JPWO2015019877A1 - 研磨材及び研磨材スラリー - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、精密研磨に適した生産性が高い研磨材粒子を含有する研磨材及び研磨材スラリーを提供することである。本発明の研磨材は、セリウムを含有する研磨材粒子を含む研磨材であって、前記研磨材粒子が、研磨材前駆体粒子である1次粒子を焼成して得た2次粒子であり、前記1次粒子が、球形状であり、前記1次粒子の平均粒子径が、100〜1000nmの範囲内であり、かつ、前記2次粒子の平均粒子径が、300〜10000nmの範囲内であることを特徴とする。

Description

本発明は、研磨材及び研磨材スラリーに関する。より詳しくは、生産性と研磨性能が改善された研磨材及び研磨材スラリーに関する。
ガラス光学素子やガラス基板、半導体デバイスを製造工程で精密研磨する研磨材としては、従来、酸化セリウムを主成分とし、これに酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化プラセオジムなどが加わった希土類元素酸化物が使用されている。この他の研磨材としては、ダイヤモンド、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカ等が挙げられるが、研磨速度、研磨後の被研磨物の表面粗さの観点から比較したときに、酸化セリウムが有効であることは公知であり、広範囲で用いられている。
一般的に研磨材として流通する酸化セリウムは、粉砕法により製造されたものが多い。粉砕法により製造された研磨材は、表面にエッジが存在するため、研磨速度は速いが、傷が発生しやすい。
また、オングストローム(Å)レベルの高い平滑度が要求される製造工程では、研磨速度の速い酸化セリウム等によりあらかじめ研磨した後に、数十nmサイズのコロイダルシリカを使用して研磨することが一般的である。
しかしながら、研磨工程が多段階にわたることで、生産性が低下していることが問題となっている。また、平滑度の要求が高まっており、高い研磨速度を維持したまま、傷(キズ)の発生が少ない球形状の研磨材が求められている。
特許文献1では、傷の発生が少ない研磨材として、研磨材スラリーの全数の90%以上が100〜800nmの範囲内に粒度分布が調整された酸化セリウムを含有する研磨材が記載されている。
しかしながら、この研磨材スラリーでは、研磨速度が十分ではないという問題がある。
特開2004−291232号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、精密研磨に適した生産性が高い研磨材粒子を含有する研磨材及び研磨材スラリーを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、調製した研磨材前駆体粒子(1次粒子)の大きさと、焼成後の1次粒子が凝集した2次粒子の大きさとの関係が、精密研磨に適した生産性が高い研磨材粒子を含有する研磨材及び研磨材スラリーを得るために重要であることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.セリウムを含有する研磨材粒子を含む研磨材であって、
前記研磨材粒子が、研磨材前駆体粒子である1次粒子を焼成して得た2次粒子であり、
前記1次粒子が、球形状であり、
前記1次粒子の平均粒子径が、100〜1000nmの範囲内であり、かつ、
前記2次粒子の平均粒子径が、300〜10000nmの範囲内である
ことを特徴とする研磨材。
2.前記研磨材に含まれる前記研磨材粒子の粒子径変動係数が、25%以下であることを特徴とする第1項に記載の研磨材。
3.第1項又は第2項に記載の研磨材を含むことを特徴とする研磨材スラリー。
本発明の上記手段により、精密研磨に適した生産性が高い研磨材粒子を含有する研磨材及び研磨材スラリーを提供することができる。
本発明において上記のような効果を発揮する理由は、必ずしも明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明の研磨材においては、研磨材前駆体粒子である1次粒子の大きさと、焼成後の凝集状態である2次粒子の大きさを調整することにより、研磨加工の初期段階と研磨加工の最終段階で異なる研磨性能で被研磨物を研磨することができる。
その技術的思想は、研磨加工の初期段階では、被研磨物を大きく削る必要があり、平均粒子径の大きい凝集状態の2次粒子が研磨加工に適していると考えられる。一方で、研磨加工の最終段階では、被研磨物が所望の平坦性に近づいており、研磨材粒子は被研磨物を研磨加工することにより凝集状態の2次粒子から1次粒子に近づいていると考えられる。
これにより、研磨加工の初期段階よりも研磨材粒子自体も研磨加工により凝集状態が変化することで、平均粒子径が小さくなり、精密研磨することができ、工程の簡略化も図ることができるという効果を生んでいる。
本発明に係る研磨材粒子の走査型電子顕微鏡写真の一例 本発明に係る研磨材粒子の走査型電子顕微鏡写真の一例
本発明の研磨材は、セリウムを含有する研磨材粒子を含む研磨材であって、前記研磨材粒子が、研磨材前駆体粒子である1次粒子を焼成して得た2次粒子であり、前記1次粒子が、球形状であり、前記1次粒子の平均粒子径が、100〜1000nmの範囲内であり、かつ、前記2次粒子の平均粒子径が、300〜10000nmの範囲内であることを特徴とする。
この特徴は、請求項1から請求項3に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、研磨材に含まれる前記研磨材粒子の粒子径変動係数が、25%以下であることが好ましい。粒子径の揃った研磨材粒子で研磨することができるため、生産性が高く、傷が発生しにくいという効果が得られる。
本発明の研磨材スラリーが、本発明の研磨材を含むことが、優れた精密研磨を行える点で好ましい。
以下、既存の研磨材、本発明に係る研磨材に含有される研磨材粒子、研磨材の製造方法及び研磨加工方法について詳細に説明する。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
<研磨材>
一般的な研磨材には、ベンガラ(αFe)、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカ等の研磨材粒子を水や油に分散させてスラリー状にしたものなどがある。本発明は、半導体デバイスやガラスの研磨加工において、高精度に平坦性を維持しつつ、十分な研磨速度を得るために物理的な作用と化学的な作用の両方で研磨を行う、化学機械研磨(CMP;Chemical Mechanical Polishing)が可能な酸化セリウムを含有する研磨材及び当該研磨材を含む研磨材スラリーであり、以下にその詳細を説明する。
<研磨材粒子>
本発明の研磨材は、セリウムを含有する研磨材粒子を含む研磨材であって、研磨材粒子が、研磨材前駆体粒子である1次粒子を焼成して得た2次粒子であり、1次粒子が、球形状であり、1次粒子の平均粒子径が、100〜1000nmの範囲内であり、かつ、2次粒子の平均粒子径が、300〜10000nmの範囲内であることを特徴とする。
