JP6162033B2 - 光学用粘着剤組成物、光学用粘着シート、および画像表示装置 - Google Patents

光学用粘着剤組成物、光学用粘着シート、および画像表示装置 Download PDF

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本発明は、光学用粘着剤組成物、光学用粘着シート、および画像表示装置に関する。
近年、液晶表示装置などの画像表示装置や、画像表示装置と組み合わせて用いられる、タッチパネル等の入出力装置が広く用いられるようになっている。これらの画像表示装置や入出力装置の製造において、構成部材を貼り合わせる際に粘着剤組成物が用いられている。
これらの画像表示装置や入出力装置を構成する電子部品の微細化に伴い、例えば回路中で発生する高周波ノイズや、駆動の際に導電体に挟まれた誘電体のチャージに起因して、電子部品に含まれる内部回路で生じるノイズによる誤作動が無視できないものとなってきている。特に、アクリル系粘着剤を主成分とする粘着剤組成物から形成された粘着剤層は比誘電率が比較的高く、このような高い比誘電率を有する粘着剤組成物を用いた場合、絶縁層としての静電容量が高く、高周波ノイズによる誤作動が生じることがある。
例えば、特許文献1には、静電容量方式のタッチパネル式入出力装置の誤作動を防止することを目的とする光学用粘着用シートが開示されている。
また、近年では意匠性を付与するために周縁部に印刷部が設けられることがあり、この印刷部は数μm〜数十μmの印刷段差を有している。そのため、このような印刷面を粘着シートで貼り合わせる場合に、粘着剤が印刷段差に追従できずに段差部分に気泡が入り込んでしまい、意匠性を損ねてしまうという問題も生じている。
この段差追従性を向上させるためには、段差に追従できる柔軟な粘着剤が求められるが、誘電率を低下させるためには配向分極の少ない接着剤のような構成を選択する必要があり、アクリル系粘着剤で段差追従性と低誘電率とを両立させることは困難であった。
国際公開WO2010/147047号公報
本発明は、低誘電率でかつ段差追従性および粘着力に優れた粘着剤層を得ることができる光学用粘着剤組成物、該光学用粘着剤組成物を用いて得られる光学用粘着シート、ならびに、該光学用粘着シートを含む画像表示装置を提供する。
本発明者らは、このような課題を解決すべく、(a1)炭素数10〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルを含む単量体混合物の共重合体と、(B)架橋剤と、(C)可塑剤と、を含む組成物を用いて、低誘電率でかつ段差追従性および粘着力に優れた粘着シートを得ることができることを見出した。
1.本発明の一態様に係る光学用粘着剤組成物は、(a1)炭素数10〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体3〜39質量%と、(a2)炭素数1〜9のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体20〜97質量%と、を含む単量体混合物(ここで、前記(a1)成分と前記(a2)成分との合計は45重量%以上かつ100重量%以下である。)の(A)共重合体と、(B)架橋剤と、(C)可塑剤と、を含み、前記(C)可塑剤の含有量が、前記(A)共重合体100質量部に対して5〜40質量部である。
2.上記1に記載の光学用粘着剤組成物において、前記(A)共重合体は、重量平均分子量が5万〜70万であることができる。
3.上記1または2に記載の光学用粘着剤組成物において、前記(A)共重合体は、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下であることができる。
4.上記1ないし3のいずれかに記載の光学用粘着剤組成物において、前記単量体混合物における、メタクリロイル基を有する単量体の合計が80〜100質量%であることができる。
5.上記1ないし4のいずれかに記載の光学用粘着剤組成物において、前記(A)共重合体100質量部に対して0.01〜20質量部の前記(B)架橋剤を含むことができる。
6.上記1ないし5のいずれかに記載の光学用粘着剤組成物において、前記(B)架橋剤は、イソシアネート系架橋剤であることができる。
7.上記1ないし6のいずれかに記載の光学用粘着剤組成物において、前記可塑剤は、フタル酸系可塑剤、アジピン酸系可塑剤、ポリブテン系可塑剤、および液状ゴム系可塑剤から選ばれる少なくとも1種であることができる。
8.上記7に記載の光学用粘着剤組成物において、前記フタル酸系可塑剤は、下記式(1)で表されることができる。
Figure 0006162033
(式中、RおよびRは独立して、炭素数8〜12のアルキル基を表す。)
9.上記7に記載の光学用粘着剤組成物において、前記アジピン酸系可塑剤は、下記式(2)で表されることができる。
Figure 0006162033
(式中、RおよびRは独立して、炭素数8〜12のアルキル基を表す。)
10.上記7に記載の光学用粘着剤組成物において、前記ポリブテン系可塑剤は、分子量100〜1,500のポリブテンであることができる。
11.本発明の一態様に係る光学用粘着シートは、上記1ないし10のいずれかに記載の光学用粘着剤組成物より形成される粘着剤層を有する。
12.上記11に記載の光学用粘着シートは、タッチパネル式入出力装置または画像表示装置を構成する部材の貼り合わせに用いられることができる。
13.本発明の一態様に係る画像表示装置は、上記11または12に記載の光学用粘着シートを含む。
上記光学用粘着剤組成物が、(a1)炭素数10〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体3〜39質量%と、(a2)炭素数1〜9のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体20〜97質量%と、を含む単量体混合物(ここで、前記(a1)成分と前記(a2)成分との合計は45重量%以上かつ100重量%以下である。)の(A)共重合体と、(B)架橋剤と、(C)可塑剤と、を含み、前記(C)可塑剤の含有量が、前記(A)共重合体100質量部に対して5〜40質量部であることにより、該光学用粘着剤組成物を用いて、低誘電率でかつ段差追従性および粘着力に優れた粘着剤層を得ることができる。
また、該粘着剤層は、透明性に優れているため、例えば、画像表示装置や入出力装置に好適に使用することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る第1の入出力装置(タッチパネル式入出力装置)の構成を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る第2の入出力装置(タッチパネル式入出力装置)の構成を模式的に示す断面図である。 図3の(a)および(b)は、図2に示される画像表示装置(タッチパネル式入出力装置)に含まれる粘着シートの段差追従性について説明する断面図である。 図4は、公知の入出力装置(タッチパネル式入出力装置)の構成を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、格別に断らない限り、「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。
1.1.光学用粘着剤組成物
1.1.(A)共重合体
本発明の一実施形態に係る光学用粘着剤組成物は、(a1)炭素数10〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体(本明細書において、単に「(a1)成分」と記載することもある。)3〜39質量%と、(a2)炭素数1〜9のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体(本明細書において、単に「(a2)成分」と記載することもある。)20〜97質量%と、を含む単量体混合物(ここで、前記(a1)成分と前記(a2)成分との合計は45質量%以上かつ100質量%以下である。)の(A)共重合体(本明細書において、単に「(A)成分」と記載することもある。)と、(B)架橋剤と、(C)可塑剤と、を含み、前記(C)可塑剤の含有量が、前記(A)共重合体100質量部に対して5〜40質量部である。
(A)成分は、耐湿熱白化性を高める観点から、官能基を有することが好ましい。本発明において、湿熱白化とは、高温高湿条件(例えば60℃95%RH)にさらされた後に室温に戻した際に、粘着剤皮膜が白化(白濁)する現象である。また、官能基とは、後述する(B)架橋剤と反応して架橋構造を構築し得る架橋性官能基であって、例えば水酸基、アミノ基等が挙げられる。
また、(A)成分は、カルボキシル基を実質的に含まないことが好ましい。本発明において、「(A)成分がカルボキシル基を実質的に含まない」とは、例えば、前記単量体混合物における、カルボキシル基含有単量体の含有量が0.1質量%以下であることをいい、より具体的には、前記単量体混合物を構成する単量体として、カルボキシル基含有単量体を使用しないことをいう。
