JP5035744B2 - 電動パワーステアリング制御装置、および方法 - Google Patents

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本発明は、多重故障発生時におけるフェールセーフ機能の誤動作を防止可能なパワーステアリング制御装置、方法、およびプログラムに関する。
自動車用の補助操舵装置として、電動モータのトルクを用いた電動パワーステアリング装置が利用されている。このパワーステアリング装置は、ドライバによるハンドルの操作および車の動きを検出するトルクセンサと、トルクセンサからの検出信号に基づき電流指令値を演算し、この電流指令値に応じた電流を出力する電動パワーステアリング制御装置(ECU)と、電動パワーステアリング制御装置からの出力信号に基づき回転トルクを発生する電動モータと、回転トルクをステアリング機構に伝える減速ギア等を備えて構成されている。
このように構成されたパワーステアリング装置において、ドライバがステアリングを操舵すると、トルクセンサにトルクが印加され、トルクの強さに応じたトルク信号が電動パワーステアリング制御装置内のA/Dコンバータに出力される。電動パワーステアリング制御装置はA/D変換されたトルク信号に基づき電流指令値を演算し、この電流指令値に基づくパルス信号が電流駆動回路に供給される。そして、電流駆動回路からモータに三相電流を与えることにより、操舵補助トルクがステアリングに印加される。
また、電動パワーステアリング制御装置は、故障による事故を未然に防ぐために種々のフェールセーフ機能を備えている。これらのフェールセーフ機能は、制御装置の各部の信号を監視し、異常発生と判定された場合には、操舵補助トルクの漸減等の処理を行うものである。例えば、電流指令値の演算異常を判定するため、メインマイコン(メインマイクロコンピュータ)の他にサブマイコン(サブマイクロコンピュータ)を設け、両者において演算された2つの電流指令値を比較する処理を行っている。すなわち、2つの電流指令値の差分が所定値を超えた場合には、電流指令値の演算処理が正常に行われていないおそれがあるため、かかる場合には故障確定と判定される。そして、故障確定の判定がなされると、電動パワーステアリング制御装置の誤動作を回避するために、操舵補助の制御が停止される。
従来の電動パワーステアリング制御装置においては、正確な故障判定を行うために、いわゆる前提条件が充足した場合にのみ、故障確定の判定が行われている。例えば、上述した電流指令値演算処理の故障判定においては、電流指令値の演算処理の故障を判定する前提として、トルクセンサ、電流駆動回路が正常に動作している必要がある。このため、前提条件として、トルクセンサの電源、トルクセンサの出力電圧値、および、モータ端子電圧値が正常範囲であるか否かが判断される。すなわち、これらの前提条件が充足されない場合には、電流指令値演算処理の故障判定はなされず、この結果、フェールセーフも実行されなくなってしまう。
しかしながら、前提条件が充足されない場合であっても、電流指令値演算処理等の故障が発生している可能性もある。特に、多重故障が発生している場合、すなわち、電流指令値演算処理の故障だけでなく、前提条件に関係する他の故障も発生している場合において、フェールセーフが機能しなくなるという問題が生じ得る。例えば、図7に示されたように、トルクセンサ、モータ端子電圧のそれぞれが正常状態、異常状態を交互に繰り返している場合には、前提条件が成立せず、電流指令値演算処理の故障判定が実行されず、フェールセーフが長時間に亘り機能しなくなってしまう。従って、この間に、電流指令値演算処理の故障が発生していたとしても、異常動作を抑えることが困難となる。
なお、フェールセーフに関する技術として、例えば特開2000−128003号に係る電動パワーステアリング制御装置が案出されているが、この装置はいわゆる前提条件が不成立の場合にフェールセーフを実行させるものではない。すなわち、この装置によっては上述の技術的課題を解決することはできない。
特開2000−128003号公報
