JP5005285B2 - 水分散型粘着剤組成物、粘着型光学フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents

水分散型粘着剤組成物、粘着型光学フィルムおよび画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、水分散型粘着剤組成物、粘着型光学フィルムおよび画像表示装置に関する。
液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL表示装置)、プラズマディスプレイパネル(PDP)などの画像表示装置では、偏光フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルム、視野角拡大フィルムなどの光学フィルムが、ガラス基板などのディスプレイ基板に、貼着されている。
従来より、このような画像表示装置に貼着される光学フィルムとして、光学フィルムに粘着剤を積層した粘着型光学フィルムが知られている。
また、近年、環境負荷の観点から、粘着型光学フィルムに積層される粘着剤において、有機溶剤の使用を低減することが望まれており、溶媒として有機溶剤を使用する溶剤型粘着剤から、分散媒として水を使用する水分散型粘着剤への転換が望まれている。
そこで、例えば、少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体混合物とシラン系単量体をエマルション重合して得られる水分散物からなる水分散型粘着剤であって、単量体混合物100重量部に対してシラン系単量体0.005〜1重量部を含む水分散型粘着剤が提案されており、この水分散型粘着剤が支持体上に粘着剤層として設けられたガラス板用粘着シートが、開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−309212号公報
一方、このような水分散型粘着剤には、光学フィルムに積層して、その粘着型光学フィルムを、画像表示装置のディスプレイ基板に貼着した場合に、ディスプレイ基板に対する高い接着性が要求される。すなわち、高温高湿雰囲気においても、発泡しにくく、かつ、光学フィルムのディスプレイ基板に対する剥がれが生じにくい、高い耐熱性や耐湿性が要求されている。
しかし、特許文献1において提案されるような水分散型粘着剤では、高い耐熱性や耐湿性を、十分に確保することは困難である。
また、このような水分散型粘着剤の調製においては、単量体の重合時に発生するスケールの反応容器への付着を低減して、重合安定性の向上を図ることが望ましい。
本発明の目的は、重合安定性を向上させることができ、ディスプレイ基板に対する高い接着性を有するとともに、高い耐熱性や耐湿性をも有する、水分散型粘着剤組成物、および、その水分散型粘着剤組成物からなる粘着剤層を備える粘着型光学フィルム、ならびに、その粘着型光学フィルムが貼着された画像表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の水分散型粘着剤組成物は、アルキル基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよびカルボキシル基含有ビニルモノマーを含有し、前記モノマーと共重合可能な共重合性ビニルモノマーを含有するビニルモノマー混合物100重量部を、ポリビニルアルコール系重合体0.5〜10重量部の存在下で、重合して得られ、前記ビニルモノマー混合物の配合割合は、ビニルモノマー混合物の総量100重量部に対して、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルが60〜99重量部であり、前記カルボキシル基含有ビニルモノマーおよび共重合性ビニルモノマーの総量が1〜40重量部であり、前記ビニルモノマー混合物中、下記式で示されるカルボキシル基含有ビニルモノマー濃度が0.05〜1.50ミリモル/gであり、前記共重合性ビニルモノマーとして、リン酸基含有ビニルモノマーを含有し、前記リン酸基含有ビニルモノマーが、下記一般式(1)で表され、前記ビニルモノマー混合物中、下記式で示されるリン酸基含有ビニルモノマー濃度が0.02〜0.45ミリモル/gであることを特徴としている。
前記カルボキシル基含有ビニルモノマー濃度[ミリモル/g]=1000×{(前記カルボキシル基含有ビニルモノマーの配合重量[g])/(前記カルボキシル基含有ビニルモノマーの分子量[g/mol])}/(前記ビニルモノマー混合物総重量[g])
Figure 0005005285
(一般式(1)中、R は、水素原子またはメチル基を、R は、下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン基を、Xは、下記一般式(3)で表されるリン酸基またはその塩を示す。)
Figure 0005005285
(一般式(2)中、nは1〜4の整数、mは2以上の整数を示す。)
Figure 0005005285
(一般式(3)中、M およびM は、それぞれ独立に、水素原子またはカチオンを示す。)
前記リン酸基含有ビニルモノマー濃度[ミリモル/g]=1000×{(前記リン酸基含有ビニルモノマーの配合重量[g])/(前記リン酸基含有ビニルモノマーの分子量[g/mol])}/(前記ビニルモノマー混合物総重量[g])
また、本発明の水分散型粘着剤組成物では、前記ビニルモノマー混合物の配合割合は、前記ビニルモノマー混合物の総量100重量部に対して、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルが60〜99重量部、前記カルボキシル基含有ビニルモノマーが0.5〜15重量部、共重合性ビニルモノマーが39.5重量部以下であることが好適である
た、本発明の水分散型粘着剤組成物では、前記リン酸基含有ビニルモノマーの配合割合が、前記ビニルモノマー混合物の総量100重量部に対して、0.5〜20重量部であることが好適である。
また、本発明の水分散型粘着剤組成物では、前記共重合性ビニルモノマーとして、アルコキシシリル基含有ビニルモノマー0.001〜1重量部を含有することが好適である。
また、本発明の水分散型粘着剤組成物では、前記ポリビニルアルコール系重合体は、4%水溶液の20℃における粘度が25mPa・s以下で、ケン化度が70〜95モル%であることが好適である。
また、本発明の粘着型光学フィルムは、光学フィルムと、前記光学フィルムの上に設けられる、上記した水分散型粘着剤組成物からなる粘着剤層とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の画像表示装置は、ディスプレイ基板と、上記した粘着型光学フィルムとを備え、前記ディスプレイ基板の上に、前記粘着剤層を介して、前記光学フィルムが設けられていることを特徴としている。
本発明の水分散型粘着剤組成物によれば、ビニルモノマー混合物の重合において重合安定性を向上させることができるので、生産効率を高めて、コストの低減を図ることができる。また、得られる水分散型粘着組成物からなる粘着剤層の耐熱性や耐湿性を高めることができる。また、本発明の水分散型粘着剤組成物を、粘着型光学フィルムの粘着剤層として設ければ、発泡を有効に防止し、かつ、光学フィルムの剥がれを有効に防止することができる。そのため、本発明の粘着型光学フィルムが貼着された、画像表示装置の耐熱性や耐湿性の向上を図ることができる。
