JP2010210558A - 多軸力覚センサおよびその製造方法 - Google Patents

多軸力覚センサおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】短時間で容易に製作でき、安価な高精度の多軸力覚センサおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】固定部と受力部と同軸の配置面内に配置された複数の弾性ロッドを持ち、固定部と受力部の間でこれらを多軸方向に相対変位させるロッド構造体と、この相対変位を計測する光学変位センサとを備えた多軸力覚センサにおいて、弾性ロッドの配置面が、筒面あるいは平面であり、ロッド構造体が、配置面に沿った面部分を持つ打ち抜き加工可能な筒体あるいは平板素材から、打ち抜き加工によって一体のまま成型されたものである。
【効果】精度が高く、短時間で容易に製作できる低価格になる。
【選択図】図2

Description

この発明は、物体に生じた歪を計測することにより、その物体に加えられた力およびトルクを測定する多軸力覚センサの構成とその製造方法に関するものである。
力覚センサは物体に加えられた力やトルクといった荷重を計測するためのセンサである。起歪体と呼ばれる力覚センサの構造体に対して荷重が加えられた際に、起歪体に生じた変形を歪ゲージ等のセンサで計測し、予め調べておいた既知の荷重と変形量との関係と対比することで、加えられた荷重を推定することを計測原理としている。3軸方向の力と3軸周りのトルクを計測可能な6軸力覚センサといった多軸力覚センサの場合、1軸方向の荷重のみを計測する力覚センサ、いわゆるロードセルと異なって同時に複数方向からの荷重を受けるため、推定する力の誤差が増大する傾向がある。これを防ぐため、特定の荷重に対して起歪体の特定の部位が主に変形するなど、誤差の生じにくい起歪体の構造やセンサの配置方法などがこれまで提案されてきている。
例えば特許文献1では、部材の厚みを減らして板バネ状にした部分を起歪体中に設けることによって、その部分で加えられた力やモーメントによるねじりやたわみなどを吸収し、歪ゲージが取り付けられたアーム部には軸力やモーメントに対して主に曲げの応力のみが生じるようしている。また、特定の方向の力に対しては、特定のアームに応力が発生するようにしている。これらの工夫によって、特定の方向の力に対して特定の歪センサのみに抵抗値の増減が起きるようになり、複数の軸力が同時に作用した際にもそれぞれの力が干渉を起こすことがなく、精度のよい測定を可能にしている。
また特許文献2および特許文献3では、歪ゲージで歪を計測するのではなく、4分割フォトダイオードによる変位センサを用いた力覚センサが述べられている。歪ゲージではなく4分割フォトダイオードを用いたことによって、手間のかかる歪ゲージ貼り付け作業が不要となっている。
さらに非特許文献1では、薄い平板を加工したものをリング状に丸めることで、スチュアートプラットフォーム構造と呼ばれる、力覚センサ構造体として好ましい特性が期待される起歪体を容易に構成する方法が述べられており、この構造に歪ゲージを取り付けることで小型の6軸力覚センサを構成している。
特開昭57−169643号公報(第2頁下段左欄4行〜第3頁上段左欄6行および図9) 特許第2767480号(第3頁右欄40行〜第3頁右欄33行) 特開2007−315878号公報(第5頁パラグラフ13〜15)
Modeling Analysis of a Six-axis Force/Tactile Sensor for Robot Fingers and a Method for Decreasing Error(羅明華、清水悦郎、章菲菲、伊藤雅則)電気学会論文集E分冊、125巻8号、2005年、PP.343−349(第4頁〜第5頁、第3節)
