一般的には、枢軸11を中心とする部分円弧状である。調節ロッド22は、上下方向長孔21と前後方向長孔19とに挿通されている。この調節ロッド22には、支持板部20を左右方向両側から挟む1対の押圧部が設けられている。拡縮装置は、調節レバーの操作に基づいて作動し、押圧部同士の間隔を拡縮する。
ステアリングホイール1の上下位置又は前後位置を調節する際には、調節レバーを所定方向(一般的には下方)に揺動させる事により、押圧部同士の間隔を拡げる。これにより、支持板部20の内側面と変位ブラケット12の外側面との間に作用している摩擦力を小さくする。この状態で、調節ロッド22が、上下方向長孔21及び前後方向長孔19内で変位できる範囲で、ステアリングホイール1の位置を調節する。調節後は、調節レバーを所定方向とは逆方向(一般的には上方)に揺動させる事により、押圧部同士の間隔を縮める。これにより、上記摩擦力を大きくして、ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する。
上述したステアリング装置は、衝突事故の際に運転者の身体がステアリングホイール1にぶつかる二次衝突が発生した場合に、運転者に加わる衝撃荷重を緩和すべく、ステアリングホイール1が前方に変位する事を許容する構造を備える。具体的には、支持ブラケット13が、車体10に対し、二次衝突時の衝撃により前方への離脱を可能に支持されている。この様な構造を備えたステアリング装置の場合、ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する力、即ち、支持ブラケット13に対するアウタコラム14の保持力が弱いと、二次衝突の発生時に、アウタコラム14が支持ブラケット13に対し不用意に移動する可能性がある。アウタコラム14が移動した場合には支持ブラケット13に対する衝撃の加わり方が変化する為、支持ブラケット13を車体10から離脱させる事に基づく衝撃吸収機構の設計が難しくなる可能性がある。
一方、調節レバーの操作量や操作力を大きくする事なく、支持ブラケット13に対するアウタコラム14の保持力を大きくする為には、この保持力を確保する為の摩擦面の数を増やす事が好ましい。この様な事情に鑑みて、特許文献1は、ステアリングコラムに支持した摩擦板と、支持ブラケットに支持した摩擦板とを、左右方向に重ね合わせる事により、摩擦面の数を増やす構造を開示している。ところが、特許文献1に開示された構造の場合には、各摩擦板が、ステアリングコラム又は支持ブラケットに対し、左右方向の変位のみを可能に支持されている。この為、摩擦面の数を増やす為に必要となる摩擦板の枚数が多くなる。従って、摩擦面を増やす事に伴って生じる、左右方向寸法、部品点数及び重量の増大量が、それぞれ大きくなる。
日本国特開平10−35511号公報
本発明は、少ない摩擦板により、ステアリングホイールを調節後の位置に保持する力を大きくでき、且つ、ステアリングホイールの位置を円滑に調節できるステアリングホイールの位置調節装置を提供することを課題とする。
本発明の一態様によれば、ステアリングホイールの位置調節装置は、筒状のステアリングコラムと、ステアリングコラムの一部に固設された変位ブラケットと、車体に支持される支持ブラケットと、調節ロッドと、1対の押圧部と、調節レバーと、摩擦板と、を備える。ステアリングコラムの内側には、ステアリングホイールを支持する摩擦板を有するステアリングシャフトが回転自在に支持される。変位ブラケットには、変位ブラケットを幅方向に貫通するコラム側貫通孔が設けられている。支持ブラケットは、変位ブラケットを幅方向両側から挟持する1対の支持板部を有する。支持板部の互いに整合する部分には、車体側貫通孔が設けられている。調節ロッドは、コラム側貫通孔及び車体側貫通孔を幅方向に挿通されている。1対の押圧部は、1対の支持板部の外側面から突出した調節ロッドの両端部に設けられている。調節レバーは、調節ロッドの一方の端部に設けられ、調節ロッドを中心として回転する(調節ロッドと共に回転する場合も含む)事により、1対の押圧部の間隔を拡縮する。摩擦板は、1対の支持板部の内側面と変位ブラケットの両側面との間部分、および、1対の支持板部の外側面と1対の押圧部の内側面との間部分、の少なくとも1つに挟持されている。コラム側貫通孔と車体側貫通孔の少なくとも一方は、ステアリングホイールの位置を調節可能とすべき方向に長い調節用長孔として構成されている。
摩擦板は、揺動支持軸に枢支された基端部と、調節ロッドが係合したガイド長孔が設けられた先半部と、を有する少なくとも1つの揺動摩擦板として構成されている。揺動支持軸は、調節ロッドを調節用長孔に沿って変位させる際に当該調節ロッドと相対変位する部分であって、調節用長孔の中心線の延長線上(その近傍部分を含む)に位置する部分に設けられている。調節ロッドは、ガイド長孔に沿った変位のみ可能にガイド長孔に係合されている。少なくとも1つの揺動摩擦板の少なくとも一部は、上記間部分の少なくとも1つに挟持されている。
ガイド長孔は、揺動支持軸を中心とする揺動方向一端から他端に向かうに従って、揺動支持軸からの距離が長くなる方向に形成されていてもよい。
少なくとも1つの揺動摩擦板は、1対の揺動摩擦板を有していてもよい。その場合、調節用長孔の中心線の延長線上において、一方の揺動摩擦板の基端部を枢支する揺動支持軸は調節用長孔の一側に設けられ、他方の揺動摩擦板の基端部を枢支する揺動支持軸は調節用長孔の他側に設けられていてもよい。または、揺動摩擦板の基端部を枢支する揺動支持軸が互いに同心であり、ステアリングホイールの位置を一方向に調節する際に揺動摩擦板が互いに反対方向に揺動してもよい。
少なくとも1つの揺動摩擦板は、鋼板、ステンレス鋼板、又は、アルミニウム系合金板製であってもよい。少なくとも1つの揺動摩擦板の側面には、当該側面と対向する面との間の摩擦係数を大きくする表面処理が施されていてもよい。
ステアリングコラムの前端部は、車体に対し、調節ロッドと平行な枢軸を中心とする揺動変位を可能に支持されるように構成されていてもよい。その場合、車体側貫通孔は上下方向に長い上下方向長孔として構成され、揺動支持軸は一方の支持板部の側面に設けられていてもよい。ステアリングコラムは、インナコラムの後端部にアウタコラムの前端部を、軸方向に関する相対変位を可能に嵌合して構成されていてもよい。その場合、変位ブラケットがアウタコラムに固設され、コラム側貫通孔がアウタコラムの軸方向に長い前後方向長孔として構成され、揺動支持軸がアウタコラムの外側面に設けられていてもよい。
