JP2020078184A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冗長系を構成する2系統巻線を有するモータの各巻線に対して、それぞれ逆方向に且つ同一値の検出電流を供給し、ハンドル挙動を抑制してモータが停止した状態でモータ温度を推定可能な電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】ECUで演算された電流指令値に基づいて、インバータを介してモータを駆動制御し、モータにより車両の操舵系にアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置において、モータが2系統モータ巻線であり、2系統巻線毎にインバータを有する2系統駆動系を具備すると共に、2系統巻線にそれぞれ逆方向に且つ同一値の検出電流を供給し、モータの温度推定を行う。
【選択図】図9

Description

本発明は、操舵指令となる電流指令値に基づいてインバータを介してモータを駆動制御し、モータにより車両の操舵系にアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置に関し、特にモータが冗長系の2系統モータ巻線であり、モータの系統巻線毎にインバータを含むGDM(Gate Drive Module)を具備して2系統の駆動系を構成し、モータ温度の推定値が必要なとき(例えばイグニションキーのON時、初期診断時、イグニションキーのONで走行中又は停車(停止)時における運転者の非操舵時など)に、2系統巻線のそれぞれに逆方向に且つ同一値の検出電流を供給し、ハンドル挙動を抑制してモータ抵抗値の測定に基づいてモータ温度を推定する(更に回路異常を検出する)電動パワーステアリング装置に関する。
モータを制御するモータ制御装置を搭載した装置として電動パワーステアリング装置(EPS)があり、電動パワーステアリング装置は、車両のステアリング機構にモータの回転力で操舵補助力(アシスト力)を付与するものであり、インバータから供給される電力で制御されるモータの駆動力を、ギア等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に操舵補助力を付与する。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、操舵補助力のトルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流指令値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(Pulse Width Modulation)制御のデューティの調整で行っており、モータとしては保守性に優れたブラシレスモータが一般的に使用されている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクTsを検出するトルクセンサ10及び操舵角θを検出する舵角センサ14が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU(Electronic Control Unit))30には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニション(IG)キー11を経てイグニションキー(IG)信号が入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTsと車速センサ12で検出された車速Vsとに基づいてアシスト(操舵補助)制御の電流指令値の演算を行い、電流指令値に補償等を施した電圧制御指令値Vrefによって、EPS用モータ20に供給する電流を制御する。
なお、舵角センサ14は必須のものではなく、配設されていなくても良く、モータ20に連結されたレゾルバ等の回転センサから操舵角を取得することも可能である。また、モータ20とインバータ37との間には、モータ20を駆動系から遮断するためのモータリレー(接点式又は半導体式)が接続され、インバータ37には電源供給を遮断する電源リレー(接点式又は半導体式)が接続されている。
コントロールユニット30には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)40が接続されており、車速VsはCAN40から受信することも可能である。また、コントロールユニット30には、CAN40以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN41も接続可能である。
