JPWO2015056496A1 - 横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ及び横送りを伴う外径加工用切削工具 - Google Patents

横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ及び横送りを伴う外径加工用切削工具 Download PDF

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Abstract

従来のように、バイト用ホルダの横逃げ面側に凸部を設けることなく、クーラントを切削チップの横逃げ面側から切れ刃に向けて供給し得るバイト用ホルダを提供することを課題とする。該問題を解決するために、ホルダ(100)自身の先端部位(102)の横逃げ面(120)のうち、先端(103)から後端に向かう所定の範囲(L1)に、それより後方部位(122)の横逃げ面(120b)に対して相対的に凹む形で凹面部(123)を形成し、この凹面部(123)における後方に、すくい面(105)側から見て円弧状をなす円弧面部(先端向き面)(125)に設け、クーラントの噴出口(150)をこの先端向き面に開口させた。これにより、横逃げ面側におけるクーラントの供給が確保され、かつ、従来のようにホルダの横逃げ面側に凸部がない分、チャック(Ck)に近接した位置での切削ができる。

Description

本発明は、被削物(工作物)の旋削による外径加工等に使用されるバイト用ホルダ、及びこのバイト用ホルダの先端のチップ座に切削チップを固定してなる切削工具に関する。
従来、この種の切削工具において、クーラントを、切削チップ(スローアウェイチップなどの切削インサート)における切れ刃に、浴びせる形で供給するため、バイト用ホルダ(以下、単にホルダともいう)内に流路を設けてなる切削工具が各種提案されている。このものは、ホルダの先端近傍においてその流路に連なる噴出口を開口させ、流路内を圧送するクーラント(切削液等)を、切れ刃をなす、すくい面等に向けて高圧ジェット流として供給するように構成されている。このような切削工具のうち、クーラントを、切れ刃をなす横逃げ面側に向けて噴射し得るように、バイト用ホルダ(本体)における横逃げ面側にその噴出口を設けた技術がある(特許文献1、特許文献2)。このような噴出口からクーラントを噴出するようにした切削工具においては、そのクーラントによって切れ刃(刃先)と被削物の冷却(温度上昇防止)の他、潤滑の作用効果も高く、逃げ面摩耗の防止にも有効とされる。加えて、横逃げ面側で切り屑を吹き飛ばす作用も得られることから、切り屑が切削工具に絡み付いたり、加工面を傷付けるのを防止する作用も得られるなど、切り屑の処理性においても有効とされている。なお、本願において、バイト用ホルダに関して「横逃げ面」というときは、このホルダに固定される切削チップの横逃げ面と同向きの側面を意味するものとし、バイト用ホルダに関して「すくい面」というときは、前記側面に対して、このホルダに固定される切削チップのすくい面と同向きの面を意味するものとする。
ところで、従来、旋削によって被削物を高精度に加工する場合、切削工具は、旋盤のスピンドルヘッドや、被削物をチャックする爪のできるだけ近い位置にしてその使用に供されるべきである。とりわけ、小径の被削物(丸棒)の精密加工では、ブレ防止の観点から、その要請が高い。一方、被削物が所定の軸やピン状の部品であり、これを効率的に加工する場合には、回転する中空のスピンドル(主軸)の中を、加工素材(長尺の棒材)が通され、所定の加工を終了するごとに、所要の長さだけ自動的に送り出され、次の加工が行われるようにした自動材料送り出し装置を備えた旋盤(自動旋盤)が使用される。このような旋盤では、被削物であるその部品の加工に必要とされる複数の切削工具(外径加工用や溝入れ用等の切削工具)が、スピンドル(回転軸)の例えば上方において、この回転軸に直角方向に、間隔を保持し、かつ互いに平行に、櫛歯状の配置で刃物台に固定される。そして、切削に応じて刃物台を同直角方向に移動し、加工ごとに選択された切削工具による切り込みを行うため、刃物台の縦送り(回転軸の半径方向(例えば、下向き)への移動)を行うと共に、横送り(回転軸方向の送り)は、材料側において自動送りで行うことで、その加工が進められる。
このように、横送り(回転軸方向の送り)が被削物側において自動送りで行われる自動旋盤による旋削では、刃物台自体が、回転軸方向において、スピンドルヘッド(又はチャックの爪)の正面近傍に設けられるため、外径加工等のための切削工具は、必然的に、スピンドルヘッドの正面と干渉しない程度で、小さい空隙を保持して配置されることになる。そして、切削工具をなすバイト用ホルダ(シャンク)の横逃げ面、及びそれに設けられる切削チップにおける切れ刃コーナは、スピンドルヘッド(又はチャックの爪)に、可能な限り近接する配置で刃物台に取り付けられる。これは、上記した切削工具におけるバイト用ホルダのように、その横逃げ面側に、切れ刃に向けてクーラントを噴射するための噴出口を備えた切削工具を使用する場合においても同じである。
特開平8−25110号公報 特開平8−71813号公報
ところが、上記した従来技術における切削工具においては、切削チップの切れ刃の横逃げ面にクーラントを供給するための噴出口が、バイト用ホルダの横逃げ面側において隆起状に突出して設けられた突出部、又はアダプタなどの凸部における先端向き面に開口された形で設けられている。すなわち、上記従来の切削工具においては、ホルダにおける横逃げ面側に、クーラントの噴出口を設けるための凸部が突出状に設けられているため、この突出分、同切削工具の使用時においては、これをスピンドルヘッド(又はチャックの爪)の正面に近づけることができないばかりか、逆にその凸部がある分、離間させることになっていた。このように、従来のこの種の切削工具においては、横逃げ面側におけるクーラントの供給は確保されるが、その反面、噴出口を設けるための凸部、すなわち、出っ張りがある分、スピンドルヘッドやチャックの爪から離間させて刃物台に固定することになることから、その離間分、チャックから離れた位置での切削となってしまうという問題があった。そして、このような問題は、小径の軸部材の超高精度仕上げにおいては、これが、ブレ等の発生要因ともなることから、顕在化しやすい。かといって、別途、ブレ止を設けることでは加工効率の低下を招いてしまう。
このような問題は、上記したように複数の切削工具を、被削物の回転軸方向において同位置となる配置で櫛歯状に固定する刃物台を有する自動旋盤では、他の切削工具も、その噴出口のための上記凸部を備えている切削工具と同様に、離れた位置に配置することになることから、切削工程の全体にも及ぶことを意味する。また、このような問題は、材料の自動送り装置を有しない普通旋盤によって外径加工を行うため、切削工具を固定した刃物台を横送りしてチャックに近い位置まで加工する場合でも、その凸部(出っ張り)が存在する分、それがない場合に比べると、切れ刃はチャックに近づけることができない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、従来の切削工具のように、バイト用ホルダの横逃げ面側に凸部を設けることなく、クーラントを切削チップの横逃げ面側において切れ刃に向けて供給し得るバイト用ホルダを提供し、もって、そのクーラントの供給を確保しつつも、従来の切削工具よりも、スピンドルヘッドやチャックに近接した位置において切削を行うことのできる切削工具を提供することをその目的とする。
請求項1に記載の発明は、自身の先端部位に切削チップを固定するためのチップ座を備え、そのチップ座に固定される切削チップの切れ刃に向けて、該切削チップの横逃げ面側からクーラントを供給し得るように開口された噴出口が、自身の横逃げ面側に設けられてなるバイト用ホルダにおいて、
自身の先端部位の横逃げ面のうち、先端から後端に向かう所定の範囲に、それより後方部位の横逃げ面に対して相対的に凹む形で凹面部が形成され、前記噴出口を、この凹面部における先端向き面に設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記噴出口は、前記チップ座に切削チップが固定されたとき、そのすくい面より低位に位置し、かつ、斜め上向きにクーラントを噴出させるように開口されていることを特徴とする請求項1に記載のバイト用ホルダである。
請求項3に記載の発明は、前記噴出口は、上下方向に複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のバイト用ホルダである。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイト用ホルダにおけるチップ座に、切削チップを、すくい面側から見たとき、該バイト用ホルダにおける前記後方部位における横逃げ面に沿って引いた仮想直線より突出することなく固定してなることを特徴とする切削工具である。
本発明に係るバイト用ホルダにおいては、上記した構成の通り、自身の先端部位の横逃げ面のうち、先端から後端に向かう所定の範囲に、それより後方部位の横逃げ面に対して相対的に凹む形で凹面部が形成され、前記噴出口を、この凹面部における先端向き面に設けている。このため、そのチップ座に、切削チップを固定してなる切削工具とし、これを旋盤の刃物台に固定して被削物の外径加工や端面加工をする場合においては、切削チップの切れ刃に向けてその横逃げ面側からクーラントの供給ができる。そして、その切削工具においては、その噴出口が、従来の切削工具のように、バイト用ホルダの横逃げ面側に設けられた突出部やアダプタ等の凸部(出っ張り)に設けられているのではなく、これとは逆に、すなわち、本発明では、そのような凸部を設けることなく、ホルダの先端部位の横逃げ面側に設けられた凹面部における先端向き面に設けられている。このように、本発明のホルダにおいてはその横逃げ面側に従来の切削工具におけるような「凸部」といった出っ張りがないから、このホルダを含む切削工具を自動旋盤等の刃物台に固定して外径加工をする場合においては、その切れ刃を、従来の切削工具におけるような「凸部」がない分、スピンドルヘッド又はチャックの爪に、より近接させて配置して、その加工を行うことができる。これにより、横逃げ面側へのクーラントの供給を確保しつつも、従来の切削工具を用いる場合に比べると、被削物が小径のものでも、ブレ等の問題も小さくできるため、効率的かつ高精度の加工を得ることができる。
本発明のホルダにおいて、前記凹面部が形成されている先後領域は、これが大きいほど、切り込み深さを大きくできるため、大径の被削物の端面の加工にも適する。したがって、前記凹面部が形成されている先後領域は、前記チップ座のうち、横逃げ面側が開放されている先後部位より大きい方がよいといえる。しかし、外径加工だけで、しかも、切り込み深さ(切り込み量)も小さく、切り屑排出性にも問題がなければ、前記凹面部が形成されている先後領域は、前記チップ座のうち、横逃げ面側が開放されている部位よりも小さくてもよい。
本発明のバイト用ホルダの前記凹面部における「先端向き面」は、クーラントを先端側に向けて噴出させることのできる噴出口を開口させえる面であればよい。したがって、この「先端向き面」は、該凹面部のうち、ホルダの先端から、この先端を正面として見た時に見える面に限られず、該凹面部において先端側を向く後端面若しくは後端寄り面である。より具体的には、例えば、凹面部の後端が、ホルダの先後方向に直角な平面をなしているときは、その平面、すなわち、先端を向く平面となる。また、凹面部の後端が、すくい面側から見たとき、ホルダの先後方向に直角でない平面をなしているときは、その平面となり、この平面は、すくい面側から見ると、ホルダの先後方向に対し、傾斜したものとなる。さらに、凹面部の後端を含む後端寄り部位が、すくい面側から見たときにおいて、凹となす円弧状の線又は曲線をなしているときは、その曲線を含む面となる。
請求項2に記載の本発明のように噴出口を設ける場合には、そこから噴出されるクーラントによって、切り屑をすくい面から浮かす方への外力の付与となるから、切り屑が切削工具に絡みつくのを防止する作用効果が得られる。一方、請求項3に記載の本発明のように噴出口を複数設けるとよい。なお、チップ座に、切削チップを固定して切削工具とする場合には、請求項4に記載のように、すくい面側から見たとき、切削チップ、すなわち、その切れ刃が、該バイト用ホルダにおける前記後方部位における横逃げ面に沿って引いた仮想直線より突出することなく固定するのがよい。
本発明のバイト用ホルダを具体化した実施の形態例1の斜視図、及びその要部拡大図。 図1のバイト用ホルダをすくい面側から見た図、及びその要部拡大図。 図1のバイト用ホルダを、横逃げ面側から見た図、及びその要部拡大図。 図1のバイト用ホルダを先端から見た拡大図。 図1のバイト用ホルダのチップ座に切削チップを固定してなる切削工具の先端部位(要部)拡大斜視図。 図5の切削工具で、チャックの近傍において被削物を切削しているときの、バイトホルダの横逃げ面、及び切削工具の切れ刃と、チャックの先端との位置関係を説明する、すくい面側から見た要部拡大図。 図6を横逃げ面側から見た図。 図6を切削工具の先端から見た図。 噴出口を開口させる凹面部の後方における先端向き面の別例を説明するすくい面側から見たバイト用ホルダの要部拡大図。 本発明のバイト用ホルダ及び切削工具を具体化した別例の要部の拡大斜視図。 本発明のバイト用ホルダ及び切削工具を具体化した別例の要部の拡大斜視図。 図11の切削工具をすくい面側から見た図。 本発明のバイト用ホルダ及び切削工具を具体化した別例の要部の拡大斜視図。 Aは図13の切削工具を横逃げ面側から見た図、Bは図13の切削工具をすくい面側から見た図。
