JP2008088238A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐熱透明性が良好であり、かつ、平坦性が優れた耐熱透明性を有するカラーフィルター基板保護膜用感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 グリシジル基含有ビニル単量体を必須構成単量体としてなるポリマー(A)、多価カルボン酸無水物(B)及び2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C)を含有し、ポリシロキサン(C)が下記一般式(1)で表されるシラン化合物(c1)を必須構成単量体とする縮合物である、カラーフィルター基板保護膜用熱硬化性樹脂組成物(Q)。
【化4】

式中、R1は(メタ)アクリロイロキシアルキル基、グリシドキシアルキル基、メルカプトアルキル基、及びアミノアルキル基からなる群から選ばれる1種以上の有機基、R2は炭素数1〜12の脂肪族飽和炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R3は炭素数1〜4のアルキル基、mは0または1である。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱により硬化するカラーフィルター基板保護膜用熱硬化性樹脂組成物と、該組成物を用いて形成したカラーフィルター基板保護膜に関する。
液晶パネルは、表示側基板と液晶駆動側基板とを対向させ、両者の間に液晶化合物を封入して薄い液晶層を形成し、液晶駆動側基板により液晶層内の液晶配列を電気的に制御して表示側基板の透過光又は反射光の量を選択的に変化させることによって表示を行う。
液晶パネルには、スタティック駆動方式、単純マトリックス方式、アクティブマトリックス方式など種々の駆動方式があるが、近年、パーソナルコンピューターや携帯情報端末などのフラットディスプレーとして、アクティブマトリックス方式の液晶パネルを用いたカラー液晶表示装置が普及してきている。
アクティブマトリックス方式の液晶パネルにおけるカラーフィルター保護膜には、画素部に配合される色材の色調に影響を与えないように優れた透明性が求められる。特にカラーフィルターは、液晶パネルを組み立てる途中で高温にさらされ、例えば、ITO膜を形成する工程においては250℃程度で約1時間ほど加熱される。そのため、カラーフィルター保護膜を形成する樹脂には、このような高温の加熱プロセス中に変色し、透明性の低下などの問題を生じないように、耐熱透明性に優れていることが望まれる。
また、表示ムラを抑制するためセルギャップを均一にすることが特に重要であり、カラーフィルター保護膜には高い平坦性が求められる。
これに対し、特許文献−1に、カルボキシル基及び水酸基を有する(メタ)アクリル系共重合体に(メタ)アクリロイルオキシイソシアネート化合物を付加させてエチレン性二重結合を導入し、光硬化性を付与し、耐熱透明性を向上させることが開示されている。
また、特許文献−2に、低分子量のポリマーを使用することで平坦性を向上できる技術が開示されている。
特開平11−349631号公報 特開平9−100338号公報
しかしながら、上記の樹脂組成物であっても、耐熱透明性及び平坦性が十分ではないという課題があった。
本発明は、耐熱透明性、平坦性に優れたカラー基板保護膜を与える熱硬化性樹脂組成物、および該樹脂組成物から得られるカラーフィルター基板保護膜を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、
グリシジル基含有ビニル単量体を必須構成単量体としてなるポリマー(A)、多価カルボン酸無水物(B)及び2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C)を含有し、該ポリシロキサン(C)が下記一般式(1)で表されるシラン化合物(c1)を必須構成単量体とする縮合物である、カラーフィルター基板保護膜用熱硬化性樹脂組成物(Q);
及び該熱硬化性樹脂組成物を硬化させて形成された、カラーフィルター保護のために設けられた保護膜である。
式中、R1は(メタ)アクリロイロキシアルキル基、グリシドキシアルキル基、メルカプトアルキル基、及びアミノアルキル基からなる群から選ばれる1種以上の有機基、R2は炭素数1〜12の脂肪族飽和炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R3は炭素数1〜4のアルキル基、mは0または1である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物及びそれから得られたカラーフィルター基板保護膜は、以下の効果を奏する。
・耐熱透明性に優れる。
・平坦性に優れる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、グリシジル基含有ビニル単量体を必須構成単量体としてなるポリマー(A)[以下において、単に(A)と表記する場合がある]、多価カルボン酸無水物(B)[以下において、単に(B)と表記する場合がある]、2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C)[以下において、単にポリシロキサン(C)、もしくは単に(C)と表記する場合がある]を含有し、(C)が特定のポリシロキサンであることにより、耐熱透明性及び平坦性に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供するものである。
なお、上記及び以下において、例えば「(メタ)アクリレート」などの(メタ)を付した表現は「アクリレートおよび/またはメタクリレート」などを意味する。
以下において、本発明の熱硬化性樹脂組成物の必須構成成分である(A)〜(C)について、順に説明する。
グリシジル基含有ビニル単量体を必須構成単量体としてなるポリマー(A)はグリシジル基含有ビニル単量体(a1)を必須構成単量体としてなる。(A)としては、グリシジル基含有ビニル単量体(a1)のみからなる単独重合体、並びに(a1)および(a1)と共重合可能な1種類以上の他のラジカル重合性モノマー(a2)の共重合体が挙げられる。
