JP3265641B2 - 半導体加速度センサ - Google Patents

半導体加速度センサ

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JP3265641B2
JP3265641B2 JP25703692A JP25703692A JP3265641B2 JP 3265641 B2 JP3265641 B2 JP 3265641B2 JP 25703692 A JP25703692 A JP 25703692A JP 25703692 A JP25703692 A JP 25703692A JP 3265641 B2 JP3265641 B2 JP 3265641B2
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    • G01P15/02Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses
    • G01P15/08Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values
    • G01P2015/0805Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration
    • G01P2015/0822Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining out-of-plane movement of the mass
    • G01P2015/084Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining out-of-plane movement of the mass the mass being suspended at more than one of its sides, e.g. membrane-type suspension, so as to permit multi-axis movement of the mass

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体加速度センサーに
関するものであり、3軸方向の加速度を高感度に検出す
る用途に利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】図21は従来の半導体加速度センサ(特
開昭63−169078号)の平面図であり、図22は
そのA−A’線についての断面図である。図中、11〜
14は歪みゲージ群であり、それぞれブリッジを構成す
る。15は重り部となる中央厚肉部、16は支持枠とな
る周辺厚肉部、17は貫通孔、18〜21はビームとな
る薄肉支持部である。この従来例では、ビーム厚が加工
限界、ビーム巾がピエゾ抵抗を配置する最小巾と仮定す
ると、高感度化するためには、重り部となる中央厚肉部
15を大きくするか、ビーム有効長を長くするしかな
い。したがって、半導体チップ体積が大きくなり、コス
ト増大を招来する。また、同一チップ面積では、高感度
化が図れない。逆に言えば、同一感度を維持しながら、
小型化を図れないという問題があった。つまり、一定の
半導体チップ体積内で感度を大きくしようとして、例え
ば重り部の体積を大きくすると、ビーム部の長さを短く
せざるを得ないので、効果が薄い。同様にビーム部を長
くしようとすると、重り部の体積が小さくなってしま
う。このように一定チップ体積内で感度を大きくするの
が難しい。さらに、3軸加速度を検出するには、X方向
加速度は歪みゲージ12、14のブリッジ出力の差、Y
方向加速度は歪みゲージ11、13のブリッジ出力の差
を検出し、Z方向加速度は歪みゲージ11〜14のブリ
ッジ出力の和又は平均を検出するという方式を採用して
いるため、処理回路が複雑で高価になるという欠点を有
する。
【0003】図23は他の従来例(特開昭63−266
