JP2023077357A - 粘着剤および粘着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】帯電防止性に優れた粘着剤および粘着シートを提供する。【解決手段】光学部材を貼合するための粘着剤であって、芳香環含有モノマーを、100ppm以上、6000ppm以下含有する粘着剤。当該粘着剤は、アクリル系粘着剤であることが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸エステル重合体を含有することが好ましい。当該(メタ)アクリル酸エステル重合体は、当該重合体を構成するモノマー単位として、芳香環含有モノマーを含有することが好ましい。【選択図】図1
Description
本発明は、帯電防止性を有する粘着剤および粘着シートに関するものである。
近年、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル電子機器における表示装置であるタッチパネルでは、投影型静電容量式のものが多く使用されている。かかるモバイル電子機器における投影型静電容量式のタッチパネルとして、例えば、下から順に、液晶表示装置(LCD)、粘着剤層、透明導電膜(スズドープ酸化インジウム:ITO)、ガラス基板、透明導電膜(ITO)、および強化ガラスなどの保護層が積層されたものが提案されている。
上記液晶表示装置を構成する表示部品としては、一般的に液晶セルが用いられる。液晶セルは、一般に配向層を形成した2枚の透明電極基板の配向層を内側にして、スペーサにより所定の間隔になるように配置し、その周辺をシールして、2枚の透明電極基板の間に液晶材料を挟持したものである。通常、液晶セルにおける2枚の透明電極基板の外側には、それぞれ粘着剤層を介して偏光板が接着される。
上記粘着剤層は、当該粘着剤層および剥離シート(場合によっては、さらには偏光板)を有する粘着シートとして使用されることが多い。上記粘着剤層が積層されている剥離シート、あるいは偏光板は、通常プラスチック材料により構成されている。そのため、電気絶縁性が高く、剥離シートを剥離する時などに静電気が発生し易い。このように発生した静電気が残存した状態で、偏光板を液晶セルに貼合すると、液晶分子の配向に乱れが生じるおそれがあり、また、静電気の存在は、埃や塵を吸引してしまうなどの問題を引き起こす。
そこで、効果的な帯電防止性能を得るべく、粘着剤組成物に帯電防止剤を添加することが提案されている(例えば特許文献1~2)。
しかしながら、粘着剤組成物に通常の帯電防止剤を添加した場合、高温条件下等での耐久性が通常よりも低下する懸念がある。そのため、帯電防止剤の添加量を少なくしても、所望の帯電防止性能を得ることのできる技術が望まれている。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、帯電防止性に優れた粘着剤および粘着シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、光学部材を貼合するための粘着剤であって、芳香環含有モノマーを、100ppm以上、6000ppm以下含有することを特徴とする粘着剤を提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係る粘着剤は、上記の量で芳香環含有モノマーを含有することにより、帯電防止性を発揮する。そのため、所望の帯電防止性を得るために、帯電防止剤の添加量を少なくしても(添加量を0にする場合も含む)、優れた帯電防止性能を得ることができる。また、芳香環含有モノマーの含有量の上限値が上記であることにより、光学部材における粘着剤の耐久性が、当該芳香環含有モノマーによって悪化することが抑制される。
上記発明(発明1)においては、アクリル系粘着剤であることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)においては、(メタ)アクリル酸エステル重合体を含有することが好ましい(発明3)。
上記発明(発明3)においては、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体が、当該重合体を構成するモノマー単位として、芳香環含有モノマーを含有することが好ましい(発明4)。
上記発明(発明3,4)においては、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体が、架橋剤によって架橋されていることが好ましい(発明5)。
上記発明(発明1~5)においては、前記光学部材が、偏光板であることが好ましい(発明6)。
第2に本発明は、光学部材と、粘着剤層とを備えた粘着シートであって、前記粘着剤層が、前記粘着剤(発明1~6)からなることを特徴とする粘着シートを提供する(発明7)。
上記発明(発明7)においては、前記光学部材が、偏光板であることが好ましい(発明8)。
第3に本発明は、2枚の剥離シートと、前記2枚の剥離シートの剥離面と接するように前記剥離シートに挟持された粘着剤層とを備えた粘着シートであって、前記粘着剤層が、前記粘着剤(発明1~6)からなることを特徴とする粘着シートを提供する(発明9)。
本発明に係る粘着剤および粘着シートは、帯電防止剤の添加量を少なくしても、優れた帯電防止性能を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔粘着剤〕
本発明の一実施形態に係る粘着剤は、光学部材を貼合するための粘着剤であって、芳香環含有モノマーを、100ppm以上含有し、6000ppm以下含有することが好ましい。光学用の粘着剤が上記の量で芳香環含有モノマーを含有することにより、当該粘着剤は帯電防止性を発揮する。そのため、所望の帯電防止性を得るために、帯電防止剤の添加量を少なくしても(添加量を0にする場合も含む)、優れた帯電防止性能を得ることができる。また、芳香環含有モノマーの含有量の上限値が上記であることにより、光学部材における粘着剤の耐久性が、当該芳香環含有モノマーによって悪化することが抑制される。
〔粘着剤〕
本発明の一実施形態に係る粘着剤は、光学部材を貼合するための粘着剤であって、芳香環含有モノマーを、100ppm以上含有し、6000ppm以下含有することが好ましい。光学用の粘着剤が上記の量で芳香環含有モノマーを含有することにより、当該粘着剤は帯電防止性を発揮する。そのため、所望の帯電防止性を得るために、帯電防止剤の添加量を少なくしても(添加量を0にする場合も含む)、優れた帯電防止性能を得ることができる。また、芳香環含有モノマーの含有量の上限値が上記であることにより、光学部材における粘着剤の耐久性が、当該芳香環含有モノマーによって悪化することが抑制される。
帯電防止性の観点から、粘着剤における芳香環含有モノマーの含有量は、100ppm以上であり、250ppm以上であることが好ましく、500ppm以上であることがより好ましく、特に800ppm以上であることが好ましく、さらには1200ppm以上であることが好ましい。また、光学部材における粘着剤の耐久性の観点から、粘着剤における芳香環含有モノマーの含有量は、6000ppm以下であることが好ましく、5500ppm以下であることがより好ましく、特に5000ppm以下であることが好ましく、さらには4000ppm以下であることが好ましく、3000ppm以下であることが最も好ましい。
本実施形態における芳香環含有モノマーは、芳香環を有するアクリル系モノマーであることが好ましく、特に、芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ビフェニル環、フルオレン環等が挙げられ、中でもベンゼン環が好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を意味する。他の類似用語も同様である。
芳香環含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2-フェニルエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ナフチル;(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシブチル等の(メタ)アクリル酸フェノキシアルキル;フェニルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香環及びエチレングリコール含有(メタ)アクリレート;エトキシ化o-フェニルフェノールアクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。中でも、帯電防止性の観点から、(メタ)アクリル酸フェノキシアルキルが好ましく、特に(メタ)アクリル酸フェノキシエチルが好ましく、さらにはアクリル酸フェノキシエチルが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る粘着剤の種類は、光学用途に適し、芳香環含有モノマーによる帯電防止効果を阻害しないものであれば、特に限定されない。例えば、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等のいずれであってもよい。また、当該粘着剤は、エマルション型、溶剤型または無溶剤型のいずれでもよく、架橋タイプまたは非架橋タイプのいずれであってもよい。それらの中でも、粘着物性、光学特性等に優れるアクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤としては、架橋タイプのものが好ましく、さらには熱架橋タイプのものが好ましい。