ここで、「1次粒子」とは、焼成する前の研磨材前駆体粒子(以下、研磨材粒子の前駆体ともいう。)をいう。当該1次粒子の平均粒子径は、100〜1000nmの範囲内であることを特徴とする。
一方、「2次粒子」とは、研磨材前駆体粒子を焼成する過程で凝集した研磨材粒子をいう。当該2次粒子の平均粒子径は、300〜10000nmの範囲内であればよい。
1次粒子及び2次粒子の平均粒子径の調整は、研磨材粒子を構成する成分の原料の量の調整、研磨材前駆体粒子製造過程における反応時間の調整、当該研磨材前駆体粒子の焼成温度、時間等の調整によって行うことができる。
本発明に係る研磨材に含有される研磨材粒子の組成は、例えば、セリウム(Ce)と、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)及びユウロピウム(Eu)から選ばれる少なくとも1種類の元素との、含有量の合計が、研磨材粒子に含有される希土類元素の全体量に対して、81mol%以上であり、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量が、研磨材粒子に含有される希土類元素の全体量に対して、19mol%以下であることが、球形状の研磨材粒子が得られる点で好ましい。
研磨材粒子には、セリウムが必ず含まれていればよく、目的とする研磨材の性能に合わせて適宜数種類の元素を含めてもよい。
なお、研磨材粒子は、層構造を有していてもよいし、層の区別がない1層の構造であってもよい。
層構造を有する研磨材としては、中心を含む層をコアとして、中心を含まない外側の層をシェルとするコア−シェル構造等が挙げられる。
コア−シェル構造の場合に各層に含有される元素の種類や含有量は目的とする研磨材に応じて適宜設定することができる。
例えば、コアは、イットリウムを主成分とする層として、シェルは、セリウムを主成分とするコア−シェル構造を有する研磨材粒子を調製してもよい。この場合、各層には、例えば、セリウムやイットリウムに加え、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素を含有してもよい。
ここで、研磨材に含有されている研磨材粒子の各希土類元素の含有量は、元素分析により求めることができる。例えば、1gを硝酸水溶液10mlと過酸化水素水1.0mlの混合溶液に溶解させ、エスアイアイナノテクノロジー社製のICP発光分光プラズマ装置(ICP−AES)を使用して元素分析を行う。研磨材粒子の各希土類元素の含有量から組成比(mol%)として求めることができる。
なお、研磨材粒子の組成分布については、研磨材粒子の断面の元素分析を行うことにより求めてもよい。例えば、研磨材粒子について、日立ハイテクノロジーズ製 集束イオンビーム(FB−2000A)により断面加工を行い、粒子中心付近を通る面を切り出す。そして、切断面より、日立ハイテクノロジーズ製 STEM−EDX(HD−2000)を使用して元素分析を行い、研磨材粒子の各希土類元素の組成分布を求めることもできる。
ここで、球形状(球状)とは、研磨材粒子の走査型電子顕微鏡写真(SEM像)に基づいて規定する。
具体的には、研磨材粒子について、走査型電子顕微鏡写真の撮影を行い、研磨材粒子100個を無作為に選択する。選択された研磨材粒子の長径をa、短径をbとしたとき、a/bの値の平均値をアスペクト比として求める。なお、各粒子について外接する長方形(「外接長方形」という。)を描いたとき、外接長方形の短辺及び長辺うち、最短の短辺の長さを短径とし、最長の長辺の長さを長径とする。
アスペクト比が、1.00〜1.15の範囲内、より好ましくは1.00〜1.05の範囲内である場合に球形状として分類する。1.00〜1.15の範囲外である場合は不定形として分類する。
アスペクト比が1に近づくほど、球形度が高いことを表している。高い球形度を有する本発明に係る研磨材粒子を含有する研磨材は、精密研磨に適しており、研磨速度も速いため、生産性も高い点で優れている。本発明に係る研磨材粒子の1次粒子を走査型電子顕微鏡で撮影した写真(拡大率10000倍)を図1に示す。球形状であり、高い単分散度であることがわかる。また、研磨材粒子の2次粒子のSEM像(拡大率10000倍)を図2に示す。焼成後の2次粒子は凝集していることがわかる。
1次粒子の平均粒子径は、研磨材粒子20個のSEM像から各粒子の写真画像の面積に基づき、面積円相当粒子径を求め、これを各粒子の粒子径とする。
平均粒子径は、20個の研磨材粒子の粒子径の算術平均値とする。
なお、上記粒子径の測定は、画像処理測定装置(例えば、ルーゼックス AP;株式会社ニレコ製)を用いて行うことができる。
また、研磨加工前後の平均粒子径及び2次粒子の単分散度は、粒度分布測定を用いて求めることができる。
粒度分布測定は、例えば、解砕後の2次粒子を水に分散させ、そのうち適量を装置に投入する。分散媒中の粒子にレーザーが当たると、光散乱理論により、粒子種(この場合はセリウム)と粒子の大きさに固有の屈折率・大きさで散乱することが分かっており、この原理を用いて研磨加工前後の平均粒子径を算出することができる。
また、2次粒子の単分散度は、粒度分布測定より得られた粒子径を用いて、算出することができる粒子径分布の変動係数により規定することができる。
また粒子径分布変動係数は下記の式で求める。
変動係数(%)=(粒子径分布の標準偏差/平均粒子径)×100
同程度の2次粒子径で単分散度の異なるものを抽出する方法としては、例えば、円筒状の容器に単分散度の低い状態の粒子群を水に分散させたものを入れ、円筒状の垂直方向の中心部分から液を抜き出して、同程度の大きさの2次粒子群を得る方法がある。
また、本発明に係る研磨材粒子の研磨速度は、研磨材粒子を含有する研磨材の粉体を水等の溶媒に分散させた研磨材スラリーを、研磨機の研磨対象面に供給しながら、研磨対象面を研磨布で研磨することで測定できる。
研磨速度は、例えば、研磨材スラリーを研磨機に循環供給させて研磨加工を30分間行うことにより測定することができる。研磨前後の厚さをNikon Digimicro(MF501)にて測定し、厚さ変位から1分間当たりの研磨量(μm)を算出し、研磨速度とすることができる。
研磨加工開始から5分間の研磨量の平均を初期研磨速度として算出し、研磨加工終了5分前から終了までの5分間の研磨量の平均を終期研磨速度として算出することができる。
具体的には、初期研磨速度が、0.50μm/min以上で、かつ、終期研磨速度が、0.10μm/min以上であることが、生産性の観点から必要である。
また、本発明に係る研磨材粒子の粒子径の単分散度が、25%以下であることが好ましい。
高い単分散度を示す研磨材粒子を含有する研磨材は、キズ(傷)が発生しにくく、精密研磨に適している。
ここで、傷の発生については、ガラス基板の表面状態を評価することにより求めることができる。
例えば、ガラス基板表面の表面状態(表面粗さRa)について、30分間研磨加工を行ったガラス基板を、光波干渉式表面粗さ計(Zygo社製Dual−channel ZeMapper)により表面粗さ評価を行うことができる。なお、Raとは、JIS B0601−2001における算術平均粗さを表している。
