JPWO2015071974A1 - 回転機の制御装置および電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

給電指令に応じた電力を回転機に給電する給電部と、前記回転機の回転状態を検出する回転状態検出部と、前記回転機の出力する出力トルクを検出するトルク検出部と、前記回転状態検出部またはトルク検出部の異常を判定する異常判定部と、前記回転機を振動させる加振指令を発生する加振指令発生部と、を備え、前記給電指令が少なくとも前記加振指令に基づいて生成されるとともに、前記異常判定部は、前記加振指令に対する前記回転状態の応答と前記出力トルクの応答に基づいて前記検出部の異常を判定する回転機の制御装置を提供する。

Description

この発明は、回転機の制御装置等に関し、特に、回転機の制御装置の故障の検知を行うものに関する。
この種の技術の従来装置として、下記特許文献1には、電動パワーステアリング装置において、トルクセンサのトルク信号の絶対値が零近傍の所定値未満であって、ステアリングハンドルの舵角速度(すなわち負荷の回転速度)が一定値以上であり、且つ舵角(すなわち負荷の回転角度)が増加方向である状況が一定時間以上継続したとき、上記トルク信号が異常であると判定するものであって、トルクセンサのトルク信号と回転状態の一種の整合性に基づいて異常を検知するものが開示されている。
また下記特許文献2には、同様に電動パワーステアリング装置において、異常検知のための瞬発的なモータトルクを印加し、その瞬発的なモータトルクの印加がトルクセンサのセンサ信号に反映されない場合に、トルクセンサのセンサ信号の異常を検知するものが開示されている。
また、その他の一般的で基本的な装置の例として、各センサをそれぞれ2系統備えて、それらの相互比較によって、各センサの異常を検知するものがある。例えば、トルク検出部を2系統備えて、それらの相互比較によりいずれかの系統のトルク検出部に生じる異常を検知するものである。回転状態検出部についても2系統備えるものもある。
特許第2668235号公報 特開2011−51456号公報
上記特許文献1のような装置においては、異常検知のための信号は印加しないで、通常の操作に伴う基本的な制御の応答で異常を検知する。このため、例えば、回転停止中や、回転時にトルクが大きくなるような動作状態において、異常を検知できない。そのため、いつ異常を検知できる状態になるか分からず、操作の状態が、異常検知可能な状態になるまで待つ必要があるという課題があった。
また、上記特許文献2のような装置においては、異常検知のための瞬発的なモータトルクがトルクセンサのセンサ信号に反映されるか否かで異常を検知するものである。例えば、負荷状態などに応じて摩擦の大きさが変化すると、瞬発的なモータトルクが摩擦で減衰し、実際のトルクとして応答しない場合がある。そのときは、トルクセンサが正常であっても瞬発的なモータトルクの応答はセンサ信号には現れないことになる。そのため、トルクセンサ信号は、本来は正常であるのにも係わらず、異常であると誤って検知する誤検知に対する余裕が小さくなる恐れがあるという課題があった。
また、上述の一般的な例として挙げた方式、すなわち、各センサをそれぞれ2系統備えるものは、センサのコストが2倍になるため、装置のコストが高くなるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、コストを抑えつつ、異常検知可能な動作状態を広範囲に広げ、かつ、異常の検知精度を向上できる回転機の制御装置等を得ることを目的としている。
この発明は、給電指令に応じた電力を回転機に給電する給電部と、前記回転機の回転状態を検出する回転状態検出部と、前記回転機の出力する出力トルクを検出するトルク検出部と、前記回転状態検出部またはトルク検出部の異常を判定する異常判定部と、前記回転機を振動させる加振指令を発生する加振指令発生部と、を備え、前記給電指令が少なくとも前記加振指令に基づいて生成されるとともに、前記異常判定部は、前記加振指令に対する前記回転状態の応答と前記出力トルクの応答に基づいて前記検出部の異常を判定する、ことを特徴とする回転機の制御装置等にある。
この発明では、コストを抑えつつ、異常検知可能な動作状態を広範囲に広げ、かつ異常の検知精度を向上できる回転機の制御装置等を提供できる。
この発明の実施の形態1による回転機の制御装置とその周辺の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による異常判定部の構成の一例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による給電部の構成の一例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による加振応答演算器の構成の一例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による加振応答振幅の時間応答波形の一例を示す図である。 この発明の実施の形態2による加振応答演算器の構成の一例を示すブロックである。 この発明の実施の形態3による異常判定部の構成の一例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4による回転機の制御装置とその周辺の構成を示す図である。 この発明の実施の形態4による異常判定部の構成の一例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4による加振応答演算器の構成の一例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態5による異常判定部の構成の一例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態6による異常判定部の構成の一例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態7による回転機の制御装置とその周辺の構成を示す図である。 この発明の実施の形態8による回転機の制御装置とその周辺の構成を示す図である。 この発明の実施の形態10による回転機の制御装置とその周辺の構成を示す図である。 この発明の実施の形態11による回転機の制御装置とその周辺の構成を示す図である。 この発明の実施の形態10による異常判定部の構成の一例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態11による異常判定部の構成の一例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態12による回転機の制御装置とその周辺の構成を示す図である。 この発明の実施の形態13による回転機の制御装置とその周辺の構成を示す図である。 この発明の実施の形態14による電動パワーステアリング装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態14による電動パワーステアリングにおける回転機のトルクから回転機の回転位置とトルク検出部の出力トルクまでの応答振幅の差異の周波数特性を示す図である。
この発明によれば、加振指令に基づいて回転機への電力を制御し、加振指令に対する2種類以上の検出部の応答を相互に参照して異常を検知する。これにより、例えば回転軸の摩擦の増大など、異常でない変動に起因して加振指令に対する応答が小さくなる場合には、実際の振動振幅が小さくなり、いずれの検出部における応答も小さくなるため、この応答を異常であると誤検知する恐れが無く、検知精度を高められる。さらに、加振指令により回転機を意図的に振動させるため、異常検知可能な動作状態を広範囲に広げることができる。