本発明の水分散型粘着剤組成物は、アルキル基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよびカルボキシル基含有ビニルモノマーを含有し、上記したモノマーと共重合可能な共重合性ビニルモノマーを任意的に含有するビニルモノマー混合物100重量部を、ポリビニルアルコール系重合体0.5〜10重量部の存在下で、重合することにより、得ることができ、ビニルモノマー混合物の配合割合は、ビニルモノマー混合物の総量100重量部に対して、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが60〜99重量部であり、カルボキシル基含有ビニルモノマーおよび共重合性ビニルモノマーの総量が1〜40重量部であり、ビニルモノマー混合物中、カルボキシル基含有ビニルモノマー濃度が0.05〜1.50ミリモル/gである。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸アルキルエステルおよび/またはアクリル酸アルキルエステルであって、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸へプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどの(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数4〜18の直鎖または分岐アルキル)エステルなどが挙げられる。
これら(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独または併用して用いられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの配合割合は、ビニルモノマー混合物の総量100重量部に対して、例えば、60〜99重量部、好ましくは、70〜99重量部、さらに好ましくは、80〜99重量部である。
カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、カルボキシル基を有するビニルモノマーであって、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、ケイ皮酸などの不飽和カルボン酸、例えば、無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水フマル酸などの不飽和ジカルボン酸無水物、例えば、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノブチル、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸などの不飽和ジカルボン酸モノエステル、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸、2−メタクリロイルオキシエチルピロメリット酸などの不飽和トリカルボン酸モノエステル、例えば、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレートなどのカルボキシアルキルアクリレートなどが挙げられる。これらカルボキシル基含有ビニルモノマーは、単独または併用して用いられる。
カルボキシル基含有ビニルモノマー濃度は、ビニルモノマー混合物中、例えば、0.05〜1.50ミリモル/g、好ましくは、0.20〜0.90ミリモル/gである。カルボキシル基含有ビニルモノマー濃度を上記した範囲にするには、カルボキシル基含有ビニルモノマーの分子量にもよるが、カルボキシル基含有ビニルモノマーの配合割合を、ビニルモノマー混合物の総量100重量部に対して、例えば、0.4〜41重量部、好ましくは、1.4〜25重量部に設定する。また、カルボキシル基含有ビニルモノマーの配合割合は、例えば、0.5〜15重量部、好ましくは、0.5〜10重量部、さらに好ましくは、1〜10重量部に設定することもできる。上記した範囲より少ないと、水分散型粘着剤組成物の凝集力が低下し、上記した範囲より多いと、乳化重合時の安定性および水分散型粘着剤組成物の耐水性が低下する。
なお、カルボキシル基含有ビニルモノマー濃度は、下記式により算出される。
カルボキシル基含有ビニルモノマー濃度[ミリモル/g]=1000×{(カルボキシル基含有ビニルモノマーの配合重量[g])/(カルボキシル基含有ビニルモノマーの分子量[g/mol])}/(ビニルモノマー混合物総重量[g])
なお、上記式中、ビニルモノマー混合物総重量は、後述するポリビニルアルコール系重合体や、水、乳化剤、重合開始剤、連鎖移動剤などを含まない重量である。
上記したモノマー((メタ)アクリル酸アルキルエステルおよびカルボキシル基含有ビニルモノマー)と共重合可能な共重合性ビニルモノマーとしては、例えば、カルボン酸以外の官能基含有ビニルモノマー、アルコキシシリル基含有ビニルモノマーなどが挙げられる。
官能基含有ビニルモノマーとしては、好ましくは、リン酸基含有ビニルモノマーが挙げられる。
リン酸基含有ビニルモノマーとしては、例えば、[モノアルキレンオキシド(メタ)アクリレート]リン酸エステル、および、[ポリアルキレンオキシド(メタ)アクリレート]リン酸エステルが挙げられる。
[モノアルキレンオキシド(メタ)アクリレート]リン酸エステルとしては、例えば、下記一般式(4)で表される。
Figure 0005005285
(一般式(4)中、R11は、水素原子またはメチル基を、R12は、オキシアルキレン基を、Xは、リン酸基またはその塩を示す。)
12で示されるオキシアルキレン基は、下記一般式(5)で表される。
Figure 0005005285
(一般式(5)中、nは1〜4の整数を示す。)
オキシアルキレン基としては、例えば、オキシエチレン基(一般式(5)中、n=2に相当。)、オキシプロピレン基(一般式(5)中、n=3に相当。)などが挙げられる。
また、Xで示されるリン酸基またはその塩は、下記一般式(3)で表され、
Figure 0005005285
(一般式(3)中、MおよびMは、それぞれ独立に、水素原子またはカチオンを示す。)
カチオンとしては、特に制限されず、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、例えば、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属などの無機カチオン、例えば、4級アミン類などの有機カチオンなどが挙げられる。
[ポリアルキレンオキシド(メタ)アクリレート]リン酸エステルとしては、下記一般式(1)で表される。
Figure 0005005285
(一般式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基を、Rは、ポリオキシアルキレン基を、Xは、リン酸基またはその塩を示す。)
で示されるポリオキシアルキレン基は、下記一般式(2)で表される。
Figure 0005005285
(一般式(2)中、nは1〜4の整数、mは2以上の整数を示す。)
ポリオキシアルキレン基としては、例えば、ポリオキシエチレン基(一般式(2)中、n=2に相当。)、ポリオキシプロピレン基(一般式(2)中、n=3に相当。)およびこれらのランダム、ブロックまたはグラフトユニットなどが挙げられ、これらポリオキシアルキレン基の重合度、すわわち、一般式(2)中、mは、2以上、好ましくは、4以上、通常40以下である。
ポリオキシアルキレン基の重合度が高ければ、水分散型粘着剤組成物のディスプレイ基板への接着性が向上する。
また、Xで示されるリン酸基またはその塩は、下記一般式(3)で表され、
Figure 0005005285
(一般式(3)中、MおよびMは、それぞれ独立に、水素原子またはカチオンを示す。)
カチオンとしては、特に制限されず、例えば、上記したカチオンと同様のカチオンが挙げられる。
