JPWO2015087972A1 - 反応性シリコーン化合物を含む重合性組成物及び絶縁膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】250℃超の熱処理を行なうことなく塗布プロセスにて絶縁性に優れた膜を形成可能な重合性組成物を提供すること。【解決手段】(a)式[1]で表されるジアリールケイ酸化合物と式[2]で表されるアルコキシケイ素化合物とを、酸又は塩基の存在下、該ジアリールケイ酸化合物のOH基/該アルコキシケイ素化合物のOR1基=0.70〜1.4(モル比)で重縮合して得られる反応性シリコーン化合物100質量部、(b)重合開始剤0.1〜10質量部、及び(c)有機溶媒30〜3,000質量部を含む、絶縁膜形成用重合性組成物。(式中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立してアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、R1はメチル基又はエチル基を表し、R2はメチル基、エチル基又はビニルフェニル基を表し、R3はビニル基、又は重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有するアルキル基、フェニル基もしくはナフチル基を表し、aは2又は3を表す。)【選択図】なし
Description
本発明は、反応性シリコーン化合物を含む絶縁膜形成用の重合性組成物、該組成物から得られる絶縁膜、及び絶縁膜形成のための該組成物の使用に関する。
薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と記す。)型液晶表示素子、磁気ヘッド素子、集積回路素子、固体撮像素子等の電子部品には、一般に層状に配置される配線の間を絶縁するために層間絶縁膜が設けられている。特にTFTの分野においては、低温下で、かつ印刷法等の簡便な方法により半導体層を形成する技術が盛んに検討されており、TFTをフレキシブルディスプレイ等へ展開できる可能性が高まってきている。
このような状況から、簡便な塗布プロセスによって形成可能な絶縁膜が求められている。例えば、有機材料であるポリイミドを塗布型絶縁膜として用いることが検討されている(特許文献1)。また、シルセスキオキサン化合物を絶縁膜に用いることも検討されている(特許文献2)。
これまで提案された塗布プロセスにて膜形成可能な前述の材料を用いた絶縁膜では、CVD成膜による無機膜に比べて絶縁性が劣り、絶縁耐圧が高い絶縁膜材料は得られていない。
また、ポリイミドは有機材料の中では高い絶縁性を示すものの、絶縁耐圧は3MV/cmに過ぎない。さらに一般に300℃以上での硬化を必要とするため、樹脂フィルムなどを基材とする素子等の絶縁膜への適用は困難であった。
また、ポリイミドは有機材料の中では高い絶縁性を示すものの、絶縁耐圧は3MV/cmに過ぎない。さらに一般に300℃以上での硬化を必要とするため、樹脂フィルムなどを基材とする素子等の絶縁膜への適用は困難であった。
本発明の目的は、250℃を超える熱処理を行なうことなく塗布プロセスにて絶縁性に優れる絶縁膜を形成することができる重合性組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、特定のジアリールケイ酸化合物とアルコキシケイ素化合物とを、特定の配合比で重縮合することにより得られる反応性シリコーン化合物を含む重合性組成物が、簡便な塗布プロセスにより極めて高い絶縁耐圧を示すとともにリーク電流が極めて低い硬化膜を形成し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、第1観点として、
(a)下記式[1]で表されるジアリールケイ酸化合物と下記式[2]で表されるアルコキシケイ素化合物とを、酸又は塩基の存在下、該ジアリールケイ酸化合物のOH基と該アルコキシケイ素化合物のOR1基とのモル比が[OH]/[OR1]=0.70〜1.4となる割合で重縮合して得られる反応性シリコーン化合物100質量部、
(b)重合開始剤0.1〜10質量部、及び
(c)有機溶媒30〜3,000質量部
を含む、絶縁膜形成用重合性組成物に関する。
(式中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立して、炭素原子数1乃至6のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、R1はメチル基又はエチル基を表し、R2はメチル基、エチル基又はビニルフェニル基を表し、R3はビニル基、重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有する炭素原子数1乃至6のアルキル基、重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有するフェニル基、又は重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有するナフチル基を表し、aは2又は3を表す。)
第2観点として、前記ジアリールケイ酸化合物のOH基と前記アルコキシケイ素化合物のOR1基とのモル比が、[OH]/[OR1]=0.90〜1.1である、第1観点に記載の絶縁膜形成用重合性組成物に関する。
第3観点として、前記(a)反応性シリコーン化合物が、式[3]で表される化合物と式[4]で表される化合物とを、酸又は塩基の存在下、重縮合して得られる反応性シリコーン化合物である、第1観点又は第2観点に記載の絶縁膜形成用重合性組成物に関する。
(式中、R1は前記と同じ意味を表す。)
第4観点として、第1観点乃至第3観点の何れか一項に記載の絶縁膜形成用重合性組成物を、光又は熱重合することにより形成される、絶縁膜に関する。
第5観点として、電界強度1MV/cmにおけるリーク電流値が1.0×10−8A/cm2未満であり、かつ絶縁耐圧が7MV/cm以上である、第4観点に記載の絶縁膜に関する。
第6観点として、第4観点又は第5観点に記載の絶縁膜を備える薄膜トランジスタに関する。
第7観点として、
(a)下記式[1]で表されるジアリールケイ酸化合物と下記式[2]で表されるアルコキシケイ素化合物とを、酸又は塩基の存在下、該ジアリールケイ酸化合物のOH基と該アルコキシケイ素化合物のOR1基とのモル比が[OH]/[OR1]=0.70〜1.4となる割合で重縮合して得られる反応性シリコーン化合物100質量部、
(b)重合開始剤0.1〜10質量部、及び
(c)有機溶媒30〜3,000質量部
を含む重合性組成物の絶縁膜形成への使用に関する。
(式中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立して、炭素原子数1乃至6のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、R1はメチル基又はエチル基を表し、R2はメチル基、エチル基又はビニルフェニル基を表し、R3はビニル基、重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有する炭素原子数1乃至6のアルキル基、重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有するフェニル基、又は重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有するナフチル基を表し、aは2又は3を表す。)
(a)下記式[1]で表されるジアリールケイ酸化合物と下記式[2]で表されるアルコキシケイ素化合物とを、酸又は塩基の存在下、該ジアリールケイ酸化合物のOH基と該アルコキシケイ素化合物のOR1基とのモル比が[OH]/[OR1]=0.70〜1.4となる割合で重縮合して得られる反応性シリコーン化合物100質量部、