本発明のバイト用ホルダを具体化した実施の形態例について、図1〜図4に基づいて詳細に説明する。図中、100は、バイト用ホルダであり、一定の矩形(長方形)横断面で先後に延びる棒材(四角棒材)を基材(ベース)として形成されており、その先端部位102の上面105(すくい面と同向き面。以下、すくい面ともいう)において、切削チップ(図5参照。本例では、2コーナを有するひし形チップ。以下、切削チップ200ともいう)を着座させてネジ込み方式で固定(以下、ネジ止め)するためのチップ座110が凹設されている。ただし、このバイト用ホルダ100は、その横逃げ面120側のうち、先端から後端に向かう所定の範囲L1(図2の拡大図参照)の横逃げ面120aが、範囲L1より後方部位122の横逃げ面120b(以下、基準面とも言う)より、その先後において凹む凹面部123をなしている。この凹面部123のうち、これをすくい面105側から見た輪郭、すなわち、詳細は後述するが、チップ座110における横逃げ面側の端縁は、その先端を含む先端寄り部位が、固定される切削チップ(ひし形チップ)200の一辺をなす横逃げ面210形状(切れ刃215の形状)に沿うものとされている(図2参照)。このため、本例では、切削チップ200をなすひし形チップを、その先端において切削を担う鋭角コーナーが、ホルダ100の横逃げ面120側に適量突出するように、すくい面105側から見たとき、この凹面部123は後方に行くに従ってその凹み量が大きなるレーキ角(バックレーキ)が3度程度付けられており、先端から後方に向かう所定範囲が直線をなしている。
これにより、ホルダ100は、この凹面部123をすくい面105側から見たとき、その凹面部123の形成領域L1であるホルダ100の先端部位102の幅寸法は、その後方部位122よりも小さくなっている。ただし、この凹面部123のうちの、後端寄り部位は、すくい面105側から見て凹となす円弧状の円弧面部125をなしており、この円弧面部125を介し、これに続く後方部位122の横逃げ面120bが、相対的に幅広をなしている。なお、この円弧面部125のうち、チップ座(座面)110に相当する高さ部位には、詳細は後述するが、クーラントの噴出口(穴)150が開口されている。この噴出口150は、このホルダ100内にトンネル状に設けられたクーラント供給用の流路内を圧送されるクーラントが、チップ座110に固定される切削チップ200の横逃げ面210側において、切れ刃215又はその先端(刃先コーナー)217に向けて供給され得るように形成されている。
一方、本例においてチップ座110は、バイト用ホルダ100の先後領域のうち、上記凹面部123の形成されている先後領域L1内において形成されている。本例では、このチップ座110は、この凹面部123の形成されている先後領域L1において、横逃げ面120側と、先端103側を開放する形で、平面視(すくい面側から見たとき)、略ひし形となるように凹設されている。この凹設により、チップ座110はすくい面105側から見て、バイト用ホルダ100が先後に延びる方向に対し、先端側が横逃げ面120側を向くように、3度程度傾斜して設けられた背面側(横逃げ面120側と反対側)拘束壁113と、これと鋭角で交差し、斜め先端を向く先端向き拘束壁面115とで、ひし形チップの2辺を拘束するように形成されている。このチップ座(座面)110は、横逃げ面120側を向いて開放された凹面部123側縁、及び先端103側縁とを端縁とするひし形の平面をなしている。なお、この各拘束壁面113,115のチップ座110からの高さ(壁高さ)は、固定される切削チップ200の厚みと略同じか、それより微量小さく設定されている。ただし、本例では固定される切削チップ200がポジタイプのものであるため、その逃げ面を実際に拘束する各壁面は、上方が広がる傾斜壁とされている。また、先端向き拘束壁面115のうち、横逃げ面120側端縁は、すくい面105側から見たとき、円弧面部125よりも先端側103に位置するように形成されている。なお、チップ座110は、その略中央に、切削チップ200(穴付きチップ)を止ネジ250で固定するためのネジ穴111を有している。また、すくい面105側から見て、この両拘束壁面113,115の交差部には、ひし形チップ200の鋭角コーナーを逃がすための凹部(逃げ)116が設けられている。
このような本例のバイト用ホルダ100においては、図5に示したように、チップ座110に、ひし形の切削チップ200を着座させて、止ネジ250によってネジ止めしたとき、バイト用ホルダ100の先端103において、チップ座110から先方に突出する切れ刃コーナ(刃先)217が、ホルダ100の凹面部123より適量T1、ホルダ100の横逃げ面120側に突出するように設定されている(図2の拡大図参照)。ただし、この切れ刃コーナー217におけるホルダ100の横逃げ面120側への突出量T1は、すくい面側から見たとき、凹面部123の領域内とされる。すなわち、この切れ刃コーナー217は、すくい面105側から見たとき、バイト用ホルダ100における凹面部123の後方部位122の横逃げ面(基準面)120bに沿って引いた直線(仮想直線)L2より外方に突出しないように設定されている。
さて、本例のバイト用ホルダ100においては、上記もしたように、凹面部123における後端又は後端寄り部位に位置して先端向き面をなすところの円弧面部(本発明における先端向き面)125のうち、チップ座110(座面の平面)に相当する高さ部位に、クーラントの噴出口(穴)150が開口されている。この噴出口150は、横断面が円形のノズル状の穴152の先端である。そして、このノズル状の穴152は、すくい面105側から見たとき(図2参照)、その軸線(穴の軸線)が、チップ座110に固定される切削チップ200における横逃げ面210の先端(切れ刃コーナー217寄り部位)近傍を、切削チップ200の横逃げ面210側において通るようにされている(図2の拡大図、図6参照)。このすくい面105側から見たこの軸線は、本例ではホルダ100の先後方向に向かう線(例えば、仮想直線L2)に平行に設けられているが、これは、すくい面側から見たときの噴出口150の位置と、チップ座110に固定される切削チップ200のうち、切削を担う横逃げ面210の先端(切れ刃コーナー217)との位置関係で、適宜の傾斜角をつけてもよい。そして、切削チップ200における横逃げ面210側から見たときの(図3参照)、そのノズル状の穴152の軸線は、その切削チップ200のうち、切削を担う切れ刃215の先端(切れ刃コーナー217)のすくい面220寄り部位に向かうように上向きに傾斜する直線をなしている。これは、本例では噴出口150をチップ座110と同位(同じ高さ)としたためであるが、これが例えば、切削チップ200のすくい面220と同高さ位置において開口されている場合には、ホルダ100のすくい面に平行となるようにすればよい。また、切削チップ200のすくい面220より上方において開口するものとしてもよいが、その場合には、そのノズル状の穴152の軸線が、上記したのと逆に、切削チップ200のうち、切削を担う切れ刃215の先端の切れ刃コーナー217におけるすくい面220寄り部位に向かうように下向きに傾斜する直線となる。
一方、この噴出口150からクーラントを噴出させるための流路は、次のように形成されている(図2〜図4参照)。すなわち、本例では、バイト用ホルダ100の後端面107から先端103に向けて、ホルダ100の先後方向に延びる軸を中心軸として、ホルダ100内にトンネル状にクーラント供給用の主流路154が形成されている。この主流路154は、チップ座110の後方においてその先端が閉塞された止まり穴をなしており、その先端寄り部位において、前記した噴出口150の開口に連なるノズル状の穴152に連通するように、横向きに、本例では横逃げ面120と反対側の面128から穿孔された止まり穴からなる枝流路153が形成されている。これにより、本例のホルダ100では、外部から主流路154に圧送されるクーラントは、図2の拡大図中に矢印で示したように、枝流路153、ノズル状の穴152を通過して、噴出口150から上記した軸線方向にジェット流状に噴出される。なお、本例では、クーラント配管接続口(配管接続ネジ部)155が、バイト用ホルダ100の後端面107と、後端寄りの横逃げ面120側と反対側の一側面128にも、互いに連通するように設けられており、その接続口が選択できるように設定されており、使用されない接続口にはプラグをねじ込むことで閉塞すればよい。なお、枝流路153の開口端も、図示はしないが、例えばプラグがねじ込まれて閉塞される。
しかして、上記した本例のバイト用ホルダ100によれば、これのチップ座110に上記したように、所定の切削チップ200をねじ込み方式により固定することで、図5、図6等に示したような切削工具300となる。そして、この切削工具300を旋盤の刃物台Hdに固定して、例えば、チャックCkに保持(固定)された被削物(丸棒)Wの外径加工をする場合においては、クーラント配管接続口155に所定の配管を接続してクーラントを圧送することにより、これをジェット流状態で、上記したところの切削箇所に供給することができる。すなわち、本例では、バイト用ホルダ100における円弧面部125のなす先端向き面(先端向き面125ともいう)に、上記したようにクーラントの噴出口150を備えているから、その切削過程では、その切削を受け持つ切れ刃215における切れ刃コーナー217に向けて横逃げ面120側から所望とする形態でクーラントを供給することができる。これにより、切れ刃(刃先)215と被削物Wと間の潤滑、及びその両者の冷却ができるのみならず、その設定された噴出方向により、発生する切り屑を切削部位から引き離す作用が得られるため、効果的な切り屑の処理性能が得られる。なお、図7に示したように、クーラントは、すくい面220側に向けて斜め上向きに噴出するとともに、図8に示したように、切削チップ200のすくい面220の下においてポジをなす逃げ面210と、被削物Wとの隙間に供給される。
そして、本例の切削工具300において重要なのは、その噴出口150が、従来の切削工具のように、バイト用ホルダの横逃げ面側において設けられた突出部やアダプタ等の凸部に設けられているのではなく、これとは全く逆に、そのような凸部を設けることなく、ホルダ100の先端部位102の横逃げ面120側に設けられた凹面部123における後方の先端向き面をなす円弧面部125において開口されている点にあることである。すなわち、本例の切削工具300は、従来の切削工具のようにホルダの横逃げ面側に出っ張る形で設けられた、噴出口形成のための凸部がない。このため、本例の切削工具300を用いることによる旋削においては、図6に示したように、旋盤におけるチャック(又はスピンドルヘッド)Ckに、バイト用ホルダ100の基準面120bを、従来の切削工具の場合よりも凸部がない分、近づけることができる。これにより、被削物Wの加工が、チャックCkにより近い位置において行うことができるため、小径丸棒の加工においてもブレ等による問題もなく、効率的かつ高精度の加工を行うことができる。すなわち、自動材料送り出し装置を備えた自動旋盤による加工のように、切削工具が、縦送り(切り込み方向の送り)のみなされる場合においては、他の切削工具も櫛歯状の配置で同じ刃物台に固定されるため、その効果は他の切削工具にも及ぶから、著しい効果が得られる。
上記例のバイト用ホルダ100においては、凹面部123の後端において先端を向く先端向き面が円弧面部125である。一方、本願発明では、上記したことからも明らかであるが、凹面部123における「先端向き面」は、クーラントをホルダ100の先方に向けて噴出させ得る噴出口150を開口させ得る面(部位)であればよい。したがって、上記もしたが、図9に示したように、この先端向き面125は、ホルダ100の先後方向に延びる直線(120b)と垂直な平面として形成することもできるが、上記例におけるような円弧面部125とすることにより、バイト用ホルダ100の強度低下の防止が図られるため、ビビリの発生防止にも有効である。
なお、横逃げ面120側から見たときの形状の凹面部123は、使用する切削チップ200や加工条件等に応じて適宜に変更すれば良い。上記例では、凹面部123における「先端向き面125」を、ホルダ100のすくい面105からその反対向き面に向けて、ホルダ100の先後方向に延びる直線(120b)と垂直となるものとしたが(図3、図7参照)、加工対象である被削物の外径が小さいものに限定されるような加工条件で使用されるような場合には、図7中、2点鎖線で示したように、先端向き面125を円弧状に、その反対向き面において先端側に向かうように形成してもよい。
また、上記例では、噴出口150を1つ設けた場合の実施例を示したが、図10に示したように、この噴出口は、上下に複数も受けることとしてもよい。ただし、図10に示したホルダ400は、そのすくい面105に隆起状をなす凸部410を設けており、凹面部123が、この凸部410の先端向き面125においても上下に連なっており、凹面部123におけるすくい面105側から見たとき形状は図2と同形状のものである。本例では、この先端向き面125に、上下に3箇所の噴出口150a、150b、150cが形成されている点など、上記例とはクーラントの噴出口に関する点のみが相違するだけであり、バイト用ホルダ400の横逃げ面120に凸部がないことによる上記した効果についての相違はない。したがって、噴出口についての相違点のみ説明し、同一部位又はそれに対応する部位には同一の符号を付し、その説明を省略する。以下、他の例でも同様とする。
