JPWO2015029608A1 - エレクトロルミネッセンス装置、及びその製造方法 - Google Patents

エレクトロルミネッセンス装置、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

有機EL素子(エレクトロルミネッセンス素子)(4)を具備した有機EL表示装置(エレクトロルミネッセンス装置)(1)において、有機EL素子(4)を封止する封止膜(14)を備え、封止膜(14)には、第1の無機層(14a)、第1の有機層(14b)、第2の無機層(14c)、第2の有機層(14d)、及び第3の無機層(最上層の無機層)(14e)が順次設けられている。また、第1及び第2の各有機層(14b、14d)では、その端部(14b2、14d2)での膜厚がその中央部(14b1、14d1)での膜厚から漸減するように形成されている。また、第3の無機層(14e)は、第1の無機層(14a)、第1の有機層(14b)、第2の無機層(14c)、及び第2の有機層(14d)の各端部を覆うように設けられている。

Description

本発明は、EL(エレクトロルミネッセンス)素子を有するエレクトロルミネッセンス装置、及びその製造方法に関する。
近年、様々な商品や分野でフラットパネルディスプレイが活用されており、フラットパネルディスプレイのさらなる大型化、高画質化、低消費電力化が求められている。
そのような状況下、有機材料の電界発光(Electro Luminescence)を利用した有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を備えた有機EL表示装置は、全固体型で、低電圧駆動可能、高速応答性、自発光性等の点で優れたフラットパネルディスプレイとして、高い注目を浴びている。
例えばアクティブマトリクス方式の有機EL表示装置では、TFT(薄膜トランジスタ)が設けられた基板上に薄膜状の有機EL素子が設けられている。有機EL素子では、一対の電極の間に発光層を含む有機EL層が積層されている。一対の電極の一方にTFTが接続されている。そして、一対の電極間に電圧を印加して発光層を発光させることにより画像表示が行われる。
また、上記のような従来の有機EL表示装置では、水分や酸素による有機EL素子の劣化を防止するために、当該有機EL素子上に封止膜を形成することが知られている。また、このような従来の有機EL表示装置では、上記封止膜として、無機層と有機層とを積層した積層膜を用いることが提案されている。
具体的にいえば、上記のような従来の有機EL表示装置では、例えば下記特許文献1に記載されているように、当該有機EL表示装置の中央部からエッジ部に行くほど密度及び厚さが増大する封止膜を設けることが提案されている。そして、この従来の有機EL表示装置では、側面方向の水分や酸素の浸透を防止可能されていた。
また、従来の有機EL表示装置には、例えば下記特許文献2に記載されているように、有機層と無機層を交互に積層した封止膜を設けるとともに、当該封止膜において、最上層の有機層以外の各有機層が無機層よりも狭い領域に形成することが提案されていた。すなわち、この従来の有機EL表示装置においては、封止ガラス基板に密着される、上記最上層の有機層以外の各有機層では、その端部が外部に露出しないように、互いに積層された2つの無機層によって覆われていた。そして、この従来の有機EL表示装置では、露出による有機層の劣化を防止可能とされていた。
特開2011−124213号公報 特開2009−37812号公報
しかしながら、上記のような従来の有機EL表示装置(エレクトロルミネッセンス装置)では、水分が浸透するのを確実に抑制することができず、有機EL素子(エレクトロルミネッセンス素子)の劣化を防ぐことができずに、信頼性が大幅に低下するという問題点があった。
具体的にいえば、上記特許文献1に記載の従来の有機EL表示装置では、有機層が露出するように設けられていたので、当該有機層の密度や厚さを増大したとしても、水分や酸素が浸透するのを確実に抑制することができなかった。また、この従来の有機EL表示装置では、無機層の膜厚が端部で漸減するように設けられていたので、当該無機層にピンホールなどの欠陥が生じていた場合、この欠陥や有機層を介して容易に水分等が浸透することがあった。
また、上記特許文献2に記載の従来の有機EL表示装置では、複数の無機層が互いに直接接触して積層されていたので、積層部分での膜応力が高くなり、その応力により、無機層が互いに剥離したり、無機層が基板から剥離したりするという問題を生じることがあった。この結果、この従来の有機EL表示装置では、有機層を介して水分等が浸透して、有機EL表示装置の信頼性が大幅に低下した。
上記の課題を鑑み、本発明は、水分が浸透することを確実に抑制しつつ、信頼性に優れたエレクトロルミネッセンス装置、及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明にかかるエレクトロルミネッセンス装置は、基板と、前記基板上に設けられたエレクトロルミネッセンス素子を備えたエレクトロルミネッセンス装置であって、
前記エレクトロルミネッセンス素子を封止する封止膜を備え、
前記封止膜には、2層以上の有機層及び2層以上の無機層が設けられるとともに、
前記封止膜では、前記有機層と前記無機層とが交互に設けられ、
前記2層以上の各有機層では、その端部での膜厚が漸減するように形成され、
前記封止膜では、その最上層に前記無機層が設けられるとともに、当該最上層の無機層は下層の前記有機層の端部及び下層の前記無機層の端部を覆うように設けられていることを特徴とするものである。
上記のように構成されたエレクトロルミネッセンス装置では、上記封止膜において、2層以上の有機層及び2層以上の無機層が設けられるとともに、これら有機層と無機層とは交互に設けられている。また、2層以上の各有機層では、その端部での膜厚が漸減するように形成されている。また、封止膜では、その最上層に無機層が設けられるとともに、当該最上層の無機層は下層の有機層の端部及び下層の無機層の端部を覆うように設けられている。これにより、上記従来例と異なり、水分が浸透することを確実に抑制しつつ、信頼性に優れたエレクトロルミネッセンス装置を構成することができる。
また、上記エレクトロルミネッセンス装置において、前記2層以上の各無機層では、その端部での膜厚が漸減しないように形成されていることが好ましい。
この場合、エレクトロルミネッセンス素子に対する封止膜の封止性を容易に向上することができる。
また、上記エレクトロルミネッセンス装置において、前記2層以上の各有機層では、その膜厚が漸減している漸減領域は前記基板上の前記エレクトロルミネッセンス素子の外側領域に設けられていることが好ましい。
この場合、封止膜の信頼性、ひいてはエレクトロルミネッセンス装置の信頼性が低下するのを確実に防ぐことができるとともに、エレクトロルミネッセンス装置の性能の低下も防ぐことができる。
また、上記エレクトロルミネッセンス装置において、前記2層以上の各有機層では、その前記エレクトロルミネッセンス素子上の部分での膜厚が実質的に均一となるように形成されていることが好ましい。
この場合、エレクトロルミネッセンス素子に対する封止膜の封止性を容易に向上することができるとともに、エレクトロルミネッセンス装置の性能の低下も防ぐことができる。
また、上記エレクトロルミネッセンス装置において、前記エレクトロルミネッセンス素子側で、前記基板に対向する対向基板と、
前記基板と前記対向基板との間で、前記エレクトロルミネッセンス素子を封入する枠状のシール材を備えていることが好ましい。
この場合、エレクトロルミネッセンス素子の劣化をより確実に防止することができる。
