JPWO2015093542A1 - 気化性防錆剤組成物 - Google Patents

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Abstract

成分(A1):非気化性で常温において固体のアミン塩(アミン亜硝酸塩を除く。)、および非気化性で常温において固体のアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくともひとつと、 成分(B1):常温において固体のアルカリ性物質と、 成分(C1):成分(A1)1質量部に対して0質量部以上20質量部以下の常温において固体の乾燥剤成分とを含有する気化性防錆剤組成物(I)、および 成分(C2):常温において固体の乾燥剤成分を含有する防錆剤組成物(II)を得る。透湿度1000〜20000g・m-224Hr-1の通気非透水性袋体ひとつに気化性防錆剤組成物(I)と防錆剤組成物(II)とを仕切りで分けて収納して気化性防錆剤を得る。該気化性防錆剤を金属製品の収納された袋体の中に入れることによって高温高湿環境に保管した袋体中の金属製品に錆が発生するのを防ぐ。

Description

本発明は、気化性防錆剤組成物に関する。より詳細に、本発明は、金属製品、特に鉄および鉄合金に対する防錆性能が高く、長期間にわたって錆を防ぐことができる実用的な気化性防錆剤組成物に関する。
自動車やその部品を船で海外に運搬するなどのように、数カ月に亘って金属製品を保管していると錆が発生することがある。このような錆を防ぐためには防錆油を塗布する、密封包装し乾燥剤を同封する、気化性防錆剤を同封する等の対策がとられている。
これらの対策は単独または組み合わせて実施されるが以下の欠点を有している。防錆油を塗布した場合は使用時に防錆油を洗浄、除去する必要があり環境汚染等の問題を発生し、塗布不足部分に錆が発生する。乾燥剤単独では長期間防錆効果を維持するには多量の乾燥剤が必要であり、包装が不十分であると短期間に錆が発生する。気化性防錆剤は使用時の洗浄、除去作業が必要なく、梱包内への添加量も乾燥剤に比べると小さい等の利点があるが、蒸発速度の速い防錆剤は短期間でガス濃度が低下するため防錆効果が持続せず、蒸発速度が遅い防錆剤ではガス濃度が低いため充分な防錆効果が得られない等の欠点を有している。また防錆剤として長年広く使用されているアミン亜硝酸塩は発がん性物質を生成することが明らかとなり使用が制限されるようになってきている。
これらの欠点を補うために乾燥剤と既知の気化性防錆剤を混合または梱包内に共存させて使用する防錆剤やアンモニウム塩とアルカリ性物質を含有しアンモニアガスを放散する防錆剤が提案されている。
例えば、特許文献1には、潮解性塩類と、該潮解性による影響を解消しうる物質と、気化性アンモニウム塩である安息香酸アンモニウムとを含む防錆剤が開示されている。潮解性塩類として、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化リチウム、五酸化リンなどが例示されている。潮解性による影響を解消する物質として、セピオライトのような無機多孔質物質、酸化マグネシウム、水溶性高分子あるいは増粘剤が例示されている。具体的な防錆剤としては、安息香酸アンモニウム、塩化マグネシウム、および酸化マグネシウムの組み合わせからなるものが記載されている。
特許文献2には、非自己分解性のアンモニウム塩と非潮解性のアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩とを含有する防錆剤が開示されている。非自己分解性アンモニウム塩として、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、アミド硫酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、硝酸アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、クエン酸二アンモニウム、クエン酸水素アンモニウム、アジピン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、酒石酸水素アンモニウム、コハク酸アンモニウム、蟻酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、サリチル酸アンモニウム、エチレンジアミン四酢酸二アンモニウムが例示されている。アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩として、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、メタホウ酸ナトリウムが例示されている。具体的な防錆剤としては、リン酸水素二アンモニウム、酸化マグネシウムおよび炭酸ナトリウムの組み合わせからなるものや、安息香酸アンモニウム、酸化マグネシウムおよび炭酸ナトリウムの組み合わせからなるものが記載されている。
特許文献3は、被防錆物質が存在する実質的に外気と遮断された空間内に、カルシウムまたはマグネシウムの塩化物を吸湿主剤とする乾燥剤組成物、シクロヘキシルアンモニウム−N−シクロヘキシルカーバメート、およびジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト又はジイソプロピルアンモニウムナイトライトを存在させることを特徴とする防錆方法を提案している。
特開平10−140378号公報 特開2011−47028号公報 特開平9−256172号公報
しかしながらこれらの防錆剤は保管時や使用初期に高濃度の防錆ガスを発生し安全上問題があるとともに短期間しか防錆効果を持続できない欠点を有している。
本発明の課題は、前記のような背景技術の下、使用前保管時や使用初期の安全性が高く、かつ金属製品、特に鉄および鉄合金に対する防錆性能が高く、長期間にわたって錆を防ぐことができる実用的な気化性防錆剤組成物および気化性防錆剤を提供することである。
上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、以下の形態を包含する本発明を完成するに到った。
〔1〕 成分(A):非気化性で常温において固体のアミン塩(アミン亜硝酸塩を除く。)、および非気化性で常温において固体のアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくともひとつと、
成分(B):常温において固体のアルカリ性物質と、
成分(C):常温において固体の乾燥剤成分と
を含有する気化性防錆剤組成物。
〔2〕 成分(C)が塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくともひとつである〔1〕に記載の気化性防錆剤組成物。
〔3〕成分(C)の量が成分(A)1質量部に対して0.01質量部以上20質量部以下である〔1〕または〔2〕に記載の気化性防錆剤組成物。
〔4〕成分(C)の量が成分(A)1質量部に対して3質量部以上500質量部以下である〔1〕または〔2〕に記載の気化性防錆剤組成物。
〔5〕成分(B)が、酸化マグネシウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくともひとつである〔1〕〜〔4〕のいずれかひとつに記載の気化性防錆剤組成物。
〔6〕 通気性非透水性袋体、および
成分(A1):非気化性で常温において固体のアミン塩(アミン亜硝酸塩を除く。)、および非気化性で常温において固体のアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくともひとつと、 成分(B1):常温において固体のアルカリ性物質と、 成分(C1):成分(A1)1質量部に対して0質量部以上20質量部以下の常温において固体の乾燥剤成分とを含有する気化性防錆剤組成物(I)からなり、
前記袋体1つに気化性防錆剤組成物(I)を収納して成る気化性防錆剤。
〔7〕通気性非透水性袋体、
成分(A1):非気化性で常温において固体のアミン塩(アミン亜硝酸塩を除く。)、および非気化性で常温において固体のアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくともひとつと、 成分(B1):常温において固体のアルカリ性物質と、 成分(C1):成分(A1)1質量部に対して0質量部以上20質量部以下の常温において固体の乾燥剤成分とを含有する気化性防錆剤組成物(I)、および
成分(C2):常温において固体の乾燥剤成分を含有する防錆剤組成物(II)からなり、
前記袋体1つに気化性防錆剤組成物(I)と防錆剤組成物(II)とを仕切りで分けて収納して成る気化性防錆剤。
〔8〕通気性非透水性袋体、
成分(A1):非気化性で常温において固体のアミン塩(アミン亜硝酸塩を除く。)、および非気化性で常温において固体のアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくともひとつと、 成分(B1):常温において固体のアルカリ性物質と、 成分(C1):成分(A1)1質量部に対して0質量部以上20質量部以下の常温において固体の乾燥剤成分とを含有する気化性防錆剤組成物(I)、および
成分(C2):常温において固体の乾燥剤成分を含有する防錆剤組成物(II)からなり、
前記袋体2つに気化性防錆剤組成物(I)と防錆剤組成物(II)とを分けて収納して成る気化性防錆剤。
〔9〕通気性非透水性袋体、
成分(A1):非気化性で常温において固体のアミン塩(アミン亜硝酸塩を除く。)、および非気化性で常温において固体のアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくともひとつと、 成分(B1):常温において固体のアルカリ性物質と、 成分(C1):成分(A1)1質量部に対して0質量部以上20質量部以下の常温において固体の乾燥剤成分とを含有する気化性防錆剤組成物(I)、および
