JPWO2015064098A1 - 全反射顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

光源(1)からの照明光をリレー光学系(8)でリレーして光源(1)の像を対物レンズ(11)の入射瞳面(10)若しくはその近傍に形成し照明光を対物レンズ(11)を介して標本(12)に照射する照明光学系(110)を有する全反射顕微鏡(100)は、光源(1)の像の位置を光軸と直交する方向に変化させる入射角度調整部である角度調整ミラー(3)と、照明光が標本(12)で反射して対物レンズ(11)で集光された戻り光の強度を検出する光検出部(15)と、角度調整ミラー(3)の作動量を決定する制御部(50)と、を有し、この制御部(50)は、角度調整ミラー(3)を変化させたときの戻り光の強度の変化に基づいて、照明光が標本(12)で全反射するように、角度調整ミラー(3)の作動量を決定する。

Description

本発明は、全反射顕微鏡に関する。
従来の全反射顕微鏡の照明角度検出においてはCCDや位置分割フォトダイオード(PSD)によって対物レンズの入射瞳における照明光の位置を検出して全反射角度を算出、保証していた(例えば、特許文献1参照)。この場合、照明光の位置精度は検出素子の分解能ならびに検出素子に対する対物レンズの入射瞳の投影倍率に依存し、精度向上のためには高分解能で高価な検出素子を用いるか、投影倍率を上げて検出光学系の大型化を許容するしかない。投影倍率を上げた場合、検出素子サイズも大きくする必要がありコスト上昇を招く。具体的に説明すると、一般的なCCDやPSDの位置検出分解能は数μm〜数十μm程度であり、これに対物レンズの入射瞳から検出素子への投影倍率の逆数をかけたものがこの入射瞳における照明光の集光位置検出精度に相当する。すなわち投影倍率が高いほど位置検出の精度を高くすることができる。
米国特許公開2010/0171946
しかしながら全反射顕微鏡観察に用いられる60x〜100xの対物レンズの入射瞳は直径6〜10mm程度であり、これを2倍、3倍と倍率をかけて投影できるサイズの検出素子は一般的に少なく、高価なものになる。全反射顕微鏡において対物レンズの入射瞳での集光位置の違いは数μm程度でも観察像に影響を及ぼし、エバネッセント場の浸み込み深さを変化させてしまう。これに対し数μmという同程度の分解能しかない検出素子では検出精度を管理、保証することは難しい。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で全反射顕微鏡の照明角度を精度よく制御することができる全反射顕微鏡を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る全反射顕微鏡は、光源からの光をリレー光学系でリレーして前記光源の像を対物レンズの入射瞳面若しくはその近傍に形成し前記光を前記対物レンズを介して標本に照射する照明光学系を有する全反射顕微鏡であって、前記光源の像の位置を光軸と直交する方向に変化させる入射角度調整部と、前記光が前記標本で反射して前記対物レンズで集光された戻り光の強度を検出する光検出部と、前記入射角度調整部の作動量を決定する制御部と、を有し、前記制御部は、前記入射角度調整部を変化させたときの前記戻り光の強度の変化に基づいて、前記入射角度調整部の作動量を決定することを特徴とする。
このような全反射顕微鏡において、前記光源の像の位置を光軸方向に変化させるフォーカスレンズ部をさらに有し、前記制御部は、前記入射角度調整部および前記フォーカスレンズ部を変化させたときの前記戻り光の強度の変化に基づいて、前記入射角度調整部および前記フォーカスレンズ部の作動量を決定することが好ましい。
このような全反射顕微鏡において、前記制御部は、前記入射角度調整部を変化させたときの前記戻り光の強度の変化に基づいて、前記光が前記標本で全反射するように、前記入射角度調整部の作動量を決定し、前記フォーカスレンズ部を変化させたときの前記戻り光の強度の変化に基づいて、前記光が平行光になるように、前記フォーカスレンズ部の作動量を決定することが好ましい。
このような全反射顕微鏡において、前記制御部は、前記光が前記標本で全反射するように、前記対物レンズの入射瞳若しくはその近傍において、光軸方向と直交する方向に、前記光源像の位置を調整し、前記光が平行光になるように、前記対物レンズの入射瞳若しくはその近傍において、前記光軸方向に、前記光源像の位置を調整することが好ましい。
このような全反射顕微鏡において、前記制御部は、前記戻り光の強度の変化に基づいて、前記標本における全反射と前記標本における非全反射の境界を特定することが好ましい。
このような全反射顕微鏡において、前記制御部は、前記入射角度調整部の変化量、あるいは前記入射角度調整部の作動に伴って変化する、前記光の主光線と前記リレー光学系の光軸とのなす角の変化量に基づいて、前記光の前記標本に対する入射角度を算出することが好ましい。
このような全反射顕微鏡において、前記制御部は、前記入射角度調整部の変化量、あるいは前記入射角度調整部の作動に伴って変化する、前記光の主光線と前記リレー光学系の光軸とのなす角の変化量に基づいて、前記標本の屈折率及びエバネッセント場の浸み込み深さの少なくとも一方を算出することが好ましい。
