JP6447499B2 - 研磨材の製造方法及び研磨加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨材の製造方法と、それを用いた研磨加工方法に関する。より詳しくは、研磨性能に優れた酸化セリウムを含む研磨材粒子を含有する研磨材の製造方法、及び研磨速度が向上した研磨加工方法に関する。
ガラス光学素子や半導体デバイス等を、製造工程で精密研磨するのに用いられる研磨材としては、従来、酸化セリウムを主成分とし、これに酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化プラセオジムなどが加わった希土類元素酸化物が使用されている。この他の研磨材としては、ダイヤモンド、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカ等が挙げられるが、研磨速度や研磨後の被研磨物の表面粗さ(研磨後の表面平滑性)の観点等で比較すると、酸化セリウムを含む研磨材が有効であり、現在、広範囲で用いられている。
一般に研磨材として流通している酸化セリウム粒子では、その多くは粉砕法により製造されている。粉砕法により製造される研磨材粒子は、表面に鋭角なエッジ状構造を有しているため、研磨速度は速いが、被研磨物表面に傷が生じやすいという問題を抱えている。
また、オングストローム(Å)という高レベルの平滑度が要求されるガラス光学素子、半導体デバイス等における研磨工程としては、はじめに、研磨速度が速い酸化セリウム粒子等を用いて一次研磨した後、数十nmサイズのコロイダルシリカを使用して二次研磨を行い、表面の平滑性(表面粗さ)を向上させる方法が一般的である。
しかしながら、上記の方法では、研磨工程が多段階にわたることにより、生産性が低下することが問題となっている。また、近年、被研磨物の平滑度に対する要求が一層高まっており、高い研磨速度を維持すると共に、研磨時に平滑度を損なう要因となる傷の発生を抑制することができる球形状の研磨材粒子の開発が求められている。
ガラス光学素子等の製造工程に適用し、精密研磨を行うことのできる高純度の酸化セリウム系研磨材の製造方法としては、精製された硝酸第一セリウム、塩化第一セリウム、硫酸第一セリウム等のセリウム水溶液に、炭酸、シュウ酸、酢酸等の塩を添加して炭酸第一セリウム、シュウ酸第一セリウム、酢酸第一セリウム等の生成物を沈殿させ、この沈殿物を濾過し、乾燥したのち、焼成処理を施して酸化セリウム粒子を得る方法がある。
例えば、非特許文献1では、硝酸セリウム水溶液及び硝酸イットリウム水溶液等の希土類元素水溶液に、沈殿剤として尿素を含む沈殿剤水溶液を添加した後、加熱及び撹拌し、粒子径分布の狭い研磨材の前駆体粒子を得る方法が紹介されている。
しかしながら、非特許文献1に記載の方法で製造された酸化セリウム前駆体粒子に焼成処理を施して、酸化セリウム研磨材粒子を製造し、その研磨効果を確認した結果、研磨速度が十分ではなく、実用に際し大きな問題を抱えていた。この研磨速度を低下させている原因としては、粒子形状と粒子径分布を調整するために、セリウム元素以外の希土類元素、例えば、イットリウム等が混合されていることにより、粒子表面におけるセリウム元素濃度が相対的に低下し、それにより研磨速度を低下させていることが判明した。
一方、特許文献1では、セリウムに加え、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウムから選ばれる少なくとも1種類の元素と、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素の塩を含有する水溶液に、沈殿剤として尿素系化合物を添加して、球形状の希土類塩基性炭酸塩(希土類酸化物粒子前駆体)を形成し、これを焼成することにより、球形状の希土類酸化物研磨材粒子を得る方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、イットリウム及びガドリニウム等から選ばれる少なくとも1種類の元素を20mol%以上の割合で含有させないと、球形状の粒子を得ることができない。
また、特許文献2及び特許文献3では、球形状の単分散性を示す希土類酸化物の粒子を得る方法として、ガドリニウム、テルビウム、ユウロピウム、サマリウム、ネオジム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム及びイッテルビウムを使用する方法が開示されている。
しかしながら、構成元素としてセリウムを用い、球形状の単分散性を示す酸化物粒子を得る方法は記載されていない。
また、非特許文献2では、希土類元素の鉱酸塩水溶液に尿素を添加及び加熱して希土類元素の不溶性塩を沈殿させ、これを焼成して希土類元素酸化物を調製する方法が紹介されている。
しかしながら、合成スケールを大きくすると、球形状の粒子ではなく、異方成長した不定形の粒子が形成され、粒子径分布の広い研磨材となってしまう。
また、特許文献4には、金属酸化物粒子が、金属塩、高分子化合物及び高沸点有機溶媒を含有する混合物を加熱することにより生成する金属酸化物を焼成して得られる金属酸化物粒子の製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献4で記載されている方法では、結晶子が凝集して粒子が形成されているため、真球形状ではなく、表面に凹凸構造が多く、被研磨物に対しキズが付きやすい構造となっている。また、凝集粒子から構成されている粒子塊であるため、研磨加工に用いた際に崩壊しやすいという問題を抱えている。
さらに、有機溶媒を溶媒として使用し、高温での反応を必要とするため、生産性が悪い。また、高分子化合物を使用しているため、粒子表面に高分子化合物が残留した場合、焼成時に凝集を起こし、粒子径の制御が難しいといった問題がある。
また、酸化セリウム粒子による研磨においては、酸化セリウム表面に3価のセリウム原子が多く存在し、4価のセリウム原子が粒子内部に安定に存在することで、表面の3価のセリウムが被研磨物の分子結合を切断し、研磨が進行すると考えられている。しかしながら、小さい粒子の凝集体である特許文献4に記載の粒子塊においては、粒子表面と内部でセリウム原子の価数の差が表れにくく、表面に3価のセリウム原子が存在しにくくなるため、研磨速度の増加が見込めない。
一方、特許文献5には、有機粒子の表面に無機粒子を付着させた複合粒子を用いた研磨方法が開示されている。しかしながら、特許文献5で開示されている方法では、有機粒子表面を被覆する無機粒子の層厚が薄いため、粒子内での酸素の拡散が起こり難くなるため、粒子表面に3価のセリウム原子を多く存在させることができない。加えて、粒子そのものが大きすぎるため、高度の平滑性を得ることができないという問題を抱えている。
国際公開第2012/101871号 米国特許第5015452号明細書 特開平11−35320号公報 特開2013−110272号公報 特開2012−135866号公報
J.Am.Ceram.Soc.,71巻、10号、845〜853頁(1988年) Colloid Polym.Sci.,280巻、274〜281頁(2002年)
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、精密研磨に適した研磨性能を有し、研磨速度が速く、かつ単分散性が高い研磨材粒子を含有する研磨材の製造方法、及びそれを用いた研磨加工方法を提供することである。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を進めた結果、希土類塩水溶液と沈殿剤を用いた合成法により製造される研磨材粒子を含有する研磨剤の製造方法であって、研磨剤粒子が、研磨材粒子プロファイルとして、平均アスペクト比が1.00〜1.15の範囲内にある真球度の高い球形状粒子であり、粒子径累積分布曲線から求められる粒子径D50(nm)が特定の範囲内であり、かつセリウムの平均含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し95〜100mol%の範囲内という高濃度で含有し、かつ前記工程A〜工程F、又は工程1〜工程6を経て製造することを特徴とする研磨材粒子の製造方法により、精密研磨に適した研磨性能を有し、研磨速度が速く、かつ単分散性が高い研磨材粒子を含有する研磨剤の製造方法を提供することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。
.セリウムを含む研磨材粒子を含有する研磨材の製造方法であって、
前記研磨剤粒子が、
平均アスペクト比が1.00〜1.15の範囲内にある球形状粒子であり、
粒子径累積分布曲線から求められる粒子径D50(nm)が50〜1500nmの範囲内であり、
セリウムの平均含有率、又はセリウムと、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)及びユウロピウム(Eu)から選ばれる少なくとも1種の元素との総含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し81mol%以上であり、かつ
少なくとも下記工程A〜工程Fを経て製造することを特徴とする研磨材の製造方法。
工程A:室温下で所定の濃度の沈殿剤水溶液を調製し、密閉容器内で加熱して、沈殿剤水溶液を調製する工程
工程B:少なくともセリウム(Ce)を含有する希土類塩水溶液を調製する工程
工程C:前記工程Bで調製した前記希土類塩水溶液を開放釜に収納し、室温まで冷却した前記沈殿剤溶液を密閉容器より、前記開放釜内に供給して反応液を調製する工程
工程D:前記反応液を、開放釜内で加熱及び撹拌して、研磨材粒子前駆体を生成させる工程
工程E:前記工程Dで生成した研磨材粒子前駆体を、反応液から分離する工程
工程F:前記工程Eで分離して得られた前記研磨材粒子前駆体を、酸化性雰囲気中で焼成して研磨材粒子を形成させる工程
.セリウムを含む研磨材粒子を含有する研磨材の製造方法であって、
前記研磨剤粒子が、
平均アスペクト比が1.00〜1.15の範囲内にある球形状粒子であり、
粒子径累積分布曲線から求められる粒子径D50(nm)が50〜1500nmの範囲内であり、
セリウムの平均含有率、又はセリウムと、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)及びユウロピウム(Eu)から選ばれる少なくとも1種の元素との総含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し81mol%以上であり、かつ
少なくとも下記工程1〜工程6を経て研磨材粒子を含有する研磨材を製造することを特徴とする研磨材の製造方法。
工程1:少なくともセリウム(Ce)を含有する希土類塩水溶液を調製する工程
工程2:前記工程1で調製した前記希土類塩水溶液を圧力容器内に収納した後、100℃以上に加熱する工程
工程3:前記工程2で100℃以上に加熱した圧力容器中の前記希土類塩水溶液に、65℃以下に保温した沈殿剤溶液を開放系の調整釜より加圧しながら供給して反応液を調製する工程
工程4:前記反応液を、圧力容器内で100℃以上に加熱及び撹拌して、研磨材粒子前駆体を生成させる工程
工程5:前記工程4で生成した研磨材粒子前駆体を、反応液から分離する工程
工程6:前記工程5で分離して得られた前記研磨材粒子前駆体を、酸化性雰囲気中で焼成して研磨材粒子を形成させる工程
.前記希土類塩水溶液が、下記組成要件1c〜組成要件3cを満たすことを特徴とする第項に記載の研磨材の製造方法。
組成要件1c:前記希土類塩水溶液が、前記セリウムに加えて、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から選ばれる少なくとも1種類の元素を含有する。
組成要件2c:前記希土類塩水溶液に含有されるセリウムと、当該セリウム含有水溶液に含有される、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム及びユウロピウムから選ばれる少なくとも1種類の元素との含有率の合計が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し81mol%以上である。