1.1.1.単量体混合物
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて、被着体(特に、ガラス)に対する粘着力に優れ、低誘電率である粘着剤層を得ることができる点で、(A)成分は、後述する(a1)〜(a4)成分を含む単量体組成物の共重合体であることが好ましく、メタクリル系重合体であることがより好ましい。
本発明において、「メタクリル系重合体」とは、メタクリル酸、メタクリル酸塩、およびメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種を構成単位中に50質量%以上含むポリマーをいう。
また、本発明において、「メタクリル酸エステル単量体」とは、分子内に1つ以上のメタクリロイル基(CH=C(CH)−C(=O)−)を有する単量体である。より具体的には、メタクリル酸エステル単量体は、メタクリル酸アルキルエステルに加えて、水酸基、アミノ基などの官能基を有するメタクリル酸エステルを含む概念である。よって、例えば、「メタクリル酸エステル単量体」には、後述する(a1)成分および(a2)成分、ならびに、(a3)成分として使用される水酸基含有メタクリル酸エステル単量体が含まれる。
1.1.1−1.(a1)成分
(a1)成分は、(A)成分のTgを低くしたり、長鎖アルキル基による被着体への馴染み性を向上させたりするのに寄与することができる。
(a1)成分が前記単量体混合物の39質量%を超えると、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層の被着体に対する粘着力が低くなり十分な信頼性を得られないことがあり、一方、3質量%未満であると、(A)成分のガラス転移温度(Tg)が高くなり、粘着剤層が硬くなりすぎることがある。適度な硬さを有する点で、前記単量体混合物における(a1)成分の含有量は、5〜39質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜39質量%であり、さらに好ましくは20〜39質量%である。
(a1)成分としては、例えば、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、または環状アルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体であることができ、なかでも、(A)成分のTgを下げ、前記単量体混合物から得られる粘着剤層に柔軟性を付与する点で、直鎖状または分岐状アルキル基であることが好ましい。また、中でもホモポリマーとしたときのTgが−30℃以下であるメタクリル酸アルキルエステル単量体であることが好ましく、さらに好ましくは(a1)成分に含まれるアルキル基が、炭素数10〜18の直鎖状アルキル基であるメタクリル酸アルキルエステル単量体であることが好ましい。
(a1)成分は、より具体的には、メタクリル酸n−デシル、メタクリル酸n−ラウリル、メタクリル酸n−テトラデシル、メタクリル酸n−ヘキサデシル、メタクリル酸ステアリル等の直鎖状アルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体、メタクリル酸i−デシル、メタクリル酸i−ステアリル等の分岐状アルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられ、このうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
1.1.1−2.(a2)成分
(a2)成分は、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層の粘着力に寄与することができる。
(a2)成分が前記単量体混合物の97質量%を超えると、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層が硬くなりすぎ被着体に対する十分な濡れ性が得られず、貼り合わせの際に気泡を巻き込みやすい。一方、20質量%未満であると、粘着力に劣ることがある。適度な硬さと粘着力を有する点で、前記単量体混合物における(a2)成分の含有量は、30〜86.8質量%であることが好ましく、30〜74.7質量%であることがより好ましい。
(a2)成分としては、例えば、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体であることができ、なかでも、(A)成分のTgおよび得られる粘着剤の粘着力を調整できる点で、炭素数5〜9の直鎖状または分岐状アルキル基であることが好ましい。
(a2)成分は、より具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−ノニル等の直鎖状アルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体;
メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸i−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の分岐状アルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体;
が挙げられ、このうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
単量体混合物において、共重合体のTgを低くしたり、被着体に対する馴染み性を調整したりできる観点で、(a1)成分の含有量に対する(a2)成分の含有量は、0.5〜5であることが好ましく、0.8〜3であることがより好ましい。同様の観点から、(a1)成分および(a2)成分の合計は通常45質量%以上かつ100質量%以下であり、60質量%以上98質量%以下であることが好ましい。中でも、粘着物性のバランスを調整しやすい点で、(a2)成分は、2−エチルヘキシルメタクリレートであることが好ましい。
1.1.1−3.(a3)成分
前記単量体混合物は、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層の耐白化性を高める観点から、(a3)水酸基含有単量体(単に「(a3)成分」ともいう。)2〜30質量%をさらに含むことができる。
(a3)成分は、後述する(B)架橋剤と架橋構造を構築し得る成分である。(a3)成分が前記単量体混合物の30質量%を超えると、粘着剤層の比誘電率が高くなりすぎることがあり、一方、2質量%未満であると、該粘着剤層の耐白化性に劣ることがある。前記粘着剤層の耐白化性により優れ、かつ、粘着剤層の誘電率を調整する点で、前記単量体混合物における(a3)成分の含有量は、3〜20質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
(a3)成分としては、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等の水酸基を有するアクリル酸エステル単量体;アクリル酸エチレングリコール、アクリル酸ポリエチレングリコール、アクリル酸プロピレングリコール、アクリル酸ポリプロピレングリコール等のアクリル酸アルキレングリコール等の水酸基を有するアクリル酸アルキレングリコール;メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等の水酸基を有するメタクリル酸エステル単量体;メタクリル酸エチレングリコール、メタクリル酸ポリエチレングリコール、メタクリル酸プロピレングリコール、メタクリル酸ポリプロピレングリコール等のメタクリル酸アルキレングリコール等が挙げられ、このうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することもできる。なかでも、(a1)成分および(a2)成分との相溶性が優れている観点から、(a3)成分は、水酸基を含有するメタクリル酸エステル単量体(すなわち、メタクリロイル基を有する単量体)であることが好ましい。
1.1.1−4.(a4)成分
前記単量体混合物は、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物の凝集力を付与する観点から、(a4)窒素原子含有単量体(単に「(a4)成分」ともいう。)0.1〜5質量%をさらに含むことができる。(a4)成分に含まれる窒素原子が、該粘着剤組成物内に存在する水素原子と結合して、該水素原子が該粘着剤組成物内で水素結合の形成に関与することにより、高い凝集力を発現することができる。より高い凝集力を発現できる観点で、単量体組成物中の(a4)成分の含有量は、0.2〜4質量%であることが好ましく、0.3〜3質量%であることがより好ましい。
