JP2008088238A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 グリシジル基含有ビニル単量体を必須構成単量体としてなるポリマー(A)、多価カルボン酸無水物(B)及び2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C)を含有し、ポリシロキサン(C)が下記一般式(1)で表されるシラン化合物(c1)を必須構成単量体とする縮合物である、カラーフィルター基板保護膜用熱硬化性樹脂組成物(Q)。
【化4】
式中、R1は(メタ)アクリロイロキシアルキル基、グリシドキシアルキル基、メルカプトアルキル基、及びアミノアルキル基からなる群から選ばれる1種以上の有機基、R2は炭素数1〜12の脂肪族飽和炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R3は炭素数1〜4のアルキル基、mは0または1である。
【選択図】なし
Description
また、表示ムラを抑制するためセルギャップを均一にすることが特に重要であり、カラーフィルター保護膜には高い平坦性が求められる。
また、特許文献−2に、低分子量のポリマーを使用することで平坦性を向上できる技術が開示されている。
本発明は、耐熱透明性、平坦性に優れたカラー基板保護膜を与える熱硬化性樹脂組成物、および該樹脂組成物から得られるカラーフィルター基板保護膜を提供することを課題とする。
すなわち本発明は、
グリシジル基含有ビニル単量体を必須構成単量体としてなるポリマー(A)、多価カルボン酸無水物(B)及び2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C)を含有し、該ポリシロキサン(C)が下記一般式(1)で表されるシラン化合物(c1)を必須構成単量体とする縮合物である、カラーフィルター基板保護膜用熱硬化性樹脂組成物(Q);
及び該熱硬化性樹脂組成物を硬化させて形成された、カラーフィルター保護のために設けられた保護膜である。
・耐熱透明性に優れる。
・平坦性に優れる。
なお、上記及び以下において、例えば「(メタ)アクリレート」などの(メタ)を付した表現は「アクリレートおよび/またはメタクリレート」などを意味する。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのうち、好ましいのは共重合性の観点からメタクリル酸メチルである。
溶剤としては、、たとえば、芳香族炭化水素系溶剤、脂肪族または脂環式炭化水素系溶剤、ハロゲン系溶剤、エステル系またはエステルエーテル系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、アミド系溶剤、スルホキシド系溶剤、複素環式化合物系溶剤、ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。これらのうち好ましいのはケトン系溶剤またはエーテル系溶剤である。
ラリンなどが挙げられる。
脂肪族または脂環式炭化水素系溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、
ミネラルスピリット、シクロヘキサンなどが挙げられる。
ハロゲン系溶剤溶剤としては、例えば、塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチ
レンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどが挙げら
れる。
エステル系またはエステルエーテル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル
、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテー
トなどが挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルな
どが挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが
挙げられる。
スルホキシド系溶剤としては、例えば、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
複素環式化合物系溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。グリコールジエーテル類(エチレングリコールジアルキルエーテルおよびプロピレングリコールジアルキルエーテルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソフ゛チルケトンなど)及びハロゲン化炭化水素類(ジクロルエタンなど)が挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、通常の過酸化物及びアゾ化合物が挙げられ、好ましいものはアゾ化合物である。重合開始剤の使用量は、モノマーの合計重量に基づいて、通常、0.0001〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜15%、特に好ましくは0.005〜10%である。反応温度は、ラジカル重合開始剤の種類により適宜決定されるが好ましくは40〜150℃である。
「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE, FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(147〜154頁)」
SP値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(分散性が高い)、この数値が離れているものは混ざりにくいことを表す指標である。
R1として好ましいものは熱硬化性の観点から(メタ)アクリロイロキシアルキル基およびグリシドキシアルキル基である。
直鎖アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−オクチルおよびn−ドデシル基およびこれらの重水素置換体、分岐アルキル基としてはイソプロピル、イソブチル、sec−ブチルおよび2−エチルヘキシル基など、並びに環式飽和炭化水素基としてはシクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基およびメチルシクロヘキシル基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、アリール基、アラルキル基およびアルキルアリール基が挙げられる。
