JP5892012B2 - 車載電子制御装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、電動パワーステアリング装置において、2系統のトルクセンサを備え、該2系統のトルクセンサのうち異常が発生しているトルクセンサを特定でき、かつ、異常が検出されていない側のトルクセンサの検出値に基づいて、安全に操舵アシストを継続できるようにする技術が開示されている。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、アクチュエータの駆動制御に関わる機能を有する機能部に対して行われる故障診断処理のロバスト性を向上するのに好適な車載電子制御装置を提供することを目的としている。
前記主機能部の故障を診断する故障診断部と、を備え、前記アクチュエータ制御部は、前記主機能部の出力値に基づく制御処理である第1制御処理と前記代替機能部の出力値に基づく制御処理である第2制御処理とを有し、前記故障診断部の診断結果に基づき、前記主機能部が正常であると判定すると前記第1制御処理を実行して前記アクチュエータを駆動制御し、前記主機能部が故障していると判定すると前記第2制御処理を実行して前記アクチュエータを駆動制御し、前記故障診断部は、前記主機能部の動作保証範囲よりも広い動作保証範囲で前記主機能部を診断可能に設計されている。
これによって、故障診断部は、代替機能部が正常な場合に、第2制御処理の実行中に代替機能部の監視を続けることが可能となる。また、主機能部及び代替機能部が共に故障している場合は、少なくとも、故障した機能部の出力値を用いた制御処理を停止することが可能となる。
このような構成であれば、主機能部及び代替機能部で使用される物理値が異なる物理値となるので、物理値を検出するセンサが故障等した場合に、主機能部及び代替機能部の双方が同時に動作不能(異常状態又は故障状態)に陥ることを回避することが可能となる。
このような構成であれば、異常挙動低減部によって、主機能部又は代替機能部で使用される物理値が故障の診断対象に入力される前に、当該物理値を補正して異常挙動を低減することが可能である。
このような構成であれば、異常挙動低減部によって、主機能部又は代替機能部の出力値を補正することによって、異常挙動を低減することが可能である。
このような構成であれば、異常挙動低減部によって、補正対象値に対して、最大値を制限するリミッタ処理、ゲインを乗じるゲイン補正処理、及びオフセット値を加算するオフセット補正処理のうちいずれか1の補正処理を行うことによって、異常挙動を低減することが可能である。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づき説明する。図1〜図13は、本発明に係る車載電子制御装置の第1実施形態を示す図である。本実施形態は、本発明に係る車載電子制御装置を車載のステアリング機構に操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置に適用した場合の一実施形態となる。
まず、ステアリング機構の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るパワーステアリング装置によって駆動されるステアリング機構の概略構成図である。
図1に示すように、ステアリング機構SMは、ステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力が伝達される入力軸2aとこの入力軸2aに図示しないトーションバーを介して連結された出力軸2bとを有するステアリングシャフト2を備えている。このステアリングシャフト2は、ステアリングコラム3に回転自在に内装され、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端は図示しないトーションバーに連結されている。
また、減速機構11のステアリングホイール1側に連接されたハウジング13内に操舵トルク検出手段としての操舵トルクセンサ14が配設されている。この操舵トルクセンサ14は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するものである。この操舵トルクセンサ14は、例えば、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介挿した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を非接触の磁気センサで検出するように構成されている。
図2は、ECU15の概略構成図である。
ECU15は、図2に示すように、電動モータ12の制御処理を実行するMCU100と、MCU100にクロック信号CLK(以下、単にCLKと称す)を供給する発振子101と、電動モータ12を駆動するモータ駆動回路102と、MCU100から入力されるPWM信号から高周波成分(ノイズ成分)を除去してなるレゾルバ励磁信号Rgを出力する2次LPF(Low Pass Filter)103とを含んで構成される。
MCU100は、更に、電動モータ12を駆動制御して、操舵トルクに応じた操舵補助力を発生する操舵補助制御処理を実行する中央処理装置(CPU)112を含んで構成される。
ここで、本実施形態においては、電動モータ12の駆動制御に関わる機能部の一部を、第1機能を有する主機能部と、第1機能の代替となる第2機能を有する代替機能部とから構成している。主機能部及び代替機能部は、一方又は双方をソフトウェアで構成してもよいし、一方又は双方をハードウェアで構成してもよい。
また、本実施形態において、ECU15は、主機能部及び代替機能部の故障を診断する構成部の異常を検出し、該構成部に異常が検出された場合に、電動パワーステアリング装置の動作を停止する機能を有している。
なお、ここでいう故障とは、主機能部又は代替機能部が、例えば、各機能に係る処理を実行する装置や該装置で用いる物理値を提供する装置の損壊などによって動作不能に陥った状態を含む。更に、主機能部又は代替機能部が、動作は実行できるが出力値が異常となる状態を含む。例えば、主機能部又は代替機能部が、動作保証範囲を超える動作環境下で動作する状態等を含む。