358号)の平面図、図24はその断面図である。図
中、22はシリコン単結晶基板、23はボンディングパ
ッド、24はボンディングワイヤ、25は電極、26は
起歪体、27はフランジ部、28は可撓部、29は突出
部、30は取付孔、31は配線孔、32は重り部、33
は保護カバーである。この従来例では、高感度化するた
めに、わざわざ重り部32を突出部29に取り付けてい
る構造であり、これでは、重り部32の部品が1つ必要
となるばかりか、製造プロセスが極めて複雑であり、実
現性に乏しい。また、3軸加速度の検出方式に関して
は、ピエゾ抵抗X1〜X4、Y1〜Y4、Z1〜Z4が
それぞれブリッジ構成され、X、Y、Z方向の加速度を
検出する方式を採っているが、Z1〜Z4がX軸に対し
て完全対称の配置でないため、Y軸方向の加速度が加わ
ったときに、実際にはZ1〜Z4は僅かではあるが抵抗
値が変化し、Z軸の加速度を検出するべく構成されたブ
リッジのバランスが崩れて、出力が生じる。つまり、
X、Y、Z軸の加速度を完全に分離できず、他軸感度を
持つという問題がある。
【0004】図25は別の従来例(特開平3−2000
38号)の断面図である。これは、図23及び図24に
示した従来例に自己診断機能を持たせたものであり、図
中、33は半導体ペレット、34,35は台座、36は
ボンディングワイヤ、37,38は制御部材、39は重
り部である。また、E1,E2,E3,E4,E5,E
8は電極層である。この従来例では、電極間に電圧を印
加して静電力を発生させ、あたかも加速度が加わったか
のように動作させる構造であるが、X、Y、Z方向の各
ベクトル成分を持つ3軸加速度を発生させるために、重
り部のXY、YZ、ZX面に平行な面の各部に電極を形
成している。これでは電極数が多く、製造プロセスが困
難であり、電極に電圧を印加するためのワイヤの引き出
しも不可能に近い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のような
点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、3軸加速度を独立して検出可能な半導体加速度セン
サを提供すると共に、自己診断駆動機能付きの3軸加速
度を検出可能な半導体加速度センサを提供することにあ
る。また、本発明の他の目的は、小型で高感度の半導体
加速度センサを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にあっては、上記
の課題を解決するために、図1に示すように、重り部1
と、重り部1と連動する撓み部2と、撓み部2を支持固
定する支持部3とを半導体基板を加工して形成され、前
記撓み部2にピエゾ抵抗4を形成され、印加された加速
度に比例した電圧をピエゾ抵抗4を含むブリッジ回路の
出力として取り出す半導体加速度センサにおいて、前記
ピエゾ抵抗4は、図6に示すように、第1の方向Xの加
速度を検出するための第1乃至第4のピエゾ抵抗R
1 ,Rx2,Rx3 ,Rx4 と、第1の方向Xと直交
する第2の方向Yの加速度を検出するための第5乃至第
8のピエゾ抵抗Ry1 ,Ry2 ,Ry3 ,Ry4 と、第
1及び第2の方向X,Yと直交する第3の方向Zの加速
度を検出するための第9乃至第12のピエゾ抵抗R
1 ,Rz2 ,Rz3 ,Rz4 とから成り、各方向の加
速度を検出するための4つのピエゾ抵抗は、それぞれ図
7に示すようにブリッジ回路を構成するように接続し、
各ブリッジ回路の出力に他方向の加速度の成分が現れな
いように配置しまた、図14に示すように、前記重り
部1の一面とほぼ平行に自己診断駆動用の静電力を発生
させるための電極Eを備え、前記電極Eの幾何学的中心
を通る垂線は、前記重り部1の一面の幾何学的中心を通
る垂線と一致せず、且つ、前記電極Eへの電圧印加時に
3つのブリッジ回路の出力にそれぞれ第1、第2および
第3の方向の加速度の成分が同時に現れるように配置
たことを特徴とするものである。
【0007】なお、重り部1と撓み部2の間に切り込み
溝を形成したり、前記撓み部2を部分的に切り欠いてビ
