JP2016092045A - 研磨材、研磨材スラリー及び研磨加工方法 - Google Patents

研磨材、研磨材スラリー及び研磨加工方法 Download PDF

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啓介 溝口
美千代 藤田
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美千代 藤田
潤一 田邊
Junichi Tanabe
潤一 田邊
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Takashi Sakaguchi
孝 阪口
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Natsuki Ito
奈津紀 伊藤
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Abstract

【課題】本発明の課題は、耐久性に優れた研磨材粒子を含有する研磨材を提供することである。また、当該研磨材粒子を含有する研磨材スラリー及び当該研磨材を使用する研磨加工方法を提供することである。【解決手段】本発明の研磨材は、少なくとも、酸化セリウムを含有する研磨材粒子10からなる研磨材であって、前記研磨材粒子が、少なくともコア1Aとシェル2Aからなるコア・シェル構造を有し、前記シェルに含有されるセリウムが、シェルの60質量%以上であり、前記コアが、希土類元素の炭酸塩3Aを含有し、前記コアと前記シェルに含有されるセリウムの含有量の差が、15質量%以上であり、前記研磨材粒子が、赤外分光測定により炭酸由来の吸収を示し、当該吸収の吸光度が、0.2〜0.6の範囲内であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、研磨材、研磨材スラリー及び研磨加工方法に関する。より詳しくは、耐久性を改良した研磨材と当該研磨材を含有する研磨材スラリー及び当該研磨材スラリーを用いる研磨加工方法に関する。
半導体デバイスを製造工程で精密研磨する研磨材としては、酸化セリウムを主成分とし、これに酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化プラセオジムなどが加わった希土類元素酸化物が使用されている。この他の研磨材としては、ダイヤモンド、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカ等が挙げられるが、研磨速度、研磨後の被研磨物の表面粗さの観点から比較したときに、酸化セリウムが有効であることは公知であり、広範囲で用いられている。
酸化セリウムを含有する研磨材粒子は、主には湿式粉砕法により調製されていたが、湿式粉砕法により得られる酸化セリウム粒子の形状が不均一で、研磨性(研磨面の平滑性や研磨速度)にも劣るという問題を抱えている。
そこで、オングストローム(Å)レベルの高い平滑度が要求される製造工程では、研磨速度の速い酸化セリウム等によりあらかじめ研磨した後に、数十nmサイズのコロイダルシリカを使用して研磨することが一般的である。
しかしながら、研磨工程が多段階にわたることで、生産性が低下していることが問題となっている。また、平滑度の要求が高まっており、高い研磨速度を維持したまま、傷(キズ)の発生が少ない研磨材が求められている。
このような問題に対し、近年、湿式合成法により調製した微細で高い単分散性を備えた酸化セリウム粒子を含む研磨材の検討がなされている。この湿式合成法により酸化セリウム粒子を得る方法は、主には、精製された硝酸第一セリウム、塩化第一セリウム、硫酸第一セリウム等の水溶液に炭酸、シュウ酸、酢酸等の塩を添加して炭酸第一セリウム、シュウ酸第一セリウム、酢酸第一セリウム等の生成物を沈殿させ、この沈殿物をろ過し、乾燥したのち、焼成して酸化セリウム粒子を得る方法が、知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。焼成して得られた酸化セリウムを含有する研磨材粒子は、被研磨物の高い平滑性及び研磨速度を両立することができる点で優れている。
また、研磨材は、加圧条件下で使用されるため、研磨材に含まれる研磨材粒子は、研磨時間が経過するにつれて、徐々に崩壊し微小化してしまう。研磨材粒子の微小化は研磨速度の減少を引き起こすので、研磨前後で割れの少ない研磨材粒子が望まれる。
さらに、希土類元素の使用量の削減及び耐久性を向上させるために、コアに研磨に対する耐性が高い材料を用いて、シェルのセリウム濃度を高めることで研磨材としての性能を高める試みがなされている。
