JPWO2015008384A1 - 光学部材用粘着剤組成物、粘着シートおよび積層体 - Google Patents

光学部材用粘着剤組成物、粘着シートおよび積層体 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2015008384A1
JPWO2015008384A1 JP2015527130A JP2015527130A JPWO2015008384A1 JP WO2015008384 A1 JPWO2015008384 A1 JP WO2015008384A1 JP 2015527130 A JP2015527130 A JP 2015527130A JP 2015527130 A JP2015527130 A JP 2015527130A JP WO2015008384 A1 JPWO2015008384 A1 JP WO2015008384A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensitive adhesive
pressure
mass
component
adhesive composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015527130A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6125636B2 (ja
Inventor
恵子 喜多
恵子 喜多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Soken Chemical and Engineering Co Ltd
Original Assignee
Soken Chemical and Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Soken Chemical and Engineering Co Ltd filed Critical Soken Chemical and Engineering Co Ltd
Publication of JPWO2015008384A1 publication Critical patent/JPWO2015008384A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6125636B2 publication Critical patent/JP6125636B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J133/00Adhesives based on homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides, or nitriles thereof; Adhesives based on derivatives of such polymers
    • C09J133/04Homopolymers or copolymers of esters
    • C09J133/06Homopolymers or copolymers of esters of esters containing only carbon, hydrogen and oxygen, the oxygen atom being present only as part of the carboxyl radical
    • C09J133/08Homopolymers or copolymers of acrylic acid esters

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)

Abstract

光学部材の変形を抑えることができ、かつ、長期の耐久性に優れた光学部材用粘着剤組成物、粘着シートおよび積層体を提供する。光学部材用粘着剤組成物は、(A)共重合体と、(B)イソシアネート系架橋剤と、(C)エポキシ系架橋剤と、を含み、前記(A)共重合体100質量部に対して前記(B)イソシアネート系架橋剤を8〜50質量部含有し、前記(A)共重合体は、前記カルボキシル基含有単量体を0質量%超かつ0.5質量%未満含有する単量体混合物の共重合体である。