グリシジル基含有ビニル単量体(a1)としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸− 3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸− 4,5−エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸− 6,7−エポキシヘプチル等が挙げられる。これらは単独または2つ以上を同時に使用することができる。これらのうち重合性の観点から(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましい。
グリシジル基含有ビニル単量体(a1)と共重合可能な他のラジカル重合性モノマー(a2)としては、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸及び無水アコニット酸等の不飽和多塩基酸無水物;エチレン、プロピレン及びブテン等の炭素数2〜12のオレフィン系炭化水素;α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン及びビニルフェノール等の芳香族系モノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート及びブチル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー;(メタ)アクリルアミド及びアルキル置換(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド系モノマー;メチルビニルエーテル等のアルキル基の炭素数1〜8のアルキルビニルエーテル系モノマー;酢酸ビニル等の、炭素数2〜12のカルボン酸のビニルエステル系モノマー等が使用される。これらは単独または2つ以上を同時に使用することができる。これらのうち耐熱性の観点から(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
(A)としては、グリシジル基含有ビニル単量体(a1)および(メタ)アクリル酸アルキルエステルを必須構成単量体とするポリマーであることが耐熱透明性の観点から好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのうち、好ましいのは共重合性の観点からメタクリル酸メチルである。
(a1)と、これに共重合させる他のラジカル重合性モノマー(a2)の仕込み割合は、熱硬化性の観点から好ましくは(a1)1モルに対し、他のラジカル重合性モノマー(a2)の合計が0.1〜2モル、さらに好ましくは、0.2〜1.5モルが良好である。
(A)の数平均分子量(以下、Mnと略記。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定値)は、熱硬化反応性と平坦性の観点から、好ましくは500〜50,000、さらに好ましくは1,000〜15,000、特に好ましくは3,000〜10,000である。
(A)の製造は、使用するモノマーを、ラジカル重合開始剤によって重合を行うことで達成できる。また、このとき必要により溶剤を用いることもできる。
溶剤としては、、たとえば、芳香族炭化水素系溶剤、脂肪族または脂環式炭化水素系溶剤、ハロゲン系溶剤、エステル系またはエステルエーテル系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、アミド系溶剤、スルホキシド系溶剤、複素環式化合物系溶剤、ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。これらのうち好ましいのはケトン系溶剤またはエーテル系溶剤である。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テト
ラリンなどが挙げられる。
脂肪族または脂環式炭化水素系溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、
ミネラルスピリット、シクロヘキサンなどが挙げられる。
ハロゲン系溶剤溶剤としては、例えば、塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチ
レンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどが挙げら
れる。
エステル系またはエステルエーテル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル
、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテー
トなどが挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルな
どが挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが
挙げられる。
スルホキシド系溶剤としては、例えば、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
複素環式化合物系溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。グリコールジエーテル類(エチレングリコールジアルキルエーテルおよびプロピレングリコールジアルキルエーテルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソフ゛チルケトンなど)及びハロゲン化炭化水素類(ジクロルエタンなど)が挙げられる。
溶剤を使用する場合、その使用量は特に限定されないが、モノマーの合計重量に基づいて、通常400重量%以下、(以下において、%は特に限定しない限り重量%を表す)、好ましくは5〜300%、特に好ましくは10〜200%である。
