JP2019188312A - 脱酸素剤および脱酸素剤包装体、並びに食品包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】多孔質担持体を含む有機系の脱酸素剤において、流動性と粉舞を同時に改善できる手段を提供することであり、かつ粉体のまま小袋充填可能とし、酸素吸収性能良好な脱酸素剤を得る手段を提供すること。【解決手段】多孔質の担持体、及び前記担持体に担持された酸素吸収組成物を含む粉体と、前記粉体の表面に付着している無機微粒子とを備えており、前記粉体の平均粒径が0.01mm以上0.3mm未満であり、前記無機微粒子の添加量が脱酸素剤の総重量の12.0wt%以下であり、前記酸素吸収組成物が、酸素吸収物質を含む液剤と、アルカリ性化合物、及び遷移金属化合物を含有することを特徴とする脱酸素剤。【選択図】なし

Description

本発明は、粉末状の脱酸素剤、及び該脱酸素剤を小袋に充填包装した脱酸素剤包装体に関する。さらに詳細に述べると、有機系の酸素吸収物質、反応触媒、アルカリ性化合物及び担持体を主成分とする粉末状の脱酸素剤、及び該脱酸素剤を小袋に充填包装した脱酸素剤包装体、食品包装体に関する。
食品包装において、食品のカビの発生や酸化劣化を防止し、食品の保存期間を延ばす手法の一つとして、食品包装中に脱酸素剤包装体を同封して、包装内の酸素濃度を極端に低下させる手法が取られている。具体的には、脱酸素剤を通気性の高い小袋に充填シールし、この小袋を食品等と一緒に酸素バリア性の高い食品包装用容器に入れて密封シールすることで、包装容器内の酸素を脱酸素剤包装体に吸収させ、包装容器内の酸素濃度を殆ど0%にすることが可能である。
同様の目的の達成は、食品の充填包装時に包装容器内の空気を窒素と置換する窒素置換包装でも試みることができるが、金属性の缶詰容器等を除き、プラスチック製や紙製の容器や袋などは、酸素バリア性の高い材料を用いたとしても、包装容器内への酸素の侵入を完全に無くすることはできず、微量の酸素透過は生じる。従って窒素置換により初期の酸素濃度を極力下げたとしても、後から侵入してくる酸素により包装容器内の酸素濃度は徐々に上昇してしまう。
一方、脱酸素剤包装体を包装容器内に同封させる場合、同封当初包装容器内に残存していた酸素ばかりでなく、後から包装容器内に侵入してくる酸素も吸収するため、脱酸素剤の酸素吸収能力の範囲内で一定期間は酸素濃度0%に近い状態を保つことが可能である。ただし、酸素バリア性の低い包装容器では、すぐに脱酸素剤の酸素吸収能力が限界に達してしまうため、ある程度酸素バリア性の高い包装容器と組合せて用いる必要はある。
現在よく用いられている脱酸素剤には、大きく2つの種類があり、鉄を主剤とする無機系の脱酸素剤とアスコルビン酸系の酸素吸収物質を主剤とする有機系の脱酸素剤がある。それぞれ、用途や対象食品に応じて使い分けされるが、近年商品を金属探知機にかける必要が高まっていることから、金属探知機にかけることが可能な有機系脱酸素剤の需要が増えてきている。
しかし有機系の脱酸素剤には、鉄系の脱酸素剤に比べて酸素吸収速度が遅いという欠点がある。食品の保存性向上を目的とする脱酸素剤に使用において、早い場合で24時間〜48時間で生育するカビの発生を抑えるためには、24時間以内に酸素濃度を0%近くまで低下させておくことが望ましい。従って、有機系脱酸素剤においては、如何に酸素吸収速度を高めるかということが課題の1つであった。
そこで、有機系脱酸素剤においてその酸素吸収速度を高めるため、酸素吸収物質の酸化反応を促進する反応触媒を加えたり、最適PHにするためのアルカリ性化合物を加えたりと鋭意工夫がなされてきたが、そのひとつとして、通気性を高めた反応場を設けて酸素と酸素吸収組成物(酸素吸収物質を含む液剤、アルカリ化合物、反応触媒を含有)の会合が迅速に起こるための工夫も検討されている。通気性の高い反応場を設けるために、担持体として多孔質材料を用いることが有効であり、多孔質材料の比表面積を大きくするほど、酸素吸収速度を高めることが可能である。これらの多孔質材料として、活性炭や珪藻土などが用いられている。