また、ガラス基板表面の表面状態(傷の個数)について、30分間研磨加工を行ったガラス基板を、光波干渉式表面粗さ計(Zygo社製Dual−channel ZeMapper)を用いて、ガラス基板全面の凹凸を測定することにより傷の個数の評価を行うことができる。
具体的には、実用性の観点から、傷の個数が20個以下であることが必要であり、10個以下であることがより好ましい。
<研磨材の製造方法>
以下に研磨材の製造方法を示す。
本発明の研磨材粒子を含有する研磨材の製造方法は、少なくとも研磨材前駆体粒子調製工程、固液分離工程、焼成工程を含む。
具体的には、調製する研磨材粒子の層構造又は組成等に応じて詳細な研磨材前駆体粒子調製工程で行う手順が異なる。
一例として、層構造を有するセリウムを含有する研磨材粒子の製造方法及び層構造のないセリウムを含有する研磨材粒子の製造方法について説明する。
[層構造を有する研磨材粒子の製造方法]
以下に、層構造を有する研磨材粒子の製造方法として、コア及びシェルからなる研磨材粒子の製造方法を示す。
層構造を有する研磨材粒子の製造方法は、コア形成工程、シェル形成工程、固液分離工程、焼成工程の4つの工程からなる。
1.コア形成工程
コア形成工程は、例えば、アルミニウム(Al)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ジルコニウム(Zr)、インジウム(In)、スズ(Sn)、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)、トリウム(Th)又はアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の塩を形成させ、当該元素の塩を主成分とする研磨材前駆体粒子のコアを形成させる。
具体的には、コア形成工程は、イットリウムの塩及び沈殿剤を水に溶解させ、所定の濃度の溶液を調製する。そして、コア形成工程は、調製された溶液を80℃以上で加熱撹拌し、研磨材前駆体粒子のコアとなる、水に不溶な塩基性炭酸塩を形成させる。
ここで、コアとは、研磨材前駆体粒子の中心部分を含む領域であって、領域の形状は特に限定しないが、球形状であることが好ましい。
以下の説明においては、加熱撹拌を開始した溶液を反応溶液とする。
コア形成工程において、水に溶解させるAl、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Bi、Th又はアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の塩としては、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩等を用いることができるが、製品への不純物の混入が少ない硝酸塩を使用することが好ましい。
また、沈殿剤としては、前記元素の塩とともに水に混ぜて加熱した際に塩基性炭酸塩を生成する種類のアルカリ化合物であればよく、尿素水溶液又は尿素系化合物、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等から調製する水溶液が好ましい。尿素系化合物としては、尿素の塩(例えば、硝酸塩、塩酸塩等)、N,N’−ジメチルアセチル尿素、N,N’−ジベンゾイル尿素、ベンゼンスルホニル尿素、p−トルエンスルホニル尿素、トリメチル尿素、テトラエチル尿素、テトラメチル尿素、トリフェニル尿素、テトラフェニル尿素、N−ベンゾイル尿素、メチルイソ尿素、エチルイソ尿素、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
特に尿素は、徐々に加水分解することでゆっくり沈殿が生成し、均一な沈殿が得られる点で好ましい。
また、沈殿剤を添加することで、水に不溶な塩基性炭酸塩、例えば、イットリウムの塩基性炭酸塩を生成させることができ、析出した沈殿を単分散の状態で分散させることができる点で好ましい。更に、後述するシェル形成工程においてもセリウムの塩基性炭酸塩を形成させるため、塩基性炭酸塩による連続的な層構造を形成させることができる。
なお、以下の実施例において、コア形成工程及びシェル形成工程において反応溶液に添加される水溶液は、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Bi、Th又はアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の塩として、硝酸イットリウムを水に溶解させ、調製される硝酸イットリウム水溶液の場合を示す。また、尿素系化合物として、尿素を用いる場合について示すが、一例であって、これに限定されるものではない。
コア形成工程におけるイットリウムを含有する水溶液の添加速度は、1分当たり0.003mol/Lから5.5mol/Lが好ましく、80℃以上で加熱撹拌しながら反応溶液に添加されることが好ましい。添加速度を当該範囲とすることにより、単分散性の優れた、球形状の研磨材粒子が形成されやすくなるためである。加熱する温度については、80℃以上で加熱撹拌されると、添加された尿素の分解が進みやすくなるためである。また、添加する尿素の濃度は、イットリウムのイオン濃度の5から50倍の濃度が好ましい。これは、イットリウムの水溶液中でのイオン濃度及び尿素の濃度を、当該範囲内とすることで、単分散性を示す球形状の研磨材粒子を合成することができるためである。
なお、加熱撹拌の際には、十分な撹拌効率を得られれば、特に撹拌機の形状等は指定しないが、より高い撹拌効率を得るためには、ローター・ステータータイプの軸流撹拌機を使用することが好ましい。
2.シェル形成工程
シェル形成工程は、コア形成工程により形成される、例えば、イットリウムの塩基性炭酸塩を分散させる反応溶液に、硝酸イットリウム及び硝酸セリウムにより調製された水溶液を一定速度で所定時間添加して、コアの外側にイットリウムの塩基性炭酸塩及びセリウムの塩基性炭酸塩を含む研磨材前駆体粒子のシェルを形成させる。
なお、水溶液の調製に用いるセリウムの塩として、製品への不純物の混入が少ない硝酸塩を使用することが好ましいため、硝酸セリウムを用いる場合を示したが、これに限定するものではなく、塩酸塩、硫酸塩等を用いることができる。
シェル形成工程で添加する水溶液の添加速度は、1分当たり0.003mol/Lから5.5mol/Lが好ましい。これは、添加速度を当該範囲とすることにより、単分散性の優れた、球形状の研磨材粒子が形成されやすくなるためである。
また、反応溶液は、前記添加速度で水溶液を添加されながら、80℃以上で加熱撹拌されることが好ましい。これは、80℃以上で加熱撹拌されると、コア形成工程において添加された尿素の分解が進みやすくなるためである。
シェル形成工程において、イットリウム及びセリウムを含有する所定の濃度に調製された水溶液を反応溶液に所定時間添加することで、反応溶液中のセリウムの組成が、連続的に増加する。具体的には、シェル形成工程における反応溶液の組成は、当該水溶液の添加開始後から反応溶液中のセリウムの組成比が増加し、イットリウムの組成比が減少する。加熱撹拌を開始してから所定時間、当該水溶液の添加を続けると、添加する水溶液のイットリウムとセリウムの組成比に近づいている。シェル形成工程により形成されるシェルは、反応溶液の組成変化に対応したイットリウム及びセリウムの組成比で形成される。