コントロールユニット30は主としてMCU(Micro controller Unit)(CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)等も含む)で構成されるが、そのMCU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。
図2を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTs及び車速センサ12で検出された(若しくはCAN40からの)車速Vsは、電流指令値Iref1を演算する電流指令値演算部31に入力される。電流指令値演算部31は、入力された操舵トルクTs及び車速Vsに基づいてアシストマップ等を用いて、モータ20に供給する電流の制御目標値である電流指令値Iref1を演算する。電流指令値Iref1は加算部32Aを経て電流制限部33に入力され、最大電流を制限された電流指令値Irefmが減算部32Bに入力され、フィードバックされているモータ電流値Imとの偏差I(Irefm−Im)が演算され、その偏差Iが操舵動作の特性改善のためのPI制御部35に入力される。PI制御部35で特性改善された電圧制御指令値VrefがPWM制御部36に入力され、更に駆動部としてのインバータ37を介してモータ20がPWM駆動される。モータ20の電流値Imはモータ電流検出器38で検出され、減算部32Bにフィードバックされる。インバータ37は駆動素子としてFETが用いられ、FETのブリッジ回路で構成されている。
加算部32Aには補償信号生成部34からの補償信号CMが加算されており、補償信号CMの加算によって操舵システム系の特性補償を行い、収れん性や慣性特性等を改善するようになっている。補償信号生成部34は、セルフアライニングトルク(SAT)34−3と慣性34−2を加算部34−4で加算し、その加算結果に更に収れん性34−1を加算部34−5で加算し、加算部34−5の加算結果を補償信号CMとしている。
このような電動パワーステアリング装置において、長時間の車庫入れの繰り返し等で、モータ20に大電流が流れ続けるような過度のモータ使用によりモータ20が過熱し、発煙、更にはモータ20が焼損する場合がある。このような問題に対して、モータ20に温度センサを配設し、温度保護制御を行うことが容易に考えられるが、特に乗用車用の電動パワーステアリング装置においては、コストやレイアウト性により、安易にモータ20に温度センサを取付けることができない。
従来のモータ温度推定制御は例えば特開2002−362393号公報(特許文献1)に示すようになっており、図3に示すように先ず制御系全体をイニシャライズし(ステップS1)、コントロールユニット30はトルクセンサ10からの操舵トルクTsの入力を行い(ステップS2)、操舵トルクTsに基づく故障診断を行い(ステップS3)、続いて電流検出系からの電流検出信号の入力を行い(ステップS4)、電流検出信号に基づく故障診断を行い(ステップS5)、所定演算式に基づくモータ制御のための電流指令値の演算を行う(ステップS6)。これにより、モータ20はインバータ37を介して制御される。これと共に例えば特開平10−100913号公報(特許文献2)で示されるようなモータ温度の推定(モータの電流値及び端子間抵抗値の各検出値より、巻線温度を推定)を行い(ステップS7)、モータ20が過熱か否かを判定し(ステップS10)、過熱発生の場合は過熱保護電流指令値を計算する(ステップS11)。
その後、又は上記ステップS10の判定でモータ過熱でない場合は、イグニションキー11からのイグニションキー信号の入力を行い(ステップS12)、イグニションキー11がOFFであるか否かを判定し(ステップS13)、イグニションキー11がOFFでない場合は電流指令値の出力を行い、インバータ37を介してモータ20を駆動し(ステップS14)、上記ステップS2にリターンして上記動作を繰り返す。
一方、上記ステップS13でイグニションキー11のOFFが検出された場合には、コントロールユニット30は電流指令値の出力の中止を行うと共に(ステップS15)、その時のモータ温度推定値が所定値以下であるか否かを判定する(ステップS16)。この段階では電源はリレー及びモータリレーはONされている。そして、モータ20の温度推定値が所定値(ECU温度)以下となった場合には、電源リレー(モータリレー)をOFFし(ステップS17)、コントロールユニット30に対するバッテリ13からの電源供給を遮断して、電動パワーステアリングの制御を停止する(ステップS18)。つまり、モータ推定温度がECU温度まで下がった時点で、モータ温度は十分に冷えたと判断して、ECUをOFFしている。
上記従来方法は、モータ温度を監視するためにイグニッションキー11のOFF後もECUのONを継続しており、暗電流の増加に繋がる問題がある。
