JP2023087968A - 粘着剤、粘着シート、積層体、およびフレキシブルディスプレイ - Google Patents

粘着剤、粘着シート、積層体、およびフレキシブルディスプレイ Download PDF

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JP2023087968A JP2021202553A JP2021202553A JP2023087968A JP 2023087968 A JP2023087968 A JP 2023087968A JP 2021202553 A JP2021202553 A JP 2021202553A JP 2021202553 A JP2021202553 A JP 2021202553A JP 2023087968 A JP2023087968 A JP 2023087968A
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克哲 福田
Katsunori Fukuta
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Abstract

【課題】透明性に優れ、さらに耐熱性および耐湿熱性と、屈曲性および巻き取り性の両立が可能な粘着剤および粘着シートの提供。【解決手段】アルキル基の炭素数1~4の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、アルキル基の炭素数6~12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、水酸基を有するモノマー、およびカルボキシ基を有するモノマーからなるアクリル系共重合体(A)、分子内に少なくとも一つの脂環構造を有する飽和脂肪族炭化水素化合物である粘着付与樹脂(B)、および硬化剤(C)を含む、粘着剤。前記粘着剤の-20℃、25℃及び60℃における、1Hzでの貯蔵弾性率が、それぞれ1×105~1×106Pa、4×104~1×105Pa、1×104~4×104Paである、前記粘着剤。前記粘着剤の-20℃及び60℃における、1Hzでの損失係数が、それぞれ、1.0~3.0、0.2~1.0である、前記粘着剤。【選択図】図1

Description

本発明は、支持フィルム、粘着剤層、および金属板を備える積層体を形成するための粘着剤、粘着シート、および該粘着シートにより形成されてなる粘着剤層を有する積層体に関する。前記積層体は、フレキシブルディスプレイ用に用いられる。
近年、液晶ディスプレイ(LCD)や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイ(OLED)等の画像表示装置とタッチパネルを組み合わせて用いる入力装置が普及している。タッチパネルに用いる透明導電性フィルムは、支持ガラスや指示フィルム等の部材に粘着剤層を介して積層されている。また、画像装置に用いる偏光板フィルムは、液晶モジュールや有機ELモジュールに粘着剤層を介して貼付される。このように、画像表示装置の各部材は、粘着剤層により貼付、固定化される。
前記画像表示装置としては、ガラス基板を用いたフラットディスプレイが主流であったが、近年、プラスチック等の可撓性基板を用いた、折り曲げ可能なフォルダブルディスプレイ(Foldable display)や、巻き取り可能なローラブルディスプレイ(Rollable display)等の、フレキシブルディスプレイが開発されている。このようなフレキシブルディスプレイは、従来のガラス基板を用いたフラットディスプレイと比較して、軽量性、薄さ、可撓性等に優れており、また意匠性にも優れている等の種々の利点を有する。
このようなフレキシブルディスプレイにおいては、折り曲げ性、巻き取り性を付与するため、用いられるフレキシブル有機ELは薄く、フレキシブル有機ELの強度を補強するために、支持フィルム、粘着剤層、金属プレート、粘着剤層および支持フィルムをこの順に備えるバックプレートが有機ELの下部に粘着剤層を介して貼付される。
前記粘着剤層には、従来から高温環境や高温高湿環境で発泡や剥がれが生じない性質が必要であったが、近年ではさらに、フレキシブル性が必要となってきている。フレキシブル性とは、例えば、フォルダブルディスプレイにおいては、フォルダブルディスプレイに使用することができるよう、ディスプレイの屈曲に対応する適性(屈曲性)である。一般に、屈曲性としては、折り曲げを繰り返した際、発泡、浮きやハガレが生じない特性(動的屈曲性)が必要とされる。
これらの問題を解決すべく、特許文献1には、(メタ)アクリレート単量体を部分重合させて製造された樹脂シロップ、および光開始剤を含む粘着シートであって、前記粘着シートの粘着剤層の貯蔵弾性率が25℃および1Hzで1.0×10~1.0×10Paであることを特徴とする光学透明粘着シートが開示されている。また、特許文献2には、スチレン-イソブチレン-スチレン(SIBS)系ゴム、脂環式エポキシ化合物、および光開始剤を含む粘着剤が開示されている。
特開2020-517800号公報 特開2021-14563号公報
しかし、近年、さらなるディスプレイの高耐久化に対応すべく、これまでよりも厳しい屈曲性が要求され、動的屈曲性に加え、長時間、屈曲状態を保持した際、発泡、浮きやハガレが生じない特性(静的屈曲性)も必要となっている。また、ローラブルディスプレイにおいては、ローラブルディスプレイに使用することができるよう、ディスプレイの巻き取りに対応する適性(巻き取り性)が必要となる。一般に、巻き取り性としては、長時間、巻き取り状態を保持した際、発泡、浮きやハガレが生じない特性が必要とされる。
さらには、従来、これら屈曲性は室温下でのみ必要な要求品質であったが、フレキシブルディスプレイの普及に伴い、極寒地域を想定した低温環境下や、極暑地域や炎天下での自動車車内を想定した高温環境下での屈曲性が加えて必要となってきている。
これに対し、従来の粘着シートでは、実用上問題の無いレベルでの耐熱性および耐湿熱性と、屈曲性および巻き取り性等のフレキシブル性を満たすことができていないのが現状である。
また、フレキシブル性には、ディスプレイ構成によって、動的屈曲性、静的屈曲性、巻き取り性が必要とされるが、これらフレキシブル性を個別に満足することはできても、同時に満足することは困難であり、加えて、高温環境や高温高湿環境下において、動的屈曲性、静的屈曲性、巻き取り性を満たすことができていないのが現状である。
本発明は、透明性に優れ、さらに耐熱性および耐湿熱性と、屈曲性および巻き取り性の全てを達成可能な粘着剤、粘着シート、および該積層体、さらにはフレキシブルディスプレイの提供を目的とする。
本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、以下の態様において、本発明の課題を解決し得
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、アクリル系共重合体(A)、粘着付与樹脂(B)および硬化剤(C)を含み、
アクリル系共重合体(A)は、下記モノマー(a-1)~(a-4)の全てを含むモノマー混合物の共重合体であり、
粘着付与樹脂(B)は、分子内に少なくとも一つの脂環構造を有する飽和脂肪族炭化水素化合物であり、かつ、
下記、(1)~(8)の全てを満たすことを特徴とする、粘着剤により解決される。

(a-1)アルキル基の炭素数1~4の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー
(a-2)アルキル基の炭素数6~12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー
(a-3)水酸基を有するモノマー
(a-4)カルボキシ基を有するモノマー

(1)モノマー混合物100質量%中、(a-1)の質量%<(a-2)の質量%
(2)モノマー混合物100質量%中、(a-3)の質量%を(a-4)の質量%で除した値(a-3)/(a-4)が、0.01<(a-3)/(a-4)<6
(3)モノマー混合物100質量%中、(a-1)および(a-2)の合計質量%>(a-3)および(a-4)の合計質量%
(4)粘着剤の-20℃、1Hzでの貯蔵弾性率が、1×10~1×10Pa
(5)粘着剤の25℃、1Hzでの貯蔵弾性率が、4×10~1×10Pa
(6)粘着剤の60℃、1Hzでの貯蔵弾性率が、1×10~4×10Pa
(7)粘着剤の-20℃、1Hzでの損失係数が、1.0~3.0
(8)粘着剤の60℃、1Hzでの損失係数が、0.2~1.0
上記の本発明により、透明性に優れ、さらに耐熱性および耐湿熱性と、屈曲性および巻き取り性の全てを達成可能な粘着剤、粘着シート、ならびに該粘着シートを用いた積層体を提供する。
また、本発明の粘着シート、および積層体を用いることで、視認性とコントラストに優れるフレキシブルディスプレイを提供する。
本発明の粘着シート(バックプレート構成用)を部分的に示す概略断面図である。 本発明の粘着シート(バックプレート固定用)を部分的に示す概略断面図である 本発明の粘着シートの使用例である、積層体(バックプレート)を部分的に示す概略断面図である。 本発明の粘着シートの使用例である、ディスプレイを部分的に示す概略断面図である。
