JP7464194B1 - 粘着剤層、それを用いた粘着シート、積層体及びフレキシブル画像表示装置 - Google Patents

粘着剤層、それを用いた粘着シート、積層体及びフレキシブル画像表示装置 Download PDF

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Abstract

フレキシブル画像表示装置に用いられる粘着剤層は、ゲル分率が55~90%であり、-30℃での貯蔵弾性率が0.1MPa以上8MPa以下であり、レオメータにてφ8mmの測定プローブを用いて25℃、パラレルプレートで20kPaのひずみを5分間与えた時の変形量αが100~800%であり、かつ数式:復元率=(α-β)/α×100 (βとはα計測後、ひずみを0kPaとしてから5分後の残留変形量を表す。)・・・(1)により求められる復元率が70%以上であり、アクリル系粘着剤および硬化剤を含む粘着剤組成物を用いて形成されている。

Description

本開示は、フレキシブル画像表示装置に用いられる粘着剤層、それを用いた粘着シート、積層体及びフレキシブル画像表示装置に関するものである。
近年、液晶ディスプレイ(LCD)や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイ(OLED)等の画像表示装置とタッチパネルとを組み合わせて用いる入力装置が普及している。タッチパネルに用いる透明導電性フィルムは、支持ガラス等の部材に粘着剤層を介して積層されている。また、画像表示装置に用いる偏光板フィルムは、液晶モジュールや有機ELモジュールに粘着剤層を介して貼付される。
前記画像表示装置としては、ガラス基板を用いたフラットディスプレイが主流であったが、近年、プラスチック等の可撓性基板を用いたフォルダブルディスプレイ(Foldable display)やローラブルディスプレイ(Rollable display)等の、フレキシブルディスプレイが開発されている。このようなフレキシブルディスプレイは、従来のガラス基板を用いたフラットディスプレイと比較して、軽量性、薄さ、可撓性等に優れており、また意匠性にも優れている等の種々の利点を有する。
前記粘着剤層には、従来から高温環境や高温高湿環境で発泡や剥がれが生じない性質が必要であったが、近年ではさらに、フレキシブル性が必要となってきている。フレキシブル性とは、例えば、フォルダブルディスプレイにおいては、フォルダブルディスプレイに使用することができるよう、ディスプレイの屈曲に対応する適性(屈曲性)である。一般に、屈曲性としては、折り曲げを繰り返した際、発泡、浮きやハガレが生じない特性(動的屈曲性)が必要とされる。
これらの問題を解決すべく、特許文献1は、繰り返し屈曲させても粘着剤層の浮きや剥がれの発生を抑制することを課題とした粘着剤を開示している。特許文献2には、-20℃及び85℃における貯蔵弾性率G’を特定の数値範囲とする屈曲デバイス用粘着剤が開示されている。
特開2020-513451号公報 特開2020-139034号公報
ところで、フォルダブルディスプレイには、強度と透明性から、被着体としてカラーレスポリイミドが用いられている。カラーレスポリイミドと粘着剤層とを貼り合わせた積層体を屈曲すると、特に屈曲部で粘着剤に浮きが発生する、或いは粘着剤層中に発泡が生じ白化するおそれがある。また、繰り返し屈曲すると、端部で粘着剤層のズレが生じ、その粘着剤層が周辺の部材と接触し折り曲げ性が悪化するおそれもある。
本開示は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、繰り返し屈曲しても屈曲部が白化し難く、粘着剤のズレが生じ難いフレキシブル画像表示装置に用いられる粘着剤層、それを用いた粘着シート、積層体及びフレキシブル画像表示装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、以下の態様において、本発明の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
・本開示の粘着剤層は、フレキシブル画像表示装置に用いられる粘着剤層であって、ゲル分率が55~90%であり、-30℃での貯蔵弾性率が0.1MPa以上8MPa以下であり、レオメータにてφ8mmの測定プローブを用いて25℃、パラレルプレートで20kPaのひずみを5分間与えた時の変形量αが100~800%であり、かつ数式:復元率=(α-β)/α×100 (βとはα計測後、ひずみを0kPaとしてから5分後の残留変形量を表す。)・・・(1)により求められる復元率が70%以上であり、アクリル系粘着剤および硬化剤を含む粘着剤組成物を用いて形成されている。
・本開示の粘着シートは、前記粘着剤層およびセパレータを有する。
・本開示の積層体は、被着体に前記粘着剤層が貼付されている。
・本開示のフレキシブル画像表示装置は、前記積層体を含む。
