JP5895754B2 - ステアリングホイールの位置調節装置 - Google Patents
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Description
この様な事情に鑑みて考えられたステアリングホイールの位置調節装置として、特願2012−035139には、図7〜8に示す様な構造により、少ない摩擦板でステアリングホイールを調節後の位置に保持するのに寄与する摩擦面の数を増やす構造が開示されている。この先発明の構造では、支持ブラケット13aを構成する1対の支持板部20a、20aと、変位ブラケット12aの両外側面との間に、それぞれ揺動摩擦板24、24を挟持している。この変位ブラケット12aは、アウタコラム14aの前端部下側に、このアウタコラム14aと一体に設けられており、幅方向中央部に設けたスリット25の存在に基づき、幅寸法を、延いては前記アウタコラム14aの前端部の内径を弾性的に拡縮可能としている。この様なアウタコラム14aの前端部にはインナコラム15aの後端部を内嵌して、テレスコピック式のステアリングコラム6aを構成している。
このうちのステアリングコラムは筒状である。
又、前記変位ブラケットは、このステアリングコラムの一部に固設している。
又、前記コラム側貫通孔は、前記変位ブラケットに、この変位ブラケットを幅方向に貫通する状態で設けている。
又、前記ステアリングシャフトは、前記ステアリングコラムの内側に回転自在に支持しており、このステアリングコラムの後端開口から突出した後端部にステアリングホイールを支持固定する。
又、前記支持ブラケットは、前記変位ブラケットを左右両側から挟む左右1対の支持板部を備え、車体に支持される。
又、前記車体側貫通孔は、前記両支持板部の互いに整合する部分に設けている。
又、前記調節ロッドは、前記コラム側貫通孔及び前記両車体側貫通孔を幅方向に挿通する状態で設けている。
又、前記両押圧部は、前記調節ロッドの両端部で、前記両支持板部の外側面から突出した部分に設けている。
更に、前記調節レバーは、前記調節ロッドの一端部に設けたもので、この調節ロッドを中心として回転する(調節ロッドと共に回転する場合も含む)事により、前記両押圧部同士の間隔を拡縮する。
そして、前記両車体側貫通孔と前記コラム側貫通孔とのうちの少なくとも一方の貫通孔を、前記ステアリングホイールの位置を調節可能とすべき方向に長い長孔としている。
このうちの揺動支持軸は、前記変位ブラケットと共に変位する部分に設けたもので、前記調節ロッドと平行で、且つ、前記長孔の延長線上から外れた位置に設けている。
又、前記揺動摩擦板は、前記揺動支持軸により基端部を枢支した状態で、先半部を前記変位ブラケットの外側面と前記支持板部の内側面との間に挟持している。
更に、前記ばねは、前記揺動摩擦板を前記調節ロッドに向けて付勢する。
又、前記変位ブラケットを前記アウタコラムに設けて、前記コラム側貫通孔をこのアウタコラムの軸方向に長いテレスコ調節用長孔とする。
そして、前記揺動支持軸をこのアウタコラムの一部でこのテレスコ調節用長孔の後端部よりも後方に設け、前記揺動摩擦板の前側縁を前記ばねにより、前記調節ロッドの外周面のうちの後半部分に押し付ける。
又、前記車体側貫通孔を、上下方向に長いチルト調節用長孔とする。
そして、前記揺動支持軸を前記ステアリングコラムの一部でこのチルト調節用長孔のよりも後方に設けて、前記揺動摩擦板の前側縁を前記ばねにより、前記調節ロッドの外周面のうちの下半部分に押し付ける。
即ち、前記揺動摩擦板のうちで前記調節ロッドに対向する縁は、前記ばねの弾力により、常にこの調節ロッドの外周面に当接した状態に維持される。そして、前述した先発明の構造の様に、揺動摩擦板に両側が仕切られたガイド長孔を設ける必要がない分、前記揺動摩擦板の幅寸法を小さくして、小型且つ軽量な構造でも、二次衝突時に於けるステアリングホイールの位置保持力を充分に確保できる。
図1〜3は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例のステアリングホイールの位置調節装置は、前述した先発明に係る構造と同様に、ステアリングコラム6aと、変位ブラケット12aと、コラム側貫通孔であるテレスコ調節用長孔19aと、ステアリングシャフト5aと、支持ブラケット13aと、車体側貫通孔であるチルト調節用長孔21aと、調節ロッド22aと、1対の押圧部28a、28bと、調節レバー23と、左右1対ずつの揺動支持軸26a、26a及び揺動摩擦板24a、24aとを備える。特に、本例の構造の場合には、これら両揺動摩擦板24a、24aの形状を工夫すると共に、前記先発明に係る構造が備えていないばね29を付加する事により、前記両揺動摩擦板24a、24aの幅寸法を小さくし、ステアリングホイールの位置調節装置の小型・軽量化と設計の自由度の向上とを図っている。以下、各構成部材の形状、構造、及びこれら各構成部材同士の組み合わせ状態に就いて説明する。
即ち、前記両揺動摩擦板24a、24aの前上縁は、前記ばね29の弾力により、常に前記調節ロッド22aの外周面に当接した状態に維持される。そして、この状態に維持される限り、前記調節レバー23を操作して前記両押圧部28a、28b同士の間隔を縮めた状態で、前記両揺動摩擦板24a、24aの前半部の少なくとも一部が、前記変位ブラケット12aの左右両外側面と前記両支持板部20a、20aの内側面との間で強く挟持される。この結果、二次衝突時に前記ステアリングホイール1から前記アウタコラム14aに加わる前方に向いた衝撃荷重に係らず、このステアリングホイール1を調節後の位置に保持する力(位置保持力)を大きくできる。