また、食品包装用の脱酸素剤は、通気性の高い小袋に充填包装して用いられるが、小袋への充填包装は連続的に機械充填して行われる。このとき、脱酸素剤の流動性が悪かったり、飛散し易かったりすると、小袋への連続機械充填に支障をきたす。例えば、流動性が悪いと充填機のホッパーや充填ノズルに脱酸素剤の粉体が詰まり充填が停止したり、飛散し易いと小袋のシール部に粉体が付着してシール不良を起こしたりする。本発明においては、粉体の飛散による工程内不具合を「粉舞」と表現している。
従って現在、有機系の脱酸素剤は、ほとんどの場合、粉体を造粒して粒状にすることで、流動性を向上させかつ粉舞も抑えるといった工夫が実施されてきた。しかし、造粒した脱酸素剤は粉体に比べて酸素吸収速度が低下するという問題もある。脱酸素剤の造粒例及び造粒後の酸素吸収速度の低下について、特許文献1に開示されている。
特開昭59−45861号公報 特開2011−72890号公報 特開2017−159271号公報
ここまで述べてきたように、有機系の脱酸素剤においては、酸素吸収速度の向上と自動充填機適性の向上を両立させることが最も重要な課題である。酸素吸収組成物(酸素吸収物質を含む液剤、アルカリ化合物、反応触媒を含有)を多孔質材料に担持させると酸素吸収速度は向上するが、この粉体を、充填機適性を向上させるために造粒するとまた酸素吸収速度が低下してしまい、これまでのところ両立させるのが困難であった。
そこで、造粒せずに粉体のままで充填包装する工夫が検討されている。
特許文献2には、主剤が鉄系の脱酸素剤ではあるが、活性炭を含むことで粉舞し易い脱酸素剤において、飽和量の水分を含む活性炭を使用することで粉舞を抑えて充填包装可能とする脱酸素剤が開示されている。しかし我々の検証結果では、有機系の脱酸素剤においては含水率の高い活性炭を使用しても完全には粉舞を抑えられない結果となっており、また、加湿粉体中の水分または液分比率を高くしていくと、流動性が悪化してホッパーや充填ノズルでの詰まりが起き易くなるとの結果もでており、水分や液分比率を上げるだけでは、粉舞抑制と流動性向上の両立は難しいと思われる。
また、特許文献3には、鉄系の脱酸素剤において酸素吸収物質である鉄粉に酸化鉄をフィラーとして混ぜることで、流動性を改善し、酸化鉄フィラーは比重が5g/ml程度あることからフィラー自体が粉舞することもなく、流動性と粉舞を同時に改善可能な脱酸素剤が開示されている。しかし、これを有機系の脱酸素剤に用いるとすると、多孔質担持体を含む有機系の脱酸素剤の比重は前述したように0.5〜0.6g/ml程度であるため、酸化鉄フィラーとの比重差が大きすぎて、粉体とフィラーの均一混合が困難である。フィラーによる流動性改善の原理は、主粒子間にフィラー粒子が均一に分散混合されていることで発揮されるものであるから、均一混合が困難な系は致命的である。
以上のことから、本発明における解決すべき課題は、多孔質担持体を含む有機系の脱酸素剤において、流動性と粉舞を同時に改善できる手段を提供することであり、かつ粉体のまま小袋充填可能とし、酸素吸収性能良好な脱酸素剤を得る手段を提供することである。
本発明の一側面は、
多孔質の担持体、及び前記担持体に担持された酸素吸収組成物を含む粉体と、
前記粉体の表面に付着している無機微粒子とを備えており、
前記粉体の平均粒径が0.01mm以上0.3mm未満であり、
前記無機微粒子の添加量が脱酸素剤の総重量の12.0wt%以下であり、
前記酸素吸収組成物が、酸素吸収物質を含む液剤と、アルカリ性化合物、及び遷移金属化合物を含有する脱酸素剤を提供する。
本発明の別の側面は、前記担持体に担持された酸素吸収組成物を含む粉体の平均粒径Aと前記無機微粒子の平均粒径Bとの比率(B/A)が、1/30以上2/5以下である脱酸素剤を提供する。
また本発明の別の側面は、前記担持体の質量100質量部に対して、前記酸素吸収物質の量が80〜200質量部であることを特徴とする脱酸素剤を提供する。
本発明の別の側面は、前記担持体の質量100質量部に対して、前記アルカリ性化合物の量が100〜300質量部であることを特徴とする脱酸素剤を提供する。
本発明の別の側面は、前記担持体の質量100質量部に対して、前記遷移金属化合物の量が10〜70質量部であることを特徴とする脱酸素剤を提供する。