本開示によれば、曲げ箇所が白化し難く、端部のズレが生じ難い高精度なフレキシブル画像表示装置に用いられる粘着剤層、それを用いた粘着シート及び積層体を提供できる。これにより、折り曲げても視認性及びコントラストが良好且つ折り曲げ性も良好なフレキシブル画像表示装置を提供できる。
以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
本明細書において特定する数値は、実施形態または実施例に開示した方法により求められる値である。粘着シートは、粘着フィルム、粘着テープ、粘着ラベル等と同義である。粘着剤中の各種配合成分は、特に言及しない限り、それぞれ独立に、単独または2種類以上を併用できる。(メタ)アクリルとはアクリル又はメタクリルを意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
<粘着剤層>
本実施形態に係る粘着剤層は、フレキシブル画像表示装置に用いられる。具体的には、粘着剤層は、フレキシブル画像表示装置を構成する積層体、及び積層体を形成するときに用いられる粘着シートに好適に使用される。粘着剤層は、単層であることが好ましく、間に芯材を設ける形態も好ましい。芯材は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド等が挙げられる。
[粘着剤]
粘着剤層は、(メタ)アクリル共重合体を主成分として含むアクリル系粘着剤を用いて形成される。アクリル系粘着剤を構成する(メタ)アクリル共重合体は、硬化剤と架橋し得る官能基を有する反応性官能基含有モノマーに由来するユニットを有することが好ましい。粘着剤より形成された粘着剤層中の(メタ)アクリル共重合体と硬化剤との間で架橋を促すことにより、粘着剤層は硬化せしめられ、架橋構造が形成される。なお、粘着剤は、アクリル系粘着剤のみで構成されていてもよく(1種又は2種類以上の(メタ)アクリル共重合体からなるものでもよく)、他の粘着剤と併用してもよい。他の粘着剤としては、例えば、ウレタン系樹脂を主成分として含むウレタン系粘着剤、ゴム系樹脂を主成分として含むゴム系粘着剤等が挙げられる。
粘着剤(粘着剤を構成する共重合体、樹脂)の重量平均分子量(Mw)は、80万~200万が好ましく、80万~180万がより好ましく、100万~150万がさらに好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定するポリスチレン換算の値である。
[アクリル系粘着剤]
アクリル系粘着剤を構成する(メタ)アクリル共重合体は、脂環式モノマー及び/又は炭素数10~20の直鎖状アルキル基を有するアクリルモノマー(以下「C10~20直鎖アルキルモノマー」とも称する)と、炭素数6以上の分枝鎖状アルキル基を有するアクリルモノマー(以下「C6≦分枝アルキルモノマー」とも称する)とを含有するモノマー混合物の共重合体であることが好ましい。換言すると、(メタ)アクリル共重合体の原料に用いられるモノマー混合物は、脂環式モノマー及び「C6≦分枝アルキルモノマー」を含有するもの;「C10~20直鎖アルキルモノマー」及び「C6≦分枝アルキルモノマー」を含有するもの;並びに脂環式モノマー、「C10~20直鎖アルキルモノマー」及び「C6≦分枝アルキルモノマー」を含有するものが好ましい。これらモノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
≪脂環式モノマー≫
脂環式モノマーは、(メタ)アクリロイル基又はビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつ脂環構造含有基を有するモノマーをいう。ここで、「脂環構造含有基」とは、少なくとも一つの脂環構造を含む部分をいい、以下「脂環式基」と呼ぶことがある。脂環式基としては脂環構造を有する炭化水素基や炭化水素オキシ基等が挙げられる。(メタ)アクリル共重合体の原料に用いられるモノマー混合物が、脂環式モノマーを含有することで、粘着シートの粘着力や復元率が向上する。脂環式モノマーは、ハードセグメントとして凝集力の向上に寄与するため、粘着シートの粘着力の剥離強度や復元率が向上すると考えられる。脂環式モノマーは、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましく、イソボルニルアクリレートがより好ましい。
脂環式モノマーの含有量は、モノマー混合物の総量100質量%に対して、好ましくは1質量%以上20質量%以下、より好ましくは5質量%以上15質量%以下である。脂環式モノマーの含有量が1質量%以上になると、粘着シートの硬さと柔らかさをより高い水準で両立できる。また、脂環式モノマーの含有量が20質量%以下になると、粘着シートの屈曲性がさらに向上する。
≪炭素数10~20の直鎖状アルキル基を有するアクリルモノマー≫