すなわち、本例では、凹面部123に、前記したように形成された先端向き面125のうち、上記例におけるのと同高さであるチップ座110と略同位に、中間の噴出口150aが開口されている。そして、この噴出口150aの下と、上とに、それぞれに、下の噴出口150bと、上の噴出口150cとがそれぞれ開口されている。いずれの噴出口も、クーラントの噴出方向を決めるその後方に続くノズル状の穴152は、その軸線(穴の軸線)が、チップ座110に固定される切削チップ200における切れ刃215又はその先端(刃先コーナー)217に向けて横逃げ面210側において延びており、この各軸線に沿ってそれぞれクーラントが供給されるように形成されている。なお、上の噴出口150cは、その中心が、切削チップ200のすくい面220と略同高さに設定されている。しかして、本例では、このように各噴出口の中心を位置させていることから、そのそれぞれの噴出口から切削を担う切れ刃215の横逃げ面120側において切れ刃コーナ217に向けてクーラントが供給され、多角的な方向からクーラントを切削箇所に集中して供給することができる。
なお、本例のように、噴出口を上下に複数設ける場合には、バイト用ホルダ400におけるすくい面105側から底面に向けて、又はその逆に、各噴出口のノズル状の穴152に連通する縦穴159をあけて、その縦穴159の端にプラグをねじ込む等により閉塞すればよい。図10では、バイト用ホルダ400のすくい面105側において隆起する凸部410を設け、これを含めて凹面部123を形成した場合で説明したが、噴出口を複数設けるとしても、このような凸部410を設けることなく、図1のホルダ100においても、上下に複数の噴出口を設けることもできる。
また、前例のように隆起する凸部410を設ける場合には、図11、図12に示したように、その隆起部410の先端面412にも、別途、クーラントの噴出口160を設けることもできる。すなわち、図11、図12に別例として示した切削工具600におけるようにように、前記した図10のホルダ400において、隆起する凸部410のうちの先端面412に対し、別の噴出口160を設けることもできる。このようにすることで、この噴出口160から切削チップ200のすくい面220側において、切れ刃215の先端(刃先コーナー)217に向けて斜め下向きに、ジェット流状にクーラントが噴出される。この図11、図12における別の噴出口160は、ホルダ400のすくい面105より上方(上位)であって、すくい面105側から見たとき(図12参照)、ホルダ400の横逃げ面120及び凹面部123より内側(図12の上側)に入り込んだ位置において開口されている。そして、この噴出口160は、噴出されるクーラントが、図11、図12中、2点鎖線S4で示したように、切削チップ200のすくい面220の上を飛び越えるようにして、切れ刃215の先端(刃先コーナー)217に向けて、斜め下向きに吹付けられて供給され得るように形成されている。
しかして、本例では、切削中、凹面部123における後方の先端向き面をなす円弧面部(先端向き面)125に対し、図10に示した切削工具500におけるように、上下に3箇所設けた噴出口150a、150b、150cのそれぞれから、切削チップ200の横逃げ面210側において切れ刃215の先端(刃先コーナー)217に向けて、図11中、2点鎖線S1、S2、S3で示したように噴出されるクーラントに加えて、2点鎖線S4で示したように、すくい面220の上を飛び越えるようにして切れ刃215の先端(刃先コーナー)217に向けてもクーラントが供給されるものであり、切り屑の一層好ましい処理作用が得られる。なお、別途設けた噴出口160は、クーラントが2点鎖線S4の方向に噴出されるように、それに続くノズル状の穴162を設け、それが、縦穴159に連通するように形成しておけばよい。
なお、前例のように、凸部410の形成によりその先端面412に噴出口160を開口させて、クーラントを、すくい面220の上を飛び越えて切れ刃215の先端(刃先コーナー)217に向けて供給する場合でも、図13、図14に示した切削工具700のように、切削チップ200の横逃げ面210側において切れ刃215の先端(刃先コーナー)217に向けてクーラントを供給するように先端向き面125に開口する噴出口150は、図1〜図4に示した実施形態のものと同様に、1か所、すなわち、図10、図11中に示された中間高さにある噴出口150aに対応する部位のもののみとしてもよいし、そのうちのいずれか、又は適宜に選択した2か所としてもよい。なお、図13では、凸部410は、その先後方向の寸法を図11のものより短くしている。このように凸部410は、所望とする方向のクーラントの噴出ができる噴出口160、及びそれに連なるノズル状の穴162が設けられるように適宜に形成すればよい。因みに、図13、図14に示したように、凹面部123の先端向き面125に設ける噴出口150を、図10、図11における中間高さにある噴出口150aのみとする場合には、上記例におけるように、枝流路153に、噴出口150に連なるノズル状の穴152を連通させ、凸部410の先端面412に設ける噴出口160に連なるノズル状の穴162は、上記例におけ主流路154を先端側に向けて延し、その先端において縦穴159を上向きに延ばして設け、これに連通するように設ければよい。クーラントが通過するノズル状の各穴等の流路は、主流路154を圧送されるクーラントが、各噴出口から噴出されるように、ホルダ400内において適宜に連通するように形成し、不要な開口は、図示はしないが、ねじ込み式の栓等により塞ぐ(プラグする)こととすればよい。
上記例では、バイト用ホルダは、ひし形チップからなる切削チップを固定するものとして具体化したが、当然のことながら、三角等その他の多角形の切削チップを用いるものにも本発明は適用できる。また、その固定にネジ止方式のクランプ手段を用いた切削工具として具体化したが、これについても、例えば、別途の押さえ金で押さえつけるクランプ方式の切削工具においても具体化できる。なお、本発明におけるバイト用ホルダにおける凹面部の基準面からの凹み寸法(引下り幅L2)は、その後方に噴出口を設け得る先端向き面が形成でき、かつ、固定する切削チップの切れ刃コーナにおける横逃げ面側への突出量や、その他の加工条件に応じて適宜に設定すればよい。ただし、好ましくは、切削チップを固定した際において、すくい面側から見たとき、切削を担う切れ刃コーナが、基準面から外方(横逃げ面側)に突出せず、しかも、クーラントを切削を担う切れ刃に横逃げ面側において噴出できるように設定する。なお、クーラントの噴出口及びこれに連なる流路は、横断面が円形穴でなくもよいなど、その形状、数に制限はない。したがって、噴出口は、上下に延びるスリット状のものとして開口させてもよいなど、適宜の形状のものとして具体化できる。
100、400 バイト用ホルダ
102 ホルダの先端部位
103 ホルダの先端
105 ホルダのすくい面
110 チップ座
120 ホルダの横逃げ面
122 所定の範囲より後方部位
123 凹面部
125 凹面部における先端向き面(円弧面部)
150、150a,150b,150c 噴出口
200 切削チップ
210 切削チップの横逃げ面
215 切削チップの切れ刃
220 切削チップのすくい面
300,500,600,700 切削工具
L1 先端から後端に向かう所定の範囲
L2 ホルダにおける後方部位における横逃げ面に沿って引いた仮想直線
本発明は、被削物(工作物)の旋削による外径加工に使用される外径加工用バイト用ホルダ、及びこの外径加工用バイト用ホルダの先端のチップ座に切削チップを固定してなる外径加工用切削工具に関する。
従来、この種の外径加工用切削工具(以下、単に切削工具ともいう)において、クーラントを、切削チップ(スローアウェイチップなどの切削インサート)における切れ刃に、浴びせる形で供給するため、外径加工用バイト用ホルダ(以下、バイト用ホルダ、又は単にホルダともいう)内に流路を設けてなる切削工具が各種提案されている。このものは、ホルダの先端近傍においてその流路に連なる噴出口を開口させ、流路内を圧送するクーラント(切削液等)を、切れ刃をなす、すくい面等に向けて高圧ジェット流として供給するように構成されている。このような切削工具のうち、クーラントを、切れ刃をなす横逃げ面側に向けて噴射し得るように、バイト用ホルダ(本体)における横逃げ面側にその噴出口を設けた技術がある(特許文献1、特許文献2)。このような噴出口からクーラントを噴出するようにした切削工具においては、そのクーラントによって切れ刃(刃先)と被削物の冷却(温度上昇防止)の他、潤滑の作用効果も高く、逃げ面摩耗の防止にも有効とされる。加えて、横逃げ面側で切り屑を吹き飛ばす作用も得られることから、切り屑が切削工具に絡み付いたり、加工面を傷付けるのを防止する作用も得られるなど、切り屑の処理性においても有効とされている。なお、本願において、外径加工用バイト用ホルダに関して「横逃げ面」というときは、このホルダに固定される切削チップの横逃げ面と同向きの側面を意味するものとし、外径加工用バイト用ホルダに関して「すくい面」というときは、前記側面に対して、このホルダに固定される切削チップのすくい面と同向きの面を意味するものとする。
ところで、従来、旋削によって被削物を高精度に加工する場合、外径加工用切削工具は、旋盤のスピンドルヘッドや、被削物をチャックする爪のできるだけ近い位置にしてその使用に供されるべきである。とりわけ、小径の被削物(丸棒)の精密加工では、ブレ防止の観点から、その要請が高い。一方、被削物が所定の軸やピン状の部品であり、これを効率的に加工する場合には、回転する中空のスピンドル(主軸)の中を、加工素材(長尺の棒材)が通され、所定の加工を終了するごとに、所要の長さだけ自動的に送り出され、次の加工が行われるようにした自動材料送り出し装置を備えた旋盤(自動旋盤)が使用される。このような旋盤では、被削物であるその部品の加工に必要とされる複数の切削工具(外径加工用や溝入れ用等の切削工具)が、スピンドル(回転軸)の例えば上方において、この回転軸に直角方向に、間隔を保持し、かつ互いに平行に、櫛歯状の配置で刃物台に固定される。そして、切削に応じて刃物台を同直角方向に移動し、加工ごとに選択された切削工具による切り込みを行うため、刃物台の縦送り(回転軸の半径方向(例えば、下向き)への移動)を行うと共に、横送り(回転軸方向の送り)は、材料側において自動送りで行うことで、その加工が進められる。
このように、横送り(回転軸方向の送り)が被削物側において自動送りで行われる自動旋盤による旋削では、刃物台自体が、回転軸方向において、スピンドルヘッド(又はチャックの爪)の正面近傍に設けられるため、外径加工等のための切削工具は、必然的に、スピンドルヘッドの正面と干渉しない程度で、小さい空隙を保持して配置されることになる。そして、切削工具をなすバイト用ホルダ(シャンク)の横逃げ面、及びそれに設けられる切削チップにおける切れ刃コーナは、スピンドルヘッド(又はチャックの爪)に、可能な限り近接する配置で刃物台に取り付けられる。これは、上記した外径加工用切削工具における外径加工用バイト用ホルダのように、その横逃げ面側に、切れ刃に向けてクーラントを噴射するための噴出口を備えた切削工具を使用する場合においても同じである。
特開平8−25110号公報 特開平8−71813号公報
ところが、上記した従来技術における外径加工用切削工具においては、切削チップの切れ刃の横逃げ面にクーラントを供給するための噴出口が、外径加工用バイト用ホルダの横逃げ面側において隆起状に突出して設けられた突出部、又はアダプタなどの凸部における先端向き面に開口された形で設けられている。すなわち、上記従来の外径加工用切削工具においては、外径加工用バイト用ホルダにおける横逃げ面側に、クーラントの噴出口を設けるための凸部が突出状に設けられているため、この突出分、同切削工具の使用時においては、これをスピンドルヘッド(又はチャックの爪)の正面に近づけることができないばかりか、逆にその凸部がある分、離間させることになっていた。このように、従来のこの種の外径加工用切削工具においては、横逃げ面側におけるクーラントの供給は確保されるが、その反面、噴出口を設けるための凸部、すなわち、出っ張りがある分、スピンドルヘッドやチャックの爪から離間させて刃物台に固定することになることから、その離間分、チャックから離れた位置での切削となってしまうという問題があった。そして、このような問題は、小径の軸部材の超高精度仕上げにおいては、これが、ブレ等の発生要因ともなることから、顕在化しやすい。かといって、別途、ブレ止を設けることでは加工効率の低下を招いてしまう。
このような問題は、上記したように複数の切削工具を、被削物の回転軸方向において同位置となる配置で櫛歯状に固定する刃物台を有する自動旋盤では、他の切削工具も、その噴出口のための上記凸部を備えている外径加工用切削工具と同様に、離れた位置に配置することになることから、切削工程の全体にも及ぶことを意味する。また、このような問題は、材料の自動送り装置を有しない普通旋盤によって外径加工を行うため、外径加工用切削工具を固定した刃物台を横送りしてチャックに近い位置まで加工する場合でも、その凸部(出っ張り)が存在する分、それがない場合に比べると、切れ刃はチャックに近づけることができない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、従来の外径加工用切削工具のように、外径加工用バイト用ホルダの横逃げ面側に凸部を設けることなく、クーラントを切削チップの横逃げ面側において切れ刃に向けて供給し得る外径加工用バイト用ホルダを提供し、もって、そのクーラントの供給を確保しつつも、従来の外径加工用切削工具よりも、スピンドルヘッドやチャックに近接した位置において切削を行うことのできる外径加工用切削工具を提供することをその目的とする。
請求項1に記載の発明は、自身の先端部位に切削チップを固定するためのチップ座を備え、そのチップ座に固定される切削チップの切れ刃に向けて、該切削チップの横逃げ面側からクーラントを供給し得るように開口された噴出口が、自身の横逃げ面側に設けられてなる外径加工用バイト用ホルダにおいて、