また、本発明のエレクトロルミネッセンス装置の製造方法では、基板と、前記基板上に設けられたエレクトロルミネッセンス素子を備えたエレクトロルミネッセンス装置の製造方法であって、
前記エレクトロルミネッセンス素子上、または前記エレクトロルミネッセンス素子を封止した最下層の無機層上に、端部での膜厚が漸減した第1の有機層を形成する工程と、
前記第1の有機層上に中間層の無機層を形成する工程と、
前記中間層の無機層上に、端部での膜厚が漸減した第2の有機層を形成する工程と、
前記無機層の端部と前記第1及び第2の有機層の各端部を覆うように、最上層の無機層を形成する工程とを具備していることを特徴とするものである。
上記のように構成されたエレクトロルミネッセンス装置の製造方法では、エレクトロルミネッセンス素子上、またはエレクトロルミネッセンス素子を封止した最下層の無機層上に、端部での膜厚が漸減した第1の有機層を形成する工程が設けられている。また、第1の有機層上に中間層の無機層を形成する工程、中間層の無機層上に、端部での膜厚が漸減した第2の有機層を形成する工程、及び無機層の端部と第1及び第2の有機層の各端部を覆うように、最上層の無機層を形成する工程が順次行われる。これにより、上記従来例と異なり、水分が浸透することを確実に抑制しつつ、信頼性に優れたエレクトロルミネッセンス装置を構成することができる。
また、上記エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、前記無機層は、CVD法またはALD法を用いて、形成されてもよい。
この場合、無機層を精度よく、かつ、容易に形成することができる。
また、上記エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、前記第1及び第2の有機層のうち、少なくとも前記第2の有機層は、蒸着法またはスパッタ法を用いて、形成されてもよい。
この場合、少なくとも第2の有機層を精度よく、かつ、容易に形成することができる。
また、上記エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、前記エレクトロルミネッセンス素子上に形成された前記第1の有機層は、ウェット法を用いて、形成されてもよい。
この場合、第1の有機層を精度よく、かつ、容易でコスト安価に形成することができる。
また、上記エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、前記最上層の無機層以外の前記無機層、及び前記第1及び第2の有機層を形成する工程では、逆テーパ状のマスクが用いられていることが好ましい。
この場合、製造工程の簡略化及び製造時間の短縮化を図ることができる。
本発明によれば、水分が浸透することを確実に抑制しつつ、信頼性に優れたエレクトロルミネッセンス装置、及びその製造方法を提供することが可能となる。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる有機EL表示装置を説明する断面図である。 図2は、図1に示した封止膜の具体的な構成を説明する断面図である。 図3は、上記封止膜の端部を示す拡大断面図である。 図4は、上記有機EL表示装置の上面図である。 図5は、上記有機EL表示装置の製造工程に用いられるマスクを説明する図であり、図5(a)は最上層の無機層以外の無機層及び有機層の形成工程に用いられる第1のマスクを示す平面図であり、図5(b)は最上層の無機層の形成工程に用いられる第2のマスクを示す平面図である。 図6は、上記有機EL表示装置の主な製造工程を説明する図であり、図6(a)〜図6(b)は、一連の主な製造工程を説明している。 図7は、上記有機EL表示装置の主な製造工程を説明する図であり、図7(a)〜図7(b)は、図6(b)に示した工程の続いて行われる一連の主な製造工程を説明している。 図8は、上記封止膜の具体的な効果を説明する図であり、図8(a)は第1の比較例での具体的な問題点を説明する図であり、図8(b)は第2の比較例での具体的な問題点を説明する図であり、図8(c)は上記封止膜の具体的な効果を説明する図である。 図9は、本発明の第2の実施形態にかかる有機EL表示装置での封止膜の具体的な構成を説明する断面図である。 図10は、図9に示した封止膜の端部を示す拡大断面図である。 図11は、図9に示した有機EL表示装置の主な製造工程を説明する図であり、図11(a)〜図11(b)は、一連の主な製造工程を説明している。 図12は、図9に示した有機EL表示装置の主な製造工程を説明する図であり、図12(a)〜図12(b)は、図11(b)に示した工程の続いて行われる一連の主な製造工程を説明している。 図13は、図9に示した封止膜の具体的な効果を説明する図であり、図13(a)は第3の比較例での具体的な問題点を説明する図であり、図13(b)は第4の比較例での具体的な問題点を説明する図であり、図13(c)は図9に示した封止膜の具体的な効果を説明する図である。 図14は、本発明の第3の実施形態にかかる有機EL表示装置を説明する断面図である。
以下、本発明のエレクトロルミネッセンス装置、及びその製造方法を示す好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、本発明を有機EL表示装置に適用した場合を例示して説明する。また、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる有機EL表示装置を説明する断面図である。図1において、本実施形態の有機EL表示装置1は、基板としてのTFT基板2、及びこのTFT基板2上に設けられたエレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence)素子としての有機EL素子4を備えている。
また、本実施形態の有機EL表示装置1では、有機EL素子4が複数の画素を有する矩形状の画素領域Aを構成しており、この有機EL素子4は封止膜14によって封止されている。また、上記画素領域Aは、有機EL表示装置1の表示部を構成しており、情報表示を行うようになっている。
図1に戻って、TFT基板2は、例えばガラス材により、構成されている。また、TFT基板2には、その全面を覆うように下地膜(絶縁膜)6が設けられており、この下地膜6上には、TFT(薄膜トランジスタ)7が画素領域Aの画素毎に設けられている。また、下地膜6上には、マトリクス状に設けられた複数のソース線(信号線)及び複数のゲート線を含んだ配線8が形成されている。ソース線及びゲート線には、それぞれソースドライバ及びゲートドライバが接続されており(図示せず)、外部から入力された画像信号に応じて、画素毎のTFT7を駆動するようになっている。また、TFT7は、対応する画素の発光を制御するスイッチング素子として機能ものであり、有機EL素子4によって構成された赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)のいずれかの色の画素での発光を制御するようになっている。
なお、下地膜6は、TFT基板2からTFT7への不純物拡散によりTFT7の特性が劣化するのを防止するためのものであり、そのような劣化が懸念されないのであれば、設置を省略することができる。
また、TFT基板2上には、層間絶縁膜9、エッジカバー10、及び有機EL素子4の第一電極11が形成されている。層間絶縁膜9は、平坦化膜としても機能するものであり、TFT7及び配線8を覆うように下地膜6上に設けられている。エッジカバー10は、層間絶縁膜9上に、第一電極11のパターン端部を被覆するように形成されている。また、エッジカバー10は、第一電極11と後述の第二電極13との短絡を防止するための絶縁層としても機能するようになっている。また、第一電極11は、層間絶縁膜9に形成されたコンタクトホールを介してTFT7に接続されている。