このように、これまでに様々な力覚センサが提案されてきているが、精度の良い力覚センサを作ろうとすると多くの時間や手間、生産工程が必要で製作コストが増大したり、また逆に、簡易な生産方法では精度のよい力覚センサが作ることが難しいという問題があった。
たとえば特許文献1で述べられている力覚センサでは複雑な起歪体構造となっているが、このような構造を作成するためには様々な方向から機械加工を行う必要があり、起歪体の製作に多くの工程や時間を必要とすることになる。また、歪ゲージを小さな起歪体の各所に正確に貼り付けるためには熟練者の精密な作業を必要とするため、自動化が困難であり、製作には多くの時間や人手を要するものとなる。
これに対して、特許文献2で述べられている力覚センサでは、歪ゲージに変えて光学変位センサを用いることで、歪ゲージを用いる場合に比べて光学変位センサの取付が大幅に簡易化されており、製作に要する時間も少なくなると考えられる。しかしながら、起歪体は複雑で機械加工や放電加工で作られるため、製作には多くの時間を必要としている。特許文献3では比較的簡単な構造を用いているが、やはり製作には時間を要する。
非特許文献1で述べられている力覚センサでは歪ゲージを用いているものの、起歪体は金属板を加工したものを円筒形に成型して製作を行っている。平板に対して歪ゲージの貼り付けを行うことで小さな起歪体でも比較的容易に作業が行え、更に起歪体の製作も簡易になるという利点がある。しかし、平板を曲げて作成した円筒の接合部付近とそれ以外の部分で力の伝達特性が異なるという構造の特性が生じ、力覚センサとして良い精度が得られていない。また、歪ゲージを貼り付けた後に形状を変形させると、歪ゲージ付近に生じた塑性変形によって歪が不規則に分布する事になるため、計測に悪影響を及ぼすことが懸念される。
歪ゲージは貼り付けられた部分に生じた微小な変形を計測するセンサである。このため、もしもその部位に残留応力などが存在すると、荷重によって生じる歪みが不均一になってしまい、正確な測定を行うことが出来ない。このようなことがないよう、歪ゲージの貼り付けを行う部位は特に丁寧に加工が為されたり、加工後に焼き鈍して残留応力の除去を行ったりする。
このような理由から、起歪体の加工には主に切削などの機械加工が用いられる事になる。しかし、機械加工は一つ一つの加工に多くの時間を要するため、量産効果によるコストダウンも得にくい。
従ってこの発明の目的は、精度が高く、生産工程数が少なく、短時間で製作でき、生産コストが安価な多軸力覚センサおよびその製造方法を提供することである。
この発明の多軸力覚センサは、固定部と、荷重を受ける受力部と、上記固定部および上記受力部を通る軸心と同軸の配置面に沿って配置されて荷重によって弾性変形する複数の弾性ロッドを持ち、上記固定部および上記受力部間に連結されて上記受力部を上記固定部に対して多軸方向に変位させ得るロッド構造体と、上記受力部および上記固定部間の変位を計測する光学変位センサとを備えた多軸力覚センサにおいて、上記弾性ロッドの上記配置面が、筒面あるいは平面であり、上記ロッド構造体が、上記配置面に沿った面部分を持つ打ち抜き加工可能な素材から、打ち抜き加工によって一体のまま成型されたものであることを特徴とするものである。
この発明の多軸力覚センサおよびその製造方法によれば、センサの精度が高くなり、少ない工程で安価に製造することができる。
この発明の一実施の形態の多軸力覚センサを示す斜視図である。 図1の多軸力覚センサの受力部を除去して内部を示す斜視図である。 図1の多軸力覚センサの起歪体を示す分解斜視図である。 図1の多軸力覚センサのロッド構造体の平面図である。 図5のロッド構造体の側面図である。 図5のロッド構造体を筒状素材から打ち抜き加工する様子を示す図である。 図1の多軸力覚センサの光学変位センサを示す斜視図である。 図1の多軸力覚センサの概略断面図である。 この発明の別の実施の形態による多軸力覚センサの六角柱状のロッド構造体を示す斜視図である。 この発明のさらに別の実施の形態による多軸力覚センサを示す分解概略斜視図である。 この発明のさらに別の実施の形態による多軸力覚センサの変位ストッパを持つロッド構造体を示す斜視図である。 図11のロッド構造体の変位ストッパ周辺部の拡大側面図である。