コア形成工程及びシェル形成工程において生成する研磨材前駆体粒子の大きさ、焼成時間及び焼成温度によって、1次粒子の凝集状態、すなわち、2次粒子の平均粒子径を調整することができる。
また、焼成後の2次粒子の平均粒子径については、解砕することにより、所望の平均粒子径にさらに調整することができる。
3.固液分離工程
固液分離工程では、加熱撹拌した後、生成した沈殿(研磨材微粒子の前駆体)を反応液と分離する固液分離操作を行う。固液分離操作の方法は、一般的な方法でよく、例えば、フィルター等を使用して濾過により研磨材前駆体粒子を得ることができる。
4.焼成工程
焼成工程では、固液分離工程により得られた研磨材前駆体粒子を酸化性雰囲気中で、1500℃以上の焼成温度で、3時間焼成する。焼成装置は、ローラーハースキルンを使用することが好ましい。
焼成工程における室温からの昇温及び室温までの降温は、研磨材粒子に微小なクラックの発生を抑制するため、25℃/minの速度で行う。焼成された研磨材前駆体粒子は、酸化物となり、酸化セリウムを含有する2次粒子となる。
なお、必要に応じて焼成する前に水又はアルコール等で洗浄、乾燥を行ってから焼成してもよい。
焼成を経て冷却することにより、研磨材粒子を安定させた後、当該研磨材粒子を含有する研磨材として回収することができる。
5.解砕工程
解砕工程は、焼成工程で得られた2次粒子を所望の平均粒子径に調整するために解砕する工程である。具体的には、得られた2次粒子を、解砕ふるいを使用して解砕することができる。
解砕ふるいとしては、例えば、ビーズミルを使用することができ、2次粒子を所望の平均粒子径にまで解砕した研磨材を得ることができる。
[層構造のない研磨材粒子の製造方法]
層構造のない研磨材粒子の製造方法は、おおむね以下の六つの工程1〜6からなる。炭酸ガスの導入は、工程1〜4までの間、連続的若しくは断続的に導入してもよく、少なくとも工程2〜工程3までの間導入することが好ましい。
炭酸ガスを連続的若しくは断続的に水溶液又は反応液に導入することで、炭酸イオン濃度を所望の範囲内に制御することができる。
ここで、連続的とは、炭酸ガスの導入を開始から終了までの間、一定の流量及び圧力で反応液に導入することをいう。
一方、断続的とは、炭酸ガスの導入を開始から終了までの間、所定の流量及び圧力で間隔をあけて反応液に導入することをいう。なお、当該間隔は、流量及び圧力に合わせて適宜設定することができる。
例えば、工程2で沈殿剤を添加される直前の、水溶液又は反応液中の炭酸イオン濃度が、50〜1600mg/Lの範囲内、特に58〜1569mgの範囲内であることが、反応液に十分な量の炭酸ガスを導入することができ、炭酸ガスの供給量を制御できる点で好ましい。
1.工程1(希土類水溶液調製工程)
工程1(希土類水溶液調製工程)は、セリウム(Ce)を含有する水溶液を調製し加熱する。
具体的には、まず、セリウムを含有する水溶液を調製する。
例えば、セリウムの含有量が、水溶液に含有される希土類元素の全体量に対して、95〜100mol%である水溶液又はセリウムを必ず含み、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する水溶液を調製する。
また、セリウムの含有量が、水溶液に含有される希土類元素の全体量に対して、95〜100mol%である水溶液又はセリウムを必ず含み、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する水溶液中でのイオン濃度は、0.001mol/Lから0.1mol/Lで、尿素は前記イオン濃度の5〜50倍の濃度が好ましい。
これは、セリウムのみ、又はセリウムを必ず含み、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種の元素の水溶液中でのイオン濃度及び尿素のイオン濃度を、当該範囲内とすることで、単分散性を示す球形状の研磨材粒子を合成することができると考えられるためである。
当該水溶液を調製するために用いることができるこれらの元素の塩として、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩等を用いることができるが、硝酸塩を使用することが好ましい。これにより、不純物の少ない研磨材を製造することができる。
2.工程2(沈殿剤添加工程)
工程2(沈殿剤添加工程)では、工程1において加熱された水溶液に沈殿剤を添加して反応液を調製する。
沈殿剤は、尿素又は尿素系化合物であることが、加水分解反応により二酸化炭素とアンモニアを供給できる点で好ましい。
具体的には、工程2(沈殿剤添加工程)では、例えば、所定の濃度の尿素水溶液をあらかじめ調製し、当該尿素水溶液を加熱して添加する。
例えば、5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L調製し、60℃まで加熱する。
60℃以下で加熱することにより、尿素を加水分解することなく保持することができ、かつ、工程1において加熱された水溶液に添加する際に反応液の温度を極端に低下させることなく反応を進めることができる。
なお、尿素水溶液の代わりに、コア形成工程で使用した尿素系化合物により調製する水溶液を使用することもできる。なお、以下の実施例において、尿素水溶液を用いて塩基性炭酸塩を形成させる場合について示すが、一例であって、これに限定されるものではない。
ここでの、尿素水溶液の添加は、添加速度が速い方が好ましい。具体的には、前記尿素水溶液の添加速度が、0.5L/min以上が好ましく、特に1.0L/min以上が好ましい。尿素水溶液の添加速度を速めることで、尿素水溶液により生成した研磨材粒子の核が異方成長することなく球形状に成長することができると考えられる。
3.工程3(研磨材前駆体粒子生成工程)
工程3(研磨材前駆体粒子生成工程)では、反応液を加熱撹拌して研磨材前駆体粒子を生成させる。
具体的には、当該混合した溶液を加熱しながら撹拌する。
尿素水溶液と希土類水溶液を混合することで、研磨材粒子の核が生成し、当該混合溶液に分散する。研磨材粒子の核が分散する混合溶液を加熱撹拌することにより、当該研磨材の核が成長し、研磨材前駆体粒子が得られる。
当該研磨材前駆体粒子は、希土類水溶液と尿素水溶液とが反応することで、塩基性炭酸塩として生成する。
加熱する際の加熱温度は、80℃以上が好ましく、90℃以上が特に好ましい。また、撹拌時間は1時間以上10時間以下が好ましく、1時間以上3時間以下が特に好ましい。なお、加熱温度及び撹拌時間は、目的とする粒子径に合わせて適宜調整することができる。
研磨材粒子の核の大きさや、希土類水溶液と尿素水溶液の反応液を加熱する温度及び撹拌時間によって、研磨材前駆体粒子(1次粒子)の平均粒子径を調整することができる。さらに、焼成温度や焼成時間を調整することにより、焼結状態を変化させることができるため、2次粒子の凝集状態、すなわち、2次粒子の平均粒子径を調整することもできる。
また、加熱撹拌の際には、十分な撹拌効率を得られれば、特に撹拌機の形状等は指定しないが、より高い撹拌効率を得るためには、ローター・ステータータイプの撹拌機を使用することが好ましい。
4.工程4(固液分離工程)