このような全反射顕微鏡において、前記制御部は、所望のエバネッセント場の浸み込み深さになるように前記入射角度調整部を制御することが好ましい。
このような全反射顕微鏡において、前記光検出部は、前記入射瞳面と共役な位置若しくはその近傍に配置されていることが好ましい。
このような全反射顕微鏡において、前記制御部は、前記入射角度調整部の前記変化量、あるいは前記入射角度調整部の作動に伴って変化する、前記光の主光線と前記リレー光学系の光軸とのなす角の変化量に基づいて、前記入射瞳面内における前記光源の像の位置を決定することが好ましい。
このような全反射顕微鏡において、前記制御部は、前記入射瞳面内における前記全反射と非全反射の境界となる前記位置を少なくとも3箇所以上決定し、当該位置から前記境界である円の中心を決定することが好ましい。
このような全反射顕微鏡において、前記制御部は、前記フォーカスレンズ部により前記光源の像の位置を光軸方向に変化させたときの前記戻り光の強度の変化に基づいて、前記入射瞳面に対する前記光源の像の集光状態を検出することが好ましい。
このような全反射顕微鏡において、前記入射角度調整部は、前記リレー光学系の光軸上であって、前記対物レンズの視野と共役な位置若しくはその近傍と交差するように配置され、前記光を反射する反射面を有し、前記反射面の前記光軸に対する角度を当該反射面の前記光軸と交差する点を中心に変化させて前記入射角度を変化させることが好ましい。
このような全反射顕微鏡において、前記入射角度調整部は、前記光源の光軸からの距離を、前記光軸に直交する面内で変化させて前記入射角度を変化させることが好ましい。
このような全反射顕微鏡において、前記入射角度調整部は、前記リレー光学系の光軸上であって、前記対物レンズの視野と共役な位置若しくはその近傍を中心に回転させて前記入射角度を変化させることが好ましい。
本発明によると、簡単な構成で全反射顕微鏡の照明角度を精度よく制御することができる。
第1の実施形態に係る全反射顕微鏡の構成を示す説明図である。 全反射と非全反射の境界を検出する方法を説明するための説明図であって、(a)は境界付近における戻り光の強度の変化を示し、(b)は検出面内における位置を示す。 光検出部上でのスポットの移動を説明するための説明図である。 光検出部上でスポットを移動させたときの強度の変化を示す説明図である。 検出面内の測定点及び全反射と非全反射の境界との関係を説明する説明図である。 全反射と非全反射の境界を検出することにより行う全反射照明の調整方法のフローチャートである。 フォーカス調整用レンズを操作したときにスポットの状態を説明するための説明図である。 フォーカス調整用レンズを操作したときの強度の変化を示す説明図である。 第2の実施形態に係る全反射顕微鏡の構成を示す説明図である。 第3の実施形態に係る全反射顕微鏡の構成を示す説明図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1を用いて第1の実施形態に係る全反射顕微鏡100の構成について説明する。この全反射顕微鏡100は、図示しない試料台に設置された標本接地ガラス17の上に載せられた標本12に対して、光源1から放射された照明光LIを対物レンズ11を介して標本接地ガラス17側から照射する照明光学系110と、この照明光LIにより励起された標本12から発生する蛍光LOを対物レンズ11で集光し、CCD等からなる撮像素子19の撮像面上に集光する結像光学系120と、を有して構成されている。なお、この図1における光源1は、別の光源装置から放射された照明光をこの照明光学系110に導く光ファイバーの端面でも良い。また、対物レンズ11は、全反射顕微鏡観察が可能な高NA対物レンズである。
照明光学系110は、光源1側から順に、光源1から放射された照明光LIを略平行光束にするコリメートレンズ2と、コリメートレンズ2から出射した照明光LIを反射し、この照明光LIが標本12に照射されるときの入射角度を調整するための入射角度調整部である、高角度分解能の角度調整ミラー3と、標本12に照射される照明光LIの平行度を調整するためのフォーカスレンズ部6と、光源1の像をリレーするための少なくも2枚のレンズからなるリレーレンズ8と、照明光LIを対物レンズ11側に反射し、標本12から発生した蛍光LOを透過するダイクロイックミラー、又は、一部の光を透過し残りの光を反射するハーフミラー(又はハーフプリズム)で構成された第1の光路分岐部9と、対物レンズ11とから構成されており、対物レンズ11の物体側の焦点面に標本12が配置されている。ここで、角度調整ミラー3の反射面は、光軸16上の対物レンズ11の視野と略共役な位置(視野と共役な位置の近傍)と交差するように配置されており、この角度調整ミラー3の反射面は、光軸16上の視野共役な位置またはその近傍を中心に回転(揺動)するように構成されている。なお、照明光LIの照明光主光線4は、この回転中心に入射するように構成されている。また、角度調整ミラー3は、光軸16をZ軸とし、光軸16に直交する面内で直交する方向をそれぞれX軸及びY軸としたとき、X軸方向及びY軸方向に回転可能に構成されている。また、光源1はコリメートレンズ2の一方の焦点と略一致するように配置されている。また、図1における符号10は、対物レンズ11の射出瞳の位置(瞳面)を示し、符号7は、この瞳面10の共役位置(瞳共役面)を示している。
