JPWO2015008393A1 - 力覚センサ - Google Patents

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Abstract

支持基板210の上面中央部に固定された柱状体110の周囲に、円筒状の環状検出体130が配置される。柱状体110と環状検出体130との間は、肉薄の可撓性接続部材120(ダイアフラム)によって接続される。支持基板210の上面にはワッシャ状の絶縁基板300が配置され、その上面には、個別固定電極E1〜E5が形成され、環状検出体130の下面からなる変位電極とともに容量素子を構成する。環状検出体130に外力が作用すると、可撓性接続部材120の撓みにより変位が生じ、容量素子の容量値変化として検出される。環状検出体130の外周部分の上部は、外側へと突き出した外方突出部140を構成し、その下方には、支持基板210の上面周囲部から上方に突き出した変位制御部220が設けられる。環状検出体130の変位は、変位制御部220との間に形成された縦方向空隙Szおよび横方向空隙Srの範囲内に制限される。

Description

本発明は、力覚センサに関し、特に、構造体の一部に、外力の作用によって撓みを生じる可撓性変形部を設けておき、この可撓性変形部の変形に起因して生じる変位を電気的に検出するタイプの力覚センサに関する。
可撓性をもった薄板からなるダイアフラム部に外力を作用させ、このダイアフラム部の変形状態を電気的に検出することにより、作用した外力の大きさや向きを検出するタイプの力覚センサが実用化されている。このタイプのセンサは、比較的構造が単純であり、製造コストを低く抑えることができるため、量産型の製品として様々な産業分野で利用されている。
ダイアフラム部の変形状態を電気的に検出する方法としては、静電容量素子を利用する方法、ピエゾ抵抗素子を利用する方法、圧電素子を利用する方法などが提案されている。これら各素子を複数箇所に配置し、ダイアフラム部の個々の位置の変位を電気信号として検出することにより、XYZ三次元直交座標系において、作用した外力の各座標軸方向成分の大きさをそれぞれ独立して検出することが可能になる。
たとえば、下記の特許文献1,2には、ダイアフラム部の各部の変位を静電容量素子を利用して検出することにより、各座標軸方向に作用した力をそれぞれ独立して検出することが可能な力覚センサが開示されている。また、特許文献3,4には、ダイアフラム部の個々の位置に設けられたピエゾ抵抗素子の電気抵抗の変化に基づいて、各座標軸方向の力を検出する力覚センサが開示されており、特許文献5,6には、圧電素子に生じる電荷に基づいて、ダイアフラム部の各部の変位を検出し、外力として作用した加速度に基づく力やコリオリ力を検出することにより、各座標軸方向の加速度や各座標軸まわりの角速度の検出を行う多軸センサが開示されている。
これらのセンサにおけるダイアフラム部は、弾性変形を生じる可撓性変形部として機能し、外力の作用下では変形を生じているが、外力がなくなると元の状態に復帰する。一般に、力の検出感度を高めるためには、ダイアフラム部の肉厚を薄くしたり、撓みやすい材質で構成したりして、その可撓性を高める必要がある。ところが、過大な外力が作用すると、ダイアフラム部にその弾性変形の限界を超えた過大な撓みが生じることになり、外力を取り去った後もダイアフラム部の形が元に復帰しなかったり、ダイアフラム部に破損が生じたりする弊害が生じる。特に、わずかな外力に対しても撓みを生じるような繊細なダイアフラム部を組み込んだ高感度の力覚センサの場合、過度の外力が作用するとダイアフラム部が破損してしまう可能性が高い。そこで、特許文献7には、過度の外力が作用した場合でも、ダイアフラム部の変位が所定の許容範囲内に収まるように、ストッパ部材により変位制限を行う技術が開示されている。
特開平4−148833号公報 特開2001−165790号公報 特開平6−174571号公報 特開2004−69405号公報 特開平8−226931号公報 特開2002−71705号公報 特開2010−008343号公報
上述したとおり、可撓性変形部(ダイアフラム部)の変形に基づいて外力を検出するタイプの力覚センサでは、可撓性変形部の肉厚を薄くしたり、可撓性変形部をより撓みやすい材質で構成したりすれば、検出感度を高めることができるが、その半面、堅牢性は失われてしまう。したがって、可撓性変形部を過度の外力から保護するために、何らかの変位制御構造が必要になる。このような観点から、前掲の特許文献7には、外力が作用する盤状受力体の周囲に貫通孔を設け、台座に固定されたストッパ部材を当該貫通孔に収容する構造を採用することにより、盤状受力体の変位を台座およびストッパ部材によって所定の許容範囲内に制御する技術が開示されている。
しかしながら、従来提案されているこの種の力覚センサでは、検出感度を更に高めることは困難である。また、変位制御を行うために盤状受力体に貫通孔を形成したり、ストッパ部材を配置したりする必要があり、構造が複雑になるという問題もある。
そこで本発明は、単純な構造で、高い検出感度を有し、かつ、十分な堅牢性を備えた力覚センサを提供することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、力覚センサにおいて、
支持基板と、この支持基板の上方に配置された環状検出体と、支持基板の上面中央部から上方に伸びる柱状体と、この柱状体と環状検出体とを接続する可撓性接続部材と、環状検出体の支持基板に対する変位に応じた測定値を出力する検出素子と、この測定値に基づいて、作用した外力の検出を行う検出回路と、を設け、
支持基板を固定した状態で環状検出体に外力が作用すると、可撓性接続部材が撓むことにより環状検出体が支持基板に対して変位を生じ、検出回路が、当該変位に起因して生じる測定値の変動に基づいて外力の検出を行う機能を有するようにし、
環状検出体の外周部分から更に外方へ突出する外方突出部と、支持基板上の外方突出部に対向する位置に固定された変位制御部と、を更に設け、
作用している外力の大きさが所定の許容範囲内であるときには、外方突出部の下面と変位制御部の上面との間に縦方向空隙が維持され、作用している外力の大きさが許容範囲を超えたときには、外方突出部の下面と変位制御部の上面とが接触することにより、環状検出体の変位が制御されるようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述した第1の態様に係る力覚センサにおいて、
外方突出部が、環状検出体の外周部分の上部から外方へ突出する構造をなし、環状検出体の外周部分の下部は外周露出面をなし、
作用している外力の大きさが所定の許容範囲内であるときには、外周露出面と変位制御部の対向面との間に横方向空隙が維持され、作用している外力の大きさが許容範囲を超えたときには、外周露出面と変位制御部の対向面とが接触することにより、環状検出体の変位が制御されるようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述した第2の態様に係る力覚センサにおいて、
環状検出体が第1の円筒状構造体によって構成され、外方突出部が第1の円筒状構造体の外周面を内周面とする第2の円筒状構造体によって構成され、変位制御部が第2の円筒状構造体の下面に対向する上面をもった第3の円筒状構造体によって構成され、
外力が作用していない状態において、第1の円筒状構造体の中心軸、第2の円筒状構造体の中心軸、第3の円筒状構造体の中心軸が、いずれも支持基板の上面に直交する同一の軸となるように各円筒状構造体が配置されているようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述した第3の態様に係る力覚センサにおいて、
柱状体が、各円筒状構造体の中心軸と同一の中心軸を有する円柱状構造体によって構成され、
可撓性接続部材が、内周部が柱状体の外周面に接続され、外周部が環状検出体の内周面に接続された円環状板状体によって構成されているようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、上述した第2の態様に係る力覚センサにおいて、
環状検出体が第1の多角形筒状構造体によって構成され、外方突出部が第1の多角形筒状構造体の外周面を内周面とする第2の多角形筒状構造体によって構成され、変位制御部が第2の多角形筒状構造体の下面に対向する上面をもった第3の多角形筒状構造体によって構成され、
外力が作用していない状態において、第1の多角形筒状構造体の中心軸、第2の多角形筒状構造体の中心軸、第3の多角形筒状構造体の中心軸が、いずれも支持基板の上面に直交する同一の軸となるように各多角形筒状構造体が配置されているようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述した第1〜第5の態様に係る力覚センサにおいて、
柱状体、可撓性接続部材、環状検出体、外方突出部を、同一材料の一体構造体からなる上方構造体によって構成するようにしたものである。
(7) 本発明の第7の態様は、上述した第1〜第6の態様に係る力覚センサにおいて、
支持基板および変位制御部を、同一材料の一体構造体からなる下方構造体によって構成するようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、上述した第1〜第7の態様に係る力覚センサにおいて、
外方突出部に、上方に配置された第1の物体に取り付けるための取付用孔部が形成され、
支持基板の変位制御部が配置された位置に、下方に配置された第2の物体に取り付けるための取付用孔部が形成され、
支持基板の柱状体に接する位置に、柱状体を取り付けるための取付用孔部が形成され、柱状体の対応位置に取付用孔部が形成され、
これら取付用孔部に挿通したネジもしくはボルトにより、外方突出部と第1の物体、支持基板と第2の物体、支持基板と柱状体をそれぞれ接続し、
第1の物体および第2の物体の一方を固定した状態において他方に作用した外力の検出を行うようにしたものである。
(9) 本発明の第9の態様は、上述した第1〜第8の態様に係る力覚センサにおいて、
外力の大きさの許容範囲として、当該外力の作用によって可撓性接続部材が弾性変形する限度内の範囲を設定し、環状検出体の変位を変位制御部によって許容範囲内に抑えることにより、可撓性接続部材が弾性変形領域内で変形を生じるようにしたものである。
(10)本発明の第10の態様は、上述した第1〜第9の態様に係る力覚センサにおいて、
縦方向空隙もしくは横方向空隙に、弾性変形材料からなる封止部材を充填し、検出素子が配置されている空間が外部から遮蔽されるようにしたものである。
(11)本発明の第11の態様は、上述した第1〜第10の態様に係る力覚センサにおいて、
検出素子が、支持基板の上面に固定された固定電極と、環状検出体の下面の固定電極に対向する位置に形成された変位電極と、を有する容量素子によって構成されているようにしたものである。
(12)本発明の第12の態様は、上述した第11の態様に係る力覚センサにおいて、
中央部分に柱状体を挿通するための開口部が形成された絶縁基板を支持基板の上面に固定し、この絶縁基板の上面に固定電極を形成し、
環状検出体を導電性材料によって構成し、この環状検出体の下層部分を変位電極として用いるようにしたものである。
(13)本発明の第13の態様は、上述した第12の態様に係る力覚センサにおいて、
絶縁基板上に検出回路を構成する回路部品が配置されており、
導電性材料によって構成された、柱状体、可撓性接続部材、環状検出体を、回路部品と変位電極との間の配線の一部として利用するようにしたものである。
(14)本発明の第14の態様は、上述した第13の態様に係る力覚センサにおいて、
支持基板の上面中央位置に原点Oをとり、支持基板の上面にXY平面をとり、柱状体の中心軸がZ軸と一致するように、XYZ三次元直交座標系を定義したときに、
絶縁基板の上面には、X軸正領域に配置された第1の固定電極と、X軸負領域に配置された第2の固定電極と、Y軸正領域に配置された第3の固定電極と、Y軸負領域に配置された第4の固定電極と、Z軸の周囲を取り囲むように環状に配置された第5の固定電極と、が形成されており、これら各固定電極と、環状検出体の下層部分からなる共通変位電極の対向部分とによって、第1の容量素子、第2の容量素子、第3の容量素子、第4の容量素子、第5の容量素子が形成されているようにしたものである。
(15)本発明の第15の態様は、上述した第14の態様に係る力覚センサにおいて、
検出回路が、第1の容量素子の静電容量値と、第2の容量素子の静電容量値との差に基づいて、作用した外力のY軸まわりのモーメント成分Myを検出し、第3の容量素子の静電容量値と、第4の容量素子の静電容量値との差に基づいて、作用した外力のX軸まわりのモーメント成分Mxを検出し、第5の容量素子の静電容量値に基づいて、作用した外力のZ軸方向成分を検出するようにしたものである。
本発明に係る力覚センサでは、支持基板に固定された柱状体に対して、その周囲に可撓性接続部材を介して接続された環状検出体を設け、外力の作用によって生じた環状検出体の変位が検出される。このため、比較的大きな変位に基づく検出が可能になり、従来装置に比べて検出感度を高めることが可能になる。しかも、環状検出体の外周部分には、更に外方に突出する外方突出部が設けられ、この外方突出部の下方への変位が変位制御部の上面との接触により制御される。このように、環状検出体の縦方向の変位を制限することにより、可撓性接続部材を過度の外力から保護することができる。外方突出部は、環状検出体の更に外側に設けられているため、その変位量は大きくなり、変位制御部による効率的な変位制御が可能になる。また、変位制御のための構造は単純であるため、装置全体の構造を単純化することができる。
一方、外方突出部を環状検出体の外周部分の上部から外方へ突出する構造とし、環状検出体の外周部分の下部を外周露出面とする構造を採用する実施形態では、外周露出面と変位制御部の対向面との接触により、環状検出体の横方向の変位も制限することが可能になり、可撓性接続部材の保護を更に確実に行うことができるようになる。