本発明の一態様に係るステアリングホイールの位置調節装置によれば、少数の揺動摩擦板によっても、ステアリングホイールを調節後の位置に保持する力を大きくでき、しかも、このステアリングホイールの位置調節を円滑に行える。即ち、ステアリングホイールを調節後の位置に保持すべく、1対の押圧部同士の間隔を縮めた状態では、揺動摩擦板が、支持板部の側面と、この側面に対向する相手面との間で強く挟持される。この状態からステアリングホイールの位置(上下位置若しくは前後位置)を動かそうとすると、揺動摩擦板の両側面と、支持板部の側面及び相手面とが強く擦れ合う事となる。要するに、ステアリングホイールを所望の位置に保持した状態から、ステアリングホイールの位置(上下位置若しくは前後位置)を動かそうとした場合、揺動摩擦板の両側面である摩擦面を滑らせつつ、揺動摩擦板を揺動させる必要がある。この為、ステアリングホイールを調節後の位置に保持する力を強くできる。本発明の場合、この様なステアリングホイールを調節後の位置に保持する力を強くできる構造を、前述した特許文献1に記載の構造の様に複数枚の摩擦板を重ね合わせる事なく、少ない揺動摩擦板で実現できる。従って、ステアリングホイールの位置調節装置の左右方向寸法、部品点数及び重量が増大するのを抑えて、ステアリングホイールの位置調節装置の小型・軽量化を図れる。
また、揺動摩擦板は、調節ロッドを調節用長孔に沿って変位させる際に調節ロッドと相対変位する部分であって、調節用長孔の中心線の延長線上に位置する部分に設けられた揺動支持軸に枢支されている。この為、ステアリングホイールの位置を調節する際に、調節ロッドの外周面と、揺動摩擦板のガイド長孔及び調節用長孔の内周縁との係合部(摺接部)に作用する摩擦力に基づいて調節ロッドに加わる、この調節ロッドが変位する事に対する摩擦抵抗を低減できる。この結果、ステアリングホイールの位置を円滑に調節できる。
本発明の第1実施形態を示す側面図。 図1のII−II線に沿った断面図。 ステアリングホイールを調節可能範囲の上端位置に移動させた状態における揺動摩擦板の位置を示す側面図。 ステアリングホイールを中間位置に移動させた状態における揺動摩擦板の位置を示す側面図。 ステアリングホイールを下端位置に移動させた状態における揺動摩擦板の位置を示す側面図。 従来例における調節ロッドと、ガイド長孔及び上下方向長孔との係合状態を示す模式図。 本発明の一実施形態における調節ロッドと、ガイド長孔及び上下方向長孔との係合状態を示す模式図。 ステアリングホイールを調節可能範囲の上端位置に移動させた状態における、本発明の第2実施形態に係る揺動摩擦板の位置を示す側面図。 ステアリングホイールを中間位置に移動させた状態における揺動摩擦板の位置を示す側面図。 ステアリングホイールを下端位置に移動させた状態における揺動摩擦板の位置を示す側面図。 本発明の第3実施形態を示す、図2と同様の断面図。 ステアリングホイールを調節可能範囲の上端位置に移動させた状態における、第3実施形態に係る揺動摩擦板の位置を示す側面図。 ステアリングホイールを中間位置に移動させた状態における揺動摩擦板の位置を示す側面図。 ステアリングホイールを下端位置に移動させた状態における揺動摩擦板の位置を示す側面図。 揺動摩擦板の設置位置の別の例を示す、図2と同様の図。 揺動摩擦板の設置位置のさらに別の2を示す図。 本発明の第4実施形態を示す、図2と同様の図。 ステアリングホイールを調節可能範囲の上端位置に移動させた状態における、第4実施形態に係る揺動摩擦板の位置を示す側面図。 ステアリングホイールを中間位置に移動させた状態における揺動摩擦板の位置を示す側面図。 ステアリングホイールを下端位置に移動させた状態における揺動摩擦板の位置を示す側面図。 本発明の第5実施形態を示す、図2と同様の図。 ステアリングホイールを調節可能範囲の上端位置に移動させた状態における、第5実施形態に係る揺動摩擦板の位置を示す側面図。 ステアリングホイールを中間位置に移動させた状態における揺動摩擦板の位置を示す側面図。 ステアリングホイールを下端位置に移動させた状態における揺動摩擦板の位置を示す側面図。 本発明の第6実施形態を示す側面図。 図13のXIV−XIV線に沿った断面図。 ステアリングホイールを調節可能範囲の前端位置に移動させた状態におけるテレスコ用揺動摩擦板の位置を示す側面図。 ステアリングホイールを中間位置に移動させた状態における揺動摩擦板の位置を示す側面図。 ステアリングホイールを後端位置に移動させた状態における揺動摩擦板の位置を示す側面図。 揺動摩擦板及びテレスコ用揺動摩擦板の設置位置の別例を示す、図14と同様の図。 ステアリングホイールを調節可能範囲の前端位置に移動させた状態における、本発明の第7実施形態に係る揺動摩擦板の位置を示す側面図。 ステアリングホイールを中間位置に移動させた状態における揺動摩擦板の位置を示す側面図。 ステアリングホイールを後端位置に移動させた状態における揺動摩擦板の位置を示す側面図。 第7実施形態を示す、図2と同様の図。 従来のステアリングホイールの位置調節装置の1例を示す、部分切断略側面図。
図1〜図3Cは本発明の第1実施形態を示している。本例のステアリングホイールの位置調節装置は、ステアリングコラム6aと、変位ブラケット12aと、コラム側貫通孔である前後方向長孔19aと、ステアリングシャフト5aと、支持ブラケット13aと、左右の上下方向長孔21a、21aと、調節ロッド22aと、1対の押圧部24a、24bと、調節レバー23と、揺動支持軸25と、揺動摩擦板26とを備える。ステアリングコラム6aは、前側に配置されたインナコラム15aの後端部と後側に配置されたアウタコラム14aの前端部とを軸方向の相対変位を可能に嵌合して成るテレスコピックステアリングコラムで、全体を円筒状としている。変位ブラケット12aは、アルミニウム系合金等の軽合金をダイキャスト成形する事により、アウタコラム14aと一体に構成されている。変位ブラケット12aは、幅方向中央部に形成したスリット27により、全幅を弾性的に拡縮可能としている。前後方向長孔19aは、変位ブラケット12aの一部で、スリット27を挟んで互いに整合する位置に、変位ブラケット12aを幅方向に貫通する状態で設けられている。
ステアリングシャフト5aは、後側に配置したアウタシャフト16aの前端部と前側に配置したインナシャフト17aの後端部とを、スプライン係合等により、トルクの伝達を可能に、且つ、伸縮可能に組み合わせて構成されている。ステアリングシャフト5aは、アウタシャフト16aの中間部後端寄り部分をアウタコラム14aの後端部に、インナシャフト17aの中間部前端寄り部分をインナコラム15aの前端部に、それぞれ単列深溝型の玉軸受の如く、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支障可能な転がり軸受により、回転自在に支持している。従って、ステアリングシャフト5aは、ステアリングコラム6aの伸縮と共に伸縮する。アウタシャフト16aの後端部でアウタコラム14aの後端開口から後方に突出した部分には、ステアリングホイール1(図19参照)が支持固定される。
支持ブラケット13aは、鋼板等、必要とする強度及び剛性を確保できる金属板を曲げ形成して構成されている。支持ブラケット13aは、車体に支持する為の取付板部28と、取付板部28の下面から垂下された、互いに平行な1対の支持板部20a、20bとを備える。支持板部20a、20bの内側面同士の間隔は、変位ブラケット12aの幅寸法と揺動摩擦板26の厚さとの和に、ほぼ一致する。上下方向長孔21a、21aは、支持板部20a、20bの互いに整合する部分に形成されており、ステアリングコラム6aの前端部を揺動変位可能に支持した枢軸11aを中心とする部分円弧状である。但し、上下方向長孔21a、21aは、後方に向かう程上方に向かう方向に傾斜する直線状とする事もできる。何れにしても、この様な構成を有する支持ブラケット13aは、車体に対して、二次衝突時に加わる衝撃荷重により前方への脱落を可能に、但し、通常時にはステアリングコラム6aを充分な剛性を確保できる状態で支持される。