また、結像光学系120は標本12側から順に、対物レンズ11と、第1の光路分岐部9と、結像レンズ18とから構成されており、結像レンズ18の像側焦点面と略一致するように撮像素子19の撮像面が配置されている。
このような全反射顕微鏡100において、光源1から放射された照明光LIはコリメートレンズ2で略平行光束になり、角度調整ミラー3で反射される。そして、フォーカスレンズ部6で対物レンズ11の瞳共役面7若しくはその近傍に一旦集光されて光源1の像を形成した後、リレーレンズ8でリレーされ、第1の光路分岐部9で反射されて、対物レンズ11の瞳面10若しくはその近傍に集光して光源1の像を再度形成する。そして、照明光LIは、対物レンズ11によりコリメートされて略平行光束となり標本接地ガラス17に照射される。このとき、照明光LIは角度調整ミラー3によりその主光線4が光軸に対して所定の角度をなすように反射されているため、光源1の像は瞳面10若しくはその近傍の光軸16から離れた位置に形成され、照明光LIは標本接地ガラス17に対して所定の入射角度を有して斜めに照射される。ここで、入射角度とは、照明光L1の主光線と標本12と標本接地ガラス17との境界面の法線(光軸16と略平行な線)とのなす角をいう。このとき、この入射角度が標本12と標本接地ガラス17との境界面の臨界角を超えているときは、照明光LIはこの境界面で全反射する。この照明光LIが全反射する標本接地ガラス17と標本12との境界面では、標本12側に光(エバネッセント光)が浸み込んでエバネッセント場を形成し、標本12側の厚さ数十〜数百nmの範囲が照明される。このエバネッセント光により励起された標本12からは蛍光LOが発生する。この位置に対物レンズ11の物体側の焦点面が位置するように調整すると、この蛍光LOは対物レンズ11で集光されて略平行光束となって第1の光路分岐部9を透過し、結像レンズ18により撮像素子19の撮像面に集光され、蛍光LOによる標本12の像が形成される。このように、この全反射顕微鏡100によると、背景に光ノイズの少ない非常に暗い状態で標本12を励起することができるので、コントラストの高い像を取得することができる。なお、フォーカス用レンズ部6を光軸方向に移動させることにより、瞳共役面7若しくはその近傍に形成される光源1の像の光軸方向の位置が変化し、その結果、瞳面10若しくはその近傍に形成される光源1の像の光軸方向の位置が変化する。そのため、フォーカス用レンズ部6により光源1の像を瞳共役面7と一致させることにより、この像が瞳面10と一致し、これにより、対物レンズ11を介して標本12に照射される照明光LIを平行光にする(平行度を調整する)ことができる。また、角度調整ミラー3の反射面の光軸16に対する角度を変化させることにより標本12に照射される照明光LIの入射角度(境界面に対する入射角度)を調整することができる。
このような全反射顕微鏡100において、上述した境界面で浸み込むエバネッセント光の量は、この境界面に入射する照明光LIの入射角度に依存することから、境界面に入射する照明光LIを平行光に近づける必要がある。そのため、この全反射顕微鏡100は、標本接地ガラス17と標本12との境界面で全反射した照明光LI(以下、この照明光を「戻り光」と呼ぶ)を検出する戻り光検出部130を備え、標本接地ガラス17と標本12の境界面で照明光LIが全反射したか否かをこの戻り光検出部130で判別するとともに、全反射と非全反射の境界状態(臨界状態)における角度調整ミラー3の角度により、全反射照明状態を保証するように構成されている。
戻り光検出部130は、フォーカス用レンズ部6と角度調整ミラー3との間の光路上に配置された第2の光路分岐部5と、この第2の光路分岐部5の側方に配置された集光レンズ14と、この集光レンズ14の一方の焦点面と検出面が略一致するように配置された光検出部15と、から構成される。なお、第2の光路分岐部5は、一部の光を透過し残りの光を反射するハーフミラー(またはハーフプリズム)で構成される。また、この第2の光路分岐部5は、対物レンズ11の像側の焦点面の近傍であって、角度調整ミラー3より標本12側に配置されている。なお、図1における符号13は、戻り光の主光線を示している。
標本接地ガラス17と標本12との境界面で全反射した照明光(戻り光)は、対物レンズ11で瞳面10に集光された後、第1の光路分岐部9で反射され、さらにリレーレンズ8及びフォーカスレンズ部6でリレーされて第2の光路分岐部5で一部の光が反射される。そして、この第2の光路分岐部5で反射された戻り光は、集光レンズ14により光検出部15の検出面上に集光される。ここで、光検出部15の検出面は対物レンズ11の瞳面10と共役な位置若しくはその近傍に配置されているため、瞳面10に集光する照明光の集光状態(ピント状態)や瞳面10上における集光位置を検出することが可能であり、フォーカスレンズ部6を光軸方向に動かしたり角度調整ミラー3を振ったり(回転又は揺動)することで瞳面10に集光される照明光LIの状態が変化した際、その状態を把握することが可能である。
