JP2002243759A - 半導体加速度センサ素子 - Google Patents

半導体加速度センサ素子

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JP2002243759A
JP2002243759A JP2001036091A JP2001036091A JP2002243759A JP 2002243759 A JP2002243759 A JP 2002243759A JP 2001036091 A JP2001036091 A JP 2001036091A JP 2001036091 A JP2001036091 A JP 2001036091A JP 2002243759 A JP2002243759 A JP 2002243759A
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axis
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JP2001036091A
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Masakatsu Minami
南  政克
Yutaka Yasumaru
裕 安丸
Tsutomu Obata
勤 小幡
Yozo Obara
陽三 小原
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Hokuriku Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Hokuriku Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度の半導体加速度センサ素子を従来より
も大量に安価に提供する。 【解決手段】半導体結晶基板上に、第1及び第2のX軸
方向加速度検出用拡散抵抗Rx1,Rx2と、可撓部の
X軸を間にして近接する一対の近接領域にそれぞれX軸
方向とY軸方向に延びるように形成され、第3及び第4
のX軸方向加速度検出用拡散抵抗Rx3,Rx4が、可
撓部のX軸を間にして近接し一対の近接領域とはY軸に
対して対称な位置にある一対の近接領域にそれぞれY軸
方向とX軸方向に延びるように形成され、ブリッジ回路
でX軸方向加速度に比例する電圧出力を検出する。Y軸
方向加速度検出用拡散抵抗Ry1,Ry2,Ry3,R
y4は、可撓部に図4のように形成し、Z軸方向加速度
検出用拡散抵抗Rz1,Rz2,Rz3,Rz4は、可
撓部に図4のように形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体の歪みによ
る抵抗変化を利用してX方向、Y方向、Z方向の加速度
が検出可能な半導体加速度センサ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体加速度センサ素子は中心部
に錘部、外周部に台座部、錘部と台座部の間に可撓部を
残すように半導体結晶基板材料にエッチングが施されて
形成された半導体結晶基板で構成されている。半導体加
速度センサ素子は、可撓部の表面部に形成されて錘部に
作用するX軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回
路に用いられる第1乃至第4のX軸方向加速度検出用拡
散抵抗と、可撓部の表面部に形成されて錘部に作用する
Y軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に用い
られる第1乃至第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗と
を備えている。X軸及びY軸の2次元座標系を、半導体
単結晶基板の中心位置に原点Oをとり、XY平面が半導
体単結晶基板の結晶面と平行になり、X軸及びY軸が半
導体結晶基板の結晶の2つの互いに直交する結晶軸と平
行になるように定義すると、半導体結晶基板がX軸を通
りZ軸方向に延びる仮想平面に対して対称になり且つY
軸を通りZ軸方向に延びる仮想平面に対しても対称にな
る形状を有している。特公平8−7228にはこのよう
な半導体加速度センサ素子が記載されている。例えばX
方向の加速度を検出するには、可撓部に図8のようなX
軸方向に配列した抵抗素子R1、R2、R3、R4を配
置して、可撓部の変形による抵抗素子の変化ΔRをブリ
ッジで検出すると、X軸方向の加速度に対して−X方向
の力が働いて、R1=R−ΔR、R2=R+ΔR、R3
=R−ΔR、R4=R+ΔRとなり、ブリッジの出力は
E=V(R2・R4−R1・R3)/[(R1+R4)
(R2+R3)]となる。ここで、Vはブリッジ回路の
入力電圧である。ブリッジ回路の出力Eはこの式の分子
に比例する。以下この分子で電圧Vの因子を除いた項を
記号Bで表すと、BはB=R2・R4−R1・R3=
(R+ΔR)−(R−ΔR)=4R・ΔRとなり、
ブリッジ回路の出力EはΔRに比例する形になる。これ
によりブリッジ回路の出力電圧から加速度を検出するこ
とが出来る。一般にΔRは歪みεに比例するので、Bは
歪みεに比例する。ここで変形εは長さbの半導体が加
えられた力によって長さがΔbだけ増加したとするとε
=Δb/bと定義される。ここでΔbとεには符号まで
含めて、増加の時を正、減少の時を負の実数で表すもの
とする。ここでブリッジ回路の出力電圧Eは、ブリッジ
抵抗回路の出力抵抗に比べて入力インピーダンスが無限
大の測定器を用いて測定するものとする。Y方向、Z方
向の加速度に対しても原理的には同じ考え方の抵抗素子
を用いて検出することが出来る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような半導体加速
度センサ素子では、加速度検出用拡散抵抗素子が可撓部
の互いに離れた領域に形成されているので、半導体加速
度センサ素子の製造過程で特性の変動が生じる。半導体
製造工程では拡散条件が半導体結晶基板の上で均一性を
保つことは一般に高度の製造装置と製造条件が必要とな
るので、一定の不均一さを許容した条件で製造する。そ
の結果、半導体結晶基板上で拡散抵抗値が場所によって
異なった値になる可能性がある。例えばR1⇒R+r1
−ΔR1、R2⇒R+r2+ΔR2、R3⇒R+r3−
ΔR3、R4⇒R+r4+ΔR4のように変化するとす
る。但し、ΔRi(i=1〜4)の主要項が加速度に比
例する抵抗値の変動分、即ちεの1次の式であり、ri
(i=1〜4)は製造変動によって抵抗値が変動した値
とする。すると、ブリッジの出力EはΔRi(i=1〜
4)項がεの1次の項を含むとすると、BはB=(r2
・r4−r1・r3)+(ΔR1、ΔR2、ΔR3、Δ
R4の1次の項)+(ΔR1、ΔR2、ΔR3、ΔR4
の双2次の項)となる。ここでri(i=1〜4)を含
む第1の括弧中の項は、εを含まない項である。第2の
括弧の中のΔRi(i=1〜4)の1次の項はεの1次
の項である。第3の括弧内のΔRi(i=1〜4)の双
2次の式はεの2次の項となる。以上をまとめると、B
=A(εに比例しない項)+Cε+Dεの形と書け
る。ここで、文字A、C、Dはεによらない定数。この
中でεに比例しない項のAは、加速度の変化に比例しな
い誤差分となる。しかしながら従来の構造では、この誤
差分を除くことが出来なかった。
【0004】本発明の目的は、加速度に比例しない誤差
分を構造上除去できる半導体加速度センサ素子を提供す
ることにある。
【0005】本発明の目的は、製造条件によるばらつき
によって加速度の1次に比例する性質が失われず、低加
速度領域でも感度の下がらない安価な半導体加速度セン
サ素子を提案することにある。
【0006】本発明の他の目的は、製造条件によるばら
つきによって、出力が変動しない半導体加速度センサ素
子を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、抵抗素子への配線が
便利な構造を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、加速度に対する感度
が優れた安価な半導体加速度センサ素子を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、中心部に錘
部、外周部に台座部、錘部と台座部の間に可撓部を残す
ように半導体結晶基板材料にエッチングが施されて形成
された半導体結晶基板と、可撓部の表面部に形成されて
錘部に作用するX軸方向の加速度を検出するためのブリ
ッジ回路に用いられる第1乃至第4のX軸方向加速度検
出用拡散抵抗Rx1、Rx3,Rx2,Rx4と、可撓
部の表面部に形成されて錘部に作用するY軸方向の加速
度を検出するためのブリッジ回路に用いられる第1乃至
第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗Ry1,Ry3,
Ry2,Ry4とを具備し、X軸及びY軸の2次元座標
系が、半導体単結晶基板の中心位置に原点Oをとり、X
Y平面が半導体単結晶基板の表面と平行になり、X軸及
びY軸が半導体結晶基板の結晶の2つの互いに直交する
結晶軸と平行になるように定義され、半導体結晶基板が
X軸を通りZ軸方向に延びる仮想平面に対して対称にな
り且つY軸を通りZ軸方向に延びる仮想平面に対しても
対称になる形状を有している半導体加速度センサ素子を
改良の対象とする。
【0010】本発明の半導体加速度センサ素子では、第
1及び第2のX軸方向加速度検出用拡散抵抗Rx1,R
x3は、可撓部のX軸を間にして近接する第1の一対の
近接領域XA1にそれぞれX軸方向に延びるように形成
され、第3及び第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗R
x2,Rx4は、可撓部のX軸を間にして近接する一対
の近接領域XA1にそれぞれY軸方向に延びるように形
成され、第1及び第2のY軸方向加速度検出用拡散抵抗
Ry1,Ry3は、可撓部のY軸を間にして近接する第
2の一対の近接領域YA1にそれぞれY軸方向に延びる
ように形成され、第3及び第4のY軸方向加速度検出用
拡散抵抗Ry2,Ry4は、可撓部のY軸を間にして近
接する一対の近接領域YA1にそれぞれX軸方向に延び
るように形成されている。このようにするとX方向加速
度を検出するための4つの抵抗素子Rxi(i=1〜
4)が、特性が実質的に等しい領域に形成されるため、
前述の発明が解決しようとする課題で説明した可撓部の
歪み(即ち加速度)に比例しない誤差分(r2・r4−
r1・r3)を生成する抵抗分r2,r4,r1,r3
が実質的に等しくなって、この誤差分を実質的にゼロに
することが出来る。よって本発明によれば、拡散抵抗の
形成パターンによって誤差分を除去出来る利点がある。
【0011】本発明の半導体加速度センサ素子では、更
に第1及び第2のX軸方向加速度検出用拡散抵抗Rx
1,Rx3は、X軸に関して対称な位置に配置され、第
3及び第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗Rx2,R
x4は、X軸に関して対称な位置に配置され、第1及び
第2のY軸方向加速度検出用拡散抵抗Ry1,Ry3
は、Y軸に関して対称な位置に配置され、第3及び第4
のY軸方向加速度検出用拡散抵抗Ry2,Ry4は、Y
軸に関して対称な位置に配置してもよい。このように抵
抗素子を配置すると半導体加速度センサ素子の製造過程
で特性の変動が生じても、出力電圧が加速度による変形
に比例する性質を保つ効果がある。
【0012】本発明の半導体加速度センサ素子では、更
に加速度検出用拡散抵抗を配置する全ての一対の近接領
域が台座部に近接した位置にあるようにしてもよい。こ
のように抵抗素子を配置すると、抵抗素子に配線パター
ンを形成するのが容易になる。