成分(C2):常温において固体の乾燥剤成分を含有する防錆剤組成物(II)からなり、
前記袋体1つに気化性防錆剤組成物(I)と防錆剤組成物(II)とを偏在させて収納して成る気化性防錆剤。
〔10〕 防錆剤組成物(II)は、成分(A2):非気化性で常温において固体のアミン塩(アミン亜硝酸塩を除く。)、および非気化性で常温において固体のアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくともひとつ、および成分(B2):常温において固体のアルカリ性物質をさらに含有し、且つ
成分(C2)の量が成分(A2)1質量部に対して3質量部以上500質量部以下である〔7〕〜〔9〕のいずれかひとつに記載の気化性防錆剤。
〔11〕 成分(B2)が酸化マグネシウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくともひとつである〔10〕に記載の気化性防錆剤。
〔12〕 成分(C1)が塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくともひとつであり、且つ
成分(C2)が塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくともひとつである〔7〕〜〔11〕のいずれかひとつに記載の気化性防錆剤。
〔13〕気化性防錆剤組成物(I)/防錆剤組成物(II)の質量比が0.5/99.5〜70/30である〔7〕〜〔12〕のいずれかひとつに記載の気化性防錆剤。
〔14〕 成分(B1)が、酸化マグネシウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくともひとつである〔6〕〜〔13〕のいずれかひとつに記載の気化性防錆剤。
〔15〕 通気非透水性袋体は、温度40℃、相対湿度90%における透湿度が1000〜20000g・m-224Hr-1のフィルムで構成される、〔6〕〜〔14〕のいずれかひとつに記載の気化性防錆剤。
〔16〕実質的に外気と遮断されたひとつの空間内に、被防錆物質と、〔1〕〜〔5〕のいずれかひとつに記載の気化性防錆剤組成物とを存在させることを含む被防錆物質の防錆方法。
〔17〕実質的に外気と遮断されたひとつの空間内に、被防錆物質と、〔6〕〜〔15〕のいずれかひとつに記載の気化性防錆剤とを存在させることを含む被防錆物質の防錆方法。
〔18〕実質的に外気と遮断された空間が、樹脂フィルムで密封された空間である〔16〕または〔17〕に記載の防錆方法。
〔19〕樹脂フィルムがアンモニアガスまたはアミンガスを透過しないものである〔18〕に記載の防錆方法。
本発明の気化性防錆剤組成物および気化性防錆剤は、使用初期から長期間に亘り安定にアミンガスおよび/またはアンモニアガスを発生し、梱包体が高温高湿状態で保管された場合や低湿度でも極めて錆び易い金属線品を保管した場合でも防錆効果を安定的に持続させることができる。
本発明の気化性防錆剤組成物および気化性防錆剤においては、成分(A)と成分(B)とが気中の水分によって反応し、防錆効果を有するアミンガスおよび/またはアンモニアガス(以下、防錆性ガスということがある。)を発生させる。本発明の気化性防錆剤組成物および気化性防錆剤においては、混合または別袋にて共存する成分(C)が水を吸収するので使用前の保管時に無駄に防錆性ガスが発生するのを抑止する。また、使用初期においては成分(C)が該空間内の湿度を下げるので成分(A)と成分(B)との反応が抑制され防錆性ガスの発生が少なく、成分(C)の吸湿能力低下にしたがって湿度が上がってきた場合は成分(A)と成分(B)との反応が進むようになり防錆性ガスの発生量が多くなる。このように、湿度低下による防錆効果と、防錆性ガスによる防錆性効果とを利用して、長期間に亘って錆を防ぐことができる。
本発明に係る気化性防錆剤の一実施形態を示す図である。 本発明に係る気化性防錆剤の別の一実施形態を示す図である。
本発明の一実施形態に係る気化性防錆剤組成物は、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)とを含有するものである。
本発明に用いられる成分(A)は、非気化性で常温において固体のアミン塩(アミン亜硝酸塩を除く。)、および非気化性で常温において固体のアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくともひとつである。成分(A)は、その形態や大きさによって制限されない。例えば、粉末、顆粒、フレーク等の形態のものが使用できる。生産性、他の成分との混合性などの観点から、粒度0.5mm以下の粉末と、粒度0.5mm超5mm以下の顆粒またはフレークとを、所望の比率で混ぜて用いることが好ましい。
本発明において「常温」は、大気の標準的な温度である、一般的に5〜35℃を意味する(JIS Z 8703)。
本発明において「非気化性」とは、以下の方法で測定される防錆性ガス濃度が30ppm以下、好ましくは10ppm以下となる性質をいう。
ポリ塩化ビニリデンをコートしたナイロンフィルム(15μm厚、透湿度:6g/m2d(JIS K7129)、酸素透過度:60ml/m2dMPa(JIS K7126))とポリエチレンフィルム(15μm厚)と低密度ポリエチレンフィルム(60μm)とをラミネートしてなる非通気性フィルムで袋(180mm×270mm)を作成した。この袋にアミン塩またはアンモニウム塩0.5gを入れ、空気を抜いた状態で袋の口をヒートシールし密封した。密封された袋内に空気500mlを注射器で注入し、注射孔をテープで閉じた。それを25±1℃で24時間保管した。袋に粘着剤を塗布した厚さ1mmの軟質ゴム板(20mm×20mm)を貼り、ゴム板に注射針を刺せるようにした。注射針を先端に取り付けたガス検知管で袋の中の防錆性ガス濃度を測定した。なお、防錆性ガス濃度は、アミン塩についてはアミン用ガス検知管を用いて測定し、アンモニウム塩についてはアンモニア用ガス検知管を用いて測定した。
非気化性で常温において固体のアミン塩(アミン亜硝酸塩を除く。)として、アミン塩酸塩、アミン硫酸塩、アミン硝酸塩;アミンコハク酸塩、アミンスルホコハク酸塩、アミンアジピン酸塩などのアミン有機酸塩が挙げられる。非気化性で常温において固体のアミン塩の具体例としては、ジメチルアミン塩酸塩、トリメチルアミン塩酸塩、モノエチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、n−プロピルアミン塩酸塩、ジプロピルアミン塩酸塩、トリn−プロピルアミン塩酸塩、イソプロピルアミン塩酸塩、ジイソプロピルアミン塩酸塩、n−ブチルアミン塩酸塩、ジn−ブチルアミン塩酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩;ジメチルアミンアジピン酸塩、モノエチルアミン硫酸塩、モノエチルアミンアジピン酸塩、イソプロピルアミンコハク酸塩、ジイソプロピルアミンコハク酸塩、シクロヘキシルアミンアジピン酸塩、シクロヘキシルアミンコハク酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩、ジエチルアミン硝酸塩などが挙げられる。これらアミン塩は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アミン亜硝酸塩としては、ジイソプロピルアミン亜硝酸塩、ジシクロヘキシル亜硝酸塩などが知られている。アミン亜硝酸塩は優れた防錆活性成分として使用されてきたが、近年、発ガン性物質を生成することが判明し、その使用が制限されつつある。
非気化性で常温において固体のアンモニウム塩として、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、コハク酸ジアンモニウム、クエン酸トリアンモニウム、酒石酸ジアンモニウム、フタル酸ジアンモニウム、アジピン酸ジアンモニウム、リン酸水素ジアンモニウムなどが挙げられる。これらアンモニウム塩は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、非鉄用の防錆剤成分(以下、成分(D)ということがある。)を、成分(A)と併用してもよい。非鉄用の防錆剤成分としては、1,2,3−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。成分(D)/成分(A)のモル比は、好ましくは0/100〜100/100、より好ましくは0/100〜50/100である。
なお、成分(A)の種類、量および形態や大きさの選択によって、後述する防錆性ガスの濃度を調整することができる。
本発明に用いられる成分(B)は、常温において固体のアルカリ性物質である。該アルカリ性物質はアミン塩およびアンモニウム塩以外のものである。前記アルカリ性物質は、成分(A)からアンモニアガスまたはアミンガスを発生させることができる塩基である。具体的には、0.01モル/Lの塩化アンモニウム水溶液100mlに、水酸基または水に溶解して水酸イオンを生成する化学基0.003モルに相当する量のアルカリ性物質を添加して得られる液のpHが9以上となる物質である。水に溶解して水酸イオンを生成する化学基のモル数は、強塩基と弱酸の塩においては強塩基由来の化学基の数で塩の分子量を割った値であり、強塩基と強酸の塩基性塩においては塩の分子量を過剰な塩基性基の数で割った値である。