自身の先端部位の横逃げ面のうち、先端から後端に向かう所定の範囲に、それより後方部位の横逃げ面に対して相対的に凹む形で凹面部が形成され、前記噴出口を、この凹面部における先端向き面に設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記噴出口は、前記チップ座に切削チップが固定されたとき、そのすくい面より低位に位置し、かつ、斜め上向きにクーラントを噴出させるように開口されていることを特徴とする請求項1に記載の外径加工用バイト用ホルダである。
請求項3に記載の発明は、前記噴出口は、上下方向に複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の外径加工用バイト用ホルダである。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の外径加工用バイト用ホルダにおけるチップ座に、切削チップを、すくい面側から見たとき、該外径加工用バイト用ホルダにおける前記後方部位における横逃げ面に沿って引いた仮想直線より突出することなく固定してなることを特徴とする外径加工用切削工具である。
本発明に係る外径加工用バイト用ホルダにおいては、上記した構成の通り、自身の先端部位の横逃げ面のうち、先端から後端に向かう所定の範囲に、それより後方部位の横逃げ面に対して相対的に凹む形で凹面部が形成され、前記噴出口を、この凹面部における先端向き面に設けている。このため、そのチップ座に、切削チップを固定してなる外径加工用切削工具とし、これを旋盤の刃物台に固定して被削物の外径加工や端面加工をする場合においては、切削チップの切れ刃に向けてその横逃げ面側からクーラントの供給ができる。そして、その外径加工用切削工具においては、その噴出口が、従来の外径加工用切削工具のように、外径加工用バイト用ホルダの横逃げ面側に設けられた突出部やアダプタ等の凸部(出っ張り)に設けられているのではなく、これとは逆に、すなわち、本発明では、そのような凸部を設けることなく、ホルダの先端部位の横逃げ面側に設けられた凹面部における先端向き面に設けられている。このように、本発明の外径加工用バイト用ホルダにおいてはその横逃げ面側に従来の外径加工用切削工具におけるような「凸部」といった出っ張りがないから、この外径加工用バイト用ホルダを含む外径加工用切削工具を自動旋盤等の刃物台に固定して外径加工をする場合においては、その切れ刃を、従来の外径加工用切削工具におけるような「凸部」がない分、スピンドルヘッド又はチャックの爪に、より近接させて配置して、その加工を行うことができる。これにより、横逃げ面側へのクーラントの供給を確保しつつも、従来の外径加工用切削工具を用いる場合に比べると、被削物が小径のものでも、ブレ等の問題も小さくできるため、効率的かつ高精度の加工を得ることができる。
本発明の外径加工用バイト用ホルダにおいて、前記凹面部が形成されている先後領域は、これが大きいほど、切り込み深さを大きくできるため、大径の被削物の端面の加工にも適する。したがって、前記凹面部が形成されている先後領域は、前記チップ座のうち、横逃げ面側が開放されている先後部位より大きい方がよいといえる。しかし、外径加工だけで、しかも、切り込み深さ(切り込み量)も小さく、切り屑排出性にも問題がなければ、前記凹面部が形成されている先後領域は、前記チップ座のうち、横逃げ面側が開放されている部位よりも小さくてもよい。
本発明の外径加工用バイト用ホルダの前記凹面部における「先端向き面」は、クーラントを先端側に向けて噴出させることのできる噴出口を開口させえる面であればよい。したがって、この「先端向き面」は、該凹面部のうち、外径加工用バイト用ホルダの先端から、この先端を正面として見た時に見える面に限られず、該凹面部において先端側を向く後端面若しくは後端寄り面である。より具体的には、例えば、凹面部の後端が、外径加工用バイト用ホルダの先後方向に直角な平面をなしているときは、その平面、すなわち、先端を向く平面となる。また、凹面部の後端が、すくい面側から見たとき、外径加工用バイト用ホルダの先後方向に直角でない平面をなしているときは、その平面となり、この平面は、すくい面側から見ると、外径加工用バイト用ホルダの先後方向に対し、傾斜したものとなる。さらに、凹面部の後端を含む後端寄り部位が、すくい面側から見たときにおいて、凹となす円弧状の線又は曲線をなしているときは、その曲線を含む面となる。
請求項2に記載の本発明のように噴出口を設ける場合には、そこから噴出されるクーラントによって、切り屑をすくい面から浮かす方への外力の付与となるから、切り屑が外径加工用切削工具に絡みつくのを防止する作用効果が得られる。一方、請求項3に記載の本発明のように噴出口を複数設けるとよい。なお、チップ座に、切削チップを固定して外径加工用切削工具とする場合には、請求項4に記載のように、すくい面側から見たとき、切削チップ、すなわち、その切れ刃が、該外径加工用バイト用ホルダにおける前記後方部位における横逃げ面に沿って引いた仮想直線より突出することなく固定するのがよい。
本発明の外径加工用バイト用ホルダを具体化した実施の形態例1の斜視図、及びその要部拡大図。 図1の外径加工用バイト用ホルダをすくい面側から見た図、及びその要部拡大図。 図1の外径加工用バイト用ホルダを、横逃げ面側から見た図、及びその要部拡大図。 図1の外径加工用バイト用ホルダを先端から見た拡大図。 図1の外径加工用バイト用ホルダのチップ座に切削チップを固定してなる切削工具の先端部位(要部)拡大斜視図。 図5の外径加工用切削工具で、チャックの近傍において被削物を切削しているときの、バイトホルダの横逃げ面、及び切削工具の切れ刃と、チャックの先端との位置関係を説明する、すくい面側から見た要部拡大図。 図6を横逃げ面側から見た図。 図6を外径加工用切削工具の先端から見た図。 噴出口を開口させる凹面部の後方における先端向き面の別例を説明するすくい面側から見た外径加工用バイト用ホルダの要部拡大図。 本発明の外径加工用バイト用ホルダ及び外径加工用切削工具を具体化した別例の要部の拡大斜視図。 本発明の外径加工用バイト用ホルダ及び外径加工用切削工具を具体化した別例の要部の拡大斜視図。 図11の外径加工用切削工具をすくい面側から見た図。 本発明の外径加工用バイト用ホルダ及び外径加工用切削工具を具体化した別例の要部の拡大斜視図。 Aは図13の外径加工用切削工具を横逃げ面側から見た図、Bは図13の外径加工用切削工具をすくい面側から見た図。
本発明の外径加工用バイト用ホルダを具体化した実施の形態例について、図1〜図4に基づいて詳細に説明する。図中、100は、バイト用ホルダであり、一定の矩形(長方形)横断面で先後に延びる棒材(四角棒材)を基材(ベース)として形成されており、その先端部位102の上面105(すくい面と同向き面。以下、すくい面ともいう)において、切削チップ(図5参照。本例では、2コーナを有するひし形チップ。以下、切削チップ200ともいう)を着座させてネジ込み方式で固定(以下、ネジ止め)するためのチップ座110が凹設されている。ただし、このバイト用ホルダ100は、その横逃げ面120側のうち、先端から後端に向かう所定の範囲L1(図2の拡大図参照)の横逃げ面120aが、範囲L1より後方部位122の横逃げ面120b(以下、基準面とも言う)より、その先後において凹む凹面部123をなしている。この凹面部123のうち、これをすくい面105側から見た輪郭、すなわち、詳細は後述するが、チップ座110における横逃げ面側の端縁は、その先端を含む先端寄り部位が、固定される切削チップ(ひし形チップ)200の一辺をなす横逃げ面210形状(切れ刃215の形状)に沿うものとされている(図2参照)。このため、本例では、切削チップ200をなすひし形チップを、その先端において切削を担う鋭角コーナーが、ホルダ100の横逃げ面120側に適量突出するように、すくい面105側から見たとき、この凹面部123は後方に行くに従ってその凹み量が大きなるレーキ角(バックレーキ)が3度程度付けられており、先端から後方に向かう所定範囲が直線をなしている。
これにより、外径加工用バイト用ホルダ100は、この凹面部123をすくい面105側から見たとき、その凹面部123の形成領域L1であるホルダ100の先端部位102の幅寸法は、その後方部位122よりも小さくなっている。ただし、この凹面部123のうちの、後端寄り部位は、すくい面105側から見て凹となす円弧状の円弧面部125をなしており、この円弧面部125を介し、これに続く後方部位122の横逃げ面120bが、相対的に幅広をなしている。なお、この円弧面部125のうち、チップ座(座面)110に相当する高さ部位には、詳細は後述するが、クーラントの噴出口(穴)150が開口されている。この噴出口150は、このホルダ100内にトンネル状に設けられたクーラント供給用の流路内を圧送されるクーラントが、チップ座110に固定される切削チップ200の横逃げ面210側において、切れ刃215又はその先端(刃先コーナー)217に向けて供給され得るように形成されている。
一方、本例においてチップ座110は、外径加工用バイト用ホルダ100の先後領域のうち、上記凹面部123の形成されている先後領域L1内において形成されている。本例では、このチップ座110は、この凹面部123の形成されている先後領域L1において、横逃げ面120側と、先端103側を開放する形で、平面視(すくい面側から見たとき)、略ひし形となるように凹設されている。この凹設により、チップ座110はすくい面105側から見て、バイト用ホルダ100が先後に延びる方向に対し、先端側が横逃げ面120側を向くように、3度程度傾斜して設けられた背面側(横逃げ面120側と反対側)拘束壁113と、これと鋭角で交差し、斜め先端を向く先端向き拘束壁面115とで、ひし形チップの2辺を拘束するように形成されている。このチップ座(座面)110は、横逃げ面120側を向いて開放された凹面部123側縁、及び先端103側縁とを端縁とするひし形の平面をなしている。なお、この各拘束壁面113,115のチップ座110からの高さ(壁高さ)は、固定される切削チップ200の厚みと略同じか、それより微量小さく設定されている。ただし、本例では固定される切削チップ200がポジタイプのものであるため、その逃げ面を実際に拘束する各壁面は、上方が広がる傾斜壁とされている。また、先端向き拘束壁面115のうち、横逃げ面120側端縁は、すくい面105側から見たとき、円弧面部125よりも先端側103に位置するように形成されている。なお、チップ座110は、その略中央に、切削チップ200(穴付きチップ)を止ネジ250で固定するためのネジ穴111を有している。また、すくい面105側から見て、この両拘束壁面113,115の交差部には、ひし形チップ200の鋭角コーナーを逃がすための凹部(逃げ)116が設けられている。
このような本例の外径加工用バイト用ホルダ100においては、図5に示したように、チップ座110に、ひし形の切削チップ200を着座させて、止ネジ250によってネジ止めしたとき、バイト用ホルダ100の先端103において、チップ座110から先方に突出する切れ刃コーナ(刃先)217が、ホルダ100の凹面部123より適量T1、ホルダ100の横逃げ面120側に突出するように設定されている(図2の拡大図参照)。ただし、この切れ刃コーナー217におけるホルダ100の横逃げ面120側への突出量T1は、すくい面側から見たとき、凹面部123の領域内とされる。すなわち、この切れ刃コーナー217は、すくい面105側から見たとき、バイト用ホルダ100における凹面部123の後方部位122の横逃げ面(基準面)120bに沿って引いた直線(仮想直線)L2より外方に突出しないように設定されている。
さて、本例の外径加工用バイト用ホルダ100においては、上記もしたように、凹面部123における後端又は後端寄り部位に位置して先端向き面をなすところの円弧面部(本発明における先端向き面)125のうち、チップ座110(座面の平面)に相当する高さ部位に、クーラントの噴出口(穴)150が開口されている。この噴出口150は、横断面が円形のノズル状の穴152の先端である。そして、このノズル状の穴152は、すくい面105側から見たとき(図2参照)、その軸線(穴の軸線)が、チップ座110に固定される切削チップ200における横逃げ面210の先端(切れ刃コーナー217寄り部位)近傍を、切削チップ200の横逃げ面210側において通るようにされている(図2の拡大図、図6参照)。このすくい面105側から見たこの軸線は、本例ではホルダ100の先後方向に向かう線(例えば、仮想直線L2)に平行に設けられているが、これは、すくい面側から見たときの噴出口150の位置と、チップ座110に固定される切削チップ200のうち、切削を担う横逃げ面210の先端(切れ刃コーナー217)との位置関係で、適宜の傾斜角をつけてもよい。そして、切削チップ200における横逃げ面210側から見たときの(図3参照)、そのノズル状の穴152の軸線は、その切削チップ200のうち、切削を担う切れ刃215の先端(切れ刃コーナー217)のすくい面220寄り部位に向かうように上向きに傾斜する直線をなしている。これは、本例では噴出口150をチップ座110と同位(同じ高さ)としたためであるが、これが例えば、切削チップ200のすくい面220と同高さ位置において開口されている場合には、ホルダ100のすくい面に平行となるようにすればよい。また、切削チップ200のすくい面220より上方において開口するものとしてもよいが、その場合には、そのノズル状の穴152の軸線が、上記したのと逆に、切削チップ200のうち、切削を担う切れ刃215の先端の切れ刃コーナー217におけるすくい面220寄り部位に向かうように下向きに傾斜する直線となる。