【0013】本発明は、中心部に錘部、外周部に台座
部、錘部と台座部の間に可撓部を残すように半導体結晶
基板材料にエッチングが施されて形成された半導体結晶
基板と、可撓部の表面部に形成されて錘部に作用するX
軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に用いら
れる第1乃至第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗Rx
1,Rx2,Rx3,Rx4と、可撓部の表面部に形成
されて錘部に作用するY軸方向の加速度を検出するため
のブリッジ回路に用いられる第1乃至第4のY軸方向加
速度検出用拡散抵抗Ry1,Ry2,Ry3,Ry4と
を具備し、X軸及びY軸の2次元座標系が、半導体単結
晶基板の中心位置に原点Oをとり、XY平面が半導体単
結晶基板の表面と平行になり、X軸及びY軸が半導体結
晶基板の結晶の2つの互いに直交する結晶軸と平行にな
るように定義され、半導体結晶基板がX軸を通りZ軸方
向に延びる仮想平面に対して対称になり且つY軸を通り
Z軸方向に延びる仮想平面に対しても対称になる形状を
有している半導体加速度センサ素子を改良の対象とす
る。
【0014】本発明の半導体加速度センサ素子では、第
1及び第2のX軸方向加速度検出用拡散抵抗Rx1,R
x2は、可撓部のX軸を間にして近接する第1の一対の
近接領域XA1にそれぞれX軸方向とY軸方向に延びる
ように形成され、第3及び第4のX軸方向加速度検出用
拡散抵抗Rx3,Rx4は、一対の近接領域XA1とは
Y軸に関して対称な位置にあり、可撓部のX軸を間にし
て近接する第3の一対の近接領域XA2にそれぞれY軸
方向とX軸方向に延びるように形成され、第1及び第2
のY軸方向加速度検出用拡散抵抗Ry1,Ry2は、可
撓部のY軸を間にして近接する第2の一対の近接領域Y
A1にそれぞれY軸方向とX軸方向に延びるように形成
され、第3及び第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗R
y3,Ry4は、一対の近接領域YA1とはX軸に関し
て対称な位置にあり、可撓部のY軸を間にして近接する
第4の一対の近接領域YA2にそれぞれX軸方向とY軸
方向に延びるように形成されている。
【0015】このように抵抗素子を配置すると、半導体
加速度センサ素子の製造過程で特性の変動が生じても、
半導体加速度センサ素子の出力電圧が加速度による変形
に比例する性質を保ち、且つ出力の変動が生じない効果
がある。またこのように加速度検出用拡散抵抗を配置す
ると、一対の近接領域に配置するX軸方向と、Y軸方向
の加速度検出用拡散抵抗のそれぞれの数を少なく配置す
ることができる。その結果、加速度検出用拡散抵抗をX
軸、またはY軸に近接する応力の高いポートに配置し
て、高感度の半導体加速度センサ素子を実現できる効果
がある。また2つの加速度検出用拡散抵抗を一対の近接
領域内でX軸または、Y軸に近接していて、且つ変形の
均一性が高い範囲内に配置することによって他軸感度が
小さくなるようにすることができる。また一対の近接領
域内の加速度検出用拡散抵抗の形状を蛇行した形状にし
て長さをかせいで抵抗値を稼ぐことによって、発熱量を
下げる効果がある。このような効果は以下に述べる本発
明で1対の近接領域におけるX軸方向、Y軸方向加速度
検出用拡散抵抗が2つ配列されている場合にも適用でき
る。
【0016】本発明の半導体加速度センサ素子では、更
に第1及び第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗Rx
1,Rx4は、原点を中心として対称な位置に配置さ
れ、第2及び第3のX軸方向加速度検出用拡散抵抗Rx
2,Rx3は、原点を中心として対称な位置に配置さ
れ、第1及び第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗Ry
1,Ry4は、原点を中心として対称な位置に配置さ
れ、第2及び第3のY軸方向加速度検出用拡散抵抗Ry
2,Ry3は、原点を中心として対称な位置に配置され
てもよい。このように抵抗素子を配置すると半導体加速
度センサ素子の製造過程で特性の変動が生じても、出力
電圧が加速度による変形に比例する性質を保ち、且つ出
力の変動が生じない効果がある。
【0017】本発明の半導体加速度センサ素子では、更
に第1から第4の一対の近接領域XA1,YA1、XA
2,YA2が台座部に近接した位置にあるようにしても
よい。このようにすると軸方向加速度検出用拡散抵抗に
蒸着などで金属配線するのが容易になる効果がある。
【0018】本発明の半導体加速度センサ素子では、第
1、第3の一対の近接領域(XA1,XA2)にそれぞ
れが配置された第1、第2及び第3、第4のX軸方向加
速度検出用拡散抵抗をX軸に平行に移動して、錘部に近
接した位置(XL3,XL4)にある第5、第6の近接
領域(XA3,XA4)にそれぞれを配置し、第2、第
4の一対の近接領域(YA1,YA2)にそれぞれが配
置された第1、第2及び第3、第4のY軸方向加速度検
出用拡散抵抗をY軸に平行に移動して、錘部に近接した
位置(YL3,YL4)にある第7、第8の近接領域
(YA3,YA4)にそれぞれを配置してもよい。この
ようにすると、抵抗素子に配線パターンを形成するのが
容易になる。
【0019】本発明の半導体加速度センサ素子では、更
に第5から第8の一対の近接領域XA3,XA4,YA
3,YA4が錘部に近接した位置にあるようにしてもよ
い。このようにすると錘部の近くでは加速度に対する変
形の角度が大きくなるので半導体加速度センサ素子の検
出感度を増すことが出来る効果がある。
【0020】本発明は、中心部に錘部、外周部に台座
部、錘部と台座部の間に可撓部を残すように半導体結晶
基板材料にエッチングが施されて形成された半導体結晶
基板と、可撓部の表面部に形成されて錘部に作用するX
軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に用いら
れる第1乃至第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗Rx
1〜Rx4と、可撓部の表面部に形成されて錘部に作用
するY軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に
用いられる第1乃至第4のY軸方向加速度検出用拡散抵
抗Ry1〜Ry4と、可撓部の表面部に形成されて錘部
に作用するZ軸方向の加速度を検出するためのブリッジ
回路に用いられる第1乃至第4のZ軸方向加速度検出用
拡散抵抗Rz1〜Rz4とを具備し、X軸及びY軸の2
次元座標系が、半導体単結晶基板の中心位置に原点Oを
とり、XY平面が半導体単結晶基板の表面と平行にな
り、X軸及びY軸が半導体結晶基板の結晶の2つの互い
に直交する結晶軸と平行になるように定義され、半導体
結晶基板がX軸を通りZ軸方向に延びる仮想平面に対し
て対称になり且つY軸を通りZ軸方向に延びる仮想平面
に対しても対称になる形状を有している半導体加速度セ
ンサ素子を改良の対象とする。
【0021】本発明の半導体加速度センサ素子では、第
1及び第2のX軸方向加速度検出用拡散抵抗Rx1,R
x2は、可撓部のX軸を間にして近接する第5の一対の
近接領域XA3にそれぞれX軸方向とY軸方向に延びる
ように形成され、第3及び第4のX軸方向加速度検出用
拡散抵抗Rx3,Rx4は、一対の近接領域XA3とは
Y軸に関して対称な位置にあり、可撓部のX軸を間にし
て近接する第6の一対の近接領域XA4にそれぞれY軸
方向とX軸方向に延びるように形成され、第1及び第2
のY軸方向加速度検出用拡散抵抗Ry1,Ry2は、可
撓部のY軸を間にして近接する第7の一対の近接領域Y
A3にそれぞれY軸方向とX軸方向に延びるように形成
され、第3及び第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗R
y3,Ry4は、一対の近接領域YA3とはX軸に関し
て対称な位置にあり、可撓部のY軸を間にして近接する
第8の一対の近接領域YA4にそれぞれX軸方向とY軸
方向に延びるように形成され、第1及び第2のZ軸方向
加速度検出用拡散抵抗Rz1,Rz2は、可撓部のX軸
を間にして近接する第5の一対の近接領域XA3にそれ
ぞれX軸方向とY軸方向に延びるように形成され、第3
及び第4のZ軸方向加速度検出用拡散抵抗Rz3,Rz
4は、一対の近接領域XA3とはY軸に関して対称な位
置にあり、可撓部のX軸を間にして近接する第6の一対
の近接領域XA4にそれぞれX軸方向とY軸方向に延び
るように形成されている。このように抵抗素子を配置す
ると半導体加速度センサ素子の製造過程で特性の変動が
生じても、出力電圧が加速度による変形に比例する性質
を保ち、且つ出力電圧の変動が生じない効果がある。
【0022】本発明の半導体加速度センサ素子では、更
に第1及び第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗Rx
1,Rx4は、原点を中心として対称な位置に配置さ
れ、第2及び第3のX軸方向加速度検出用拡散抵抗Rx
2,Rx3は、原点を中心として対称な位置に配置さ
れ、第1及び第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗Ry
1,Ry4は、原点を中心として対称な位置に配置さ
れ、第2及び第3のY軸方向加速度検出用拡散抵抗Ry
2,Ry3は、原点を中心として対称な位置に配置さ
れ、第1及び第3のZ軸方向加速度検出用拡散抵抗Rz
1,Rz3は、原点を中心として対称な位置に配置さ
れ、第2及び第3のZ軸方向加速度検出用拡散抵抗Rz
2,Rz4は、原点を中心として対称な位置に配置され
ていてもよい。このように抵抗素子を配置すると半導体
加速度センサ素子の製造過程で特性の変動が生じても、
出力電圧が加速度による変形に比例する項を保ち、且つ
出力の変動が生じない効果がある。
【0023】本発明の半導体加速度センサ素子では、更
に第5〜第8の一対の近接領域XA3,XA4,YA
3,YA4が錘部に近接した位置にあるようにしてもよ
い。このようにすると錘部の近くでは同一加速度に対す
る変形の角度が大きくなるので半導体加速度センサ素子
の検出感度を増すことが出来る効果がある。
【0024】本発明の半導体加速度センサ素子では、第
5、第6の一対の近接領域(XA3,XA4)にそれぞ
れが配置された第1、第2及び第3、第4のX軸方向加
速度検出用拡散抵抗と第1、第2及び第3、第4のZ軸
方向加速度検出用拡散抵抗をX軸に平行に移動して、台
座部に近接した位置(XL1,XL2)にある第1、第
3の近接領域(XA1,XA2)にそれぞれを配置し、
第7、第8の一対の近接領域(YA3,YA4)にそれ
ぞれが配置された第1、第2及び第3、第4のY軸方向
加速度検出用拡散抵抗をY軸に平行に移動して、台座部
に近接した位置(YL1,YL2)にある第2、第4の
近接領域(YA1,YA2)にそれぞれを配置し、第
5、第6の一対の近接領域(XA3,XA4)にそれぞ
れが配置された第1、第2及び第3、第4のZ軸方向加
速度検出用拡散抵抗をX軸に平行に移動して、台座部に
近接した位置(XL1,XL2)にある第1、第3の近
接領域(XA1,XA2)にそれぞれを配置してもよ
い。このようにすると、抵抗素子に配線パターンを形成
するのが容易な半導体加速度センサ素子を提供できる。
【0025】本発明は、中心部に錘部、外周部に台座
部、錘部と台座部の間に可撓部を残すように半導体結晶
基板材料にエッチングが施されて形成された半導体結晶
基板と、可撓部の表面部に形成されて錘部に作用するX
軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に用いら