また、同じ状態変数を検出する複数の検出部の検出信号を相互参照して、異常を検知するものは、従来からある。しかしながらこの発明では、トルクと回転状態という異なる状態変数を検出する検出部の信号を相互参照して、異常を検知する。これにより、各検出部を2系統備えるなどして冗長な構造にする必要がなく、構成を簡素化してコストを低減できる。
以下、この発明による回転機の制御装置等を各実施の形態に従って図面を用いて説明する。なお、各実施の形態において、同一もしくは相当部分は同一符号で示し、また重複する説明は省略する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による回転機の制御装置とその周辺の構成を示すブロック図である。図1において、制御装置20の周辺には、回転機1と負荷8が備わっている。負荷8は、回転機1により出力されるトルクを与える対象を示し、用途により様々なものが適用される回転慣性体として想定すればよい。負荷8は、この発明の構成要素ではない。回転機1は、例えば、永久磁石同期電動機、DCブラシ付き電動機、誘導電動機など、一般に良く知られたものとする。
制御装置20は、後述する基本指令に基づいて制御した電力を回転機1に供給し、回転機1から所望のトルクを出力させる。
制御装置20に備えられた給電部2は、後述する給電指令に基づいて回転機1に電力を供給する。給電指令は、この実施の形態では、回転機1に流す電流に対する指令であり、電流指令とも言う。
図3にこの発明の実施の形態1による給電部の構成の一例を示すブロック図を示す。給電部2は、図3のように電流制御部201と電力変換部202で構成される。電力変換部202は電流制御部201から出力される電圧指令に基づいて回転機1に電流を供給する。電流制御部201は、回転機1および電力変換部202に流れる電流と給電指令に基づいて、電流が給電指令に追従するように電圧指令を制御する。
回転機1の回転軸ARには、回転状態検出部3とトルク検出部4が接続されている。回転状態検出部3は、回転機1の回転軸ARの回転位置θmを回転状態として検出する。トルク検出部4は、回転機1で発生し負荷8に伝達されたトルク、すなわち出力トルクTsを検出する。
基本指令とは、回転機1の利用用途に応じた基本的な回転動作に対応した指令である。給電指令発生部を構成する加算部6は、異常の検知のために用いる加振指令を基本指令に加算し給電指令を演算する。この加振指令は、回転状態検出部3およびトルク検出部4に生じる異常を検知することを目的に、加振指令発生部5において生成されるものである。加振指令は、この実施の形態では、
Ae・sin(ωe・t+Φe)
Ae:加振振幅、
ωe:加振周波数
Φe:加振位相
で表せるような正弦波を用いる。加振指令が重畳された給電指令により、回転機1に振動的な電力が給電され、その応答として振動的な出力トルクが出力され、また、回転位置θmが振動する。この発明は、この加振指令に対する回転位置θmおよび出力トルクTsの応答を相互に参照し、その整合性を判定することで、回転状態検出部3とトルク検出部4のいずれかに生じた異常を検出するものである。
また、加振指令発生部5は、加振指令を構成する情報である加振情報も出力する。この発明における加振情報とは、加振振幅Ae、加振周波数ωe、加振位相Φe、および、加振指令そのものを示すが、この実施の形態では、加振周波数ωeのみを指すこととする。
制御装置20に備えられた異常判定部7は、回転状態検出部3で検出された回転位置θとトルク検出部4で検出された出力トルクTsを、加振周波数ωeに基づいて演算処理することで、相互に比較して、それらの整合性を判定することで、回転状態検出部3およびトルク検出部4に生じる異常を検知する。
図2にこの発明の実施の形態1による異常判定部の構成の一例を示すブロック図を示す。図2において、基準波生成部701は、加振周波数に基づいて、基準sin波と基準cos波で構成される基準波を生成する。基準sin波はsin(ωe・t)、基準cos波はcos(ωe・t)であるとする。次元換算部704は、回転位置θmの次元を出力トルクTsと同様になるよう換算する。定数である換算ゲインを回転位置に乗算して、換算後の回転位置を換算回転位置θtとして算出する。トルク検出部4で検出されるトルクは、一般に、トルク検出部4に含まれる回転軸ARの捩れ角に比例することが知られており、検出されるトルクは、ある振動周波数においては、回転位置θmに比例する。したがって、換算ゲインは、トルク検出部4の回転軸ARの剛性定数と同等な値に設定する。
なお、次元換算部704の代わりに、出力トルクTsの次元を回転位置θmと同様になるよう換算する次元換算部(図示省略)を設けてもよい。
2つの加振応答演算器702(加振応答演算部)は、換算回転位置θtおよび基準波(基準sin波、基準cos波)に基づいて、加振指令に対する回転位置の応答を加振応答として演算する加振応答演算器と、出力トルクTsおよび基準波(基準sin波、基準cos波)に基づいて、加振指令に対する出力トルクの応答を加振応答として演算する加振応答演算器からなる。
図4にこの発明の実施の形態1による加振応答演算器の構成の一例を示すブロック図を示す。2つの加振応答演算器702は例えば図4に加振応答演算器702aで示す同一構成を有する。乗算部7021において、乗算器7021−1,7021−2により基準sin波と基準cos波それぞれに対して、回転状態または出力トルクを乗算して、基準sin波と回転状態の乗算値および基準cos波と回転状態の乗算値、または基準sin波と出力トルクの乗算値および基準cos波と出力トルクの乗算値、を演算する。演算された各乗算値は積分部7022の積分器7022−1,7022−2においてそれぞれに積分される。積分部7022から出力される積分された信号は、基準sin波、基準cos波にそれぞれ対応した位相の加振周波数に対する応答の振幅値、すなわち加振周波数による振幅値となる。
振幅演算部7023aは、この積分された直交する2つの信号について、それぞれ二乗して和を求め、その平方根を演算することで、加振指令に対する換算回転位置θtまたは出力トルクTsの応答の振幅、すなわち加振応答振幅を算出する。
図2に戻り、比較判定部703は、加振応答演算器702から出力された加振応答振幅に基づいて、換算回転位置θtの加振応答振幅、出力トルクTsの加振応答振幅を比較し、その差が、通常の誤差範囲で決められた所定値を超えるか否かを判定する。そして差が、所定値を超える期間が所定時間以上経過(継続)したときに、回転状態検出部3または、トルク検出部4に異常が生じたものと判定する。
図5にこの発明の実施の形態1による加振応答振幅の時間応答波形の一例を示す。この発明による制御装置を用いて異常を検知した場合の波形の時間的変化は図5のようになる。図5において、横軸が経過時間、縦軸が加振応答振幅を示す。薄い線Aが換算回転位置θtの加振応答振幅を示し、濃い線Bが出力トルクTsの加振応答振幅を示す。7秒付近で故障が発生するまでは、2つの加振応答振幅はほとんど同等の値を示しているが、時刻7秒付近でトルク検出部4が故障して以降は、出力トルクTsの加振応答振幅のみが小さな値を示し、2つの加振応答振幅の差異が拡大していることが分かる。この差を比較判定部703が判定し、所定時間以上カウントすることで、異常を確定できる。
ここで、時刻5秒付近に注目されたい。この付近では、2つの加振応答振幅がともに、非常に小さな値を示している。すなわち、加振指令に対して、出力トルクTsおよび回転状態θmがほとんど応答していないことを示している。これは、負荷8の状態が変化したことにより、回転軸ARにかかる摩擦が大きくなり、その結果、加振指令により発生させた回転機1のトルクが、トルク検出部4で検出される出力トルクに伝達するまでに減衰し、また同様に、回転状態検出部3で検出される回転状態に伝達するまでに減衰したため加振応答振幅が小さくなったものである。このように、加振指令が出力トルクおよび回転状態に伝達されるまでの応答は、通常時の生じる負荷状態や摩擦など異常でない変動に応じて変化するものである。したがってこの発明のように、加振指令が出力トルクおよび回転状態に伝達するまでの応答を、相互に参照して異常を検知することで、正常な状態を誤検知することなく、正確に異常を検知できる。