工程4(固液分離工程)では、層構造を有する研磨材粒子の製造方法と同様の固液分離操作により研磨材前駆体粒子を得ることができる。
5.工程5(焼成工程)
工程5(焼成工程)では、層構造を有する研磨材粒子の製造方法と同様に焼成することで、酸化セリウムを含有する研磨材粒子が得られる。
なお、焼成を経て冷却することにより、研磨材粒子を安定させた後、当該研磨材粒子を含有する研磨材として回収することができる。
また、当該研磨材は、当該研磨材粒子を50質量%以上含有し、好ましくは70質量%以上含有し、90質量%以上含有することが特に好ましい。これにより、研磨による表面粗さが小さい研磨材を得ることができる。
6.工程6(解砕工程)
工程6(解砕工程)では、層構造を有する研磨材粒子の製造方法と同様に解砕することで、2次粒子を所望の平均粒子径にまで解砕した研磨材を得られる。
<研磨加工方法>
情報記録ディスク用ガラス基板の研磨加工を例にとり、研磨加工方法を記載する。
1.研磨材スラリーの調製
研磨材粒子を含有する研磨材の粉体を水等の溶媒に添加し、研磨材スラリーを調製する。研磨材スラリーには、分散剤等を添加することで、凝集を防止するとともに、撹拌機等を用いて常時撹拌し、分散状態を維持する。研磨材スラリーは供給用ポンプを利用して、研磨機に循環供給される。
2.研磨加工
研磨パット(研磨布)が貼られた研磨機の上下定盤にガラス基板を接触させ、接触面に対して研磨材スラリーを供給しながら、加圧条件下でパットとガラスを相対運動させることで研磨することができる。
以下に研磨材の製造方法を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
なお、焼成前の研磨材前駆体粒子を1次粒子とし、焼成して得られた2次粒子を解砕により平均粒子径を調整し、それぞれの平均粒子径を後述する方法で求め、その結果を表1に示した。
<研磨材1>
(1) 水10Lに対して、硝酸イットリウム水溶液を0.01mol/L、尿素を0.25mol/Lになるように調製し、十分に撹拌したのち、90℃で加熱撹拌を開始した。
(2) 前記(1)の水溶液に対して、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液を毎分1mLの添加速度で4分間添加した。
(3) 前記(2)の水溶液に対して、0.1mol/Lのイットリウム、0.9mol/Lのセリウムを含む硝酸水溶液を毎分1mLの添加速度で4分間添加した。
(4) 前記(3)で析出した研磨材前駆体粒子をメンブランフィルターにて分離し、1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度(室温からの昇温及び室温までの降温過程)で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(5) 前記(4)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が150nmの2次粒子を得た。
(6) 前記(5)で得られた平均粒子径を調整した2次粒子を粒度分布測定により同程度の粒子径に分布を調整し、単分散度(CV値)を高めた。具体的には、円筒状の容器に単分散度の低い状態の粒子群を水に分散させたものを入れ、円筒状の垂直方向の中心部分から液を抜き出して、同程度の大きさの2次粒子群を得た。以下の研磨材についても同様の方法で単分散度を高めた。
<研磨材2〜4>
研磨材2〜4の製造方法は、研磨材1と同様であって、(5)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ250nm、5000nm、10000nmの2次粒子に調整した。
<研磨材5>
(1) 水10Lに対して、硝酸イットリウム水溶液を0.01mol/L、尿素を0.25mol/Lになるように調製し、十分に撹拌したのち、90℃で加熱撹拌を開始した。
(2) 前記(1)の水溶液に対して、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液を毎分1mLの添加速度で5分間添加した。
(3) 前記(2)の水溶液に対して、0.1mol/Lのイットリウム、0.9mol/Lのセリウムを含む硝酸水溶液を毎分1mLの添加速度で5分間添加した。
(4) 前記(3)で析出した研磨材前駆体粒子をメンブランフィルターにて分離し、1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(5) 前記(4)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が150nmの2次粒子を得た。
<研磨材6〜9>
研磨材6〜9の製造方法は、研磨材5と同様であって、(5)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ300nm、1000nm、5000nm、10000nmの2次粒子に調整した。
<研磨材10>
(1) 水10Lに対して、硝酸イットリウム水溶液を0.01mol/L、尿素を0.25mol/Lになるように調製し、十分に撹拌したのち、90℃で加熱撹拌を開始した。
(2) 前記(1)の水溶液に対して、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液を毎分1mLの添加速度で25分間添加した。
(3) 前記(2)の水溶液に対して、0.1mol/Lのイットリウム、0.9mol/Lのセリウムを含む硝酸水溶液を毎分1mLの添加速度で25分間添加した。
(4) 前記(3)で析出した研磨材前駆体粒子をメンブランフィルターにて分離し、1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(5) 前記(4)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が1000nmの2次粒子を得た。
(6) 前記(5)で得られた平均粒子径を調整した2次粒子を粒度分布測定により同程度の粒子径に分布を調整し、単分散度(CV値)を高めた。
<研磨材11>
(1) 水10Lに対して、硝酸イットリウム水溶液を0.01mol/L、尿素を0.25mol/Lになるように調製し、十分に撹拌したのち、90℃で加熱撹拌を開始した。
(2) 前記(1)の水溶液に対して、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液を毎分1mLの添加速度で25分間添加した。
(3) (2)の水溶液に対して、0.1mol/Lのイットリウム、0.9mol/Lのセリウムを含む硝酸水溶液を毎分1mLの添加速度で25分間添加した。
(4) 前記(3)で析出した研磨材前駆体粒子をメンブランフィルターにて分離し、1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(5) 前記(4)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が1000nmの2次粒子を得た。
<研磨材12、13>
研磨材12、13の製造方法は、研磨材10と同様であって、(5)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ5000nm、10000nmの2次粒子に調整した。
