JP6162033B2 - 光学用粘着剤組成物、光学用粘着シート、および画像表示装置 - Google Patents
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1.1.(A)共重合体
本発明の一実施形態に係る光学用粘着剤組成物は、(a1)炭素数10〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体(本明細書において、単に「(a1)成分」と記載することもある。)3〜39質量%と、(a2)炭素数1〜9のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体(本明細書において、単に「(a2)成分」と記載することもある。)20〜97質量%と、を含む単量体混合物(ここで、前記(a1)成分と前記(a2)成分との合計は45質量%以上かつ100質量%以下である。)の(A)共重合体(本明細書において、単に「(A)成分」と記載することもある。)と、(B)架橋剤と、(C)可塑剤と、を含み、前記(C)可塑剤の含有量が、前記(A)共重合体100質量部に対して5〜40質量部である。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて、被着体(特に、ガラス)に対する粘着力に優れ、低誘電率である粘着剤層を得ることができる点で、(A)成分は、後述する(a1)〜(a4)成分を含む単量体組成物の共重合体であることが好ましく、メタクリル系重合体であることがより好ましい。
(a1)成分は、(A)成分のTgを低くしたり、長鎖アルキル基による被着体への馴染み性を向上させたりするのに寄与することができる。
(a2)成分は、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層の粘着力に寄与することができる。
メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸i−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の分岐状アルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体;
が挙げられ、このうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
前記単量体混合物は、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層の耐白化性を高める観点から、(a3)水酸基含有単量体(単に「(a3)成分」ともいう。)2〜30質量%をさらに含むことができる。
前記単量体混合物は、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物の凝集力を付与する観点から、(a4)窒素原子含有単量体(単に「(a4)成分」ともいう。)0.1〜5質量%をさらに含むことができる。(a4)成分に含まれる窒素原子が、該粘着剤組成物内に存在する水素原子と結合して、該水素原子が該粘着剤組成物内で水素結合の形成に関与することにより、高い凝集力を発現することができる。より高い凝集力を発現できる観点で、単量体組成物中の(a4)成分の含有量は、0.2〜4質量%であることが好ましく、0.3〜3質量%であることがより好ましい。
アミド基含有モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N’−ジメチルアクリルアミド、N,N’−ジエチルアクリルアミド、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N’−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド等の鎖状単量体が挙げられる。
環状窒素原子含有単量体の一例として、窒素系複素環含有単量体が挙げられる。窒素系複素環含有単量体としては、例えば、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、ビニルカプロラクタムが挙げられる。
このうち、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
(a1)〜(a3)成分との共重合性に優れる観点から、(a4)成分は、鎖状単量体であることが好ましく、また、(メタ)アクリロイル基を有する単量体が好ましい。
単量体混合物は、(a5)成分である前記(a1)〜(a4)成分以外の共重合性単量体を含んでいてもよい。(a5)成分は例えば、炭素数1〜18のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体、や、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−ナフチル、アクリル酸フェノキシエチル等の芳香環基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体;アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル等のエーテル基を有する(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;ビニル(メタ)アクリロイル基含有マクロモノマー等が挙げられ、このうち1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。単量体組成物中の(a5)成分の含有量は0〜20質量%であることが好ましく、0〜10質量%であることがより好ましい。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物では、該光学用粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層の段差追従性により優れ、かつ、該粘着剤層と被着体との密着性を高めることができる観点から、(A)成分のTgは0℃以下であることが好ましく、−40〜−10℃であることがより好ましい。なお、本発明において、(A)成分のTgは、下記式(3)(FOXの式)により算出された値である。