一方、特許文献2の装置のように、1つのセンサ応答のみで異常を検知しようとすると、上述のような摩擦が大きい状態のような場合に、加振指令の役割をする瞬発的なトルクがセンサ信号に伝達するまでの応答が減衰して、加振応答振幅が非常に小さな値になり、これを異常であると誤って判定する恐れがあった。例えば、図5の時刻5秒付近のような状態であり、このときの出力トルクの加振応答振幅は、時刻7秒以降の故障発生後の値とほぼ等しいので、異常か正常かを判断し難い。そのため、従来技術で、このような誤検知を回避するには、異常検知のための瞬発的なトルクを摩擦に埋もれないように十分大きな値にする必要があったので、不快な振動が大きくなるという課題があった。また、特許文献2のような装置が、別の方法で回避しようとすると、加振に対して正常に応答しないと判断する振幅の閾値を、極めて小さな値に設定するなどして対処する必要があるため、本来、異常であると即座に判定したい応答レベル(例えば図5の7秒以降の出力トルク応答)であっても、異常を検知できず、応答が異常を検知できるほど極めて小さな値になるまで待つ必要があった。
この実施の形態によれば、負荷状態や摩擦など異常でない変動に応じて加振指令に対する各検出部の応答が変動する場合に、この変動を異常であると誤検知する恐れはなく、加振指令に対する出力トルクおよび回転状態の応答の関係が異常に乖離した場合に、異常を検知できるので、検知精度が非常に高いという効果がある。
また、特許文献1のように、加振指令を用いずに基本指令だけで、出力トルクと回転状態の整合性を判定しようとすると、操作の状態が、異常検知可能な特定の状態になるまで待つ必要があった。しかしながら、この実施の形態の構成によれば、加振指令により回転機を意図的に振動させるため、異常検知可能な動作状態を広範囲に広げることができる。
以上のように、この実施の形態による回転機の制御装置は、給電指令に応じた電力を回転機1に給電する給電部2と、回転機1の回転状態を検出する回転状態検出部3と、回転機1の出力する出力トルクを検出するトルク検出部4と、回転状態検出部3またはトルク検出部4の異常を判定する異常判定部7と、回転機1を振動させる加振指令を発生する加振指令発生部5とを備え、給電指令は少なくとも加振指令に基づいて生成されるとともに、異常判定部7は、加振指令に対する回転状態の応答と出力トルクの応答に基づいて異常を判定するよう構成した。
これにより、回転機1の異なる状態変数を検出するトルク検出部4および回転状態検出部3の検出信号を、概ね常時において相互に参照し、いずれかの異常を精度よく検知することができる。ここで、従来技術では、回転機の異なる状態変数を検出するトルク検出部および回転状態検出部の検出信号を、相互参照しようとすると、異常検知可能な動作範囲は限定的となっていた。しかしながらこの発明では、加振指令に対する各検出部3,4の応答を相互に参照するようにした。このため、概ね常時において異常を検知することができるようになった。また例えば、各検出部3,4を2系統にして、回転機1の同一の状態変数を2重に検出するなどして相互参照するようにしていないので、コストも低減できる。
さらに、加振指令発生部5は、加振指令の特徴量を加振情報として出力し、異常判定部7は、加振情報に基づいて異常を判定するよう構成されている。これにより、加振指令に対する各検出部3,4の応答を精度良く抽出することができ、異常の検知精度を高めることができる。
さらに、加振指令は正弦波を含有し、加振情報は、加振指令の周波数であって、異常判定部7は、加振情報に基づいて異常を判定するよう構成した。これにより、加振指令の周波数に限定して、加振指令に対する各検出部3,4の応答を抽出できるので、精度良くその応答を抽出でき、異常の検知精度を高めることができる。
さらに、異常判定部7は、加振指令に対する回転状態の応答と出力トルクの応答のそれぞれの振幅に基づいて異常を判定するように構成した。これにより、加振指令に対する各検出部3,4の応答の成分のうち、位相など他の情報を排除して、振幅だけで異常を判定できるので、簡素な判定部で、簡潔に判定できる。
さらに、加振指令発生部5は加振情報を加振指令の周波数ωeとし、異常判定部7は、加振指令の周波数に基づいて、加振指令に対する回転状態の応答と出力トルクの応答それぞれの振幅を演算し、該振幅に基づいて異常を判定するよう構成した。これにより、加振指令の周波数における加振指令に対する各検出部3,4の応答を解析して、その周波数の振幅のみを抽出することができるので、余計な成分を排除でき、応答を精度良く抽出することができ、異常の検知精度を高めることができる。
さらに、異常判定部7は、加振指令に対する回転状態の応答または出力トルクの応答に、補正ゲインを乗算した値に基づいて異常を判定するよう構成した。これにより、回転機1の異なる状態変数を検出するトルク検出部4および回転状態検出部3の検出信号を、加振指令の周波数においては、同じ次元に換算できる性質を利用できる。このため、同じ次元で相互に比較、参照できるため、各検出部3,4をそれぞれ2系統備える必要もなく、ほぼ常時、異常を判定できる。
さらに、給電指令は、回転機1に基本的な回転をさせる基本指令に加振指令を重畳したものとした。これにより、回転機1に所望の様々な動作状態を実現するよう基本指令を設定して、それに加えて、加振指令による異常判定のための振動も発生させることができ、異常検知可能な動作状態を広範囲に広げて、概ね常時において異常検知することができる。
また、同じ状態変数を検出する複数の検出部の検出信号を相互参照して、異常を検知するものは、従来からある。しかしながらこの発明では、トルクと回転状態という異なる状態変数を検出する検出部の信号を相互参照して、異常を検知する。従って、各検出部3,4を2系統備えるなどして冗長にする必要がなく、構成を簡素化してコストを低減できる。
なお、加振振幅Aeは、回転軸ARにかかる最大の摩擦トルクよりも大きく設定することで、回転状態や出力トルクの各検出部3,4において、ゼロ以上の振幅で応答が現れる。従って加振振幅Aeを回転軸ARにかかる最大摩擦トルクよりも大きく設定することで、異常を検知できる範囲はより広がるが、反面、振動が大きくなり、不快になる場合がある。従って、加振振幅Aeは用途に応じた大きさに設定すればよい。少なくとも回転軸ARにかかる最小の摩擦トルクよりも大きく設定することで、この発明であれば異常は検知できる。特許文献2のような、異常検知のための瞬発的なモータトルクを印加する装置では、テスト用のパルスが小さいと、摩擦で減衰して応答しなくなるので、異常を検知し難くなるが、この発明であれば、異常を誤検知する恐れはない。
なお、加振周波数ωeは、給電指令から出力トルクと回転状態の応答が概ね等しい周波数の範囲に定めればよい。この範囲は、回転機1を接続する負荷8などによって異なるが、回転機1の慣性や回転軸ARや検出部3,4の軸の剛性で決まる共振周波数よりは高い領域に設定するのが望ましい。
加振位相Φeは、通常はゼロで定めればよい。給電指令が2成分のベクトルである場合は、加振指令も2成分のベクトルに設定でき、この場合、90度位相差の加振位相をそれぞれ備える正弦波で設定してもよい。
また、上記説明では、加振指令は正弦波を用いたが、矩形波や台形波など、回転機1に振動を与える形状であればよく、回転状態や出力トルクに応答するまでに、ローパスフィルタをかけたような鈍った波形になって応答するだけであり、異常判定部7は同様な処理により異常を検知できる。
実施の形態2.