該アルカリ性物質としては、強塩基、強塩基と弱酸とからなる塩が挙げられる。具体的には、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムなどのアルカリ金属のリン酸塩;ケイ酸ナトリウムなどのアルカリ金属のケイ酸塩;アルカリ金属の有機酸塩;酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属の酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物などが挙げられる。これらのうち、潮解性を有しないものが好ましく、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムがより好ましい。これらアルカリ性物質は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムなどの水に対する溶解度が低いアルカリ性物質と、水酸化カルシウムなどの水に対する溶解度が比較的高いアルカリ性物質とを併用することが、アンモニアガスまたはアミンガスの発生時期を調節し、かつ防錆効果の長期持続性を実現することができ、錆が発生しやすい環境下における錆発生を効果的に防止することができるので好ましい。また、成分(B)は、その形態や大きさによって制限されない。例えば、粉末、顆粒、フレーク等の形態のものが使用できる。生産性、他の成分との混合性などの観点から、粒度0.5mm以下の粉末と、粒度0.5mm超3mm以下の顆粒またはフレークとを、所望の比率で混ぜて用いることが好ましい。
本発明の気化性防錆剤組成物に含有される成分(B)の量は、成分(A)からアンモニアガスまたはアミンガスを十分に発生させうる量であれば特に限定されない。具体的に成分(B)の量は、成分(B)由来のアルカリ性イオン(例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオンなど)のモル数に当該アルカリ性イオンの価数を乗じた値が、成分(A)由来のアルカリ性イオン(例えば、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオンなど)のモル数に対して、好ましくは0.5〜10、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1.2〜3となる量である。
なお、成分(B)の種類、量および形態や大きさの選択によって、後述する防錆性ガスの濃度を調整することができる。
本発明に用いられる成分(C)は常温において固体の乾燥剤成分である。常温において固体の乾燥剤成分は、気中の水を吸収し、湿度を低下させることができる物質である。吸収形態は問わない。吸収形態としては、例えば、化学反応、物理吸着、結晶水などが挙げられる。
成分(C)として公知の乾燥剤成分を用いることができる。例えば、塩化カルシウム、酸化カルシウム、活性無水硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム(無水)、五酸化リン、硫酸ナトリウム、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、硫酸銅無水塩、セピオライト、ゼオライト、シリカゲルなどが挙げられる。これらのうち、塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくともひとつがより好ましい。塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムには無水物と水和物とがある。本発明においては塩化カルシウム無水物または塩化マグネシウム無水物がより好ましく用いられる。
塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムは他の乾燥剤成分よりも単位質量当たり吸湿量が多く、単独使用でも防錆効果が優れているとともに、アミン塩および/またはアンモニウム塩と共存した場合には、アミンおよび/またはアンモニアガスの発生抑制効果が強く、使用前保管時の安定性、使用初期段階のガス発生抑制効果が優れている。
成分(C)はその形態や大きさによって制限されない。例えば、粉末、顆粒、フレーク等の形態のものが使用できる。生産性、他の成分との混合性などの観点から、粒度0.5mm以下の粉末と、粒度0.5mm超5mm以下の顆粒またはフレークとを、所望の比率で混ぜて用いることが好ましい。
本発明の気化性防錆剤組成物は、成分(C)として塩化マグネシウムと塩化カルシウムとを併せて含有することが好ましい。塩化マグネシウムと塩化カルシウムとを併せて含有することによって、アミンガスまたはアンモニアガスの発生量が、初期において適度に抑制され、長期間に亘って安定させることができる。塩化マグネシウム/塩化カルシウムの質量比は、好ましくは5/95〜50/50である。成分(C)は、成分(A)1質量部に対して好ましくは500質量部以下で含有させることができる。
成分(B)として、乾燥剤成分と成り得る物質、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどを用いた場合は、成分(C)として別の乾燥剤成分(例えば、塩化マグネシウム、塩化カルシウムなど)を用いることが好ましい。
本発明の気化性防錆剤組成物においては、成分(C)として塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくともひとつを用いた場合、水溶性高分子や無機多孔質を含有させることができる。水溶性高分子や無機多孔質を含有させると塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムの潮解による液状化を抑制することができる。水溶性高分子としては、アクリル酸系縮合物、メチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。無機多孔質としてはセピオライト、ゼオライト、シリカゲルなどが挙げられる。
成分(C)の量は、求められる防錆効果に応じて調整することができる。例えば、初期段階における防錆効果が高い気化性防錆剤組成物(I)は、成分(C)の量を、成分(A)1質量部に対して、好ましくは0質量部以上20質量部以下、より好ましくは0.01質量部以上20質量部以下、さらに好ましくは0.01質量部以上10質量部以下、よりさらに好ましくは0.05質量部以上5質量部以下、最も好ましくは0.1質量部以上2質量部以下にする。逆に、防錆効果の持続性が高い防錆剤組成物(II)は、成分(C)の量を、成分(A)1質量部に対して、好ましくは3質量部以上500質量部以下に、より好ましくは5質量部以上100質量部以下、さらに好ましくは10質量部以上50質量部以下にする。
なお、成分(C)の種類、量および形態や大きさの選択によって、後述する防錆性ガスの濃度を調整することができる。
本発明の気化性防錆剤組成物は、その製法によって特に制限されない。本発明の気化性防錆剤組成物は、例えば、成分(A)と成分(B)と任意成分(C)とを一括して混ぜ合わせることによって; 成分(A)と成分(B)とを先ず混ぜ合わせ造粒し、次いでこれに成分(C)を必要に応じて添加して混ぜ合わせることによって;成分(B)と任意成分(C)とを先ず混ぜ合わせ造粒して、次いでこれに成分(A)を添加して混ぜ合わせることによって; または、成分(A)と任意成分(C)とを先ず混ぜ合わせ造粒して、次いでこれに成分(B)を添加して混ぜ合わせることによって、得ることができる。
本発明の一実施形態に係る気化性防錆剤は、通気性非透水性袋体、成分(A1):非気化性で常温において固体のアミン塩(アミン亜硝酸塩を除く。)、および非気化性で常温において固体のアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくともひとつと、 成分(B1):常温において固体のアルカリ性物質と、 成分(C1):常温において固体の乾燥剤成分とを含有する気化性防錆剤組成物(I)、および 成分(C2):常温において固体の乾燥剤成分を含有する防錆剤組成物(II)の組み合わせからなるものである。
成分(B1)の量は、成分(A1)からアンモニアガスまたはアミンガスを十分に発生させうる量であれば特に限定されない。具体的に成分(B1)の量は、成分(B1)由来のアルカリ性イオン(例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオンなど)のモル数に当該アルカリ性イオンの価数を乗じた値が、成分(A1)由来のアルカリ性イオン(例えば、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオンなど)のモル数に対して、好ましくは0.5〜10、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1.2〜3となる量である。
成分(C1)の量は、成分(A1)1質量部に対して、好ましくは0質量部以上20質量部以下、より好ましくは0.01質量部以上20質量部以下、さらに好ましくは0.01質量部以上10質量部以下、よりさらに好ましくは0.05質量部以上5質量部以下、最も好ましくは0.1質量部以上2質量部以下である。
防錆剤組成物(II)には、必要に応じて、成分(A2):非気化性で常温において固体のアミン塩(アミン亜硝酸塩を除く。)、および非気化性で常温において固体のアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくともひとつと、 成分(B2):常温において固体のアルカリ性物質とを含有させてもよい。
成分(B2)の量は、成分(A2)からアンモニアガスまたはアミンガスを十分に発生させうる量であれば特に限定されない。具体的に成分(B2)の量は、成分(B2)由来のアルカリ性イオン(例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオンなど)のモル数に当該アルカリ性イオンの価数を乗じた値が、成分(A2)由来のアルカリ性イオン(例えば、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオンなど)のモル数に対して、好ましくは0.5〜10、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1.2〜3となる量である。