炭素数10~20の直鎖状アルキル基を有するアクリルモノマー(C10~20直鎖アルキルモノマー)は、分子内に炭素数10~20の直鎖状アルキル基を持つモノマーをいう。直鎖状アルキル基の炭素数は好ましくは12~20である。「C10~20直鎖アルキルモノマー」は、例えば、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、ドデシル(メタ)アクリレート及びオクタデシル(メタ)アクリレートが好ましく、ドデシルアクリレート及びオクタデシルアクリレートがより好ましい。
「C10~20直鎖アルキルモノマー」の含有量は、モノマー混合物の総量100質量%に対して、好ましくは5質量%以上50質量%以下、より好ましくは7質量%以上40質量%以下である。「C10~20直鎖アルキルモノマー」の含有量が5質量%以上になると、粘着シートの硬さと柔らかさをより高い水準で両立できる。また、「C10~20直鎖アルキルモノマー」の含有量が50質量%以下になると、粘着シートの屈曲性がさらに向上する。
≪炭素数6以上の分枝鎖状アルキル基を有するアクリルモノマー≫
炭素数6以上の分岐アルキル基を有するアクリルモノマー(C6≦分枝アルキルモノマー)は、分子内に炭素数6以上の分枝鎖状アルキル基を持つモノマーをいう。分枝鎖状アルキル基の炭素数は好ましくは6~10である。「C6≦分枝アルキルモノマー」は、例えば、イソヘキシル(メタ)アクリレート、イソヘプチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、2-エチルヘキシルアクリレートがより好ましい。
「C6≦分枝アルキルモノマー」の含有量は、モノマー混合物の総量100質量%に対して、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上であり、その上限は好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。「C6≦分枝アルキルモノマー」の含有量が30質量%以上になると、粘着シートの硬さと柔らかさをより高い水準で両立できる。また、「C6≦分枝アルキルモノマー」の含有量が95質量%以下になると、粘着シートの屈曲性がさらに向上する。なお、脂環式モノマー及び「C6≦分枝アルキルモノマー」を含有するモノマー混合物の総量100質量%に対する「C6≦分枝アルキルモノマー」の含有量は、好ましくは50質量%以上95質量%以下、より好ましくは55質量%以上90質量%以下である。また、「C10~20直鎖アルキルモノマー」及び「C6≦分枝アルキルモノマー」を含有するモノマー混合物の総量100質量%に対する「C6≦分枝アルキルモノマー」の含有量は、好ましくは30質量%以上95質量%以下、より好ましくは35質量%以上90質量%以下である。
(メタ)アクリル共重合体の原料に用いられるモノマー混合物は、上記のモノマー以外に、マクロモノマー、ヒドロキシ基を有するモノマー、カルボキシ基を有するモノマー、アミノ基を有するモノマー、炭素数1~9の直鎖状又は炭素数3~9の分枝鎖状アルキル基を有するアクリルモノマー等を含んでいてもよい。これらモノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
≪マクロモノマー≫
マクロモノマーは、数平均分子量(Mn)が3000~25000のマクロモノマーをいう。マクロモノマーの数平均分子量は4000~10000が好ましく、5000~8000がより好ましい。上記範囲とすることで曲げ箇所の白化が良化する。
上記の数平均分子量を有するマクロモノマーの市販品としては、例えば、分子末端がメタクリロイル基であって、ポリマー鎖がポリメチルメタクリレートであるマクロモノマー(製品名:AA-6、AA-6S、数平均分子量6000;東亞合成社製)、ポリマー鎖がポリスチレンであるマクロモノマー(製品名:AS-6S、AS-6、数平均分子量6000;東亞合成社製)、ポリマー鎖がスチレン/アクリルニトリルの共重合体であるマクロモノマー(製品名:AN-6S、数平均分子量6000;東亞合成社製)、ポリマー鎖がポリブチルアクリレートのマクロモノマー(製品名:AB-6、数平均分子量6000;東亞合成社製)、ポリマー鎖がポリブチルアクリレートのマクロモノマー(製品名:AB-8、数平均分子量8000;東亞合成社製)等が挙げられる。
マクロモノマーの含有量は、モノマー混合物の総量100質量%に対して、好ましくは1質量%以上10質量%以下、より好ましくは4質量%以上8質量%以下である。マクロモノマーの含有量が1質量%以上になると硬さと柔らかさをより高い水準で両立できる。また、マクロモノマーの含有量が10質量%以下になると屈曲性がさらに向上する。
≪ヒドロキシ基を有するモノマー≫
ヒドロキシ基を有するモノマーは、分子内にヒドロキシ基を有するモノマーであれば限定されず、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、4-ヒドロキシブチルアクリレートがより好ましい。
≪カルボキシ基を有するモノマー≫