図6にこの発明の実施の形態2による加振応答演算器の構成の一例を示すブロック図を示す。上述の実施の形態1においては、異常判定部7は、加振応答に対する各検出部の応答の振幅を演算した。この実施の形態では、応答の位相を演算する点が実施の形態1と異なる。その他の部分は基本的に上記実施の形態と同様である。
この実施の形態の異常判定部7(図2参照)は、加振応答演算器702として、図6に示す加振応答演算器702bの構造のものを備える。加振応答演算器702bは、積分部7022の出力をそれぞれ位相演算部7023bで、加振応答に対する各検出部3,4の応答の位相を演算する。前述の通り、積分部7022から出力される積分された信号は、基準sin波、基準cos波にそれぞれ対応した位相の加振周波数に対する応答の振幅値となる。位相演算部7023bは、この積分された直交する2つの信号について、逆正接を演算することで、加振指令に対する換算回転位置θtまたは出力トルクTsの応答の位相、すなわち加振応答位相を算出する。なお、この位相は、基準波からの位相の差異を値に持つものとなる。
また、加振指令に対する回転位置θmまたは出力トルクTsの応答の位相は、応答の間に所定の位相差が発生する場合がある。その場合は、位相演算部7023bで、その所定の位相差分を、いずれか一方の応答位相から差し引いて加振応答位相を補正すればよい。なお、この実施の形態のように位相を用いて判定する場合は、振幅を比較しないので、図2の次元換算部704を用いなくてもよい。
この実施の形態の構成によれば、加振指令に対する回転位置θmと出力トルクTsの応答の位相に基づいて異常を検知するが、実施の形態1と同様に基準sin波、基準cos波に対応した位相の加振周波数に対する応答の振幅値から位相を算出するように変形したものであり、基本的な効果は同様に得られる。
また、加振指令発生部5は加振情報を加振指令の周波数とし、異常判定部7は、加振指令の周波数に基づいて、加振指令に対する回転状態の応答と出力トルクの応答それぞれの位相を演算し、該位相に基づいて異常を判定する。これにより、加振指令の周波数における加振指令に対する各検出部の応答を解析して、その周波数の位相のみを抽出することができるので、余計な成分を排除でき、応答を精度良く抽出することができ、異常の検知精度を高めることができる。
実施の形態3.
図7にこの発明の実施の形態3による異常判定部の構成の一例を示すブロック図を示す。上述の実施の形態1においては、異常判定部7は、加振周波数に基づいて図2の基準波生成部701で基準波を生成した。この実施の形態では基準波の生成法が異なる。図7のように、加振情報を加振指令そのものとし、加振指令そのものと、加振指令の位相を90度だけシフトした信号を基準波とする点が、上記実施の形態1と異なる。他は基本的に同様である。
より詳細には、加振指令そのものを、基準sin波とし、90度(deg)位相シフト部705で、加振指令の位相を90度だけシフトした信号を基準cos波とする。異常判定部7の基準波の生成部分以外の処理は、実施の形態1と同様である。
この実施の形態の構成によれば、基準波の生成部分が、実施の形態1と異なるが、基準波の周波数は全く同じであるので、加振応答の相対的な比較においては、全く同様にでき、実施の形態1と同様な効果が得られる。
加振指令は正弦波を含有し、加振情報は加振指令であって、異常判定部7は、加振指令に基づいて異常を判定するよう構成したので、加振指令の周波数に限定して、加振指令に対する各検出部3,4の応答を抽出できるので、精度良くその応答を抽出でき、異常の検知精度を高めることができる。
なお、加振応答演算器702は図4の振幅演算を行う加振応答演算器702aでも、図6の位相演算を行う加振応答演算器702aであってもよい(以下同様)。
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4による回転機の制御装置とその周辺の構成を示す図である。上述の実施の形態1においては、異常判定部7は、加振指令の特徴量である加振情報に基づいて、加振応答振幅を演算し、異常を判定した。この実施の形態では、図8のように、異常判定部7は、加振指令発生部5から加振情報を受け取ることなく、加振応答を演算する点が、実施の形態1と異なり、他は基本的に同様である。
図9にこの発明の実施の形態4による異常判定部の構成の一例を示すブロック図を示す。異常判定部7は、図9のように構成され、加振応答演算器702に、基準波が入力されることなく、加振応答振幅を演算するものである。
図10にこの発明の実施の形態4による加振応答演算器の構成の一例を示すブロック図を示す。加振応答演算器702は、詳細には、図10の加振応答演算器702cのように、交流成分抽出部7024と平均化部7025で構成される。交流成分抽出部7024は、例えば、ハイパスフィルタで構成され、加振指令により振動する回転機1の振動成分すなわち交流成分を抽出する。交流成分抽出部7024は、換算回転位置θtまたは出力トルクTsをハイパスフィルタによって、その交流成分を抽出し、それぞれに対応する、交流成分信号を出力する。平均化部7025は、交流成分信号の絶対値を取り、移動平均などを用いて、平均化することで、交流成分の振幅の実効値相当の値を加振応答振幅として算出する。
このようにすることで、加振周波数以外の交流成分も誤差として加振応答振幅に含まれるが、その誤差に対して加振振幅Aeを大きく設定すればその影響は十分低減できるので、実施の形態1と同様な効果を得る事ができる。
また、異常判定部7は、加振指令に対する回転状態の応答と出力トルクの応答から交流成分を抽出し、交流成分に基づいて異常を判定するよう構成したので、加振情報を用いることなく簡素な構成で、実施の形態1と同様な効果を得られ、検知精度を高められ、異常検知可能な動作状態を広範囲に広げることができ、従来にない顕著な効果を奏する。
実施の形態5.
上述の実施の形態1においては、異常判定部7は、加振指令の特徴量である加振情報に基づいて、加振応答振幅を演算し、異常を判定した。この実施の形態では実施の形態4と同様に、図8のように、異常判定部7は、加振指令発生部から加振情報を受け取ることなく、加振応答を演算する点が、実施の形態1と異なる。他は基本的に同様である。
図11にこの発明の実施の形態5による異常判定部の構成の一例を示すブロック図を示す。異常判定部7は、図11のように構成され、周波数検出部711によって、加振周波数を算出(検出)し、その加振周波数に基づいて基準波生成部701が基準波を演算するものである。
まず、加振指令発生部5における加振振幅Aeを加振指令以外の振動成分より大きく設定しておく。
周波数検出部711は、所定期間の回転位置θmの値を用いて、一般によく知られる方法であるスペクトル解析法によって、周波数解析する。周波数解析の結果、各周波数に対する振幅が演算される。様々な振動のうち加振指令によるものが支配的であるので、加振周波数が最も大きな値として特定される。このようにして、周波数検出部711で算出された加振周波数ωeに基づいて、基準波生成部701が基準波を演算する。
また、周波数検出部711は、スペクトル解析法を用いる以外にも、他に、回転位置θmの交流成分を抽出して、その交流成分の1周期を正負の符号などを基にカウントすることで周波数解析でき、所定期間内のカウント数を所定期間で割り算した値を加振周波数として特定することができる。
また、周波数検出部711は、回転位置θmの値に基づく周波数解析を行うが、他に、出力トルクTsの値に基づいてもよく、加振に対する振動の周波数は、同様に現れるので、同じ作用を得ることができる。
この実施の形態ように構成することで、加振周波数以外の振動成分も周波数解析の誤差として現れるが、振幅に対して加振振幅Aeを大きく設定すればその影響は十分低減できるので、異常判定部7で加振情報を用いることなく実施の形態1と同様な効果を得ることができる。
また、異常判定部7は、加振指令に対する回転状態の応答と出力トルクの応答の振幅に基づいて異常を判定するよう構成したので、加振指令に対する各検出部3,4の応答の成分のうち、位相など他の情報を排除して、振幅だけで異常を判定できるので、簡素な判定部で、簡潔に判定できる。
実施の形態6.
