JP6094177B2 - ステアリングホイールの位置調節装置 - Google Patents
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Description
この様な事情に鑑みて考えられたステアリングホイールの位置調節装置として、特願2012−035139には、図12〜13に示す様な構造により、少ない摩擦板でステアリングホイールを調節後の位置に保持するのに寄与する摩擦面の数を増やす構造が開示されている。この先発明の構造では、支持ブラケット13aを構成する1対の支持板部20a、20aの内側面と、変位ブラケット12aの左右両外側面との間に、それぞれ揺動摩擦板24、24を挟持している。この変位ブラケット12aは、アウタコラム14aの前端部下側に、このアウタコラム14aと一体に設けられており、幅方向中央部に設けたスリット25の存在に基づき、幅寸法を、延いては前記アウタコラム14aの前端部の内径を、弾性的に拡縮可能としている。この様なアウタコラム14aの前端部にはインナコラム15aの後端部を内嵌して、テレスコピック式のステアリングコラム6aを構成している。
このうちのステアリングコラムは筒状である。
又、前記変位ブラケットは、このステアリングコラムの一部に固設している。
又、前記コラム側貫通孔は、前記変位ブラケットに、この変位ブラケットを幅方向に貫通する状態で設けている。
又、前記ステアリングシャフトは、前記ステアリングコラムの内側に回転自在に支持しており、このステアリングコラムの後端開口から突出した後端部にステアリングホイールを支持固定する。
又、前記支持ブラケットは、前記変位ブラケットを左右両側から挟む左右1対の支持板部を備え、車体に支持される。
又、前記車体側貫通孔は、前記両支持板部の互いに整合する部分に設けている。
又、前記調節ロッドは、前記コラム側貫通孔及び前記両車体側貫通孔を幅方向に挿通する状態で設けている。
又、前記両押圧部は、前記調節ロッドの両端部で、前記両支持板部の外側面から突出した部分に設けている。
更に、前記調節レバーは、前記調節ロッドの一端部に設けたもので、この調節ロッドを中心として回転する(調節ロッドと共に回転する場合も含む)事により、前記両押圧部同士の間隔を拡縮する。
そして、前記両車体側貫通孔と前記コラム側貫通孔とのうちの少なくとも一方の貫通孔を、前記ステアリングホイールの位置を調節可能とすべき方向に長い調節用長孔としている。
上述の様な本発明のステアリングホイールの位置調節装置を実施する場合に、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記揺動摩擦板を、前記両支持板部の
側面と、これら両支持板部の側面と対向する相手部材との間部分に、それぞれ挟持された第一、第二両揺動摩擦板とする。そして、前記ステアリングホイールの位置調節に伴って、これら第一、第二両揺動摩擦板を互いに異なる位相で揺動変位させる。
この様な請求項6に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項7に記載した発明の様に、前記第一、第二両揺動摩擦板が共に揺動しない範囲を、前記ステアリングホイールが位置調節可能な範囲のうちの端部に位置する状態から、同じく中間部に位置する状態までの範囲とする。
即ち、本発明の場合、ステアリングホイールを調節後の位置に保持する力を大きくする為の揺動摩擦板を、このステアリングホイールの位置調節ができる範囲のうちの所定範囲で揺動し、他の範囲で揺動しないものとする。従って、前記揺動摩擦板が揺動する大きさ(揺動角度)を、前述した先発明の構造の場合と比較して小さく抑える事ができ、設計の自由度を確保できる。
図1〜3は、請求項1〜4、6、7に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例のステアリングホイールの位置調節装置は、前述した先発明に係る構造と同様に、ステアリングコラム6aと、変位ブラケット12aと、コラム側貫通孔であるテレスコ調節用長孔19aと、ステアリングシャフト5aと、支持ブラケット13aと、車体側貫通孔であるチルト調節用長孔21a、21aと、調節ロッド22aと、1対の押圧部28a、28bと、調節レバー23と、左右1対の揺動支持軸26aと、第一、第二両揺動摩擦板29、30とを備える。
このうちのステアリングコラム6aは、前側に配置されたインナコラム15aの後端部と後側に配置されたアウタコラム14aの前端部とを軸方向の変位を可能に嵌合して成るテレスコピックステアリングコラムで、全体を円筒状としている。又、前記変位ブラケット12aは、アルミニウム系合金等の軽合金をダイキャスト成形する事により、前記アウタコラム14aと一体に構成している。前記変位ブラケット12aは、幅方向中央部に形成したスリット25により、全幅を弾性的に拡縮可能としている。前記テレスコ調節用長孔19aは、前記変位ブラケット12aの一部で、前記スリット25を挟んで互いに整合する位置に、この変位ブラケット12aを幅方向に貫通する状態で設けている。