れる第1乃至第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗と、
可撓部の表面部に形成されて錘部に作用するY軸方向の
加速度を検出するためのブリッジ回路に用いられる第1
乃至第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗と、可撓部の
表面部に形成されて錘部に作用するZ軸方向の加速度を
検出するためのブリッジ回路に用いられる第1乃至第4
のZ軸方向加速度検出用拡散抵抗とを具備し、X軸及び
Y軸の2次元座標系が、半導体単結晶基板の中心位置に
原点Oをとり、XY平面が半導体単結晶基板の表面と平
行になり、X軸及びY軸が半導体結晶基板の結晶の2つ
の互いに直交する結晶軸と平行になるように定義され、
半導体結晶基板がX軸を通りZ軸方向に延びる仮想平面
に対して対称になり且つY軸を通りZ軸方向に延びる仮
想平面に対しても対称になる形状を有している半導体加
速度センサ素子を改良の対象とする。
【0026】本発明の半導体加速度センサ素子では、第
1と第2のX軸方向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i=
1、2)がX軸を間にして近接する第5の一対の近接領
域(XA3)にそれぞれX軸方向およびY軸方向に延び
るように形成され、第3と第4のX軸方向加速度検出用
拡散抵抗Rxi(i=3,4)が、X軸を間にして近接
する第6の一対の近接領域XA4にそれぞれY軸方向と
X軸方向に延びるように形成され、第1と第2のY軸方
向加速度検出用拡散抵抗Ryi(i=1、2)は、Y軸
を間にして近接する第7の一対の近接領域(YA3)に
それぞれY軸方向とX軸方向に延びるように形成され、
第3と第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i
=3,4)は、Y軸を間にして近接する第8の一対の近
接領域(YA4)にそれぞれX軸方向とY軸方向に延び
るように形成され、第1と第2のZ軸方向加速度検出用
拡散抵抗Rzi(i=1,2)は、X軸を間にして近接
する第1の一対の近接領域(XA1)にそれぞれY軸方
向とX軸方向に延びるように形成され、第3と第4のZ
軸方向加速度検出用拡散抵抗Rzi(i=3,4)は、
X軸を間にして近接する第3の一対の近接領域(XA
2)にそれぞれY軸方向とX軸方向に延びるように形成
されている。
【0027】本発明の半導体加速度センサ素子では、第
5の一対の近接領域(XA3)、第6の一対の近接領域
XA4、第7の一対の近接領域(YA3)、第8の一対
の近接領域(YA4)が錘部に近接する位置XL3,X
L4,YL3,YL4に配置し、第1の一対の近接領域
(XA1)、第3の一対の近接領域(XA2)が台座部
に近接する位置XL1,XL2に配置している。
【0028】本発明の半導体加速度センサ素子では、第
1と第2のX軸方向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i=
1,2)がX軸を間にして近接する第1の一対の近接領
域(XA1)にそれぞれX軸方向およびY軸方向に延び
るように形成され、第3と第4のX軸方向加速度検出用
拡散抵抗Rxi(i=3,4)が、X軸を間にして近接
する第3の一対の近接領域XA2にそれぞれY軸方向と
X軸方向に延びるように形成され、第1と第2のY軸方
向加速度検出用拡散抵抗Ryi(i=1,2)は、Y軸
を間にして近接する第2の一対の近接領域(YA1)に
それぞれY軸方向とX軸方向に延びるように形成され、
第3と第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗Ryi(i
=3,4)は、Y軸を間にして近接する第4の一対の近
接領域(YA2)にそれぞれX軸方向とY軸方向に延び
るように形成され、第1と第2のZ軸方向加速度検出用
拡散抵抗Rzi(i=1,2)は、X軸を間にして近接
する第5の一対の近接領域(XA3)にそれぞれY軸方
向とX軸方向に延びるように形成され、第3と第4のZ
軸方向加速度検出用拡散抵抗Rzi(i=3,4)は、
X軸を間にして第7の近接する一対の近接領域(XA
4)にそれぞれY軸方向とX軸方向に延びるように形成
されている。
【0029】本発明の半導体加速度センサ素子では、第
1の一対の近接領域(XA1)、第3の一対の近接領域
XA2、第2の一対の近接領域(YA1)、第4の一対
の近接領域(YA2)がそれぞれ台座部に近接するXL
1,XL2,YL1,YL2に配置され、第5の一対の
近接領域(XA3)、第6の一対の近接領域(XA4)
が錘部に近接する位置XL3,XL4に配置されてい
る。
【0030】本発明の半導体加速度センサ素子では、第
1及び第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i
=1,4)は、原点を中心として対称な位置に配置さ
れ、第2及び第3のX軸方向加速度検出用拡散抵抗Rx
i(i=2,3)は、原点を中心として対称な位置に配
置され、第1及び第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗
Ryi(i=1,4)は、原点を中心として対称な位置
に配置され、第2及び第3のY軸方向加速度検出用拡散
抵抗Ryi(i=2,3)は、原点を中心として対称な
位置に配置され、第1及び第3のZ軸方向加速度検出用
拡散抵抗Rzi(i=1,3)は、原点を中心として対
称な位置に配置され、第2及び第4のZ軸方向加速度検
出用拡散抵抗Rzi(i=2,4)は、原点を中心とし
て対称な位置に配置されている。
【0031】以上のように加速度検出用拡散抵抗を一対
の近接領域内に2つづつ配置した4つの例では、一対の
近接領域内に加速度検出用拡散抵抗を配置するためにX
軸またはY軸に近接する位置に配置することができる。
加速度検出用拡散抵抗を一対の近接領域内でX、Y軸に
近接する変形の均一性が高い位置に配置することによっ
て他軸感度が小さくなるようにすることができる。また
X軸、Y軸に近接する領域はX軸方向またはY軸方向の
応力の高い位置になっている。このために、高感度の半
導体加速度センサ素子を実現できる効果がある。また1
つの近接領域に加速度検出用拡散抵抗の4個が配置され
ている場合に比べて、一対の近接領域内に加速度検出用
拡散抵抗を2個配置するための加速度検出用拡散抵抗を
配置するための面積の余裕が生ずる。従って、一対の近
接領域内の加速度検出用拡散抵抗の形状を長方形の形状
の代わりに、蛇行した形状にして長さをかせいで抵抗値
を稼ぐことによって、半導体加速度センサ素子の測定時
における発熱量を低下させることができる効果がある。
【0032】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の半
導体加速度センサ素子の実施の形態の一例について説明
する。図1は本発明の半導体加速度センサ素子の実施の
形態の一例を示す平面図(A)と断面図(B)である。
半導体単結晶基板1は、平面図1(A)に示すように、
中心部に錘部3、外周部に台座部5、錘部3と台座部5
の間に可撓部7がある。可撓部7は、断面図1(B)に
示すように、半導体結晶基板材料にエッチングが施され
て、半導体加速度センサ素子が加速されると錘部3に働
く慣性力によって変形するように薄く形成されている。
【0033】X軸及びY軸の2次元座標系を、半導体単
結晶基板1の中心位置に原点Oをとり、XY平面が半導
体単結晶基板の結晶面(0、0、1)面と平行になり、
X軸が<1、1、0>及びY軸が<1,−1、0>のよ
うに半導体結晶基板の結晶の2つの互いに直交する結晶
軸と平行になるように定義する。半導体加速度センサ素
子の半導体単結晶基板は、X軸を通りZ軸方向に延びる
仮想平面(Y=0の面)に対して対称になり且つY軸を
通りZ軸方向に延びる仮想平面(X=0の面)に対して
も対称になる形状を有している。
【0034】可撓部7の表面部には、錘部3に作用する
X軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に用い
られるX軸方向加速度検出用拡散抵抗素子Rx1,Rx
2,Rx3,Rx4が形成されている。また可撓部7の
表面部に形成されて錘部3に作用するY軸方向の加速度
を検出するためのブリッジ回路に用いられるY軸方向加
速度検出用拡散抵抗素子Ry1,Ry3,Ry2,Ry
4が形成されている。X方向の加速度は、抵抗素子Rx
1,Rx3を第1の対辺、抵抗素子Rx2,Rx4を第
2の対辺、とするブリッジ回路の平衡状態によって検出
する。Y方向の加速度は、抵抗素子Ry1,Ry3を第
1の対辺、抵抗素子Ry2,Ry4を第2の対辺、とす
るブリッジ回路の平衡状態によって検出する。本実施の
形態では請求項1、2及び3における第1〜4までのX
軸方向加速度検出用拡散抵抗をそれぞれ、Rx1,Rx
3,Rx2,Rx4とする。また第1〜4までのY軸方
向加速度検出用拡散抵抗をそれぞれ、Ry1,Ry3,
Ry2,Ry4とする。第1及び第2のX軸方向加速度
検出用拡散抵抗Rx1,Rx3は、可撓部7のX軸を間
にして近接する一対の近接領域(XA1)にそれぞれX
軸方向に延びるように形成されている。第3及び第4の
X軸方向加速度検出用拡散抵抗Rx2,Rx4は、可撓
部7のX軸を間にして近接する一対の近接領域(XA
1)にそれぞれY軸方向に延びるように形成されてい
る。これらは可撓部7の一部の局所に局限されている。
【0035】第1及び第2のX軸方向加速度検出用拡散
抵抗Rx1,Rx3は、X軸に関して対称な位置に配置
され、第3及び第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗R
x2,Rx4は、X軸に関して対称な位置に配置されて
いる。また第1及び第2のY軸方向加速度検出用拡散抵
抗Ry1,Ry3は、Y軸に関して対称な位置に配置さ
れ、第3及び第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗Ry
2,Ry4は、Y軸に関して対称な位置に配置されてい
る。第1及び第2の一対の近接領域(XA1,YA1)
が台座部5に近接した位置(XL1,YL1)にある。
【0036】このような抵抗素子Rxi(i=1〜4)
をそれぞれ図1(C)のブリッジ回路のRi(i=1〜
4)につないだ場合の出力電圧Exを求める。ここで、
図1(C)のRi(i=1〜4)をRxi(i=1〜
4)で置き換え、この時の出力EをExと書くことにす
ると、ブリッジ回路に供給される電源電圧をVとする
と、ブリッジ回路の出力電圧Exは、図の+−端子の+
側の端子を正として Ex=V・(Rx2・Rx4−Rx1・Rx3)/[(Rx1+Rx4)(R x2+Rx3)] (1) となる。ここで、後の便宜のために次の記号Bx Bx=Rx2・Rx4−Rx1・Rx3 (2) を導入する。
【0037】またY方向の加速度を検出するためのブリ
ッジを、図1(C)の抵抗Ri(i=1〜4)をY軸方
向加速度検出用拡散抵抗Ryi(i=1〜4)で置き換
え、ブリッジ出力EをEyと書くことにすると、ブリッ
ジ回路の出力Eyは、 Ey=V・(Ry2・Ry4−Ry1・Ry3)/[(Ry1+Ry4)(R y2+Ry3)] (3) となる。ここで、後の便宜のために次の記号By By=Ry2・Ry4−Ry1・Ry3 (4) を導入する。今、抵抗素子を加速度がない状態ではB
x、Byが0になるように調整してあるものとする。特
に、加速度が存在しない時には、Rx1=Rx2=Rx
3=Rx4=Ry1=Ry2=Ry3=Ry4=Rとす
ると、Bx=By=0になる。
【0038】次に、加速度が作用する場合のブリッジ回
路の出力の変化を図2を用いて説明する。図2には半導
体加速度センサ素子の錘部3、台座部5、可撓部7の断