ーム状とすれば、より高感度化が可能である。また、ビ
ームは図19に示すように、卍状とすれば、さらに高感
度化することができる
【0008】
【作用】本発明ではピエゾ抵抗4を図6、図10〜図
12に示すように配置することにより、複雑な処理回路
を用いることなく、X、Y、Zの各軸方向の加速度を独
立して検出することができる。さらに、図14に示すよ
うに、自己診断駆動用の電極Eと重り部1の幾何学的中
心をずらすことにより、簡単な構成で疑似的に3次元的
な力を重り部1に加えることができ、3軸加速度センサ
の自己診断機能を実現できる。また、図1に示すよう
に、重り部1と撓み部2の間に、切り込み溝を設けるこ
とにより、限られた半導体チップ体積内で、重り部1の
体積を最大限に確保することができ、また、撓み部2の
有効長さも大きくでき、したがって、高感度の半導体加
速度センサを実現できるものである。また、撓み部2を
ビーム状としたり、あるいは、ビームを図19に示すよ
うに、卍型とすれば、さらに高感度化が可能となる。
【0009】
【実施例】図2は本発明の第1実施例の斜視図であり、
図1はそのA−A’線についての断面図である。B−
B’線についての断面図は図1と同様であり、ピエゾ抵
抗4の配置のみが異なる。ピエゾ抵抗4を設けるセンサ
部は、N型シリコンの(100)面を使用している。重
り部1は四角錐形状であり、その一面の中央部に突起部
を形成している。突起部と撓み部2は、連動するように
固定されている。また、撓み部2は、重り部1を囲むよ
うに形成された支持部3に固定されている。支持部3の
底面はストッパーとなるべき台座5(シリコン又はガラ
ス)と接合されている。この構造は逆に、図3に示すよ
うに、四角錐の部分を固定して支持部3とし、四角錐の
部分を囲む部分を浮かして、重り部1としても構わな
い。
【0010】このような構造を採用すれば、重り部1を
最大にすることができ、撓み部2の有効長さを長くする
ことができ、高感度化又は小型化を実現できるものであ
る。なお、重り部1と撓み部2の間の空隙が、重り部1
の体積減少を招くと思われるが、実際には、上部のシリ
コンの厚みが300〜400μm、空隙が5〜15μm
であり、ほぼ無視できる程度である。仮に、図1の構造
とほぼ同一感度を従来構造で実現しようとすると、図4
のようになり、チップサイズの増大を招くことになる。
【0011】図5は本実施例の製造プロセスの一例を示
している。まず、図5(a)に示すように、下部シリコ
ンウェハ8の表面をエッチング加工して、上部シリコン
ウェハ7を直接接合、陽極接合等により接合して、図5
(b)に示すようなウェハを得る。ポリッシング又はエ
ッチングにより、図5(c)のように上部シリコンウェ
ハ7を削り、異方性エッチングにより図5(d)のよう
に重り部1を形成する。その後、ガラス又はシリコン製
の台座5を直接接合、陽極接合等により接合して、図5
(e)に示すような構造とし、これをダイシングして、
図5(f)の構造を得るものである。なお、図2におい
て、6はボンディングパッドである。
【0012】図6は本実施例におけるピエゾ抵抗の配置
を示している。ピエゾ抵抗は、XY面(100面)のX
軸方向(110方向)、Y軸方向(110)方向に平行
に、且つ、Rx1 〜Rx4 、Ry1 〜Ry2 、Rz1
Rz4 はそれぞれX、Y軸に対して完全に対称に配置さ
れている。まず、ピエゾ効果について述べる。N型シリ
コンの(100面)の(110)方向、つまり、X、Y
軸方向に配置されたピエゾ抵抗は、引張応力と平行に配
置されている場合、引張応力に対して抵抗値Rは増加し
(R+ΔR)となる。逆に、圧縮応力を受けると、抵抗
値Rは減少し(R−ΔR)となる。これをピエゾ抵抗の
縦効果と呼ぶ。また、引張応力と垂直に配置されている
場合には、引張応力に対し抵抗値Rは減少し(R−Δ
R)となる。逆に、圧縮応力を受けると、抵抗値Rは増
加し(R+ΔR)となる。これをピエゾ抵抗の横効果と
呼ぶ。つまり、ピエゾ抵抗が引張応力又は圧縮応力に対
して平行に配置されている場合と、垂直に配置されてい
る場合とでは、同一応力に対して逆の抵抗値変化が生じ