<研磨材14>
(1) 水10Lに対して、硝酸イットリウム水溶液を0.01mol/L、尿素を0.25mol/Lになるように調製し、十分に撹拌したのち、90℃で加熱撹拌を開始した。
(2) 前記(1)の水溶液に対して、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液を毎分1mLの添加速度で25分間添加した。
(3) 前記(2)の水溶液に対して、0.1mol/Lのイットリウム、0.9mol/Lのセリウムを含む硝酸水溶液を毎分1mLの添加速度で25分間添加した。
(4) 前記(3)で析出した研磨材前駆体粒子をメンブランフィルターにて分離し、1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(5) 前記(4)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が10000nmの2次粒子を得た。
<研磨材15>
研磨材15の製造方法は、研磨材10と同様であって、(5)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、15000nmの2次粒子に調整した。
<研磨材16>
(1) 水10Lに対して、硝酸イットリウム水溶液を0.01mol/L、尿素を0.25mol/Lになるように調製し、十分に撹拌したのち、90℃で加熱撹拌を開始した。
(2) 前記(1)の水溶液に対して、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液を毎分1mLの添加速度で50分間添加した。
(3) 前記(2)の水溶液に対して、0.1mol/Lのイットリウム、0.9mol/Lのセリウムを含む硝酸水溶液を毎分1mLの添加速度で50分間添加した。
(4) 前記(3)で析出した研磨材前駆体粒子をメンブランフィルターにて分離し、1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(5) 前記(4)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が5000nmの2次粒子を得た。
(6) 前記(5)で得られた平均粒子径を調整した2次粒子を粒度分布測定により同程度の粒子径に分布を調整し、単分散度(CV値)を高めた。
<研磨材17、18>
研磨材17、18の製造方法は、研磨材16と同様であって、(5)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ10000nm、15000nmの2次粒子に調整した。
<研磨材19>
(1) 水10Lに対して、硝酸イットリウム水溶液を0.01mol/L、尿素を0.25mol/Lになるように調製し、十分に撹拌したのち、90℃で加熱撹拌を開始した。
(2) 前記(1)の水溶液に対して、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液を毎分1mLの添加速度で60分間添加した。
(3) 前記(2)の水溶液に対して、0.1mol/Lのイットリウム、0.9mol/Lのセリウムを含む硝酸水溶液を毎分1mLの添加速度で60分間添加した。
(4) 前記(3)で析出した研磨材前駆体粒子をメンブランフィルターにて分離し、1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(5) 前記(4)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が2000nmの2次粒子を得た。
(6) 前記(5)で得られた平均粒子径を調整した2次粒子を粒度分布測定により同程度の粒子径に分布を調整し、単分散度(CV値)を高めた。
<研磨材20、21>
研磨材20、21の製造方法は、研磨材19と同様であって、(5)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ5000nm、10000nmの2次粒子に調整した。
<研磨材22>
(1) 5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、60℃まで加熱した。
(2) 1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとを混合した後、純水を加えて9.5Lとし、この混合水溶液を90℃に加熱した。
(3) 前記(2)で90℃に加熱した混合水溶液に炭酸ガスを0.5L/minの流量、0.1MPaの供給圧力で、供給を開始した。
(4) 前記(3)で炭酸ガスの供給を開始してから15分後に、前記(3)で90℃に加熱し、炭酸ガスが供給された硝酸セリウム水溶液に前記(1)で調製した尿素水溶液を、1L/minの添加速度で添加した。
(5) 前記(4)で硝酸セリウム水溶液に尿素水溶液を添加した反応液を90℃で8分間加熱撹拌した。
(6) 前記(5)で加熱撹拌した反応液中に析出した研磨材粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(7) 前記(6)で分離した研磨材粒子の前駆体を1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(8) 前記(7)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が150nmの2次粒子を得た。
(9) 前記(8)で得られた平均粒子径を調整した2次粒子を粒度分布測定により同程度の粒子径に分布を調整し、単分散度(CV値)を高めた。
<研磨材23〜25>
研磨材23〜25の製造方法は、研磨材1と同様であって、(8)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ250nm、5000nm、10000nmの2次粒子に調整した。
<研磨材26>
(1) 5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、60℃まで加熱した。
(2) 1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとを混合した後、純水を加えて9.5Lとし、この混合水溶液を90℃に加熱した。
(3) 前記(2)で90℃に加熱した混合水溶液に炭酸ガスを0.5L/minの流量、0.1MPaの供給圧力で、供給を開始した。
(4) 前記(3)で炭酸ガスの供給を開始してから15分後に、前記(3)で90℃に加熱し、炭酸ガスが供給された硝酸セリウム水溶液に前記(1)で調製した尿素水溶液を、1L/minの添加速度で添加した。
(5) 前記(4)で硝酸セリウム水溶液に尿素水溶液を添加した反応液を90℃で10分間加熱撹拌した。
(6) 前記(5)で加熱撹拌した反応液中に析出した研磨材粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(7) 前記(6)で分離した研磨材粒子の前駆体を1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(8) 前記(7)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が150nmの2次粒子を得た。