カルボキシ基を有するモノマーは、分子内にカルボキシル基を有するモノマーであれば限定されず、具体的には、(メタ)アクリル酸、アクリル酸p-カルボキシベンジル、アクリル酸β-カルボキシエチル、マレイン酸、モノエチルマレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸等が挙げられる。これらの中では、(メタ)アクリル酸が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
≪アミノ基を有するモノマー≫
アミノ基を有するモノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピル等の(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノエステル;(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらの中では、(メタ)アクリルアミドが好ましく、アクリルアミドがより好ましい。
≪炭素数1~9の直鎖状又は炭素数3~9の分枝鎖状アルキル基を有するアクリルモノマー≫
炭素数1~9の直鎖状又は炭素数3~9の分枝鎖状アルキル基を有するアクリルモノマーは、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、へプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
[(メタ)アクリル共重合体の合成(モノマー混合物の重合)]
上記のモノマーを含有するモノマー混合物の重合は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合など公知の重合方法を適用できる。重合に使用する重合開始剤はラジカル重合開始剤が好ましい。ラジカル重合開始剤としては、一般に公知の過酸化物、アゾ化合物(2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等)等を使用できる。重合開始剤は、モノマー混合物100質量部に対して、好ましくは0.01~10質量部、より好ましは0.1~2質量部で使用することが好ましい。以上のようにして、モノマー混合物の共重合体である(メタ)アクリル共重合体(それを含むアクリル系粘着剤)が得られる。
[硬化剤]
アクリル系粘着剤は硬化剤と併用するのが好ましい。換言すると、粘着剤層はアクリル系粘着剤および硬化剤を含むことが好ましい。硬化剤は、例えばエポキシ系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、アジリジン系硬化剤、アミン系硬化剤、チオール系硬化剤、酸無水物系硬化剤等が挙げられる。硬化剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。硬化剤の中では、エポキシ系硬化剤及びイソシアネート系硬化剤が好ましい。
≪芳香族系化合物≫
硬化剤は芳香族系化合物であることが好ましい。例えば、エポキシ系の芳香族系化合物としては、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、トリスフェノールメタン型、テトラフェノールエタン型、ビキシレノール型、ビフェノール型等の複素環を有するエポキシ等が挙げられる。イソシアネート系の芳香族系化合物としては、トリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートおよびこれらのアロファネート体、ビウレット体、イソシアヌレート体、プレポリマー体およびアダクト体等が挙げられる。アミン系の芳香族系化合物としては、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルベンゼン、フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂等の複素芳香環を含むアミン等が挙げられる。チオール系の芳香族系化合物としては、N,N-ジメチルアニリン等の三級アミン、メルカプトベンゾイミダゾール等が挙げられる。酸無水物系の芳香族系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
硬化剤の含有量(以下「硬化剤量」とも称する)は、粘着剤の総量100質量%に対して、好ましくは0.1質量%以上80質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上30質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上10質量%以下である。硬化剤量を上記の範囲とすることにより、凝集力が高く復元率を向上できる。
<粘着剤層の特性>
ここで、本実施形態に係る粘着剤層は、上記のモノマー混合物の共重合体である(メタ)アクリル共重合体で構成されるアクリル系粘着剤と硬化剤とを含むため、所定のゲル分率、弾性率、変形量α及び復元率を満たす。4つの特性を全て満たす粘着剤層は、被着体と貼り合わせたフレキシブル画像表示装置として曲げて使用した際に、曲げ部の白化と端部のズレを抑制できる。また、粘着剤層は、被着体に対して高い粘着力を有する。