る。なお、N型シリコンの(100面)の(110)方
向では、ピエゾ抵抗が引張応力又は圧縮応力に対して平
行に配置されている場合と、垂直に配置されている場合
とでは、同一応力に対してほぼ同一の抵抗値変化が生じ
る。
【0013】次に、本実施例の動作について説明する。
X、Y、Z軸方向の各加速度検知用のピエゾ抵抗群は、
図7に示すようにブリッジを構成している。図7の電源
Sx,Sy,Szが定電流源であっても、定電圧源であ
っても、ブリッジの出力Vx,Vy,Vzが得られるか
否かは、ブリッジを構成する2組の対角的に配置された
抵抗値の積の差で決まる。つまり、X軸方向の加速度検
知用のブリッジでは、(Rx1 ・Rx3 −Rx2 ・Rx
4 )、Y軸方向の加速度検知用のブリッジでは、(Ry
1 ・Ry3 −Ry2 ・Ry4 )、Z軸方向の加速度検知
用のブリッジでは、(Rz1 ・Rz4 −Rz2 ・Rz
3 )の値によって決まる。
【0014】まず、Z軸方向に図8のように加速度Gが
加わると、加速度Gに比例した応力が生じるピエゾ抵抗
Rz2 、Rz3 は引張応力を受けて、上述の縦効果によ
り+ΔRの抵抗値変化を生じる。この抵抗値は加速度G
に比例している。逆に、ピエゾ抵抗Rz1 、Rz4 につ
いては、一ΔRの抵抗値変化を生じる。G=0のとき、
ピエゾ抵抗Rz1 〜Rz4 は全て同じ値であり、Rz1
=Rz2 =Rz3 =Rz4 =Rとする。したがって、Z
軸方向の加速度検知用のブリッジの出力は、(Rz1
Rz4 −Rz2 ・Rz3 )=(R−ΔR)2 −(R+Δ
R)2 =−4R・ΔRとなり、Z軸方向の加速度Gに比
例した出力を生じることが分かる。なお、各ピエゾ抵抗
Rz1 、Rz4 とRz2 、Rz3 は、同一の加速度Gに
対して同一の応力を受けるように、つまり、同一の抵抗
値変化を生じるように、配置されている。
【0015】次に、Z軸方向の加速度Gが加わったとき
のX、Y軸方向の加速度検知用のブリッジがどうなるか
について説明する。まず、X軸方向の加速度検知のため
のピエゾ抵抗Rx1 、Rx3 は圧縮応力を受け、ピエゾ
抵抗Rx2 、Rx4 も圧縮応力を受ける。従って、ピエ
ゾ抵抗Rx1 、Rx2 、Rx3 、Rx4 の値は全て減少
して(R−ΔR)となり、(Rx1 ・Rx3 −Rx2
Rx4 )=(R−ΔR)2 −(R−ΔR)2 =0となる
ので、ブリッジ出力は生じない。Y軸方向の加速度検知
のためのピエゾ抵抗Ry1 、Ry2 、Ry3 、Ry4
ついても同様である。よって、Z軸方向の加速度Gが加
わったときには、Z軸方向の加速度検知用のブリッジの
みが出力を生じ、他軸方向の加速度検知用のブリッジは
出力を生じない。
【0016】次に、図9に示すように、X軸方向あるい
はY軸方向から、それぞれ加速度Gが加わった場合に
は、その軸方向についての加速度検知用のブリッジのみ
が出力を生じ、他軸方向の加速度検知用のブリッジは出
力を生じない。まず、X軸方向に加速度Gが加わった場
合には、X軸方向の加速度検知のためのピエゾ抵抗Rx
1 、Rx3 は引張応力を受け、ピエゾ抵抗Rx2 、Rx
4 は圧縮応力を受ける。したがって、X軸方向の加速度
検知用のブリッジの出力は、(Rx1 ・Rx3 −Rx2
・Rx4 )=(R+ΔR)2 −(R−ΔR)2 =4R・
ΔRとなり、X軸方向の加速度Gに比例した出力を生じ
る。一方、Z軸方向についての加速度検知のためのピエ
ゾ抵抗Rz1 、Rz3 は引張応力を受け、ピエゾ抵抗R
2 、Rz 4 は圧縮応力を受ける。したがって、Z軸方
向の加速度検知用のブリッジの出力は、(Rz1 ・Rz
4 −Rz2 ・Rz3 )=(R+ΔR)×(R−ΔR)−
(R−ΔR)×(R+ΔR)=0となるので、ブリッジ
出力は生じない。
【0017】次に、Y軸方向について検討する。X軸方
向の加速度Gが加わったときに、応力が完全に0となる
部分はY軸上である。したがって、Y軸方向の加速度検
知のためのピエゾ抵抗Ry1 〜Ry4 は、Y軸近傍では
あるが、Y軸より少しずれてY軸に対称に配置されてい