Description

本発明は、光学部材用粘着剤組成物、粘着シートおよび積層体に関する。
画像表示装置は、近年、様々な用途や条件下において使用されており、例えば、室温条件下のみならず、高温、さらには高温多湿といった過酷な条件下においても使用されることも多くなっている。高温または高温多湿条件での使用としては、例えば、熱帯地域における使用、車両内部や野外計測機器の内部での使用が挙げられる。
また、画像表示装置は近年、薄型化が進行している。これに伴い、例えば、画像表示装置の一種である液晶表示装置に使用される光学部材(例えば、偏光板)も薄型化される傾向にある。しかしながら、偏光板の薄型化により、変形をより生じやすくなる。
一方、液晶表示装置では、主として偏光板の収縮に起因した変形によって「光漏れ現象」が生じることが知られている。光漏れ現象を抑制するために、粘着剤組成物に架橋剤を多量に添加することで、粘着剤を硬くすることにより、変形を抑える方法がある(特許文献1)。
しかしながら、このような粘着剤を用いた液晶表示装置が高温または高湿環境下に置かれた場合、昨今の薄型化された偏光板の変形に粘着剤が十分に追従できず、被着体である偏光板や液晶パネルとの間に浮きや剥がれを生じさせることがある。
特開2010−090354号公報
本発明は、光学部材の変形を抑えることができ、かつ、長期の耐久性に優れた光学部材用粘着剤組成物、粘着シートおよび積層体を提供する。
本発明者らは、上記課題に鑑み、共重合体に含まれる官能基の量、ならびに共重合体と架橋剤との比率を調整することにより、光学部材の変形を抑制することができ、かつ、長期の耐久性を得ることができる光学部材用粘着剤組成物を見出した。
1.本発明の一態様に係る光学部材用粘着剤組成物は、(A)共重合体と、(B)イソシアネート系架橋剤と、(C)エポキシ系架橋剤と、
を含み、
前記(A)共重合体100質量部に対して前記(B)イソシアネート系架橋剤を8〜50質量部含有し、
前記共重合体は、前記カルボキシル基含有単量体を0質量%超かつ0.5質量%未満含有する単量体混合物の共重合体である。
2.上記1に記載の光学部材用粘着剤組成物において、前記(A)共重合体100質量部に対して前記(C)エポキシ系架橋剤を0.05〜4質量部含有することができる。
3.上記1または2に記載の光学部材用粘着剤組成物において、前記(B)イソシアネート系架橋剤の含有量に対する前記(C)エポキシ系架橋剤の配合量の関係は、(B):(C)=(10〜40質量部):(0.1〜2質量部)であることができる。
4.上記1ないし3のいずれかに記載の光学部材用粘着剤組成物において、前記単量体混合物は、下記単量体(a1)〜(a4)の混合物である(ただし、前記単量体(a1)〜(a4)を足し合わせて100質量%である。)ことができる。
(a1)カルボキシル基含有単量体:0質量部%超かつ0.5質量%未満
(a2)(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体:90〜99.9質量%
(a3)水酸基含有単量体:0〜0.3質量%
(a4)前記(a1)〜(a3)以外の共重合性単量体:0〜9質量%
5.上記1ないし4のいずれかに記載の光学部材用粘着剤組成物において、(D)シランカップリング剤をさらに含むことができる。
6.上記5に記載の光学部材用粘着剤組成物において、前記(A)共重合体100質量部に対して前記(D)シランカップリング剤を0.01〜1質量部含有することができる。
7.上記1ないし6のいずれかに記載の光学部材用粘着剤組成物において、前記(C)エポキシ系架橋剤は、エポキシ基およびアミノ基を有することができる。
8.上記1ないし7のいずれかに記載の光学部材用粘着剤組成物において、(E)塩基性化合物をさらに含むことができる。
9.本発明の別の態様に係る粘着シートは、上記1ないし8のいずれかに記載の光学部材用粘着剤組成物を膜状に成形し、加熱、乾燥して得られる。
10.本発明の他の態様に係る積層体は、ガラス基板と、偏光フィルムと、前記ガラス基板と前記偏光フィルムとの間に設けられた、上記1ないし8のいずれかに記載の光学部材用粘着剤組成物を膜状に成形し、加熱、乾燥して得られる粘着剤層と、を含む。
11.上記10に記載の積層体は、前記ガラス基板は、画像表示装置に用いられるガラス基板であることができる。
上記光学部材用粘着剤組成物は、(A)共重合体と、(B)イソシアネート系架橋剤と、(C)エポキシ系架橋剤と、を含み、前記(A)共重合体100質量部に対して前記(B)イソシアネート系架橋剤を8〜50質量部含有し、前記(A)共重合体は、前記カルボキシル基含有単量体を0質量%超かつ0.5質量%未満含有する単量体混合物の共重合体であることにより、前記(A)共重合体に含まれるカルボキシル基の含有量が抑えられているため、該カルボキシル基と他の成分との反応に起因する、粘着剤層の経時的な劣化を防止することができる。したがって、上記光学部材用粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層を使用することにより、長期の耐久性に優れた光学部材を得ることができる。
また、上記光学部材用粘着剤組成物では、前記(A)共重合体に対する前記(B)イソシアネート系架橋剤の割合が上記範囲に調整されているため、上記光学部材用粘着剤組成物を用いた粘着剤層は硬さが抑えられている。このため、該粘着剤層を用いることにより、光学部材の変形を抑えることができる。そのうえ、前記(A)共重合体に含まれるカルボキシル基が、他の成分に含まれる官能基(または他の成分に由来する官能基)と反応することによって、該(A)成分と該他の成分との相溶性が高められるため、上記光学部材用粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層は白濁が生じにくく、透明性に優れている。
また、上記光学部材用粘着剤組成物を膜状に成形し、加熱、乾燥して得られる上記粘着シートは、光学部材の変形を抑えることができ、かつ、長期の耐久性に優れている。
さらに、上記積層体は、ガラス基板と偏光フィルムとの間に設けられた、上記光学部材用粘着剤組成物を膜状に成形し、加熱、乾燥して得られる粘着剤層と、を含むことにより、偏光フィルムの変形を抑えることができ、かつ、長期の耐久性に優れた偏光フィルムを得ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学部材用粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層を含む積層体の一例を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、格別に断らない限り、「部」は「質量%」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。
1.光学部材用粘着剤組成物
本発明の一実施形態に係る光学部材用粘着剤組成物(以下、単に「粘着剤組成物」と記載することもある。)は、(A)共重合体(以下、単に「(A)成分」と記載することもある。)と、(B)イソシアネート系架橋剤(以下、単に「(B)成分」と記載することもある。)と、(C)エポキシ系架橋剤(以下、単に「(C)成分」と記載することもある。)と、を含む。
1.1.(A)成分
(A)成分である共重合体は、カルボキシル基を含有するポリマーである。(A)成分はより具体的には、前記カルボキシル基含有単量体を0質量%超かつ0.5質量%未満含有する単量体混合物の共重合体である。(A)成分が、前記カルボキシル基含有単量体を0質量%超かつ0.5質量%未満含有する単量体混合物の共重合体であることにより、少量のカルボキシル基を含むため、組成物を用いて得られた粘着剤層の経時変化を低減することができる。また、(B)成分および(C)成分と該カルボキシル基とが反応することにより、(A)成分と(B)成分および(C)成分との相溶性が高まるため、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層は白濁が生じにくく、また、乾燥温度が高くても白化しにくい。
また、(A)成分は、水酸基をさらに含有していてもよい。(A)成分が水酸基をさらに含有することにより、(B)成分および(C)成分と該水酸基とが反応する結果、(A)成分と(B)成分および(C)成分との相溶性が高まるため、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層の白化を防ぐことができる。
より具体的には、前記単量体混合物は、下記単量体(a1)〜(a4)の混合物である(ただし、前記単量体(a1)〜(a4)を足し合わせて100質量%である。)ことが好ましい。
(a1)カルボキシル基含有単量体(以下、単に「(a1)成分」と記載することもある。):0質量%超かつ0.5質量%未満
(a2)(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(以下、単に「(a2)成分」と記載することもある。):90〜99.9質量%
(a3)水酸基含有単量体(以下、単に「(a3)成分」と記載することもある。):0〜0.3質量%
(a4)前記(a1)〜(a3)以外の共重合性単量体(以下、単に「(a4)成分」と記載することもある。):0〜9質量%
より具体的には、(B)成分および(C)成分との相溶性により優れている観点から、(A)成分は、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体であることが好ましく、カルボキシル基および水酸基の両方を有するアクリル系共重合体であることがより好ましい。
なお、本発明において、「アクリル系共重合体」とは、アクリル酸、アクリル酸塩、アクリル酸エステル、メタアクリル酸、メタクリル酸塩、およびメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種を構成単位中に50質量%以上含むポリマーをいう。
(A)成分が上記単量体混合物の共重合体であることにより、(A)成分はカルボキシル基および水酸基を有するポリマーであることができ、さらに、(A)成分中においてカルボキシル基の含有量が抑えられており、かつ、水酸基の含有量が所定の範囲内に調整されている。これにより、後述するように、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層の硬さが抑えられているため、光学部材が変形しにくく、かつ、経時変化が少なく長期の耐久性に優れた粘着剤層を得ることができる。
一般に、(A)成分にカルボキシル基が含まれている場合、本実施形態に係る粘着剤組成物から得られる粘着剤層中で、他の成分に含まれる官能基(例えば、(B)成分および/または(C)成分に含まれる官能基、(B)成分および/または(C)成分に含まれる由来する官能基)と該カルボキシル基が経時的に反応して、該粘着剤層が経時的に硬くなる傾向がある。
これに対して、本実施形態に係る粘着剤組成物によれば、(A)成分を調製するための単量体混合物に含まれるカルボキシル基含有単量体が0.5質量%未満であることから、(A)成分に含まれるカルボキシル基の量が抑えられているため、本実施形態に係る粘着剤組成物から得られる粘着剤層中で、他の成分に含まれる官能基(例えば、(B)成分および/または(C)成分に含まれる官能基、(B)成分および/または(C)成分に由来する官能基)と経時的に反応するカルボキシル基の量が抑えられている。これにより、該粘着剤層が経時的に硬くなるのを防止することができる。すなわち、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層は、長期(例えば1か月以上、好ましくは3か月以上)の耐久性に優れている。