成分(C2)の量は、成分(A2)1質量部に対して、好ましくは3質量部以上500質量部以下、より好ましくは5質量部以上100質量部以下、さらに好ましくは10質量部以上50質量部以下である。
本発明の気化性防錆剤に用いられる気化性防錆剤組成物(I)および/または防錆剤組成物(II)には、任意成分として水溶性高分子や無機多孔質を含有させることができる。水溶性高分子および無機多孔質は既に述べたとおりのものである。
本発明の気化性防錆剤に用いられる気化性防錆剤組成物(I)および防錆剤組成物(II)の製法は、特に制限されない。気化性防錆剤組成物(I)および防錆剤組成物(II)は、例えば、本発明の気化性防錆剤組成物の製法と同様にして得ることができる。
本発明に用いられる通気非透水性袋体は、水蒸気、アミンガスおよびアンモニアガスを通過させるが、水を通過させないものであれば特に制限されない。塩化マグネシウムおよび塩化カルシウムは潮解性物質である。塩化マグネシウムまたは塩化カルシウムの潮解によって生成する液体は、金属製品の錆発生を促進するため、袋体は、当該液体が漏れ出ないことが好ましい。そのようなものとしてマイクロポーラスフィルムからなる袋体が挙げられる。
袋体を構成するフィルムとして、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン製のマイクロポーラスフィルムが挙げられる。フィルムの透湿度は温度40℃、相対湿度90%において、好ましくは1000〜20000g・m-224Hr-1、より好ましくは3000〜10000g・m-224Hr-1である。透湿度はJIS−Z−0208に準拠した方法で測定する。
袋体を構成するフィルムとしては、市販の各種マイクロポーラスフィルムが使用可能である。具体的には微細な炭酸カルシウム粉末をポリエチレンやポリプロピレンに練り込み、それをフィルムに成形し、次いでそれを延伸してフィルムに微細孔を形成させたフィルムが挙げられる。さらに、袋体の強度を向上させるために、フィルムの片面または両面に不織布を貼り合せることができる。
本発明に係る気化性防錆剤では、気化性防錆剤組成物(I)および防錆剤組成物(II)が通気非透水性袋体に収納されている。収納の形態としては、
図1に示すようなひとつの通気非透水性袋体に気化性防錆剤組成物(I)と防錆剤組成物(II)とを仕切りで分けて収納(1袋分包の防錆剤)、
ひとつの通気非透水性袋体に気化性防錆剤組成物(I)を収納し、別のひとつの通気非透水性袋体に防錆剤組成物(II)を収納(2袋一組分包の防錆剤)、および
図2に示すようなひとつの通気非透水性袋体に気化性防錆剤組成物(I)と防錆剤組成物(II)とを仕切りなしで偏在させて収納が挙げられる。これらのうち、2袋一組分包の防錆剤または1袋分包の防錆剤が好ましく、1袋分包の防錆剤がより好ましい。
なお、ひとつの通気非透水性袋体に気化性防錆剤組成物(I)を収納してなるものは気化性防錆剤として単独で若しくは他の乾燥剤と組み合わせて用いることができ、また2袋一組分包の防錆剤若しくは1袋分包の防錆剤の機能を補足するためにそれらと組み合わせて用いることができる。
気化性防錆剤組成物(I)/防錆剤組成物(II)の収納質量比は、目的に応じて適宜設定できるが、即効的な防錆効果と持続的な防錆効果とのバランスの観点から、好ましくは0.5/99.5〜70/30、より好ましくは1/99〜50/50、さらに好ましくは5/95〜20/80である。
成分(C1)および(C2)は吸湿剤または乾燥剤として機能する。気化性防錆剤組成物(I)は、成分(C1)の含有量が相対的に少ないので、気化性防錆剤組成物(I)の収納された袋だけを大気中または梱包容器中に放置すると、大気中の水分が成分(A1)と成分(B1)との反応を促進させ、防錆性ガス(アミンガスまたはアンモニウムガス)がすぐに発生する。
防錆剤組成物(II)は成分(C2)による乾燥機能が高いので、気化性防錆剤組成物(I)の収納された袋と防錆剤組成物(II)の収納された袋とを同じ梱包容器に設置すると、成分(A1)と成分(B1)との反応を促進させる水分を減らすので、気化性防錆剤組成物(I)からの防錆性ガスの発生が抑制される。この発生抑制は、気化性防錆剤組成物(I)の収納された袋と防錆剤組成物(II)の収納された袋との距離が短いほど、その効果が大きい。2袋一組分包の防錆剤では、気化性防錆剤組成物(I)の収納された袋と防錆剤組成物(II)の収納された袋とを別々の場所に保管してしまうと、気化性防錆剤組成物(I)から防錆性ガスが使用前に放出しきってしまうことがある。気化性防錆剤組成物(I)の収納された袋を単独で保管する場合には密封梱包を行い乾燥剤を同封することが必要である。また、気化性防錆剤組成物(I)の収納された袋と防錆剤組成物(II)の収納された袋とを組みにして設置することを怠ると所望の防錆効果が発揮されないことがある。一方、1袋分包の防錆剤は、気化性防錆剤組成物(I)の収納された袋と防錆剤組成物(II)の収納された袋とが常に一緒になっているので、2袋一組分包の防錆剤のような不便が少ない。仕切りなしで気化性防錆剤組成物(I)と防錆剤組成物(II)とを偏在させて収納した防錆剤は、1袋分包の防錆剤と同様の利便性があるが、運搬などのときに気化性防錆剤組成物(I)と防錆剤組成物(II)とが混ざり合ってしまうと、成分(A1)と成分(B1)との反応が抑制されすぎて、防錆の即効性が低下することがある。
本発明の防錆方法は、実質的に外気と遮断された空間内に、被防錆物質と、本発明の気化性防錆剤組成物または本発明の気化性防錆剤とを一緒に存在させることを含むものである。ここで、実質的に外気と遮断された空間とは、外部から湿気を含んだ空気がほとんど侵入してこない空間をいい、防湿性を有しかつアミンガスまたはアンモニアガスを通過させない遮蔽材で囲まれた空間である。例えば、上記のような遮蔽性を有するフィルムなどで被防錆物質を梱包することによって当該空間を形成することができる。
防湿性を有しかつアミンガスまたはアンモニアガスを通過させない遮蔽材としては、例えば、厚さ50μm以上、好ましくは70〜150μmのポリエチレン製フィルムや、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとの積層フィルムなどのガスバリア性フィルムが挙げられる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
本実施例において使用した薬剤等は以下のとおりである。
CaCl2 : 粒状無水塩化カルシウム 工業用、粒子径1〜3mm
MgCl2 : 無水塩化マグネシウム 工業用、フレークと粉末の混合品、粒子径0.1〜3mm
Ca(OH)2 : 粉末水酸化カルシウム 工業用
Mg(OH)2 : 水酸化マグネシウム 工業用、顆粒と粉末の混合品、粒子径0.1〜3mm
MgO : 酸化マグネシウム 工業用、顆粒と粉末の混合品、粒子径 0.1〜3mm
コハク酸アンモニウム: 無水物 試薬
クエン酸アンモニウム: 無水物 試薬
フタル酸アンモニウム: 無水物 試薬
アジピン酸アンモニウム: 無水物 試薬
塩化アンモニウム: 無水物 試薬
硫酸アンモニウム: 無水物 食品添加物 粉末
リン酸水素二アンモニウム: 無水物 試薬
安息香酸アンモニウム: 無水物 試薬
ジエルアミン塩酸塩: 粉砕フレーク、試薬
n−プロピルアミン塩酸塩: 粉末、試薬
ジイソプロピルアミン塩酸塩: 粉末、試薬
シクロヘキシルアミン塩酸塩: 粉砕フレーク、試薬
ジイソプロピルアミンコハク酸塩: 粉末、試薬
シクロヘキシルアンモニウム−N−シクロヘキシルカーバメイト: 粉末、工業用
ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩: 粉末、工業用
水溶性高分子: 工業用、粉末
無機吸水剤: 工業用 多孔質粉末
(気化性防錆剤組成物(A))
MgCl20.77g、水溶性高分子0.10g、無機吸水剤0.13g、Mg(OH)20.06g、および硫酸アンモニウム0.05gを混合して気化性防錆剤組成物(A)を得た。
(組成物(B))
MgCl20.77g、水溶性高分子0.10gおよび無機吸水剤0.13gを混合して組成物(B)を得た。
(組成物(C))
MgCl20.50g、およびMgO0.50gを混合して組成物(C)を得た。
(組成物(D))
シクロヘキシルアンモニウム−N−シクロヘキシルカーバメイト(CHC)0.28gおよびジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩0.518gを混合して組成物(D)を得た。
組成物(A)〜(D)の成分比を表1にまとめて示す。
Figure 2015093542
(気化性防錆剤組成物(1))
ジエルアミン塩酸塩0.249g、Mg(OH)20.09g、Ca(OH)20.03g、およびCaCl20.03gを混合して気化性防錆剤組成物(1)を得た。
(気化性防錆剤組成物(2))
ジエルアミン塩酸塩0.249gをn−プロピルアミン塩酸塩0.219gに変えた以外は気化性防錆剤組成物(1)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤組成物(2)を得た。
(気化性防錆剤組成物(3))
ジエルアミン塩酸塩0.249gをジイソプロピルアミン塩酸塩0.312gに変えた以外は気化性防錆剤組成物(1)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤組成物(3)を得た。
(気化性防錆剤組成物(4))
ジエルアミン塩酸塩0.249gをシクロヘキシルアミン塩酸塩0.306gに変えた以外は気化性防錆剤組成物(1)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤組成物(4)を得た。
(気化性防錆剤組成物(5))