本実施形態に係る粘着剤は、光学用途に適する観点から、(メタ)アクリル酸エステル重合体と芳香環含有モノマーとを含有するものであることが好ましく、特に、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、架橋剤(B)と、芳香環含有モノマー(C)とを含有する粘着性組成物(以下「粘着性組成物P」という場合がある。)を架橋したものであることが好ましい。粘着性組成物Pを架橋して得られる粘着剤は、所望の凝集力を得ることができ、光学用途に適した耐久性を発揮し得る。なお、本明細書において、「重合体」には「共重合体」の概念も含まれるものとする。
1.粘着性組成物Pの成分
(1)(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)
本実施形態における(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、芳香環含有モノマーを含有することが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合に芳香環含有モノマーを使用すると、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合時に、重合条件によっては、重合されない芳香環含有モノマーを重合溶液中に残存させることができる。この場合、芳香環含有モノマー(C)を粘着剤(粘着性組成物P)中に別途添加する必要がないという利点がある。また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が芳香環含有モノマーを構成モノマー単位とすると、得られる粘着剤の凝集力がより好適なものとなり、光学用途において、優れた耐久性が得られ易くなる。
(1)(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)
本実施形態における(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、芳香環含有モノマーを含有することが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合に芳香環含有モノマーを使用すると、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合時に、重合条件によっては、重合されない芳香環含有モノマーを重合溶液中に残存させることができる。この場合、芳香環含有モノマー(C)を粘着剤(粘着性組成物P)中に別途添加する必要がないという利点がある。また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が芳香環含有モノマーを構成モノマー単位とすると、得られる粘着剤の凝集力がより好適なものとなり、光学用途において、優れた耐久性が得られ易くなる。
芳香環含有モノマーの種類としては、前述したものが挙げられるが、粘着性組成物Pが含有する芳香環含有モノマー(C)と同じものを、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合に使用することが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、芳香環含有モノマーを、1~40質量%含有することが好ましく、6~35質量%含有することがより好ましく、特に12~30質量%含有することが好ましく、さらには18~25質量%含有することが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)がモノマー単位として上記の量で芳香環含有モノマーを含有すると、得られる粘着剤の凝集力がより好適なものとなり、光学用途において、より優れた耐久性が得られ易くなる。
本実施形態における(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、架橋剤(B)と反応する反応性基を分子内に有する反応性基含有モノマーを含むことが好ましい。この反応性基含有モノマー由来の反応性基が架橋剤(B)と反応して、架橋構造(三次元網目構造)が形成され、所望の凝集力を有する粘着剤が得られる。
上記反応性基含有モノマーとしては、分子内に水酸基を有するモノマー(水酸基含有モノマー)、分子内にカルボキシ基を有するモノマー(カルボキシ基含有モノマー)、分子内にアミノ基を有するモノマー(アミノ基含有モノマー)などが好ましく挙げられる。これらの中でも、架橋剤(B)との反応性に優れる水酸基含有モノマーが好ましい。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。中でも、得られる(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)における水酸基の架橋剤(B)との反応性および他の単量体との共重合性の点から、炭素数が1~4のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが好ましい。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等が好ましく挙げられ、特に、アクリル酸2-ヒドロキシエチルまたはアクリル酸4-ヒドロキシブチルが好ましく挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミノ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸n-ブチルアミノエチル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、このアミノ基含有モノマーからは、後述の窒素原子含有モノマーは除かれる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、反応性基含有モノマーを、0.1~20質量%含有することが好ましく、0.5~12質量%含有することがより好ましく、特に1~8質量%含有することが好ましく、さらには2~5質量%含有することが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)がモノマー単位として上記の量で反応性基含有モノマーを含有すると、得られる粘着剤において良好な架橋構造が形成され、光学用途において、より優れた耐久性が得られ易くなる。
また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、カルボキシ基含有モノマーを含まないことも好ましい。カルボキシ基は酸成分であるため、カルボキシ基含有モノマーを含有しないことにより、粘着剤の貼付対象に、酸により不具合が生じるもの、例えばスズドープ酸化インジウム(ITO)等の透明導電膜や金属膜などが存在する場合にも、酸によるそれらの不具合(腐食、抵抗値変化等)を抑制することができる。ただし、かかる不具合が生じない程度に、カルボキシ基含有モノマーを所定量含有することは許容される。具体的には、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)中に、モノマー単位として、カルボキシ基含有モノマーを0.1質量%以下、好ましくは0.01質量%以下、さらに好ましくは0.001質量%以下の量で含有することが許容される。
本実施形態における(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有することが好ましい。これにより、良好な粘着性を発現することができる。アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であってもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、粘着性の観点から、アルキル基の炭素数が1~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。アルキル基の炭素数が1~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸n-ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。中でも、粘着性をより向上させる観点から、アルキル基の炭素数が1~8の(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n-ブチルまたは(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルが特に好ましい。なお、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを40~99質量%含有することが好ましく、特に50~90質量%含有することが好ましく、さらには60~80質量%含有することが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量の下限値が上記であると、得られる粘着剤は、光学用途に適した粘着力を発揮し易くなる。また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量の上限値が上記であると、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)中に芳香環含有モノマー等の他のモノマー成分を好適な量導入することができる。
上記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、分子内に脂環式構造を有するモノマー(脂環式構造含有モノマー)を含有することも好ましい。脂環式構造含有モノマーは嵩高いため、これを重合体中に存在させることにより、重合体同士の間隔を広げるものと推定され、得られる粘着剤を柔軟性に優れたものとすることができる。一方、脂環式構造含有モノマーそのものは、重合体にある程度の硬さを付与することができる。したがって、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が構成モノマー単位として脂環式構造含有モノマーを有することにより、光学用途において、より優れた耐久性が得られ易くなる。