本発明の別の側面は、安息角が40°以下であることを特徴とする脱酸素剤を提供する。
本発明の別の側面は、前記脱酸素剤と、該脱酸素剤を収容する通気性包材とを備える脱酸素剤包装体を提供する。
本発明の別の側面は、前記脱酸素剤包装体と、該脱酸素剤包装体を封入する食品包装容器とを備える食品包装体を提供する。
本発明によれば、無機微粒子を粉体の表面に付着させることで、脱酸素剤の流動性を改善させ、粉舞しにくい脱酸素剤が提供できる。
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係る粉末状の脱酸素剤は、多孔質の担持体、及び前記担持体に担持された酸素吸収組成物を含む粉体と、該粉体の表面に付着している無機微粒子とから主として構成される複数の複合粒子を含む粉体である。ここで「粉体」は多数の微粒子から構成され、全体として流動性を維持している集合体を意味する。
担持体は、酸素吸収組成物を担持できる多孔質粉体であればよい。通常、担持体に酸素吸収組成物が含浸することで、酸素吸収組成物が担持体に担持される。
担持体は、例えば、活性炭、ゼオライト粒子、ベントナイト粒子、活性アルミナ粒子、活性白土、ケイ酸カルシウム粒子、及び珪藻土から選ばれる。
酸素吸収組成物は、酸素吸収物質を含む液剤、アルカリ性化合物、及び遷移金属化合物を含有する。
酸素吸収物質を含む液剤は、常温(例えば5〜35℃)で液状の酸素吸収物質であってもよいし、液状又は固体の酸素吸収物質を含む溶液であってもよい。
酸素吸収物質は、酸素吸収組成物の主剤であり、酸素を吸収する物質である。酸素吸収物質は、例えば、それ自身が酸化することによって酸素を消費し、酸素を吸収する化合物であってもよい。本実施形態では、常温で液状、又は溶媒へ溶解した状態の酸素吸収物質を用いることができる。
このような酸素吸収物質は、例えば、グリセリン、1,2−グリコール、及び糖アルコールからなる群から選ばれる1種以上の化合物である。1,2−グリコールの具体例としては、エチレングリコール、及びプロピレングリコールが挙げられる。糖アルコールの具体例としては、エリスリトール、アラビトール、キシリトール、アドニトール、マンニトール、及びソルビトールが挙げられる。
液剤が酸素吸収物質の溶液であるとき、酸素吸収物質が溶解する溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、第2級ブタノール、第3級ブタノール及び第3級アミルアルコール等の低級脂肪族アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール及びトリメチレングリコール等のグリコール;並びにフェノールが挙げられる。酸素吸収物質はこれらを単独でも、複数組み合わせても用いることができる。
酸素吸収物質の量は、担持体の質量100質量部に対して、通常80〜200質量部であり、100〜180質量部であってもよい。酸素吸収物質の量がこれらの範囲内にあると、適切な酸素吸収能力を有する脱酸素剤が得られ易い傾向がある。
酸素吸収物質は、酸素を吸収する反応に水を必要とする場合がある。このため、酸素吸収物質自身が常温で液体であっても、必要に応じて水を液剤に添加することができる。必要に応じて添加される水の量は、酸素吸収物質100質量部に対して、通常0〜80質量部であり、20〜60質量部であってもよい。水の量は、担持体100質量部に対して、通常0〜90質量部であり、20〜70質量部であってもよい。
アルカリ性化合物は、水に溶解したときにアルカリ性の水溶液を形成する化合物である。酸素吸収物質が水酸基を持つ場合、水酸基をアルカリ性化合物がイオン化させることで、酸素吸収反応が活性化される。酸素吸収組成物の状態では、アルカリ性化合物の一部が酸素吸収物質を含む液剤に溶解していることが多い。