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、経年変化、温度ドリフト等に起因するオフセット電流を正確に検出することが可能なパワーステアリング制御装置および方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明は、ステアリングに印加されたトルクを検出するトルクセンサからのトルク信号に基づき、操舵補助トルク発生用のモータを駆動するためのアシスト制御を行う制御手段と、電動パワーステアリング装置の所定部位が正常に動作していることを表す前提条件が成立した後に、故障状態を表す故障確定条件を判定し、故障確定条件が成立した場合に前記アシスト制御のフェールセーフを実行する故障診断手段とを備え、前記故障診断手段は、前提条件が所定時間、成立しなかった場合に、前記アシスト制御のフェールセーフを実行する。
前記制御手段は、アシスト制御の演算をそれぞれ実行する主制御部および副制御部を備え、前記故障診断手段は、主制御部および副制御部のそれぞれの演算結果が異なる場合に、前記故障確定条件が成立したと判断する。
前記故障診断手段は、前記トルクセンサまたは前記モータが正常に動作していることを前提条件として判断する。
前記故障診断手段は、故障確定条件が成立した場合にはアシスト制御を停止させる。
制御手段は、ステアリングに印加されたトルクを検出するトルクセンサからのトルク信号に基づき、操舵補助トルク発生用のモータを駆動するためのアシスト制御を実行可能である。故障診断手段は、電動パワーステアリング装置の所定部位が正常に動作していることを表す前提条件が成立した後に、故障状態を表す故障確定条件を判定し、故障確定条件が成立した場合にアシスト制御のフェールセーフを実行する。また、前提条件が所定時間成立しなかった場合には、何らかの異常が発生している可能性が高い。かかる場合には、故障診断手段は、アシスト制御のフェールセーフを実行する。従って、本発明によれば、前提条件が不成立の場合、故障確定条件の判断がなされなかったとしても、フェールセーフを実行することができ、適切な故障診断が可能となる。
また、主制御部および副制御部のそれぞれの演算結果が異なる場合に、前記故障確定条件が成立したと判断することにより、制御手段の異常を正しく検出することができる。
さらに、前提条件として、トルクセンサまたはモータが正常に動作していることを判断し、前提条件が成立しなかった場合には、フェールセール処理が実行される。従って、前提条件が成立せずに故障確定条件の判定がなされなかったとしても、適切なフェールセーフを実行することが可能となる。
また、故障確定条件が成立した場合にはアシスト制御を停止させることにより、不安定なアシスト制御を回避することができる。
以下に、図面を参照しながら本発明の最良の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略図である。この図において、ステアリング61はステアリングシャフト62、ユニバーサルジョイント63、64、シャフト65を介してラック&ピニオン66に連結されている。さらに、ラック&ピニオン66には車輪のタイロッド67が設けられており、ハンドル61の回転運動はタイロッド67の軸方向の運動に変換される構造となっている。
シャフト65にはトルクセンサ4が設けられており、トルクセンサ4はステアリング61に印加された操舵トルクを検出し、トルク信号を出力可能である。さらに、シャフト65には減速ギア31、モータ3が取り付けられており、モータ3の回転トルクが減速ギア31を介してシャフト9aに伝達される構成となっている。
電動パワーステアリング制御装置(ECU)1は上述のようにトルクセンサ4からのトルク信号、車速センサ2からの車速信号に基づき補助操舵トルクを算出し、この算出結果に基づく駆動電流をモータ3に送出するものである。電動パワーステアリング制御装置1には電源5が接続されており、イグニッションキー5aをオンにすることにより電動パワーステアリング制御装置1内部のリレーがオンとなり電源が供給される構成となっている。
図2は電動パワーステアリング制御装置1のハードウェア構成を表すブロック図である。電動パワーステアリング制御装置1は、マイクロプロセッサ、メモリを含むMCU(Micro Controller Unit)からなるメインマイコン(主制御部)10、同様にマイクロプロセッサ、メモリを含むサブマイコン(副制御部)150、定電圧回路160、スイッチング素子より構成されたモータ駆動回路119,プリドライバ回路117a,モータ電流検出回路120,121等を備えて構成されている。
さらに、メインマイコン10は、A/Dコンバータ110,カウンタ111,CPU113,ROM114,RAM115、フラッシュメモリ116、PWMコントローラ117、インタフェースI/F118、バス121を備えて構成されている。