図1は、本発明の基本的な実施形態に係る力覚センサの構成要素である上方構造体100の上面図(上段)および側断面図(下段)である。
図2は、図1に示す上方構造体100の下面図(上段)および側断面図(下段)である。
図3は、本発明の基本的な実施形態に係る力覚センサの構成要素である下方構造体200および絶縁基板300の上面図(上段)および側断面図(下段)である。なお、上面図における網目状ハッチングは、個別固定電極E1〜E5の形状を明瞭に示すためのものであり、断面を示すものではない。
図4は、本発明の基本的な実施形態に係る力覚センサの側断面図である。
図5は、図4に示す力覚センサに対して、Y軸まわりのモーメント+Myが作用したときの動作を説明する図である。
図6は、図4に示す力覚センサに対して、Z軸方向の力−Fzが作用したときの動作を説明する図である。
図7は、図4に示す力覚センサに封止部材350を付加した変形例を示す側断面図である。
図8は、本発明に係る力覚センサから変位制御構造を省いた参考例を示す側断面図である。
図9は、図8に示す絶縁基板600の上面図である。なお、網目状ハッチングは、個別固定電極E11〜E15の形状を明瞭に示すためのものであり、断面を示すものではない。
<<< §1.基本的な実施形態の構造 >>>
はじめに、本発明の基本的な実施形態に係る力覚センサの構造を説明する。この力覚センサの構造上の主要な構成要素は、図1および図2に示す上方構造体100および図3に示す下方構造体200である。
上方構造体100は、図1上段の上面図に示すように、同心円状の構成要素の集合体であり、内側から順に、柱状体110、可撓性接続部材120、環状検出体130、外方突出部140なる構成要素によって構成されている。もっとも、この基本的な実施形態の場合、図1下段の側断面図に示すとおり、上方構造体100は、同一材料(たとえば、アルミニウム合金やステンレスなど)の一体構造体からなる。したがって、柱状体110、可撓性接続部材120、環状検出体130、外方突出部140は、いずれもこの一体構造体の一部分を構成する要素ということになる。図1上段に示す上面図では、柱状体110の外周位置および環状検出体130の外周位置は破線で示されている。
柱状体110は、この実施形態の場合、円柱状の構造体であり、後述するように、下方構造体200の中央部に固定される。図1下段の側断面図に示されているように、この柱状体110の下面には、内面にねじが切られた取付用ねじ孔115が形成されており、この取付用ねじ孔115を利用して、下方構造体200への取り付けが行われる。
可撓性接続部材120は、この柱状体110の周囲に設けられた円環状板状体(肉薄のワッシャ状構造体)であり、内周部は柱状体110の外周面に接続され、外周部は環状検出体130の内周面に接続されている。この可撓性接続部材120は、柱状体110や環状検出体130と同一材料によって構成されているが、肉薄の構成要素であるため、外力検出に必要な可撓性を有しており、ダイアフラムとして機能する。
環状検出体130は、この可撓性接続部材120の更に周囲に配置された肉厚(半径方向の厚み)の円筒状構造体であり、その内周面に可撓性接続部材120の外周部が接続されている。結局、環状検出体130は、可撓性接続部材120および柱状体110を介して、後述する下方構造体200に間接的に接続されることになる。ここで、可撓性接続部材120は可撓性を有しているため、柱状体110を固定した状態で環状検出体130に外力が加わると、可撓性接続部材120は撓みを生じ、環状検出体130は作用した外力に応じた変位を生じることになる。
外方突出部140は、この環状検出体130の更に周囲に配置された肉厚(半径方向の厚み)の円筒状構造体である。この実施形態の場合、図1下段に示すように、外方突出部140は、環状検出体130の外周部分の上部から外方へ突出する構造をなし、環状検出体130の外周部分の下部は外周露出面131をなす。後述するように、この外方突出部140は、環状検出体130の変位を所定の許容範囲内に制限する役割を果たす。なお、外方突出部140には、4カ所に取付用貫通孔145が設けられている。これら取付用貫通孔145は、この上方構造体100を別な物体に取り付ける際に利用される。図示の例は、ボルトを挿通して取り付けを行う例であり、取付用貫通孔145の下部には、ボルトの頭を収容する空間が設けられている。
図1下段の側断面図を見れば明らかなように、上方構造体100の上面側には、円柱状の空間を構成する溝部G1が形成されており、下面側には、ドーナツ状の空間を構成する環状溝部G2が形成されている。可撓性接続部材120は、溝部G1と環状溝部G2との間に挟まれた肉薄部分によって構成されている。
図2上段は、この上方構造体100の下面図、図2下段は、その側断面図(図1下段の図と同じ)である。この図2を参照すれば、上方構造体100が、内側から順に、円柱状の柱状体110、円環状板状体からなる可撓性接続部材120、肉厚の円筒状構造体からなる環状検出体130、肉厚の円筒状構造体からなる外方突出部140、という構成要素の集合体であることが容易に理解できよう。
なお、ここでは、説明の便宜上、柱状体110の底面中央部に原点Oをとり、側断面図の右方にX軸、側断面図の上方にZ軸、側断面図の紙面に垂直な方向にY軸をとったXYZ三次元直交座標系を定義し、以下の説明を行うことにする。
続いて、下方構造体200の構造を説明する。図3は、下方構造体200および絶縁基板300の上面図(上段)および側断面図(下段)である。図示のとおり、下方構造体200は、板状の支持基板210と、その周囲部から上方に突き出すように形成された変位制御部220とによって構成されている。支持基板210が円盤状構造体からなるのに対して、変位制御部220は肉厚(半径方向の厚み)の円筒状構造体からなる。もっとも、この基本的な実施形態の場合、図3下段の側断面図に示すとおり、下方構造体200は、同一材料(たとえば、アルミニウム合金やステンレスなど)の一体構造体からなる。したがって、支持基板210および変位制御部220は、いずれもこの一体構造体の一部分を構成する要素ということになる。
ここでも、説明の便宜上、支持基板210の上面中央部に原点Oをとり、側断面図の右方にX軸、側断面図の上方にZ軸、側断面図の紙面に垂直な方向にY軸をとったXYZ三次元直交座標系を定義し、以下の説明を行うことにする。支持基板210は、XY平面に沿って延びる円盤であり、図3下段に示す側断面図は、下方構造体200をXZ平面で切断した断面を示していることになる。
この側断面図に示されているように、支持基板210の中央部には取付用貫通孔215が設けられており、周囲部には取付用貫通孔225が設けられている。取付用貫通孔215は、上方構造体100の柱状体110を固定するために利用される。図示の例は、下方から上方に向かってねじを挿通して取り付けを行う例であり、取付用貫通孔215の下部には、ねじの頭を収容する空間が設けられている。一方、取付用貫通孔225は、図1に示す取付用貫通孔145に挿入するねじを下方から通すための孔部である。また、図3上段に破線の円で示す4つの取付用ねじ孔228は、支持基板210の下面側から形成された孔部である(X軸に対して45°ずれた位置に形成されているため、図3下段の側断面図には現れていない)。この取付用ねじ孔228は、内面にねじが切られており、下方構造体200を別な物体に取り付ける際に利用される。
このように、支持基板210の上面には、周囲を円筒状の変位制御部220によって囲われた円柱状の収容空間が形成されており、この収容空間内に、絶縁基板300およびこれに付随する構成要素が収容されている。
絶縁基板300は、中央部分に柱状体110を挿通するための円形の開口部Wが形成されたワッシャ状の回路用基板(たとえば、ガラスエポキシ基板など)であり、支持基板210の上面に固定されている。また、図3上段の上面図に示すとおり、この絶縁基板300の上面には、5枚の個別固定電極E1〜E5と回路部品310が固定されている。なお、上面図における網目状ハッチングは、個別固定電極E1〜E5の形状を明瞭に示すためのものであり、断面を示すものではない。また、各個別固定電極E1〜E5の符号の下に括弧書きで記された符号C1〜C5は、後述するように、各個別固定電極E1〜E5と、これに対向する共通変位電極(環状検出体130の下層部分)とによって構成される容量素子を示している。
図示のとおり、個別固定電極E1はX軸正領域に配置された円弧状電極であり、個別固定電極E2はX軸負領域に配置された円弧状電極であり、個別固定電極E3はY軸正領域に配置された円弧状電極であり、個別固定電極E4はY軸負領域に配置された円弧状電極である。また、個別固定電極E5はZ軸の周囲を取り囲むように配置された円環状電極である。これら各電極の配置パターンは、XZ平面に関しても、YZ平面に関しても、対称性を維持している。
一方、回路部品310は、後述する検出回路を構成するための部品であり、実際には、抵抗素子や演算処理用ICなどによって構成されることになるが、図面では、便宜上、四角のブロックで示してある。また、実際には、電極と回路部品310との間に配線が施されるが、ここでは配線の図示は省略する。
本発明の基本的な実施形態に係る力覚センサは、図1および図2に示す上方構造体100と図3に示す下方構造体200とを接続することによって構成される。図4は、こうして構成された力覚センサの側断面図である。実際には、取付用貫通孔215から取付用ねじ孔115へとねじを挿通して締め付け、支持基板210の上面中央部に柱状体110を固定することにより、上方構造体100と下方構造体200とがしっかりと接続されることになる(図4では、ねじの図示は省略されている)。
このように、支持基板210の柱状体110に接する位置に形成された取付用貫通孔215は、柱状体110を取り付けるための取付用孔部であり、柱状体110の下面の対応位置に形成された取付用ねじ孔115は、ねじによる取り付けを行うための取付用孔部である。両者間にねじやボルトを挿通して締め付けることにより、上方構造体100と下方構造体200とが接合されることになる。
これに対して、外方突出部140に形成された取付用貫通孔145は、ねじやボルトを用いて、上方構造体100をその上方に配置された第1の物体(図示されていない)に取り付けるための取付用孔部であり、取付用貫通孔225は、取付用貫通孔145に挿入するねじを下方から通すための孔部である。また、前述したように、支持基板210の変位制御部220が配置された位置には、取付用ねじ孔228が形成されており(図3上段参照)、ねじやボルトを用いて、下方構造体200をその下方に配置された第2の物体(図示されていない)に取り付けることができる。
こうして、この力覚センサを第1の物体と第2の物体との間に接続すれば、第1の物体および第2の物体の一方を固定した状態において他方に作用した外力の検出を行うことができる。たとえば、この力覚センサを、ロボットアームの上腕部と下腕部との間の関節に接続して用いれば、上腕部を固定した状態において下腕部に作用した外力を検出することができる。
<<< §2.基本的な実施形態の検出動作 >>>
続いて、図4に示す基本的な実施形態に係る力覚センサにおける外力の検出動作を説明する。§1で述べたとおり、この力覚センサは、上方構造体100と下方構造体200とを接合することによって構成されているが、機能的な面から捉えると、この力覚センサの基本構造は、支持基板210と、支持基板210の上方に配置された環状検出体130と、支持基板210の上面中央部から上方に伸びる柱状体110と、柱状体110と環状検出体130とを接続する可撓性接続部材120と、環状検出体130の外周部分から更に外方へ突出する外方突出部140と、支持基板210上の、外方突出部140に対向する位置に固定された変位制御部220と、によって構成されていることになる。
更に、この力覚センサは、作用した外力を電気的に検出する役割を果たす構成要素として、環状検出体130の下面と支持基板210の上面との間の距離に応じた測定値を出力する検出素子を備えている。具体的には、図3上段に網目状ハッチングを施して示した5枚の個別固定電極E1〜E5と、環状検出体130の下層部分からなる変位電極と、によって構成される5組の容量素子C1〜C5が、環状検出体130の下面と支持基板210の上面との間の距離に応じた測定値(すなわち、環状検出体130の支持基板210に対する変位に応じた測定値)を出力する検出素子として機能することになる。
図4に示すように、5枚の個別固定電極E1〜E5の上方には、若干の空隙をあけて、肉厚円筒状の環状検出体130の下面が配置されており、当該下面に、各個別固定電極E1〜E5に対向する変位電極を形成しておけば、互いに対向した電極対によって容量素子が形成される。ここに示す実施形態の場合、上方構造体100は、アルミニウム合金やステンレスなどの金属、すなわち、導電性材料によって構成されているため、環状検出体130も導電性材料からなる。したがって、環状検出体130の下層部分が共通変位電極として機能することになる。結局、5枚の個別固定電極E1〜E5と、これらに対向する環状検出体130の下層部分とによって、5組の容量素子C1〜C5が構成される。
要するに、ここに示す実施形態の場合、支持基板210の上面に固定された固定電極E1〜E5と、環状検出体130の下面の、固定電極E1〜E5に対向する位置に形成された変位電極と、を有する容量素子によって検出素子を構成するようにし、しかも環状検出体130を導電性材料によって構成し、この環状検出体130の下層部分を変位電極として用いていることになる。
一般に、容量素子の静電容量値は、当該容量素子を構成する一対の電極間の距離に応じて変化するので、5組の容量素子C1〜C5の静電容量値を測定すれば、5枚の個別固定電極E1〜E5と環状検出体130の下面との距離を求めることができる。したがって、5組の容量素子C1〜C5は、個々の位置において、環状検出体130の下面と支持基板210の上面との間の距離に応じた測定値を出力する検出素子として機能する。そして、回路部品310によって構成された検出回路は、こうして得られた測定値に基づいて、作用した外力の検出を行う役割を果たす。