ジエルアミン塩酸塩0.249gをジイソプロピルアミンコハク酸塩0.498gに変えた以外は気化性防錆剤組成物(1)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤組成物(5)を得た。
(気化性防錆剤組成物(6))
ジエルアミン塩酸塩0.249gを硫酸アンモニウム0.15gに変えた以外は気化性防錆剤組成物(1)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤組成物(6)を得た。
(気化性防錆剤組成物(7))
ジエルアミン塩酸塩の量を0.083gに変えた以外は気化性防錆剤組成物(1)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤組成物(7)を得た。
(気化性防錆剤組成物(8))
Mg(OH)20.09gおよびCa(OH)20.03gをMg(OH)20.12gに変えた以外は気化性防錆剤組成物(1)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤組成物(8)を得た。
(気化性防錆剤組成物(9))
CaCl2の量を0.3gに変えた以外は気化性防錆剤組成物(1)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤組成物(9)を得た。
(気化性防錆剤組成物(10))
CaCl20.03gをMgCl20.03gに変えた以外は気化性防錆剤組成物(1)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤組成物(10)を得た。
気化性防錆剤組成物(1)〜(10)の成分比を表2にまとめて示す。
Figure 2015093542
本実施例では防錆性の評価を以下の方法で行った。
〔保存時防錆性ガス濃度の測定〕
ポリ塩化ビニリデンをコートしたナイロンフィルムとポリエチレンフィルムをラミネートしてなる非通気性フィルムで袋(180mm×270mm)を作成した。この袋に気化性防錆剤1個を入れ、空気を抜いた状態で袋の口をヒートシールし密封した。
密封した袋内に空気500mlを注射器で注入し、注射孔をテープで閉じた。それを40℃で5日間保管した。
袋に粘着剤を塗布した厚さ1mmの軟質ゴム板(20mm×20mm)を貼り、ゴム板に注射針を刺せるようにした。注射針を先端に取り付けたガス検知管で袋の中の防錆性ガス濃度を測定した。
なお、防錆性ガス濃度は、アミンガスのみが発生する気化性防錆剤についてはアミン用ガス検知管を用いて測定し、アンモニアガスのみが発生する気化性防錆剤についてはアンモニア用ガス検知管を用いて測定し、アンモニアガスとアミンガスの両方が発生する気化性防錆剤についてはアンモニア用ガス検知管を用いて測定した。
〔防錆試験I〕
縦50mm×横4mm×高さ50mmの直方体形のねずみ鋳鉄(FC−200)の表面をメタノールで洗浄した。JKワイパーでメタノールを拭き取った。メタノールで再度洗浄した。そして自然乾燥させた。これをテストピースaとした。
テストピースaを、塩化ナトリウム300ppmを含有するメタノール溶液に漬けた。それを、引き上げて、JKワイパーで液きりした。そして、自然乾燥させた。これをテストピースbとした。
縦340mm×横270mm×高さ180mmの平底のプラスチック製容器(天面は開放、側面4面は周辺幅20mmを残し長方形にカット)内の角部に前記テストピースaおよびbを立てて設置した。テストピースaおよびbから最も離れた容器内の角部に気化性防錆剤を設置した。これら全体を100μm厚のポリエチレンフィルム製の袋(500mm×750mm)に収納し、袋の口をゴムバンドで密閉した。
袋のフィルム面がプラスチック容器の壁面にほぼ密着するように少量のガムテープで袋を貼り固めて形状を整えた。テストピースaおよびbの直近のフィルムに粘着剤を塗布した厚さ1mmの軟質ゴム板(20mm×20mm)を貼り、ゴム板に注射針を刺せるようにして、試験体を得た。この試験体を、つぎのような温度および相対湿度の環境を24時間サイクルで繰り返す恒温恒湿器内に入れた。
(1)温度40℃・相対湿度90%の状態を11時間保持する。
(2)1時間かけて温度20℃・相対湿度90%に変化させ、その状態を11時間保持する。
(3)次いで1時間かけて(1)の状態に変化させる。
温度20℃・相対湿度90%の状態の保持で10時間経過した時に、恒温恒湿器から試験体を取り出して、注射針を先端に取り付けたガス検知管で袋の中の防錆性ガス濃度を測定した。
なお、防錆性ガス濃度は、アミンガスのみが発生する気化性防錆剤についてはアミン用ガス検知管を用いて測定し、アンモニアガスのみが発生する気化性防錆剤についてはアンモニア用ガス検知管を用いて測定し、アンモニアガスとアミンガスの両方が発生する気化性防錆剤についてはアンモニア用ガス検知管を用いて測定した。
5日、7日、14日、21日および29日経過した日に、防錆性ガス濃度を測定した後に、袋の口を開いてテストピースaおよびbを取り出し、JIS K 1994に準拠し、ねずみ鋳鉄中央の40mm×40mmの範囲を、4mm×4mmのマス目に100等分し、錆の発生したマス目の数を両面について数えて錆の発生率を算出した。結果を表1および表2に示す。錆発生率を算出した後、試験体を元の状態に戻した。
(袋の作製)
ポリプロピレンに微細炭酸カルシウムを配合して樹脂材料を得た。この樹脂材料を成形して原反フィルムを得た。当該原反フィルムを2軸延伸してマイクロポーラスフィルムを得た。ポリエチレンテレフタレート繊維をポリエチレンで被覆してなる繊維からなる不織布を用意した。前記のマイクロポーラスフィルムの両面に前記の不織布を熱ラミネートして、温度40℃、相対湿度90%における透湿度5000g・m-224Hr-1の袋用フィルムを得た。
袋用フィルムをヒートシールして50mm×80mmの一口袋aを製造した。
袋用フィルムをヒートシールして50mm×20mmの一口袋bを製造した。
袋用フィルムをヒートシールして50mm×60mmの一口袋cを製造した。
袋用フィルムをヒートシールして50mm×20mmと50mm×60mm(全体で50mm×80mm)の二口袋Aを製造した。
袋用フィルムをヒートシールして50mm×30mmと50mm×50mm(全体で50mm×80mm)の二口袋Bを製造した。
袋用フィルムをヒートシールして50mm×30mmと50mm×80mm(全体で50mm×110mm)の二口袋Cを製造した。
〔防錆剤(a)〕
組成物(D)0.798g、および組成物(C)1.00gを均一に混合し、該混合物を一口袋cに封入して防錆剤(a)を得た。防錆性の評価結果を表3に示す。
〔防錆剤(b)〕
安息香酸アンモニウム0.315g、および組成物(C)1.00gを均一に混合し、該混合物を一口袋cに封入して防錆剤(b)を得た。防錆性の評価結果を表3に示す。
〔防錆剤(c)〕
組成物(D)0.798gを二口袋Bの50mm×30mm側に封入し、組成物(C)1.00gを二口袋Bの50mm×60mm側に封入して防錆剤(c)を得た。防錆性の評価結果を表3に示す。
〔防錆剤(d)〕
組成物(B)を一口袋cに封入して防錆剤(d)を得た。防錆性の評価結果を表3に示す。
〔気化性防錆剤(1)〕
気化性防錆剤組成物(A)を一口袋cに封入して気化性防錆剤(1)を得た。防錆性の評価結果を表3に示す。
〔気化性防錆剤(2)〕
気化性防錆剤組成物(1)0.399gを一口袋bに封入し、気化性防錆剤組成物(A)1.11gを一口袋cに封入して、二袋一組分包の気化性防錆剤(2)を得た。防錆性の評価結果を表3に示す。
〔気化性防錆剤(3)〕
気化性防錆剤組成物(1)0.399gを一口袋aに入れ、気化性防錆剤組成物(A)1.11gを気化性防錆剤組成物(1)に図1のように積み重ねるようにして一口袋aに入れて封をして気化性防錆剤(3)を得た。防錆性の評価結果を表3に示す。
〔気化性防錆剤(4)〕
気化性防錆剤組成物(1)0.399gを二口袋Aの50mm×20mm側に封入し、気化性防錆剤組成物(A)1.11gを二口袋Aの50mm×60mm側に封入して気化性防錆剤(4)を得た。防錆性の評価結果を表3に示す。
Figure 2015093542
〔気化性防錆剤(5)〕
気化性防錆剤組成物(1)0.399gを気化性防錆剤組成物(2)0.369gに変えた以外は気化性防錆剤(4)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤(5)を得た。防錆性の評価結果を表4に示す。
〔気化性防錆剤(6)〕
気化性防錆剤組成物(1)0.399gを気化性防錆剤組成物(3)0.462gに変えた以外は気化性防錆剤(4)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤(6)を得た。防錆性の評価結果を表4に示す。
〔気化性防錆剤(7)〕
気化性防錆剤組成物(1)0.399gを気化性防錆剤組成物(4)0.456gに変えた以外は気化性防錆剤(4)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤(7)を得た。防錆性の評価結果を表4に示す。
〔気化性防錆剤(8)〕
気化性防錆剤組成物(1)0.399gを気化性防錆剤組成物(5)0.648gに変えた以外は気化性防錆剤(4)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤(8)を得た。防錆性の評価結果を表4に示す。
〔気化性防錆剤(9)〕
気化性防錆剤組成物(1)0.399gを気化性防錆剤組成物(6)0.300gに変えた以外は気化性防錆剤(4)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤(9)を得た。防錆性の評価結果を表4に示す。
〔気化性防錆剤(10)〕
気化性防錆剤組成物(1)0.399gを気化性防錆剤組成物(7)0.233gに変えた以外は気化性防錆剤(4)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤(10)を得た。防錆性の評価結果を表4に示す。