MCU100は、更に、CPU112で実行する操舵補助制御処理に必要なプログラム及びデータを記憶する記憶部としてのROM113を含んで構成される。
RAM114は、本実施形態において、トルク検出値Td、レゾルバ出力信号値Rd、レゾルバ励磁信号値Rgd、モータ端子電圧値Vmd、モータ電流値Imod等の検出データ、CPU112で実行する上記各種処理の処理過程で必要とするデータや処理結果を記憶する。
PWM生成回路116は、レゾルバ17を励磁するレゾルバ励磁信号の基準波形信号となるPWM信号を生成する。
モータ駆動回路102は、MCU100から出力される補償後操舵補助トルク指令値Iref’に基づき電動モータ12に供給する駆動電流を制御する。
図3に示すように、ロバスト制御部は、電動モータ12の駆動制御に係る機能部の一部として、機能部120を備える。この機能部120は、第1機能を有する主機能部120aと、第1機能に代替する第2機能を有する代替機能部120bと、を備える。
ロバスト制御部は、更に、主機能診断部121の診断結果と、代替機能診断部122の診断結果とに基づき、後段の機能部に出力する出力値を選択し、選択した出力値を該出力値を用いた制御処理を行う後段の機能部に出力する出力選択部123を備える。
故障監視部117は、主機能診断部121及び代替機能診断部122の故障の発生を検出すると、故障検出信号を不図示の故障対応部に出力する。これにより、故障対応部において、電動パワーステアリング装置の動作を停止する。
図4の例では、主機能部120a、代替機能部120b、主機能診断部121、代替機能診断部122及び故障監視部117について、動作周波数、動作温度及び動作電圧の動作保証範囲の相互関係を概念的に示している。
また、主機能部120a、代替機能部120b、主機能診断部121、代替機能診断部122及び故障監視部117の枠線の横幅が、各部の動作保証範囲を示す。
次に、図5に基づき、本実施形態のロバスト制御処理の処理手順を説明する。図5は、ロバスト制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ロバスト制御処理は、MCU100のCPU112においてROM113に予め記憶されたロバスト制御処理プログラムを実行することによって開始される。ロバスト制御処理が開始されると、図5に示すように、まず、ステップS100に移行する。ここで、ロバスト制御処理プログラムは、所定時間(例えば1msec)毎にタイマ割込処理として実行される。
ステップS102では、主機能診断部121において、第1故障診断処理を実行して、ステップS104に移行する。
第1故障診断処理では、予めROM113に記憶された、各物理値に対応した故障診断用の故障検出しきい値と、読み込んだ第1物理値とを比較する。そして、第1物理値が、故障検出しきい値以上であるか否かを判定することで、主機能部120aの故障を診断する。つまり、第1物理値が故障検出しきい値以上であると判定した場合は、故障であると診断し、故障検出しきい値未満であると判定した場合は、正常であると診断する。
ステップS104では、出力選択部123において、ステップS102の診断結果に基づき、主機能部120aが正常か否かを判定する。そして、正常であると判定した場合(Yes)は、ステップS106に移行し、故障であると判定した場合(No)は、ステップS110に移行する。
一方、ステップS108に移行した場合は、代替機能診断部122において、代替機能部120bで使用する第1物理値を読み込んで、ステップS110に移行する。
ステップS112では、出力選択部123において、ステップS108の診断結果に基づき、代替機能部120bが正常か否かを判定する。そして、正常であると判定した場合(Yes)は、ステップS114に移行し、故障であると判定した場合(No)は、ステップS116に移行する。
一方、主機能部120a及び代替機能部120bが共に故障しておりステップS116に移行した場合は、出力選択部123において、故障検出信号を故障対応部に出力する。その後、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
これにより、故障対応部によって、電動パワーステアリング装置の動作が停止される。
ECU15は、具体的な機能構成部として、図6に示すように、回転情報演算部20と、操舵補助トルク指令値演算部21と、トルク指令値補償部22と、SAT(セルフアライニングトルク)推定フィードバック部23と、逆起電圧算出部25と、加算部46とを備えている。
回転情報演算部20は、モータ角速度ωを算出するモータ角速度演算部201と、このモータ角速度演算部201で算出されたモータ角速度ωを微分してモータ角加速度αを算出するモータ角加速度演算部202とを備えている。
トルク指令値算出部311は、操舵トルクTd及び車速Vsをもとに不図示の操舵補助トルク指令値算出マップを参照して電流指令値でなる操舵補助トルク指令値Irefbを算出する。操舵補助トルク指令値算出マップは、例えば、横軸に操舵トルクTdをとり、縦軸に操舵補助トルク指令値Irefbをとると共に、車速Vsをパラメータとした放物線状の曲線で表される特性線図で構成される。
センタ応答性改善部313は、A/D変換器111から入力される操舵トルクTdに基づき、操舵トルクTdを微分演算処理して、アシスト特性不感帯での安定性確保、静摩擦の補償を行うセンタ応答性改善指令値Irを算出する。このセンタ応答性改善指令値Irによる補償は、ステアリング中立付近の制御の応答性を高め、滑らかでスムーズな操舵を実現することを目的としている。
加算部314は、位相補償部312の位相補償出力とセンタ応答性改善部313のセンタ応答性改善指令値Irとを加算して操舵補助トルク指令値Irefを算出する。
収斂性補償部43は、回転情報演算部20のモータ角速度演算部201で演算されたモータ角速度ωに基づいてヨーレートの収斂性を補償する。具体的に、収斂性補償部43は、モータ角速度演算部201で算出されたモータ角速度ωが入力され、ステアリングホイール1が振れ回る動作に対して、ブレーキをかけるように、モータ角速度ωに収斂性制御ゲインKcを乗じて収斂性補償値Icを算出する。この収斂性補償値Icにより、車両のヨーの収斂性を改善する。