るので、僅かながら応力を受けることになる。ピエゾ抵
抗Ry1 とRy2 は引張か圧縮の応力を受けて、ピエゾ
抵抗Ry3 とRy4 はその逆の応力を受けることにな
る。この応力によるピエゾ抵抗の変化をδR(<<Δ
R)とすると、Y軸方向の加速度検知用のブリッジの出
力は、(Ry1 ・Ry3 −Ry2 ・Ry4 )=(R+δ
R)×(R−δR)−(R+δR)×(R−δR)=0
となるので、ブリッジ出力は生じない。
【0018】Y軸方向に加速度Gが加わった場合も同様
であり、Y軸方向の加速度検知用のブリッジは、Y軸方
向の加速度Gに比例した出力を生じるが、X軸方向やZ
軸方向の加速度検知用のブリッジは、出力を生じない。
以上のように、本発明のピエゾ抵抗の配置を採用すれ
ば、他軸感度を完全に0にすることができ、X、Y、Z
の各軸方向の加速度を独立に検出できる。このため、従
来例のような複雑な処理回路は必要なく、3次元座標系
のX、Y、Z軸のベクトル成分Gx,Gy,Gzで表現
される加速度Gを正確に検出できる。また、同様の考え
方でX、Y、Z軸の加速度を独立に検出できるピエゾ抵
抗の他の配置例を図10〜図12に示した。
【0019】図13は請求項2に記載した発明の構成を
示している。基本的な構造は、図2の実施例と同様であ
るが、本実施例では、図2の実施例において、撓み部2
の一部分を切り欠いた形状となっている。つまり、重り
部1が中央の突起部を介して、4本のビーム部で吊られ
た形状となっている。なお、撓み部2の一部分を切り欠
く形状は、図13のような十字型の形状に限定されるも
のではなく、任意の形状で構わない。このように、撓み
部2をビーム状とすることにより、同一の加速度が印加
された場合でも、撓みが大きくなり、応力が増大し、し
たがって、ピエゾ抵抗の変化も大きく、出力も大きくな
るので、半導体加速度センサをさらに高感度化すること
ができる。なお、本実施例において、図6又は図10〜
図12に示したピエゾ抵抗の配置を採用しても良い。
【0020】次に、請求項4に記載した半導体加速度セ
ンサの自己診断機能について説明する。図14に示すよ
うに、重り部1の重さmが重心に集中していると考える
と、加速度G(Gx,Gy,Gz)が加わったとき、Z
軸方向にはFz=m×Gzの力が加わる。また、X軸ま
わりにはMx=m×Gy×h、Y軸まわりにはMy=m
×Gx×hのモーメントが加わると考えられる。したが
って、重り部1の底面と、電極Eの間に電圧を印加して
発生する静電力により、上記の力Fz及びモーメントM
x、Myが発生するように構成すれば、あたかも3軸
(X、Y、Z方向)のベクトル成分(Gx,Gy,G
z)を持つ加速度Gが加わったかのように、半導体加速
度センサを動作させることができ、センサ自身の故障診
断を行うことができる。
【0021】図15は、図25に示した従来例の電極形
状及び重り部の底面形状を示している。従来例では、重
り部の底面形状と電極形状が同一で、かつ幾何学的中心
が一致しているため、Z軸方向の力のみが発生し、X、
Y、Zの各軸方向のベクトル成分(Gx,Gy,Gz)
を持つ加速度Gを発生させることはできない。これに対
して、本発明では、重り部の底面の幾何学的中心と電極
形状の幾何学的中心をずらして、図16〜18のハッチ
ングを付した部分のように、電極形状を設定したことに
より、疑似的に3軸(X、Y、Z方向)のベクトル成分
(Gx,Gy,Gz)を持つ加速度Gを発生させること
かできるものである。図16について説明すると、図中
のハッチングを施した部分が電極の形状であり、外側の
大きな四角が重り部の底面形状である。電極と重り部の
底面の間に静電駆動用の電圧を印加すると、電極には均
一に静電力が発生し、重り部を引きつけようとする。静
電力は、電極の幾何学的中心にZ軸方向への力Fzとし
て働くと考えて良いから、Z軸方向にはFzの力を生じ
るものであり、X軸まわりにはMx=Fz×Ly、Y軸
まわりにはMy=Fz×Lxのモーメントが加わる。
【0022】図19は請求項5に記載された発明の構成
を示している。この構造では、一定の半導体チップ体積