また、エッジカバー10の開口部、つまり第一電極11が露出した部分が、有機EL素子4の発光領域を実質的に構成しており、上述したように、RGBのいずれかの色光を発光して、フルカラー表示が行えるように、本実施形態の有機EL表示装置1は構成されている。
また、第一電極11上には、有機EL層12及び第二電極13が形成されており、これらの第一電極11、有機EL層12、及び第二電極13により、有機EL素子4が構成されている。すなわち、有機EL素子4は、例えば低電圧直流駆動による高輝度発光が可能な発光素子であり、第一電極11、有機EL層12、及び第二電極13を備えている。
具体的にいえば、第一電極11が陽極である場合、第一電極11側より、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等が有機EL層12として積層され(図示せず)、さらに陰極としての第二電極13が形成される。また、この説明以外に、正孔注入層兼正孔輸送層などのように、単一の層が2つ以上の機能を有する構成でもよい。また、有機EL層12において、キャリアブロッキング層などを適宜挿入してもよい。
一方、第二電極13が陽極である場合には、有機EL層12での層順が上述のものと逆転したものとなる。
また、第一電極11を透過電極あるいは半透過電極にて構成し、第二電極13を反射電極にて構成した場合、有機EL表示装置1はTFT基板2側から光出射するボトムエミッション型となる。逆に、第一電極11を反射電極にて構成し、第二電極13を透過電極あるいは半透過電極にて構成した場合、有機EL表示装置1は封止膜14から光出射するトップエミッション型となる。
また、本実施形態の有機EL表示装置1では、上述したように、有機EL素子4は封止膜14によって封止されており、封止膜14によって、水分や酸素などが外部から浸透(浸入)するのを防いで、有機EL素子4の劣化するのを防止するように構成されている。
ここで、図2乃至図4も参照して、本実施形態の封止膜14について具体的に説明する。
図2は、図1に示した封止膜の具体的な構成を説明する断面図である。図3は、上記封止膜の端部を示す拡大断面図である。図4は、上記有機EL表示装置の上面図である。
図2に示すように、本実施形態の封止膜14には、例えば合計5層の無機層及び有機層が含まれており、これら無機層及び有機層は交互に設けられている。すなわち、本実施形態の封止膜14には、第1の無機層14aが有機EL素子4を覆うように設けられている。また、第1の有機層14bが、第1の無機層14a上に設けられ、第2の無機層14cが、第1の有機層14b上に設けられている。さらに、第2の有機層14dが、第2の無機層14c上に設けられ、第3の無機層14eが、第2の有機層14d上に設けられている。
また、封止膜14では、最上層の無機層である、第3の無機層14eが下層の第1及び第2の無機層14a及び14cの各端部と下層の第1及び第2の有機層14b及び14dの各端部を覆うように設けられている。すなわち、封止膜14では、第3の無機層14eの内面が第1及び第2の無機層14a及び14cの各端面と第1及び第2の有機層14b及び14dの各端面と接するように構成されている。
また、第1〜第3の各無機層14a、14c、及び14eでは、その端部での膜厚が漸減しないように形成されている。すなわち、第1〜第3の各無機層14a、14c、及び14eでは、その端部での膜厚と有機EL素子4上の部分(つまり、画素領域Aの部分、以下、中央部という)での膜厚とが実質的に同一となるように形成されている。
具体的にいえば、図3においては、有機EL素子4の厚みの影響を簡略して記載しているが、第1の無機層14aでは、下地の段差に追従して形成されているため、その端部14a2での膜厚は中央部14a1での膜厚と実質的に同一に形成されている。また、第2の無機層14cでは、その膜厚は実質的に同一に形成されており、その中央部14c1での膜厚とその端部14c2での膜厚が実質的に同一に形成されている。同様に、第3の無機層14eでは、その膜厚は実質的に同一に形成されており、その中央部14e1での膜厚とその端部14e2での膜厚が実質的に同一に形成されている。
また、第1〜第3の各無機層14a、14c、及び14eは、例えば窒化シリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコン、あるいはAl23などの無機膜によって構成されている。
また、第1及び第2の各有機層14b及び14dでは、その端部での膜厚が漸減するように形成されるとともに、その中央部での膜厚が実質的に均一となるように形成されている。すなわち、第1及び第2の各有機層14b及び14dでは、その端部での膜厚が中央部(有機EL素子4上の部分)での膜厚から漸減して、薄くなるように形成されている。
具体的にいえば、図3に例示するように、第1の有機層14bでは、その端部14b2での膜厚がその中央部14b1での膜厚から漸減するように形成されている。また、第2の有機層14dでは、その端部14d2での膜厚がその中央部14d1での膜厚から漸減するように形成されている。
また、第1及び第2の各有機層14b及び14dでは、端部14b2の端面での膜厚及び端部14d2の端面での膜厚が、例えば数〜数十nmに調整されている。これにより、第1の有機層14bは、第1及び第2の無機層14a及び14cが互いに直接接触して積層するのを極力防止するように構成され、第2の有機層14dは、第2及び第3の無機層14c及び14eが互いに直接接触して積層するのを極力防止するように構成されている。言い換えれば、第1及び第2の無機層14a及び14cは、第1の有機層14bにより、TFT基板2の表面に対して垂直方向で互いに重なり合うのが防がれ、第2及び第3の無機層14c及び14eは、第2の有機層14dにより、TFT基板2の表面に対して垂直方向で互いに重なり合うのが防がれている。
また、第1及び第2の各有機層14b及び14dでは、図3に例示するように、端部14b2の端面及び端部14d2の端面が一致するように、TFT基板2の上方に形成されている。
また、図4に示すように、第1及び第2の各有機層14b及び14dでは、その膜厚が漸減している漸減領域DはTFT基板2上の有機EL素子4の外側領域に設けられている。すなわち、第1及び第2の各有機層14b及び14dでは、矩形状の画素領域Aに対応した膜厚が実質的に均一にされている中央部14b1及び14d1の均一領域と、この均一領域よりも、図4の一点鎖線Bにて示すように、所定の寸法だけ外側に設定された中間領域において、膜厚が実質的に均一に形成されている。さらに、端部14b2の端面及び端部14d2の端面が、図4の一点鎖線Cにて示すように、上記均一領域及び中間領域の外側に設けられており、上記漸減領域Dは、画素領域A(有機EL素子4)の外側領域に設けられている。
また、第1及び第2の各有機層14b及び14dは、例えばアクリレートやポリ尿素、パリレン、ポリイミドやポリアミドなどの有機膜によって構成されている。
また、本実施形態の封止膜14では、第1及び第2の無機層14a及び14cと第1及び第2の有機層14b及び14dは、後の詳述するように、1つのマスクを用いて、TFT基板2上に形成されている。
次に、図5乃至図7を用いて、本実施形態の有機EL表示装置1の製造方法について具体的に説明する。なお、以下の説明では、本実施形態の封止膜14の成膜方法について主に説明する。