加算部45は、慣性補償部44で算出された慣性補償値Iiと収斂性補償部43で算出された収斂性補償値Icとを加算して、指令補償値Icomを算出する。加算部45は、算出した指令補償値Icomを加算部46に出力する。
SAT推定フィードバック部23は、操舵トルクTd、モータ角速度ω、モータ角加速度α及び操舵補助トルク指令値演算部21で算出した操舵補助トルク指令値Irefbが入力され、これらに基づいてセルフアライニングトルクSATを推定演算する。
J・α+ Fr・sign(ω) + SAT = Tm + T …(1)
SAT(s) = Tm(s) + T(s) - J・α(s) + Fr・sign(ω(s)) …(2)
上記(2)式から分かるように、電動モータ12の慣性J及び静摩擦Frを定数として予め求めておくことで、モータ角速度ω、モータ角加速度α、アシストトルクTm及び操舵トルクT(本実施形態ではTd’)よりセルフアライニングトルクSATを推定することができる。ここで、アシストトルクTmは操舵補助トルク指令値Irefbに比例するので、アシストトルクTmに代えて操舵補助トルク指令値Irefbを適用する。
ここで、電動モータ12の電圧、電流の関係を式で表わすと下記(3)式のごとく表現できる。
Vm = EMF・(R + s・L)・I …(3)
EMF = Ke・ω …(4)
ここで、図7は、モータ駆動回路102の具体的な構成例を示すブロック図である。
モータ駆動回路102は、図7に示すように、減算部240と、電流制御部241と、加算部242と、PWM制御部243と、インバータ回路244と、モータ電流検出部245とを備えている。
電流制御部241は、減算部240から出力される電流偏差ΔIrefに基づき比例積分制御を行って電圧指令値Vrefを算出する。電流制御部241は、算出した電圧指令値Vrefを加算部242に出力する。
PWM制御部243は、インバータ回路244に印加される電圧を、加算部242から出力される補償後電圧指令値Vref’で割ってPWMデユーティーに変換する。PWM制御部243は、このPWMデューティーに基づいてパルス幅変調(PWM)信号Duを形成する。PWM制御部243は、形成したパルス幅変調信号Duを、インバータ回路244に出力する。
図6に戻って、ECU15は、更に、ロバスト制御部として、モータ回転角検出部120と、レゾルバ診断部121と、モータ診断部122と、出力選択部123とを備えている。
本実施形態において、ロバスト制御部は、図8に示すように、モータ回転角検出部120と、レゾルバ診断部121と、モータ診断部122と、出力選択部123とが、CPU112において専用のソフトウェアを実行することで実現される機能部となる。
図8に示すように、モータ回転角検出部120は、主機能部としてのモータ角度検出部120aと、代替機能部としてのモータ角度推定部120bとを備えている。
モータ角度推定部120bは、電動モータ12からのモータ端子電圧Vm及びモータ電流Imoのディジタル値であるモータ端子電圧値Vmd及びモータ電流値Imodとに基づき、電動モータ12の回転角度θを推定する(推定値θ’を算出する)第2機能を有している。
レゾルバ診断部121は、主機能診断部に対応し、レゾルバ出力信号値Rd及びレゾルバ励磁信号値Rgdとに基づき、レゾルバ17の故障を診断することで、モータ角度検出部120aの故障を診断する。
出力選択部123は、レゾルバ診断部121からの診断結果と、モータ診断部122からの診断結果とに基づき、モータ角度検出部120a及びモータ角度推定部120bのいずれか一方からの入力値を選択し、選択した入力値を後段の制御部である回転情報演算部20に出力する。また、モータ角度検出部120a及びモータ角度推定部120bが共に故障していると判定した場合は、故障検出信号Erを故障対応部に出力する。
つまり、CPU112によってソフトウェアを実行することで機能を実現するモータ回転角検出部120と、レゾルバ診断部121と、モータ診断部122と、出力選択部123とは、CPU112自体が故障することで、全ての機能が異常状態又は停止状態となる。従って、CPU112自体が故障したことを検出すると、安全性を優先して電動パワーステアリング装置の動作を停止させる。
図9の例は、各軸の内容、動作保証対象が上記図4の例と同様となっている。
図9に示すように、モータ角度検出部120a及びモータ角度推定部120bが同じ動作保証範囲を有しており、最も狭い動作保証範囲となっている。そして、レゾルバ診断部121及びモータ診断部122は、モータ角度検出部120a及びモータ角度推定部120bの動作保証範囲に対して、低い側でd1だけ広く、高い側でd2だけ広い動作保証範囲を有している。更に、CPU監視回路117は、レゾルバ診断部121及びモータ診断部122に対して、低い側でd3だけ広く、高い側でd4だけ広い動作保証範囲を有している。
次に、本実施形態の電動パワーステアリング装置の動作を説明する。
イグニッションがオンとなって車両の電源がオンされると、各種センサや電動モータ12、ECU15等が動作を開始する。これにより、操舵トルクセンサ14、車速センサ16、レゾルバ17、電動モータ12等からの各検出値が、MCU100に入力される。これら検出値のうち、車速検出値Vsは、入力インターフェース部110を介してCPU112に入力される。一方、トルク検出値T、レゾルバ出力信号R、レゾルバ励磁信号Rg、モータ端子電圧Vm及びモータ電流Imoは、A/D変換器111において、ディジタル値に変換される。そして、これらディジタル値となった、トルク検出値Td、レゾルバ出力信号値Rd、レゾルバ励磁信号値Rgd、モータ端子電圧値Vmd及びモータ電流値ImodがCPU112に入力される。
また、CPU112は、レゾルバ診断部121において、A/D変換器111のバッファメモリ(不図示)から、レゾルバ信号値Rd及びレゾルバ励磁信号値Rgdを読み込む(S100)。そして、読み込んだレゾルバ信号値Rd及びレゾルバ励磁信号値Rgdに基づき、レゾルバ17が故障しているか否かを判定することで、モータ角度検出部120aが故障しているか否かを判定する(S102)。
これにより、回転情報演算部20では、モータ回転角度θを用いた演算処理が実施される。
