JP2008273263A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置 Download PDF

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光洋 廣田
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Abstract

【課題】不揮発性メモリに格納されたパラメータの外部ノイズに起因する異常およびパラメータ自体の異常を検出することが可能な電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】EEPROM104には、電動パワーステアリング装置の制御で使用され、かつ、連続する複数の特性関数を規定するためのパラメータ104aが格納されており、CPU101は、パラメータ診断処理では、EEPROM104に格納されるパラメータ104aで規定される複数の特性関数の異常を診断して、当該パラメータ104aの異常を診断する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置の制御装置、電動パワーステアリング装置の制御方法、およびコンピュータが実行するためのプログラムに関し、詳細には、不揮発性メモリに格納されているパラメータの異常を検出することが可能な電動パワーステアリング装置の制御装置、電動パワーステアリング装置の制御方法、およびコンピュータが実行するためのプログラムに関する。
乗用車やトラック等の車両の操舵力を軽減するため、操舵補助モータによって操舵を補助する、いわゆる電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering)装置がある。電動パワーステアリング装置では、操舵補助モータの駆動力を、減速機を介してギヤまたはベルト等の伝送機構により、ステアリングシャフトまたはラック軸に補助力を付与するようになっている。かかる電動パワーステアリング装置の制御装置は、操舵補助トルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流指令値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティー比の調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の制御装置では、電動パワーステアリング装置の制御に使用するパラメータの一部を不揮発性メモリに格納して使用する場合がある。電動パワーステアリング装置の制御装置では、通常、ROM等から電源投入毎にローディングされるプログラムや演算値等の電源断時に失われても支障がないデータはRAM等の揮発性メモリに記憶し、電源断後も保持しておく必要のあるデータは不揮発性メモリに記憶している。不揮発性メモリは、装置の電源が切断された状態においてもデータを記憶し、装置を再起動した際にデータを読み出している。かかる不揮発性メモリでは、デバイス自体に故障が無い場合であっても静電気や放射線等の外部ノイズの影響によって、格納するデータに確率的な誤りが発生する場合がある。
また、不揮発性メモリに格納するパラメータはチューニング要素を多く含んでおり、車両毎や、車両メーカ・ユーザの要求に応じて変更する場合が多く、パラメータの書き換えは、開発段階、製造段階、車両メーカ、およびディーラ等で広く行われ、誤ったパラメータが不揮発性メモリに書き込まれる場合がある。
このように、不揮発性メモリに格納されたパラメータに異常がある場合に、この異常なパラメータが電動パワーステアリング装置の制御に使用されると、操舵補助モータが誤動作して、ステアリング操作とは無関係な操舵補助が行われてしまったり、違和感のある操舵補助となってしまったりする等、所望の操舵補助を実行することができない場合がある。
不揮発性メモリに格納されたデータのエラー検出方法として、例えば、チェックサムを用いてデータのエラーを検出方法がある。また、特許文献1では、不揮発性メモリに同一のデータを複数のエリアに書き込み(ミラーリング)、データの信頼性を向上させる技術が提案されている。
特開2004−46724号公報
しかしながら、チェックサムおよびミラーリングによる方法では、不揮発性メモリに書き込むパラメータ自体に異常がある場合には、不揮発性メモリに格納されたパラメータの異常を検出することができないという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電動パワーステアリング装置の制御に使用するパラメータを不揮発性メモリに格納して使用する場合に、不揮発性メモリに格納されたパラメータの外部ノイズに起因する異常およびパラメータ自体の異常を検出することが可能な電動パワーステアリング装置の制御装置、電動パワーステアリング装置の制御方法、およびコンピュータが実行するためのプログラムを提供することを目的とする。