面図を示す。図2(A)、(B)に示す半導体単結晶基
板1の表面のXLi(i=1〜4)はY=0の面におけ
る可撓部7の断面で錘部3または台座部5に近接する位
置を示している。YLi(i=1〜4)はX=0の面に
おける可撓部7の断面で錘部3または台座部5に近接す
る位置を示している。X軸方向に加速度が作用する場
合、図2(A)に示すように錘部3には−X軸方向の慣
性力Fxが重心Gに作用し、錘部3は可撓部7によって
表面が支えられ、錘部3には右回転のモーメントが作用
し、可撓部7び表面は右回りに傾く。その結果、可撓部
7の表面の台座部5に近接した位置XL1には伸び、錘
部3に近接した位置XL3にはちぢみ、XL4には伸
び、台座部5に近接した位置XL2にはちぢみがおこ
る。図2(A)、(B)の半導体単結晶基板1の表面の
XLi(i=1〜4)、YLi(i=1〜4)付近で2
本の矢印が外を向いている方が伸びを、2本の矢印が向
き合っている方がちぢみを表している。表面のXL1付
近の点線で囲んだ部分を拡大した挿入図では表面の伸び
を示し、表面のXL3付近の点線で囲んだ部分を拡大し
た挿入図では表面のちぢみを示している。このような表
面変化によって、半導体表面がX方向に伸びた領域では
X方向に延びた抵抗素子には抵抗変化ΔRの増加が起こ
り、Y方向に延びた抵抗素子には抵抗変化−ΔR′の減
少が起こる。また半導体表面がX方向に縮んだ領域では
X方向に延びた抵抗素子には抵抗変化−ΔRが起こり、
Y方向に延びた抵抗素子には抵抗変化ΔR′が起こる。
台座部5に近接した位置XL1では半導体表面が伸びて
おり、Rx1とRx3はX方向に伸びているので、抵抗
変化はΔRとなる。これを式で書くと、 Rx1=Rx3=R+ΔR となる。他方、Rx2とRx4はY方向の伸びているの
で、抵抗変化は−ΔR′となる。これを式で書くと、 Rx2=Rx4=R−ΔR′ となる。これを用いるとブリッジの出力ExはBx=R
x2・Rx4−Rx1・Rx3=(R−ΔR′)
(R+ΔR)=−2R・(ΔR+ΔR′)に比例す
る。一般にΔRとΔR′は歪みεに比例するから、ブリ
ッジの出力はεに比例する。またY方向加速度を検出す
るための抵抗素子Ryi(i=1〜4)が配置されてい
る領域ではX方向の加速度運動に対して変形が起こらな
い。従って、 Ry1=Ry2=Ry3=Ry4=R が成立し、By=0になる。Ryi(i=1〜4)のブ
リッジからは出力EyはBy=0より0となる。以上、
X軸方向の正の加速度に対して述べたが、X軸方向の負
の加速度に対してはExの出力電圧が反対符号になるだ
けである。以上をまとめると、X方向の加速度に対し
て、ブリッジの出力Exは、Bxがεに比例することか
ら、εに比例する。
【0039】ここで以上の結果を以下のように一般化し
た場合を考えよう。X方向の加速度が0の場合の抵抗素
子がRxi=Ri(i=1〜4)で、且つR1・R3=
R2・R4を満足しているとする。この時にはX方向の
加速度が=0の時にはブリッジの出力Exの比例項Bx
=0になる。このようにしておけばX方向の加速度に対
して出力Bxをεに比例するようにすることが出来るこ
とを以下に示す。X方向加速度によって抵抗素子が以下
のように変化したとする。
【0040】Rxi=Ri+ΔRi (i=1、3) Rxi=Ri−ΔRi (i=2、4) 但し、ΔRi(i=1〜4)を含む項は加速度によって
生ずる変形εに起因する抵抗変化を表すものとする。す
ると、Bx=−[R3・ΔR1+R4・ΔR2+R1・
ΔR3+R2・ΔR4+(ΔRi・ΔRjの形の双2次
形式の和)](i、j=1〜4)となる。これより、B
xは変形εの1次式になる。X方向加速度に対して、R
yi(i=1〜4)は変化がないのでBy=0となる。
以下の実施の形態ではこのような一般化は特に行わない
がこうした場合を含むものとする。
【0041】Y方向加速度に対する抵抗の変化も、Y方
向の慣性力Fyに起因する変形によって、X軸方向の加
速度の場合と同様にして、以下のように求めることがで
きる。
【0042】Ry1=Ry3=R+ΔR Ry2=Ry4=R−ΔR′ Rx1=Rx2=Rx3=Rx4=R 但し、ΔR、ΔR′を含む項はY方向加速度によって生
ずる変形εに起因するものとする。この結果を用いる
と、Y方向加速度に対してRyi(i=1〜4)から構
成されるブリッジの出力EyはByがεに比例すること
からεに比例する出力となる。Rxi(i=1〜4)か
ら構成されるブリッジからの出力ExはBx=0より、
0になっている。
【0043】図1の実施の形態では、半導体製造工程に
起因する抵抗値Rxi、Ryi(i=1〜4)の変動が
あった場合、全ての抵抗素子が局所に限られているので
全てが同じ変動をすることになる。いま全てがk倍に変
動したとしよう。加速度が0の場合、このような変動に
よってBx=By=0は変わらない。X方向またはY方
向加速度がある場合には、BxまたはByは(ΔR+Δ
R′)に比例し、従ってεに比例する。εで変化しない
一定項は発生しない。その結果小さな加速度でも、εに
比例した出力、即ち加速度に比例した出力を得られる。
もしεに比例しない一定項があるとその一定項以下のε
に比例する項は観測にかからないことになる。
【0044】図1の実施の形態では、X軸方向加速度検
出用拡散抵抗Rxi(i=1〜4)とY軸方向加速度検
出用拡散抵抗Ryi(i=1〜4)が台座部5に近接し
た位置XL1,YL1にある近接領域XA1、YA1に
ある場合について述べた。本発明の実施例としては、X
軸方向加速度検出用拡散抵抗とY軸方向加速度検出用拡
散抵抗がそれぞれ台座部5に近接した位置XL2、YL
2にある近接領域XA2、YA2の組の領域にあっても
よい。またX軸方向加速度検出用拡散抵抗とY軸方向加
速度検出用拡散抵抗がそれぞれ錘部3に近接した位置X
L3、YL3にある近接領域XA3、YA3の組の領域
にあってもよい。この場合は加速度による抵抗変化の符
号と出力電圧の符号が反転するものとする。またX軸方
向加速度検出用拡散抵抗とY軸方向加速度検出用拡散抵
抗がそれぞれ錘部3に近接した位置XL4、YL4にあ
る近接領域XA4、YA4の組の領域にあってもよい。
この場合にも加速度による抵抗変化の符号と出力電圧の
符号が反転するものとする。請求項1から16における
第1から第8までの近接領域をそれぞれXA1,YA
1、XA2、YA2、XA3、XA4、YA3、YA4
に対応するものとする。
【0045】図3は本発明の第2の実施の形態の1例を
示す図である。図3(A)は抵抗素子Rxi、Ryi
(i=1〜4)の配置の平面図である。断面図は図1の
実施の形態と同じになるから省略する。図3(B)、
(C)は加速度検出用拡散抵抗の形状の例を示す平面図
である。以下の実施の形態においては、請求項4以下に
おける第1〜4までのX軸方向加速度検出用拡散抵抗を
それぞれRxi(i=1〜4)、Y軸方向加速度検出用
拡散抵抗をそれぞれRyi(i=1〜4)とする。8個
の抵抗素子Rxi、Ryi(i=1〜4)は台座部5に
近接した位置にある。第1及び第2のX軸方向加速度検
出用拡散抵抗Rx1、Rx2は、可撓部7のX軸を間に
して近接する一対の近接領域(XA1)にそれぞれX軸
方向とY軸方向に延びるように形成されている。第3及
び第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗Rx3、Rx4
は、可撓部7のX軸を間にして近接する一対の近接領域
(XA2)にそれぞれY軸方向とX軸方向に延びるよう
に形成されている。これらの2つの近接領域(XA1,
XA2)はそれぞれ可撓部7の一部の局所(XL1,X
L2付近)に局限されている。第1及び第2のY軸方向
加速度検出用拡散抵抗Ry1、Ry2は、可撓部7のY
軸を間にして一対の近接領域(YA1)にそれぞれY軸
方向とX軸方向に延びるように形成されている。第3及
び第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗Ry3、Ry4
は、可撓部7のY軸を間にして一対の近接領域(YA
2)にそれぞれX軸方向とY軸方向に延びるように形成
されている。これらの2つの近接領域(YA1,YA
2)はそれぞれ可撓部7の一部の局所(YL1,YL2
付近)に局限されている。
【0046】第1及び第4のX軸方向加速度検出用拡散
抵抗Rx1、Rx4は、原点Oを中心として対称な位置
に配置され、第2及び第3のX軸方向加速度検出用拡散
抵抗Rx2、Rx4は、原点Oを中心として対称な位置
に配置されている。また第1及び第4のY軸方向加速度
検出用拡散抵抗Ry1、Ry4は、原点Oを中心として
対称な位置に配置され、第2及び第3のY軸方向加速度
検出用拡散抵抗Ry2、Ry3は、原点Oを中心として
対称な位置に配置されている。また一対の近接領域(X
A1,XA2,YA1,YA2)が台座部5に近接した
位置(XL1,XL2,YL1,YL2)に配置されて
いる。
【0047】以上のような加速度検出用拡散抵抗の配置
において、X軸方向加速度に対する加速度検出用拡散抵
抗の抵抗変化を求める。X軸方向加速度検出用拡散抵抗
Rx1、Rx2は近接領域XA1に配置され、図2
(B)の断面図で台座部5に近接する位置XL1付近で
は伸びになっている。X軸方向加速度検出用拡散抵抗R
x3、Rx4は近接領域XA2に配置され、図2(B)
の断面図で台座部5に近接する位置XL2付近ではちぢ
みになっている。以上からX軸方向加速度によるX軸方
向加速度検出用拡散抵抗の抵抗変化の式を書くと Rx1=R+ΔR Rx2=R−ΔR′ Rx3=R+ΔR′ Rx4=R−ΔR となる。これより Bx=(R−ΔR)(R−ΔR′)−(R+ΔR)(R+ΔR′) =−2R・(ΔR+ΔR′) となって、やはりεに比例する結果を得る。X軸方向加
速度に対してY軸方向加速度検出用拡散抵抗Ryi(i
=1〜4)の変化はなく、ブリッジの出力Eyは0にな
る。Y軸方向加速度に対しては、同様にして、By=−
2R・(ΔR+ΔR′)、Bx=0が出力される。従っ
て、X軸方向加速度に対してはX軸方向加速度検出用拡
散抵抗のブリッジのみがεに比例する電圧を出力する。
【0048】Y軸方向加速度にたいしてはX、Yの文字
を入れ替えて、X軸方向加速度検に対する結果を利用し
て、Y軸方向加速度検出用拡散抵抗のブリッジのみがε
に比例する電圧を出力することを同様にして求めること
ができる。
【0049】X軸方向加速度検出用拡散抵抗Rx1、R
x2は同じ近接領域(XA1)にあるので、互いの相対
的な変動はないと考えて良い。またRx3、Rx4が近
接領域(XA2)にあり、やはり互いの相対的な変動は
ないと考えて良い。Rx1、Rx2が配置された一対の
近接領域(XA1)とRx3、Rx4が配置された一対
の近接領域(XA2)は距離があって離れた領域にあ
る。従って、これらの近接領域にある抵抗素子間の特性
には互いに相対的な変動が存在すると考えなければなら
ない。Rx3、Rx4が一対の近接領域(XA1)にあ
ったとした場合のk倍に変動したとしよう。つまり、R
x3⇒k・Rx3、Rx4⇒k・Rx4のように変動し
たとするとBxはBx=Rx2・Rx4−Rx1・Rx
3⇒k・(Rx2・Rx4−Rx1・Rx3)=k・B
x=4k・R・(ΔR+ΔR′)のように変動する。も
とのBxがεの1次関数である事に対応して変動値のk
Bxもεの1次関数になる。即ち抵抗体の抵抗値の変動
はεによらない項が発生しないように変動する。従って
εによらない項の発生によって低加速度領域で感度が落
ちることはない。
【0050】次にExのεに比例する出力電圧変動を計
算すると Ex=V・Bx/[(Rx1+Rx4)(Rx2+Rx3)] ⇒k・V・Bx/[(Rx1+k・Rx4)(Rx2+k・Rx3)] =(1/2)V・R・(ΔR+ΔR′)・[k/(1+k)] のようになり、k=1の場合のExの値の[4k/(1
+k)]倍になる。kの値は通常の製造工程では0.