そこで、長時間研磨した後に、コア・シェル構造の研磨材粒子の内部構造を観察した際に、コアとシェルの境界となるようにして空間が生じてしまう場合があり、この空間があることにより研磨の際の衝撃で割れやすくなっていることがわかった。
特開2005−48181号公報 特開2003−238943号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、耐久性に優れた研磨材粒子を含有する研磨材を提供することである。また、当該研磨材粒子を含有する研磨材スラリー及び当該研磨材を使用する研磨加工方法を提供することである。
本発明者は、研磨の際に係る圧力によって生じる研磨材粒子の割れと研磨材粒子の内部構造との関係等について検討する過程において、耐久性に優れた、酸化セリウムを含有する研磨材粒子からなる研磨材を見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。
1.少なくとも、酸化セリウムを含有する研磨材粒子からなる研磨材であって、
前記研磨材粒子が、少なくともコアとシェルからなるコア・シェル構造を有し、
前記シェルに含有されるセリウムが、シェルの60質量%以上であり、
前記コアが、希土類元素の炭酸塩を含有し、
前記コアと前記シェルに含有されるセリウムの含有量の差が、15質量%以上であり、
前記研磨材粒子が、赤外分光測定により炭酸由来の吸収を示し、
当該吸収の吸光度が、0.2〜0.6の範囲内であることを特徴とする研磨材。
2.前記研磨材粒子の平均粒子径が、0.1〜0.3μmの範囲内であることを特徴とする第1項に記載の研磨材。
3.第1項又は第2項に記載の研磨材を含有することを特徴とする研磨材スラリー。
4.第3項に記載の研磨材スラリーを用いて半導体絶縁膜の研磨加工を行うことを特徴とする研磨加工方法。
本発明の上記手段により、耐久性に優れた研磨材粒子を含有する研磨材を提供することができる。また、当該研磨材粒子を含有する研磨材スラリー及び当該研磨材を使用する研磨加工方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
研磨材に含有される研磨材粒子は、セリウムを含有させることで、高い研磨速度を示すことができるが、コスト及び耐久性の観点からセリウムを主成分としないコアと研磨性能に優れるシェルを有するコア・シェル構造であることが好ましい。
球状の粒子を焼成する場合、表面付近から焼成が進むことに加え、コア・シェル構造を有する研磨材粒子の場合、コアとシェルの組成が異なるため、焼成の進み具合の違いからコアとシェルの間に空間が生じてしまうことがある。
この空間は、表面から焼成が進むため、例えば、コア及びシェルに炭酸塩を用いると、内部の炭酸塩から焼成により生じた炭酸ガスが研磨材粒子に閉じ込められてしまうことにより生じるものと推察される。
そこで、焼成する際に、研磨材粒子の組成比並びに焼成温度及び焼成時間を調整することにより研磨材粒子の内部を炭酸塩の状態に保つことで、研磨材粒子の内部に空間が生じることを抑制することができ、研磨の際の研磨材粒子の割れを抑制できることを見いだした。
本発明に係る研磨材粒子の層構造の一例を示す模式図 本発明に係る研磨材粒子の層構造の一例を示す模式図 一般的な研磨材粒子の層構造を示す模式図 一般的な研磨材粒子の内部構造の一例を示す透過型電子顕微鏡写真 本発明に係る研磨材粒子の内部構造の一例を示す透過型電子顕微鏡写真 本発明に係る研磨材粒子の断面の組成比を表すグラフ 本発明に係る研磨材粒子の一例を示す走査型電子顕微鏡写真 一般的な研磨材粒子の一例を示す走査型電子顕微鏡写真 赤外分光測定による研磨材粒子の吸収を表すグラフ
本発明の研磨材は、少なくとも、酸化セリウムを含有する研磨材粒子からなる研磨材であって、前記研磨材粒子が、少なくともコアとシェルからなるコア・シェル構造を有し、前記シェルに含有されるセリウムが、シェルの60質量%以上であり、前記コアが、希土類元素の炭酸塩を含有し、前記コアと前記シェルに含有されるセリウムの含有量の差が、15質量%以上であり、前記研磨材粒子が、赤外分光測定により炭酸由来の吸収を示し、当該吸収の吸光度が、0.2〜0.6の範囲内であることを特徴とする。
この特徴は、請求項1から請求項4までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記研磨材粒子の平均粒子径が、0.1〜0.3μmの範囲内であることが好ましい。これにより、より精密研磨に適した研磨材を得ることができる。
また、本発明の研磨材は、研磨材スラリーに好適に用いられる。
本発明の研磨加工方法としては、本発明の研磨材スラリーを用いて半導体絶縁膜の研磨加工を行うことを特徴とする。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、以下の説明において示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《研磨材粒子》