なお、ここに示す実施形態の場合、絶縁基板300上に検出回路を構成する回路部品310が配置されている。しかも、上方構造体100全体が導電性材料によって構成されているため、導電性材料によって構成された、柱状体110、可撓性接続部材120、環状検出体130を、回路部品310と変位電極(環状検出体130の下層部分)との間の配線の一部として利用することができる。すなわち、実用上は、5枚の個別固定電極E1〜E5と回路部品310とを接続する配線と、柱状体110と回路部品310とを接続する配線と、を設けておけば、5組の容量素子C1〜C5に対する必要な配線が確保できる。
さて、続いて、図4に示す力覚センサにおいて、支持基板210を固定した状態で、環状検出体130に外力が作用した場合の検出動作を考えてみよう(もちろん、環状検出体130を固定した状態で、支持基板210に外力が作用した場合も、力学的には等価な現象になる)。
既に述べたとおり、可撓性接続部材120は、外力の作用により撓みを生じるので、環状検出体130に外力が作用すると、可撓性接続部材120が撓むことにより環状検出体130が支持基板210に対して変位を生じることになる。当該変位は、作用した外力の方向や大きさによって様々な態様をとるが、検出回路は、当該変位に起因して生じる5組の容量素子C1〜C5の測定値(静電容量値)の変動に基づいて、作用した外力の個々の成分を独立して検出できる。ここに示す実施形態の場合、X軸まわりのモーメント成分Mx、Y軸まわりのモーメント成分My、Z軸方向の力成分Fzをそれぞれ独立して検出することが可能である。以下、その検出原理を簡単に説明する。
図5は、図4に示す力覚センサにおいて、支持基板210を固定した状態で環状検出体130に対してY軸まわりのモーメント+Myが作用したときの検出動作を説明する図である。なお、ここでは、個々の構成要素の役割を明確にするため、支持基板210、柱状体110、可撓性接続部材120、環状検出体130、外方突出部140、変位制御部220をそれぞれ太線で囲って示してある。
Y軸まわりのモーメント+Myは、図に太線矢印で示すように、環状検出体130を、原点Oを中心として時計まわりに回転させる力であるから(モーメント−Myは、逆まわりに回転させる力になる)、可撓性接続部材120の撓みにより、図において、環状検出体130の右側部分は下方に変位し、左側部分は上方に変位する。その結果、太丸で囲った容量素子C1は、電極間隔が狭くなり静電容量値は増加し、太丸で囲った容量素子C2は、電極間隔が広くなり静電容量値は減少する。したがって、検出回路によって、容量素子C1,C2の静電容量値の差を求めれば、当該差の符号は、Y軸まわりのモーメントの向きを示し、当該差の絶対値は、Y軸まわりのモーメントの大きさを示すことになる。
全く同様の原理により、検出回路によって、容量素子C3,C4の静電容量値の差を求めれば、当該差の符号は、X軸まわりのモーメントの向きを示し、当該差の絶対値は、X軸まわりのモーメントの大きさを示すことになる。
一方、図6は、図4に示す力覚センサにおいて、支持基板210を固定した状態で環状検出体130に対してZ軸負方向の力−Fzが作用したときの検出動作を説明する図である。ここでも、個々の構成要素をそれぞれ太線で囲って示してある。
力−Fzは、図に太線矢印で示すように、環状検出体130を、Z軸負方向に押し下げる力であるから(力+Fzは、逆にZ軸正方向に引き上げる力になる)、可撓性接続部材120の撓みにより、図において、環状検出体130は全体的に下方に変位する。その結果、太丸で囲った容量素子C5は、電極間隔が狭くなり静電容量値は増加する。したがって、検出回路によって、容量素子C5の静電容量値の増加量を求めれば、当該増加量はZ軸負方向の力成分−Fzの大きさを示すことになる。逆に、容量素子C5の静電容量値が減少した場合は、当該減少量はZ軸正方向の力成分+Fzの大きさを示すことになる。
結局、ここで述べた実施形態では、支持基板210の上面中央位置に原点Oをとり、支持基板210の上面にXY平面をとり、柱状体110の中心軸がZ軸と一致するように、XYZ三次元直交座標系を定義したときに、絶縁基板300の上面に、X軸正領域に配置された第1の固定電極E1と、X軸負領域に配置された第2の固定電極E2と、Y軸正領域に配置された第3の固定電極E3と、Y軸負領域に配置された第4の固定電極E4と、Z軸の周囲を取り囲むように環状に配置された第5の固定電極E5と、が形成されていることになる。
しかも、これら各固定電極E1〜E5と、環状検出体130の下層部分からなる共通変位電極の対向部分とによって、第1の容量素子C1、第2の容量素子C2、第3の容量素子C3、第4の容量素子C4、第5の容量素子C5が形成される。そして、検出回路は、第1の容量素子C1の静電容量値と、第2の容量素子C2の静電容量値との差に基づいて、作用した外力のY軸まわりのモーメント成分Myを検出し、第3の容量素子C3の静電容量値と、第4の容量素子C4の静電容量値との差に基づいて、作用した外力のX軸まわりのモーメント成分Mxを検出し、第5の容量素子C5の静電容量値に基づいて、作用した外力のZ軸方向成分を検出する機能を果たす。
かくして、この基本的な実施形態に係る力覚センサを用いれば、X軸まわりのモーメント成分Mx、Y軸まわりのモーメント成分My、Z軸方向の力成分Fzをそれぞれ独立して検出することができる。このような検出原理自体は、前掲の特許文献7(特開2010−008343号公報)等に開示されている公知の技術であるが、この力覚センサでは、支持基板210上に固定された柱状体110が中央に配置され、変位を生じる環状検出体130がその周囲に配置されているため、特に、モーメントMx,Myについての検出感度を高める効果が得られる。たとえば、図5に示す例のように、モーメント+Myが作用すると、周囲に配置されている環状検出体130は大きく変位するため、容量素子C1,C2の静電容量値の変動量は大きくなり、高い感度をもった効率的な検出が可能になる。
この力覚センサの更に重要な特徴は、環状検出体130の外周部分に、更に外方に突出する外方突出部140が設けられており、この外方突出部140の下方への変位が変位制御部220の上面との接触により制限される点である。たとえば、図5の右側に示すとおり、外方突出部140の下面と変位制御部220の上面との間には、所定の寸法dzをもった縦方向空隙Szが確保されている。作用したモーメント+Myの大きさが所定の許容範囲内にあるときには(空隙寸法dzが0になるまでは)、環状検出体130は自由に変位することができるが、当該許容範囲を超えた大きなモーメントが作用すると、外方突出部140の下面と変位制御部220の上面とが接触することにより(空隙寸法dzが0になり)、環状検出体130のそれ以上の変位が制御される。
このように、環状検出体130の縦方向の変位を制限することにより、可撓性接続部材120を過度の外力から保護することができる。もちろん、過度の大きさをもった逆まわりのモーメント−Myが作用した場合は、図5の左側において、外方突出部140の下面と変位制御部220の上面とが接触することにより、環状検出体130の変位が制限される。X軸まわりのモーメントMxが作用した場合も全く同様である。
一方、Z軸方向の力に関しては、Z軸負方向の力−Fzが作用した場合には、変位制御の効果が得られる。すなわち、図6に示すように、外方突出部140の下面と変位制御部220の上面との間には、所定の寸法dzをもった縦方向空隙Szが確保されており、作用した力−Fzの大きさが所定の許容範囲内であるときには(空隙寸法dzが0になるまでは)、環状検出体130は自由に変位することができるが、当該許容範囲を超えた大きなモーメントが作用すると、外方突出部140の下面と変位制御部220の上面とが接触することにより(空隙寸法dzが0になり)、環状検出体130のそれ以上の変位が制限される。なお、ここに示す実施形態の場合、Z軸正方向の力+Fzが作用した場合(図6において、環状検出体130が上方に変位した場合)には、変位制御の効果は得られない。
外方突出部140は、環状検出体130の更に外側に設けられているため、その変位量は大きくなり、変位制御部220による効率的な変位制御が可能になる。しかも、変位制御を行うための構造は単純であるため、装置全体の構造を単純化することができる。
また、ここに示す実施形態の場合、外方突出部140を環状検出体130の外周部分の上部から外方へ突出する構造とし、環状検出体130の外周部分の下部を外周露出面131とする構造を採用しているため、外周露出面131と変位制御部220の対向面(肉厚円筒状構造体の内周面)との接触により、環状検出体130の横方向の変位も制限することが可能になり、可撓性接続部材120の保護を更に確実に行うことができる。
すなわち、図5の左側に示すとおり、環状検出体130の外周部分の下部は外周露出面131を構成し、この外周露出面131と変位制御部220の内周面との間には、所定の寸法drをもった横方向空隙Srが確保されている。作用したモーメント+Myの大きさが所定の許容範囲内であるときには、環状検出体130は自由に変位することができるが、当該許容範囲を超えた大きなモーメントが作用すると、外周露出面131と変位制御部220の内周面とが接触することにより、環状検出体130の変位が制限される。
結局、ここに示す実施形態の場合、各部における縦方向空隙寸法dzおよび横方向空隙寸法drが0にならない範囲内であれば、環状検出体130は自由に変位することができるが、いずれかが0になって接触が生じた場合、自由な変位は制限されることになる。
図1および図2に示すとおり、ここに示す実施形態は、環状検出体130が第1の円筒状構造体によって構成され、外方突出部140がこの第1の円筒状構造体の外周面(下部が外周露出面131となる)を内周面とする第2の円筒状構造体によって構成され、変位制御部220が第2の円筒状構造体の下面に対向する上面をもった第3の円筒状構造体によって構成されている。そして、外力が作用していない状態において、第1の円筒状構造体130の中心軸、第2の円筒状構造体140の中心軸、第3の円筒状構造体220の中心軸は、いずれも支持基板210の上面に直交する同一の軸(図示のようにXYZ三次元座標系を定義した場合はZ軸)となるように配置されている。
更に、柱状体110は、各円筒状構造体の中心軸(Z軸)と同一の中心軸を有する円柱状構造体によって構成され、可撓性接続部材120は、内周部が柱状体110の外周面に接続され、外周部が環状検出体130の内周面に接続された円環状板状体によって構成されている。結局、ここに示す実施形態では、上方構造体100および下方構造体200の基本構造は、Z軸を中心軸とした回転体を構成していることになる。しかも、各円筒状構造体の上面および下面は、いずれもXY平面に平行な面になっている。
このような幾何学的構成を採っているため、変位制御の機能も、回転対称性を有している。すなわち、外力が作用していない状態において、縦方向空隙寸法dzおよび横方向空隙寸法drは、いずれの箇所においても同一である。したがって、縦方向空隙寸法dzは、環状検出体130のZ軸負方向への変位の許容値を示し、横方向空隙寸法drは、環状検出体130の半径方向への変位の許容値を示す値ということになる。
結局、ここに示す実施形態の場合、環状検出体130のX軸正方向の変位、X軸負方向の変位、Y軸正方向の変位、Y軸負方向の変位、Z軸負方向の変位に関して、変位量を所定の許容範囲内に抑制する制御機能が働くことになる。したがって、X軸まわりの両方向モーメント±Mx,Y軸まわりの両方向モーメント±My,X軸に沿った正負両方向の力±Fx,Y軸に沿った正負両方向の力±Fy,Z軸に沿った負方向の力−Fzに関しては、所定の許容範囲を超えた大きな力やモーメントが作用した場合に、環状検出体130の変位を制限し、可撓性接続部材120を保護する機能が働く。但し、Z軸まわりの両方向モーメント±MzおよびZ軸に沿った正方向の力+Fzに関しては、変位制御の機能は働かない。
なお、外力の大きさの許容範囲としては、当該外力の作用によって可撓性接続部材120が弾性変形する限度内の範囲を設定しておけばよい。これは、可撓性接続部材120が弾性変形している限り、外力がなくなれば、元の状態に復帰することができるので、力覚センサとしての検出機能に支障は生じないためである。可撓性接続部材120に、弾性変形の範囲を超えた過度な変形が生じると、外力がなくなっても、元の状態に復帰することができなくなり、力覚センサとしての検出機能に支障が生じる。場合によっては、可撓性接続部材120に亀裂や破損が生じることになる。
したがって、実用上は、環状検出体130の変位が、変位制御部220によって上記許容範囲内に抑えられるように、横方向空隙寸法drおよび縦方向空隙寸法dzの値を適切な値に設定し、可撓性接続部材120が弾性変形領域内で変形を生じるようにすればよい。
<<< §3.本発明の変形例 >>>
続いて、本発明に係る力覚センサの変形例をいくつか述べておく。
(1) 封止部材を充填した変形例
図7は、図4に示す力覚センサに封止部材350を付加した変形例を示す側断面図である。図示の例は、図5の左側に示す横方向空隙Sr(外周露出面131と変位制御部220の対向面との間の空隙)に、弾性変形材料からなる封止部材350を充填した例であるが、図5の右側に示す縦方向空隙Sz(外方突出部140の下面と変位制御部220の上面との間の空隙)に、弾性変形材料からなる封止部材350を充填してもよい。
封止部材350の充填を、円筒状の変位制御部220の全周に沿って行うようにすれば、検出素子(容量素子C1〜C5)や回路部品310が配置されている内部空間を外部から遮蔽することができるので、防塵、防水効果が得られるようになる。もちろん、封止部材350の充填により、環状検出体130の変位が阻害されることがあってはならないので、封止部材350としては、環状検出体130の変位を実質的に妨げることがないように、たとえば、シリコーンゴムなど、柔らかく十分な可撓性をもったシール材を用いるようにする。
(2) 多角形の構成要素を用いた変形例
これまで述べた基本的な実施形態に係る力覚センサでは、主として円形の構成要素を用いていたが、個々の構成要素は必ずしも円形にする必要はなく、たとえば、正六角形や正八角形など多角形の構成要素を用いるようにしてもかまわない。
