JP3169508U - 外力の作用を検出するセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】使用環境や設置環境にかかわらず、常に正確な検出値を得ることができる外力の作用を検出するセンサを提供する。【解決手段】シリコン基板100は、重錘部115と、その周囲を取り囲むフレーム部130との間を、可撓性をもった4本のビーム状の可撓部121〜124で繋いだ構造をもつ。フレーム部130の左端下面は、ダイボンド剤320によって支持体200に固着される(平面図(a) に示すダイボンド剤320は、実際には、シリコン基板100の下面に形成されている)。加速度や角速度の作用により、重錘部115に外力が作用すると、可撓部121〜124に撓みが生じ、ピエゾ抵抗素子Rx1〜Rx4による検出がなされる。ダイボンド剤320は、左右非対称となるように左端側にのみ形成されているため、温度環境や設置環境が変化しても、支持体200側に生じた応力歪みがシリコン基板100側に伝達されるのを抑制できる。【選択図】図8

Description

本考案は、外力の作用を検出するセンサに関し、特に、重錘部に作用した外力を電気的に検出することにより加速度や角速度の検出を行うことができるセンサに関する。
加速度や角速度といった物理量を検出するセンサは、駆動機構をもった様々な産業機器で広く利用されている。一般的な加速度センサは、加速度の作用により重錘部に加えられた外力を電気的に検出する原理を採用し、一般的な角速度センサは、振動中の重錘部に角速度の作用に起因して生じた外力(コリオリ力)を電気的に検出する原理を採用している。このように、慣性をもった重錘部に対して作用した外力を検出することにより、加速度や角速度を検出するセンサは、一般に慣性センサと呼ばれている。
たとえば、下記の特許文献1には、重錘部とその周囲を取り囲むフレーム部とを可撓性をもった可撓部によって接続し、重錘部に作用した外力を可撓部に生じる撓みとして検出する3軸型の加速度センサが開示されている。また、特許文献2には、同様の構造をもった3軸型の角速度センサが開示されている。加速度センサも角速度センサも、重錘部に作用した外力を検出するという原理を利用して構成することができるため、たとえば、下記の特許文献3および4には、同一の構造体を利用して加速度と角速度との双方を検出する機能をもったセンサが提案されている。
特開平6−174571号公報 特開2009−180713号公報 特開2002−350138号公報 特開2008−190931号公報
前掲の各特許文献に開示されているような、重錘部に作用した外力を可撓部に生じる撓みとして検出するセンサでは、検出対象となる加速度や角速度が作用していないときの可撓部の状態を基準状態として、当該基準状態からの差分を検出値とする検出方法を採る。しかしながら、実際には、上記基準状態は、センサの使用環境や設置環境によって変動する。これは、センサの使用環境や設置環境によって、可撓部に加わる応力に変動が生じるためである。
たとえば、センサ使用時の温度が変動すると、可撓部に加わる応力も変動する。これは、センサやその取り付け相手となる物体が熱により膨張もしくは収縮し、しかも、材質が異なる部材は熱膨張係数も異なるため、センサの各部で膨張や収縮の程度が異なってしまうためである。通常、センサ本体はパッケージに収容された状態で、検出信号を処理するための回路基板にはんだ付けされて利用されるが、センサ本体を構成する各部、パッケージ、回路基板の材質が異なれば、温度環境の変化により各部に応力の歪みが生じ、これがセンサ本体内の可撓部まで伝達されると、可撓部の基準状態が変化してしまう。このため、センサの感度やゼロ点出力(検出対象となる加速度や角速度が作用していないときの出力)が変動し、正確な検出値を得ることができなくなる。
また、たとえ利用時の温度が一定であったとしても、パッケージを回路基板に実装する際に、パッケージに特定の潜在応力が加わった状態ではんだ付けしてしまった場合には、可撓部に潜在的に応力が加わった状態が維持されるので、やはり正確な検出値を得ることができなくなる。
そこで本考案は、使用環境や設置環境にかかわらず、常に正確な検出値を得ることができる外力の作用を検出するセンサを提供することを目的とする。
(1) 本考案の第1の態様は、重錘部と、その周囲を取り囲むフレーム部と、重錘部とフレーム部とを接続する可撓性をもった可撓部と、を有するシリコン基板と、
可撓部の撓みを電気的に検出する検出素子と、
シリコン基板を支持するための支持体と、
フレーム部の下面と支持体の上面とを接合する接合部材と、
を備え、重錘部に作用した外力に起因して生じる可撓部の撓みを、検出素子により電気的に検出することにより、外力の所定方向成分を検出するセンサにおいて、
重錘部の内部に原点OをもつXYZ三次元座標系を定義したときに、シリコン基板の上面および下面は、XY平面に平行な面をなし、フレーム部の下面に対する接合部材の接合領域をXY平面に正射影投影して得られる接合部材投影像が、X軸およびY軸のうちの少なくとも一方に関して非対称をなすように配置されているようにしたものである。
(2) 本考案の第2の態様は、上述の第1の態様に係る外力の作用を検出するセンサにおいて、
シリコン基板のXY平面への投影像の輪郭が矩形をなし、フレーム部の投影像が矩形の4辺に沿った4本の帯状領域からなる「ロ」の字状領域を構成し、接合部材投影像がこの「ロ」の字状領域内に配置されているようにしたものである。
(3) 本考案の第3の態様は、上述の第2の態様に係る外力の作用を検出するセンサにおいて、
接合部材投影像が、矩形の1辺に沿った1本の帯状領域内にのみ配置されているようにしたものである。
(4) 本考案の第4の態様は、上述の第2の態様に係る外力の作用を検出するセンサにおいて、
接合部材投影像が、矩形の直交する2辺に沿った2本の帯状領域のそれぞれに、かつ、当該2本の帯状領域内にのみ配置されているようにしたものである。
(5) 本考案の第5の態様は、上述の第2の態様に係る外力の作用を検出するセンサにおいて、
接合部材投影像が、矩形の対向する2辺に沿った2本の帯状領域のそれぞれに、かつ、当該2本の帯状領域内にのみ配置されており、一方の帯状領域内に配置されている接合部材投影像と他方の帯状領域内に配置されている接合部材投影像とが異なる形状を有するようにしたものである。
(6) 本考案の第6の態様は、上述の第5の態様に係る外力の作用を検出するセンサにおいて、
一方の帯状領域内に配置されている接合部材投影像は帯状領域の長手方向全域に分布し、他方の帯状領域内に配置されている接合部材投影像は帯状領域の特定位置にのみ点在するようにしたものである。
(7) 本考案の第7の態様は、上述の第2の態様に係る外力の作用を検出するセンサにおいて、
接合部材投影像が、矩形の3辺に沿った3本の帯状領域のそれぞれに、かつ、当該3本の帯状領域内にのみ配置されているようにしたものである。
(8) 本考案の第8の態様は、上述の第7の態様に係る外力の作用を検出するセンサにおいて、
接合部材投影像が配置されている3本の帯状領域のうち、矩形の対向する2辺に沿った2本の帯状領域に配置されている接合部材投影像は、帯状領域の特定位置にのみ点在し、残りの1本の帯状領域に配置されている接合部材投影像は、帯状領域の長手方向全域に分布するようにしたものである。
(9) 本考案の第9の態様は、上述の第2〜第8の態様に係る外力の作用を検出するセンサにおいて、
接合部材投影像が、帯状領域の長手方向に沿った連続領域を形成する線状投影像を含むようにしたものである。
(10) 本考案の第10の態様は、上述の第2〜第8の態様に係る外力の作用を検出するセンサにおいて、
接合部材投影像が、帯状領域の長手方向に沿った配置線上に所定間隔をおいて並べられた複数の点状投影像を含むようにしたものである。
(11) 本考案の第11の態様は、上述の第1の態様に係る外力の作用を検出するセンサにおいて、
検出素子が、可撓部に形成されたピエゾ抵抗素子を有し、このピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化に基づいて、可撓部の撓みを電気的に検出するようにしたものである。
(12) 本考案の第12の態様は、上述の第11の態様に係る外力の作用を検出するセンサにおいて、
内側端が重錘部に接続され、外側端がフレーム部に接続された4本のビーム状の可撓部を有し、これら4本のビーム状の可撓部をXY平面に正射影投影した場合に、第1の可撓部の投影像はX軸正領域に位置し、第2の可撓部の投影像はX軸負領域に位置し、第3の可撓部の投影像はY軸正領域に位置し、第4の可撓部の投影像はY軸負領域に位置し、
検出素子が、第1の可撓部の外側に配置されたピエゾ抵抗素子Rx1と、第1の可撓部の内側に配置されたピエゾ抵抗素子Rx2と、第2の可撓部の内側に配置されたピエゾ抵抗素子Rx3と、第2の可撓部の外側に配置されたピエゾ抵抗素子Rx4と、第3の可撓部の外側に配置されたピエゾ抵抗素子Ry1と、第3の可撓部の内側に配置されたピエゾ抵抗素子Ry2と、第4の可撓部の内側に配置されたピエゾ抵抗素子Ry3と、第4の可撓部の外側に配置されたピエゾ抵抗素子Ry4と、第3の可撓部の外側に配置されたピエゾ抵抗素子Rz1と、第3の可撓部の内側に配置されたピエゾ抵抗素子Rz2と、第4の可撓部の内側に配置されたピエゾ抵抗素子Rz3と、第4の可撓部の外側に配置されたピエゾ抵抗素子Rz4と、を有し、素子Rx1,Rx2,Rx3,Rx4によって重錘部に作用した外力のX軸方向成分を検出し、素子Ry1,Ry2,Ry3,Ry4によって重錘部に作用した外力のY軸方向成分を検出し、素子Rz1,Rz2,Rz3,Rz4によって重錘部に作用した外力のZ軸方向成分を検出し、
接合部材投影像が、X軸に関しては正領域および負領域の双方に配置されているが、Y軸に関しては正領域および負領域のいずれか一方のみに配置されているか、もしくは、Y軸上には全く配置されていないようにしたものである。
(13) 本考案の第13の態様は、上述の第1の態様に係る外力の作用を検出するセンサにおいて、
検出素子が、可撓部に固着された圧電素子を有し、この圧電素子に生成される電荷に基づいて、可撓部の撓みを電気的に検出するようにしたものである。
(14) 本考案の第14の態様は、上述の第1の態様に係る外力の作用を検出するセンサにおいて、
フレーム部が、重錘部を取り囲む本体フレーム部と、この本体フレーム部の脇に配置された台座部と、本体フレーム部と台座部とを接続する中継部と、を有し、フレーム部のXY平面への正射影投影像が、中継部においてくびれを生じる形状をなし、接合部材投影像が、台座部の投影像内にのみ配置されているようにしたものである。
(15) 本考案の第15の態様は、上述の第14の態様に係る外力の作用を検出するセンサにおいて、