リン酸基含有ビニルモノマーは、具体的には、例えば、Phosmer M(ユニケミカル(株)製)などのモノ[2−メタクリロイルオキシエチル]リン酸エステル、例えば、Sipomer PAM−100(ローディア日華(株)製)、Phosmer PE(ユニケミカル(株)製)、Phosmer PEH(ユニケミカル(株)製)、Phosmer PEDM(ユニケミカル(株)製)などのモノ[ポリ(エチレンオキシド)メタクリレート]リン酸エステル、例えば、Sipomer PAM−200(ローディア日華(株)製)、Phosmer PP(ユニケミカル(株)製)、Phosmer PPH(ユニケミカル(株)製)、Phosmer PPDM(ユニケミカル(株)製)などのモノ[ポリ(プロピレンオキシド)メタクリレート]リン酸エステルなどが挙げられる。
また、官能基含有ビニルモノマーとしては、上記したリン酸基含有ビニルモノマーの他に、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのエポキシ基含有モノマー、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチルなどのヒドロキシル基含有モノマー、例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−ビニルカルボン酸アミドなどのアミド基含有不飽和モノマー、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニルモノマー、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有不飽和モノマー、例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系モノマー、例えば、N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミドなどのイタコンイミド系モノマー、例えば、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマー、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有ビニルモノマー、例えば、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマーなどが挙げられる。
アルコキシシリル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、シリコーン系(メタ)アクリレートモノマーやシリコーン系ビニルモノマーなどが挙げられる。
シリコーン系(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシメチル−トリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチル−トリエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−トリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−トリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリブトキシシランなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキル−トリアルコキシシラン、例えば、(メタ)アクリロイルオキシメチル−メチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチル−メチルジエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−メチルジメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−メチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジブトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジブトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−プロピルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−プロピルジエトキシシランなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキル−アルキルジアルコキシシランや、これらに対応する(メタ)アクリロイルオキシアルキル−ジアルキル(モノ)アルコキシシランなどが挙げられる。
シリコーン系ビニルモノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシランなどのビニルトリアルコキシシランの他、これらに対応するビニルアルキルジアルコキシシランや、ビニルジアルキルアルコキシシラン、例えば、ビニルメチルトリメトキシシラン、ビニルメチルトリエトキシシラン、β−ビニルエチルトリメトキシシラン、β−ビニルエチルトリエトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリエトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリプロポキシシラン、γ−ビニルプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−ビニルプロピルトリブトキシシランなどのビニルアルキルトリアルコキシシランの他、これらに対応する(ビニルアルキル)アルキルジアルコキシシランや、(ビニルアルキル)ジアルキル(モノ)アルコキシシランなどが挙げられる。
また、上記した共重合性ビニルモノマーとして、上記した官能基含有ビニルモノマーやアルコキシシリル基含有ビニルモノマーの他に、例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのオレフィン系モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピルなどの(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜3の直鎖または分岐アルキル)エステル、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニルなどの(メタ)アクリル酸脂環式炭化水素エステル、例えば、(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル、例えば、スチレンなどのスチレン系モノマー、例えば、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの窒素原子含有ビニルモノマー、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどのアルコキシ基含有モノマー、例えば、ビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー、例えば、塩化ビニルなどのハロゲン原子含有モノマー、例えば、N−ビニルピロリドン、N−(1−メチルビニル)ピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−ビニルモルホリン、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルなどのビニル基含有複素環化合物、例えば、フッ素原子などのハロゲン原子を含有するアクリル酸エステル系モノマーなども挙げられる。
さらにまた、上記した共重合性ビニルモノマーとしては、多官能性モノマーが挙げられる。