上記した課題を解決して、本発明の目的を達成するために、本発明は、少なくとも車両のステアリング系に発生する操舵トルクに基づいて演算した電流指令値と、前記ステアリング系に操舵補助力を付与する操舵補助モータの電流検出値とに基づいて、前記操舵補助モータを制御する電動パワーステアリングの制御装置において、前記電動パワーステアリング装置の制御で使用され、かつ、連続する複数の特性関数を規定するためのパラメータを格納する不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリに格納されているパラメータで規定される複数の特性関数の異常を診断して、当該パラメータの異常を診断するパラメータ診断手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記パラメータ診断手段は、前記特性関数間の接続点の値が、当該特性関数毎に一致するか否かを判断し、一致する場合にパラメータは正常、一致しない場合にパラメータは異常と診断することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記パラメータ診断手段は、前記パラメータが正常と判断した場合には、さらに、前記特性関数毎に、その中点の値と、特性関数の両端を結ぶ線分の中点の値との差分がそれぞれ許容範囲内にあるか否かを判断し、許容範囲内にある場合にはパラメータは正常、許容範囲内にない場合にはパラメータは異常と診断することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記パラメータ診断手段でパラメータが異常と判断された場合に、その旨を警告する警告手段を備えることが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記パラメータ診断手段は、パラメータが異常と判断した場合には、パラメータの異常情報を前記不揮発性メモリに書き込むことが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、さらに、前記パラメータの初期値を格納するROMを備え、前記パラメータ診断手段でパラメータが異常と判断された場合には、前記ROMに格納されている前記パラメータの初期値を使用して、前記電動パワーステアリング装置を制御することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記パラメータは、アシストマップを生成するためのパラメータであることが望ましい。
上記した課題を解決して、本発明の目的を達成するために、本発明は、少なくとも車両のステアリング系に発生する操舵トルクに基づいて演算した電流指令値と、前記ステアリング系に操舵補助力を付与する操舵補助モータの電流検出値とに基づいて、前記操舵補助モータを制御する電動パワーステアリングの制御方法において、不揮発性メモリには、前記電動パワーステアリング装置の制御で使用され、かつ、連続する複数の特性関数を規定するためのパラメータが格納されており、前記不揮発性メモリに格納されているパラメータで規定される複数の特性関数の異常を診断して、当該パラメータの異常を診断するパラメータ診断工程を含むことを特徴とする。
上記した課題を解決して、本発明の目的を達成するために、本発明は、少なくとも車両のステアリング系に発生する操舵トルクに基づいて演算した電流指令値と、前記ステアリング系に操舵補助力を付与する操舵補助モータの電流検出値とに基づいて、前記操舵補助モータを制御する電動パワーステアリングの制御装置に搭載されるプログラムにおいて、不揮発性メモリには、前記電動パワーステアリング装置の制御で使用され、かつ、連続する複数の特性関数を規定するためのパラメータが格納されており、前記不揮発性メモリに格納されているパラメータで規定される複数の特性関数の異常を診断して、当該パラメータの異常を診断するパラメータ診断工程をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、少なくとも車両のステアリング系に発生する操舵トルクに基づいて演算した電流指令値と、前記ステアリング系に操舵補助力を付与する操舵補助モータの電流検出値とに基づいて、前記操舵補助モータを制御する電動パワーステアリングの制御装置において、前記電動パワーステアリング装置の制御で使用され、かつ、連続する複数の特性関数を規定するためのパラメータを格納する不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリに格納されているパラメータで規定される複数の特性関数の異常を診断して、当該パラメータの異常を診断するパラメータ診断手段と、を備えているので、不揮発性メモリに格納されたパラメータの外部ノイズに起因する異常およびパラメータ自体の異常(誤ったパラメータが書き込まれたことによる異常)を検出することが可能となるという効果を奏する。