(式中、TgAは、(A)成分のガラス転移温度(K)を示し、Tga1,Tga2,Tga3はそれぞれ、構成モノマー(a1),(a2),(a3),(a4),(a5)から調製されたホモポリマーのガラス転移温度(Tg(K))を示し、Wa1,Wa2,Wa3,Wa4,Wa5はそれぞれ、(A)成分中に含まれる、構成単量体(a1),(a2),(a3),(a4),(a5)の重量分率を示す。)
なお、上記式(3)により、TgAは、絶対温度(K)として算出されるので、必要に応じて摂氏温度(℃)に換算される。
(A)成分は、重量平均分子量(Mw)が5万〜70万である。(A)成分の重量平均分子量が5万未満であると、耐久性に劣ることがあり、一方、70万を超えると、塗工時の作業性が劣るという観点から、(A)成分の重量平均分子量は、10万〜60万であることが好ましく、15万〜40万であることがより好ましく、40万未満であることがより好ましい。また、段差追従性を向上させる点で、分子量分布(Mw/Mn)が4より大きいことが好ましい。ここで、(A)成分の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、下記の条件で標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)を求めたものである。
測定装置:HLC−8120GPC(東ソー社製)
GPCカラム構成:以下の5連カラム(すべて東ソー社製)
(i)TSK−GEL HXL−H(ガードカラム)
(ii)TSK−GEL G7000HXL
(iii)TSK−GEL GMHXL
(iv)TSK−GEL GMHXL
(v)TSK−GEL G2500HXL
サンプル濃度:1.0mg/cm3となるように、テトラヒドロフランで希釈
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0cm3/min
カラム温度:40℃
本発明において、水酸基価とは、試料1g中に含まれる水酸基をアセチル化するために要する水酸化カリウム(KOH)のmg数をいう。水酸基価は以下の方法により算出することができる。
ポリマーの水酸基価(mgKOH)=Y/M×561 ・・・(4)
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物における(A)成分の含有量は、該粘着剤組成物の50〜95質量%であることができ、60〜95質量%であることが好ましい。
さらに、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層の被着体との密着性を高めることができる観点から、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物のゲル分率が5〜90%であることが好ましく、10〜80%であることがより好ましい。
ゲル分率(%)=(乾燥重量2)/(乾燥重量1)×100 ・・・(5)
(A)成分の重合方法は、特に制限されるものではなく、溶液重合、乳化重合、懸濁重合などの公知の方法により重合できるが、重合により得られた共重合体の混合物を用いて、本発明の粘着剤組成物を製造するにあたり、処理工程が比較的簡単でかつ短時間で行える観点から、溶液重合により重合することが好ましい。
被着体(例えばITO)の腐食を防止する観点から、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物の(A)成分の酸価は1.0以下であることが好ましく、0〜0.8であることがより好ましい。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物において、(A)成分は、架橋性官能基を有し、(B)架橋剤(単に「(B)成分」と記載することもある。)をさらに含む。(B)成分が(A)成分と反応することにより、架橋構造が生じ、該架橋構造を含む粘着剤層は、被着体(特に、ガラス)に対する粘着力に優れている。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物において、(C)可塑剤(単に「(C)成分」と記載することもある。)をさらに含む。本実施形態に係る光学用粘着剤組成物が(C)成分を含むことにより、該組成物に柔軟性が付与され、段差追従性を高めることができる。また、被着体に対する密着性を向上させ、良好な粘着力を発現することができる。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物は、必要に応じて、(A)成分、(B)成分および(C)成分以外の成分をさらに含むことができる。例えば、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、(D)シランカップリング剤(以下、単に「(D)成分」と記載することもある。)