また、(A)成分に水酸基が含まれている場合、他の成分に含まれる官能基(例えば、(B)成分および/または(C)成分に含まれる官能基、(B)成分および/または(C)成分に由来する官能基)と該水酸基との反応が進行するため、本実施形態に係る粘着剤組成物から得られる粘着剤層が硬くなる傾向がある。
これに対して、本実施形態に係る粘着剤組成物によれば、(A)成分に含まれる水酸基の量が所定の量以下に低減されているか、または(A)成分が水酸基を含まないため、(B)成分および/または(C)成分に含まれる官能基(さらには、(B)成分および/または(C)成分に由来する官能基)と反応する水酸基を少なくする(または無くすことができる)。このため、本実施形態に係る粘着剤組成物から得られる粘着剤層が硬くなるのを防止することができる。
1.1.1.(a1)成分
(a1)成分であるカルボキシル基含有単量体は、分子構造中にカルボキシル基を有する単量体であり、(a1)成分は、(A)成分に含まれるカルボキシル基の由来となり得る。
前記単量体混合物における(a1)成分の含有量が0質量%であると、(B)成分および(C)成分との反応が生じないため、耐久性に劣る場合があり、一方、前記単量体組成物における(a1)成分の含有量が0.5質量%以上であると、本実施形態に係る粘着剤組成物から得られる粘着剤層が経時的に硬くなり、耐久性が経時的に低下する場合がある。耐久性および長期の耐久性により優れている点で、前記単量体混合物における(a1)成分の含有量は0.01〜0.48質量%であることが好ましく、0.05〜0.45質量%であることがより好ましい。
(a1)成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸が挙げられ、このうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
1.1.2.(a2)成分
前記単量体混合物が、(a2)成分である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を含むことにより、耐久性を(A)成分に付与することができる。前記単量体混合物における(a2)成分の含有量が90質量%未満であると、耐久性に劣る場合があり、一方、前記単量体組成物における(a2)成分の含有量が99.9質量%を超えても、(a1)成分の割合が相対的に低くなるため、耐久性に劣る場合がある。耐久性により優れている点で、前記単量体混合物における(a2)成分の含有量は95〜99.6質量%であることが好ましく、98〜99.6質量%であることがより好ましい。
(a2)成分としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸n−ヘプチル、アクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ノニル、メタクリル酸n−ラウリル、アクリル酸n−ラウリル、メタクリル酸n−テトラデシル、アクリル酸n−ヘキサデシル、メタクリル酸n−ヘキサデシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル等のエステル部位に直鎖状アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体;
アクリル酸i−プロピル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸i−オクチル、メタクリル酸i−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のエステル部位に分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体;
アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸ジシクロペンタニル等のエステル部位に脂環アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が挙げられ、このうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
このうち、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層がより優れた耐久性を得ることができる点で、(a2)成分は、アルキルエステル部位を構成するアルキル鎖が直鎖状または分岐状のアルキル鎖であることが好ましく、直鎖状のアルキル鎖を有することがより好ましい。この場合、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層がさらに優れた耐久性を得ることができる点で、(a2)成分に含まれる前記アルキル鎖の炭素原子数は1〜20(好ましくは1〜10)であることがさらに好ましい。
1.1.3.(a3)成分
(a3)成分である水酸基含有単量体は、分子構造中に水酸基を有する単量体であり、(a3)成分は、(A)成分に含まれる水酸基の由来となり得る。
前記単量体混合物における(a3)成分の含有量が0.3質量%を超えると、本実施形態に係る粘着剤組成物から得られる粘着剤層が硬くなり、該粘着剤層を備える光学部材に変形が生じることがある。また、例えば、光学部材が偏光板である場合、該光学部材の変形に起因して光漏れが生じることがある。光学部材の変形発生をより確実に抑えることができる点で、前記単量体混合物における(a3)成分の含有量は0.25質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以下であることがより好ましい。なお、前記単量体混合物が(a3)成分を含む場合、前記単量体混合物における(a3)成分の含有量は0.01〜0.25質量%であることが好ましく、0.01〜0.2質量%であることがより好ましい。
(a3)成分としては、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等、アクリル酸エチレングリコール、アクリル酸ポリエチレングリコール、アクリル酸プロピレングリコール、アクリル酸ポリプロピレングリコール等のアクリル酸アルキレングリコール、メタクリル酸エチレングリコール、メタクリル酸ポリエチレングリコール、メタクリル酸プロピレングリコール、メタクリル酸ポリプロピレングリコール等のメタクリル酸アルキレングリコール、フェノキシエチルアクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体が挙げられる。
1.1.4.(a4)成分
前記単量体混合物は、(a4)成分である前記(a1)〜(a3)成分以外の共重合性単量体を含むことができる。
(a4)成分は例えば、アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル等のアミド基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N’−ジメチルアクリルアミド、N,N’−ジエチルアクリルアミド、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N’−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド基含有(メタ)アクリルアミド単量体、アクリロイルモルホリン、アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等の窒素原子含有単量体、カルボキシエチルアクリレート、アクリロニトリル、ペンタメチルピペリジンメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート、2−ナフチルアクリレート等のエステル部位に芳香環基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体;ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等のエステル部位にエーテル基を有する(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニル(メタ)アクリロイル基含有マクロモノマーなどが挙げられ、このうち1種または2種以上を組み合わせて使用することもできる。単量体組成物中の(a4)成分の含有量は0〜9質量%であることが好ましく、0〜8質量%であることがより好ましい。
1.1.5.(a1)〜(a3)成分の合計量
本実施形態に係る粘着剤組成物では、優れた耐久性、ならびに被着体との高い密着性を達成できる観点から、(A)成分である共重合体の原料である前記単量体混合物中における前記(a1)成分、(a2)成分、および(a3)成分の合計量が90〜100質量%であることができる。
1.1.6.重量平均分子量
(A)成分は、重量平均分子量(Mw)が50万〜200万である。(A)成分の重量平均分子量が50万未満であると、耐久性に劣ることがあり、一方、200万を超えると、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層が硬くなりすぎ、光学部材の変形を防止できないことがある。光学部材の変形を防止することができ、かつ耐久性を高めることができる観点から、(A)成分の重量平均分子量は、80万〜150万であることがより好ましい。ここで、(A)成分の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、下記の条件で標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)を求めたものである。また、(A)成分の分子量分布(Mw/Mn)は6.0〜9.5であることが好ましい。
<GPC測定条件>
測定装置:HLC−8120GPC(東ソー社製)
GPCカラム構成:以下の5連カラム(すべて東ソー社製)
(i)TSK−GEL HXL−H (ガードカラム)
(ii)TSK−GEL G7000HXL
(iii)TSK−GEL GMHXL
(iv)TSK−GEL GMHXL
(v)TSK−GEL G2500HXL
サンプル濃度:1.0mg/cmとなるように、テトラヒドロフランで希釈
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0cm/min
カラム温度:40℃
1.1.7.粘着剤組成物における含有量
本実施形態に係る粘着剤組成物における(A)成分の含有量は、該粘着剤組成物の60〜90質量部であることができ、65〜90質量部であることが好ましい。
1.1.8.(A)成分の重合方法
(A)成分の重合方法は、特に制限されるものではなく、溶液重合、乳化重合、懸濁重合などの公知の方法により重合できるが、重合により得られた共重合体の混合物を用いて、本発明の粘着剤組成物を製造するにあたり、処理工程が比較的簡単でかつ短時間で行える観点から、溶液重合により重合することが好ましい。
溶液重合は、一般に、重合槽内に所定の有機溶媒、各単量体、重合開始剤、および必要に応じて用いられる連鎖移動剤等を仕込み、窒素気流又は有機溶媒の還流温度の下で、撹拌しながら数時間加熱反応させることにより行われる。