CPU112は、モータ診断部122において、AD変換器111から、モータ端子電圧値Vmd及びモータ電流値Imodを読み込み(S108)、読み込んだ値に基づき第2故障診断処理を実行する(S110)。そして、モータ角度推定部120bが正常であると診断する(S112のYes)。この診断結果は、出力選択部123に入力される。
更に、電動モータ12に異常が発生したとする。この場合は、モータ診断部122において、モータ角度推定部120bが故障と診断される(S112のNo)。モータ診断部122は、モータ角度推定部120bを故障と診断すると、故障検出信号Erを故障対応部に送信する。これにより、電動パワーステアリング装置の動作が停止される。
ここで、上記説明において、主機能部120aが主機能部に対応し、代替機能部120bが代替機能部に対応する。主機能診断部121及び代替機能診断部122は故障診断部に対応する。ECU15は、アクチュエータ制御部に対応する。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づき説明する。図10〜図18は、本発明に係る車載電子制御装置の第2実施形態を示す図である。
(構成)
本実施形態は、上記第1実施形態のロバスト制御部の故障診断部(主機能診断部及び代替機能診断部)において、電動モータ12の駆動制御に関わる機能部において使用される物理値又は該物理値を出力するセンサ等で用いられる物理値に基づき、故障診断処理に加えて、異常挙動低減処理を実施する点が異なる。
具体的に、故障診断部は、各物理値が、予め設定された異常判定しきい値を超える値か否か、及び予め設定された故障検出しきい値を超える値か否かを判定する。そして、異常判定しきい値を超える値であると判定すると、後述する異常挙動低減処理を実施する。
一方、故障診断部は、物理値が、故障検出しきい値を超えたと判定すると、故障を示す診断結果を出力する。
以下、図10に基づき、故障検出しきい値及び異常判定しきい値について説明する。
図10(a)は、設計段階及び製品段階で定義される故障診断に係るしきい値等の一例を示す図であり、(b)は、故障検出しきい値及び異常判定しきい値の設定例を示す図である。
まず、電動モータ12の駆動制御に関わる各機能部に係る物理値(操舵トルクセンサ14の電源電圧Vts、MCU100の電源電圧Vcc、MCU100の動作クロック周波数CLK、各センサの検出値など)に対して、図10(a)に示す、〔1〕〜〔4〕の4つの値を定義する。ここで、図10における縦軸は故障診断対象の検出値(物理値)となる。
〔2〕第2動作しきい値:許容できる操舵挙動となる動作範囲の物理値と、危険挙動となる動作範囲の物理値との境界値。
〔3〕ハードウェア(H/W)設計値:H/Wの設計上とりうる限界値。
〔4〕故障検出しきい値:予め設定された故障検出マージンの値と、故障として検出される範囲の物理値との境界の値。
なお、上記故障検出マージンは、故障の誤検出を抑制するために設けられるマージンである。
上記各値が、〔2〕>〔4〕>〔1〕>〔3〕、または〔3〕>〔1〕>〔4〕>〔2〕の関係となるようにシステムを設計することが望ましい。
図10(a)の例では、故障検出しきい値が、第2動作しきい値よりも物理値の正常値の範囲側に設定されているので、診断対象の物理値が危険挙動領域に入る前に先に故障として検出される。一方、例えば、故障検出しきい値が、第2動作しきい値よりも正常範囲から離れている場合は、診断対象の物理値が故障として検出されないギリギリの領域において危険挙動が発生する可能性がある。
なお、本実施形態では、上記の故障診断機能及び異常挙動低減機能を、操舵トルクセンサ14の検出値Tを用いた処理を行う主機能部と、モータ回転角度θを用いた処理を行う主機能部とに適用する。
具体的に、操舵トルクセンサ14の電源電圧Vtsが異常判定しきい値を超えている(異常値である)と判定した場合に、A/D変換器111から出力される操舵トルクTdに対して異常挙動低減処理を実施する。また、MCU100の動作クロック信号CLKの周波数が異常値であると判定した場合に、モータ角速度演算部201で演算されるモータ角速度ωに対して異常挙動低減処理を実施する。
本実施形態において、ECU15は、図11に示すように、操舵トルクセンサ14の検出値Tを用いた処理を行う主機能部(例えば、操舵補助トルク指令値演算部21、SAT推定フィードバック部23等)120Aaの故障を診断すると共に、A/D変換器111から出力されるトルク検出値Tdに対して異常挙動低減処理を実施する主機能診断部121Aを備えている。なお、本実施形態において、ECU15は、主機能部120Aaに対する代替機能部120Abを備える(不図示)。
故障診断処理部500は、操舵トルクセンサ14の電源電圧であるトルクセンサ電源電圧Vtsと、予め設定された異常判定しきい値Thv1とを比較して、トルクセンサ電源電圧Vtsが、異常判定しきい値Thv1を超えているか否かを判定する。これにより、トルクセンサ電源電圧Vtsが、異常判定しきい値Thv1を超えていると判定した場合は、異常挙動の低減指令を異常挙動低減部501に出力する。一方、トルクセンサ電源電圧Vtsが、異常判定しきい値Thv1を超えていないと判定した場合は、正常通知を異常挙動低減部501に出力すると共に、正常を示す診断結果を出力選択部123Aに出力する。
以下、主機能診断部121Aで行われる故障診断処理及び異常挙動低減処理を故障診断処理Aと称す。
本実施形態において、ECU15は、図12に示すように、モータ角速度ωを用いて動作する主機能部である主機能部120Ba(例えば、トルク指令値補償部22、SAT推定フィードバック部23、逆起電圧算出部25、モータ角加速度演算部202等)の故障を診断すると共に、モータ角速度演算部201から出力されるモータ角速度ωに対して異常挙動低減処理を実施する主機能診断部121Bを備えている。なお、本実施形態において、ECU15は、主機能部120Baに対する代替機能部120Bbを備える(不図示)。
ここで、MCU100の動作クロック信号CLKが異常になると、サンプリング周波数が変化するため、制御特性が変化する。特に位相進み特性又は位相遅れ特性を有する制御機能は大きな影響を受ける。モータ角速度演算部201は、モータ回転角検出部120で検出したモータ回転角θ(又はθ’)を微分してモータ角速度ωを演算するため位相進み(微分)特性を有している。そのため、動作クロック信号CLKの影響を大きく受ける。