(a4)成分は例えば、アミド基またはアミノ基含有単量体であることが好ましい。(a4)成分がアミド基またはアミノ基含有単量体であることにより、(A)成分と後述の(B)成分との反応を促進し、また、アミド基またはアミノ基を構成する窒素原子に結合する水素原子が、粘着剤組成物内での水素結合の形成に関与することにより、より高い凝集力を発現することができる。
なお、(a4)成分が環状の窒素原子含有単量体である場合、適度な凝集力を発揮させる観点で、環状窒素原子含有単量体の含有率は0.5質量%未満(例えば、0質量%以上0.5質量%未満)であることが好ましく、0.1質量%未満(例えば、0質量%以上0.1質量%未満)であることが好ましい。
(a4)成分としては、アミノ基含有モノマーとして、例えば、アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル等の鎖状単量体が挙げられる。
アミド基含有モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N’−ジメチルアクリルアミド、N,N’−ジエチルアクリルアミド、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N’−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド等の鎖状単量体が挙げられる。
環状窒素原子含有単量体の一例として、窒素系複素環含有単量体が挙げられる。窒素系複素環含有単量体としては、例えば、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、ビニルカプロラクタムが挙げられる。
このうち、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
(a1)〜(a3)成分との共重合性に優れる観点から、(a4)成分は、鎖状単量体であることが好ましく、また、(メタ)アクリロイル基を有する単量体が好ましい。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物では、該光学用粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層が低い比誘電率、ならびに被着体(特に、ガラス)に対する良好な粘着力を達成できる観点から、(A)成分を得るための前記単量体混合物中における前記(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分および(a4)成分の合計量が80〜100質量%であることができ、90〜100質量%であることが好ましい。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物において、低い比誘電率および優れた粘着力を達成でき、かつ、比誘電率をより低減できる観点から、前記単量体混合物における、メタクリロイル基を有する単量体の合計が80〜100質量%であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、92質量%以上であることが特に好ましく、95質量%以上であることが最も好ましく、一方、99.9質量%以下であってもよい。なお、(a1)成分および(a2)成分はいずれも、メタクリロイル基を有する単量体である。
例えば、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物において、誘電率をより低減できる観点から、前記単量体混合物における前記(a1)成分、前記(a2)成分および前記(a3)成分の合計が79.9〜99質量%であり、かつ、前記(a1)成分、前記(a2)成分および前記(a3)成分がいずれもメタクリル酸エステル単量体(すなわち、メタクリロイル基を有する単量体)であることが好ましい。
1.1.1−5.(a5)成分
単量体混合物は、(a5)成分である前記(a1)〜(a4)成分以外の共重合性単量体を含んでいてもよい。(a5)成分は例えば、炭素数1〜18のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体、や、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−ナフチル、アクリル酸フェノキシエチル等の芳香環基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体;アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル等のエーテル基を有する(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;ビニル(メタ)アクリロイル基含有マクロモノマー等が挙げられ、このうち1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。単量体組成物中の(a5)成分の含有量は0〜20質量%であることが好ましく、0〜10質量%であることがより好ましい。
1.1.2.Tg
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物では、該光学用粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層の段差追従性により優れ、かつ、該粘着剤層と被着体との密着性を高めることができる観点から、(A)成分のTgは0℃以下であることが好ましく、−40〜−10℃であることがより好ましい。なお、本発明において、(A)成分のTgは、下記式(3)(FOXの式)により算出された値である。
1/Tg=Wa1/Tga1+Wa2/Tga2+Wa3/Tga3+Wa4/Tga4+Wa5/Tga5 ・・・・(3)
(式中、Tgは、(A)成分のガラス転移温度(K)を示し、Tga1,Tga2,Tga3はそれぞれ、構成モノマー(a1),(a2),(a3),(a4),(a5)から調製されたホモポリマーのガラス転移温度(Tg(K))を示し、Wa1,Wa2,Wa3,Wa4,Wa5はそれぞれ、(A)成分中に含まれる、構成単量体(a1),(a2),(a3),(a4),(a5)の重量分率を示す。)
なお、上記式(3)により、Tgは、絶対温度(K)として算出されるので、必要に応じて摂氏温度(℃)に換算される。
また、代表的なモノマーから調製されたホモポリマーのガラス転移温度は、下記表1に示されるが、より具体的には、たとえば、ポリマーハンドブック4版(Polymer Handbook Third Edition, Wiley-Interscience,2003)などに記載されている。
Figure 0006162033
1.1.3.重量平均分子量
(A)成分は、重量平均分子量(Mw)が5万〜70万である。(A)成分の重量平均分子量が5万未満であると、耐久性に劣ることがあり、一方、70万を超えると、塗工時の作業性が劣るという観点から、(A)成分の重量平均分子量は、10万〜60万であることが好ましく、15万〜40万であることがより好ましく、40万未満であることがより好ましい。また、段差追従性を向上させる点で、分子量分布(Mw/Mn)が4より大きいことが好ましい。ここで、(A)成分の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、下記の条件で標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)を求めたものである。
<GPC測定条件>
測定装置:HLC−8120GPC(東ソー社製)
GPCカラム構成:以下の5連カラム(すべて東ソー社製)
(i)TSK−GEL HXL−H(ガードカラム)
(ii)TSK−GEL G7000HXL
(iii)TSK−GEL GMHXL
(iv)TSK−GEL GMHXL
(v)TSK−GEL G2500HXL
サンプル濃度:1.0mg/cmとなるように、テトラヒドロフランで希釈
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0cm/min
カラム温度:40℃
1.1.4.水酸基価
本発明において、水酸基価とは、試料1g中に含まれる水酸基をアセチル化するために要する水酸化カリウム(KOH)のmg数をいう。水酸基価は以下の方法により算出することができる。
本発明において、ポリマーの水酸基価は、共重合に用いられる水酸基含有単量体の分子量(M)、水酸基モノマーの配合量(Y質量%)を基に、以下の式(4)により算出される値である。
ポリマーの水酸基価(mgKOH)=Y/M×561 ・・・(4)
(A)共重合体の水酸基価は15〜150であることが好ましく、20〜150であることがより好ましく、20〜130であることがさらに好ましい。(A)共重合体の水酸基価が150を超えると、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層の比誘電率が高くなりすぎることがあり、一方、20未満であると、該粘着剤層の耐白化性に劣ることがある。