尚、図示の例の場合、これら第一、第二両揺動摩擦板29、30の基端部を、互いに同軸に配置された左右1対の揺動支持軸26aに支持しているが、これら第一、第二両揺動摩擦板29、30の基端部を揺動変位可能に支持する揺動支持軸の中心軸を、互いに異ならせる(互いに平行となる様に配置する)事もできる。
図4も、請求項1〜4、6、7に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合、第一、第二両揺動摩擦板29、30を枢支する揺動支持軸26bを、テレスコ調節用長孔19aの延長線よりも上方で、且つ、チルト調節用長孔21a(図1参照)の延長線よりも前方に設置している。
又、本例の場合、前記ステアリングホイール1の前後位置が、調節可能な後端位置{図4の(A)に示した状態}乃至中間位置{図4の(B)に示した状態}にある時に、前記ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する力を大きくする事ができる。この為、やはり車種等にも拠るが、二次衝突発生の瞬間に、前記アウタコラム14aを保持した支持ブラケット13a(図1〜2参照)が車体10(図11参照)から離脱する為の離脱荷重のチューニングを容易にできる。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図5も、請求項1〜4、6、7に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合、アウタコラム14bの上方に変位ブラケット12bを設けている。そして、第一、第二両揺動摩擦板29、30を枢支する揺動支持軸26cを、テレスコ調節用長孔19bの延長線上よりも下方で、且つ、チルト調節用長孔21a(図1参照)の延長線上よりも前方に設置している。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第2例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図6〜7は、請求項1〜3、5に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合、1対の押圧部28a、28bの内側面と、1対の支持板部20a、20aの外側面との間に、第一、第二両揺動摩擦板29a、30aを狭持している。これら第一、第二両揺動摩擦板29a、30aの基端部(上端部)は、前記両支持板部20a、20aの外側面に設けた揺動支持軸26d、26dに枢支している。又、前記第一、第二両揺動摩擦板29a、30aの第一、第二両ガイド長孔32a、33aの形成方向は、ステアリングホイール1(図11参照)の上下方向の位置調節に伴い、これら第一、第二両ガイド長孔32a、33aの上端から下端に向かう程、前記両揺動支持軸26d、26dとの間の距離が長くなる方向としている。本例の場合、前記第一、第二両揺動摩擦板29a、30aは、ステアリングホイール1(図11参照)の上下位置の調節に伴い、同時には揺動せず、何れか一方ずつ揺動する。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図8は、請求項1〜7に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合、変位ブラケット12aの左右両外側面と、1対の支持板部20a、20aの内側面との間に、前述した実施の形態の第1例に示す様な、第一、第二両揺動摩擦板29、30を、1対の押圧部28a、28bの内側面と、前記両支持板部20a、20aの外側面との間に、上述した実施の形態の第4例に示す様な、第一、第二両揺動摩擦板29a、30aを、それぞれ狭持している。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例及び上述した実施の形態の第4例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図9〜10は、請求項1、8に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合、ステアリングホイール1(図11参照)の前後位置を調節可能な範囲のうちの所定範囲で揺動し、他の範囲で揺動しない揺動摩擦板34を、1枚だけ設けている。