(b)重合開始剤0.1〜10質量部、及び
(c)有機溶媒30〜3,000質量部
を含む、絶縁膜形成用重合性組成物に関する。
第2観点として、前記ジアリールケイ酸化合物のOH基と前記アルコキシケイ素化合物のOR1基とのモル比が、[OH]/[OR1]=0.90〜1.1である、第1観点に記載の絶縁膜形成用重合性組成物に関する。
第3観点として、前記(a)反応性シリコーン化合物が、式[3]で表される化合物と式[4]で表される化合物とを、酸又は塩基の存在下、重縮合して得られる反応性シリコーン化合物である、第1観点又は第2観点に記載の絶縁膜形成用重合性組成物に関する。
第4観点として、第1観点乃至第3観点の何れか一項に記載の絶縁膜形成用重合性組成物を、光又は熱重合することにより形成される、絶縁膜に関する。
第5観点として、電界強度1MV/cmにおけるリーク電流値が1.0×10−8A/cm2未満であり、かつ絶縁耐圧が7MV/cm以上である、第4観点に記載の絶縁膜に関する。
第6観点として、第4観点又は第5観点に記載の絶縁膜を備える薄膜トランジスタに関する。
第7観点として、
(a)下記式[1]で表されるジアリールケイ酸化合物と下記式[2]で表されるアルコキシケイ素化合物とを、酸又は塩基の存在下、該ジアリールケイ酸化合物のOH基と該アルコキシケイ素化合物のOR1基とのモル比が[OH]/[OR1]=0.70〜1.4となる割合で重縮合して得られる反応性シリコーン化合物100質量部、
(b)重合開始剤0.1〜10質量部、及び
(c)有機溶媒30〜3,000質量部
を含む重合性組成物の絶縁膜形成への使用に関する。
本発明の、特定のジアリールケイ酸化合物と特定のアルコキシケイ素化合物とを重縮合することにより得られる反応性シリコーン化合物を含む組成物であって、しかもジアリールケイ酸化合物とアルコキシケイ素化合物との配合比を特定の範囲に設定した絶縁膜形成用重合性組成物は、300℃といった高温処理を必要とすることなくしかも簡便な塗布プロセスにて絶縁膜を形成することができる。そのため、樹脂フィルムなどを基材とする半導体素子等における絶縁膜の形成において、塗布型の絶縁材料として本発明の上記組成物を好適に使用できる。
また本発明の絶縁膜形成用重合性組成物は、透明性が高いだけでなく、電気特性に優れる(極めて高い絶縁耐圧と極めて低いリーク電流を達成する)絶縁膜を製造することができる。
また本発明の絶縁膜は、ポリイミドを用いた塗布型絶縁膜と比べおよそ2倍もの絶縁耐圧を達成し、しかもリーク電流が極めて小さい絶縁膜となる。
また本発明の絶縁膜形成用重合性組成物は、透明性が高いだけでなく、電気特性に優れる(極めて高い絶縁耐圧と極めて低いリーク電流を達成する)絶縁膜を製造することができる。
また本発明の絶縁膜は、ポリイミドを用いた塗布型絶縁膜と比べおよそ2倍もの絶縁耐圧を達成し、しかもリーク電流が極めて小さい絶縁膜となる。
<<絶縁膜形成用重合性組成物>>
本発明の絶縁膜形成用重合性組成物は、(a)式[1]で表されるジアリールケイ酸化合物と式[2]で表されるアルコキシケイ素化合物とを、酸又は塩基の存在下、後述する特定割合で重縮合して得られる反応性シリコーン化合物100質量部、(b)重合開始剤0.1〜10質量部、及び(c)有機溶媒30〜3,000質量部を含みてなる。
以下、各成分の詳細を説明する。
本発明の絶縁膜形成用重合性組成物は、(a)式[1]で表されるジアリールケイ酸化合物と式[2]で表されるアルコキシケイ素化合物とを、酸又は塩基の存在下、後述する特定割合で重縮合して得られる反応性シリコーン化合物100質量部、(b)重合開始剤0.1〜10質量部、及び(c)有機溶媒30〜3,000質量部を含みてなる。
以下、各成分の詳細を説明する。
<(a)反応性シリコーン化合物>
本発明に用いられる(a)反応性シリコーン化合物は、特定構造のジアリールケイ酸化合物と特定構造のアルコキシケイ素化合物とを、酸又は塩基の存在下、特定割合で重縮合して得られる化合物である。
本発明に用いられる(a)反応性シリコーン化合物は、特定構造のジアリールケイ酸化合物と特定構造のアルコキシケイ素化合物とを、酸又は塩基の存在下、特定割合で重縮合して得られる化合物である。
[ジアリールケイ酸化合物]
前記ジアリールケイ酸化合物は、下記式[1]で表される化合物である。
上記式[1]中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立して、炭素原子数1乃至6のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表す。
前記ジアリールケイ酸化合物は、下記式[1]で表される化合物である。
Ar1及びAr2としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、4−エチルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,5−ジエチルフェニル基、3,5−ジイソプロピルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基等が挙げられる。
上記式[1]で表される化合物の具体例としては、例えば、ジフェニルシランジオール、ジ−p−トリルシランジオール、ビス(4−エチルフェニル)シランジオール、ビス(4−イソプロピルフェニル)シランジオール等が挙げられる。
[アルコキシケイ素化合物]
前記アルコキシケイ素化合物は、下記式[2]で表される化合物である。
上記式[2]中、R1はメチル基又はエチル基を表し、R2はメチル基、エチル基又はビニルフェニル基を表し、R3はビニル基、重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有する炭素原子数1乃至6のアルキル基、重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有するフェニル基、又は重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有するナフチル基を表し、aは2又は3の整数を表す。
前記アルコキシケイ素化合物は、下記式[2]で表される化合物である。
R3が表す重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有する炭素原子数1乃至6のアルキル基としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル基、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル基、3−ビニルオキシプロピル基、3−アリルオキシプロピル基等が挙げられる。なお本明細書において(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基とメタクリロイル基の双方を指す。
R3が表す重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有するフェニル基としては、例えば、2−ビニルフェニル基、3−ビニルフェニル基、4−ビニルフェニル基、4−ビニルオキシフェニル基、4−アリルフェニル基、4−アリルオキシフェニル基、4−イソプロペニルフェニル基等が挙げられる。
R3が表す重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有するナフチル基としては、例えば、4−ビニルナフタレン−1−イル基、5−ビニルナフタレン−1−イル基、7−ビニルナフタレン−1−イル基、5−ビニルナフタレン−2−イル基、6−ビニルナフタレン−2−イル基等が挙げられる。
R3が表す重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有するフェニル基としては、例えば、2−ビニルフェニル基、3−ビニルフェニル基、4−ビニルフェニル基、4−ビニルオキシフェニル基、4−アリルフェニル基、4−アリルオキシフェニル基、4−イソプロペニルフェニル基等が挙げられる。