本発明の研磨材は、少なくとも、酸化セリウムを含有する研磨材粒子からなる研磨材であって、前記研磨材粒子が、少なくともコアとシェルからなるコア・シェル構造を有し、前記シェルに含有されるセリウムが、シェルの60質量%以上であり、前記コアが、希土類元素の炭酸塩を含有し、前記コアと前記シェルに含有されるセリウムの含有量の差が、15質量%以上であり、前記研磨材粒子が、赤外分光測定により炭酸由来の吸収を示し、当該吸収の吸光度が、0.2〜0.6の範囲内であることを特徴とする。
具体的には、図1に示す本発明の研磨材粒子10の模式図のように、コア・シェル構造を形成している。
コア・シェル構造とは、希土類元素の炭酸塩を含有するコア1Aと、酸化セリウムを含有するシェル2Aとを有する構造である。コアは、全体に炭酸塩が分布し、酸化物と混在している状態であっても、図2に示す研磨材粒子20のように、酸化セリウムを含有するシェル2Bと、コア1Bとを有する構造であって、当該コア1Bの中核部分に酸化物3Bを含有し、シェルに隣接する領域に炭酸塩3Aが分布している状態であってもよい。
一方、従来のコア・シェル構造を有する研磨材粒子30は、高温で焼成するため、図3に示すように、コア1Cとシェル2Cの間に空間4を形成してしまう場合があることがわかった。高温で焼成した一般的な研磨材粒子の内部は、図4に示すように、コアとシェルとの間に空間(図4においては白い部分が研磨材粒子を構成している部分を表し、黒い部分が空間を表している。)が生じていることを確認できる。
そこで、本発明においては、コア・シェル構造の研磨材粒子を低温で焼成することにより、研磨材粒子を構成する炭酸塩が完全に酸化物にならず、一部炭酸塩のままであることにより空洞の形成を抑制できた。
シェルに含有されるセリウムの含有量としては、シェルの60質量%以上であり、この場合のセリウムとは、酸化物に加えて炭酸塩の場合のセリウムも含まれている。
また、本発明に係る研磨材粒子のコアとシェルに含有されるセリウムの含有量の差は、15質量%以上であることを特徴とする。これにより、焼成を経た後も研磨材粒子の内部に炭酸塩成分が残存することができ、研磨材粒子の内部の空洞化を抑制し、耐久性の優れた研磨材粒子を含有する研磨材を得ることができる。
ここで、研磨材に含有されている研磨材粒子の各希土類元素の含有量は、元素分析により求めることができる。例えば、1gを硝酸水溶液10mlと過酸化水素水1.0mlの混合溶液に溶解させ、エスアイアイナノテクノロジー社製のICP発光分光プラズマ装置(ICP−AES)を使用して元素分析を行う。研磨材粒子の各希土類元素の含有量から組成比(mol%)として求めることができる。
なお、研磨材粒子の組成分布については、研磨材粒子の断面の元素分析を行うことにより求めてもよい。例えば、研磨材粒子について、日立ハイテクノロジーズ製 集束イオンビーム加工観察装置(FB−2100)により断面加工を行い、粒子中心付近を通る面を切り出す。そして、切断面より、日立ハイテクノロジーズ製 STEM−EDX(HD−2000)を使用して元素分析を行い、研磨材粒子の各希土類元素の組成分布を求めることもできる。
また、本発明に係る研磨材粒子は、炭酸塩を含有しているため、赤外分光測定により1300〜1600cm−1範囲内に炭酸由来の吸収を確認することができる。
さらに、割れの少ない研磨材粒子として優れた耐久性を示すために必要な炭酸量に対応する炭酸由来の吸光度は、0.2〜0.6の範囲内である。当該範囲内であれば、研磨材粒子に炭酸塩が十分残存しているため、割れを生じにくい研磨材粒子を得ることができる。
ここで、赤外分光の測定方法としては、例えば、顕微ユニットとして、サーモフィッシャーサイエンティフィック製Nicolet Continuumを使用し、FT−IR本体として同じくサーモフィッシャーサイエンティフィック製のAvatarを使用することができる。
試料をつぶして透過測定を行うことができ、測定条件は分解能4cm−1、積算64回で測定することができる。
また、研磨材粒子の平均粒子径が、0.1〜0.3μmの範囲内であることが好ましい。これにより、より精密研磨に適した研磨材を得ることができる。
平均粒子径(D50)とは、研磨材粒子の粒子径の測定値の全体を100%累積曲線(積分曲線)として求め、累積曲線が50%となるときの粒子径を平均粒子径D50と定義する。
粒子径を求める方法としては、上記のようなSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて200個の粒径を測定し、度数分布を求める方法を用いることができる。その他には、動的光散乱法、レーザ回折法、遠心沈降法、FFF法(フィールドフローフラクション法)、電気的検知体法などを用いて求めることが可能である。