異常挙動低減部503は、故障診断処理部502から低減指令を受信した場合、角速度演算部210から出力されるモータ角速度ωに対して異常挙動低減処理を実施する。具体的に、モータ角速度ωを、操舵の異常挙動が低減するように補正する。補正方法としては、上記操舵トルクTdの場合と同様の方法が採用可能である。
以下、故障診断処理部502及び異常挙動低減部503で行われる故障診断処理及び異常挙動低減処理を故障診断処理Bと称す。
次に、図13〜図18に基づき、本実施形態の動作を説明する。
図13は、故障検出しきい値に対してギリギリの異常が発生時に危険挙動が発生する場合の第2動作しきい値と故障検出しきい値との関係の一例を示す図である。図14は、トルクセンサ電源電圧Vtsに対して異常判定しきい値を設定して異常挙動低減処理を実施した場合の第1及び第2動作しきい値と、H/W設計値と、異常判定しきい値と、故障検出しきい値との関係の一例を示す図である。図15は、トルクセンサ電源電圧値に対する故障診断処理Aの処理手順の一例を示すフローチャートである。図16(a)は、トルクセンサ電源電圧Vtsが低下時に生じる異常の一例を示す図であり、(b)は、(a)の異常に対して異常挙動低減処理を施した一例を示す図である。図17は、動作クロック周波数fに対して異常判定しきい値を設定して異常挙動低減処理を実施した場合の第1及び第2動作しきい値と、H/W設計値と、異常判定しきい値と、故障検出しきい値との関係の一例を示す図である。図18は、故障診断処理Bの処理手順の一例を示すフローチャートである。
ここでは、操舵トルクセンサ14のトルクセンサ電源電圧Vtsに対して、例えば、図13に示す関係で、上記〔1〕〜〔4〕の値が設定されているとする。
図13に示すように、設計段階において、H/W設計値は4.9[V]に設定されており、故障検出しきい値Thv1eは4.7[V]に設定されている。また、製品において、第1動作しきい値Thm1は4.85[V]となっており、第2動作しきい値Thm2は4.75[V]となっている。
そこで、ここでは、図14に示すように、異常判定しきい値Thv1を4.8[V]に設定した。
いま、主機能診断部121Aにおいて、予め設定された割込みタイミングで、故障診断処理Aが実行されたとする。故障診断処理Aは、MCU100のCPU112においてROM113に予め記憶された故障診断処理Aプログラムを実行することによって開始される。
これにより、異常挙動低減部501は、A/D変換器111から出力される操舵トルクTdを読み込み(S222)、読み込んだTdをそのまま低減処理後の操舵トルクTd’として、主機能部120Aaに出力する(S224)。
ここで、操舵トルクセンサ14が、操舵トルクの「−10[Nm]〜+10[Nm]」の範囲を、「0〜5[V]」で出力することとする。この場合、トルクセンサ電源電圧Vtsが低下すると、図16(a)に示すように、中立点(0[Nm]、2.5[V])がずれる。つまり、トルクを入力していなくても2.5[V]より低い電圧が検出されるため、マイナスのトルクとして認識されてしまう。
異常挙動低減処理を施すことによって、図16に示すように、故障検出しきい値Thv1eを変更することなく、第2動作しきい値Tm2を4.75[V]から4.5[V]まで引き下げることができる。つまり、異常挙動低減処理を施すことによって、危険挙動が発生する限界値を引き上げることができる。
一方、周波数が低下する側では、設計段階において、H/W設計値は98[%]に設定され、故障検出しきい値Thfeは90[%]に設定されている。また、製品において、第1動作しきい値Thm1は95[%]となっており、第2動作しきい値Thm2は91[%]となっている。
そこで、ここでは、異常判定しきい値Thfを±7[%]に設定した。
図17の例では、異常判定しきい値Thfは、107[%]に設定される。
いま、主機能診断部121Bにおいて、予め設定された割込みタイミングで、故障診断処理Bが実行されたとする。故障診断処理Bは、MCU100のCPU112においてROM113に予め記憶された故障診断処理Bプログラムを実行することによって開始される。
これにより、異常挙動低減部503は、モータ角速度演算部201から出力されるモータ角速度ωを読み込み(S324)、読み込んだωをそのまま低減処理後のモータ角速度ω’として、主機能部120Baに出力する(S326)。
ここで、異常挙動低減部503は、モータ角速度ωに予め設定されたゲインを乗じて、異常値による操舵挙動への影響を低減する。なお、ゲインを乗じる構成に限らず、モータ角速度ωに対して、予め設定されたオフセット値を加算して、異常値による操舵挙動への影響を低減してもよい。
異常挙動低減処理を施すことによって、図17に示すように、故障検出しきい値Thfueを変更することなく、第2動作しきい値Tm2を109[%]から120[%]まで引き上げることができる。
以上説明したように、本実施形態のECU15によれば、故障検出しきい値とH/W設計値との間に設定された、故障検出マージン内に異常判定しきい値を設定した。更に、検出した物理値(トルクセンサ電源電圧Vts、動作クロック周波数f)と、異常判定しきい値とを比較して、物理値が異常値であるか否かを判定する。そして、物理値が異常値であると判定した場合に、当該異常値によって生じる操舵の異常挙動を低減する処理を実施する。具体的に、物理値がトルクセンサ電源電圧Vtsの場合は、A/D変換器111から出力される操舵トルクTdに対して、予め設定されたオフセット値を加算する。また、物理値が動作クロック周波数fの場合は、モータ角速度演算部201から出力されるモータ角速度ωに対して、予め設定されたゲインを乗じる。
ここで、上記説明において、故障診断処理部500,502は、故障診断部及び異常判定部を構成する。異常挙動低減部501,503は、異常挙動低減部を構成する。
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づき説明する。図19〜図23は、本発明に係る車載電子制御装置の第3実施形態を示す図である。
(構成)