図12にこの発明の実施の形態6による異常判定部の構成の一例を示すブロック図を示す。上述の実施の形態5においては、異常判定部7は、加振応答演算器702で、加振応答振幅を演算し異常を判定した。この実施の形態では、図12のように、異常判定部7は、加振応答振幅に基づいて伝達演算部712で、加振指令から加振応答までの伝達の特徴量である伝達ゲインまたは伝達位相を演算する。そしてその伝達ゲインまたは伝達位相に基づいて比較判定部703が異常を判定する点、および伝達演算部712が例えば図1に示す加振指令発生部5より加振情報(振幅または位相)を受ける点が異なる。他は基本的に同様である。
実施の形態5と同様にして加振応答演算器702で演算した加振応答振幅に対して、伝達演算部712において、加振情報である加振振幅Aeで除算することにより、加振指令から換算回転位置θtおよび出力トルクTsの応答までの伝達ゲインをそれぞれ演算する。
これらの伝達ゲインに基づいて、比較判定部703は、換算回転位置θtの伝達ゲイン、出力トルクTsの伝達ゲインを比較し、その差が、通常の誤差範囲で決められた所定値を超えるか否かを判定し、超える期間が所定時間以上経過したときに、回転状態検出部3またはトルク検出部4に異常が生じたものと判定する。
また上記説明では、伝達ゲインを演算するようにしたが、加振応答演算器702で、実施の形態2のように加振応答位相を演算し、伝達演算部712で、加振応答位相から、加振位相Φeを減算して伝達位相を求め、加振指令から換算回転位置θtおよび出力トルクTsの応答までの伝達位相の差に基づいて、異常を判定するように構成してもよい。
この実施の形態ように構成することで、伝達ゲインおよび伝達位相は、加振応答振幅および加振応答位相に比例またはオフセットするだけの値として扱えるので、実施の形態5と同様な効果を得ることができる。
また、加振指令は正弦波を含有し、加振情報は、加振指令の位相または振幅であって、異常判定部7は、加振指令の位相または振幅に基づいて、伝達ゲインまたは伝達位相を演算し異常を判定するよう構成した。加振指令から応答までの伝達は、加振の振幅や位相に依存しないので、加振指令の加振振幅や加振位相の設計値に依存せず、比較判定部703における閾値を一定値に固定できるので、設計が容易になる。
なお、周波数検出部711を用いることなく、実施の形態1と同様に図2に示す基準波生成部701を設けて、加振周波数に基づいて基準波を生成してもよく、基準波の生成方法によらず、同様な効果が得られる。
実施の形態7.
図13はこの発明の実施の形態7による回転機の制御装置とその周辺の構成を示す図である。上述の実施の形態1においては、加振指令発生部5は、加振指令の振幅は固定であった。この実施の形態では、加振指令の振幅すなわち加振振幅Aeを制御装置の状態変数に基づいて変動させる点が、実施の形態1と異なる。他は基本的に同様である。
その一例として、図13のような構成がある。出力トルクTsを加振指令発生部5に入力する。加振指令発生部5は、出力トルクTsの大きさに比例する値を予め定める固定値に加算して加振振幅Aeを演算する。
このように構成することで、負荷状態によって変動する回転軸ARの摩擦トルクの大きさに対応して、摩擦トルクが大きくなる程、加振振幅Aeを大きくできる。回転軸ARの摩擦トルクの大きさは、出力トルクや回転機1の発生するトルクの大きさに概ね比例する傾向を有する場合があるので、出力トルクに比例する補正を加えることで、このような性質を得られる。また図13に破線で示すように、出力トルクの代わりに、基本指令に基づいて加振振幅を可変にしてもよい。基本指令に応じて、出力状態や負荷状態は変化するから、同様な作用が得られる。また、基本指令に応じて、回転状態θmも変化するので、回転状態θmに比例して加振振幅を可変にしてもよい。
加振指令発生部5は、加振指令の振幅を、回転状態、出力トルク、基本指令のいずれか1つに応じて変化させるよう構成したので、摩擦トルクの影響で、加振応答が小さくなり、異常が検知し難い状態になり難くなるため、異常の検知精度が高められる。
また、上述の構成では、出力トルクTsや回転状態θmに応じて加振振幅Aeを可変としたが、いずれかの加振応答振幅に基づいて、加振振幅を変化させてもよい。例えば、加振応答振幅の目標値から加振応答振幅を減算して、ゲインを乗じたものを加振振幅とするようフィードバックを構成してもよい。これにより、加振応答振幅を加振応答振幅の目標値に追従させることができ、摩擦トルクが変動しても、加振応答振幅が小さすぎず大きすぎない範囲に保つことができ、異常の検知精度を高めるとともに、余分な大きさの振動をさせず不快感を低減できる。
実施の形態8.
図14はこの発明の実施の形態8による回転機の制御装置とその周辺の構成を示す図である。上述の実施の形態1においては、基本指令に加振指令を加算して給電指令を演算した。この実施の形態では、図14のように加振指令発生部5が加振指令を給電指令として給電部2へ出力する点が、実施の形態1と異なる。他は基本的に同様である。
これは、基本指令を発生させて回転機1に基本的な回転をさせる前や後の状態を示しており、基本的動作が無い場合に、加振指令により回転機1を振動させて、異常を検知するものである。
これにより、基本的な動作をさせる前に、安全を確かめることができ、異常な場合に、基本的な動作をキャンセルすることができる。
実施の形態9.
上述の実施の形態1においては、回転状態検出部3で検出する回転状態は回転機1の回転位置θmであったが、この実施の形態では、回転状態検出部3で検出する回転状態は回転機1の回転速度であるとする。図2の次元換算部704が回転速度を回転位置に変換演算してからゲインを乗算して換算回転位置θtとする点が、実施の形態1と異なる。他は基本的に同様である。
なお、回転速度から回転位置に変換するには、積分器を用いればよい。次元換算部704は積分器を含む。また、加振応答として欲しい応答は、交流成分であるので、全周波数で積分の特性は必要なく、例えば、ローパスフィルタを用いて、交差周波数以上だけ積分の特性を得るようにしてもよい。すなわち、積分を含むフィルタ処理を行えばよい。これは、回転速度から回転位置に変換または推定(演算)していると言える。
また、上述の構成では、回転状態検出部3は、回転速度を検出するとしたが、直接的に検出しなくても、良く知られるように誘起電圧に基づいて回転速度を推定するようにしてもよく、実施の形態1と同様な作用を実現できる。
回転状態検出部3は、回転機1の回転位置を検出するのに代えて、回転速度を検出または推定(演算)、または、回転位置を推定(演算)するよう構成したので、回転機1の回転位置を検出する検出部に限定せずに、回転状態の様々な検出部を有する制御装置においても、実施の形態1と同様に異常を検知できる。また、さらに、回転状態を推定することで、ハードウェアのコストを低減できる。
また、上述の構成では、回転速度に積分を含むフィルタ処理を施して、出力トルクの応答と比較するよう構成した。しかしながら、例えば図2の次元換算部704を回転状態検出部3ではなくトルク検出部4側に設け(図示省略)、回転速度は速度のまま用い、逆に出力トルクを次元換算部で微分して次元を合わせるように構成してもよい。このようにして次元を合わせれば、実施の形態1と同様な効果が得られる。なお、微分をする際には、高周波のノイズを除去するフィルタを用いるので、通常積分を含むフィルタ構成となる。
回転状態は回転速度であって、異常判定部7は、加振指令に対する回転速度の応答または出力トルクの応答に、積分を含むフィルタ処理を施した値に基づいて異常を判定するよう構成したので、各検出部3,4で検出される状態変数の次元が異なり位相を含む動的な換算が必要な場合も、同じ次元に換算することができ、各検出部3,4を2系統にする必要もなく、実施の形態1と同様な効果を得られ、検知精度を高められ、異常検知可能な動作状態を広範囲に広げることができ、従来にない顕著な効果を奏する。
実施の形態10.