多官能性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モノまたはポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレートや、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モノまたはポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの他、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。また、多官能性モノマーとして、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなども挙げられる。
これら共重合性ビニルモノマーは、単独または併用して用いられる。
これら共重合性ビニルモノマーのうち、好ましくは、官能基含有ビニルモノマーやアルコキシシリル基含有ビニルモノマーなどが挙げられる。
共重合性ビニルモノマーとして、アルコキシシリル基含有ビニルモノマーを配合することにより、ポリマー鎖にアルコキシシリル基が導入され、それ同士の反応により架橋構造を形成することができる。特に水分散型粘着剤組成物では、後述する架橋剤では不均一な粒子間架橋構造となるため、粘着型光学フィルムのディスプレイ基板に対する剥がれが起こり易くなる。しかし、アルコキシシリル基含有モノマーを配合すると、より均一な架橋構造を形成することができるため、剥がれを起こりにくくすることができる。また、アルコキシシリル基がディスプレイ基板と相互作用して、ディスプレイ基板との接着性を高めることができる。
共重合性ビニルモノマーは、必要により任意的に配合され、任意的に配合する場合、その配合割合は、ビニルモノマー混合物の総量100重量部に対して、例えば、39重量部以下、好ましくは、19重量部以下、さらに好ましくは、18重量部以下である。
また、リン酸基含有ビニルモノマーを配合する場合、リン酸基含有ビニルモノマー濃度は、ビニルモノマー混合物中、例えば、0.01〜0.45ミリモル/g、好ましくは、0.02〜0.20ミリモル/gである。リン酸基含有ビニルモノマー濃度を、上記した範囲にするには、リン酸基含有ビニルモノマーの分子量にもよるが、リン酸基含有ビニルモノマーの配合割合を、例えば、0.4〜22重量部、好ましくは、0.8〜10重量部に設定する。また、リン酸基含有ビニルモノマーの配合割合は、ビニルモノマー混合物の総量100重量部に対して、例えば、0.5〜20重量部、好ましくは、0.5〜10重量部、さらに好ましくは、1〜5重量部に設定することもできる。
上記した範囲より少ないと、ディスプレイ基板への接着力向上の効果が十分得られず、上記した範囲より多いと、乳化重合時の安定性が低下したり、水分散型粘着剤組成物の弾性率が高くなることにより接着性が低下する場合がある。
なお、リン酸基含有ビニルモノマー濃度は、下記式により算出される。
リン酸基含有ビニルモノマー濃度[ミリモル/g]=1000×{(リン酸基含有ビニルモノマーの配合重量[g])/(リン酸基含有ビニルモノマーの分子量[g/mol])}/(ビニルモノマー混合物総重量[g])
なお、上記式中、ビニルモノマー混合物総重量は、ポリビニルアルコール系重合体や、水、乳化剤、重合開始剤、連鎖移動剤などを含まない重量である。
また、アルコキシシリル基含有ビニルモノマーを配合する場合、その配合割合は、ビニルモノマー混合物の総量100重量部に対して、例えば、0.001〜1重量部、好ましくは、0.005〜0.1重量部である。アルコキシシリル基含有ビニルモノマーが、上記した範囲より少ないと、アルコキシシリル基による架橋が不足して、水分散型粘着剤組成物の凝集力の低下を招いたり、水分散型粘着剤組成物とディスプレイ基板との接着性の向上が得られず、上記した範囲より多いと、乳化重合時の安定性低下や接着性の低下を招く場合がある。
ポリビニルアルコール系重合体は、例えば、酢酸ビニルを主成分とするビニルモノマーを適宜の方法で重合して得られるポリ酢酸ビニル系重合体を、完全にまたは部分的に、ケン化させることにより、得ることができる。
また、ポリビニルアルコール系重合体は、ケン化による水酸基の他に、例えば、チオール基、硫酸基などのアニオン性基、例えば、4級アンモニウム塩などのカチオン性基、例えば、アセトアセチル基などの反応性基などを有するものも含まれる。
ポリビニルアルコール系重合体は、4%水溶液の20℃における粘度が、例えば、100mPa・s以下、好ましくは、25mPa・s以下である。
ポリビニルアルコール系重合体の粘度は、JISK6726に基づいて、20℃においてその4%水溶液をヘプラー粘度計を用いて測定することにより、求めることができる。
ポリビニルアルコール系重合体は、ケン化度が、例えば、70〜100モル%、好ましくは、70〜95モル%である。
ポリビニルアルコール系重合体のケン化度は、JISK6726に基づいて、残存酢酸基の定量により、求めることができる。
ポリビニルアルコール系重合体の、4%水溶液の20℃における粘度およびケン化度が、上記した範囲内にあれば、水分散型粘着組成物のディスプレイ基板に対する接着性の向上を図ることができるとともに、水分散型粘着組成物の重合安定性を高めることができるので、反応容器の内壁面や攪拌羽根にスケールが付着することを低減することができる。
このようなポリビニルアルコール系重合体としては、例えば、ポリビニルアルコールM−205(チオール基含有、クラレ(株)製)、ポリビニルアルコールM−115(チオール基含有、クラレ(株)製)、ポリビニルアルコールゴーセランL−3226(硫酸基含有、日本合成化学工業(株)製)などが挙げられる。
ポリビニルアルコール系重合体の配合割合は、ビニルモノマー混合物の総量100重量部に対して、例えば、0.5〜10重量部、好ましくは、0.5〜5重量部、さらに好ましくは、1〜3重量部である。上記した範囲より少ないと、水分散型粘着剤組成物のディスプレイ基板への接着性を高める効果が少なく、上記した範囲より多いと、水分散型粘着剤組成物の弾性率が高くなり、接着性が低下する場合がある。
水分散型粘着剤組成物は、上記したビニルモノマー混合物を、上記したポリビニルアルコール系重合体の存在下で、重合することにより、得ることができる。
重合において、ポリビニルアルコール系重合体をビニルモノマー混合物に配合するには、ビニルモノマー混合物の重合開始前や、ビニルモノマー混合物の重合開始後から重合完了までの任意の時期に、ポリビニルアルコール系重合体を、一度にまたは分割して、添加する。
上記したビニルモノマー混合物を、上記したポリビニルアルコール系重合体の存在下で、重合するには、例えば、乳化重合などの公知の重合方法が用いられる。
乳化重合では、例えば、上記したビニルモノマー混合物およびポリビニルアルコール系重合体とともに、乳化剤、重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤などを、水中において適宜配合して共重合する。より具体的には、例えば、一括仕込み法(一括重合法)、モノマー滴下法、モノマーエマルション滴下法またはこれらを併用するなど、公知の乳化重合法を採用することができる。なお、モノマー滴下法やモノマーエマルション滴下法では、連続滴下または分割滴下が適宜選択される。反応条件などは、重合開始剤の種類などに応じて適宜選択されるが、重合温度は、例えば、20〜90℃である。
乳化剤としては、特に制限されず、乳化重合に通常使用される公知の乳化剤が用いられる。例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなどのノニオン系乳化剤などが挙げられる。
また、これらアニオン系乳化剤やノニオン系乳化剤に、プロペニル基やアリルエーテル基などのラジカル重合性官能基(ラジカル反応性基)が導入されたラジカル重合性(反応性)乳化剤(例えば、アクアロンHS−10、第一工業製薬(株)製)なども挙げられる。
これら乳化剤は、単独または併用して用いられる。