脂環式構造含有モノマーにおける脂環式構造の炭素環は、飽和構造のものであってもよいし、不飽和結合を一部に有するものであってもよい。また、脂環式構造は、単環の脂環式構造であってもよいし、二環、三環等の多環の脂環式構造であってもよい。上記と同様に、得られる粘着剤の物性値調整の観点から、上記脂環式構造は、多環の脂環式構造(多環構造)であることが好ましい。さらに、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と他の成分との相溶性を考慮して、上記多環構造は、二環から四環であることが特に好ましい。また、上記と同様に、得られる粘着剤の物性値調整の観点から、脂環式構造の炭素数(環を形成している部分の全ての炭素数をいい、複数の環が独立して存在する場合には、その合計の炭素数をいう)は、通常5以上であることが好ましく、7以上であることが特に好ましい。一方、脂環式構造の炭素数の上限は特に制限されないが、上記と同様に相溶性の観点から、15以下であることが好ましく、10以下であることが特に好ましい。
上記脂環式構造含有モノマーとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル等が挙げられ、中でも、より優れた耐久性を発揮する、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル(脂環式構造の炭素数:10)、(メタ)アクリル酸アダマンチル(脂環式構造の炭素数:10)または(メタ)アクリル酸イソボルニル(脂環式構造の炭素数:7)が好ましく、特に(メタ)アクリル酸イソボルニルが好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、脂環式構造含有モノマーを1~25質量%含有することが好ましく、2~15質量%含有することがより好ましく、特に3~10質量%含有することが好ましく、さらには4~7質量%含有することが好ましい。脂環式構造含有モノマーの含有量が上記の範囲にあることで、光学用途において、より優れた耐久性が得られ易くなる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、所望により、当該重合体を構成するモノマー単位として、他のモノマーを含有してもよい。他のモノマーとしては、反応性官能基含有モノマーの前述した作用を阻害しないためにも、反応性官能基を含有しないモノマーが好ましい。かかるモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、酢酸ビニル、スチレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、直鎖状のポリマーであることが好ましい。直鎖状のポリマーであることにより、分子鎖の絡み合いが起こりやすくなり、所望の凝集力を有する粘着剤が得られ易くなる。
また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、溶液重合法によって得られた溶液重合物であることが好ましい。溶液重合物であることにより、高分子量のポリマーが得られやすくなり、凝集力の向上が期待できるため、耐久性に優れた粘着剤が得られ易い。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合態様は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重量平均分子量は、60万~300万であることが好ましく、90万~260万であることがより好ましく、特に120万~240万であることが好ましく、さらには160万~220万であることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重量平均分子量が上記の範囲にあると、光学用途において、優れた耐久性が得られ易くなる。なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
粘着性組成物Pにおいて、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(2)架橋剤(B)
架橋剤(B)は、粘着性組成物Pの加熱により(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を架橋し、三次元網目構造を良好に形成することが可能となる。これにより、得られる粘着剤の凝集力が向上し、光学用途において、優れた耐久性が得られ易くなる。
架橋剤(B)は、粘着性組成物Pの加熱により(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を架橋し、三次元網目構造を良好に形成することが可能となる。これにより、得られる粘着剤の凝集力が向上し、光学用途において、優れた耐久性が得られ易くなる。
上記架橋剤(B)としては、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が有する反応性基と反応するものであればよく、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アミン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、アンモニウム塩系架橋剤等が挙げられる。上記の中でも、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が有する反応性基が水酸基の場合、水酸基との反応性に優れたイソシアネート系架橋剤を使用することが好ましい。なお、架橋剤(B)は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
イソシアネート系架橋剤は、少なくともポリイソシアネート化合物を含むものである。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートなど、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などが挙げられる。中でも水酸基との反応性の観点から、トリメチロールプロパン変性の芳香族ポリイソシアネート、特にトリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートおよびトリメチロールプロパン変性キシリレンジイソシアネートが好ましい。
粘着性組成物P中における架橋剤(B)の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、0.001~2質量部であることが好ましく、0.01~1質量部であることがより好ましく、特に0.05~0.5質量部であることが好ましく、さらには0.1~0.3質量部であることが好ましい。架橋剤(B)の含有量が上記範囲にあることで、光学用途において、より優れた耐久性が得られ易くなる。
(3)芳香環含有モノマー(C)
芳香環含有モノマー(C)の種類は、前述した通りである。また、粘着性組成物P中における芳香環含有モノマー(C)の含有量は、前述した、粘着剤中における芳香環含有モノマーの含有量と同じである。
芳香環含有モノマー(C)の種類は、前述した通りである。また、粘着性組成物P中における芳香環含有モノマー(C)の含有量は、前述した、粘着剤中における芳香環含有モノマーの含有量と同じである。
(4)各種添加剤
粘着性組成物Pには、所望により、アクリル系粘着剤に通常使用されている各種添加剤、例えばシランカップリング剤、帯電防止剤、防錆剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、酸化防止剤、光安定剤、軟化剤、屈折率調整剤などを添加することができる。なお、後述の重合溶媒や希釈溶媒は、粘着性組成物Pを構成する添加剤に含まれないものとする。
粘着性組成物Pには、所望により、アクリル系粘着剤に通常使用されている各種添加剤、例えばシランカップリング剤、帯電防止剤、防錆剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、酸化防止剤、光安定剤、軟化剤、屈折率調整剤などを添加することができる。なお、後述の重合溶媒や希釈溶媒は、粘着性組成物Pを構成する添加剤に含まれないものとする。
粘着性組成物Pは、上記の中でもシランカップリング剤を含有することが好ましい。これにより、被着体である光学部材がプラスチック部材であっても、ガラス部材であっても、当該被着体との密着性が向上し、耐久性がより優れたものとなる。
シランカップリング剤としては、分子内にアルコキシシリル基を少なくとも1個有する有機ケイ素化合物であって、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)との相溶性がよく、光透過性を有するものが好ましい。
かかるシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の重合性不飽和基含有ケイ素化合物、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ構造を有するケイ素化合物、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン等のメルカプト基含有ケイ素化合物、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有ケイ素化合物、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、あるいはこれらの少なくとも1つと、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキル基含有ケイ素化合物との縮合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記に挙げたシランカップリング剤の中でも、帯電防止性と耐久性との両立の観点から、エポキシ構造を有するケイ素化合物、メルカプト基含有ケイ素化合物、アルキル基含有ケイ素化合物、およびメルカプト基含有ケイ素化合物とアルキル基含有ケイ素化合物との縮合物のいずれかを使用することが好ましく、エポキシ構造を有するケイ素化合物およびメルカプト基含有ケイ素化合物を併用するか、エポキシ構造を有するケイ素化合物およびアルキル基含有ケイ素化合物を併用するか、エポキシ構造を有するケイ素化合物、およびメルカプト基含有ケイ素化合物とアルキル基含有ケイ素化合物との縮合物を併用することがより好ましく、中でもエポキシ構造を有するケイ素化合物、およびメルカプト基含有ケイ素化合物とアルキル基含有ケイ素化合物との縮合物を併用することが特に好ましく、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、および3-メルカプトプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランとの縮合物を併用することがさらに好ましい。
粘着性組成物P中におけるシランカップリング剤の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、0.01~3質量部であることが好ましく、0.1~2質量部であることがより好ましく、特に0.2~1質量部であることが好ましく、さらには0.3~0.6質量部であることが好ましい。シランカップリング剤の含有量が上記範囲にあることで、光学用途において、より優れた耐久性が得られ易くなる。
なお、粘着性組成物P中に、シランカップリング剤として、エポキシ構造を有するケイ素化合物、およびメルカプト基含有ケイ素化合物とアルキル基含有ケイ素化合物との縮合物を併用する場合、エポキシ構造を有するケイ素化合物の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、0.01~3質量部であることが好ましく、特に0.05~1質量部であることが好ましく、さらには0.1~0.5質量部であることが好ましく、メルカプト基含有ケイ素化合物とアルキル基含有ケイ素化合物との縮合物の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、0.01~3質量部であることが好ましく、特に0.05~1質量部であることが好ましく、さらには0.1~0.5質量部であることが好ましい。シランカップリング剤(エポキシ構造を有するケイ素化合物、およびメルカプト基含有ケイ素化合物とアルキル基含有ケイ素化合物との縮合物)の含有量がそれぞれ上記範囲にあることで、光学用途において、より優れた耐久性が得られ易くなる。
粘着性組成物Pは、所望の帯電防止性を得るために、帯電防止剤を含有してもよい。ただし、本実施形態では芳香環含有モノマー(C)が帯電防止性を有するため、帯電防止剤の量は、通常よりも少なくすることができる。具体的には、粘着性組成物P中における帯電防止剤の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、0.01~20質量部であることが好ましく、0.1~15質量部であることがより好ましく、特に1~10質量部であることが好ましく、さらには3~7質量部であることが好ましい。このように帯電防止剤の量が少ないと、光学部材における粘着剤層11の耐久性が帯電防止剤に起因して低下することを抑制することができる。
帯電防止剤としては、例えば、イオン性化合物、アニオン系界面活性剤、アルカリ金属塩、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等が挙げられ、中でも、イオン性化合物およびアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも1種を使用することが好ましい。
イオン性化合物としては、含窒素オニウム塩、含硫黄オニウム塩、含リンオニウム塩等が好ましい。また、アルカリ金属塩としては、リチウム塩、カリウム塩等が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記の中でも、含窒素オニウム塩が好ましく、特に含窒素オニウム塩のイオン性化合物が好ましく、さらにはピリジニウム塩系イオン性化合物が好ましい。
2.粘着剤の製造
粘着剤の製造においては、第1に、粘着剤(粘着性組成物P)中に残存する芳香環含有モノマーの含有量が100ppm以上、6000ppm以下となるように、(メタ)アクリル酸エステル重合体の重合を行ってもよいし、第2に、粘着主剤としての重合体、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル重合体を含む系(重合溶液)に対し、粘着剤(粘着性組成物P)中における芳香環含有モノマーの含有量が100ppm以上、6000ppm以下となるように、芳香環含有モノマーを添加してもよい。
粘着剤の製造においては、第1に、粘着剤(粘着性組成物P)中に残存する芳香環含有モノマーの含有量が100ppm以上、6000ppm以下となるように、(メタ)アクリル酸エステル重合体の重合を行ってもよいし、第2に、粘着主剤としての重合体、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル重合体を含む系(重合溶液)に対し、粘着剤(粘着性組成物P)中における芳香環含有モノマーの含有量が100ppm以上、6000ppm以下となるように、芳香環含有モノマーを添加してもよい。
粘着性組成物Pは、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を重合し、得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合溶液(場合によって、芳香環含有モノマー(C)を含有する)に、架橋剤(B)と、所望により、芳香環含有モノマー(C)、添加剤等を加えることで、好ましく調製することができる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、重合体を構成するモノマーの混合物をラジカル重合法で重合することにより製造することができる。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合は、所望により重合開始剤を使用して、溶液重合法により行うことが好ましい。このとき、重合条件(重合温度等)や架橋剤量などを調整することで、重合されない芳香環含有モノマーを、重合溶液中に所望量残存させてもよい。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、無溶剤にて重合してもよい。重合溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。
重合開始剤としては、アゾ系化合物、有機過酸化物等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。アゾ系化合物としては、例えば、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン1-カルボニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、4,4'-アゾビス(4-シアノバレリック酸)、2,2'-アゾビス(2-ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t-ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2-エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等が挙げられる。
なお、上記重合工程において、2-メルカプトエタノール等の連鎖移動剤を配合することにより、得られる重合体の重量平均分子量を調節することができる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が得られたら、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合溶液に、架橋剤(B)、ならびに所望により希釈溶剤、芳香環含有モノマー(C)、添加剤等を添加し、十分に混合することにより、溶剤で希釈された粘着性組成物P(塗布溶液)を得る。なお、上記各成分のいずれかにおいて、固体状のものを用いる場合、あるいは、希釈されていない状態で他の成分と混合した際に析出を生じる場合には、その成分を単独で予め希釈溶媒に溶解もしくは希釈してから、その他の成分と混合してもよい。
上記希釈溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2-ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤などが用いられる。
このようにして調製された塗布溶液の濃度・粘度としては、コーティング可能な範囲であればよく、特に制限されず、状況に応じて適宜選定することができる。例えば、粘着性組成物Pの濃度が10~60質量%となるように希釈する。なお、塗布溶液を得るに際して、希釈溶剤等の添加は必要条件ではなく、粘着性組成物Pがコーティング可能な粘度等であれば、希釈溶剤を添加しなくてもよい。この場合、粘着性組成物Pは、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合溶媒をそのまま希釈溶剤とする塗布溶液となる。