本実施形態は、主機能診断部121Cを、操舵トルクセンサ14の検出値を用いた処理を行う主機能部である操舵補助トルク指令値演算部21(以下、主機能部120Caと称す)の後段に設けて、補正対象を操舵トルクTdに代えて、操舵補助トルク指令値Irefにした点が上記第2実施形態と異なる。更に、主機能診断部121Dを、主機能部であるPWM制御部243(以下、主機能部120Daと称す)の後段に設けて、PWM制御部243から出力されるパルス幅変調信号Duを補正して異常挙動を低減する点が上記各実施形態と異なる。
ここで、図19は、主機能診断部121Cの具体的な構成の一例を示すブロック図である。図20は、本実施形態のモータ駆動回路102の具体的な構成の一例を示すブロック図である。
故障診断処理部506は、上記第2実施形態の故障診断処理部500と同様の構成となるので記載を省略する。なお、故障診断処理部506は、診断結果を、出力選択部123Cに出力する。
以下、本実施形態の主機能診断部121Cで行われる故障診断処理及び異常挙動低減処理を故障診断処理Cと称す。
本実施形態のモータ駆動回路102は、図20に示すように、主機能部120Da(PWM制御部243)の故障を診断すると共に、主機能部120Daの出力値に対して異常挙動低減処理を実施する主機能診断部121Dを備えている。なお、本実施形態において、モータ駆動回路102は、主機能部120Daに対する代替機能部120Dbを備えている(不図示)。
ここで、ECU15の備えるMCU100に供給される電源電圧Vcc(以下、電源電圧Vccと称す)は、同じくECU15の備えるA/D変換器(例えば、A/D変換器111)の基準電圧としても使用される。従って、電源電圧Vccのずれは、全てのA/D変換器の出力値のずれとして影響する。
従って、電源電圧Vccが、正常値よりも高い場合に、インバータ電圧が低く検出され、PWMデューティーが高くなる。これにより、アシスト過多の状態が生じる。
異常挙動低減部509は、主機能診断部121Cから低減指令を受信した場合、主機能部120Daから出力されるパルス変調信号Duに対して異常挙動低減処理を実施する。具体的には、パルス変調信号Duを、操舵の異常挙動が低減されるように補正する。補正方法としては、例えば、パルス変調信号Duにゲインを乗じるなどの方法がある。
以下、本実施形態の主機能診断部121C及び異常挙動低減部509で行われる故障診断処理及び異常挙動低減処理を故障診断処理Dと称す。
次に、図21〜図23に基づき、本実施形態の動作を説明する。
ここで、図21は、故障診断処理Cの処理手順の一例を示すフローチャートである。図22は、電源電圧Vccに対して異常判定しきい値を設定して異常挙動低減処理を実施した場合の第1及び第2動作しきい値と、H/W設計値と、異常判定しきい値と、故障検出しきい値との関係の一例を示す図である。図23は、故障診断処理Dの処理手順の一例を示すフローチャートである。
ここで、故障診断処理Cの動作については、異常挙動低減処理を行う対象が異なるのみで、上記第1及び第2動作しきい値と、H/W設計値と、故障検出しきい値、異常判定しきい値Thv1の設定内容は上記第1実施形態の故障診断処理Aと同様となる。また、動作内容についても、上記第1実施形態の故障診断処理Aの動作と一部同様となる。以下、異なる部分のみを詳細に説明する。
ここで、ステップS400〜S410の処理は、上記第1実施形態の故障診断処理部500で行われるステップS200〜S210の処理と同様となるので説明を省略する。
この場合、異常挙動低減部507は、故障診断処理部506からの正常通知に応じて、主機能部120Caから出力される操舵補助トルク指令値Irefを読み込み(S422)、読み込んだIrefをそのまま低減処理後の操舵補助トルク指令値Irefcとして、出力選択部123Cに出力する(S424)。
異常挙動低減部507は、故障診断処理部506からの低減指令に応じて、操舵補助トルク指令値Irefを読み込み(S412)、読み込んだIrefに対して異常挙動低減処理を実施する(S414)。
このようにして、操舵補助トルク指令値Irefに対して異常挙動低減処理を実施すると、異常挙動低減部507は、低減処理の施された操舵補助トルク指令値Irefcを、出力選択部123Cに出力する(S416)。
また、故障診断処理部506において、トルクセンサ電源電圧Vtsが異常判定しきい値Thv1を超えていると判定し(S404のYes)、かつ、Vtsが故障検出しきい値Thv1eを超えていると判定したとする(S408のYes)。
異常挙動低減部507は、故障診断処理部506からの低減指令に応じて、操舵補助トルク指令値Irefを読み込み(S412)、読み込んだIrefに対して異常挙動低減処理を実施する(S414)。そして、異常低減処理の施された操舵補助トルク指令値Irefcを、出力選択部123Cに出力する(S416)。
ここでは、例えば、設計段階において、H/W設計値は±2[%]に設定されており、故障検出しきい値Thv2eは±20[%]に設定されている。また、製品において、第1動作しきい値Thm1は±5[%]となっており、第2動作しきい値Thm2は±15[%]となっている。例えば、電源電圧Vccが5[V]であれば、故障検出しきい値Thv2eは6[V]及び4[V]が設定される。
一方、電圧が低下する側では、設計段階において、H/W設計値は4.9[V]に設定され、故障検出しきい値Thv2eは4[V]に設定されている。また、製品において、第1動作しきい値Thm1は4.75[V]となっており、第2動作しきい値Thm2は4.25[V]となっている。
図22は、電圧が上昇する側(+側)の場合の、上記〔1〕〜〔4〕の値と、異常判定しきい値Thv2との関係の一例を示す図である。
いま、主機能診断部121Dにおいて、予め設定された割込みタイミングで、故障診断処理Dが実行されたとする。故障診断処理Dは、MCU100のCPU112においてROM113に予め記憶された故障診断処理Dプログラムを実行することによって開始される。
これにより、異常挙動低減部509は、主機能部120Da(PWM制御部243)から出力されるパルス変調信号Duを読み込み(S522)、読み込んだDuをそのまま低減処理後のパルス変調信号Du’として、出力選択部123Dに出力する(S524)。