ラジカル重合開始剤としては、通常の過酸化物及びアゾ化合物が挙げられ、好ましいものはアゾ化合物である。重合開始剤の使用量は、モノマーの合計重量に基づいて、通常、0.0001〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜15%、特に好ましくは0.005〜10%である。反応温度は、ラジカル重合開始剤の種類により適宜決定されるが好ましくは40〜150℃である。
(A)の溶解度パラメーター(以下、SP値と略記する)は、後述する(C)のSP値との差を−2.0〜2.0に設定し易いという観点から、好ましくは8〜13、さらに好ましくは9〜13、特に好ましくは9〜12、最も好ましくは9.5〜11である。
本発明におけるSP値は、Fedorsらが提案した下記の文献に記載の方法によって計算されるものである。
「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE, FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(147〜154頁)」
SP値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(分散性が高い)、この数値が離れているものは混ざりにくいことを表す指標である。
熱硬化性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく(A)の含有量は、30〜90%が好ましく、さらに好ましくは40〜80%、特に好ましくは50〜70%である。30%以上であれば、耐熱透明性がさらに好ましくなり、90%以下であれば、さらに平坦性が良好になる。なお、本発明において「固形分」とは溶剤以外の成分の合計を表す。
本発明において、熱硬化性樹脂組成物中の1つの成分として用いられ、グリシジル基含有ビニル単量体を必須構成単量体としてなるポリマー(A)のグリシジル基と反応し、(A)を架橋するために使用される多価カルボン酸無水物(B)としては、公知の多価カルボン酸無水物であれば、とくに限定されずに用いられ、、ジカルボン酸無水物(B1)、トリカルボン酸無水物(B2)、テトラカルボン酸無水物(B3)が挙げられ、これらの混合物でもよい。
ジカルボン酸無水物(B1)としては、例えば、メチルテトラヒドロ(無水)フタル酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、メチルヘキサヒドロ(無水)フタル酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、ペンチルジカルボン酸(無水物)、マレイン酸、2,4−ジエチルグルタル酸無水物、ドデセニル無水コハク酸、、オクテニルコハク酸無水物、、メチルヘキシルジカルボン酸無水物、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、1−イゾプロピル−4−メチルビシクロ(2,2,2)オクタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、1−イソプロピル−4−メチルビシクロ(2,2,2)オクタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
トリカルボン酸無水物(B2)としては、トリメリット酸無水物、トリメリット酸無水物の水添物等が挙げられる。
テトラカルボン酸無水物(B3)としては、ピロメリット酸、ピロメリット酸無水物の水添物、無水ナフタレンテトラカルボン酸無水物、テトラリン−ジ酸無水物、無水ナフタレン酸テトラカルボン酸の全水添物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物の水添物等が挙げられる。
これらのうち、好ましいのは、熱硬化反応性の観点から、トリカルボン酸無水物(B2)であり、さらに好ましいのは、トリメリット酸無水物である。
熱硬化性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく(B)の含有量は、5〜50%が好ましく、さらに好ましくは10〜40%、特に好ましくは15〜35%である。5%以上であれば、硬化物の耐熱透明性がさらに好ましくなり、50%以下であれば、さらに平坦性が良好になる。
本発明において熱硬化性樹脂組成物(Q)中の成分として含まれる2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C)は、一般式(1)で表されるシラン化合物(c1)を必須構成単量体とし、そのアルコキシ基[一般式(1)中のOR3]の一部が縮合反応して高分子化した縮合物である。
式中、R1は(メタ)アクリロイロキシアルキル基、グリシドキシアルキル基、メルカプトアルキル基、及びアミノアルキル基からなる群から選ばれる1種以上の有機基、R2は炭素数1〜12の脂肪族飽和炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R3は炭素数1〜4のアルキル基、mは0または1である。
1は(c1)の縮合反応工程では反応せずに、縮合反応後もポリシロキサン(C)中に残存し、本発明の熱硬化性樹脂組成物が熱硬化する際の熱硬化反応に寄与する官能基である。
1として好ましいものは熱硬化性の観点から(メタ)アクリロイロキシアルキル基およびグリシドキシアルキル基である。
2のうち、脂肪族飽和炭化水素基としては、直鎖アルキル基、分岐アルキル基および脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