図4は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、揺動摩擦板24bの形状を、ほぼ直線状としている。この為、図4の(B)に示した、ステアリングホイールを調節可能範囲の前端位置に移動させた状態で、前記揺動摩擦板24bの下方への突出量が、上述した実施の形態の第1例の場合に比べて大きくなる不利はある。但し、前記揺動摩擦板24bの幅寸法を狭くして、この揺動支持板24bと他の部材とを干渉し難くし、設計の自由度を向上させる効果は、上述した実施の形態の第1例と同様に得られる。その他の部分の構成及び作用も、この実施の形態の第1例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図5は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、揺動摩擦板24cの一部に、調節ロッド22aと当接する前上縁に沿ったスリット34を形成している。そして、これら前上縁とスリット34との間部分を、幅寸法が小さい、低剛性部35としている。二次衝突時に前記調節ロッド22aの周面が前記揺動摩擦板24cの前上縁に強く押し付けられると、前記低剛性部35がこの調節ロッド22aの外周面に沿った形状に塑性変形する。この結果、この調節ロッド22aが、前記前上縁に沿って移動し難くなり、前記揺動摩擦板24cを支持したアウタコラム14aが前方に変位し難くなる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5、5a ステアリングシャフト
6、6a ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10 車体
11、11a 枢軸
12、12a 変位ブラケット
13、13a 支持ブラケット
14、14a アウタコラム
15、15a インナコラム
16、16a アウタシャフト
17、17a インナシャフト
18 電動モータ
19、19a テレスコ調節用長孔
20、20a 支持板部
21、21a チルト調節用長孔
22、22a 調節ロッド
23 調節レバー
24、24a、24b、24c 揺動摩擦板
25 スリット
26、26a 揺動支持軸
27 ガイド長孔
28a、28b 押圧部
29 ばね
30 取付板部
31 基部
32 コイル部
33 押圧部
34 スリット
35 低剛性部
36 鍔部
Claims (4)
- 筒状のステアリングコラムと、このステアリングコラムの一部に固設された変位ブラケットと、この変位ブラケットに、この変位ブラケットを幅方向に貫通する状態で設けられたコラム側貫通孔と、前記ステアリングコラムの内側に回転自在に支持された状態で、このステアリングコラムの後端開口から突出した後端部にステアリングホイールを支持固定するステアリングシャフトと、前記変位ブラケットを左右両側から挟む左右1対の支持板部を備え、車体に支持される支持ブラケットと、これら両支持板部の互いに整合する部分に設けられた車体側貫通孔と、これら両車体側貫通孔及び前記コラム側貫通孔を幅方向に挿通する状態で設けられた調節ロッドと、この調節ロッドの両端部で、前記両支持板部の外側面から突出した部分に設けられた1対の押圧部と、この調節ロッドの一端部に設けられ、この調節ロッドを中心として回転する事により前記両押圧部同士の間隔を拡縮する調節レバーとを備え、前記両車体側貫通孔と前記コラム側貫通孔とのうちの少なくとも一方の貫通孔を、前記ステアリングホイールの位置を調節可能とすべき方向に長い長孔としたステアリングホイールの位置調節装置に於いて、
前記変位ブラケットと共に変位する部分で、且つ、前記長孔の延長線上から外れた位置に、前記調節ロッドと平行に設けられた揺動支持軸と、この揺動支持軸により基端部を枢支された状態で、先半部を前記変位ブラケットの外側面と前記支持板部の内側面との間に挟持された揺動摩擦板と、この揺動摩擦板を前記調節ロッドに向けて付勢するばねとを備えた事を特徴とするステアリングホイールの位置調節装置。 - 前記ステアリングコラムが、前側に配置されたインナコラムの後端部と後側に配置されたアウタコラムの前端部とを軸方向の変位を可能に嵌合して成るテレスコピックステアリングコラムであり、前記変位ブラケットが前記アウタコラムに設けられていて、前記コラム側貫通孔がこのアウタコラムの軸方向に長いテレスコ調節用長孔であり、前記揺動支持軸がこのアウタコラムの一部でこのテレスコ調節用長孔の後端部よりも後方に設けられており、前記揺動摩擦板の前側縁が前記ばねにより、前記調節ロッドの外周面のうちの後半部分に押し付けられている、請求項1に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
- 前記ステアリングコラムの前端部が車体に対し、前記調節ロッドと平行な枢軸を中心とする揺動変位を可能に支持されており、前記車体側貫通孔が、上下方向に長いチルト調節用長孔であり、前記揺動支持軸が前記ステアリングコラムの一部でこのチルト調節用長孔よりも後方に設けられており、前記揺動摩擦板の前側縁が前記ばねにより、前記調節ロッドの外周面のうちの下半部分に押し付けられている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
- 前記揺動摩擦板の一部で、前記調節ロッドと当接する縁に沿ったスリットを形成し、このスリットとこの縁との間部分を、二次衝突時に塑性変形してこの縁に沿った前記調節ロッドの変位に対する抵抗となる低剛性部とした、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
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