ここで、異常挙動低減部509は、主機能部120Daから読み込んだパルス変調信号Duに対して、予め設定されたゲインを乗じて、異常値による操舵挙動への影響を低減する。なお、ゲインを乗じる方法に限らず、上記第2実施形態で説明した他の方法を用いてもよい。
異常挙動低減処理を施すことによって、図22に示すように、故障検出しきい値Thv2eを変更することなく、第2動作しきい値Thm2を5.75[V]から6.5[V]まで引き上げることができる。つまり、異常挙動低減処理を施すことによって、危険挙動が発生する限界値を引き上げることができる。
異常挙動低減部509は、故障診断処理部508からの低減指令に応じて、操舵トルクTdを読み込み(S512)、読み込んだTdに対して異常挙動低減処理を実施する(S514)。そして、異常低減処理の施された検出値Td’を、出力選択部123Dに出力する(S516)。
ここで、上記説明において、故障診断処理部506,508は、故障診断部及び異常判定部を構成する。異常挙動低減部507,509は、異常挙動低減部を構成する。
(1)上記第2及び第3実施形態では、主機能部及び代替機能部を有するロバスト制御部に対して、上記故障診断処理及び上記異常挙動低減処理を実施する構成としたが、この構成に限らない。主機能部のみを備えた機能部に対しても、上記故障診断処理及び上記異常挙動低減処理を実施する構成としてもよい。
例えば、上記第1実施形態のレゾルバ出力信号値Rdを用いてモータ回転角度θを検出するモータ角度検出部120aなど他の主機能部に対して、上記故障診断処理及び上記異常挙動低減処理を実施する構成としてもよい。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、均等物等は本発明に含まれるものである。
Claims (11)
- 車載装置の動作機構に与える駆動力を発生するアクチュエータと、
前記アクチュエータを駆動制御するアクチュエータ制御部と、
前記アクチュエータの駆動制御に関わる機能である第1機能を有する主機能部と、
前記第1機能の代替となる機能である第2機能を有する代替機能部と、
前記主機能部の故障を診断する故障診断部と、
前記故障診断部の故障の発生を監視する故障監視部と、
前記故障監視部の監視結果に基づき、前記故障診断部に故障が発生したと判定すると、当該車載電子制御装置の動作を停止する処理を実行する動作停止処理部と、を備え、
前記アクチュエータ制御部は、前記主機能部の出力値に基づく制御処理である第1制御処理と前記代替機能部の出力値に基づく制御処理である第2制御処理とを有し、前記故障診断部の診断結果に基づき、前記主機能部が正常であると判定すると前記第1制御処理を実行して前記アクチュエータを駆動制御し、前記主機能部が故障していると判定すると前記第2制御処理を実行して前記アクチュエータを駆動制御し、
前記故障診断部は、前記主機能部の動作保証範囲よりも広い動作保証範囲で前記主機能部を診断可能に設計されており、
前記故障監視部は、前記故障診断部の動作保証範囲よりも広い動作保証範囲で前記故障診断部を診断可能に設計されていることを特徴とする車載電子制御装置。 - 前記故障診断部は、前記故障の診断対象で使用される物理値が予め設定された故障検出範囲内の値であるか否かを判定するためのしきい値である故障検出しきい値と、前記物理値とに基づき、該物理値が前記故障検出範囲内の値であるか否かを判定し、前記故障検出範囲内の値であると判定すると前記診断対象を故障と診断し、前記故障検出範囲外の値であると判定すると前記診断対象を正常と診断するようになっており、
前記物理値に対して予め設定された正常値の範囲と前記故障検出しきい値との間に予め設定された故障の誤検出を抑制する数値範囲である故障検出マージン内の値であって、前記物理値が異常値であるか否かを判定するためのしきい値である異常判定しきい値と、前記物理値とに基づき、該物理値が異常値であるか否かを判定する異常判定部と、
前記異常判定部の判定結果に基づき、前記物理値が、前記異常値であると判定すると、該異常値によって生じる前記動作機構の異常挙動を低減する異常挙動低減部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の車載電子制御装置。 - 前記異常挙動低減部は、前記故障の診断対象で使用される物理値を、当該物理値が前記診断対象に入力される前に補正することによって、前記異常挙動を低減することを特徴とする請求項2に記載の車載電子制御装置。
- 前記アクチュエータ制御部は、プロセッサと、アナログの入力値をディジタルの値に変換して前記プロセッサに入力するA/D変換器と、を含んで構成され、
前記第1機能又は前記第2機能の少なくとも一方は、前記プロセッサによってプログラムを実行することで実現され、
前記物理値は、前記プロセッサに供給されると共に前記A/D変換器の基準電圧としても使用される電源電圧値を含み、
前記異常挙動低減部は、前記電源電圧値が前記異常値であると判定すると、前記A/D変換器の出力値を、該出力値が該出力値を使用する前記故障の診断対象に入力される前に補正して、前記異常挙動を低減することを特徴とする請求項3に記載の車載電子制御装置。 - 車載装置の動作機構に与える駆動力を発生するアクチュエータと、
前記アクチュエータを駆動制御するアクチュエータ制御部と、
前記アクチュエータの駆動制御に関わる機能である第1機能を有する主機能部と、
前記第1機能の代替となる機能である第2機能を有する代替機能部と、
前記主機能部の故障を診断する故障診断部と、を備え、
前記アクチュエータ制御部は、前記主機能部の出力値に基づく制御処理である第1制御処理と前記代替機能部の出力値に基づく制御処理である第2制御処理とを有し、前記故障診断部の診断結果に基づき、前記主機能部が正常であると判定すると前記第1制御処理を実行して前記アクチュエータを駆動制御し、前記主機能部が故障していると判定すると前記第2制御処理を実行して前記アクチュエータを駆動制御し、
前記故障診断部は、前記主機能部の動作保証範囲よりも広い動作保証範囲で前記主機能部を診断可能に設計されていると共に、前記故障の診断対象で使用される物理値が予め設定された故障検出範囲内の値であるか否かを判定するためのしきい値である故障検出しきい値と、前記物理値とに基づき、該物理値が前記故障検出範囲内の値であるか否かを判定し、前記故障検出範囲内の値であると判定すると前記診断対象を故障と診断し、前記故障検出範囲外の値であると判定すると前記診断対象を正常と診断するようになっており、