直鎖アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−オクチルおよびn−ドデシル基およびこれらの重水素置換体、分岐アルキル基としてはイソプロピル、イソブチル、sec−ブチルおよび2−エチルヘキシル基など、並びに環式飽和炭化水素基としてはシクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基およびメチルシクロヘキシル基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、アリール基、アラルキル基およびアルキルアリール基が挙げられる。
アリール基としてはフェニル、ビフェニル、ナフチル基およびこれらの重水素、フッ素もしくは塩素の各置換体;アラルキル基としてはトリル、キシリル、メシチルおよびこれらの重水素、フッ素もしくは塩化物;並びに、アルキルアリール基としてはメチルフェニルおよびエチルフェニル基などが挙げられる。
2のうち好ましいのは熱硬化反応性の観点から直鎖アルキル基、分岐アルキル基およびアリール基、さらに好ましいのは直鎖アルキル基およびアリール基、特に好ましいのはメチル基、エチル基、フェニル基およびこれらの併用である。
3としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基およびsec−ブチル基などが挙げられ、好ましいのは熱硬化反応性の観点からメチル基およびエチル基である。
一般式(1)において、R1として(メタ)アクリロイロキシアルキル基を有するシラン化合物としては、以下の化合物等が挙げられる。
mが0、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物・・・3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン等
mが1、すなわちアルコキシ基を2個有する3官能シラン化合物・・・3−メタクリロイロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロイロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイロキシプロピルメチルジエトキシシラン等
1としてグリシドキシアルキル基を有するシラン化合物としては、以下の化合物等が挙げられる。
mが0、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物・・・3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等
mが1、すなわちアルコキシ基を2個有する3官能シラン化合物・・・3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等
1としてメルカプトアルキル基を有するシラン化合物としては、以下の化合物等が挙げられる。
mが0、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物・・・3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等
mが1、すなわちアルコキシ基を2個有する3官能シラン化合物・・・3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等
1としてアミノアルキル基を有するシラン化合物としては、以下の化合物等が挙げられる。
mが0、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物・・・N−2アミノエチルγーアミノプロピルトリメトキシシラン、N−2アミノエチルγーアミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等
mが1、すなわちアルコキシ基を2個有する3官能シラン化合物・・・N−2アミノエチルγーアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2アミノエチルγーアミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等
(c1)のうち、熱硬化反応性の観点から好ましいのは、一般式(1)におけるR1が(メタ)アクリロイロキシアルキル基又はグリシドキシアルキル基を有するシラン化合物であり、
さらに好ましいのは、アルコキシ基を3個有する(メタ)アクリロイロキシアルキル基含有3官能シラン化合物、およびアルコキシ基を3個有するグリシドキシアルキル基含有3官能シラン化合物であり、特に好ましいのは、3−アクリロイロキシプロピルトリメトキシシランおよび3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである。
(C)としては、シラン化合物(c1)のみからなる単独縮合重合体、並びに(c1)および(c1)と共縮合可能な1種類以上の他のシラン化合物(c2)の共縮合体が挙げられる。
他のシラン化合物(c2)としては、一般式(2)で表されるシラン化合物が挙げられる。
2 nSi(OR34-n (2)
式中、R2は炭素数1〜12の脂肪族飽和炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、R3は炭素数1〜4のアルキル基であり、nは0〜2の整数である。
2およびR3は上記で例示したものが挙げられる。
2のうち好ましいのは直鎖アルキル基、分岐アルキル基およびアリール基、さらに好ましいのは直鎖アルキル基およびアリール基、特に好ましいのはメチル基、エチル基、フェニル基およびこれらの併用である。
3として好ましいのはメチル基およびエチル基である。
一般式(2)において、nが0、すなわちアルコキシ基を4個有する4官能シラン化合物としては、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシラン等が挙げられる。
nが1、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物としては、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランおよびメチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