組成要件3c:前記希土類塩水溶液に含有される、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し19mol%以下である。
.前記希土類塩水溶液が、下記組成要件1d〜組成要件3dを満たすことを特徴とする第項又は第項に記載の研磨材の製造方法。
組成要件1d:前記希土類塩水溶液が、前記セリウムに加えて、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素を含有する。
組成要件2d:前記希土類塩水溶液のセリウムの含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し81mol%以上である。
組成要件3d:前記希土類塩水溶液に含有される、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し19mol%以下である。
.前記希土類塩水溶液が、下記組成要件1e〜組成要件3eを満たすことを特徴とする第項から第項までのいずれか一項に記載の研磨材の製造方法。
組成要件1e:前記希土類塩水溶液が、前記セリウムに加えて、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素を含有する。
組成要件2e:前記希土類塩水溶液のセリウムの含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し90mol%以上である。
組成要件3e:前記希土類塩水溶液に含有される、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し10mol%以下である。
.前記希土類塩水溶液のセリウムの含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し95〜100mol%の範囲内であることを特徴とする第項に記載の研磨材の製造方法。
.前記沈殿剤溶液が含有する沈殿剤が、尿素又は尿素系化合物であることを特徴とする第項から第項までのいずれか一項に記載の研磨材の製造方法。
.第項から第項までのいずれか一項に記載の研磨材の製造方法により製造された研磨材を用いて研磨加工を行うことを特徴とする研磨加工方法。
本発明の上記手段により、精密研磨に適した研磨性能を有し、研磨速度が速く、かつ単分散性が高い研磨材粒子と、当該研磨材粒子を含有する研磨材の製造方法とそれを用いた研磨加工方法を提供することができる。
本発明の上記目的効果を達成することができた発現機構・作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
研磨材粒子としては、希土類元素としてセリウムを高比率で含有させることにより、高い研磨速度を得ることができるが、例えば、粉砕法等で調製された研磨材粒子では、形状として、表面に鋭角なエッジが存在するため、研磨速度は速いが、被研磨物表面で傷が発生しやすい。
酸化セリウムによる化学研磨作用は、研磨材粒子表面近傍で、安定な4価のCe(CeO)に対し、不安定な3価のCe(Ce)がより多く存在することにより、3価のCeがガラス表面の酸素の電子を引き抜く作用であることが知られている。従って、この酸化セリウムによる化学研磨作用を最大限に発現させるためには、酸化セリウム粒子表面に3価のセリウムが多く存在することが重要となる。
3価のセリウムが表面に存在するためには、粒子表面の酸素原子が粒子の中心方向に拡散し、粒子表面に酸素欠陥が現れる必要が有る。この酸素欠陥を生み出すためには、酸素原子が拡散するだけの容積、すなわち、研磨材粒子の厚み(深さ)が必要となる。
一方で、研磨材粒子の厚みにばらつきがあると、研磨速度が安定せず、被研磨物の平滑性が悪化する原因となる。すなわち、高い平滑性と研磨速度を両立させるためには、研磨材粒子の厚み(深さ)にばらつきが無く、研磨材粒子の厚み(深さ)が最大限利用できる球状粒子が有効で有ることが分かった。
本発明においては、上記のような技術的思想に従い、研磨材粒子プロファイルとして、平均アスペクト比が1.00〜1.15の範囲内にある真球度の高い球形状粒子とし、粒子径累積分布曲線から求められる粒子径D50(nm)を特定の範囲内に制御し、かつセリウムの平均含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し95〜100mol%の範囲内という高濃度で含有している研磨材粒子により、高い平滑性と極めて速い研磨速度を実現することができることを見出した。
更に、上記研磨材粒子を含有する研磨材を製造する研磨材の製造方法においては、研磨剤に含有される研磨材粒子の前駆体の形成には尿素等から加水分解して得られる二酸化炭素とアンモニアが必要と考えられている。
上記思想に基づき、上記研磨材粒子を含有する研磨材を製造する研磨材の製造方法の一つ(製造方法Aと称す)としては、室温下で所定の濃度の沈殿剤水溶液を調製し、密閉容器内で加熱して、沈殿剤水溶液を調製する工程A、少なくともセリウム(Ce)を含有する希土類塩水溶液を調製する工程B、前記工程Bで調製した前記希土類塩水溶液を開放釜に収納し、室温まで冷却した前記沈殿剤溶液を密閉容器より、前記開放釜内に供給して反応液を調製する工程C、前記反応液を、開放釜内で加熱及び撹拌して、研磨材粒子前駆体を生成させる工程D、前記工程Dで生成した研磨材粒子前駆体を、反応液から分離する工程E、及び前記工程Eで分離して得られた前記研磨材粒子前駆体を、酸化性雰囲気中で焼成して研磨材粒子を形成させる工程Fを経て製造する方法が有効であることを見いだした。
また、研磨材粒子を含有する研磨材を製造する研磨材の他の製造方法(製造方法Bと称す)として、オートクレーブを反応容器として使用し、あらかじめ沸点近くまで加熱したセリウムを含有する希土類塩水溶液に尿素等を供給した。供給された尿素が熱分解されることで、二酸化炭素及びアンモニアが発生する。また、オートクレーブを反応容器として使用することで、発生した二酸化炭素を反応系内に閉じ込める事が可能となり、研磨材粒子の前駆体を塩基性炭酸塩として効率的に得ることができ、精密研磨が可能である球形状のセリウムを含有する研磨材粒子を含有する研磨材の製造方法に有効であることを見出した。
本発明の研磨材粒子の一例を示す走査型顕微鏡写真 本発明の研磨材粒子の他の一例を示す走査型顕微鏡写真 本発明の研磨材粒子の粒子径累積分布曲線の一例を示すグラフ 本発明の研磨材粒子の製造方法の一例である製造方法Aの製造工程フローを示す概略工程図 本発明の研磨材粒子を含有する研磨材の製造方法の他の一例である製造方法Bの製造工程フローを示す概略図 実施例で、研磨速度の測定に用いた研磨装置の概略構成図
本発明の研磨剤の製造方法は、希土類塩水溶液と沈殿剤を用いた合成法により製造される研磨材粒子を含有する研磨剤の製造方法であって、研磨剤粒子が、平均アスペクト比が1.00〜1.15の範囲内にある球形状粒子であり、粒子径累積分布曲線から求められる粒子径D50(nm)が50〜1500nmの範囲内であり、セリウムの平均含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し81mol%以上であり、かつ前記工程A〜工程F、又は工程1〜工程6を経て製造することを特徴とする。この特徴は、各請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
すなわち、本発明の研磨材粒子を含有する研磨材の製造方法の一つとしては、
(1)室温下で所定の濃度の沈殿剤水溶液を調製し、密閉容器内で加熱して、沈殿剤水溶液を調製する工程A
(2)少なくともセリウム(Ce)を含有する希土類塩水溶液を調製する工程B
(3)前記工程Bで調製した前記希土類塩水溶液を開放釜に収納し、室温まで冷却した前記沈殿剤溶液を密閉容器より、前記開放釜内に供給して反応液を調製する工程C
(4)前記反応液を、開放釜内で加熱及び撹拌して、研磨材粒子前駆体を生成させる工程D
(5)前記工程Dで生成した研磨材粒子前駆体を、反応液から分離する工程E
(6)前記工程Eで分離して得られた前記研磨材粒子前駆体を、酸化性雰囲気中で焼成して研磨材粒子を形成させる工程F
を経て製造することを特徴とする。本発明では、この製造方法を、製造方法Aと称す。
また、本発明の研磨材粒子を含有する研磨材の製造方法の他方としては、
(1)少なくともセリウム(Ce)を含有する希土類塩水溶液を調製する工程1、
(2)工程1で調製した前記希土類塩水溶液を圧力容器内に収納した後、100℃以上に加熱する工程2、
(3)前記工程2で100℃以上に加熱した圧力容器中の前記希土類塩水溶液に、65℃以下に保温した沈殿剤溶液を開放系の調整釜より加圧しながら供給して反応液を調製する工程3、
(4)前記反応液を、圧力容器内で100℃以上に加熱及び撹拌して、研磨材粒子前駆体を生成させる工程、
(5)前記工程4で生成した研磨材粒子前駆体を、反応液から分離する工程、及び
(6)前記工程5で分離して得られた前記研磨材粒子前駆体を、酸化性雰囲気中で焼成して研磨材粒子を形成させる工程
を経て酸化セリウムを含む研磨材粒子を含有する研磨材を製造することを特徴とする。本発明ではこの製造方法を、製造方法Bと称す。
本発明の実施態様としては、本発明の目的とする効果をより発現できる観点から、製造方法Bとしては、前記希土類塩水溶液の含有元素の構成が、前記組成要件1c〜組成要件3cで規定する条件の全てを満たすことが、更に精密研磨に適した生産性が高い研磨材粒子を含有する研磨材を製造することができる観点から好ましい。
また、本発明の製造方法Bとしては、前記希土類塩水溶液の含有元素の構成が、前記組成要件1d〜組成要件3dで規定する条件の全てを満たすことが、セリウムの含有率が高く、研磨性能が優れた球形状の研磨材粒子を含有する研磨材を製造することができる点から好ましい。
さらに、本発明の製造方法Bとしては、前記希土類塩水溶液の含有元素の構成が、前記組成要件1e〜組成要件3eで規定する条件の全てを満たすことが、セリウムの含有量を更に多く設定でき、研磨性能がより優れた球形状の研磨材粒子を含有する研磨材を製造することができる点から好ましい。
また、本発明の製造方法Bとしては、前記希土類塩水溶液におけるセリウムの含有比率が、95〜100mol%の範囲内であることが、セリウムの含有率が高く、他の元素を含まないことから、少ない生産工程で研磨性能に優れた研磨材を製造することができる点で好ましい。
さらに、本発明の製造方法Bとしては、前記沈殿剤が、尿素又は尿素系化合物であることが、加水分解反応により二酸化炭素とアンモニアを、安定して供給することができる点で好ましい。
また、本発明においては、研磨材の製造方法により製造された研磨材を、研磨加工方法に適用することを特徴とする。
以下、本発明の研磨材粒子、当該研磨材粒子を含む研磨材の製造方法、及び研磨材を用いた研磨加工方法について詳細に説明する。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
なお、本発明でいう研磨材粒子とは、同一構成の研磨材粒子から構成される粒子群をいい、それらの粒子群について、平均アスペクト比あるいは粒子径分布特性値(D50、D10、D90、Dmax)を規定するものである。また、本発明の研磨材粒子群を水や油に分散させてスラリー状にしたものを研磨材と称す。
《研磨材》
一般的な研磨材には、ベンガラ(αFe)、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカ等の研磨材粒子を水や油に分散させてスラリー状にしたものなどが知られている。
本発明の研磨材は、半導体デバイスやガラスの研磨加工において、高精度な平滑性を維持しつつ、十分な研磨速度を得るために物理的な作用と化学的な作用の両方で研磨を行う、化学機械研磨(CMP;Chemical Mechanical Polishing)が可能な酸化セリウムを含有する研磨材粒子を含むことを特徴とする。
本発明の研磨材では、請求項1で規定する特性を備えた本発明の研磨材粒子を含有していることを特徴とし、好ましくは、本発明で規定する構成からなる研磨材粒子を80質量%以上含有していることであり、更に好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは、98質量%以上が本発明の研磨材粒子で構成されている研磨材である。