さらに、戻り光検出部130では、戻り光の強度を検出することにより強度比率がおよそ100:4である全反射光(標本接地ガラス17と標本12で全反射した照明光LI)と標本12等で反射した反射光とを区別することが可能であり、光検出部15で検出される光の強度から、全反射と非全反射の境界を判断することが可能である。なお、このような戻り光検出部130の光検出部15には、CCDや位置分割フォトダイオード(PSD)など、検出面に集光する光束のピント状態や強度を検出可能であることが求められる。さらに、光検出部15の検出面は瞳面10と略共役なので、この検出面に集光する位置を検出することで標本12に入射する照明光LIの全反射角度、標本12の屈折率、エバネッセント場の浸み込み深さを算出することも可能であるが、その精度は検出素子の分解能に依存し、あまり精度は高くない。
それでは、光検出部15により戻り光のスポットを検出することにより、標本12に照射される照明光LIの平行度や入射角度を調整する方法について説明する。なお、ここでは、光検出部15にCCDを用いた場合と、位置分割フォトダイオード(PSD)を用いた場合とについて説明を行う。
(光検出部15にCCDを用いた場合)
まず、光検出部15にCCDを用いた場合の調整方法について説明する。フォーカスレンズ部6を光軸方向に動かすと、戻り光検出部130の光検出部15に集光する戻り光のスポット径が変化し、ピーク強度も変化する。具体的には、光源1の像が瞳面10と一致すると、光検出部15により検出されるスポット径が最小になり、且つ、ピーク強度が最高になる。すなわち、スポットの径が最小になり、且つ、ピーク強度が最高になるようにフォーカスレンズ部6を調整することにより、光源1の像が瞳面10上に位置し、標本12に照射される照明光束が平行になるので、これにより、次に説明する照明角度算出精度が向上する。
次に、角度調整ミラー3による照明光LIの標本12への入射角度の調整方法について説明する。ここで、標本12に入射する照明光LIの入射角度θと瞳面10内で照明光LIが集光する位置との関係は次の式(1)で求められる。
Figure 2015064098
この式(1)において、hは瞳面10内における照明光LIの集光位置と瞳面10の中心すなわち光軸16との距離であり、n1は標本接地ガラス17の屈折率であり、fは対物レンズ11の焦点距離である。さらに、角度調整ミラー3の反射面の角度θmが光軸16に対して45°のときを基準位置(0°)としたとき、距離hは角度θmならびに角度調整ミラー3から瞳面10までの光学系の合成焦点距離f1により次の式(2)のように求められる。なお、角度調整ミラー3の反射面を角度θm変化させた場合、角度調査ミラー3の反射面で反射する光(光の主光線)は、光軸に対して角度2θm変化する。
Figure 2015064098
そして、標本接地ガラス17と標本12との境界面の法線に対する照明光LIの入射角度θが次の式(3)で表される角度θrを超えたとき、照明光LIは境界面で全反射を起こし、全反射顕微鏡観察が可能となる。
Figure 2015064098
ここでn1は標本接地ガラス17の屈折率であり、n2は標本12の屈折率である。一般に標本12の屈折率について正確な値を知らない場合が多く、全反射顕微鏡観察を行うための調整において照明光の角度など手探りで探さなければならないが、本実施形態に係る全反射顕微鏡100では、以下に示す方法により、これらの値を算出することができるように構成されている。
また、標本12に対する照明光LIの入射角度θとエバネッセント場の浸み込み深さ、すなわち照明光が標本12に当たる深さ範囲d(境界面からの光軸方向の深さ)との関係は次の式(4)で表される。但しλは照明光の波長である。
Figure 2015064098
この式(4)から明らかなように、エバネッセント場の浸み込み深さdを調整するには照明光LIの入射角度θを調整すればよく、すなわち瞳面10における照明光LIの集光位置hを角度調整ミラー3で調整すればよい。
上述したように、角度調整ミラー3を振ると瞳面10における光源1の像の位置が移動し、これにより、戻り光検出部130の光検出部15に集光する戻り光のスポット位置がこの光検出部15の検出面内において移動する。このとき瞳面10と共役な検出面において、光検出部15の中心が光軸と垂直に交わる場合、この検出面中心を中心とする所定の円(図2(b)における円C)の内側と外側で戻り光のスポット強度が大きく変化する(図2(a))。この円Cの内側と外側のスポット強度比は4:100であり、スポットが円Cの内側にあるとき、照明光LIは標本12に全反射角度以下で入射している状態であり、スポットが円Cの外側にあるとき、照明光LIは標本12に全反射角度以上で入射している状態となる。すなわち、この円Cは標本接地ガラス17と標本12との境界面における全反射と非全反射の境界を示しており、光検出部15の検出面におけるこの円Cの近傍で、角度調整ミラー3の角度を変化させて戻り光のスポットが円Cを交差するように移動させ、その強度が変化する位置を検出することにより、照明光LIが標本接地ガラス17と標本12との境界面で全反射する状態に調整することができる。