調節ロッド22aは、前後方向長孔19a及び上下方向長孔21a、21aを幅方向に挿通する状態で設けられている。調節ロッド22aの両端部で、支持板部20a、20bの外側面から突出した部分に、押圧部24a、24bが設けられ、調節レバー23により、押圧部24a、24b同士の間隔を拡縮可能としている。調節レバー23により押圧部24a、24b同士の間隔を拡縮する為の構造は特に問わない。例えば1対のカム部材のカム面同士の係合により軸方向寸法を拡縮可能としたカム装置や、調節ロッド22aの先端部に設けた雄ねじ部にナットを螺合する構造を採用する事ができる。何れの構造を採用した場合でも、調節レバー23は調節ロッド22aの一端部に設け、この調節ロッド22aを中心として回転する事により、押圧部24a、24b同士の間隔を拡縮する。
揺動支持軸25は、ステアリングホイール1の上下位置を調節する際に調節ロッド22aに対し相対変位する支持板部20aの外側面(図2の左側面)に、調節ロッド22aと平行に設けられている。揺動支持軸25の設置位置は、支持板部20aの外側面のうち、支持板部20aに設けた上下方向長孔21aの中心線α(図1参照)の延長線(枢軸11aを中心とする部分円弧)上(後述する角度θを、調節ロッド22aの上下位置に拘わらずほぼ一定にできる限りに於いて、その近傍を含む)で、上下方向長孔21aの上方としている。
揺動摩擦板26は、鋼板、ステンレス鋼板或いはアルミニウム系合金等の、必要とする強度及び剛性を確保でき、且つ、相手面である支持板部20aの外側面、及び、押圧部24aの内側面(図2の右側面)との当接部の摩擦係数を大きくできる金属板により形成された、略扇形の平板部材である。揺動摩擦板26は、支持板部20aの外側面と押圧部24aの内側面との間に挟持されている。調節ロッド22aは、揺動摩擦板26の先半部(幅広部)に設けられたガイド長孔29に挿通されている。ガイド長孔29は、揺動方向一端である後端(図1の時計方向後側の端)から、揺動方向他端である前端(図1の時計方向前側の端)まで、少しずつでも、揺動支持軸25からの距離が長くなる方向に、滑らかな曲線となる様に形成されている。具体的には、ガイド長孔29は、調節ロッド22aが上下方向長孔21a内の中央部に位置する状態(図3Bに示す状態)で、中心線αの前方で、且つ、揺動支持軸25の上方に位置する点を中心とする部分円弧状である。この部分円弧のうちで調節ロッド22aが係合している部分の接線と、揺動支持軸25の中心軸を中心とし、調節ロッド22aと揺動支持軸25との間の距離Lを半径とする仮想円弧の接線(揺動摩擦板26の揺動方向)との成す角度θが、調節ロッド22aの上下位置に拘わらず、ほぼ一定となる様にしている。この角度θは、10度〜35度とする事が好ましく、より好ましくは20度〜30度とする。調節ロッド22aが上下方向長孔21a内で移動可能な範囲の上端部に位置する場合に調節ロッド22aとガイド長孔29の後端部とが係合し、調節ロッド22aが下端部に位置する場合に調節ロッド22aとガイド長孔29の前端部とが係合する様に、揺動摩擦板26の基端部(扇の要に相当する部分)が揺動支持軸25に、揺動支持軸25を中心とする揺動変位を可能に支持されている。
揺動摩擦板26の両側面には、支持板部20aの外側面及び押圧部24aの内側面との間の摩擦係数を大きくする為の表面処理が施されている。例えば、粗面加工(ショットブラスト、ローレット加工等)を施して揺動摩擦板26の両側面の表面粗さを大きくしたり、或いは、側面に摩擦剤を被覆する事ができる。摩擦剤は、側面の摩擦係数を大きくするものであれば、特に限定されず、例えばエポキシ樹脂、シリコーンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム等の高分子材料や、粘着性接着剤、セラミックコーティング等を使用する事ができる。
本例の場合、ステアリングホイール1の上下位置又は前後位置を調節する際には、調節レバー23を所定方向(通常は下方)に揺動させる事により、押圧部24a、24b同士の間隔を拡げる。この結果、変位ブラケット12aのスリット27の存在に基づき、アウタコラム14aの前端部の内径が弾性的に拡がって、アウタコラム14aの前端部内周面とインナコラム15aの後端部外周面との嵌合部の面圧が、低下乃至は喪失する。同時に、揺動摩擦板26の両側面と、支持板部20aの外側面及び押圧部24aの内側面との当接部の面圧、並びに、支持板部20a、20bの内側面と変位ブラケット12aの両側面との当接部の面圧、及び他方の支持板部20bの外側面と他方の押圧部24bの内側面との当接部の面圧が、それぞれ低下乃至は喪失する。この状態で、調節ロッド22aが、前後方向長孔19a及び上下方向長孔21a、21a内で変位できる範囲で、ステアリングホイール1の位置を調節する。
上述の様な本例に於いて、ステアリングホイール1の上下位置を調節すべく、ステアリングホイール1(ステアリングコラム6a)を上下方向に変位させた場合の揺動摩擦板26の動きに就いて次に説明する。図3Aは、ステアリングホイール1を調節可能な上端位置まで移動させた状態を示している。この状態では、調節ロッド22aと、上下方向長孔21aの上端部及びガイド長孔29の後端部とが係合している。この状態からステアリングホイール1を下方に変位させ、調節ロッド22aを下降させると、この調節ロッド22a及び揺動支持軸25の中心軸同士の間の距離Lが長くなる為、図3A、図3B、図3Cの順に示す様に、揺動摩擦板26が揺動支持軸25を中心として、図3の反時計方向に揺動する。そして、ステアリングホイール1を調節可能な下端位置まで移動させた状態では、図3Cに示す様に、調節ロッド22aは、上下方向長孔21aの下端部及びガイド長孔29の前端部と係合している。これに対し、ステアリングホイール1を、下端位置から上端位置まで上方に変位させる場合には、上述した下方に変位させる場合とは逆に、図3C、図3B、図3Aの順に示すように、揺動摩擦板26が揺動する。