フレーム部のXY平面への正射影投影像が外接矩形を有し、この外接矩形の端部近傍にY軸に平行な分割線を定義し、この分割線に沿ってスリットを形成することにより分割線とX軸との交点近傍に中継部が形成されるようにしたものである。
(16) 本考案の第16の態様は、上述の第1〜第15の態様に係る外力の作用を検出するセンサにおいて、
フレーム部の上面もしくは下面に、検出素子に対する配線を行うためのボンディングパッドが形成されており、このボンディングパッドをXY平面に正射影投影して得られるボンディングパッド投影像が接合部材投影像に含まれるようにしたものである。
(17) 本考案の第17の態様は、上述の第16の態様に係る外力の作用を検出するセンサにおいて、
フレーム部の下面に、検出素子に対する配線を行うためのボンディングパッドが形成されており、ボンディングパッドの下面と支持体の上面との間に導電性をもった接合部材が接合され、接合部材がボンディングパッドに対する配線の一部を形成するようにしたものである。
(18) 本考案の第18の態様は、上述の第1〜第17の態様に係る外力の作用を検出するセンサにおいて、
加速度に基づいて重錘部に作用する外力を検出することにより、作用した加速度を検出する機能を有する加速度センサを構成したものである。
(19) 本考案の第19の態様は、上述の第1〜第17の態様に係る外力の作用を検出するセンサにおいて、
電気信号を供給することにより可撓部に撓みを生じさせ、重錘部を所定方向に振動させる励振素子を更に設け、
重錘部が振動状態において、角速度に基づいて重錘部にコリオリ力として作用する外力を検出することにより、作用した角速度を検出する機能を有する角速度センサを構成したものである。
本考案に係るセンサによれば、フレーム部を支持体に接合する役割を果たす接合部材の配置が非対称となるようにしたため、支持体側に生じた応力歪みがシリコン基板側に伝達されるのを抑制することができるので、使用環境や設置環境にかかわらず、常に正確な検出値を得ることができるようになる。
従来から提案されているピエゾ抵抗素子を用いた加速度センサの本体部を構成するシリコン基板100の上面図である。 図1に示すシリコン基板100をXZ平面で切断した断面を示す縦断面図である。 図1に示すシリコン基板100をXY平面で切断した断面を示す横断面図である。 図1に示すシリコン基板100を切断線4−4の位置で切断した断面を示す縦断面図である。 図1に示すシリコン基板100を用いた加速度センサの動作原理を示す表である。 図1に示すシリコン基板100を用いた加速度センサに用いる検出回路を示す回路図である。 図1に示すシリコン基板100を支持体200に接合して構成される従来のセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。上面図(a) に示されている接合部材310は、実際には、シリコン基板100の下面に形成されており、上面図には現れないが、説明の便宜上、図にハッチング領域として示してある(上面図(a) における接合部材310のドットによるハッチングは、平面的な形状パターンを示すために施されたものであり、断面を示すものではない)。 図1に示すシリコン基板100を支持体200に接合して構成される本考案の第1の実施形態に係るセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。上面図(a) に示されている接合部材320は、実際には、シリコン基板100の下面に形成されており、上面図には現れないが、説明の便宜上、図にハッチング領域として示してある(上面図(a) における接合部材320のドットによるハッチングは、平面的な形状パターンを示すために施されたものであり、断面を示すものではない)。 図1に示すシリコン基板100を支持体200に接合して構成される本考案の第2の実施形態に係るセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。上面図(a) に示されている接合部材320,325は、実際には、シリコン基板100の下面に形成されており、上面図には現れないが、説明の便宜上、図にハッチング領域として示してある(上面図(a) における接合部材320,325のドットによるハッチングは、平面的な形状パターンを示すために施されたものであり、断面を示すものではない)。 図1に示すシリコン基板100を支持体200に接合して構成される本考案の第3の実施形態に係るセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。上面図(a) に示されている接合部材320,330は、実際には、シリコン基板100の下面に形成されており、上面図には現れないが、説明の便宜上、図にハッチング領域として示してある(上面図(a) における接合部材320,330のドットによるハッチングは、平面的な形状パターンを示すために施されたものであり、断面を示すものではない)。 シリコン基板100′を支持体200に接合して構成される本考案の第4の実施形態に係るセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。上面図(a) に示されている接合部材340,341,342は、実際には、シリコン基板100′の下面に形成されており、上面図には現れないが、説明の便宜上、図にハッチング領域として示してある(上面図(a) における接合部材340,341,342のドットによるハッチングは、平面的な形状パターンを示すために施されたものであり、断面を示すものではない)。 図1に示すシリコン基板100を支持体200に接合して構成される本考案の第5の実施形態に係るセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。上面図(a) に示されている接合部材351〜358は、実際には、シリコン基板100の下面に形成されており、上面図には現れないが、説明の便宜上、図にハッチング領域として示してある(上面図(a) における接合部材351〜358のドットによるハッチングは、平面的な形状パターンを示すために施されたものであり、断面を示すものではない)。 図1に示すシリコン基板100を支持体200に接合して構成される本考案の第6の実施形態に係るセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。上面図(a) に示されているシリコン基板100は、支持体200に接合する際には、上下がひっくり返される(上面図(a) における接合部材351〜358のドットによるハッチングは、平面的な形状パターンを示すために施されたものであり、断面を示すものではない)。 シリコン基板100''を支持体200に接合して構成される本考案の第7の実施形態に係るセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。上面図(a) に示されている接合部材360は、実際には、シリコン基板100''の下面に形成されており、上面図には現れないが、説明の便宜上、図にハッチング領域として示してある(上面図(a) における接合部材360のドットによるハッチングは、平面的な形状パターンを示すために施されたものであり、断面を示すものではない)。 シリコン基板400を支持体200に接合して構成される本考案の第8の実施形態に係るセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。上面図(a) に示されている接合部材370は、実際には、シリコン基板400の下面に形成されており、上面図には現れないが、説明の便宜上、図にハッチング領域として示してある(上面図(a) における接合部材370のドットによるハッチングは、平面的な形状パターンを示すために施されたものであり、断面を示すものではない)。 シリコン基板500を支持体200に接合して構成される本考案の参考例に係るセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。上面図(a) に示されている接合部材381,382は、実際には、シリコン基板500の下面に形成されており、上面図には現れないが、説明の便宜上、図にハッチング領域として示してある(上面図(a) における接合部材381,382のドットによるハッチングは、平面的な形状パターンを示すために施されたものであり、断面を示すものではない)。 シリコン基板600を支持体200に接合して構成される本考案の圧電素子を用いた実施形態に係るセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。上面図(a) に示されている接合部材390は、実際には、シリコン基板600の下面に形成されており、上面図には現れないが、説明の便宜上、図にハッチング領域として示してある(上面図(a) における接合部材390のドットによるハッチングおよび各電極の斜線によるハッチングは、平面的な形状パターンを示すために施されたものであり、断面を示すものではない)。 図17に示すシリコン基板600の下面図である。 図17に示す圧電素子を用いた実施形態に係るセンサに用いる検出回路を示す回路図である。
以下、本考案を図示する実施形態に基づいて説明する。
<<< §1.従来の加速度センサとその問題点 >>>
はじめに、従来から提案されている一般的なピエゾ抵抗素子を用いた加速度センサの基本構造および検出原理と、その問題点を述べる。
図1は、前掲の特許文献1等に開示されているピエゾ抵抗素子を用いた加速度センサの本体部を構成するシリコン基板100の上面図である。ここでは、説明の便宜上、図1に示すとおり、図の右方向にX軸、図の上方向にY軸、紙面垂直上方にZ軸をとり、XYZ三次元座標系を定義する。図2は、このシリコン基板100をXZ平面で切断した断面を示す縦断面図である。座標系の原点Oは、シリコン基板100の中心位置に配置されている。また、図3は、図1に示すシリコン基板100をXY平面で切断した断面を示す横断面図であり、図4は、図1に示すシリコン基板100を切断線4−4の位置で切断した断面を示す縦断面図である。
図1の上面図に示すとおり、シリコン基板100は外形が正方形状の基板であり、以下に述べるような各部から構成される。まず、その中心には、小さな正方形状の中央部115が配置され、この中央部115の四隅には、やはり小さな正方形状の4組の翼状部111,112,113,114が配置されている。そして、この翼状部111,112,113,114の周囲を取り囲むように、フレーム部130が配置されている。
これらの構成要素の基本的な平面形状は、図3の横断面図に明瞭に示されている。すなわち、翼状部111,112,113,114は、中央部115の四隅に融合した構造をなし、全体的に送風機の羽根のような形状をしている。ここでは、翼状部111,112,113,114および中央部115によって構成される構造体を重錘部110と呼ぶことにする。フレーム部130は、この重錘部110の周囲を取り囲むような「ロ」の字状の構造体である。結局、重錘部110は、「ロ」の字状のフレーム部130の内部に収容された状態になっている。