研磨材粒子の平均粒子径を、0.1〜0.3μmの範囲内とすることで、キズ(傷)が発生しにくく、精密研磨に適している。
ここで、傷の発生については、例えば、SiO熱酸化膜を成膜したシリコン基板の表面状態を評価することにより求めることができる。
研磨キズの評価は、SEM(日立ハイテクノロジーズ製 S−3700N)にて行い、φ150mmウェハー1枚当たりの200nm以上のキズの個数を測定した。
《研磨加工方法》
SiO熱酸化膜を成膜したシリコン基板の研磨加工を例にとり、研磨加工方法を説明する。
1.研磨材スラリーの調製
研磨材粒子を含有する研磨材の粉体を水等の溶媒に添加し、研磨材スラリーを調製する。研磨材スラリーには、分散剤等を添加することで、凝集を防止するとともに、撹拌機等を用いて常時撹拌し、分散状態を維持する。研磨材スラリーは供給用ポンプを利用して、研磨機に循環供給される。
2.研磨加工
研磨パット(研磨布)が貼られた研磨機の上下定盤に基板を接触させ、接触面に対して研磨材スラリーを供給しながら、加圧条件下でパットと基板を相対運動させることで研磨することができる。
具体的には、SiO熱酸化膜を成膜したシリコン基板表面の表面状態(表面粗さRa)について、研磨には1質量%の研磨材分散溶液を用い、研磨圧力は3psi、回転数75rpmで1分間研磨を行った。研磨パッドにはアール・エヌ・セミコン株式会社製IC1000(登録商標)を用いた。
《研磨材粒子を含有する研磨材の製造方法》
本発明の研磨材は、希土類元素を含有する化合物(希土類塩)を溶解させた水溶液中に分解尿素類水溶液を添加してコアを形成する工程と、セリウムを含む希土類元素を含有する水溶液を添加してシェルを形成する工程と、当該コア・シェル構造を有する研磨材前駆体粒子を焼成する工程とを少なくとも有する製造方法により製造されることが好ましい。
本発明において、研磨材粒子は、希土類塩水溶液と分解尿素類水溶液を混合・加熱することにより反応液中に生成する研磨材前駆体粒子を焼成して得られる。なお本発明において反応液とは、希土類塩水溶液と尿素類水溶液を混合した液をいう。
本発明の研磨材粒子の製造方法は、以下の五つの工程(1.分解尿素類水溶液調整工程2.コア形成工程、3.シェル形成工程、4.固液分離工程、5.焼成する工程)からなることが好ましい。
1.分解尿素類水溶液調整工程
分解尿素類水溶液調整工程は、所定の濃度の尿素類水溶液を調製し、密閉容器内で加熱することにより、添加する加熱分解した尿素類水溶液を調製する工程である。
例えば、尿素水溶液を密閉容器内で加熱することにより、溶媒を保持したまま加水分解を進めることができる。これにより、当該尿素水溶液中には、尿素の加水分解により生じた二酸化炭素及びアンモニアに加え、尿素の三成分が溶存している。
二酸化炭素は、溶液中炭酸イオンとして存在し、後述する塩基性炭酸塩である研磨材前駆体粒子の原料となる。
本発明において「加熱分解した尿素類水溶液」とは、尿素類が加熱により加水分解し炭酸イオンを含む尿素類水溶液をいう。
炭酸イオンは、水溶液中に炭酸イオン濃度として2.5〜50mmol/L含まれることが好ましい。より好ましくは10〜30mmol/Lの範囲内である。
なお、分解尿素類液中の炭酸イオン濃度は、室温(25℃)で測定した値である。炭酸イオン濃度はイオンクロマトグラフィー法で測定することができる。例えば、DIONEX社製イオンクロマトグラフ、DX500等を用いて測定することができる。
例えば、5.0mol/Lの尿素類水溶液を0.5L調製し、密閉容器内で100℃、6時間加熱する。その後、20℃まで冷ました尿素類水溶液を添加する尿素類水溶液とすることができる。
加水分解の程度は、密閉容器内で加熱する温度と時間等で制御することができる。
本発明においては、このような尿素類が加水分解し炭酸イオンを含む水溶液を「分解尿素類水溶液」ともいう。
尿素類としては、尿素の他に、尿素の塩(例えば、硝酸塩、塩酸塩等)、N,N′−ジメチルアセチル尿素、N,N′−ジベンゾイル尿素、ベンゼンスルホニル尿素、p−トルエンスルホニル尿素、トリメチル尿素、テトラエチル尿素、テトラメチル尿素、トリフェニル尿素、テトラフェニル尿素、N−ベンゾイル尿素、メチルイソ尿素、エチルイソ尿素、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等を挙げることができる。この中では尿素が好ましい。なお、以下の実施例において、尿素水溶液を用いて塩基性炭酸塩を形成させる場合について示すが、一例であって、これに限定されるものではない。
2.コア形成工程