図5は、上記有機EL表示装置の製造工程に用いられるマスクを説明する図であり、図5(a)は最上層の無機層以外の無機層及び有機層の形成工程に用いられる第1のマスクを示す平面図であり、図5(b)は最上層の無機層の形成工程に用いられる第2のマスクを示す平面図である。図6は、上記有機EL表示装置の主な製造工程を説明する図であり、図6(a)〜図6(b)は、一連の主な製造工程を説明している。図7は、上記有機EL表示装置の主な製造工程を説明する図であり、図7(a)〜図7(b)は、図6(b)に示した工程の続いて行われる一連の主な製造工程を説明している。
まず図5を用いて、本実施形態の封止膜14の製造工程に用いられる2つの(デポ)マスクM1及びM2について具体的に説明する。
図5(a)において、マスクM1は、第1及び第2の無機層14a及び14cと第1及び第2の有機層14b及び14dの形成工程に用いられるものであり、逆テーパ状に構成されている。すなわち、マスクM1は、成膜用ガスなどの材料の供給側から見て、開口部が広がるように構成されている。具体的には、図5(a)に示すように、マスクM1では、成膜時において、上記材料の供給側に対向配置される面に、4つの辺M1aで規定される開口部K1が設けられている。また、マスクM1では、成膜時において、TFT基板2側に対向配置される面に、4つの辺M1bで規定される開口部K2が設けられている。これらの開口部K1及びK2では、TFT基板2側の開口部K2が開口部K1よりも大きい開口を有するよう構成されて、マスクM1は、逆テーパ状に構成されている。つまり、マスクM1は、後掲の、例えば図6(a)に示すように、逆テーパ状の開口断面を有する。
また、図5(b)において、マスクM2は、第3の無機層14eの形成工程に用いられるものであり、均一の開口部K3を有している。すなわち、図5(b)に示すように、マスクM2では、4つの辺M2aで規定される開口部K3が設けられている。また、この開口部K3は、マスクM1の開口部K1及びK2よりも大きい開口を有するように構成されている。
次に、図6及び図7を用いて、本実施形態の封止膜14の具体的な形成工程について説明する。
図6(a)に示すように、本実施形態の有機EL表示装置1では、まずTFT基板2上の有機EL素子4上に、第1の無機層14aを形成する工程が行われる。すなわち、マスクM1が、図6(a)に示すように、辺M1bが形成された下面がTFT基板2側に対向するように、配置されるとともに、開口部K2の内部に有機EL素子4が配置されるように、TFT基板2の下地膜6上に配置されている。そして、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法やALD(Atomic Layer Deposition)法などを用いることにより、第1の無機層14aが、有機EL素子4を覆うように、形成される。
また、CVD法やALD法は、カバレッジ(被覆性)の高い成膜手法であり、これらの方法で成膜することによって、下地からの高さが一定となるように、第1の無機層14aを精度よく、かつ、容易に形成することができる(第2及び第3の無機層14c及び14eでも同様。)。
次に、図6(b)に示すように、有機EL素子4を封止した最下層の第1の無機層14a上に、端部での膜厚が漸減した第1の有機層14bを形成する工程が行われる。すなわち、この工程では、図6(a)に示した工程と同様に、マスクM1が使用されており、例えば蒸着法やスパッタ法などを用いることにより、第1の有機層14bが、第1の無機層14a上に形成される。
また、蒸着法やスパッタ法は、成膜粒子の飛翔方向が指向性を有しているので、逆テーパ状のマスクM1を用いることにより、当該マスクM1の上面に形成された辺M1aで規定される、上側の開口部K1の内側から飛翔する成膜粒子は、例えば開口部K1の左端部の成膜に寄与するが、開口部K1の外側から飛翔する成膜粒子は、当該左端部の成膜に寄与しない。このような現象により、端部で膜厚が漸減する第1の有機層14bを精度よく、かつ、容易に形成することができる(第2の有機層14dでも同様。)。
続いて、図7(a)に示すように、第1の有機層14b上に中間層としての第2の無機層14cを形成する工程と、第2の無機層14c上に、端部での膜厚が漸減した第2の有機層14dを形成する工程とが行われる。すなわち、これらの工程では、図6(a)に示した工程と同様に、マスクM1が使用されており、例えばCVD法やALD法などを用いることにより、第2の無機層14cが、第1の有機層14b上に形成され、蒸着法やスパッタ法などを用いることにより、第2の有機層14dが、第2の無機層14c上に形成される。この第2の無機層14cの形成工程では、CVD法やALD法などが用いられているので、マスクM1を用いた場合でも、実質的に均一の膜厚で成膜することができる。
また、第1及び第2の有機層14b及び14dの各形成工程において、膜厚の漸減の度合は、マスクM1のテーパ角(辺M1aと辺M1bとでなす角)を調整することによって、制御することができる。また、例えば、成膜粒子の供給源の位置を調整する(例えば、開口部K1に対して斜め方向から蒸着を行う、いわゆる斜方蒸着など)ことによっても、端部での膜厚漸減を制御することができる。この場合、必ずしも逆テーパ状のマスクM1を用いなくてもよい。
また、ガス種、ガス量、圧力や成膜室内の構造等によって、第1及び第2の有機層14b及び14dの端部膜厚の漸減構造を実現し得るのであれば、第1、第2、及び第3の無機層14a、14c、及び14eの形成工程と同じく、第1及び第2の有機層14b及び14dの形成工程でもCVD法やALD法を用いてもよい。その場合、第1、第2、及び第3の無機層14a、14c、及び14eと第1及び第2の有機層14b及び14dとが同一の成膜室にて一貫形成が可能となり、スループットの向上や成膜室の切替時に混入する異物の発生を低減することができる。
次に、図7(b)に示すように、第1及び第2の無機層14a及び14cの各端部と第1及び第2の有機層14b及び14dの各端部を覆うように、最上層としての第3の無機層14eを形成する工程が行われる。すなわち、マスクM2が、図7(b)に示すように、開口部K3の内部に第1及び第2の無機層14a及び14cと第1及び第2の有機層14b及び14dとが配置されるように、TFT基板2の下地膜6上に配置されている。そして、例えばCVD法やALD法などを用いることにより、第3の無機層14eが、第1及び第2の無機層14a及び14cの各端部と第1及び第2の有機層14b及び14dの各端部を覆うように、形成される。
以上の製造工程により、本実施形態の有機EL表示装置1は、完成される。
以上のように構成された本実施形態の有機EL表示装置1では、封止膜14において、第1及び第2の有機層14b及び14dと第1〜第3の無機層14a、14c、及び14eとが設けられるとともに、これら第1及び第2の有機層14b及び14dと第1〜第3の無機層14a、14c、及び14eとは交互に設けられている。また、第1及び第2の各有機層14b及び14dでは、その端部14b2及び14d2での膜厚が漸減するように形成されている。また、本実施形態の封止膜14では、その最上層に第3の無機層14eが設けられるとともに、当該第3の無機層14eは下層の第1及び第2の有機層14b及び14dの各端部14b2及び14d2と下層の第1及び第2の無機層14a及び14cの各端部14a2及び14c2を覆うように設けられている。これにより、本実施形態では、上記従来例と異なり、水分が浸透することを確実に抑制しつつ、信頼性に優れた有機EL表示装置(エレクトロルミネッセンス装置)1を構成することができる。
ここで、図8を参照して、本実施形態の封止膜14の具体的な効果について説明する。
図8は、上記封止膜の具体的な効果を説明する図であり、図8(a)は第1の比較例での具体的な問題点を説明する図であり、図8(b)は第2の比較例での具体的な問題点を説明する図であり、図8(c)は上記封止膜の具体的な効果を説明する図である。