一方、この噴出口150からクーラントを噴出させるための流路は、次のように形成されている(図2〜図4参照)。すなわち、本例では、外径加工用バイト用ホルダ100の後端面107から先端103に向けて、ホルダ100の先後方向に延びる軸を中心軸として、ホルダ100内にトンネル状にクーラント供給用の主流路154が形成されている。この主流路154は、チップ座110の後方においてその先端が閉塞された止まり穴をなしており、その先端寄り部位において、前記した噴出口150の開口に連なるノズル状の穴152に連通するように、横向きに、本例では横逃げ面120と反対側の面128から穿孔された止まり穴からなる枝流路153が形成されている。これにより、本例のホルダ100では、外部から主流路154に圧送されるクーラントは、図2の拡大図中に矢印で示したように、枝流路153、ノズル状の穴152を通過して、噴出口150から上記した軸線方向にジェット流状に噴出される。なお、本例では、クーラント配管接続口(配管接続ネジ部)155が、バイト用ホルダ100の後端面107と、後端寄りの横逃げ面120側と反対側の一側面128にも、互いに連通するように設けられており、その接続口が選択できるように設定されており、使用されない接続口にはプラグをねじ込むことで閉塞すればよい。なお、枝流路153の開口端も、図示はしないが、例えばプラグがねじ込まれて閉塞される。
しかして、上記した本例の外径加工用バイト用ホルダ100によれば、これのチップ座110に上記したように、所定の切削チップ200をねじ込み方式により固定することで、図5、図6等に示したような外径加工用切削工具300となる。そして、この切削工具300を旋盤の刃物台Hdに固定して、例えば、チャックCkに保持(固定)された被削物(丸棒)Wの外径加工をする場合においては、クーラント配管接続口155に所定の配管を接続してクーラントを圧送することにより、これをジェット流状態で、上記したところの切削箇所に供給することができる。すなわち、本例では、バイト用ホルダ100における円弧面部125のなす先端向き面(先端向き面125ともいう)に、上記したようにクーラントの噴出口150を備えているから、その切削過程では、その切削を受け持つ切れ刃215における切れ刃コーナー217に向けて横逃げ面120側から所望とする形態でクーラントを供給することができる。これにより、切れ刃(刃先)215と被削物Wと間の潤滑、及びその両者の冷却ができるのみならず、その設定された噴出方向により、発生する切り屑を切削部位から引き離す作用が得られるため、効果的な切り屑の処理性能が得られる。なお、図7に示したように、クーラントは、すくい面220側に向けて斜め上向きに噴出するとともに、図8に示したように、切削チップ200のすくい面220の下においてポジをなす逃げ面210と、被削物Wとの隙間に供給される。
そして、本例の外径加工用切削工具300において重要なのは、その噴出口150が、従来の切削工具のように、外径加工用バイト用ホルダの横逃げ面側において設けられた突出部やアダプタ等の凸部に設けられているのではなく、これとは全く逆に、そのような凸部を設けることなく、ホルダ100の先端部位102の横逃げ面120側に設けられた凹面部123における後方の先端向き面をなす円弧面部125において開口されている点にあることである。すなわち、本例の切削工具300は、従来の切削工具のようにホルダの横逃げ面側に出っ張る形で設けられた、噴出口形成のための凸部がない。このため、本例の切削工具300を用いることによる旋削においては、図6に示したように、旋盤におけるチャック(又はスピンドルヘッド)Ckに、バイト用ホルダ100の基準面120bを、従来の切削工具の場合よりも凸部がない分、近づけることができる。これにより、被削物Wの加工が、チャックCkにより近い位置において行うことができるため、小径丸棒の加工においてもブレ等による問題もなく、効率的かつ高精度の加工を行うことができる。すなわち、自動材料送り出し装置を備えた自動旋盤による加工のように、外径加工用切削工具が、縦送り(切り込み方向の送り)のみなされる場合においては、他の切削工具も櫛歯状の配置で同じ刃物台に固定されるため、その効果は他の切削工具にも及ぶから、著しい効果が得られる。
上記例の外径加工用バイト用ホルダ100においては、凹面部123の後端において先端を向く先端向き面が円弧面部125である。一方、本願発明では、上記したことからも明らかであるが、凹面部123における「先端向き面」は、クーラントをホルダ100の先方に向けて噴出させ得る噴出口150を開口させ得る面(部位)であればよい。したがって、上記もしたが、図9に示したように、この先端向き面125は、ホルダ100の先後方向に延びる直線(120b)と垂直な平面として形成することもできるが、上記例におけるような円弧面部125とすることにより、バイト用ホルダ100の強度低下の防止が図られるため、ビビリの発生防止にも有効である。
なお、横逃げ面120側から見たときの形状の凹面部123は、使用する切削チップ200や加工条件等に応じて適宜に変更すれば良い。上記例では、凹面部123における「先端向き面125」を、外径加工用バイト用ホルダ100のすくい面105からその反対向き面に向けて、ホルダ100の先後方向に延びる直線(120b)と垂直となるものとしたが(図3、図7参照)、加工対象である被削物の外径が小さいものに限定されるような加工条件で使用されるような場合には、図7中、2点鎖線で示したように、先端向き面125を円弧状に、その反対向き面において先端側に向かうように形成してもよい。
また、上記例では、噴出口150を1つ設けた場合の実施例を示したが、図10に示したように、この噴出口は、上下に複数も受けることとしてもよい。ただし、図10に示した外径加工用バイト用ホルダ400は、そのすくい面105に隆起状をなす凸部410を設けており、凹面部123が、この凸部410の先端向き面125においても上下に連なっており、凹面部123におけるすくい面105側から見たとき形状は図2と同形状のものである。本例では、この先端向き面125に、上下に3箇所の噴出口150a、150b、150cが形成されている点など、上記例とはクーラントの噴出口に関する点のみが相違するだけであり、バイト用ホルダ400の横逃げ面120に凸部がないことによる上記した効果についての相違はない。したがって、噴出口についての相違点のみ説明し、同一部位又はそれに対応する部位には同一の符号を付し、その説明を省略する。以下、他の例でも同様とする。
すなわち、本例では、凹面部123に、前記したように形成された先端向き面125のうち、上記例におけるのと同高さであるチップ座110と略同位に、中間の噴出口150aが開口されている。そして、この噴出口150aの下と、上とに、それぞれに、下の噴出口150bと、上の噴出口150cとがそれぞれ開口されている。いずれの噴出口も、クーラントの噴出方向を決めるその後方に続くノズル状の穴152は、その軸線(穴の軸線)が、チップ座110に固定される切削チップ200における切れ刃215又はその先端(刃先コーナー)217に向けて横逃げ面210側において延びており、この各軸線に沿ってそれぞれクーラントが供給されるように形成されている。なお、上の噴出口150cは、その中心が、切削チップ200のすくい面220と略同高さに設定されている。しかして、本例では、このように各噴出口の中心を位置させていることから、そのそれぞれの噴出口から切削を担う切れ刃215の横逃げ面120側において切れ刃コーナ217に向けてクーラントが供給され、多角的な方向からクーラントを切削箇所に集中して供給することができる。
なお、本例のように、噴出口を上下に複数設ける場合には、外径加工用バイト用ホルダ400におけるすくい面105側から底面に向けて、又はその逆に、各噴出口のノズル状の穴152に連通する縦穴159をあけて、その縦穴159の端にプラグをねじ込む等により閉塞すればよい。図10では、バイト用ホルダ400のすくい面105側において隆起する凸部410を設け、これを含めて凹面部123を形成した場合で説明したが、噴出口を複数設けるとしても、このような凸部410を設けることなく、図1のホルダ100においても、上下に複数の噴出口を設けることもできる。
また、前例のように隆起する凸部410を設ける場合には、図11、図12に示したように、その隆起部410の先端面412にも、別途、クーラントの噴出口160を設けることもできる。すなわち、図11、図12に別例として示した外径加工用切削工具600におけるようにように、前記した図10の外径加工用バイト用ホルダ400において、隆起する凸部410のうちの先端面412に対し、別の噴出口160を設けることもできる。このようにすることで、この噴出口160から切削チップ200のすくい面220側において、切れ刃215の先端(刃先コーナー)217に向けて斜め下向きに、ジェット流状にクーラントが噴出される。この図11、図12における別の噴出口160は、ホルダ400のすくい面105より上方(上位)であって、すくい面105側から見たとき(図12参照)、ホルダ400の横逃げ面120及び凹面部123より内側(図12の上側)に入り込んだ位置において開口されている。そして、この噴出口160は、噴出されるクーラントが、図11、図12中、2点鎖線S4で示したように、切削チップ200のすくい面220の上を飛び越えるようにして、切れ刃215の先端(刃先コーナー)217に向けて、斜め下向きに吹付けられて供給され得るように形成されている。
しかして、本例では、切削中、凹面部123における後方の先端向き面をなす円弧面部(先端向き面)125に対し、図10に示した外径加工用切削工具500におけるように、上下に3箇所設けた噴出口150a、150b、150cのそれぞれから、切削チップ200の横逃げ面210側において切れ刃215の先端(刃先コーナー)217に向けて、図11中、2点鎖線S1、S2、S3で示したように噴出されるクーラントに加えて、2点鎖線S4で示したように、すくい面220の上を飛び越えるようにして切れ刃215の先端(刃先コーナー)217に向けてもクーラントが供給されるものであり、切り屑の一層好ましい処理作用が得られる。なお、別途設けた噴出口160は、クーラントが2点鎖線S4の方向に噴出されるように、それに続くノズル状の穴162を設け、それが、縦穴159に連通するように形成しておけばよい。
なお、前例のように、凸部410の形成によりその先端面412に噴出口160を開口させて、クーラントを、すくい面220の上を飛び越えて切れ刃215の先端(刃先コーナー)217に向けて供給する場合でも、図13、図14に示した外径加工用切削工具700のように、切削チップ200の横逃げ面210側において切れ刃215の先端(刃先コーナー)217に向けてクーラントを供給するように先端向き面125に開口する噴出口150は、図1〜図4に示した実施形態のものと同様に、1か所、すなわち、図10、図11中に示された中間高さにある噴出口150aに対応する部位のもののみとしてもよいし、そのうちのいずれか、又は適宜に選択した2か所としてもよい。なお、図13では、凸部410は、その先後方向の寸法を図11のものより短くしている。このように凸部410は、所望とする方向のクーラントの噴出ができる噴出口160、及びそれに連なるノズル状の穴162が設けられるように適宜に形成すればよい。因みに、図13、図14に示したように、凹面部123の先端向き面125に設ける噴出口150を、図10、図11における中間高さにある噴出口150aのみとする場合には、上記例におけるように、枝流路153に、噴出口150に連なるノズル状の穴152を連通させ、凸部410の先端面412に設ける噴出口160に連なるノズル状の穴162は、上記例におけ主流路154を先端側に向けて延し、その先端において縦穴159を上向きに延ばして設け、これに連通するように設ければよい。クーラントが通過するノズル状の各穴等の流路は、主流路154を圧送されるクーラントが、各噴出口から噴出されるように、ホルダ400内において適宜に連通するように形成し、不要な開口は、図示はしないが、ねじ込み式の栓等により塞ぐ(プラグする)こととすればよい。
上記例では、外径加工用バイト用ホルダは、ひし形チップからなる切削チップを固定するものとして具体化したが、当然のことながら、三角等その他の多角形の切削チップを用いるものにも本発明は適用できる。また、その固定にネジ止方式のクランプ手段を用いた切削工具として具体化したが、これについても、例えば、別途の押さえ金で押さえつけるクランプ方式の切削工具においても具体化できる。なお、本発明における外径加工用バイト用ホルダにおける凹面部の基準面からの凹み寸法(引下り幅L2)は、その後方に噴出口を設け得る先端向き面が形成でき、かつ、固定する切削チップの切れ刃コーナにおける横逃げ面側への突出量や、その他の加工条件に応じて適宜に設定すればよい。ただし、好ましくは、切削チップを固定した際において、すくい面側から見たとき、切削を担う切れ刃コーナが、基準面から外方(横逃げ面側)に突出せず、しかも、クーラントを切削を担う切れ刃に横逃げ面側において噴出できるように設定する。なお、クーラントの噴出口及びこれに連なる流路は、横断面が円形穴でなくもよいなど、その形状、数に制限はない。したがって、噴出口は、上下に延びるスリット状のものとして開口させてもよいなど、適宜の形状のものとして具体化できる。
100、400 外径加工用バイト用ホルダ
102 ホルダの先端部位
103 ホルダの先端
105 ホルダのすくい面
110 チップ座
120 ホルダの横逃げ面
122 所定の範囲より後方部位
123 凹面部
125 凹面部における先端向き面(円弧面部)
150、150a,150b,150c 噴出口
200 切削チップ
210 切削チップの横逃げ面