コア形成工程は、希土類元素を含有する化合物の水溶液(希土類塩水溶液)を調製し、分解尿素類水溶液を添加して加熱撹拌することでコアを形成する工程である。
まず、希土類塩水溶液は、例えば、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムから選ばれる少なくとも1種類の元素を含有する化合物を溶解させて調製した水溶液を調製する。
これらの液の水溶液中でのイオン濃度は、0.001〜50mol/Lであり、尿素類は前記イオン濃度の5〜50倍の濃度が好ましい。
これは、希土類元素を含有する化合物の水溶液中でのイオン濃度及び尿素類のイオン濃度を、当該範囲内とすることで、単分散性を示す球状の研磨材粒子を合成することができると考えられるため好ましい。
コア形成工程では、加熱した希土類塩水溶液に分解尿素類液を添加する。研磨材前駆体粒子のコア形成工程において、原料となる炭酸イオンを多く含有する分解尿素類液を添加して核形成することにより、短時間で核形成を行うことができる。このため従来の希土類塩水溶液と分解尿素類水溶液を混合して、その後加熱することにより研磨材前駆体粒子を形成する場合に比べて、生成した核の粒径分布を狭くできると考えられる。
コアの大きさは10〜300nm程度が好ましい。希土類塩水溶液と分解尿素類液の濃度、反応温度、分解尿素類液の分解の程度、分解尿素類液の添加速度及び添加量等を適宜制御することで行うことができる。コアが形成したことは反応液が青色〜白色に着色又は濁ってくることから確認できる。粒子径が小さいときは青色に、大きくなるにつれ白色に観察される。
コア形成工程において添加する加熱分解した尿素類水溶液の添加速度は、加熱分解前の尿素類濃度に換算して反応液1Lに対して1分当たり0.01〜50molの範囲内であることが好ましい。添加速度は、0.10〜30molの範囲内であることがより好ましい。
添加速度は遅いほうが生成した核の粒径分布が狭くなるが、速すぎると生成した核が凝集したり、また局所的な濃度分布が大きくなるため核が異方成長し、核の粒径分布が大きくなる場合があるためである。
添加時間としては10分以内が好ましい。より好ましくは5分以内である。さらに好ましくは1分以内である。
また、添加する加熱分解した尿素類水溶液の炭酸イオン濃度は、2.5〜50mmol/Lの範囲内であることが好ましい。
分解尿素類液中の尿素類の分解度は、0.5%以上であることが好ましい。さらには3%以上が好ましい。
希土類塩水溶液と分解尿素類液が混合した反応液の温度は、尿素類が加水分解できる温度であることが好ましい。具体的には反応液の温度は75〜100℃、好ましくは80〜100℃、より好ましくは90〜100℃の範囲内である。
当該水溶液を調製するために用いることができるこれらの元素の塩として、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩等を用いることができるが、硝酸塩を使用することが好ましい。これにより、不純物の少ない研磨材を製造することができる。
3.シェル形成工程
シェル形成工程は、セリウムを含有する希土類元素を含有する水溶液(希土類塩水溶液)中に尿素類水溶液を添加してコア・シェル構造の研磨材前駆体粒子を形成する工程である。
本発明において、シェル形成工程では、反応初期の粒子のコア形成過程において加熱分解した尿素類水溶液(分解尿素類水溶液)を希土類塩水溶液の添加し、コア形成過程の後の粒子にシェルを形成させる過程においてさらに加熱分解した尿素類水溶液(分解尿素類水溶液)を添加することが好ましい。
シェル形成工程では、コア形成工程で形成した核粒子と組成の異なる層を形成することでコア・シェル構造を有する、より大きな研磨材前駆体粒子に成長させる工程である。コア形成工程で添加した分解尿素類水溶液の添加終了後、反応液が青色〜白色に着色又は濁ったあと、分解尿素類水溶液及びセリウムを含有する希土類元素を含有する水溶液を添加することでシェル形成工程を開始することが好ましい。
具体的には、分解尿素類水溶液の添加終了後、反応液が青色〜白色に着色又は濁ったことを確認したあと、約10分以内に、分解尿素類水溶液調製工程で調製した加熱分解した分解尿素類水溶液及びセリウムを含有する希土類元素を含有する水溶液を、コア形成工程で形成したコア(微粒子)が分散する溶液に添加する。さらに当該混合した溶液を加熱しながら撹拌する。分解尿素水溶液と希土類塩水溶液を混合することで、当該研磨材の粒子径が成長し、研磨材粒子の前駆体が得られる。
シェル形成工程において添加する分解尿素類水溶液の濃度は、0.05〜10mol/Lの範囲内であることが好ましい。
また、シェル形成工程において添加する分解尿素類水溶液の炭酸イオン濃度が0.01〜30mol/Lの範囲内であることが研磨材粒子の粒径分布が狭い研磨材が得られる点で好ましい。