以下にこの発明にかかる多軸力覚センサおよびその製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1には多軸力覚センサ1の外観を斜視図で示し、図2には光学変位センサの配置を示すために受力部を除去した多軸力覚センサ1を斜視図で示してある。この発明の多軸力覚センサ1は、測定対象である力やトルクなどの荷重によって、変形を生ずるよう設計された起歪体2と呼ばれる多軸力覚センサ構造部に生じた変位を、多軸力覚センサ1に取り付けられた光学変位センサ10で計測することで、加えられた荷重を推定するものである。
図3、図4および図5に示すように、起歪体2は、第1プレートである円板状の受力部3と第2プレートである円板状の固定部4との間に、シリンダとも呼ばれるロッド構造体5を結合して構成されている。ロッド構造体5は、環状の第1フランジ6と第2フランジ7との間を6本の弾性ロッド8によって結合した構成になっている。受力部3は第1フランジ6に、また固定部4は第2フランジ7に、ネジ止めや圧入等の手段によって結合されて一体化されており、荷重は受力部3で受け、固定部4は使用される際に機器等に固定される。
弾性ロッド8にはリング形状をした主に荷重によって変形を生ずる部分が設けられており、第1フランジ6と第2フランジ7と弾性ロッド8の連結部分の中心を結んだ弾性ロッド8の軸方向に対して、所定の剛性を持つように設計されている。弾性ロッド8の剛性は、受力部に加えられた荷重に対する、受力部の固定部に対する相対変位、つまり受力部の剛性が、設計者が意図した値となるように計算や解析によって決定されている。6本の弾性ロッド8は、2本ずつが同じ角度だけ向かい合うよう傾けて配置されており、3組の弾性ロッド8はロッド構造体5の円周上の配置面P(図1参照)に沿って均等に配置されている。このようなロッド構成を取るとスチュアートプラットフォームと呼ばれる構造に近い構造にする事ができる。加重によって生じる受力部3と固定部4との間の相対変位が、起歪体2の大きさに対して微小で、弾性ロッド8の軸方向の荷重に対して、弾性ロッド8の第1および第2フランジ6および7への連結部分で生じるモーメントが無視できるほど小さいと仮定すると、起歪体2の受力部に加えられた軸力およびモーメントの6軸の荷重は、6本の弾性ロッド8の軸方向の圧縮引っ張り力へすべて変換される。このため、弾性ロッド8には単軸のみの荷重が作用するために非線形的な変形が生じにくくなり、後述する校正作業で作成する剛性行列を用いて、高い精度で荷重を推定することが可能となる。
このように、多軸力覚センサ1は、使用時に機器に固定される円板状の固定部4と、固定部4に対して共通の軸心CLを持つように平行に同軸配置され、荷重を受ける円板状の受力部3と、受力部3および固定部4を通る軸心CLと同軸のほぼ円筒面状の配置面Pに沿って配置されて荷重によって弾性変形する複数の弾性ロッド8を持ち、固定部4および受力部3間に連結されて受力部3を固定部4に対して多軸方向に変位させ得るロッド構造体5と、受力部3および固定部4間の変位を計測する光学変位センサ10とを備えている。弾性ロッド8の配置面Pは、図1に示す例では多軸力覚センサ1の軸心CLを同心に囲む円筒面である。しかしながら後に詳述するように、軸心CLと同心の多角柱の平面部分であったり、あるいは軸心CLに直角な円板上の平面であってもよい。
ロッド構造体5は、配置面Pに沿った面部分を持つ打ち抜き加工可能な図6に示すような円筒形の素材9から、打ち抜き加工によって一体のまま成型されたものであり、固定部4に連結された第1フランジ6と、この第1フランジ6に対して同軸に軸方向に離間して配置され、受力部3に連結される第2フランジ7とを備え、弾性ロッド8が第1フランジ6および第2フランジ7間に連結されていて、第1フランジ6、第2フランジ7および弾性ロッド8が一体に連続した一部品とされている。