粘着性組成物Pを架橋することにより、粘着剤が得られる。粘着性組成物Pの架橋は、通常は加熱処理により行うことができる。なお、この加熱処理は、所望の対象物に塗布した粘着性組成物Pの塗膜から希釈溶剤等を揮発させる際の乾燥処理で兼ねることもできる。
加熱処理の加熱温度は、50~150℃であることが好ましく、特に70~120℃であることが好ましい。また、加熱時間は、10秒~10分であることが好ましく、特に50秒~2分であることが好ましい。
加熱処理後、必要に応じて、常温(例えば、23℃、50%RH)で1~2週間程度の養生期間を設けてもよい。この養生期間が必要な場合は、養生期間経過後、養生期間が不要な場合には、加熱処理終了後、粘着剤が形成される。
上記の加熱処理(及び養生)により、架橋剤(B)を介して、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が架橋され、粘着剤が得られる。
3.粘着剤の物性
上記粘着剤のゲル分率は、30~90%であることが好ましく、40~80%であることがより好ましく、特に50~70%であることが好ましく、さらには55~64%であることが好ましい。これにより、当該粘着剤は良好な凝集力を発揮し、耐久性により優れたものとなる。ここで、粘着剤のゲル分率の測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
上記粘着剤のゲル分率は、30~90%であることが好ましく、40~80%であることがより好ましく、特に50~70%であることが好ましく、さらには55~64%であることが好ましい。これにより、当該粘着剤は良好な凝集力を発揮し、耐久性により優れたものとなる。ここで、粘着剤のゲル分率の測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
〔粘着シート〕
本実施形態に係る粘着シートは、上述した粘着剤からなる粘着剤層を有するものである。本実施形態に係る粘着シートの一例としての具体的構成を図1および図2に示す。
本実施形態に係る粘着シートは、上述した粘着剤からなる粘着剤層を有するものである。本実施形態に係る粘着シートの一例としての具体的構成を図1および図2に示す。
図1に示すように、第1の実施形態に係る粘着シート1Aは、剥離シート12と、剥離シート12の剥離面に積層された粘着剤層11と、粘着剤層11に積層された光学部材13とから構成される。
また、図2に示すように、第2の実施形態に係る粘着シート1Bは、2枚の剥離シート12a,12bと、それら2枚の剥離シート12a,12bの剥離面と接するように当該2枚の剥離シート12a,12bに挟持された粘着剤層11とから構成される。なお、本明細書における剥離シートの剥離面とは、剥離シートにおいて剥離性を有する面をいい、剥離処理を施した面および剥離処理を施さなくても剥離性を示す面のいずれをも含むものである。
1.各部材
(1)粘着剤層
粘着剤層11は、前述した粘着剤から構成され、好ましくは、粘着性組成物Pを架橋してなる粘着剤から構成される。
(1)粘着剤層
粘着剤層11は、前述した粘着剤から構成され、好ましくは、粘着性組成物Pを架橋してなる粘着剤から構成される。
本実施形態に係る粘着シート1A,1Bにおける粘着剤層11の厚さ(JIS K7130に準じて測定した値)は、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、特に10μm以上であることが好ましく、さらには15μm以上であることが好ましい。これにより、所望の粘着力が得られるとともに所望の帯電防止性を発揮し易いものとなる。また、粘着剤層11の厚さは、100μm以下であることが好ましく、75μm以下であることがより好ましく、特に50μm以下であることが好ましく、さらには30μm以下であることが好ましい。これにより、加工性が良好なものとなる。なお、粘着剤層11は単層で形成してもよいし、複数層を積層して形成することもできる。
(2)剥離シート
剥離シート12,12a,12bは、粘着シート1A,1Bの使用時まで粘着剤層11を保護するものであり、粘着シート1A,1B(粘着剤層11)を使用するときに剥離される。本実施形態に係る粘着シート1Aにおいて、剥離シート12は必ずしも必要なものではない。また、本実施形態に係る粘着シート1Bにおいて、剥離シート12a,12bの一方または両方は必ずしも必要なものではない。
剥離シート12,12a,12bは、粘着シート1A,1Bの使用時まで粘着剤層11を保護するものであり、粘着シート1A,1B(粘着剤層11)を使用するときに剥離される。本実施形態に係る粘着シート1Aにおいて、剥離シート12は必ずしも必要なものではない。また、本実施形態に係る粘着シート1Bにおいて、剥離シート12a,12bの一方または両方は必ずしも必要なものではない。
剥離シート12,12a,12bとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニルフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム等が用いられる。また、これらの架橋フィルムも用いられる。さらに、これらの積層フィルムであってもよい。
上記剥離シート12,12a,12bの剥離面(特に粘着剤層11と接する面)には、剥離処理が施されていることが好ましい。剥離処理に使用される剥離剤としては、例えば、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系の剥離剤が挙げられる。また、剥離処理に使用される剥離剤は、帯電防止剤や芳香環含有モノマー等を含むことも好ましい。これにより、粘着剤層11から剥離シート12,12a,12bを剥離した際の帯電防止性能が向上する。なお、剥離シート12a,12bのうち、一方の剥離シートを剥離力の大きい重剥離型剥離シートとし、他方の剥離シートを剥離力の小さい軽剥離型剥離シートとすることが好ましい。
剥離シート12,12a,12bの厚さについては特に制限はないが、通常20~150μm程度である。
(3)光学部材
本実施形態に係る粘着シート1Aにおける光学部材13としては、例えば、偏光板(偏光フィルム)、偏光子、位相差板(位相差フィルム)、視野角補償フィルム、輝度向上フィルム、コントラスト向上フィルム、液晶ポリマーフィルム、拡散フィルム、半透過反射フィルム等が挙げられる。中でも偏光板(偏光フィルム)は、収縮し易く、寸法変化が大きいため、耐久性を要求される観点から、本実施形態の粘着剤(上記粘着剤層11)と積層する光学部材13として好適である。
本実施形態に係る粘着シート1Aにおける光学部材13としては、例えば、偏光板(偏光フィルム)、偏光子、位相差板(位相差フィルム)、視野角補償フィルム、輝度向上フィルム、コントラスト向上フィルム、液晶ポリマーフィルム、拡散フィルム、半透過反射フィルム等が挙げられる。中でも偏光板(偏光フィルム)は、収縮し易く、寸法変化が大きいため、耐久性を要求される観点から、本実施形態の粘着剤(上記粘着剤層11)と積層する光学部材13として好適である。
光学部材13の厚さは、その種類によっても異なるが、例えば偏光板の場合には、10μm~500μmであることが好ましく、特に50μm~300μmであることが好ましく、さらには80μm~150μmであることが好ましい。
2.物性
(1)表面抵抗率
表面抵抗率の測定においては、粘着シート1A,1Bの粘着剤層11と、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムとの積層体をサンプルとする。23℃、相対湿度50%の環境下において、上記サンプルに対して100Vの電圧を30秒間印加したときの、粘着剤層11の粘着面(PETフィルムとは反対側の面)の表面抵抗率は、3.1GΩ/sq以下であることが好ましく、3GΩ/sq以下であることがより好ましく、特に2.6GΩ/sq以下であることが好ましく、さらには2.1GΩ/sq以下であることが好ましい。これにより、帯電防止性に優れているということができ、例えば、粘着剤層11から剥離シート12,12a,12bを剥離する時に、静電気が発生することを効果的に抑制することができる。上記表面抵抗率の下限値は特に限定されないが、通常は、0.1GΩ/sq以上であることが好ましく、耐久性との両立の観点から、特に0.4GΩ/sq以上であることが好ましく、さらには0.7GΩ/sq以上であることが好ましい。
(1)表面抵抗率
表面抵抗率の測定においては、粘着シート1A,1Bの粘着剤層11と、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムとの積層体をサンプルとする。23℃、相対湿度50%の環境下において、上記サンプルに対して100Vの電圧を30秒間印加したときの、粘着剤層11の粘着面(PETフィルムとは反対側の面)の表面抵抗率は、3.1GΩ/sq以下であることが好ましく、3GΩ/sq以下であることがより好ましく、特に2.6GΩ/sq以下であることが好ましく、さらには2.1GΩ/sq以下であることが好ましい。これにより、帯電防止性に優れているということができ、例えば、粘着剤層11から剥離シート12,12a,12bを剥離する時に、静電気が発生することを効果的に抑制することができる。上記表面抵抗率の下限値は特に限定されないが、通常は、0.1GΩ/sq以上であることが好ましく、耐久性との両立の観点から、特に0.4GΩ/sq以上であることが好ましく、さらには0.7GΩ/sq以上であることが好ましい。
なお、上記表面抵抗率は、JIS K6911に準拠して測定した値であり、当該表面抵抗率の測定方法の詳細は、後述する試験例に示す通りである。
(2)粘着力