215 切削チップの切れ刃
220 切削チップのすくい面
300,500,600,700 外径加工用切削工具
L1 先端から後端に向かう所定の範囲
L2 ホルダにおける後方部位における横逃げ面に沿って引いた仮想直線
本発明は、被削物(工作物)の旋削による横送りを伴う外径加工に使用される横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ、及びこの横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダの先端のチップ座に切削チップを固定してなる横送りを伴う外径加工用切削工具に関する。
従来、この種の横送りを伴う外径加工用切削工具(以下、外径加工用切削工具又は単に切削工具ともいう)において、クーラントを、切削チップ(スローアウェイチップなどの切削インサート)における切れ刃に、浴びせる形で供給するため、横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ(以下、外径加工用バイト用ホルダ、バイト用ホルダ、又は単にホルダともいう)内に流路を設けてなる切削工具が各種提案されている。このものは、ホルダの先端近傍においてその流路に連なる噴出口を開口させ、流路内を圧送するクーラント(切削液等)を、切れ刃をなす、すくい面等に向けて高圧ジェット流として供給するように構成されている。このような切削工具のうち、クーラントを、切れ刃をなす横逃げ面側に向けて噴射し得るように、バイト用ホルダ(本体)における横逃げ面側にその噴出口を設けた技術がある(特許文献1、特許文献2)。このような噴出口からクーラントを噴出するようにした切削工具においては、そのクーラントによって切れ刃(刃先)と被削物の冷却(温度上昇防止)の他、潤滑の作用効果も高く、逃げ面摩耗の防止にも有効とされる。加えて、横逃げ面側で切り屑を吹き飛ばす作用も得られることから、切り屑が切削工具に絡み付いたり、加工面を傷付けるのを防止する作用も得られるなど、切り屑の処理性においても有効とされている。なお、本願において、横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダに関して「横逃げ面」というときは、このホルダに固定される切削チップの横逃げ面と同向きの側面を意味するものとし、横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダに関して「すくい面」というときは、前記側面に対して、このホルダに固定される切削チップのすくい面と同向きの面を意味するものとする。
ところで、従来、旋削によって被削物を高精度に加工する場合、横送りを伴う外径加工用切削工具は、旋盤のスピンドルヘッドや、被削物をチャックする爪のできるだけ近い位置にしてその使用に供されるべきである。とりわけ、小径の被削物(丸棒)の精密加工では、ブレ防止の観点から、その要請が高い。一方、被削物が所定の軸やピン状の部品であり、これを効率的に加工する場合には、回転する中空のスピンドル(主軸)の中を、加工素材(長尺の棒材)が通され、所定の加工を終了するごとに、所要の長さだけ自動的に送り出され、次の加工が行われるようにした自動材料送り出し装置を備えた旋盤(自動旋盤)が使用される。このような旋盤では、被削物であるその部品の加工に必要とされる複数の切削工具(横送りを伴う外径加工用や溝入れ用等の切削工具)が、スピンドル(回転軸)の例えば上方において、この回転軸に直角方向に、間隔を保持し、かつ互いに平行に、櫛歯状の配置で刃物台に固定される。そして、切削に応じて刃物台を同直角方向に移動し、加工ごとに選択された切削工具による切り込みを行うため、刃物台の縦送り(回転軸の半径方向(例えば、下向き)への移動)を行うと共に、横送り(回転軸方向の送り)は、材料側において自動送りで行うことで、その加工が進められる。
このように、横送り(回転軸方向の送り)が被削物側において自動送りで行われる自動旋盤による旋削では、刃物台自体が、回転軸方向において、スピンドルヘッド(又はチャックの爪)の正面近傍に設けられるため、外径加工等のための切削工具は、必然的に、スピンドルヘッドの正面と干渉しない程度で、小さい空隙を保持して配置されることになる。そして、切削工具をなすバイト用ホルダ(シャンク)の横逃げ面、及びそれに設けられる切削チップにおける切れ刃コーナは、スピンドルヘッド(又はチャックの爪)に、可能な限り近接する配置で刃物台に取り付けられる。これは、上記した横送りを伴う外径加工用切削工具における横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダのように、その横逃げ面側に、切れ刃に向けてクーラントを噴射するための噴出口を備えた切削工具を使用する場合においても同じである。
特開平8−25110号公報 特開平8−71813号公報
ところが、上記した従来技術における横送りを伴う外径加工用切削工具においては、切削チップの切れ刃の横逃げ面にクーラントを供給するための噴出口が、横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダの横逃げ面側において隆起状に突出して設けられた突出部、又はアダプタなどの凸部における先端向き面に開口された形で設けられている。すなわち、上記従来の横送りを伴う外径加工用切削工具においては、横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダにおける横逃げ面側に、クーラントの噴出口を設けるための凸部が突出状に設けられているため、この突出分、同切削工具の使用時においては、これをスピンドルヘッド(又はチャックの爪)の正面に近づけることができないばかりか、逆にその凸部がある分、離間させることになっていた。このように、従来のこの種の横送りを伴う外径加工用切削工具においては、横逃げ面側におけるクーラントの供給は確保されるが、その反面、噴出口を設けるための凸部、すなわち、出っ張りがある分、スピンドルヘッドやチャックの爪から離間させて刃物台に固定することになることから、その離間分、チャックから離れた位置での切削となってしまうという問題があった。そして、このような問題は、小径の軸部材の超高精度仕上げにおいては、これが、ブレ等の発生要因ともなることから、顕在化しやすい。かといって、別途、ブレ止を設けることでは加工効率の低下を招いてしまう。
このような問題は、上記したように複数の切削工具を、被削物の回転軸方向において同位置となる配置で櫛歯状に固定する刃物台を有する自動旋盤では、他の切削工具も、その噴出口のための上記凸部を備えている横送りを伴う外径加工用切削工具と同様に、離れた位置に配置することになることから、切削工程の全体にも及ぶことを意味する。また、このような問題は、材料の自動送り装置を有しない普通旋盤によって外径加工を行うため、横送りを伴う外径加工用切削工具を固定した刃物台を横送りしてチャックに近い位置まで加工する場合でも、その凸部(出っ張り)が存在する分、それがない場合に比べると、切れ刃はチャックに近づけることができない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、従来の横送りを伴う外径加工用切削工具のように、横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダの横逃げ面側に凸部を設けることなく、クーラントを切削チップの横逃げ面側において切れ刃に向けて供給し得る横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダを提供し、もって、そのクーラントの供給を確保しつつも、従来の横送りを伴う外径加工用切削工具よりも、スピンドルヘッドやチャックに近接した位置において切削を行うことのできる横送りを伴う外径加工用切削工具を提供することをその目的とする。
請求項1に記載の発明は、自身の先端部位に切削チップを固定するためのチップ座を備え、そのチップ座に固定される切削チップの切れ刃に向けて、該切削チップの横逃げ面側からクーラントを供給し得るように開口された噴出口が、自身の横逃げ面側に設けられてなる横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダにおいて、
自身の先端部位の横逃げ面のうち、先端から後端に向かう所定の範囲に、それより後方部位の横逃げ面に対して相対的に凹む形で凹面部が形成され、前記噴出口を、この凹面部における先端向き面に設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記噴出口は、前記チップ座に切削チップが固定されたとき、そのすくい面より低位に位置し、かつ、斜め上向きにクーラントを噴出させるように開口されていることを特徴とする請求項1に記載の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダである。
請求項3に記載の発明は、前記噴出口は、上下方向に複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダである。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダにおけるチップ座に、切削チップを、すくい面側から見たとき、該横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダにおける前記後方部位における横逃げ面に沿って引いた仮想直線より突出することなく固定してなることを特徴とする横送りを伴う外径加工用切削工具である。
本発明に係る横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダにおいては、上記した構成の通り、自身の先端部位の横逃げ面のうち、先端から後端に向かう所定の範囲に、それより後方部位の横逃げ面に対して相対的に凹む形で凹面部が形成され、前記噴出口を、この凹面部における先端向き面に設けている。このため、そのチップ座に、切削チップを固定してなる横送りを伴う外径加工用切削工具とし、これを旋盤の刃物台に固定して被削物の外径加工や端面加工をする場合においては、切削チップの切れ刃に向けてその横逃げ面側からクーラントの供給ができる。そして、その横送りを伴う外径加工用切削工具においては、その噴出口が、従来の横送りを伴う外径加工用切削工具のように、横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダの横逃げ面側に設けられた突出部やアダプタ等の凸部(出っ張り)に設けられているのではなく、これとは逆に、すなわち、本発明では、そのような凸部を設けることなく、ホルダの先端部位の横逃げ面側に設けられた凹面部における先端向き面に設けられている。このように、本発明の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダにおいてはその横逃げ面側に従来の横送りを伴う外径加工用切削工具におけるような「凸部」といった出っ張りがないから、この横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダを含む横送りを伴う外径加工用切削工具を自動旋盤等の刃物台に固定して外径加工をする場合においては、その切れ刃を、従来の横送りを伴う外径加工用切削工具におけるような「凸部」がない分、スピンドルヘッド又はチャックの爪に、より近接させて配置して、その加工を行うことができる。これにより、横逃げ面側へのクーラントの供給を確保しつつも、従来の横送りを伴う外径加工用切削工具を用いる場合に比べると、被削物が小径のものでも、ブレ等の問題も小さくできるため、効率的かつ高精度の加工を得ることができる。
本発明の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダにおいて、前記凹面部が形成されている先後領域は、これが大きいほど、切り込み深さを大きくできるため、大径の被削物の端面の加工にも適する。したがって、前記凹面部が形成されている先後領域は、前記チップ座のうち、横逃げ面側が開放されている先後部位より大きい方がよいといえる。しかし、外径加工だけで、しかも、切り込み深さ(切り込み量)も小さく、切り屑排出性にも問題がなければ、前記凹面部が形成されている先後領域は、前記チップ座のうち、横逃げ面側が開放されている部位よりも小さくてもよい。
本発明の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダの前記凹面部における「先端向き面」は、クーラントを先端側に向けて噴出させることのできる噴出口を開口させえる面であればよい。したがって、この「先端向き面」は、該凹面部のうち、横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダの先端から、この先端を正面として見た時に見える面に限られず、該凹面部において先端側を向く後端面若しくは後端寄り面である。より具体的には、例えば、凹面部の後端が、横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダの先後方向に直角な平面をなしているときは、その平面、すなわち、先端を向く平面となる。また、凹面部の後端が、すくい面側から見たとき、横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダの先後方向に直角でない平面をなしているときは、その平面となり、この平面は、すくい面側から見ると、横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダの先後方向に対し、傾斜したものとなる。さらに、凹面部の後端を含む後端寄り部位が、すくい面側から見たときにおいて、凹となす円弧状の線又は曲線をなしているときは、その曲線を含む面となる。