R3が表す重合性二重結合を有する基を少なくとも1つ有するナフチル基としては、例えば、4−ビニルナフタレン−1−イル基、5−ビニルナフタレン−1−イル基、7−ビニルナフタレン−1−イル基、5−ビニルナフタレン−2−イル基、6−ビニルナフタレン−2−イル基等が挙げられる。
上記式[2]で表される化合物の具体例としては、例えば、トリメトキシ(ビニル)シラン、トリメトキシ(4−ビニルフェニル)シラン、トリエトキシ(4−ビニルフェニル)シラン、ジメトキシ(メチル)(4−ビニルフェニル)シラン、ジメトキシビス(4−ビニルフェニル)シラン、トリメトキシ(4−ビニルナフタレン−1−イル)シラン、トリメトキシ(5−ビニルナフタレン−1−イル)シラン、トリメトキシ(7−ビニルナフタレン−1−イル)シラン、トリメトキシ(5−ビニルナフタレン−2−イル)シラン、トリメトキシ(6−ビニルナフタレン−2−イル)シラン、2−(トリメトキシシリル)エチル(メタ)アクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート、4−(トリメトキシシリル)ブチル(メタ)アクリレート、6−(トリメトキシシリル)ヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(a)反応性シリコーン化合物としては、下記式[3]で表される化合物と下記式[4]で表される化合物とを、酸又は塩基の存在下、特定の割合で重縮合して得られる反応性シリコーン化合物が好ましい。
上記式[4]中、R1は前記と同じ意味を表す。
[ジアリールケイ酸化合物とアルコキシケイ素化合物の配合割合]
上述の反応性シリコーン化合物に用いる式[1]で表されるジアリールケイ酸化合物と式[2]で表されるアルコキシケイ素化合物の重縮合反応にかかる配合モル比は、得られる反応性シリコーン化合物の硬化物(絶縁膜)の絶縁耐圧の高さ並びにリーク電流の低さの観点から、該ジアリールケイ酸化合物のOH基と該アルコキシケイ素化合物のOR1基(R1は前記と同じ意味を表す。)のモル比が、[OH]/[OR1]=0.7〜1.4の範囲である。より好ましくは[OH]/[OR1]=0.9〜1.1のモル比の間で配合される範囲である。[OH]/[OR1]のモル比を0.7以上とすることで後に得られる絶縁膜のリーク電流値がより低い値となり、1.4以下とすることで硬化時の揮発分量が少なくなり、より膜質の良い絶縁膜が得られる。
上述の反応性シリコーン化合物に用いる式[1]で表されるジアリールケイ酸化合物と式[2]で表されるアルコキシケイ素化合物の重縮合反応にかかる配合モル比は、得られる反応性シリコーン化合物の硬化物(絶縁膜)の絶縁耐圧の高さ並びにリーク電流の低さの観点から、該ジアリールケイ酸化合物のOH基と該アルコキシケイ素化合物のOR1基(R1は前記と同じ意味を表す。)のモル比が、[OH]/[OR1]=0.7〜1.4の範囲である。より好ましくは[OH]/[OR1]=0.9〜1.1のモル比の間で配合される範囲である。[OH]/[OR1]のモル比を0.7以上とすることで後に得られる絶縁膜のリーク電流値がより低い値となり、1.4以下とすることで硬化時の揮発分量が少なくなり、より膜質の良い絶縁膜が得られる。
上述のジアリールケイ酸化合物及びアルコキシケイ素化合物は、必要に応じて適宜化合物を選択して用いることができ、また、複数種を併用することもできる。この場合のモル比も、ジアリールケイ酸化合物のOH基のモル量の総計とアルコキシケイ素化合物のOR1基のモル量の総計の比が上記の範囲となる。
[酸又は塩基性触媒]
前記式[1]で表されるジアリールケイ酸化合物と、前記式[2]で表されるアルコキシケイ素化合物との重縮合反応は、酸又は塩基性触媒の存在下で好適に実施される。
重縮合反応に用いる触媒は、後述の溶媒に溶解する、又は均一分散する限りにおいては特にその種類は限定されず、必要に応じて適宜選択して用いることができる。
用いることのできる触媒としては、例えば、酸性化合物として、B(OR)3、Al(OR)3、Ti(OR)4、Zr(OR)4等;塩基性化合物として、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アンモニウム塩、アミン類等;フッ化物塩として、NH4F、NR4F等が挙げられる。なお、ここでRは、水素原子、炭素原子数1乃至12の直鎖状アルキル基、炭素原子数3乃至12の分枝状アルキル基、炭素原子数3乃至12の環状アルキル基からなる群から選ばれる一種以上の基である。
これら触媒は、一種単独で、又は複数種を併用することもできる。
前記式[1]で表されるジアリールケイ酸化合物と、前記式[2]で表されるアルコキシケイ素化合物との重縮合反応は、酸又は塩基性触媒の存在下で好適に実施される。
重縮合反応に用いる触媒は、後述の溶媒に溶解する、又は均一分散する限りにおいては特にその種類は限定されず、必要に応じて適宜選択して用いることができる。
用いることのできる触媒としては、例えば、酸性化合物として、B(OR)3、Al(OR)3、Ti(OR)4、Zr(OR)4等;塩基性化合物として、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アンモニウム塩、アミン類等;フッ化物塩として、NH4F、NR4F等が挙げられる。なお、ここでRは、水素原子、炭素原子数1乃至12の直鎖状アルキル基、炭素原子数3乃至12の分枝状アルキル基、炭素原子数3乃至12の環状アルキル基からなる群から選ばれる一種以上の基である。
これら触媒は、一種単独で、又は複数種を併用することもできる。
上記酸性化合物としては、例えば、ホウ酸、トリメトキシボロン、トリエトキシボロン、トリ−n−プロポキシボロン、トリイソプロポキシボロン、トリ−n−ブトキシボロン、トリイソブトキシボロン、トリ−sec−ブトキシボロン、トリ−tert−ブトキシボロン、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニウム、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトライソブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−tert−ブトキシジルコニウム等が挙げられる。
上記塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、トリエチルアミン等が挙げられる。
上記フッ化物塩としては、例えば、フッ化アンモニウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。
これら触媒のうち、好ましく用いられるのは、テトライソプロポキシチタン、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、及び水酸化バリウムからなる群から選ばれる一種以上である。
触媒の使用量は、前記ジアリールケイ酸化合物と前記アルコキシケイ素化合物との合計質量に対し、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。触媒の使用量を0.01質量%以上とすることで反応がより良好に進行する。また、経済性を考慮すれば、10質量%以下の使用で十分である。
触媒の使用量は、前記ジアリールケイ酸化合物と前記アルコキシケイ素化合物との合計質量に対し、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。触媒の使用量を0.01質量%以上とすることで反応がより良好に進行する。また、経済性を考慮すれば、10質量%以下の使用で十分である。
[重縮合反応]