9〜1.1の範囲にあるのでk=1+Δkと書くとΔk
は±0.1の間の絶対値が0.1以下の小さな数にな
る。このExをΔkの2次までテーラ展開すると Ex=[V・R・(ΔR+ΔR′)/8][1−(1/
4)Δk] となる。但しここで、簡単のためにRxi=Ryi=R
(i=1〜4)とした。このようにしても何等一般性を
失うことはない。この時、抵抗素子の抵抗値のばらつき
が±10%あっても出力の変動は0.25%以下にな
る。また抵抗値のばらつきが±20%あっても出力の変
動はわずか1%以内にとどまる。Y方向加速度に対して
も同様のことが成立する。
【0051】図3に示す実施の形態ではX軸方向、また
はY軸方向加速度検出用拡散抵抗のそれぞれが一対の近
接領域内に2つづつ配置されるにとどまっている。この
ために図1の実施の形態のように1つの近接領域に各軸
方向加速度検出用拡散抵抗の4個が配置されている場合
に比べて一対の近接領域内に各軸方向加速度検出用拡散
抵抗をX軸またはY軸に近接する位置に配置することが
できる。図3に示す実施の形態では、例えば2つのX軸
方向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i=1、2)が、一
対の近接領域XA1内でX軸に近接する対称な位置に配
置されている。可撓部7における変形の分布をX成分と
Y成分に分離すると厳密にX、Y成分が分離できるのは
X軸上、またはY軸上のみである。例えばX軸方向加速
度に対してX軸上の可撓部7が純粋にX軸方向加速度の
みを感じて変形が起こる。これに対して台座部5と可撓
部7との境界線YL1、YL2上ではX軸方向の伸びち
ぢみは存在しない。従ってここにY軸方向加速度検出用
拡散抵抗Ryi(i=1〜4)を配置すればX軸方向加
速度を検出しない。しかし、X軸からYL1線、YL2
線に至る中間の領域では、X軸方向加速度に起因する変
形が徐々に減少するが0ではない。Y軸方向加速度検出
用拡散抵抗を厳密にYL1、YL2の直線上に配置する
ことは不可能であり、YL1,YL2以外の領域にY軸
方向加速度検出用拡散抵抗を配置するとX軸方向加速度
を感じることになる。従って、現実には完全な他軸分離
はあり得ず、これはあくまでも近似的なものである。従
って、完全な他軸分離が実現される理想的な配置に近い
配置を実現できるようにすることは半導体加速度センサ
素子では非常に重要なことである。図3に示す実施の形
態では、X軸方向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i=
1、2)を一対の近接領域XA1内でX軸に近接する変
形の均一性が高い位置に配置することによって他軸感度
が小さくなるようにすることができる。またX軸に近接
する領域はX軸方向の応力の高い位置になっている。こ
のために、X軸方向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i=
1、2)を高感度の半導体加速度センサ素子を実現でき
る効果がある。また図1の実施の形態のように1つの近
接領域に各軸方向加速度検出用拡散抵抗の4個が配置さ
れている場合に比べて図3に示す実施の形態では一対の
近接領域内に各軸方向加速度検出用拡散抵抗を2個配置
するための加速度検出用拡散抵抗を配置するための面積
の余裕が生ずる。従って、一対の近接領域XA1内の加
速度検出用拡散抵抗Rxi(i=1、2)のそれぞれの
形状を図3(B)のような長方形の形状の代わりに、図
3(C)のように蛇行した形状にして長さをかせいで抵
抗値を稼ぐことによって、半導体加速度センサ素子の測
定時における発熱量を低下させることができる効果があ
る。
【0052】以上X軸方向加速度検出用拡散抵抗Rxi
(i=1、2)について述べたのと同じ効果が、X軸方
向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i=3,4)と、Y軸
方向加速度検出用拡散抵抗Ryi(i=1〜4)とにつ
いても言える。このような効果は以下に述べる本発明で
1対の近接領域におけるX方向、Y方向加速度検出用拡
散抵抗が2つ配列されている場合にも適用できる。
【0053】また本発明は、第1、第3の一対の近接領
域(XA1,XA2)にそれぞれが配置されたX軸方向
加速度検出用拡散抵抗Rxi(i=1,2)、Rxi
(i=3,4)をX軸に平行に移動して、錘部3に近接
した位置(XL3,XL4)にある近接領域(XA3,
XA4)にそれぞれを配置し、一対の近接領域(YA
1,YA2)にそれぞれが配置されたY軸方向加速度検
出用拡散抵抗Ryi(i=1,2)、Ryi(i=3,
4)をY軸に平行に移動して、錘部3に近接した位置
(YL3,YL4)にある近接領域(YA3,YA4)
にそれぞれを配置している半導体加速度センサ素子を含
む。この場合はブリッジの出力電圧の符号が逆になる点
を除けば、作用も効果も図3の実施の形態の場合と同様
である。また本発明は、一対の近接領域(XA1,XA
2,YA1,YA2)が台座部5に近接した位置(XL
1,XL2,YL1,YL2)に配置されている場合を
含む。こうすると加速度検出用拡散抵抗へ金属蒸着の方
法などで配線パターンを形成するのが容易になる。
【0054】図4は本発明の第3の実施の形態の1例を
示す抵抗素子の配置の平面図である。X軸方向加速度検
出用拡散抵抗Rxi(i=1〜4)、Y軸方向加速度検
出用拡散抵抗Ryi(i=1〜4)、Z軸方向加速度検
出用拡散抵抗Rzi(i=1〜4)は錘部3に近接する
領域(XA3,XA4,YA3,YA4)に配置されて
いる。以下の実施の形態でZ軸方向加速度検出用拡散抵
抗Rzi(i=1〜4)は請求項8以下における第1〜
第4のZ軸方向加速度検出用拡散抵抗に対応しているも
のとする。第1及び第2のX軸方向加速度検出用拡散抵
抗Rxi(i=1,2)は、可撓部7のX軸を間にして
近接する一対の近接領域(XA3)にそれぞれX軸方向
とY軸方向に延びるように形成され、第3及び第4のX
軸方向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i=3,4)は、
一対の近接領域(XA3)とはY軸に関して対称な位置
にあり、可撓部7のX軸を間にして近接する一対の近接
領域(XA4)に、それぞれY軸方向とX軸方向とに延
びるように形成されている。また第1及び第2のY軸方
向加速度検出用拡散抵抗Ryi(i=1,2)は、可撓
部7のY軸を間にして近接する近接領域(YA3)にそ
れぞれY軸方向とX軸方向に延びるように形成され、第
3及び第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗Ryi(i
=3,4)は、一対の近接領域(YA3)とはX軸に関
して対称な位置にあり、可撓部7のY軸を間にして近接
する一対の近接領域(YA4)にそれぞれX軸方向とY
軸方向に延びるように形成されている。また第1及び第
2のZ軸方向加速度検出用拡散抵抗Rzi(i=1,
2)は、可撓部7のX軸を間にして近接する一対の近接
領域(XA3)にそれぞれX軸方向とY軸方向に延びる
ように形成され、第3及び第4のZ軸方向加速度検出用
拡散抵抗Rzi(i=3,4)は、一対の近接領域(X
A3)とはY軸に関して対称な位置にあり、可撓部7の
X軸を間にして近接する近接領域(XA4)にそれぞれ
X軸方向とY軸方向に延びるように形成されている。
【0055】第1及び第4のX軸方向加速度検出用拡散
抵抗Rx1、Rx4は、原点Oを中心として対称な位置
に配置され、第2及び第3のX軸方向加速度検出用拡散
抵抗Rx2、Rx3は、原点Oを中心として対称な位置
に配置されている。第1及び第4のY軸方向加速度検出
用拡散抵抗Ry1,Ry4は、原点Oを中心として対称
な位置に配置され、第2及び第3のY軸方向加速度検出
用拡散抵抗Ry2、Ry3は、原点Oを中心として対称
な位置に配置されている。第1及び第3のZ軸方向加速
度検出用拡散抵抗Rz1、Rz3は、原点Oを中心とし
て対称な位置に配置され、第2及び第4のZ軸方向加速
度検出用拡散抵抗Rz2、Rz4は、原点Oを中心とし
て対称な位置に配置されている。また一対の近接領域
(XA3,XA4,YA3,YA4)が錘部3に近接し
た位置(XL3,XL4,YL3,YL4)に配置され
ている。このようにすると本発明の半導体加速度センサ
素子の加速度検出感度を向上することが出来る効果があ
る。
【0056】図4の実施の形態では、X軸方向加速度検
出用拡散抵抗Rxi(i=1,2)はXL3に近接する
近接領域XA3にあり、図2(A)に示すX方向加速度
に対する変形では、XL3における変形はちぢみになっ
ている。X軸方向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i=
3,4)は一対の近接領域XA4にある。領域XA4は
図2(A)の錘部3に近接する位置XL4にあり、ここ
では半導体単結晶基板の表面は伸びになっている。Y軸
方向加速度検出用拡散抵抗Ryi(i=1,2)、Ry
i(i=3,4)はそれぞれ一対の近接領域YA3、Y
A4にある。従って、X軸方向加速度に対するY軸方向
加速度検出用拡散抵抗Ryi(i=1〜4)の変化はな
い。Z軸方向加速度検出用拡散抵抗Rzi(i=1,
2)とRzi(i=3,4)はそれぞれ一対の近接領域
XA3,XA4にある。従ってX軸方向加速度に対する
Z軸方向加速度検出用拡散抵抗Rzi(i=1,2)の
変化はRxi(i=1,2)と同じであり、Rzi(i
=3,4)はそれぞれRxi(i=4,3)と同じにな
る。
【0057】以上から、X軸方向の正の加速度に対する
X軸方向加速度検出用拡散抵抗、Y軸方向加速度検出用
拡散抵抗、Z軸方向加速度検出用拡散抵抗の変化をまと
めると以下のようになる。
【0058】Rx1=R−ΔR Rx2=R+ΔR′ Rx3=R−ΔR′ Rx4=R+ΔR Ry1=Ry2=Ry3=Ry4=R Rz1=R−ΔR Rz2=R+ΔR′ Rz3=R+ΔR Rz4=R−ΔR′ となる。この結果を用いると、X方向の出力ExはBx
=2R・(ΔR+ΔR′)に比例し、Y方向の出力Ey
はBy=R−R=0に比例し0となる。またZ軸方
向加速度検出用拡散抵抗からなるブリッジの出力Ez
は、Z軸方向加速度検出用拡散抵抗Rzi(i=1〜
4)をそれぞれ図1(C)のブリッジ回路のRi(i=
1〜4)に置き換えた場合のブリッジの出力電圧をEz
であるとすると、 Ez=V・(Rz2・Rz4−Rz1・Rz3)/[(Rz1+Rz4)(R z2+Rz3)] (5) となる。ここで後の便宜のため次のBz Bz=Rz2・Rz4−Rz1・Rz3 (6) を導入する。すると、Bz=(R−ΔR′)・(R+Δ
R′)−(R+ΔR)・(R−ΔR)=ΔR−ΔR′
=O(ε)のようにεの2次の項になり、εは小さ
い値なのでεの2次の項を0と見なすことが出来る。従
ってBxだけがεに比例する値を出力し、X方向加速度
の出力Exだけが現れることになる。
【0059】Y方向加速度に対する抵抗素子の変化は、
X方向加速度の場合と同じに考えると以下のようにな
る。Y軸方向加速度検出用拡散抵抗Ryi(i=1,
2)、Ryi(i=3,4)がそれぞれ配置される近接
領域YA3、YA4は図2(A)で錘部3に近接する位
置YL3,YL4にある。図2(A)でXLi,YLi
(i=1〜4)と書いてあるのは、X方向加速度または
Y方向加速度に対してそれぞれXLi(i=1〜4)ま
たはYLi(i=1〜4)における半導体結晶表面の変
形を示すものとする。Y軸方向加速度に対する半導体単
結晶基板の表面の変形は位置YL3,YL4では半導体
単結晶基板の表面はそれぞれちぢみと伸びになってい
る。以上からY軸方向加速度に対するX軸方向加速度検
出用拡散抵抗、Y軸方向加速度検出用拡散抵抗、Z軸方
向加速度検出用拡散抵抗の変化は以下のようになる。
【0060】Rx1=Rx2=Rx3=Rx4=Rz1
=Rz2=Rz3=Rz4=R Ry1=R−ΔR Ry2=R+ΔR′ Ry3=R−ΔR′ Ry4=R+ΔR となる。この結果を用いるとBy=4R・(ΔR+Δ
R′)、Bx=Bz=0となり、Y方向加速度に対する
出力Eyだけがεに比例する値を出力する。
【0061】Z方向加速度運動に対しては可撓部7は図
2(B)のような変形を起こす。X軸方向加速度検出用
拡散抵抗Rxi(i=1,2)、Rxi(i=3,4)
はそれぞれ一対の近接領域XA3、XA4にある。一対
の近接領域XA3、XA4はそれぞれ錘部3に近接した
位置XL3、XL4に近接して配置されている。従っ
て、図2(B)によると、これらの2つの近接領域XA
3,XA4では半導体単結晶基板は、どちらもちぢみに
なっている。Y軸方向加速度検出用拡散抵抗Ryi(i
=1〜4)はそれぞれX軸方向加速度検出用拡散抵抗R
xi(i=1〜4)と同じ変形をして同じ抵抗変化を示
す。Z軸方向加速度検出用拡散抵抗Rzi(i=1,
2)は、X軸方向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i=
1,2)と同じ変形をして同じ抵抗変化を示す。Z軸方
向加速度検出用拡散抵抗Rzi(i=3,4)は、X軸
方向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i=4,3)と同じ
変形をして、同じ抵抗変化を示す。以上の変形の伸びち
ぢみとX軸、Y軸、Z軸方向加速度検出用拡散抵抗の配
列がX軸、Y軸のどちらを向いているかによって、Z方
向加速度に対するX軸方向加速度検出用拡散抵抗、Y軸
方向加速度検出用拡散抵抗、Z軸方向加速度検出用拡散
抵抗の抵抗の変化は以下のようになる。
【0062】Rx1=Rx4=R−ΔR Rx2=Rx3=R+ΔR′ Ry1=Ry4=R−ΔR Ry2=Ry3=R+ΔR′ Rz1=Rz3=R−ΔR Rz2=Rz4=R+ΔR′ この結果を用いると、Bx=By=0となる。従って、
X軸方向加速度検出用拡散抵抗、Y軸方向加速度検出用
拡散抵抗のブリッジの出力Ex、Eyは0になる。また