《研磨材粒子》
本発明の研磨材粒子は、少なくとも平均アスペクト比が1.00〜1.15の範囲内にある球形状粒子であり、粒子径累積分布曲線から求められる粒子径D50(nm)が50〜1500nmの範囲内であり、粒子中のセリウムの平均含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し95〜100mol%の範囲内であることを特徴とする。
〔平均アスペクト比〕
本発明の研磨材粒子では、平均アスペクト比が1.00〜1.15の範囲内にある球形状粒子であることを特徴の一つとする。
本発明で規定する平均アスペクト比は、下記の方法に従って測定することができる。
対象とする研磨材粒子群について、走査型顕微鏡を用いて写真撮影(SEM像)を行い、研磨材粒子100個を無作為に選択する。選択された研磨材粒子の長径をa、短径をbとしたとき、a/bの値の平均値を、平均アスペクト比と定義する。なお、各研磨材粒子について、外接する長方形(「外接長方形」という。)を描いたとき、外接長方形の短辺及び長辺うち、最短の短辺の長さを短径bとし、最長の長辺の長さを長径aとして求める。
本発明の研磨材粒子においては、平均アスペクト比が1.00〜1.15の範囲内であることを特徴とするが、好ましくは1.00〜1.05の範囲内である。
本発明においては、平均アスペクト比が1.00〜1.15の範囲内にある研磨材粒子を、球形状として分類し、平均アスペクト比が1.15を超える場合には不定形として分類する。
平均アスペクト比は、1.00に近づくほど球形度が高いことを表している。高い球形度を有する本発明の研磨材粒子を含有する研磨材は、精密研磨に適しており、研磨速度も速いため、生産性に優れた研磨特性を発現する。
本発明の研磨材の製造方法Aにより製造された研磨材粒子の走査型顕微鏡写真(SEM写真、拡大率1000倍)の一例を図1に示す。また、図1のSEM画像をさらに拡大率30000倍まで拡大した研磨材粒子写真の一例を図2に示す。図1及び図2より、本発明の研磨材粒子は球形状であり、高い単分散度を有していることがわかる。また、本発明の研磨材の製造方法Bにより製造された研磨材粒子についても、図1及び図2に示したのと同様の形状と分布を有する研磨材粒子を得ることができる。
ここで、単分散度とは、所定の個数の研磨材粒子の走査型顕微鏡写真(SEM像)から求めることができる粒子径分布の変動係数として規定することができる。
例えば、研磨材粒子100個のSEM像から粒子径分布の変動係数(「単分散度」ともいう。)を求め、単分散性を評価することができる。なお、粒子径は、各粒子の写真画像の面積に基づき、面積円相当粒子径を求め、これを各粒子の粒子径とする。
粒子径分布変動係数は、下式により求めることができる。
変動係数(%)=(粒子径分布の標準偏差/平均粒子径)×100
なお、上記粒子径、分布等の測定は、画像処理測定装置、例えば、ルーゼックス AP;株式会社ニレコ製を用いて行うことができる。
本発明の研磨材粒子の粒子径の変動係数(単分散度)としては、20.0%以下であることが好ましい。
高い単分散度を示す研磨材粒子を含有する研磨材は、キズ(傷)が発生しにくく、精密研磨に優れた性能を発揮する。
ここでいう傷の発生については、被研磨物であるガラス基板等の表面状態を観察することにより判定することができる。
また、被研磨物表面の平滑性については、表面粗さRaを測定することにより判定することができる。例えば、ガラス基板表面の表面状態(表面粗さRa)について、30分間研磨加工を行ったガラス基板を、光波干渉式表面粗さ計(例えば、Zygo社製 dual−channel ZeMapper)により表面粗さRaの評価を行うことにより、判定できる。なお、Raとは、JIS B0601−2001に準拠した方法に従って測定する算術平均粗さを表している。
被研磨物表面の表面粗さRaとしては、10(Å)以下であることが好ましく、更に好ましくは、3.0〜8.0(Å)の範囲内である。
本発明の研磨材の製造方法において、平均アスペクト比が1.00〜1.15の範囲内にある研磨材粒子を得る方法としては、粉砕法ではなく、希土類塩水溶液と沈殿剤を用いた合成法を用い、(1)セリウムを含む希土類塩水溶液を、密閉容器内で高温(例えば、90℃以上)に加熱した状態で、沈殿剤水溶液、例えば、尿素水溶液を添加し、高温状態で尿素を、炭酸ガスとアンモニアに分解する方法、あるいは、(2)密閉した容器内で、予め沈殿剤水溶液を高温状態で加熱して、尿素を、炭酸ガスとアンモニアに分解した溶液を希土類塩水溶液に添加する方法により、セリウムを含む希土類塩基性炭酸塩(研磨材前駆体粒子)を生成し、これを焼成処理することにより、平均アスペクト比が1.00〜1.15の範囲内にある酸化セリウムを含む球形状の研磨材粒子を調製することができる。
本発明において、平均アスペクト比が1.00〜1.15の範囲内にある研磨材粒子を得る具体的な手段としては、上記希土類塩水溶液と沈殿剤水溶液を用いた調製工程において、高温環境下での希土類塩水溶液と沈殿剤水溶液との混合時間、反応温度あるいは反応時間、混合時の希土類塩水溶液あるいは沈殿剤水溶液の濃度、焼成温度あるいは焼成時間を適宜調整及び制御することにより、達成することができる。
〔粒子径分布特性〕
本発明の研磨材粒子においては、粒子径累積分布曲線から求められる粒子径D50(nm)が50〜1500nmの範囲内であることを特徴の一つとする。
更には、粒子径累積分布曲線から求められる粒子径D50(nm)が、300〜500nmの範囲内であること、最大粒子径Dmax(nm)が、粒子径D50(nm)の1.20〜1.60倍の範囲内であること、粒子径D10(nm)が、粒子径D50(nm)の0.70〜0.95倍の範囲内であること、粒子径D90(nm)が、粒子径D50(nm)の1.10〜1.35倍の範囲内であることが好ましい態様である。
本発明に係る粒子径累積分布曲線は、下記の方法に従って作成することができる。
研磨材粒子群について、走査型顕微鏡を用いて写真撮影(SEM像)を行い、研磨材粒子100個を無作為に選択する。次いで、100個の研磨材粒子について、撮影した研磨材粒子画像と等しい面積を有する円の直径を、各研磨材粒子の粒子径として求めた。
次いで、横座標に測定した研磨材粒子の粒子径をプロットし、縦座標に研磨材粒子の粒子数の累積粒子個数(積分曲線)をプロットして、研磨材粒子の粒子径の粒子径累積分布曲線を作成する。
図3は、上記方法で作成した本発明の研磨材粒子の累積曲線(粒子積分曲線)の一例を示すグラフである。
図3において、累積曲線は、横軸の研磨材粒子の粒子径(nm)に対し、粒径の小さい側から出現個数を累積し、100個の研磨材粒子についてプロットする。
作成した累積曲線において、図3に示すように、累積粒子個数が50(%)における粒子径を求め、これをD50とする。同様にして、累積粒子個数が10(%)における粒子径をD10、累積粒子個数が90(%)における粒子径をD90、累積粒子個数が100(%)における粒子径をDmaxとして求める。
粒子個数が中心値であるD50に対し、粒子径D10、粒子径D90あるいは最大粒子径Dmaxが上記で規定する範囲にあれば、研磨材粒子の分布が狭く単分散性に優れていることを表す。
本発明において、上記で規定する粒子径累積分布特性を達成する方法としては、上記調製工程において、高温環境下での希土類塩水溶液と沈殿剤水溶液との混合時間、反応温度あるいは反応時間、混合時の希土類塩水溶液あるいは沈殿剤水溶液の濃度を適宜調整及び制御することにより、達成することができる。
〔単分散度:粒子径分布の変動係数〕
次いで、本発明の研磨材粒子の分布状態の他の指標である単分散度(粒子径分布の変動係数)について説明する。
本発明でいう単分散度は、所定の個数の研磨材粒子の走査型顕微鏡写真(SEM像)から求めることができる粒子径分布の変動係数により規定することができる。
例えば、研磨材粒子100個のSEM像から粒子径分布の変動係数(「単分散度」ともいう。)を求め、単分散性を評価することができる。なお、粒子径は、各粒子の写真画像の面積に基づき、面積円相当粒子径を求め、これを各粒子の粒子径とする。
粒子径分布の変動係数(Coefficient of Variation、以下、CV値ともいう。)は下記の式で求める。
変動係数(%)=(粒子径分布の標準偏差/平均粒子径)×100
なお、上記粒子径、分布等の測定は、画像処理測定装置(例えば、ルーゼックス AP;株式会社ニレコ製)を用いて行うことができる。
〔研磨材粒子の組成〕
本発明の研磨材粒子においては、セリウムの平均含有率、又はセリウムと、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)及びユウロピウム(Eu)から選ばれる少なくとも1種の元素との総含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し81mol%以上であることを特徴とする。
本発明の研磨材粒子の具体的な組成としては、下記要件1a〜要件3aで規定する全ての要件を満たす組成であることが好ましい。
要件1a:研磨材粒子が、セリウムに加えて、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素を含有する。
構成要件2a:研磨材粒子におけるセリウムの含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し81mol%以上である。
構成要件3a:研磨剤粒子が含有する、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し19mol%以下である。
ここで、研磨材粒子に含まれる各希土類元素の含有率は、元素分析により求めることができる。例えば、研磨材粒子1gを、硝酸水溶液10mlと過酸化水素水1.0mlの混合溶液に溶解させ、エスアイアイナノテクノロジー社製のICP発光分光プラズマ装置(ICP−AES)を使用して元素分析を行う。研磨材粒子の各希土類元素の含有率から組成比(mol%)として求めることができる。
なお、研磨材粒子の組成分布については、研磨材粒子の断面の元素分析を行うことにより求めてもよい。例えば、研磨材粒子について、日立ハイテクノロジーズ製 集束イオンビーム(FB−2000A)により断面加工を行い、粒子中心付近を通る面を切り出す。そして、切断面より、日立ハイテクノロジーズ製 STEM−EDX(HD−2000)を使用して元素分析を行い、研磨材粒子の各希土類元素の組成分布を求めることもできる。
また、本発明の研磨材粒子では、セリウムの含有率が高くなるほど、優れた研磨速度を発現する。
ここで、本発明でいう研磨速度とは、研磨材粒子を含有する研磨材の粉体を水等の溶媒に分散させた研磨材スラリーを、研磨機の研磨対象面に供給しながら、研磨対象面を研磨布で研磨することで測定できる。
研磨速度は、例えば、研磨材スラリーを研磨機に循環供給させて研磨加工を行うことにより測定することができる。研磨前後の厚さをNikon Digimicro(MF501)にて測定し、厚さ変位から1分間当たりの研磨量(μm)を算出し、研磨速度とすることができる。詳細な測定方法については、後述の実施例にて、図6を交えて説明する。
また、本発明の研磨材粒子の具体的な組成としては、更には、下記要件1b〜要件3bで規定する全ての要件を満たすことが好ましい。
要件1b:研磨材粒子が、前記セリウムに加えて、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素を含有する。
要件2b:研磨材粒子におけるセリウムの含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し90mol%以上である。
要件3b:研磨材粒子が含有する、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し10mol%以下である。
これにより、セリウムとともに含有されるイットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有率を抑制することで、球形状を維持しながら生産コストを抑えることができる。