図6には、このようなロッド構造体5の製造方法を示す。まず、ロッド構造体5の素材として一定の厚さと高さおよび外径をもつ円筒形の素材9を準備する。この円筒形の素材9は、ロッド構造体5と同一の外径と厚みをもつパイプ状の部材をロッド構造体5と同じ高さに切断することで製作される。素材9の厚さは、弾性ロッド8を成型する際に行う打ち抜き加工の加工可能な板厚によって制限され、その厚さは材質によって異なるが、たとえばアルミニウム合金を用いた場合は3mm程度である。すなわち素材9は、上記述の弾性ロッド8が配置される円筒面である配置面Pに沿った面部分を持つ打ち抜き加工可能である。
次に、図6に示すように、円筒形の素材9に対して、円筒の径方向に打ち抜き加工を繰り返し行い、弾性ロッド8を成型していく。向かい合った2本の弾性ロッド8の3組は互いに回転対称な形状になっているため、弾性ロッド8一組の打ち抜きによる成型が完了すれば、素材9を回転させることで同じ型を用いて他の2組の弾性ロッド8も成型することが可能である。一旦打ち抜き型を製作すれば、素材9をプレス機にかけるだけでロッド構造体5を短時間に大量に製作することが可能になる。打ち抜き型の製作の為の費用が必要であるが、量産効果を考慮すればロッド構造体5一つ当たりの製作コストは機械加工に比べかなり小さくなる。また、ロッド構造体5の基となる素材9もパイプ状部材から容易に製作できるため、多軸力覚センサ1の起歪体2を極めて容易に製作することが可能になる。また、すべての弾性ロッド8と第1フランジ6と第2フランジ7と連続した一体の一部品として製作されるために、それぞれの弾性ロッド8の間には接合部分や結合部分が無く、力の伝達条件が均質なものとなっている。このため、多軸力覚センサ1の起歪体2として良好な特性を得ることが可能になっている。
このように円筒形の素材9の配置面Pに沿った面部分を打ち抜き加工することにより、第1フランジ6と、この第1フランジ6に対して共通の軸心CLをもって同軸に配置された第2フランジ7と、第1フランジ6および第2フランジ7間に連結された複数の弾性ロッド8とが形成されて、一体に連続した一部品であるロッド構造体5が製作できる。
図7には、起歪体2の変位を計測する光学変位センサ10を示す。光学変位センサ10は、スポット光13を照射するスポット光源11と4分割フォトダイオード12によって構成される。4分割フォトダイオード12の受光面の中心付近へ入射するスポット光13の、4つの受光面の入光量の比を計算することで、4分割フォトダイオード12とスポット光源11の相対変位を計測することが可能であり、受光平面内の2次元変位を計測することが出来る。たとえば、素子の受光量を左上からCCWの方向にV1、V2、V3、V4とすれば、2次元変位dx、dyをdx=V1+V2−(V3+V4)、dy=V1−V2−V3+V4で表すことが可能である。
次に図8に示すように、スポット光源11を受力部3に固定し、4分割フォトダイオード12を固定部4に固定して、3組の光学変位センサ10を起歪体2内に取り付けることで、受力部3と固定部4の6つの独立した相対変位が計測できるようになる。この相対変位を変換すれば、受力部3の固定部4に対する3軸並進運動と3軸回転運動の6軸変位を知ることができる。光学変位センサ10の起歪体2への組付けは、4分割フォトダイオード12とスポット光源11の受力部3と固定部4への取付および、スポット光13の光軸の4分割フォトダイオード12受光面に対する簡単な調整だけである。このため、多数の歪ゲージの人の手による狭隘な場所への正確に位置決めしながらの貼り付け作業に比べると、極めて容易な作業であり、組み付け作業の自動化も可能になる。