希土類塩水溶液と分解尿素類水溶液が混合した反応液の温度は、反応液中の平衡が保たれている温度であることが好ましい。具体的には反応液の温度は75〜100℃、好ましくは80〜100℃、より好ましくは90〜100℃の範囲内である。
また、撹拌時間は1〜10時間の範囲内が好ましく、1〜3時間の範囲内が特に好ましい。なお、加熱温度及び撹拌時間は、目的とする粒子径に合わせて適宜調整することができる。
なお、コア形成工程及びシェル形成工程における加熱撹拌の際には、十分な撹拌効率を得られれば、特に撹拌機の形状等は指定しないが、より高い撹拌効率を得るためには、ローター・ステータータイプの撹拌機を使用することが好ましい。
4.固液分離工程
加熱撹拌した後、生成した沈殿(研磨材微粒子の前駆体)を溶液と分離する固液分離を行う。固液分離の方法は、一般的な方法でよく、例えば、フィルター等を使用して濾過により研磨材粒子の前駆体を得ることができる。
5.焼成する工程
焼成する工程(焼成工程ともいう。)は、固液分離工程により得られた研磨材粒子の前駆体を空気中若しくは酸化性雰囲気中で、400〜700℃の範囲内で焼成する。焼成された研磨材粒子のシェル部分は、酸化物となり、酸化セリウムを含有する研磨材粒子となる。当該温度範囲で焼成することにより、研磨材粒子の内部に空間が生じることなく研磨材粒子を作製することができる。
なお、必要に応じて焼成する前に水又はアルコール等で洗浄、乾燥を行ってから焼成してもよい。
焼成を経て冷却することにより、研磨材粒子を安定させた後、当該研磨材粒子を含有する研磨材として回収することができる。
当該研磨材の製造方法を使用して研磨材を製造することで、異方成長した研磨材粒子をほとんど含まない、球形状の研磨材粒子を含有する研磨材を得ることができる。
本発明の研磨材は、前記製造方法により製造した研磨材粒子を50質量%以上含有し、好ましくは70質量%以上含有し、90質量%以上含有することが特に好ましい。これにより、研磨による表面粗さが小さい研磨材を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。また、実施例における分解尿素水溶液は、25℃の状態のものを用いている。
[実施例I]
《研磨材1の製造》
(1)6.0mol/Lの分解尿素水溶液を0.5L用意した。
(2)4.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液を9L用意した。
(3)前記(2)で調製した水溶液を90℃まで加熱した。
(4)前記(3)で加熱した水溶液に、(1)で用意した分解尿素水溶液を添加し、10分間加熱撹拌した。
(5)前記(4)で得られた反応溶液に、濃度5mol/Lの硝酸セリウム水溶液と、3.1mol/Lの尿素水溶液を5mL/minの添加速度で添加し、これらの混合溶液中のセリウム濃度が60質量%になるまでシェルを形成した。
(6)前記(5)で加熱撹拌した混合液中に析出した研磨材粒子の前駆体をフィルターで分離した。
(7)前記(6)で分離した研磨材粒子の前駆体を600℃で焼成して研磨材1を得た。
《研磨材2の製造》
研磨材1の手順(5)で混合溶液中のセリウム濃度が80質量%になるまで添加した以外は、研磨材1の製造方法と同様に作製した。
《研磨材3の製造》
研磨材1の手順(5)で混合溶液中のセリウム濃度が95質量%になるまで添加した以外は、研磨材1の製造方法と同様に作製した。
《研磨材4の製造》
研磨材1の手順(2)で硝酸セリウムの濃度が1.4mol/Lで、かつ硝酸イットリウムの濃度が2.6mol/Lの水溶液を9L調製した以外は、研磨材1の製造方法と同様に作製した。
《研磨材5の製造》
研磨材2の手順(2)で硝酸セリウムの濃度が2.2mol/Lで、かつ硝酸イットリウムの濃度が1.8mol/Lの水溶液を9L調製した以外は、研磨材2の製造方法と同様に作製した。
《研磨材6の製造》
研磨材3の手順(2)で硝酸セリウムの濃度が2.8mol/Lで、かつ硝酸イットリウムの濃度が1.2mol/Lの水溶液を9L調製した以外は、研磨材3の製造方法と同様に作製した。
《研磨材7の製造》
研磨材1の手順(2)で硝酸セリウムの濃度が1.8mol/Lで、かつ硝酸イットリウムの濃度が2.2mol/Lの水溶液を9L調製した以外は、研磨材1の製造方法と同様に作製した。
《研磨材8の製造》
研磨材2の手順(2)で硝酸セリウムの濃度が2.6mol/Lで、かつ硝酸イットリウムの濃度が1.4mol/Lの水溶液を9L調製した以外は、研磨材2の製造方法と同様に作製した。
《研磨材9の製造》
研磨材3の手順(2)で硝酸セリウムの濃度が3.2mol/Lで、かつ硝酸イットリウムの濃度が0.8mol/Lの水溶液を9L調製した以外は、研磨材3の製造方法と同様に作製した。