更には、本発明の研磨材粒子においては、セリウムの含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し95〜100mol%の範囲内である球形状であることが好ましい態様である。
セリウムの含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し95〜100mol%の範囲内である球形状の研磨材粒子を含有する研磨材は、セリウムの割合が高いため、極めて速い研磨速度を実現することができる。
《研磨材の製造方法》
以下に、本発明の研磨材の製造方法A及び研磨材の製造方法Bを示す。
[研磨材の製造方法A]
本発明の研磨材粒子を含む研磨材の製造工程Aは、おおむね図4に示すような6つの工程(工程A:沈殿剤水溶液調製工程、工程B:希土類塩水溶液調製工程、工程C:沈殿剤水溶液の添加工程(核粒子形成工程)、工程D:加熱撹拌工程(粒子形成工程)、工程E:固液分離工程及び工程F:焼成工程)から構成されている。
順次、各工程の詳細について説明する。
〔工程A:沈殿剤水溶液調製工程〕
図4に示す工程A(沈殿剤水溶液調製工程)では、室温下で所定の濃度の沈殿剤水溶液を調製し、密閉容器内で加熱することにより、添加する沈殿剤水溶液を調製する。
例えば、5.0mol/Lの沈殿剤水溶液を0.5L調製し、密閉容器内で100℃、6時間加熱する。その後、20℃まで冷まして、これを沈殿剤水溶液とする。
沈殿剤水溶液を密閉容器内で加熱することにより、溶媒を保持したまま加水分解を進めることができる。なお、沈殿剤としては、尿素又は尿素系化合物であることが、加水分解反応により、二酸化炭素とアンモニアを安定して供給できる点で好ましい。
沈殿剤としては、尿素のほかには、例えば、尿素の塩(例えば、硝酸塩、塩酸塩等)、N,N′−ジメチルアセチル尿素、N,N′−ジベンゾイル尿素、ベンゼンスルホニル尿素、p−トルエンスルホニル尿素、トリメチル尿素、テトラエチル尿素、テトラメチル尿素、トリフェニル尿素、テトラフェニル尿素、N−ベンゾイル尿素、メチルイソ尿素、エチルイソ尿素、炭酸水素アンモニウム等を使用することもできる。なお、以下の実施例において、尿素水溶液を用いて希土類塩基性炭酸塩を形成させる場合を、代表例として示すが、これは一例であって、これに限定されるものではない。
〔工程B:希土類塩水溶液調製工程〕
図4に示す工程B(希土類塩水溶液調製工程)では、全希土類元素の総含有量に対しセリウム含有率が81mol%以上である希土類塩水溶液を調製する。調製された希土類塩水溶液は、例えば、90℃に加熱する。
具体的には、前述の通り、前記要件1a〜要件3aで規定する全ての要件を満たす構成の希土類塩水溶液、前記要件1b〜要件3bで規定する全ての要件を満たす構成の希土類塩水溶液、あるいは、セリウムの含有比率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し95〜100mol%の範囲内である希土類塩水溶液を調製する。
上記のようなセリウムを、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し81mol%以上含み、かつイットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素を含有する希土類塩水溶液、あるいはセリウムの含有比率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し95〜100mol%である本発明に係る希土類塩水溶液におけるイオン濃度としては、0.001mol/L〜0.1mol/Lの範囲内に設定することが好ましい。
また、沈殿剤水溶液、例えば、尿素水溶液としては、上記希土類塩水溶液のイオン濃度の5〜50倍の範囲内の濃度に設定することが好ましい。
上記のように、セリウムを、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し81mol%以上含み、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素を含有する希土類塩水溶液、あるいはセリウム含有比率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し95〜100mol%である本発明に係る希土類塩水溶液中でのイオン濃度及び沈殿剤水溶液中(例えば、尿素)のイオン濃度を、上記範囲内とすることで、単分散性を示す球状の研磨材粒子を調製することができる。
本発明に係る希土類塩水溶液を調製するために用いることができるこれらの元素の塩としては、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩等を用いることができるが、硝酸塩、例えば、硝酸セリウム、硝酸イットリウム、硝酸ガドリニウム、硝酸テルビウム、硝酸ジスプロシウム、硝酸ホルミウム、硝酸エルビウム、硝酸ツリウム、硝酸イッテルビウム、硝酸ルテチウム等を使用することが好ましい。これにより、不純物の少ない研磨材を製造することができる。
〔工程C:沈殿剤水溶液の添加工程〕
次いで、図4に示すように、工程A(沈殿剤水溶液調製工程)で調製した沈殿剤水溶液を、工程B(希土類塩水溶液調製工程)で加熱した希土類塩水溶液に添加し、加熱して撹拌しながら混合溶液を調製する。
沈殿剤水溶液と希土類塩水溶液を高温下で混合することにより、沈殿剤水溶液が含有している二酸化炭素とアンモニアが、希土類塩水溶液に作用し、研磨材粒子の核粒子が生成する。
ここでの、沈殿剤水溶液の添加は、添加速度が速い方が、単分散性を高めることができる観点から好ましい。具体的には、沈殿剤水溶液の添加速度が、0.5mL/min以上が好ましく、特に1.0mL/min以上が好ましい。沈殿剤水溶液の添加速度を速めることで、沈殿剤水溶液により生成した研磨材粒子の核が異方成長することなく球形状に成長することができると考えられる。
〔工程D:加熱撹拌工程(粒子形成工程)〕
次いで、工程Cで生成した研磨材核粒子が分散する混合溶液を、更に一定の温度及び一定時間で加熱撹拌することにより、研磨材核粒子が熟成されて成長し、希土類塩基性炭酸塩である研磨材粒子の前駆体が得られる。
工程Dにおける加熱温度は、80℃以上が好ましく、90℃以上が特に好ましい。また、撹拌時間は1時間以上、10時間以下が好ましく、1時間以上、3時間以下が特に好ましい。なお、加熱温度及び撹拌時間は、目的とする粒子径に合わせて適宜調整することができる。
また、加熱撹拌の際には、十分な撹拌効率を得られれば、特に、撹拌機の形状等は指定しないが、より高い撹拌効率を得るためには、ローター・ステータータイプの撹拌機を使用することが好ましい。
本発明では、工程C及び工程Dにおける条件を調整することにより、本発明で規定する、粒子径累積分布曲線における粒子径D50、粒子径D10、粒子径D90あるいは最大粒子径Dmaxを所望の範囲に制御することができる。
例えば、沈殿剤水溶液と希土類塩水溶液との混合時間を短くし、短時間で混合することにより、生成する核粒子数が増加し、最終的な粒子数が多くなり、相対的に到達粒径は小さくなるため、粒子径D50、粒子径D10、粒子径D90あるいは最大粒子径Dmaxは小さくなる。逆に、混合時間を長くすると、核粒子数が少なくなり、粒子は大きく成長する。
また、核粒子を形成した後の工程Dにおける加熱撹拌時間(熟成時間)を長くすると、粒子の成長が促進され、最終的な研磨材粒子の前駆体としては、大きく成長する。また、反応温度に関しても同様で、高温側になるほど、粒子の成長は促進され、粒子径D50等が大きくなる。
また、最大粒子径Dmaxや粒子径D90については、工程C(沈殿剤水溶液の添加工程)での希土類塩水溶液の濃度を高く設定することにより、大きくなる。また、粒子径D10については、工程C(沈殿剤水溶液の添加工程)で希土類塩水溶液に添加する際の沈殿剤水溶液の濃度を低下させることにより、粒子径D10としては大きい方にシフトする。
また、アスペクト比や単分散度としては、核粒子を形成した後の工程Dにおける加熱撹拌時間(熟成時間)を長くすることにより、微小粒子が溶解し、研磨材粒子の前駆体の成長に寄与するというオストワルド熟成が進行することで、粒子の単分散性が高まり、同時に球状度もより高くなる。
〔工程E:.固液分離工程〕
加熱撹拌した後、固液分離装置を用いて生成した沈殿物(研磨材微粒子前駆体、希土類塩基性炭酸塩)を反応液から分離するため、固液分離操作を行う。固液分離操作の方法は、一般的な方法でよく、例えば、固液分離フィルター等を使用して、濾過操作により研磨材粒子前駆体を反応液から分離する方法等が適用される。
〔工程F:焼成工程〕
工程F(焼成工程)では、工程E(固液分離工程)により得られた研磨材粒子の前駆体を空気中又は酸化性雰囲気中で、400℃以上で焼成処理を施す。焼成された研磨材粒子の前駆体は、酸化物となり、酸化セリウムを含有する研磨材粒子となる。本発明においては、工程F(焼成工程)における焼成温度を、700〜1000℃の範囲内で制御することにより、最終的な研磨材粒子のアスペクト比を制御することができる。
なお、必要に応じて焼成する前に水又はアルコール等で洗浄、乾燥を行ってから焼成してもよい。
焼成を経て冷却して研磨材粒子を安定させた後、当該研磨材粒子を含有する研磨材として回収することができる。
当該研磨材の製造方法を使用して研磨材を製造することで、異方成長した研磨材粒子をほとんど含まない、球形状で粒径分布の狭い研磨材粒子を含有する研磨材を得ることができる。
本発明の研磨材は、上記方法により調製された研磨材粒子を50質量%以上含有することが好ましく、より好ましくは70質量%以上であり、90質量%以上含有することが特に好ましい。これにより、研磨により、表面粗さRaが小さい被研磨物を得ることができる。
[研磨材の製造方法B]
本発明の研磨材粒子を含有する研磨材の製造方法Bは、少なくとも下記工程1〜工程6を経てセリウム含有研磨材粒子を含む研磨材を製造することを特徴とする。
工程1:少なくともセリウム(Ce)を含有する希土類塩水溶液を調製する工程
工程2:前記工程1で調製した前記希土類塩水溶液を圧力容器内に収納した後、100℃以上に加熱する工程
工程3:前記工程2で100℃以上に加熱した圧力容器中の前記希土類塩水溶液に、65℃以下に保温した沈殿剤溶液を開放系の調整釜より加圧しながら供給して反応液を調製する工程
工程4:前記反応液を、圧力容器内で100℃以上に加熱及び撹拌して、研磨材粒子前駆体を生成させる工程
工程5:前記工程4で生成した研磨材粒子前駆体を、反応液から分離する工程
工程6:前記工程5で分離して得られた前記研磨材粒子前駆体を、酸化性雰囲気中で焼成して研磨材粒子を形成させる工程。
本発明に係る研磨材は、主には図5で示すような工程1〜工程6の製造工程フローから構成される製造方法Bに従って製造される。
以下、本発明に係るセリウム含有研磨材粒子を含む研磨材の製造方法Bについて、図5を用いて説明する。
図5は、本発明の研磨材粒子を含有する研磨材の製造方法の他の一例である製造方法Bの製造工程フローを示す概略図である。
(1.工程1:希土類塩水溶液調製工程)
図5に示す工程1である希土類水溶液調製工程は、希土類塩を溶解して、希土類塩水溶液2を調製する工程であり、希土類塩水溶液調製釜1に貯留している水中に、所望の希土類塩を添加して、撹拌機3で撹拌しながら溶解して希土類塩水溶液2を調製する。
図5においては、便宜上、開放系の希土類塩水溶液調製釜1を用いたケースを説明しているが、特に、開放系に限定はされず、例えば、後述の工程2〜工程4で使用する密閉系の圧力容器4を用いても良い。工程1〜工程4の過程で、使用する釜の変更を行わず、一つの調製釜で一貫して製造することができる点から、工程1においても、密閉系の圧力容器4を用いることが、生産効率の観点からは好ましい。
工程1で調製する希土類塩水溶液2は、少なくともセリウム(Ce)を含有する希土類塩水溶液である。
本発明の研磨材の製造方法に適用可能な希土類塩水溶液2としては、具体的には、下記の示す元素組成からなる第1〜第4の希土類塩水溶液を用いることが好ましい。
〈第1の希土類塩水溶液の元素組成〉