(9) 前記(8)で得られた平均粒子径を調整した2次粒子を粒度分布測定により同程度の粒子径に分布を調整し、単分散度(CV値)を高めた。
<研磨材27〜30>
研磨材27〜30の製造方法は、研磨材26と同様であって、(8)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ300nm、1000nm、5000nm、10000nmの2次粒子に調整した。
<研磨材31>
(1) 5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、60℃まで加熱した。
(2) 1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとを混合した後、純水を加えて9.5Lとし、この混合水溶液を90℃に加熱した。
(3) 前記(2)で90℃に加熱した混合水溶液に炭酸ガスを0.5L/minの流量、0.1MPaの供給圧力で、供給を開始した。
(4) 前記(3)で炭酸ガスの供給を開始してから15分後に、前記(3)で90℃に加熱し、炭酸ガスが供給された硝酸セリウム水溶液に前記(1)で調製した尿素水溶液を、1L/minの添加速度で添加した。
(5) 前記(4)で硝酸セリウム水溶液に尿素水溶液を添加した反応液を90℃で50分間加熱撹拌した。
(6) 前記(5)で加熱撹拌した反応液中に析出した研磨材粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(7) 前記(6)で分離した研磨材粒子の前駆体を1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(8) 前記(7)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が500nmの2次粒子を得た。
(9) 前記(8)で得られた平均粒子径を調整した2次粒子を粒度分布測定により同程度の粒子径に分布を調整し、単分散度(CV値)を高めた。
<研磨材32>
(1) 5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、60℃まで加熱した。
(2) 1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとを混合した後、純水を加えて9.5Lとし、この混合水溶液を90℃に加熱した。
(3) 前記(2)で90℃に加熱した混合水溶液に炭酸ガスを0.5L/minの流量、0.1MPaの供給圧力で、供給を開始した。
(4) 前記(3)で炭酸ガスの供給を開始してから15分後に、前記(3)で90℃に加熱し、炭酸ガスが供給された硝酸セリウム水溶液に前記(1)で調製した尿素水溶液を、1L/minの添加速度で添加した。
(5) 前記(4)で硝酸セリウム水溶液に尿素水溶液を添加した反応液を90℃で50分間加熱撹拌した。
(6) 前記(5)で加熱撹拌した反応液中に析出した研磨材粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(7) 前記(6)で分離した研磨材粒子の前駆体を1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(8) 前記(7)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が500nmの2次粒子を得た。
<研磨材33、34>
研磨材33、34の製造方法は、研磨材31と同様であって、(8)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ5000nm、10000nmの2次粒子に調整した。
<研磨材35>
(1) 5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、60℃まで加熱した。
(2) 1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとを混合した後、純水を加えて9.5Lとし、この混合水溶液を90℃に加熱した。
(3) 前記(2)で90℃に加熱した混合水溶液に炭酸ガスを0.5L/minの流量、0.1MPaの供給圧力で、供給を開始した。
(4) 前記(3)で炭酸ガスの供給を開始してから15分後に、前記(3)で90℃に加熱し、炭酸ガスが供給された硝酸セリウム水溶液に前記(1)で調製した尿素水溶液を、1L/minの添加速度で添加した。
(5) 前記(4)で硝酸セリウム水溶液に尿素水溶液を添加した反応液を90℃で50分間加熱撹拌した。
(6) 前記(5)で加熱撹拌した反応液中に析出した研磨材粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(7) 前記(6)で分離した研磨材粒子の前駆体を1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(8) 前記(7)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が10000nmの2次粒子を得た。
<研磨材36>
研磨材36の製造方法は、研磨材31と同様であって、(8)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、15000nmの2次粒子に調整した。
<研磨材37>
(1) 5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、60℃まで加熱した。
(2) 1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとを混合した後、純水を加えて9.5Lとし、この混合水溶液を90℃に加熱した。
(3) 前記(2)で90℃に加熱した混合水溶液に炭酸ガスを0.5L/minの流量、0.1MPaの供給圧力で、供給を開始した。
(4) 前記(3)で炭酸ガスの供給を開始してから15分後に、前記(3)で90℃に加熱し、炭酸ガスが供給された硝酸セリウム水溶液に前記(1)で調製した尿素水溶液を、1L/minの添加速度で添加した。
(5) 前記(4)で硝酸セリウム水溶液に尿素水溶液を添加した反応液を90℃で100分間加熱撹拌した。
(6) 前記(5)で加熱撹拌した反応液中に析出した研磨材粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(7) 前記(6)で分離した研磨材粒子の前駆体を1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(8) 前記(7)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が5000nmの2次粒子を得た。
(9) 前記(8)で得られた平均粒子径を調整した2次粒子を粒度分布測定により同程度の粒子径に分布を調整し、単分散度(CV値)を高めた。