以下に、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるものまたは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、電動パワーステアリング装置の一般的な構成を示す図である。図1において、操向ハンドル1のコラム軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4aおよび4b、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に連結されている。コラム軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクTを検出するトルクセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵力を補助する操舵補助モータ20が、減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。ここで、操舵補助モータ20は、例えば、ブラシレスモータやブラシモータである。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット30には、バッテリ14から内蔵の電源リレー13を経て電力が供給され、イグニションキー11からイグニション信号が供給される。また、コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速Vとに基づいて、操舵補助モータ20の電流指令値を演算し、操舵補助モータ20の電流検出値と電流指令値とに基づいて、操舵補助モータ20の電流検出値が電流指令値に追従するように操舵補助モータ20を駆動制御する。
図2は、図1のコントロールユニット30のハードウェア構成を示す図である。コントロールユニット30は、図2に示すように、MCU(マイクロコントロールユニット)100と、FETプリドライバ回路110と、モータ駆動回路(インバータ)120と、電流検出回路130と、位置検出回路140等を備えている。
MCU100は、CPU101(制御手段)、ROM102、RAM103、EEPROM(不揮発性メモリ)104,A/D変換器105、車載用LANI/F106、バス107等を備えている。CPU101は、ROM102に格納された各種プログラムを実行して電動パワーステアリング装置を制御する。
ROM102は、CPU101が実行する各種プログラムを格納する。具体的には、ROM102には、操舵補助モータ20を制御するモータ制御処理(操舵補助処理)を実行するための制御プログラム102a、EEPROM104に格納されたパラメータ104aの異常を診断するパラメータ診断処理を実行するためのパラメータ診断プログラム102b、パラメータの初期値102c等が格納されている。
RAM103は、CPU101がプログラムを実行する場合にその作業領域として使用され、処理過程で必要とするデータや処理結果等が記憶されるものである。
EEPROM104は、電源遮断後においても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであり、CPU101が、電動パワーステアリング装置の制御で使用するパラメータ104a等が格納される。ここで、パラメータ104aは、例えば、アシストマップを生成するためのパラメータである。なお、ここでは、不揮発性メモリとして、EEPROMを使用することとしたが、本発明はこれに限られるものではなく、他の不揮発性メモリを使用することにしてもよい。
A/D変換器105は、トルクセンサ10からの操舵トルクT、電流検出回路130からの操舵補助モータ20の電流検出値Im、および位置検出回路140からのモータ回転角信号θ等を入力し、デジタル信号に変換する。車載用LANI/F106は、車載用LAN210に接続してデータ通信を行うためのインターフェースであり、例えば、車速センサ12からの車速V(車速パルス)を受け取る。
上記構成において、CPU101が、ROM102に格納されたパラメータ診断プログラム102bを実行することにより、パラメータ診断手段、および警告手段として機能する。