以下、本発明の粘着剤、粘着シート、積層体、およびディスプレイの構成例を説明するが、これに限定されない。
本明細書で使用する用語を定義する。(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルを含む。モノマーとは、エチレン性不飽和基含有単量体である。被着体とは、粘着シートを貼り付ける相手方をいう。本発明でシート、フィルムおよびテープは同義語である。
また、本明細書では、(a-1)炭素数1~4の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、(a-2)炭素数6~12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、(a-3)水酸基を有するモノマー、(a-4)カルボキシ基を有するモノマー、およびアクリル系共重合体(A)を、それぞれモノマー(a-1)、モノマー(a-2)、モノマー(a-3)、モノマー(a-4)、モノマー(a-5)、および共重合体(A)と略記することがある。
なお、本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に一種単独でも二種以上を併用してもよい。
本明細書において「~」を用いて特定される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値の範囲として含むものとする。
「粘着剤」
本発明の粘着剤は、アクリル系共重合体(A)、粘着付与樹脂(B)および硬化剤(C)を含み、
アクリル系共重合体(A)は、下記モノマー(a-1)~(a-4)の全てを含むモノマー混合物の共重合体であり、
粘着付与樹脂(B)は、分子内に少なくとも一つの脂環構造を有する飽和脂肪族炭化水素化合物であり、かつ、
下記、(1)~(8)の全てを満たす。
(a-1)炭素数1~4の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー
(a-2)炭素数6~12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー
(a-3)水酸基を有するモノマー
(a-4)カルボキシ基を有するモノマー

(1)モノマー混合物100質量%中、(a-1)の質量%<(a-2)の質量%
(2)モノマー混合物100質量%中、(a-3)の質量%を(a-4)の質量%で除した値(a-3)/(a-4)が、0.01<(a-3)/(a-4)<6
(3)モノマー混合物100質量%中、(a-1)および(a-2)の合計質量%>(a-3)および(a-4)の合計質量%
(4)-20℃、1Hzでの貯蔵弾性率が、1×10~1×10Pa
(5)25℃、1Hzでの貯槽弾性率が、4×10~1×10Pa
(6)60℃、1Hzでの貯槽弾性率が、1×10~4×10Pa
(7)-20℃、1Hzでの損失係数が、1.0~3.0
(8)60℃、1Hzでの損失係数が、0.2~1.0
<アクリル系共重合体(A)>
アクリル系共重合体(A)は、少なくとも、モノマー(a-1)~(a-4)の全てを含むモノマー混合物の共重合体であり、モノマー混合物は、必要に応じてモノマー(a-5)を含んでもよい。
(a-1)アルキル基の炭素数が1~4の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー
(a-2)アルキル基の炭素数が6~12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー
(a-3)水酸基を有するモノマー
(a-4)カルボキシ基を有するモノマー
(a-5)(a-1)~(a-4)以外のその他モノマー
[モノマー(a-1)]
モノマー(a-1)は、分子内に炭素数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーであり、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチルなどが挙げられる。
モノマー(a-1)を含有することで、粘着剤の凝集力が向上し、強靭な粘着剤層が得られ、接着力を向上することができる。
これらモノマー(a-1)のうち、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチルが凝集力および接着力における観点より好ましい。
モノマー(a-1)は、モノマー混合物100%中、2~40質量%含まれることが好ましく、5~30質量%がより好ましい。含有量が2質量%以上になることで十分な凝集力を得やすい。また、含有量が40質量%以下になることで凝集力と応力緩和性を両立しやすくなるために好ましい。
[モノマー(a-2)]
モノマー(a-2)は、分子内に炭素数6~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーであり、具体的には、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどが挙げられる。
モノマー(a-2)を含有することで、粘着剤の応力緩和性が向上し、柔軟な粘着剤層が得られ、密着力を向上することができる。
これらモノマー(a-2)のうち、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシルが応力緩和性および密着力の観点より好ましい。
これらモノマー(a-2)は、単独または2種類以上を併用できる。特に、2種類以上のモノマー(a-2)を併用することは、密着性と凝集力の両立の観点からより好ましいい。
モノマー(a-2)は、モノマー混合物100質量%中、50~98質量%含まれることが好ましく、60~90質量%がより好ましい。含有量が50質量%以上になることで十分な応力緩和性を得やすい。また、含有量が98質量%以下になることで凝集力と応力緩和性を両立しやすくなるために好ましい。
[モノマー(a-3)]
モノマー(a-3)は、水酸基を有するモノマーである。
水酸基を有するモノマーは、分子内に水酸基を有するモノマーであれば制限されず、具体的には、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、アリルアルコール、3-ブテン-1-オールなどが挙げられる。
モノマー(a-3)を含有することで、粘着剤の凝集力が向上し、強靭な粘着剤層が得られ、接着力を向上することができる。
これらのうち、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチルが凝集力および接着力の観点より好ましい。
モノマー(a-3)は、モノマー混合物100質量%、0.01~4.0質量%含まれることが好ましく、0.04~2.0質量%がより好ましい。含有量が0.01質量%以上になることで十分な凝集力を得やすくなる。また、含有量が4.0質量%以下になることで凝集力と応力緩和性を両立しやすくなるために好ましい。
[モノマー(a-4)]
モノマー(a-4)は、カルボキシ基を有するモノマーである。
カルボキシ基含有モノマーは、分子内にカルボキシ基を有するモノマーであれば制限されず、具体的には、(メタ)アクリル酸、アクリル酸p-カルボキシベンジル、アクリル酸β-カルボキシエチル、マレイン酸、モノエチルマレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸等が挙げられる。
モノマー(a-4)を含有することで、粘着剤の凝集力が向上し、強靭な粘着剤層が得られ、接着力を向上することができる。
これらのうち、(メタ)アクリル酸が凝集力および接着力の観点より好ましい。
モノマー(a-4)は、モノマー混合物100質量%、0.1~5.0質量%含まれることが好ましく、0.2~4.0質量%がより好ましい。含有量が0.1質量%以上になることで十分な凝集力を得やすくなる。また、含有量が5.0質量%以下になることで凝集力と応力緩和性を両立しやすくなるために好ましい。
[モノマー(a-5)]
モノマー(a-5)は、モノマー(a-1)~(a-4)以外のその他モノマーであり、本発明のアクリル系共重合体(A)は、モノマー(a-1)~(a-4)に加えて、さらにモノマー(a-5)を含んでもよい。
モノマー(a-5)は、モノマー(a-1)~(a-4)以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸モノマー、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸モノマー、アルキレンオキシ基を有するモノマー、N置換(メタ)アクリルアミドモノマー、その他ビニルモノマー等が挙げられる。
モノマー(a-1)~(a-4)以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ウンデシル等が挙げられる。
エポキシ基を有するモノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸6-メチル-3,4-エポキシシクロヘキシルメチル等が挙げられる。
アミノ基を有するモノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノエステル等が挙げられる。