本発明の製造方法Bにおいて、工程1(希土類塩水溶液調製工程)に適用可能な第1の希土類塩水溶液としては、下記組成要件1c〜組成要件3cで規定する全ての条件を満たす希土類塩水溶液であることが、速い研磨速度と、研磨時に傷の発生が起こりにくい球形状の研磨材粒子を得ることができる観点から好ましい。
組成要件1c:本発明に係る希土類塩水溶液を構成する元素種としては、本発明に係るセリウムに加えて、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素を含有すること。
組成要件2c:本発明に係る希土類塩水溶液が含有する元素の構成としては、本発明に係るセリウムと、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム及びユウロピウムから選ばれる少なくとも1種類の元素との含有率の合計が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し81mol%以上であること。
組成要件3c:本発明に係る希土類塩水溶液が含有する元素の構成として、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種の元素の含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し19mol%以下であること。
〈第2の希土類塩水溶液の元素組成〉
更に、本発明の製造方法Bにおいて、工程1に適用可能な第2の希土類塩水溶液としては、下記組成要件1d〜組成要件3dで規定する全ての条件を満たす希土類塩水溶液であることが、セリウムの含有率が高く、研磨速度が優れた球形状の研磨材粒子を得ることができる観点から好ましい。
組成要件1d:本発明に係る希土類塩水溶液を構成する元素種としては、本発明に係るセリウムに加えて、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素を含有すること。
組成要件2d:本発明に係る希土類塩水溶液におけるセリウムの含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し81mol%以上であること。
組成要件3d:本発明に係る希土類塩水溶液に含有される、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し19mol%以下であること。
〈第3の希土類塩水溶液の元素組成〉
更に、本発明の製造方法Bにおいて、工程1に適用可能な第3の希土類塩水溶液としては、下記組成要件1e〜組成要件3eで規定する全ての条件を満たす希土類塩水溶液であることが、セリウムの含有率をさらに高く設定することができ、研磨速度がより優れた球形状の研磨材粒子を得ることができる観点から好ましい。
組成要件1e:本発明に係る希土類塩水溶液を構成する元素種としては、本発明に係るセリウムに加えて、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素を含有すること。
組成要件2e:本発明に係る希土類塩水溶液におけるセリウムの含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し90mol%以上であること。
組成要件3e:本発明に係る希土類塩水溶液に含有される、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し10mol%以下であること。
〈第4の希土類塩水溶液の元素組成〉
更に、本発明の製造方法Bにおいては、本発明に係る工程1に適用可能な第4の希土類塩水溶液としては、セリウムの含有率は、95〜100mol%の範囲内であることが、セリウムの含有率が高く、他の元素を含まないことから、少ない生産工程で研磨材を作製することができる点で好ましい。
以上のようなセリウムの含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し95〜100mol%である本発明に係る希土類塩水溶液、又はセリウムを必ず含み、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する本発明に係る希土類塩水溶液におけるイオン濃度として、0.001〜0.1mol/Lの範囲内に設定することが好ましい。
また、後述する沈殿剤、例えば、尿素としては、上記希土類塩水溶液のイオン濃度の5〜50倍の範囲内の濃度に設定することが好ましい。
上記のように、セリウムのみ、又はセリウムを必ず含み、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する希土類塩水溶液中でのイオン濃度及び沈殿剤(例えば、尿素)のイオン濃度を、当該範囲内とすることで、単分散性を示す球状の研磨材粒子を合成することができると考えられるためである。
本発明に係る希土類塩水溶液を調製するために用いることができるこれらの元素の塩としては、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩等を用いることができるが、硝酸塩、例えば、硝酸セリウム、硝酸イットリウム、硝酸ガドリニウム、硝酸テルビウム、硝酸ジスプロシウム、硝酸ホルミウム、硝酸エルビウム、硝酸ツリウム、硝酸イッテルビウム、硝酸ルテチウム等を使用することが好ましい。これにより、不純物の少ない研磨材を製造することができる。
なお、研磨材粒子の詳細については、後述する。
(2.工程2:希土類塩水溶液の加熱工程)
次いで、本発明の製造方法Bにおいて、図5の工程2に示すように、上記調製した希土類塩水溶液2を、圧力容器4、例えば、密閉加熱釜、密閉加圧釜、密閉加圧加熱釜、オートクレーブ等に収納し、研磨材粒子の調製を行う温度まで加熱する。
具体的には、工程1で調製した希土類塩水溶液2を圧力容器4内に収納して圧力容器4を密封した後、加熱部5でヒーター等を用いて加熱し、希土類塩水溶液2の温度を、100℃以上にする。
(3.工程3A:沈殿剤溶液調製工程)
別ルートとして、工程3Aとして、沈殿剤溶液を調製する。
本発明の製造方法Bにおいて、図5の工程3Aに示すように、沈殿剤溶液調製釜6(開放系)を用い、撹拌機8で撹拌している水媒体中に、沈殿剤、例えば、尿素化合物を添加、溶解して、沈殿剤溶液7を調整する。この時、溶解を促進するため加温をしてもよいが、温度の上限は65℃とする。
沈殿剤溶液の温度が、65℃を超える、例えば、77℃を越えると、沈殿剤として尿素を用いた場合、沈殿剤溶液調製過程で尿素が、炭酸ガスとアンモニアに分解し、沈殿剤の効力が低下するため、本発明では、沈殿剤溶液調製過程(工程3A)では、沈殿剤溶液の温度として65℃以下を維持することを特徴としている。
なお、沈殿剤としては、尿素又は尿素系化合物であることが、加水分解反応により、二酸化炭素とアンモニアを安定して供給できる点で好ましい。
本発明に適用可能な尿素又は尿素系化合物としては、尿素の他には、尿素の塩(例えば、硝酸塩、塩酸塩等)、N,N′−ジメチルアセチル尿素、N,N′−ジベンゾイル尿素、ベンゼンスルホニル尿素、p−トルエンスルホニル尿素、トリメチル尿素、テトラエチル尿素、テトラメチル尿素、トリフェニル尿素、テトラフェニル尿素、N−ベンゾイル尿素、メチルイソ尿素、エチルイソ尿素、炭酸水素アンモニウム等の尿素系化合物により調製する水溶液を使用こともできる。なお、後述の実施例においては、尿素水溶液を用いて塩基性炭酸塩を形成させる事例について示すが、これは一例であって、これに限定されるものではない。
(4.工程3B:沈殿剤溶液の加温工程)
次いで、本発明の製造方法Bにおいては、工程3Aで調製した沈殿剤溶液7を、図5の工程3Bに示すように、加熱部9、例えば、高温の水を循環する加熱用ジャケット等により、65℃以下まで加温する。沈殿剤溶液7の温度としては、好ましくは50〜65℃の範囲内であり、更に好ましくは50〜60℃の範囲内である。沈殿剤溶液7の温度が50℃以上であれば、工程3で希土類塩水溶液中に添加した際、反応液の温度低下を抑制することができ、混合後、反応液の温度を速やかに所定の温度に設定することができる。また、65℃以下であれば、希土類塩水溶液と会合する前に、沈殿剤、例えば、尿素の分解を抑制することができ、混合した後の反応液中での沈殿剤の効果を十分に発揮させることができる。
(5.工程3:希土類塩水溶液と沈殿剤溶液との混合工程)
工程2の圧力容器4をそのまま用い、100℃以上に加熱した希土類塩水溶液2を撹拌しながら、上記工程3Bで調製し、65℃以下に保温した沈殿剤溶液7を、加圧式送液ポンプ11を用いて、加圧しながら圧力容器4内に送液する。
圧力容器4内で、100℃以上に加熱した希土類塩水溶液2と沈殿剤溶液7を混合して反応液12を調製する。この時、沈殿剤は100℃以上に加熱されることになり、例えば、沈殿剤が尿素である場合には、この時点で分解が開始され、アンモニアと二酸化炭素に分解し、研磨材粒子前駆体である希土類塩基性炭酸塩の生成が開始される。
ここで、沈殿剤溶液の添加速度は速い方が好ましい。具体的には、添加剤溶液の添加速度としては、0.5L/min以上が好ましく、特に1.0L/min以上が好ましい。沈殿剤溶液の添加速度を速めることで、沈殿剤溶液により生成した研磨材粒子の核が異方成長することなく球形状に成長することができると考えられる。
(6.工程4:研磨材粒子前駆体形成工程)
上記工程4では、工程3で調製した希土類塩水溶液2と沈殿剤溶液7からなる反応液12を加熱撹拌して、研磨材粒子前駆体溶液13を生成させる。
具体的には、当該反応液12を加熱しながら撹拌する。沈殿剤溶液7と希土類塩水溶液2を混合した反応液12内で、研磨材粒子の核が生成し、当該反応液12に分散する。研磨材粒子の核が分散する反応液12を加熱撹拌することにより、当該研磨材の核が成長し、研磨材粒子前駆体を含む研磨材粒子前駆体溶液13が得られる。
当該研磨材粒子前駆体は、希土類水溶液と尿素水溶液とが反応することで、希土類塩基性炭酸塩として生成する。
本発明においては、上記工程3及び工程4における反応液の加熱温度は、圧力容器4を使用し、100℃以上とすることを特徴とするが、好ましくは100〜150℃の温度範囲内であり、更に好ましくは100〜130℃の温度範囲内である。反応液の温度が100℃以上であれば、沈殿剤の分解反応が安定に進行し、形成する研磨材粒子前駆体粒子の形成において、異方成長する粒子の発生を抑制することができ、高い単分散性を維持すると共に、球形状の粒子を得ることができる。また、上限の目安としては、150℃以下であれば、過度のブラウン運動等による粒子の凝集を抑制でき、高い単分散性を得ることができる。また、反応液の温度が150℃を超えると、蒸発成分等により圧力容器内の内圧が0.5MPaを越えることになり、圧力容器に対する負荷が増大する。
反応容器内の内圧については、特段制御することはないが、加熱による蒸発や沈殿剤の分解によるアンモニアガスあるいは二酸化炭素ガスの発生により、加圧状態となるが、概ね0.1〜0.5MPaの範囲内に制御することが好ましい。本発明の研磨材の製造方法においては、工程2〜工程4までを、密封容器による圧力環境14で行う。
また、工程4において、研磨材粒子前駆体を成長及び熟成させる時間としては、一概には決定することはできないが、概ね、1〜10時間の範囲内が好ましく、1〜3時間の範囲内が更に好ましい。なお、加熱温度と撹拌時間(反応時間)は、目的とする粒子径に合わせて、加熱温度として100〜150℃の範囲内、撹拌時間としては1〜10時間の範囲内で適宜調整することが好ましい。
また、上記工程2〜4において、加熱撹拌の際には、十分な撹拌効率を得られれば、特に撹拌機の形状等は指定しないが、より高い撹拌効率を得るためには、ローター・ステータータイプの撹拌機を使用することが好ましい。
(7.工程5:固液分離工程)
工程5(固液分離工程)では、加熱撹拌した後、固液分離装置15を用いて生成した沈殿物(研磨材微粒子前駆体、希土類塩基性炭酸塩)を反応液から分離するための固液分離操作を行う。固液分離操作の方法は、一般的な方法でよく、例えば、固液分離フィルター等を使用して、濾過操作により研磨材粒子前駆体を反応液から分離して得ることができる。
(8.工程6:焼成工程)