アリール基としてはフェニル、ビフェニル、ナフチル基およびこれらの重水素、フッ素もしくは塩素の各置換体;アラルキル基としてはトリル、キシリル、メシチルおよびこれらの重水素、フッ素もしくは塩化物;並びに、アルキルアリール基としてはメチルフェニルおよびエチルフェニル基などが挙げられる。
R2のうち好ましいのは熱硬化反応性の観点から直鎖アルキル基、分岐アルキル基およびアリール基、さらに好ましいのは直鎖アルキル基およびアリール基、特に好ましいのはメチル基、エチル基、フェニル基およびこれらの併用である。
R3としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基およびsec−ブチル基などが挙げられ、好ましいのは熱硬化反応性の観点からメチル基およびエチル基である。
mが0、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物・・・3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン等
mが1、すなわちアルコキシ基を2個有する3官能シラン化合物・・・3−メタクリロイロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロイロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイロキシプロピルメチルジエトキシシラン等
mが0、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物・・・3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等
mが1、すなわちアルコキシ基を2個有する3官能シラン化合物・・・3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等
mが0、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物・・・3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等
mが1、すなわちアルコキシ基を2個有する3官能シラン化合物・・・3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等
mが0、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物・・・N−2アミノエチルγーアミノプロピルトリメトキシシラン、N−2アミノエチルγーアミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等
mが1、すなわちアルコキシ基を2個有する3官能シラン化合物・・・N−2アミノエチルγーアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2アミノエチルγーアミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等
さらに好ましいのは、アルコキシ基を3個有する(メタ)アクリロイロキシアルキル基含有3官能シラン化合物、およびアルコキシ基を3個有するグリシドキシアルキル基含有3官能シラン化合物であり、特に好ましいのは、3−アクリロイロキシプロピルトリメトキシシランおよび3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである。
他のシラン化合物(c2)としては、一般式(2)で表されるシラン化合物が挙げられる。
R2 nSi(OR3)4-n (2)
式中、R2は炭素数1〜12の脂肪族飽和炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、R3は炭素数1〜4のアルキル基であり、nは0〜2の整数である。
R2のうち好ましいのは直鎖アルキル基、分岐アルキル基およびアリール基、さらに好ましいのは直鎖アルキル基およびアリール基、特に好ましいのはメチル基、エチル基、フェニル基およびこれらの併用である。
R3として好ましいのはメチル基およびエチル基である。
nが1、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物としては、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランおよびメチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
nが2、すなわちアルコキシ基を2個有する2官能シラン化合物としては、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシランおよびフェニルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
ポリシロキサン(C)の均一なネットワークの形成の観点から、これらのうち好ましくは、nが1、すなわち3官能シラン化合物である。
触媒の添加量は(c1)および(c2)の合計100重量部に対して、0.0001〜10重量部、好ましくは、0.001〜1重量部である。触媒の添加方法は特に規定されないが好ましくは水溶液として加える。また、好ましい反応温度は20℃〜100℃である。
(C)のSP値は、前述の(B)のSP値との差を−2.0〜2.0に設定し易いという観点から、好ましくは7〜13、さらに好ましくは8〜12、特に好ましくは8〜11、最も好ましくは8〜10.5である。
(D)としては、硬化促進剤(D1)、酸発生剤(D2)、溶剤(D3)、無機微粒子(D4)並びにその他の添加剤(D5)(例えば、レベリング剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、熱ラジカル開始剤及び酸化防止剤等)が挙げられる。
具体的には、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、インドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、イソシアヌル酸等が挙げられる。これらの内好ましくは、イミダゾールであり、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチル−1− (2'−シアノエチル) イミダゾール、ベンズイミダゾール等が挙げられる。更に好ましくは、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾールである。硬化促進剤(D1)を使用する場合、硬化促進剤の配合量は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づいて、通常10%以下が好ましく、さらに好ましくは0.2〜5%、特に好ましくは0.3〜3%である。