バス121はA/Dコンバータ110、カウンタ111、CPU113、ROM114、RAM115、フラッシュメモリ116、PWMコントローラ117,インタフェースI/F118等の間でデータの送受信を行うためのものである。A/Dコンバータ110は、トルクセンサ4から出力されたメイントルク信号およびサブトルク信号、モータ電流検出回路120、121からの検出電流、モータ3の端子電圧、定電圧回路160の出力電圧を入力し、ディジタル信号に変換するためのものである。
上述のトルクセンサ4は、メイントルク信号、サブトルク信号の2つの出力信号を備え、これらの信号の合計電圧は一定電圧(例えば5V)であるクロス特性となるように設定されている。すなわち、ステアリングにトルクが印加されない場合には、メイントルク信号およびサブトルク信号はそれぞれトルク中立電圧2.5Vとなり、ステアリングに何らかのトルクが印加された場合には、メイントルク信号およびサブトルク信号は中立電圧2.5Vを基準として互いに逆方向に変動する。
カウンタ111は車速センサ2からの車速パルスをカウントしディジタル信号に変換するものである。ROM114はモータ3の制御プログラム、PWMの演算プログラム、フェールセーフプログラム等を記憶するためのメモリとして使用され、RAM115は当該プログラムを動作させるためのワークメモリとして使用される。フラッシュメモリ116はトルクセンサ4,電流検出回路120,121等の補正値をバックアップするためのものである。
PWMコントローラ117はモータ3の三相への印加電圧を制御するためのデューティ値に基づき、パルス幅変調されたパルス信号W,V,U,Wb,Vb,Ubに変換するためのものである。ここで、パルス信号W,V,Uは正相の三相信号を表し、パルス信号Wb,Vb,Ubは逆相の三相信号を表している。プリドライバ回路117aはPWM回路においてコントローラ117からのパルス信号を増幅し、スイッチング素子を駆動するためのバッファ回路である。
モータ駆動回路119は、WVUの各相毎に相補接続された一対のスイッチング素子より構成され、各々の一対のスイッチング素子は電源電圧側(上段)のスイッチングトランジスタと接地電位側(下段)のスイッチングトランジスタを有している。上段のスイッチングトランジスタのゲートには、正相のパルス信号W,V,Uが入力され、下段のスイッチングトランジスタには逆相のパルス信号Wb,Vb,Ubが入力されている。すなわち、上段、下段のスイッチングトランジスタは相補接続されており、交互にオン、オフ動作を繰り返すことにより、所望の駆動電流Iu、Iv、Iwを生成する。
なお、上段のスイッチングトランジスタと下段のスイッチングトランジスタとが同時にオンにならないように、両者がオフになる時間(デッドタイム)が正相のパルス信号W,V,Uと逆相のパルス信号Wb,Vb,Ubのオンの時間の前後に設けられている。このように、デッドタイムを設けることにより、上段、下段のスイッチングトランジスタの短絡を回避することができる。
モータ電流検出回路120、121は抵抗等の電流−電圧変換素子から構成され、モータ3への駆動電流Iu、Iwを検出し、電流に応じた電圧をA/Dコンバータ110に出力可能である。定電圧回路160はレギュレータ回路により構成され、トルクセンサ4の電源電圧(例えば5V)を生成するためのものである。上述したようにこの電圧はA/Dコンバータ110に入力され、その電圧値がCPU113によって監視される。
サブマイコン150はCPU、メモリ、A/Dコンバータ、インタフェース等を備えて構成され、トルク信号、車速信号、検出電流値、モータ端子電圧を入力可能である。サブマイコン150はメインマイコン10と同様に、入力された信号に基づき電流指令値を演算する機能を有している。このようにして演算された電流指令値と、メインマイコン10による電流指令値とを比較することにより、メインマイコン10における電流指令値演算処理の故障を判定することが可能となる。
図3に、電動パワーステリング制御装置1の機能ブロック図を示す。この図において、電流指令値演算部1130、加算器1135,電流制御部1132、故障診断部1133はメインマイコン10内のCPU113によって機能するものである。