乳化剤の配合割合は、ビニルモノマー混合物の総量100重量部に対して、例えば、0.2〜10重量部、好ましくは、0.5〜5重量部である。
重合開始剤としては、特に制限されず、乳化重合に通常使用される重合開始剤が用いられる。例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩などのアゾ系開始剤、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩系開始剤、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素などの過酸化物系開始剤、例えば、フェニル置換エタンなどの置換エタン系開始剤、例えば、芳香族カルボニル化合物などのカルボニル系開始剤、例えば、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組合せ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムとの組合せなどのレドックス系開始剤(過酸化物と還元剤との組合せ)などが挙げられる。
重合開始剤は、水溶性または油溶性のどちらであってもよく、これら重合開始剤は、単独または併用して用いられる。
これら重合開始剤のうち、好ましくは、水溶性開始剤であり、さらに好ましくは、水溶性のアゾ系開始剤が挙げられる。
重合開始剤の配合割合は、その種類やビニルモノマー混合物の種類などに応じて適宜選択されるが、ビニルモノマー混合物の総量100重量部に対して、例えば、0.005〜1重量部である。
なお、上記したビニルモノマー混合物およびポリビニルアルコール系重合体に、重合開始剤を配合する前、または配合しながら、好ましくは、窒素置換によって、水中の溶存酸素濃度を低減する。
連鎖移動剤は、必要により配合され、水分散型粘着剤組成物の分子量を調節するものであって、乳化重合に通常使用される連鎖移動剤が用いられる。例えば、1−ドデカンチオール、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸2−エチルへキシル、2,3−ジメルカプト−1−プロパノールなどのメルカプタン類などが挙げられる。
これら連鎖移動剤は、単独または併用して用いられる。
連鎖移動剤の配合割合は、ビニルモノマー混合物の総量100重量部に対して、例えば、0.001〜0.5重量部程度である。
このような乳化重合によって、得られた水分散型粘着剤組成物を、エマルション(水分散液)として調製することができる。
調製された水分散型粘着剤組成物の固形分濃度は、特に制限されないが、例えば、10〜80重量%、好ましくは、20〜60重量%である。
なお、水分散型粘着剤組成物は、例えば、上記したビニルモノマー混合物を、ポリビニルアルコール系重合体の存在下で、乳化重合以外の有機溶剤を使用しない方法(例えば、懸濁重合など)によって重合した後に、必要に応じて上記した乳化剤により、エマルション(水分散液)として調製することもできる。
水分散型粘着剤組成物のエマルション粒子の平均粒子径は、特に制限されないが、例えば、0.05〜10μm、好ましくは、0.1〜1μmである。
また、水分散型粘着剤組成物には、その目的および用途に応じて、必要により、粘度調整剤、架橋剤などを配合することができる。
粘度調整剤としては、特に制限されず、例えば、アクリル系増粘剤、ウレタン系増粘剤、ポリエーテル系増粘剤などが挙げられる。これら増粘剤は、単独または併用して用いられ、その配合割合は、ビニルモノマー混合物の総量100重量部に対して、例えば、0.01〜1重量部である。
架橋剤としては、特に制限されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤などが挙げられる。なお、架橋剤は、油溶性または水溶性のいずれもでもよく、これら架橋剤は、単独または併用して用いられ、その配合割合は、ビニルモノマー混合物の総量100重量部に対して、例えば、0.01〜3重量部、好ましくは、0.05〜0.9重量部である。
さらにまた、水分散型粘着剤組成物には、必要に応じて、剥離調整剤、可塑剤、軟化剤、充填剤着色剤(顔料、染料など)、老化防止剤、界面活性剤、pHを調整するための塩基(例えば、アンモニア水)や酸など、水分散型粘着剤組成物に通常使用される添加剤を、適宜、添加してもよい。これら添加剤の配合割合は、特に制限されず、適宜、選択することができる。
このようにして得られる水分散型粘着剤組成物は、ディスプレイ基板に対する接着性に優れる粘着剤として用いることができるので、この水分散型粘着剤組成物を光学フィルムに積層して、粘着剤層を形成することにより、ディスプレイ基板に対する接着性に優れる粘着型光学フィルムを得ることができる。
本発明の粘着型光学フィルムにおいて、光学フィルムとしては、光学特性を有し、画像表示装置などに貼着されるフィルムであれば特に制限されず、例えば、偏光フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルム、視野角拡大フィルムなどが挙げられる。
偏光フィルムとしては、偏光子の片面または両面に、透明保護フィルムが設けられたものが用いられる。
偏光子としては、特に制限されず、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムなどの親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料などの二色性物質で染色し一軸延伸したものや、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物などポリエン系配向フィルムなどが挙げられる。好ましくは、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色して一軸延伸した偏光子が挙げられる。
透明保護フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系ポリマーフィルム、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロースなどのセルロース系ポリマーフィルム、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系ポリマーフィルム、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)などのスチレン系ポリマーフィルム、ポリカーボネート系ポリマーフィルムなど挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロまたはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体などのポリオレフィン系ポリマーフィルム、塩化ビニル系ポリマーフィルム、ナイロン、芳香族ポリアミドなどのアミド系ポリマーフィルム、イミド系ポリマーフィルム、スルホン系ポリマーフィルム、ポリエーテルスルホン系ポリマーフィルム、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマーフィルム、ポリフェニレンスルフィド系ポリマーフィルム、ビニルアルコール系ポリマーフィルム、塩化ビニリデン系ポリマーフィルム、ビニルブチラール系ポリマーフィルム、アリレート系ポリマーフィルム、ポリオキシメチレン系ポリマーフィルム、エポキシ系ポリマーフィルム、または上記したポリマーのブレンド物のフィルムなども挙げられる。
透明保護フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系などの熱硬化型、紫外線硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