本発明にかかる反応性シリコーン化合物は、アルコキシケイ素化合物の構造が一つの特徴となっている。本発明に用いられるアルコキシケイ素化合物に含まれる反応性基(重合性二重結合)は、ラジカル的又はイオン(アニオン、カチオン)的に容易に重合し、重合後(硬化後)は高い耐熱性を示す。
このようなアルコキシケイ素化合物とジアリールケイ酸化合物とを重縮合させ、耐熱性の高いシリコーン化合物とするとき、生成物が液体状態を保つよう、適度な重合度で反応を停止させる必要がある。なお本発明で用いるアルコキシケイ素化合物は積極的に加水分解しないことから、ジアリールケイ酸化合物との重縮合反応が穏やかであり、重合度を制御しやすい特徴がある。
アルコキシケイ素化合物とジアリールケイ酸化合物の脱アルコールによる重縮合反応は、無溶媒下で行うことも可能だが、後述するトルエンなどのアルコキシケイ素化合物に対して不活性な溶媒を反応溶媒として用いることも可能である。無溶媒の場合は、反応副生成物であるアルコールの留去が容易になるという利点がある。一方、反応溶媒を用いる場合は、反応系を均一にしやすく、より安定した重縮合反応を行えるという利点がある。
本発明にかかる反応性シリコーン化合物は、アルコキシケイ素化合物の構造が一つの特徴となっている。本発明に用いられるアルコキシケイ素化合物に含まれる反応性基(重合性二重結合)は、ラジカル的又はイオン(アニオン、カチオン)的に容易に重合し、重合後(硬化後)は高い耐熱性を示す。
このようなアルコキシケイ素化合物とジアリールケイ酸化合物とを重縮合させ、耐熱性の高いシリコーン化合物とするとき、生成物が液体状態を保つよう、適度な重合度で反応を停止させる必要がある。なお本発明で用いるアルコキシケイ素化合物は積極的に加水分解しないことから、ジアリールケイ酸化合物との重縮合反応が穏やかであり、重合度を制御しやすい特徴がある。
アルコキシケイ素化合物とジアリールケイ酸化合物の脱アルコールによる重縮合反応は、無溶媒下で行うことも可能だが、後述するトルエンなどのアルコキシケイ素化合物に対して不活性な溶媒を反応溶媒として用いることも可能である。無溶媒の場合は、反応副生成物であるアルコールの留去が容易になるという利点がある。一方、反応溶媒を用いる場合は、反応系を均一にしやすく、より安定した重縮合反応を行えるという利点がある。
反応性シリコーン化合物の合成反応は、前述のように無溶媒で行ってもよいが、より均一化させるために溶媒を使用しても問題ない。溶媒は、ジアリールケイ酸化合物及びアルコキシケイ素化合物と反応せず、その縮合物を溶解するものであれば特に限定されない。
このような反応溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセロソルブ、ジエチルカルビトール等のグリコールエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類などが挙げられる。これら溶媒は、一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、トルエンが好ましい。
このような反応溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセロソルブ、ジエチルカルビトール等のグリコールエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類などが挙げられる。これら溶媒は、一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、トルエンが好ましい。
本発明で用いる反応性シリコーン化合物は、式[1]で表されるジアリールケイ酸化合物と式[2]で表されるアルコキシケイ素化合物とを、酸又は塩基性触媒の存在下で、脱アルコール縮合を行うことにより得られる。反応は水分の混入を防ぐ目的から、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で行うことが望ましい。反応温度は20〜150℃、より好ましくは30〜120℃である。
反応時間は、重縮合物の分子量増加が終了し、分子量分布が安定するのに必要な時間以上なら、特に制限は受けず、より具体的には数時間から数日間である。
反応時間は、重縮合物の分子量増加が終了し、分子量分布が安定するのに必要な時間以上なら、特に制限は受けず、より具体的には数時間から数日間である。
重縮合反応の終了後、得られた反応性シリコーン化合物をろ過、溶媒留去等の任意の方法で回収し、必要に応じて適宜精製処理を行うことが好ましい。
このような反応によって得られた重縮合化合物は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwが500〜10,000であり、分散度Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は1.0〜10である。
<(b)重合開始剤>
本発明に用いられる(b)重合開始剤としては、光重合開始剤及び熱重合開始剤の何れも使用することができる。
本発明に用いられる(b)重合開始剤としては、光重合開始剤及び熱重合開始剤の何れも使用することができる。
光重合開始剤としては、例えば、アルキルフェノン類、ベンゾフェノン類、アシルホスフィンオキシド類、ミヒラーのベンゾイルベンゾエート類、オキシムエステル類、テトラメチルチウラムモノスルフィド類、チオキサントン類等が挙げられる。
特に、光開裂型の光ラジカル重合開始剤が好ましい。光開裂型の光ラジカル重合開始剤については、最新UV硬化技術(159頁、発行人:高薄一弘、発行所:(株)技術情報協会、1991年発行)に記載されているものが挙げられる。
市販されている光ラジカル重合開始剤としては、例えば、IRGACURE(登録商標)184、同369、同651、同500、同819、同907、同784、同2959、同CGI1700、同CGI1750、同CGI1850、同CG24−61、同TPO(旧名:LUCIRIN(登録商標)TPO)、Darocur(登録商標)1116、同1173[以上、BASFジャパン(株)製]、ESACURE KIP150、同KIP65LT、同KIP100F、同KT37、同KT55、同KTO46、同KIP75[以上、ランベルティ社製]等が挙げられる。
特に、光開裂型の光ラジカル重合開始剤が好ましい。光開裂型の光ラジカル重合開始剤については、最新UV硬化技術(159頁、発行人:高薄一弘、発行所:(株)技術情報協会、1991年発行)に記載されているものが挙げられる。
市販されている光ラジカル重合開始剤としては、例えば、IRGACURE(登録商標)184、同369、同651、同500、同819、同907、同784、同2959、同CGI1700、同CGI1750、同CGI1850、同CG24−61、同TPO(旧名:LUCIRIN(登録商標)TPO)、Darocur(登録商標)1116、同1173[以上、BASFジャパン(株)製]、ESACURE KIP150、同KIP65LT、同KIP100F、同KT37、同KT55、同KTO46、同KIP75[以上、ランベルティ社製]等が挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば、アゾ類、有機過酸化物類等が挙げられる。
市販されているアゾ系熱重合開始剤としては、例えば、V−30、V−40、V−59、V−60、V−65、V−70[以上、和光純薬工業(株)製]等を挙げることができる。
また市販されている有機過酸化物系熱重合開始剤としては、例えば、パーカドックス(登録商標)CH、同BC−FF、同14、同16、トリゴノックス(登録商標)22、同23、同121、カヤエステル(登録商標)P、同O、カヤブチル(登録商標)B[以上、化薬アクゾ(株)製]、パーヘキサ(登録商標)HC、パークミル(登録商標)H、パーオクタ(登録商標)O、パーヘキシル(登録商標)O、同Z、パーブチル(登録商標)O、同Z[以上、日油(株)製]等が挙げられる。