なお、この円Cの半径は対物レンズ11の倍率、標本12の屈折率、照明光LIの波長などに依存し、また光路にある光学素子によって円がゆがんだり円の中心が光軸中心からずれたりすることもあるが、上述のように戻り光の強度から全反射する角度を決定することにより、精度良く調整することができる。例えば、倍率60倍NA1.49の対物レンズを用いた観察において、図3に示すように、光検出部15の検出面における円PIは、瞳面10の瞳径に対応するものであり、円PIの外側から上述した円Cを横切るように(図3に示す矢印に沿って)スポットW3を動かしたとき、図4に示すような、スポットW3の移動と検出強度の関係が得られる。強度が増大している部分が標本面で全反射を起こしている状態であり、これにより全反射境界位置を検出することができる。
以上より、この円Cの境界上若しくはその外側にスポットがあるとき、照明光LIが全反射臨界角で標本12に入射している状態であり、全反射顕微鏡100では一般にこの近傍で観察を行う。なお、標本接地ガラス17と標本12との境界面に入射する照明光LIの入射角度が全反射臨界角になる角度調整ミラー3の角度を上述の方法により検出することで(角度調整ミラー3の反射面で反射した光(光の主光線)と光軸とのなす角度に換算可能)、全反射顕微鏡観察を行うことが可能であるが、上述の円Cの中心の位置(座標)及び半径をもとに、スポットの位置から標本12に入射する照明光LIの全反射角度θrを算出し、さらに、上述した式(3)及び(4)に基づいて、標本12の屈折率n2及びエバネッセント場の浸み込み深さdを算出することが可能である。具体的には、図5に示すように、上述した全反射する位置の検出を検出面内の3箇所以上(例えば、図5における点P1〜P3)で行い、各座標から円Cの中心Oの座標及びこの円Cの半径を求めることができる。
ここで、角度調整ミラー3の角度分解能が高いと円Cの半径はより正確に検出することができ、その精度は光検出部15の強度検出分解能には依存するが位置検出分解能には依存しない。すなわち、光検出部15からは全反射の境界(円C)にあるという状態を検出し、瞳面10における光源1の像の位置は、角度調整ミラー3の角度θmから算出することにより、精度良く円Cの半径を求めることができる。一般にCCDや位置分割フォトダイオード(PSD)などの強度検出分解能は256階調以上あり上記反射及び全反射の識別をするのに十分高く、コストにも影響が小さい。
以上の手順により、この全反射顕微鏡100における照明光LIの標本12に対する入射角度すなわちエバネッセント場の浸み込み深さの管理を高精度かつ低コストで行うことが可能となる。
なお、図1に示すように、角度調整ミラー3を回転させる角度調整用アクチュエータ51と、フォーカスレンズ部6を光軸方向に移動させる位置調整用アクチュエータ52と、これらの作動の制御を行う制御部50とを設け、光検出部15からの検出結果(戻り光のスポットの強度)に基づいてこれらのアクチュエータ51,52を制御部50から制御することにより、標本12に照射される照明光のLIの平行度と入射角度を制御することができる。また、この制御部50には、観察者が操作をする入力部53、全反射照明を調整するための情報や撮像素子19で取得された標本20の画像を記憶する記憶部54、及び、設定情報や取得した画像の表示等を行う表示部55が接続されている。それでは、図6を用いて制御部50による全反射照明の調整処理について説明する。なお、ここでは、光検出部15の検出面内の3点で全反射となる位置を測定して調整する場合について説明する。
制御部50は、入力部53より全反射照明の調整処理の開始が指示されると、この調整のために測定する箇所の数Nを設定する(ステップS400)。この測定箇所の数Nは、予め記憶部53に記憶しておいても良いし、観察者に入力部53から入力させても良い(ここでは、上述したようにNに3を設定する)。そして、制御部50は、まず、瞳面10の第1点目の測定を行う初期位置に光源1の像が形成されるように、角度調整用アクチュエータ51を作動させて角度調整ミラー3の角度を設定する(ステップS401)。なお、照明光LIが標本接地ガラス17と標本12との境界面で全反射する臨界角は、対物レンズ11の焦点距離等から決定されるため、測定を開始する初期位置を対物レンズ11の種類毎に、予め記憶部54に記憶させておいても良い。また、角度調整ミラー3の光軸16に対する角度は、角度調整用アクチュエータ51の作動量から求めても良いし、このアクチュエータ51とは別に角度検出器を設けて検出するように構成しても良い。フォーカスレンズ部6の位置も同様である。また、ここでは、図2に示すように、全反射と非全反射との境界(臨界角)を示す円Cの内側の点(図2(b)の点W1)を初期位置とするように構成されている場合について説明する。