[ゲル分率]
粘着剤層のゲル分率は、55%以上90%以下であり、好ましくは55%以上90%以下である。ゲル分率を上記範囲とすることで、曲げ箇所の白化が良化する。ゲル分率は、例えば、粘着剤層を形成する際の養生時間、温度の調整;粘着剤層を形成する粘着剤の原料として用いられる硬化剤量、マクロモノマー(特に数平均分子量が6000程度のマクロモノマー)、炭素数10以上のアルキル基を有するアクリルモノマー、ヒドロキシ基を有するモノマー等の含有割合等の調整によって上記範囲に制御できる。
[-30℃の貯蔵弾性率]
粘着剤層の-30℃での貯蔵弾性率(以下単に「貯蔵弾性率」とも称する)は、8MPa以下であり、好ましくは5MPa以下である。貯蔵弾性率を上記範囲とすることで、曲げ部の白化を抑制できる。また、貯蔵弾性率の下限は0.1MPa以上であり、好ましくは0.15MPa以上である。貯蔵弾性率は、例えば、粘着剤層を形成する粘着剤の原料(モノマー混合物)に「C6≦分枝アルキルモノマー」を用いることで調整できる。
[変形量α]
粘着剤層の変形量αは、100%以上800%以下であり、好ましくは200%以上750%以下、より好ましくは250%以上700%以下、さらに好ましくは300%以上600%以下である。粘着剤層の変形量αを上記範囲とすることで、端部のズレが抑制される。ここで、本開示における粘着剤層の変形量αとは、厚さ1mmの粘着剤層をレオメータにてφ8mmの測定プローブを用いて25℃、パラレルプレートで20kPaのひずみを5分間与えた時の変形量である。変形量αは、例えば、粘着剤を形成する粘着剤の原料として用いられる硬化剤量を低下させると向上し、硬化剤量を増加させると変形量αが低下する。
[復元率]
粘着剤層の復元率は、70%以上であり、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上である。復元率を70%以上とすることで曲げ箇所の白化が良化する。本開示における復元率とは、数式(1)により算出される値である。
[数1]
復元率=(α-β)/α×100・・・(1)
式(1)中、βとは上述したレオメータによるα計測後、ひずみを0kPaとした後、5分後の残留変形量αを表す。復元率は、粘着剤層を形成する粘着剤の原料として用いられる硬化剤量や、「C6≦分枝アルキルモノマー」、マクロモノマー(特に数平均分子量が6000程度のマクロモノマー)の含有割合等を増やすことで向上する。
[被着体に対する粘着力]
被着体(特にカラーレスポリイミド)に対する粘着剤層の粘着力は、好ましくは10N/25mm以上50N/25mm以下、より好ましくは15N/25mm以上45N/25mm以下である。上記範囲とすることで被着体と粘着剤層の界面における端部のズレが抑制される。粘着力を上記範囲内とするため、被着体表面にコロナ処理又はプラズマ処理を施してもよい。
≪被着体≫
被着体は、例えば、カラーレスポリイミド、極薄ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が挙げられる。カラーレスポリイミドとは400nm~700nmにおける透過率が80%以上であって、ガラス転移温度が250℃以上のポリイミドフィルムである。カラーレスポリイミドの厚みは、好ましくは10μm以上200μm以下、より好ましくは20μm以上100μm以下である。
<粘着剤層の形成>
粘着剤層は、粘着剤組成物から形成される。粘着剤組成物は、粘着剤及び硬化剤を含み、必要に応じて粘着付与樹脂、溶剤等を配合したものである。粘着剤層を形成する方法としては、例えば、粘着剤組成物をセパレータに塗布し、溶剤等を乾燥除去して粘着剤層を形成する方法等が挙げられる。一方、被着体に粘着剤組成物を直接塗布し溶剤等を乾燥除去して粘着剤層を形成してもよい。
溶剤の乾燥温度は、好ましくは40~200℃、より好ましくは50~180℃、さらに好ましくは70~170℃である。溶剤の乾燥温度を上記の範囲とすることによって、優れた粘着特性を有する粘着剤層を得ることができる。
溶剤の乾燥時間は、適宜、適切な時間が採用され得る。溶剤の乾燥時間は、好ましくは5秒~20分、より好ましくは5秒~10分、さらに好ましくは10秒~5分である。
粘着剤組成物の塗布方法としては、各種方法が用いられる。例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーター等による押出しコート法等が挙げられる。
粘着剤層の厚みは、好ましくは5μm以上150μm以下、より好ましくは15μm以上100μm以下である。粘着剤層は、単一層であってもよく、組成の異なる粘着剤を積層してもよい。粘着剤層の厚み(積層構造の場合は厚みの合計)が上記の範囲内であれば、屈曲を阻害することなく、また密着性の点でも、好ましい態様となる。一方、厚みが150μmを超える場合、繰り返し屈曲時に、粘着剤層中のポリマー鎖が動きやすなり、劣化が激しくなるため、ハガレが発生するおそれがある。厚みが5μm未満の場合、屈曲時の応力を緩和できず、破断が発生するおそれがある。
<フレキシブル画像表示装置用粘着シート>