アルキレンオキシ基を有するモノマーは、例えば、下記一般式(1)で示すモノマー、または一般式(2)で示すモノマーが挙げられる。
Figure 2023087968000002
Figure 2023087968000003
一般式(1)および一般式(2)中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基、n、mは、繰り返し単位を表す整数であり、1≦n≦25、1≦m≦25であり、1≦n≦13、1≦m≦5が好ましい。
一般式(1)で示すモノマーの市販品は、例えば、メトキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業社製:上記式(1)において、Rが水素原子、n=1)、メトキシジエチレングリコールアクリレート(大阪有機化学工業社製:上記式(1)において、Rが水素原子、n=2)、メトキシトリエチレングリコールアクリレート(大阪有機化学工業社製:上記式(1)において、Rが水素原子、n=3)、メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート(新中村化学工業社製:上記式(1)において、Rが水素原子、n=9)、メトキシポリエチレングリコール#600アクリレート(新中村化学工業社製:上記式(1)において、Rが水素原子、n=13)、メトキシポリエチレングリコール#1000アクリレート(新中村化学工業社製:上記式(1)において、Rが水素原子、n=23)、メトキシジエチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業社製:上記式(1)において、Rがメチル基、n=2)、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業社製:上記式(1)において、Rがメチル基、n=3)、メトキシテトラエチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業社製:上記式(1)において、Rがメチル基、n=4)、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート(新中村化学工業社製:上記式(1)において、Rが水素原子、n=9)、メトキシポリエチレングリコール#600メタクリレート(新中村化学工業社製:上記式(1)において、Rが水素原子、n=13)、メトキシポリエチレングリコール#1000メタクリレート(新中村化学工業社製:上記式(1)において、Rが水素原子、n=23)が挙げられる。
一般式(2)で示すモノマーの市販品は、例えば、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート(新中村化学工業社製:上記式(2)において、Rが水素原子、m=3)、メトキシトリプロピレングリコールメタクリレート(新中村化学工業社製:上記式(2)において、Rがメチル基、m=3)
N置換(メタ)アクリルアミドモノマーは、例えば、N-メチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N、N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N-(ブトキシメチル)アクリルアミド、などの(メタ)アクリルアミド系の化合物;
N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、などの複素環を含有する化合物等が挙げられる。
ビニルモノマーは、例えば酢酸ビニル、クロトン酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルな等が挙げられる。
モノマー(a-5)は、モノマー混合物100質量%、2~30質量%を含むことが好ましい。含有量が2質量%以上になると密着性がより向上する。また、含有量が30質量%以下になると凝集力と密着性を両立し易いために好ましい。
アクリル系共重合体(A)は、アクリル系共重合体(A)を構成するモノマー混合物100質量%中、(a-1)の質量%<(a-2)の質量%である。(a-1)の質量%<(a-2)の質量%であることで、粘着剤の応力緩和性が向上し、密着力を向上することができる。
アクリル系共重合体(A)は、アクリル系共重合体(A)を構成するモノマー混合物100質量%中の、(2)モノマー混合物100質量%中、(a-3)の質量%を(a-4)の質量%で除した値(a-3)/(a-4)が、0.01<(a-3)/(a-4)<6である。0.01<(a-3)/(a-4)<6であることで、粘着剤の凝集力が向上し、接着力を向上することができる。
アクリル系共重合体(A)は、アクリル系共重合体(A)を構成するモノマー混合物100質量%中、(a-1)および(a-2)の合計質量%>(a-3)および(a-4)の合計質量%である。(a-1)および(a-2)の合計質量%>(a-3)および(a-4)の合計質量%であることで、粘着剤の応力緩和性と凝集力が向上し、屈曲性を向上することができる。
[アクリル系共重合体(A)の製造]
共重合体(A)は、(a-1)~(a-4)を含むモノマー混合物を重合し、製造することができる。
重合は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合など公知の重合方法が可能であるが、溶液重合が好ましい。溶液重合で使用する溶媒は、例えば、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アニソール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどが好ましい。
重合温度は、60~120℃の沸点反応が好ましい。重合時間は、5~12時間程度が好ましい。
重合に使用する重合開始剤は、ラジカル重合開始剤が好ましい。ラジカル重合開始剤は、過酸化物およびアゾ化合物が一般的である。
過酸化物は、例えば、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3などのジアルキルパーオキサイド;
t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシアセテート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンなどのパーオキシエステル;シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド;
2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレート、などのパーオキシケタール;
クメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチルシクロヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;
ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;
ビス(t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
アゾ化合物は、例えば2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(略称:AIBN)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)などの2,2’-アゾビスブチロニトリル;
2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)などの2,2’-アゾビスバレロニトリル;
2,2’-アゾビス(2-ヒドロキシメチルプロピオニトリル)などの2,2’-アゾビスプロピオニトリル;
1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)などの1,1’-アゾビス-1-アルカンニトリル等が挙げられる。
重合開始剤は、前記モノマー混合物100質量部に対して、0.01~10質量部を使用することが好ましく、0.1~2質量部がより好ましい。
[質量平均分子量(Mw)]
共重合体(A)の質量平均分子量は、80万~180万が好ましく、100万~150万がより好ましい。80万~180万の範囲にあると凝集力がより向上し、耐湿熱性、耐熱性がより向上する。なお、質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定するポリスチレン換算の値である。詳細は実施例の欄に記載する。
<粘着付与樹脂(B)>
本発明の粘着剤は、粘着付与樹脂(B)を含む。本発明の粘着付与樹脂(B)は、分子内に少なくとも一つの脂環構造を有する飽和脂肪族炭化水素化合物である。粘着付与剤(B)は、粘着剤層を形成した際、高凝集ドメインを形成することで、高い凝集力と高い粘着力を発現する効果が得られる。また、分子内に少なくとも一つの脂環構造を有することで、アクリル系重合体(A)との相溶性が良好となり、高い透明性を得ることができ、また、高温高湿環境下に曝された場合においても透明性を維持できる。