上述の様に構成する本例のステアリングホイールの位置調節装置によれば、ステアリングホイール1(図19参照)を調節後の位置に保持する力を大きくできて、しかも、このステアリングホイール1の上下位置の調節を円滑に行える。即ち、本例の場合、ステアリングホイール1を調節後の位置に保持すべく、1対の押圧部24a、24b同士の間隔を縮めた状態では、揺動摩擦板26が、支持板部20aの外側面と押圧部24aの内側面との間で強く挟持された状態となる。この状態からステアリングホイール1の上下位置を動かそうとすると、揺動摩擦板26の両側面と支持板部20aの外側面及び押圧部24aの内側面とが強く擦れ合う事となる。要するに、ステアリングホイール1を所望の位置に保持した状態からステアリングホイール1を動かそうとした場合、揺動摩擦板26の両側面である摩擦面を滑らせつつ、揺動摩擦板26を揺動させる必要がある。この為、ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する力を強くできる。この結果、二次衝突時に、ステアリングホイール1に加わる前方に向いた衝撃荷重に基づき、調節ロッド22aが支持板部20a、20bに設けた上下方向長孔21a、21aに沿って上方に変位する事により、ステアリングホイール1が舞い上がるのを防止できて、運転者の身体の保護充実を図れる。
本例の場合には、ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する力を強くできる構造を、前述した特許文献1に開示される構造の様に、複数枚の摩擦板を重ね合わせる事なく、一枚の揺動摩擦板26のみで実現できる。従って、ステアリングホイールの位置調節装置の左右方向寸法、部品点数及び重量が、特許文献1に開示される構造の様に増大するのを抑える事ができ、ステアリングホイールの位置調節装置の小型・軽量化を図れる。
更に、揺動摩擦板26の基端部を、支持板部20aの側面のうち、支持板部20aに形成された上下方向長孔21aの中心線αの延長線上で、上下方向長孔21aの上方に設けられた揺動支持軸25に枢支している。この為、ステアリングホイール1の上下位置を調節する際に、調節ロッド22aと、上下方向長孔21a及び揺動摩擦板26の先半部に設けたガイド長孔29との係合部に作用する摩擦力を低減できる。この理由に就いて、図4Aと図4Bを参照しつつ説明する。
図4Aは、揺動摩擦板26aの基端部を枢支する揺動支持軸25aを、上下方向長孔21aの後方(或いは前方)に設けた構造を示している。図4Aに示した比較例の構造の場合も、調節ロッド22aとの係合部に於ける揺動摩擦板26aの先半部に設けたガイド長孔29aの長さ方向(ガイド長孔29aの接線方向)と、調節ロッド22aと揺動支持軸25aとの間の距離Laを半径とする仮想円弧の接線(揺動摩擦板26aの揺動方向)との成す角度θaは、調節ロッド22aの上下位置に拘わらず、ほぼ一定(好ましくは10度〜35度、より好ましくは20度〜30度)となる様にしている。この比較例の構造の場合、調節ロッド22aとの係合部に於ける上下方向長孔21aの長さ方向(上下方向長孔21aの接線方向)と、ガイド長孔29aの長さ方向(ガイド長孔29aの接線方向)との成す角度φaは、ステアリングホイール1の上下位置に拘わらず、比較的小さくなる(20度〜30度程度になる)。この為、ステアリングホイール1の上下位置の調節時に、調節ロッド22aの外周面と、上下方向長孔21aの内周縁及びガイド長孔29aの内周縁との係合部(摺接部)にくさび効果が発生し、これら係合部に作用する摩擦力が大きくなる。即ち、ステアリングホイール1を上方に変位する事に基づいて、調節ロッド22aに加わる力をFとした場合、調節ロッド22aの外周面と上下方向長孔21aの内周縁との係合部に加わる押し付け力(法線力)Fc1aと、調節ロッド22aの外周面とガイド長孔29aの内周縁との係合部に加わる押し付け力Fc2aとは互いに等しく、次の(1)式で表す事ができる。
Figure 2015104913
各係合部の摩擦係数をμとした場合、調節ロッド22aの外周面と上下方向長孔21aの内周縁との係合部に作用する摩擦力Fs1aと、調節ロッド22aの外周面ととガイド長孔29aの内周縁との係合部に作用する摩擦力Fs2aとに就いても互いに等しくなり、次の(2)式で表される。
Figure 2015104913
従って、比較例の構造に於いて、調節ロッド22aが上下方向長孔21a内を上方に変位する事に対する摩擦抵抗(摩擦力Fs1aと、摩擦力Fs2aのうち上下方向長孔21aの長さ方向成分との和)Fsaは、次の(3)式により算出できる。
Figure 2015104913
これに対し、本例のステアリングホイールの位置調節装置の場合には、図4Bに示す様に、揺動支持軸25が、上下方向長孔21aの中心線αの延長線上で、この上下方向長孔21aの上方に設けられている。この為、調節ロッド22aとの係合部に於ける上下方向長孔21aの長さ方向(上下方向長孔21aの接線方向)と、ガイド長孔29の長さ方向(ガイド長孔29の接線方向)との成す角度φ(=90度−θ)は、比較例の構造の様に、揺動支持軸25aを上下方向長孔21aの後方(或いは前方)に設けた場合と比較して、大きくできる。この為、ステアリングホイール1の上下位置の調節時に、調節ロッド22aの外周面と、上下方向長孔21aの内周縁及びガイド長孔29aの内周縁との係合部にくさび効果が発生するのを抑えられる。この結果、ステアリングホイール1を上方に変位させる事に基づいて、調節ロッド22aに加わる力をFとした場合、調節ロッド22aの外周面と上下方向長孔21aの内周縁との係合部に加わる押し付け力(法線力)Fc1、及び調節ロッド22aの外周面とガイド長孔29の内周縁との係合部に加わる押し付け力Fc2は、それぞれ次の(4)〜(5)式の様になる。
Figure 2015104913
Figure 2015104913
各係合部の摩擦係数をμとすると、調節ロッド22aの外周面と上下方向長孔21aの内周縁との係合部に作用する摩擦力Fs1、及び調節ロッド22aの外周面とガイド長孔29の内周縁との係合部に作用する摩擦力Fs2は、それぞれ次の(6)〜(7)式で表される。
Figure 2015104913
Figure 2015104913
従って、本例のステアリングホイールの位置調節装置に於いて、調節ロッド22aが上下方向長孔21a内を上方に変位する事に対する摩擦抵抗Fsは、次の(8)式により算出できる。
Figure 2015104913
ここで、本例の構造の場合、上下方向長孔21aの長さ方向とガイド長孔29の長さ方向との成す角度φは55度〜80度であり、比較例の構造では、上下方向長孔21aの長さ方向とガイド長孔29aの長さ方向との成す角度φaは20度〜30度である。従って、(3)式及び(8)式から明らかな通り、調節ロッド22aが上下方向長孔21a内を上方に変位する事に対する本例の構造の摩擦抵抗Fsを、図4Aに示した比較例の構造の摩擦抵抗Fsaよりも小さく抑えられる(Fs<Fsa)。即ち、本例の場合に於いて、例えば摩擦係数μを0.15とし、角度φを65度(θを25度)とすると、(8)式から摩擦抵抗Fsは、0.1F程度になる。これに対し、比較例の場合に、角度φaを25度とすると、(3)式から摩擦抵抗Fsaは、0.7F程度になる。要するに、本例のステアリングホイールの位置調節装置によれば、ステアリングホイール1の上下位置の調節時に、調節ロッド22aが上下方向に変位する事に対する摩擦抵抗Fsを、比較例の構造の場合よりも小さく抑えられ、ステアリングホイール1の上下位置の調節作業を円滑に行える。