粘着シート1A,1Bのソーダライムガラスに対する粘着力は、0.1~50N/25mmであることが好ましく、0.8~25N/25mmであることがより好ましく、特に0.8~10N/25mmであることが好ましく、さらには1~5N/25mmであることが好ましい。上記粘着力の下限値が上記であると、光学用途において優れた耐久性が得られ易い。また、上記粘着力の上限値が上記であると、良好なリワーク性が得られ、貼合ミスが生じた場合、高価な液晶セル等の再利用が可能となる。帯電防止性と耐久性とを両立する観点においては、上記粘着力は、1.2~4N/25mmであることが好ましく、特に1.5~3N/25mmであることが好ましく、さらには1.6~2.5N/25mmであることが好ましい。
粘着シート1A,1Bのソーダライムガラスに対する粘着力は、0.1~50N/25mmであることが好ましく、0.8~25N/25mmであることがより好ましく、特に0.8~10N/25mmであることが好ましく、さらには1~5N/25mmであることが好ましい。上記粘着力の下限値が上記であると、光学用途において優れた耐久性が得られ易い。また、上記粘着力の上限値が上記であると、良好なリワーク性が得られ、貼合ミスが生じた場合、高価な液晶セル等の再利用が可能となる。帯電防止性と耐久性とを両立する観点においては、上記粘着力は、1.2~4N/25mmであることが好ましく、特に1.5~3N/25mmであることが好ましく、さらには1.6~2.5N/25mmであることが好ましい。
ここで、本明細書における粘着力は、基本的にはJIS Z0237:2009に準じた180度引き剥がし法により測定した粘着力をいうが、測定サンプルは25mm幅、100mm長とし、当該測定サンプルを被着体に貼付し、0.5MPa、50℃で20分加圧した後、常圧、23℃、50%RHの条件下で24時間放置してから、剥離速度300mm/minにて測定するものとする。
3.粘着シートの製造
粘着シート1A,1Bの一製造例として、上記粘着性組成物Pを使用した場合について説明する。
粘着シート1A,1Bの一製造例として、上記粘着性組成物Pを使用した場合について説明する。
粘着シート1Aを製造するには、剥離シート12の剥離面に、上記粘着性組成物Pを含む溶液(塗布溶液)を塗布し、加熱処理を行って粘着性組成物Pを熱架橋し、塗布層を形成した後、その粘着剤層11に光学部材13を積層する。養生期間が必要な場合は養生期間をおくことにより、養生期間が不要な場合はそのまま、上記塗布層が粘着剤層11となる。これにより、上記粘着シート1Aが得られる。加熱処理および養生の条件については、前述した通りである。
また、粘着シート1Bを製造するには、一方の剥離シート12a(または12b)の剥離面に、上記粘着性組成物Pを含む塗布溶液を塗布し、加熱処理を行って粘着性組成物Pを熱架橋し、塗布層を形成した後、その粘着剤層11に他方の剥離シート12b(または12a)の剥離面を重ね合わせる。養生期間が必要な場合は養生期間をおくことにより、養生期間が不要な場合はそのまま、上記塗布層が粘着剤層11となる。これにより、上記粘着シート1Bが得られる。加熱処理および養生の条件については、前述した通りである。
上記粘着性組成物Pの塗布液を塗布する方法としては、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等を利用することができる。
4.粘着シートの使用
ここで、例えば、一方の面に透明導電膜が形成された液晶セルと、当該透明導電膜に積層された偏光板と、上記液晶セルの他方の面に積層された偏光板とを備えたタッチパネルの製造方法について説明する。第1の方法としては、光学部材13として偏光板を使用した粘着シート1Aを2枚用意し、第1の粘着シート1Aの剥離シート12を剥離して、露出した粘着剤層11と、液晶セルの一方の面に形成された透明導電膜とを貼合するとともに、第2の粘着シート1Aの剥離シート12を剥離して、露出した粘着剤層11と、液晶セルの他方の面とを貼合する。
ここで、例えば、一方の面に透明導電膜が形成された液晶セルと、当該透明導電膜に積層された偏光板と、上記液晶セルの他方の面に積層された偏光板とを備えたタッチパネルの製造方法について説明する。第1の方法としては、光学部材13として偏光板を使用した粘着シート1Aを2枚用意し、第1の粘着シート1Aの剥離シート12を剥離して、露出した粘着剤層11と、液晶セルの一方の面に形成された透明導電膜とを貼合するとともに、第2の粘着シート1Aの剥離シート12を剥離して、露出した粘着剤層11と、液晶セルの他方の面とを貼合する。
第2の方法としては、粘着シート1Bを2枚用意し、第1の粘着シート1Bの一方の剥離シート12a(または12b)を剥離して、露出した粘着剤層11と、液晶セルの一方の面に形成された透明導電膜とを貼合する。また、第2の粘着シート1Bの一方の剥離シート12a(または12b)を剥離して、露出した粘着剤層11と、液晶セルの他方の面とを貼合する。次いで、第1の粘着シート1Bの他方の剥離シート12b(または12a)を剥離して、露出した粘着剤層11と、偏光板とを貼合する。同じく、第2の粘着シート1Bの他方の剥離シート12b(または12a)を剥離して、露出した粘着剤層11と、偏光板とを貼合する。
本実施形態に係る粘着シート1A,1Bにおける粘着剤層11は帯電防止性に優れているため、粘着剤層11から剥離シート12,12a,12bを剥離する時などに、静電気が発生することを効果的に抑制することができる。これにより、例えば、偏光板を液晶セルに貼合するときに、液晶分子の配向に乱れが生じることを抑制することができる。
また、本実施形態に係る粘着シート1A,1Bにおける粘着剤層11は、帯電防止剤の添加量を少なくしても、優れた帯電防止性能を発揮することができ、また、帯電防止剤に起因して耐久性が低下することを抑制することができる。さらに、芳香環含有モノマーの含有量が所定量以下であると、当該芳香環含有モノマーに起因して耐久性が低下することを抑制することができる。これにより、粘着剤層11は耐久性に優れたものとなり、高温条件下でも、光学部材13や被着体との間で浮き、剥がれ、発泡等が生じることが防止・抑制される。特に、光学部材13を偏光板とした場合でも、偏光板の変形によって生じ得る応力を粘着剤層11で吸収・緩和することができ、それにより、優れた耐久性が発揮される。
なお、本明細書において、「X~Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特に断らない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特に断らない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特に断らない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、粘着シート1Aの剥離シート12は省略されてもよいし、粘着シート1Bにおける剥離シート12a,12bのいずれか一方は省略されてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
1.(メタ)アクリル酸エステル重合体の調製
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置および窒素導入管を備えた反応容器に、アクリル酸n-ブチル72質量部、アクリル酸フェノキシエチル20質量部、アクリル酸イソボルニル5質量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル3質量部、酢酸エチル200質量部、および2,2'-アゾビスイソブチロニトリル0.06質量部を仕込み、上記反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。この窒素雰囲気下中で攪拌しながら、反応溶液を60℃に昇温し、16時間反応させた後、室温まで冷却した。ここで、得られた溶液の一部を後述する方法で分子量を測定し、重量平均分子量175万の(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の生成を確認した。
1.(メタ)アクリル酸エステル重合体の調製
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置および窒素導入管を備えた反応容器に、アクリル酸n-ブチル72質量部、アクリル酸フェノキシエチル20質量部、アクリル酸イソボルニル5質量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル3質量部、酢酸エチル200質量部、および2,2'-アゾビスイソブチロニトリル0.06質量部を仕込み、上記反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。この窒素雰囲気下中で攪拌しながら、反応溶液を60℃に昇温し、16時間反応させた後、室温まで冷却した。ここで、得られた溶液の一部を後述する方法で分子量を測定し、重量平均分子量175万の(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の生成を確認した。
2.粘着性組成物の調製
上記工程(1)で得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部(固形分換算値;以下同じ)と、架橋剤(B)としてのトリメチロールプロパン変性キシリレンジイソシアネート(三井化学社製,製品名「タケネートD110N」)0.15質量部と、帯電防止剤(C)としての1-デシルピリジウムビス(フルオロスルホニル)イミド6.0質量部と、シランカップリング剤としての3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.2質量部および3-メルカプトプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランとの縮合物(信越化学工業社製,製品名「X-41-1810」)0.2質量部とを混合し、十分に撹拌して、メチルエチルケトンで希釈することにより、粘着性組成物の塗布溶液を得た。