市販されているアゾ系熱重合開始剤としては、例えば、V−30、V−40、V−59、V−60、V−65、V−70[以上、和光純薬工業(株)製]等を挙げることができる。
また市販されている有機過酸化物系熱重合開始剤としては、例えば、パーカドックス(登録商標)CH、同BC−FF、同14、同16、トリゴノックス(登録商標)22、同23、同121、カヤエステル(登録商標)P、同O、カヤブチル(登録商標)B[以上、化薬アクゾ(株)製]、パーヘキサ(登録商標)HC、パークミル(登録商標)H、パーオクタ(登録商標)O、パーヘキシル(登録商標)O、同Z、パーブチル(登録商標)O、同Z[以上、日油(株)製]等が挙げられる。
これら重合開始剤は一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。また、その添加量としては、(a)反応性シリコーン化合物100質量部に対して0.1〜10質量部、さらに好ましくは0.3〜5質量部である。
<(c)有機溶媒>
本発明に用いられる(c)有機溶媒としては、前記(a)反応性シリコーン化合物及び(b)重合開始剤を、溶解又は均一分散し得るものであれば特に限定されない。
本発明に用いられる(c)有機溶媒としては、前記(a)反応性シリコーン化合物及び(b)重合開始剤を、溶解又は均一分散し得るものであれば特に限定されない。
このような有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素類;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、オルトジクロロベンゼン等のハロゲン化物類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸n−プロピル、酢酸シクロヘキシル等のエステル類;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート等のエーテルエステル類;ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等のアミド類が挙げられる。これら溶媒は、一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。
これら有機溶媒の含有量は、上記(a)反応性シリコーン化合物100質量部に対して、30〜3,000質量部であることが好ましく、50〜1,000質量部であることがより好ましい。
<その他添加剤>
さらに、本発明の絶縁膜形成用重合性組成物には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、反応性希釈剤、光増感剤、可塑剤、チクソ性付与剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、分散剤、界面活性剤、表面調整剤、消泡剤、顔料、染料等の任意成分を配合することができる。
さらに、本発明の絶縁膜形成用重合性組成物には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、反応性希釈剤、光増感剤、可塑剤、チクソ性付与剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、分散剤、界面活性剤、表面調整剤、消泡剤、顔料、染料等の任意成分を配合することができる。
<絶縁膜形成用重合性組成物の調製方法>
本発明の絶縁膜形成用重合性組成物の調製方法は、特に限定されない。調製方法としては、例えば、(a)成分、(b)成分及び(c)成分を所定の割合で混合し、所望によりその他添加剤をさらに添加して混合し、均一な溶液とする方法等が挙げられる。
また、絶縁膜形成用重合性組成物は、孔径が0.05〜0.2μmのフィルタなどを用いてろ過した後、使用することが好ましい。
本発明の絶縁膜形成用重合性組成物の調製方法は、特に限定されない。調製方法としては、例えば、(a)成分、(b)成分及び(c)成分を所定の割合で混合し、所望によりその他添加剤をさらに添加して混合し、均一な溶液とする方法等が挙げられる。
また、絶縁膜形成用重合性組成物は、孔径が0.05〜0.2μmのフィルタなどを用いてろ過した後、使用することが好ましい。
<<絶縁膜>>
本発明はまた、上記絶縁膜形成用重合性組成物を光又は熱重合して形成される絶縁膜に関する。
本発明の絶縁膜は、上記絶縁膜形成用重合性組成物を基材上に塗布後、該塗膜を露光又は加熱し、反応性シリコーン化合物が有する重合性二重結合を反応させることで形成することができる。
本発明はまた、上記絶縁膜形成用重合性組成物を光又は熱重合して形成される絶縁膜に関する。
本発明の絶縁膜は、上記絶縁膜形成用重合性組成物を基材上に塗布後、該塗膜を露光又は加熱し、反応性シリコーン化合物が有する重合性二重結合を反応させることで形成することができる。
[基材]
前記基材としては、特に限定されず、用途に応じて、シリコン基板、ガラス基板、金属板、プラスチック板等が用いられる。基材上に形成される本発明の絶縁膜の厚さは、用途によっても異なるが、例えば半導体素子の絶縁膜や有機薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として使用する場合は、通常10nm〜10μmが目安となる。
前記基材としては、特に限定されず、用途に応じて、シリコン基板、ガラス基板、金属板、プラスチック板等が用いられる。基材上に形成される本発明の絶縁膜の厚さは、用途によっても異なるが、例えば半導体素子の絶縁膜や有機薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として使用する場合は、通常10nm〜10μmが目安となる。
[塗布方法]
上記塗布方法としては、特に限定されず、例えば、ディップコート法、キャストコート法、ロールコート法、スプレーコート法、スピンコート法、バーコート法、ブレードコート法、ダイコート法等を使用することができ、印刷法(凸版、凹版、平版、スクリーン、インクジェット等)によればパターニングされた膜を形成することができる。
また、塗布後、有機溶媒を除去するために加熱処理(プリベークともいう)を行う。加熱処理の条件は、使用した有機溶媒の沸点や蒸気圧、本発明の絶縁膜形成用重合性組成物を用いて形成した層(塗膜)の厚さ、前記基材の耐熱温度等に応じて適宜選択されるが、通常60〜140℃で30秒〜10分の加熱処理を施す。
上記塗布方法としては、特に限定されず、例えば、ディップコート法、キャストコート法、ロールコート法、スプレーコート法、スピンコート法、バーコート法、ブレードコート法、ダイコート法等を使用することができ、印刷法(凸版、凹版、平版、スクリーン、インクジェット等)によればパターニングされた膜を形成することができる。
また、塗布後、有機溶媒を除去するために加熱処理(プリベークともいう)を行う。加熱処理の条件は、使用した有機溶媒の沸点や蒸気圧、本発明の絶縁膜形成用重合性組成物を用いて形成した層(塗膜)の厚さ、前記基材の耐熱温度等に応じて適宜選択されるが、通常60〜140℃で30秒〜10分の加熱処理を施す。
[硬化方法]
光重合に用いる活性光線としては、例えば、紫外線、X線、電子線等が挙げられる。紫外線照射に用いる光源としては、太陽光線、ケミカルランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、UV−LED等が使用できる。また、光重合後、必要に応じてポストベークを行うことにより、具体的にはホットプレート、オーブン等を用いて加熱することにより重合を完結させることができる。
熱重合における加熱条件としては、特に限定されないが、通常、50〜250℃、1〜120分間の範囲から適宜選択される。また、加熱手段としては、特に限定されないが、例えば、ホットプレート、オーブン等が挙げられる。