工程6(焼成工程)では、工程5(固液分離工程)により得られた研磨材粒子前駆体を酸化性雰囲気中で、400℃以上で焼成する。焼成された研磨材粒子前駆体は、酸化物となり、酸化セリウムを含有する研磨材粒子となる。
なお、必要に応じて焼成する前に水又はアルコール等で洗浄、乾燥を行ってから焼成してもよい。
焼成を経て冷却することにより、研磨材粒子を安定させた後、当該研磨材粒子を含有する研磨材として回収することができる。
本発明の研磨材の製造方法を適用して研磨材を製造することにより、異方成長した研磨材粒子をほとんど含まない、球形状で、単分散性の高い研磨材粒子を含有する研磨材を得ることができる。
本発明の研磨材は、本発明に係る研磨材粒子を50質量%以上含有することが好ましく、より好ましくは70質量%以上であり、90質量%以上含有することが特に好ましい。これにより、研磨による表面粗さが小さい研磨材を得ることができる。
(製造方法Bにおける研磨材粒子の元素組成)
〈第1の研磨材粒子における元素組成〉
本発明に係る研磨材粒子は、前述の組成要件1c〜組成要件3cで規定するように、セリウム(Ce)に加えて、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)及びユウロピウム(Eu)から選ばれる少なくとも1種類の元素との含有率の合計が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し81mol%以上であり、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から選ばれる少なくとも1種類の元素の含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し19mol%以下であることが好ましい構成の一つである。この構成をとることにより、球形状の研磨材粒子を得ることができる。
本発明に係る研磨材粒子には、セリウムが必ず含まれており、その他にランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム及びユウロピウムから選ばれる少なくとも1種類含まれていればよく、目的とする研磨材の性能に合わせて適宜数種類の元素を含めてもよい。
研磨材粒子に含まれるセリウムとランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム及びユウロピウムから選ばれる少なくとも1種類の元素との含有率の合計が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し81mol%以上であり、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し19mol%以下であり、球形状であることで、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有率を抑制しながら、高い研磨性能を示す研磨材を得ることができる。
〈第2の研磨材粒子における元素組成〉
また、本発明に係る研磨材粒子としては、前述の組成要件1d〜組成要件3dで規定するように、セリウムの含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し81mol%以上であり、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し19mol%以下である球形状の研磨材粒子であることが好ましい。
研磨材粒子のセリウム含有率は、高くなるほど優れた研磨速度を示す。
〈第3の研磨材粒子における元素組成〉
さらに、本発明に係る研磨材粒子としては、前述の組成要件1e〜組成要件3eで規定するように、セリウムの含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し90mol%以上であり、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し10mol%以下である球形状の研磨材粒子であることが好ましい。
これにより、セリウムとともに含有されるイットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有量を抑制することで、球形状を維持しながら生産コストを抑えることができる。
〈第4の研磨材粒子における元素組成〉
また、本発明に係る研磨材粒子においては、セリウムの含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し95〜100mol%の範囲内である球形状であることが好ましい態様である。
セリウムの含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し95〜100mol%の範囲内である球形状の研磨材粒子を含有する研磨材は、セリウムの割合が高いため、速い研磨速度が得られる。
また、本発明に係る研磨材粒子の粒子径の単分散度が、20.0%以下であることが好ましい。
高い単分散度を示す研磨材粒子を含有する研磨材は、キズ(傷)が発生しにくく、精密研磨に適している。
《研磨加工方法》
円盤状ガラス基板の研磨加工を例にとり、研磨加工方法を説明する。
1.研磨材スラリーの調製
研磨材粒子を含有する研磨材の粉体を水等の溶媒に添加し、研磨材スラリーを調製する。研磨材スラリーには、分散剤等を添加することで、凝集を防止するとともに、撹拌機等を用いて常時撹拌し、分散状態を維持する。研磨材スラリーは供給用ポンプを利用して、研磨機に循環供給される。
2.研磨加工
研磨パット(研磨布)が貼られた研磨機の上下定盤に円盤状ガラス基板を接触させ、接触面に対して研磨材スラリーを供給しながら、加圧条件下でパットとガラスを相対運動させることで研磨することができる。詳細については、実施例において、図6を用いて説明する。
以下、実施例及び比較例を挙げて研磨材の製造方法を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《研磨材の調製》
研磨材の製造方法Aに従って、研磨材1〜14を調製した。
〔研磨材1の調製〕
下記の手順に従って、研磨材1を調製した。
(工程A)
5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5L用意し、密閉容器内で、25℃から100℃まで昇温し、その状態で6時間加熱した。その後、尿素水溶液1を25℃まで冷却した(図4に記載の工程A。)。
(工程B)
1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液162mL(81mol%)と、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液38mL(19mol%)に、純水を加えて9.5Lとして希土類塩水溶液1を調製し、この希土類塩水溶液1を90℃に加熱した(図4に記載の工程B。)。
(工程C)
次いで、90℃に加熱した希土類塩水溶液1に、上記工程Aで調製した25℃の尿素水溶液1を、1L/minの添加速度で、30秒を要して添加して、混合溶液を調製した。この工程で、研磨材粒子の核粒子が形成された(図4に記載の工程C。)。
(工程D)
次いで、核粒子を含む混合溶液を90℃で2時間加熱撹拌して、粒子成長させて、研磨材粒子の前駆体である希土類塩基性炭酸塩粒子を調製した(図4に記載の工程D。)。
(工程E)
上記工程Dで加熱撹拌した混合液中に析出した研磨材粒子の前駆体をメンブランフィルターで分離した(図4に記載の工程E。)。
(工程F)
上記工程Eで分離した研磨材粒子の前駆体を、焼成装置を用いて750℃で焼成処理して、酸化セリウムが81mol%、酸化イットリウムが19mol%で構成されている研磨材粒子1を含む研磨材1を調製した(図4に記載の工程F)。
〔研磨材2の調製〕
上記研磨材1の調製において、研磨材粒子を調製する工程Dにおける加熱時間を30分に変更した以外は同様にして、研磨材2を調製した。
〔研磨材3の調製〕
前記研磨材1の調製において、研磨材粒子を調製する工程Dにおける加熱時間を50分に変更した以外は同様にして、研磨材3を調製した。
〔研磨材4の調製〕
前記研磨材1の調製において、研磨材粒子を調製する工程Dにおける加熱時間を3.5時間に変更した以外は同様にして、研磨材4を調製した。
〔研磨材5の調製〕
前記研磨材1の調製において、研磨材粒子を調製する工程Dにおける加熱時間を6時間に変更した以外は同様にして、研磨材5を調製した。
〔研磨材6の調製〕
前記研磨材1の調製において、研磨材粒子を調製する工程Dにおける加熱時間を9時間に変更した以外は同様にして、研磨材6を調製した。
〔研磨材7の調製〕
前記研磨材1の調製において、前記工程Bで調製した希土類塩水溶液1を、下記の構成の希土類塩水溶液2に変更した以外は同様にして、酸化セリウムが90mol%、酸化イットリウムが10mol%で構成されている研磨材粒子7を含む研磨材7を調製した。
(希土類塩水溶液2の調製)
1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mL(90mol%)と、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mL(10mol%)に純水を加えて9.5Lとして、希土類塩水溶液2を調製した。
〔研磨材8の調製〕
前記研磨材1の調製において、前記工程Bで使用した希土類塩水溶液1を、下記の構成の希土類塩水溶液3に変更した以外は同様にして、酸化セリウム単独(100mol%)で構成されている研磨材粒子8を含む研磨材8を調製した。
(希土類塩水溶液3の調製)
1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液200mL(100mol%)に純水を加えて9.5Lとして希土類塩水溶液3を調製した。
〔研磨材9の調製〕
前記研磨材4の調製において、研磨材粒子を調製する前記工程Dにおける加熱温度を84℃に変更し、かつ前記工程Fのおける焼成温度を700℃に変更した以外は同様にして、研磨材9を調製した。
〔研磨材10の調製〕
前記研磨材4の調製において、研磨材粒子を調製する前記工程Dにおける加熱温度を81℃に変更し、かつ前記工程Fのおける焼成温度を650℃に変更した以外は同様にして、研磨材10を調製した。
〔研磨材11の調製〕
前記研磨材1の調製において、研磨材粒子を調製する前記工程Dにおける加熱時間を20分に変更した以外は同様にして、研磨材11を調製した。
〔研磨材12の調製〕
前記研磨材1の調製において、研磨材粒子を調製する前記工程Dにおける加熱時間を12時間に変更した以外は同様にして、研磨材12を調製した。
〔研磨材13の調製〕
前記研磨材3の調製において、前記工程Bで使用した希土類塩水溶液1を、下記の構成の希土類塩水溶液4に変更した以外は同様にして、酸化セリウムが70mol%、酸化イットリウムが30mol%で構成されている研磨材粒子13を含む研磨材13を調製した。
(希土類塩水溶液4の調製)
1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液140mL(70mol%)と、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液60mL(30mol%)に純水を加えて9.5Lとして希土類塩水溶液4を調製した。
〔研磨材14の調製〕
前記研磨材12の調製において、前記工程Bで使用した希土類塩水溶液1を、上記希土類塩水溶液4に変更した以外は同様にして、酸化セリウムが70mol%、酸化イットリウムが30mol%で構成されている研磨材粒子14を含む研磨材14を調製した。
《研磨材の評価》
〔研磨材が含有する研磨材粒子の特性値の測定〕
(粒子径変動係数:CV値(%)の測定)
研磨材が含有する研磨材粒子について走査型顕微鏡による写真撮影(SEM像)を行った後、研磨材粒子100個を無作為に選択し、その粒子径を測定し、その測定結果より、平均粒子径及び粒子径分布の標準偏差を求め、下式に従って粒子径の変動係数(CV値)を求め、これを単分散性の尺度とした。なお、各研磨材粒子の粒子径は、各粒子の写真画像の面積に基づき、面積円相当粒子径を求め、これを各粒子の粒子径とする。