請求項2に記載の本発明のように噴出口を設ける場合には、そこから噴出されるクーラントによって、切り屑をすくい面から浮かす方への外力の付与となるから、切り屑が横送りを伴う外径加工用切削工具に絡みつくのを防止する作用効果が得られる。一方、請求項3に記載の本発明のように噴出口を複数設けるとよい。なお、チップ座に、切削チップを固定して横送りを伴う外径加工用切削工具とする場合には、請求項4に記載のように、すくい面側から見たとき、切削チップ、すなわち、その切れ刃が、該横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダにおける前記後方部位における横逃げ面に沿って引いた仮想直線より突出することなく固定するのがよい。
本発明の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダを具体化した実施の形態例1の斜視図、及びその要部拡大図。 図1の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダをすくい面側から見た図、及びその要部拡大図。 図1の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダを、横逃げ面側から見た図、及びその要部拡大図。 図1の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダを先端から見た拡大図。 図1の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダのチップ座に切削チップを固定してなる切削工具の先端部位(要部)拡大斜視図。 図5の横送りを伴う外径加工用切削工具で、チャックの近傍において被削物を切削しているときの、バイトホルダの横逃げ面、及び切削工具の切れ刃と、チャックの先端との位置関係を説明する、すくい面側から見た要部拡大図。 図6を横逃げ面側から見た図。 図6を横送りを伴う外径加工用切削工具の先端から見た図。 噴出口を開口させる凹面部の後方における先端向き面の別例を説明するすくい面側から見た横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダの要部拡大図。 本発明の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ及び横送りを伴う外径加工用切削工具を具体化した別例の要部の拡大斜視図。 本発明の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ及び横送りを伴う外径加工用切削工具を具体化した別例の要部の拡大斜視図。 図11の横送りを伴う外径加工用切削工具をすくい面側から見た図。 本発明の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ及び横送りを伴う外径加工用切削工具を具体化した別例の要部の拡大斜視図。 Aは図13の横送りを伴う外径加工用切削工具を横逃げ面側から見た図、Bは図13の横送りを伴う外径加工用切削工具をすくい面側から見た図。
本発明の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダを具体化した実施の形態例について、図1〜図4に基づいて詳細に説明する。図中、100は、バイト用ホルダであり、一定の矩形(長方形)横断面で先後に延びる棒材(四角棒材)を基材(ベース)として形成されており、その先端部位102の上面105(すくい面と同向き面。以下、すくい面ともいう)において、切削チップ(図5参照。本例では、2コーナを有するひし形チップ。以下、切削チップ200ともいう)を着座させてネジ込み方式で固定(以下、ネジ止め)するためのチップ座110が凹設されている。ただし、このバイト用ホルダ100は、その横逃げ面120側のうち、先端から後端に向かう所定の範囲L1(図2の拡大図参照)の横逃げ面120aが、範囲L1より後方部位122の横逃げ面120b(以下、基準面とも言う)より、その先後において凹む凹面部123をなしている。この凹面部123のうち、これをすくい面105側から見た輪郭、すなわち、詳細は後述するが、チップ座110における横逃げ面側の端縁は、その先端を含む先端寄り部位が、固定される切削チップ(ひし形チップ)200の一辺をなす横逃げ面210形状(切れ刃215の形状)に沿うものとされている(図2参照)。このため、本例では、切削チップ200をなすひし形チップを、その先端において切削を担う鋭角コーナーが、ホルダ100の横逃げ面120側に適量突出するように、すくい面105側から見たとき、この凹面部123は後方に行くに従ってその凹み量が大きなるレーキ角(バックレーキ)が3度程度付けられており、先端から後方に向かう所定範囲が直線をなしている。
これにより、横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ100は、この凹面部123をすくい面105側から見たとき、その凹面部123の形成領域L1であるホルダ100の先端部位102の幅寸法は、その後方部位122よりも小さくなっている。ただし、この凹面部123のうちの、後端寄り部位は、すくい面105側から見て凹となす円弧状の円弧面部125をなしており、この円弧面部125を介し、これに続く後方部位122の横逃げ面120bが、相対的に幅広をなしている。なお、この円弧面部125のうち、チップ座(座面)110に相当する高さ部位には、詳細は後述するが、クーラントの噴出口(穴)150が開口されている。この噴出口150は、このホルダ100内にトンネル状に設けられたクーラント供給用の流路内を圧送されるクーラントが、チップ座110に固定される切削チップ200の横逃げ面210側において、切れ刃215又はその先端(刃先コーナー)217に向けて供給され得るように形成されている。
一方、本例においてチップ座110は、横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ100の先後領域のうち、上記凹面部123の形成されている先後領域L1内において形成されている。本例では、このチップ座110は、この凹面部123の形成されている先後領域L1において、横逃げ面120側と、先端103側を開放する形で、平面視(すくい面側から見たとき)、略ひし形となるように凹設されている。この凹設により、チップ座110はすくい面105側から見て、バイト用ホルダ100が先後に延びる方向に対し、先端側が横逃げ面120側を向くように、3度程度傾斜して設けられた背面側(横逃げ面120側と反対側)拘束壁113と、これと鋭角で交差し、斜め先端を向く先端向き拘束壁面115とで、ひし形チップの2辺を拘束するように形成されている。このチップ座(座面)110は、横逃げ面120側を向いて開放された凹面部123側縁、及び先端103側縁とを端縁とするひし形の平面をなしている。なお、この各拘束壁面113,115のチップ座110からの高さ(壁高さ)は、固定される切削チップ200の厚みと略同じか、それより微量小さく設定されている。ただし、本例では固定される切削チップ200がポジタイプのものであるため、その逃げ面を実際に拘束する各壁面は、上方が広がる傾斜壁とされている。また、先端向き拘束壁面115のうち、横逃げ面120側端縁は、すくい面105側から見たとき、円弧面部125よりも先端側103に位置するように形成されている。なお、チップ座110は、その略中央に、切削チップ200(穴付きチップ)を止ネジ250で固定するためのネジ穴111を有している。また、すくい面105側から見て、この両拘束壁面113,115の交差部には、ひし形チップ200の鋭角コーナーを逃がすための凹部(逃げ)116が設けられている。
このような本例の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ100においては、図5に示したように、チップ座110に、ひし形の切削チップ200を着座させて、止ネジ250によってネジ止めしたとき、バイト用ホルダ100の先端103において、チップ座110から先方に突出する切れ刃コーナ(刃先)217が、ホルダ100の凹面部123より適量T1、ホルダ100の横逃げ面120側に突出するように設定されている(図2の拡大図参照)。ただし、この切れ刃コーナー217におけるホルダ100の横逃げ面120側への突出量T1は、すくい面側から見たとき、凹面部123の領域内とされる。すなわち、この切れ刃コーナー217は、すくい面105側から見たとき、バイト用ホルダ100における凹面部123の後方部位122の横逃げ面(基準面)120bに沿って引いた直線(仮想直線)L2より外方に突出しないように設定されている。
さて、本例の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ100においては、上記もしたように、凹面部123における後端又は後端寄り部位に位置して先端向き面をなすところの円弧面部(本発明における先端向き面)125のうち、チップ座110(座面の平面)に相当する高さ部位に、クーラントの噴出口(穴)150が開口されている。この噴出口150は、横断面が円形のノズル状の穴152の先端である。そして、このノズル状の穴152は、すくい面105側から見たとき(図2参照)、その軸線(穴の軸線)が、チップ座110に固定される切削チップ200における横逃げ面210の先端(切れ刃コーナー217寄り部位)近傍を、切削チップ200の横逃げ面210側において通るようにされている(図2の拡大図、図6参照)。このすくい面105側から見たこの軸線は、本例ではホルダ100の先後方向に向かう線(例えば、仮想直線L2)に平行に設けられているが、これは、すくい面側から見たときの噴出口150の位置と、チップ座110に固定される切削チップ200のうち、切削を担う横逃げ面210の先端(切れ刃コーナー217)との位置関係で、適宜の傾斜角をつけてもよい。そして、切削チップ200における横逃げ面210側から見たときの(図3参照)、そのノズル状の穴152の軸線は、その切削チップ200のうち、切削を担う切れ刃215の先端(切れ刃コーナー217)のすくい面220寄り部位に向かうように上向きに傾斜する直線をなしている。これは、本例では噴出口150をチップ座110と同位(同じ高さ)としたためであるが、これが例えば、切削チップ200のすくい面220と同高さ位置において開口されている場合には、ホルダ100のすくい面に平行となるようにすればよい。また、切削チップ200のすくい面220より上方において開口するものとしてもよいが、その場合には、そのノズル状の穴152の軸線が、上記したのと逆に、切削チップ200のうち、切削を担う切れ刃215の先端の切れ刃コーナー217におけるすくい面220寄り部位に向かうように下向きに傾斜する直線となる。
一方、この噴出口150からクーラントを噴出させるための流路は、次のように形成されている(図2〜図4参照)。すなわち、本例では、横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ100の後端面107から先端103に向けて、ホルダ100の先後方向に延びる軸を中心軸として、ホルダ100内にトンネル状にクーラント供給用の主流路154が形成されている。この主流路154は、チップ座110の後方においてその先端が閉塞された止まり穴をなしており、その先端寄り部位において、前記した噴出口150の開口に連なるノズル状の穴152に連通するように、横向きに、本例では横逃げ面120と反対側の面128から穿孔された止まり穴からなる枝流路153が形成されている。これにより、本例のホルダ100では、外部から主流路154に圧送されるクーラントは、図2の拡大図中に矢印で示したように、枝流路153、ノズル状の穴152を通過して、噴出口150から上記した軸線方向にジェット流状に噴出される。なお、本例では、クーラント配管接続口(配管接続ネジ部)155が、バイト用ホルダ100の後端面107と、後端寄りの横逃げ面120側と反対側の一側面128にも、互いに連通するように設けられており、その接続口が選択できるように設定されており、使用されない接続口にはプラグをねじ込むことで閉塞すればよい。なお、枝流路153の開口端も、図示はしないが、例えばプラグがねじ込まれて閉塞される。
しかして、上記した本例の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ100によれば、これのチップ座110に上記したように、所定の切削チップ200をねじ込み方式により固定することで、図5、図6等に示したような横送りを伴う外径加工用切削工具300となる。そして、この切削工具300を旋盤の刃物台Hdに固定して、例えば、チャックCkに保持(固定)された被削物(丸棒)Wの外径加工をする場合においては、クーラント配管接続口155に所定の配管を接続してクーラントを圧送することにより、これをジェット流状態で、上記したところの切削箇所に供給することができる。すなわち、本例では、バイト用ホルダ100における円弧面部125のなす先端向き面(先端向き面125ともいう)に、上記したようにクーラントの噴出口150を備えているから、その切削過程では、その切削を受け持つ切れ刃215における切れ刃コーナー217に向けて横逃げ面120側から所望とする形態でクーラントを供給することができる。これにより、切れ刃(刃先)215と被削物Wと間の潤滑、及びその両者の冷却ができるのみならず、その設定された噴出方向により、発生する切り屑を切削部位から引き離す作用が得られるため、効果的な切り屑の処理性能が得られる。なお、図7に示したように、クーラントは、すくい面220側に向けて斜め上向きに噴出するとともに、図8に示したように、切削チップ200のすくい面220の下においてポジをなす逃げ面210と、被削物Wとの隙間に供給される。