FETプリドライバ回路110は、MCU100から入力されるUVW各相のPWM制御信号を、各相正負の通電信号(Up,Un、Vp、Vn、Wp,Wn)に変換して、モータ駆動回路120に出力する。
モータ駆動回路120は、一対のFETスイッチング素子からなるブリッジ回路をU相用,V相用,W相用として3相分備えており、各FETスイッチング素子には還流ダイオードが並列接続されている。このブリッジ回路には、バッテリ14から電源リレー13を介して直流電圧が印加される。各FETスイッチング素子の制御端子(ゲート端子)には、FETプリドライバ回路110から通電信号が入力される。モータ駆動回路120に印加される直流電圧は、モータ駆動回路120内のFETスイッチング素子のスイッチング動作によって3相の交流電圧に変換され、それにより操舵補助モータ20が駆動される。このブリッジ回路には、シャント抵抗R1,R2が接続されている。このシャント抵抗R1,R2に電流検出回路130が接続され、これによって、操舵補助モータ20の電流検出値Imを検出するようになっている。
位置検出回路140は、位置センサ21に励磁電流を与えるとともに、位置センサ21からの出力信号をモータ回転角信号θとして、A/D変換器105に出力する。
図3は、図1の電動パワーステアリング装置が搭載される車両の制御系200の概略構成を示す図である。同図に示す車両の制御系200は、ネットワーク400を介して外部とデータ通信するための通信制御部201、車両の全体を制御するメインECU202、エンジンを制御するエンジンECU203、専用ツール300をケーブルで接続してデータ通信を行うための外部ポート204、上述の電動パワーステアリング装置のコントロールユニット30、自動変速機等を制御するA/TECU205、ブレーキを制御するブレーキECU206、操作パネルを制御するパネルECU207、および各種センサ等が、車載用LAN210に接続されて、相互にデータ通信可能に構成されている。車載用LAN210としては、例えば、CAN(contoller area network)、LIN等の多重通信ネットワークを使用することができる。ネットワーク400は、例えば、インターネット等の広域ネットワークである。このネットワーク400には、サービスセンタ410等が接続されている。
専用ツール300は、車両からダイアグ情報を収集して車両の故障診断を行ったり、車両のプログラムやデータ等のインストールや書き換えを行うためのものである。専用ツール300は、外部ポート204にケーブル220で接続して、車両の制御系200とデータ通信が可能となっており、また、ネットワーク400を介して、車両の制御系200とデータ通信が可能となっている。ここでは、外部ポート204にケーブル220で接続して、有線による通信を行うことにしているが、無線通信を使用することにしてもよい。サービスセンタ410は、メーカやディーラが各種サービスを提供するためのものであり、ネットワーク400を介して、車両からダイアグ情報を収集して車両の故障診断を行ったり、車両のプログラムやデータ等のインストールや書き換えが可能となっている。
つぎに、図4〜図8を参照して、CPU101が、パラメータ診断プログラム102bを実行して、EEPROM104に格納されたパラメータ104aに異常があるか否かを診断するパラメータ診断処理を具体的に説明する。以下のパラメータ診断処理では、パラメータ104aとしてアシストマップを生成するためのパラメータについて説明する。
上述したように、パラメータ104aに異常がある場合としては、例えば、外部ノイズによってエラーが発生する場合と、専用ツール300やサービスセンタ410等でEEPROM104のパラメータ104aを書き換える場合に、誤ったパラメータ104aが書き込まれてしまう場合等がある。
本実施例のパラメータ診断処理では、EEPROM104に格納されているパラメータ104aで規定される複数の特性関数の異常を判別して、パラメータ104aの異常を診断する。具体的には、第1の診断処理では、特性関数間の接続点の値が、特性関数毎に一致するか否かを判断し、一致する場合にパラメータ104aは正常、一致しない場合にパラメータ104aは異常と診断する。第2の診断処理では、第1の診断処理でパラメータ104aが正常と判断された場合に、さらに、特性関数毎に、その中点の値と、特性関数の両端(接続点)を結ぶ線分の中点の値との差分がそれぞれ許容範囲内にあるか否かを判断し、許容範囲内にある場合にはパラメータ104aは正常、許容範囲内にない場合にはパラメータ104aは異常と診断する。