粘着シートは、フレキシブル画像表示装置を構成する積層体を形成するときに用いられるフレキシブル画像表示装置用粘着シートである。具体的には、粘着シートは、被着体に粘着剤層を貼付するときに用いられる。ここで、本実施形態に係る粘着シートは、本実施形態に係る粘着剤層およびセパレータを有する。粘着シートは、粘着剤層の一方面にセパレータが積層された形態であってもよく、粘着剤層の両面をセパレータで挟みこむ形態であってよく、いずれの形態も含まれる。これらの中では、粘着剤層の両面を挟み込む形態が好ましい。
[セパレータ]
セパレータは、フレキシブル画像表示装置を構成する積層体を形成するときに、粘着剤層から剥離する剥離シートや剥離フィルムである。セパレータは、例えば、紙、プラスチックフィルム、合成紙等の基材に、剥離剤を塗工して形成した剥離層を有する。剥離剤は、例えば、シリコーン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。なお、セパレータの厚さは特に限定されず、10μm~200μm程度である。
<フレキシブル画像表示装置用積層体>
粘着シートをフレキシブル画像表示装置に用いる場合の一例として、まず一方の面のセパレータを剥がし、露出した粘着剤層に被着体を貼り合わせる。次いで対向するもう一方のセパレータを剥がし露出した粘着剤層と偏光板や透明導電膜を貼り合わせることにより、フレキシブル画像表示装置を構成する積層体が形成される。ここで、本実施形態に係る積層体は、本実施形態に係る粘着シートを用いて形成されるため、被着体に本実施形態に係る粘着剤層が貼付された積層体をいう。なお、粘着剤層と被着体の積層面には、ハードコート層、易接着用コーティング層等が積層されていてもよい。
<フレキシブル画像表示装置>
本実施形態に係るフレキシブル画像表示装置は、屈曲機能を有することが大きな特徴の1つであり、本実施形態に係る積層体と、折り曲げ可能に構成された有機エレクトロルミネッセンス(electroluminescence、以下「EL」とも称する)表示パネルとを含む。フレキシブル画像表示装置は、有機EL表示パネルに対して視認側にフレキシブル画像表示装置用積層体が配置され、折り曲げ可能に構成されている。なお、有機EL表示パネルに代えて、液晶パネルであってもよく、フレキシブル画像表示装置用積層体に対して視認側にウインドウが配置されていてもよい。
フレキシブル画像表示装置は、フレキシブルな液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイパネル(PDP)、電子ペーパー等の画像表示装置として好適に用いることができる。また、フレキシブル画像表示装置は、抵抗膜方式や静電容量方式といったタッチパネル等の方式に関係なく使用できる。
以下に、本開示を実施例に基づいて説明する。なお、本開示は、以下の実施例に限定されるものではなく、以下の実施例を本開示の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本開示の範囲から除外するものではない。なお、以下の「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」に基づく値である。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
重量平均分子量(Mw)の測定は、島津製作所社製GPC「LC-GPCシステム」を用いた。重量平均分子量(Mw)の決定は、分子量既知のポリスチレンを標準物質とした換算で行った。
・装置名:島津製作所社製、LC-GPCシステム「Prominence」。
・カラム:東ソー社製GMHXL 4本、東ソー社製HXL-H 1本を連結した。
・移動相溶媒:テトラヒドロフラン。
・流量:1.0mL/分。
・カラム温度:-30℃。
<アクリル系粘着剤の合成例>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と記載する)に、表1に記載のモノマー及び2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)をそれぞれ表1に記載の含有量で仕込み、反応容器内の雰囲気を窒素ガスで置換した。その後、窒素雰囲気下で撹拌しながら、50℃まで加熱し反応を開始した。その後、反応溶液を50℃で4時間反応させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈して不揮発分30%、粘度3000mPa・sの(メタ)アクリル共重合体で構成されるアクリル系粘着剤を得た。得られたアクリル系粘着剤(それを構成する(メタ)アクリル共重合体)の重量平均分子量(Mw)を表1に示す。なお、表中の空欄は配合していないことを表す。
表1に記載のモノマーの詳細を以下に示す。
・2EHA:2-エチルへキシルアクリレート。
・BA:ブチルアクリレート。
・IBXA:イソボルニルアクリレート。
・CH:シクロヘキシルアクリレート。
・DOA:ドデシルアクリレート。