一方、近年、電動パワーステアリング装置は、安全性やEPS故障時の機能持続性等の観点から、冗長系の2系統制御が求められている。2系統制御の構成は、MCUと、2つのGDMと、スター結線(Y結線)又はデルタ結線(Δ結線)の2系統巻線を有した1つのモータを備えている。
図4はスター結線の3相モータを示しており、1系統がU相巻線UW1、V相巻線VW1、W相巻線WW1で構成され、他の1系統がU相巻線UW2、V相巻線VW2、W相巻線WW2で構成されている。巻線UW1〜WW1及び巻線UW2〜WW2に3相電流を流すことによってモータが駆動される。また、図5はデルタ結線の3相モータを示しており、1系統がU相巻線UW1、V相巻線VW1、W相巻線WW1で構成され、他の1系統がU相巻線UW2、V相巻線VW2、W相巻線WW2で構成されている。巻線UW1〜WW1及び巻線UW2〜WW2に3相電流を流すことによってモータが駆動される。
図6は2系統巻線モータの一般的な制御装置の構成例を示しており、2系統モータ巻線を有するモータ200を駆動制御するコントロールユニット(ECU)100Aは、図7に示すような不感帯を有する電流指令値特性に基づいて、各駆動系毎に操舵トルクTs及び車速Vsに基づいて電流指令値Iref1及びIref2の演算等を行うと共に、左右操舵を判定し、各種補償機能を有するMCU110Aと、各駆動系を個別にアシスト制御する2系統のGDM121及び122とを備えている。ECU100Aには、操舵トルクTs、舵角θ、車速Vs、イグニション信号IGが入力され、電源+Vc、CAN、非CANが接続されている。GDM121及び122にはそれぞれ電流指令値Iref1及びIref2が入力され、GDM121はモータ200の1系統(第1系統)を駆動し、GDM122はモータ200の他の1系統(第2系統)を駆動する。また、GDM121及び122は、モータリレー(接点式又は半導体式)、モニタ及び診断用インタフェース、インバータ、モータリレー等を含んでおり、MCU110Aは、電流制御部、バランス調整機能(ソフト、ハード)等を含み、更に電流指令値Iref1及びIref2の間の補正機能を具備している。更に、ECU100Aには、モータ200に接続されたレゾルバ等の回転センサ201からモータ回転信号RSが入力されている。
MCU110Aは、入力される操舵トルクTs、舵角θ、車速Vs等に基づいて左右操舵の判別を行うと共に、電流指令値特性に基づいて操舵トルクTs、車速Vsからそれぞれ電流指令値Iref1及びIref2を演算し、演算した電流指令値Iref1及びIref2をGDM121及び122に入力する。GDM121は、モータ200の第1系統のモータ巻線UW1,VW1,WW1の駆動によってアシスト制御し、GDM122は、モータ200の第2系統のモータ巻線UW2,VW2,WW2の駆動によってアシスト制御する。また、GDM121で計測された電流や電圧等のモニタ値DT1はMCU110Aにフィードバックされ、GDM122で計測された電流や電圧等のモニタ値DT2はMCU110Aにフィードバックされる。
2系統の構成にすることで、1系統が故障した場合であっても、残りの1系統によりある程度アシストを維持することが可能となる。このような2系統制御の電動パワーステアリング装置においても、当然モータ保護のためにモータ温度の推定は必要である。
特開2002−362393号公報 特開平10−100913号公報 特開2014−176215号公報
モータ過熱時にイグニッションキーのOFF操作により直ちにECUが停止する場合、モータの推定温度がリセットされてしまう。このため、短時間のイグニッションキーのOFFからONへの操作によってモータ初期温度を正確に推定できなくなることがあり、その後の走行時の温度測定にも狂いが生じるという問題がある。従来はこのような問題を解消するため、特許文献1に示されるように、イグニッションキーをOFFにした後もモータ温度を監視し、モータ温度がECU温度とほぼ等しくなるまで監視を続けていた。モータ温度がECU温度と略等しいことを確認した後にECUを停止し、モータ温度の推定を停止させている。停止以後の外気温等による温度変動に対しても、モータ温度はECU温度に略等しいという関係は維持される。
そして、次回のイグニッションキーON時には、モータの初期温度として、ECUの電源をONにしたときのECU温度を初期値として使っていた。しかしながら、この従来方法によればイグニッションキーOFF後にもECU温度の監視のため、ECUの電源をONにした状態を続けなければならず、暗電流の増加に繋がるという問題があった。