図8(a)に示すように、第1の比較例では、TFT基板51上に下地膜52及び有機EL素子53が順次設けられている。また、第1の比較例では、第1の無機層54が、有機EL素子53を覆うように設けられている。また、第1の有機層55、第2の無機層56、第2の有機層57、及び第3の無機層58が、第1の無機層54上に順次設けられている。また、第1の比較例では、第1及び第2の各有機層55及び57は、その端面が外部に露出している。
上記のような第1の比較例では、露出している第1及び第2の有機層55及び57の各端面から水分が容易に浸入し、有機EL素子(画素領域)53まで浸透する。
具体的にいえば、外部からの水分は、図8(a)に矢印H1にて示すように、第2の有機層57の端面から浸入して、有機EL素子53上に到達しても、図8(a)に矢印H2にて示すように、その下層の第2の無機層56でブロックされる。たとえ、第2の無機層56にピンホールが生じていても、第1の有機層55で拡散され、さらに第1の無機層54でブロックされる。すなわち、矢印H1にて示した水分が、有機EL素子53に到達するためには、第2の有機層57内での拡散、第2の無機層56でのピンホール通過、第1の有機層55内での拡散、及び第1の無機層54でのピンホール通過を経る必要がある。
一方、図8(a)に矢印H3にて示すように、水分が、第1の有機層55の端面から浸入すると、第1の無機層54のピンホールを通過して、容易に有機EL素子53に到達し、損傷を与える。すなわち、第2の有機層57の端面からの水分は、有機EL素子53に到達するには時間を要するが、第1の有機層55の端面からの水分は、有機EL素子53に対して早期に損傷を与える。
また、図8(b)に示すように、第2の比較例では、TFT基板61上に下地膜62及び有機EL素子63が順次設けられている。また、第2の比較例では、第1の無機層64が、有機EL素子63を覆うように設けられている。また、第1の有機層65、第2の無機層66、及び第2の有機層67が、第1の無機層64上に順次設けられている。また、第2の比較例では、第3の無機層68が第1及び第2の無機層64及び66の各端面と第1及び第2の有機層65及び67の各端面を覆うように、設けられている。
上記のような第2の比較例では、図8(b)に矢印H5にて示すように、第3の無機層68のピンホールを通過しないと、第2の有機層67内に浸入せずに有機EL素子63上に到達しない。また、有機EL素子63上に到達しても、図8(b)に矢印H6にて示すように、その下層の第2の無機層66でブロックされる。すなわち、この第2の比較例では、図8(a)に矢印H1にて示した水分の浸入に比較して、水分の浸入が抑制されている。
また、第2の比較例では、図8(b)に矢印H7にて示すように、第3の無機層68のピンホールを通過しないと、第1の有機層65内に浸入しない。それ故、この第2の比較例では、図8(a)に矢印H3にて示した水分の浸入に比較して、水分の浸入が抑制されている。
しかしながら、水分が、第3の無機層68のピンホールを通過すると、水分は、第1の有機層65内を容易に拡散して、図8(b)に矢印H8にて示すように、第1の無機層64のピンホールを通過して、有機EL素子63に到達する。この結果、第2の比較例においても、有機EL素子63の損傷の抑制は十分でない。
また、図8(c)の矢印H9にて示すように、本実施形態品では、第3の無機層14eにピンホールが生じていたとしても、第2の有機層14dの端面14d2(図3)での膜厚が小さく構成されているため、当該第2の有機層14dでの水分の拡散が大幅に制限される。この結果、本実施形態では、矢印H9にて示す水分の浸入をより抑制することができる。
また、図8(c)の矢印H10にて示すように、本実施形態品では、第3の無機層14eだけでなく、第2の無機層14cも通過しないと、第1の有機層14bへ浸入できない。また、本実施形態品では、たとえ第3の無機層14eにピンホールが生じていたとしても、第2の無機層14cでブロックされるため、有機EL素子4の損傷を十分に抑制することができる。
すなわち、本実施形態では、第3の無機層14eを設けることにより、最上層の第2の有機層14d以外の第1の有機層14bでは、第2及び第3の無機層14c及び14eを貫通しなければ、水分が第1の有機層14bに到達できなくなる。そのため、第3の無機層14eにピンホールが生じていても、水分の浸透を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、2層以上の無機層が直接接触して積層された部分が存在していない。そのため、無機層の応力による膜剥がれが生じにくく、有機EL表示装置1の信頼性を向上することができる。
また、本実施形態では、第1及び第2の各有機層14b及び14dでは、その膜厚が漸減している漸減領域DはTFT基板2上の有機EL素子4の外側領域に設けられている。これにより、本実施形態では、封止膜14の信頼性、ひいては有機EL表示装置1の信頼性が低下するのを確実に防ぐことができるとともに、エレクトロルミネッセンス装置の性能(例えば、有機EL表示装置1の表示品位)の低下も防ぐことができる。すなわち、漸減領域Dが有機EL素子4の領域に重なっている場合、トップエミッション構造のエレクトロルミネッセンス装置では、出射した光はその領域によって異なる膜厚の封止膜を通過することになる。そのため、透過率や視野角特性といった光学特性が表示領域(または発光領域等)によって異なることになるため、エレクトロルミネッセンス装置の性能(例えば、有機EL表示装置1の表示品位や有機EL照明装置の発光品位など)が低下してしまう。しかしながら、漸減領域DはTFT基板2上の有機EL素子4の外側領域に設けられていると、表示領域(または発光領域等)の光学特性が均一になるため、エレクトロルミネッセンス装置の性能が低下しない。
また、本実施形態の有機EL表示装置1の製造方法では、TFT基板2上の有機EL素子4上に、第1の無機層14aを形成する工程と、第1の無機層14a上に、端部での膜厚が漸減した第1の有機層14bを形成する工程と、第1の有機層14b上に中間層としての第2の無機層14cを形成する工程と、第2の無機層14c上に、端部での膜厚が漸減した第2の有機層14dを形成する工程と、第1及び第2の無機層14a及び14cの各端部と第1及び第2の有機層14b及び14dの各端部を覆うように、最上層としての第3の無機層14eを形成する工程とが行われている。これにより、本実施形態では、上記従来例と異なり、水分が浸透することを確実に抑制しつつ、信頼性に優れた有機EL表示装置1を構成することができる。
また、本実施形態では、最上層の第3の無機層14e以外の第1及び第2の無機層14a及び14c、及び第1及び第2の有機層14b及び14dを形成する工程では、逆テーパ状のマスクM1が用いられている。これにより、本実施形態では、製造工程の簡略化及び製造時間の短縮化を図ることができる。
[第2の実施形態]
図9は、本発明の第2の実施形態にかかる有機EL表示装置での封止膜の具体的な構成を説明する断面図である。図10は、図9に示した封止膜の端部を示す拡大断面図である。
図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、封止膜において、有機EL素子上に第1の有機層を設けて、この第1の有機層上に第1の無機層及び第2の有機層を設けるとともに、最上層の無機層としての第2の無機層を設けた点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明を省略する。