光重合に用いる活性光線としては、例えば、紫外線、X線、電子線等が挙げられる。紫外線照射に用いる光源としては、太陽光線、ケミカルランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、UV−LED等が使用できる。また、光重合後、必要に応じてポストベークを行うことにより、具体的にはホットプレート、オーブン等を用いて加熱することにより重合を完結させることができる。
熱重合における加熱条件としては、特に限定されないが、通常、50〜250℃、1〜120分間の範囲から適宜選択される。また、加熱手段としては、特に限定されないが、例えば、ホットプレート、オーブン等が挙げられる。
こうして本発明の絶縁膜形成用重合性組成物から得られる絶縁膜は、250℃以下の比較的低温で製造可能であり、電界強度1MV/cmにおけるリーク電流値が1.0×10−8A/cm2未満であり、かつ絶縁耐圧が7MV/cm以上という、高い絶縁耐圧及び低いリーク電流を有する絶縁膜である。そのため、特に有機半導体材料を用いた薄膜トランジスタにおいて好適に使用される。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例において、試料の調製及び物性の分析に用いた装置及び条件は、以下の通りである。
なお、実施例において、試料の調製及び物性の分析に用いた装置及び条件は、以下の通りである。
(1)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
<製造例1乃至6>
装置:(株)島津製作所製 Prominence(登録商標)GPCシステム
カラム:昭和電工(株)製 Shodex(登録商標)GPC KF−804L及びGPC KF−803L
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
検出器:UV(254nm)
検量線:標準ポリスチレン
<製造例7>
装置:日本分光(株)製 LC−2000Plus
カラム:昭和電工(株)製 Shodex(登録商標)GPC KF−801、GPC KF−802、及びGPC KF−803
カラム温度:40℃
溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
検出器:RI
検量線:標準ポリエチレングリコール
(2)撹拌脱泡機
装置:(株)シンキー製 自転・公転ミキサー あわとり練太郎(登録商標)ARE−310
(3)スピンコーター
装置:ミカサ(株)製 MS−A150
(4)電気特性(リーク電流、絶縁耐圧)測定
装置:Four Dimensions社製 CVmap92A
(5)光線透過率
装置:(株)島津製作所製 紫外可視分光光度計UV−3100
<製造例1乃至6>
装置:(株)島津製作所製 Prominence(登録商標)GPCシステム
カラム:昭和電工(株)製 Shodex(登録商標)GPC KF−804L及びGPC KF−803L
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
検出器:UV(254nm)
検量線:標準ポリスチレン
<製造例7>
装置:日本分光(株)製 LC−2000Plus
カラム:昭和電工(株)製 Shodex(登録商標)GPC KF−801、GPC KF−802、及びGPC KF−803
カラム温度:40℃
溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
検出器:RI
検量線:標準ポリエチレングリコール
(2)撹拌脱泡機
装置:(株)シンキー製 自転・公転ミキサー あわとり練太郎(登録商標)ARE−310
(3)スピンコーター
装置:ミカサ(株)製 MS−A150
(4)電気特性(リーク電流、絶縁耐圧)測定
装置:Four Dimensions社製 CVmap92A
(5)光線透過率
装置:(株)島津製作所製 紫外可視分光光度計UV−3100
[製造例1]反応性シリコーン1の製造
凝縮器を備えた100mLのナス型フラスコに、ジフェニルシランジオール[東京化成工業(株)製]26.0g(0.12mol)、トリメトキシ(4−ビニルフェニル)シラン[信越化学工業(株)製]22.4g(0.10mol)、及びトルエン19gを仕込み、窒素バルーンを用いてフラスコ中の空気を窒素で置換した。この反応混合物を50℃に加熱後、水酸化バリウム一水和物[アルドリッチ社製]41.7mg(0.22mmol)を添加し、さらに50℃で2日間撹拌して脱アルコール縮合を行った。
反応混合物を室温(およそ25℃)まで冷却し、孔径0.2μmのメンブレンフィルタを用いて不溶物を除去した。ロータリーエバポレーターを用いて、この反応混合物からトルエン及び副生成物のメタノールを50℃で減圧留去することで、無色透明油状物の反応性シリコーン1を得た。
得られた化合物のGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量:Mwは1,800、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は1.3であった。
凝縮器を備えた100mLのナス型フラスコに、ジフェニルシランジオール[東京化成工業(株)製]26.0g(0.12mol)、トリメトキシ(4−ビニルフェニル)シラン[信越化学工業(株)製]22.4g(0.10mol)、及びトルエン19gを仕込み、窒素バルーンを用いてフラスコ中の空気を窒素で置換した。この反応混合物を50℃に加熱後、水酸化バリウム一水和物[アルドリッチ社製]41.7mg(0.22mmol)を添加し、さらに50℃で2日間撹拌して脱アルコール縮合を行った。
反応混合物を室温(およそ25℃)まで冷却し、孔径0.2μmのメンブレンフィルタを用いて不溶物を除去した。ロータリーエバポレーターを用いて、この反応混合物からトルエン及び副生成物のメタノールを50℃で減圧留去することで、無色透明油状物の反応性シリコーン1を得た。
得られた化合物のGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量:Mwは1,800、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は1.3であった。
[製造例2]反応性シリコーン2の製造
ジフェニルシランジオールの使用量を30.3g(0.14mol)に、トルエンの使用量を21gに、水酸化バリウム一水和物の使用量を45.4mg(0.24mmol)に変更した以外は製造例1と同様の操作を行い、無色透明油状物の反応性シリコーン2を得た。
得られた化合物のGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量:Mwは2,000、分散度:Mw/Mnは1.4であった。
ジフェニルシランジオールの使用量を30.3g(0.14mol)に、トルエンの使用量を21gに、水酸化バリウム一水和物の使用量を45.4mg(0.24mmol)に変更した以外は製造例1と同様の操作を行い、無色透明油状物の反応性シリコーン2を得た。
得られた化合物のGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量:Mwは2,000、分散度:Mw/Mnは1.4であった。
[製造例3]反応性シリコーン3の製造
ジフェニルシランジオールの使用量を32.4g(0.15mol)に、トルエンの使用量を22gに、水酸化バリウム一水和物の使用量を47.3mg(0.25mmol)に変更した以外は製造例1と同様の操作を行い、無色透明油状物の反応性シリコーン3を得た。
得られた化合物のGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量:Mwは2,000、分散度:Mw/Mnは1.4であった。