図1に示されているとおり、中央部115とフレーム部130とを接続するために、4本の可撓部121〜124が設けられている。すなわち、可撓部121はX軸正領域に沿って配置され、可撓部122はX軸負領域に沿って配置され、可撓部123はY軸正領域に沿って配置され、可撓部124はY軸負領域に沿って配置されている。各可撓部121〜124は、図2および図4に示すとおり、シリコン基板100の上面側に設けられたビーム状の構造体であるため、図3に示す横断面図には現れていない。
これら各可撓部121〜124には、その撓みを電気的に検出する検出素子として、ピエゾ抵抗素子が形成されている。具体的には、図1に示すとおり、可撓部121の上面には2組のピエゾ抵抗素子Rx1,Rx2が形成され、可撓部122の上面には2組のピエゾ抵抗素子Rx3,Rx4が形成されている。また、可撓部123の上面には4組のピエゾ抵抗素子Ry1,Ry2,Rz1,Rz2が形成され、可撓部124の上面には4組のピエゾ抵抗素子Ry3,Ry4,Rz3,Rz4が形成されている。図2の縦断面図を見ればわかるとおり、ピエゾ抵抗素子Rx1〜Rx4は、可撓部121,122の上面に埋め込まれており、その電気抵抗は、可撓部121,122の上面の伸縮状態に応じて変化する。ピエゾ抵抗素子Ry1〜Ry4,Rz1〜Rz4についても同様である。
なお、各ピエゾ抵抗素子には相互に配線が施されており、後述するようなブリッジを用いた検出回路が構成される。また、シリコン基板100の上面左端には、図1に示すとおり、ボンディングパッドBが設けられている。このボンディングパッドBは、金属層から構成され、各ピエゾ抵抗素子の所定箇所との間に配線が施される。ここでは、これらの配線については、図示を省略している。ボンディングパッドBには、外部の回路への配線を行うためにボンディングワイヤが接続される。なお、本願図面では、説明の便宜上、8個のボンディングパッドを配置した例を示してあるが、ボンディングパッドの数は、外部の検出回路との間の接続に必要な配線の数に応じて適宜定められることになる。
このような構造のシリコン基板100を利用すれば、重錘部110に作用した加速度の各座標軸方向成分を電気的に検出することが可能な加速度センサが実現できる。図5は、図1に示すシリコン基板100を用いた加速度センサの動作原理を示す表である。シリコン基板100に対して、X軸方向の加速度αx,Y軸方向の加速度αy,Z軸方向の加速度αzが作用すると、重錘部110(翼状部111〜114および中央部115の集合体)には、この加速度に起因して、それぞれX軸方向の外力Fx,Y軸方向の外力Fy,Z軸方向の外力Fzが作用することになる。このような外力により、可撓部121〜124は撓みを生じ、重錘部110は作用した力の方向に変位する。
図5は、各座標軸の正方向に外力+Fx,+Fy,+Fzが作用した場合に、各ピエゾ抵抗素子Rx1〜Rx4,Ry1〜Ry4,Rz1〜Rz4の長手方向に加わる応力を示している。すなわち、表における「0」は長手方向に関して応力は加わらないことを示し、「+」は長手方向に伸びる応力、「−」は長手方向に縮む応力が加わることを示している。なお、各座標軸の負方向に外力−Fx,−Fy,−Fzが作用した場合は、図5の+Fx,+Fy,+Fzの表に示す「+」と「−」とが逆転した結果が得られる。
ここで、長手方向に伸びる応力が加わったピエゾ抵抗素子の抵抗値は増加し、長手方向に縮む応力が加わったピエゾ抵抗素子の抵抗値は減少するため、各ピエゾ抵抗素子Rx1〜Rx4,Ry1〜Ry4,Rz1〜Rz4について、図6の(a) ,(b) ,(c) に示すようなブリッジからなる検出回路を用意しておけば、電位差計Vx,Vy,Vzが示すブリッジ電圧の符号および大きさは、それぞれ外力Fx,Fy,Fzの方向および大きさを示すものになり、結局、シリコン基板100に作用した加速度αx,αy,αzの方向および大きさを示すものになる。このような検出原理は、前掲の特許文献1などに開示されている公知の技術であるため、ここでは詳しい説明は省略する。
このように、図1に示すシリコン基板100は、3軸加速度センサの本体部として機能することになる。ただ、量産品としての実際の加速度センサの場合、シリコン基板100は、円盤状の基板からダイシングされたシリコンチップとして用意され、パッケージに収容された状態で固定され、必要な配線が施された上で出荷される。シリコン基板100をパッケージ内部へ固定するには、接合部材(ダイボンド剤)を用いた接合が行われる。
図7は、図1に示すシリコン基板100を支持体200に接合して構成される従来のセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。図7(a) の上面図は、図1の上面図に接合部材310(ダイボンド剤)の形成領域を付加したものである。図7(b) に示すとおり、接合部材310は、実際にはシリコン基板100の下面に形成されるので、図7(a) の上面図には現れない。すなわち、シリコン基板100を支持体200に接合した状態であっても、シリコン基板100の上面図は図1のとおりである。ただ、図7(a) では、接合部材310の平面的な配置を明示するため、その形成領域をドットによるハッチング領域として描いている。このように、図7(a) における接合部材310のドットによるハッチングは、平面的な形状パターンを示すために施されたものであり、断面を示すものではない。
重錘部110は、加速度の作用によって自由に変位を生じる状態にしておく必要があるため、シリコン基板100を支持体200に接合する場合、「ロ」の字状のフレーム部130の下面を支持体200の上面に接合することになる。従来、このような接合を行う際には、図示のとおり、「ロ」の字状のフレーム部130の下面全域にわたって接合部材310を形成する構成をとっていた。別言すれば、接合部材310も、フレーム部130の形状に合わせて、「ロ」の字状の形態が採用されていた。
ここで、支持体200は、加速度センサのパッケージの一部を構成する構造体であるか、もしくは、パッケージに固定される構造体である。したがって、図示の例のように、フレーム部130の下面全域に接合部材310を形成して接合すれば、シリコン基板100の輪郭を構成する矩形の4辺すべてを支持体200上に固定することができるため、パッケージに対して堅固で安定した取り付けが可能になる。
接合部材310としては、通常、樹脂や金属などからなるダイボンド剤が利用される。一般に、工業製品の製造プロセスにおいて、シリコンチップを支持体に接合する場合、チップ下面の全領域にわたって均等にダイボンド剤を塗布して接合するのが当業者の常識であり、シリコン基板100を用いたセンサの場合も、図7に示す例のように、「ロ」の字状のフレーム部130の下面全域にわたって接合部材310を形成することは、当業者の常識に適ったものである。
しかしながら、本願考案者は、このような対称性をもった接合部材310を構成することは、外力の作用を検出するセンサについては好ましくない、との着想を得た。すなわち、接合部材310の配置が対称性をもっていると、センサの使用環境や設置環境によって、シリコン基板100に好ましくない応力が加わることになり、正確な検出値を得ることができなくなるのである。
このような弊害を生じさせる最も支配的な要因は温度である。図7に示す例において、シリコン基板100の材質はもちろんシリコンである。これに対して、接合部材310は、通常、樹脂や金属のダイボンド剤によって構成される。また、支持体200としては、プラスチック板、セラミック板、金属板など、製品や用途によって様々な材質が利用される。更に、実用上は、センサパッケージを、ベークライトやガラスエポキシなどの材料からなる回路基板に実装したり、様々な材料面に固定したりして利用することになる。このような点を考慮すると、使用環境における温度変化により、パッケージを介してシリコン基板100に対して応力が伝達されることがわかる。
一般に、物体は熱により膨張もしくは収縮する。しかも、材質が異なる部材は熱膨張係数が異なるため、パッケージを含めたセンサ各部で膨張や収縮の程度が異なり、様々な箇所に応力が生じる。対称性をもった接合部材310は、このような応力をシリコン基板100に伝達しやすい性質をもつ。たとえば、図7(b) において、シリコン基板100よりも支持体200の方が熱膨張係数が大きい場合、温度が上昇すると、シリコン基板100に比べて支持体200の方が膨張することになる。そうなると、図示の例のように、接合部材310によってシリコン基板100の左右両端が固定された製品では、シリコン基板100に対して図の水平方向に伸ばす方向に応力が作用することになる。このような応力は、各ピエゾ抵抗素子の抵抗値に変動を生じさせるため、検出対象となる加速度が作用していない状態でも、検出回路から検出信号が出力されることになる。
また、温度が一定であったとしても、パッケージを回路基板に実装する際に、パッケージに特定の潜在応力が加わった状態ではんだ付けしてしまった場合には、支持体200に潜在的に応力が加わった状態になるので、やはりシリコン基板100に対して応力が作用した状態になる。このように、従来のセンサには、温度変化や実装方法により、感度やゼロ点出力が変動し、正確な検出値を得ることができなくなるという問題が生じていた。
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本考案は、外力の作用を検出する従来のセンサに生じていた上記問題を解決するためになされたものであり、その基本概念は、接合部材の配置に非対称性をもたせる、というものである。
既に§1で述べたとおり、本考案の適用対象となる外力の作用を検出するセンサは、重錘部110(翼状部111〜114および中央部115の集合体)と、その周囲を取り囲むフレーム部130と、重錘部110とフレーム部130とを接続する可撓性をもった可撓部121〜124と、を有するシリコン基板100を備えている。しかも、可撓部121〜124には、その撓みを電気的に検出する検出素子(§1で述べた例の場合は、ピエゾ抵抗素子Rx1〜Rx4,Ry1〜Ry4,Rz1〜Rz4)が設けられている。そして、このシリコン基板100は、支持体200によって支持される構造をとり、フレーム部130の下面と支持体200の上面とを接合するために接合部材310が設けられ、重錘部110に作用した外力(§1で述べた例の場合は、加速度に基づく力)に起因して生じる可撓部121〜124の撓みを、検出素子により電気的に検出することにより、外力の所定方向成分を検出することができる。