光学変位センサ10の起歪体2への組み付け後、既知の荷重を受力部3に与えた際の固定部4に対する変位の計測を行い、荷重と変位との間の関係を求める校正作業を行う。この関係を線形なものと仮定すれば、求まる関係式は剛性行列と呼ばれるものとなる。この剛性行列を用いると、未知の荷重に対して計測した変位から、その荷重の値を推定することが可能になる。なお、多軸力覚センサ1の構成要素としては、図示や上述したものの他に外周部を覆うカバーや光学変位センサ用電気回路、変位から力を演算する回路および演算結果を表示する表示部等があるが、これらは公知のものでよく、この発明を説明する上で必須でないため図示を省略している。
このようなロッド構造体5の製造においては、打ち抜き加工を用いているのでロッド構造体5の弾性ロッド8およびその周辺部に残留応力が残る可能性がある。このため、もしも歪ゲージを弾性ロッド8周辺に貼り付けて荷重に対するロッド構造体5の変形を計測する場合には、残留応力によって荷重により生じるひずみが影響を受け、結果として多軸力覚センサ1の計測精度が落ちてしまう恐れがある。
しかしながら、この発明の多軸力覚センサ1においては、光学変位センサ10により受力部3と固定部4の相対変位を直接計測しているため、たとえロッド構造体5に残留応力が残っていたとしても影響を受けることがない。これは、たとえ弾性ロッド8の各所に不均一な残留応力が存在して荷重による歪に偏りが生じたとしても、それは局所的な影響であって弾性ロッド8全体として考えれば、弾性ロッド8の軸方向の剛性としては一定となることや、もしも残留応力によってそれぞれの弾性ロッド8間に多少の剛性のばらつきが生じたとしても、剛性行列を求める校正作業によってこの影響を無くすことができるからである。
このため、この発明の多軸力覚センサ1およびその製造方法によれば、円筒形の素材9を基に容易に起歪体2を製造できるだけでなく、光学変位センサ10を用いることで容易に起歪体2に光学変位センサ10を組み付けることが可能になり、さらに打ち抜き加工の際に生じた残留応力の影響を受けることなく受力部3の変位を計測することができる。従って、短時間、小工程数で低コストでありながら精度の高い多軸力覚センサ1を製作することが可能になる。
実施の形態2.
図9に示す多軸力覚センサのロッド構造体15は、円筒形ではなく、正六角柱の筒形状のものであって、第1フランジ16および第2フランジ17が正六角形の環状で、弾性ロッド18が湾曲しておらずに平板状である。多軸力覚センサのその他の構成は、先に説明したものと同様のものである。素材9が図6に示すような円筒形のものである場合には、打ち抜かれる面である配置面Pが曲面であるため、打ち抜き型の製作は曲面の影響を考慮しなければならないが、図9に示すような六角筒などの正多角柱の場合には、弾性ロッド18の配置面Pを正多角柱の平面部分として、打ち抜いて弾性ロッド8を形成する面部分を平面にできるため、打ち抜き型の製作が容易になるという利点がある。
実施の形態3.
図10に示す起歪体22のロッド構造体25においては、弾性ロッド28の配置面Pが、円板状の平面であり、弾性ロッド28が筒面ではなく平面上に配置されている。ロッド構造体25は、受力部23の内側面(図10で下面)の中央部に設けた凸部23aに連結される円板である第1フランジ26と、この第1フランジ26を囲んで同軸に配置され、円環状の固定部4に連結される環状体である第2フランジ27とを備えている。弾性ロッド28は、第1フランジ26および第2フランジ27間に径方向に連結されていて、第1フランジ26、第2フランジ27および弾性ロッド28が一体に連続した一部品である。受力部23と固定部24との間に設けられる光学変位センサ10は、受力部23と固定部24との間で、弾性ロッド28間の空間内に配置されている。
この構成においても、弾性ロッド28は2本が径方向に向かい合って傾けられた組として、3組が均等に配置されている。またロッド構造体25の素材は円板となるので、すべての弾性ロッド28が同一平面上に配置されており、円筒形状や六角筒形状を打ち抜くのに比べて工程数が少なくなる上、基となる素材も平板であるために入手もより容易となる。
実施の形態4.