図15はこの発明の実施の形態10による回転機の制御装置とその周辺の構成を示す図である。上述の実施の形態1においては、トルク検出部4は1系統のみ有していた。この実施の形態では図15のように、トルク検出部は第1トルク検出部401と第2トルク検出部402の2系統を有する。各検出部401,402はそれぞれ第1出力トルクと第2出力トルクを出力し、異常判定部7は、第1出力トルクと第2出力トルクの両方に基づいて異常を検知する点が、実施の形態1と異なる。他は基本的に同様である。
図17にこの発明の実施の形態10による異常判定部の構成の一例を示すブロック図を示す。図17に示すように、異常判定部7は、加振応答演算器702を3個備え、それぞれ、回転状態である回転位置、第1出力トルクおよび第2出力トルクについて、合計3個の加振応答振幅を演算する。
比較判定部703は、換算回転位置θtの加振応答振幅、第1および第2出力トルクの加振応答振幅の3個を相互に比較し、その差が、通常の誤差範囲で決められた所定値を超えるか否かを判定する。3個の内、いずれか2個が所定値以下の誤差であり、他の1個が該2個に比べて所定値を超える誤差を持つ期間が所定時間以上経過したときに、該1個の加振応答振幅に該当する回転状態検出部3、第1トルク検出部401または第2トルク検出部402に異常が生じたものと判定する。すなわち、3個の検出部のうち異常な1つの検出部を特定する。
トルク検出部は、第1トルク検出部401と第2トルク検出部402の2系統を有し、それぞれ第1出力トルクと第2出力トルクを出力する。異常判定部7は、加振指令に対する回転状態の応答、第1出力トルクの応答および第2出力トルクの応答のうち、いずれか2つの応答が同等で、残りの1つの応答が異なる場合に、該異なる応答を示した回転状態、第1出力トルク、第2出力トルクのいずれか1つに異常が発生したと判定するよう構成されている。これにより、実施の形態1が奏する効果に加えて、各検出部を3系統設けることなく、回転機1の異なる2種類の状態変数を検出する検出部の内一方を2系統にするだけで、概ね常時において異常な検出部を精度良く特定できるという従来にない顕著な効果を得ることができる。
実施の形態11.
図16はこの発明の実施の形態11による回転機の制御装置とその周辺の構成を示す図である。上述の実施の形態1においては、回転状態検出部3は1系統のみ有していた。この実施の形態では、図16のように、回転状態検出部は、第1回転状態検出部301と第2回転状態検出部302の2系統を有する。各検出部301,302はそれぞれ第1回転状態と第2回転状態を出力し、異常判定部7は、第1回転状態と第2回転状態の両方に基づいて異常を検知する点が、実施の形態1と異なる。他は基本的に同様である。なお、この実施の形態でも、回転状態は回転位置とする。
図18にこの発明の実施の形態11による異常判定部の構成の一例を示すブロック図を示す。図18に示すように、異常判定部7は、次元換算部704を2個備え、第1回転位置と第2回転位置をそれぞれ、実施の形態1と同様に第1換算回転位置と第2換算回転位置に換算する。
異常判定部7は、加振応答演算器702を3個備え、それぞれ、第1換算回転位置、第2換算回転位置および出力トルクについて、合計3個の加振応答振幅を演算する。比較判定部703は、第1換算回転位置および第2換算回転位置の加振応答振幅と出力トルクの加振応答振幅の3個を相互に比較し、その差が、通常の誤差範囲で決められた所定値を超えるか否かを判定する。3個の内、いずれか2個が所定値以下の誤差であり、他の1個が該2個に比べて所定値を超える誤差を持つ期間が所定時間以上経過したときに、該1個の加振応答振幅に該当する第1回転状態検出部301、第2回転状態検出部302またはトルク検出部4に異常が生じたものと判定する。すなわち、3個の検出部のうち異常な1つの検出部を特定する。
回転状態検出部は、第1回転状態検出部301と第2回転状態検出部302の2系統を有し、それぞれ第1回転状態と第2回転状態を出力する。異常判定部7は、加振指令に対する第1回転状態の応答、第2回転状態の応答および出力トルクの応答のうち、いずれか2つの応答が同等で、残りの1つの応答が異なる場合に、該異なる応答を示した第1回転状態、第2回転状態、出力トルクのいずれか1つに異常が発生したと判定するよう構成されている。これにより、実施の形態1が奏する効果に加えて、各検出部を3系統設けることなく、回転機の異なる2種類の状態変数を検出する検出部の内一方を2系統にするだけで、概ね常時において異常な検出部を精度良く特定できるという従来にない顕著な効果を得ることができる。
実施の形態12.
図19はこの発明の実施の形態12による回転機の制御装置とその周辺の構成を示す図である。上述の実施の形態10に記載の構成に加えて、この実施の形態では、図19のように、異常判定部7が特定された異常な検出部がどれであるかを異常情報として選択部11に入力する。選択部11は、第1トルク検出部401または第2トルク検出部402のいずれか一方が異常の場合に、正常な他方の出力する出力トルクを選択して、基本指令生成部10に入力するよう構成されている。
基本指令生成部10は、異常が生じていない正常な状態のときは、選択部11から出力される第1トルク検出部401の出力トルクに基づいて基本指令を生成する。しかしながら、異常判定部7において、第1または第2トルク検出部401,402のいずれか一方が異常と判断された場合には、異常情報に基づいて選択部11で選択された正常な系統の出力トルクに基づいて、基本指令を生成する。このようにして、2系統あるトルク検出部のうち、一方が異常になると正常な他方に基づいて、制御を継続する。
次に、2系統あるトルク検出部401,402のうち、一方が異常の場合において、比較判定部703(図17)は、振応答演算器702から出力された加振応答振幅に基づいて、換算回転位置θtの加振応答振幅、正常な系統の出力トルクTsの加振応答振幅を比較する。そしてその差が、通常の誤差範囲で決められた所定値を超えるか否かを判定し、超える期間が所定時間以上経過したときに、回転状態検出部3または正常として扱っていた系統のトルク検出部(401または402)に、新たな異常が生じたものと判定する。すなわち、2つの検出部における2つめの二次的な異常を検知する。二次的な故障を検知した後は、比較判定部703は回転機1の制御を停止させるなどの処置をする。
トルク検出部は、第1トルク検出部401と第2トルク検出部402の2系統を有し、それぞれ第1出力トルクと第2出力トルクを出力する。制御装置は、第1出力トルクおよび第2出力トルクのいずれかが異常である場合において、正常な系統の出力トルクに基づいて回転機1の制御を継続する。異常判定部7は、加振指令に対する回転状態の応答と正常な系統の出力トルクの応答に基づいて異常を判定する。このように構成されているので、実施の形態10が奏する効果に加えて、各検出部を3系統設けることなく、回転機1の異なる2種類の状態変数を検出する検出部の内一方を2系統にするだけで、2系統のうち一方が異常となって以後も、概ね常時において異常な検出部を精度良く特定できるという従来にない顕著な効果を得ることができる。
実施の形態13.