ジフェニルシランジオールの使用量を32.4g(0.15mol)に、トルエンの使用量を22gに、水酸化バリウム一水和物の使用量を47.3mg(0.25mmol)に変更した以外は製造例1と同様の操作を行い、無色透明油状物の反応性シリコーン3を得た。
得られた化合物のGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量:Mwは2,000、分散度:Mw/Mnは1.4であった。
[製造例4]反応性シリコーン4の製造
凝縮器を備えた100mLのナス型フラスコに、ジフェニルシランジオール[東京化成工業(株)製]15.1g(0.07mol)、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン[信越化学工業(株)製]12.4g(0.05mol)、及びトルエン11gを仕込み、窒素バルーンを用いてフラスコ中の空気を窒素で置換した。この反応混合物を50℃に加熱後、水酸化バリウム一水和物[アルドリッチ社製]22.7mg(0.12mmol)を添加し、さらに50℃で2日間撹拌して脱アルコール縮合を行った。
反応混合物を室温(およそ25℃)まで冷却し、孔径0.2μmのメンブレンフィルタを用いて不溶物を除去した。ロータリーエバポレーターを用いて、この反応混合物からトルエン及び副生成物のメタノールを50℃で減圧留去することで、無色透明油状物の反応性シリコーン4を得た。
得られた化合物のGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量:Mwは1,800、分散度:Mw/Mnは1.3であった。
凝縮器を備えた100mLのナス型フラスコに、ジフェニルシランジオール[東京化成工業(株)製]15.1g(0.07mol)、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン[信越化学工業(株)製]12.4g(0.05mol)、及びトルエン11gを仕込み、窒素バルーンを用いてフラスコ中の空気を窒素で置換した。この反応混合物を50℃に加熱後、水酸化バリウム一水和物[アルドリッチ社製]22.7mg(0.12mmol)を添加し、さらに50℃で2日間撹拌して脱アルコール縮合を行った。
反応混合物を室温(およそ25℃)まで冷却し、孔径0.2μmのメンブレンフィルタを用いて不溶物を除去した。ロータリーエバポレーターを用いて、この反応混合物からトルエン及び副生成物のメタノールを50℃で減圧留去することで、無色透明油状物の反応性シリコーン4を得た。
得られた化合物のGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量:Mwは1,800、分散度:Mw/Mnは1.3であった。
[製造例5]反応性シリコーン5の製造
ジフェニルシランジオールの使用量を21.6g(0.10mol)に、トルエンの使用量を18gに、水酸化バリウム一水和物の使用量を37.9mg(0.20mmol)に変更した以外は製造例1と同様の操作を行い、無色透明油状物の反応性シリコーン5を得た。
得られた化合物のGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量:Mwは1,500、分散度:Mw/Mnは1.3であった。
ジフェニルシランジオールの使用量を21.6g(0.10mol)に、トルエンの使用量を18gに、水酸化バリウム一水和物の使用量を37.9mg(0.20mmol)に変更した以外は製造例1と同様の操作を行い、無色透明油状物の反応性シリコーン5を得た。
得られた化合物のGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量:Mwは1,500、分散度:Mw/Mnは1.3であった。
[製造例6]反応性シルセスキオキサンの製造
凝縮器を備えた50mLの反応器に、トリメトキシ(4−ビニルフェニル)シラン[信越化学工業(株)製]3.4g(0.015mol)、トリメトキシ(フェニル)シラン[信越化学工業(株)製]3.0g(0.015mol)、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)19gを仕込み、窒素バルーンを用いてフラスコ中の空気を窒素で置換した。この反応混合物を0℃に冷却後、0.7質量%塩酸水溶液3.2gを滴下し、10分間撹拌した。次いで、この反応混合物に、水酸化カリウム[和光純薬工業(株)製]0.094g(1.6mmol)を加え、80℃で6時間撹拌した。
反応混合物を室温(およそ25℃)まで冷却し、メチルイソブチルケトン31gを加えた後、水層が中性〜塩基性になるまで、分液ロートを用いて硫酸ナトリウム2質量%水溶液で洗浄した。得られた有機層を、ロータリーエバポレーターを用いて蒸発乾固した。この残渣をテトラヒドロフラン5gに溶解し、500gのヘキサンに滴下して再沈殿させた。析出した固体を、孔径0.2μmのメンブレンフィルタでろ過、乾燥することで反応性シルセスキオキサンを得た。
得られた化合物のGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量:Mwは5,500、分散度:Mw/Mnは1.7であった。
凝縮器を備えた50mLの反応器に、トリメトキシ(4−ビニルフェニル)シラン[信越化学工業(株)製]3.4g(0.015mol)、トリメトキシ(フェニル)シラン[信越化学工業(株)製]3.0g(0.015mol)、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)19gを仕込み、窒素バルーンを用いてフラスコ中の空気を窒素で置換した。この反応混合物を0℃に冷却後、0.7質量%塩酸水溶液3.2gを滴下し、10分間撹拌した。次いで、この反応混合物に、水酸化カリウム[和光純薬工業(株)製]0.094g(1.6mmol)を加え、80℃で6時間撹拌した。
反応混合物を室温(およそ25℃)まで冷却し、メチルイソブチルケトン31gを加えた後、水層が中性〜塩基性になるまで、分液ロートを用いて硫酸ナトリウム2質量%水溶液で洗浄した。得られた有機層を、ロータリーエバポレーターを用いて蒸発乾固した。この残渣をテトラヒドロフラン5gに溶解し、500gのヘキサンに滴下して再沈殿させた。析出した固体を、孔径0.2μmのメンブレンフィルタでろ過、乾燥することで反応性シルセスキオキサンを得た。
得られた化合物のGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量:Mwは5,500、分散度:Mw/Mnは1.7であった。
[製造例7]ポリアミック酸の製造
1Lの三角フラスコに、パラフェニレンジアミン[東京化成工業(株)製]20.4g(0.19mol)、及びジメチルアセトアミド425gを仕込み、10分間撹拌した。この反応混合物へ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸3,4:3’,4’−二無水物[東京化成工業(株)製]54.5g(0.19mol)を加えた。フラスコ中の空気を窒素で置換し24時間撹拌することで、高粘性黒色油状物のポリアミック酸を得た。
得られた化合物のGPCによるポリエチレングリコール換算で測定される重量平均分子量:Mwは30,000、分散度:Mw/Mnは2.1であった。
1Lの三角フラスコに、パラフェニレンジアミン[東京化成工業(株)製]20.4g(0.19mol)、及びジメチルアセトアミド425gを仕込み、10分間撹拌した。この反応混合物へ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸3,4:3’,4’−二無水物[東京化成工業(株)製]54.5g(0.19mol)を加えた。フラスコ中の空気を窒素で置換し24時間撹拌することで、高粘性黒色油状物のポリアミック酸を得た。