図11および12に示すロッド構造体5には、多軸力覚センサ1に過大な荷重が加えられた際、起歪体2が塑性変形を起こすなどの破損が発生することを防ぐため、安全装置として第1フランジ6および第2フランジ7間にリミッタあるいは変位ストッパ36が設けられている。変位ストッパ36は、第1フランジ6および第2フランジ7から互いに向き合って延びて、互いに所定の遊び間隙39をもって嵌合し合う支柱状の第1係合部37および第2係合部38を備えている。この変位ストッパ36は、弾性ロッド8が配置されている配置面Pと同一面内に設けられているため、弾性ロッド8の打ち抜き加工時に打ち抜き加工により形成することができる。
第1係合部37と第2係合部38との間の間隙39は、例えば図12に示すような曲がりくねったラビリンス型のものであって、多軸力覚センサ1の軸方向と周方向とについてそれぞれ一定の幅W1およびW2にされている。間隙39の幅W1およびW2は、起歪体2に許容外の変位が生じた際に間隙39のいずれかの部分が狭まって、切り離されている第1係合部37と第2係合部38とが互いに接触してそれ以上の変位を制限する変位ストッパ36の作用をする様に設計する。
間隙39の幅の大きさについては、たとえば起歪体2の軸心CL方向の定格荷重に対する軸方向の剛性が30μm程度で、起歪体が定格荷重の4倍程度までは塑性変形を生じないように設計された場合には、間隙39の軸方向の幅W1は30μmの4倍の120μm以下に設定する。起歪体2の周方向変位(回転変位)を制限するには起歪体2の軸心CL(回転中心)から間隙39までの距離に、制限する回転角をかけた値を間隙39の周方向の幅W2として設計する。6軸の変位によって変位ストッパ36に生じる変位の大きさを見積もりつつ、間隙39の幅W1およびW2を調整する。幅が数10μmの間隙39の加工は通常の機械加工では難しいが、たとえばワイヤ放電加工機のワイヤ線にφ数10μmのものを用い、加工速度、加工回数を調整することにより十分加工することが可能である。
変位ストッパ36を設けない場合は、変形により接触しない程度の長さに支柱状の第1係合部37および第2係合部38を切断しておけば良いため、これらの支柱状の第1および第2係合部37および38を持つように打ち抜いた同一のロッド構造体5から、変位ストッパ36を持つものと持たないものの両方を選択的に製造することができる。
以上に図示して説明した多軸力覚センサは単なる例であって様々な変形が可能であり、またそれぞれの具体例の特徴を全てあるいは選択的に組み合わせて用いることもできる。例えば、図11および12に示すストッパ36を図9あるいは10に示すロッド構造体15あるいは25に組み合わせることができる。また、図11中では変位ストッパ36は3箇所に設けられているが、これより多くても良いし少なくても良い。ただし、変位ストッパ36の数が少なかったり、間隙39の長さが短くなって接触面積が小さすぎたりすると、変位の方向によっては変形を制限することが出来なかったり、過大な荷重に対して変形を十分に抑制出来なかったりするので、出来るだけ数を増やし、接触面積も大きくしておくのが望ましい。
この発明は物体に生じた歪を計測して物体に加えられた力およびトルクを測定する多軸力覚センサとその製造方法として利用できるものである。
1 多軸力覚センサ、2、22 起歪体、3、23 受力部、4、24 固定部、5、25 ロッド構造体、6、16、26 第1フランジ、7、17、27 第2フランジ、8、28 弾性ロッド、9 素材、10 光学変位センサ、11 スポット光源、12 4分割フォトダイオード、13 スポット光、15 ロッド構造体、18 弾性ロッド、23a 凸部、36 変位ストッパ、37 第1係合部、38 第2係合部、39 間隙、CL 軸心、P 配置面、W1、W2 幅。

Claims (13)

  1. 固定部と、荷重を受ける受力部と、上記固定部および上記受力部を通る軸心と同軸の配置面に沿って配置されて荷重によって弾性変形する複数の弾性ロッドを持ち、上記固定部および上記受力部間に連結されて上記受力部を上記固定部に対して多軸方向に変位させ得るロッド構造体と、上記受力部および上記固定部間の変位を計測する光学変位センサとを備えた多軸力覚センサにおいて、
    上記弾性ロッドの上記配置面が、筒面あるいは平面であり、
    上記ロッド構造体が、上記配置面に沿った面部分を持つ打ち抜き加工可能な素材から、打ち抜き加工によって一体のまま成型されたものであることを特徴とする多軸力覚センサ。