図4は、アシストマップを説明するための図である。同図は、各速度(I0特性(0km/h)、Ia特性(30km/h)、Ib特性(254km/h)について、操舵トルクTと操舵補助指令値の関係を示しており、X軸は操舵トルク[Nm]、Y軸は操舵補助指令値を示している。I0特性(0km/h)、Ia特性(30km/h)、Ib特性(254km/h)のパラメータ診断方法は同様であるので、以下の説明では、I0特性(0km/h)を代表させて説明する。
図5および図6を参照して、パラメータ診断処理の第1の診断処理を説明する。図5は、パラメータ診断処理の原理を説明するための図であり、X軸は操舵トルク[Nm]、Y軸は操舵補助指令値を示している。
図5に示すように、アシストマップは、複数の特性関数(二次関数)で構成されており、正常な場合は、各二次関数は連続している。ここで、異常がある場合には、例えば、一点鎖線Pに示すように、二次関数が連続しなくなる部分が生じる。そこで、第1の診断処理では、二次関数間の接続点(抽出点)の値が一致するか否かを判断して、パラメータ104aが正常か否かを判断し、接続点が一致する場合はパラメータ104aが正常、接続点が一致しない場合はパラメータ104aが異常と判断する。
図6は、パラメータ診断処理の第1の診断処理を説明するための図であり、I0特性(0km/h)のアシストマップを示しており、X軸は操舵トルク[Nm]、Y軸は操舵補助指令値を示している。
図6において、アシストマップは、複数の特性関数の各接続点(t0、t1、t2、t3)の区間t0−t1、t1−t2、t2−t3を、それぞれ特性関数f1=a12+b1x+c1,f2=a22+b2x+c2、f3=a32+b3x+c3で規定している。このアシストマップを生成するために、パラメータ104aとして、接続点のX座標t0(ただし、f1(t0)=0)、t1、t2、t3と、2次関数f1、f2、f3の係数a1、b1、c1,a2、b2、c2、a3、b3、c3がEEPROM104に保存されている。同様に、Ia特性(30km/h)、Ib特性(254km/h)のパラメータもEEPROM104に保存されている。
第1の診断処理では、EEPROM104からパラメータt0、t1、t2、t3、a1、b1、c1,a2、b2、c2、a3、b3、c3を読み出して、f1(t0)=0・・・(1)、f1(t1)=f2(t1)・・・(2)、f2(t2)=f3(t2)・・・(3)、f3(t3)=i3・・・(4)が成立するか否かを判断する。ここで、i3は、パラメータ診断プログラム102bに格納されている値である。上記式(1)〜(4)の少なくとも1つが成立しない場合に、パラメータ104aが異常であると判断し、パラメータ104aの異常情報(その異常が発生した区間等)をEEPROM104に格納する。同様な方法で、Ia特性(30km/h)、Ib特性(254km/h)のパラメータについても異常を判断する。
図7は、パラメータ診断処理の第2の診断処理の概略を説明するための図であり、I0特性(0km/h)のアシストマップを示しており、X軸は操舵トルク[Nm]、Y軸は操舵補助指令値を示している。
図7において、例えば、α、βのような特性曲線となるような場合は、上記式(1)〜(4)が成立して、各二次関数間の接続点の値が一致するため、第1の診断処理では、その異常を判断することができない。
そこで、第2の診断処理では、各特性関数について、特性関数の中点Qの値iqと、特性関数の両端(接続点)を結ぶ線分Sの中点の値iq’との差の絶対値が閾値以下とならない場合に、パラメータが異常であると判定している。具体的には、下式(5)〜(7)の少なくとも1つが成立しない場合に、パラメータ104aが異常であると判断し、パラメータ104aの異常情報(異常が発生した区間等)をEEPROM104に格納する。
|Q1−Q1’|<閾値th・・・(5)
但し、Q1=f1((t0+t1)/2)、Q1’=(i0(=0)+i1)/2
|Q2−Q2’|<閾値th・・・(6)
但し、Q2=f2((t1+t2)/2)、Q2’=(i1+i2)/2
|Q3−Q3’|<閾値th・・・(7)
但し、Q3=f3((t2+t3)/2)、Q3’=(i2+i3)/2
同様な方法で、Ia特性(30km/h)、Ib特性(254km/h)のパラメータについても異常を判断する。なお、特性関数が一次関数の場合は、第2の診断処理は不要である。
図8は、パラメータ診断処理を説明するためのフローチャートである。CPU101は、パラメータ診断処理をコントロールユニット30の電源投入時やパラメータ104aの書き換え時等に実行する。
図8において、CPU101は、まず、EEPROM104からパラメータ104aを読み出して(ステップS1)、第1の診断処理(図6参照)を実行する(ステップS2)。CPU101は、この第1の診断処理でパラメータ104aの異常を検出したか否かを判断し(ステップS3)、パラメータ104aの異常を検出した場合は(ステップS3の「Yes」)、ステップ7に移行する一方、パラメータ104aの異常を検出しなかった場合は(ステップS3の「No」)、第2の診断処理(図7参照)を実行する(ステップS4)。