<研磨材38、39>
研磨材38、39の製造方法は、研磨材37と同様であって、(8)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ10000nm、15000nmの2次粒子に調整した。
<研磨材40>
(1) 5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、60℃まで加熱した。
(2) 1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mLと、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mLとを混合した後、純水を加えて9.5Lとし、この混合水溶液を90℃に加熱した。
(3) 前記(2)で90℃に加熱した混合水溶液に炭酸ガスを0.5L/minの流量、0.1MPaの供給圧力で、供給を開始した。
(4) 前記(3)で炭酸ガスの供給を開始してから15分後に、前記(3)で90℃に加熱し、炭酸ガスが供給された硝酸セリウム水溶液に前記(1)で調製した尿素水溶液を、1L/minの添加速度で添加した。
(5) 前記(4)で硝酸セリウム水溶液に尿素水溶液を添加した反応液を90℃で2時間加熱撹拌した。
(6) 前記(5)で加熱撹拌した反応液中に析出した研磨材粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した。
(7) 前記(6)で分離した研磨材粒子の前駆体を1500℃で3時間、25℃/minの昇温・降温速度で焼成して15000nmの2次粒子を得た。
(8) 前記(7)で得られた2次粒子を解砕して平均粒子径を調整し、平均粒子径が2000nmの2次粒子を得た。
(9) 前記(8)で得られた平均粒子径を調整した2次粒子を粒度分布測定により同程度の粒子径に分布を調整し、単分散度(CV値)を高めた。
<研磨材41、42>
研磨材41、42の製造方法は、研磨材40と同様であって、(8)で2次粒子を解砕する際に、平均粒子径が、それぞれ5000nm、10000nmの2次粒子に調整した。
<研磨材の評価>
研磨材1〜42を水に分散させたスラリーについて、以下の方法に従って、形状・研磨性能の評価を行った。
1.粒子形状・アスペクト比
研磨材粒子について、日立製作所製走査型電子顕微鏡(SEM)S−3700Nを用いて、走査型電子顕微鏡写真(SEM像)の撮影を行い、粒子100個を無作為に選択し、その長径をa、短径をbとしてとき、a/bの値の平均値をアスペクト比として求めた。なお、各粒子について外接する長方形(「外接長方形」という。)を描いたとき、外接長方形の短辺及び長辺うち、最短の短辺の長さを短径とし、最長の長辺の長さを長径とする。
アスペクト比が、1.00〜1.15の範囲内、より好ましくは1.00〜1.05の範囲内である場合に球形状として分類する。1.00〜1.15の範囲外である場合は不定形として分類した。研磨材1〜42に含有される1次粒子が、球形状であることを確認した。
2.平均粒子径・粒子径変動係数(CV値)
研磨材前駆体粒子(1次粒子)20個の走査型電子顕微鏡写真から、各粒子の写真画像の面積に基づき、面積円相当粒子径を求め、これを各粒子の粒子径とした。
平均粒子径は、20個の研磨材粒子の粒子径の算術平均値とした。
また、研磨加工前後の平均粒子径及び2次粒子の単分散度は、粒度分布測定を用いて求めた。
粒度分布測定は、堀場製作所製LA−950S2を用いて、解砕後の2次粒子を水に分散させ、そのうち適量を装置に投入する。分散媒中の粒子にレーザーが当たると、光散乱理論により、粒子種(この場合はセリウム)と粒子の大きさに固有の屈折率・大きさで散乱することが分かっており、この原理を用いて研磨加工前後の平均粒子径を算出した。
また、2次粒子の単分散度は、粒度分布測定より得られた粒子径を用いて、算出した粒子径分布の変動係数により規定した。
また粒子径分布変動係数は下記の式で求めた。
変動係数(%)=(粒子径分布の標準偏差/平均粒子径)×100
平均粒子径は、100個の研磨材粒子の粒子径の算術平均値とした。
3.研磨速度
研磨速度は、研磨材粒子を用いた研磨材の粉体を水等の溶媒に分散させた研磨材スラリーを、研磨機の研磨対象面に供給しながら、研磨対象面を研磨布で研磨することで測定した。研磨材スラリーは分散媒を水のみとして、濃度は100g/Lとし、孔径5μmのフィルターに通した。研磨試験においては、研磨材スラリーを5L/minの流量で循環供給させて研磨加工を行った。研磨対象物として、65mmΦのガラス基板を使用し、研磨布は、ポリウレタン製の物を使用した。研磨面に対する研磨時の圧力は、9.8kPa(100g/cm)とし、研磨試験機の回転速度は100min−1(rpm)に設定し、30分間研磨加工を行った。研磨前後の厚さをNikon Digimicro(MF501)にて測定し、厚さ変位から1分間当たりの研磨量(μm)を算出し、研磨速度とした。
研磨加工開始から5分間の研磨量の平均を初期研磨速度として算出し、研磨加工終了5分前から終了までの5分間の研磨量の平均を終期研磨速度として算出した。
4.傷
また、ガラス基板表面の表面状態(傷の個数)について、30分間研磨加工を行ったガラス基板を、光波干渉式表面粗さ計(Zygo社製Dual−channel ZeMapper)を用いて、ガラス基板全面の凹凸を測定することにより傷の個数の評価を行った。
具体的には、30分間研磨加工を行ったガラス基板の表面を、Zygo社製Dual−channel ZeMapperを用いて、ガラス基板5枚について、50〜100μmの範囲内の傷の有無を目視で調べ、その一枚あたりの発生数の平均値で表した。
<研磨材の形状・研磨性能の評価>
以上の評価により得られた結果を表1、2にまとめた。
Figure 2015019877
Figure 2015019877
表1、2より、研磨材1〜42のうち、1次粒子の平均粒子径が、100〜1000nmの範囲内であり、かつ、2次粒子の平均粒子径が、300〜10000nmの範囲内である研磨材粒子を含む研磨材は、範囲外の研磨材よりも研磨速度が速く、傷の発生を抑制できることがわかった。
本発明は、ガラス製品や半導体デバイス、水晶発振子等の製造工程において、酸化セリウムを含有する研磨材により研磨する分野において利用可能性がある。

Claims (3)

  1. セリウムを含有する研磨材粒子を含む研磨材であって、
    前記研磨材粒子が、研磨材前駆体粒子である1次粒子を焼成して得た2次粒子であり、
    前記1次粒子が、球形状であり、
    前記1次粒子の平均粒子径が、100〜1000nmの範囲内であり、かつ、
    前記2次粒子の平均粒子径が、300〜10000nmの範囲内である
    ことを特徴とする研磨材。
  2. 前記研磨材に含まれる前記研磨材粒子の粒子径変動係数が、25%以下であることを特徴とする請求項1に記載の研磨材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の研磨材を含むことを特徴とする研磨材スラリー。
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