具体的には、環状検出体130を第1の多角形筒状構造体によって構成し、外方突出部140を第1の多角形筒状構造体の外周面を内周面とする第2の多角形筒状構造体によって構成し、変位制御部220を第2の多角形筒状構造体の下面に対向する上面をもった第3の多角形筒状構造体によって構成し、外力が作用していない状態において、第1の多角形筒状構造体の中心軸、第2の多角形筒状構造体の中心軸、第3の多角形筒状構造体の中心軸が、いずれも支持基板210の上面に直交する同一の軸(Z軸)となるように、各多角形筒状構造体(実用上は、正多角形筒状構造体を用いるのが好ましい)を配置する構造にしてもかまわない。
このように、多角形筒状構造体を用いた変形例では、環状検出体130をZ軸まわりに回転させてゆくと、やがて、その外周露出面の一部が変位制御部の内周面の一部に接触して、それ以上の回転が阻止される。したがって、Z軸まわりの両方向モーメント±Mzに関しても、変位制御の機能が働くことになる。
(3) 可撓性接続部材の変形例
基本的な実施形態では、可撓性接続部材120として、円環状板状体からなるダイアフラムを用いた例を示した。この可撓性接続部材120は、柱状体110と環状検出体130とを接続する機能を果たすことができ、検出対象となる外力の作用によって撓みを生じる部材であれば、必ずしもダイアフラム構造を用いる必要はない。たとえば、複数のビーム状構造体を可撓性接続部材120として用いることも可能である。具体的には、正のX軸、負のX軸、正のY軸、負のY軸にそれぞれ沿って、可撓性をもった合計4本のビーム状構造体を設け、これら4本のビーム状構造体によって、柱状体110と環状検出体130との間を橋渡しする構造を採用してもかまわない。ただ、ダイアフラム構造(膜状構造)を用いれば、検出素子や回路部品310が配置されている内部空間の上方を覆うことができるので、防塵、防水効果を得る上では好ましい。
(4) 上方構造体および下方構造体の変形例
図4に示す力覚センサの場合、柱状体110、可撓性接続部材120、環状検出体130、外方突出部140を、上方構造体100によって一体構造とし、支持基板210および変位制御部220を、下方構造体200によって一体構造としているが、もちろん、個々の構成要素は別々の部品によって構成してもかまわないし、異なる材料からなる部品で構成してもかまわない。ただ、商業的量産を行う上では、図4に示す例のように、基本構造体を上方構造体100および下方構造体200という2つの部品で構成した方が、組立作業が容易になり、コストダウンを図ることができる。
(5) 電極構成の変形例
図4に示す力覚センサでは、環状検出体130を導電性材料によって構成し、その下層部分を変位電極として利用しているが、環状検出体130を絶縁性材料によって構成した場合は、その下面に導電性材料からなる共通変位電極を形成すればよい。もちろん、共通変位電極の代わりに、5枚の個別変位電極(個別固定電極E1〜E5にそれぞれ対向する電極)を形成してもかまわないし、絶縁基板300側に1枚の共通固定電極を形成し、環状検出体130側に5枚の個別変位電極を形成する構成にしてもかまわない。
(6) 外力の検出対象成分の変形例
これまで、図3に示す電極配置を採用することにより、X軸まわりのモーメント成分Mx,Y軸まわりのモーメント成分My,Z軸方向の力成分Fzの3軸成分の検出を行う例を述べたが、電極配置を工夫すれば、Z軸まわりのモーメント成分Mz,X軸方向の力成分Fx,Y軸方向の力成分Fyの検出も可能であり、合計6軸成分の検出を行うこともできる。そのような電極配置や検出原理は、前掲の各特許文献等に開示されているため、ここでは具体的な説明は省略する。
(7) 検出素子の変形例
ここでは、検出素子として容量素子C1〜C5を用いた例を述べた。容量素子は、環状検出体130の下面と支持基板210の上面との間の距離に応じた測定値を出力する検出素子として非常に単純な構成をもった素子であり、実用上、検出素子として最も好ましいものである。ただ、本発明に用いる検出素子は、環状検出体130の変位に応じた測定値を出力する機能を果たすことができれば、必ずしも容量素子によって構成する必要はなく、たとえば、可撓性接続部120の表面に設けられたピエゾ抵抗素子や圧電素子によって検出素子を構成することも可能である。
<<< §4.変位制御構造を省いた参考例 >>>
最後に、図4に示す力覚センサを更に単純化した参考例を説明しておく。図8は、図4に示す力覚センサから変位制御構造を省いた参考例を示す側断面図である。変位制御構造が省かれているため、過度の外力から可撓性接続部を保護する機能は十分ではないが、構造をより単純化することができる。
図示のとおり、この力覚センサは、上方構造体400と下方構造体500とを接合し、絶縁基板600を取り付けた構造を有する。上方構造体400は、円柱状の柱状体410と、その周囲に配置された円環状板状体からなる可撓性接続部材420(ダイアフラム)と、その上面周囲に配置された肉厚円筒状構造体からなる環状検出体430と、柱状体410の下方に配置された円盤状の土台部440と、を含む一体構造体である。一方、下方構造体500は、円板状の支持基板510と、その周囲に配置された肉厚円筒状構造体からなる側壁部520と、を含む一体構造体である。
下方構造体500の上面には、土台部440を嵌合するのに適した円柱状の収容空間が形成されており、図示のとおり、土台部440は、この収容空間に収容された状態で固定される。取付用ねじ孔445および取付用貫通孔515は、土台部440と支持基板510とをねじで接合するために利用される。また、取付用ねじ孔435は、上方構造体400を上方に配置された別な物体(図示されていない)に取り付けるために利用され、取付用ねじ孔525は、下方構造体500を下方に配置された別な物体(図示されていない)に取り付けるために利用される。
こうして、上方構造体400と下方構造体500とを接合した後、図示の位置に、絶縁基板600が挿入される。図9は、図8に示す絶縁基板600の上面図である。この絶縁基板600は、ほぼ円板状の回路基板であるが、一部にスリット状開口部Qが設けられている。このスリット状開口部Qの奥の部分は、柱状体410を挿通するための円形の開口部となっており、半径方向に形成されたスリット部分は、この絶縁基板600を図8の位置に挿入する際に、柱状体410を通すためのものである。
絶縁基板600の上面には、図示のとおり、5枚の個別固定電極E11〜E15が形成されている(網目状ハッチングは、個別固定電極E11〜E15の形状を明瞭に示すためのものであり、断面を示すものではない)。また、この例では、3カ所に回路部品610が配置されている。
一方、図8に示されているように、環状検出体430の下面には、ワッシャ状の共通変位電極E10が形成されている。この共通変位電極E10は、個別固定電極E11〜E15に対向する共通の電極として機能し、図9に示すとおり、個々の対向電極によって、5組の容量素子C11〜C15が形成されることになる。上方構造体400を製造する段階で共通変位電極E10を形成しておき、その後、上方構造体400と下方構造体500とを接合し、最後に絶縁基板600を装着するようにすれば、容易に組み立てを行うことができる。
なお、環状検出体430の下面に共通変位電極E10を形成しているのは、この実施形態の場合、上方構造体400(環状検出体430)が絶縁性材料によって構成されているためである。上方構造体400を導電性材料によって構成した場合は、環状検出体430の下層部分が共通変位電極として機能するので、別個の共通変位電極E10を形成する必要はない。また、この実施形態の場合、個別固定電極E11〜E15に対向する共通の電極として単一の共通変位電極E10を形成しているが、その代わりに、個別固定電極E11〜E14に対向するワッシャ状の外周電極と、個別固定電極E15に対向するワッシャ状の内周電極と、を環状検出体430の下面に形成してもよい。
5組の容量素子C11〜C15を用いて、X軸まわりのモーメント成分Mx,Y軸まわりのモーメント成分My,Z軸方向の力成分Fzの3軸成分の検出を行う原理は、§2で述べた基本的な実施形態の検出動作の原理と全く同じである。
本発明に係る力覚センサは、ロボットや産業機械の動作制御を行うために力やモーメントを検出する用途に利用するのに最適である。また、電子機器の入力装置のマン・マシンインターフェイスとしても利用可能である。特に、XYZ三次元直交座標系におけるX軸まわりのモーメントMx,Y軸まわりのモーメントMy,Z軸方向の力Fzという3成分を検出する機能を有する構造が単純な力覚センサとして有用である。
100:上方構造体
110:柱状体
115:取付用ねじ孔(取付用孔部)
120:可撓性接続部材
130:環状検出体
131:外周露出面
140:外方突出部
145:取付用貫通孔(取付用孔部)
200:下方構造体
210:支持基板
215:取付用貫通孔(取付用孔部)
220:変位制御部
225:取付用貫通孔(取付用孔部)
228:取付用ねじ孔(取付用孔部)
300:絶縁基板
310:回路部品
350:封止部材
400:上方構造体
410:柱状体
420:可撓性接続部材
430:環状検出体
435:取付用ねじ孔(取付用孔部)
440:土台部
445:取付用ねじ孔(取付用孔部)
500:下方構造体
510:支持基板
515:取付用貫通孔(取付用孔部)
520:側壁部
525:取付用ねじ孔(取付用孔部)
600:絶縁基板
610:回路部品
C1〜C5:容量素子
C11〜C15:容量素子
dr:横方向空隙寸法
dz:縦方向空隙寸法
E1〜E5:個別固定電極
E10:共通変位電極
E11〜E15:個別固定電極
Fz:Z軸方向の力
G1:溝部
G2:環状溝部
G3:溝部
Mx:X軸まわりのモーメント
My:Y軸まわりのモーメント
O:XYZ三次元直交座標系の原点
Q:スリット状開口部
Sr:横方向空隙
Sz:縦方向空隙
W:開口部
X:XYZ三次元直交座標系の座標軸
Y:XYZ三次元直交座標系の座標軸
Z:XYZ三次元直交座標系の座標軸
本発明は、力覚センサに関し、特に、構造体の一部に、外力の作用によって撓みを生じる可撓性変形部を設けておき、この可撓性変形部の変形に起因して生じる変位を電気的に検出するタイプの力覚センサに関する。
可撓性をもった薄板からなるダイアフラム部に外力を作用させ、このダイアフラム部の変形状態を電気的に検出することにより、作用した外力の大きさや向きを検出するタイプの力覚センサが実用化されている。このタイプのセンサは、比較的構造が単純であり、製造コストを低く抑えることができるため、量産型の製品として様々な産業分野で利用されている。
ダイアフラム部の変形状態を電気的に検出する方法としては、静電容量素子を利用する方法、ピエゾ抵抗素子を利用する方法、圧電素子を利用する方法などが提案されている。これら各素子を複数箇所に配置し、ダイアフラム部の個々の位置の変位を電気信号として検出することにより、XYZ三次元直交座標系において、作用した外力の各座標軸方向成分の大きさをそれぞれ独立して検出することが可能になる。
たとえば、下記の特許文献1,2には、ダイアフラム部の各部の変位を静電容量素子を利用して検出することにより、各座標軸方向に作用した力をそれぞれ独立して検出することが可能な力覚センサが開示されている。また、特許文献3,4には、ダイアフラム部の個々の位置に設けられたピエゾ抵抗素子の電気抵抗の変化に基づいて、各座標軸方向の力を検出する力覚センサが開示されており、特許文献5,6には、圧電素子に生じる電荷に基づいて、ダイアフラム部の各部の変位を検出し、外力として作用した加速度に基づく力やコリオリ力を検出することにより、各座標軸方向の加速度や各座標軸まわりの角速度の検出を行う多軸センサが開示されている。
これらのセンサにおけるダイアフラム部は、弾性変形を生じる可撓性変形部として機能し、外力の作用下では変形を生じているが、外力がなくなると元の状態に復帰する。一般に、力の検出感度を高めるためには、ダイアフラム部の肉厚を薄くしたり、撓みやすい材質で構成したりして、その可撓性を高める必要がある。ところが、過大な外力が作用すると、ダイアフラム部にその弾性変形の限界を超えた過大な撓みが生じることになり、外力を取り去った後もダイアフラム部の形が元に復帰しなかったり、ダイアフラム部に破損が生じたりする弊害が生じる。特に、わずかな外力に対しても撓みを生じるような繊細なダイアフラム部を組み込んだ高感度の力覚センサの場合、過度の外力が作用するとダイアフラム部が破損してしまう可能性が高い。そこで、特許文献7には、過度の外力が作用した場合でも、ダイアフラム部の変位が所定の許容範囲内に収まるように、ストッパ部材により変位制限を行う技術が開示されている。
特開平4−148833号公報 特開2001−165790号公報 特開平6−174571号公報 特開2004−69405号公報 特開平8−226931号公報 特開2002−71705号公報 特開2010−008343号公報
上述したとおり、可撓性変形部(ダイアフラム部)の変形に基づいて外力を検出するタイプの力覚センサでは、可撓性変形部の肉厚を薄くしたり、可撓性変形部をより撓みやすい材質で構成したりすれば、検出感度を高めることができるが、その半面、堅牢性は失われてしまう。したがって、可撓性変形部を過度の外力から保護するために、何らかの変位制御構造が必要になる。このような観点から、前掲の特許文献7には、外力が作用する盤状受力体の周囲に貫通孔を設け、台座に固定されたストッパ部材を当該貫通孔に収容する構造を採用することにより、盤状受力体の変位を台座およびストッパ部材によって所定の許容範囲内に制御する技術が開示されている。
しかしながら、従来提案されているこの種の力覚センサでは、検出感度を更に高めることは困難である。また、変位制御を行うために盤状受力体に貫通孔を形成したり、ストッパ部材を配置したりする必要があり、構造が複雑になるという問題もある。
そこで本発明は、単純な構造で、高い検出感度を有し、かつ、十分な堅牢性を備えた力覚センサを提供することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、力覚センサにおいて、