図20はこの発明の実施の形態13による回転機の制御装置とその周辺の構成を示す図である。上述の実施の形態11に記載の構成に加えて、この実施の形態では、図20のように、異常判定部7が特定された異常な検出部がどれであるかを異常情報として選択部11に入力する。選択部11は、第1回転状態検出部301または第2回転状態検出部302のいずれか一方が異常の場合に、正常な他方の出力する出力トルクを選択して、基本指令生成部10に入力するよう構成されている。
基本指令生成部10は、異常が生じていない正常な状態のときは、選択部11から出力される第1回転状態検出部301の回転状態に基づいて基本指令を生成している。しかしながら、異常判定部7において、第1または第2回転状態検出部301,302のいずれか一方が異常と判断された場合には、異常情報に基づいて選択部11で選択された正常な系統の回転状態に基づいて、基本指令を生成する。このようにして、2系統ある回転状態検出部のうち、一方が異常になると正常な他方に基づいて、制御を継続する。
次に、2系統ある回転状態検出部301,302のうち、一方が異常の場合において、比較判定部703(図18)は、振応答演算器702から出力された加振応答振幅に基づいて、正常な系統の換算回転位置θtの加振応答振幅、出力トルクTsの加振応答振幅を比較する。そしてその差が、通常の誤差範囲で決められた所定値を超えるか否かを判定し、超える期間が所定時間以上経過したときに、正常として扱っていた系統の回転状態検出部(301または302)またはトルク検出部4に、新たな異常が生じたものと判定する。すなわち、2つの検出部における2つめの二次的な異常を検知する。二次的な故障を検知した後は、比較判定部703は回転機1の制御を停止させるなどの処置をする。
回転状態検出部は、第1回転状態検出部301と第2回転状態検出部302の2系統を有し、それぞれ第1回転状態と第2回転状態を出力する。制御装置は、第1回転状態および第2回転状態のいずれかが異常である場合において、正常な系統の回転状態に基づいて回転機1の制御を継続する。異常判定部7は、加振指令に対する正常な系統の回転状態の応答と出力トルクの応答に基づいて異常を判定する。このように構成されているので、実施の形態11が奏する効果に加えて、各検出部を3系統設けることなく、回転機1の異なる2種類の状態変数を検出する検出部の内一方を2系統にするだけで、2系統のうち一方が異常となって以後も、概ね常時において異常な検出部を精度良く特定できるという従来にない顕著な効果を得る事ができる。
実施の形態14.
図21はこの発明の実施の形態14による電動パワーステアリング装置の構成を示すブロック図である。図21の電動パワーステアリング装置は、上述した各実施の形態で示した回転機の制御装置を適用した一例である。図示しない運転者によりステアリングホイール101に加えられた操舵力は、回転軸ARであるステアリングシャフト103、ラック・ピニオンギヤ104を順に介してラックに伝達されて、車輪105を転舵させる。回転機1は、モータ減速ギア102を介してステアリングシャフト103と連結している。回転機1が発生するトルク(以下補助力とも言う)は、モータ減速ギア102を介してステアリングシャフト103に伝達され、操舵時に運転者が加える操舵力を軽減する。
トルク検出部4は、運転者がステアリングホイール101を操舵することによりステアリングシャフト103に加わった操舵トルクと、回転機1が発生するトルクとの混合されたトルクを出力トルクとして検出する。制御装置20は、トルク検出部4で検出した出力トルクに応じて、回転機1が付与する補助力の方向と大きさを決定し、この補助力を発生させるべく回転機1に流れる電流を制御する。また例えば回転機1に取り付けられた回転状態検出部3は、回転機1の回転位置または回転速度を検出する。
制御装置20は、上述された実施の形態のうちのいずれかのものに、回転機1の出力するトルクの目標値に相当する基本指令を算出する基本指令生成部10を組み合わせて構成される。図21では、実施の形態1の制御装置に、該基本指令生成部10を組み合わせた構成を示しているが、これに限定されるものではなく、上述の実施の形態におけるいずれかの制御装置を組み合わせればよい。なお、実施の形態12,13は、基本指令生成部がすでに備わっているので、追加する必要はない。
電動パワーステアリング装置において、走行中に故障が発生した場合に制御を停止すると、運転者の感じる違和感が大きい。そこで、可能な限り制御を継続することで違和感を低減できる。何らかの故障があるにも関わらず、可能な限り良好な制御を継続するには、故障した箇所を特定することが望ましい。さらに、様々に変動する動作状態、負荷状態、摩擦の状態において、概ね常時、異常を精度良く検知できることが望まれる。
この実施の形態14の電動パワーステアリング装置によれば、簡素な構成で、異常の検知精度を高められ、異常検知可能な動作状態を広範囲に広げることができ、その結果、可能な限り制御を継続することができ、運転者の感じる違和感を低減できる。
図22は電動パワーステアリングにおける回転機1のトルクから回転機1の回転位置とトルク検出部4の出力トルクまでの応答振幅の差異の周波数特性を示すボード線図である。なお、回転位置は換算回転位置θtに換算してある。図22によると、縦軸に0と付した値の線が、応答の差異が無いことを示しており、楕円形で囲った推奨帯域Aが、縦軸における0近傍で横に平坦な特性を示しており、応答が等しいことを示している。応答が横に平坦であることは、応答の振幅だけでなく、応答の位相も等しいことを意味している。なお、応答振幅の差異とは、各応答振幅の比について対数をとったものである。ここで、推奨帯域は、回転位置と出力トルクの応答振幅の差異、横に平坦な特性を示す帯域といえる。また、楕円よりも低周波側に共振点があるように、回転機1の慣性や負荷8の慣性で決まる共振点よりも高い周波数帯域であるともいえる。
加振指令は、出力トルクと回転状態の応答が概ね等しいまたは等しい推奨帯域の周波数の正弦波を含有するよう選ぶことで、異なる状態変数を検出する回転状態検出部とトルク検出部の加振指令に対する応答に基づいて、これらの加振応答を相互に参照して、異常を精度良く、概ね常時において、検知することができる。
また、このような回転機1のトルクから回転機1の回転位置とトルク検出部4の出力トルクまでの応答振幅の差異の特性は、電動パワーステアリング装置だけで存在するわけで無く、回転機とその適用装置を決めれば、同様な特性を知ることができる。そのため、このような推奨帯域に加振周波数を設定する方法は、上述の実施の形態全てにおいて、適用することができ、同様な効果を得ることができる。
また、上述までの実施の形態の構成では、給電指令を電流指令としたが、トルク指令としてもよく、電流とトルクは通常比例するので、上述と同様な効果を得られる。
また、上述の構成では、給電指令を電流指令としたが、電圧指令としてもよく、その場合、電流制御部(図3の電流制御部201参照)は、給電部(例えば図1の給電部2参照)の外に置き、別途定める電流指令に基づいて電圧指令の主な成分である基本指令を生成し、この基本指令に加振指令を加算するようにしてもよい。この場合、給電部は電圧指令である給電指令に基づいて回転機に電力を供給する。加振指令から加振応答までの伝達としては、電圧から電流までの応答特性の分は、上述の電流指令を給電指令とする場合に比べて差異が生じるが、この差異は予め把握して容易に補正できるので、上述までの効果と同様な効果が得られる。
なおこの発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、これらの実施の形態の可能な組み合わせを全て含む。
産業上の利用の可能性
この発明による回転機の制御装置は、種々の分野の回転機を備えた機構に適用可能である。