nが2、すなわちアルコキシ基を2個有する2官能シラン化合物としては、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシランおよびフェニルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
ポリシロキサン(C)の均一なネットワークの形成の観点から、これらのうち好ましくは、nが1、すなわち3官能シラン化合物である。
他のシラン化合物(c2)の仕込み割合は、熱硬化反応性の観点から好ましくは(c1)1モルに対し、他のシラン化合物(c2)の合計が0.1〜6.0モル、さらに好ましくは、0.2〜4.0モルが良好である。
ポリシロキサン(C)は、例えば、乾燥雰囲気下で、シラン化合物(c1)および必要により使用される他のシラン化合物(c2)中に所定量の水および必要により触媒を攪拌しながら20〜100℃で約10分〜60分かけて滴下し、その後副生するアルコールの沸点以下の温度(例えば0〜150℃)で1〜12時間かけて熟成することにより縮合反応して得ることができる。
縮合反応において添加する水の量をXモル、シラン化合物(c1)および他のシラン化合物(c2)中のアルコキシ基のモル数をYとした場合、X/Yが小さすぎると縮合物の収量と分子量が低下する。一方、X/Yが大きすぎる場合は分子量が大きくなりすぎて保存安定性が低下する傾向にある。このことから、0.1<X/Y<5の範囲、好ましくは0.3<X/Y<3の範囲で行うことが好ましい。添加する水は通常イオン交換水または蒸留水を用いる。また、分子量調整の目的で1個のアルコキシ基を有するシラン化合物を添加することもできる。1個のアルコキシ基を有するシラン化合物としては、例えばフェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
縮合反応の触媒としては蟻酸、酢酸、蓚酸、乳酸、マロン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、フタル酸、ピロメリット酸、p―トルエンスルフォン酸、メタンスルフォン酸、トリフルオロ酢酸およびトリフルオロメタンスルフォン酸などの1価、2価もしくは3価の有機酸;塩酸、リン酸、硝酸、フッ酸、臭素酸、塩素酸および過塩素酸などの無機酸;アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類水酸化物、第4級アルキルアンモニウムの水酸化物や炭酸塩および1〜3級アミン類などのアルカリ塩;第4級アルキルアンモニウムハロゲン化物;次亜塩素酸ナトリウム;スズ、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウムおよび硼素などのケイ素以外の金属のアルコキシドおよびそれらのキレート錯体;などをあげることができ、この中で有機酸、無機酸、金属アルコキシド、金属アルコキシドのキレート化合物など酸性触媒が好ましく、有機酸が特に好ましい。
触媒の添加量は(c1)および(c2)の合計100重量部に対して、0.0001〜10重量部、好ましくは、0.001〜1重量部である。触媒の添加方法は特に規定されないが好ましくは水溶液として加える。また、好ましい反応温度は20℃〜100℃である。
(C)は、平坦性の観点から、25℃での粘度が好ましくは、1〜200mPa・sであり、さらに好ましくは1〜100mPa・s、最も好ましくは1〜50mPa・sである。
(C)と(A)との相溶性及び硬化物の耐熱透明性の観点から、グリシジル基含有ポリマー(A)のSP値から(C)のSP値を差し引いた値が好ましくは−2.0〜2.0、さらに好ましくは−1.0〜1.8、特に好ましくは−0.5〜1.6、最も好ましくは0〜1.4である。
(C)のSP値は、前述の(B)のSP値との差を−2.0〜2.0に設定し易いという観点から、好ましくは7〜13、さらに好ましくは8〜12、特に好ましくは8〜11、最も好ましくは8〜10.5である。
熱硬化性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく(C)の含有量は、1〜50%が好ましく、さらに好ましくは3〜40%、特に好ましくは5〜30%である。5%以上であれば平坦性および耐熱透明性がさらに良好に発揮でき、40%以下であれば相溶性がさらに良好に発揮できる。
熱硬化性樹脂組成物(Q)は、必要によりさらにその他の成分(D)を含有していてもよい。
(D)としては、硬化促進剤(D1)、酸発生剤(D2)、溶剤(D3)、無機微粒子(D4)並びにその他の添加剤(D5)(例えば、レベリング剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、熱ラジカル開始剤及び酸化防止剤等)が挙げられる。
硬化促進剤(D1)としては、一般に2級窒素原子または3級窒素原子を含むヘテロ環構造を有する化合物が用いられる。(D1)はグリシジル基含有ポリマー(A)と多価カルボン酸無水物(B)との反応を促進するものである。
具体的には、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、インドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、イソシアヌル酸等が挙げられる。これらの内好ましくは、イミダゾールであり、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチル−1− (2'−シアノエチル) イミダゾール、ベンズイミダゾール等が挙げられる。更に好ましくは、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾールである。硬化促進剤(D1)を使用する場合、硬化促進剤の配合量は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づいて、通常10%以下が好ましく、さらに好ましくは0.2〜5%、特に好ましくは0.3〜3%である。