ここで、§1で例示した従来のセンサの場合、接合部材310の配置が対称性を有していた。すなわち、重錘部110の内部(§1で述べた例の場合は、中央部115の中心点)に原点OをもつXYZ三次元座標系を定義したときに、シリコン基板100の上面および下面は、XY平面に平行な面をなし、フレーム部130の下面に対する接合部材310の接合領域をXY平面に正射影投影して得られる接合部材投影像(図7(a) のハッチング領域に相当する)を考えた場合、当該接合部材投影像は、X軸に関して対称であり、かつ、Y軸に関しても対称である。
実際、図7に示すシリコン基板100の構造は、ボンディングパッドBの部分を除いて、X軸およびY軸の双方に関して対称性を有しており、これを支持体200に接合する際にも、接合部材310の配置に対称性をもたせることは、当業者が当然とるべき設計手法ということが言える。センサ全体の構造に幾何学的な対称性をもたせることは、X軸,Y軸,Z軸方向の外力(加速度)を検出するための検出回路を単純化する上で好ましい。実際、図6に示すような単純なブリッジ回路で3軸検出が可能になるのは、シリコン基板100の構造がX軸およびY軸の双方に関して対称性を有しているためである。
しかしながら、前述したとおり、本願考案者は、使用環境や設置環境によってシリコン基板100に応力が加わるという観点では、上記対称性が弊害を生む要因になることに気づいたのである。接合部材310の配置は、外力の検出原理に直接影響を与えるものではないので、対称性を崩したとしても支障は生じない。本考案の主眼は、接合部材の接合領域をXY平面に正射影投影して得られる接合部材投影像の配置が、X軸およびY軸のうちの少なくとも一方に関して非対称をなすようにすることにより、常に正確な検出値を得ることができるセンサを提供することにある。以下、その具体的な実施形態をいくつか述べる。
なお、以下に述べる各実施形態においても、接合部材は、実際にはシリコン基板の下面に形成されるので上面図には現れないが、説明の便宜上、接合領域をXY平面に正射影投影して得られる接合部材投影像をドットによるハッチング領域として上面図に描いて示すことにする(この上面図に示すドットによるハッチングは、平面的な形状パターンを示すために施されたものであり、断面を示すものではない)。
<2−1 第1の実施形態>
図8は、図1に示すシリコン基板100を支持体200に接合して構成される本考案の第1の実施形態に係るセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。図8(a) のドットによるハッチング領域は、この実施形態における接合部材320の形成領域(接合部材投影像)を示している。
ここに示す例の場合、シリコン基板100は、XY平面への投影像の輪郭が矩形をなし、フレーム部130の投影像がこの矩形の4辺に沿った4本の帯状領域からなる「ロ」の字状領域を構成している。したがって、接合部材投影像も、この「ロ」の字状領域内に配置されることになるが、ここに示す第1の実施形態では、接合部材投影像が、矩形の1辺に沿った1本の帯状領域内にのみ配置されている構成をとる。
すなわち、図8(a) に示す例の場合、シリコン基板100の輪郭を構成する正方形の4辺のうち、左辺に沿った帯状領域内にのみ、接合部材320の投影像が配置されており、他の3辺に沿った帯状領域には、接合部材320は配置されていない。
この第1の実施形態の場合、シリコン基板100は、その左端においてのみ、支持体200上に固定されることになるので、図8(b) の縦断面図に示されているとおり、いわゆる「片持ち梁」による支持形態が採られる。図7に示す従来例と比べると、支持体200によるシリコン基板100の支持の安定性が低下することは否めないが、一般的なダイボンド剤を用いて接合部材320を形成すれば、実用上、支持体200によるシリコン基板100の支持に支障は生じない。
図8(a) を見れば明らかなように、接合部材320の配置は、X軸に関しては対称性を有しているが、Y軸に関する対称性は失われている。特に、図の左端のみで支持する形態をとるため、支持体200側(パッケージ側)に生じたX軸方向に関する応力が、シリコン基板100側に伝達されることを有効に阻止することが可能である。実際、図8(b) において、支持体200が図の左右に伸縮したとしても、シリコン基板100側には、当該伸縮による影響がほとんど及ばないことが理解できよう。もちろん、支持体200によるシリコン基板100の支持に支障が生じない範囲内で、接合部材320の全長をより短く設定してもかまわないし、接合部材320の投影像がX軸に関しても非対称となるような構成を採ってもかまわない。
なお、図8(a) に示すとおり、フレーム部130の上面には、検出素子(ピエゾ抵抗素子)に対する配線を行うためのボンディングパッドBが形成されているが、このボンディングパッドBをXY平面に正射影投影して得られるボンディングパッド投影像は、接合部材320の投影像に含まれるようになっている。別言すれば、図8(b) に示すとおり、ボンディングパッドBの直下に、接合部材320が配置されている。このような配置は、ボンディングパッドBに対してボンディングワイヤを接続するワイヤボンディング工程に有用である。
すなわち、一般的なワイヤボンディング工程では、ボンディングパッドBに対して超音波を作用させながらワイヤの接続を行うことになるが、ボンディングパッドBの直下に接合部材320が配置されていれば、ボンディングパッドBは支持体200上にしっかりと支持されるので、良好なワイヤボンディング工程を行うことができる。
なお、図8には、シリコン基板100の輪郭を構成する正方形の4辺のうち、左辺に沿った帯状領域に接合部材320を配置した例を示したが、もちろん、右辺、上辺、もしくは下辺に配置するようにしてもよい。要するに、この第1の実施形態では、接合部材320を、矩形の任意の1辺に沿った1本の帯状領域内にのみ配置すればよい。もっとも、上述したように、ワイヤボンディング工程を考慮すると、4辺のうち、ボンディングパッドBが配置された1辺を選択するのが好ましい。
<2−2 第2の実施形態>
図9は、図1に示すシリコン基板100を支持体200に接合して構成される本考案の第2の実施形態に係るセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。図9(a) のドットによるハッチング領域は、この実施形態における接合部材320,325の形成領域(接合部材投影像)を示している。
この第2の実施形態は、上述した第1の実施形態に、更に、接合部材325を付加したものである。すなわち、この実施形態では、図9(a) にドットによるハッチング領域として示すとおり、2組の接合部材320,325が、フレーム部130のそれぞれ左側の帯状領域および右側の帯状領域の下面に設けられている。もちろん、左右の2辺に沿った帯状領域に設ける代わりに、上下の2辺に沿った帯状領域に設けることもできる。しかも、2組の接合部材320,325は、互いに異なる形状を有している。
要するに、この第2の実施形態の特徴は、接合部材投影像が、シリコン基板100の輪郭を構成する矩形の対向する2辺に沿った2本の帯状領域のそれぞれに、かつ、当該2本の帯状領域内にのみ配置されており、一方の帯状領域内に配置されている接合部材投影像と他方の帯状領域内に配置されている接合部材投影像とが異なる形状を有するようにする点にある。両者を異なる形状とすることにより、接合部材投影像は、X軸およびY軸のうちの少なくとも一方に関して非対称をなす。
図示の例の場合、接合部材投影像は、X軸に関しては対称であるが、Y軸に関しては非対称となっている。より具体的には、図示の例の場合、一方の帯状領域内(左側の帯状領域内)に配置されている接合部材投影像320は帯状領域の長手方向(Y軸に沿った方向)の全域に分布し、他方の帯状領域内(右側の帯状領域内)に配置されている接合部材投影像は帯状領域の特定位置(図示の例では、X軸上の位置)にのみ点在する形態をとる。
この第2の実施形態の場合、図9(b) の縦断面図に示されているとおり、シリコン基板100は、左側の接合部材320と右側の接合部材325との両方によって支持体200上に固定されているため、支持体200側が図の左右方向に伸縮すると、その影響がシリコン基板100側にも伝達されることは否めない。しかしながら、接合部材320と接合部材325とは、Y軸に関して非対称となっているため、図7に示す従来例のような対称配置をとる場合に比べて、シリコン基板100側に伝達される応力は軽減される。
一般に、シリコン基板100側に伝達される応力を軽減するためには、接合部材による接合面積(上面図にドットによるハッチングで示す領域の全面積)をできるだけ小さく抑えるのが好ましい。しかしながら、接合面積を小さくすればするほど、接合強度は低下し、安定した支持は損なわれる。本考案における「接合部材投影像が、X軸およびY軸のうちの少なくとも一方に関して非対称をなすように配置する」という基本的な技術思想は、ある一定の接合面積を確保しつつ、シリコン基板100側に伝達される応力をできるだけ軽減させる効果を奏することになる。
この図9に示す第2の実施形態は、矩形の対向する2辺に沿った2本の帯状領域にそれぞれ接合部材320,325を設けているため、図8に示す第1の実施形態に比べると、シリコン基板100側に伝達される応力は大きくなる。しかしながら、シリコン基板100の対向する2辺を支持することができるため、「片持ち梁」による支持形態を採らざるを得ない図8に示す第1の実施形態に比べて、支持体200上に支持されるシリコン基板100の安定性は格段に向上する。
なお、図9に示す例においても、ボンディングパッドBの投影像が、接合部材320の投影像に含まれるようになっているため、良好なワイヤボンディング工程を行うことができる。
<2−3 第3の実施形態>
図10は、図1に示すシリコン基板100を支持体200に接合して構成される本考案の第3の実施形態に係るセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。図10(a) のドットによるハッチング領域は、この実施形態における接合部材320,330の形成領域(接合部材投影像)を示している。
この第3の実施形態は、前述した第1の実施形態に、更に、接合部材330を付加したものである。すなわち、この実施形態では、図10(a) にドットによるハッチング領域として示すとおり、2組の接合部材320,330が、フレーム部130のそれぞれ左側の帯状領域および上側の帯状領域の下面に設けられている。
この第3の実施形態の特徴は、接合部材投影像が、シリコン基板100の輪郭を構成する矩形の直交する2辺(角で隣接する2辺)に沿った2本の帯状領域のそれぞれに、かつ、当該2本の帯状領域内にのみ配置されているようにする点にある。このような配置を採れば、接合部材投影像は、X軸およびY軸の双方に関して非対称になる。