得られた化合物のGPCによるポリエチレングリコール換算で測定される重量平均分子量:Mwは30,000、分散度:Mw/Mnは2.1であった。
[実施例1乃至4、比較例1及び2]
表1に記載の化合物1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)4gに溶解した。この溶液に、界面活性剤としてメガファック(登録商標)F−554[DIC(株)製]の1質量%PGMEA溶液0.1g、及び重合開始剤としてカヤエステル(登録商標)O[化薬アクゾ(株)製]0.01gを加え、2,000rpmで3分間撹拌脱泡することで重合性組成物を得た。
得られた重合性組成物を、ボロンドープシリコンウェハ(比抵抗値:0.01〜0.02Ω・cm)上に、孔径0.1μmのメンブレンシリンジフィルタを通して滴下し、スピンコート(300rpm×5秒間、続けて1,500rpm×30秒間)した。この塗膜を、100℃のホットプレートで1分間乾燥した後、さらに220℃のホットプレートで30分間加熱して硬化膜を得た。
得られた硬化膜の、電界強度1MV/cmにおけるリーク電流、及び絶縁耐圧を測定した。結果を表1に併せて示す。
表1に記載の化合物1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)4gに溶解した。この溶液に、界面活性剤としてメガファック(登録商標)F−554[DIC(株)製]の1質量%PGMEA溶液0.1g、及び重合開始剤としてカヤエステル(登録商標)O[化薬アクゾ(株)製]0.01gを加え、2,000rpmで3分間撹拌脱泡することで重合性組成物を得た。
得られた重合性組成物を、ボロンドープシリコンウェハ(比抵抗値:0.01〜0.02Ω・cm)上に、孔径0.1μmのメンブレンシリンジフィルタを通して滴下し、スピンコート(300rpm×5秒間、続けて1,500rpm×30秒間)した。この塗膜を、100℃のホットプレートで1分間乾燥した後、さらに220℃のホットプレートで30分間加熱して硬化膜を得た。
得られた硬化膜の、電界強度1MV/cmにおけるリーク電流、及び絶縁耐圧を測定した。結果を表1に併せて示す。
[比較例3]
製造例7で得られたポリアミック酸 1gを、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)12gに溶解した。
この溶液を、実施例1と同じボロンドープシリコンウェハ上に、孔径0.45μmのメンブレンシリンジフィルタを通して滴下し、スピンコート(300rpm×5秒間、続けて1,500rpm×30秒間)した。この塗膜を、110℃のホットプレートで1分間乾燥した後、さらに300℃のホットプレートで30分間加熱してイミド化しポリイミド膜を得た。
得られたポリイミド膜の電気特性を実施例1と同様に測定した。結果を表1に併せて示す。
製造例7で得られたポリアミック酸 1gを、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)12gに溶解した。
この溶液を、実施例1と同じボロンドープシリコンウェハ上に、孔径0.45μmのメンブレンシリンジフィルタを通して滴下し、スピンコート(300rpm×5秒間、続けて1,500rpm×30秒間)した。この塗膜を、110℃のホットプレートで1分間乾燥した後、さらに300℃のホットプレートで30分間加熱してイミド化しポリイミド膜を得た。
得られたポリイミド膜の電気特性を実施例1と同様に測定した。結果を表1に併せて示す。
[実施例5]
界面活性剤の添加量を0.3gに変更した以外は実施例3と同様に操作し、重合性組成物を得た。
得られた重合性組成物を、石英ガラス基板上に孔径0.1μmのメンブレンシリンジフィルタを通して滴下し、スピンコート(300rpm×5秒間、続けて1,000rpm×30秒間)した。この塗膜を、100℃のホットプレートで1分間乾燥した後、さらに220℃のホットプレートで30分間加熱して硬化膜を得た。
得られた硬化膜の波長400nmの光線透過率は99%以上であった。
界面活性剤の添加量を0.3gに変更した以外は実施例3と同様に操作し、重合性組成物を得た。
得られた重合性組成物を、石英ガラス基板上に孔径0.1μmのメンブレンシリンジフィルタを通して滴下し、スピンコート(300rpm×5秒間、続けて1,000rpm×30秒間)した。この塗膜を、100℃のホットプレートで1分間乾燥した後、さらに220℃のホットプレートで30分間加熱して硬化膜を得た。
得られた硬化膜の波長400nmの光線透過率は99%以上であった。
表1に示すように、本発明の絶縁膜形成用重合性組成物から形成された硬化膜(実施例1乃至4)は、電界強度1MV/cmにおけるリーク電流値が1.0×10−8A/cm2未満であり、かつ絶縁耐圧が7MV/cm以上であり、極めて高い絶縁耐圧と極めて低いリーク電流を両立する絶縁膜を達成するという結果が得られた。また実施例5に示すように、本発明の絶縁膜形成用重合性組成物から形成された硬化膜は、高い透明性を有していた。
一方、[OH]/[OCH3]のモル比が0.7〜1.4の範囲外にある反応性シリコーンを用いた組成物からなる硬化膜(比較例1)や、シルセスキオキサンを用いた組成物からなる硬化膜(比較例2)は、リーク電流が10−8A/cm2のオーダーとなった。さらにポリイミドを用いた組成物からなる硬化膜(比較例3)は硬化の際に300℃という高温処理を要し、また実施例に比べて低い絶縁耐圧(3.8MV/cm)となった。
一方、[OH]/[OCH3]のモル比が0.7〜1.4の範囲外にある反応性シリコーンを用いた組成物からなる硬化膜(比較例1)や、シルセスキオキサンを用いた組成物からなる硬化膜(比較例2)は、リーク電流が10−8A/cm2のオーダーとなった。さらにポリイミドを用いた組成物からなる硬化膜(比較例3)は硬化の際に300℃という高温処理を要し、また実施例に比べて低い絶縁耐圧(3.8MV/cm)となった。
本発明の絶縁膜形成用重合性組成物より形成される硬化物は、高い透明性と優れた電気特性を有するものであることから、ディスプレイ向けの絶縁膜として好適に使用することができる。
Claims (7)
- (a)下記式[1]で表されるジアリールケイ酸化合物と下記式[2]で表されるアルコキシケイ素化合物とを、酸又は塩基の存在下、該ジアリールケイ酸化合物のOH基と該アルコキシケイ素化合物のOR1基とのモル比が[OH]/[OR1]=0.70〜1.4となる割合で重縮合して得られる反応性シリコーン化合物100質量部、
(b)重合開始剤0.1〜10質量部、及び
(c)有機溶媒30〜3,000質量部
を含む、絶縁膜形成用重合性組成物。
- 前記ジアリールケイ酸化合物のOH基と前記アルコキシケイ素化合物のOR1基とのモル比が、[OH]/[OR1]=0.90〜1.1である、請求項1に記載の絶縁膜形成用重合性組成物。
- 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の絶縁膜形成用重合性組成物を、光又は熱重合することにより形成される、絶縁膜。
- 電界強度1MV/cmにおけるリーク電流値が1.0×10−8A/cm2未満であり、かつ絶縁耐圧が7MV/cm以上である、請求項4に記載の絶縁膜。
- 請求項4又は請求項5に記載の絶縁膜を備える薄膜トランジスタ。
- (a)下記式[1]で表されるジアリールケイ酸化合物と下記式[2]で表されるアルコキシケイ素化合物とを、酸又は塩基の存在下、該ジアリールケイ酸化合物のOH基と該アルコキシケイ素化合物のOR1基とのモル比が[OH]/[OR1]=0.70〜1.4となる割合で重縮合して得られる反応性シリコーン化合物100質量部、
(b)重合開始剤0.1〜10質量部、及び
(c)有機溶媒30〜3,000質量部
を含む重合性組成物の絶縁膜形成への使用。
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