つまり、図9及び図10に示すように、本実施形態の有機EL表示装置1では、有機EL素子4を封止する封止膜14として、例えば合計4層の無機層及び有機層が含まれており、これら無機層及び有機層は交互に設けられている。すなわち、本実施形態の封止膜14には、第1の有機層14fが有機EL素子4を覆うように設けられている。また、第1の無機層14gが、第1の有機層14f上に設けられ、第2の有機層14hが、第1の無機層14g上に設けられている。さらに、第2の無機層14iが、第2の有機層14h上に設けられている。
また、封止膜14では、最上層の無機層である、第2の無機層14iが下層の第1の無機層14gの端部と下層の第1及び第2の有機層14f及び14hの各端部を覆うように設けられている。すなわち、封止膜14では、第2の無機層14iの内面が第1の無機層14gの端面と第1及び第2の有機層14f及び14hの各端面と接するように構成されている。
また、第1及び第2の各無機層14g及び14iでは、その端部での膜厚が漸減しないように形成されている。すなわち、第1及び第2の各無機層14g及び14iでは、その端部での膜厚とその中央部(有機EL素子4上の部分)での膜厚とが実質的に同一となるように形成されている。
具体的にいえば、図10に例示するように、第1の無機層14gでは、その膜厚は実質的に同一に形成されており、その中央部14g1での膜厚とその端部14g2での膜厚が実質的に同一に形成されている。同様に、第2の無機層14iでは、その膜厚は実質的に同一に形成されており、その中央部14i1での膜厚とその端部14i2での膜厚が実質的に同一に形成されている。
また、第1及び第2の各無機層14g及び14iは、第1の実施形態のものと同様に、例えば窒化シリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコン、あるいはAl23などの無機膜によって構成されている。
また、第1及び第2の各有機層14f及び14hでは、その端部での膜厚が漸減するように形成されるとともに、その中央部での膜厚が実質的に均一となるように形成されている。すなわち、第1及び第2の各有機層14h及び14hでは、その端部での膜厚が当該端部の内側部分での膜厚から漸減して、薄くなるように形成されている。
具体的にいえば、図10に例示するように、第1の有機層14fでは、その中央部14f1と端部14f2との間に、当該第1の有機層14fが覆っている有機EL素子4の厚みに、実質的に均一の膜厚を有する中央部14f1での膜厚を加えた膜厚を有する所定の中間領域が設けられており、その端部14f2での膜厚は当該中間領域での膜厚から漸減するように形成されている。また、第2の有機層14hでは、その端部14h2での膜厚がその中央部14h1での膜厚から漸減するように形成されている。このように、本実施形態では、第1の有機層14fの中間領域では、第1の実施形態の第1及び第2の各有機層14b及び14dでの中間領域と異なり、その膜厚が中央部14f1での膜厚よりも厚く構成されている。
また、第1及び第2の各有機層14f及び14hでは、端部14f2の端面での膜厚及び端部14h2の端面での膜厚が、第1の実施形態のものと同様に、例えば数〜数十nmに調整されている。これにより、第2の有機層14hは、第1及び第2の無機層14g及び14iが互いに積層するのを極力防止するように構成されている。言い換えれば、第1及び第2の無機層14g及び14iは、第2の有機層14hにより、TFT基板2の表面に対して垂直方向で互いに重なり合うのが防がれている。
また、第1及び第2の各有機層14f及び14hでは、図10に例示するように、端部14f2の端面及び端部14h2の端面が一致するように、TFT基板2の上方に形成されている。
尚、この説明以外に、第1の有機層14fの端部14f2の端面が、第2の有機層14hの端部14h2の端面よりも、有機EL素子4側に位置するように構成されてもよい。
また、第1及び第2の各有機層14f及び14hは、第1の実施形態のものと同様に、例えばアクリレートやポリ尿素、パリレン、ポリイミドやポリアミドなどの有機膜によって構成されている。
次に、図11及び図12を用いて、本実施形態の有機EL表示装置1の製造方法について具体的に説明する。なお、以下の説明では、本実施形態の封止膜14の成膜方法について主に説明する。
図11は、図9に示した有機EL表示装置の主な製造工程を説明する図であり、図11(a)〜図11(b)は、一連の主な製造工程を説明している。図12は、図9に示した有機EL表示装置の主な製造工程を説明する図であり、図12(a)〜図12(b)は、図11(b)に示した工程の続いて行われる一連の主な製造工程を説明している。
図11(a)に示すように、本実施形態の有機EL表示装置1では、まずTFT基板2上の有機EL素子4上に、端部での膜厚が漸減した第1の有機層14fを形成する工程が行われる。すなわち、この工程では、第1の実施形態のものと異なり、マスクM1を用いずに、例えば印刷法などのウェット法を用いて、第1の有機層14fを形成する。
このウェット法では、液体化している有機層前駆体を塗布し、UV露光や熱処理(キュアベーク)によって固化することにより、第1の有機層14fを形成する。また、材料としてはUV樹脂やエポキシ樹脂などがある。また、材料が液体であるため、塗布端は表面張力によって、なだらかな膜厚漸減形状を形成することができる。さらに、熱処理時の再流動によっても、端部での膜厚漸減形状を制御することができる。
尚、この説明以外に、第1の実施形態と同様に、マスクM1を用いて、例えば蒸着法やスパッタ法などにより、第1の有機層14fを形成してもよい。
次に、図11(b)に示すように、第1の有機層14f上に中間層としての第1の無機層14gを形成する工程が行われる。すなわち、この工程では、図6(a)に示した工程と同様に、マスクM1が使用されており、例えばCVD法やALD法などを用いることにより、第1の無機層14gが、第1の有機層14f上に形成される。この第1の無機層14gの形成工程では、CVD法やALD法などが用いられているので、マスクM1を用いた場合でも、実質的に均一の膜厚で成膜することができる。
続いて、図12(a)に示すように、第1の無機層14g上に、端部での膜厚が漸減した第2の有機層14hを形成する工程が行われる。すなわち、これらの工程では、図11(b)に示した工程と同様に、マスクM1が使用されており、例えば蒸着法やスパッタ法などを用いることにより、第2の有機層14hが、第1の無機層14g上に形成される。
次に、図12(b)に示すように、第1の無機層14gの端部と第1及び第2の有機層14f及び14hの各端部を覆うように、最上層としての第2の無機層14iを形成する工程が行われる。すなわち、この工程では、図7(b)に示した工程と同様に、マスクM2が用いられている。そして、例えばCVD法やALD法などを用いることにより、第2の無機層14iが、第1の無機層14gの端部と第1及び第2の有機層14f及び14hの各端部を覆うように、形成される。
以上の製造工程により、本実施形態の有機EL表示装置1は、完成される。
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。
ここで、図13を参照して、本実施形態の封止膜14の具体的な効果について説明する。
図13は、図9に示した封止膜の具体的な効果を説明する図であり、図13(a)は第3の比較例での具体的な問題点を説明する図であり、図13(b)は第4の比較例での具体的な問題点を説明する図であり、図13(c)は図9に示した封止膜の具体的な効果を説明する図である。