アルカリ性化合物は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、第三リン酸塩、又は第二リン酸塩であってもよい。アルカリ性化合物は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化ラジウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム、第三リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウム、第二リン酸ナトリウム、及び第二リン酸カリウムからなる群より選ばれる1種以上の化合物であってもよい。
アルカリ性化合物の量は、担持体の質量100質量部に対して、通常100〜300質量部であり、150〜250質量部であってもよい。アルカリ性化合物の量がこれらの範囲内にあると、適切な酸素吸収能力を有する脱酸素剤組成物が得られ易い傾向がある。
遷移金属化合物は、遷移金属元素を含む化合物であり、酸素吸収物質の酸素吸収反応を促進するために、反応触媒として添加される。遷移金属化合物は、酸素吸収組成物の状態
では、酸素吸収物質を含む液剤に溶解していることが多い。遷移金属元素の具体例としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、及びマンガンが挙げられる。
遷移金属化合物は、例えば、遷移金属のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、有機酸塩、酸化物、水酸化物、又はキレート化合物であってもよい。遷移金属化合物は、遷移金属元素を含む複塩であってもよい。遷移金属化合物は、塩化銅(I)、塩化銅(II)、硫酸銅(II)、水酸化銅(II)、酸化銅(I)、酸化銅(II)、塩化マンガン、硝酸マンガン、炭酸マンガン、及び塩化ニッケルからなる群より選ばれる1種以上の化合物であってもよい。
遷移金属化合物の量は、担持体の質量100質量部に対して、通常10〜70質量部であり、30〜50質量部であってもよい。遷移金属化合物の量がこれらの範囲内にあると、適切な酸素吸収能力を有する脱酸素剤が得られ易い傾向がある。
酸素吸収組成物は、必要によりその他の物質を更に含有してもよい。その他の物質としては、例えば、バインダーが挙げられる。バインダーの具体例としては、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン及びセルロースが挙げられる。その他の物質の量は、担持体の質量100質量部に対して、通常、30質量部以下程度である。
無機微粒子が付着する前の、担持体と酸素吸収組成物を含む粉体の平均粒径は、特に制限されないが、例えば0.01mm以上0.3mm未満、又は0.05mm以上0.2mm未満であってもよい。
なお、平均粒径はレーザー回折・散乱法に基づき測定された値である。
担持体及び酸素吸収組成物を含む粉体は、担持体および酸素吸収組成物を構成する各成分を混合することにより、得ることができる。該粉体を構成する各成分は、一括して混合してもよいし、別々に混合してもよい。混合するための混合機は、特に限定されるものではなく、例えば、円筒型、V型等の容器回転型混合機であってもよいし、リボン型、水平スクリュー型、バドル型、遊星運動型等の容器固定型混合機であってもよい。
無機微粒子は、無機物質を主成分として含む粉体である。無機物質としては、例えば、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム水和物、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、及びステアリン酸カルシウムが挙げられる。無機微粒子は1種類でもいいし2種類以上混合させて使用してもよい。
本発明に係る脱酸素剤は、前述のように作製された担持体及び酸素吸収組成物から構成される粉体と無機微粒子を混合させることで、該粉体の表面に無機微粒子が付着させられ、得ることができる。混合するための装置は、特に限定されるものではなく、例えば、円筒型、V型等の容器回転型混合機であってもよいし、リボン型、水平スクリュー型、バドル型、遊星運動型等の容器固定型混合機であってもよい。
無機微粒子が付着する前の、担持体及び酸素吸収組成物を含む粉体の表面は、酸素吸収物質を含む液剤や水によって湿潤しており、湿潤したアルカリ化合物及びその他の構成成分が該粉体同士を結着させる事で、該粉体の流動性が低下すると考えられる。