つぎに、CPU101は、この第2の診断処理でパラメータ104aの異常を検出したか否かを判断し(ステップS5)、パラメータ104aの異常を検出した場合は(ステップS5の「Yes」)、ステップ7に移行する一方、パラメータ104aの異常を検出しなかった場合は(ステップS5の「No」)、EEPROM104に格納されたパラメータ104aを使用して、操舵補助処理(モータ制御処理)を実行する(ステップS6)。
ステップS7では、EEPROM104に格納されたパラメータ104aに異常がある旨をドライバに報知するために、操作パネルの警告ランプを点灯させる(ステップS7)。そして、CPU101は、パラメータ104aの異常情報(異常のあった区間等)をEEPROM104に格納する(ステップS8)。この後、CPU101は、ROM102に格納されているパラメータの初期値102cを使用して、操舵補助処理(モータ制御処理)を実行する(ステップS9)。
図9は、CPU101が制御プログラム102a(パラメータ104aを含む)を実行することにより実現する機能(制御プログラムの機能構成)を示す図である。
制御プログラム102aは、図9に示すように、操舵トルクTと車速Vに基づいて操舵補助トルク指令値を算出するトルク制御系モジュール(例えば、動作周期が1msec)500と、各種のトルク補償を行う補償制御系モジュール(例えば、動作周期が2msec)510と、モータ電流のFB(フィードバック)制御を行うモータ電流制御系モジュール520(例えば、動作周期が125μsec)と、操舵補助モータ20のモータ電流のFF(フィードフォワード)制御を行うモータ電流補助制御系モジュール530(例えば、動作周期が125μsec)等を備えている。つぎに、動作の概略を説明する。
まず、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと、車速センサ12で検出された車速Vとがアシストマップ501に入力され操舵補助指令値が算出される。このアシストマップ501は、パラメータ104aに基づいて生成される。さらに、補償制御系モジュール510で演算される補償値、例えば、収斂性演算部511,慣性演算部512,およびSAT演算部513で算出された収斂性・慣性・SATなどの補償値を、加算部502で操舵補助指令値に加算してトルク指令値Trefが決定される。トルク指令値Trefは、位相補償部503で位相補償された後、電流指令値演算部540に入力される。そして、トルク指令値Trefに基づいて電流指令値演算部540で電流指令値Irefが決定される。なお、ブラシレスモータでは、トルク指令値Trefの他に回転子のロータ角度も電流指令値演算部540に入力して電流指令値Irefが決定される。
一方、操舵補助モータ20のモータ電流は、電流検出値Imとして、電流検出回路130で検出され、電流指令値Irefとともに減算部521へ入力される。減算部521では、それらの偏差ΔI=Iref−Imが算出され、PI(比例積分)制御部522に入力される。PI(比例積分)制御部522では、偏差ΔIの比例積分出力として、電圧制御値Vrefが出力される。また、電流指令値Irefは、補助値演算部531に入力される。補助値演算部531で演算される補助値、例えば、Dead Time演算部532、EMF(逆起電力)演算部533、および弱め界磁制御演算部534で算出された補助値が、加算部535で電圧制御値Vrefに加算される。加算部535の出力は、PWM制御部550に入力されて、PWM処理され、UVW各相のPWM制御信号がFETプリドライバ回路110に出力され、FETプリドライバ回路110およびモータ駆動回路120を介して、操舵補助モータ20が駆動される。
以上説明したように、本実施例によれば、EEPROM104には、電動パワーステアリング装置の制御で使用され、かつ、連続する複数の特性関数(アシストマップ)を規定するためのパラメータ104aが格納されており、CPU101は、パラメータ診断処理では、EEPROM104に格納されるパラメータ104aで規定される複数の特性関数の異常を診断して、当該パラメータ104aの異常を診断することとしたので、不揮発性メモリに格納されたパラメータの外部ノイズに起因する異常およびパラメータ自体の異常(誤ったパラメータが書き込まれたことによる異常)を検出することが可能となる。
また、実施例1によれば、CPU101は、パラメータ診断処理の第1の診断処理では、特性関数間の接続点の値が、当該特性関数毎に一致するか否かを判断し、一致する場合にパラメータ104aは正常、一致しない場合にパラメータは異常と診断することとしたので、簡単な演算でパラメータの異常を検出することが可能となる。