1.1.5.粘着剤組成物における含有量
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物における(A)成分の含有量は、該粘着剤組成物の50〜95質量%であることができ、60〜95質量%であることが好ましい。
1.1.6.ゲル分率
さらに、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層の被着体との密着性を高めることができる観点から、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物のゲル分率が5〜90%であることが好ましく、10〜80%であることがより好ましい。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物において、上記ゲル分率は例えば、該粘着剤組成物を調製する際に使用するモノマー混合物中の(a3)成分および(a4)成分の種類や使用量、(B)成分である架橋剤の種類や使用量によって調整することができる。なお、上記ゲル分率は、架橋された粘着剤を乾燥重量で0.1g(乾燥重量1)をサンプル瓶に採取し、更に、サンプル瓶に、酢酸エチル30ccを加えて24時間振とうした後、該サンプル瓶の内容物を200メッシュのステンレス製金網でろ別し、金網上の残留物を100℃で2時間乾燥して乾燥重量(乾燥重量2)を測定し、下記式(5)により求められる。
ゲル分率(%)=(乾燥重量2)/(乾燥重量1)×100 ・・・(5)
1.1.7.重合方法
(A)成分の重合方法は、特に制限されるものではなく、溶液重合、乳化重合、懸濁重合などの公知の方法により重合できるが、重合により得られた共重合体の混合物を用いて、本発明の粘着剤組成物を製造するにあたり、処理工程が比較的簡単でかつ短時間で行える観点から、溶液重合により重合することが好ましい。
溶液重合は、一般に、重合槽内に所定の有機溶媒、各単量体、重合開始剤、および必要に応じて用いられる連鎖移動剤等を仕込み、窒素気流又は有機溶媒の還流温度の下で、撹拌しながら数時間加熱反応させることにより行われる。
なお、この場合において、有機溶媒、単量体及び/又は重合開始剤の少なくとも一部を逐次添加してもよい。有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、テトラリン、デカリン、芳香族ナフサなどの芳香族炭化水素類;例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン、n−デカン、ジペンテン、石油スピリット、石油ナフサ、テレピン油などの脂肪系もしくは脂環族系炭化水素類;例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸2−ヒドロキシエチル、酢酸2−ブトキシエチル、酢酸3−メトキシブチル、安息香酸メチルなどのエステル類;例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどのケトン類;例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル類;例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類;などを挙げることができる。これらの有機溶媒はそれぞれ単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
これら重合用有機溶媒のうち、(A)成分の重合に際しては、重合反応中に連鎖移動を生じにくい有機溶媒、例えば、エステル類、ケトン類を使用することが好ましく、特に、(A)成分の溶解性、重合反応の容易さなどの点から、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトンなどの使用が好ましい。
前記重合開始剤としては、通常の溶液重合で使用できる有機過酸化物、アゾ化合物などを使用することが可能である。このような有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、カプロイルパーオキシド、ジ−i−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシビバレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−α−クミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルパーオキシシクロヘキシル)ブタンなどが挙げられ、アゾ化合物としては、例えば、2,2´−アゾビス−i−ブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2´−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルなどを挙げることができる。
これらの重合開始剤のうち、(A)成分の重合反応中に、グラフト反応を起こさない重合開始剤が好ましく、特にアゾ系が好ましい。その使用量は、通常、単量体合計100重量部に対して0.01〜2重量部であり、好ましくは0.05〜1.0重量部である。
連鎖移動剤としては、例えば、シアノ酢酸;シアノ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類;ブロモ酢酸;ブロモ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類;アントラセン、フェナントレン、フルオレン、9−フェニルフルオレンなどの芳香族化合物類;p−ニトロアニリン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p−ニトロ安息香酸、p−ニトロフェノール、p−ニトロトルエンなどの芳香族ニトロ化合物類;ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラメチル−p−ベンゾキノンなどのベンゾキノン誘導体類;トリブチルボランなどのボラン誘導体;四臭化炭素、四塩化炭素、1,1,2,2−テトラブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロロエチレン、ブロモトリクロロメタン、トリブロモメタン、3−クロロ−1−プロペンなどのハロゲン化炭化水素類;クロラール、フラルデヒドなどのアルデヒド類:炭素数1〜18のアルキルメルカプタン類;チオフェノール、トルエンメルカプタンなどの芳香族メルカプタン類;メルカプト酢酸、メルカプト酢酸の炭素数1〜10のアルキルエステル類;炭素数1〜12のヒドロキシアルキルメルカプタン類;ピネン、ターピノレンなどのテルペン類;などを挙げることができる。
(A)成分の重合温度としては、一般に約30〜180℃であり、好ましくは40〜150℃であり、より好ましくは50〜90℃の範囲である。なお、溶液重合法などで得られた重合物中に未反応の単量体が含まれる場合は、該単量体を除くために、メタノールなどによる再沈澱法で精製することも可能である。
1.1.8.酸価
被着体(例えばITO)の腐食を防止する観点から、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物の(A)成分の酸価は1.0以下であることが好ましく、0〜0.8であることがより好ましい。
1.2.(B)架橋剤
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物において、(A)成分は、架橋性官能基を有し、(B)架橋剤(単に「(B)成分」と記載することもある。)をさらに含む。(B)成分が(A)成分と反応することにより、架橋構造が生じ、該架橋構造を含む粘着剤層は、被着体(特に、ガラス)に対する粘着力に優れている。
(B)成分は、イソシアネート系架橋剤であることができる。(B)成分がイソシアネート系架橋剤であることにより、例えば(A)成分に含まれる水酸基と反応して、架橋構造を形成することができる。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物において、(B)成分は、常温又は加熱下で(A)成分と架橋し得る架橋剤であれば特に限定されないが、例えば、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネートモノマーや、それらをトリメチロールプロパンなどの2価以上のアルコール化合物等に付加反応させたイソシアネート化合物やイソシアヌレート化物等が例示される。