支持基板と、この支持基板の上方に配置された環状検出体と、支持基板の上面中央部から上方に伸びる柱状体と、この柱状体と環状検出体とを接続する可撓性接続部材と、環状検出体の支持基板に対する変位に応じた測定値を出力する検出素子と、この測定値に基づいて、作用した外力の検出を行う検出回路と、を設け、
支持基板を固定した状態で環状検出体に外力が作用すると、可撓性接続部材が撓むことにより環状検出体が支持基板に対して変位を生じ、検出回路が、当該変位に起因して生じる測定値の変動に基づいて外力の検出を行う機能を有するようにし、
環状検出体の外周部分から更に外方へ突出する外方突出部と、支持基板上の外方突出部に対向する位置に固定された変位制御部と、を更に設け、
作用している外力の大きさが所定の許容範囲内であるときには、外方突出部の下面と変位制御部の上面との間に縦方向空隙が維持され、作用している外力の大きさが許容範囲を超えたときには、外方突出部の下面と変位制御部の上面とが接触することにより、環状検出体の変位が制御されるようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述した第1の態様に係る力覚センサにおいて、
外方突出部が、環状検出体の外周部分の上部から外方へ突出する構造をなし、環状検出体の外周部分の下部は外周露出面をなし、
作用している外力の大きさが所定の許容範囲内であるときには、外周露出面と変位制御部の対向面との間に横方向空隙が維持され、作用している外力の大きさが許容範囲を超えたときには、外周露出面と変位制御部の対向面とが接触することにより、環状検出体の変位が制御されるようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述した第2の態様に係る力覚センサにおいて、
環状検出体が第1の円筒状構造体によって構成され、外方突出部が第1の円筒状構造体の外周面を内周面とする第2の円筒状構造体によって構成され、変位制御部が第2の円筒状構造体の下面に対向する上面をもった第3の円筒状構造体によって構成され、
外力が作用していない状態において、第1の円筒状構造体の中心軸、第2の円筒状構造体の中心軸、第3の円筒状構造体の中心軸が、いずれも支持基板の上面に直交する同一の軸となるように各円筒状構造体が配置されているようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述した第3の態様に係る力覚センサにおいて、
柱状体が、各円筒状構造体の中心軸と同一の中心軸を有する円柱状構造体によって構成され、
可撓性接続部材が、内周部が柱状体の外周面に接続され、外周部が環状検出体の内周面に接続された円環状板状体によって構成されているようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、上述した第2の態様に係る力覚センサにおいて、
環状検出体が第1の多角形筒状構造体によって構成され、外方突出部が第1の多角形筒状構造体の外周面を内周面とする第2の多角形筒状構造体によって構成され、変位制御部が第2の多角形筒状構造体の下面に対向する上面をもった第3の多角形筒状構造体によって構成され、
外力が作用していない状態において、第1の多角形筒状構造体の中心軸、第2の多角形筒状構造体の中心軸、第3の多角形筒状構造体の中心軸が、いずれも支持基板の上面に直交する同一の軸となるように各多角形筒状構造体が配置されているようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述した第1〜第5の態様に係る力覚センサにおいて、
柱状体、可撓性接続部材、環状検出体、外方突出部を、同一材料の一体構造体からなる上方構造体によって構成するようにしたものである。
(7) 本発明の第7の態様は、上述した第1〜第6の態様に係る力覚センサにおいて、
支持基板および変位制御部を、同一材料の一体構造体からなる下方構造体によって構成するようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、上述した第1〜第7の態様に係る力覚センサにおいて、
外方突出部に、上方に配置された第1の物体に取り付けるための取付用孔部が形成され、
支持基板の変位制御部が配置された位置に、下方に配置された第2の物体に取り付けるための取付用孔部が形成され、
支持基板の柱状体に接する位置に、柱状体を取り付けるための取付用孔部が形成され、柱状体の対応位置に取付用孔部が形成され、
これら取付用孔部に挿通したネジもしくはボルトにより、外方突出部と第1の物体、支持基板と第2の物体、支持基板と柱状体をそれぞれ接続し、
第1の物体および第2の物体の一方を固定した状態において他方に作用した外力の検出を行うようにしたものである。
(9) 本発明の第9の態様は、上述した第1〜第8の態様に係る力覚センサにおいて、
外力の大きさの許容範囲として、当該外力の作用によって可撓性接続部材が弾性変形する限度内の範囲を設定し、環状検出体の変位を変位制御部によって許容範囲内に抑えることにより、可撓性接続部材が弾性変形領域内で変形を生じるようにしたものである。
(10) 本発明の第10の態様は、上述した第1〜第9の態様に係る力覚センサにおいて、
縦方向空隙もしくは横方向空隙に、弾性変形材料からなる封止部材を充填し、検出素子が配置されている空間が外部から遮蔽されるようにしたものである。
(11) 本発明の第11の態様は、上述した第1〜第10の態様に係る力覚センサにおいて、
検出素子が、支持基板の上面に固定された固定電極と、環状検出体の下面の固定電極に対向する位置に形成された変位電極と、を有する容量素子によって構成されているようにしたものである。
(12) 本発明の第12の態様は、上述した第11の態様に係る力覚センサにおいて、
中央部分に柱状体を挿通するための開口部が形成された絶縁基板を支持基板の上面に固定し、この絶縁基板の上面に固定電極を形成し、
環状検出体を導電性材料によって構成し、この環状検出体の下層部分を変位電極として用いるようにしたものである。
(13) 本発明の第13の態様は、上述した第12の態様に係る力覚センサにおいて、
絶縁基板上に検出回路を構成する回路部品が配置されており、
導電性材料によって構成された、柱状体、可撓性接続部材、環状検出体を、回路部品と変位電極との間の配線の一部として利用するようにしたものである。
(14) 本発明の第14の態様は、上述した第13の態様に係る力覚センサにおいて、
支持基板の上面中央位置に原点Oをとり、支持基板の上面にXY平面をとり、柱状体の中心軸がZ軸と一致するように、XYZ三次元直交座標系を定義したときに、
絶縁基板の上面には、X軸正領域に配置された第1の固定電極と、X軸負領域に配置された第2の固定電極と、Y軸正領域に配置された第3の固定電極と、Y軸負領域に配置された第4の固定電極と、Z軸の周囲を取り囲むように環状に配置された第5の固定電極と、が形成されており、これら各固定電極と、環状検出体の下層部分からなる共通変位電極の対向部分とによって、第1の容量素子、第2の容量素子、第3の容量素子、第4の容量素子、第5の容量素子が形成されているようにしたものである。
(15) 本発明の第15の態様は、上述した第14の態様に係る力覚センサにおいて、
検出回路が、第1の容量素子の静電容量値と、第2の容量素子の静電容量値との差に基づいて、作用した外力のY軸まわりのモーメント成分Myを検出し、第3の容量素子の静電容量値と、第4の容量素子の静電容量値との差に基づいて、作用した外力のX軸まわりのモーメント成分Mxを検出し、第5の容量素子の静電容量値に基づいて、作用した外力のZ軸方向成分を検出するようにしたものである。
本発明に係る力覚センサでは、支持基板に固定された柱状体に対して、その周囲に可撓性接続部材を介して接続された環状検出体を設け、外力の作用によって生じた環状検出体の変位が検出される。このため、比較的大きな変位に基づく検出が可能になり、従来装置に比べて検出感度を高めることが可能になる。しかも、環状検出体の外周部分には、更に外方に突出する外方突出部が設けられ、この外方突出部の下方への変位が変位制御部の上面との接触により制御される。このように、環状検出体の縦方向の変位を制限することにより、可撓性接続部材を過度の外力から保護することができる。外方突出部は、環状検出体の更に外側に設けられているため、その変位量は大きくなり、変位制御部による効率的な変位制御が可能になる。また、変位制御のための構造は単純であるため、装置全体の構造を単純化することができる。
一方、外方突出部を環状検出体の外周部分の上部から外方へ突出する構造とし、環状検出体の外周部分の下部を外周露出面とする構造を採用する実施形態では、外周露出面と変位制御部の対向面との接触により、環状検出体の横方向の変位も制限することが可能になり、可撓性接続部材の保護を更に確実に行うことができるようになる。
本発明の基本的な実施形態に係る力覚センサの構成要素である上方構造体100の上面図(上段)および側断面図(下段)である。 図1に示す上方構造体100の下面図(上段)および側断面図(下段)である。 本発明の基本的な実施形態に係る力覚センサの構成要素である下方構造体200および絶縁基板300の上面図(上段)および側断面図(下段)である。なお、上面図における網目状ハッチングは、個別固定電極E1〜E5の形状を明瞭に示すためのものであり、断面を示すものではない。 本発明の基本的な実施形態に係る力覚センサの側断面図である。 図4に示す力覚センサに対して、Y軸まわりのモーメント+Myが作用したときの動作を説明する図である。 図4に示す力覚センサに対して、Z軸方向の力−Fzが作用したときの動作を説明する図である。 図4に示す力覚センサに封止部材350を付加した変形例を示す側断面図である。 本発明に係る力覚センサから変位制御構造を省いた参考例を示す側断面図である。 図8に示す絶縁基板600の上面図である。なお、網目状ハッチングは、個別固定電極E11〜E15の形状を明瞭に示すためのものであり、断面を示すものではない。
<<< §1.基本的な実施形態の構造 >>>
はじめに、本発明の基本的な実施形態に係る力覚センサの構造を説明する。この力覚センサの構造上の主要な構成要素は、図1および図2に示す上方構造体100および図3に示す下方構造体200である。
上方構造体100は、図1上段の上面図に示すように、同心円状の構成要素の集合体であり、内側から順に、柱状体110、可撓性接続部材120、環状検出体130、外方突出部140なる構成要素によって構成されている。もっとも、この基本的な実施形態の場合、図1下段の側断面図に示すとおり、上方構造体100は、同一材料(たとえば、アルミニウム合金やステンレスなど)の一体構造体からなる。したがって、柱状体110、可撓性接続部材120、環状検出体130、外方突出部140は、いずれもこの一体構造体の一部分を構成する要素ということになる。図1上段に示す上面図では、柱状体110の外周位置および環状検出体130の外周位置は破線で示されている。
柱状体110は、この実施形態の場合、円柱状の構造体であり、後述するように、下方構造体200の中央部に固定される。図1下段の側断面図に示されているように、この柱状体110の下面には、内面にねじが切られた取付用ねじ孔115が形成されており、この取付用ねじ孔115を利用して、下方構造体200への取り付けが行われる。
可撓性接続部材120は、この柱状体110の周囲に設けられた円環状板状体(肉薄のワッシャ状構造体)であり、内周部は柱状体110の外周面に接続され、外周部は環状検出体130の内周面に接続されている。この可撓性接続部材120は、柱状体110や環状検出体130と同一材料によって構成されているが、肉薄の構成要素であるため、外力検出に必要な可撓性を有しており、ダイアフラムとして機能する。
環状検出体130は、この可撓性接続部材120の更に周囲に配置された肉厚(半径方向の厚み)の円筒状構造体であり、その内周面に可撓性接続部材120の外周部が接続されている。結局、環状検出体130は、可撓性接続部材120および柱状体110を介して、後述する下方構造体200に間接的に接続されることになる。ここで、可撓性接続部材120は可撓性を有しているため、柱状体110を固定した状態で環状検出体130に外力が加わると、可撓性接続部材120は撓みを生じ、環状検出体130は作用した外力に応じた変位を生じることになる。
外方突出部140は、この環状検出体130の更に周囲に配置された肉厚(半径方向の厚み)の円筒状構造体である。この実施形態の場合、図1下段に示すように、外方突出部140は、環状検出体130の外周部分の上部から外方へ突出する構造をなし、環状検出体130の外周部分の下部は外周露出面131をなす。後述するように、この外方突出部140は、環状検出体130の変位を所定の許容範囲内に制限する役割を果たす。なお、外方突出部140には、4カ所に取付用貫通孔145が設けられている。これら取付用貫通孔145は、この上方構造体100を別な物体に取り付ける際に利用される。図示の例は、ボルトを挿通して取り付けを行う例であり、取付用貫通孔145の下部には、ボルトの頭を収容する空間が設けられている。
図1下段の側断面図を見れば明らかなように、上方構造体100の上面側には、円柱状の空間を構成する溝部G1が形成されており、下面側には、ドーナツ状の空間を構成する環状溝部G2が形成されている。可撓性接続部材120は、溝部G1と環状溝部G2との間に挟まれた肉薄部分によって構成されている。
図2上段は、この上方構造体100の下面図、図2下段は、その側断面図(図1下段の図と同じ)である。この図2を参照すれば、上方構造体100が、内側から順に、円柱状の柱状体110、円環状板状体からなる可撓性接続部材120、肉厚の円筒状構造体からなる環状検出体130、肉厚の円筒状構造体からなる外方突出部140、という構成要素の集合体であることが容易に理解できよう。
なお、ここでは、説明の便宜上、柱状体110の底面中央部に原点Oをとり、側断面図の右方にX軸、側断面図の上方にZ軸、側断面図の紙面に垂直な方向にY軸をとったXYZ三次元直交座標系を定義し、以下の説明を行うことにする。