即ち、変位ブラケット12aの左右両外側面と、支持ブラケット13aを構成する左右1対の支持板部20a、20aの内側面との間部分のうちの左側部分{図9の(A)に示す構造}、或いは右側部分{図9の(B)に示す構造}にのみ、その先端部乃至中間部にクランク形のガイド長孔35を設けた前記揺動摩擦板34を挟持している。要するに本例のステアリングホイールの位置調節装置は、前述の図1〜3に示した実施の形態の第1例の構造のうち、第一揺動摩擦板29を設けず、クランク形の第二ガイド長孔33を有する第二揺動摩擦板30(図1〜3参照)のみ設けた如き構造をしている。尚、本例の構造とは逆に、前記実施の形態の第1例の構造のうち、L字形の第一ガイド長孔32を有する第一揺動摩擦板29を設け、第二揺動摩擦板30を設けない如き構造とする事もできる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
又、本発明と、前述した先発明に係る構造とを組み合わせて実施する事もできる。要するに、例えば前述した実施の形態の第1例の構造に於いて、1対の支持板部20a、20aの外側面と、1対の押圧部28a、28bの内側面との間に、ステアリングホイール1(図11参照)の上下方向の位置調節に伴い、この位置調節の全範囲で揺動する揺動摩擦板を狭持しても良い。但し、この全範囲で揺動する揺動摩擦板に関しては、ガイド長孔の傾斜角度を適切に規制して、揺動角度を小さく抑える事が好ましい。
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5、5a ステアリングシャフト
6、6a ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10 車体
11、11a 枢軸
12、12a 変位ブラケット
13、13a 支持ブラケット
14、14a、14b アウタコラム
15、15a、15b インナコラム
16、16a アウタシャフト
17、17a インナシャフト
18 電動モータ
19、19a、19b テレスコ調節用長孔
20、20a 支持板部
21、21a チルト調節用長孔
22、22a 調節ロッド
23 調節レバー
24 揺動摩擦板
25 スリット
26、26a〜26d 揺動支持軸
27 ガイド長孔
28a、28b 押圧部
29、29a 第一揺動摩擦板
30、30a 第二揺動摩擦板
31 取付板部
32、32a 第一ガイド長孔
33、33a 第二ガイド長孔
34 揺動摩擦板
35 ガイド長孔
Claims (8)
- 筒状のステアリングコラムと、
このステアリングコラムの一部に固設された変位ブラケットと、
この変位ブラケットに、この変位ブラケットを幅方向に貫通する状態で設けられたコラム側貫通孔と、
前記ステアリングコラムの内側に回転自在に支持された状態で、このステアリングコラムの後端開口から突出した後端部にステアリングホイールを支持固定するステアリングシャフトと、
前記変位ブラケットを左右両側から挟む左右1対の支持板部を備え、車体に支持される支持ブラケットと、
これら両支持板部の互いに整合する部分に設けられた車体側貫通孔と、
これら両車体側貫通孔及び前記コラム側貫通孔を幅方向に挿通する状態で設けられた調節ロッドと、
この調節ロッドの両端部で、前記両支持板部の外側面から突出した部分に設けられた1対の押圧部と、
この調節ロッドの一端部に設けられ、この調節ロッドを中心として回転する事により前記両押圧部同士の間隔を拡縮する調節レバーとを備え、
前記両車体側貫通孔と前記コラム側貫通孔とのうちの少なくとも一方の貫通孔を、前記ステアリングホイールの位置を調節可能とすべき方向に長い調節用長孔としたステアリングホイールの位置調節装置に於いて、
前記両支持板部の側面と、これら両支持板部の側面と対向する相手部材との間部分のうちの少なくとも1箇所の間部分に、前記ステアリングホイールの位置を調節可能な範囲であって、前記調節ロッドが前記両車体側貫通孔と前記コラム側貫通孔とのうちの一方である前記調節用長孔内で変位できる範囲のうち、所定範囲で揺動し、他の範囲で揺動しない揺動摩擦板を、当該間部分に就いて1枚挟持している事を特徴とするステアリングホイールの位置調節装置。 - 前記揺動摩擦板が、前記両支持板部の側面と、これら両支持板部の側面と対向する相手部材との間部分に、それぞれ挟持された第一、第二両揺動摩擦板であって、前記ステアリングホイールの位置調節に伴って、これら第一、第二両揺動摩擦板が互いに異なる位相で揺動変位する、請求項1に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