この第3の実施形態では、上述した第2の実施形態のようにシリコン基板100の対向する2辺を支持するのではなく、直交する2辺を支持する形態になるため、支持の安定性は多少低下する。しかしながら、支持体200側に生じたX軸方向の伸縮やY軸方向の伸縮が、シリコン基板100側に伝達することを効果的に抑制することができる。
なお、図10に示す例においても、ボンディングパッドBの投影像が、接合部材320の投影像に含まれるようになっているため、良好なワイヤボンディング工程を行うことができる。
<2−4 第4の実施形態>
図11は、シリコン基板100′を支持体200に接合して構成される本考案の第4の実施形態に係るセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。図11(a) のドットによるハッチング領域は、この実施形態における接合部材340,341,342の形成領域(接合部材投影像)を示している。
図1に示すシリコン基板100と図11に示すシリコン基板100′との違いは、ボンディングパッドBの配置のみである。前者では、シリコン基板100の左辺(Y軸に平行な辺)に沿ってボンディングパッドBが配置されているのに対して、後者では、シリコン基板100′の下辺(X軸に平行な辺)に沿ってボンディングパッドBが配置されている。その余の構成は、両者で全く同一である。
この実施形態では、図11(a) にドットによるハッチング領域として示すとおり、3組の接合部材340,341,342が、フレーム部130のそれぞれ下側の帯状領域、左側の帯状領域、右側の帯状領域の下面に設けられている。
この第4の実施形態の特徴は、接合部材投影像が、シリコン基板100の輪郭を構成する矩形の3辺に沿った3本の帯状領域のそれぞれに、かつ、当該3本の帯状領域内にのみ配置されているようにする点にある。このような配置を採れば、接合部材投影像は、X軸およびY軸の少なくとも一方に関して非対称になる。
図11に示す具体的な例の場合、接合部材340はシリコン基板100′の下辺に沿った帯状領域に配置されており、接合部材341はシリコン基板100′の左辺に沿った帯状領域に配置されており、接合部材342はシリコン基板100′の右辺に沿った帯状領域に配置されている。この例では、接合部材341と接合部材342とがY軸に関して対称をなすため、全体的な接合部材の配置は、Y軸に関しては対称となっているが、X軸に関しては非対称となっている。したがって、シリコン基板100′を3辺で支持する、という極めて安定した支持形態を維持しつつ、支持体200側に生じたY軸方向の伸縮が、シリコン基板100側に伝達することを抑制する効果が得られる。
また、図11に示す具体的な例の場合、接合部材投影像が配置されている3本の帯状領域のうち、矩形の対向する2辺に沿った2本の帯状領域(左辺および右辺の帯状領域)に配置されている接合部材投影像341,342は、帯状領域の特定位置(図示の例では、X軸上の位置)にのみ点在し、残りの1本の帯状領域(下辺の帯状領域)に配置されている接合部材投影像は、帯状領域の長手方向全域に分布する形態をとっている。
このような形態は、シリコン基板100′をできるだけ安定して支持しつつ、支持体200側に生じた応力が、シリコン基板100′側に伝達されるのを抑制する上で効果的である。すなわち、点在する接合部材341,342は、接合面積が小さいため、応力を伝達する作用は小さいものの、接合部材340と合わせた三者により、シリコン基板100′を安定して支持する役割を果たすことができる。一方、接合部材340は、下辺の帯状領域の長手方向全域に分布する形態をとるため、シリコン基板100′を十分に支持することができる。
なお、この図11に示す例においても、ボンディングパッドBの投影像が、接合部材340の投影像に含まれるようになっているため、良好なワイヤボンディング工程を行うことができる。
<2−5 第5の実施形態>
図12は、図1に示すシリコン基板100を支持体200に接合して構成される本考案の第5の実施形態に係るセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。図12(a) のドットによるハッチング領域は、この実施形態における接合部材351〜358の形成領域(接合部材投影像)を示している。
この第5の実施形態は、基本的には、図8に示す第1の実施形態と同様に、シリコン基板100の輪郭を構成する正方形の4辺のうち、左辺に沿った帯状領域内にのみ、接合部材を配置し、他の3辺に沿った帯状領域には、接合部材を配置しない形態をとる。したがって、第1の実施形態と同様に、シリコン基板100は、その左端においてのみ、支持体200上に固定されることになるので、図12(b) の縦断面図に示されているとおり、「片持ち梁」による支持形態が採られる。
ただ、図8に示す第1の実施形態の場合、接合部材320が、帯状領域の長手方向(Y軸に平行な方向)に沿った連続領域となる線状投影像を形成するのに対して、図12に示す第5の実施形態の場合、接合部材351〜358は、帯状領域の長手方向(Y軸に平行な方向)に沿った配置線L上に、所定間隔をおいて並べられた複数8個の点状投影像を形成している。すなわち、図8の実施形態における細長い線状の接合部材320が、図12の実施形態では、8個の点状の接合部材351〜358に置き換えられているが、その基本的な作用効果は、両実施例で大差はない。
図12に示す実施形態で、8個の点状の接合部材351〜358を形成したのは、8個のボンディングパッドBの直下の位置に、それぞれ別個独立した接合部材が配置されるようにしたためである。すなわち、この図12に示す例においても、ボンディングパッドBの投影像が、接合部材351〜358の投影像に含まれるようになっているため、良好なワイヤボンディング工程を行うことができる。
要するに、これまで述べてきた第1〜第4の実施形態は、いずれも、接合部材投影像が、帯状領域の長手方向に沿った連続領域を形成する線状投影像を含んでいるが、この線状投影像を複数の点状投影像に置き換えることが可能である。別言すれば、この第5の実施形態の特徴は、接合部材投影像が、帯状領域の長手方向に沿った配置線上に所定間隔をおいて並べられた複数の点状投影像を含むようにする点にある。
<2−6 第6の実施形態>
図13に示す第6の実施形態は、図12に示す第5の実施形態において、シリコン基板100の接合時の状態を上下ひっくり返したものである。すなわち、図13(a) に示すシリコン基板100の構成は、図12(a) に示すシリコン基板100の構成と全く同じであり、接合部材351〜358の平面的な位置にも変わりはないが、図13(b) に示すとおり、この第6の実施形態では、シリコン基板100の向きを上下反転して支持体200の上面に接合することになる。
その結果、検出素子に対する配線を行うためのボンディングパッドBは、フレーム部130の下面に形成されることになり、このボンディングパッドBの下面と支持体200の上面との間に接合部材351〜358が接合される。図13(b) の縦断面図には、ボンディングパッドBの下面が、接合部材355を介して支持体200の上面に接合された状態が示されている。
このように、シリコン基板100の上下を反転させ、ボンディングパッドBが下方を向くような状態で接合する方式は、一般にフリップチップボンディングと呼ばれている。この場合、接合部材351〜358を、金属などの導電性をもった材料で構成しておけば、接合部材351〜358自身が各ボンディングパッドBに対する配線の一部を形成することになるので、ボンディングワイヤーを接続する工程を省略することができる。すなわち、この実施形態では、図13(a) に示すように、8個のボンディングパッドBと接合部材351〜358とがそれぞれ対応しているので、これら接合部材351〜358を導電性材料で構成しておけば、8個のボンディングパッドBのそれぞれに対する個別の配線として機能する。したがって、支持体200の上面側に、各接合部材351〜358への個別配線を形成しておけば、ボンディングワイヤーを用いる必要はなくなる。
このように、シリコン基板の上下を逆転させて接合するフリップチップボンディングの方式は、本願に記載したいずれの実施形態についても適用可能である。
<2−7 第7の実施形態>
図14は、シリコン基板100''を支持体200に接合して構成される本考案の第7の実施形態に係るセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。図14(a) のドットによるハッチング領域は、この実施形態における接合部材360の形成領域(接合部材投影像)を示している。
図1に示すシリコン基板100と図14に示すシリコン基板100''との違いは、ボンディングパッドの配置のみである。前者では、シリコン基板100の左辺のほぼ全域にわたって一列に合計8個のボンディングパッドBが配置されているのに対して、後者では、シリコン基板100''の左辺の中央付近に集中して、二列状態で合計8個の小さなボンディングパッドbが配置されている。その余の構成は、両者で全く同一である。
この第7の実施形態は、基本的には、図8に示す第1の実施形態と同様に、シリコン基板100''の輪郭を構成する正方形の4辺のうち、左辺に沿った帯状領域内にのみ、接合部材360を配置し、他の3辺に沿った帯状領域には、接合部材を配置しない形態をとる。したがって、第1の実施形態と同様に、シリコン基板100''は、その左端においてのみ、支持体200上に固定されることになるので、図14(b) の縦断面図に示されているとおり、「片持ち梁」による支持形態が採られる。
ただ、図8に示す第1の実施形態の場合、接合部材320が、帯状領域の長手方向(Y軸に平行な方向)に沿った連続領域に配置されているのに対して、図14に示す第7の実施形態の場合、接合部材360は、帯状領域の特定位置(この例では、X軸上の位置)に点在する形態をとる。すなわち、接合部材360の接合面積は、これまで述べてきた実施形態の中で最小になるため、支持体200側に生じた応力がシリコン基板100''側に伝達することを極めて効果的に抑制することができるようになる。もっとも、シリコン基板100''を支持体200上に支持する構成要素は、点在配置された接合部材360のみであるので、これまで述べてきた様々な実施形態に比べて、支持安定性は損なわれることになる。
なお、この図14に示すシリコン基板100''では、8個の小さなボンディングパッドbが局在配置されているため、やはりボンディングパッドbの投影像が、接合部材360の投影像に含まれるようになり、良好なワイヤボンディング工程を行うことができる。
<2−8 第8の実施形態>
図15は、シリコン基板400を支持体200に接合して構成される本考案の第8の実施形態に係るセンサの接合状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。図15(a) のドットによるハッチング領域は、この実施形態における接合部材370の形成領域(接合部材投影像)を示している。