また、公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなどにイソシアネート化合物を付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネート等も挙げられる。これらのうち、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、およびこれらの誘導体などが好ましく用いられる。より好ましくは、耐黄変性と耐候性、および、耐久性に優れたヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体が用いられる。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物における(B)成分の含有量は、所定のゲル分率(例えば5〜90%)を達成できる観点から、(A)成分100質量部に対して0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましい。
1.3.(C)可塑剤
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物において、(C)可塑剤(単に「(C)成分」と記載することもある。)をさらに含む。本実施形態に係る光学用粘着剤組成物が(C)成分を含むことにより、該組成物に柔軟性が付与され、段差追従性を高めることができる。また、被着体に対する密着性を向上させ、良好な粘着力を発現することができる。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物において、(A)成分100質量部に対して5〜40質量部(好ましくは5〜20質量部)の(C)成分を含むことができる。本実施形態に係る光学用粘着剤組成物において、(C)成分の含有量が(A)成分100質量部に対して5質量部未満であると、段差追従性に劣ることがあり、一方、40質量部を超えると、ブリードアウトによって粘着力が低下してしまう。
(C)成分である可塑剤は、フタル酸系可塑剤、アジピン酸系可塑剤、ポリブテン系可塑剤、および液状ゴム系可塑剤から選ばれる少なくとも1種であることができる。フタル酸系可塑剤としては、フタル酸エステルが挙げられ、フタル酸エステルとしては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸イソブチル、フタル酸ジノルマルヘキシル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ビス(2−ノルマルヘキシル)、フタル酸ジノルマルオクチル、フタル酸ジイソノリル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ビスブチルベンジルが挙げられる。アジピン酸系可塑剤としては、アジピン酸エステルが挙げられ、アジピン酸エステルとしては、例えば、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシルが挙げられる。ポリブテン系可塑剤としては、例えば、ポリブテン、水素化ポリブテン、液状ゴム系可塑剤としては、例えば、ポリブタジエン、両末端水酸基ポリブタジエン、水素化ポリブタジエン、両末端水酸基水素化ポリブタジエン、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化水素化ポリブタジエン等のブタジエン系可塑剤、ならびに、ポリイソプレン、水素化ポリイソプレン等のイソプレン系可塑剤が挙げられる。
なかでも、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物において、長鎖のアルキル基を有する点で(A)成分と構造上共通することから、(A)成分であるメタクリル系共重合体との相溶性、及び、可塑効果が良好である点で、(C)成分として、下記式(1)で表されるフタル酸系可塑剤、および下記式(2)で表されるアジピン酸系可塑剤から選ばれる少なくとも1種を使用することが好ましく、(A)成分であるメタクリル系共重合体との相溶性が良好で、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物の比誘電率を低下させる点で、(C)成分として、ポリブテン系可塑剤、ポリブタジエン系可塑剤、およびポリイソプレン系可塑剤から選ばれる少なくとも1種)を用いることが好ましく、該ポリブテン系可塑剤は、分子量100〜1,500のポリブテンであることが好ましい。
Figure 0006162033
(式中、RおよびRは独立して、炭素数8〜12のアルキル基を表す。)
Figure 0006162033
(式中、RおよびRは独立して、炭素数8〜12のアルキル基を表す。)
上記式(1)および(2)において、炭素数8〜12のアルキル基としては、例えば、直鎖状または分岐状であってもよい。RまたはRで表される直鎖状のアルキル基としては、例えば、n−ヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル、n−ラウリル基が挙げられ、RまたはRで表される分岐状のアルキル基としては、例えば、2−エチルヘキシル基、イソノニル基、イソデシル基が挙げられる。
1.4.その他の成分
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物は、必要に応じて、(A)成分、(B)成分および(C)成分以外の成分をさらに含むことができる。例えば、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、(D)シランカップリング剤(以下、単に「(D)成分」と記載することもある。)、イオン性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤等が配合されていても良い。
1.4.1.(D)シランカップリング剤
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物が(D)成分を含むことにより、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて被着体の表面に粘着剤層を形成した場合、被着体との接着を良好に保つことができる。(D)成分は例えば、ビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン及びメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の重合性不飽和基含有ケイ素化合物;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ構造を有するケイ素化合物;3−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有ケイ素化合物;並びに3−クロロプロピルトリメトキシシラン;オリゴマー型シランカップリング剤等であってもよく、中でも、(A)成分中に含まれる官能基と反応する官能基を有しているシランカップリング剤が湿熱環境下でハガレを生じさせにくいという点で好ましい。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物における(D)成分の含有量は、被着体との接着を良好に保つことができる観点から、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物に対して0.1〜5質量%であることができ、0.2〜1質量%であることが好ましい。
1.5.粘着剤組成物の製造
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物は、通常、前記(A)成分、(B)成分および(C)成分、ならびに必要に応じて任意成分を、同時にあるいは任意の順番で混合して調製される。また、(A)成分と(B)成分および(C)成分とを混合するにあたり、(A)成分を溶液重合により調製した場合は、重合完了後の(A)成分を含む溶液に(B)成分および(C)成分を添加してもよく、(A)成分を塊状重合により調製する場合は、重合完了後では均一混合が困難になるため、この重合の途中で(B)成分および(C)成分を添加して混合することが好ましい。
1.6.用途
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物は、光学部材と被着体との貼り合わせに使用することができる。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いた貼り合わせの対象となる光学部材としては、例えば、偏光フィルム(偏光板)、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、光拡散フィルムおよびハードコートフィルムからなる群から選択される光学フィルムが挙げられる。また、被着体としては、例えば、ITO層等の金属層、ガラスまたはプラスチックからなる基材が挙げられる。また、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層はガラスに対する接着性が優れている点で、ガラスとの貼り合わせに好適に用いることができる。