本例の場合、揺動摩擦板26は、支持板部20aの外側面と押圧部24aの内側面との間部分に挟持されているが、揺動摩擦板26は、支持板部20a、20bの側面(外側面又は内側面)と、この側面と対向する相手面(押圧部24a、24bの何れかの内側面又は変位ブラケット12aの外側面)との間部分の何れに挟持されても良い。揺動摩擦板26は、これら間部分の2乃至4箇所に挟持させる事もできる。但し、何れの場合にも、揺動摩擦板の基端部を枢支する揺動支持軸は、ステアリングホイールの上下位置を調節する際に、調節ロッドに対し相対変位する支持板部の側面に設けられる。
図5A〜図5Cは、本発明の第2実施形態を示している。本例の場合、揺動支持軸25bは、支持ブラケット13a支持板部20aの外側面のうち、支持板部20aに設けた上下方向長孔21aの中心線α(図5A参照)の延長線上で、上下方向長孔21aの下方に設けられている。揺動摩擦板26bは、支持板部20aの外側面と、押圧部24aの内側面(図2参照)との間に挟持されている。調節ロッド22aは、揺動摩擦板26bの先半部(幅広部)に設けたガイド長孔29bに挿通されている。ガイド長孔29bは、調節ロッド22aが上下方向長孔21a内の中央部に位置する状態(図5Bに示す状態)で、中心線αの前方で、且つ、揺動支持軸25bの下方に位置する点を中心とする部分円弧状としている。調節ロッド22aが上下方向長孔21a内で移動可能な範囲の上端部に位置する場合に調節ロッド22aとガイド長孔29bの前端部とが係合し、調節ロッド22aが下端部に位置する場合に調節ロッド22aとガイド長孔29bの後端部とが係合する様に、揺動摩擦板26bの基端部が揺動支持軸25bに、揺動支持軸25bを中心とする揺動変位を可能に支持されている。
ステアリングホイール1(図19参照)を調節可能な上端位置まで移動させた状態では、調節ロッド22aは、図5Aに示す様に、上下方向長孔21aの上端部及びガイド長孔29bの前端部と係合している。従って、この状態からステアリングホイール1を下方に変位させると、調節ロッド22a及び揺動支持軸25bの中心軸同士の間の距離Lが短くなる事に伴って、図5A、図5B、図5Cの順に示す様に、揺動摩擦板26bが揺動支持軸25bを中心として、図5A〜図5Cにおける反時計方向に揺動する。ステアリングホイール1を調節可能な下端位置まで移動させた状態では、調節ロッド22aは、図5Cに示す様に、上下方向長孔21aの下端部及びガイド長孔29bの後端部と係合している。これに対し、ステアリングホイール1を、下端位置から上端位置まで上方に変位させる場合には、上述した下方に変位させる場合とは逆に、図5C、図5B図5Aの順に占め証に、揺動摩擦板26bが揺動する。その他の部分の構成及び作用は、上述した第1実施形態と同様であるから、重複する説明は省略する。
図6〜図8Bは、本発明の第3実施形態を示している。本例のステアリングホイールの位置調節装置は、1対の揺動支持軸25c、25dと、1対の揺動摩擦板26c、26dとを備える。一方(図7A〜図7Cにおける上方)の揺動支持軸25cは、支持ブラケット13aの支持板部20aの外側面のうち、支持板部20aに設けた上下方向長孔21aの中心線α(図7A参照)の延長線上で、上下方向長孔21aの上方に設けられている。他方(図7A〜図7Cにおける下方)の揺動支持軸25dは、支持板部20aの外側面のうち、上下方向長孔21aの中心線αの延長線上で、上下方向長孔21aの下方に設けられている。揺動摩擦板26c、26dは、互いの先半部同士を重ね合わせた状態で、支持板部20aの外側面と押圧部24aの内側面との間に挟持されている。調節ロッド22aは、揺動摩擦板26c、26dのそれぞれの先半部に設けたガイド長孔29c、29dに挿通されている。揺動摩擦板26cに形成されたガイド長孔29cは、調節ロッド22aが上下方向長孔21a内の中央部に位置する状態(図7Bに示す状態)で、中心線αの前方で、且つ、一方の揺動支持軸25cの上方に位置する点を中心とする部分円弧状としている。調節ロッド22aが上下方向長孔21a内で移動可能な範囲の上端部に位置する場合に調節ロッド22aとガイド長孔29cの後端部とが係合し、調節ロッド22aが下端部に位置する場合に調節ロッド22aとガイド長孔29cの前端部とが係合する様に、揺動摩擦板26cの基端部が揺動支持軸25cに、揺動支持軸25cを中心とする揺動変位を可能に支持されている。これに対し、他方の揺動摩擦板26dに形成されたガイド長孔29dは、調節ロッド22aが上下方向長孔21a内の中央部に位置する状態(図7Bに示す状態)で、中心線αの前方で、且つ、他方の揺動支持軸25dの下方に位置する点を中心とする部分円弧状としている。調節ロッド22aが上下方向長孔21a内で移動可能な範囲の上端部に位置する場合に調節ロッド22aとガイド長孔29dの前端部とが係合し、調節ロッド22aが下端部に位置する場合に調節ロッド22aとガイド長孔29dの後端部とが係合する様に、揺動摩擦板26dの基端部が揺動支持軸25dに、揺動支持軸25dを中心とする揺動変位を可能に支持されている。
本例の場合、ステアリングホイール1(図19参照)の上下位置の調節に伴って、一方の揺動摩擦板26cが、前述した第1実施形態に係る揺動摩擦板26の様に揺動し、他方の揺動摩擦板26dが、上述した第2実施形態に係る揺動摩擦板26bの様に揺動する。即ち、ステアリングホイール1を調節可能な上端位置まで移動させた状態では、調節ロッド22aは、図7Aに示す様に、上下方向長孔21aの上端部、並びに一方のガイド長孔29cの後端部及び他方のガイド長孔29dの前端部と係合している。この状態からステアリングホイール1を下方に変位させると、図7A、図7B、図7Cの順に示す様に、揺動摩擦板26c、26dが、それぞれ揺動支持軸25c、25dを中心として、図7A〜図7Cにおける反時計方向に揺動する。そして、ステアリングホイール1を調節可能な下端位置まで移動させた状態では、調節ロッド22aは、図7Cに示す様に、上下方向長孔21aの下端部、並びに一方のガイド長孔29cの前端部及び他方のガイド長孔29dの後端部と係合している。これに対し、ステアリングホイール1を、下端位置から上端位置まで上方に変位させる場合には、下方に変位させる場合とは逆に、図7C、図7B、図7Aの順に示すように、揺動摩擦板26c、26dが揺動する。
本例の場合、1対の揺動摩擦板26c、26dは、前述した第1実施形態の場合と同様に、支持板部20aの外側面と押圧部24aの内側面との間部分に限らず、支持板部20a、20bの側面と、この側面と対向する相手面との間部分の何れに挟持されても良い。揺動摩擦板26c、26dを、これら各間部分の2乃至4箇所に、1組ずつ挟持させる事もできる。例えば、1対の揺動摩擦板26c、26dを、図8Aに示す様に、支持板部20bの外側面と、押圧部24bの内側面との間部分に挟持させたり、図8Bに示す様に、1対の支持板部20a、20bの内側面と、変位ブラケット12aの両側面との間部分に、1組ずつ挟持させても良い。その他の部分の構成及び作用は、前述した第1と第2実施形態と同様であるから、重複する説明は省略する。