なお、この場合において、有機溶媒、単量体及び/又は重合開始剤の少なくとも一部を逐次添加してもよい。有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、テトラリン、デカリン、芳香族ナフサなどの芳香族炭化水素類;例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン、n−デカン、ジペンテン、石油スピリット、石油ナフサ、テレピン油などの脂肪系もしくは脂環族系炭化水素類;例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸2−ブトキシエチル、酢酸3−メトキシブチル、安息香酸メチルなどのエステル類;例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどのケトン類;例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル類;などを挙げることができる。これらの有機溶媒はそれぞれ単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
これら重合用有機溶媒のうち、(A)成分の重合に際しては、例えばエステル類、ケトン類を使用することが好ましく、特に、(A)成分の溶解性、重合反応の容易さなどの点から、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトンなどの使用が好ましい。
前記重合開始剤としては、通常の溶液重合で使用できる有機過酸化物、アゾ化合物などを使用することが可能である。このような有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、カプロイルパーオキシド、ジ−i−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシビバレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−α−クミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルパーオキシシクロヘキシル)ブタンなどが挙げられ、アゾ化合物としては、例えば、2,2´−アゾビス−i−ブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2´−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルなどを挙げることができる。
これら重合開始剤のうち、(A)成分の重合反応中に、グラフト反応を起こさない重合開始剤が好ましく、特にアゾ系が好ましい。その使用量は、通常、単量体混合物の合計100重量部に対して0.01〜2重量部であり、好ましくは0.1〜1.0重量部である。
また、本実施形態に係る粘着剤組成物に含まれる(A)成分の製造に際しては、連鎖移動剤を使用しないのが普通であるが、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、必要に応じて使用することは可能である。
このような連鎖移動剤としては、例えば、シアノ酢酸;シアノ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類;ブロモ酢酸;ブロモ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類;アントラセン、フェナントレン、フルオレン、9−フェニルフルオレンなどの芳香族化合物類;p−ニトロアニリン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p−ニトロ安息香酸、p−ニトロフェノール、p−ニトロトルエンなどの芳香族ニトロ化合物類;ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラメチル−p−ベンゾキノンなどのベンゾキノン誘導体類;トリブチルボランなどのボラン誘導体;四臭化炭素、四塩化炭素、1,1,2,2−テトラブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロロエチレン、ブロモトリクロロメタン、トリブロモメタン、3−クロロ−1−プロペンなどのハロゲン化炭化水素類;クロラール、フラルデヒドなどのアルデヒド類:炭素数1〜18のアルキルメルカプタン類;チオフェノール、トルエンメルカプタンなどの芳香族メルカプタン類;メルカプト酢酸、メルカプト酢酸の炭素数1〜10のアルキルエステル類;炭素数1〜12のヒドロキシアルキルメルカプタン類;ピネン、ターピノレンなどのテルペン類;などを挙げることができる。
(A)成分の重合温度としては、一般に約30〜180℃であり、好ましくは40〜150℃であり、より好ましくは50〜90℃の範囲である。なお、溶液重合法などで得られた重合物中に未反応の単量体が含まれる場合は、該単量体を除くために、メタノールなどによる再沈澱法で精製することも可能である。
1.2.(B)成分
(B)成分であるイソシアネート系架橋剤は、イソシアネート基(−N=C=O)を有し、かつ、常温又は加熱下で(A)成分と架橋し得る架橋剤であるのが好ましく、例えば、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネートモノマーや、それらをトリメチロールプロパンなどの2価以上のアルコール化合物等に付加反応させたイソシアネート化合物やイソシアヌレート化物等が例示される。
また、公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなどにイソシアネート化合物を付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネート等も挙げられる。これらのうち、キシリレンジイソシアネートおよびその誘導体などが好ましく用いられる。
本実施形態に係る粘着剤組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して8〜50質量部であることが好ましく、9〜48質量部であることがより好ましい。本実施形態に係る粘着剤組成物における(B)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対して8質量部未満であると、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層の粘着力が十分でなく、一方、50質量部を超えると、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層が硬くなりすぎ、該粘着剤層を含む光学部材に予期せぬ変形が生じることがある。
なお、本実施形態に係る粘着剤組成物には(B)成分が(A)成分に対して8〜50質量部と比較的多量に配合されているので、系内でイソシアネート基同士が縮合し、いわゆるイソシアネートポリマーが生成し得る。当該イソシアネートポリマー中の活性なイソシアネート基が系内の水と反応すると、脱炭酸を経由してポリマー鎖中にアミノ基を生成する。当該アミノ基は、後述する(C)成分のエポキシ基と反応し得るので、(A)成分に含まれる架橋点(例えば、(A)成分)がアクリル系ポリマーである場合、該アクリルポリマーに含まれる架橋点)と架橋剤の反応により形成されるポリマーネットワークとは異なる、新たなポリマーネットワークを系内に築くことができる。これにより、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層は、耐久性に優れている。
1.3.(C)成分
(C)成分であるエポキシ系架橋剤は、エポキシ基(下記式(1)参照)を有し、かつ、常温又は加熱下で(A)成分と架橋し得る架橋剤であればよい。
本実施形態に係る粘着剤組成物における(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して0.05〜4質量部であることが好ましく、0.08〜3質量部であることがより好ましい。本実施形態に係る粘着剤組成物における(C)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対して0.05質量部未満であると、粘着力が十分でなく、一方、4質量部を超えると、粘着剤層が硬くなりすぎ、該粘着剤層を含む光学部材に予期せぬ変形が生じることがある。
また、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層の耐久性の発現と、該粘着剤層を含む光学部材の変形防止との両立を図る観点で、前記(B)イソシアネート系架橋剤の含有量に対する前記(C)エポキシ系架橋剤の配合量の関係は(B):(C)=(10〜40質量部):(0.1〜2質量部)であることが好ましい。
また、(C)成分は、エポキシ基およびアミノ基を有するエポキシ系架橋剤(アミン型エポキシ系架橋剤)であることができる。(C)成分がエポキシ基がアミン型であることにより、該エポキシ基が、他の成分(例えば(A)成分および/または(B)成分)に対する求核性を高める事が出来、架橋を促進することが出来る。
なお、(C)成分は、エポキシ基およびアミノ基を有する場合(アミン型エポキシ系架橋剤である場合)、さらには、(C)成分がアミノ基を含まない場合(非アミン型エポキシ系架橋剤である場合)であっても、本実施形態に係る粘着剤組成物は、(E)塩基性化合物(以下、単に「(E)成分」と記載することもある。)をさらに含んでいてもよい。
(C)成分としては、市販のエポキシ系架橋剤を用いることができる。アミン型エポキシ系架橋剤としては、例えば、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(商品名:テトラッドC,三菱瓦斯化学株式会社)、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン(商品名:テトラッドX,三菱瓦斯化学株式会社)を挙げることができ、非アミン型エポキシ系架橋剤としては、例えば、2,2'−[[2,2−ビス(オキシラン−2−イルメトキシメチル)−1,3−プロパンジイル]ビス(オキシメチレン)]ビスオキシラン(商品名:デナコールEX−411,ナガセケムテックス株式会社製)を挙げることができる。
また、エポキシ基およびアミノ基を有する(C)成分を用いる場合、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて粘着剤層を形成する場合、該アミノ基に含まれる窒素原子の電子供与性によって、(B)成分に含まれるイソシアネート基に由来する水酸基と該エポキシ基との反応、ならびに、(A)成分に含まれるカルボキシル基と該エポキシ基との反応を促進させることができると推測される。これにより、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層の粘着性を高めることができる。
本実施形態に係る粘着剤組成物が(E)成分をさらに含むことにより、(E)成分が、他の成分に含まれる(および/または、他の成分に由来する)水酸基の求核性を高めることができる。本実施形態に係る粘着剤組成物における(E)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して0〜0.1質量部であることが好ましく、0〜0.08質量部であることがより好ましい。
(E)成分としては、優れた電子供与性を有する点で、塩基性窒素原子含有化合物であることが好ましく、例えば、カオライザーNo.1(商品名、花王株式会社)が挙げられる。
1.4.(D)成分
本実施形態に係る粘着剤組成物は(D)シランカップリング剤(以下、単に「(D)成分」と記載することもある。)をさらに含むことができる。本実施形態に係る粘着剤組成物が(D)成分をさらに含むことにより、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて光学部材の表面に粘着剤層を形成した場合、光学部材と被着体との粘着を良好に保つことができる。