次に制御部50は、光源1をオンにして照明光を放射させ(ステップS402)、位置調整用アクチュエータ52を作動させてフォーカスレンズ部6を光軸方向に移動させて、光検出部15により検出されるスポット径が最小になり、且つ、ピーク強度が最高になる位置に移動させる(ステップS403)。これにより、現在の測定位置での照明光LIの標本12に対する平行度が高くなる(標本12において、照明光L1は略平行光になる)。そして制御部50は、角度調整用アクチュエータ51を作動させて角度調整ミラー3を回転させ、瞳面10内の光源1の像を光軸16から離れる方向に移動させ、図2(a)に示すように、光検出部15に検出されるスポットの強度が初期位置よりも高くなった位置(図2(b)の点W2)で角度調整ミラー3を停止させ(ステップS404)、光源1をオフにする(ステップS405)。制御部50は現在の光源1の像の位置(瞳面10内の座標)を角度調整ミラー3の角度から決定して記憶部54に記憶させ(ステップS406)、測定箇所の数Nから1を減算し(ステップS407)、この測定箇所の数Pが0より大きいかを判断して測定箇所の数Nが0になるまでステップS401〜S407の処理を繰り返す(ステップS408)。最後に、制御部50は、上述のようにして測定された3箇所の座標(角度調整ミラー3の角度)から、臨界角の円Cの中心座標及び半径を求め(ステップS409)、この円Cの中心座標及び半径から、観察者が所望するエバネッセント場の浸み込み深さdとなるように、角度調整ミラー3の角度θmを決定して角度調整用アクチュエータ51により設定し(ステップS410)、全反射照明の調整処理を終了する。なお、ステップS409において、標本12の屈折率n2を算出するように構成しても良い。
以上のように構成すると、制御部50の制御により、フォーカスレンズ部6によるフォーカスの調整(瞳面10に光源1の像を一致させる処理)と、所望のエバネッセント場の浸み込み深さdとなる角度調整ミラー3の調整を自動的に行うことができる。このとき、上述したように、光検出部15は戻り光の強度を検出できれば良く、その検出面でのスポットの位置を特定する必要はない。
(光検出部15にPSDを用いた場合)
次に、光検出部15にPSDを用いた場合のフォーカスの調整方法について説明する。フォーカスレンズ部6を調整前に角度調整ミラー3を振り、光検出部15上の戻り光のスポット位置を動かす。光検出部15は瞳面10と共役であり、図7に示すように、光検出部15の検出面における円PIは、瞳面10の瞳径に対応するものであり、円PIの外側にスポットW4を動かすと光検出部15に戻り光は届かなくなる。円PIの少し外にスポットW4がくる状態にした上で、フォーカスレンズ部6を光軸方向に動かすと、光源1の像の位置が瞳面10から外れるところでは図7のW4′やW4″のように戻り光のスポット径が大きくなり、円PIの内側に戻り光がはみ出してくることにより戻り光が検出されるようになる。図8は倍率60倍NA1.49の対物レンズを用いた観察において、戻り光のスポットW4を円PIの外側近傍においてフォーカス調整用レンズ部6を動かしたときの強度変化を表したものである。光源1の像の位置が瞳面10から光軸方向に外れた(光軸方向の瞳面の前後位置)ときに、光検出部15で戻り光は検出されるので、フォーカスレンズ部6を光軸方向に動かし、戻り光が検出されないフォーカス調整用レンズ部6の移動範囲(フォーカス範囲)の中心を最適位置とする、つまり、光源1の像が瞳面10上に形成されている位置とすることで、標本12に照射される照明光束が平行になるので、これにより、次に説明する照明角度検出精度が向上する。
なお、角度調整ミラー3による照明光LIの標本12への入射角度の調整方法は、上述の光検出部15にCCDを用いた場合と同じである。
[第2の実施形態]
第1の実施形態に係る全反射顕微鏡100は、光源1からの照明光LIを反射する角度調整ミラー3の角度を制御することにより、照明光LIが標本接地ガラス17と標本12との境界面で全反射するように構成していたが、この第2の実施形態に係る全反射顕微鏡200は、図9に示すように、光源1を光軸16と直交する方向に移動させて、この光源から放射される照明光LIの主光線4が光軸と平行に射出させることにより、瞳面10内での光源1の像の位置を調整するように構成した場合について説明する。なお、第1の実施形態に係る全反射顕微鏡100と同一の構成部材については同一の符号を付し詳細な説明は省略する。
光源1から放射された照明光LIは、その主光線が光軸16に平行に進み、コリメートレンズ2で略平行光束に変換される。このとき、光源1は光源保持部20で保持されており、光源1からの照明光の放射方向を維持したまま、この光源1を光軸16と略直交する方向に移動させるように構成されている。そのため、光源1の光軸16からの距離に応じてコリメートレンズ2から出射した略平行光束と光軸16とのなす角度が決まる。この略平光束は、第2の光路分岐部5を透過し、フォーカスレンズ部6により対物レンズ11の瞳共役面7若しくはその近傍に集光され、さらにリレーレンズ8でリレーされ、第1の光路分岐部9で反射されて対物レンズ11の瞳面若しくはその近傍に光源1の像を形成し、対物レンズ11で略平行光にされ、所定の角度で標本接地ガラス17と標本12との境界面に照射される。なお、フォーカスレンズ部6によりフォーカスの調整(瞳面10に光源1の像を一致させる処理)は第1の実施形態と同じである。また、図9では、制御部50等の構成は省略している。