続いて、下方構造体200の構造を説明する。図3は、下方構造体200および絶縁基板300の上面図(上段)および側断面図(下段)である。図示のとおり、下方構造体200は、板状の支持基板210と、その周囲部から上方に突き出すように形成された変位制御部220とによって構成されている。支持基板210が円盤状構造体からなるのに対して、変位制御部220は肉厚(半径方向の厚み)の円筒状構造体からなる。もっとも、この基本的な実施形態の場合、図3下段の側断面図に示すとおり、下方構造体200は、同一材料(たとえば、アルミニウム合金やステンレスなど)の一体構造体からなる。したがって、支持基板210および変位制御部220は、いずれもこの一体構造体の一部分を構成する要素ということになる。
ここでも、説明の便宜上、支持基板210の上面中央部に原点Oをとり、側断面図の右方にX軸、側断面図の上方にZ軸、側断面図の紙面に垂直な方向にY軸をとったXYZ三次元直交座標系を定義し、以下の説明を行うことにする。支持基板210は、XY平面に沿って延びる円盤であり、図3下段に示す側断面図は、下方構造体200をXZ平面で切断した断面を示していることになる。
この側断面図に示されているように、支持基板210の中央部には取付用貫通孔215が設けられており、周囲部には取付用貫通孔225が設けられている。取付用貫通孔215は、上方構造体100の柱状体110を固定するために利用される。図示の例は、下方から上方に向かってねじを挿通して取り付けを行う例であり、取付用貫通孔215の下部には、ねじの頭を収容する空間が設けられている。一方、取付用貫通孔225は、図1に示す取付用貫通孔145に挿入するねじを下方から通すための孔部である。また、図3上段に破線の円で示す4つの取付用ねじ孔228は、支持基板210の下面側から形成された孔部である(X軸に対して45°ずれた位置に形成されているため、図3下段の側断面図には現れていない)。この取付用ねじ孔228は、内面にねじが切られており、下方構造体200を別な物体に取り付ける際に利用される。
このように、支持基板210の上面には、周囲を円筒状の変位制御部220によって囲われた円柱状の収容空間が形成されており、この収容空間内に、絶縁基板300およびこれに付随する構成要素が収容されている。
絶縁基板300は、中央部分に柱状体110を挿通するための円形の開口部Wが形成されたワッシャ状の回路用基板(たとえば、ガラスエポキシ基板など)であり、支持基板210の上面に固定されている。また、図3上段の上面図に示すとおり、この絶縁基板300の上面には、5枚の個別固定電極E1〜E5と回路部品310が固定されている。なお、上面図における網目状ハッチングは、個別固定電極E1〜E5の形状を明瞭に示すためのものであり、断面を示すものではない。また、各個別固定電極E1〜E5の符号の下に括弧書きで記された符号C1〜C5は、後述するように、各個別固定電極E1〜E5と、これに対向する共通変位電極(環状検出体130の下層部分)とによって構成される容量素子を示している。
図示のとおり、個別固定電極E1はX軸正領域に配置された円弧状電極であり、個別固定電極E2はX軸負領域に配置された円弧状電極であり、個別固定電極E3はY軸正領域に配置された円弧状電極であり、個別固定電極E4はY軸負領域に配置された円弧状電極である。また、個別固定電極E5はZ軸の周囲を取り囲むように配置された円環状電極である。これら各電極の配置パターンは、XZ平面に関しても、YZ平面に関しても、対称性を維持している。
一方、回路部品310は、後述する検出回路を構成するための部品であり、実際には、抵抗素子や演算処理用ICなどによって構成されることになるが、図面では、便宜上、四角のブロックで示してある。また、実際には、電極と回路部品310との間に配線が施されるが、ここでは配線の図示は省略する。
本発明の基本的な実施形態に係る力覚センサは、図1および図2に示す上方構造体100と図3に示す下方構造体200とを接続することによって構成される。図4は、こうして構成された力覚センサの側断面図である。実際には、取付用貫通孔215から取付用ねじ孔115へとねじを挿通して締め付け、支持基板210の上面中央部に柱状体110を固定することにより、上方構造体100と下方構造体200とがしっかりと接続されることになる(図4では、ねじの図示は省略されている)。
このように、支持基板210の柱状体110に接する位置に形成された取付用貫通孔215は、柱状体110を取り付けるための取付用孔部であり、柱状体110の下面の対応位置に形成された取付用ねじ孔115は、ねじによる取り付けを行うための取付用孔部である。両者間にねじやボルトを挿通して締め付けることにより、上方構造体100と下方構造体200とが接合されることになる。
これに対して、外方突出部140に形成された取付用貫通孔145は、ねじやボルトを用いて、上方構造体100をその上方に配置された第1の物体(図示されていない)に取り付けるための取付用孔部であり、取付用貫通孔225は、取付用貫通孔145に挿入するねじを下方から通すための孔部である。また、前述したように、支持基板210の変位制御部220が配置された位置には、取付用ねじ孔228が形成されており(図3上段参照)、ねじやボルトを用いて、下方構造体200をその下方に配置された第2の物体(図示されていない)に取り付けることができる。
こうして、この力覚センサを第1の物体と第2の物体との間に接続すれば、第1の物体および第2の物体の一方を固定した状態において他方に作用した外力の検出を行うことができる。たとえば、この力覚センサを、ロボットアームの上腕部と下腕部との間の関節に接続して用いれば、上腕部を固定した状態において下腕部に作用した外力を検出することができる。
<<< §2.基本的な実施形態の検出動作 >>>
続いて、図4に示す基本的な実施形態に係る力覚センサにおける外力の検出動作を説明する。§1で述べたとおり、この力覚センサは、上方構造体100と下方構造体200とを接合することによって構成されているが、機能的な面から捉えると、この力覚センサの基本構造は、支持基板210と、支持基板210の上方に配置された環状検出体130と、支持基板210の上面中央部から上方に伸びる柱状体110と、柱状体110と環状検出体130とを接続する可撓性接続部材120と、環状検出体130の外周部分から更に外方へ突出する外方突出部140と、支持基板210上の、外方突出部140に対向する位置に固定された変位制御部220と、によって構成されていることになる。
更に、この力覚センサは、作用した外力を電気的に検出する役割を果たす構成要素として、環状検出体130の下面と支持基板210の上面との間の距離に応じた測定値を出力する検出素子を備えている。具体的には、図3上段に網目状ハッチングを施して示した5枚の個別固定電極E1〜E5と、環状検出体130の下層部分からなる変位電極と、によって構成される5組の容量素子C1〜C5が、環状検出体130の下面と支持基板210の上面との間の距離に応じた測定値(すなわち、環状検出体130の支持基板210に対する変位に応じた測定値)を出力する検出素子として機能することになる。
図4に示すように、5枚の個別固定電極E1〜E5の上方には、若干の空隙をあけて、肉厚円筒状の環状検出体130の下面が配置されており、当該下面に、各個別固定電極E1〜E5に対向する変位電極を形成しておけば、互いに対向した電極対によって容量素子が形成される。ここに示す実施形態の場合、上方構造体100は、アルミニウム合金やステンレスなどの金属、すなわち、導電性材料によって構成されているため、環状検出体130も導電性材料からなる。したがって、環状検出体130の下層部分が共通変位電極として機能することになる。結局、5枚の個別固定電極E1〜E5と、これらに対向する環状検出体130の下層部分とによって、5組の容量素子C1〜C5が構成される。
要するに、ここに示す実施形態の場合、支持基板210の上面に固定された固定電極E1〜E5と、環状検出体130の下面の、固定電極E1〜E5に対向する位置に形成された変位電極と、を有する容量素子によって検出素子を構成するようにし、しかも環状検出体130を導電性材料によって構成し、この環状検出体130の下層部分を変位電極として用いていることになる。
一般に、容量素子の静電容量値は、当該容量素子を構成する一対の電極間の距離に応じて変化するので、5組の容量素子C1〜C5の静電容量値を測定すれば、5枚の個別固定電極E1〜E5と環状検出体130の下面との距離を求めることができる。したがって、5組の容量素子C1〜C5は、個々の位置において、環状検出体130の下面と支持基板210の上面との間の距離に応じた測定値を出力する検出素子として機能する。そして、回路部品310によって構成された検出回路は、こうして得られた測定値に基づいて、作用した外力の検出を行う役割を果たす。
なお、ここに示す実施形態の場合、絶縁基板300上に検出回路を構成する回路部品310が配置されている。しかも、上方構造体100全体が導電性材料によって構成されているため、導電性材料によって構成された、柱状体110、可撓性接続部材120、環状検出体130を、回路部品310と変位電極(環状検出体130の下層部分)との間の配線の一部として利用することができる。すなわち、実用上は、5枚の個別固定電極E1〜E5と回路部品310とを接続する配線と、柱状体110と回路部品310とを接続する配線と、を設けておけば、5組の容量素子C1〜C5に対する必要な配線が確保できる。
さて、続いて、図4に示す力覚センサにおいて、支持基板210を固定した状態で、環状検出体130に外力が作用した場合の検出動作を考えてみよう(もちろん、環状検出体130を固定した状態で、支持基板210に外力が作用した場合も、力学的には等価な現象になる)。
既に述べたとおり、可撓性接続部材120は、外力の作用により撓みを生じるので、環状検出体130に外力が作用すると、可撓性接続部材120が撓むことにより環状検出体130が支持基板210に対して変位を生じることになる。当該変位は、作用した外力の方向や大きさによって様々な態様をとるが、検出回路は、当該変位に起因して生じる5組の容量素子C1〜C5の測定値(静電容量値)の変動に基づいて、作用した外力の個々の成分を独立して検出できる。ここに示す実施形態の場合、X軸まわりのモーメント成分Mx、Y軸まわりのモーメント成分My、Z軸方向の力成分Fzをそれぞれ独立して検出することが可能である。以下、その検出原理を簡単に説明する。
図5は、図4に示す力覚センサにおいて、支持基板210を固定した状態で環状検出体130に対してY軸まわりのモーメント+Myが作用したときの検出動作を説明する図である。なお、ここでは、個々の構成要素の役割を明確にするため、支持基板210、柱状体110、可撓性接続部材120、環状検出体130、外方突出部140、変位制御部220をそれぞれ太線で囲って示してある。
Y軸まわりのモーメント+Myは、図に太線矢印で示すように、環状検出体130を、原点Oを中心として時計まわりに回転させる力であるから(モーメント−Myは、逆まわりに回転させる力になる)、可撓性接続部材120の撓みにより、図において、環状検出体130の右側部分は下方に変位し、左側部分は上方に変位する。その結果、太丸で囲った容量素子C1は、電極間隔が狭くなり静電容量値は増加し、太丸で囲った容量素子C2は、電極間隔が広くなり静電容量値は減少する。したがって、検出回路によって、容量素子C1,C2の静電容量値の差を求めれば、当該差の符号は、Y軸まわりのモーメントの向きを示し、当該差の絶対値は、Y軸まわりのモーメントの大きさを示すことになる。
全く同様の原理により、検出回路によって、容量素子C3,C4の静電容量値の差を求めれば、当該差の符号は、X軸まわりのモーメントの向きを示し、当該差の絶対値は、X軸まわりのモーメントの大きさを示すことになる。
一方、図6は、図4に示す力覚センサにおいて、支持基板210を固定した状態で環状検出体130に対してZ軸負方向の力−Fzが作用したときの検出動作を説明する図である。ここでも、個々の構成要素をそれぞれ太線で囲って示してある。
力−Fzは、図に太線矢印で示すように、環状検出体130を、Z軸負方向に押し下げる力であるから(力+Fzは、逆にZ軸正方向に引き上げる力になる)、可撓性接続部材120の撓みにより、図において、環状検出体130は全体的に下方に変位する。その結果、太丸で囲った容量素子C5は、電極間隔が狭くなり静電容量値は増加する。したがって、検出回路によって、容量素子C5の静電容量値の増加量を求めれば、当該増加量はZ軸負方向の力成分−Fzの大きさを示すことになる。逆に、容量素子C5の静電容量値が減少した場合は、当該減少量はZ軸正方向の力成分+Fzの大きさを示すことになる。
結局、ここで述べた実施形態では、支持基板210の上面中央位置に原点Oをとり、支持基板210の上面にXY平面をとり、柱状体110の中心軸がZ軸と一致するように、XYZ三次元直交座標系を定義したときに、絶縁基板300の上面に、X軸正領域に配置された第1の固定電極E1と、X軸負領域に配置された第2の固定電極E2と、Y軸正領域に配置された第3の固定電極E3と、Y軸負領域に配置された第4の固定電極E4と、Z軸の周囲を取り囲むように環状に配置された第5の固定電極E5と、が形成されていることになる。
しかも、これら各固定電極E1〜E5と、環状検出体130の下層部分からなる共通変位電極の対向部分とによって、第1の容量素子C1、第2の容量素子C2、第3の容量素子C3、第4の容量素子C4、第5の容量素子C5が形成される。そして、検出回路は、第1の容量素子C1の静電容量値と、第2の容量素子C2の静電容量値との差に基づいて、作用した外力のY軸まわりのモーメント成分Myを検出し、第3の容量素子C3の静電容量値と、第4の容量素子C4の静電容量値との差に基づいて、作用した外力のX軸まわりのモーメント成分Mxを検出し、第5の容量素子C5の静電容量値に基づいて、作用した外力のZ軸方向成分を検出する機能を果たす。