電動パワーステアリング装置では、イグニションキーがONにされると、正常に機能できる状態にあるかを判断する初期診断が行われる。この初期診断では、電動パワーステアリング装置の電源がONになった直後のモータの温度(初期温度)の推定が行われる。この初期温度を基準に走行中のモータの温度を監視することで、走行中に電動モータが過熱することを防止している。従って、この基準となる初期温度の推定の精度は極めて重要であり、前述の方式以外の実現手段として、例えば、初期診断時にモータに電圧を印加し、検出された電流値とモータ抵抗値を基に推定する温度推定手段等が用いられている。
また、近年2系統のモータ制御系を備えることで、ショート、オープン等の故障診断が発生した場合でも正常なモータ駆動回路でモータの駆動を継続させることができる電動パワーステアリング装置が開発されている(例えば特開2014-176215号公報(特許文献3))。このような2系統のモータ制御系を備えたパワーステアリング装置においても、上記従来の1系統システムと同様に、モータの初期温度をどのように推定するかは重要な課題であった。
更に、モータ初期温度の推定に当たっては温度センサを用いることなく、ハンドル挙動を抑制して正確に推定したいという要請がある。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、冗長系を構成する2系統巻線を有するモータの各巻線に対して、モータ温度推定必要時にそれぞれ逆方向に且つ同一値の検出電流を供給し、ハンドル挙動を抑制してモータが停止した状態でモータ温度を推定可能な電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、ECUで演算された電流指令値に基づいて、インバータを介してモータを駆動制御し、前記モータにより車両の操舵系にアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、前記モータが2系統モータ巻線であり、前記2系統巻線毎に前記インバータを有する2系統駆動系を具備すると共に、前記2系統巻線にそれぞれ逆方向に且つ同一値の検出電流を供給し、前記モータの温度推定を行うことにより達成される。
本発明の上記目的は、前記モータの温度推定を行う温度推定機能を具備し、前記温度推定機能は、前記モータの抵抗値の測定に基づいて前記モータの温度推定を行うようになっていることにより、或いは前記モータの抵抗値に対する温度特性のデータテーブルを具備していることにより、或いは前記抵抗値に対して前記検出電流を大きく設定して、前記モータの温度を正確に推定するようになっていることにより、或いは前記ECUが、前記温度推定が必要か否かを判定するモータ推定判定部と、前記温度推定が必要と判断された温度推定必要時に、前記2系統モータ巻線に供給する電流値を設定する電流値設定部と、電流値設定部で設定された電流値を第1系統と第2系統とで逆に、かつ同一値となるように分配して前記検出電流を供給する電流制御部と、前記モータへの電流供給で検出された電圧及び電流と前記データテーブルからモータ温度を推定する温度推定部と、推定された前記モータ温度を記憶する記憶部とで構成されていることにより、或いは前記モータがスター結線若しくはデルタ結線の2系統巻線であることにより、より効果的に達成される。
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、冗長系を構成する2系統巻線を有するモータに対して、モータ温度推定必要時に、互いに逆方向で且つ同一値の電流を供給することによって、大電流を流してもモータの発生トルクがほぼ相殺されて発生トルクがほぼ0となる状態で、モータ温度の推定を行うことができる。大きな電流を流しても発生トルクがほぼ0となる状態を維持できるので、モータ抵抗値を精度よく算出でき、モータ温度推定の精度(特に、起動時のモータ温度推定の精度)も高めることができる。
起動時などのモータ温度推定必要時に、モータ温度(初期温度)を精度良く推定できるので、アシスト制御の通常診断やイグニションキーが頻繁にON/OFFされるような状況においても、モータ温度推定の精度を低下させることもない。
電動パワーステアリング装置の概要を示す構成図である。 電動パワーステアリング装置のコントロールユニット(ECU)の構成例を示すブロック図である。 従来のモータ温度推定の動作例を示すフローチャートである。 2系統モータの巻線構造(スター結線)を示す模式図である。 2系統モータの巻線構造(デルタ結線)を示す模式図である。 2系統巻線を有するモータの従来の一般的な構成例を示すブロック図である。 電流指令値の特性例を示す特性図である。 本発明の動作例を従来例と比較して示すタイムチャートである。 本発明の構成例を示すブロック図である。 本発明によるモータ温度推定時のモータ電流(スター結線)の供給例を示す模式図である。 本発明によるモータ温度推定時のモータ電流(デルタ結線)の供給例を示す模式図である。 本発明のMCUの機能構成例を示すブロック図である。 本発明の動作例を示すフローチャートである。 モータ抵抗値の測定を説明するための線図である。 モータ抵抗値の温度特性の一例を示す特性図である。