無機微粒子を該粉体の表面に付着させる事で、該粉体の表面に無機微粒子による微細な表面凹凸を形成させ、その結果として該粉体同士が接触する面積が低減されて結着が抑制されることで、最終的に粉末状の脱酸素剤の流動性が改善されると考えられる。
このような観点から、無機微粒子の平均粒径は、該粉体の粒径より小さいことが望ましく、20μm以下、又は5μm以下であってもよい。平均粒径の下限は、特に制限されな
いが、ナノサイズの微粒子では価格が上がることと、皮膚表面から人体へ取り込まれてしまうために取扱が難しくなることから、例えば、0.1μm以上であってもよい。
さらに、粉体に対する無機微粒子のサイズとしては、その比率として(無機微粒子の平均粒径)/(粉体の平均粒径)が1/30以上2/5以下であることが好ましい。この範囲であれば、上記の理由により脱酸素剤の流動性がさらに向上し、自動充填機適性も良好となる。
担持体及び酸素吸収組成物を含む粉体の表面に付着させる無機微粒子の量(付着量)は、粉末状の脱酸素剤の総重量に対して、0.1wt%以上であってもよい。無機微粒子の量がこの範囲内にあると、流動性の良い粉末状の脱酸素剤が得られる。該粉体の表面に付着させる無機微粒子の量の上限は、特に制限されないが、過剰に添加すると該粉体の表面に付着しきれなかった無機微粒子が余り、余った無機微粒子が、粉末状の脱酸素剤を包装体に充填する工程内で飛散し、包装体を密封する為のヒートシール部に付着することでシール不良を引き起こしたり、飛散した微粒子によって充填機が汚されたりしてしまう可能性が高くなる。こうした観点から、8.0wt%以下であってもよい。
粉末状の脱酸素剤の流動性を示す指標としては、安息角が挙げられる。安息角は、粉体を落下させた際に形成される丘状の堆積物が水平面となす角度を指す。一般に、粉体の安息角が充填機のホッパーの傾斜角よりも鋭角の場合、粉体はホッパー内で詰まることなく滑らかに落下することが知られている。また、有機系の脱酸素剤における充填機のホッパーの傾斜角は、充填機にもよるが約40°以上のものがあり、粉末状の脱酸素剤の安息角としては、40°以下である事が望ましい。
本発明の一実施形態に係る脱酸素剤包装体は、上記の実施形態に係る脱酸素剤組成物と、この脱酸素剤を収容した通気性包材とから主として構成され得る。通気性包材は、当該技術分野で通常用いられるものから適宜選択することができる。通気性包材の具体例としては、有孔プラスチックフィルム、不織布、マイクロポーラスフィルム、紙又はこれらの組み合わせからなる基材によって形成された袋体が挙げられる。この脱酸素剤包装体は、例えば、各種の食品包装容器の中に収容して、食品の鮮度維持等の目的で使用することができる。
さらに本発明の一実施形態に係る食品包装体は、上記脱酸素剤包装体と、この脱酸素剤包装体が封入された食品包装容器とを備える。食品包装容器は、食品包装の分野で通常用いられるものから適宜選択することができ、密封可能な容器が好適である。食品包装容器としては、袋体、深絞り包装体、トレイ包装体、ストレッチ包装体等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜5、比較例1〜3)
1.担持体と酸素吸収組成物を含む粉体の作製
表1に示す原料を密封状態で均一に混合して、活性炭、グリセリン、水酸化カルシウム、硫酸銅(II)5水和物、水およびセルロースが混合された粉体を得た。
表1は、該粉体における各原料の配合量を示している。
Figure 2019188312
2.無機微粒子の付与
無機微粒子としてシリカ粒子(平均粒径 8.5μm)を準備した。準備した無機微粒
子と表1記載の粉体とを、密封状態で均一に混合し、粉末状の脱酸素剤を得た。
実施例1〜5及び比較例1〜3では、脱酸素剤の総重量に対して、無機微粒子を表2に示した添加量(1.0〜16.0wt%)を添加し、その安息角および微粉末の飛散状況を評価した。安息角は、粉末状の脱酸素剤の流動性を確認するために評価している。微粉末の飛散状況は、粉舞の発生を確認するために評価している。
3.安息角の評価方法