上記工程(1)で得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部(固形分換算値;以下同じ)と、架橋剤(B)としてのトリメチロールプロパン変性キシリレンジイソシアネート(三井化学社製,製品名「タケネートD110N」)0.15質量部と、帯電防止剤(C)としての1-デシルピリジウムビス(フルオロスルホニル)イミド6.0質量部と、シランカップリング剤としての3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.2質量部および3-メルカプトプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランとの縮合物(信越化学工業社製,製品名「X-41-1810」)0.2質量部とを混合し、十分に撹拌して、メチルエチルケトンで希釈することにより、粘着性組成物の塗布溶液を得た。
3.粘着シートの製造
得られた粘着性組成物の塗布溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した重剥離型剥離シート(リンテック社製,製品名「SP-PET752150」)の剥離処理面に、ナイフコーターで塗布したのち、90℃で1分間加熱処理して塗布層を形成した。
得られた粘着性組成物の塗布溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した重剥離型剥離シート(リンテック社製,製品名「SP-PET752150」)の剥離処理面に、ナイフコーターで塗布したのち、90℃で1分間加熱処理して塗布層を形成した。
次いで、上記で得られた重剥離型剥離シート上の塗布層と、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した軽剥離型剥離シート(リンテック社製,製品名「SP-PET381031」)とを、当該軽剥離型剥離シートの剥離処理面が塗布層に接触するように貼合し、重剥離型剥離シート/粘着剤層の塗布層(厚さ:20μm)/軽剥離型剥離シートの構成からなる粘着シートを製造した。
なお、上記粘着剤層の厚さは、JIS K7130に準拠し、定圧厚さ測定器(テクロック社製,製品名「PG-02」)を使用して測定した値である(以下同じ)。
〔実施例2〕
実施例1で製造した粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥離し、粘着剤層を露出させた。その後、当該粘着シートを100℃dryにて3分間加熱し、これを実施例2に係る粘着シートとした。
実施例1で製造した粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥離し、粘着剤層を露出させた。その後、当該粘着シートを100℃dryにて3分間加熱し、これを実施例2に係る粘着シートとした。
〔実施例3〕
実施例1で製造した粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥離し、粘着剤層を露出させた。その後、当該粘着シートを100℃dryにて1分間加熱し、これを実施例3に係る粘着シートとした。
実施例1で製造した粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥離し、粘着剤層を露出させた。その後、当該粘着シートを100℃dryにて1分間加熱し、これを実施例3に係る粘着シートとした。
〔実施例4〕
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置および窒素導入管を備えた反応容器に、アクリル酸n-ブチル72質量部、アクリル酸フェノキシエチル20質量部、アクリル酸イソボルニル5質量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル3質量部、酢酸エチル200質量部、および2,2'-アゾビスイソブチロニトリル0.08質量部を仕込み、上記反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。この窒素雰囲気下中で攪拌しながら、反応溶液を60℃に昇温し、16時間反応させた後、室温まで冷却した。ここで、得られた溶液の一部を後述する方法で分子量を測定し、重量平均分子量180万の(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の生成を確認した。
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置および窒素導入管を備えた反応容器に、アクリル酸n-ブチル72質量部、アクリル酸フェノキシエチル20質量部、アクリル酸イソボルニル5質量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル3質量部、酢酸エチル200質量部、および2,2'-アゾビスイソブチロニトリル0.08質量部を仕込み、上記反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。この窒素雰囲気下中で攪拌しながら、反応溶液を60℃に昇温し、16時間反応させた後、室温まで冷却した。ここで、得られた溶液の一部を後述する方法で分子量を測定し、重量平均分子量180万の(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の生成を確認した。
上記工程で得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部と、架橋剤(B)としてのトリメチロールプロパン変性キシリレンジイソシアネート(三井化学社製,製品名「タケネートD110N」)0.15質量部と、帯電防止剤(C)としての1-デシルピリジウムビス(フルオロスルホニル)イミド6.0質量部と、シランカップリング剤としての3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.2質量部および3-メルカプトプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランとの縮合物(信越化学工業社製,製品名「X-41-1810」)0.2質量部と、アクリル酸フェノキシエチルモノマー0.15質量部とを混合し、十分に撹拌して、メチルエチルケトンで希釈することにより、粘着性組成物の塗布溶液を得た。
得られた粘着性組成物の塗布溶液を使用し、実施例1と同様にして粘着シートを製造した。
〔実施例5〕
粘着性組成物におけるアクリル酸フェノキシエチルモノマーの配合量を0.50質量部に変更する以外、実施例4と同様にして粘着シートを製造した。
粘着性組成物におけるアクリル酸フェノキシエチルモノマーの配合量を0.50質量部に変更する以外、実施例4と同様にして粘着シートを製造した。
〔実施例6〕
粘着性組成物におけるアクリル酸フェノキシエチルモノマーの配合量を1.00質量部に変更する以外、実施例4と同様にして粘着シートを製造した。
粘着性組成物におけるアクリル酸フェノキシエチルモノマーの配合量を1.00質量部に変更する以外、実施例4と同様にして粘着シートを製造した。
〔実施例7〕
粘着性組成物におけるアクリル酸フェノキシエチルモノマーの配合量を3.00質量部に変更する以外、実施例4と同様にして粘着シートを製造した。
粘着性組成物におけるアクリル酸フェノキシエチルモノマーの配合量を3.00質量部に変更する以外、実施例4と同様にして粘着シートを製造した。
〔比較例1〕
実施例1で製造した粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥離し、粘着剤層を露出させた。その後、当該粘着シートを100℃dryにて10分間加熱し、これを比較例1に係る粘着シートとした。
実施例1で製造した粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥離し、粘着剤層を露出させた。その後、当該粘着シートを100℃dryにて10分間加熱し、これを比較例1に係る粘着シートとした。
〔比較例2〕
粘着性組成物におけるアクリル酸フェノキシエチルモノマーの配合量を5.00質量部に変更する以外、実施例4と同様にして粘着シートを製造した。
粘着性組成物におけるアクリル酸フェノキシエチルモノマーの配合量を5.00質量部に変更する以外、実施例4と同様にして粘着シートを製造した。
前述した重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定(GPC測定)したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
<測定条件>
・GPC測定装置:東ソー社製,HLC-8020
・GPCカラム(以下の順に通過):東ソー社製
TSK guard column HXL-H
TSK gel GMHXL(×2)
TSK gel G2000HXL
・測定溶媒:テトラヒドロフラン
・測定温度:40℃
<測定条件>
・GPC測定装置:東ソー社製,HLC-8020
・GPCカラム(以下の順に通過):東ソー社製
TSK guard column HXL-H
TSK gel GMHXL(×2)
TSK gel G2000HXL
・測定溶媒:テトラヒドロフラン
・測定温度:40℃
〔試験例1〕(PhEAモノマー含有量の測定)