図9〜図10Cは、本発明の第4実施形態を示している。本例のステアリングホイールの位置調節装置は、揺動支持軸25eと、1対の揺動摩擦板26e、26fとを備える。揺動支持軸25eは、支持ブラケット13aの支持板部20aの外側面のうち、支持板部20aに設けた上下方向長孔21aの中心線α(図10A参照)の延長線上で、上下方向長孔21aの上方に設けられている。揺動摩擦板26e、26fは、互いに重ね合わせた状態で、支持板部20aの外側面と押圧部24aの内側面との間に挟持されている。調節ロッド22aは、揺動摩擦板26e、26fのそれぞれの先半部に設けられたガイド長孔29e、29fに挿通されている。揺動摩擦板26eに形成されたガイド長孔29eは、調節ロッド22aが上下方向長孔21a内の中央部に位置する状態(図10Bに示す状態)で、中心線αの前方で、且つ、揺動支持軸25eの上方に位置する点を中心とする部分円弧状である。他方の揺動摩擦板26fに形成されたガイド長孔29fは、調節ロッド22aが上下方向長孔21a内の中央部に位置する状態(図10Bに示す状態)で、中心線αの後方で、且つ、揺動支持軸25eの上方に位置する点を中心とする部分円弧状である。揺動摩擦板26e、26fは、ステアリングホイール1(図19参照)の上下位置を一方向に調節する際に、揺動摩擦板26e、26fが互いに反対方向に揺動する様に、それぞれの基端部が揺動支持軸25eに、揺動支持軸25eを中心とする揺動変位を可能に支持されている。
即ち、ステアリングホイール1を調節可能な上端位置まで移動させた状態では、調節ロッド22aは、図10Aに示す様に、上下方向長孔21aの上端部、並びに一方のガイド長孔29eの後端部及び他方のガイド長孔29fの前端部と係合している。この状態からステアリングホイール1を下方に変位させると、図10A、図10B、図10Cの順に示す様に、一方の揺動摩擦板26eが、図10A〜図10Cにおける反時計方向に、他方の揺動摩擦板26fが、図10A〜図10Cにおける時計方向に、揺動支持軸25eを中心としてそれぞれ揺動する。そして、ステアリングホイール1を調節可能な下端位置まで移動させた状態では、調節ロッド22aは、図10Cに示す様に、上下方向長孔21aの下端部、並びに一方のガイド長孔29eの前端部及び他方のガイド長孔29fの後端部と係合している。これに対し、ステアリングホイール1を、下端位置から上端位置まで上方に変位させる場合には、上述した下方に変位させる場合とは逆に、図10C、図10B、図10Aの順に示すように、揺動摩擦板26e、26fが揺動する。
本例のステアリングホイールの位置調節装置を実施する場合に、1対の揺動摩擦板26e、26fは、支持板部20aの外側面と押圧部24aの内側面との間部分に限らず、支持板部20a、20bの側面と、この側面と対向する相手面との間部分の何れに挟持させても良い。揺動摩擦板26e、26fを、これら各間部分の2乃至4箇所に、1組ずつ挟持させる事もできる。その他の部分の構成及び作用は、前述した第1実施形態と同様であるから、重複する説明は省略する。
図11〜図12Cは、本発明の第5実施形態を示している。本例のステアリングホイールの位置調節装置は、揺動支持軸25fと、1対の揺動摩擦板26g、26hとを備える。揺動支持軸25fは、支持ブラケット13aの支持板部20bの外側面のうち、支持板部20bに設けた上下方向長孔21aの中心線α(図12A参照)の延長線上で、上下方向長孔21aの下方に設けられている。揺動摩擦板26g、26hは、互いに重ね合わせた状態で、支持板部20bの外側面と押圧部24bの内側面との間に挟持されている。調節ロッド22aは、揺動摩擦板26g、26hのそれぞれの先半部に設けられたガイド長孔29g、29hに挿通されている。揺動摩擦板26g、26hは、ステアリングホイール1(図19参照)の上下位置を一方向に調節する際に、揺動摩擦板26g、26hが互いに反対方向に揺動する様に、それぞれの基端部が揺動支持軸25fを中心とする揺動変位を可能に支持されている。その他の部分の構成及び作用は、上述した第4実施形態と同様であるから、重複する説明は省略する。
図13〜図16は、本発明の第6実施形態を示している。本例の場合、前述した第3実施形態の場合と同様に、支持ブラケット13aの支持板部20aの外側面と押圧部24aの内側面との間に、1対の揺動摩擦板26c、26dが互いに重ね合わせた状態で挟持されている。揺動摩擦板26c、26dの基端部は、揺動支持軸25c、25dに、揺動支持軸25c、25dを中心とする揺動変位を可能にそれぞれ支持されている。即ち、ステアリングホイール1(図19参照)を上端位置から下端位置まで下方に変位させる場合には、前述した図7A、図7B、図7Cの順に示すように、ステアリングホイール1を下端位置から上端位置まで上方に変位させる場合には、図7C、図7B、図7Aの順に示すように、それぞれ揺動摩擦板26c、26dが揺動する。
更に本例の場合には、支持板部20aの内側面と変位ブラケット12aの片側面との間に、ステアリングホイール1の前後位置調節に伴い揺動変位するテレスコ用揺動摩擦板30が挟持されている。テレスコ用揺動支持軸31は、ステアリングホイール1の前後位置調節の際に調節ロッド22aに対し相対変位する変位ブラケット12aの片側面(図14の左側面)に、調節ロッド22aと平行に設けられている。テレスコ用揺動支持軸31の設置位置は、変位ブラケット12aの片側面のうち、変位ブラケット12aに設けた前後方向長孔19aの前後方向に関する中央位置を通り、ステアリングコラム6aの軸方向(前後方向長孔19aの長さ方向)に直交する方向の仮想直線β(図15B参照)上で、前後方向長孔19aの上方としている。但し、テレスコ用揺動支持軸31の設置位置は、仮想直線β上であれば、前後方向長孔19aの下方とする事もできる。何れにしても、この様な構造により、テレスコ用揺動支持軸31の中心軸と、ステアリングホイール1を前端位置とした場合に於ける調節ロッド22aの中心軸との間の距離LFと、ステアリングホイール1を後端位置とした場合に於ける調節ロッド22aの中心軸との間の距離LBとを、同じにしている(LF=LB)。