、イオン性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤等が配合されていても良い。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物が(D)成分を含むことにより、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて被着体の表面に粘着剤層を形成した場合、被着体との接着を良好に保つことができる。(D)成分は例えば、ビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン及びメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の重合性不飽和基含有ケイ素化合物;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ構造を有するケイ素化合物;3−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有ケイ素化合物;並びに3−クロロプロピルトリメトキシシラン;オリゴマー型シランカップリング剤等であってもよく、中でも、(A)成分中に含まれる官能基と反応する官能基を有しているシランカップリング剤が湿熱環境下でハガレを生じさせにくいという点で好ましい。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物は、通常、前記(A)成分、(B)成分および(C)成分、ならびに必要に応じて任意成分を、同時にあるいは任意の順番で混合して調製される。また、(A)成分と(B)成分および(C)成分とを混合するにあたり、(A)成分を溶液重合により調製した場合は、重合完了後の(A)成分を含む溶液に(B)成分および(C)成分を添加してもよく、(A)成分を塊状重合により調製する場合は、重合完了後では均一混合が困難になるため、この重合の途中で(B)成分および(C)成分を添加して混合することが好ましい。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物は、光学部材と被着体との貼り合わせに使用することができる。
本発明の一実施形態に係る粘着シート(粘着剤層)は、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物をより形成される粘着剤層を有する。該粘着剤層は例えば、膜状に成形し、溶媒を除去することにより製造することができる。
(1)本発明の一実施形態に係る光学用粘着剤組成物は、
(a1)炭素数10〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体3〜39質量%を含む単量体混合物の(A)共重合体と、(B)架橋剤と、(C)可塑剤と、を含み、前記(A)共重合体の重量平均分子量が5万〜70万である。
(a1)炭素数10〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体3〜39質量%を含む単量体混合物の(A)共重合体と、(B)架橋剤と、(C)可塑剤と、を含み、前記(A)共重合体のガラス転移温度が0℃以下である。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物は、(a1)炭素数10〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体3〜39質量%と、(a2)炭素数1〜9のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体20〜97質量%と、を含む単量体混合物の(A)共重合体((A)成分)と、(B)架橋剤((B)成分)と、(C)可塑剤((C)成分)と、を含むことにより、該(a1)成分および(a2)成分であるメタクリル酸アルキルエステルに由来して、該光学用粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層は、低誘電率であり、かつ、該(C)成分に由来して、優れた段差追従性および粘着力を有する。すなわち、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いることにより、低誘電率と段差追従性と粘着力とを兼ね備えた粘着剤層を得ることができる。よって、該粘着剤層は例えば、画像表示装置や入出力装置に好適に使用することができる。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物の作用効果をより具体的に説明するにあたり、公知の入出力装置の構成について説明する。図4は、公知の入出力装置(タッチパネル式入出力装置300)の構成を模式的に示す断面図である。タッチパネル式入出力装置300は、液晶表示装置(LCD)110と、タッチパネル部120とを含む。LCD110とタッチパネル部120との間の端部にギャップ剤層130が設けられているため、両端のギャップ剤層130の間には空隙140が生じている。
場合、高周波ノイズがタッチセンサーに伝播し、結果として誤作動を生じさせることがある。