酸発生剤(D2)は光又は熱で酸を発生する化合物であり、縮合反応の促進のために添加されるものである。
(D2)としては、下記の(i)スルホン化合物、(ii)スルホン酸エステル化合物、(iii)スルホンイミド化合物、(iv)ジスルホニルジアゾメタンおよび(v)オニウム塩が挙げられる。
(i)スルホン化合物
フェナシルフェニルスルホン、4−トリスフェナシルスルホン−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンおよびこれらのα−ジアゾ化合物等
(ii)スルホン酸エステル化合物
ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステル、α−メチロールベンゾイントシレートおよびα−メチロールベンゾインドデシルスルホネート等
(iii)スルホンイミド化合物
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロオクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(ベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミドおよびN−(ベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド等
(iv)ジスルホニルジアゾメタン化合物
ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルエチルスルホニル)ジアゾメタンおよびビス(1、4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−7−スルホニル)ジアゾメタン等
(v)オニウム塩
スルホニウム塩〔ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、アリルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート塩等〕、
ヨードニウム塩(ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等)、ホスホニウム塩(エチルトリフェニルホスホニウムテトラフルオロボレート等)、ジアゾニウム塩(フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等)、アンモニウム塩(1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート等)、およびフェロセン〔(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート等〕等
(D2)のうち、好ましいのは好ましくはスルホンイミド化合物およびジスルホニルジアゾメタン化合物であり、さらに好ましくは、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタンである。
熱硬化性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく(D2)の含有量は、10%以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜7%、特に好ましくは0.05〜5%である。0.001%以上であれば熱硬化反応性がさらに良好に発揮でき、10%以下であれば耐熱透明性がさらに良好に発揮できる。
溶剤(D3)としては、前述の(A)の製造に使用される溶剤と同様のものが使用できる。溶剤を使用する場合、溶剤の配合量は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づいて、通常1,000%以下、50〜1,000%が好ましく、さらに好ましくは70〜900%、特に好ましくは80〜800%である。なお、溶剤の配合量には前述の(A)の製造に使用される溶剤も含まれる。
無機微粒子(D4)としては、金属酸化物および金属塩が使用できる。無機微粒子(D4)は耐熱透明性のために添加される。
金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素および酸化アルミニウム等が挙げられる。
金属塩としては、例えば、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウム等が挙げられる。
これらのうちで、耐熱透明性および耐薬品性の観点から、金属酸化物が好ましく、さらに好ましくは、酸化ケイ素および酸化チタン、特に酸化ケイ素が好ましい。
無機微粒子は、体積平均一次粒子径が1〜200nm、耐熱透明性の観点から、好ましくは1〜150nm、さらに好ましくは1〜120nm、特に好ましくは5〜20nmのものである。
熱硬化性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく(D4)の含有量は、通常50%以下、好ましくは1〜45%、特に好ましくは2〜40%である。50%以下であれば現像性がさらに良好に発揮でき、2〜40%であれば、特に耐熱透明性が優れる。
(D)の含有量の合計は、熱硬化性樹脂組成物(Q)の重量に基づいて、通常1,000%以下、好ましくは80〜800%である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物(Q)は、例えば、プラネタリーミキサーなどの公知の混合装置により、上記の各成分を混合等することにより得ることができる。
また本発明の熱硬化性樹脂組成物は、通常、室温で液状であり、その粘度は、25℃で0.1〜10,00mPa・s、好ましくは5〜2,0mPa・sである。
本発明の熱硬化性樹脂組成物(Q)は、その硬化物の平坦性および耐熱透明性に優れているので、特にカラーフィルター基板用保護膜の熱硬化性樹脂組成物として適している。
カラーフィルター基板用保護膜の熱硬化性樹脂組成物として使用される場合の、熱硬化性樹脂組成物(Q)の硬化反応は、150〜250℃の加熱によって、以下のような反応が同時に起こり、複雑な構造の硬化物が生成すると推定される。