テレスコ用揺動摩擦板30は、鋼板、ステンレス鋼板等の、必要とする強度及び剛性を確保でき、且つ、相手面である支持板部20aの内側面及び変位ブラケット12aの片側面との係合部の摩擦係数を大きくできる金属板により形成された、略扇形の平板部材である。テレスコ用揺動摩擦板30は、基端部である上端寄り部分を、テレスコ用揺動支持軸31を中心とする揺動変位を可能に支持している。テレスコ用揺動摩擦板30は、支持板部20aの内側面と変位ブラケット12aの片側面との間に挟持されている。調節ロッド22aは、支持板部20aの下半部に設けたテレスコ用ガイド長孔32に挿通されている。テレスコ用ガイド長孔32は、前端部から後端部まで、少しずつでも、テレスコ用揺動支持軸31との間の距離が長くなる方向に、滑らかな曲線となる様に形成されている。具体的には、テレスコ用ガイド長孔32は、調節ロッド22aが前後方向長孔19a内の中央部に位置する状態(図15Bに示す状態)で、仮想直線βの前方で、且つ、テレスコ用揺動支持軸31の上方に位置する点を中心とする部分円弧状としている。この部分円弧のうちで調節ロッド22aが係合している部分の接線と、テレスコ用揺動支持軸31の中心軸を中心とし、調節ロッド22aとテレスコ用揺動支持軸31との間の距離を半径とする仮想円弧の接線(テレスコ用揺動摩擦板30の揺動方向)との成す角度ψが、調節ロッド22aの前後方向位置に拘わらず、一定となる様にしている。この角度ψは、10度〜35度とする事が好ましい。ステアリングホイール1の前後方向位置を調節可能な範囲の中央位置とした時に調節ロッド22aとテレスコ用ガイド長孔32の前端部とが係合し、ステアリングホイール1を後端位置及び前端位置とした時に調節ロッド22aとこのテレスコ用ガイド長孔32の後端部とが係合する。即ち、本例の場合、ステアリングホイール1の前後方向の位置調節に伴い、調節ロッド22aがテレスコ用ガイド長孔32に沿って変位する過程で、調節ロッド22aとテレスコ用揺動支持軸31との間の距離が変化する方向(伸長する方向か短縮する方向か)が、ステアリングホイール1の位置調節可能な範囲の前後方向中央位置を境に互いに反対方向となる。
本例に於いて、ステアリングホイール1の前後位置を調節すべく、ステアリングホイール1の前後方向に変位させた場合の、テレスコ用揺動摩擦板30の動きに就いて次に説明する。図15Aは、ステアリングホイール1を調節可能な前端位置まで移動させた状態を示している。この状態では、調節ロッド22aと、前後方向長孔19aの後端部及びテレスコ用ガイド長孔32の後端部とが係合している。従って、この状態からステアリングホイール1を後方に変位させる事により、調節ロッド22aを前後方向長孔19a内で前方に変位させると、この調節ロッド22a及びテレスコ用揺動支持軸31との中心軸同士の間の距離が短くなる為、図15A、図15Bの順に示す様に、テレスコ用揺動摩擦板30がテレスコ用揺動支持軸31を中心として、図15Aと図15Bにおける反時計方向に揺動する。図15Bに示す中立位置状態では、調節ロッド22は、前後方向長孔19aの前後方向中央部及びテレスコ用ガイド長孔32の前端部と係合している。この為、図15Bに示した状態から、更にステアリングホイール1を後方に変位させて後端位置まで移動させると、調節ロッド22a及びテレスコ用揺動支持軸31との中心軸同士の間の距離が長くなり、図15B、図15Cの順に示す様に、テレスコ用揺動摩擦板30がテレスコ用揺動支持軸31を中心として、図15Bと図15Cにおける時計方向に揺動する。これに対し、ステアリングホイール1を、後端位置から前端位置まで前方に変位させる場合には、上述した前方に変位させる場合とは逆に、図15C、図15B、図15Aの順に、テレスコ用揺動摩擦板30が揺動する。
上述の様な本例のステアリングホイールの位置調節装置によれば、ステアリングホイール1の上下方向位置を保持する力に加え、前後方向に就いても、調節後の位置に保持する力を大きくできる。
本例の場合、テレスコ用揺動摩擦板30は、支持板部20aの内側面と、変位ブラケット12aの片側面との間部分に挟持させているが、テレスコ用揺動摩擦板30は、他方の支持板部20bの内側面と、変位ブラケット12aの他側面との間部分に挟持させても良いし、支持板部20a、20bの内側面と変位ブラケット12aの両側面との間部分に、それぞれ1枚ずつ挟持する事もできる。但し、何れの場合にも、テレスコ用揺動摩擦板の基端部を枢支するテレスコ用揺動支持軸は、ステアリングホイールの上下位置を調節する際に、調節ロッドに対し相対変位する変位ブラケットの側面に設けられる。揺動摩擦板26c、26dは、支持板部20a、20bの側面と、この側面と対向する相手面との間部分の1乃至4箇所に、1組ずつ挟持できる。従って、例えば図16に示す様に、1対の揺動摩擦板26c、26dを、支持板部20bの外側面と押圧部24bの内側面との間に挟持させ、テレスコ用揺動摩擦板30を1対の支持板部20a、20bの内側面と変位ブラケット12aの両側面との間部分にそれぞれ1枚ずつ挟持させても良い。その他の部分の構成及び作用は、前述した第4実施形態と同様であるから、重複する説明は省略する。
図17A〜図18は、本発明の第7実施形態を示している。本例のステアリングホイールの位置調節装置は、ステアリングホイール1(図19参照)の前後位置調節に伴って、上下方向に揺動変位する揺動摩擦板33を設けている。揺動摩擦板33は、支持ブラケット13aの支持板部20aの内側面と、変位ブラケット12aの外側面との間に挟持されている。調節ロッド22aは、揺動摩擦板33の先半部に設けたガイド長孔34に挿通されている。ステアリングホイール1の前後位置を調節する際に調節ロッド22aに対し相対変位する変位ブラケット12aの外側面のうち、変位ブラケット12aに設けた前後方向長孔19aの中心線γ(図17A参照)の延長線上(その近傍を含む)で、前後方向長孔19aの前方に揺動支持軸35が設けられている。揺動摩擦板33の基端部は、揺動支持軸35を中心とする揺動変位を可能に支持されている。
ガイド長孔34は、揺動方向一端である下端(図17A〜図17Cにおける時計方向前側の端)から、揺動方向他端である上端(図17A〜図17Cにおける時計方向後側の端部)まで、少しずつでも、揺動支持軸35からの距離が長くなる方向に、滑らかな曲線となる様に形成されている。具体的には、ガイド長孔34を、調節ロッド22aが前後方向長孔19a内の中央部に位置する状態(図17Bに示す状態)で、中心線γの上方で、且つ、揺動支持軸35の前方に位置する点を中心とする部分円弧状としている。そして、調節ロッド22aが、前後方向長孔19a内で移動可能な範囲の前端部に位置する場合に調節ロッド22aとガイド長孔34の上端部とが係合し、調節ロッド22aが後端部に位置する場合に調節ロッド22aとガイド長孔34の下端部とが係合する様に、揺動摩擦板33の基端部(扇の要に相当する部分)が揺動支持軸35に、揺動支持軸35を中心とする揺動変位を可能に支持されている。
上述の様な本例に於いて、ステアリングホイール1の前後位置を調節すべく、ステアリングホイール1(アウタコラム14a)を前後方向に変位させた場合の動きに就いて次に説明する。図17Aは、ステアリングホイール1を調節可能な後端位置まで移動させた状態を示している。この状態では、調節ロッド22aと、前後方向長孔19aの前端部及びガイド長孔34の下端部とが係合している。この状態からステアリングホイール1を前方に変位させ、調節ロッド22aを後方に変位させると、この調節ロッド22a及び揺動支持軸35の中心軸同士の間の距離が長くなる為、図17A、図17B、図17Cの順に示す様に、揺動摩擦板33が揺動支持軸35を中心として、図17A〜図17Cにおける時計方向に揺動する。そして、ステアリングホイール1を調節可能な前端位置まで移動させた状態では、図17Cに示す様に、調節ロッド22aは、前後方向長孔19aの後端部及びガイド長孔34の上端部と係合している。これに対し、ステアリングホイール1を、前端位置から後端位置まで後方に変位させる場合には、上述した前方に変位させる場合とは逆に、図17C、図17B、図17Aの順に示すように、揺動摩擦板33が揺動する。