内で、重り部の体積を損なうことなく、撓み部の有効長
さを長くとることにより、感度を良くし、なおかつ、
X、Y、Zの3軸で表現される3次元座標系における加
速度を検出可能としたものである。図19に示すよう
に、X軸、Y軸をとり、この2軸に垂直にZ軸をとる。
構造は図21及び図22に示した従来例と類似してお
り、中央に重り部、周囲に支持部が配置されており、こ
れらを結びつけるように薄肉の撓み部が、重り部の4隅
から卍状に伸びて、周囲の支持部とつながっている。
今、X軸方向から加速度Gが加わったとすると、従来例
ではX軸と垂直な撓み部がねじれた状態となり、X軸方
向の撓みを抑制していたが、図19の構造では、X軸と
垂直な撓み部が長くなっているために、X軸方向の撓み
を抑制する力が弱く、且つX軸方向の撓み部も同様に長
くなっているため、撓みは大きくなり、感度は大きくな
る。Y軸方向からの加速度Gに対しても全く同様の効果
が得られる。また、Z軸方向からの加速度Gに対しても
撓み部が長くなっているので、高感度となる。
【0023】次に、ピエゾ抵抗は、X、Y、Zの3軸で
表現される3次元座標系のベクトル成分として表現され
る加速度G(Gx,Gy,Gz)を検出できるように配
置されている。加わる加速度と各ピエゾ抵抗の抵抗値の
変化の関係をまとめると、表1のようになる。したがっ
て、各ピエゾ抵抗を図20に示すようなブリッジに構成
すると、X軸、Y軸、Z軸方向のそれぞれについて、独
立して加速度の向きと大きさを測定することができる。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】請求項1記載の半導体加速度センサによ
れば、3軸の加速度を検出するセンサにおいて、各軸方
向の加速度を検出するためのブリッジ出力に他軸方向の
加速度の成分が現れないようにピエゾ抵抗を配置したこ
とにより、複雑な処理回路を使用することなく、各軸方
向の加速度を独立して検出できるという効果がある。
【0026】また、この請求項1記載の発明によれば、
電極と重り部の幾何学的中心をずらすことにより、簡単
な電極構造でありながら、疑似的に重り部に3次元的な
力を加えることができ、3軸の加速度センサに自己診断
機能を付加することができるという効果がある。
【0027】請求項記載の発明によれば、半導体基板
を加工して得られる重り部と撓み部の間に切り込み溝を
設けたものであるから、一定の半導体チップ体積内で、
重り部の体積を最大限に確保することができ、かつ、撓
み部の有効長さを長くとることができ、したがって、感
度を大きくすることができるという効果がある。
【0028】請求項記載の発明によれば、撓み部を部
分的に切り欠いてビーム状としたことにより、さらに高
感度な出力が得られるという効果がある。
【0029】請求項5記載の発明によれば、卍状の撓み
部を構成することにより、一定の半導体チップ体積内で
重り部の体積を損なうことなく、撓み部の有効長さが長
くとれるので、より高感度となり、さらに実施例で説明
したようにピエゾ抵抗を配置することにより、3次元の
各軸方向のそれぞれについて独立して加速度の向きと大
きさを測定することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の断面図である。
【図2】本発明の一実施例の斜視図である。
【図3】本発明の一実施例についての1つの変形例を示
す断面図である。
【図4】本発明に対する比較例を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施例の製造プロセスを示す説明図
である。
【図6】本発明の一実施例におけるピエゾ抵抗の配置を
示す平面図である。
【図7】本発明の一実施例における測定回路の回路図で
ある。
【図8】本発明の一実施例に縦方向の加速度が加わった
状態を示す断面図である。
【図9】本発明の一実施例に横方向の加速度が加わった
状態を示す断面図である。
【図10】本発明におけるピエゾ抵抗の他の配置例を示
す平面図である。
【図11】本発明におけるピエゾ抵抗のさらに他の配置