より具体的には、本実施形態に係る粘着剤組成物において、(A)成分および/または(B)成分に含まれるイソシアネート基(または該イソシアネート基に由来する基)と(D)成分とが反応することで、本実施形態に係る粘着剤組成物と被着体(例えばガラス)との粘着性を高めることが出来る。
(C)成分は例えば、ビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン及びメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の重合性不飽和基含有ケイ素化合物;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ構造を有するケイ素化合物;3−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有ケイ素化合物;並びに3−クロロプロピルトリメトキシシラン;オリゴマー型シランカップリング剤等であってもよく、中でも、粘着性に優れている点で、(A)成分、(B)成分、または(C)成分中に含まれる官能基と反応する官能基を有する(D)成分が好ましい。
本実施形態に係る粘着剤組成物において、該組成物の粘着性をより高める観点で、(A)成分100質量部に対して(D)成分を0.01〜1質量部含有することができる。
1.5.その他の成分
本実施形態に係る粘着剤組成物は、必要に応じて、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分以外の成分をさらに含むことができる。例えば、本実施形態に係る粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、可塑剤等が配合されていても良い。
1.6.他の実施形態
本発明の他の実施形態に係る光学部材用粘着剤組成物は、(A)カルボキシル基を有する共重合体と、(B)イソシアネート系架橋剤と、(C)エポキシ系架橋剤と、を含み、前記(A)共重合体100質量部に対して前記(B)イソシアネート系架橋剤を8〜50質量部含有し、前記(A)共重合体100質量部に対して前記(C)エポキシ系架橋剤を0.05〜4質量部含有する。この場合、前記(A)共重合体は、前記カルボキシル基含有単量体を0質量%超かつ0.5質量%未満含有する単量体混合物の共重合体であることができる。上記他の実施形態に係る光学部材用粘着剤組成物によれば、上記本実施形態に係る光学部材用粘着剤組成物と同様の作用効果を有する。
1.7.粘着剤組成物の製造
本実施形態に係る粘着剤組成物は、通常、前記(A)〜(E)成分および必要に応じて任意成分を、同時にあるいは任意の順番で混合して調製される。また、(A)成分と(B)成分および(C)成分とを混合するにあたり、(A)成分を溶液重合により調製した場合は、重合完了後の(A)成分を含む溶液に(B)成分および(C)成分を添加してもよく、(A)成分を塊状重合により調製する場合は、重合完了後では均一混合が困難になるため、この重合の途中で(B)成分および(C)成分を添加して混合することが好ましい。
1.8.用途
本実施形態に係る粘着剤組成物は、光学部材と被着体との貼り合わせに使用することができ、なかでも、長期(例えば1か月以上、好ましくは3か月以上)の耐久性が要求される光学部材の貼り合わせに好適に使用することができる。
本実施形態に係る粘着剤組成物を用いた貼り合わせの対象となる光学部材としては、例えば、偏光フィルム(偏光板)、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、光拡散フィルムおよびハードコートフィルムからなる群から選択される光学フィルムが挙げられる。また、被着体としては、例えば、ITO層等の金属層、ガラスまたはプラスチックからなる基材が挙げられ、なかでも、粘着性がより優れている点で、光学部材とガラスとの貼り合わせに好適に用いることができる。
また、例えば、光学部材が偏光板である場合、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層を介して、偏光板と他の被着体(例えばガラス基板)とを接着させる場合、該粘着剤層が適度な硬さを有するため、偏光板の変形を防止することができ、かつ、該粘着剤層の経時変化を抑えることができる。これにより、該粘着剤層は長期の耐久性に優れている。
1.9.粘着シート
本発明の他の実施形態に係る粘着シートは、本実施形態に係る粘着剤組成物を膜状に成形し、適宜加熱、乾燥して得られる。本実施形態に係る粘着シートは、例えば、本実施形態に係る粘着剤組成物をセパレーター(剥離フィルム)上に塗工することにより膜状に形成した後、加熱、乾燥することにより得ることができる。本実施形態に係る粘着シート(粘着剤層)を光学部材と他の被着体との間に設けることにより、該被着体と該光学部材との貼り合わせを行うことができる。
本実施形態に係る粘着シート(粘着剤層)の厚みは、通常は1〜50μm、好ましくは5〜30μm程度である。
1.10.作用効果
本実施形態に係る粘着剤組成物では、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、を含み、前記(A)成分100質量部に対して前記(B)成分を8〜50質量部含有し、前記(A)成分は、前記カルボキシル基含有単量体を0質量%超かつ0.5質量%未満含有する単量体混合物の共重合体であることにより、前記(A)成分に含まれるカルボキシル基の含有量が抑えられ、かつ、該(A)成分に対する前記(B)成分の割合が上記範囲に調整されているため、光学部材の変形を抑えることができ、かつ、長期の耐久性に優れている。
より具体的には、前記(A)成分に含まれるカルボキシル基の含有量が抑えられているため、該カルボキシル基が、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層中の官能基と反応して、該粘着剤層の硬さが経時的に変化するのを抑えることができる。
また、一般に、(A)成分と(B)成分との相溶性が悪いと、粘着剤層の乾燥後に白濁が生じることがあり、さらに、粘着剤層の乾燥温度が高いまたは長い場合、該粘着剤層が白化しやすくなる傾向がある。
これに対して、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて粘着剤層を形成する際に、前記(A)成分にカルボキシル基が含まれていることで、(B)成分に含まれる基および/または(C)成分に含まれる基(さらには、(B)成分に由来する基および/または(C)成分に由来する基)が、(A)成分に含まれるカルボキシル基と反応することにより、(A)成分と(B)成分および(C)成分との相溶性が向上するため、白濁が生じにくく、粘着剤層の乾燥温度が高いまたは長い場合であっても、粘着剤層に白化が生じにくい。
また、本実施形態に係る粘着剤組成物では、前記(A)成分に対する前記(B)成分の割合が上記範囲に調整されているため、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて粘着剤層を形成する際、粘着剤層が硬くなりすぎるのを抑えることができる。
例えば、光学部材が偏光板である場合、本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層を用いることにより、該粘着剤層が適度な硬さを有し、かつ、優れた粘着力を有するため、光学部材の変形が抑えられるので、光漏れを防止することができる。特に、該粘着剤層はガラスの表面になじみやすく、ガラス基板と光学部材との密着性を高めることができる。また、該粘着剤層は高温および多湿条件下で優れた耐久性を発揮し、かつ、光漏れを低減することができる。
2.積層体
本発明の一実施形態に係る積層体は、ガラス基板と、偏光板と、前記ガラス基板と前記偏光板との間に設けられた、上記実施形態に係る光学部材用粘着剤組成物を膜状に成形し、加熱して得られる粘着剤層(粘着シート)と、を含む。
2.1.積層構造
図1は、本発明の一実施形態に係る積層体の一例(積層体100)を模式的に示す断面図である。積層体100は、図1に示されるように、ガラス基板10と、偏光フィルム30と、ガラス基板10と偏光フィルム30との間に設けられた粘着剤層20と、を含む。
より具体的には、積層体100は、ガラス基板10と、ガラス基板10の上に設けられた粘着剤層20と、ガラス基板10の上に粘着剤層20を介して設けられた偏光フィルム30とを含む。ガラス基板10と偏光フィルム30とは粘着剤層20を介して接着されている。
図1において、粘着剤層20は、被着体(ガラス基板10)の表面に形成されている。本実施形態に係る粘着剤組成物を被着体の表面に形成する方法としては、平滑性の良好な剥離フィルム(セパレーター)の表面に粘着剤組成物を塗布し、塗膜を乾燥した後、当該塗膜を特定の樹脂フィルムの表面に転写する転写法を挙げることができる。
本実施形態に係る積層体は例えば、画像表示装置(特に液晶表示装置)に含まれる。この場合、本実施形態に係る積層体に含まれるガラス基板は、液晶表示装置用のガラス基板である。
2.2.ガラス基板
本実施形態に係る積層体を構成するガラス基板は、画像表示装置用に用いられるガラス基板であることができる。画像表示装置としては、例えば、液晶テレビ、コンピュータのモニタ、携帯電話、タブレットなどに用いられるTFT(薄膜トランジスタ)液晶表示装置であることができる。
2.3.作用効果
本実施形態に係る積層体は、ガラス基板と、偏光フィルムと、前記ガラス基板と前記偏光フィルムとの間に設けられた、上記実施形態に係る光学部材用粘着剤組成物を膜状に成形し、適宜加熱、乾燥して得られる粘着剤層と、を含むことにより、上記実施形態に係る光学部材用粘着剤組成物において、(A)成分におけるカルボキシル基の含有量が抑えられているため、該カルボキシル基と、該粘着剤組成物に含まれる官能基との反応を抑制することができる。これにより、長期の耐久性に優れている。
また、上記実施形態に係る光学部材用粘着剤組成物において、含有量が抑えられている(A)成分におけるカルボキシル基が、(B)成分および(C)成分に含まれる官能基と反応するため、該粘着剤層が適度な硬さおよび優れた粘着力を発揮することができる。これにより、偏光フィルムの変形を抑えることができる。
3.実施例
以下、本発明を下記実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されない。
3.1.(A)成分の調製
3.1.1.実施例1(共重合体の製造)
冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロート及び撹拝装置を備えた反応容器に、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、溶媒として酢酸エチル130重量部、単量体成分としてアクリル酸ブチル99.6重量部、アクリル酸0.4重量部を入れ、窒素還流を室温にて1時間行った後、反応容器内のモノマー組成物溶液の温度を67℃に昇温し、窒素気流中で5時間重合を行い、共重合体(実施例1の(A)成分)の溶液を得た。
得られた共重合体についてゲルパーミエ一ションクロマトグラフィー(GPC)により測定された重量平均分子量は100万であり、分子量分布(Mw/Mn)は8.0であった。
3.1.2.実施例2ないし14および比較例1ないし10(共重合体の製造)
表1および表2に示される組成の単量体混合物をそれぞれ用いた他は、上記実施例1に記載の方法によって、実施例2ないし14および比較例1ないし10の共重合体の溶液をそれぞれ得た。得られた共重合体の重量平均分子量を上記実施例1に記載の方法にて測定した結果を表1および表2にあわせて示す。
3.2.粘着剤付偏光板の作製