  2. 上記ロッド構造体が、上記固定部に連結される第1フランジと、この第1フランジに対して同軸に配置され、上記受力部に連結される第2フランジとを備え、上記弾性ロッドが上記第1および第2フランジ間に連結されていて、上記第1フランジ、上記第2フランジおよび上記弾性ロッドが一体に連続した一部品であることを特徴とする請求項1に記載の多軸力覚センサ。
  3. 上記第1および第2フランジが、互いに軸方向に離間したものであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の多軸力覚センサ。
  4. 上記弾性ロッドの上記配置面が、円筒面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の多軸力覚センサ。
  5. 上記弾性ロッドの上記配置面が、正多角柱の平面部分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の多軸力覚センサ。
  6. 上記弾性ロッドの上記配置面が、平面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の多軸力覚センサ。
  7. 上記ロッド構造体が、上記固定部に連結される平板である第1フランジと、この第1フランジを囲んで第1フランジの法線軸と同軸に配置され、上記受力部に連結される環状体である第2フランジとを備え、上記弾性ロッドが上記第1および第2フランジ間に径方向に連結されていて、上記第1フランジ、上記第2フランジおよび上記弾性ロッドが一体に連続した一部品であることを特徴とする請求項6に記載の多軸力覚センサ。
  8. 上記ロッド構造体が、上記第1および第2フランジ間に変位ストッパを備えていることを特徴とする請求項2あるいは7に記載の多軸力覚センサ。
  9. 上記変位ストッパが、上記第1および第2フランジから延びて互いに所定の遊び間隙をもって嵌合し合う係合部を備えていることを特徴とする請求項8に記載の多軸力覚センサ。
  10. 上記変位ストッパが、上記弾性ロッドと同一面内に設けられていることを特徴とする請求項2〜8および9のいずれか一項に記載の多軸力覚センサ。
  11. 固定部と、荷重を受ける受力部と、上記固定部および上記受力部を通る軸心と同軸の配置面に沿って配置されて荷重によって弾性変形する複数の弾性ロッドを持ち、上記固定部および上記受力部間に連結されて上記受力部を上記固定部に対して多軸方向に変位させ得るロッド構造体と、上記受力部および上記固定部間の変位を計測する光学変位センサとを備えた多軸力覚センサであって、
    上記弾性ロッドの上記配置面が、筒面あるいは平面であり、
    上記ロッド構造体が、上記配置面に沿った面部分を持つ打ち抜き加工可能な素材から、打ち抜き加工によって一体のまま成型されたものである多軸力覚センサを製造するために、
    上記配置面に沿った面部分を持つ打ち抜き加工可能な素材を用意する工程と、
    上記素材の上記配置面に対する打ち抜き加工により、第1フランジと、この第1フランジに対して同軸に配置された第2フランジと、上記第1フランジおよび上記第2フランジ間に連結された上記複数の弾性ロッドとを形成して、一体に連続した一部品である上記ロッド構造体を作製する工程と、
    上記第1フランジと上記受力部とを連結し、上記第2フランジと上記固定部とを連結する工程と、
    上記受力部および上記固定部間に変位を計測する光学変位センサを設ける工程とを備えたことを特徴とする多軸力覚センサの製造方法。
  12. 上記弾性ロッドの上記配置面が、円筒面、平多角形の平面部分あるいは平面であることを特徴とする請求項11に記載の多軸力覚センサの製造方法。
  13. 上記ロッド構造体が、上記第1および第2フランジ間に変位ストッパを備え、上記変位ストッパが、上記弾性ロッドと同一面内に設けられていて、上記弾性ロッドの打ち抜き加工時に打ち抜き加工により上記第1フランジと第2フランジを結合した柱状部分が成型され、この部分に上記第1フランジと第2フランジを切り離すように、ラビリンス上の間隙を作成する加工を行うことで上記変位ストッパが形成されることを特徴とする請求項11あるいは12に記載の多軸力覚センサの製造方法。
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