例を示す平面図である。
【図12】本発明におけるピエゾ抵抗の別の配置例を示
す平面図である。
【図13】本発明の他の実施例の斜視図である。
【図14】本発明のさらに他の実施例の一部破断せる斜
視図である。
【図15】従来の自己診断駆動用の電極の形状を示す斜
視図である。
【図16】本発明による自己診断駆動用の電極の一例を
示す斜視図である。
【図17】本発明による自己診断駆動用の電極の他の例
を示す斜視図である。
【図18】本発明による自己診断駆動用の電極の別の例
を示す斜視図である。
【図19】本発明の別の実施例の平面図である。
【図20】本発明の別の実施例における測定回路の回路
図である。
【図21】第1の従来例の平面図である。
【図22】第1の従来例の断面図である。
【図23】第2の従来例の平面図である。
【図24】第2の従来例の断面図である。
【図25】第3の従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 重り部 2 撓み部 3 支持部 4 ピエゾ抵抗 5 台座
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 一矢 光雄 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (72)発明者 笠野 文宏 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (72)発明者 西村 広海 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−202778(JP,A) 特開 平3−269263(JP,A) 特開 平3−200038(JP,A) 特開 平4−84725(JP,A) 特開 昭59−99356(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 15/00 G01P 15/12 G01P 21/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重り部と、重り部と連動する撓み部
    と、撓み部を支持固定する支持部とを半導体基板を加工
    して形成され、前記撓み部にピエゾ抵抗を形成され、印
    加された加速度に比例した電圧をピエゾ抵抗を含むブリ
    ッジ回路の出力として取り出す半導体加速度センサにお
    いて、前記ピエゾ抵抗は、第1の方向の加速度を検出す
    るための第1乃至第4のピエゾ抵抗と、第1の方向と直
    交する第2の方向の加速度を検出するための第5乃至第
    8のピエゾ抵抗と、第1及び第2の方向と直交する第3
    の方向の加速度を検出するための第9乃至第12のピエ
    ゾ抵抗とから成り、各方向の加速度を検出するための4
    つのピエゾ抵抗は、それぞれブリッジ回路を構成するよ
    うに接続され、各ブリッジ回路の出力に他方向の加速度
    の成分が現れないように第1乃至第12のピエゾ抵抗を
    配置し、前記重り部の一面とほぼ平行に自己診断駆動用
    の静電力を発生させるための電極を備え、前記電極の幾
    何学的中心を通る垂線は、前記重り部の一面の幾何学的
    中心を通る垂線と一致せず、且つ、前記電極への電圧印
    加時に3つのブリッジ回路の出力にそれぞれ第1、第2
    および第3の方向の加速度の成分が同時に現れるように
    配置したことを特徴とする半導体加速度センサ。
  2. 【請求項2】 前記重り部と撓み部の間に切り込み溝
    を形成したことを特徴とする請求項記載の半導体加速
    度センサ。
  3. 【請求項3】 前記撓み部を部分的に切り欠いてビー
    ム状としたことを特徴とする請求項1または2に記載の
    記載の半導体加速度センサ。
  4. 【請求項4】 ビームは、卍状としたことを特徴とす
    る請求項記載の半導体加速度センサ。
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