〔気化性防錆剤(11)〕
気化性防錆剤組成物(1)0.399gを気化性防錆剤組成物(8)0.669gに変えた以外は気化性防錆剤(4)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤(11)を得た。防錆性の評価結果を表4に示す。
〔気化性防錆剤(12)〕
気化性防錆剤組成物(1)0.399gを気化性防錆剤組成物(9)0.399gに変えた以外は気化性防錆剤(4)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤(12)を得た。防錆性の評価結果を表4に示す。
〔気化性防錆剤(13)〕
気化性防錆剤組成物(1)0.399gを気化性防錆剤組成物(10)0.339gに変えた以外は気化性防錆剤(4)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤(13)を得た。防錆性の評価結果を表4に示す。
〔気化性防錆剤(14)〕
気化性防錆剤組成物(A)1.11gを組成物(B)1.00gに変えた以外は気化性防錆剤(4)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤(14)を得た。防錆性の評価結果を表4に示す。
Figure 2015093542
〔気化性防錆剤組成物(11)〜(17)および組成物(E)〜(F)〕
表5に示す処方に従って、各成分を計量混合して気化性防錆剤組成物(11)〜(17)および組成物(E)〜(F)を調製した。
調製した気化性防錆剤組成物(11)〜(17)および組成物(E)〜(F)を一口袋aにそれぞれ充填し、袋の口をヒートシールして、気化性防錆剤組成物(11)〜(17)および組成物(E)〜(F)のそれぞれを収納して成る防錆剤を得た。
〔防錆試験II〕
縦50mm×横4mm×高さ50mmの直方体形のねずみ鋳鉄(FC−200)の表面をメタノールで洗浄した。JKワイパーでメタノールを拭き取った。メタノールで再度洗浄した。窒素ガスを吹き付けて乾燥させた。
縦340mm×横270mm×高さ180mmの平底のプラスチック製容器(天面は開放、側面4面は周辺幅20mmを残し長方形にカット)内の角部に前記ねずみ鋳鉄を立てて設置した。ねずみ鋳鉄から最も離れた容器内の角部に防錆剤を設置した。これら全体を100μm厚のポリエチレンフィルム製の袋(500mm×750mm)に収納し、袋の口をゴムバンドで密閉した。
袋のフィルム面がプラスチック容器の壁面にほぼ密着するように少量のガムテープで袋を貼り固めて形状を整えた。ねずみ鋳鉄の直近のフィルムに粘着剤を塗布した厚さ1mmの軟質ゴム板(20mm×20mm)を貼り、ゴム板に注射針を刺せるようにして、試験体を得た。この試験体を、つぎのような温度および相対湿度の環境を24時間サイクルで繰り返す恒温恒湿器内に入れた。
(1)温度50℃・相対湿度90%の状態を7時間保持する。
(2)1時間かけて温度10℃・相対湿度90%に変化させ、その状態を7時間保持する。
(3)1時間かけて温度25℃・相対湿度90%に変化させ、その状態を7時間保持する。
(4)次いで1時間かけて(1)の状態に変化させる。
温度25℃・相対湿度90%の状態の保持で6時間経過した時に、恒温恒湿器から試験体を取り出して、注射針を先端に取り付けたガス検知管で袋の中の防錆性ガス濃度を測定した。なお、防錆性ガス濃度は、アミンガスのみが発生する気化性防錆剤についてはアミン用ガス検知管を用いて測定し、アンモニアガスのみが発生する気化性防錆剤についてはアンモニア用ガス検知管を用いて測定し、アンモニアガスとアミンガスの両方が発生する気化性防錆剤についてはアンモニア用ガス検知管を用いて測定した。
7日、14日および21日経過時には防錆性ガス濃度を測定した後に、袋の口を開いてねずみ鋳鉄を取り出し、JIS K 1994に準拠し、ねずみ鋳鉄中央の40mm×40mmの範囲を、4mm×4mmのマス目に100等分し、錆の発生したマス目の数を両面について数えて錆の発生率を算出した。結果を表5に示す。錆発生率を算出した後、試験体を元の状態に戻した。
Figure 2015093542
表5に示すとおり、塩化カルシウムと、非気化性のアンモニウム塩と、アルカリ性物質とを混合してなる本発明の防錆剤組成物は、保存時の防錆性ガスの濃度が低く、使用開始時から長期間持続的にアンモニアガスを放散させることができ、金属製品が錆びるのを効果的に防ぐことができる。特に、非昇華性アンモニウム塩を用いると、保存時におけるアンモニア臭が少ない上に、21日経過後における錆の発生も非常に少ない。
これに対して、特許文献2に記載のものに相当する防錆剤組成物(E)は保存時のアンモニアガス濃度が高く、かつ初期に高濃度のガスを発生するが14日以降は低濃度となり錆が発生することがわかる。
また、特許文献1に記載のものに相当する防錆剤組成物(F)は、保存時におけるアンモニアガス濃度が高く安全性に問題があるとともに、使用初期のアンモニアガスの発生量が少ないため錆の発生防止効果が不十分となった。
〔気化性防錆剤組成物(18)〜(30)および組成物(G)〜(H)〕
表6および表7に示す処方に従って、各成分を計量混合して気化性防錆剤組成物(18)〜(30)および組成物(G)〜(H)を調製した。
調製した気化性防錆剤組成物(18)〜(30)および組成物(G)〜(H)を一口袋aにそれぞれ充填し、袋の口をヒートシールして、気化性防錆剤組成物(18)〜(30)および組成物(G)〜(H)のそれぞれを収納して成る防錆剤を得た。
〔防錆試験III〕
縦50mm×横4mm×高さ50mmの直方体形のねずみ鋳鉄(FC−200)の表面をメタノールで洗浄した。JKワイパーでメタノールを拭き取った。メタノールで再度洗浄した。窒素ガスを吹き付けて乾燥させた。
縦340mm×横270mm×高さ180mmの平底のプラスチック製容器(天面は開放、側面4面は周辺幅20mmを残し長方形にカット)内の角部に前記ねずみ鋳鉄を立てて設置した。ねずみ鋳鉄から最も離れた容器内の角部に防錆剤を設置した。これら全体を100μm厚のポリエチレンフィルム製の袋(500mm×750mm)に収納し、袋の口をゴムバンドで密閉した。
袋のフィルム面がプラスチック容器の壁面にほぼ密着するように少量のガムテープで袋を貼り固めて形状を整えた。ねずみ鋳鉄の直近のフィルムに粘着剤を塗布した厚さ1mmの軟質ゴム板(20mm×20mm)を貼り、ゴム板に注射針を刺せるようにして、試験体を得た。この試験体を、つぎのような温度および相対湿度の環境を24時間サイクルで繰り返す恒温恒湿器内に入れた。
(1)温度50℃・相対湿度90%の状態を11時間保持する。
(2)1時間かけて温度10℃・相対湿度90%に変化させ、その状態を11時間保持する。
(3)次いで1時間かけて(1)の状態に変化させる。
温度10℃・相対湿度90%の状態の保持で10時間経過した時に、恒温恒湿器から試験体を取り出して、注射針を先端に取り付けたガス検知管で袋の中の防錆性ガス濃度を測定した。なお、防錆性ガス濃度は、アミンガスのみが発生する気化性防錆剤についてはアミン用ガス検知管を用いて測定し、アンモニアガスのみが発生する気化性防錆剤についてはアンモニア用ガス検知管を用いて測定し、アンモニアガスとアミンガスの両方が発生する気化性防錆剤についてはアンモニア用ガス検知管を用いて測定した。
7日、14日および21日経過時には防錆性ガス濃度を測定した後に、袋の口を開いてねずみ鋳鉄を取り出し、JIS K 1994に準拠し、ねずみ鋳鉄中央の40mm×40mmの範囲を、4mm×4mmのマス目に100等分し、錆の発生したマス目の数を両面について数えて錆の発生率を算出した。結果を表6および表7に示す。錆発生率を算出した後、試験体を元の状態に戻した。
Figure 2015093542
Figure 2015093542
表6および表7に示すとおり、本願発明に従って、塩化マグネシウムをさらに含有させると、使用初期に発生するアンモニアガスが減り、使用後期に発生するアンモニアガスが増え、長期間持続的な防錆効果を示す。試験IIIは試験IIよりも錆が発生しやすい条件であるが、本発明に係る防錆剤組成物を用いると、錆を十分に防止できる。
〔気化性防錆剤組成物(31)〜(51)〕
表8および表9に示す処方に従って、各成分を計量混合して気化性防錆剤組成物(31)〜(51)を調製した。
調製した気化性防錆剤組成物(31)〜(51)を一口袋bにそれぞれ充填し、袋の口をヒートシールして、気化性防錆剤組成物(31)〜(51)のそれぞれを収納して成る防錆剤を得た。防錆試験Iを行った。その結果は表8および9に示す。
Figure 2015093542
Figure 2015093542
〔気化性防錆剤(15)〕
気化性防錆剤組成物(37)0.399gを二口袋Bの50mm×30mm側に封入し、塩化カルシウム0.7gを二口袋Bの50mm×50mm側に封入して気化性防錆剤(15)を得た。防錆試験Iを行った。結果を表10に示す。
〔気化性防錆剤(16)〕
気化性防錆剤組成物(42)0.399gを二口袋Bの50mm×30mm側に封入し、塩化マグネシウム0.7gを二口袋Bの50mm×50mm側に封入して気化性防錆剤(16)を得た。防錆試験Iを行った。結果を表10に示す。
Figure 2015093542
〔気化性防錆剤組成物(52)〜(55)および組成物(I)〕
表11に示す処方に従って、各成分を計量混合して気化性防錆剤組成物(52)〜(55)および組成物(I)を調製した。
温度40℃、相対湿度90%における透湿度5000g・m-224Hr-1の袋用フィルムをヒートシールして155mm×213mmの袋を製造した。この袋に調製した気化性防錆剤組成物(52)〜(55)および組成物(I)を充填し、袋の口をヒートシールして、気化性防錆剤組成物(52)〜(55)および組成物(I)のそれぞれを収納して成る防錆剤を得た。
〔防錆試験IV〕