本発明は、操舵指令となる電流指令値に基づいて、インバータを含むGDMを介してモータを駆動制御し、モータにより車両の操舵系にアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置であり、特にモータが冗長系を構成する2系統モータ巻線の電動パワーステアリング装置である。モータの各系統巻線毎にインバータを含むGDMを具備して、2系統の駆動系を構成している。本発明は、ステータに2系統となる第1モータ巻線及び第2モータ巻線が巻装された3相モータであって、イグニションキーがONされた後の初期診断等のモータ温度推定必要時に、モータに発生するトルクが釣り合う方向に(即ち、2系統のトルクが相殺されて0となるように)、第1モータ巻線及び第2モータ巻線に逆方向で且つ同一値の電流を供給してモータ抵抗値を測定し、モータ抵抗値の温度特性からモータ温度を推定したり、或いは回路系の異常(故障を含む)を検出する。
本発明と従来技術(特許文献1)とのモータ温度推定の時間関係を図示すると図8のようになっており、本例では、時点t1にイグニションキーがONされ、時点t2にイグニションキーがOFFされ、時点t4にイグニションキーが再ONされた場合を示している。従来技術ではイグニションキーがONされてもモータ温度の推定を行わないか、若しくはECU温度T2の測定(温度センサ)を行ってモータ温度T1を推定しているが、本発明では、モータ温度推定必要時として、イグニションキーがONされると(時点t1及びt4)、その都度、モータコイルの抵抗値の測定と温度特性の関係からモータ温度を推定し、モータの初期温度としている。従来技術では、イグニションキーがOFFされる時点t2では、イグニションキーがOFFであるにも拘わらずECUはON状態であり、モータ温度T1がECU温度T2とほぼ等しくなった時点t3にECUをOFFする。これに対し、本発明ではイグニションキーがOFFされる時点t2において、ECUもOFFしている。
モータ温度推定の必要時として、イグニションキーのON時、初期診断時、イグニションキーのONで走行中又は停車(停止)時における運転者の非操舵時などがある。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図9は本発明の構成例を図6に対応させて示しており、モータ200はスター結線の2系統巻線であり、ECU100を構成するMCU110には2系統巻線用の2つのGDM121及び122が接続されている。GDM121及び122にはMCU100から、モータ温度推定用の電流値It1及びIt2、若しくはアシスト制御用の電流指令値Iref1及びIref2が入力される。それぞれのGDM121及び122には、モータリレー(接点式又は半導体式)、モニタ・診断用インタフェース、インバータ等が含まれており、それぞれが個別の指令値演算及び指令を行うことで、アシスト制御用の2系統巻線を備えたモータ200を駆動している。また、MCU110には、GDM121及び122からの電圧、電流等のモニタ値DT1及びDT2が入力されている。
そして、本発明ではモータ温度推定必要時に、図9及び図10に示すように、2系統巻線に供給する電流をそれぞれ逆方向に且つ同一値としている。例えば、外方からモータ巻線に入る電流を入力電流(→)とし、モータ巻線から外方に出る電流を出力電流(←)とすると、第1系統巻線UW1の入力電流Iu1(→)と第2系統巻線UW2の出力電流Iu2(←)とは同一値で逆方向となっており、他の巻線についても同様な関係となっており、常に下記数1及び数2の関係を有している。数1の関係を有しているので、大きな電流を供給してもモータの発生トルクが第1系統と第2系統で釣り合い、モータ200は回転することなく静止した状態で、つまりハンドル挙動を抑制してモータ温度推定を行うことができる。
(数1)
Iu1(→)=Iu2(←)
Iv1(←)=Iv2(→)
Iw1(←)=Iw2(→)
又は
Iu1(←)=Iu2(→)
Iv1(→)=Iv2(←)
Iw1(←)=Iw2(→)
又は
Iu1(←)=Iu2(→)
Iv1(←)=Iv2(→)
Iw1(→)=Iw2(←)

(数2)
Iu1+Iv1+Iw1=0
Iu2+Iv2+Iw2=0

上述した電流Iu1〜Iw1及びIu2〜Iw2の関係は、図11に示すデルタ結線のモータであっても同様である。