粘着付与樹脂(B)は、具体的には、水添石油樹脂、水添テルペン樹脂等の水添炭化水素樹脂および、脂環族アクリル樹脂が挙げられる。脂環族アクリル樹脂とは、分子内に少なくとも一つの脂環構造を有するアクリル樹脂を指す。
水添石油樹脂は、例えば、C5系水添石油樹脂、C9系水添石油樹脂、C5/C9系水添石油樹脂、スチレン系水添石油樹脂が挙げられる。C5系水添石油樹脂は、石油ナフサから得られたC5留分を分離精製した脂肪族樹脂の不飽和二重結合に水素原子を付加したものである。また、C9系水添石油樹脂は、石油ナフサから得られたC9留分を分離精製した芳香族樹脂の不飽和二重結合に水素原子を付加したものである。また、C5/C9系水添石油樹脂は、C5留分とC9留分とを分離後混合、共重合した後精製した芳香脂肪族樹脂の不飽和二重結合に水素原子を付加したものである。スチレン系水添石油樹脂は、石油ナフサから得られたスチレン留分を分離精製、重合したスチレン樹脂の不飽和二重結合に水素原子を付加したものである。
水添テルペン樹脂は、例えば、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族テルペン樹脂等の総称であり、これら樹脂中の不飽和二重結合には、水素原子が付加されている。
C5系水添石油樹脂は、例えば、イーストタックC100、イーストタックC115W(イーストマンケミカル社製)等が挙げられる。C9系水添石油樹脂は、例えば、アルコンP-90、アルコンP-100、アルコンP-125、アルコンP-140、アルコンM-90、アルコンM-115、アルコンM-135(荒川化学社製)等が挙げられる。C5/C9系水添石油樹脂は、例えば、アイマーブS-100、アイマーブS-110、アイマーブP-100、アイマーブP-140(出光興産社製)等が挙げられる。スチレン系水添石油樹脂は、FTR6100、FTR6110、FTR6125、FTR7080、FTR7100、FTR7125(三井化学社製)等が挙げられる。水添テルペン樹脂は、例えば、クリアロンP-105、クリアロンP-125、クリアロンM-105、クリアロンP-115、YSポリスターTH130(ヤスハラケミカル社製)等が挙げられる。
これら水添炭化水素樹脂のうち、C5系水添石油樹脂としては、イーストタックC100、C9系水添石油樹脂としてアルコンM-90、スチレン系水添石油樹脂としてFTR6100が耐久性の観点で特に好ましい。
前記脂環族アクリル樹脂は、VS-1028、VS-1029、ATF-2242、ATF-2133(星光PMC株式会社製)などの商品名により市販されているもの、また、下記、実施例記載の(B-1~B-3)等が挙げられる。
これら脂環族アクリル樹脂のうち、VS-1028、ATF-2242、(B-1~B-3)が耐久性の観点で特に好ましい。
脂環族アクリル樹脂は、脂環式モノマーを含むモノマー混合物を重合し、製造することができる。アクリル系共重合体(A)の製造の欄に記載した重合方法、重合開始剤を用いることができる。
脂環式モノマーは、例えば、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸シクロドデシル、アクリル酸メチルシクロヘキシル、アクリル酸トリメチルシクロヘキシル等の脂環式構造を有するアクリル酸エステル;
メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸シクロドデシル、メタクリル酸メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリメチルシクロヘキシル等の脂環式構造を有するメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
これら脂環式モノマーのうち、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニルが基材密着性および、高温雰囲気下または高温高湿雰囲気下における耐久性の観点より好ましい。脂環式モノマーは、単独または2種類以上を併用できる。
脂環式モノマーは、前記モノマー混合物100重量%中、40~90重量%を含むことが好ましく、60~90重量%がより好ましい。含有量が5重量%以上になると基材密着性がより向上する。また、含有量が40重量%以下になると凝集力と応力緩和性を高いレベルで両立できる。
これら粘着付与樹脂(B)は、単独または2種類以上を併用できる。
粘着付与樹脂(B)は、共重合体(A)100質量部に対して2~50質量部含むことが好ましく、5~30質量部含むことがより好ましい。含有量が2質量部以上になると耐熱性、密着性がより向上し、50質量部以下になると粘着性能を維持できる。
<硬化剤(C)>
本発明の粘着剤は、硬化剤(C)を含む。硬化剤(C)は、共重合体(A)が有する水酸基および/または、カルボキシ基と反応することで、粘着剤層の凝集力が向上し、耐久性、耐汚染性が向上する。
硬化剤(C)としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、または金属キレート等が挙げられる。
これらのうち、硬化剤(C)として、イソシアネート化合物を使用することで、接着性および、耐久性が向上できるために好ましい。
イソシアネート化合物は、2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネートである。イソシアネート化合物は、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等のイソシアネートモノマー、ならびにこれらのビュレット体、ヌレート体、およびアダクト体が好ましい。
芳香族ポリイソシアネートは、例えば、1,3-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート、2,4,6-トリイソシアネートトルエン、1,3,5-トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”-トリフェニルメタントリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートは、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HMDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートは、例えば、ω,ω’-ジイソシアネート-1,3-ジメチルベンゼン、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジメチルベンゼン、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートは、例えば、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:IPDI、イソホロンジイソシアネート)、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
前記ビュレット体は、イソシアネートモノマーが自己縮合したビュレット結合を有する自己縮合物である。ビュレット体は、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体が挙げられる。
前記ヌレート体は、イソシアネートモノマーの3量体である。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体、イソホロンジイソシアネートの3量体、トリレンジイソシアネートの3量体などが挙げられる。
前記アダクト体は、イソシアネートモノマーと2官能以上の低分子活性水素含有化合物が反応した2官能以上のイソシアネート化合物である。アダクト体は、例えば、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとを反応させた化合物、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとを反応させた化合物、トリメチロールプロパンとキシリレンジイソシアネートとを反応させた化合物、トリメチロールプロパンとイソホロンジイソシアネートとを反応させた化合物、1,6-ヘキサンジオールとヘキサメチレンジイソシアネートとを反応させた化合物等が挙げられる。
イソシアネート化合物は、十分な架橋構造を形成する観点から、3官能のイソシアネート化合物が好ましい。イソシアネート化合物は、イソシアネートモノマーと3官能の低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体、及びヌレート体がより好ましい。イソシアネート化合物は、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのヌレート体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのヌレート体が好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体がより好ましい。