Z軸方向加速度検出用拡散抵抗のブリッジに対しては、
Bz=2R・(ΔR+ΔR′)となって、Ezはεに比
例する値を出力する。この実施の形態での半導体加速度
センサ素子は錘部3の近接領域(XA3、XA4、YA
3、YA4)にあるので、たわみが大きくなり従って加
速度の感度が増大する。この実施の形態の効果は、感度
がよいことである。図2(C)に可撓部7の変形の断面
図を示す。但し簡単のために可撓部が台座部5と錘部3
との境界で直線的に折れ曲がるとしている。錘部3と可
撓部7の間の角度β、及び可撓部7と台座部5との間の
角度γ、錘部3の台座部7に対する傾きの角度αの間に
はβ=α+γの関係がある。ここで、錘部3の傾きαが
大きいほど、γとβの差は大きい。つまりXL3点にお
ける感度がXL1点における感度よりも良い。
【0063】図5は本発明の第4の実施の形態の1例を
示す加速度検出用拡散抵抗の平面図である。全ての加速
度検出用拡散抵抗が台座部5に近接して配置されてい
る。加速度検出用拡散抵抗の形とX軸Y軸に対する向き
は図4の実施の形態と同じ形状である。その結果X方
向、Y方向、Z方向の加速度に対するX軸方向加速度検
出用拡散抵抗Rxi(i=1〜4)、Y軸方向加速度検
出用拡散抵抗Ryi(i=1〜4)、Z軸方向加速度検
出用拡散抵抗Rzi(i=1〜4)の抵抗変化の符号は
図4の実施の形態の場合のそれぞれの加速度検出用拡散
抵抗の抵抗変化と逆符号になる。図5の実施の形態でも
X方向、Y方向、Z方向の加速度に対するX軸方向加速
度検出用拡散抵抗、Y軸方向加速度検出用拡散抵抗、Z
軸方向加速度検出用拡散抵抗の抵抗変化でそれぞれX成
分、Y成分、Z成分の出力だけがεに比例する電圧を出
力する。他の出力は0である。図5の実施の形態では加
速度検出用拡散抵抗が台座部5の近接領域にあるので抵
抗素子と外部端子との間をつなぐ半導体単結晶基板上の
配線が短縮される効果がある。
【0064】以上図4と図5の実施の形態の1例におけ
る半導体加速度センサ素子の共通の特徴を述べる。これ
らの実施の形態では、X方向、Y方向、Z方向いずれの
方向の加速度に対しても、加速度検出用拡散抵抗Rx
i、Ryi、Rzi(i=1〜4)はi=1,2とi=
3,4の組になってこれらが8個の近接領域のいずれか
に配置されている。従って、図3に示す実施の形態の加
速度センサ素子で述べたのと同じように、製造の変動に
よって、出力が変形εに対して1次の項だけが表れるよ
うに収まっていると言える。またi=3,4の素子がi
=1、2の素子に対してk=1+Δk倍に変動したとす
ると、Δkが±10%変動したとすると、出力は0.2
5%以内の変動にとどまり、Δkが±20%変動したと
すると、出力は1%以内の変動にとどまる。
【0065】図6は本発明の第5の実施の形態の1例を
示す図である。図6において、X軸方向加速度検出用拡
散抵抗Rxi(i=1,2)がX軸を間にして近接する
一対の近接領域(XA3)にそれぞれX軸方向およびY
軸方向に延びるように形成され、X軸方向加速度検出用
拡散抵抗Rxi(i=3,4)が、近接する一対の近接
領域XA4にそれぞれY軸方向とX軸方向に延びるよう
に形成され、Y軸方向加速度検出用拡散抵抗Ryi(i
=1,2)は、Y軸を間にして近接する一対の近接領域
(YA3)にそれぞれY軸方向とX軸方向に延びるよう
に形成され、Y軸方向加速度検出用拡散抵抗Ryi(i
=3,4)は、Y軸を間にして近接する一対の近接領域
(YA4)にそれぞれX軸方向とY軸方向に延びるよう
に形成されている。Z軸方向加速度検出用拡散抵抗Rx
i(i=1,2)は、X軸を間にして近接する一対の近
接領域(XA1)にそれぞれY軸方向とX軸方向に延び
るように形成され、Z軸方向加速度検出用拡散抵抗Rz
i(i=3,4)は、X軸を間にして近接する一対の近
接領域(XA2)にそれぞれY軸方向とX軸方向に延び
るように形成されている。
【0066】X軸方向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i
=1,4)は、原点Oを中心として対称な位置に配置さ
れ、X軸方向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i=2,
3)は、原点Oを中心として対称な位置に配置され、Y
軸方向加速度検出用拡散抵抗Ryi(i=1,4)は、
原点Oを中心として対称な位置に配置され、Y軸方向加
速度検出用拡散抵抗Ryi(i=2,3)は、原点Oを
中心として対称な位置に配置され、Z軸方向加速度検出
用拡散抵抗Rzi(i=1,3)は、原点Oを中心とし
て対称な位置に配置され、Z軸方向加速度検出用拡散抵
抗Rzi(i=2,4)は、原点Oを中心として対称な
位置に配置されている。
【0067】また近接する第5の一対の近接領域(XA
3)、近接する第6の一対の近接領域XA4、近接する
第7の一対の近接領域(YA3)、近接する第8の一対
の近接領域(YA4)が錘部3に近接する位置XL3,
XL4,YL3,YL4に配置し、近接する第1の一対
の近接領域(XA1)、近接する第3の一対の近接領域
(XA2)に配置している。
【0068】各軸方向加速度検出用拡散抵抗が配置され
る一対の近接領域におけるこれまでに述べた伸びとちぢ
みを考慮すると、X方向の正の加速度に対するX軸方向
加速度検出用拡散抵抗、Y軸方向加速度検出用拡散抵
抗、Z軸方向加速度検出用拡散抵抗の抵抗変化は以下の
ようになる。
【0069】Rx1=R−ΔR Rx2=R+ΔR′ Rx3=R−ΔR′ Rx4=R+ΔR Ry1=Ry2=Ry3=Ry4=R Rz1=R−ΔR′ Rz2=R+ΔR Rz3=R+ΔR′ Rz4=R−ΔR となる。この結果を用いると、X方向の出力ExはBx
=2R・(ΔR+ΔR′)に比例し、Y方向の出力Ey
はBy=R−R=0に比例し0となる。またZ方向
の出力EzはBz=(R−ΔR)・(R+ΔR)−(R
+ΔR′)・(R−ΔR′)=ΔR′−ΔR=O
(ε)のようにεの2次の項になり、εは小さい値な
のでεの2次の項を0と見なすことが出来る。従ってB
xだけがεに比例する値を出力し、X方向加速度の出力
Exだけが現れることになる。
【0070】Y軸方向加速度に対するX軸方向加速度検
出用拡散抵抗、Y軸方向加速度検出用拡散抵抗、Z軸方
向加速度検出用拡散抵抗の変化は、X軸方向加速度の場
合と同じに考えると、以下のようになる。
【0071】Rx1=Rx2=Rx3=Rx4=Rz1
=Rz2=Rz3=Rz4=R Ry1=R−ΔR Ry2=R+ΔR′ Ry3=R−ΔR′ Ry4=R+ΔR となる。この結果を用いるとBy=4R・(ΔR+Δ
R′)、Bx=Bz=0となり、Y方向加速度に対する
出力Eyだけがεに比例する値を出力する。
【0072】Z方向加速度運動に対するX軸方向加速度
検出用拡散抵抗、Y軸方向加速度検出用拡散抵抗、Z軸
方向加速度検出用拡散抵抗の抵抗の変化は、同様にして
以下のようになる。
【0073】 Rx1=Rx4=Ry1=Ry4=R−ΔR Rx2=Rx3=Ry2=Ry3=R+ΔR′ Rz1=Rz3=R−ΔR′ Rz2=Rz4=R+ΔR となる。この結果を用いると、Bx=By=0となる。
従って、X方向、Y方向のブリッジの出力Ex、Eyは
0になる。またZ方向加速度に対してはブリッジの出力
Ezは、Bz=2R・(ΔR+ΔR′)に比例し、Ez
はεに比例する値を出力する。
【0074】図7は本発明の第6の実施の形態の一例を
示す図である。図7において、X軸方向加速度検出用拡
散抵抗Rxi(i=1,2)がX軸を間にして近接する
一対の近接領域(XA1)にそれぞれX軸方向およびY
軸方向に延びるように形成され、X軸方向加速度検出用
拡散抵抗Rxi(i=3,4)が、近接する一対の近接
領域XA2にそれぞれY軸方向とX軸方向に延びるよう
に形成され、Y軸方向加速度検出用拡散抵抗Ryi(i
=1,2)は、Y軸を間にして近接する一対の近接領域
(YA1)にそれぞれY軸方向とX軸方向に延びるよう
に形成され、Y軸方向加速度検出用拡散抵抗Ryi(i
=3,4)は、Y軸を間にして近接する一対の近接領域
(YA2)にそれぞれX軸方向とY軸方向に延びるよう
に形成されている。Z軸方向加速度検出用拡散抵抗Rx
i(i=1,2)は、X軸を間にして近接する一対の近
接領域(XA3)にそれぞれY軸方向とX軸方向に延び
るように形成され、Z軸方向加速度検出用拡散抵抗Rz
i(i=3,4)は、X軸を間にして近接する一対の近
接領域(XA4)にそれぞれY軸方向とX軸方向に延び
るように形成されている。
【0075】X軸方向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i
=1,4)は、原点Oを中心として対称な位置に配置さ
れ、X軸方向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i=2,
3)は、原点Oを中心として対称な位置に配置され、Y
軸方向加速度検出用拡散抵抗Ryi(i=1,4)は、
原点Oを中心として対称な位置に配置され、Y軸方向加
速度検出用拡散抵抗Ryi(i=2,3)は、原点Oを
中心として対称な位置に配置され、Z軸方向加速度検出
用拡散抵抗Rzi(i=1,3)は、原点Oを中心とし
て対称な位置に配置され、Z軸方向加速度検出用拡散抵
抗Rzi(i=2,4)は、原点Oを中心として対称な
位置に配置されている。
【0076】近接する第1の一対の近接領域(XA
1)、近接する第3の一対の近接領域XA2、近接する
第2の一対の近接領域(YA1)、近接する第4の一対
の近接領域(YA2)が台座部5に近接するXL1,X
L2,YL1,YL2に配置され、第5の一対の近接領
域(XA3)、第7の近接する一対の近接領域(XA
4)が錘部に近接する位置XL3,XL4に配置されて
いる。
【0077】この場合も、同様にして、X軸方向、Y軸
方向、Z軸方向の加速度に対して、それぞれX軸方向、
Y軸方向、Z軸方向加速度検出用拡散抵抗は、図6の実
施の形態と全ての加速度検出用拡散抵抗抵抗の抵抗変化
の符号が反対符号になり、従ってそれぞれX軸方向、Y
軸方向、Z軸方向の加速度検出用拡散抵抗で構成される
ブリッジのみが加速度に比例する電圧を出力し、従って
出力の符号も図6の実施の形態の場合とは反対符号にな
る。
【0078】図6と図7に示す実施の形態ではX軸方
向、Y軸方向、Z軸方向加速度検出用拡散抵抗のそれぞ
れが一対の近接領域内に2つずつ配置されている。この
ために図1の実施の形態のように1つの近接領域に各軸
方向加速度検出用拡散抵抗の4個が配置されている場合
に比べて一対の近接領域内に各軸方向加速度検出用拡散
抵抗を配置するためにX軸またはY軸に近接する位置に
配置することができる。図6,8に示す実施の形態で
は、例えば2つのX軸方向加速度検出用拡散抵抗Rxi
(i=1,2)が、一対の近接領域XA1内でX軸に近
接する対称な位置に配置されている。可撓部7における
変形の分布をX成分とY成分に分離すると厳密にX、Y
成分が分離できるのはX軸上、またはY軸上のみであ
る。例えばX軸方向加速度に対してX軸上の可撓部7が
純粋にX軸方向加速度のみを感じて変形が起こる。これ
に対して台座部5と可撓部7との境界線YL1,YL2
上ではX軸方向の伸びちぢみは存在しない。X軸とYL
1線,YL2線との中間の領域では、X軸方向加速度に
起因する変形が存在する。Y軸方向加速度検出用拡散抵
抗を厳密にYL1,YL2の直線上に配置することは不
可能であり、YL1,YL2以外の領域にY軸方向加速
度検出用拡散抵抗を配置するとX軸方向加速度を感じる
ことになる。従って、現実には完全な他軸分離はあり得
ず、これはあくまでも近似的なものである。従って、完
全な他軸分離が実現される理想的な配置に近い配置を実
現できるようにすることは半導体加速度センサ素子では
非常に重要なことである。図6と図7の実施の形態で
は、X軸方向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i=1,
2)を一対の近接領域XA1内でX軸に近接する変形の
均一性が高い位置に配置することによって他軸感度が小
さくなるようにすることができる。またX軸に近接する
領域はX軸方向の応力の高い位置になっている。このた
めに、X軸方向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i=1,
2)を高感度の半導体加速度センサ素子を実現できる効
果がある。また図1の実施の形態のように1つの近接領
域に各軸方向加速度検出用拡散抵抗の4個が配置されて
いる場合に比べて図6と図7に示した実施の形態では一
対の近接領域内に各軸方向加速度検出用拡散抵抗を2個
配置するための加速度検出用拡散抵抗を配置するための
面積の余裕が生ずる。従って、一対の近接領域XA1内
の加速度検出用拡散抵抗Rxi(i=1,2)のそれぞ
れの形状を図3(B)のような長方形の形状の代わり
に、図3(C)のように蛇行した形状にして長さをかせ
いで抵抗値を稼ぐことによって、半導体加速度センサ素
子の測定時における発熱量を低下させることができる効
果がある。以上X軸方向加速度検出用拡散抵抗Rxi
(i=1,2)について述べたのと同じ効果が、X軸方
向加速度検出用拡散抵抗Rxi(i=3,4)と、Y軸
方向加速度検出用拡散抵抗Ryi(i=1〜4)と、Z
軸方向加速度検出用拡散抵抗Rzi(i=1〜4)につ
いても言える。
【0079】このような効果は以下に述べる本発明で1
対の近接領域におけるX方向、Y方向加速度検出用拡散
抵抗が2つ配列されている場合にも適用できる。Z軸方
向加速度検出用拡散抵抗に付いても同様のことが言え
る。
【0080】
【発明の効果】本発明の半導体加速度センサ素子によっ
て、一対の抵抗素子が一対の近接領域に形成されている
ために、製造過程で特性の変動が生じても、出力電圧が
加速度による変形に比例する項を保ち、且つ出力の変動
が生じないようにできる効果がある。本発明の半導体加
速度センサ素子のように、加速度検出用拡散抵抗素子を