透明保護フィルムとしては、好ましくは、セルロース系ポリマーが挙げられる。透明保護フィルムの厚さは、特に制限されず、例えば、500μm以下、好ましくは、1〜300μm、さらに好ましくは、5〜200μmである。
偏光子と透明保護フィルムとを接着処理するには、例えば、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系接着剤、ラテックス系接着剤、水系ポリエステル接着剤などを用いて接着する。
位相差フィルムとしては、高分子素材を一軸または二軸延伸処理してなる複屈折性フィルム、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて支持したものなどが挙げられる。位相差フィルムの厚さは、特に制限されず、例えば、20〜150μmである。
高分子素材としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルビニルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアリルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、セルロース系重合体、またはこれらの二元系、三元系各種共重合体、グラフト共重合体、ブレンド物などが挙げられる。これら高分子素材は、延伸などにより配向物(延伸フィルム)となる。
液晶性ポリマーとしては、例えば、液晶配向性を付与する共役性の直線状原子団(メソゲン)がポリマーの主鎖や側鎖に導入された主鎖型や側鎖型の各種のものなどが挙げられる。主鎖型の液晶性ポリマーとしては、例えば、屈曲性を付与するスペーサ部でメソゲン基を結合した構造であり、具体的には、ネマチック配向性のポリエステル系液晶性ポリマー、ディスコティックポリマーやコレステリックポリマーなどが挙げられる。側鎖型の液晶性ポリマーとしては、例えば、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリメタクリレートまたはポリマロネートを主鎖骨格とし、側鎖として共役性の原子団からなるスペーサ部を介してネマチック配向付与性のパラ置換環状化合物単位からなるメソゲン部を有するものなどが挙げられる。これら液晶性ポリマーは、例えば、ガラス板上に形成したポリイミドやポリビニルアルコールなどの薄膜の表面をラビング処理したもの、酸化珪素を斜方蒸着したものなどの配向処理面上に液晶性ポリマーの溶液を展開して熱処理することにより得られる。
また、位相差フィルムは、例えば、各種波長フィルムや液晶層の複屈折による着色や視野角などの拡大を目的としたもの、その他使用目的に応じて、適宜、位相差を有するものであってよく、2種以上の位相差フィルムを積層して位相差などの光学特性を制御したものなどであってもよい。
輝度向上フィルムとしては、例えば、誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体など、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものなど、左回りまたは右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示すものなどが挙げられる。
視野角拡大フィルムは、液晶ディスプレイの画面を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合でも、画像が比較的鮮明にみえるように視野角を広げるためのフィルムであり、例えば、位相差フィルム、液晶ポリマーなどの配向フィルムや透明基材上に液晶ポリマーなどの配向層を支持したものなどが挙げられる。視野角拡大フィルムとして用いられる位相差フィルムには、面方向に二軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムや、面方向に一軸に延伸され厚さ方向にも延伸された厚さ方向の屈折率を制御した複屈折を有するポリマーや傾斜配向フィルムのような二方向延伸フィルムなどが用いられる。
図1は、本発明の粘着型光学フィルムの一実施形態の拡大断面図である。次に、図1を参照して、本発明の粘着型光学フィルムの一実施形態について、説明する。
図1において、この粘着型光学フィルム1は、光学フィルム2と、光学フィルム2の上に設けられる、上記した水分散型粘着剤組成物からなる粘着剤層3とを備えている。
粘着型光学フィルム1を得るには、まず、光学フィルム2を用意する。
光学フィルム2の厚みは、例えば、10〜1000μm、好ましくは、50〜500μmである。
また、光学フィルム2には、粘着剤層3との接着性を向上させるため、予め、適宜、図示しない下塗り層を設けるなどの下塗り処理を施すことができる。
次に、光学フィルム2の片面の上に、水分散型粘着剤組成物からなる粘着剤層3を設ける。
粘着剤層3を設けるには、例えば、上記した光学フィルム2に、粘着剤層3が形成された離型シート4から、粘着剤層3を転写する方法が挙げられる。
離型シート4としては、特に制限されず、公知の離型シートを挙げられる。例えば、基材の表面に剥離処理剤からなる剥離処理剤層が形成された離型シートや、基材自体が剥離性の高いプラスチックフィルム基材からなる離型シート、基材の表面に剥離性の高いプラスチックフィルムからなる剥離層を形成した離型シートなどが挙げられる。
基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどのなどのプラスチックフィルムやこれらプラスチックフィルムに金属が蒸着された金属蒸着プラスチックフィルム、例えば、和紙、洋紙、クラフト紙、グラシン紙、上質紙などの紙類、例えば、不織布、布などの繊維質材料、例えば、金属箔などが挙げられる。
剥離処理剤としては、例えば、長鎖アルキル基含有ポリマー、例えば、シリコーンポリマーなどのシリコーン系剥離剤、例えば、フッ素系ポリマーなどのフッ素系剥離剤などが挙げられる。
基材自体が剥離性の高いプラスチックフィルム基材としては、例えば、ポリエチレンフィルム(例えば、低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルムなど)、ポリプロピレンフィルム、エチレン−プロピレン共重合体フィルムなどのエチレン−α−オレフィン共重合体フィルム(ブロック共重合体またはランダム共重合体)の他、これらの混合物からなるポリオレフィン系樹脂フィルムなどのポリオレフィン系フィルム、テフロン(登録商標)製フィルムなどのプラスチックフィルムなどが挙げられる。
なお、剥離層として、例えば、上記した剥離性の高いプラスチックフィルム基材などが挙げられる。剥離層の形成は、例えば、基材の上に、上記した剥離性の高いプラスチックフィルム基材を、ラミネートまたはコーティングする。
このような離型シート4の全体の厚み(離型シート4と粘着剤層3との合計の厚み)は、特に制限されないが、例えば、15μm以上、好ましくは、25〜500μmの範囲に設定される。
離型シート4に、粘着剤層3を形成するには、通常用いられる塗布方法を採用することができる。例えば、コンマーコーター、ファウンテンダイコーター、リップコーター、スロットダイコーターなどのコーターを用いることができる。この塗布の後、乾燥させることにより、粘着剤層3を形成することができる。
粘着剤層3の厚み(乾燥後の厚み)は、特に制限されず、例えば、1〜100μm、好ましくは、5〜50μm、さらに好ましくは、10〜30μmの範囲に設定される。
光学フィルム2に、粘着剤層3を転写するには、例えば、粘着剤層3が形成された離型シート4を、光学フィルム2に、貼り合わせればよい。なお、離型シート4は、粘着型光学フィルム1がガラス基板などに貼着される際に、粘着剤層3から引き剥がされる。
このようにして、光学フィルム1の片面に、水分散型粘着組成物からなる粘着剤層3を設けた粘着型光学フィルム1を得ることができる。