粘着剤溶液の(固形分)100部に対して、(B)イソシアネート系架橋剤としてトリレンジイソシアネートであるコロネートL 20部、(C)エポキシ系架橋剤としてテトラッドX 0.1部、(D)シランカップリング剤としてKBM−403 0.2部を添加し、これらを充分混合して、実施例1の粘着剤組成物を得た。
泡抜け後、ドクターブレードを用い剥離処理されたPET製セパレーターに塗工し、すぐに90℃で3分間乾燥した。乾燥後、偏光板に張り合わせ、室温23℃、湿度65%の条件下1〜7日間静置して、実施例1の粘着剤付偏光板を得た。
表3および表4に示される組成をそれぞれ用いた他は、上記実施例1に記載の方法によって、実施例2ないし14および比較例1ないし10の粘着剤付偏光板を得た。
3.3.試験方法
3.3.1.湿熱耐久性
上記「3.2.粘着剤付偏光板の作製」で得られた各粘着剤付き偏光板をそれぞれ250mm×350mmに裁断し、PETフィルムを剥離後、ガラス基板上に貼り付けて作製した試料片を、60℃/95%RHで500時間放置し、湿熱耐久性試験を行った。当該試験後、試料片に発生する発泡、浮き、剥がれの状態を目視で観察し、下記基準で耐久性を評価した。
[基準]
◎:剥がれなし
〇:4辺において、外周端部から0.5mm以上の位置に剥がれがないもの
△:4辺において、外周端部から0.5mm以上の位置に剥がれがあり、1.5mm以上の位置に剥がれがないもの
×:4辺において、外周端部から1.5mm以上の位置に剥がれがあるもの
3.3.2.乾燥後白化耐性
上記「3.2.粘着剤付偏光板の作製」で得られた各粘着剤付偏光板を120℃で10分間乾燥させた後、ヘイズメーターHM−150(村上色彩技研研究所)を用いて測定されたヘイズ測定値を以下の基準により評価した。
[基準]
◎:0.5%未満
○:0.5%以上〜1%未満
△:1%以上〜5%未満
×:5%以上
3.3.3.シート老化性
上記「3.2.粘着剤付偏光板の作製」で得られた各粘着剤付偏光板を50℃の恒温器に10日間入れ、取り出してから23℃の雰囲気下で1日間静置した。次いで、この粘着剤付偏光板を310mm×385mmの大きさに裁断し、ガラス板の片面にラミネーターロールを用いて貼着し、次いで、50℃、5気圧に調整されたオートクレーブに20分間保持して、試験板を作成した。同様の試験板を2枚作成し、それぞれ温度60℃、湿度95%RHの条件下(耐湿)および温度80℃の条件下(耐熱)で500時間放置し、試験板における剥がれの発生等を目視で観察し、以下の基準にて評価した。
[基準]
◎:剥がれ等の外観不良は全く観察されなかった。
○:剥がれ等の外観不良がごく僅かに観察されたが問題ない範囲である。
△:剥がれ等の外観不良が僅かに観察された。
×:剥がれ等の外観不良が明らかに観察された。
3.3.4.湿熱後剥離力
上記「3.2.粘着剤付偏光板の作製」で得られた各粘着剤付偏光板を幅25mm、長さ100mmに裁断し、ガラス板の片面にラミネーターロールを用いて貼着し、50℃、5気圧に調整されたオートクレーブに20分間保持した。取り出し23℃/50%の条件化で1時間静置後、ガラス板から180°の角度で剥離した時の力を測定したものを初期剥離力(P0)とした。ガラス板に貼着し、50℃、5気圧に調整されたオートクレーブに20分間保持した後、60℃/90%の恒温恒湿器に24時間入れ、取り出し後、23℃/50%の条件化で1時間静置し、ガラス板から180°の角度で剥離した時の力を測定したものを湿熱後剥離力(Pp)とした。湿熱処理後の剥離力(Pp)と、初期剥離力(P0)との比(Pp/P0)を湿熱後剥離力評価とした。湿熱後に剥離力が上昇、すなわち(Pp/P0)の値が高いほど、湿熱耐久試験での剥がれが起きにくく、耐久性が良好である。
3.3.5.光漏れ
19インチサイズ液晶パネルに、上記「3.2.粘着剤付偏光板の作製」で得られた粘着型偏光板をクロスニコルになるように張り合わせて、60℃/95%RH雰囲気下240時間時間放置した後、23℃/50%RH雰囲気下で2時間放置した。その後、光漏れを目視で観察し、以下の基準で評価した。
[基準]
◎:光漏れが発生しない。
○:使用上問題ないレベルの範囲で光漏れが発生する。
△:使用上問題あるレベルの範囲で光漏れが発生する。
×:全面に広い範囲で光漏れが発生する。
Figure 2015008384
Figure 2015008384
Figure 2015008384
Figure 2015008384
なお、表3および表4における略語は以下の意味である。
コロネートL:トリレンジイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製)
コロネート342:トリレンジイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製)
テトラッドX:アミン型エポキシ系架橋剤(三菱瓦斯化学株式会社)
テトラッドC:アミン型エポキシ系架橋剤(三菱瓦斯化学株式会社)
デナコールEX−411:非アミン型エポキシ系架橋剤(ナガセケムテックス株式会社製)
KBM−403:シランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学株式会社)
カオライザーNo.1:アミン系架橋促進剤(花王株式会社)
表3の結果から、上記実施例1ないし14の粘着剤層は、湿熱耐久性、乾燥後白化耐性、シート老化性、湿熱後剥離力、および光漏れ防止性が優れている。
より具体的には、上記実施例1ないし14の粘着剤組成物は、(A)共重合体と、(B)イソシアネート系架橋剤と、(C)エポキシ系架橋剤と、を含み、前記(A)共重合体100質量部に対して前記(B)イソシアネート系架橋剤を8〜50質量部含有し、前記(A)共重合体は、前記カルボキシル基含有単量体を0質量%超かつ0.5質量%未満含有する単量体混合物の共重合体であることから、上記実施例1ないし14の粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層は、乾燥後白化耐性に優れている。
乾燥後白化耐性は、粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層の透明性の指標であり、乾燥後白化耐性が優れていることは、粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層の透明性が優れていることを意味する。
上記実施例1ないし14の粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層が透明性に優れている理由は、前記(A)共重合体が、前記カルボキシル基含有単量体を0質量%超かつ0.5質量%未満含有する単量体混合物であることにより、該(A)共重合体に含まれるカルボキシル基が、前記(B)イソシアネート系架橋剤および/または前記(C)エポキシ系架橋剤に含まれる官能基(または、前記(B)イソシアネート系架橋剤および/または前記(C)エポキシ系架橋剤に由来する官能基)と反応することにより、該(A)共重合体と該(B)イソシアネート系架橋剤および該(C)エポキシ系架橋剤との相溶性が高められるからだと推測される。
また、上記実施例1ないし14の粘着剤組成物は、前記(A)共重合体100質量部に対して前記(B)イソシアネート系架橋剤を8〜50質量部含有することから、上記実施例1ないし14の粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層は、湿熱耐久性、シート老化性、および湿熱後剥離評価に優れている。
上記実施例1ないし14の粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層が、湿熱耐久性、シート老化性、および湿熱後剥離評価に優れている理由は、前記(A)共重合体100質量部に対する前記(B)イソシアネート系架橋剤の含有量が8〜50質量部であることで、該粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層を適度な硬さを有するものとすることができるため、光学部材の変形(偏光板)が少なく、かつ、上述したように、該(A)共重合体が、前記カルボキシル基含有単量体を0質量%超かつ0.5質量%未満含有する単量体混合物の共重合体であることにより、該(A)共重合体に含まれるカルボキシル基の含有量が抑えられているため、長期の信頼性に優れているためだと推測される。
これに対して、表4の結果から、上記比較例1ないし5の粘着剤層は、前記(A)共重合体として、(a1)カルボキシル基含有単量体を、0.5質量%以上含有する単量体混合物の共重合体を使用したため、湿熱後剥離力に劣ると理解できる。その理由として、前記(A)共重合体に含まれるカルボキシル基と前記(B)イソシアネート系架橋剤および/または前記(C)エポキシ系架橋剤に含まれる官能基(または、前記(B)イソシアネート系架橋剤および/または前記(C)エポキシ系架橋剤に由来する基)との反応が経時的に生じる結果、耐久性が低下したためであると推測される。
より具体的には、比較例2の粘着剤層は、該粘着剤層の作製に使用した粘着剤組成物が(C)成分も(D)成分も含まないため、耐久性が劣り、クラック発生に伴う剥がれが生じる結果、光漏れが発生したと理解できる。
また、比較例3の粘着剤層は、該粘着剤層の作製に使用した粘着剤組成物が(C)成分を含まないため、湿熱条件下で白化した(粘着剤層が白化して光の透過率が低下したため、結果的に、光漏れ評価が良好になった)と理解できる。
また、表4の結果から、上記比較例6の粘着剤層は、乾燥後白化耐性に劣ると理解できる。その理由として、上記比較例6の粘着剤組成物では、前記(A)共重合体として、前記カルボキシル基含有単量体を含まない単量体混合物の共重合体を使用したので、該(A)共重合体がカルボキシル基を含まないため、該カルボキシル基と前記(B)イソシアネート系架橋剤および/または前記(C)エポキシ系架橋剤に含まれる官能基(または、前記(B)イソシアネート系架橋剤および/または前記(C)エポキシ系架橋剤に由来する基)との反応が生じず、該(A)共重合体と該(B)イソシアネート系架橋剤および該(C)エポキシ系架橋剤との相溶性が低いためであると推測される。
さらに、表4の結果から、上記比較例7の粘着剤層は、湿熱耐久性およびシート老化性に劣ると理解できる。その理由として、上記比較例7の粘着剤組成物では、前記(A)共重合体として、(a3)水酸基含有単量体を、0.3質量%を超えて含有する単量体混合物の共重合体を使用したため、(a3)水酸基含有単量体中の水酸基と他の成分に含まれる官能基とが反応した結果、該粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層が硬くなりすぎたためであると推測される。
加えて、表4の結果から、上記比較例8の粘着剤層は、乾燥後白化耐性に劣ることが理解できる。その理由として、上記比較例8の粘着剤組成物では、前記(B)イソシアネート系架橋剤を使用しなかったため、前記(A)共重合体に含まれるカルボキシル基と該(B)イソシアネート系架橋剤に含まれる官能基(または、該(B)イソシアネート系架橋剤に由来する基)との反応が生じにくく、該(A)共重合体と該(B)イソシアネート系架橋剤との相溶性が低いため、該粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層の透明性が低下したためと推測される。
加えて、表4の結果から、上記比較例9および10の粘着剤層は、湿熱耐久性および湿熱後剥離力に劣ると理解できる。その理由として、上記比較例9および10の粘着剤組成物では、前記(C)エポキシ系架橋剤を使用しなかったため、前記(A)共重合体に含まれるカルボキシル基と該(C)エポキシ系架橋剤に含まれる官能基(または、該(C)エポキシ系架橋剤に由来する基)との反応が生じにくいため、架橋が不十分となり、耐久性が低下したためであると推測される。