(D2)としては、下記の(i)スルホン化合物、(ii)スルホン酸エステル化合物、(iii)スルホンイミド化合物、(iv)ジスルホニルジアゾメタンおよび(v)オニウム塩が挙げられる。
(i)スルホン化合物
フェナシルフェニルスルホン、4−トリスフェナシルスルホン−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンおよびこれらのα−ジアゾ化合物等
(ii)スルホン酸エステル化合物
ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステル、α−メチロールベンゾイントシレートおよびα−メチロールベンゾインドデシルスルホネート等
(iii)スルホンイミド化合物
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロオクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(ベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミドおよびN−(ベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド等
(iv)ジスルホニルジアゾメタン化合物
ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルエチルスルホニル)ジアゾメタンおよびビス(1、4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−7−スルホニル)ジアゾメタン等
(v)オニウム塩
スルホニウム塩〔ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、アリルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート塩等〕、
ヨードニウム塩(ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等)、ホスホニウム塩(エチルトリフェニルホスホニウムテトラフルオロボレート等)、ジアゾニウム塩(フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等)、アンモニウム塩(1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート等)、およびフェロセン〔(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート等〕等
金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素および酸化アルミニウム等が挙げられる。
金属塩としては、例えば、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウム等が挙げられる。
これらのうちで、耐熱透明性および耐薬品性の観点から、金属酸化物が好ましく、さらに好ましくは、酸化ケイ素および酸化チタン、特に酸化ケイ素が好ましい。
無機微粒子は、体積平均一次粒子径が1〜200nm、耐熱透明性の観点から、好ましくは1〜150nm、さらに好ましくは1〜120nm、特に好ましくは5〜20nmのものである。
また本発明の熱硬化性樹脂組成物は、通常、室温で液状であり、その粘度は、25℃で0.1〜10,00mPa・s、好ましくは5〜2,0mPa・sである。
カラーフィルター基板用保護膜の熱硬化性樹脂組成物として使用される場合の、熱硬化性樹脂組成物(Q)の硬化反応は、150〜250℃の加熱によって、以下のような反応が同時に起こり、複雑な構造の硬化物が生成すると推定される。
(i):グリシジル基含有ポリマー(A)とカルボン酸無水物(B)の熱硬化反応
(ii):グリシジル基含有ポリマー(A)とポリシロキサン(C)中のグリシドキシアルキル基、メルカプトアルキル基及び/又はアミノアルキル基の熱硬化反応
(iii):ポリシロキサン(C)中のアクリロイロキシアルキル基の熱重合反応
(iv):ポリシロキサン(C)中のアルコキシ基と空気中の水分との反応による(C)の架橋反応(この反応は低温でも起こるので、加熱後にも反応は進行する)
本発明のカラーフィルター基板用保護膜は、上記の熱硬化性樹脂組成物(Q)を硬化させて形成されたカラーフィルター保護のために設けられる保護膜である。
カラーフィルター基板用保護膜は、液晶パネルの表示品質にとって重要な役割を果たす。液晶パネルの製造工程において高温処理される工程があるため、カラーフィルター基板用保護膜には高い耐熱透明性が要求される。また、表示ムラを抑制するためセルギャップを均一にすることが特に重要であり、カラーフィルター保護膜には高い平坦性が求められる。
以下、実施例および製造例を以て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、部は重量部を意味する。
<製造例A−1>
加熱冷却・攪拌措置、環流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、グリシジルメタクリレート50部(41モル%)、メチルメタクリレート50部(59モル%)およびシクロヘキサノン270部を仕込み、80℃まで加熱した。系内の気相部分を窒素で置換したのち、あらかじめ作成しておいたアゾビスイソブチロニトリル(V-60:和光純薬製、以下AIBNと称す)5部をシクロヘキサノン50部に溶解した溶液55部を80℃のコルベン中に10分間で滴下し、さらに同温度で3時間反応させ、グリシジル基含有ポリマー(A−1)(Mn:8,400、SP値:9.58)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。なお、MnはGPC測定機器(HLC−8120GPC、東ソー(株)製)、カラム(TSKgel GMHXL2本+TSKgel Multipore HXL−M、東ソ(株)製)を用いて、GPC法により測定されるポリスチレン換算の値として求めた。また、SP値は、前述のようにして求めた。以下の製造例および比較例についても同様の測定法である。
<製造例C−1>