縦50mm×横4mm×高さ50mmの直方体形のねずみ鋳鉄(FC−200)の表面をメタノールで洗浄した。JKワイパーでメタノールを拭き取った。メタノールで再洗浄した。窒素ガスを吹き付けて乾燥させた。
塗装された金属製パイプと継手で長さ100cm×幅100cm×高さ100cmの立方体状枠を作製した。50μm厚のフィルムを高さ20cm毎に枠の内側に水平に4枚張り渡し、棚を形成させた。最上段棚の角の一部を木製板で補強し、その板の上に防錆剤を置いた。防錆剤に対して対角の最下段棚の角に乾燥させたねずみ鋳鉄を立てて置いた。ねずみ鋳鉄の近くに温湿度計を設置した。
50μm厚のポリエチレンフィルムで、下面、側面および上面を囲み、縦105cm×横105cm×高さ105cmの内空間を有する中袋の中に、枠を封入した。中袋の最上部の4辺のほぼ中央に、タオル地を4枚重ねして作られた300mm×200mmの雑巾を、雑巾の200mm辺で中袋の外側に粘着テープを用いて貼り付けて垂れ下げた。また、中袋の側面に粘着剤で厚さ1mmの軟質ゴム板(20mm×20mm)を貼った。
次いで、100μm厚のポリエチレンフィルムで、下面、側面および上面を囲み、縦120cm×横120cm×高さ120cmの内空間を有する外袋の中に、中袋を封入した。
該試験体を直射日光や雨が当たらないが風通しの良い外気温とほぼ同じ温度に保たれた屋内に置いた。
雑巾の垂れ下げられている位置に対応する位置の外袋に切り込みを入れ、そこから水を雑巾に浸み込ませ、その後、該切り込みを粘着テープで塞いだ。雑巾への水の浸み込みは週1回の頻度で行った。中袋と外袋との間の空間は、相対湿度が95%以上に保たれていた。
温湿度計で中袋内の最高温度、最低温度、最高湿度および最低湿度を記録した。軟質ゴム板の位置に対応する位置の外袋に切り込みを入れ、ゴム板に注射針を刺して、中袋内のガスを抜きだし、その後、該切り込みを粘着テープで塞いだ。抜き出したガスの防錆性ガス濃度をガス検知管で測定した。なお、防錆性ガス濃度は、アミンガスのみが発生する気化性防錆剤についてはアミン用ガス検知管を用いて測定し、アンモニアガスのみが発生する気化性防錆剤についてはアンモニア用ガス検知管を用いて測定し、アンモニアガスとアミンガスの両方が発生する気化性防錆剤についてはアンモニア用ガス検知管を用いて測定した。
試験開始から154日目と201日目にねずみ鋳鉄を試験体から一時的に取り出し、JISK1994に準拠し、ねずみ鋳鉄中央40mm×40mmの範囲を4mm×4mmのマス目に100等分し、錆の発生したマス目の数を両面について数えて、錆の発生率を算出した。それらの結果を表11に示す。
Figure 2015093542
〔気化性防錆剤組成物(56)〕
顆粒状ジエチルアミン塩酸塩(粒度レンジ:1mm−5mm)0.238g、ジエチルアミン塩酸塩粉砕品(粒度レンジ:0.1mm以下)0.080g、水酸化カルシウム(粒度レンジ:0.1mm以下)0.004g、酸化マグネシウム(粒度レンジ:3mm以下)0.160g、塩化カルシウム粉末(粒度レンジ:0.1mm以下)0.040g、水溶性高分子0.030g、および無機吸水剤0.006gを混合して気化性防錆剤組成物(56)を得た。
〔気化性防錆剤組成物(57)〜(63)および組成物(J)〕
表12に示す処方に従って、各成分を計量混合して気化性防錆剤組成物(57)〜(63)および組成物(J)を調製した。なお、塩化マグネシウム粉末、酸化カルシウム粉末およびシリカゲル粉末は粒度レンジが0.1mm以下のものである。
Figure 2015093542
〔防錆剤組成物(K)〕
塩化マグネシウム3.00g、水溶性高分子0.80g、無機吸水剤0.15g、水酸化マグネシウム0.10gおよび水酸化カルシウム0.04gを混合して防錆剤組成物(K)を得た。防錆剤組成物(K)を一口袋aに充填し、袋の口をヒートシールして、防錆剤組成物(K)を収納して成る防錆剤を得た。
〔気化性防錆剤(17)〕
気化性防錆剤組成物(56)0.56gを二口袋Cの50mm×30mm側に封入し、防錆剤組成物(K)4.1gを二口袋Cの50mm×80mm側に封入して気化性防錆剤(17)を得た。防錆性の評価結果を表13に示す。
〔気化性防錆剤(18)〕
気化性防錆剤組成物(56)0.56gを気化性防錆剤組成物(57)0.64gに変えた以外は気化性防錆剤(17)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤(18)を得た。防錆性の評価結果を表13に示す。
〔気化性防錆剤(19)〕
気化性防錆剤組成物(56)0.56gを気化性防錆剤組成物(58)1.72gに変えた以外は気化性防錆剤(17)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤(19)を得た。防錆性の評価結果を表13に示す。
〔気化性防錆剤(20)〕
気化性防錆剤組成物(56)0.56gを気化性防錆剤組成物(59)4.52gに変えた以外は気化性防錆剤(17)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤(20)を得た。防錆性の評価結果を表13に示す。
〔気化性防錆剤(21)〕
気化性防錆剤組成物(56)0.56gを気化性防錆剤組成物(60)0.56gに変えた以外は気化性防錆剤(17)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤(21)を得た。防錆性の評価結果を表13に示す。
〔気化性防錆剤(22)〕
気化性防錆剤組成物(56)0.56gを気化性防錆剤組成物(61)0.64gに変えた以外は気化性防錆剤(17)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤(22)を得た。防錆性の評価結果を表13に示す。
〔気化性防錆剤(23)〕
気化性防錆剤組成物(56)0.56gを気化性防錆剤組成物(62)0.64gに変えた以外は気化性防錆剤(17)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤(23)を得た。防錆性の評価結果を表13に示す。
〔気化性防錆剤(24)〕
気化性防錆剤組成物(56)0.56gを気化性防錆剤組成物(63)0.64gに変えた以外は気化性防錆剤(17)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤(24)を得た。防錆性の評価結果を表13に示す。
〔気化性防錆剤(25)〕
気化性防錆剤組成物(56)0.56gを気化性防錆剤組成物(J)0.52gに変えた以外は気化性防錆剤(17)の調製法と同じ方法で気化性防錆剤(25)を得た。防錆性の評価結果を表13に示す。
〔防錆試験V〕
縦50mm×横4mm×高さ50mmの直方体形のねずみ鋳鉄(FC−200)の表面をメタノールで洗浄した。JKワイパーでメタノールを拭き取った。メタノールで再度洗浄した。窒素ガスを吹き付けて乾燥させて、テストピースとした。
縦340mm×横270mm×高さ180mmの平底のプラスチック製容器(天面は開放、側面4面は周辺幅20mmを残し長方形にカット)内の角部に前記ねずみ鋳鉄を立てて設置した。ねずみ鋳鉄から最も離れた容器内の角部に防錆剤を設置した。これら全体を100μm厚のポリエチレンフィルム製の袋(500mm×750mm)に収納し、袋の口をゴムバンドで密閉した。
袋のフィルム面がプラスチック容器の壁面にほぼ密着するように少量のガムテープで袋を貼り固めて形状を整えた。テストピースの直近のフィルムに粘着剤を塗布した厚さ1mmの軟質ゴム板(20mm×20mm)を貼り、ゴム板に注射針を刺せるようにして、試験体を得た。この試験体を、つぎのような温度および相対湿度の環境を24時間サイクルで繰り返す恒温恒湿器内に入れた。
(1)温度50℃・相対湿度90%の状態を11時間保持する。
(2)1時間かけて温度20℃・相対湿度90%に変化させ、その状態を11時間保持する。
(3)次いで1時間かけて(1)の状態に変化させる。
温度20℃・相対湿度90%の状態の保持で10時間経過した時に、恒温恒湿器から試験体を取り出して、注射針を先端に取り付けたガス検知管で袋の中の防錆性ガス濃度を測定した。
なお、防錆性ガス濃度は、アミンガスのみが発生する気化性防錆剤についてはアミン用ガス検知管を用いて測定し、アンモニアガスのみが発生する気化性防錆剤についてはアンモニア用ガス検知管を用いて測定し、アンモニアガスとアミンガスの両方が発生する気化性防錆剤についてはアンモニア用ガス検知管を用いて測定した。
4日、8日、11日、15日、17日および21日経過した日に、防錆性ガス濃度を測定した後に、袋の口を開いてテストピースを取り出し、JIS K 1994に準拠し、ねずみ鋳鉄中央の40mm×40mmの範囲を、4mm×4mmのマス目に100等分し、錆の発生したマス目の数を両面について数えて錆の発生率を算出した。結果を表13に示す。錆発生率を算出した後、試験体を元の状態に戻した。
Figure 2015093542
〔防錆剤組成物(64)〕
塩化マグネシウム3.00g、水溶性高分子0.80g、無機吸水剤0.15g、硫酸アンモニウム0.20g、水酸化マグネシウム0.40gおよび水酸化カルシウム0.04gを混合して防錆剤組成物(64)を得た。
〔防錆剤組成物(65)〕
硫酸マグネシウム6.00g、硫酸アンモニウム0.20g、水酸化マグネシウム0.40gおよび水酸化カルシウム0.04gを混合して防錆剤組成物(65)を得た。
〔防錆剤組成物(66)〕
シリカゲル顆粒12.00g、硫酸アンモニウム0.20g、水酸化マグネシウム0.40gおよび水酸化カルシウム0.04gを混合して防錆剤組成物(66)を得た。
〔気化性防錆剤(26)〕
気化性防錆剤組成物(56)0.56gを二口袋Cの50mm×30mm側に封入し、防錆剤組成物(64)4.6gを二口袋Cの50mm×80mm側に封入して気化性防錆剤(26)を得た。防錆性の評価結果を表14に示す。
〔気化性防錆剤(27)〕