《研磨材10の製造》
研磨材1の手順(5)で混合溶液中のセリウム濃度が50質量%になるまで添加した以外は、研磨材1の製造方法と同様に作製した。
《研磨材11の製造》
研磨材1の手順(2)で硝酸セリウムの濃度が1.6mol/Lで、かつ硝酸イットリウムの濃度が2.4mol/Lの水溶液を9L調製し、手順(5)で混合溶液中のセリウム濃度が50質量%になるまで添加した以外は、研磨材1の製造方法と同様に作製した。
《研磨材12の製造》
研磨材1の手順(2)で硝酸セリウムの濃度が2.0mol/Lで、かつ硝酸イットリウムの濃度が2.0mol/Lの水溶液を9L調製し、手順(5)で混合溶液中のセリウム濃度が60質量%になるまで添加した以外は、研磨材1の製造方法と同様に作製した。
《研磨材13の製造》
研磨材1の手順(2)で硝酸セリウムの濃度が3.2mol/Lで、かつ硝酸イットリウムの濃度が0.8mol/Lの水溶液を9L調製し、手順(5)で混合溶液中のセリウム濃度が80質量%になるまで添加した以外は、研磨材1の製造方法と同様に作製した。
《研磨材14の製造》
粉砕方法により、研磨材14を作製した。
《研磨材15の製造》
(1)6.0mol/Lの分解尿素水溶液を0.5L用意した。
(2)4.0mol/Lの硝酸ランタン水溶液を9L用意した。
(3)上記(2)で調製した水溶液を90℃まで加熱した。
(4)上記(3)で加熱した水溶液に、(1)で用意した分解尿素水溶液を添加し、10分間加熱撹拌した。
(5)前記(4)で得られた反応溶液に、濃度5mol/Lの硝酸セリウム水溶液と、3.1mol/Lの尿素水溶液を5mL/minの添加速度で添加し、これらの混合溶液中のセリウム濃度が60質量%になるまでシェルを形成した。
(6)上記(5)で加熱撹拌した混合液中に析出した研磨材粒子の前駆体をフィルターで分離した。
(7)上記(6)で分離した研磨材粒子の前駆体を600℃で焼成して研磨材15を得た。
《研磨材16の製造》
研磨材15の手順(2)で硝酸セリウムの濃度が2.8mol/Lで、かつ硝酸ランタンの濃度が1.2mol/Lの水溶液を9L調製した以外は、研磨材15の製造方法と同様に作製した。
《研磨材17の製造》
(1)6.0mol/Lの分解尿素水溶液を0.5L用意した。
(2)4.0mol/Lの硝酸プラセオジム水溶液を9L用意した。
(3)前記(2)で調製した水溶液を90℃まで加熱した。
(4)前記(3)で加熱した水溶液に、(1)で用意した分解尿素水溶液を添加し、10分間加熱撹拌した。
(5)前記(4)で得られた反応溶液に、濃度5mol/Lの硝酸セリウム水溶液と、3.1mol/Lの尿素水溶液を5mL/minの添加速度で添加し、これらの混合溶液中のセリウム濃度が60質量%になるまでシェルを形成した。
(6)前記(5)で加熱撹拌した混合液中に析出した研磨材粒子の前駆体をフィルターで分離した。
(7)前記(6)で分離した研磨材粒子の前駆体を600℃で焼成して研磨材17を得た。
《研磨材18の製造》
研磨材17の手順(2)で硝酸セリウムの濃度が2.8mol/Lで、かつ硝酸プラセオジムの濃度が1.2mol/Lの水溶液を9L調製した以外は、研磨材17の製造方法と同様に作製した。
《研磨材19の製造》
(1)6.0mol/Lの分解尿素水溶液を0.5L用意した。
(2)4.0mol/Lの硝酸ネオジム水溶液を9L用意した。
(3)前記(2)で調製した水溶液を90℃まで加熱した。
(4)前記(3)で加熱した水溶液に、(1)で用意した分解尿素水溶液を添加し、10分間加熱撹拌した。
(5)前記(4)で得られた反応溶液に、濃度5mol/Lの硝酸セリウム水溶液と、3.1mol/Lの尿素水溶液を5mL/minの添加速度で添加し、これらの混合溶液中のセリウム濃度が60質量%になるまでシェルを形成した。
(6)前記(5)で加熱撹拌した混合液中に析出した研磨材粒子の前駆体をフィルターで分離した。
(7)前記(6)で分離した研磨材粒子の前駆体を600℃で焼成して研磨材19を得た。
《研磨材20の製造》
研磨材19の手順(2)で硝酸セリウムの濃度が2.8mol/Lで、かつ硝酸ネオジムの濃度が1.2mol/Lの水溶液を9L調製した以外は、研磨材19の製造方法と同様に作製した。
<評価方法>
[組成分析]
焼成して得られた研磨材の中から任意の研磨材粒子を日立ハイテクノロジーズ製 集束イオンビーム加工観察装置(FB−2100)により加工し、日本電子製 電界放出形透過電子顕微鏡(JEM−2100F)によって断面のTEM−EDX分析を行った。得られた結果から、シェル中のセリウム含有量、コア中のセリウム含有量及びコアとシェルのセリウム含有量の差を表1に示した。
一例として、研磨材6に含有される研磨材粒子の断面のTEM画像及び断面の組成比率を表すグラフを図5及び図6に示した。図5の矢印部分の断面の濃度比を図6に示した。