このようにして得られる粘着型光学フィルム1は、粘着型の偏光フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルム、視野角拡大フィルムなどとして、各種光学用途に好適に用いられ、例えば、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL表示装置)、プラズマディスプレイパネル(PDP)などの画像表示装置の、ガラス基板などのディスプレイ基板に、貼着される。
以上説明したように、この水分散型粘着剤組成物は、ディスプレイ基板に接着する場合に、高い接着性を有するので、ディスプレイ基板へ粘着型光学フィルム1を強固に接着することができる。しかも、高い耐熱性や耐湿性を有しているので、高温高湿雰囲気でも優れた耐久性を得ることができる。さらに、ビニルモノマー混合物の重合安定性が良好であり、水分散型粘着剤組成物を低コストで調製することができる。
そのため、この水分散型粘着剤組成物からなる粘着剤層3を備える粘着型光学フィルム1を、ディスプレイ基板に貼着した場合には、高温高湿雰囲気においても光学フィルム2のディスプレイ基板に対する剥がれや発泡を生じにくくすることができる。その結果、本発明の粘着型光学フィルム1が貼着された画像表示装置は、耐熱性および耐湿性の向上を図ることができる。
なお、通常の水分散型粘着剤組成物では、光学フィルムへの密着性を高めるためには、ロジン系樹脂、エラストマーなどの粘着付与樹脂などを添加するが、本発明の粘着型光学フィルムに用いられる水分散型粘着剤組成物は、水分散型でありながら、そのような粘着付与樹脂を添加することなく、密着性を高めることができる。そのため、低コストで密着性が高い、水分散型粘着剤組成物、および、その水分散型粘着剤組成物からなる粘着剤層を備えている粘着型光学フィルム、さらには、その粘着型光学フィルムを用いた画像表示装置を得ることができる。
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例および比較例に何ら制限されるものではない。なお、以下の説明において、「部」および「%」は、特に明記のない限り、重量基準である。
実施例1
(水分散型粘着剤組成物の調製)
容器に、アクリル酸ブチル100部、アクリル酸5部、モノ[ポリ(プロピレンオキシド)メタクリレート]リン酸エステル(プロピレンオキシドの平均重合度5.0)2部、3−メタクリロイルオキシプロピル−トリメトキシシラン(KBM−503、信越化学(株)製)0.01部を加えて混合し、ビニルモノマー混合物を調製した。次いで、調製したビニルモノマー混合物614gに、反応性乳化剤としてアクアロンHS−10(第一工業製薬(株)製)13g、ポリビニルアルコール(ゴーセランL−3226、日本合成化学工業(株)製、粘度2.3〜2.7mPa・s(4%水溶液、20℃)、ケン化度86.5〜89.0モル%)13g、イオン交換水360gを加え、ホモジナイザー(特殊機化(株)製)を用いて、5分間、5000(1/min)で、攪拌し強制乳化して、モノマープレエマルションを調製した。
次いで、冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌羽根を備えた反応容器に、上記で調製したモノマープレエマルションのうちの200g、イオン交換水330gを仕込み、次いで、反応容器を窒素置換し、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物(VA−057、和光純薬工業(株)製)0.2gを添加して、60℃で、1時間重合した。次いで、残りのモノマープレエマルションのうちの800gを、反応容器に3時間かけて滴下して、その後、3時間重合させた。さらにその後、窒素置換しながら、60℃で3時間重合し、固形分48%の水分散型粘着剤組成物のエマルションを得た。次いで、これを室温まで冷却し、10%アンモニア水を添加して、pHを8に調整した。
(光学フィルムの調製)
ポリビニルアルコールフィルム(厚み80μm)を、40℃のヨウ素水溶液中で、元長の5倍に延伸し、その後、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液から引き上げ、50℃で、4分間乾燥させて、偏光子を得た。この偏光子の両側に、ポリビニルアルコール型接着剤を用いて、透明保護フィルムとしてトリアセチルセルロースフィルムを接着して、光学フィルムを得た。
(粘着型光学フィルムの作製)
調製した水分散型粘着剤組成物を、離型フィルム(ポリエチレンテレフタレート基材、ダイヤホイル MRF38、三菱化学ポリエステル(株)製)に、コーティングし、100℃で2分間加熱処理して、厚さ23μmの粘着剤層を形成した。
形成した粘着剤層を、予め下塗り処理を施した光学フィルムの処理面に貼着し、粘着型光学フィルムを作製した。
下塗り処理は、水分散型ウレタン樹脂(タケラックW511、三井武田ケミカル(株)製)と水分散型イソシアネート系硬化剤(タケネートWD725、三井武田ケミカル(株)製)との1:1混合物(固形分比)を、水とエタノールとの1:1混合溶媒(重量比)にて固形分が2%になるように希釈した液を、ワイヤーバー♯5を用いて、上記光学フィルムの片面に塗布し、40℃で2分間乾燥して処理した。
実施例2
実施例1の水分散型粘着剤組成物の調製において、ポリビニルアルコール(ゴーセランL−3226、日本合成化学工業(株)製、粘度2.3〜2.7mPa・s(4%水溶液、20℃)、ケン化度86.5〜89.0モル%)13gを、ポリビニルアルコール(M−205、クラレ(株)、粘度4〜6mPa・s(4%水溶液、20℃)、ケン化度86.5〜89.5モル%)13gに変更した以外は、実施例1の同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、次いで、粘着型光学フィルムを作製した。
実施例3
実施例1の水分散型粘着剤組成物の調製において、ポリビニルアルコール(ゴーセランL−3226、日本合成化学工業(株)製、粘度2.3〜2.7mPa・s(4%水溶液、20℃)、ケン化度86.5〜89.0モル%)13gを、ポリビニルアルコール(M−115、クラレ(株)、粘度17.5〜21.5mPa・s(4%水溶液、20℃)、ケン化度97.0〜98.0モル%)13gに変更した以外は、実施例1の同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、次いで、粘着型光学フィルムを作製した。
比較例1
実施例1の水分散型粘着剤組成物の調製において、ポリビニルアルコール(ゴーセランL−3226、日本合成化学工業(株)製、粘度2.3〜2.7mPa・s(4%水溶液、20℃)、ケン化度86.5〜89.0モル%)を添加しなかった以外は、実施例1の同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、次いで、粘着型光学フィルムを作製した。
比較例2
実施例4の水分散型粘着剤組成物の調製において、ポリビニルアルコール(ゴーセランL−3226、日本合成化学工業(株)製、粘度2.3〜2.7mPa・s(4%水溶液、20℃)、ケン化度86.5〜89.0モル%)を、添加しなかった以外は、実施例4の同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、次いで、粘着型光学フィルムを作製した。
比較例3
実施例5の水分散型粘着剤組成物の調製において、ポリビニルアルコール(ゴーセランL−3226、日本合成化学工業(株)製、粘度2.3〜2.7mPa・s(4%水溶液、20℃)、ケン化度86.5〜89.0モル%)を、添加しなかった以外は、実施例5の同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、次いで、粘着型光学フィルムを作製した。