気化性防錆剤組成物(56)0.56gを二口袋Cの50mm×30mm側に封入し、防錆剤組成物(65)6.6gを二口袋Cの50mm×80mm側に封入して気化性防錆剤(27)を得た。防錆性の評価結果を表14に示す。
〔気化性防錆剤(28)〕
気化性防錆剤組成物(56)0.56gを二口袋Cの50mm×30mm側に封入し、防錆剤組成物(66)12.0gを二口袋Cの50mm×80mm側に封入して気化性防錆剤(28)を得た。防錆性の評価結果を表14に示す。
〔気化性防錆剤(29)〕
気化性防錆剤組成物(56)0.56gを二口袋Cの50mm×30mm側に封入し、酸化カルシウム顆粒12.0gを二口袋Cの50mm×80mm側に封入して気化性防錆剤(29)を得た。防錆性の評価結果を表14に示す。
〔気化性防錆剤(30)〕
気化性防錆剤組成物(56)0.56gを一口袋bに封入し、防錆剤組成物(K)4.1gを一口袋cに封入して、二袋一組分包の気化性防錆剤(30)を得た。防錆性の評価結果を表14に示す。
〔防錆剤(k)〕
防錆剤組成物(K)4.1gを一口袋aに封入して、防錆剤(k)を得た。防錆性の評価結果を表14に示す。
〔防錆剤(l)〕
防錆剤組成物(65)6.6gを一口袋aに封入して、防錆剤(l)を得た。防錆性の評価結果を表14に示す。
〔防錆剤(m)〕
硫酸マグネシウム6gを一口袋aに封入して、防錆剤(m)を得た。防錆性の評価結果を表14に示す。
〔防錆剤(n)〕
シリカゲル顆粒12gを一口袋aに封入して、防錆剤(n)を得た。防錆性の評価結果を表14に示す。
〔防錆剤(o)〕
酸化カルシウム顆粒12gを一口袋aに封入して、防錆剤(o) を得た。防錆性の評価結果を表14に示す。
Figure 2015093542
〔気化性防錆剤組成物(67)〕
顆粒状ジエチルアミン塩酸塩(粒度レンジ:1mm−5mm)0.238g、ジエチルアミン塩酸塩粉砕品(粒度レンジ:0.1mm以下)0.080g、水酸化カルシウム(粒度レンジ:0.1mm以下)0.004g、酸化マグネシウム(粒度レンジ:3mm以下)0.160g、塩化カルシウム顆粒(粒度レンジ:0.1mm−5mm)4.000g、顆粒状水溶性高分子0.030g、および無機吸水剤0.006gを混合して気化性防錆剤組成物(67)を得た。気化性防錆剤組成物(67)4.52gを一口袋aに充填し、袋の口をヒートシールしてなる防錆剤(p)の防錆性の評価結果を表15に示す。
比較のために、塩化カルシウム顆粒4.00gを一口袋aに封入して、防錆剤(q)を得た。その防錆性の評価結果を表15に示す。
Figure 2015093542
表13、14および15に示すとおり、本願発明に従って、乾燥剤成分として、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化カルシウム、塩化カルシウム、またはシリカゲルを用いることによっても、防錆性効果が長期間持続する。
1:気化性防錆剤組成物(I) 2:防錆剤組成物(II)
3:仕切り 4:気化性防錆剤組成物(I)と防錆剤組成物(II)との境

Claims (19)

  1. 成分(A):非気化性で常温において固体のアミン塩(アミン亜硝酸塩を除く。)、および非気化性で常温において固体のアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくともひとつと、
    成分(B):常温において固体のアルカリ性物質と、
    成分(C):常温において固体の乾燥剤成分と
    を含有する気化性防錆剤組成物。
  2. 成分(C)が塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくともひとつである請求項1に記載の気化性防錆剤組成物。
  3. 成分(C)の量が成分(A)1質量部に対して0.01質量部以上20質量部以下である請求項1または2に記載の気化性防錆剤組成物。
  4. 成分(C)の量が成分(A)1質量部に対して3質量部以上500質量部以下である請求項1または2に記載の気化性防錆剤組成物。
  5. 成分(B)が、酸化マグネシウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくともひとつである請求項1〜4のいずれかひとつに記載の気化性防錆剤組成物。
  6. 通気性非透水性袋体、および
    成分(A1):非気化性で常温において固体のアミン塩(アミン亜硝酸塩を除く。)、および非気化性で常温において固体のアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくともひとつと、 成分(B1):常温において固体のアルカリ性物質と、 成分(C1):成分(A1)1質量部に対して0質量部以上20質量部以下の常温において固体の乾燥剤成分とを含有する気化性防錆剤組成物(I)からなり、
    前記袋体1つに気化性防錆剤組成物(I)を収納して成る気化性防錆剤。
  7. 通気性非透水性袋体、
    成分(A1):非気化性で常温において固体のアミン塩(アミン亜硝酸塩を除く。)、および非気化性で常温において固体のアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくともひとつと、 成分(B1):常温において固体のアルカリ性物質と、 成分(C1):成分(A1)1質量部に対して0質量部以上20質量部以下の常温において固体の乾燥剤成分とを含有する気化性防錆剤組成物(I)、および
    成分(C2):常温において固体の乾燥剤成分を含有する防錆剤組成物(II)からなり、
    前記袋体1つに気化性防錆剤組成物(I)と防錆剤組成物(II)とを仕切りで分けて収納して成る気化性防錆剤。
  8. 通気性非透水性袋体、
    成分(A1):非気化性で常温において固体のアミン塩(アミン亜硝酸塩を除く。)、および非気化性で常温において固体のアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくともひとつと、 成分(B1):常温において固体のアルカリ性物質と、 成分(C1):成分(A1)1質量部に対して0質量部以上20質量部以下の常温において固体の乾燥剤成分とを含有する気化性防錆剤組成物(I)、および
    成分(C2):常温において固体の乾燥剤成分を含有する防錆剤組成物(II)からなり、
    前記袋体2つに気化性防錆剤組成物(I)と防錆剤組成物(II)とを分けて収納して成る気化性防錆剤。
  9. 通気性非透水性袋体、
    成分(A1):非気化性で常温において固体のアミン塩(アミン亜硝酸塩を除く。)、および非気化性で常温において固体のアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくともひとつと、 成分(B1):常温において固体のアルカリ性物質と、 成分(C1):成分(A1)1質量部に対して0質量部以上20質量部以下の常温において固体の乾燥剤成分とを含有する気化性防錆剤組成物(I)、および
    成分(C2):常温において固体の乾燥剤成分を含有する防錆剤組成物(II)からなり、
    前記袋体1つに気化性防錆剤組成物(I)と防錆剤組成物(II)とを偏在させて収納して成る気化性防錆剤。
  10. 防錆剤組成物(II)は、成分(A2):非気化性で常温において固体のアミン塩(アミン亜硝酸塩を除く。)、および非気化性で常温において固体のアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくともひとつ、および成分(B2):常温において固体のアルカリ性物質をさらに含有し、且つ
    成分(C2)の量が成分(A2)1質量部に対して3質量部以上500質量部以下である請求項7〜9のいずれかひとつに記載の気化性防錆剤。
  11. 成分(B2)が、酸化マグネシウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくともひとつである請求項10に記載の気化性防錆剤。
  12. 成分(C1)が塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくともひとつであり、且つ
    成分(C2)が塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくともひとつである請求項7〜11のいずれかひとつに記載の気化性防錆剤。
  13. 気化性防錆剤組成物(I)/防錆剤組成物(II)の質量比が0.5/99.5〜70/30である請求項7〜12のいずれかひとつに記載の気化性防錆剤。
  14. 成分(B1)が、酸化マグネシウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくともひとつである請求項6〜13のいずれかひとつに記載の気化性防錆剤。
  15. 通気非透水性袋体は、温度40℃、相対湿度90%における透湿度が1000〜20000g・m-224Hr-1のフィルムで構成される、請求項6〜14のいずれかひとつに記載の気化性防錆剤。
  16. 実質的に外気と遮断されたひとつの空間内に、
    被防錆物質と、
    請求項1〜5のいずれかひとつに記載の気化性防錆剤組成物と
    を存在させることを含む被防錆物質の防錆方法。
  17. 実質的に外気と遮断されたひとつの空間内に、
    被防錆物質と、
    請求項6〜15のいずれかひとつに記載の気化性防錆剤と
    を存在させることを含む被防錆物質の防錆方法。
  18. 実質的に外気と遮断された空間が、プラスチック樹脂フィルムで密封された空間である請求項16または17に記載の防錆方法。
  19. プラスチック樹脂フィルムがアンモニアガスまたはアミンガス非透過性フィルムである請求項18に記載の防錆方法。
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