実施例および比較例で製造した粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ:50μm)に貼付した。この積層体を40mm×25mmの大きさに裁断した後、重剥離型剥離シートを剥離し、これをサンプルとした。なお、実施例2,3および比較例1の粘着シートについては、軽剥離型剥離シートは既に剥離されているため、所定の加熱処理後の粘着剤層をPETフィルムに貼付した。
実施例および比較例で製造した粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ:50μm)に貼付した。この積層体を40mm×25mmの大きさに裁断した後、重剥離型剥離シートを剥離し、これをサンプルとした。なお、実施例2,3および比較例1の粘着シートについては、軽剥離型剥離シートは既に剥離されているため、所定の加熱処理後の粘着剤層をPETフィルムに貼付した。
上記サンプルをバイアル瓶に入れ、オートサンプラー(島津製作所社製,製品名「GC-2010」/PerkinElmer社製,製品名「TurboMatrix 40」)にセットし、120℃で20分間加熱した後、水素炎イオン化検出法(FID)により、粘着剤中におけるアクリル酸フェノキシエチルモノマー(PhEAモノマー)の含有量(ppm)を測定した。結果を表1に示す。
〔試験例2〕(ゲル分率の測定)
実施例および比較例で製造した粘着シートを80mm×80mmのサイズに裁断して、その各粘着剤層をポリエステル製メッシュ(メッシュサイズ200)に包み、その質量を精密天秤にて秤量し、上記メッシュ単独の質量を差し引くことにより、粘着剤のみの質量を算出した。このときの質量をM1とする。
実施例および比較例で製造した粘着シートを80mm×80mmのサイズに裁断して、その各粘着剤層をポリエステル製メッシュ(メッシュサイズ200)に包み、その質量を精密天秤にて秤量し、上記メッシュ単独の質量を差し引くことにより、粘着剤のみの質量を算出した。このときの質量をM1とする。
次に、上記ポリエステル製メッシュに包まれた粘着剤を、室温下(23℃)で酢酸エチルに24時間浸漬させた。その後粘着剤を取り出し、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、24時間風乾させ、さらに80℃のオーブン中にて12時間乾燥させた。乾燥後、その質量を精密天秤にて秤量し、上記メッシュ単独の質量を差し引くことにより、粘着剤のみの質量を算出した。このときの質量をM2とする。ゲル分率(%)は、(M2/M1)×100で表される。これにより、粘着剤のゲル分率(%)を導出した。結果を表1に示す。
〔試験例3〕(表面抵抗率の測定)
実施例および比較例で製造した粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ:50μm)に貼付した。この積層体を40mm×40mmの大きさに裁断した後、重剥離型剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層の粘着面について、JIS K6911に準拠して、表面抵抗率を測定した。具体的には、23℃、50%RHの環境下において、抵抗率測定器(三菱アナリテック社製,製品名「ハイレスタUP MCP-HT450型」)を使用して、重剥離型剥離シートを剥離した粘着シートに対して100Vの電圧を30秒間印加した後の、粘着剤層の粘着面の表面抵抗率(GΩ/sq)を測定した。結果を表1に示す。
実施例および比較例で製造した粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ:50μm)に貼付した。この積層体を40mm×40mmの大きさに裁断した後、重剥離型剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層の粘着面について、JIS K6911に準拠して、表面抵抗率を測定した。具体的には、23℃、50%RHの環境下において、抵抗率測定器(三菱アナリテック社製,製品名「ハイレスタUP MCP-HT450型」)を使用して、重剥離型剥離シートを剥離した粘着シートに対して100Vの電圧を30秒間印加した後の、粘着剤層の粘着面の表面抵抗率(GΩ/sq)を測定した。結果を表1に示す。
〔試験例4〕(粘着力の測定)
実施例および比較例で製造した粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ:50μm)に貼付した。この積層体を25mm×110mmの大きさに裁断し、これをサンプルとした。
実施例および比較例で製造した粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ:50μm)に貼付した。この積層体を25mm×110mmの大きさに裁断し、これをサンプルとした。
上記サンプルから重剥離型剥離シートを剥がし、露出した粘着剤層を介してソーダライムガラス(河村久蔵商店社製,製品名「FL 1.1t 105±0.2×140±0.2」)に当該サンプルを貼付したのち、栗原製作所社製オートクレーブにて0.5MPa、50℃で、20分加圧した。その後、常圧、23℃、50%RHの条件下で24時間放置してから、引張試験機(A&D社製,製品名「TENSILON RTG-1225」)を用い、JIS Z0237:2009に準じて、剥離速度300mm/min、剥離角度180°の条件で粘着力を測定した。結果を表1に示す。
〔試験例5〕(耐久性の評価)
実施例および比較例で製造した粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥離し、粘着剤層を露出させた。次いで、ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光子の一方の面をトリアセチルセルロースフィルムで保護し、他方の面をシクロオレフィンポリマーフィルムで保護してなる厚さ100μmの偏光板を、上記粘着剤層の露出面とシクロオレフィンポリマーフィルムの表面とが接するように、上記粘着剤層と貼合した。そして、偏光板の偏光軸と長辺とが平行になるよう、200mm×150mmの大きさに裁断した。その後、23℃、50%RHで7日間養生することにより、粘着剤層付き偏光板を得た。
実施例および比較例で製造した粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥離し、粘着剤層を露出させた。次いで、ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光子の一方の面をトリアセチルセルロースフィルムで保護し、他方の面をシクロオレフィンポリマーフィルムで保護してなる厚さ100μmの偏光板を、上記粘着剤層の露出面とシクロオレフィンポリマーフィルムの表面とが接するように、上記粘着剤層と貼合した。そして、偏光板の偏光軸と長辺とが平行になるよう、200mm×150mmの大きさに裁断した。その後、23℃、50%RHで7日間養生することにより、粘着剤層付き偏光板を得た。
上記粘着剤層付き偏光板から重剥離型剥離シートを剥がし、露出した粘着剤層を介して無アルカリガラス(コーニング社製,製品名「イーグルXG」)に貼付したのち、栗原製作所製オートクレーブにて0.5MPa、50℃で、20分加圧し、これをサンプルとした。
上記サンプルを85℃dryの環境下に投入し、250時間後、500時間後、および750時間後に、目視により発泡、浮き、剥がれ、およびスジの有無を確認した。評価基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
〇:発泡、浮き、剥がれ、およびスジが発生しなかった。
×:発泡、浮き、剥がれ、またはスジが発生した。
〇:発泡、浮き、剥がれ、およびスジが発生しなかった。
×:発泡、浮き、剥がれ、またはスジが発生した。
表1から分かるように、実施例で製造した粘着シートは、帯電防止性に優れるとともに、耐久性にも優れていた。
本発明に係る粘着剤および粘着シートは、帯電防止性および耐久性が要求される光学部材、特に偏光板を貼合するのに好適である。
1A,1B…粘着シート
1A’…粘着剤層付き偏光板
11…粘着剤層
12,12a,12b…剥離シート
13…光学部材
1A’…粘着剤層付き偏光板
11…粘着剤層
12,12a,12b…剥離シート
13…光学部材
Claims (9)
- 光学部材を貼合するための粘着剤であって、
芳香環含有モノマーを、100ppm以上、6000ppm以下含有する
ことを特徴とする粘着剤。 - アクリル系粘着剤であることを特徴とする請求項1に記載の粘着剤。
- (メタ)アクリル酸エステル重合体を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の粘着剤。
- 前記(メタ)アクリル酸エステル重合体が、当該重合体を構成するモノマー単位として、芳香環含有モノマーを含有することを特徴とする請求項3に記載の粘着剤。
- 前記(メタ)アクリル酸エステル重合体が、架橋剤によって架橋されていることを特徴とする請求項3または4に記載の粘着剤。
- 前記光学部材が、偏光板であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の粘着剤。
- 光学部材と、粘着剤層とを備えた粘着シートであって、
前記粘着剤層が、請求項1~6のいずれか一項に記載の粘着剤からなる
ことを特徴とする粘着シート。 - 前記光学部材が、偏光板であることを特徴とする請求項7に記載の粘着シート。
- 2枚の剥離シートと、
前記2枚の剥離シートの剥離面と接するように前記剥離シートに挟持された粘着剤層と
を備えた粘着シートであって、
前記粘着剤層が、請求項1~6のいずれか一項に記載の粘着剤からなる
ことを特徴とする粘着シート。
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