この第2の実施形態に係る全反射顕微鏡200において、瞳面10における照明光LIの集光位置(光源1の像の位置)、すなわち標本12に入射する照明光LIの入射角度θは、上述したように、光源1を光軸と直交する方向に移動させることにより行う。すなわち、光源1を光軸方向に移動させる光源保持部20が入射角度調整部として機能する。ここで、瞳面10内における照明光LIの集光位置(光源1の像の位置)と光軸16(対物レンズ11の射出瞳の中心)との距離hは、次の式(2′)で求められる。なお、この式(2′)において、βは光源1の瞳面10への投影倍率であり、h0は光源1と光軸16との距離である。
Figure 2015064098
この第2の実施形態に係る全反射顕微鏡200においても、光検出部15の強度検出分解能が低くても、光源保持部20の光源1の光軸16からの位置を決定する分解能が高ければ、この全反射顕微鏡200における照明光LIの標本12に対する入射角度すなわちエバネッセント場の浸み込み深さの管理を高精度かつ低コストで行うことが可能となる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る全反射顕微鏡300は、第1の実施形態に係る全反射顕微鏡100において、角度調整ミラー3で照明光LIの光軸16に対する角度を変化させていた構成に代えて、光源1及びコンデンサレンズ2を一体に回転(揺動)させるように構成した場合を示している。具体的には、この全反射顕微鏡300は、図10に示すように、光源保持部21で光源1及びコリメートレンズ2を一体に保持し、光源1から放射されコンデンサレンズ2により略平行光束にされた照明光LIの主光線4が光軸16上の視野共役位置を通過するように、この視野共役位置またはその近傍を中心に光源保持部21を回転(揺動)させるように構成されている。すなわち、この光源保持部21が入射角度調整部として機能する。その他の構成は第1の実施形態と同一である。この第3の実施形態に係る全反射顕微鏡300においても、光源保持部21の回転量の分解能が高ければ、この全反射顕微鏡300における照明光LIの標本12に対する入射角度すなわちエバネッセント場の浸み込み深さの管理を高精度かつ低コストで行うことが可能となる。
なお、上述の各実施形態において、「対物レンズ11の瞳面10の近傍」は、瞳面10から5mmの位置の範囲内であることが好ましい。
また、上述の各実施形態における「対物レンズ11の瞳面10と共役な位置の近傍」については、対物レンズ11の瞳面10と共役な位置の倍率に基づき設定される。具体的には、この倍率の設定に関与するのは、リレーレンズ8と、フォーカスレンズ部6と、集光レンズ14であり、これら3枚のレンズで決まる倍率をβaとし、瞳面10近傍をδとすると、共役な位置近傍Δaは、Δa=δ×βa 2となる。例えば、δ=5mm、βa=0.5とすると、Δa=5×0.52=1.25mmとなるので、1.25mmの範囲内となる。
また、上述の実施形態における「光軸16上の対物レンズ11の視野と共役な位置の近傍」の設定方法について説明すると、まず、対物レンズ11の視野位置、つまりピント位置として、通常、焦点深度程度を想定する。焦点深度Δzは、Δz=n×λ/(2×NA2)の式で表わされる。nは標本と対物レンズの間の媒質の屈折率である。また、λは光源1からの光の波長、NAは対物レンズ11のNAである。そして、このような視野位置と共役な位置の近傍については、対物レンズ11と、リレーレンズ8と、フォーカスレンズ部6の3つのレンズで決まる倍率に基づき設定される。これら3枚のレンズで決まる倍率をβbとすると、近傍な位置Δは、Δ=Δz×βb 2となる。例えば、NA1.49の対物レンズ11で、媒質の屈折率を1.52、光源1からの光が波長λ=480nm(青色)であるとすると、Δz=0.16μmとなる。そして、βb=100とすると、近傍な位置Δは、Δ=Δz×βb 2=0.16×1002=1.6mmとなるので、1.6mmの範囲内となる。
[その他]
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
1 光源
3 角度調整ミラー(入射角度調整部)
6 フォーカスレンズ部
8 リレー光学系
10 対物レンズの入射瞳面(瞳面)
11 対物レンズ
12 標本
15 光検出部
20,21 光源保持部(入射角度調整部)
50 制御部
100 全反射顕微鏡
110 照明光学系
200,300 全反射顕微鏡

Claims (15)

  1. 光源からの光をリレー光学系でリレーして前記光源の像を対物レンズの入射瞳面若しくはその近傍に形成し前記光を前記対物レンズを介して標本に照射する照明光学系を有する全反射顕微鏡であって、
    前記光源の像の位置を光軸と直交する方向に変化させる入射角度調整部と、
    前記光が前記標本で反射して前記対物レンズで集光された戻り光の強度を検出する光検出部と、