この第8の実施形態は、これまで述べてきた第1〜第7の実施形態とは、若干、アプローチが異なっている。すなわち、シリコン基板400は、図示のとおり、本体部400A、中継部400B、台座部400Cによって構成されている。ここで、本体部400Aの基本構造は、これまで述べてきたシリコン基板100の基本構造と全く同じである(但し、本体部400Aには、ボンディングパッドBは配置されていない)。シリコン基板400は、いわば正方形状をしたシリコン基板100の左脇に、中継部400Bを介して台座部400Cを取り付けた構造を有している。
図15(a) の上面図に示されているとおり、中継部400Bはくびれた部分を構成しており、正方形状の本体部400Aは、このくびれを生じた中継部400Bを介して台座部400Cに接続されていることになる。ここで、中継部400Bおよび台座部400Cの役割は、これまで述べてきた実施形態におけるフレーム部と同じである。すなわち、正方形状の本体部400Aの外周部分(正方形の4辺に沿って伸びる帯状領域)は、重錘部110を取り囲むフレーム部を構成することになるが、中継部400Bおよび台座部400Cも、このフレーム部の一部分を構成することになる。
結局、この第8の実施形態では、フレーム部が、重錘部110を取り囲む本体フレーム部(正方形状の本体部400Aの「ロ」の字状の外周部分)と、この本体フレーム部の脇に配置された台座部400Cと、本体フレーム部と台座部400Cとを接続する中継部400Bと、によって構成される変則的な形状を有していることになる。しかも、このフレーム部のXY平面への正射影投影像は、中継部400Bにおいてくびれを生じる形状をなしている。より具体的には、図15(a) に示すとおり、フレーム部のXY平面への正射影投影像は外接矩形を有しており、この外接矩形の左側の端部近傍にY軸に平行な分割線Dを定義し、この分割線Dに沿って上下両方向からスリットS1,S2を形成することにより、分割線DとX軸との交点近傍に中継部400Bが形成されるような構造になっている。
この第8の実施形態では、接合部材370は、台座部400Cの下面に形成される。すなわち、図15(a) の上面図に示すとおり、接合部材370の投影像は、台座部400Cの投影像内にのみ配置されており、本体部400Aに対しては、直接的には支持体200に対する接合は行われていない。結局、図15(b) の縦断面図を見れば明らかなように、本体部400Aは、接合部材370、台座部400C、中継部400Bを介して、「片持ち梁」形式で支持体200上に支持されることになる。したがって、支持体200側に生じた応力は、接合部材370、台座部400C、中継部400Bを介してのみ、本体部400Aに伝達されることになり、本体部400Aへの応力伝達を効率的に抑制できる。
この図15に示す例においても、ボンディングパッドBの投影像が、接合部材370の投影像に含まれるようになっているため、良好なワイヤボンディング工程を行うことができる。なお、各ボンディングパッドBと各検出素子(ピエゾ抵抗素子)との間の配線は、中継部400Bを介して行われる。
図16は、図15に示す実施形態を変形し、左右両側に台座部を設けた参考例である。すなわち、この参考例では、シリコン基板500が支持体200に接合された構造体が形成される。図16(a) はその上面図、図16(b) はその縦断面図である。図16(a) のドットによるハッチング領域は、この参考例における接合部材381,382の形成領域(接合部材投影像)を示している。
シリコン基板500は、図示のとおり、本体部500A、左側中継部500B、左側台座部500C、右側中継部500D、右側台座部500Eによって構成されている。ここで、本体部500Aの基本構造は、これまで述べてきたシリコン基板100の基本構造と全く同じである(但し、本体部500Aには、ボンディングパッドBは配置されていない)。シリコン基板500は、いわば正方形状をしたシリコン基板100の両脇に、左右の中継部500B,500Dを介して左右の台座部500C,500Eを取り付けた構造を有している。
ここで、接合部材381,382は、それぞれ台座部500C,500Eの下面に形成される。すなわち、図16(a) の上面図に示すとおり、接合部材381の投影像は、台座部500Cの投影像内にのみ配置されており、また、接合部材382の投影像は、台座部500Eの投影像内にのみ配置されており、本体部500Aに対しては、直接的には支持体200に対する接合は行われていない。結局、図16(b) の縦断面図を見れば明らかなように、本体部500Aは、左側からは、接合部材381、台座部500C、中継部500Bを介して支持体200上に支持され、右側からは、接合部材382、台座部500E、中継部500Dを介して支持体200上に支持される。
この参考例における接合部材の平面配置は、図16(a) に示すとおり、X軸およびY軸の双方に関して対称性を有しているため、本考案の基本的な技術思想からは逸脱するものの、本体部500Aは、左右の中継部500B,500Dを介してのみ支持体200上に支持された構造になるため、図7に示す従来のセンサに比べれば、支持体200側に生じた応力が本体部500Aに伝達されることを抑制させる効果が得られる。
この図16に示す例においても、ボンディングパッドBの投影像が、接合部材381,382の投影像に含まれるようになっているため、良好なワイヤボンディング工程を行うことができる。なお、各ボンディングパッドBと各検出素子(ピエゾ抵抗素子)との間の配線は、中継部500B,500Dを介して行われる。
<2−9 3軸センサにおける留意点>
§1で述べたとおり、これまで述べてきた実施形態に係るセンサは、3軸型の加速度センサであり、X軸方向の加速度αx,Y軸方向の加速度αy,Z軸方向の加速度αzをそれぞれ独立して検出することが可能である。その構造は、図1に示すとおり、4本の可撓部121〜124に、合計12組のピエゾ抵抗素子を配置するという特徴を有している。
すなわち、このセンサは、内側端が重錘部(中央部115)に接続され、外側端がフレーム部130に接続された4本のビーム状の可撓部121〜124を有し、これら4本のビーム状の可撓部121〜124をXY平面に正射影投影した場合に、第1の可撓部121の投影像はX軸正領域に位置し、第2の可撓部122の投影像はX軸負領域に位置し、第3の可撓部123の投影像はY軸正領域に位置し、第4の可撓部124の投影像はY軸負領域に位置している。
また、検出素子は、第1の可撓部121の外側に配置されたピエゾ抵抗素子Rx1と、第1の可撓部121の内側に配置されたピエゾ抵抗素子Rx2と、第2の可撓部122の内側に配置されたピエゾ抵抗素子Rx3と、第2の可撓部122の外側に配置されたピエゾ抵抗素子Rx4と、第3の可撓部123の外側に配置されたピエゾ抵抗素子Ry1と、第3の可撓部123の内側に配置されたピエゾ抵抗素子Ry2と、第4の可撓部124の内側に配置されたピエゾ抵抗素子Ry3と、第4の可撓部124の外側に配置されたピエゾ抵抗素子Ry4と、第3の可撓部123の外側に配置されたピエゾ抵抗素子Rz1と、前記第3の可撓部の内側に配置されたピエゾ抵抗素子Rz2と、第4の可撓部124の内側に配置されたピエゾ抵抗素子Rz3と、第4の可撓部124の外側に配置されたピエゾ抵抗素子Rz4と、によって構成されている。
図示のとおり、これら各ピエゾ抵抗素子Rx1〜Rx4,Ry1〜Ry4,Rz1〜Rz4は、その長手方向が、X軸もしくはY軸に沿った方向を向くように配置されており、長手方向の両端間に電気抵抗を有する抵抗素子として機能する。そして、これら12組のピエゾ抵抗素子を用いて、図6に示すようなブリッジ回路を組むことにより、3軸方向の加速度αx,αy,αzをそれぞれ独立して検出することが可能になる。すなわち、素子Rx1,Rx2,Rx3,Rx4によって重錘部110に作用した外力のX軸方向成分を検出し、素子Ry1,Ry2,Ry3,Ry4によって重錘部110に作用した外力のY軸方向成分を検出し、素子Rz1,Rz2,Rz3,Rz4によって重錘部110に作用した外力のZ軸方向成分を検出することができる。
このような構成をもった3軸型のセンサにおいて、検出機能に最も悪影響を与えるおそれがある応力の向きを考えてみよう。ここで、シリコン基板100の下面を支持体200に接合することを考えると、Z軸方向の応力に関しては無視して問題ない。そこで、図1に示すシリコン基板100に、X軸方向の応力が加わった場合と、Y軸方向の応力が加わった場合とについて、いずれの場合に検出結果により悪影響が生じるかを検討してみる。
まず、X軸方向の応力が作用した場合を考えると、X軸に沿って配置された素子Rx1〜Rx4は長手方向に伸縮を生じることになるので、これらの素子の抵抗値は影響を受けて変動する。これに対して、Y軸に沿って配置された素子Ry1〜Ry4,Rz1〜Rz4については長手方向への伸縮は生じないので、これらの素子の抵抗値は影響を受けない。
ここで、図6の検出回路を参照すると、素子Rx1〜Rx4は、図6(a) に示すとおり、X軸方向の加速度αxを検出するブリッジ回路で利用されるが、電源が電流源のとき、素子Rx1,Rx3の抵抗値の積と、素子Rx2,Rx4の抵抗値の積と、の差分によって検出値が求まるので、各素子が長手方向に伸縮したとしても、外側に配置された素子Rx1,Rx4の抵抗値の変動が等しく、内側に配置された素子Rx2,Rx3の抵抗値の変動が等しくなるため(幾何学的配置条件が同じ素子では、変動も等しくなる)、全体的には変動分は相殺され、検出値には影響は現れない。
一方、Y軸方向の応力が作用した場合を考えると、Y軸に沿って配置された素子Ry1〜Ry4,Rz1〜Rz4は長手方向に伸縮を生じることになるので、これらの素子の抵抗値は影響を受けて変動する。これに対して、X軸に沿って配置された素子Rx1〜Rx4については長手方向への伸縮は生じないので、これらの素子の抵抗値は影響を受けない。
ここで、図6の検出回路を参照すると、素子Ry1〜Ry4は、図6(b) に示すとおり、Y軸方向の加速度αyを検出するブリッジ回路で利用されるが、素子Ry1,Ry3の抵抗値の積と、素子Ry2,Ry4の抵抗値の積と、の差分によって検出値が求まるので、各素子が長手方向に伸縮したとしても、外側に配置された素子Ry1,Ry4の抵抗値の変動が等しく、内側に配置された素子Ry2,Ry3の抵抗値の変動が等しくなるため(幾何学的配置条件が同じ素子では、変動も等しくなる)、全体的には変動分は相殺され、検出値には影響は現れない。
ところが、素子Rz1〜Rz4は、図6(c) に示すとおり、Z軸方向の加速度αzを検出するブリッジ回路で利用されるが、素子Rz1,Rz4の抵抗値の積と、素子Rz2,Rz3の抵抗値の積と、の差分によって検出値が求まるので、各素子が長手方向に伸縮すると、たとえ外側に配置された素子Rz1,Rz4の抵抗値の変動が等しく、内側に配置された素子Rz2,Rz3の抵抗値の変動が等しくなったとしても、全体的には変動分は相殺されずに検出値に影響が生じることになる。