エポキシ化合物は、例えばグリセリンジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン、1、3-ビス(N、N’-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N',N'-テトラグリシジルアミノフェニルメタン等が挙げられる。
アジリジン化合物は、例えばN,N’-ジフェニルメタン-4,4'-ビス(1-アジリジンカルボキサイト)、トリス-2,4,6-(1-アジリジニル)-1、3、5-トリアジン、4,4’-ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等が挙げられる。
カルボジイミド化合物は、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネート化合物を脱炭酸縮合反応させることによって生成した高分子量ポリカルボジイミドが好ましい。前記高分子量ポリカルボジイミドの市販品は、日清紡績社のカルボジライトシリーズが好ましい。その中でもカルボジライトV-03、07、09は有機溶剤との相溶性に優れており好ましい。
金属キレートは、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロムおよびジルコニウムなどの多価金属と、アセチルアセトンまたはアセト酢酸エチルとの配位化合物が好ましい。金属キレートは、例えば、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレートが挙げられる。
硬化剤(C)は、共重合体(A)100質量部に対して0.02~4.0質量部含むことが好ましく、0.04~1.0質量部含むことがより好ましい。含有量が0.02質量部以上になると凝集力がより向上し、4.0質量部以下になると凝集力と柔軟性を両立しやすくなるために好ましい。
<有機シラン化合物>
本発明の粘着剤は、さらに有機シラン化合物を含有できる。
有機シラン化合物は、例えば、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどの(メタ)アクリロキシ基を有するアルコキシシラン化合物;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシランなどのビニル基を有するアルコキシシラン化合物;
3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリプロポキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するアルコキシシラン化合物;
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなどのメルカプト基を有するアルコキシシラン化合物;
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物;
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン化合物;
3-クロロプロピルトリメトキシシラン、n-ヘキシルトリメトキシシラン、n-ヘキシルトリエトキシシラン、n-デシルトリメトキシシラン、n-デシルトリエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチルブチリデン)プロピルアミン、1,3,5-トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、分子内にアルコキシシリル基を有するシリコーンレジンなどが挙げられる。
有機シラン化合物は、共重合体(A)100質量部に対して、0.01~2.0質量部を使用することが好ましく、0.05~1.0質量部がより好ましい。
本発明の粘着剤には、課題を解決できる範囲であれば、任意成分として各種樹脂、オイル、軟化剤、染料、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤及び帯電防止剤等を含有できる。
<貯蔵弾性率および、損失正接>
粘着剤の貯蔵弾性率および損失正接は、周波数1Hzの粘弾性測定により求められる。損失正接は、貯蔵弾性率と損失弾性率の比、損失弾性率/貯蔵弾性率である。貯蔵弾性率は、材料が変形する際に弾性エネルギーとして貯蔵される部分に相当し、硬さの程度を表す指標である。すなわち、貯蔵弾性率の値が高いほど、粘着剤は硬く、貯蔵弾性率の値が低いほど柔らかいことになる。測定方法の詳細は実施例の欄に記載する。
損失弾性率は、材料が変形する際に内部摩擦等により散逸される損失エネルギー部分に相当し、粘性の程度を表す。貯蔵弾性率と損失弾性率の比、損失弾性率/貯蔵弾性率で表される損失係数が大きいほど、粘性の傾向が強く、変形挙動が液体的となり、反発弾性エネルギーが小さくなる傾向がある。すなわち、損失正接が高いほど、粘着剤の応力緩和性が高く、貯蔵弾性率の値が低いほど、粘着剤の剛直性が高いことになる。
<貯蔵弾性率>
本発明のフレキシブルディスプレイ用粘着剤は、-20℃、1Hzでの貯蔵弾性率(以下、G’(-20)と略記することがある)が、1×10~1×10Paであり、2×10~9×10Paであることがより好ましい。G’(-20)が1×10Pa以上であると、低温環境下での剛直性が向上し、屈曲性および巻き取り性が向上する。G’(-20)が1×10Pa以下であると、密着性が向上し、屈曲性および巻き取り性が向上する。
本発明のフレキシブルディスプレイ用粘着剤は、25℃、1Hzでの貯蔵弾性率(以下、G’(25)と略記することがある)が、4×10~1×10Paであり、4×10~8×10Paであることがより好ましい。G’(25)が4×10Pa以上であると、加工性が向上する。また、G’(25)が1×10Pa以下であると、接着力が向上する。
本発明のフレキシブルディスプレイ用粘着剤は、60℃、1Hzでの貯蔵弾性率(以下、G’(60)と略記することがある)が、1×10~4×10Paであり、2×10~4×10Paであることが好ましい。G’(60)が1×10Pa以上であると、高温環境下での剛直性が向上し、屈曲性および巻き取り性が向上する。また、G’(60)が4×10Pa以下であると、高温環境下での柔軟性が向上し、屈曲性および巻き取り性が向上する。
<損失正接>
本発明のフレキシブルディスプレイ用粘着剤は、-20℃、1Hzでの損失正接(以下、tanδ(-20)と略記することがある)が、1.0~3.0であり、1.0~2.5であることがより好ましい。一般にポリマー材料は、屈曲、巻き取り等の物理変形を加えらと、摩耗して破損する。本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、tanδ(-20)は、物理変形における粘着剤の塗膜強度と相関があることを見出した。すなわち、tanδ(-20)が1.0以上であると、物理変形を加えられた際の、応力緩和性が向上し、屈曲性および巻き取り性が向上する。tanδ(-20)が3.0以下であると、物理変形を加えられた際の、剛直性が向上し、屈曲性および巻き取り性が向上する。
本発明のフレキシブルディスプレイ用粘着剤は、60℃、1Hzでの損失正接(以下、tanδ(60)と略記することがある)が、0.2~1.0であり、0.2~0.6であることがより好ましい。tanδ(60)が0.2以上であると、低温環境下での応力緩和性が向上し、屈曲性および巻き取り性が向上する。tanδ(60)が1.0以下であると、低温環境下での剛直性が向上し、屈曲性および巻き取り性が向上する。
本発明のフレキシブルディスプレイ用粘着剤は、特定範囲の貯蔵弾性率および、損失正接を有することで、フォルダブルディスプレイに必要な屈曲性と、ローラブルディスプレイに必要な巻き取り性を発現する。
<ゲル分率>
本発明のフレキシブルディスプレイ用粘着剤は、ゲル分率が60~90質量%であることが好ましく、60~80質量%がより好ましい。ゲル分率が60質量%以上であると、粘着剤の凝集力が向上し、強靭な粘着剤層が得られ、耐久性が向上し、90%質量以下であると、粘着剤の応力緩和性が向上し、柔軟な粘着剤層が得られ、密着力が向上する。
[ゲル分率測定方法]
ゲル分率は、酢酸エチル等の溶媒に対する不溶分として求めることができる。具体的には、下記、式1によって表される様、粘着剤層を酢酸エチル中に50℃で1日間浸漬した後の不溶成分の、浸漬前の粘着剤層に対する質量分率(単位:質量%)として求められる。
(式1)
ゲル分率(質量%)=(Y/X)×100
X=浸漬前の粘着剤層の質量(g)
Y=浸漬後の粘着剤層の質量(g)
一般に、ポリマーのゲル分率は架橋度に等しく、ポリマー中の架橋された部分が多いほど、ゲル分率が大きくなる。ゲル分率(架橋構造の導入量) は、架橋構造の導入方法や、硬化剤の種類および量等により所望の範囲に調整できる。
「粘着シート」
本発明の粘着シートは、支持フィルム、粘着剤層、金属プレート、粘着剤層および支持フィルムをこの順に備える積層体(バックプレート)における、前記粘着剤層を形成するために用いられる。すなわち本発明の粘着シートは、支持フィルムおよび金属プレートを接合するために用いられる。
図1に、本発明の粘着シート(バックプレート構成用)を部分的に示す概略断面図の例を示す。図1において1は粘着剤層1または粘着剤層2、2は剥離フィルム、3は支持フィルムである。本発明の粘着剤は粘着剤層1または2に用いることができ、それぞれ同じ粘着剤を用いても、異なる粘着剤を用いてもよい。