かくして、この基本的な実施形態に係る力覚センサを用いれば、X軸まわりのモーメント成分Mx、Y軸まわりのモーメント成分My、Z軸方向の力成分Fzをそれぞれ独立して検出することができる。このような検出原理自体は、前掲の特許文献7(特開2010−008343号公報)等に開示されている公知の技術であるが、この力覚センサでは、支持基板210上に固定された柱状体110が中央に配置され、変位を生じる環状検出体130がその周囲に配置されているため、特に、モーメントMx,Myについての検出感度を高める効果が得られる。たとえば、図5に示す例のように、モーメント+Myが作用すると、周囲に配置されている環状検出体130は大きく変位するため、容量素子C1,C2の静電容量値の変動量は大きくなり、高い感度をもった効率的な検出が可能になる。
この力覚センサの更に重要な特徴は、環状検出体130の外周部分に、更に外方に突出する外方突出部140が設けられており、この外方突出部140の下方への変位が変位制御部220の上面との接触により制限される点である。たとえば、図5の右側に示すとおり、外方突出部140の下面と変位制御部220の上面との間には、所定の寸法dzをもった縦方向空隙Szが確保されている。作用したモーメント+Myの大きさが所定の許容範囲内にあるときには(空隙寸法dzが0になるまでは)、環状検出体130は自由に変位することができるが、当該許容範囲を超えた大きなモーメントが作用すると、外方突出部140の下面と変位制御部220の上面とが接触することにより(空隙寸法dzが0になり)、環状検出体130のそれ以上の変位が制御される。
このように、環状検出体130の縦方向の変位を制限することにより、可撓性接続部材120を過度の外力から保護することができる。もちろん、過度の大きさをもった逆まわりのモーメント−Myが作用した場合は、図5の左側において、外方突出部140の下面と変位制御部220の上面とが接触することにより、環状検出体130の変位が制限される。X軸まわりのモーメントMxが作用した場合も全く同様である。
一方、Z軸方向の力に関しては、Z軸負方向の力−Fzが作用した場合には、変位制御の効果が得られる。すなわち、図6に示すように、外方突出部140の下面と変位制御部220の上面との間には、所定の寸法dzをもった縦方向空隙Szが確保されており、作用した力−Fzの大きさが所定の許容範囲内であるときには(空隙寸法dzが0になるまでは)、環状検出体130は自由に変位することができるが、当該許容範囲を超えた大きなモーメントが作用すると、外方突出部140の下面と変位制御部220の上面とが接触することにより(空隙寸法dzが0になり)、環状検出体130のそれ以上の変位が制限される。なお、ここに示す実施形態の場合、Z軸正方向の力+Fzが作用した場合(図6において、環状検出体130が上方に変位した場合)には、変位制御の効果は得られない。
外方突出部140は、環状検出体130の更に外側に設けられているため、その変位量は大きくなり、変位制御部220による効率的な変位制御が可能になる。しかも、変位制御を行うための構造は単純であるため、装置全体の構造を単純化することができる。
また、ここに示す実施形態の場合、外方突出部140を環状検出体130の外周部分の上部から外方へ突出する構造とし、環状検出体130の外周部分の下部を外周露出面131とする構造を採用しているため、外周露出面131と変位制御部220の対向面(肉厚円筒状構造体の内周面)との接触により、環状検出体130の横方向の変位も制限することが可能になり、可撓性接続部材120の保護を更に確実に行うことができる。
すなわち、図5の左側に示すとおり、環状検出体130の外周部分の下部は外周露出面131を構成し、この外周露出面131と変位制御部220の内周面との間には、所定の寸法drをもった横方向空隙Srが確保されている。作用したモーメント+Myの大きさが所定の許容範囲内であるときには、環状検出体130は自由に変位することができるが、当該許容範囲を超えた大きなモーメントが作用すると、外周露出面131と変位制御部220の内周面とが接触することにより、環状検出体130の変位が制限される。
結局、ここに示す実施形態の場合、各部における縦方向空隙寸法dzおよび横方向空隙寸法drが0にならない範囲内であれば、環状検出体130は自由に変位することができるが、いずれかが0になって接触が生じた場合、自由な変位は制限されることになる。
図1および図2に示すとおり、ここに示す実施形態は、環状検出体130が第1の円筒状構造体によって構成され、外方突出部140がこの第1の円筒状構造体の外周面(下部が外周露出面131となる)を内周面とする第2の円筒状構造体によって構成され、変位制御部220が第2の円筒状構造体の下面に対向する上面をもった第3の円筒状構造体によって構成されている。そして、外力が作用していない状態において、第1の円筒状構造体130の中心軸、第2の円筒状構造体140の中心軸、第3の円筒状構造体220の中心軸は、いずれも支持基板210の上面に直交する同一の軸(図示のようにXYZ三次元座標系を定義した場合はZ軸)となるように配置されている。
更に、柱状体110は、各円筒状構造体の中心軸(Z軸)と同一の中心軸を有する円柱状構造体によって構成され、可撓性接続部材120は、内周部が柱状体110の外周面に接続され、外周部が環状検出体130の内周面に接続された円環状板状体によって構成されている。結局、ここに示す実施形態では、上方構造体100および下方構造体200の基本構造は、Z軸を中心軸とした回転体を構成していることになる。しかも、各円筒状構造体の上面および下面は、いずれもXY平面に平行な面になっている。
このような幾何学的構成を採っているため、変位制御の機能も、回転対称性を有している。すなわち、外力が作用していない状態において、縦方向空隙寸法dzおよび横方向空隙寸法drは、いずれの箇所においても同一である。したがって、縦方向空隙寸法dzは、環状検出体130のZ軸負方向への変位の許容値を示し、横方向空隙寸法drは、環状検出体130の半径方向への変位の許容値を示す値ということになる。
結局、ここに示す実施形態の場合、環状検出体130のX軸正方向の変位、X軸負方向の変位、Y軸正方向の変位、Y軸負方向の変位、Z軸負方向の変位に関して、変位量を所定の許容範囲内に抑制する制御機能が働くことになる。したがって、X軸まわりの両方向モーメント±Mx,Y軸まわりの両方向モーメント±My,X軸に沿った正負両方向の力±Fx,Y軸に沿った正負両方向の力±Fy,Z軸に沿った負方向の力−Fzに関しては、所定の許容範囲を超えた大きな力やモーメントが作用した場合に、環状検出体130の変位を制限し、可撓性接続部材120を保護する機能が働く。但し、Z軸まわりの両方向モーメント±MzおよびZ軸に沿った正方向の力+Fzに関しては、変位制御の機能は働かない。
なお、外力の大きさの許容範囲としては、当該外力の作用によって可撓性接続部材120が弾性変形する限度内の範囲を設定しておけばよい。これは、可撓性接続部材120が弾性変形している限り、外力がなくなれば、元の状態に復帰することができるので、力覚センサとしての検出機能に支障は生じないためである。可撓性接続部材120に、弾性変形の範囲を超えた過度な変形が生じると、外力がなくなっても、元の状態に復帰することができなくなり、力覚センサとしての検出機能に支障が生じる。場合によっては、可撓性接続部材120に亀裂や破損が生じることになる。
したがって、実用上は、環状検出体130の変位が、変位制御部220によって上記許容範囲内に抑えられるように、横方向空隙寸法drおよび縦方向空隙寸法dzの値を適切な値に設定し、可撓性接続部材120が弾性変形領域内で変形を生じるようにすればよい。
<<< §3.本発明の変形例 >>>
続いて、本発明に係る力覚センサの変形例をいくつか述べておく。
(1) 封止部材を充填した変形例
図7は、図4に示す力覚センサに封止部材350を付加した変形例を示す側断面図である。図示の例は、図5の左側に示す横方向空隙Sr(外周露出面131と変位制御部220の対向面との間の空隙)に、弾性変形材料からなる封止部材350を充填した例であるが、図5の右側に示す縦方向空隙Sz(外方突出部140の下面と変位制御部220の上面との間の空隙)に、弾性変形材料からなる封止部材350を充填してもよい。
封止部材350の充填を、円筒状の変位制御部220の全周に沿って行うようにすれば、検出素子(容量素子C1〜C5)や回路部品310が配置されている内部空間を外部から遮蔽することができるので、防塵、防水効果が得られるようになる。もちろん、封止部材350の充填により、環状検出体130の変位が阻害されることがあってはならないので、封止部材350としては、環状検出体130の変位を実質的に妨げることがないように、たとえば、シリコーンゴムなど、柔らかく十分な可撓性をもったシール材を用いるようにする。
(2) 多角形の構成要素を用いた変形例
これまで述べた基本的な実施形態に係る力覚センサでは、主として円形の構成要素を用いていたが、個々の構成要素は必ずしも円形にする必要はなく、たとえば、正六角形や正八角形など多角形の構成要素を用いるようにしてもかまわない。
具体的には、環状検出体130を第1の多角形筒状構造体によって構成し、外方突出部140を第1の多角形筒状構造体の外周面を内周面とする第2の多角形筒状構造体によって構成し、変位制御部220を第2の多角形筒状構造体の下面に対向する上面をもった第3の多角形筒状構造体によって構成し、外力が作用していない状態において、第1の多角形筒状構造体の中心軸、第2の多角形筒状構造体の中心軸、第3の多角形筒状構造体の中心軸が、いずれも支持基板210の上面に直交する同一の軸(Z軸)となるように、各多角形筒状構造体(実用上は、正多角形筒状構造体を用いるのが好ましい)を配置する構造にしてもかまわない。
このように、多角形筒状構造体を用いた変形例では、環状検出体130をZ軸まわりに回転させてゆくと、やがて、その外周露出面の一部が変位制御部の内周面の一部に接触して、それ以上の回転が阻止される。したがって、Z軸まわりの両方向モーメント±Mzに関しても、変位制御の機能が働くことになる。
(3) 可撓性接続部材の変形例
基本的な実施形態では、可撓性接続部材120として、円環状板状体からなるダイアフラムを用いた例を示した。この可撓性接続部材120は、柱状体110と環状検出体130とを接続する機能を果たすことができ、検出対象となる外力の作用によって撓みを生じる部材であれば、必ずしもダイアフラム構造を用いる必要はない。たとえば、複数のビーム状構造体を可撓性接続部材120として用いることも可能である。具体的には、正のX軸、負のX軸、正のY軸、負のY軸にそれぞれ沿って、可撓性をもった合計4本のビーム状構造体を設け、これら4本のビーム状構造体によって、柱状体110と環状検出体130との間を橋渡しする構造を採用してもかまわない。ただ、ダイアフラム構造(膜状構造)を用いれば、検出素子や回路部品310が配置されている内部空間の上方を覆うことができるので、防塵、防水効果を得る上では好ましい。
(4) 上方構造体および下方構造体の変形例
図4に示す力覚センサの場合、柱状体110、可撓性接続部材120、環状検出体130、外方突出部140を、上方構造体100によって一体構造とし、支持基板210および変位制御部220を、下方構造体200によって一体構造としているが、もちろん、個々の構成要素は別々の部品によって構成してもかまわないし、異なる材料からなる部品で構成してもかまわない。ただ、商業的量産を行う上では、図4に示す例のように、基本構造体を上方構造体100および下方構造体200という2つの部品で構成した方が、組立作業が容易になり、コストダウンを図ることができる。
(5) 電極構成の変形例
図4に示す力覚センサでは、環状検出体130を導電性材料によって構成し、その下層部分を変位電極として利用しているが、環状検出体130を絶縁性材料によって構成した場合は、その下面に導電性材料からなる共通変位電極を形成すればよい。もちろん、共通変位電極の代わりに、5枚の個別変位電極(個別固定電極E1〜E5にそれぞれ対向する電極)を形成してもかまわないし、絶縁基板300側に1枚の共通固定電極を形成し、環状検出体130側に5枚の個別変位電極を形成する構成にしてもかまわない。
(6) 外力の検出対象成分の変形例
これまで、図3に示す電極配置を採用することにより、X軸まわりのモーメント成分Mx,Y軸まわりのモーメント成分My,Z軸方向の力成分Fzの3軸成分の検出を行う例を述べたが、電極配置を工夫すれば、Z軸まわりのモーメント成分Mz,X軸方向の力成分Fx,Y軸方向の力成分Fyの検出も可能であり、合計6軸成分の検出を行うこともできる。そのような電極配置や検出原理は、前掲の各特許文献等に開示されているため、ここでは具体的な説明は省略する。
(7) 検出素子の変形例
ここでは、検出素子として容量素子C1〜C5を用いた例を述べた。容量素子は、環状検出体130の下面と支持基板210の上面との間の距離に応じた測定値を出力する検出素子として非常に単純な構成をもった素子であり、実用上、検出素子として最も好ましいものである。ただ、本発明に用いる検出素子は、環状検出体130の変位に応じた測定値を出力する機能を果たすことができれば、必ずしも容量素子によって構成する必要はなく、たとえば、可撓性接続部120の表面に設けられたピエゾ抵抗素子や圧電素子によって検出素子を構成することも可能である。
<<< §4.変位制御構造を省いた参考例 >>>
最後に、図4に示す力覚センサを更に単純化した参考例を説明しておく。図8は、図4に示す力覚センサから変位制御構造を省いた参考例を示す側断面図である。変位制御構造が省かれているため、過度の外力から可撓性接続部を保護する機能は十分ではないが、構造をより単純化することができる。
図示のとおり、この力覚センサは、上方構造体400と下方構造体500とを接合し、絶縁基板600を取り付けた構造を有する。上方構造体400は、円柱状の柱状体410と、その周囲に配置された円環状板状体からなる可撓性接続部材420(ダイアフラム)と、その上面周囲に配置された肉厚円筒状構造体からなる環状検出体430と、柱状体410の下方に配置された円盤状の土台部440と、を含む一体構造体である。一方、下方構造体500は、円板状の支持基板510と、その周囲に配置された肉厚円筒状構造体からなる側壁部520と、を含む一体構造体である。