これに対して、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて、段差追従性に優れ、かつ比誘電率が低い粘着剤層を得ることができる。そして、粘着剤層の高い比誘電率に起因するタッチセンサーの誤作動を防止することができる。すなわち、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて図4の空隙140を充填して、比誘電率が4.0以下である粘着剤層を空隙140に設けることにより、該粘着剤層が空隙140を埋めることができるため、タッチセンサーの誤作動を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る画像表示装置は、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層を含む。本実施形態に係る画像表示装置としては、例えば、液晶表示装置が挙げられる。
図1に示される本実施形態に係るタッチパネル式入出力装置(第1の入出力装置)100について、以下に詳述する。
また、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を、第2の入出力装置(タッチパネル式入出力装置)を構成する部材の貼り合わせに使用した別の一例を、図2を参照して説明する。図2に示される第2の入出力装置200では、構成する部材の貼り合わせに本実施形態に係る光学用粘着剤組成物が使用されることによって、該部材間に生じる段差を解消する効果を有する。
以下、本発明を下記実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されない。
3.1.1.ポリマー1の製造
冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロート及び撹拌装置を備えた反応容器に、溶媒として酢酸エチル80重量部、単量体成分としてメタクリル酸ラウリル35重量部、メタクリル酸2−エチルヘキシル44重量部、メタクリル酸ヒドロキシエチル20重量部、およびアクリルアミド1重量部を入れ、窒素還流を室温にて1時間行った後、反応容器内のモノマー組成物溶液の温度を80℃に昇温し、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部を撹拌下で添加した。窒素気流中で10時間重合を行い、重量平均分子量が20万の共重合体(ポリマー1)の溶液を得た。また、ポリマー1のTgおよび水酸基価をあわせて表2に示す。
表2に示される組成の単量体混合物をそれぞれ用いた他は、上記「3.1.1.ポリマー1の製造」に記載の方法によって、ポリマー2、3,7〜11の溶液をそれぞれ得た。ポリマー2、3,7〜11ならびに後述するポリマー4および5および6および13の重量平均分子量、Tgおよび水酸基価をあわせて表2に示す。
上記製造例1に記載の方法のうち、表2に示されるポリマー4の欄の組成の単量体混合物を用い、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.3重量部に変更した以外は製造例1に記載の方法によって、ポリマー4を得た。
上記製造例1に記載の方法のうち、表2に示されるポリマー5の欄の組成の単量体混合物を用い、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.35重量部に変更した以外は製造例1に記載の方法によって、ポリマー5を得た。
上記製造例1に記載の方法のうち、表2に示されるポリマー6の欄の組成の単量体混合物を用い、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部に変更した以外は製造例1に記載の方法によって、ポリマー6を得た。
上記製造例1に記載の方法のうち、表2に示されるポリマー12の欄の組成の単量体混合物を用い、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.05重量部に変更した以外は製造例1に記載の方法によって、ポリマー12を得た。
表2に示されるポリマー1〜12と(B)成分と(C)成分とを、表2に示す比率にて混合することにより、実施例1〜22および比較例1〜7の各組成物を得た。
実施例1〜22および比較例1〜7の各組成物を、セパレーターの表面に塗布して溶媒を除去した後、粘着面にセパレーターを貼り合わせて、粘着剤層の厚さが50μmの粘着シートを得た。得られた粘着シートの片側のポリエステルフィルムを剥離し、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせて評価用粘着シートを得た。
実施例1〜22および比較例1〜7の各組成物、および該組成物を用いて得られた粘着シートに対して、以下の方法にて評価試験を行った。
試料(粘着剤)1gを酢酸エチル50mlに投入し、常温で24時間放置した後、200メッシュのステンレス網にてろ過し、乾燥させた。その後、ろ過後の試料の質量をろ過前の試料の質量で除した値をゲル分率として算出した。
上記3.3.で調製された評価用粘着シートの片面の、セパレーターを剥がし、粘着剤層がガラス基板に接するようにラミネーターロールを用いて貼り付けて測定試料を作製した。次に、60℃−95%RH条件下で該試料を500時間投入した後、23℃−50%RH条件下に移してから10分後にヘイズを測定した(湿熱試験後ヘイズ値)。湿熱試験後ヘイズの値が3以下であることが望ましく、2.5以下であることがより望ましい。
上記3.3.で調製された評価用粘着シートを25mm×150mmの大きさに裁断し、23℃−50%RH条件下で、ガラス板に、実施例等で得られた粘着シートのセパレーターを剥がし露出した粘着剤層面にガラス板を2kgのローラーを用いて圧着した。貼付から20分後にガラス板から粘着シートを23℃、剥離角度180°の条件で、剥離速度300mm/分で剥離し、粘着シートの粘着剤層の粘着力を測定した。