(i):グリシジル基含有ポリマー(A)とカルボン酸無水物(B)の熱硬化反応
(ii):グリシジル基含有ポリマー(A)とポリシロキサン(C)中のグリシドキシアルキル基、メルカプトアルキル基及び/又はアミノアルキル基の熱硬化反応
(iii):ポリシロキサン(C)中のアクリロイロキシアルキル基の熱重合反応
(iv):ポリシロキサン(C)中のアルコキシ基と空気中の水分との反応による(C)の架橋反応(この反応は低温でも起こるので、加熱後にも反応は進行する)
以下において本発明のカラーフィルター基板用保護膜について説明する。
本発明のカラーフィルター基板用保護膜は、上記の熱硬化性樹脂組成物(Q)を硬化させて形成されたカラーフィルター保護のために設けられる保護膜である。
カラーフィルター基板用保護膜は、液晶パネルの表示品質にとって重要な役割を果たす。液晶パネルの製造工程において高温処理される工程があるため、カラーフィルター基板用保護膜には高い耐熱透明性が要求される。また、表示ムラを抑制するためセルギャップを均一にすることが特に重要であり、カラーフィルター保護膜には高い平坦性が求められる。
カラーフィルター基板用保護膜の膜厚としては、通常0.5〜100μm、好ましくは1〜10μmである。
カラーフィルター基板用保護膜の適用方法としては、スピンコーター、スリットコーター、スクリーン印刷機、ロールコーター、カーテンコーターなどで塗布する方法、スプレー、刷毛、ヘラ等で塗る方法、及び浸漬する方法等が挙げられる。
硬化方法は、通常、熱硬化による方法が使用できる。加熱装置としては、通常の循風乾燥器、電気炉、ガス炉、遠赤外炉等が使用できる。
加熱硬化温度は通常150℃以上、好ましくは180℃〜250℃である。硬化時間は、10分〜120分、好ましくは45分〜90分である。
[実施例]
以下、実施例および製造例を以て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、部は重量部を意味する。
[グリシジル基含有ビニル単量体を必須構成単量体としてなるポリマー(A)の製造]
<製造例A−1>
加熱冷却・攪拌措置、環流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、グリシジルメタクリレート50部(41モル%)、メチルメタクリレート50部(59モル%)およびシクロヘキサノン270部を仕込み、80℃まで加熱した。系内の気相部分を窒素で置換したのち、あらかじめ作成しておいたアゾビスイソブチロニトリル(V-60:和光純薬製、以下AIBNと称す)5部をシクロヘキサノン50部に溶解した溶液55部を80℃のコルベン中に10分間で滴下し、さらに同温度で3時間反応させ、グリシジル基含有ポリマー(A−1)(Mn:8,400、SP値:9.58)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。なお、MnはGPC測定機器(HLC−8120GPC、東ソー(株)製)、カラム(TSKgel GMHXL2本+TSKgel Multipore HXL−M、東ソ(株)製)を用いて、GPC法により測定されるポリスチレン換算の値として求めた。また、SP値は、前述のようにして求めた。以下の製造例および比較例についても同様の測定法である。
[2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C)の製造]
<製造例C−1>
加熱冷却・攪拌措置、環流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、3−アクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン46部(0.2モル部)、ジフェニルジメトキシシラン160部(0.65モル部)とイオン交換水45g(2.5モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去した。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、ポリシロキサン(C−1)(Mn:2,100、粘度:20mPa・s、SP値:9.36)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。また、粘度は25℃の定温下にてBL型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて測定した。以下の製造例および比較例についても同様の測定法である。
<製造例C−2>
製造例C−1と同様のコルベンに、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン170部(0.82モル部)、フェニルトリメトキシシラン40部(0.20モル部)、ジフェニルジメトキシシラン30部(0.12モル部)とイオン交換水40g(2.2モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去した。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、ポリシロキサン(C−2)(Mn:7,800、粘度:70mPa・s、SP値:8.69)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。
<比較製造例C−1’>
製造例C−1と同様のコルベンに、メチルトリメトキシシラン46部(0.34モル部)、フェニルトリメトキシシラン160部(0.80モル部)とイオン交換水45g(2.5モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去した。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、比較のポリシロキサン(C−1’)(Mn:9,400、粘度:250mPa・s、SP値:8.49)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。