Claims (11)

  1. (A)共重合体と、
    (B)イソシアネート系架橋剤と、
    (C)エポキシ系架橋剤と、
    を含み、
    前記(A)共重合体100質量部に対して前記(B)イソシアネート系架橋剤を8〜50質量部含有し、
    前記(A)共重合体は、前記カルボキシル基含有単量体を0質量%超かつ0.5質量%未満含有する単量体混合物の共重合体である、光学部材用粘着剤組成物。
  2. 前記(A)共重合体100質量部に対して前記(C)エポキシ系架橋剤を0.05〜4質量部含有する、請求項1に記載の光学部材用粘着剤組成物。
  3. 前記(B)イソシアネート系架橋剤の含有量に対する前記(C)エポキシ系架橋剤の配合量の関係が、(B):(C)=(10〜40質量部):(0.1〜2質量部)である、請求項1または2に記載の光学部材用粘着剤組成物。
  4. 前記単量体混合物は、下記単量体(a1)〜(a4)の混合物である(ただし、前記単量体(a1)〜(a4)を足し合わせて100質量%である。)、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学部材用粘着剤組成物。
    (a1)カルボキシル基含有単量体:0質量%超かつ0.5質量%未満
    (a2)(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体:90〜99.9質量%
    (a3)水酸基含有単量体:0〜0.3質量%
    (a4)前記(a1)〜(a3)以外の共重合性単量体:0〜9質量%
  5. (D)シランカップリング剤をさらに含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学部材用粘着剤組成物。
  6. 前記(A)共重合体100質量部に対して前記(D)シランカップリング剤を0.01〜1質量部含有する、請求項5に記載の光学部材用粘着剤組成物。
  7. 前記(C)エポキシ系架橋剤は、エポキシ基およびアミノ基を有する、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学部材用粘着剤組成物。
  8. (E)塩基性化合物をさらに含む、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光学部材用粘着剤組成物。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光学部材用粘着剤組成物を膜状に成形し、加熱、乾燥して得られる、粘着シート。
  10. ガラス基板と、
    偏光フィルムと、
    前記ガラス基板と前記偏光フィルムとの間に設けられた、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光学部材用粘着剤組成物を膜状に成形し、加熱、乾燥して得られる粘着剤層と、
    を含む、積層体。
  11. 前記ガラス基板は、画像表示装置に用いられるガラス基板である、請求項10に記載の積層体。
JP2015527130A 2013-07-19 2013-07-19 光学部材用粘着剤組成物、粘着シートおよび積層体 Active JP6125636B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2013/069655 WO2015008384A1 (ja) 2013-07-19 2013-07-19 光学部材用粘着剤組成物、粘着シートおよび積層体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015008384A1 true JPWO2015008384A1 (ja) 2017-03-02
JP6125636B2 JP6125636B2 (ja) 2017-05-10