台座部に近接する近接領域に形成すると加速度検出用拡
散抵抗素子に配線パターンを形成するのが容易になる。
本発明の半導体加速度センサ素子のように、加速度検出
用拡散抵抗を錘部の近くに形成すると半導体加速度セン
サ素子の検出感度を増すことが出来る効果がある。また
X軸方向、またはY軸方向、またはZ方向軸方向加速度
検出用拡散抵抗を1つの近接領域にそれぞれ2個づつ配
置すると、一対の近接領域内でX、Y軸に近接する変形
の均一性が高い位置に配置することが出来て、他軸感度
が小さくなるようにすることができる。またX、Y軸に
近接する領域は軸方向の応力の高い位置になっていて、
高感度の半導体加速度センサ素子を実現できる効果があ
る。加速度検出用拡散抵抗を配置するための面積の余裕
が生ずるので、一対の近接領域内の加速度検出用拡散抵
抗の形状を長方形の形状の代わりに、蛇行した形状にし
て長さをかせいで抵抗値を稼ぐことによって、半導体加
速度センサ素子の測定時における発熱量を低下させるこ
とができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の半導体加速度セン
サ素子の実施の形態の一例の平面図と断面図を示してい
る。
【図2】X方向、Y方向加速度とZ方向加速度に対する
半導体加速度センサ素子の変形を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の半導体加速度セン
サ素子の一例の平面図を示している。
【図4】本発明の第3の実施の形態の半導体加速度セン
サ素子の一例の平面図を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態の半導体加速度セン
サ素子の一例の平面図を示す図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態の半導体加速度セン
サ素子の一例の平面図を示す図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態の半導体加速度セン
サ素子の一例の平面図を示す図である。
【図8】従来の半導体加速度センサ素子の一例の平面図
を示している。
【符号の説明】
1 半導体加速度センサ素子 3 錘部 5 台座部 7 可撓部 Rx1,Rx2,Rx3,Rx4 X軸方向加速度検出
用拡散抵抗 Ry1,Ry2,Ry3,Ry4 Y軸方向加速度検出
用拡散抵抗 Rz1,Rz2,Rz3,Rz4 Z軸方向加速度検出
用拡散抵抗 R1,R2,R3,R4 ブリッジの抵抗 XA1,XA2,XA3,XA4,YA1,YA2,Y
A3,YA4 一対の近接領域 XL1,XL2,XL3,XL4,YL1,YL2,Y
L3,YL4 可撓部と錘部または台座部との境界線 Ex,Ey,Ez X方向,Y方向,Z方向加速度を検
出するブリッジの出力電圧 V ブリッジの電源電圧 Ax,Ay,Az X方向,Y方向,Z方向の加速度 Fx,Fy,Fz X方向,Y方向,Z方向の慣性力 α,β,γ 錘部、可撓部、台座部の面の間のなす角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小原 陽三 富山県上新川郡大沢野町下大久保3158番地 北陸電気工業株式会社内 Fターム(参考) 4M112 AA02 CA24 CA27 CA32 DA02 DA12 EA01 FA20

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心部に錘部、外周部に台座部、前記錘
    部と前記台座部の間に可撓部を残すように半導体結晶基
    板材料にエッチングが施されて形成された半導体結晶基
    板と、 前記可撓部の表面部に形成されて前記錘部に作用するX
    軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に用いら
    れる第1乃至第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗と、 前記可撓部の表面部に形成されて前記錘部に作用するY
    軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に用いら
    れる第1乃至第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗とを
    具備し、 前記X軸及び前記Y軸の2次元座標系が、前記半導体単
    結晶基板の中心位置に原点Oをとり、XY平面が前記半
    導体単結晶基板の結晶面と平行になり、前記X軸及び前
    記Y軸が前記半導体結晶基板の結晶の2つの互いに直交
    する結晶軸と平行になるように定義され、 前記半導体結晶基板が前記X軸を通りZ軸方向に延びる
    仮想平面に対して対称になり且つ前記Y軸を通りZ軸方
    向に延びる仮想平面に対しても対称になる形状を有して
    いる半導体加速度センサ素子であって、 前記第1及び第2のX軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記可撓部の前記X軸を間にして近接する第1の一対の
    近接領域(XA1)にそれぞれ前記X軸方向に延びるよ
    うに形成され、前記第3及び第4のX軸方向加速度検出
    用拡散抵抗は、前記可撓部の前記X軸を間にして近接す
    る前記第1の一対の近接領域(XA1)にそれぞれ前記
    Y軸方向に延びるように形成され、 前記第1及び第2のY軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記可撓部の前記Y軸を間にして近接する第2の一対の
    近接領域(YA1)にそれぞれ前記Y軸方向に延びるよ
    うに形成され、前記第3及び第4のY軸方向加速度検出
    用拡散抵抗は、前記可撓部の前記Y軸を間にして近接す
    る前記第2の一対の近接領域(YA1)にそれぞれ前記
    X軸方向に延びるように形成されていることを特徴とす
    る半導体加速度センサ素子。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2のX軸方向加速度検出
    用拡散抵抗は、前記X軸に関して対称な位置に配置さ
    れ、 前記第3及び第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記X軸に関して対称な位置に配置され、 前記第1及び第2のY軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記Y軸に関して対称な位置に配置され、 前記第3及び第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記Y軸に関して対称な位置に配置されている請求項1
    に記載の半導体加速度センサ素子。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の一対の近接領域(X
    A1,YA1)が前記台座部に近接した位置(XL1,
    YL1)にある請求項1または2に記載の半導体加速度
    センサ素子。
  4. 【請求項4】 中心部に錘部、外周部に台座部、前記錘
    部と前記台座部の間に可撓部を残すように半導体結晶基
    板材料にエッチングが施されて形成された半導体結晶基
    板と、 前記可撓部の表面部に形成されて前記錘部に作用するX
    軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に用いら
    れる第1乃至第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗と、 前記可撓部の表面部に形成されて前記錘部に作用するY
    軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に用いら
    れる第1乃至第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗とを
    具備し、 前記X軸及び前記Y軸の2次元座標系が、前記半導体単
    結晶基板の中心位置に原点Oをとり、XY平面が前記半
    導体単結晶基板の表面と平行になり、前記X軸及び前記
    Y軸が前記半導体結晶基板の結晶の2つの互いに直交す
    る結晶軸と平行になるように定義され、 前記半導体結晶基板が前記X軸を通りZ軸方向に延びる
    仮想平面に対して対称になり且つ前記Y軸を通りZ軸方
    向に延びる仮想平面に対しても対称になる形状を有して
    いる半導体加速度センサ素子であって、 前記第1及び第2のX軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記可撓部の前記X軸を間にして近接する第1の一対の
    近接領域(XA1)にそれぞれ前記X軸方向と前記Y軸
    方向に延びるように形成され、前記第3及び第4のX軸
    方向加速度検出用拡散抵抗は、前記第1の一対の近接領
    域(XA1)とは前記Y軸に関して対称な位置にあり、
    前記可撓部の前記X軸を間にして近接する第3の一対の
    近接領域(XA2)にそれぞれ前記Y軸方向と前記X軸
    方向に延びるように形成され、 前記第1及び第2のY軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記可撓部の前記Y軸を間にして近接する第2の一対の
    近接領域(YA1)にそれぞれ前記Y軸方向と前記X軸
    方向に延びるように形成され、前記第3及び第4のY軸
    方向加速度検出用拡散抵抗は、前記第2の一対の近接領
    域(YA1)とはX軸に関して対称な位置にあり、前記
    可撓部の前記Y軸を間にして近接する第4の一対の近接
    領域(YA2)にそれぞれ前記X軸方向と前記Y軸方向
    に延びるように形成されていることを特徴とする半導体
    加速度センサ素子。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第4のX軸方向加速度検出
    用拡散抵抗は、前記原点を中心として対称な位置に配置
    され、 前記第2及び第3のX軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記原点を中心として対称な位置に配置され、 前記第1及び第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記原点を中心として対称な位置に配置され、 前記第2及び第3のY軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記原点を中心として対称な位置に配置されている請求
    項4に記載の半導体加速度センサ素子。
  6. 【請求項6】 前記第1、第3、第2、第4の一対の近
    接領域(XA1,XA2、YA1,YA2)がそれぞれ
    前記台座部に近接した位置(XL1,XL2,YL1,
    YL2)にある請求項4または5に記載の半導体加速度
    センサ素子。
  7. 【請求項7】 前記第1、第3の一対の近接領域(XA
    1,XA2)にそれぞれが配置された前記第1、第2及
    び第3、第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗をX軸に
    平行に移動して、前記錘部に近接した位置(XL3、X
    L4)にある第5、第6の近接領域(XA3、XA4)
    にそれぞれを配置し、前記第2、第4の一対の近接領域
    (YA1,YA2)にそれぞれが配置された前記第1、
    第2及び前記第3、第4のY軸方向加速度検出用拡散抵
    抗を前記Y軸に平行に移動して、前記錘部に近接した位
    置(YL3、YL4)にある第7、第8の近接領域(Y
    A3、YA4)にそれぞれを配置したことを特徴とする
    請求項4、5または6に記載の半導体加速度センサ素
    子。
  8. 【請求項8】 中心部に錘部、外周部に台座部、前記錘
    部と前記台座部の間に可撓部を残すように半導体結晶基
    板材料にエッチングが施されて形成された半導体結晶基
    板と、 前記可撓部の表面部に形成されて前記錘部に作用するX
    軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に用いら
    れる第1乃至第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗と、 前記可撓部の表面部に形成されて前記錘部に作用するY
    軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に用いら
    れる第1乃至第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗と、 前記可撓部の表面部に形成されて前記錘部に作用するZ
    軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に用いら
    れる第1乃至第4のZ軸方向加速度検出用拡散抵抗とを
    具備し、 前記X軸及び前記Y軸の2次元座標系が、前記半導体単
    結晶基板の中心位置に原点Oをとり、XY平面が前記半
    導体単結晶基板の表面と平行になり、前記X軸及び前記
    Y軸が前記半導体結晶基板の結晶の2つの互いに直交す
    る結晶軸と平行になるように定義され、 前記半導体結晶基板が前記X軸を通りZ軸方向に延びる
    仮想平面に対して対称になり且つ前記Y軸を通りZ軸方
    向に延びる仮想平面に対しても対称になる形状を有して