粒子径の変動係数(%)=(粒子径分布の標準偏差/平均粒子径)×100
(平均アスペクト比(平均AR)の測定)
上記調製した各研磨材が含有する研磨材粒子について、走査型顕微鏡を用いて粒子写真(SEM像)の撮影を行い、研磨材粒子100個を無作為に選択し、その長径をa、短径をbと、a/bの値の平均値を求め、これを平均アスペクト比とした。なお、各研磨材粒子について、外接する長方形(外接長方形)を描いたとき、外接長方形の短辺及び長辺うち、最短の短辺の長さを短径bとし、最長の長辺の長さを長径aとした。
(粒子径D50の測定)
各研磨材について、上記と同様にして走査型顕微鏡を用いて写真撮影(SEM像)を行い、研磨材粒子100個を無作為に選択した。次いで、100個の研磨材粒子について、撮影した研磨材粒子画像と等しい面積を有する円の直径を、研磨材粒子の粒子径として求めた。
次いで、図3に例示するように横座標に測定した研磨材粒子の粒子径をプロットし、縦座標に研磨材粒子の粒子数の累積粒子個数(積分曲線)をプロットして、研磨材粒子の粒子径の粒子径累積分布曲線を作成した。
次いで、作成した累積曲線において、図3に示すように、累積粒子個数が50(%)における粒子径を求め、これをD50とした。
(研磨速度及び研磨速度持続性の評価)
〈研磨材スラリーの調製〉
上記調製した各研磨材の粉体を、溶媒として水に100g/Lの濃度で分散し、次いで、孔径5μmのフィルターで粗大粒子を除去して、各研磨材スラリーを調製した。
〈研磨速度1の測定:研磨初期の研磨速度〉
研磨速度の測定には、図6に示す研磨装置20を使用した。
研磨装置20の構成は、研磨布21としてスウェード製研磨布を貼付した研磨定盤22を有しており、この研磨定盤22は回転可能となっている。研磨時には、被研磨物保持部26で保持されている被研磨物(48φの結晶化ガラス基板)23を、押圧力Fとして9.8kPa(100g/cm)の力で、研磨定盤22に押し付けながら、研磨定盤22を、50min−1(rpm)の回転速度で回転させた。次いで、ポンプPを介してスラリー槽28に貯留されている25℃の研磨材スラリー24を、スラリーノズル25から研磨布21に供給した。研磨済みの研磨材スラリー24は、下部に貯留された後、流路27を通りスラリー槽28に回収され、研磨装置20とスラリー槽28との間を繰り返し循環させ、この条件で30分間の研磨加工を行った。
次いで、被研磨物23の30分間の研磨加工における研磨前後での厚さをNikon Digimicro(MF501)にて測定し、厚さ変位から1分間当たりの研磨量(μm)を算出し、これを研磨速度1(μm/min)とした。
〈研磨速度2の測定:連続研磨処理後の研磨速度〉
次いで、上記と同様の条件で、30分間の研磨加工を、10回繰り返した後、10回目における研磨速度(μm/min)を上記の方法で測定し、これを研磨速度2(μm/min)とした。
〈研磨速度の判定〉
上記測定した研磨速度1及び研磨速度2について、下記の基準に従って研磨速度のランク付を行った。
S:研磨速度が、0.90μm/min以上である
A:研磨速度が、0.70μm/min以上、0.90μm/min未満である
B:研磨速度が、0.50μm/min以上、0.70μm/min未満である
C:研磨速度が、0.50μm/min未満である
上記研磨速度1のランクにより、酸化セリウム研磨材の研磨速度を判定し、研磨速度1に対する研磨速度2の判定ランクの変化で、研磨速度持続性を評価した。ランクの変化が小さいほど、研磨速度持続性に優れていることを表す。B以上のランクであれば、実用上好ましい範囲である。
(被研磨物の表面粗さRaの測定)
被研磨物(48φの結晶化ガラス基板)の表面粗さRaは、上記研磨速度1の評価で30分間の研磨加工を行った48φの結晶化ガラス基板の研磨面を、光波干渉式表面粗さ計(Zygo社製Dual−channel ZeMapper)により測定した。なお、表面粗さRaとは、JIS B0601−2001における算術平均粗さを表している。
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 0006447499
表1に記載の結果より明らかなように、平均アスペクト比が1.00〜1.15の範囲内にあり、粒子径D50(nm)が50〜1500nmの範囲内であり、かつセリウムの平均含有率が81mol%以上である本発明の研磨材粒子を含む研磨材は、比較例に対し、研磨速度及び研磨速度持続性に優れ、かつ被研磨物表面を高レベルで研磨することができることが分かる。
本発明で規定する平均アスペクト比、粒子径D50(nm)及びセリウム含有率の一つでも満たしていない比較例である研磨材粒子9〜14は、研磨材粒子としての粒子径変動係数が大きく、研磨速度としても不十分であり、研磨後の被研磨材表面の平滑性が低い。また、粒子径D50(nm)あるいは平均アスペクト比が上限を超えている研磨材粒子では、被研磨物との接触面積が十分に確保することができず、研磨速度としては、初期(研磨速度1)から低いままであった。
実施例2
《研磨材の調製》
〔研磨材15〜20の調製〕
実施例1に記載の研磨材1の調製において、表2に記載のDmax/D50、D10/D50、D90/D50となるように、希土類塩水溶液1の濃度、尿素水溶液1の加熱温度と時間を適宜変更して、研磨材15〜20を調製した。
max/D50及びD90/D50の値を大きくするには、工程Bで調製する希土類塩水溶液1の濃度を高く設定した。また、D10/D50の値を大きくするには、工程Aにおける尿素水溶液1の加熱温度を低くして、分解尿素の濃度を下げることで調整した。
《研磨材の評価》
上記調製した研磨材15〜20と、実施例1で調製した研磨材1について、下記の評価を行った。
〔粒子径分布特性値:粒子径D10、粒子径D50、粒子径D90、最大粒子径Dmaxの測定〕
各研磨材が含有する研磨材粒子について、実施例1に記載の粒子径D50の測定と同様にして、図3に例示するように横座標に測定した研磨材粒子の粒子径をプロットし、縦座標に研磨材粒子の粒子数の累積粒子個数(積分曲線)をプロットして、研磨材粒子の粒子径の粒子径累積分布曲線を作成した。次いで、作成した累積曲線において、図3に示すように、累積粒子個数が10(%)、50(%)、90(%)、100(%)における粒子径を求め、これを粒子径D10、粒子径D50、粒子径D90、最大粒子径Dmaxとした。次いで、得られた各特性値より、Dmax/D50、D10/D50、D90/D50を算出した。
〔研磨速度及び研磨速度持続性の評価〕
実施例1に記載の方法と同様にして、研磨速度1及び研磨速度2を測定し、研磨速度及び研磨速度持続性を評価した。
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 0006447499
表2に記載の結果より明らかなように、Dmax/D50、D10/D50、D90/D50の各値が、1.00に近づくほど、すなわち、粒子径分布として小さくなり、単分散性が高まるほど、研磨速度がより一層上昇し、加えて研磨速度持続性も向上していることが分かる。
実施例3
《研磨材の調製》
〔研磨材101の調製〕
下記の手順に従って、研磨材101を調製した。なお、各構成要件の後の括弧内に記載の数字は、図5に記載の符号を示す。
(1)図5に示す製造工程フローにおいて、沈殿剤溶液(7)として、5.0mol/Lの尿素水溶液101を0.5L用意し、これを沈殿剤溶液調製釜(6)に添加し、60℃まで加温した(図5に記載の工程3A及び3B)。
(2)図5の工程2に示すように、1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液200mLに純水を加えて9.5Lとして希土類塩水溶液101(2)を調製し、これを圧力容器(4)であるオートクレーブに入れ、希土類塩水溶液101(2)を115℃に加熱した(図5に記載の工程2)。
(3)次いで、図5の工程3で示すように、115℃に加熱した希土類塩水溶液101(セリウムが100mol%)を撹拌しながら、図5に示す工程3Bより、60℃に加温した沈殿剤溶液(7)である5.0mol/Lの尿素水溶液101を、加圧式送液ポンプ(11)を用いて、希土類塩水溶液101(2)中に、30秒かけて添加して、反応液を調製した(図5に記載の工程3)。
なお、工程3における希土類塩水溶液101(2)と尿素水溶液101との混合終了後の反応液温度の実測値は、111.3℃であった。
(4)次いで、図5に示す工程4において、工程3で調製した反応液を110℃の温度条件で1時間加熱撹拌し、研磨材粒子前駆体溶液101(13)を生成させた(図5に記載の工程4)。
(5)次いで、図5に示す工程5として、加熱撹拌した研磨材粒子前駆体溶液101(13)中に析出した研磨材粒子の前駆体を、メンブランフィルターを用いて分離した(図5に記載の工程5)。
(6)次いで、分離した研磨材粒子の前駆体を、焼成装置(16)としてローラーハースキルンを用い、600℃で焼成して、研磨材粒子を含有する研磨材101を得た。
〔研磨材102の調製〕
上記研磨材101の調製において、希土類塩水溶液101に代えて、下記の組成の希土類塩水溶液102を用いた以外は同様にして、研磨材102を調製した。
(希土類塩水溶液102の調製)
1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液180mL(90mol%)と、1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液20mL(10mol%)に純水を加えて9.5Lとして希土類塩水溶液102を調製した。
〔研磨材103〜123の調製〕
上記研磨材102の調製において、希土類塩水溶液を構成する希土類の種類及び構成比率を、表3に記載の構成に変更して各希土類塩水溶液を調製し、それを用いた以外は同様にして、研磨材103〜123を調製した。なお、表3に記載の反応温度は、工程3において希土類塩水溶液101と尿素水溶液101との混合が終了した後の反応液の温度の実測値である。
〔研磨材124の調製〕
前記研磨材101の調製において、工程3におけるオートクレーブ中の希土類塩水溶液101の加熱温度を103℃に変更した以外は同様にして、研磨材124を調製した。なお、表3に記載の反応温度は、工程3において希土類塩水溶液101と尿素水溶液101との混合が終了した後の反応液の温度の実測値である。
〔研磨材125の調製〕
前記研磨材101の調製において、工程3におけるオートクレーブ中の希土類塩水溶液101の加熱温度を125℃に変更した以外は同様にして、研磨材125を調製した。なお、表3に記載の反応温度は、工程3において希土類塩水溶液101と尿素水溶液101との混合が終了した後の反応液の温度の実測値である。
〔研磨材126の調製〕
前記研磨材101の調製において、工程3におけるオートクレーブ中の希土類塩水溶液101の加熱温度を135℃に変更した以外は同様にして、研磨材126を調製した。なお、表3に記載の反応温度は、工程3において希土類塩水溶液101と尿素水溶液101との混合が終了した後の反応液の温度の実測値である。
〔研磨材127の調製〕
前記研磨材101の調製において、工程3におけるオートクレーブ中の希土類塩水溶液101の加熱温度を145℃に変更した以外は同様にして、研磨材127を調製した。なお、表3に記載の反応温度は、工程3において希土類塩水溶液101と尿素水溶液101との混合が終了した後の反応液の温度の実測値である。
〔研磨材128の調製〕
前記研磨材101の調製において、工程3におけるオートクレーブ中の希土類塩水溶液101の加熱温度を155℃に変更した以外は同様にして、研磨材127を調製した。なお、表3に記載の反応温度は、工程3において希土類塩水溶液101と尿素水溶液101との混合が終了した後の反応液の温度の実測値である。
〔研磨材129の調製〕
前記研磨材101の調製において、工程3におけるオートクレーブ中の希土類塩水溶液101の加熱温度を93℃に変更した以外は同様にして、研磨材129を調製した。なお、表3に記載の反応温度は、工程3において希土類塩水溶液101と尿素水溶液101との混合が終了した後の反応液の温度の実測値である。
〔研磨材130の調製〕