そして、本例の横送りを伴う外径加工用切削工具300において重要なのは、その噴出口150が、従来の切削工具のように、横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダの横逃げ面側において設けられた突出部やアダプタ等の凸部に設けられているのではなく、これとは全く逆に、そのような凸部を設けることなく、ホルダ100の先端部位102の横逃げ面120側に設けられた凹面部123における後方の先端向き面をなす円弧面部125において開口されている点にあることである。すなわち、本例の切削工具300は、従来の切削工具のようにホルダの横逃げ面側に出っ張る形で設けられた、噴出口形成のための凸部がない。このため、本例の切削工具300を用いることによる旋削においては、図6に示したように、旋盤におけるチャック(又はスピンドルヘッド)Ckに、バイト用ホルダ100の基準面120bを、従来の切削工具の場合よりも凸部がない分、近づけることができる。これにより、被削物Wの加工が、チャックCkにより近い位置において行うことができるため、小径丸棒の加工においてもブレ等による問題もなく、効率的かつ高精度の加工を行うことができる。すなわち、自動材料送り出し装置を備えた自動旋盤による加工のように、横送りを伴う外径加工用切削工具が、縦送り(切り込み方向の送り)のみなされる場合においては、他の切削工具も櫛歯状の配置で同じ刃物台に固定されるため、その効果は他の切削工具にも及ぶから、著しい効果が得られる。
上記例の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ100においては、凹面部123の後端において先端を向く先端向き面が円弧面部125である。一方、本願発明では、上記したことからも明らかであるが、凹面部123における「先端向き面」は、クーラントをホルダ100の先方に向けて噴出させ得る噴出口150を開口させ得る面(部位)であればよい。したがって、上記もしたが、図9に示したように、この先端向き面125は、ホルダ100の先後方向に延びる直線(120b)と垂直な平面として形成することもできるが、上記例におけるような円弧面部125とすることにより、バイト用ホルダ100の強度低下の防止が図られるため、ビビリの発生防止にも有効である。
なお、横逃げ面120側から見たときの形状の凹面部123は、使用する切削チップ200や加工条件等に応じて適宜に変更すれば良い。上記例では、凹面部123における「先端向き面125」を、横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ100のすくい面105からその反対向き面に向けて、ホルダ100の先後方向に延びる直線(120b)と垂直となるものとしたが(図3、図7参照)、加工対象である被削物の外径が小さいものに限定されるような加工条件で使用されるような場合には、図7中、2点鎖線で示したように、先端向き面125を円弧状に、その反対向き面において先端側に向かうように形成してもよい。
また、上記例では、噴出口150を1つ設けた場合の実施例を示したが、図10に示したように、この噴出口は、上下に複数も受けることとしてもよい。ただし、図10に示した横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ400は、そのすくい面105に隆起状をなす凸部410を設けており、凹面部123が、この凸部410の先端向き面125においても上下に連なっており、凹面部123におけるすくい面105側から見たとき形状は図2と同形状のものである。本例では、この先端向き面125に、上下に3箇所の噴出口150a、150b、150cが形成されている点など、上記例とはクーラントの噴出口に関する点のみが相違するだけであり、バイト用ホルダ400の横逃げ面120に凸部がないことによる上記した効果についての相違はない。したがって、噴出口についての相違点のみ説明し、同一部位又はそれに対応する部位には同一の符号を付し、その説明を省略する。以下、他の例でも同様とする。
すなわち、本例では、凹面部123に、前記したように形成された先端向き面125のうち、上記例におけるのと同高さであるチップ座110と略同位に、中間の噴出口150aが開口されている。そして、この噴出口150aの下と、上とに、それぞれに、下の噴出口150bと、上の噴出口150cとがそれぞれ開口されている。いずれの噴出口も、クーラントの噴出方向を決めるその後方に続くノズル状の穴152は、その軸線(穴の軸線)が、チップ座110に固定される切削チップ200における切れ刃215又はその先端(刃先コーナー)217に向けて横逃げ面210側において延びており、この各軸線に沿ってそれぞれクーラントが供給されるように形成されている。なお、上の噴出口150cは、その中心が、切削チップ200のすくい面220と略同高さに設定されている。しかして、本例では、このように各噴出口の中心を位置させていることから、そのそれぞれの噴出口から切削を担う切れ刃215の横逃げ面120側において切れ刃コーナ217に向けてクーラントが供給され、多角的な方向からクーラントを切削箇所に集中して供給することができる。
なお、本例のように、噴出口を上下に複数設ける場合には、横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ400におけるすくい面105側から底面に向けて、又はその逆に、各噴出口のノズル状の穴152に連通する縦穴159をあけて、その縦穴159の端にプラグをねじ込む等により閉塞すればよい。図10では、バイト用ホルダ400のすくい面105側において隆起する凸部410を設け、これを含めて凹面部123を形成した場合で説明したが、噴出口を複数設けるとしても、このような凸部410を設けることなく、図1のホルダ100においても、上下に複数の噴出口を設けることもできる。
また、前例のように隆起する凸部410を設ける場合には、図11、図12に示したように、その隆起部410の先端面412にも、別途、クーラントの噴出口160を設けることもできる。すなわち、図11、図12に別例として示した横送りを伴う外径加工用切削工具600におけるようにように、前記した図10の横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ400において、隆起する凸部410のうちの先端面412に対し、別の噴出口160を設けることもできる。このようにすることで、この噴出口160から切削チップ200のすくい面220側において、切れ刃215の先端(刃先コーナー)217に向けて斜め下向きに、ジェット流状にクーラントが噴出される。この図11、図12における別の噴出口160は、ホルダ400のすくい面105より上方(上位)であって、すくい面105側から見たとき(図12参照)、ホルダ400の横逃げ面120及び凹面部123より内側(図12の上側)に入り込んだ位置において開口されている。そして、この噴出口160は、噴出されるクーラントが、図11、図12中、2点鎖線S4で示したように、切削チップ200のすくい面220の上を飛び越えるようにして、切れ刃215の先端(刃先コーナー)217に向けて、斜め下向きに吹付けられて供給され得るように形成されている。
しかして、本例では、切削中、凹面部123における後方の先端向き面をなす円弧面部(先端向き面)125に対し、図10に示した横送りを伴う外径加工用切削工具500におけるように、上下に3箇所設けた噴出口150a、150b、150cのそれぞれから、切削チップ200の横逃げ面210側において切れ刃215の先端(刃先コーナー)217に向けて、図11中、2点鎖線S1、S2、S3で示したように噴出されるクーラントに加えて、2点鎖線S4で示したように、すくい面220の上を飛び越えるようにして切れ刃215の先端(刃先コーナー)217に向けてもクーラントが供給されるものであり、切り屑の一層好ましい処理作用が得られる。なお、別途設けた噴出口160は、クーラントが2点鎖線S4の方向に噴出されるように、それに続くノズル状の穴162を設け、それが、縦穴159に連通するように形成しておけばよい。
なお、前例のように、凸部410の形成によりその先端面412に噴出口160を開口させて、クーラントを、すくい面220の上を飛び越えて切れ刃215の先端(刃先コーナー)217に向けて供給する場合でも、図13、図14に示した横送りを伴う外径加工用切削工具700のように、切削チップ200の横逃げ面210側において切れ刃215の先端(刃先コーナー)217に向けてクーラントを供給するように先端向き面125に開口する噴出口150は、図1〜図4に示した実施形態のものと同様に、1か所、すなわち、図10、図11中に示された中間高さにある噴出口150aに対応する部位のもののみとしてもよいし、そのうちのいずれか、又は適宜に選択した2か所としてもよい。なお、図13では、凸部410は、その先後方向の寸法を図11のものより短くしている。このように凸部410は、所望とする方向のクーラントの噴出ができる噴出口160、及びそれに連なるノズル状の穴162が設けられるように適宜に形成すればよい。因みに、図13、図14に示したように、凹面部123の先端向き面125に設ける噴出口150を、図10、図11における中間高さにある噴出口150aのみとする場合には、上記例におけるように、枝流路153に、噴出口150に連なるノズル状の穴152を連通させ、凸部410の先端面412に設ける噴出口160に連なるノズル状の穴162は、上記例におけ主流路154を先端側に向けて延し、その先端において縦穴159を上向きに延ばして設け、これに連通するように設ければよい。クーラントが通過するノズル状の各穴等の流路は、主流路154を圧送されるクーラントが、各噴出口から噴出されるように、ホルダ400内において適宜に連通するように形成し、不要な開口は、図示はしないが、ねじ込み式の栓等により塞ぐ(プラグする)こととすればよい。
上記例では、横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダは、ひし形チップからなる切削チップを固定するものとして具体化したが、当然のことながら、三角等その他の多角形の切削チップを用いるものにも本発明は適用できる。また、その固定にネジ止方式のクランプ手段を用いた切削工具として具体化したが、これについても、例えば、別途の押さえ金で押さえつけるクランプ方式の切削工具においても具体化できる。なお、本発明における横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダにおける凹面部の基準面からの凹み寸法(引下り幅L2)は、その後方に噴出口を設け得る先端向き面が形成でき、かつ、固定する切削チップの切れ刃コーナにおける横逃げ面側への突出量や、その他の加工条件に応じて適宜に設定すればよい。ただし、好ましくは、切削チップを固定した際において、すくい面側から見たとき、切削を担う切れ刃コーナが、基準面から外方(横逃げ面側)に突出せず、しかも、クーラントを切削を担う切れ刃に横逃げ面側において噴出できるように設定する。なお、クーラントの噴出口及びこれに連なる流路は、横断面が円形穴でなくもよいなど、その形状、数に制限はない。したがって、噴出口は、上下に延びるスリット状のものとして開口させてもよいなど、適宜の形状のものとして具体化できる。
100、400 横送りを伴う外径加工用バイト用ホルダ
102 ホルダの先端部位
103 ホルダの先端
105 ホルダのすくい面
110 チップ座
120 ホルダの横逃げ面
122 所定の範囲より後方部位
123 凹面部
125 凹面部における先端向き面(円弧面部)
150、150a,150b,150c 噴出口
200 切削チップ
210 切削チップの横逃げ面
215 切削チップの切れ刃
220 切削チップのすくい面
300,500,600,700 横送りを伴う外径加工用切削工具
L1 先端から後端に向かう所定の範囲
L2 ホルダにおける後方部位における横逃げ面に沿って引いた仮想直線

Claims (4)

  1. 自身の先端部位に切削チップを固定するためのチップ座を備え、そのチップ座に固定される切削チップの切れ刃に向けて、該切削チップの横逃げ面側からクーラントを供給し得るように開口された噴出口が、自身の横逃げ面側に設けられてなるバイト用ホルダにおいて、
    自身の先端部位の横逃げ面のうち、先端から後端に向かう所定の範囲に、それより後方部位の横逃げ面に対して相対的に凹む形で凹面部が形成され、前記噴出口を、この凹面部における先端向き面に設けたことを特徴とするバイト用ホルダ。
  2. 前記噴出口は、前記チップ座に切削チップが固定されたとき、そのすくい面より低位に位置し、かつ、斜め上向きにクーラントを噴出させるように開口されていることを特徴とする請求項1に記載のバイト用ホルダ。
  3. 前記噴出口は、上下方向に複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のバイト用ホルダ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイト用ホルダにおけるチップ座に、切削チップを、すくい面側から見たとき、該バイト用ホルダにおける前記後方部位における横逃げ面に沿って引いた仮想直線より突出することなく固定してなることを特徴とする切削工具。
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