また、実施例1によれば、CPU101は、パラメータ診断処理の第2の診断処理では、第1の診断処理でパラメータ104aが正常と判断された場合に、さらに、特性関数毎に、その中点の値と、特性関数の両端(接続点)を結ぶ線分の中点の値との差分がそれぞれ許容範囲内にあるか否かを判断し、許容範囲内にある場合にはパラメータ104aは正常、許容範囲内にない場合にはパラメータ104aは異常と診断することとしたので、第1の診断処理で検出できないパラメータの異常を検出することができ、高精度にパラメータの異常を診断することが可能となる。
また、実施例1によれば、CPU101は、パラメータ診断処理でパラメータ104aの異常を診断した場合には、その旨をドライバに警告するために、警告ランプを点灯させることとしたので、ドライバにパラメータに異常があることを知らせることが可能となる。
また、実施例1によれば、CPU101は、パラメータ診断処理でパラメータ104aが異常と判断した場合には、パラメータの異常情報をEEPROM104に書き込むこととしたので、パラメータの異常の解析が可能となる。
また、実施例1によれば、CPU101は、パラメータ診断処理でパラメータ104aが異常と判断した場合には、ROM102に格納されているパラメータの初期値102cを使用して、電動パワーステアリング装置を制御することとしたので、パラメータに異常がある場合でも、操舵補助モータの制御(操舵補助処理)を行うことが可能となる。
なお、上記実施例では、アシストマップを生成するためのパラメータについて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、連続する複数の特性関数を用いた他のマップ等に適用可能である。また、上記実施例では、複数の特性関数として複数の2次関数について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、特性関数は、1次関数、3次以上の関数でもよく、また、異なる次数の関数が混在する場合(例えば、1次関数と2次関数)にも適用可能である。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の制御装置、電動パワーステアリング装置の制御方法、およびコンピュータが実行するためのプログラムは、不揮発性メモリに、電動パワーステアリング装置の制御に使用するパラメータを格納する場合に有用である。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を示す図である。 図1のコントロールユニットのハードウェア構成を示す図である。 図1の電動パワーステアリング装置が搭載される車両の制御系の概略構成を示す図である。 アシストマップを説明するための図である。 パラメータ診断処理の第1の診断処理を説明するための図である。 パラメータ診断処理の第1の診断処理を説明するための図である。 パラメータ診断処理の第2の診断処理を説明するための図である。 パラメータ診断処理を説明するためのフローチャートである。 図2のMCUの機能構成図である。
符号の説明
1 操向ハンドル
2 コラム軸
3 減速ギア
4a,4b ユニバーサルジョイント
5 ピニオンラック機構
6 タイロッド
10 トルクセンサ
12 車速センサ
14 バッテリ
20 操舵補助モータ
30 コントロールユニット
100 MCU(マイクロコントロールユニット)
101 CPU(制御手段)
102 ROM
102a 制御プログラム
102b パラメータ診断プログラム
102c パラメータの初期値
103 RAM
104 EEPROM
104a パラメータ
105 A/D変換器
106 車載用LANI/F
107 バス
110 FETプリドライバ回路
120 モータ駆動回路(インバータ)
130 電流検出回路
140 位置検出回路
200 車両の制御系
201 通信制御部
202 メインECU
203 エンジンECU
204 外部ポート
205 A/TECU
206 ブレーキECU
207 パネルECU
210 車載用LAN
220 ケーブル
300 専用ツール
400 ネットワーク
410 サービスセンタ
500 トルク制御系モジュール
510 補償制御系モジュール
520 モータ電流制御系モジュール
530 モータ電流補助制御系モジュール

Claims (9)

  1. 少なくとも車両のステアリング系に発生する操舵トルクに基づいて演算した電流指令値と、前記ステアリング系に操舵補助力を付与する操舵補助モータの電流検出値とに基づいて、前記操舵補助モータを制御する電動パワーステアリングの制御装置において、