また、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤層は誘電率が低く、粘着力に優れている点で、タッチパネル式入出力装置または画像表示装置を構成する光学部材の貼り合わせに好適に使用することができる。
1.7.粘着シート(粘着剤層)
本発明の一実施形態に係る粘着シート(粘着剤層)は、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物をより形成される粘着剤層を有する。該粘着剤層は例えば、膜状に成形し、溶媒を除去することにより製造することができる。
より具体的には、本実施形態に係る粘着シートは、例えば、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物をセパレーター(剥離フィルム)上に塗工することにより膜状に形成した後、加熱することにより得ることができる。より具体的には、基材上に、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物をグラビアコーター、メイヤーバーコーター、エアナイフコーター、ロールコーター等により塗布し、塗布された該粘着剤組成物を乾燥させて、本実施形態に係る粘着シートを作製することができる。本実施形態に係る粘着シート(粘着剤層)を被着体と光学部材との間に設けることにより、該被着体と該光学部材との貼り合わせを行うことができる。
本実施形態に係る粘着シートは通常、100Hzにおける比誘電率が4.0以下(通常、1〜4.0)であり、3.7以下(1〜3.7)であることが好ましく、3.5以下(1〜3.5)であることがより好ましい。本実施形態に係る粘着シート(粘着剤層)の粘着力は、通常10〜40N/25mmであり、15〜25N/25mmであることが好ましい。
本実施形態に係る粘着シート(粘着剤層)の厚みは、通常は1〜250μm、好ましくは10〜180μm程度である。
1.8.他の実施形態
(1)本発明の一実施形態に係る光学用粘着剤組成物は、
(a1)炭素数10〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体3〜39質量%を含む単量体混合物の(A)共重合体と、(B)架橋剤と、(C)可塑剤と、を含み、前記(A)共重合体の重量平均分子量が5万〜70万である。
(2)上記(1)に記載の光学用粘着剤組成物において、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下であることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の光学用粘着剤組成物において、前記(A)共重合体は、(a2)炭素数1〜9のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体20〜97質量%をさらに含むことができる。
(4)本発明の一実施形態に係る光学用粘着剤組成物は、
(a1)炭素数10〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体3〜39質量%を含む単量体混合物の(A)共重合体と、(B)架橋剤と、(C)可塑剤と、を含み、前記(A)共重合体のガラス転移温度が0℃以下である。
(5)上記(4)に記載の光学用粘着剤組成物において、前記(A)共重合体の重量平均分子量が5万〜70万であることができる。
(6)上記(4)または(5)に記載の光学用粘着剤組成物において、前記(A)共重合体は、(a2)炭素数1〜9のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体20〜97質量%をさらに含むことができる。
1.9.作用効果
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物は、(a1)炭素数10〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体3〜39質量%と、(a2)炭素数1〜9のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体20〜97質量%と、を含む単量体混合物の(A)共重合体((A)成分)と、(B)架橋剤((B)成分)と、(C)可塑剤((C)成分)と、を含むことにより、該(a1)成分および(a2)成分であるメタクリル酸アルキルエステルに由来して、該光学用粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層は、低誘電率であり、かつ、該(C)成分に由来して、優れた段差追従性および粘着力を有する。すなわち、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いることにより、低誘電率と段差追従性と粘着力とを兼ね備えた粘着剤層を得ることができる。よって、該粘着剤層は例えば、画像表示装置や入出力装置に好適に使用することができる。
1.9.1.公知の入出力装置の構成
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物の作用効果をより具体的に説明するにあたり、公知の入出力装置の構成について説明する。図4は、公知の入出力装置(タッチパネル式入出力装置300)の構成を模式的に示す断面図である。タッチパネル式入出力装置300は、液晶表示装置(LCD)110と、タッチパネル部120とを含む。LCD110とタッチパネル部120との間の端部にギャップ剤層130が設けられているため、両端のギャップ剤層130の間には空隙140が生じている。
近年、タッチパネル式入出力装置のディスプレイの高コンストラスト化が要求されている。高コンストラスト化の実現のために、例えば、以前は空隙であった画像表示部とタッチセンサーとの隙間(図4における空隙140)を粘着剤等の透明材料で充填する手段がとられようになってきている。これにより、各界面間での光の反射や屈折が抑制され、結果として高コンストラスト化を達成することができる。
しかしながら、図4の空隙140に粘着剤等を充填して部材を貼り合わせる場合、装置の内部回路から発生する高周波ノイズや部材のチャージが原因となって、タッチセンサーに誤作動を生じさせることがある。画像表示部とタッチセンサー(特に静電容量方式のタッチセンサー)との隙間に空隙が生じているタッチパネル式入出力装置では、空隙の空気層の比誘電率が1であるため、この空気層からなる空隙によってノイズが遮断されるため誤作動の発生が防止される。一方、画像表示部とタッチセンサーとの隙間を埋めるために、透明樹脂(例えば、比誘電率が4を超えるアクリル系粘着剤)を充填剤として用いた
場合、高周波ノイズがタッチセンサーに伝播し、結果として誤作動を生じさせることがある。
このような経緯から、タッチパネル式入出力装置においては、比誘電率が低い粘着剤層を用いて、画像表示部とタッチセンサーとの隙間を埋めることが望まれている。
1.9.2.本発明の作用効果
これに対して、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて、段差追従性に優れ、かつ比誘電率が低い粘着剤層を得ることができる。そして、粘着剤層の高い比誘電率に起因するタッチセンサーの誤作動を防止することができる。すなわち、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて図4の空隙140を充填して、比誘電率が4.0以下である粘着剤層を空隙140に設けることにより、該粘着剤層が空隙140を埋めることができるため、タッチセンサーの誤作動を防止することができる。
例えば、図1に示される本実施形態に係るタッチパネル式入出力装置(第1の入出力装置)100では、LCD10とタッチパネル部20との間に粘着剤層30が設けられ、この粘着剤層30は本実施形態に係る光学用粘着剤組成物から形成されたものであるため、比誘電率が4.0以下と低いことから、粘着剤層の高い比誘電率に起因するタッチセンサーの誤作動を防止することができる。
2.画像表示装置および入出力装置
本発明の一実施形態に係る画像表示装置は、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層を含む。本実施形態に係る画像表示装置としては、例えば、液晶表示装置が挙げられる。
また、本発明の一実施形態に係る入出力装置は、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層を含む。この場合、入出力装置としては、例えば、静電容量方式のタッチパネル式入出力装置が挙げられる。
2.1.第1の入出力装置
図1に示される本実施形態に係るタッチパネル式入出力装置(第1の入出力装置)100について、以下に詳述する。