要するに、図6に示す検出回路を採用した場合、Y軸に沿って配置された素子Rz1〜Rz4がY軸方向(長手方向)への応力の影響を受けると、検出値に悪影響が生じることになる。このような点に鑑みると、§1で述べた3軸型のセンサに本考案を適用するにあたっては、X軸方向の応力伝達を阻止するよりも、Y軸方向の応力伝達を阻止することを優先した方が好ましいことがわかる。
もちろん、理想上は、X軸方向の応力伝達とY軸方向の応力伝達との双方を効率的に阻止するのが好ましいが、応力伝達を阻止するため構成(接合部材の配置)をとればとるほど、シリコン基板100の支持体200に対する支持が不十分にならざるを得ない。したがって、シリコン基板100をある程度十分に支持しつつ、検出精度の低下につながる応力伝達をできるだけ阻止するためには、X軸方向の応力伝達阻止よりも、Y軸方向の応力伝達阻止に重点をおくのが好ましい。
具体的には、接合部材投影像が、X軸に関しては正領域および負領域の双方に配置されているが、Y軸に関しては正領域および負領域のいずれか一方のみに配置されている構成(たとえば、図11に示す構成)を採るか、接合部材投影像が、X軸に関しては正領域および負領域の双方に配置されているが、Y軸上には全く配置されていないような構成(たとえば、図9に示す構成)を採ると、シリコン基板100をある程度十分に支持しつつ、検出精度の低下につながる応力伝達をできるだけ阻止することが可能になる。
なお、上記理論に従えば、前述した第1の実施形態(矩形の1辺に沿った1本の帯状領域内にのみ接合部材を形成し、「片持ち梁」形式でシリコン基板を支持する実施形態)において、図8に示すように左辺(もしくは右辺)に沿って接合部材320を配置するよりも、上辺もしくは下辺に沿って接合部材を配置する方が、Z軸方向の加速度αzを正確に検出する上では有利である。§2−1では、図8に示す第1の実施形態の場合、支持体200側に生じたX軸方向に関する応力がシリコン基板100側に伝達されるのを阻止できる利点を述べた。しかしながら、支持体200側に生じたY軸方向に関する応力については、Y軸方向に細長い接合部材320を介して、シリコン基板100の左辺に伝達されることになる。
これに対して、接合部材を下辺に沿って配置する構成を採れば、すなわち、図11(a) に示す構成から、接合部材341,342を除去し、下辺に沿って配置された接合部材340のみを残す構成を採れば、支持体200側に生じたX軸方向に関する応力については、X軸方向に細長い接合部材340を介して、シリコン基板100′の下辺に伝達されることになるが、Y軸方向に関する応力については、シリコン基板100′側に伝達されるのを阻止することができる。上記理論に従えば、Z軸方向の加速度αzを正確に検出する上では、X軸方向の応力伝達を阻止するよりも、Y軸方向の応力伝達を阻止することを優先した方が好ましいので、このような観点では、第1の実施形態を採る場合、X軸(すなわち、Z軸方向の加速度αzの検出に利用されるピエゾ抵抗素子Rz1〜Rz4が配置された軸に直交する軸)に平行な1辺に沿って、細長い接合部材を配置するのが好ましいことになる。
<<< §3.圧電素子を用いた角速度センサの実施形態 >>>
これまで述べてきた実施形態は、いずれも検出素子として、可撓部に形成されたピエゾ抵抗素子を用い、このピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化に基づいて、可撓部の撓みを電気的に検出するタイプのセンサであったが、検出素子としては、必ずしもピエゾ抵抗素子を用いる必要はなく、可撓部の撓みを電気的に検出することができる素子であれば、どのような素子を検出素子として用いてもかまわない。たとえば、検出素子として、可撓部に固着された圧電素子を用い、この圧電素子に生成される電荷に基づいて、可撓部の撓みを電気的に検出するようにしてもかまわない。
また、これまで述べてきた実施形態は、いずれも加速度に基づいて重錘部に作用する外力を検出することにより、作用した加速度を検出する機能を有する加速度センサの例であったが、本考案は、外力の作用を検出するセンサに広く適用可能である。たとえば、これまで述べてきた実施形態の構成に加えて、更に、電気信号を供給することにより可撓部に撓みを生じさせ、重錘部を所定方向に振動させる励振素子を設けるようにし、重錘部が振動状態において、角速度に基づいて重錘部にコリオリ力として作用する外力を検出するようにすれば、作用した角速度を検出する機能を有する角速度センサを実現することができる。
そこで、以下、圧電素子を検出素子として用いた角速度センサに本考案を適用した例を述べる。図17は、このような角速度センサの本体部を構成するシリコン基板600を支持体200に接合した状態を示す上面図(a) および縦断面図(b) である。また、図18は、シリコン基板600の下面図である。
シリコン基板600は、これまで述べてきた実施形態と同様に、上下両面がXY平面に平行な面をなす正方形状の基板であり、その下面には、図18に示すように、円形の環状溝部Gが設けられている。図17(a) に破線で示す内側の円は、この環状溝部Gの内側壁の位置を示しており、破線で示す外側の円は、この環状溝部Gの外側壁の位置を示している。図17(b) の縦断面図および図18の下面図に示されているとおり、シリコン基板600の中心に位置する重錘部610は、周囲を環状溝部Gに囲まれた円柱状の構造体であり、その中心に座標系の原点Oが定義されている。一方、環状溝部Gの上部には、肉厚が薄くなったために可撓性をもったワッシャー状の可撓部620が形成され、このワッシャー状の可撓部620の外周は、更にその外側に配置されたフレーム部630によって支持されている。
結局、シリコン基板600は、重錘部610と、その周囲を取り囲むフレーム部630と、重錘部610とフレーム部630とを接続する可撓性をもった可撓部620と、を有しており、その基本構造は、これまで述べてきた様々な実施形態と共通している。
ただ、この実施形態では、可撓部620の撓みを電気的に検出する検出素子として、圧電素子が利用されている。すなわち、図17(b) に示されているとおり、シリコン基板600の上面全面には、共通電極E0(たとえば、金属層)が形成され、その上面全面には圧電素子640(たとえば、板状のPZT:チタン酸ジルコニウム酸鉛)が形成され、更にその上面の所定箇所には、複数の電極とボンディングパッドBが形成されている。
圧電素子640上に形成された個々の電極の形状および配置は、図17(a) の上面図に示すとおりである。なお、この図17(a) におけるドットによるハッチングは接合部材390の平面的な形状パターンを示すためのものであり、斜線によるハッチングは、各電極の平面的な形状パターンを示すためのものである。
ここで、4枚の電極F1,F2,F3,F4は、それぞれX軸正領域,X軸負領域,Y軸正領域,Y軸負領域に配置された励振用電極である。一方、X軸の正および負領域に配置された電極Ex1,Ex2は、重錘部610に作用した力のX軸方向成分Fxを検出するための検出用電極であり、Y軸の正および負領域に配置された電極Ey1,Ey2は、重錘部610に作用した力のY軸方向成分Fyを検出するための検出用電極である。また、重錘部610の近傍に配置された4枚の電極Ez1〜Ez4は、重錘部610に作用した力のZ軸方向成分Fzを検出するための検出用電極である。
各励振用電極F1〜F4は、いずれも圧電素子640の各部を挟んで共通電極E0に対向する電極である。したがって、たとえば共通電極E0を接地電位に維持し、各励振用電極F1〜F4に正もしくは負の電圧を印加すれば、両者に挟まれた圧電素子640の各部(励振素子)が伸縮し可撓部620に特定の撓みを生じさせることができる。この性質を利用して、各励振用電極F1〜F4に所定の交流駆動信号を与えれば、重錘部610を所定方向に振動させることができる。
一方、重錘部610を所定方向に振動させた状態において、シリコン基板600に所定軸まわりの角速度が作用すると、重錘部610には、所定軸方向へのコリオリ力が作用し、可撓部620が撓み、重錘部610がコリオリ力の作用した方向に変位する。この重錘部610の変位は、各検出用電極Ex1,Ex2,Ey1,Ey2,Ez1〜Ez4と共通電極E0との間に生じる電圧によって検出することができる。
具体的には、共通電極E0を接地しておけば、X軸方向への変位は検出用電極Ex1,Ex2に生じる電圧の差によって求めることができ、Y軸方向への変位は検出用電極Ey1,Ey2に生じる電圧の差によって求めることができ、Z軸方向への変位は検出用電極Ez1〜Ez4に生じる電圧の総和によって求めることができる。したがって、各検出用電極Ex1,Ex2,Ey1,Ey2,Ez1〜Ez4を用いて、図19に示すような検出回路を用意すれば、演算器710の差分出力はX軸方向変位検出信号Sxとなり、演算器720の差分出力はY軸方向変位検出信号Syとなり、演算器730の総和出力はZ軸方向変位検出信号Szとなる。
これらの検出信号Sx,Sy,Szは、瞬時のコリオリ力を示す信号になるので、重錘部610の振動方向を考慮することにより、シリコン基板600に作用した3軸まわりの角速度ωx,ωy,ωzを検出することができる。また、検出信号Sx,Sy,Szには、重錘部610に作用した3軸方向の加速度αx,αy,αzを示す信号成分も含まれるので、検出信号Sx,Sy,Szに含まれる信号をその周波数成分に基づいて分離すれば、3軸まわりの角速度ωx,ωy,ωzと3軸方向の加速度αx,αy,αzを検出する機能をもった6軸型モーションセンサーを実現することも可能になる。
このような角速度の検出方法や、角速度と加速度との同時検出の方法は、たとえば、前掲の特許文献3,4等に開示されている公知の技術であるため、ここでは詳しい説明は省略する。
本考案の特徴は、このようなセンサを構成するために、シリコン基板600を支持体200(センサのパッケージの一部もしくはセンサのパッケージに固定された部材)に接合する方法にある。すなわち、本考案では、フレーム部630の下面と支持体200の上面との間に接合部材(ダイボンド剤)を設けて両者を接合することになるが、フレーム部630の下面に対する接合部材の接合領域をXY平面に正射影投影して得られる接合部材投影像が、X軸およびY軸のうちの少なくとも一方に関して非対称をなすように配置する。
図17に示す例の場合、§2−1で述べた第1の実施形態(図8)と同様に、シリコン基板600は、その左端においてのみ、支持体200上に固定されることになるので、図17(b) の縦断面図に示されているとおり、いわゆる「片持ち梁」による支持形態が採られる。このような接合方法を採れば、支持体200側(パッケージ側)に生じた応力が、シリコン基板600側に伝達されることを阻止することが可能になる点は、既に述べたとおりである。また、図17(a) に示すとおり、ボンディングパッドBの投影像が、接合部材390の投影像に含まれるようになっているため、良好なワイヤボンディング工程を行うことができる。