    前記電動パワーステアリング装置の制御で使用され、かつ、連続する複数の特性関数を規定するためのパラメータを格納する不揮発性メモリと、
    前記不揮発性メモリに格納されているパラメータで規定される複数の特性関数の異常を診断して、当該パラメータの異常を診断するパラメータ診断手段と、
    を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記パラメータ診断手段は、前記特性関数間の接続点の値が、当該特性関数毎に一致するか否かを判断し、一致する場合にパラメータは正常、一致しない場合にパラメータは異常と診断することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 前記パラメータ診断手段は、前記パラメータが正常と判断した場合には、さらに、前記特性関数毎に、その中点の値と、特性関数の両端を結ぶ線分の中点の値との差分がそれぞれ許容範囲内にあるか否かを判断し、許容範囲内にある場合にはパラメータは正常、許容範囲内にない場合にはパラメータは異常と診断することを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 前記パラメータ診断手段でパラメータが異常と判断された場合に、その旨を警告する警告手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  5. 前記パラメータ診断手段は、前記パラメータを異常と判断した場合には、当該パラメータの異常情報を前記不揮発性メモリに書き込むことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  6. さらに、前記パラメータの初期値を格納するROMを備え、前記パラメータ診断手段でパラメータが異常と判断された場合には、前記ROMに格納されている前記パラメータの初期値を使用して、前記電動パワーステアリング装置を制御することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  7. 前記パラメータは、アシストマップを生成するためのパラメータであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  8. 少なくとも車両のステアリング系に発生する操舵トルクに基づいて演算した電流指令値と、前記ステアリング系に操舵補助力を付与する操舵補助モータの電流検出値とに基づいて、前記操舵補助モータを制御する電動パワーステアリングの制御方法において、
    不揮発性メモリには、前記電動パワーステアリング装置の制御で使用され、かつ、連続する複数の特性関数を規定するためのパラメータが格納されており、
    前記不揮発性メモリに格納されているパラメータで規定される複数の特性関数の異常を診断して、当該パラメータの異常を診断するパラメータ診断工程を含むことを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御方法。
  9. 少なくとも車両のステアリング系に発生する操舵トルクに基づいて演算した電流指令値と、前記ステアリング系に操舵補助力を付与する操舵補助モータの電流検出値とに基づいて、前記操舵補助モータを制御する電動パワーステアリングの制御装置に搭載されるプログラムにおいて、
    不揮発性メモリには、前記電動パワーステアリング装置の制御で使用され、かつ、連続する複数の特性関数を規定するためのパラメータが格納されており、
    前記不揮発性メモリに格納されているパラメータで規定される複数の特性関数の異常を診断して、当該パラメータの異常を診断するパラメータ診断工程をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータが実行するためのプログラム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010195158A (ja) * 2009-02-24 2010-09-09 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置
CN109477733A (zh) * 2016-05-13 2019-03-15 日本精工株式会社 马达驱动控制装置、电动助力转向装置和车辆
US11192576B2 (en) 2018-09-04 2021-12-07 Hitachi Astemo, Ltd. Steering device

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