電流指令値演算部1130には、トルク信号T、車速センサ2からの車速パルスが入力され、操舵補助力を決定する電流指令値Iを演算する機能を有している。この電流指令値Iはモータ3に供給する駆動電流値を表しており、電流指令値Iに等しい駆動電流がモータ3に供給されるような制御が行われる。
モータ電流検出回路120、121はモータ3に供給された電流を検出し、検出電流iの信号を出力する。この検出電流iは加算器1135にフィードバックされる。加算器1135は検出電流iと電流指令値Iとの偏差Δiを算出し、電流制御演算部1132に出力する。
電流制御演算部1132は、微分演算器、比例演算器、積分演算器から構成され、偏差Δiがゼロとなるような制御を行う機能を有している。微分補償器は制御の応答速度を改善するために設けられており、比例演算器は偏差Δiと所定の比例係数との乗算を行うためのものである。さらに、積分演算器は偏差Δiの時間軸で積分値を算出し、偏差Δiの定常値がゼロとなるような制御を行うためのものである。
サブマイコン150はメインマイコン10と同様に電流指令値演算処理、電流制御演算処理を実行することにより電流値を演算し、この電流値とモータ電流検出回路120,121によって検出された電流値とを比較することが可能である。すなわち、サブマイコン150による演算結果とメインマイコン10による演算結果とが大きく異なる場合には、サブマイコン150によって電流演算異常と判断される。
故障診断部1133は、電動パワーステアリング制御装置1の他、モータ3、トルクセンサ4等の異常を検出し、所定のフェールセーフ処理を実行するためのものである。例えば、サブマイコン150によって電流演算異常と判断された場合には、操舵補助トルクの漸減処理等の所定のフェールセーフを実行可能である。また、故障診断部1133がトルクセンサ4の異常を検出した場合においても、補助トルクの漸減処理を行うように電流指令値演算部1130および電流制御演算部1132に指示を与えることができる。
続いて、本実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置の動作を説明する。図4は電動パワーステアリング制御装置の動作を表すメインフローチャートである。先ず、イグニッションスイッチ5aをオンにすると、メインマイコン10は動作を開始し、パワーステアリング装置の初期診断等の初期設定を実行する(ステップS101)。
初期診断が正常に終了した後、メインマイコン10はトルク信号、モータ駆動電流、モータ端子電圧等の信号をA/D変換し(ステップS102)、操舵補助トルクを表す電流指令値を演算する(ステップS103)。さらにメインマイコン10は演算結果である電流指令値とモータ電流検出回路120,121による検出電流値とが一致するように、モータ駆動回路119を制御する(ステップS104)。
すなわち、電流指令値演算部1130はトルク信号等に基づき、三相の電流指令値を算出する。電流検出回路120,121はモータ3への駆動電流を検出し、電流検出値を出力する。電流制御演算部1132は電流検出値が電流指令値に等しくなるようにモータ駆動回路119にPWM信号を出力し、モータ駆動回路119は三相の駆動電流をモータ3に供給し、補助操舵トルクがステアリング61に印加される。
さらに、メインマイコン10は所定のタイマが診断周期に達したか否かを判断し(ステップS105)、判断の結果がNOであればステップS102以降の処理を繰り返す。タイマが診断周期に達すると(ステップS105でYES)、メインマイコン10は故障診断処理を実行する。故障診断処理において、故障診断部1133は故障診断の前提条件、故障確定条件が成立するか否かを判断するとともに、故障確定と判定した場合にはフェールセーフ処理を実行する(ステップS106)。その後、電動パワーステアリング制御装置1はステップS102〜S106の処理を繰り返し実行する。
図5は、上述の故障診断処理(ステップS106)の詳細を表すフローチャートである。先ず、メインマイコン10は故障診断の前提条件を構成する各種信号を検出する(ステップS201)。例えば、電流演算異常の故障診断を行う場合には、前提条件として、トルクセンサ4の電源電圧、トルクセンサ4の出力電圧、モータ3の端子電圧を検出する。メインマイコン10は検出した信号に基づき前提条件が成立するか否かを判断する(ステップS202)。
例えば、電流演算異常の故障診断を行う場合には、(トルクセンサ電源正常 AND トルクセンサ電圧値正常)OR(モータ端子電圧値正常)の前提条件が成立するか否かを判断する。前提条件が成立しないとメインマイコン10が判断した場合には(ステップS202でNO)、さらにステップS210以降の処理を実行する。