[炭酸塩に由来する吸光度の測定]
作製した粒子をThermo Fisher Scientific社の赤外顕微鏡 Nicolet Continuumを用いて、測定を行った。
研磨材粒子中の炭酸塩の有無の判断は、1300〜1600cm−1範囲内に炭酸由来の吸収を調べ、当該吸収の吸光度が0.2〜0.6の範囲内である場合には炭酸塩を含有するとして判断した。
[研磨キズの評価]
評価には不二越製の研磨機RDP−500を使用し、6インチのシリコン基板に1000nmの膜厚のSiO熱酸化膜のついた基板を研磨した。
研磨には1質量%の研磨材スラリーを用い、研磨圧力は3psi、回転数75rpmで5分間研磨を行った。研磨パッドにはIC1000(登録商標)を用いた。
研磨キズの評価は、SEM(日立ハイテクノロジーズ S−3700N)にて行い、ウェハー10枚を研磨したうち、1枚(φ150mm)当たりの200nm以上のキズの個数を測定した。
表1の研磨キズの評価は、
◎:研磨キズが5個未満であり、安定して生産できる。
○:研磨キズが10個未満であり、生産上問題とならない。
×:研磨キズが10個以上あり、生産上問題となる。
としている。
[粒子割れの評価]
研磨キズ評価において、研磨キズの評価で用いた研磨材について、日本電子製の走査型顕微鏡(JSM−7401F)を用いて30000倍の視野で走査型電子顕微鏡写真(SEM像)を確認し、粒子の形状(粒子割れの発生のありなし)を判定した。具体的には、図7に示した状態を割れ無し(「無」)、図8に示した状態を割れ有り(「有」)として判定した。
表1に示したとおり、本発明の研磨材は、研磨キズが少なく、研磨材粒子の割れも少ないことから研磨性能とともに研磨による耐久性も良好であることがわかった。
また、図9に示すように、本発明の研磨材3、6及び7については1300〜1600cm−1の範囲内に炭酸由来の吸収を確認することができた。
[実施例II]
研磨材6と同様の方法で、使用する分解尿素の濃度を変化させた研磨材を作製した。
《研磨材21の製造》
研磨材6の手順(1)で7.0mol/Lの分解尿素水溶液を0.5L用意した以外は、研磨材6の製造方法と同様に作製した。
《研磨材22の製造》
研磨材6の手順(1)で8.5mol/Lの分解尿素水溶液を0.5L用意した以外は、研磨材6の製造方法と同様に作製した。
《研磨材23の製造》
研磨材6の手順(1)で10.0mol/Lの分解尿素水溶液を0.5L用意した以外は、研磨材6の製造方法と同様に作製した。
<評価方法>
[平均粒子径の測定]
研磨材粒子100個の走査型顕微鏡写真(SEM像)から平均粒子径を求めた。
炭酸塩に由来する吸光度の測定及び研磨キズについては、実施例Iと同様に測定した。
表2に示したとおり、分解尿素水溶液の濃度を高くすることで、平均粒子径を小さくすることができた。使用する分解尿素水溶液の濃度と平均粒子径の相関関係が明らかになったことにより、所望の表面粗さに応じて研磨材を選択することができる点で優れている。
10、20、30 研磨材粒子
1A、1B、1C コア
2A、2B、2C シェル
3A 炭酸塩
3B 酸化物
4 空間

Claims (4)

  1. 少なくとも、酸化セリウムを含有する研磨材粒子からなる研磨材であって、
    前記研磨材粒子が、少なくともコアとシェルからなるコア・シェル構造を有し、
    前記シェルに含有されるセリウムが、シェルの60質量%以上であり、
    前記コアが、希土類元素の炭酸塩を含有し、
    前記コアと前記シェルに含有されるセリウムの含有量の差が、15質量%以上であり、
    前記研磨材粒子が、赤外分光測定により炭酸由来の吸収を示し、
    当該吸収の吸光度が、0.2〜0.6の範囲内であることを特徴とする研磨材。
  2. 前記研磨材粒子の平均粒子径が、0.1〜0.3μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の研磨材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の研磨材を含有することを特徴とする研磨材スラリー。
  4. 請求項3に記載の研磨材スラリーを用いて半導体絶縁膜の研磨加工を行うことを特徴とする研磨加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019207926A1 (ja) * 2018-04-24 2019-10-31 信越化学工業株式会社 合成石英ガラス基板用の研磨剤及びその製造方法、並びに合成石英ガラス基板の研磨方法

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