図13(a)に示すように、第3の比較例では、TFT基板71上に下地膜72及び有機EL素子73が順次設けられている。また、第3の比較例では、第1の有機層74が、有機EL素子73を覆うように設けられている。また、第1の無機層75、第2の有機層76、及び第2の無機層77が、第1の有機層74上に順次設けられている。また、第3の比較例では、第1及び第2の各有機層74及び76は、その端面が外部に露出している。
上記のような第3の比較例では、露出している第1及び第2の有機層74及び76の各端面から水分が容易に浸入し、有機EL素子(画素領域)73まで浸透する。
具体的にいえば、外部からの水分は、図13(a)に矢印H11にて示すように、第2の有機層76の端面から浸入して、有機EL素子73上に到達しても、図13(a)に矢印H12にて示すように、その下層の第1の無機層75でブロックされる。たとえ、第1の無機層75にピンホールが生じていても、第1の有機層74で拡散されて、有機EL素子73に到達する。すなわち、矢印H11にて示した水分が、有機EL素子73に到達するためには、第2の有機層76内での拡散、第1の無機層75でのピンホール通過、及び第1の有機層74内での拡散を経る必要がある。
一方、図13(a)に矢印H13にて示すように、水分が、第1の有機層74の端面から浸入すると、水分は、速やかに浸透して、容易に有機EL素子53に到達し、損傷を与える。すなわち、第2の有機層76の端面からの水分は、有機EL素子73に到達するには時間を要するが、第1の有機層74の端面からの水分は、有機EL素子73に対して早期に損傷を与える。
また、図8(b)に示すように、第4の比較例では、TFT基板81上に下地膜82及び有機EL素子83が順次設けられている。また、第4の比較例では、第1の有機層84が、有機EL素子83を覆うように設けられている。また、第1の無機層85及び第2の有機層86が、第1の有機層84上に順次設けられている。また、第4の比較例では、第2の無機層87が第1及び第2の有機層84及び86の各端面と第1の無機層85の端面を覆うように、設けられている。
上記のような第4の比較例では、図13(b)に矢印H15にて示すように、第2の無機層87のピンホールを通過しないと、第2の有機層86内に浸入せずに有機EL素子83上に到達しない。また、有機EL素子83上に到達しても、図13(b)に矢印H16にて示すように、その下層の第1の無機層85でブロックされる。すなわち、この第4の比較例では、図13(a)に矢印H11にて示した水分の浸入に比較して、水分の浸入が抑制されている。
また、第4の比較例では、図13(b)に矢印H17にて示すように、第2の無機層87のピンホールを通過しないと、第1の有機層84内に浸入しない。それ故、この第4の比較例では、図13(a)に矢印H13にて示した水分の浸入に比較して、水分の浸入が抑制されている。
しかしながら、水分が、第2の無機層87のピンホールを通過すると、水分は、第1の有機層84内を容易に拡散して、図13(b)に矢印H18にて示すように、有機EL素子83に到達する。この結果、第4の比較例においても、有機EL素子83の損傷の抑制は十分でない。
また、図13(c)の矢印H19にて示すように、本実施形態品では、第2の無機層14iにピンホールが生じていたとしても、第2の有機層14hの端面14h2(図10)での膜厚が小さく構成されているため、当該第2の有機層14hでの水分の拡散が大幅に制限される。この結果、本実施形態では、矢印H19にて示す水分の浸入をより抑制することができる。
また、図13(c)の矢印H20にて示すように、本実施形態品では、第2の無機層14iだけでなく、第1の無機層14gも通過しないと、第1の有機層14fへ浸入できない。また、本実施形態品では、たとえ第2の無機層14iにピンホールが生じていたとしても、第1の無機層14gでブロックされるため、有機EL素子4の損傷を十分に抑制することができる。
すなわち、本実施形態では、第2の無機層14iを設けることにより、最上層の第2の有機層14h以外の第1の有機層14fでは、第1及び第2の無機層14g及び14iを貫通しなければ、水分が第1の有機層14fに到達できなくなる。そのため、第2の無機層14iにピンホールが生じていても、水分の浸透を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、2層以上の無機層が直接接触して積層された部分が存在していない。そのため、無機層の応力による膜剥がれが生じにくく、有機EL表示装置1の信頼性を向上することができる。
また、本実施形態では、第1の有機層14fはウェット法を用いて形成されているので、当該第1の有機層14fを精度よく、かつ、容易でコスト安価に形成することができる。また、第1の有機層14fを厚く形成することが可能となり、これにより、有機EL素子4上の上乗り異物をより被覆しやすくなったり、第1及び第2の無機層14g及び14iの応力が有機EL素子4に加わるのをより抑制したりすることができる。この結果、本実施形態では、有機EL表示装置1の製造上の歩留りを向上することができる。
[第3の実施形態]
図14は、本発明の第3の実施形態にかかる有機EL表示装置を説明する断面図である。
図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、有機EL素子側で、TFT基板に対向する対向基板と、TFT基板と対向基板との間で、有機EL素子を封入する枠状のシール材としての封止樹脂とを設けた点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明を省略する。
すなわち、図14に示すように、本実施形態の有機EL表示装置1では、TFT基板2に対向するように設けられた対向基板3と、TFT基板2と対向基板3との間に設けられたシール材としての枠状の封止樹脂5とが設けられており、有機EL素子4は、これらのTFT基板2、対向基板3、及び封止樹脂5によって封入されている。
対向基板3は、例えばガラス材により構成されている。また、封止樹脂5は、例えばエポキシ樹脂などの樹脂に、TFT基板2と対向基板3との間のセルギャップを規定するスペーサ、および無機粒子が分散されたものより構成されている。また、封止樹脂5では、無機粒子を分散させることで、透湿性をより低下させることができる。なお、図14では、封止樹脂5が封止膜14上に形成されている構成について示しているが、この構成以外に、封止樹脂5の内側に封止膜14を形成して、封止樹脂5を下地膜6上に形成する構成でもよい。
また、本実施形態の有機EL表示装置1では、不活性ガスが対向基板3、封止樹脂5、及び封止膜13の間の空間に封入されている。
尚、この説明以外に、不活性ガスに代えて、乾燥剤や酸素吸収剤を設けたり、樹脂を充填したりしてもよい。また、この樹脂には、乾燥剤や酸素吸収剤を含有させてもよい。
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態では、有機EL素子4側で、TFT基板2に対向する対向基板3と、TFT基板2と対向基板3との間で、有機EL素子4を封入する枠状の封止樹脂(シール材)5を備えている、これにより、本実施形態では、有機EL素子4の劣化をより確実に防止することができる。
尚、上記の実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記の説明では、エレクトロルミネッセンス素子として有機EL素子を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば無機化合物を有する無機EL素子を用いたものでもよい。
また、上記の説明では、有機EL表示装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばバックライト装置等の照明装置にも適用することができる。