加熱冷却・攪拌措置、環流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、3−アクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン46部(0.2モル部)、ジフェニルジメトキシシラン160部(0.65モル部)とイオン交換水45g(2.5モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去した。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、ポリシロキサン(C−1)(Mn:2,100、粘度:20mPa・s、SP値:9.36)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。また、粘度は25℃の定温下にてBL型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて測定した。以下の製造例および比較例についても同様の測定法である。
製造例C−1と同様のコルベンに、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン170部(0.82モル部)、フェニルトリメトキシシラン40部(0.20モル部)、ジフェニルジメトキシシラン30部(0.12モル部)とイオン交換水40g(2.2モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去した。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、ポリシロキサン(C−2)(Mn:7,800、粘度:70mPa・s、SP値:8.69)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。
製造例C−1と同様のコルベンに、メチルトリメトキシシラン46部(0.34モル部)、フェニルトリメトキシシラン160部(0.80モル部)とイオン交換水45g(2.5モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去した。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、比較のポリシロキサン(C−1’)(Mn:9,400、粘度:250mPa・s、SP値:8.49)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。
製造例C−1と同様のコルベンに、トリメチルモノメトキシシラン119部(1.14モル部)とイオン交換水45g(2.5モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去した。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、比較のポリシロキサン(C−2’)(Mn:350、粘度:4mPa・s、SP値:6.75)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。
[熱硬化性樹脂組成物の製造]
表1の配合部数[それぞれの成分の見かけの重量部、なお( )内は、熱硬化性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく各成分の固形分の重量%(小数点以下1桁を四捨五入)]に従い、ガラス製の容器に各原料を仕込み、均一になるまで攪拌し、さらに追加の溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を添加して実施例の熱硬化性樹脂組成物(Q1)〜(Q4)、および比較例の熱硬化性樹脂組成物(Y1)〜(Y4)を製造した。なお、表1中の略号のうち上記以外のものは以下の通り。
C−3’:片末端グリシジル基変性ポリシロキサン(「X−22−173DX」:信越化学工業社製)(粘度:65mPa・s、SP値:6.66)
D−1(硬化促進剤):2−エチル−4−メチルイミダゾール
D−2(酸発生剤):N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド
熱硬化性樹脂組成物をパターン形成されたガラス基板上に全面塗布し、80℃で20分間乾燥した。次いで、この基板を230℃で30分間熱硬化して、硬化塗膜を有する評価基板を作製し、評価基板の全光線透過率、評価基板を加熱処理後の耐熱透明性、及び平坦性を評価した。
(透過率計:島津製作所社製 UV2400PC)
平坦化率(%)=B/A×100
A・・・(最大膜厚値−最小膜厚値)μm (保護膜形成前)
B・・・(最大膜厚値−最小膜厚値)μm (保護膜形成後)
さらに、その他にも各種の保護膜材料、例えば、TFT基板用保護膜、感光性樹脂凸版、スクリーン版、またはハードコート剤などの用途の熱硬化性樹脂組成物として好適である。
さらに、金属(例えば、鉄、アルミニウム、チタン、銅等)、プラスチック(例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテルフタラート、ポリ(メタ)アクリレート)、紙、ガラス、ゴム及び木材等の各種材料に対するコーティング剤、塗料、印刷インキ及び接着剤としても使用でき、成型材料等としても応用できる。
Claims (6)
- グリシジル基含有ビニル単量体を必須構成単量体としてなるポリマー(A)、多価カルボン酸無水物(B)及び2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C)を含有し、該ポリシロキサン(C)が下記一般式(1)で表されるシラン化合物(c1)を必須構成単量体とする縮合物である、カラーフィルター基板保護膜用熱硬化性樹脂組成物(Q)。
- (c1)が、一般式(1)におけるR1が(メタ)アクリロイロキシアルキル基又はグリシドキシアルキル基であるシラン化合物である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物(Q)。
- ポリシロキサン(C)の粘度が25℃で1〜200mPa・sである請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂組成物(Q)。
- グリシジル基含有ビニル単量体を必須構成単量体としてなるポリマー(A)とポリシロキサン(C)との溶解度パラメーターの差が−2.0〜2.0である請求項1〜3いずれか記載の熱硬化性樹脂組成物(Q)。
- ポリシロキサン(C)の含有量が、熱硬化性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づいて5〜30重量%である請求項1〜4のいずれか記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化させて形成された、カラーフィルター保護のために設けられた保護膜。
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