前記物理値に対して予め設定された正常値の範囲と前記故障検出しきい値との間に予め設定された故障の誤検出を抑制する数値範囲である故障検出マージン内の値であって、前記物理値が異常値であるか否かを判定するためのしきい値である異常判定しきい値と、前記物理値とに基づき、該物理値が異常値であるか否かを判定する異常判定部と、
前記異常判定部の判定結果に基づき、前記物理値が、前記異常値であると判定すると、該異常値によって生じる前記動作機構の異常挙動を低減する異常挙動低減部と、を備え、
前記アクチュエータ制御部は、プロセッサを含んで構成され、
前記第1機能又は前記第2機能の少なくとも一方は、前記プロセッサの動作クロック信号によってサンプリング周波数が決定される、位相進み特性又は位相遅れ特性を有する機能である位相特性機能であり、
前記物理値は、前記動作クロック信号を含み、
前記異常挙動低減部は、前記故障の診断対象の出力値を補正することによって、前記異常挙動を低減すると共に、前記動作クロック信号の周波数が前記異常値であると判定すると、前記アクチュエータ制御部で用いられる前記位相特性機能を有する機能部の出力値を補正して、前記異常挙動を低減することを特徴とする車載電子制御装置。 - 前記動作クロック信号の周波数に対応する前記故障検出しきい値は、前記周波数が低下する側のしきい値である故障検出下限しきい値を含み、
前記動作クロック信号の周波数に対応する前記異常判定しきい値は、前記周波数が低下する側のしきい値である異常判定下限しきい値を含み、
前記故障診断部は、位相進み特性の前記位相特性機能を有する機能部に対して、前記周波数と前記故障検出下限しきい値とに基づき、前記周波数が前記故障検出範囲内の値であるか否かを判定し、
前記異常判定部は、位相進み特性の前記位相特性機能を有する機能部に対して、前記周波数と前記異常判定下限しきい値とに基づき、前記物理値が異常値であるか否かを判定し、
前記異常挙動低減部は、位相進み特性の前記位相特性機能を有する機能部に対して、前記動作クロック信号の周波数が前記異常判定下限しきい値を低下する側に超えた異常値であると判定すると、前記アクチュエータ制御部で用いられる前記位相進み特性の前記位相特性機能を有する機能部の出力値を予め設定された値だけ低減させる補正を行うことを特徴とする請求項5に記載の車載電子制御装置。 - 前記動作クロック信号の周波数に対応する前記故障検出しきい値は、前記周波数が上昇する側のしきい値である故障検出上限しきい値を含み、
前記動作クロック信号の周波数に対応する前記異常判定しきい値は、前記周波数が上昇する側のしきい値である異常判定上限しきい値を含み、
前記故障判定部は、位相遅れ特性の前記位相特性機能を有する機能部に対して、前記周波数と前記故障検出上限しきい値とに基づき、前記周波数が前記故障検出範囲内の値であるか否かを判定し、
前記異常判定部は、位相遅れ特性の前記位相特性機能を有する機能部に対して、前記周波数と前記異常判定上限しきい値とに基づき、前記周波数が異常値であるか否かを判定し、
前記異常挙動低減部は、位相遅れ特性の前記位相特性機能を有する機能部に対して、前記周波数が前記異常判定上限しきい値を前記上昇する側に超えた異常値であると判定すると、前記アクチュエータ制御部で用いられる前記位相遅れ特性の前記位相特性機能を有する機能部の出力値を予め設定された値だけ増加させる補正を行うことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の車載電子制御装置。 - 前記異常挙動低減部は、補正対象値に対して最大値を制限するリミッタ処理、補正対象値に対してゲインを乗じるゲイン補正処理、及び補正対象値に対してオフセット値を加算するオフセット補正処理のうちいずれか1の処理を行うことによって、前記異常挙動を低減することを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか1項に記載の車載電子制御装置。
- 前記故障診断部は、前記主機能部に加えて前記代替機能部の故障を診断し、
前記アクチュエータ制御部は、前記故障診断部の診断結果に基づき、前記主機能部が故障していると判定し、かつ前記代替機能部が正常であると判定すると、前記第2制御処理を実行し、前記主機能部及び前記代替機能部が共に故障していると判定すると、少なくとも、前記第1制御処理及び前記第2制御処理を停止することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の車載電子制御装置。 - 前記アクチュエータの駆動制御に係る物理値を検出する複数種類のセンサを備え、
前記主機能部は、前記第1機能として、前記複数種類のセンサのうち予め設定された種類のセンサの検出値を用いて前記駆動制御に係る値を演算する機能を有し、
前記代替機能部は、前記第2機能として、前記複数種類のセンサのうち予め設定された前記主機能部とは異なる種類のセンサの検出値を用いて前記駆動制御に係る値を演算する機能を有することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の車載電子制御装置。 - 前記アクチュエータは電動モータであり、
前記アクチュエータ制御部は、プロセッサと、アナログの入力値をディジタルの値に変換して前記プロセッサに入力するA/D変換器と、を備え、
前記電動モータを構成する回転子の回転位置を検出する位置検出センサを備え、
前記主機能部は、前記第1機能として、前記プロセッサによって、前記物理値である前記位置検出センサで検出した回転位置に基づき前記電動モータの回転角度を算出する機能を有し、
前記代替機能部は、前記第2機能として、前記プロセッサによって、前記物理値である前記電動モータのモータ端子電圧及びモータ電流に基づき前記電動モータの回転角度を推定する機能を有することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の車載電子制御装置。
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