本発明の粘着シート(バックプレート構成用)は、図1で示すように、粘着剤層の片面に剥離フィルムが形成され、剥離フィルムが形成された他方の面に支持フィルムが形成された構成を有しており、且つ剥離フィルムおよび支持フィルムの間に形成されている粘着剤層が、本発明の粘着剤により形成された粘着剤層である。
また、本発明の粘着シートは、前記バックプレートを有機EL層に固定するための粘着剤層としても使用できる。
図2に、本発明の粘着シート(バックプレート固定用)を部分的に示す概略断面図の例を示す。図2において4は粘着剤層3、2は剥離フィルムである。
本発明の粘着シート(バックプレート固定用)は、図2で示すように、粘着剤層の両面に剥離フィルムが形成された構成を有しており、且つ剥離フィルムの間に形成されている粘着剤層が、本発明の粘着剤により形成された粘着剤層である。
<剥離フィルム>
剥離フィルムとしては、特に制限されないが、透明プラスチック基材を好適に用いることができる。透明プラスチック基材の素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリシクロオレフィン等のプラスチック材料などが挙げられる。なお、プラスチック材料は単独で又は2 種以上組み合わせて使用することができる。
剥離フィルムとしては、前述のような透明プラスチック基材のなかでも、耐熱性が優れた透明プラスチック基材、すなわち、高温、高温高湿などの苛酷な条件下において、変形が抑制または防止されている透明プラスチック基材を好適に用いることができる。透明プラスチック基材としては、特に、PETフィルム又はシートが好適である。
透明プラスチック基材の厚さは、特に限定されず、例えば、10~200μmが好ましく、25~150μmがより好ましい。
なお、剥離フィルムは単層および複層のいずれの形態を有していてもよい。また、透明基材表面には、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理等の物理的処理、下塗り処理等の化学的処理などの適宜な表面処理が施されていてもよい。
<支持フィルム>
支持フィルムとしては、特に制限されないが、プラスチック基材を好適に用いることができる。プラスチック基材の素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン、ポリイミド等のプラスチック材料などが挙げられる。なお、プラスチック材料は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前述のようなプラスチック基材のなかでも、耐熱性が優れたプラスチック基材、すなわち、高温、高温高湿などの苛酷な条件下において、変形が抑制または防止されているプラスチック基材を好適に用いることができる。支持フィルムとしては、特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリシクロオレフィン、ポリイミドが好適である。
支持フィルムの厚さは、特に限定されず、例えば、10~200μmが好ましく、200~100μmがより好ましい。
<粘着シートの製造>
本発明の粘着シートは、通常の粘着シートの製造方法に従って製造することができる。例えば、剥離フィルムの剥離処理面に、本発明の粘着剤(以下、単に「粘着剤」と記述する場合がある。)を、乾燥後の厚さが所定の厚さとなるように直接塗工して粘着剤層を形成し、支持フィルムまたは、剥離フィルムを貼付する方法や、支持フィルムに、粘着剤を乾燥後の厚さが所定の厚さとなるように塗工して、剥離フィルムの剥離処理面を貼付する方法等により作製することができる。
粘着剤層の厚みとしては、特に制限されず、例えば、10~200μmが好ましく、15~100μmがより好ましい。粘着剤層の厚みが10~200μmであると、十分な凝集力が得やすく、耐熱性、耐湿熱性、屈曲性および巻き取り性を高度に両立できるために好ましい。
なお、粘着剤の塗工に際しては、慣用のコーター、例えば、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、またはスプレーコーターなどを用いることができる。
前記粘着シートとしては、適宜の幅に裁断し、ロール状に巻回することにより、ロール状に巻回した粘着テープの形態を有していてもよい。
「積層体」
本発明の積層体(バックプレート)は、支持フィルム、粘着剤層、金属プレート、粘着剤層および支持フィルムをこの順に備え、前記粘着剤層は、本発明の粘着シートを用いて形成されてなる。
本発明の積層体は、透明性、耐熱性、耐湿熱性、屈曲性および巻き取り性に優れた粘着シートにより形成されるため、透明性、耐熱性、耐湿熱性、屈曲性および巻き取り性に優れる。
図3に、本発明の粘着剤の使用例である、積層体(バックプレート)を部分的に示す概略断面図の例を示す。図3において3は支持フィルム、1は粘着剤層1、5は金属プレート、1は粘着剤層2、3は支持フィルムである。
図3で示される積層体では、支持フィルムが、本発明の粘着剤からなる粘着剤層を介して、金属プレートの両面に貼付されている。このように、本発明の粘着シートは、前記粘着剤から形成された粘着剤層が、支持フィルムおよび金属プレートに貼付される形態で用いることができる。
金属プレートとしては、特に制限されないが、金属基材を好適に用いることができる。金属基材の素材としては、例えば、銅、鉄、鉛、白金、アルミニウムなどの純金属、ステンレス等の合金金属材料などが挙げられる。
金属プレートとしては、前述のような金属基材のなかでも、耐久性が優れた金属基材、すなわち、高温、高温高湿などの苛酷な条件下において、変形が抑制または防止されている金属基材を好適に用いることができる。金属基材としては、特に、銅、ステンレスが好適である。
《ディスプレイ》
ディスプレイは、本発明の積層体、および光学素子を備える。光学素子としては、特に限定されず、例えば、液晶素子、有機EL素子等が挙げられる。
本発明のディスプレイは、透明性、耐熱性、耐湿熱性、屈曲性および巻き取り性に優れた積層体を有するため、透明性、耐熱性、耐湿熱性、屈曲性および巻き取り性に優れる。
図4に、本発明の粘着シートの使用例である、ディスプレイを部分的に示す概略断面図の例を示す。図4において、6は有機ELモジュール、4は粘着剤層3、3は支持フィルム、1は粘着剤層1、5は金属プレート、1は粘着剤層2、3は支持フィルム、7は支持体、8はバックプレートである。なお、ディスプレイの構成が図4に限定されることはない。
図4で示されるディスプレイでは、支持フィルムが、本発明の粘着剤からなる粘着剤層(粘着剤層1および2)を介して、金属プレートの両面に貼付され、さらに本発明の粘着剤からなる粘着剤層(粘着剤層3)を介して有機ELモジュールに貼付されている。このように、本発明の粘着シートは、前記粘着剤から形成された粘着剤層が、支持フィルムおよび金属プレートに貼付されてなる積層体が、さらに前記粘着剤から形成された粘着剤層を介して積層体が有機ELモジュールに貼付される形態で用いることができる。
例えば、図4において、本発明の粘着剤は、粘着剤層1、粘着剤層2および粘着剤層3のいずれにも用いることができる。
一般に、粘着剤層1、粘着剤層2および、粘着剤層3を比較した場合、粘着剤層に要求される要求品質は粘着剤層1および、粘着剤層2の方が要求は高く、本発明の粘着剤は、基材への密着性および、接着性が良好であることから、粘着剤層1および、粘着剤層2に用いられることが好ましい。このとき、粘着剤層3を形成するための粘着剤は、本発明の粘着剤を用いてもよく、従来公知の粘着剤を用いてもよい。
ディスプレイの使用用途としては、特に制限はないが、有機ELテレビをはじめ、有機ELスマートフォン、有機ELタブレット、有機ELスマートウォッチ等が挙げられる。
次に、実施例を示して更に詳細を説明するが、本発明は、これらによって限定されるものではない。例中、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示し、「RH」は相対湿度を意味する。また、表中の配合量は、質量部である。尚、表中の空欄は配合していないことを表す。
なお、共重合体の質量平均分子量の測定方法は、下記に示す通りである。
<共重合体の質量平均分子量の測定>
質量平均分子量(Mw)の測定は、島津製作所社製GPC「LC-GPCシステム」を用い、質量平均分子量(Mw)の決定は、分子量既知のポリスチレンを標準物質とした換算で行うことができる。
装置名:島津製作所社製、LC-GPCシステム「Prominence」
カラム:東ソー社製GMHXL 4本、東ソー社製HXL-H 1本を連結した。
移動相溶媒 : テトラヒドロフラン
流量 : 1.0ml/分
カラム温度 : 40℃
<アクリル系共重合体の製造例>
(アクリル系共重合体(A-1))