比較例4
実施例1の水分散型粘着剤組成物の調製において、モノ[ポリ(プロピレンオキシド)メタクリレート]リン酸エステル(プロピレンオキシドの平均重合度5.0)2部を、モノ[2−メタクリロイルオキシエチル]リン酸エステル2部に変更した以外は、実施例1の同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、次いで、粘着型光学フィルムを作製した。
比較例5
実施例1の水分散型粘着剤組成物の調製において、モノ[ポリ(プロピレンオキシド)メタクリレート]リン酸エステル(プロピレンオキシドの平均重合度5.0)を、添加しなかった以外は、実施例1の同様の方法で水分散型粘着剤組成物を調製し、次いで、粘着型光学フィルムを作製した。
なお、上記した実施例1〜および比較例1〜における水分散型粘着剤組成物の組成を、下記の表1に示す。表1中、数値は、配合部数を示す。また、表1中、カルボキシル基含有ビニルモノマー濃度およびリン酸基含有ビニルモノマー濃度についても、併記する。
Figure 0005005285
(評価)
1) ビニルモノマー混合物の重合安定性
ビニルモノマー混合物を重合して、水分散型粘着組成物を調製した後の反応容器の内壁面および攪拌羽根へのスケールの付着の有無を目視観察により確認した。その結果を、表2に示す。なお、反応容器の内壁面および攪拌羽根へのスケールの付着を有無については、下記の基準で確認した。
○:スケールの付着がほとんど認められなかった
△:スケールの付着がわずかに認められた
2) 粘着型光学フィルムの接着性(剥がれ、発泡、ガラスに対する接着性)
各実施例および各比較例の粘着型光学フィルムを、235×310mmの大きさに切断し、これを、厚さ0.7mmのガラス板(コーニング#1737、コーニング(株)製)に貼着し、2kgのゴムローラーを1往復させて圧着して、50℃、0.5MPaのオートクレーブ中に15分間放置した後、90℃の雰囲気下、および、60℃/95%RHの雰囲気下で、500時間加熱して、粘着型光学フィルムの剥がれの有無および粘着型光学フィルムの発泡の有無を目視観察により確認した。その結果を、表2に示す。なお、粘着型光学フィルムの剥がれの有無、および、粘着型光学フィルムの発泡の有無については、下記の基準で確認した。
(粘着型光学フィルムの剥がれ)
○:剥がれなどの変化が認められなかった
△:粘着型光学フィルムの端部に1mm未満の剥がれが認められた
×:粘着型光学フィルムの端部に1mm以上の剥がれが認められた
(粘着型光学フィルムの発泡)
○:粘着剤層に発泡が認められなかった
△:粘着剤層にわずかな発泡が認められた
3) 粘着型光学フィルムのガラスに対する接着性
各実施例および各比較例の粘着型光学フィルムを、幅25mmに切断し、これを、ガラス板(コーニング#1737、コーニング(株)製)に貼着し、2kgのゴムローラーを1往復させて圧着して、50℃、0.5MPaのオートクレーブ中に15分間放置し、次いで、25℃に冷却して、90°剥離接着力(剥離速度10mm/min)を測定した(初期接着力)。
また、オートクレーブ中で放置した後、さらに、60℃、および、60℃/90%RHの雰囲気下で、40時間放置し、次いで、25℃に冷却して、90°剥離接着力(剥離速度10mm/min)を測定した。その結果を、表2に示す。
なお、粘着型光学フィルムのガラスに対する接着性は、剥離接着力の値が高いほど、良好であることを示す。
Figure 0005005285
本発明の粘着型光学フィルムの一実施形態の拡大断面図である。
符号の説明
1 粘着型光学フィルム
2 光学フィルム
3 粘着剤層

Claims (7)

  1. アルキル基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよびカルボキシル基含有ビニルモノマーを含有し、前記モノマーと共重合可能な共重合性ビニルモノマーを含有するビニルモノマー混合物100重量部を、ポリビニルアルコール系重合体0.5〜10重量部の存在下で、重合して得られ、
    前記ビニルモノマー混合物の配合割合は、ビニルモノマー混合物の総量100重量部に対して、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルが60〜99重量部であり、前記カルボキシル基含有ビニルモノマーおよび共重合性ビニルモノマーの総量が1〜40重量部であり、
    前記ビニルモノマー混合物中、下記式で示されるカルボキシル基含有ビニルモノマー濃度が0.05〜1.50ミリモル/gであり、
    前記共重合性ビニルモノマーとして、リン酸基含有ビニルモノマーを含有し、
    前記リン酸基含有ビニルモノマーが、下記一般式(1)で表され、
    前記ビニルモノマー混合物中、下記式で示されるリン酸基含有ビニルモノマー濃度が0.02〜0.45ミリモル/g
    であることを特徴とする、水分散型粘着剤組成物。
    前記カルボキシル基含有ビニルモノマー濃度[ミリモル/g]=1000×{(前記カルボキシル基含有ビニルモノマーの配合重量[g])/(前記カルボキシル基含有ビニルモノマーの分子量[g/mol])}/(前記ビニルモノマー混合物総重量[g])
    Figure 0005005285
    (一般式(1)中、R は、水素原子またはメチル基を、R は、下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン基を、Xは、下記一般式(3)で表されるリン酸基またはその塩を示す。)
    Figure 0005005285
    (一般式(2)中、nは1〜4の整数、mは2以上の整数を示す。)
    Figure 0005005285
    (一般式(3)中、M およびM は、それぞれ独立に、水素原子またはカチオンを示す。)
    前記リン酸基含有ビニルモノマー濃度[ミリモル/g]=1000×{(前記リン酸基含有ビニルモノマーの配合重量[g])/(前記リン酸基含有ビニルモノマーの分子量[g/mol])}/(前記ビニルモノマー混合物総重量[g])
  2. 前記ビニルモノマー混合物の配合割合は、前記ビニルモノマー混合物の総量100重量部に対して、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルが60〜99重量部、前記カルボキシル基含有ビニルモノマーが0.5〜15重量部、共重合性ビニルモノマーが39.5重量部以下であることを特徴とする、請求項1に記載の水分散型粘着剤組成物。
  3. 前記リン酸基含有ビニルモノマーの配合割合が、前記ビニルモノマー混合物の総量100重量部に対して、0.5〜20重量部であることを特徴とする、請求項1または2に記載の水分散型粘着剤組成物。
  4. 前記共重合性ビニルモノマーとして、アルコキシシリル基含有ビニルモノマー0.001〜1重量部を含有することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物。
  5. 前記ポリビニルアルコール系重合体は、4%水溶液の20℃における粘度が25mPa・s以下で、ケン化度が70〜95モル%であることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物。
  6. 光学フィルムと、
    前記光学フィルムの上に設けられる、請求項1〜のいずれかに記載の水分散型粘着剤組成物からなる粘着剤層と
    を備えていることを特徴とする、粘着型光学フィルム。
  7. ディスプレイ基板と、請求項に記載の粘着型光学フィルムとを備え、
    前記ディスプレイ基板の上に、前記粘着剤層を介して、前記光学フィルムが設けられていることを特徴とする、画像表示装置。
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