図1は、本発明の一実施形態に係る第1の入出力装置(タッチパネル式入出力装置100)の構成を模式的に示す断面図である。本実施形態に係るタッチパネル式入出力装置100は、液晶表示装置(LCD)10と、タッチパネル部20と、LCD10とタッチパネル部20との間に設けられた粘着剤層30とを含む。粘着剤層30はLCD10とタッチパネル部20とを接着する。
粘着剤層30は、例えば、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物をセパレーター(図示せず)の表面に塗布し、加熱することにより、得られた粘着シートをセパレーターから剥離して、LCD10とタッチパネル20との間に設置したものである。
図1に示すように、LCD10は、偏光板11と、粘着剤層12と、液晶パネル13と、粘着剤層14と、偏光板15とがこの順で積層されて構成されている。粘着剤層12は偏光板11と液晶パネル13とを接着し、粘着剤層14は液晶パネル13と偏光板15とを接着する。
また、図1に示すように、タッチパネル部20は、飛散防止フィルム16と、粘着剤層17と、ITO層18と、ガラスパネル19とがこの順で積層されて構成されている。粘着剤層17は、飛散防止フィルム16とITO層18とを接着する。
粘着剤層12,14,17は、粘着剤層30と同じく、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて製造されたものであってもよい。
2.2.第2の入出力装置
また、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を、第2の入出力装置(タッチパネル式入出力装置)を構成する部材の貼り合わせに使用した別の一例を、図2を参照して説明する。図2に示される第2の入出力装置200では、構成する部材の貼り合わせに本実施形態に係る光学用粘着剤組成物が使用されることによって、該部材間に生じる段差を解消する効果を有する。
より具体的には、図2に示されるタッチパネル式入出力装置200は、例えば液晶ディスプレイで構成される画像表示装置22と、表面にセンサー電極26aを備える、ガラス、フィルム等の基材26と、表面に印刷層28aを備えるカバーガラス28と、画像表示装置22および基材26を貼合する粘着シート24a(24)と、カバーガラス28及び基材26を貼合する粘着シート24b(24)と、を含む。
図2に示されるように、粘着シート24a(24)は、センサー電極26aと基材26との間に生じる段差を埋めるように設けられており、粘着シート24b(24)は、印刷層28aとカバーガラス28との間に生じる段差を埋めるように設けられている。本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて製造された粘着シート24a,24bは、柔軟性に優れているため、タッチパネル式入出力装置200を構成する部材間に生じる段差を埋める効果(段差追従性)を有する。
図3の(a)および(b)は、図2に示される画像表示装置(タッチパネル式入出力装置)に含まれる粘着シート24の段差追従性について説明する断面図である。
図3(a)は、公知の粘着シート44が段差追従性に劣るため、空隙64が生じている例である。図3(a)に示される画像表示装置は、空隙が生じている点で、上述の図4の入出力装置と同じ課題を有する。すなわち、図3(a)に示されるように、センサー電極26aと基材26との間に生じる段差に起因して、粘着シート44が、センサー電極26aと基材26との間の段差に追従しにくく、その結果、粘着シート44とセンサー電極26aと基材26との間には一般に、空隙64が生じやすい。
一方、図3(b)に示すように、本実施形態に係る粘着シート24は、センサー電極26aと基材26との間に空隙を生じさせずに、センサー電極26aと基材26との間の段差に追従している。その理由として、本実施形態に係る粘着シート24aは、上述する理由により、柔軟性に優れているため、図3(b)に示されるように、粘着シート24aがセンサー電極26aと基材26との間に生じる段差に追従することができるため、センサー電極26aと基材26との間に空隙が生じ難い。
なお、図3(b)では、粘着シート24aがセンサー電極26aと基材26との段差に充填されている例を示したが、図2に示されるように、粘着シート24aと同様に、粘着シート24bによって、印刷層28aとカバーガラス28との間の段差が充填されていてもよい。
なお、図3を参照して、タッチパネル式入出力装置200における粘着シートの段差追従性について記載したが、タッチパネル式入出力装置以外の画像表示装置においても、段差を埋めるために本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いることもできる。
3.実施例
以下、本発明を下記実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されない。
3.1.(A)成分の調製
3.1.1.ポリマー1の製造
冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロート及び撹拌装置を備えた反応容器に、溶媒として酢酸エチル80重量部、単量体成分としてメタクリル酸ラウリル35重量部、メタクリル酸2−エチルヘキシル44重量部、メタクリル酸ヒドロキシエチル20重量部、およびアクリルアミド1重量部を入れ、窒素還流を室温にて1時間行った後、反応容器内のモノマー組成物溶液の温度を80℃に昇温し、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部を撹拌下で添加した。窒素気流中で10時間重合を行い、重量平均分子量が20万の共重合体(ポリマー1)の溶液を得た。また、ポリマー1のTgおよび水酸基価をあわせて表2に示す。
3.1.2.ポリマー2、3,7〜11の製造
表2に示される組成の単量体混合物をそれぞれ用いた他は、上記「3.1.1.ポリマー1の製造」に記載の方法によって、ポリマー2、3,7〜11の溶液をそれぞれ得た。ポリマー2、3,7〜11ならびに後述するポリマー4および5および6および13の重量平均分子量、Tgおよび水酸基価をあわせて表2に示す。
3.1.3.ポリマー4の製造
上記製造例1に記載の方法のうち、表2に示されるポリマー4の欄の組成の単量体混合物を用い、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.3重量部に変更した以外は製造例1に記載の方法によって、ポリマー4を得た。
3.1.4.ポリマー5の製造
上記製造例1に記載の方法のうち、表2に示されるポリマー5の欄の組成の単量体混合物を用い、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.35重量部に変更した以外は製造例1に記載の方法によって、ポリマー5を得た。
3.1.5.ポリマー6の製造
上記製造例1に記載の方法のうち、表2に示されるポリマー6の欄の組成の単量体混合物を用い、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部に変更した以外は製造例1に記載の方法によって、ポリマー6を得た。
3.1.6.ポリマー12の製造
上記製造例1に記載の方法のうち、表2に示されるポリマー12の欄の組成の単量体混合物を用い、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.05重量部に変更した以外は製造例1に記載の方法によって、ポリマー12を得た。
3.2.粘着剤組成物の調製(実施例1〜22および比較例1〜7)
表2に示されるポリマー1〜12と(B)成分と(C)成分とを、表2に示す比率にて混合することにより、実施例1〜22および比較例1〜7の各組成物を得た。
3.3.評価用粘着シートの作製
実施例1〜22および比較例1〜7の各組成物を、セパレーターの表面に塗布して溶媒を除去した後、粘着面にセパレーターを貼り合わせて、粘着剤層の厚さが50μmの粘着シートを得た。得られた粘着シートの片側のポリエステルフィルムを剥離し、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせて評価用粘着シートを得た。
3.4.試験方法
実施例1〜22および比較例1〜7の各組成物、および該組成物を用いて得られた粘着シートに対して、以下の方法にて評価試験を行った。
3.4.1.ゲル分率
試料(粘着剤)1gを酢酸エチル50mlに投入し、常温で24時間放置した後、200メッシュのステンレス網にてろ過し、乾燥させた。その後、ろ過後の試料の質量をろ過前の試料の質量で除した値をゲル分率として算出した。
3.4.2.湿熱試験後のヘイズ値(耐白化性)
上記3.3.で調製された評価用粘着シートの片面の、セパレーターを剥がし、粘着剤層がガラス基板に接するようにラミネーターロールを用いて貼り付けて測定試料を作製した。次に、60℃−95%RH条件下で該試料を500時間投入した後、23℃−50%RH条件下に移してから10分後にヘイズを測定した(湿熱試験後ヘイズ値)。湿熱試験後ヘイズの値が3以下であることが望ましく、2.5以下であることがより望ましい。