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と記述する。)に、モノマー(a-1)として、アクリル酸ブチル(BA)20部、モノマー(a-2)として、アクリル酸2-エチルヘキシル(EHA)78.98部、モノマー(a-3)として、アクリル酸2-ヒドロキシエチル0.02部、モノマー(a-4)として、アクリル酸1部、開始剤として、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(以下、単に「AIBN」と記述する。)0.2部を仕込み、この反応容器内の雰囲気を窒素ガスで置換した。その後、窒素雰囲気下で撹拌しながら、50℃まで加熱し反応を開始した。その後、反応溶液を50℃で4時間反応させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈して不揮発分30%、粘度8000mPa・sの共重合体(A-1)溶液を得た。得られた共重合体(A-1)の質量平均分子量は100万であった。
(アクリル系共重合体(A-2~A-15、A’-1~A’-8)
表1、2記載の組成および配合量(質量部)に変更した以外は、アクリル系共重合体(A-1)の製造と同様の方法で共重合体(A-2~A-15、A’-1~A’-8)を製造した。
得られた共重合体(A-1~A-15、A’-1~A’-8)の質量平均分子量(Mw)を表1、2に示す。
<脂環族アクリル樹脂(粘着付与樹脂)の製造例>
(脂環族アクリル樹脂(B-1))
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と記述する。)にアクリル酸ブチル20部、アクリル酸シクロヘキシル80部、アクリル酸、トルエン100部、チオグリセロール5部、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNという)0.5部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。その後、窒素雰囲気下で撹拌しながら、110℃まで加熱し反応を開始した。その後、反応溶液を還流温度で7時間反応させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈して不揮発分50%、粘度1000mPa・sの脂環族アクリル樹脂(B-1)溶液を得た。得られた脂環族アクリル樹脂(B-1)の質量平均分子量は20,000であった。
(脂環族アクリル樹脂(B-2、B-3)およびアクリル樹脂(B’-1))
表3記載の組成および配合量(質量部)に変更した以外は、脂環族アクリル樹脂(B-1)の製造と同様の方法で脂環族アクリル樹脂(B-2、B-3)およびアクリル樹脂(B’-1)を製造した。
得られた脂環族アクリル樹脂(B-1~B-3)およびアクリル樹脂(B’-1)の質量平均分子量(Mw)を表3に示す。
Figure 2023087968000004

Figure 2023087968000005

Figure 2023087968000006
表中の略号は以下の通りである。
(モノマー(a-1))
BA:アクリル酸ブチル(アルキル基の炭素数4)
MA:アクリル酸メチル(アルキル基の炭素数1)
(モノマー(a-2))
EHA:アクリル酸2-エチルヘキシル(アルキル基の炭素数8)
DOA:アクリル酸ドデシル(アルキル基の炭素数12)
(モノマー(a-3))
HEA:アクリル酸2-ヒドロキシエチル
HBA:アクリル酸4-ヒドロキシブチル
(モノマー(a-4))
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
(モノマー(a-5))
MEA:アクリル酸2-メトキシエチル(一般式(1)において、Rが水素原子、n=1のモノマー)
NVP:N-ビニルピロリドン
(脂環式モノマー)
CHA:アクリル酸シクロヘキシル
IBXA:アクリル酸イソボロニル
(実施例1)
<粘着剤の調製>
アクリル系共重合体(A-1)不揮発分100部に対して、粘着付与樹脂(B)として、アクリル系化合物(B-1)5部、硬化剤(C)として、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト体(C-1)0.5部、有機シラン化合物として3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(S-1)0.1部、さらに不揮発分が20%となるように酢酸エチルを配合し撹拌して粘着剤を得た。
<粘着シートの製造>(粘着シート図1の製造)
得られた粘着剤を、厚み50μmの剥離フィルム(ポリエチレンテレフタレート(PET)、「E7004」、シリコーン系剥離層、東洋紡社製)上に、乾燥後の厚さが20μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥することで粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層に、厚み38μmの支持フィルム(ポリエチレンテレフタレート、「ルミラーT-60」、東レ社製)の片面を貼り合せ、「剥離フィルム/粘着剤層/支持フィルム」の積層体を作製した。次いで、得られた積層体を温度25℃、55%RHの条件で1週間熟成させて、粘着シート[1]を得た。
<粘着シートの製造>(粘着シート図2の製造)
得られた粘着剤を、厚み50μmの剥離フィルム(ポリエチレンテレフタレート(PET)、「E7004」、シリコーン系剥離層、東洋紡社製)上に、乾燥後の厚さが50μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥することで粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層に、厚み38μmの剥離フィルム(ポリエチレンテレフタレート、「SP-PET3811」、シリコーン系剥離層、リンテック社製)の片面を貼り合せ、「剥離フィルム/粘着剤層/剥離フィルム」の積層体を作製した。次いで、得られた積層体を温度25℃、55%RHの条件で1週間熟成させて、粘着シート[2]を得た。
(実施例2~21、比較例1~18)
表4に示す通り、共重合体、粘着付与樹脂および、硬化剤の種類と配合量(質量部)を変更した以外は実施例1と同様にして、粘着シート[1][2]を得た。
《粘着シートの物性測定および評価》
得られた粘着シートを用いて、ゲル分率、貯蔵弾性率、損失正接を評価した。結果を表4に示す。また、以下の透明性、耐熱性、耐湿熱性、動的耐屈曲性、静的屈曲性、巻き取り性を評価した。結果を表5に示す。
<ゲル分率>
得られた粘着シート[2]を、幅25mm×長さ100mmのサイズに切り出した。切り出した粘着シートの一方の剥離フィルムを剥がし、あらかじめ質量を測定しておいた、幅50mm×長さ120mmの200メッシュに貼着した。次いで、他方の剥離フィルムを剥がし、粘着剤が露出しないよう、メッシュを粘着剤が内側になるよう折りたたんだ。メッシュで包まれた粘着剤を、約50mLの酢酸エチル中に、23℃で7日間浸漬し、粘着剤のゾル成分をメッシュ外へ溶出させた。浸漬後、メッシュで包まれた粘着剤を取出し、100℃で1時間乾燥させ、約20分間放冷した後、乾燥質量を測定した。粘着剤のゲル分率は、次式により算出した。
(式1)
ゲル分率(質量%)=(Y/X)×100
X=浸漬前の粘着剤層の質量(g)
Y=浸漬後の粘着剤層の質量(g)
<貯蔵弾性率・損失弾性率・損失正接>
乾燥させた粘着剤を積層して厚み約1.0mmとしたものを測定用サンプルとした。
TA Insturument-Waters LL.C.社製「Discovery HR-2(DHR-2)」を用いて、以下の条件により、粘弾性測定を行うことにより、測定結果から、-20℃、25℃、60℃における貯蔵弾性率および、損失正接を読み取った。
(測定条件)
変形モード:ねじり
測定周波数:1Hz
昇温速度:10℃/分
治具形状:パラレルプレート 8.0mmφ
Figure 2023087968000007
表中の略号は以下の通りである。
<粘着付与樹脂>
B-1 : 脂環族アクリル樹脂(合成例B-1の化合物)
B-2 : 脂環族アクリル樹脂(合成例B-2の化合物)
B-3 : 脂環族アクリル樹脂(合成例B-3の化合物)
B-4 : 脂環族アクリル樹脂(VS-1028、星光PMC株式会社製)
B-5 : 脂環族アクリル樹脂(ATF-2242、星光PMC株式会社製)
B-6 : C5系水添石油樹脂(イーストタックC100、イーストマンケミカル社製)
B-7 : C9系水添石油樹脂(アルコンM90、荒川化学工業社製)
B-8 : スチレン系水添石油樹脂(FTR6100、三井化学社製)
B’-1 : アクリル系化合物(合成例B’-1の化合物)
B’-2 : ロジン系化合物(パインクリスタルKE-359、荒川化学工業社製)
B’-3 : スチレン系化合物(アラスター700、荒川化学工業社製)
B’-4 : テルペン系化合物(タマノル901、荒川化学工業社製)
<硬化剤>
C-1 : トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
C-4 : ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
C-3 : キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
C-4 : N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン
C-5 : 4,4’-ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン
<有機シラン化合物>
S-1 : 3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
<透明性>
粘着シート[1]を幅112mm×長さ200mm(9インチ型ディスプレイに相当)のサイズに切り出してPETフィルム/粘着剤層/剥離フィルムからなる試験用粘着シート1を作製した。
この試験用粘着シート1から剥離フィルムを剥がし、露出した粘着剤層を25℃、50%RH雰囲気で無アルカリガラス板(EN-A1:旭硝子社製)にラミネーターを用いて貼着し、HAZEを測定した。なお、HAZEは日本電色工業社製Turbidimeter NDH5000Wを用いて測定した。評価基準は以下の通りである。
[評価基準]
○:HAZEが1.0未満(良好)。
×:HAZEが1.0以上(不良)。
<耐熱性・耐湿熱性>
別途作成した、試験用粘着シート1から剥離フィルムを剥がし、露出した粘着剤層を25℃、50%RH雰囲気で無アルカリガラス板(EN-A1:旭硝子社製)にラミネーターを用いて貼着し、PETフィルム/粘着剤層/無アルカリガラスからなる試験用積層体を得た。次いで、耐熱性試験として105℃の条件下に500時間放置し、25℃、50%RH雰囲気にて冷却した後、気泡の発生および試験用積層体の浮きや剥がれを以下の条件で目視評価した。又、耐湿熱性の評価として、上記試験用積層体を60℃、95%RH雰囲気で500時間放置し、25℃、50%RH雰囲気にて冷却した後、気泡の発生および粘着シートの浮きや剥がれを以下の条件で目視評価した。耐熱性、耐湿熱性について、下記の3段階の評価基準に基づいて評価を行った。
[評価基準]
◎:気泡の発生、浮き・ハガレが全く認められず、実用上全く問題がない。
○:気泡の発生、浮き・ハガレが5カ所未満認められるが、実用上問題がない。
×:気泡の発生、浮き・ハガレが5カ所以上認められ、実用上問題がある。
<動的耐屈曲性:耐屈曲性[1]、[2]、[3]>
別途作成した、試験用粘着シート1から剥離フィルムを剥がし、露出した粘着剤層を25℃、50%RH雰囲気で金属プレートとして、アルミプレート(幅120mm×長さ220mm×厚み0.5mm)の両側にラミネーターを用いて貼着し、PETフィルム/粘着剤層/アルミプレート/粘着剤/PETフィルムからなる試験用積層体を得た。次いで試験用積層体を、常態試験として25℃、50%RH雰囲気にて耐屈曲性[1]、耐熱試験として85℃雰囲気下にて耐屈曲性[2]、また、耐湿熱試験として60℃、95%RH雰囲気下にて耐屈曲性[3]、それぞれ折り曲げ試験機(ユアサシステム機器社製)にて折り曲げた時の内径(直径)が6mmになるように条件設定し、折り曲げと180°開放とを1サイクルとして30万サイクル繰り返し行った。動的屈曲性は、試験後の外観を下記観点で評価した。
外観:試験用積層体の気泡の有無および粘着剤層の浮きや剥がれの有無を以下の条件で目視評価した。
[評価基準]
◎:気泡の発生、浮き・ハガレが全く認められず、実用上全く問題がない。
○:気泡の発生、浮き・ハガレが5カ所未満認められるが、実用上問題がない。
×:気泡の発生、浮き・ハガレが5カ所以上認められ、実用上問題がある。
<静的耐屈曲性:耐屈曲性[1]、[2]、[3]>
別途作成した、試験用粘着シート1から剥離フィルムを剥がし、露出した粘着剤層を25℃、50%RH雰囲気で金属プレートとして、アルミプレート(幅120mm×長さ220mm×厚み0.5mm)の両側にラミネーターを用いて貼着し、PETフィルム/粘着剤層/アルミプレート/粘着剤/PETフィルムからなる試験用積層体を得た。次いで試験用積層体を、常態試験として25℃、50%RH雰囲気にて耐屈曲性[1]、耐熱試験として85℃雰囲気下にて耐屈曲性[2]、また、耐湿熱試験として60℃、95%RH雰囲気下にて耐屈曲性[3]、それぞれ面状体無負荷U字伸縮試験機により、試験片の偏光板側の面を内側として、曲げ半径3mm、曲げ角度180°の屈曲状態で保持して、240時間保持した。静的屈曲性は、試験後の外観を下記観点で評価した。
外観:試験用積層体の気泡の有無および粘着剤層の浮きや剥がれの有無を以下の条件で目視評価した。
[評価基準]
◎:気泡の発生、浮き・ハガレが全く認められず、実用上全く問題がない。
○:気泡の発生、浮き・ハガレが5カ所未満認められるが、実用上問題がない。
×:気泡の発生、浮き・ハガレが5カ所以上認められ、実用上問題がある。
<巻き取り性>
別途作成した、試験用粘着シート1から剥離フィルムを剥がし、露出した粘着剤層を25℃、50%RH雰囲気で金属プレートとして、アルミプレート(幅120mm×長さ220mm×厚み0.5mm)の両側にラミネーターを用いて貼着し、PETフィルム/粘着剤層/アルミプレート/粘着剤/PETフィルムからなる試験用積層体を得た。次いで、試験用積層体を半径3mmの金属棒に、試験片のPET側の面を内側として、長辺方向に巻き取り、ロール状にした後、タコ糸で3カ所結んで固定した。巻き取り試験として、ロール状の試験用積層体を25℃、50%RH雰囲気に240時間保持した。静的屈曲性は、試験後の外観を下記観点で評価した。
外観:試験用積層体の気泡の有無および粘着剤層の浮きや剥がれの有無を以下の条件で目視評価した。
[評価基準]
◎:気泡の発生、浮き・ハガレが全く認められず、実用上全く問題がない。
○:気泡の発生、浮き・ハガレが5カ所未満認められるが、実用上問題がない。
×:気泡の発生、浮き・ハガレが5カ所以上認められ、実用上問題がある。
Figure 2023087968000008
表5中の、層構成および試験条件の略号は下記の通りである。
試験用粘着シートおよび、試験用積層体の層構成
[A];PETフィルム/粘着剤層/ガラス
[B];PETフィルム/粘着剤層/金属プレート/粘着剤層/PETフィルム
試験条件
耐屈曲性[1];25℃、相対湿度50%雰囲気
耐屈曲性[2];85℃雰囲気
耐屈曲性[3];60℃、相対湿度95%雰囲気
表4、5の結果から実施例1~21の粘着シートは、透明性に加えて、耐熱性および耐湿熱性と、屈曲性および巻き取り性のすべてが良好であることが確認できた。これにより、本発明の粘着シートを使用した積層体および、ディスプレイは、透明性、耐熱性、耐湿熱性、および屈曲性に優れている。さらには、本発明のディスプレイは、視認性、コントラストも優れていた。
一方、比較例1~18の粘着シートは、前記特性の全てを満たすことはできなかった。
1 粘着剤層1または粘着剤層2
2 剥離フィルム
3 支持フィルム
4 粘着剤層3
5 金属プレート
6 有機ELモジュール
7 支持体
8 バックプレート

Claims (7)

  1. アクリル系共重合体(A)、粘着付与樹脂(B)および硬化剤(C)を含み、
    アクリル系共重合体(A)は、下記モノマー(a-1)~(a-4)の全てを含むモノマー混合物の共重合体であり、
    粘着付与樹脂(B)は、分子内に少なくとも一つの脂環構造を有する飽和脂肪族炭化水素化合物であり、かつ、
    下記、(1)~(8)の全てを満たすことを特徴とする粘着剤。

    (a-1)アルキル基の炭素数が1~4の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー
    (a-2)アルキル基の炭素数が6~12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー
    (a-3)水酸基を有するモノマー
    (a-4)カルボキシ基を有するモノマー

    (1)モノマー混合物100質量%中、(a-1)の質量%<(a-2)の質量%
    (2)モノマー混合物100質量%中、(a-3)の質量%を(a-4)の質量%で除した値(a-3)/(a-4)が、0.01<(a-3)/(a-4)<6
    (3)モノマー混合物100質量%中、(a-1)および(a-2)の合計質量%>(a-3)および(a-4)の合計質量%
    (4)粘着剤の-20℃、1Hzでの貯蔵弾性率が、1×10~1×10Pa
    (5)粘着剤の25℃、1Hzでの貯蔵弾性率が、4×10~1×10Pa
    (6)粘着剤の60℃、1Hzでの貯蔵弾性率が、1×10~4×10Pa
    (7)粘着剤の-20℃、1Hzでの損失係数が、1.0~3.0
    (8)粘着剤の60℃、1Hzでの損失係数が、0.2~1.0
  2. 前記アクリル系共重合体(A)100質量部に対し、粘着付与樹脂(B)を2~50質量部含むことを特徴とする、請求項1記載の粘着剤。
  3. ゲル分率が60~90質量%であることを特徴とする、請求項1または2記載の粘着剤。
  4. 硬化剤(C)がイソシアネート系化合物であることを特徴とする、請求項1~3いずれか1項記載の粘着剤。
  5. 請求項1~4いずれか1項記載の粘着剤の硬化物である粘着剤層、支持フィルムをこの順に備えた粘着シート。
  6. 支持フィルム、粘着剤層、金属プレート、粘着剤層および支持フィルムをこの順に備え、前記粘着剤層は、請求項1~4いずれか1項記載の粘着剤の硬化物である積層体。
  7. 請求項6記載の積層体、および光学素子を備える、フレキシブルディスプレイ。
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