また、上記の説明では、2層の有機層、及び2層または3層の無機層を設けた場合について説明した。しかしながら、本発明は、封止膜として、2層以上の有機層及び2層以上の無機層が設けられるとともに、封止膜では、有機層と無機層とが交互に設けられ、また2層以上の各有機層では、その端部での膜厚が漸減するように形成され、さらに封止膜では、その最上層に無機層が設けられるとともに、当該最上層の無機層は下層の有機層及び下層の無機層の各端部を覆うように設けられているものであれば何等限定されない。例えば、合計6層以上の有機層及び無機層からなる封止膜を用いることもできる。
また、上記の説明では、2層以上の各無機層において、その端部での膜厚が漸減しないように形成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各無機層において、その端部での膜厚が漸減するように形成してもよい。
但し、上記の各実施形態のように、2層以上の各無機層において、その端部での膜厚が漸減しないように形成する場合の方が、エレクトロルミネッセンス素子に対する封止膜の封止性を容易に向上することができる点で好ましい。また、無機層の形成、ひいてはエレクトロルミネッセンス装置の製造の簡単化を容易に図れる点でも好ましい。
また、上記の説明では、2層以上の各有機層において、その有機EL素子(エレクトロルミネッセンス素子)上の部分での膜厚が実質的に均一となるように形成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各有機層において、そのエレクトロルミネッセンス素子上の部分での膜厚が実質的に均一とならないように、当該膜厚を変化させて形成してもよい。
但し、上記の各実施形態のように、2層以上の各有機層において、そのエレクトロルミネッセンス素子上の部分での膜厚が実質的に均一となるように形成する場合の方が、エレクトロルミネッセンス素子に対する封止膜の封止性を容易に向上することができるとともに、エレクトロルミネッセンス装置の性能の低下も防ぐことができる点での好ましい。また、有機層の形成、ひいてはエレクトロルミネッセンス装置の製造の簡単化を容易に図れる点でも好ましい。
また、上記の説明では、例えばガラス材により、TFT基板(基板)及び対向基板を構成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばプラスチックなどのフレキシブルな材料を用いて、基板や対向基板を構成してもよい。このように構成した場合には、表示面が曲面形状に形成された表示装置等を容易に構成することができる。また、本発明では、複数の無機層が互いに積層されていないので、フレキシブルな材料を用いて、表示装置等を湾曲させた場合でも、湾曲時に加わる応力による無機層の剥離等の不具合の発生を極力防ぐことができる。
また、上記の説明以外に、上記第1〜第3の各実施形態を適宜組み合わせたものでもよい。
本発明は、水分が浸透することを確実に抑制しつつ、信頼性に優れたエレクトロルミネッセンス装置、及びその製造方法に対して有用である。
1 有機EL表示装置
2 TFT基板(基板)
3 対向基板
4 有機EL素子(エレクトロルミネッセンス素子)
5 封止樹脂(シール材)
14 封止膜
14a 第1の無機層(下層の無機層)
14b 第1の有機層(下層の有機層)
14b1 中央部
14b2 端部
14c 第2の無機層(下層の無機層)
14d 第2の有機層(下層の有機層)
14d1 中央部
14d2 端部
14e 第3の無機層(最上層の無機層)
14f 第1の有機層(下層の有機層)
14f1 中央部
14f2 端部
14g 第1の無機層(下層の無機層)
14h 第2の有機層(下層の有機層)
14h1 中央部
14h2 端部
14i 第2の無機層(最上層の無機層)
M1 (逆テーパ状の)マスク
D 漸減領域

Claims (10)

  1. 基板と、前記基板上に設けられたエレクトロルミネッセンス素子を備えたエレクトロルミネッセンス装置であって、
    前記エレクトロルミネッセンス素子を封止する封止膜を備え、
    前記封止膜には、2層以上の有機層及び2層以上の無機層が設けられるとともに、
    前記封止膜では、前記有機層と前記無機層とが交互に設けられ、
    前記2層以上の各有機層では、その端部での膜厚が漸減するように形成され、
    前記封止膜では、その最上層に前記無機層が設けられるとともに、当該最上層の無機層は下層の前記有機層の端部及び下層の前記無機層の端部を覆うように設けられている、
    ことを特徴とするエレクトロルミネッセンス装置。
  2. 前記2層以上の各無機層では、その端部での膜厚が漸減しないように形成されている請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
  3. 前記2層以上の各有機層では、その膜厚が漸減している漸減領域は前記基板上の前記エレクトロルミネッセンス素子の外側領域に設けられている請求項1または2に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
  4. 前記2層以上の各有機層では、その前記エレクトロルミネッセンス素子上の部分での膜厚が実質的に均一となるように形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
  5. 前記エレクトロルミネッセンス素子側で、前記基板に対向する対向基板と、
    前記基板と前記対向基板との間で、前記エレクトロルミネッセンス素子を封入する枠状のシール材を備えている請求項1〜4のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス装置。
  6. 基板と、前記基板上に設けられたエレクトロルミネッセンス素子を備えたエレクトロルミネッセンス装置の製造方法であって、
    前記エレクトロルミネッセンス素子上、または前記エレクトロルミネッセンス素子を封止した最下層の無機層上に、端部での膜厚が漸減した第1の有機層を形成する工程と、
    前記第1の有機層上に中間層の無機層を形成する工程と、
    前記中間層の無機層上に、端部での膜厚が漸減した第2の有機層を形成する工程と、
    前記無機層の端部と前記第1及び第2の有機層の各端部を覆うように、最上層の無機層を形成する工程と
    を具備していることを特徴とするエレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  7. 前記無機層は、CVD法またはALD法を用いて、形成されている請求項6に記載のエレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  8. 前記第1及び第2の有機層のうち、少なくとも前記第2の有機層は、蒸着法またはスパッタ法を用いて、形成されている請求項6または7に記載のエレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  9. 前記エレクトロルミネッセンス素子上に形成された前記第1の有機層は、ウェット法を用いて、形成されている請求項6〜8のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  10. 前記最上層の無機層以外の前記無機層、及び前記第1及び第2の有機層を形成する工程では、逆テーパ状のマスクが用いられている請求項6〜8のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
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