    いる半導体加速度センサ素子であって、 前記第1及び第2のX軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記可撓部の前記X軸を間にして近接する第5の一対の
    近接領域(XA3)にそれぞれ前記X軸方向と前記Y軸
    方向に延びるように形成され、前記第3及び第4のX軸
    方向加速度検出用拡散抵抗は、前記第5の一対の近接領
    域(XA3)とはY軸に関して対称な位置にあり、前記
    可撓部の前記X軸を間にして近接する第6の一対の近接
    領域(XA4)にそれぞれ前記Y軸方向とX軸方向に延
    びるように形成され、 前記第1及び第2のY軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記可撓部の前記Y軸を間にして近接する第7の近接領
    域(YA3)にそれぞれ前記Y軸方向と前記X軸方向に
    延びるように形成され、前記第3及び第4のY軸方向加
    速度検出用拡散抵抗は、前記第7の一対の近接領域(Y
    A3)とは前記X軸に関して対称な位置にあり、前記可
    撓部の前記Y軸を間にして近接する第8の一対の近接領
    域(YA4)にそれぞれ前記X軸方向と前記Y軸方向に
    延びるように形成され、前記第1及び第2のZ軸方向加
    速度検出用拡散抵抗は、前記可撓部の前記X軸を間にし
    て近接する前記第5の一対の近接領域(XA3)にそれ
    ぞれ前記X軸方向と前記Y軸方向に延びるように形成さ
    れ、前記第3及び第4のZ軸方向加速度検出用拡散抵抗
    は、前記第5の一対の近接領域(XA3)とは前記Y軸
    に関して対称な位置にある前記可撓部の前記X軸を間に
    して近接する前記第6の一対の近接領域(XA4)にそ
    れぞれ前記X軸方向と前記Y軸方向に延びるように形成
    されていることを特徴とする半導体加速度センサ素子。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第4のX軸方向加速度検出
    用拡散抵抗は、前記原点を中心として対称な位置に配置
    され、 前記第2及び第3のX軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記原点を中心として対称な位置に配置され、 前記第1及び第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記原点を中心として対称な位置に配置され、 前記第2及び第3のY軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記原点を中心として対称な位置に配置され、 前記第1及び第3のZ軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記原点を中心として対称な位置に配置され、 前記第2及び第4のZ軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記原点を中心として対称な位置に配置されている請求
    項8に記載の半導体加速度センサ素子。
  10. 【請求項10】 前記第5、第6、第7、第8の一対の
    近接領域(XA3,XA4,YA3,YA4)が前記錘
    部に近接した位置(XL3,XL4,YL3,YL4)
    にある請求項8または9に記載の半導体加速度センサ素
    子。
  11. 【請求項11】 前記第5、第6の一対の近接領域(X
    A3,XA4)にそれぞれが配置された前記第1、第2
    及び第3、第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗を前記
    X軸に平行に移動して、前記台座部に近接した位置(X
    L1,XL2)にある第1、第3の近接領域(XA1,
    XA2)にそれぞれを配置し、前記第7、第8の一対の
    近接領域(YA3,YA4)にそれぞれが配置された前
    記第1、第2及び第3、第4のY軸方向加速度検出用拡
    散抵抗を前記Y軸に平行に移動して、前記台座部に近接
    した位置(YL1,YL2)にある第2、第4の近接領
    域(YA1,YA2)にそれぞれを配置した前記第5、
    第6の一対の近接領域(XA3,XA4)にそれぞれが
    配置された前記第1、第2及び第3、第4のZ軸方向加
    速度検出用拡散抵抗を前記X軸に平行に移動して、前記
    台座部に近接した位置(XL1,XL2)にある前記第
    1、第3の近接領域(XA1,XA2)にそれぞれを配
    置したことを特徴とする請求項8または9に記載の半導
    体加速度センサ素子。
  12. 【請求項12】 中心部に錘部、外周部に台座部、前記
    錘部と前記台座部の間に可撓部を残すように半導体結晶
    基板材料にエッチングが施されて形成された半導体結晶
    基板と、 前記可撓部の表面部に形成されて前記錘部に作用するX
    軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に用いら
    れる第1乃至第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗と、 前記可撓部の表面部に形成されて前記錘部に作用するY
    軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に用いら
    れる第1乃至第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗と、 前記可撓部の表面部に形成されて前記錘部に作用するZ
    軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に用いら
    れる第1乃至第4のZ軸方向加速度検出用拡散抵抗とを
    具備し、 前記X軸及び前記Y軸の2次元座標系が、前記半導体単
    結晶基板の中心位置に原点Oをとり、XY平面が前記半
    導体単結晶基板の表面と平行になり、前記X軸及び前記
    Y軸が前記半導体結晶基板の結晶の2つの互いに直交す
    る結晶軸と平行になるように定義され、 前記半導体結晶基板が前記X軸を通りZ軸方向に延びる
    仮想平面に対して対称になり且つ前記Y軸を通りZ軸方
    向に延びる仮想平面に対しても対称になる形状を有して
    いる半導体加速度センサ素子であって、 前記第1と第2のX軸方向加速度検出用拡散抵抗が前記
    X軸を間にして近接する第5の一対の近接領域(XA
    3)にそれぞれ前記X軸方向および前記Y軸方向に延び
    るように形成され、前記第3と第4のX軸方向加速度検
    出用拡散抵抗が、前記第5の近接領域(XA3)と前記
    Y軸に関して対称な位置にあり、前記X軸を間にして近
    接する第6の一対の近接領域XA4にそれぞれ前記Y軸
    方向とず前記X軸方向に延びるように形成され、 前記第1と第2のY軸方向加速度検出用拡散抵抗は、前
    記Y軸を間にして近接する第7の一対の近接領域(YA
    3)にそれぞれY軸方向とX軸方向に延びるように形成
    され、前記第3と第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗
    は、前記第7の近接領域(YA3)と前記X軸に関して
    対称な位置にあり、前記Y軸を間にして近接する第8の
    一対の近接領域(YA4)にそれぞれ前記X軸方向と前
    記Y軸方向に延びるように形成され、 前記第1と第2のZ軸方向加速度検出用拡散抵抗は、前
    記X軸を間にして近接する第1の一対の近接領域(XA
    1)にそれぞれY軸方向とX軸方向に延びるように形成
    され、前記第1の近接領域(XA1)と前記Y軸に関し
    て対称な位置にあり、前記X軸を間にして近接する第3
    の一対の近接領域(XA2)にそれぞれ前記Y軸方向と
    前記X軸方向に延びるように形成されていることを特徴
    とする半導体加速度センサ素子。
  13. 【請求項13】 前記第5の一対の近接領域(XA
    3)、前記第6の一対の近接領域XA4、前記第7の一
    対の近接領域(YA3)、前記第8の一対の近接領域
    (YA4)がそれぞれ前記錘部に近接する位置(XL
    3、XL4、YL3,YL4)に配置され、前記第1の
    一対の近接領域(XA1)、前記第3の一対の近接領域
    (XA2)が前記台座部に近接する位置(XL1,XL
    2)に配置されたことを特徴とする請求項12に記載の
    半導体加速度センサ素子。
  14. 【請求項14】 中心部に錘部、外周部に台座部、前記
    錘部と前記台座部の間に可撓部を残すように半導体結晶
    基板材料にエッチングが施されて形成された半導体結晶
    基板と、 前記可撓部の表面部に形成されて前記錘部に作用する前
    記X軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に用
    いられる第1乃至第4のX軸方向加速度検出用拡散抵抗
    と、 前記可撓部の表面部に形成されて前記錘部に作用する前
    記Y軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に用
    いられる第1乃至第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗
    と、 前記可撓部の表面部に形成されて前記錘部に作用するZ
    軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路に用いら
    れる第1乃至第4のZ軸方向加速度検出用拡散抵抗とを
    具備し、 前記X軸及び前記Y軸の2次元座標系が、前記半導体単
    結晶基板の中心位置に原点Oをとり、XY平面が前記半
    導体単結晶基板の表面と平行になり、前記X軸及び前記
    Y軸が前記半導体結晶基板の結晶の2つの互いに直交す
    る結晶軸と平行になるように定義され、 前記半導体結晶基板が前記X軸を通りZ軸方向に延びる
    仮想平面に対して対称になり且つ前記Y軸を通りZ軸方
    向に延びる仮想平面に対しても対称になる形状を有して
    いる半導体加速度センサ素子であって、 前記第1と第2のX軸方向加速度検出用拡散抵抗が、前
    記X軸を間にして近接する第1の一対の近接領域(XA
    1)にそれぞれ前記X軸方向および前記Y軸方向に延び
    るように形成され、前記第3と第4のX軸方向加速度検
    出用拡散抵抗が、前記第1の一対の近接領域(XA1)
    とY軸に関して対称な位置にあり、X軸を間にして近接
    する第3の一対の近接領域XA2にそれぞれ前記Y軸方
    向と前記X軸方向に延びるように形成され、 前記第1と第2のY軸方向加速度検出用拡散抵抗は、前
    記Y軸を間にして近接する第2の一対の近接領域(YA
    1)にそれぞれ前記Y軸方向と前記X軸方向に延びるよ
    うに形成され、前記第3と第4のY軸方向加速度検出用
    拡散抵抗は、前記第2の一対の近接領域(YA1)とX
    軸に関して対称な位置にあり、前記Y軸を間にして近接
    する第4の一対の近接領域(YA2)にそれぞれ前記X
    軸方向と前記Y軸方向に延びるように形成され、 前記第1と第2のZ軸方向加速度検出用拡散抵抗は、前
    記X軸を間にして近接する第5の一対の近接領域(XA
    3)にそれぞれ前記Y軸方向とう前記X軸方向に延びる
    ように形成され、前記第3と第4のZ軸方向加速度検出
    用拡散抵抗は、前記第5の一対の近接領域(XA3)と
    Y軸に関して対称な位置にあり、前記X軸を間にして近
    接する第6の一対の近接領域(XA4)にそれぞれ前記
    Y軸方向と前記X軸方向に延びるように形成されている
    ことを特徴とする半導体加速度センサ素子。
  15. 【請求項15】 前記第1の一対の近接領域(XA
    1)、前記第3の一対の近接領域(XA2)、前記第2
    の一対の近接領域(YA1)、前記第4の一対の近接領
    域(YA2)がそれぞれ前記台座部に近接する(XL
    1,XL2,YL1,YL2)に配置され、 前記第5の一対の近接領域(XA3)、前記第6の一対
    の近接領域(XA4)が前記錘部に近接する位置(XL
    3,XL4)に配置されていることを特徴とする請求項
    14に記載の半導体加速度センサ素子。
  16. 【請求項16】 前記第1及び第4のX軸方向加速度検
    出用拡散抵抗は、前記原点を中心として対称な位置に配
    置され、 前記第2及び第3のX軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記原点を中心として対称な位置に配置され、 前記第1及び第4のY軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記原点を中心として対称な位置に配置され、 前記第2及び第3のY軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記原点を中心として対称な位置に配置され、 前記第1及び第3のZ軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記原点を中心として対称な位置に配置され、 前記第2及び第4のZ軸方向加速度検出用拡散抵抗は、
    前記原点を中心として対称な位置に配置されている請求
    項12、13,14または15に記載の半導体加速度セ
    ンサ素子。
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