ガラス上に任意の厚みに調整したPET粘着テープを貼り付けて評価用の段差を作製し、その上から上記3.3.で調製された評価用粘着シートである50μm厚粘着テープを貼り付けた。50℃、5atm、20分間の条件でオートクレーブ処理をした後、目視で段差の埋まりを観察した。評価基準は以下のとおりである。
○:粘着層厚みの35%以上の段差を埋めることができ、段差周辺に空隙や気泡が視認されない。
△:粘着層厚みの20%以上35%未満の段差を埋めることができ、段差周辺に空隙や気泡が視認されない。
×:粘着層厚みの20%未満の段差を埋めることができ、段差周辺に空隙や気泡が視認されない。
実施例1〜22および比較例1〜7の各組成物を、セパレーターの表面に塗布して溶媒を除去することにより、厚さ100μmの粘着剤層を得た。さらに、別のセパレーターを該粘着剤層の粘着面に貼り合わせて、該粘着剤層を有する粘着シートを得た。次に、厚さ100μmの銅箔に、得られた粘着シートの片面のセパレーターを剥離して貼り付け、更に、もう一方の面のセパレーターを剥離して、厚さ100μmの銅箔へ貼り付けて測定サンプルとした。東陽テクニカ製LCRメーター6440Bを用いて銅箔へ接続して、23℃−65%RHの条件下で比誘電率(100Hz)を算出した。
AM:アクリルアミド
2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
2EHMA:メタクリル酸2−エチルヘキシル
DMAA:N,N’−ジメチルアクリルアミド
4HBA:アクリル酸4−ヒドロキシブチル
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキエチル
LMA:メタクリル酸n−ラウリル
TPA−100:ヘキサメチレンジイソシアネート系架橋剤(旭化成ケミカルズ株式会社製)
DOP:フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)
DOA:アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)
DINA:アジピン酸ジイソノニル
BI−2000:水素化ポリブタジエン(日本曹達株式会社製)
LV−100:ポリブテン(Mn=500)(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)
LV−7:ポリブテン(Mn=300)(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)
HV−300:ポリブテン(Mn=1,400)(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)
11,15 偏光板
12,14,17 粘着剤層
13 液晶パネル
16 飛散防止フィルム
18 ITO層
19 ガラスパネル(タッチパネル)
30 粘着剤層
20,120 タッチパネル部
22 画像表示装置
24,24a,24b 粘着シート
26 基材
26a センサー電極
28 カバーガラス
28a 印刷層
30 粘着剤層
44 公知の粘着シート
64,140 空隙
130 ギャップ剤層
64,140 空隙
100,200,300 タッチパネル式入出力装置。
Claims (12)
- (a1)炭素数10〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体3〜39質量%と、
(a2)炭素数1〜9のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体20〜97質量%と、
を含む単量体混合物(ここで、前記(a1)成分と前記(a2)成分との合計は45重量%以上かつ100重量%以下である。)の(A)共重合体と、
(B)架橋剤と、
(C)可塑剤と、
を含み、
前記(C)可塑剤が、フタル酸系可塑剤、アジピン酸系可塑剤、ポリブテン系可塑剤、および液状ゴム系可塑剤から選ばれる少なくとも1種であり、
前記(C)可塑剤の含有量が、前記(A)共重合体100質量部に対して5〜40質量部である、光学用粘着剤組成物。 - 前記(A)共重合体は、重量平均分子量が5万〜70万である、請求項1に記載の光学用粘着剤組成物。
- 前記(A)共重合体は、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下である、請求項1または2に記載の光学用粘着剤組成物。
- 前記単量体混合物における、メタクリロイル基を有する単量体合計が80〜100質量%である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
- 前記(A)共重合体100質量部に対して0.01〜20質量部の前記(B)架橋剤を含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
- 前記(B)架橋剤は、イソシアネート系架橋剤である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
- 前記ポリブテン系可塑剤は、分子量100〜1,500のポリブテンである、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物より形成される粘着剤層を有する、光学用粘着シート。
- タッチパネル式入出力装置または画像表示装置を構成する部材の貼り合わせに用いられる、請求項10に記載の光学用粘着シート。
- 請求項10または11に記載の光学用粘着シートを含む、画像表示装置。
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