3.4.3.180°粘着力
上記3.3.で調製された評価用粘着シートを25mm×150mmの大きさに裁断し、23℃−50%RH条件下で、ガラス板に、実施例等で得られた粘着シートのセパレーターを剥がし露出した粘着剤層面にガラス板を2kgのローラーを用いて圧着した。貼付から20分後にガラス板から粘着シートを23℃、剥離角度180°の条件で、剥離速度300mm/分で剥離し、粘着シートの粘着剤層の粘着力を測定した。
3.4.4.段差追従性
ガラス上に任意の厚みに調整したPET粘着テープを貼り付けて評価用の段差を作製し、その上から上記3.3.で調製された評価用粘着シートである50μm厚粘着テープを貼り付けた。50℃、5atm、20分間の条件でオートクレーブ処理をした後、目視で段差の埋まりを観察した。評価基準は以下のとおりである。
(基準)
○:粘着層厚みの35%以上の段差を埋めることができ、段差周辺に空隙や気泡が視認されない。
△:粘着層厚みの20%以上35%未満の段差を埋めることができ、段差周辺に空隙や気泡が視認されない。
×:粘着層厚みの20%未満の段差を埋めることができ、段差周辺に空隙や気泡が視認されない。
3.4.5.比誘電率
実施例1〜22および比較例1〜7の各組成物を、セパレーターの表面に塗布して溶媒を除去することにより、厚さ100μmの粘着剤層を得た。さらに、別のセパレーターを該粘着剤層の粘着面に貼り合わせて、該粘着剤層を有する粘着シートを得た。次に、厚さ100μmの銅箔に、得られた粘着シートの片面のセパレーターを剥離して貼り付け、更に、もう一方の面のセパレーターを剥離して、厚さ100μmの銅箔へ貼り付けて測定サンプルとした。東陽テクニカ製LCRメーター6440Bを用いて銅箔へ接続して、23℃−65%RHの条件下で比誘電率(100Hz)を算出した。
Figure 0006162033
Figure 0006162033
なお、表2および表3における略語は以下の意味である。
AM:アクリルアミド
2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
2EHMA:メタクリル酸2−エチルヘキシル
DMAA:N,N’−ジメチルアクリルアミド
4HBA:アクリル酸4−ヒドロキシブチル
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキエチル
LMA:メタクリル酸n−ラウリル
TPA−100:ヘキサメチレンジイソシアネート系架橋剤(旭化成ケミカルズ株式会社製)
DOP:フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)
DOA:アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)
DINA:アジピン酸ジイソノニル
BI−2000:水素化ポリブタジエン(日本曹達株式会社
LV−100:ポリブテン(Mn=500)(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)
LV−7:ポリブテン(Mn=300)(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)
HV−300:ポリブテン(Mn=1,400)(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)
実施例1〜22の組成物は、(a1)成分3〜39質量%を含む(より具体的には、(a1)成分3〜39質量%および(a2)成分20〜97質量%を含む)(A)共重合体と、(B)架橋剤と、(C)可塑剤と、を含むことにより、該組成物を用いて得られた粘着剤層は、比誘電率が低く(4.0以下)、密着性(粘着力)、段差追従性および耐白化性に優れていることが理解できる。
これに対して、比較例1および2の組成物は、(C)成分を含まないため、段差追従性が良好でないことが理解できる。
また、比較例3の組成物は、(C)成分の含有量が(A)成分100質量部に対して50質量部を超えるため、粘着力に劣るうえに、比誘電率が4.0を超えることが理解できる。
また、比較例4の組成物は、(A)成分を調製するための単量体混合物が(a1)が39%を越え、(a2)成分を含まないため、粘着力に劣ることが理解できる。
また、比較例5の組成物は、(A)成分を調製するための単量体混合物において(a1)成分の含有量が39質量%を超えるため、粘着力が良好でないことが理解できる。
また、比較例6の組成物は、(A)成分を調製するための単量体混合物において(a1)成分を含まないため、粘着剤層が硬くなりすぎて基材密着性が悪く、転着してしまい、粘着力に劣るうえに、段差追従性に劣る。
また、比較例7の組成物は、(A)成分を調製するための単量体混合物における(a1)成分の含有量が39質量%を大きく超え(99質量%)、(a2)成分を含まないため、該組成物を用いて得られた粘着剤層は耐白化性に劣り、粘着力が小さいことが理解できる。
10,110 液晶表示装置(LCD)
11,15 偏光板
12,14,17 粘着剤層
13 液晶パネル
16 飛散防止フィルム
18 ITO層
19 ガラスパネル(タッチパネル)
30 粘着剤層
20,120 タッチパネル部
22 画像表示装置
24,24a,24b 粘着シート
26 基材
26a センサー電極
28 カバーガラス
28a 印刷層
30 粘着剤層
44 公知の粘着シート
64,140 空隙
130 ギャップ剤層
64,140 空隙
100,200,300 タッチパネル式入出力装置。

Claims (12)

  1. (a1)炭素数10〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体3〜39質量%と、
    (a2)炭素数1〜9のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体20〜97質量%と、
    を含む単量体混合物(ここで、前記(a1)成分と前記(a2)成分との合計は45重量%以上かつ100重量%以下である。)の(A)共重合体と、
    (B)架橋剤と、
    (C)可塑剤と、
    を含み、
    前記(C)可塑剤が、フタル酸系可塑剤、アジピン酸系可塑剤、ポリブテン系可塑剤、および液状ゴム系可塑剤から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記(C)可塑剤の含有量が、前記(A)共重合体100質量部に対して5〜40質量部である、光学用粘着剤組成物。
  2. 前記(A)共重合体は、重量平均分子量が5万〜70万である、請求項1に記載の光学用粘着剤組成物。
  3. 前記(A)共重合体は、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下である、請求項1または2に記載の光学用粘着剤組成物。
  4. 前記単量体混合物における、メタクリロイル基を有する単量体合計が80〜100質量%である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
  5. 前記(A)共重合体100質量部に対して0.01〜20質量部の前記(B)架橋剤を含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
  6. 前記(B)架橋剤は、イソシアネート系架橋剤である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
  7. 前記フタル酸系可塑剤は、下記式(1)で表される、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
    Figure 0006162033

    (式中、RおよびRは独立して、炭素数8〜12のアルキル基を表す。)
  8. 前記アジピン酸系可塑剤は、下記式(2)で表される、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
    Figure 0006162033

    (式中、RおよびRは独立して、炭素数8〜12のアルキル基を表す。)
  9. 前記ポリブテン系可塑剤は、分子量100〜1,500のポリブテンである、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
  10. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物より形成される粘着剤層を有する、光学用粘着シート。
  11. タッチパネル式入出力装置または画像表示装置を構成する部材の貼り合わせに用いられる、請求項10に記載の光学用粘着シート。
  12. 請求項10または11に記載の光学用粘着シートを含む、画像表示装置。
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