1 回転機、2 給電部、3 回転状態検出部、4 トルク検出部、5 加振指令発生部、6 加算部、7 異常判定部、8 負荷、10 基本指令生成部、11 選択部、20 制御装置、101 ステアリングホイール、102 モータ減速ギア、103 ステアリングシャフト、104 ラック・ピニオンギヤ、105 車輪、201 電流制御部、202 電力変換部、301 第1回転状態検出部、302 第2回転状態検出部、401 第1トルク検出部、402 第2トルク検出部、701 基準波生成部、702,702a,702b,702c 加振応答演算器、703 比較判定部、704 次元換算部、705 90deg位相シフト部、711 周波数検出部、712 伝達演算部、7021 乗算部、7021−1,7021−2 乗算器、7022 積分部、7022−1,7022−2 積分器、7023a 振幅演算部、7023b 位相演算部、7024 交流成分抽出部、7025 平均化部。
この発明は、給電指令に応じた電力を回転機に給電する給電部と、前記回転機の回転状態を検出する回転状態検出部と、前記回転機の出力する出力トルクを検出するトルク検出部と、前記回転状態検出部またはトルク検出部の異常を判定する異常判定部と、前記回転機を振動させる加振指令を発生する加振指令発生部と、を備え、前記給電指令が少なくとも前記加振指令に基づいて生成されるとともに、前記異常判定部は、前記加振指令に対する前記回転状態の応答と前記出力トルクの応答を同じ次元に換算し相互に比較することによって前記検出部の異常を判定する、ことを特徴とする回転機の制御装置等にある。

Claims (18)

  1. 給電指令に応じた電力を回転機に給電する給電部と、
    前記回転機の回転状態を検出する回転状態検出部と、
    前記回転機の出力する出力トルクを検出するトルク検出部と、
    前記回転状態検出部またはトルク検出部の異常を判定する異常判定部と、
    前記回転機を振動させる加振指令を発生する加振指令発生部と、
    を備え、
    前記給電指令が少なくとも前記加振指令に基づいて生成されるとともに、前記異常判定部は、前記加振指令に対する前記回転状態の応答と前記出力トルクの応答に基づいて前記検出部の異常を判定する、
    ことを特徴とする回転機の制御装置。
  2. 前記加振指令発生部は、前記加振指令の特徴量を加振情報として出力し、前記異常判定部は、前記加振情報に基づいて前記応答を求めて異常を判定することを特徴とする請求項1に記載の回転機の制御装置。
  3. 前記加振指令は正弦波を含み、前記加振情報は前記加振指令の周波数、位相、振幅のいずれか1つまたは前記加振指令であって、
    前記異常判定部は、前記加振情報に基づいて前記応答を求めて異常を判定することを特徴とする請求項2に記載の回転機の制御装置。
  4. 前記異常判定部は、前記加振指令に対する前記回転状態の応答と前記出力トルクの応答の振幅に基づいて異常を判定することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  5. 前記加振指令発生部は、前記加振情報を加振指令の周波数とし、
    前記異常判定部は、前記加振指令の周波数に基づいて、前記加振指令に対する前記回転状態の応答と前記出力トルクの応答それぞれの振幅または位相を演算し、該振幅または該位相に基づいて異常を判定することを特徴とする請求項3に記載の回転機の制御装置。
  6. 前記異常判定部は、前記加振指令に対する前記回転状態と前記出力トルクの交流成分を抽出し、前記交流成分に基づいて前記応答を求めて異常を判定することを特徴とする請求項1に記載の回転機の制御装置。
  7. 前記回転状態検出部は、前記回転機の回転位置または回転速度を検出または演算することを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  8. 前記異常判定部は、前記加振指令に対する前記回転状態の応答または前記出力トルクの応答に、補正ゲインを乗算した値に基づいて異常を判定することを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  9. 前記異常判定部は、前記回転状態検出部とトルク検出部の出力の次元を合わせるために一方の出力に積分を含むフィルタ処理を施して次元換算を行うことを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  10. 前記トルク検出部は、第1トルク検出部と第2トルク検出部の2系統を有し、それぞれ第1出力トルクと第2出力トルクを出力し、
    前記異常判定部は、前記加振指令に対する前記回転状態の応答、前記第1出力トルクの応答および前記第2出力トルクの応答のうちいずれか2つの応答に対して残りの1つの応答が異なる場合に、前記異なる応答を示した前記回転状態検出部、第1トルク検出部または第2トルク検出部に異常が発生したと判定することを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  11. 前記トルク検出部は、第1トルク検出部と第2トルク検出部の2系統を有し、それぞれ第1出力トルクと第2出力トルクを出力し、
    前記制御装置は、前記第1トルク検出部または前記第2トルク検出部のいずれかが異常である場合において、正常な系統の出力トルクに基づいて回転機の制御を継続し、
    前記異常判定部は、前記加振指令に対する前記回転状態の応答と前記正常な系統の出力トルクの応答に基づいて異常を判定することを特徴とする請求項1から10までのいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  12. 前記回転状態検出部は、第1回転状態検出部と第2回転状態検出部の2系統を有し、それぞれ第1回転状態と第2回転状態を出力し、
    前記異常判定部は、前記加振指令に対する前記第1回転状態の応答、前記第2回転状態の応答および前記出力トルクの応答のうちいずれか2つの応答に対して残りの1つの応答が異なる場合に、前記異なる応答を示した前記第1回転状態検出部、第2回転状態検出部またはトルク検出部に異常が発生したと判定することを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  13. 前記回転状態検出部は、第1回転状態検出部と第2回転状態検出部の2系統を有し、それぞれ第1回転状態と第2回転状態を出力し、
    前記制御装置は、前記第1回転状態検出部または前記第2回転状態検出部のいずれかが異常である場合において、正常な系統の回転状態に基づいて回転機の制御を継続し、
    前記異常判定部は、前記加振指令に対する前記正常な系統の回転状態の応答と前記出力トルクの応答に基づいて異常を判定することを特徴とする請求項1から9までおよび12のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  14. 前記加振指令発生部は、前記加振指令の振幅を前記回転状態または前記出力トルクに応じて変化させることを特徴とする請求項1から13までのいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  15. 前記給電指令は、前記回転機に基本的な回転をさせる基本指令に前記加振指令を重畳したものとすることを特徴とする請求項1から14までのいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  16. 前記加振指令発生部は、前記加振指令の振幅を、前記基本指令に応じて変化させることを特徴とする請求項15に記載の回転機の制御装置。
  17. 請求項1から16までのいずれか1項に記載の回転機の制御装置を備え、前記回転機が発生するトルクをステアリングシャフトに伝達させることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  18. 前記加振指令は、前記出力トルクと前記回転状態の応答が概ね等しい周波数の正弦波を含むことを特徴とする請求項17に記載の電動パワーステアリング装置。
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