図12は本発明のMCU100の機能構成例を示しており、モータ温度推定が必要か否かを判定する温度推定判定部111と、モータ温度推定が必要と判断されたときに、モータ200に供給するモータ温度推定のための電流値(例えば数A)を設定する電流値設定部112と、電流値設定部112で設定された電流値を第1系統と第2系統とで逆に、つまり正負(方向)を逆にし、かつ絶対値が同一の値となるように分配して、電流値It1及びIt2を出力する電流制御部115と、検出された電圧、電流のモニタ値DT1及びDT2と温度特性のデータテーブルからモータ温度を推定する温度推定部113と、推定された温度推定値を記憶する例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)の不揮発性の記憶部114とで構成されている。
このような構成において、本発明に関連する部分の動作例を、図13のフローチャートを参照して説明する。
イグニションキーがONされて動作スタートになると(ステップS20)、先ずイニシャライズされ(ステップS21)、温度推定判定部111はモータ温度推定処理が必要であるか否かを判定する(ステップS22)。
モータ温度推定処理が必要であると判定された場合には、電流値設定部112はモータ温度推定のための電流値を設定し(ステップS23)、電流制御部115は前記数1及び数2を満たす電流値It1及びIt2を生成してモータ200の2系統巻線に供給する(ステップS24)。モータ200に電流値It1及びIt2を供給することにより、モータ電流及び電圧が測定され、GDM121及び122からモニタ値DT1及びDT2がMCU100に入力され(ステップS25)、温度推定部113が後述する手法でモータ温度を推定する(ステップS26)。
モータ温度の推定は、以下のように実施される。
ECU110の起動時にモータ温度を推定するに当たり、原理的には、一方の系統のモータ巻線のU相に例えば+0.5Vを印加し、同時に他方のモータ巻線のU相に−0.5Vの電圧を印加し、そのときの検出された電流値からモータ抵抗値を算出する。図14(A)に示すように、V相端子Vv=OFFとしてU相端子VuからW相端子Vwに電流を流すと、下記数3が成立する。
(数3)
(Ru+Rw)・Iuw=Vu−Vw

次に、Vv−Vu=Vv−Vwとして図14(B)に示すように電流を流すと、下記数4が成立する。
(数4)
Vv−Vu=Iv・Rv−Iu・Ru
Vv−Vw=Iv・Rv−Iw・Rw
Rw・Iw=Iu・Ru

数3及び数4より、下記数5が導かれる。
(数5)
Ru=(Vu−Vw)/Iuw(1+Iu/Iw)

上記数5において、電圧Vu,Vw、電流Iuw,Iu,Iwは測定可能であるので、モータ抵抗値Ruを求めることができる。モータ抵抗値Rv、Rwについても同様に求めることができる。モータ抵抗値の温度による変化特性は、モータ巻線の材質の電気抵抗率の温度係数αを使って次の数6で計算できる。
(数6)
R(T)=R[1+α(T−T))]
ただし、Rは基準温度Tにおける電気抵抗である。

図15は、基準温度Tを20℃とし、モータ巻線が銅で成り、温度係数αを0.393%としたとき温度変化特性である。即ち、数7で表わされる。
(数7)
R’(T)=R20°C[1+0.393/100(T−20))]


従って、数6若しくは数7より、電気抵抗R若しくはR20°Cは既知であり、モータ抵抗値R(T)若しくはR’(t)を測定すれば、逆算によってそのときの温度Tを推定(算出)することができる。そして、図15に示す温度特性を予めデータテーブル化しておけば、モータ抵抗値から容易に温度Tを推定することができる。なお、基準温度Tを20℃としているが、任意の温度を基準温度として求めることもできる。
上述のように温度推定部113は、測定されたモータ抵抗値からモータ温度を推定し、このモータ推定温度をモータの初期温度として記憶部114に記憶する(ステップS27)。以後はこの初期温度を基準として、走行時のモータ温度を監視していく。
モータ温度の推定後、電流指令値Iref1及びIref2に基づいてアシスト制御を実施し(ステップS30)、記憶されたモータ初期温度に基づいてアシスト制御中のモータ温度の常時推定を行う(ステップS31)。そして、モータ過熱が判定された場合には(ステップS32)、過熱保護電流指令値の計算を行って過熱保護を実施する(ステップS33)。別途検出若しくは推定されるECU100の温度が入力される(ステップS34)。
イグニションキーがOFFされると(ステップS35)、電流指令値の出力を停止し(ステップS40)、電源リレー及びモータリレーをOFFし(ステップS41)、EPSを停止する(ステップS42)。イグニションキーがOFFされなければ電流指令値を出力し(ステップS36)、上記ステップS30に移行してアシスト制御を継続する。