- 前記両支持板部、或いは前記相手部材に、前記調節ロッドと平行な左右1対の揺動支持軸を設けており、前記第一、第二両揺動摩擦板は、それぞれの基端部をこれら両揺動支持軸に枢支すると共に、前記両支持板部の側面と前記相手部材との間に狭持された、それぞれの先半部に設けたガイド長孔に前記調節ロッドを、これら両ガイド長孔に沿った変位のみを可能に係合させており、前記両押圧部同士の間隔を広げる事により、前記第一、第二両揺動摩擦板を狭持する前記両支持板部の側面と前記相手部材との当接部の面圧を低下乃至喪失させた状態で、前記調節ロッドを前記調節用長孔に沿って変位させた場合に、この調節ロッドが前記両ガイド長孔に沿って変位するものであり、前記調節ロッドが前記調節用長孔内で変位できる範囲のうちの一部範囲で、この調節ロッドの変位に伴い前記第一揺動摩擦板が前記揺動支持軸を中心として揺動するのに対し、前記第二揺動摩擦板が揺動せず、同じく別の範囲で、前記調節ロッドの変位に伴い前記第一揺動摩擦板が揺動せず、前記第二揺動摩擦板が揺動する、請求項2に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
- 前記ステアリングコラムが、インナコラムの後端部にアウタコラムの前端部を、軸方向に関する相対変位を可能に嵌合して成るテレスコピックステアリングコラムであり、前記変位ブラケットが前記アウタコラムに設けられており、前記コラム側貫通孔がこのアウタコラムの軸方向に長いテレスコ調節用長孔であって、前記両揺動支持軸がこのアウタコラムの幅方向両外側面に設けられており、
前記調節ロッドが前記テレスコ調節用長孔内で変位できる範囲のうちの一部範囲で、前記第一揺動摩擦板のガイド長孔のうち、前記調節ロッドの係合する部分の長さ方向若しくは接線方向と、前記テレスコ調節用長孔の長さ方向とを一致させず、前記第二揺動摩擦板のガイド長孔のうち、前記調節ロッドの係合する部分の長さ方向若しくは接線方向と、前記テレスコ調節用長孔の長さ方向とを一致させる事により、前記第一、第二両揺動摩擦板のうちの第一揺動摩擦板のみが揺動変位し、
同じく別の範囲で、前記第一揺動摩擦板のガイド長孔のうち、前記調節ロッドの係合する部分の長さ方向若しくは接線方向と、前記テレスコ調節用長孔の長さ方向とを一致させ、前記第二揺動摩擦板のガイド長孔のうち、前記調節ロッドの係合する部分の長さ方向若しくは接線方向と、前記テレスコ調節用長孔の長さ方向とを一致させない事により、前記第一、第二両揺動摩擦板のうちの第二揺動摩擦板のみが揺動変位する、請求項3に記載したステアリングホイールの位置調節装置。 - 前記ステアリングコラムの前端部が車体に対し、前記調節ロッドと平行な枢軸を中心とする揺動変位を可能に支持されており、前記車体側貫通孔が、上下方向に長いチルト調節用長孔であって、前記両揺動支持軸が前記両支持板部の側面に設けられており、
前記調節ロッドが前記チルト調節用長孔内で変位できる範囲のうちの一部範囲で、前記第一揺動摩擦板のガイド長孔のうち、前記調節ロッドの係合する部分の長さ方向若しくは接線方向と、前記チルト調節用長孔の長さ方向若しくは接線方向とを一致させず、前記第二揺動摩擦板のガイド長孔のうち、前記調節ロッドの係合する部分の長さ方向若しくは接線方向と、前記チルト調節用長孔の長さ方向若しくは接線方向を一致させる事により、前記第一、第二両揺動摩擦板のうちの第一揺動摩擦板のみが揺動変位し、
同じく別の範囲で、前記第一揺動摩擦板のガイド長孔のうち、前記調節ロッドの係合する部分の長さ方向若しくは接線方向と、前記チルト調節用長孔の長さ方向若しくは接線方向とを一致させ、前記第二揺動摩擦板のガイド長孔のうち、前記調節ロッドの係合する部分の長さ方向若しくは接線方向と、前記チルト調節用長孔の長さ方向若しくは接線方向とを一致させない事により、前記第一、第二両揺動摩擦板のうちの第二揺動摩擦板のみが揺動変位する、請求項3〜4のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。 - 前記調節ロッドが前記調節用長孔内で変位できる範囲のうちで、前記第一、第二両揺動摩擦板が共に揺動しない範囲を設けている、請求項2〜5のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
- 前記第一、第二両揺動摩擦板が共に揺動しない範囲が、前記ステアリングホイールが位置調節可能な範囲のうちの端部に位置する状態から、同じく中間部に位置する状態までの範囲である、請求項6に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
- 前記揺動摩擦板を、前記両支持板部の側面と、これら両支持板部の側面と対向する相手部材との間部分のうちの何れか1箇所の間部分にのみ挟持している、請求項1に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
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