上述の様な本例によれば、ステアリングホイール1の前後位置を、調節後の位置に保持する力を強くでき、例えば二次衝突時に、ステアリングホイール1に加わる前方に向いた衝撃荷重に基づき、アウタコラム14aを、支持ブラケット13aと共に、前方に安定して離脱させる事ができる。本例の場合、揺動摩擦板33は、一方(図18の左方)の支持板部20aの内側面と、変位ブラケット12aの外側面との間部分に挟持されているが、揺動摩擦板33を、他方(図18の右方)の支持板部20bの内側面と変位ブラケット12aの外側面との間部分に挟持させたり、これら間部分にそれぞれ挟持させる事もできる。本例は、前述した第1実施形態ないし第5実施形態と組み合わせて実施する事もできる。その他の部分の構成及び作用は、前述した第1実施形態と同様である。
本出願は、2014年1月7日に出願された日本特許出願番号2014−000955、および、2014年8月22日に出願された日本特許出願番号2014−168952に基づき、その内容は参照によりここに取り込まれる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5、5a ステアリングシャフト
6、6a ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10 車体
11 枢軸
12、12a 変位ブラケット
13、13a 支持ブラケット
14、14a アウタコラム
15、15a インナコラム
16、16a アウタシャフト
17、17a インナシャフト
18 電動モータ
19、19a 前後方向長孔
20、20a、20b 支持板部
21、21a 上下方向長孔
22、22a 調節ロッド
23 調節レバー
24a、24b 押圧部
25、25a〜25f 揺動支持軸
26、26a〜26h 揺動摩擦板
27 スリット
28 取付板部
29、29a〜29h ガイド長孔
30 テレスコ用揺動摩擦板
31 テレスコ用揺動支持軸
32 テレスコ用ガイド長孔
33 揺動摩擦板
34 ガイド長孔
35 揺動支持軸

Claims (8)

  1. 筒状のステアリングコラムであって、その内側に、ステアリングホイールを支持する後端部を有するステアリングシャフトが回転自在に支持されるステアリングコラムと、
    前記ステアリングコラムの一部に固設された変位ブラケットであって、当該変位ブラケットを幅方向に貫通するコラム側貫通孔が設けられた変位ブラケットと、
    前記変位ブラケットを幅方向両側から挟む1対の支持板部であって当該支持板部の互いに整合する部分に車体側貫通孔が設けられた1対の支持板部を有し、車体に支持される支持ブラケットと、
    前記コラム側貫通孔及び車体側貫通孔を幅方向に挿通された調節ロッドと、
    前記1対の支持板部の外側面から突出した前記調節ロッドの両端部に設けられた1対の押圧部と、
    前記調節ロッドの一方の端部に設けられ、調節ロッドを中心として回転する事により前記1対の押圧部の間隔を拡縮する調節レバーと、
    前記1対の支持板部の内側面と前記変位ブラケットの両側面との間部分、および、前記1対の支持板部の外側面と前記1対の押圧部の内側面との間部分、の少なくとも1つに挟持された摩擦板と、を備え、
    前記コラム側貫通孔と前記車体側貫通孔の少なくとも一方が、前記ステアリングホイールの位置を調節可能とすべき方向に長い調節用長孔として構成されたステアリングホイールの位置調節装置に於いて、
    前記摩擦板は、揺動支持軸に枢支された基端部と、前記調節ロッドが係合したガイド長孔が設けられた先半部と、を有する少なくとも1つの揺動摩擦板として構成され、
    前記揺動支持軸は、前記調節ロッドを前記調節用長孔に沿って変位させる際に当該調節ロッドと相対変位する部分であって、前記調節用長孔の中心線の延長線上に位置する部分に設けられ、
    前記調節ロッドは、前記ガイド長孔に沿った変位のみ可能に前記ガイド長孔に係合し、
    前記少なくとも1つの揺動摩擦板の少なくとも一部は、前記間部分の少なくとも1つに挟持されている、ステアリングホイールの位置調節装置。
  2. 前記ガイド長孔は、前記揺動支持軸を中心とする揺動方向一端から他端に向かうに従って、前記揺動支持軸からの距離が長くなる方向に形成されている、請求項1に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  3. 前記少なくとも1つの揺動摩擦板は1対の揺動摩擦板を有し、
    前記調節用長孔の中心線の延長線上において、一方の揺動摩擦板の基端部を枢支する揺動支持軸は前記調節用長孔の一側に設けられ、他方の揺動摩擦板の基端部を枢支する揺動支持軸は前記調節用長孔の他側に設けられている、請求項1または2に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  4. 前記少なくとも1つの揺動摩擦板は1対の揺動摩擦板を有し、
    前記揺動摩擦板の基端部を枢支する揺動支持軸が互いに同心であり、
    前記ステアリングホイールの位置を一方向に調節する際に、前記揺動摩擦板が互いに反対方向に揺動する、請求項1または2に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  5. 前記少なくとも1つの揺動摩擦板は、鋼板、ステンレス鋼板、又は、アルミニウム系合金板製である、請求項1〜4の何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  6. 前記少なくとも1つの揺動摩擦板の側面には、当該側面と対向する面との間の摩擦係数を大きくする表面処理が施されている、請求項1〜5の何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  7. 前記ステアリングコラムの前端部は、車体に対し、前記調節ロッドと平行な枢軸を中心とする揺動変位を可能に支持されるように構成され、
    前記車体側貫通孔は、上下方向に長い上下方向長孔として構成され、
    前記揺動支持軸は、一方の支持板部の側面に設けられている、請求項1〜6の何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  8. 前記ステアリングコラムは、インナコラムの後端部にアウタコラムの前端部を、軸方向に関する相対変位を可能に嵌合して構成され、前記変位ブラケットが前記アウタコラムに固設され、
    前記コラム側貫通孔が前記アウタコラムの軸方向に長い前後方向長孔として構成され、
    前記揺動支持軸は、前記アウタコラムの外側面に設けられている、請求項1〜7の何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
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