・ODA:オクタデシルアクリレート。
・AA-6:マクロモノマー(片末端メタクリロイル基ポリメチルメタクリレート、数平均分子量6000(東亜合成社製))。
・AK-32:マクロモノマー(片末端メタクリロイル基ポリジメチルシロキサン、数平均分子量20000(東亜合成社製))。
・AA:アクリル酸。
・HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレート。
・Am:アクリルアミド。
<粘着シートの作製>
表2~3に記載の粘着剤100部に対して、表2~3に記載の硬化剤を所定量で配合し、更に酢酸エチルを加えて不揮発分を20%に調整した粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物を、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート製セパレータに、乾燥後の厚さが50μmになるように塗工し、100℃で2分間熱風乾燥することで粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層に、厚さ50μmのPET製セパレータを貼り合せ、粘着シートを得た。
<ゲル分率の測定>
粘着シートを30mm×100mmの大きさに裁断し、一方面のセパレータを剥離し露出した粘着剤層を、秤量した300メッシュのステンレス製金網(重量W0)に貼り付け、もう一方のセパレータを剥離して試料とした。前記試料を秤量した重量をW1とし、試料を酢酸エチル中で24時間静置後、100℃で1時間乾燥させ秤量した重量をW2とし、以下の式(2)で算出した。
[数2]
ゲル分率(%)={(W2-W0)/(W1-W0)}×100・・・(2)。
<-30℃の貯蔵弾性率の測定>
粘着シートの一方面のセパレータを剥がしたシートを2組用意し、粘着剤層同士をラミネータで貼り合わせ、セパレータ/粘着剤層/セパレータの積層体を作成した。前記積層体から一方面のセパレータを剥離して貼り合わせを繰り返すことで、厚さ1mmの粘着剤層の積層物を形成した。この積層物に対し、レオメータ(TAインスツルメント社製、DHR-2)にてφ8mmの測定プローブを用いて、歪み0.1%、周波数1Hz、-70℃から200℃まで昇温速度10℃/分の条件で貯蔵弾性率G’を測定した。
<変形量αと復元率の測定>
粘着シートの一方面のセパレータを剥がしたシートを2組用意し、粘着剤層同士をラミネータで貼り合わせ、セパレータ/粘着剤層/セパレータの積層体を作成した。前記積層体から一方面のセパレータを剥離して貼り合わせを繰り返すことで、厚さ1mmの粘着剤層の積層物を形成した。この積層物に対し、レオメータ(TAインスツルメント社製、DHR-2)にてφ8mmの測定プローブを用いて25℃、パラレルプレートで20kPaのひずみを5分間与えた時の変形量を変形量αとし、変形量α計測後ひずみを0KPaとした後、5分後の残留変形量をβとし、上記の数式(1)にて「復元率」を算出した。
<カラーレスポリイミドに対する粘着剤層の粘着力>
粘着シートの一方面のセパレータを剥がして50μmのPETフィルムにラミネータを用いて貼り付けた。続いて、もう一方のセパレータを剥がし、一方の面に出力300Wでコロナ処理を施した厚さ50μmのカラーレスポリイミド(KOLON社製)のコロナ処理面にラミネータにより貼り付けた。その後50℃、5気圧のオートクレーブ内に20分保持させて各部材を密着させることで測定試料を得た。前記測定試料を、23℃で1日放置した後に、23℃、相対湿度50%の環境下で、引張試験機(オリエンテック社製「テンシロン」)を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で粘着力を測定した。
<曲げ試験による曲げ箇所の白化及び端部のズレの評価>
作製した粘着シートからセパレータを剥がし、露出した粘着剤層を25℃、相対湿度50%雰囲気でカラーレスポリイミド(KOLON社製、50μm)にラミネータを用いて貼着し、もう一方のセパレータを剥がして、厚みが188μmのPETフィルムにラミネータを用いて貼り合わせ、PETフィルム/粘着剤層/カラーレスポリイミドからなる試験用積層体を得た。次いで試験用積層体を、常態試験として25℃、相対湿度50%雰囲気にて折り曲げ試験機(ユアサシステム機器社製)を用いて、折り曲げた時の内径(直径)が6mm条件に設定し、折り曲げと180°開放とを1サイクルとして30万サイクル繰り返し行った。別途、内径(直径)が3mmの条件に変更した試験も行った。試験後の外観を曲げ箇所の白化と端部のズレについて下記基準で評価した。
外観:試験用積層体の気泡の有無および粘着剤層の浮きや剥がれの有無を以下の条件で目視評価(5段階評価)を行った。
[曲げ箇所の白化]
5:折り曲げた箇所から左右5mmずつの範囲で気泡が見られない。
4:折り曲げた箇所から左右5mmずつの範囲で気泡が10個以下である。
3:折り曲げた箇所から左右5mmずつの範囲で気泡が11個以上50個以下である。