ステップS210において、前提条件が成立しない状態が所定時間が経過していなければ(同ステップでNO)、メインマイコン10はフェールセーフの機能を禁止し(ステップS211)、図4のメインフローチャートに戻る。一方、前提条件が所定時間継続して成立しない場合(ステップS210でYES)には、何らかの異常が発生していると想定されるため、メインマイコン10は操舵補助トルクの漸減等のフェールセーフ処理を実行する(ステップS212)。
ステップS202において前提条件が成立すると判断された場合(同ステップでYES)には、さらに確定条件の判定のための信号を検出する(ステップS204)。電流演算異常の判定を行う場合には、電流検出回路120,121による電流値を検出するとともに、サブマイコン150よる電流演算値を取得する。
続いて、メインマイコン10は検出された信号に基づき故障確定条件が成立するか否かを判断する(ステップS205)。例えば、電流演算異常の確定条件は、モータ電流検出値−サブマイコンによるモータ電流演算値≧5Aである状態が100msec以上継続したことである(図6参照)。すなわち、メインマイコン10による電流検出値とサブマイコン150による電流演算値とが大きく異なる場合には、メインマイコン10による演算処理またはモータ駆動回路119が正常に動作していない可能性がある。このように、確定条件が成立すると(ステップS205でYES)、メインマイコン10は故障確定と判定する(ステップS206)。そして、メインマイコン10はフェールセーフを実行し(ステップS207)、図4のメインフローチャートに戻る。フェールセールとしては、例えば操舵補助トルクの漸減、警告ランプの点灯、モータへの電源供給停止、各部信号の記録等が行われる。
一方、ステップS205において、確定条件が成立していない場合(同ステップでNO)には、ステップS215以降の処理が実行される。すなわち、従前の処理において既に故障復帰がなされている場合(ステップS215でYES)には、メインマイコン10は図4のフローチャートに戻る。故障復帰が未だなされていなければ(ステップS215でNO)、メインマイコン10は故障復帰条件が成立するか否かを判断する(ステップS216)。故障復帰条件として、イグニッションスイッチ5aが再投入されたか否かを判定しても良い。
このようにして、故障復帰条件が成立すれば(ステップS216でYES)、メインマイコン10は故障状態から正常状態に復帰したと判定し(ステップS217)、図4のメインフローチャートに戻る。故障復帰条件が成立しなければ(ステップS216でNO)、メインマイコン10は正常復帰の処理をすることなく、図4のメインフローチャートに戻る。
図6は、電流演算異常の前提条件、確定条件を表している。電流演算異常の判定のための前提条件は、[トルクセンサ電源正常 AND トルクセンサ電圧値正常]OR[モータ端子電圧値正常]であって、この前提条件が成立すると、確定条件が判断される。電流演算異常の確定条件は、モータ電流検出値−サブマイコンによるモータ電流演算値≧5Aである状態が100msec以上継続することである。この確定条件が成立した場合に、フェールセーフとしてアシスト制御が停止される。
一方、電流演算異常の前提条件が成立しない状態が10sec以上経過した場合には、電流演算マスク異常としてアシスト制御オフのフェールセーフが実行される。すなわち、上述の前提条件が所定時間、成立しなかった場合には、なんらかの異常が発生している可能性が高いため、確定条件を判断することなく故障の判定がなされる。前提条件が成立しない時間が比較的に短時間である場合には、ノイズ、電装機器の負荷変動等の異常とはいえない状態が発生したにすぎないと考えられる。従って、この場合には、従来と同様に前提条件が成立した後に、確定条件の判断がなされる。
また、本実施形態によれば、確定条件の成立、不成立が繰り返すような場合であっても、故障を正しく判定することが可能である。例えば、図7に示されたようにトルクセンサ、モータ端子電圧のそれぞれが交互に正常、異常を繰り返す場合には、上述した電流演算異常の確定条件は成立しない。すなわち、[モータ電流検出値−サブマイコンによるモータ電流演算値≧5Aである状態が100msec以上継続すること]という確定条件は成立しない。しかしながら、同図に示されるようにトルクセンサ、モータ端子電圧は異常状態となっているため、前提条件である[トルクセンサ電源正常 AND トルクセンサ電圧値正常]OR[モータ端子電圧値正常]”は成立しなくなる。本実施形態によれば、前提条件が成立しない状態が所定時間継続した場合には、異常と判定することができる。従って、図7に示されるように、多重故障が発生した場合であっても、異常を検出することが可能となる。