    前記入射角度調整部の作動量を決定する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記入射角度調整部を変化させたときの前記戻り光の強度の変化に基づいて、前記入射角度調整部の作動量を決定することを特徴とする全反射顕微鏡。
  2. 前記光源の像の位置を光軸方向に変化させるフォーカスレンズ部をさらに有し、
    前記制御部は、前記入射角度調整部および前記フォーカスレンズ部を変化させたときの前記戻り光の強度の変化に基づいて、前記入射角度調整部および前記フォーカスレンズ部の作動量を決定することを特徴とする請求項1に記載の全反射顕微鏡。
  3. 前記制御部は、前記入射角度調整部を変化させたときの前記戻り光の強度の変化に基づいて、前記光が前記標本で全反射するように、前記入射角度調整部の作動量を決定し、前記フォーカスレンズ部を変化させたときの前記戻り光の強度の変化に基づいて、前記光が平行光になるように、前記フォーカスレンズ部の作動量を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の全反射顕微鏡。
  4. 前記制御部は、前記光が前記標本で全反射するように、前記対物レンズの入射瞳若しくはその近傍において、光軸方向と直交する方向に、前記光源像の位置を調整し、前記光が平行光になるように、前記対物レンズの入射瞳若しくはその近傍において、前記光軸方向に、前記光源像の位置を調整することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の全反射顕微鏡。
  5. 前記制御部は、前記戻り光の強度の変化に基づいて、前記標本における全反射と前記標本における非全反射の境界を特定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の全反射顕微鏡。
  6. 前記制御部は、前記入射角度調整部の変化量、あるいは前記入射角度調整部の作動に伴って変化する、前記光の主光線と前記リレー光学系の光軸とのなす角の変化量に基づいて、前記光の前記標本に対する入射角度を算出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の全反射顕微鏡。
  7. 前記制御部は、前記入射角度調整部の変化量、あるいは前記入射角度調整部の作動に伴って変化する、前記光の主光線と前記リレー光学系の光軸とのなす角の変化量に基づいて、前記標本の屈折率及びエバネッセント場の浸み込み深さの少なくとも一方を算出することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の全反射顕微鏡。
  8. 前記制御部は、所望のエバネッセント場の浸み込み深さになるように前記入射角度調整部を制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の全反射顕微鏡。
  9. 前記光検出部は、前記入射瞳面と共役な位置若しくはその近傍に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の全反射顕微鏡。
  10. 前記制御部は、前記入射角度調整部の前記変化量、あるいは前記入射角度調整部の作動に伴って変化する、前記光の主光線と前記リレー光学系の光軸とのなす角の変化量に基づいて、前記入射瞳面内における前記光源の像の位置を決定することを特徴とする請求項9に記載の全反射顕微鏡。
  11. 前記制御部は、前記入射瞳面内における前記全反射と非全反射の境界となる前記位置を少なくとも3箇所以上決定し、当該位置から前記境界である円の中心を決定することを特徴とする請求項10に記載の全反射顕微鏡。
  12. 前記制御部は、前記フォーカスレンズ部により前記光源の像の位置を光軸方向に変化させたときの前記戻り光の強度の変化に基づいて、前記入射瞳面に対する前記光源の像の集光状態を検出することを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の全反射顕微鏡。
  13. 前記入射角度調整部は、前記リレー光学系の光軸上であって、前記対物レンズの視野と共役な位置若しくはその近傍と交差するように配置され、前記光を反射する反射面を有し、前記反射面の前記光軸に対する角度を当該反射面の前記光軸と交差する点を中心に変化させて前記入射角度を変化させることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の全反射顕微鏡。
  14. 前記入射角度調整部は、前記光源の光軸からの距離を、前記光軸に直交する面内で変化させて前記入射角度を変化させることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の全反射顕微鏡。
  15. 前記入射角度調整部は、前記リレー光学系の光軸上であって、前記対物レンズの視野と共役な位置若しくはその近傍を中心に回転させて前記入射角度を変化させることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の全反射顕微鏡。
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