2:折り曲げた箇所から左右5mmずつの範囲で気泡が51個以上100個未満である。
1:折り曲げた箇所から左右5mmずつの範囲で気泡が100個以上である。
[端部のズレ]
5:PETフィルムと偏光板のズレが1mm未満である。
4:PETフィルムと偏光板のズレが1mm以上2mm未満である。
3:PETフィルムと偏光板のズレが2mm以上3mm未満である。
2:PETフィルムと偏光板のズレが3mm以上4mm未満である。
1:PETフィルムと偏光板のズレが4mm以上である。
表2、3に記載の市販の粘着剤、硬化剤、添加剤の詳細を以下に示す。
(市販の粘着剤)
・R16:TUFTEC H1272:水添スチレンエラストマー(SEBS);旭化成社製。
・R17:LA2330:PMMA-PnBA-PMMAトリブロック共重合体、Mw:99400、PMMA/PnBA=20/80(質量比);クラレ社製。
・R18:LA4285:PMMA-PnBAブロック共重合体、Mw:60000、PMMA/PnBA=55/45(質量比);クラレ社製。
(硬化剤)
・D-110N:ポリイソシアネート化合物としてキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト体。
・D-160N:ポリイソシアネート化合物としてヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト体。
・EX-313:多官能エポキシ化合物(グリセロールポリグリシジルエーテル)
・PZ-33:3官能アジリジン化合物。
・CAT-PL-50T:白金触媒;信越化学社製。
(添加剤)
・FTR6100:スチレン系モノマー/脂肪族系モノマー共重合体、軟化点95℃;三井化学社製。
以上説明したように、本開示は、フレキシブル画像表示装置及びそれを構成する積層体に用いられる粘着剤層、それを用いた粘着シートに適している。

Claims (7)

  1. フレキシブル画像表示装置に用いられる粘着剤層であって、
    前記粘着剤層は、
    ゲル分率が55~90%であり、
    -30℃での貯蔵弾性率が0.1MPa以上8MPa以下であり、
    レオメータにてφ8mmの測定プローブを用いて25℃、パラレルプレートで20kPaのひずみを5分間与えた時の変形量αが100~800%であり、かつ
    以下の数式(1)により求められる復元率が70%以上であり、
    アクリル系粘着剤および硬化剤を含む粘着剤組成物を用いて形成されており、
    前記アクリル系粘着剤は、炭素数10~20の直鎖状アルキル基を有するアクリルモノマーと、炭素数6以上の分枝鎖状アルキル基を有するアクリルモノマーと、ヒドロキシ基を有するモノマーとを含有するモノマー混合物であって、上記モノマー混合物の総量100質量%に対する上記ヒドロキシ基を有するモノマーの含有量が3質量%以上であるモノマー混合物を原料とする(メタ)アクリル共重合体を含み、
    前記(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)が100万以上であることを特徴とする粘着剤層。
    復元率=(α-β)/α×100 (βとはα計測後、ひずみを0kPaとしてから5分後の残留変形量を表す。)・・・(1)
  2. フレキシブル画像表示装置に用いられる粘着剤層であって、
    前記粘着剤層は、
    ゲル分率が55~90%であり、
    -30℃での貯蔵弾性率が0.1MPa以上8MPa以下であり、
    レオメータにてφ8mmの測定プローブを用いて25℃、パラレルプレートで20kPaのひずみを5分間与えた時の変形量αが100~800%であり、かつ
    以下の数式(1)により求められる復元率が70%以上であり、
    アクリル系粘着剤および硬化剤を含む粘着剤組成物を用いて形成されており、
    前記アクリル系粘着剤は、脂環式モノマーと、炭素数6以上の分枝鎖状アルキル基を有するアクリルモノマーとを含有するモノマー混合物を原料とする(メタ)アクリル共重合体を含み、
    前記(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)が100万以上であることを特徴とする粘着剤層。
    復元率=(α-β)/α×100 (βとはα計測後、ひずみを0kPaとしてから5分後の残留変形量を表す。)・・・(1)
  3. 上記モノマー混合物は、炭素数10~20の直鎖状アルキル基を有するアクリルモノマーをさらに含有する請求項2に記載の粘着剤層。
  4. 被着体に対する粘着力が10~50N/25mmである請求項1~3の何れか一項に記載の粘着剤層。
  5. 請求項1~3の何れか一項に記載の粘着剤層およびセパレータを有する粘着シート。
  6. 被着体に請求項1~3の何れか一項に記載の粘着剤層が貼付された積層体。
  7. 請求項に記載の積層体を含むフレキシブル画像表示装置。
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