以上、述べたように、本発明によれば、故障確定の前提条件が所定時間不成立の場合には、フェールセーフ処理が実行される。従って、前提条件が不成立であるために故障確定の判定がなされなかったとしても、フェールセーフを実行することが可能となる。
本発明は上述の構成に拘泥されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、本実施形態に係るパワーステアリング制御装置はコラムタイプ、ラックタイプを問わず、また、プログラムの形態は上述のフローチャートに限定されず、同様の機能を実現できるものであれば変更可能である。
本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略図である。 本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置のブロック図である。 本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置の機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置のメインフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置の故障診断処理の詳細を表すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る故障診断における前提条件および確定条件を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る故障診断処理を説明するための図である。
符号の説明
1 ECU
3 モータ
4 トルクセンサ
10 メインマイコン(主制御部)
110 CPU(制御手段)
150 サブマイコン(副制御部I
120,121 モータ電流検出回路
1133 故障診断部

Claims (4)

  1. ステアリングに印加されたトルクを検出するトルクセンサからのトルク信号に基づき、操舵補助トルク発生用のモータを駆動するためのアシスト制御を行う制御手段と、
    前記トルクセンサまたは前記モータが正常に動作していることを表す前提条件が成立した後に、故障状態を表す故障確定条件を判定し、故障確定条件が成立した場合に前記アシスト制御のフェールセーフを実行する故障診断手段とを備え、
    前記故障診断手段は、前記前提条件が所定時間、成立しなかった場合に、前記アシスト制御のフェールセーフを実行することを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  2. 前記制御手段は、アシスト制御の演算をそれぞれ実行する主制御部および副制御部を備え、前記故障診断手段は、主制御部および副制御部のそれぞれの演算結果が異なる場合に、前記故障確定条件が成立したと判断することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  3. 前記故障診断手段は、故障確定条件が成立した場合にはアシスト制御を停止させることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  4. ステアリングに印加されたトルクを検出するトルクセンサからのトルク信号に基づき、操舵補助トルク発生用のモータを駆動するためのアシスト制御を行うステップと、
    前記トルクセンサまたは前記モータが正常に動作していることを表す前提条件が成立した後に、故障状態を表す故障確定条件を判定するステップと、
    故障確定条件が成立した場合に前記アシスト制御のフェールセーフを実行するステップとを備え、
    前記フェールセーフを実行するステップは、前記前提条件が所定時間、成立しなかった場合に、前記アシスト制御のフェールセーフを実行することを特徴とする電動パワーステアリング制御方法。
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