作業台の表面から23cmの高さから、小さい側の口の内径が26mmの漏斗を介して、作業台上に設置した内径45mmで深さ66mmの円筒状容器へと、2〜4秒かけて粉末状の脱酸素剤 約150gを落下させ、円筒状容器内に粉末状の脱酸素剤を堆積させ、最終的に円筒状容器上に出来た丘状の堆積物が水平面となす角度を計測し、安息角とした。
4.微粉末の飛散の評価方法
前記安息角の測定時における煙状の微粉末の飛散状況を観察し、評価を行った。具体的には、作業台の表面から23cmの高さから、作業台上に設置した小さい側の口の内径が26mmの漏斗を介して、内径45mmで深さ66mmの円筒状容器へと、2〜4秒かけて粉末状の脱酸素剤約150gを自由落下させ、円筒状容器内に粉末状の脱酸素剤を堆積させた際に、漏斗通過の前後における煙状の微粉末の飛散の有/無を目視確認した。
煙状の微粉末の飛散がない場合は「なし」、円筒容器の中心から外側へ水平方向に半径10cm以内の広がりを持って煙状の微粉末の飛散が確認された場合には「僅かにあり」、水平方向に半径10cm以上の広がりを持って煙状の微粉末の飛散が確認された場合には「あり」と判定した。
5.結果(実施例1〜5、比較例1〜3)
表2は、無機微粒子の添加量による、安息角および微粉末の飛散の評価結果を示している。流動性の合否判定は、安息角が40°以下の場合に良好とみなし○と判定した。粉舞の合否判定は、微粉末の飛散「なし」の場合に良好とみなし○と判定した。
また表2中に、比較例として無機微粒子添加なしの評価結果を示した。
Figure 2019188312
実施例1〜5より、無機微粒子としてシリカ粒子を用いた場合に添加量1.5〜16.0wt%の範囲で安息角40°以下の脱酸素剤を得る事ができており、無機微粒子の添加によって脱酸素剤の流動性を改善可能である事が確認できた。また、添加量が12.0wt%以上であると微粉末の飛散が確認され、12.0wt%を上回る無機微粒子の添加は好ましくないと考えられた。
また無機微粒子が1.0wt%以下である比較例1と2は、安息角が40°を超えてしまい流動性がよくない。さらに無機微粒子添加量が16wt%の比較例3は微粉末の飛散が見られた。

Claims (8)

  1. 多孔質の担持体、及び前記担持体に担持された酸素吸収組成物を含む粉体と、
    前記粉体の表面に付着している無機微粒子とを備えており、
    前記粉体の平均粒径が0.01mm以上0.3mm未満であり、
    前記無機微粒子の添加量が脱酸素剤の総重量の12.0wt%以下であり、
    前記酸素吸収組成物が、酸素吸収物質を含む液剤と、アルカリ性化合物、及び遷移金属化合物を含有することを特徴とする脱酸素剤。
  2. 前記担持体に担持された酸素吸収組成物を含む粉体の平均粒径Aと前記無機微粒子の平均粒径Bとの比率(B/A)が、1/30以上2/5以下であることを特徴とする請求項1に記載の脱酸素剤。
  3. 前記担持体の質量100質量部に対して、前記酸素吸収物質の量が80〜200質量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の脱酸素剤。
  4. 前記担持体の質量100質量部に対して、前記アルカリ性化合物の量が100〜300質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の脱酸素剤。
  5. 前記担持体の質量100質量部に対して、前記遷移金属化合物の量が10〜70質量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の脱酸素剤。
  6. 安息角が40°以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の脱酸素剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の脱酸素剤と、該脱酸素剤を収容する通気性包材とを備える脱酸素剤包装体。
  8. 請求項7に記載の脱酸素剤包装体と、該脱酸素剤包装体を封入する食品包装容器とを備える食品包装体。
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