もちろん、この圧電素子を用いて角速度の検出を行う機能をもったシリコン基板600の接合方法は、図17に示す例(§2−1で述べた第1の実施形態に対応する例)に限定されるものではなく、その他の実施形態で述べた接合方法を適用することも可能である。
100,100′,100'':シリコン基板
110:重錘部
111〜114:翼状部(重錘部の一部)
115:中央部(重錘部の一部)
120,121〜124:可撓部
130:フレーム部
200:支持体
310:接合部材(ダイボンド剤)/接合部材投影像
320,325:接合部材(ダイボンド剤)/接合部材投影像
330:接合部材(ダイボンド剤)/接合部材投影像
340,341,342:接合部材(ダイボンド剤)/接合部材投影像
351〜358:接合部材(ダイボンド剤)/接合部材投影像
360:接合部材(ダイボンド剤)/接合部材投影像
370:接合部材(ダイボンド剤)/接合部材投影像
381,382:接合部材(ダイボンド剤)/接合部材投影像
390:接合部材(ダイボンド剤)/接合部材投影像
400:シリコン基板
400A:本体部
400B:中継部
400C:台座部
500:シリコン基板
500A:本体部
500B:左側中継部
500C:左側台座部
500D:右側中継部
500E:右側台座部
600:シリコン基板
610:重錘部
620:可撓部
630:フレーム部
640:板状圧電素子
710〜730:演算器
B,b:ボンディングパッド
D:分割線
E0:共通電極
Ex1,Ex2:検出用電極(外力のX軸方向成分Fx検出用)
Ey1,Ey2:検出用電極(外力のY軸方向成分Fy検出用)
Ez1〜Ez4:検出用電極(外力のZ軸方向成分Fz検出用)
F1〜F4:励振用電極
Fx:外力のX軸方向成分
Fy:外力のY軸方向成分
Fz:外力のZ軸方向成分
G:環状溝部
L:配置線
O:座標系の原点
Rx1〜Rx4:ピエゾ抵抗素子(外力のX軸方向成分Fx検出用)
Ry1〜Ry4:ピエゾ抵抗素子(外力のY軸方向成分Fy検出用)
Rz1〜Rz4:ピエゾ抵抗素子(外力のZ軸方向成分Fz検出用)
S1,S2:スリット
Sx:X軸方向変位検出信号
Sy:Y軸方向変位検出信号
Sz:Z軸方向変位検出信号
Vx,Vy,Vz:電位差計
X:XYZ三次元座標系の座標軸
Y:XYZ三次元座標系の座標軸
Z:XYZ三次元座標系の座標軸

Claims (19)

  1. 重錘部と、その周囲を取り囲むフレーム部と、前記重錘部と前記フレーム部とを接続する可撓性をもった可撓部と、を有するシリコン基板と、
    前記可撓部の撓みを電気的に検出する検出素子と、
    前記シリコン基板を支持するための支持体と、
    前記フレーム部の下面と前記支持体の上面とを接合する接合部材と、
    を備え、前記重錘部に作用した外力に起因して生じる前記可撓部の撓みを、前記検出素子により電気的に検出することにより、前記外力の所定方向成分を検出するセンサにおいて、
    前記重錘部の内部に原点OをもつXYZ三次元座標系を定義したときに、前記シリコン基板の上面および下面は、XY平面に平行な面をなし、前記フレーム部の下面に対する前記接合部材の接合領域をXY平面に正射影投影して得られる接合部材投影像が、X軸およびY軸のうちの少なくとも一方に関して非対称をなすように配置されていることを特徴とする外力の作用を検出するセンサ。
  2. 請求項1に記載のセンサにおいて、
    シリコン基板のXY平面への投影像の輪郭が矩形をなし、フレーム部の投影像が前記矩形の4辺に沿った4本の帯状領域からなる「ロ」の字状領域を構成し、接合部材投影像が前記「ロ」の字状領域内に配置されていることを特徴とする外力の作用を検出するセンサ。
  3. 請求項2に記載のセンサにおいて、
    接合部材投影像が、矩形の1辺に沿った1本の帯状領域内にのみ配置されていることを特徴とする外力の作用を検出するセンサ。
  4. 請求項2に記載のセンサにおいて、
    接合部材投影像が、矩形の直交する2辺に沿った2本の帯状領域のそれぞれに、かつ、当該2本の帯状領域内にのみ配置されていることを特徴とする外力の作用を検出するセンサ。
  5. 請求項2に記載のセンサにおいて、
    接合部材投影像が、矩形の対向する2辺に沿った2本の帯状領域のそれぞれに、かつ、当該2本の帯状領域内にのみ配置されており、一方の帯状領域内に配置されている接合部材投影像と他方の帯状領域内に配置されている接合部材投影像とが異なる形状を有することを特徴とする外力の作用を検出するセンサ。
  6. 請求項5に記載のセンサにおいて、
    一方の帯状領域内に配置されている接合部材投影像は帯状領域の長手方向全域に分布し、他方の帯状領域内に配置されている接合部材投影像は帯状領域の特定位置にのみ点在することを特徴とする外力の作用を検出するセンサ。
  7. 請求項2に記載のセンサにおいて、
    接合部材投影像が、矩形の3辺に沿った3本の帯状領域のそれぞれに、かつ、当該3本の帯状領域内にのみ配置されていることを特徴とする外力の作用を検出するセンサ。
  8. 請求項7に記載のセンサにおいて、
    接合部材投影像が配置されている3本の帯状領域のうち、矩形の対向する2辺に沿った2本の帯状領域に配置されている接合部材投影像は、帯状領域の特定位置にのみ点在し、残りの1本の帯状領域に配置されている接合部材投影像は、帯状領域の長手方向全域に分布することを特徴とする外力の作用を検出するセンサ。
  9. 請求項2〜8のいずれかに記載のセンサにおいて、
    接合部材投影像が、帯状領域の長手方向に沿った連続領域を形成する線状投影像を含むことを特徴とする外力の作用を検出するセンサ。
  10. 請求項2〜8のいずれかに記載のセンサにおいて、
    接合部材投影像が、帯状領域の長手方向に沿った配置線上に所定間隔をおいて並べられた複数の点状投影像を含むことを特徴とする外力の作用を検出するセンサ。
  11. 請求項1に記載のセンサにおいて、
    検出素子が、可撓部に形成されたピエゾ抵抗素子を有し、このピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化に基づいて、前記可撓部の撓みを電気的に検出することを特徴とする外力の作用を検出するセンサ。
  12. 請求項11に記載のセンサにおいて、
    内側端が重錘部に接続され、外側端がフレーム部に接続された4本のビーム状の可撓部を有し、これら4本のビーム状の可撓部をXY平面に正射影投影した場合に、第1の可撓部の投影像はX軸正領域に位置し、第2の可撓部の投影像はX軸負領域に位置し、第3の可撓部の投影像はY軸正領域に位置し、第4の可撓部の投影像はY軸負領域に位置し、
    検出素子が、前記第1の可撓部の外側に配置されたピエゾ抵抗素子Rx1と、前記第1の可撓部の内側に配置されたピエゾ抵抗素子Rx2と、前記第2の可撓部の内側に配置されたピエゾ抵抗素子Rx3と、前記第2の可撓部の外側に配置されたピエゾ抵抗素子Rx4と、前記第3の可撓部の外側に配置されたピエゾ抵抗素子Ry1と、前記第3の可撓部の内側に配置されたピエゾ抵抗素子Ry2と、前記第4の可撓部の内側に配置されたピエゾ抵抗素子Ry3と、前記第4の可撓部の外側に配置されたピエゾ抵抗素子Ry4と、前記第3の可撓部の外側に配置されたピエゾ抵抗素子Rz1と、前記第3の可撓部の内側に配置されたピエゾ抵抗素子Rz2と、前記第4の可撓部の内側に配置されたピエゾ抵抗素子Rz3と、前記第4の可撓部の外側に配置されたピエゾ抵抗素子Rz4と、を有し、前記素子Rx1,Rx2,Rx3,Rx4によって重錘部に作用した外力のX軸方向成分を検出し、前記素子Ry1,Ry2,Ry3,Ry4によって重錘部に作用した外力のY軸方向成分を検出し、前記素子Rz1,Rz2,Rz3,Rz4によって重錘部に作用した外力のZ軸方向成分を検出し、
    接合部材投影像が、X軸に関しては正領域および負領域の双方に配置されているが、Y軸に関しては正領域および負領域のいずれか一方のみに配置されているか、もしくは、Y軸上には全く配置されていないことを特徴とする外力の作用を検出するセンサ。
  13. 請求項1に記載のセンサにおいて、
    検出素子が、可撓部に固着された圧電素子を有し、この圧電素子に生成される電荷に基づいて、前記可撓部の撓みを電気的に検出することを特徴とする外力の作用を検出するセンサ。
  14. 請求項1に記載のセンサにおいて、
    フレーム部が、重錘部を取り囲む本体フレーム部と、この本体フレーム部の脇に配置された台座部と、前記本体フレーム部と前記台座部とを接続する中継部と、を有し、前記フレーム部のXY平面への正射影投影像が、前記中継部においてくびれを生じる形状をなし、接合部材投影像が、前記台座部の投影像内にのみ配置されていることを特徴とする外力の作用を検出するセンサ。
  15. 請求項14に記載のセンサにおいて、
    フレーム部のXY平面への正射影投影像が外接矩形を有し、前記外接矩形の端部近傍にY軸に平行な分割線を定義し、この分割線に沿ってスリットを形成することにより前記分割線とX軸との交点近傍に中継部が形成されるようにしたことを特徴とする外力の作用を検出するセンサ。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載のセンサにおいて、
    フレーム部の上面もしくは下面に、検出素子に対する配線を行うためのボンディングパッドが形成されており、このボンディングパッドをXY平面に正射影投影して得られるボンディングパッド投影像が接合部材投影像に含まれることを特徴とする外力の作用を検出するセンサ。
  17. 請求項16に記載のセンサにおいて、
    フレーム部の下面に、検出素子に対する配線を行うためのボンディングパッドが形成されており、前記ボンディングパッドの下面と支持体の上面との間に導電性をもった接合部材が接合され、前記接合部材が前記ボンディングパッドに対する配線の一部を形成することを特徴とする外力の作用を検出するセンサ。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載のセンサにおいて、
    加速度に基づいて重錘部に作用する外力を検出することにより、作用した加速度を検出する機能を有する加速度センサ。
  19. 請求項1〜17のいずれかに記載のセンサにおいて、
    電気信号を供給することにより可撓部に撓みを生じさせ、重錘部を所定方向に振動させる励振素子を更に備え、
    重錘部が振動状態において、角速度に基づいて重錘部にコリオリ力として作用する外力を検出することにより、作用した角速度を検出する機能を有する角速度センサ。
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