前記研磨材101の調製において、工程3におけるオートクレーブ中の希土類塩水溶液101の加熱温度を98℃に変更した以外は同様にして、研磨材130を調製した。なお、表3に記載の反応温度は、工程3において希土類塩水溶液101と尿素水溶液101との混合が終了した後の反応液の温度の実測値である。
〔研磨材131の調製〕
5.0mol/Lの尿素水溶液を0.5Lと、1.0mol/Lの硝酸セリウム水溶液200mLを混合し、これに純水を加えて10.0Lとして反応液を調製した後、この反応液を25℃の状態でオートクレーブ中に収納し、30分を要して、110℃まで加熱して工程3まで行い、工程4〜工程6は前記研磨材101の調製と同様にして、研磨材131を調製した。
〔研磨材132の調製〕
前記研磨材101の調製において、工程2〜工程4までを、圧力容器であるオートクレーブに代えて、工程3Aで用いたのと同様の開放系の調製釜を用いた以外は同様にして、研磨材132を調製した。
《研磨材が含有する研磨材粒子の特性値の測定》
〔粒子形状〕
研磨材粒子について、走査型顕微鏡写真(SEM像)の撮影を行い、下記の方法に従ってアスペクト比を測定し、アスペクト比が、1.00〜1.15の範囲内であれば、球形状として分類した。アスペクト比が1.16以上である場合には、不定形として分類した。なお、研磨材32においては、走査型顕微鏡写真(SEM像)で観察した結果、球形状粒子と不定形粒子とが混在していた。
〔アスペクト比の測定〕
上記調製した各研磨材粒子について、走査型顕微鏡を用いて粒子写真(SEM像)の撮影を行い、研磨材粒子100個を無作為に選択し、その長径をa、短径をbと、a/bの値の平均値を求め、これをアスペクト比とした。なお、各研磨材粒子について、外接する長方形(「外接長方形」という。)を描いたとき、外接長方形の短辺及び長辺うち、最短の短辺の長さを短径bとし、最長の長辺の長さを長径aとした。
〔粒子径変動係数:CV値の測定〕
研磨材粒子について走査型顕微鏡による写真撮影(SEM像)を行った後、研磨材粒子100個を無作為に選択し、その粒子径を測定し、その測定結果より、平均粒子径及び粒子径分布の標準偏差を求め、下式に従って粒子径の変動係数(CV値)を求め、これを単分散性の尺度とした。なお、各研磨材粒子の粒子径は、各粒子の写真画像の面積に基づき、面積円相当粒子径を求め、これを各粒子の粒子径とする。
粒子径の変動係数(%)=(粒子径分布の標準偏差/平均粒子径)×100
〔研磨速度の測定〕
上記調製した各研磨材粒子を含む研磨材の粉体を、溶媒として水に100g/Lの濃度で分散し、次いで、孔径5μmのフィルターで粗大粒子を除去して、各研磨材スラリーを調製した。
研磨速度は、研磨機の研磨対象面に研磨材スラリーを供給しながら、研磨対象面を研磨布で研磨することで測定した。具体的には、研磨材スラリーを5L/minの流量で循環供給させて研磨加工を行った。研磨対象物として、65mmφのガラス基板を使用し、研磨布は、ポリウレタン製の物を使用した。研磨面に対する研磨時の圧力は、9.8kPa(100g/cm)とし、研磨試験機の回転速度は100min−1(rpm)に設定し、30分間研磨加工を行った。研磨前後の厚さをNikon Digimicro(MF501)にて測定し、厚さ変位から1分間当たりの研磨量(μm)を算出し、これを研磨速度とした。
〔表面粗さの測定〕
ガラス基板表面の表面粗さRaは、上記研磨速度の評価で30分間の研磨加工を行ったガラス基板表面(研磨面)を、光波干渉式表面粗さ計(Zygo社製Dual−channel ZeMapper)により表面粗さRaを測定した。なお、Raとは、JIS B0601−2001における算術平均粗さを表している。
以上の評価により得られた結果を表3に示す。
Figure 0006447499
表3に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する製造方法Bに従って調製した本発明の研磨材は、比較例に対し、研磨材粒子として高い球形状と単分散性を有し、十分な研磨速度を備えると共に、研磨対象物の研磨後の表面平滑性が極めて高く、研磨性能に優れていることが分かる。
本発明の研磨材粒子は、精密研磨に適した研磨性能を有し、研磨速度が速く、かつ単分散性が高く、光学ガラス等の光学部材の精密研磨加工を行うことができる研磨加工方法として好適に利用できる。
1 希土類塩水溶液調製釜(開放系)
2 希土類塩水溶液
3 撹拌機
4 圧力容器
5、9 加熱部
6 沈殿剤溶液調製釜(開放系)
7 沈殿剤溶液
8 撹拌機
10 弁
11 加圧式送液ポンプ
12 希土類塩水溶液と沈殿剤溶液との混合液(反応液)
13 研磨材粒子前駆体溶液
14 密封容器による圧力環境
15 固液分離装置
16 焼成装置
20 研磨装置
21 研磨布
22 研磨定盤
23 被研磨物
24 研磨材スラリー
25 スラリーノズル
26 被研磨物保持部
27 流路
28 スラリー槽
F 押圧力
工程1 希土類塩水溶液調製工程
工程2 希土類塩水溶液の加熱工程(圧力容器)
工程3 希土類塩水溶液と沈殿剤溶液との混合工程(圧力容器)
工程3A 沈殿剤溶液調製工程(開放系)
工程3B 沈殿剤溶液の加温工程(開放系)
工程4 研磨材粒子前駆体形成工程(圧力容器)
工程5 固液分離工程
工程6 焼成工程
工程A 沈殿剤水溶液調製工程(密閉系)
工程B 希土類塩水溶液調製工程(開放系)
工程C 沈殿剤水溶液の添加工程(核粒子形成工程)
工程D 加熱撹拌工程(粒子成長工程)
工程E 固液分離工程
工程F 焼成工程

Claims (8)

  1. セリウムを含む研磨材粒子を含有する研磨材の製造方法であって、
    前記研磨剤粒子が、
    平均アスペクト比が1.00〜1.15の範囲内にある球形状粒子であり、
    粒子径累積分布曲線から求められる粒子径D50(nm)が50〜1500nmの範囲内であり、
    セリウムの平均含有率、又はセリウムと、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)及びユウロピウム(Eu)から選ばれる少なくとも1種の元素との総含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し81mol%以上であり、かつ
    少なくとも下記工程A〜工程Fを経て製造することを特徴とする研磨材の製造方法。
    工程A:室温下で所定の濃度の沈殿剤水溶液を調製し、密閉容器内で加熱して、沈殿剤水溶液を調製する工程
    工程B:少なくともセリウム(Ce)を含有する希土類塩水溶液を調製する工程
    工程C:前記工程Bで調製した前記希土類塩水溶液を開放釜に収納し、室温まで冷却した前記沈殿剤溶液を密閉容器より、前記開放釜内に供給して反応液を調製する工程
    工程D:前記反応液を、開放釜内で加熱及び撹拌して、研磨材粒子前駆体を生成させる工程
    工程E:前記工程Dで生成した研磨材粒子前駆体を、反応液から分離する工程
    工程F:前記工程Eで分離して得られた前記研磨材粒子前駆体を、酸化性雰囲気中で焼成して研磨材粒子を形成させる工程
  2. セリウムを含む研磨材粒子を含有する研磨材の製造方法であって、
    前記研磨剤粒子が、
    平均アスペクト比が1.00〜1.15の範囲内にある球形状粒子であり、
    粒子径累積分布曲線から求められる粒子径D50(nm)が50〜1500nmの範囲内であり、
    セリウムの平均含有率、又はセリウムと、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)及びユウロピウム(Eu)から選ばれる少なくとも1種の元素との総含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し81mol%以上であり、かつ
    少なくとも下記工程1〜工程6を経て研磨材粒子を含有する研磨材を製造することを特徴とする研磨材の製造方法。
    工程1:少なくともセリウム(Ce)を含有する希土類塩水溶液を調製する工程
    工程2:前記工程1で調製した前記希土類塩水溶液を圧力容器内に収納した後、100℃以上に加熱する工程
    工程3:前記工程2で100℃以上に加熱した圧力容器中の前記希土類塩水溶液に、65℃以下に保温した沈殿剤溶液を開放系の調整釜より加圧しながら供給して反応液を調製する工程
    工程4:前記反応液を、圧力容器内で100℃以上に加熱及び撹拌して、研磨材粒子前駆体を生成させる工程
    工程5:前記工程4で生成した研磨材粒子前駆体を、反応液から分離する工程
    工程6:前記工程5で分離して得られた前記研磨材粒子前駆体を、酸化性雰囲気中で焼成して研磨材粒子を形成させる工程
  3. 前記希土類塩水溶液が、下記組成要件1c〜組成要件3cを満たすことを特徴とする請求項に記載の研磨材の製造方法。
    組成要件1c:前記希土類塩水溶液が、前記セリウムに加えて、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から選ばれる少なくとも1種類の元素を含有する。
    組成要件2c:前記希土類塩水溶液に含有されるセリウムと、当該セリウム含有水溶液に含有される、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム及びユウロピウムから選ばれる少なくとも1種類の元素との含有率の合計が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し81mol%以上である。
    組成要件3c:前記希土類塩水溶液に含有される、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し19mol%以下である。
  4. 前記希土類塩水溶液が、下記組成要件1d〜組成要件3dを満たすことを特徴とする請求項又は請求項に記載の研磨材の製造方法。
    組成要件1d:前記希土類塩水溶液が、前記セリウムに加えて、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素を含有する。
    組成要件2d:前記希土類塩水溶液のセリウムの含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し81mol%以上である。
    組成要件3d:前記希土類塩水溶液に含有される、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し19mol%以下である。
  5. 前記希土類塩水溶液が、下記組成要件1e〜組成要件3eを満たすことを特徴とする請求項から請求項までのいずれか一項に記載の研磨材の製造方法。
    組成要件1e:前記希土類塩水溶液が、前記セリウムに加えて、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素を含有する。
    組成要件2e:前記希土類塩水溶液のセリウムの含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し90mol%以上である。
    組成要件3e:前記希土類塩水溶液に含有される、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素の含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し10mol%以下である。
  6. 前記希土類塩水溶液のセリウムの含有率が、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し95〜100mol%の範囲内であることを特徴とする請求項に記載の研磨材の製造方法。
  7. 前記沈殿剤溶液が含有する沈殿剤が、尿素又は尿素系化合物であることを特徴とする請求項から請求項までのいずれか一項に記載の研磨材の製造方法。
  8. 請求項から請求項までのいずれか一項に記載の研磨材の製造方法により製造された研磨材を用いて研磨加工を行うことを特徴とする研磨加工方法。
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