従来は、モータ過熱時にイグニッションキーのOFF操作により直ちにECUが停止する場合、モータの推定温度がリセットされてしまうため、短時間のイグニッションキーのOFFからON操作によってモータ初期温度を正確に推定できなくなることがあり、その後の走行時の温度測定にも狂いが生じるという問題があった。このような問題を解消するため、従来はイグニッションキーをOFFにした後もモータ温度を監視し、モータ温度がECU温度とほぼ等しくなるまで監視を続けていた。モータ温度がECU温度とほぼ等しくなったことを確認した後にECUを停止し、温度推定値を停止させ、次回のイグニッションキーON時にモータの初期温度として、ECUの電源をONにしたときのECU温度を初期値として使っていた。しかしながら、この従来方法によればイグニッションキーOFF後にもECU温度の監視のためECUの電源をONにした状態を続けなければならず、暗電流の増加に繋がるという問題があった。しかしながら、本発明によれば、モータに温度センサを設けることなく、モータの初期温度を測定することができ、イグニッションキーをOFFにした時点でECUもOFFにすることができるため、従来のように暗電流を増加させるということはない。
なお、上述では、温度推定を達成するために、2系統巻線のモータに逆方向の電流を流すようにしているが、温度推定に限らず、初期診断時にモータに電流を流して回路の異常検出やキャリブレーションを実行する際にも、同様に適用可能である。また、本発明は図1に示すようなコラムアシスト型に限定されるものではなく、ラックアシスト型やピニオンアシスト型でも良い。モータで車両の操舵系にアシスト力を付与するものであれば、何でも適用可能である。
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
10 トルクセンサ
12 車速センサ
20 モータ
30 コントロールユニット(ECU)
100、100A ECU
110、110A MCU
111 温度推定判定部
112 電流値設定部
113 温度推定部
114 記憶部
115 電流制御部
121,122 GDM
200 2系統モータ巻線のモータ
201 回転センサ

Claims (7)

  1. ECUで演算された電流指令値に基づいて、インバータを介してモータを駆動制御し、前記モータにより車両の操舵系にアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置において、
    前記モータが2系統モータ巻線であり、前記2系統巻線毎に前記インバータを有する2系統駆動系を具備すると共に、前記2系統巻線にそれぞれ逆方向に且つ同一値の検出電流を供給し、前記モータの温度推定を行うことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記モータの温度推定を行う温度推定機能を具備し、前記温度推定機能は、前記モータの抵抗値の測定に基づいて前記モータの温度推定を行うようになっている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記モータの抵抗値に対する温度特性のデータテーブルを具備している請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記抵抗値に対して前記検出電流を大きく設定して、前記モータの温度を正確に推定するようになっている請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記ECUが、
    前記温度推定が必要か否かを判定するモータ推定判定部と、前記温度推定が必要と判断された温度推定必要時に、前記2系統モータ巻線に供給する電流値を設定する電流値設定部と、電流値設定部で設定された電流値を第1系統と第2系統とで逆に、かつ同一値となるように分配して前記検出電流を供給する電流制御部と、前記モータへの電流供給で検出された電圧及び電流と前記データテーブルからモータ温度を推定する温度推定部と、推定された前記モータ温度を記憶する記憶部とで構成されている請求項3又は4に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記モータがスター結線の2系統巻線である請求項1乃至5のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記モータがデルタ結線の2系統巻線である請求項1乃至5のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
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