<比較製造例C−2’>
製造例C−1と同様のコルベンに、トリメチルモノメトキシシラン119部(1.14モル部)とイオン交換水45g(2.5モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去した。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、比較のポリシロキサン(C−2’)(Mn:350、粘度:4mPa・s、SP値:6.75)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。
<実施例1〜4および比較例1〜4>
[熱硬化性樹脂組成物の製造]
表1の配合部数[それぞれの成分の見かけの重量部、なお( )内は、熱硬化性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく各成分の固形分の重量%(小数点以下1桁を四捨五入)]に従い、ガラス製の容器に各原料を仕込み、均一になるまで攪拌し、さらに追加の溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を添加して実施例の熱硬化性樹脂組成物(Q1)〜(Q4)、および比較例の熱硬化性樹脂組成物(Y1)〜(Y4)を製造した。なお、表1中の略号のうち上記以外のものは以下の通り。
B−1(カルボン酸無水物):無水トリメリト酸、
C−3’:片末端グリシジル基変性ポリシロキサン(「X−22−173DX」:信越化学工業社製)(粘度:65mPa・s、SP値:6.66)
D−1(硬化促進剤):2−エチル−4−メチルイミダゾール
D−2(酸発生剤):N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド
評価方法および評価結果
熱硬化性樹脂組成物をパターン形成されたガラス基板上に全面塗布し、80℃で20分間乾燥した。次いで、この基板を230℃で30分間熱硬化して、硬化塗膜を有する評価基板を作製し、評価基板の全光線透過率、評価基板を加熱処理後の耐熱透明性、及び平坦性を評価した。
(A)全光線透過率・・・2mm厚、40mm角試験板を用い、曇度計[日本電色工業(株)製]を使用し、JIS K7105(1981年)に準拠して測定した。
(B)耐熱透明性・・・硬化塗膜を有する評価基板を250℃×1hr熱処理し、400nm、540nmの波長光の透過率を測定した。
(透過率計:島津製作所社製 UV2400PC)
(C)平坦性・・・触針式膜厚計(DEKTAK3030ST)を用いて保護膜表面の膜厚を測定し(測定長1000μm)、下記式で平坦化率を求めた。
平坦化率(%)=B/A×100
A・・・(最大膜厚値−最小膜厚値)μm (保護膜形成前)
B・・・(最大膜厚値−最小膜厚値)μm (保護膜形成後)
表2から判るように、本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いることにより、耐熱透明性が良好でありかつ平坦性に優れたカラーフィルター基板保護膜を形成することができる。
本発明の熱硬化樹脂組成物は、カラーフィルター基板用保護膜に好適に使用できる。
さらに、その他にも各種の保護膜材料、例えば、TFT基板用保護膜、感光性樹脂凸版、スクリーン版、またはハードコート剤などの用途の熱硬化性樹脂組成物として好適である。
さらに、金属(例えば、鉄、アルミニウム、チタン、銅等)、プラスチック(例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテルフタラート、ポリ(メタ)アクリレート)、紙、ガラス、ゴム及び木材等の各種材料に対するコーティング剤、塗料、印刷インキ及び接着剤としても使用でき、成型材料等としても応用できる。

Claims (6)

  1. グリシジル基含有ビニル単量体を必須構成単量体としてなるポリマー(A)、多価カルボン酸無水物(B)及び2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C)を含有し、該ポリシロキサン(C)が下記一般式(1)で表されるシラン化合物(c1)を必須構成単量体とする縮合物である、カラーフィルター基板保護膜用熱硬化性樹脂組成物(Q)。
    [式中、R1は(メタ)アクリロイロキシアルキル基、グリシドキシアルキル基、メルカプトアルキル基、及びアミノアルキル基からなる群から選ばれる1種以上の有機基、R2は炭素数1〜12の脂肪族飽和炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R3は炭素数1〜4のアルキル基、mは0または1である。]
  2. (c1)が、一般式(1)におけるR1が(メタ)アクリロイロキシアルキル基又はグリシドキシアルキル基であるシラン化合物である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物(Q)。
  3. ポリシロキサン(C)の粘度が25℃で1〜200mPa・sである請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂組成物(Q)。
  4. グリシジル基含有ビニル単量体を必須構成単量体としてなるポリマー(A)とポリシロキサン(C)との溶解度パラメーターの差が−2.0〜2.0である請求項1〜3いずれか記載の熱硬化性樹脂組成物(Q)。
  5. ポリシロキサン(C)の含有量が、熱硬化性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づいて5〜30重量%である請求項1〜4のいずれか記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化させて形成された、カラーフィルター保護のために設けられた保護膜。
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