下方構造体500の上面には、土台部440を嵌合するのに適した円柱状の収容空間が形成されており、図示のとおり、土台部440は、この収容空間に収容された状態で固定される。取付用ねじ孔445および取付用貫通孔515は、土台部440と支持基板510とをねじで接合するために利用される。また、取付用ねじ孔435は、上方構造体400を上方に配置された別な物体(図示されていない)に取り付けるために利用され、取付用ねじ孔525は、下方構造体500を下方に配置された別な物体(図示されていない)に取り付けるために利用される。
こうして、上方構造体400と下方構造体500とを接合した後、図示の位置に、絶縁基板600が挿入される。図9は、図8に示す絶縁基板600の上面図である。この絶縁基板600は、ほぼ円板状の回路基板であるが、一部にスリット状開口部Qが設けられている。このスリット状開口部Qの奥の部分は、柱状体410を挿通するための円形の開口部となっており、半径方向に形成されたスリット部分は、この絶縁基板600を図8の位置に挿入する際に、柱状体410を通すためのものである。
絶縁基板600の上面には、図示のとおり、5枚の個別固定電極E11〜E15が形成されている(網目状ハッチングは、個別固定電極E11〜E15の形状を明瞭に示すためのものであり、断面を示すものではない)。また、この例では、3カ所に回路部品610が配置されている。
一方、図8に示されているように、環状検出体430の下面には、ワッシャ状の共通変位電極E10が形成されている。この共通変位電極E10は、個別固定電極E11〜E15に対向する共通の電極として機能し、図9に示すとおり、個々の対向電極によって、5組の容量素子C11〜C15が形成されることになる。上方構造体400を製造する段階で共通変位電極E10を形成しておき、その後、上方構造体400と下方構造体500とを接合し、最後に絶縁基板600を装着するようにすれば、容易に組み立てを行うことができる。
なお、環状検出体430の下面に共通変位電極E10を形成しているのは、この実施形態の場合、上方構造体400(環状検出体430)が絶縁性材料によって構成されているためである。上方構造体400を導電性材料によって構成した場合は、環状検出体430の下層部分が共通変位電極として機能するので、別個の共通変位電極E10を形成する必要はない。また、この実施形態の場合、個別固定電極E11〜E15に対向する共通の電極として単一の共通変位電極E10を形成しているが、その代わりに、個別固定電極E11〜E14に対向するワッシャ状の外周電極と、個別固定電極E15に対向するワッシャ状の内周電極と、を環状検出体430の下面に形成してもよい。
5組の容量素子C11〜C15を用いて、X軸まわりのモーメント成分Mx,Y軸まわりのモーメント成分My,Z軸方向の力成分Fzの3軸成分の検出を行う原理は、§2で述べた基本的な実施形態の検出動作の原理と全く同じである。
本発明に係る力覚センサは、ロボットや産業機械の動作制御を行うために力やモーメントを検出する用途に利用するのに最適である。また、電子機器の入力装置のマン・マシンインターフェイスとしても利用可能である。特に、XYZ三次元直交座標系におけるX軸まわりのモーメントMx,Y軸まわりのモーメントMy,Z軸方向の力Fzという3成分を検出する機能を有する構造が単純な力覚センサとして有用である。
100:上方構造体
110:柱状体
115:取付用ねじ孔(取付用孔部)
120:可撓性接続部材
130:環状検出体
131:外周露出面
140:外方突出部
145:取付用貫通孔(取付用孔部)
200:下方構造体
210:支持基板
215:取付用貫通孔(取付用孔部)
220:変位制御部
225:取付用貫通孔(取付用孔部)
228:取付用ねじ孔(取付用孔部)
300:絶縁基板
310:回路部品
350:封止部材
400:上方構造体
410:柱状体
420:可撓性接続部材
430:環状検出体
435:取付用ねじ孔(取付用孔部)
440:土台部
445:取付用ねじ孔(取付用孔部)
500:下方構造体
510:支持基板
515:取付用貫通孔(取付用孔部)
520:側壁部
525:取付用ねじ孔(取付用孔部)
600:絶縁基板
610:回路部品
C1〜C5:容量素子
C11〜C15:容量素子
dr:横方向空隙寸法
dz:縦方向空隙寸法
E1〜E5:個別固定電極
E10:共通変位電極
E11〜E15:個別固定電極
Fz:Z軸方向の力
G1:溝部
G2:環状溝部
G3:溝部
Mx:X軸まわりのモーメント
My:Y軸まわりのモーメント
O:XYZ三次元直交座標系の原点
Q:スリット状開口部
Sr:横方向空隙
Sz:縦方向空隙
W:開口部
X:XYZ三次元直交座標系の座標軸
Y:XYZ三次元直交座標系の座標軸
Z:XYZ三次元直交座標系の座標軸

Claims (15)

  1. 支持基板(210)と、前記支持基板(210)の上方に配置された環状検出体(130)と、前記支持基板(210)の上面中央部から上方に伸びる柱状体(110)と、前記柱状体(110)と前記環状検出体(130)とを接続する可撓性接続部材(120)と、前記環状検出体(130)の前記支持基板(210)に対する変位に応じた測定値を出力する検出素子(C1〜C5)と、前記測定値に基づいて、作用した外力の検出を行う検出回路(310)と、を備え、
    前記支持基板(210)を固定した状態で前記環状検出体(130)に外力が作用すると、前記可撓性接続部材(120)が撓むことにより前記環状検出体(130)が前記支持基板(210)に対して変位を生じ、前記検出回路(310)が、当該変位に起因して生じる前記測定値の変動に基づいて外力の検出を行う機能を有し、
    前記環状検出体(130)の外周部分から更に外方へ突出する外方突出部(140)と、前記支持基板(210)上の前記外方突出部(140)に対向する位置に固定された変位制御部(220)と、を更に備え、
    作用している外力の大きさが所定の許容範囲内であるときには、前記外方突出部(140)の下面と前記変位制御部(220)の上面との間に縦方向空隙(Sz)が維持され、作用している外力の大きさが前記許容範囲を超えたときには、前記外方突出部(140)の下面と前記変位制御部(220)の上面とが接触することにより、前記環状検出体(130)の変位が制御されることを特徴とする力覚センサ。
  2. 請求項1に記載の力覚センサにおいて、
    外方突出部(140)が、環状検出体(130)の外周部分の上部から外方へ突出する構造をなし、環状検出体の外周部分の下部は外周露出面をなし、
    作用している外力の大きさが所定の許容範囲内であるときには、前記外周露出面と前記変位制御部(220)の対向面との間に横方向空隙(Sr)が維持され、作用している外力の大きさが前記許容範囲を超えたときには、前記外周露出面と前記変位制御部(220)の前記対向面とが接触することにより、前記環状検出体(130)の変位が制御されることを特徴とする力覚センサ。
  3. 請求項2に記載の力覚センサにおいて、
    環状検出体(130)が第1の円筒状構造体によって構成され、外方突出部(140)が前記第1の円筒状構造体の外周面を内周面とする第2の円筒状構造体によって構成され、変位制御部(220)が前記第2の円筒状構造体の下面に対向する上面をもった第3の円筒状構造体によって構成され、
    外力が作用していない状態において、前記第1の円筒状構造体(130)の中心軸、前記第2の円筒状構造体(140)の中心軸、前記第3の円筒状構造体(220)の中心軸が、いずれも支持基板(210)の上面に直交する同一の軸(Z)となるように前記各円筒状構造体(130,140,220)が配置されていることを特徴とする力覚センサ。
  4. 請求項3に記載の力覚センサにおいて、
    柱状体(110)が、各円筒状構造体(130,140,220)の中心軸と同一の中心軸(Z)を有する円柱状構造体によって構成され、
    可撓性接続部材(120)が、内周部が前記柱状体(110)の外周面に接続され、外周部が環状検出体(130)の内周面に接続された円環状板状体によって構成されていることを特徴とする力覚センサ。
  5. 請求項2に記載の力覚センサにおいて、
    環状検出体(130)が第1の多角形筒状構造体によって構成され、外方突出部(140)が前記第1の多角形筒状構造体の外周面を内周面とする第2の多角形筒状構造体によって構成され、変位制御部(220)が前記第2の多角形筒状構造体の下面に対向する上面をもった第3の多角形筒状構造体によって構成され、
    外力が作用していない状態において、前記第1の多角形筒状構造体(130)の中心軸、前記第2の多角形筒状構造体(140)の中心軸、前記第3の多角形筒状構造体(220)の中心軸が、いずれも支持基板(210)の上面に直交する同一の軸(Z)となるように前記各多角形筒状構造体(130,140,220)が配置されていることを特徴とする力覚センサ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の力覚センサにおいて、
    柱状体(110)、可撓性接続部材(120)、環状検出体(130)、外方突出部(140)を、同一材料の一体構造体からなる上方構造体(100)によって構成したことを特徴とする力覚センサ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の力覚センサにおいて、
    支持基板(210)および変位制御部(220)を、同一材料の一体構造体からなる下方構造体(200)によって構成したことを特徴とする力覚センサ。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の力覚センサにおいて、
    外方突出部(140)に、上方に配置された第1の物体に取り付けるための取付用孔部(145)が形成され、
    支持基板(210)の変位制御部(220)が配置された位置に、下方に配置された第2の物体に取り付けるための取付用孔部(228)が形成され、
    支持基板(210)の柱状体(110)に接する位置に、柱状体(110)を取り付けるための取付用孔部(215)が形成され、柱状体(110)の対応位置に取付用孔部(115)が形成され、
    これら取付用孔部に挿通したネジもしくはボルトにより、外方突出部(140)と第1の物体、支持基板(210)と第2の物体、支持基板(210)と柱状体(110)をそれぞれ接続し、
    第1の物体および第2の物体の一方を固定した状態において他方に作用した外力の検出を行うことを特徴とする力覚センサ。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の力覚センサにおいて、
    外力の大きさの許容範囲として、当該外力の作用によって可撓性接続部材(120)が弾性変形する限度内の範囲を設定し、環状検出体(130)の変位を変位制御部(220)によって前記許容範囲内に抑えることにより、可撓性接続部材(120)が弾性変形領域内で変形を生じるようにしたことを特徴とする力覚センサ。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の力覚センサにおいて、
    縦方向空隙(Sz)もしくは横方向空隙(Sr)に、弾性変形材料からなる封止部材を充填し、検出素子(C1〜C5)が配置されている空間が外部から遮蔽されるようにしたことを特徴とする力覚センサ。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の力覚センサにおいて、
    検出素子(C1〜C5)が、支持基板(210)の上面に固定された固定電極(E1〜E5)と、環状検出体(130)の下面の前記固定電極(E1〜E5)に対向する位置に形成された変位電極と、を有する容量素子によって構成されていることを特徴とする力覚センサ。
  12. 請求項11に記載の力覚センサにおいて、
    中央部分に柱状体(110)を挿通するための開口部(W)が形成された絶縁基板(300)を支持基板(210)の上面に固定し、この絶縁基板(300)の上面に固定電極(E1〜E5)を形成し、
    環状検出体(130)を導電性材料によって構成し、この環状検出体(130)の下層部分を変位電極として用いることを特徴とする力覚センサ。
  13. 請求項12に記載の力覚センサにおいて、
    絶縁基板(300)上に検出回路を構成する回路部品(310)が配置されており、
    導電性材料によって構成された、柱状体(110)、可撓性接続部材(120)、環状検出体(130)が、前記回路部品(310)と変位電極との間の配線の一部として利用されていることを特徴とする力覚センサ。
  14. 請求項13に記載の力覚センサにおいて、
    支持基板(210)の上面中央位置に原点Oをとり、支持基板(210)の上面にXY平面をとり、柱状体(110)の中心軸がZ軸と一致するように、XYZ三次元直交座標系を定義したときに、
    絶縁基板(300)の上面には、X軸正領域に配置された第1の固定電極(E1)と、X軸負領域に配置された第2の固定電極(E2)と、Y軸正領域に配置された第3の固定電極(E3)と、Y軸負領域に配置された第4の固定電極(E4)と、Z軸の周囲を取り囲むように環状に配置された第5の固定電極(E5)と、が形成されており、これら各固定電極と、環状検出体(130)の下層部分からなる共通変位電極の対向部分とによって、第1の容量素子(C1)、第2の容量素子(C2)、第3の容量素子(C3)、第4の容量素子(C4)、第5の容量素子(C5)が形成されていることを特徴とする力覚センサ。
  15. 請求項14に記載の力覚センサにおいて、
    検出回路(310)が、第1の容量素子(C1)の静電容量値と、第2の容量素子(C2)の静電容量値との差に基づいて、作用した外力のY軸まわりのモーメント成分Myを検出し、第3の容量素子(C3)の静電容量値と、第4の容量素子(C4)の静電容量値との差に基づいて、作用した外力のX軸まわりのモーメント成分Mxを検出し、第5の容量素子(C5)の静電容量値に基づいて、作用した外力のZ軸方向成分を検出することを特徴とする力覚センサ。
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