Family

ID=52345875

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015527130A Active JP6125636B2 (ja) 2013-07-19 2013-07-19 光学部材用粘着剤組成物、粘着シートおよび積層体

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6125636B2 (ja)
KR (1) KR101947864B1 (ja)
CN (1) CN105431500B (ja)
WO (1) WO2015008384A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017160382A (ja) * 2016-03-11 2017-09-14 日本カーバイド工業株式会社 粘着剤組成物及び粘着シート
JP6534765B1 (ja) * 2018-07-24 2019-06-26 グンゼ株式会社 画像表示装置用粘着シート

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008004650A1 (fr) * 2006-07-06 2008-01-10 Lintec Corporation Feuille adhésive
JP2009251281A (ja) * 2008-04-07 2009-10-29 Soken Chem & Eng Co Ltd 偏光板用粘着剤組成物およびその製造方法
WO2012026456A1 (ja) * 2010-08-24 2012-03-01 日本カーバイド工業株式会社 粘着剤組成物
JP2012067275A (ja) * 2010-08-24 2012-04-05 Soken Chem & Eng Co Ltd 偏光板用粘着剤およびこれを利用した粘着剤付偏光板
JP2013056963A (ja) * 2011-09-07 2013-03-28 Lintec Corp 粘着性組成物、粘着剤および粘着シート
JP2013224431A (ja) * 2013-05-20 2013-10-31 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 光学用粘着剤および光学用粘着シート

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4880315B2 (ja) 2006-02-08 2012-02-22 日東電工株式会社 粘着剤組成物、粘着剤層、および粘着剤付光学部材
JP2009058859A (ja) * 2007-09-03 2009-03-19 Sumitomo Chemical Co Ltd 粘着剤付き光学フィルム及び光学積層体
JP4820443B2 (ja) * 2009-11-20 2011-11-24 日東電工株式会社 光学フィルム用粘着剤組成物、光学フィルム用粘着剤層、粘着型光学フィルムおよび画像表示装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008004650A1 (fr) * 2006-07-06 2008-01-10 Lintec Corporation Feuille adhésive
JP2009251281A (ja) * 2008-04-07 2009-10-29 Soken Chem & Eng Co Ltd 偏光板用粘着剤組成物およびその製造方法
WO2012026456A1 (ja) * 2010-08-24 2012-03-01 日本カーバイド工業株式会社 粘着剤組成物
JP2012067275A (ja) * 2010-08-24 2012-04-05 Soken Chem & Eng Co Ltd 偏光板用粘着剤およびこれを利用した粘着剤付偏光板
JP2013056963A (ja) * 2011-09-07 2013-03-28 Lintec Corp 粘着性組成物、粘着剤および粘着シート
JP2013224431A (ja) * 2013-05-20 2013-10-31 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 光学用粘着剤および光学用粘着シート

Also Published As

Publication number Publication date
KR20160034253A (ko) 2016-03-29
WO2015008384A1 (ja) 2015-01-22
CN105431500B (zh) 2018-01-02
CN105431500A (zh) 2016-03-23
KR101947864B1 (ko) 2019-02-13
JP6125636B2 (ja) 2017-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101914459B1 (ko) 점착성 조성물, 점착제 및 점착 시트
JP6162033B2 (ja) 光学用粘着剤組成物、光学用粘着シート、および画像表示装置
JP5091440B2 (ja) 光学部材表面保護フィルム用感圧接着剤組成物及び光学部材表面保護フィルム
JP6161994B2 (ja) 光学用粘着剤組成物、光学用粘着シート、画像表示装置および入出力装置
JP6310271B2 (ja) 光学用粘着剤組成物、光学用粘着シート、および画像表示装置
JP2008069202A (ja) 光学部材表面保護フィルム用感圧接着剤組成物及び光学部材表面保護フィルム
TWI827723B (zh) 反覆彎折裝置用黏著劑、黏著片、反覆彎折積層部件及反覆彎折裝置
JP2010217227A (ja) 感圧接着剤組成物及び光学部材表面保護フィルム
TWI570203B (zh) Adhesive compositions, adhesives, and adhesive sheets
JP5072260B2 (ja) 光学部材表面保護フィルム用感圧接着剤組成物及び光学部材表面保護フィルム
JP6211943B2 (ja) 光学用粘着剤組成物、光学用粘着シート、および画像表示装置
JP2020139035A (ja) 粘着シート、繰り返し屈曲積層部材および繰り返し屈曲デバイス
TW201241124A (en) Adhesive agent composition for optical film and processed product of the same
JP2011157458A (ja) 粘着剤組成物及び粘着シート
KR20200104787A (ko) 반복 굴곡 디바이스용 점착제, 점착시트, 반복 굴곡 적층부재 및 반복 굴곡 디바이스
JP6125636B2 (ja) 光学部材用粘着剤組成物、粘着シートおよび積層体
JP2011038055A (ja) 粘着剤組成物及び光学フィルム
KR20190066527A (ko) 광학 필름용 점착제 조성물, 점착제층, 광학 부재 및 화상표시장치
JP7275463B2 (ja) 粘着剤組成物及び粘着シート
TWI653309B (zh) 光學構件用黏著劑組成物、黏著片及積層體
JP6827670B2 (ja) 光学部材保護フィルム用粘着剤組成物及び光学部材保護フィルム
JP2020056001A (ja) 偏光板用粘着剤組成物及び粘着剤層付偏光板
TWI839390B (zh) 偏光板用黏著劑組成物及附黏著劑層之偏光板
JP2024082132A (ja) 粘着剤組成物、粘着シート、光学部材、及び表示装置
JP2023077357A (ja) 粘着剤および粘着シート

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170309

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170405

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6125636

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250