JP7331673B2 - 粘着剤組成物、および粘着シート - Google Patents
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Description
近年、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の画像表示装置とタッチパネルを組み合わせて用いるスマートデバイス、カーナビゲーション等の表示デバイスが普及してきている。これら表示デバイスには、偏光板、位相差板、反射防止フィルム、ハードコートフィルム、透明導電性フィルム等の光学部材が使用されており、製造時や搬送時には、光学部材の傷つきを防止するために、工程保護用として表面保護シートが貼付される。
即ち、本発明に係る粘着シートは、アクリル系共重合体(A)と硬化剤(B)とを含み、
前記アクリル系共重合体(A)は、下記(a-1)~(a-4)を含むモノマー混合物の共重合体であり、かつ前記モノマー混合物100質量%中に(a-3)を10質量%以上30質量%未満、および(a-4)を5質量%以上20質量%未満含み、前記硬化剤(B)の含有量は、アクリル系共重合体(A)100質量部に対し、0.1質量部以上10質量部以下である、粘着剤組成物であることを特徴とする。
(a-1)炭素数4~8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(a-2)水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(a-3)脂環構造を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(a-4)N置換(メタ)アクリルアミド
これにより、本発明の粘着シートを用いた表面保護シートは、工程保護用と製品保護用に貼り替えなく、用いることができるため、表面保護シートの貼り替えによる表示デバイスの損傷、欠陥による品質低下を防止することができる。
本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に一種単独でも二種以上を併用してもよい。
本発明の粘着剤組成物は、アクリル系共重合体(A)と硬化剤(B)とを含み、
前記アクリル系共重合体(A)は、下記(a-1)~(a-4)を含むモノマー混合物の共重合体であり、かつ前記モノマー混合物100質量%中に(a-3)を10質量%以上30質量%未満、および(a-4)を5質量%以上20質量%未満含み、前記硬化剤(B)の含有量は、アクリル系共重合体(A)100質量部に対し、0.1質量部以上10質量部以下である、粘着剤組成物である。
(a-1)炭素数4~8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(a-2)水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(a-3)脂環構造を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(a-4)N置換(メタ)アクリルアミド
本明細書におけるアクリル系共重合体(A)(以下、「共重合体(A)」という)は、(a-1)~(a-4)を含むモノマー混合物の共重合体であり、かつ前記モノマー混合物100質量%中に(a-3)を10質量%以上30質量%未満、および(a-4)を5質量%以上20質量%未満含む。
これにより、粘着層に硬さと柔らかさの両立というトレードオフの性質が得られるため、再剥離性と密着性および、耐久性とを両立することができる。
(a-1)は、炭素数4~8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。共重合体(A)は、(a-1)炭素数4~8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有することで、粘着層に十分なぬれ性と凝集性を付与することができ、基材への密着性を向上することができる。アルキル基の炭素数が4未満であると粘着層の柔軟性が低下し、基材密着性が低下する。また、炭素数が8を超えると、粘着層の剛直性が低下し、耐久性が低下する。
これらは、単独または2種以上を併用できる。
中でも柔軟性と凝集性を両立できる面で、(メタ)アクリル酸ブチル、または(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルが好ましい。
(a-2)は、水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。共重合体(A)は、(a-2)水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有することで、硬化剤(B)との架橋反応によりポリマーネットワークを形成する。これにより粘着層と基材との密着性が向上することに加え、再剥離性、耐汚染性、耐久性が向上する。
これらは、単独または2種以上を併用できる。
中でも耐久性をより向上できる面で、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、または(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチルがより好ましい。
(a-3)は、脂環構造を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。共重合体(A)は、(a-3)脂環構造を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有することで、粘着層に十分な弾性を付与することができ、耐熱性が向上する。また、粘着層の極性を低下させるため、低極性被着体への密着性が向上する。
これらは、単独または2種以上を併用できる。
中でも、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、または(メタ)アクリル酸イソボルニルが、高温雰囲気下における耐久性および、低極性被着体への密着性の観点より好ましい。
(a-4)は、N置換(メタ)アクリルアミドである。共重合体(A)が(a-4)N置換(メタ)アクリルアミドを含有することで、粘着層に十分な弾性を付与することができ、耐湿熱性に優れる。また、粘着層の極性を上昇させるため、高極性被着体への密着性に優れる。
N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、などの複素環を含有する化合物等が挙げられる。
これらは、単独または2種以上を併用できる。
中でも、ジアセトンアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリンが高温高湿雰囲気下における耐久性および、高極性被着体への密着性の観点より好ましい。
共重合体(A)は、(a-1)炭素数4~8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(a-2)水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(a-3)脂環構造を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(a-4)N置換(メタ)アクリルアミド以外に、その他モノマーを使用できる。その他モノマーは、(a-1)炭素数4~8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、アルキレンオキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、またはビニルモノマー等が挙げられる。
その他モノマーは、単独または2種類以上を併用できる。
共重合体(A)は、モノマー混合物を重合することで合成できる。重合は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合など公知の重合方法が可能であるが、溶液重合が好ましい。溶液重合で使用する溶媒は、例えば、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アニソール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどが好ましい。
重合温度は、60~120℃の沸点反応が好ましい。重合時間は、5~12時間程度が好ましい。
過酸化物は、例えば、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3などのジアルキルパーオキサイド;
t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシアセテート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンなどのパーオキシエステル;シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド;
2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレート、などのパーオキシケタール;
クメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチルシクロヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;
ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;
ビス(t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)などの2,2’-アゾビスバレロニトリル;
2,2’-アゾビス(2-ヒドロキシメチルプロピオニトリル)などの2,2’-アゾビスプロピオニトリル;
1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)などの1,1’-アゾビス-1-アルカンニトリル等が挙げられる。
硬化剤(B)は、共重合体(A)の水酸基と反応する。
本発明の粘着剤組成物は、硬化剤(B)の含有量が、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して0.1~10質量部含むことが好ましく、0.5~8質量部含むことがより好ましい。含有量が0.1質量部以上になると凝集力がより向上し、10質量部以下になると凝集力と柔軟性を両立しやすくなるために好ましく、耐久性および耐汚染性にも優れたものとすることができる。
これらは、単独または2種以上を併用できる。
中でも、イソシアネート化合物は、高い凝集力と密着性を両立でき、それにより耐久性および、汚染性が向上するために好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、課題を解決できる範囲であれば、水添炭化水素樹脂(C)を含有できる。水添炭化水素樹脂(C)を含有することで、粘着層に弾性を付与することができ、密着性および耐熱性がさらに向上する。
これらは、単独または2種以上を併用できる。
水添炭化水素樹脂(C)としては、C9系水添石油樹脂はアルコンM-90、スチレン系水添石油樹脂はFTR6100、水添テルペン樹脂はYSポリスターTH130が好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、さらに有機シラン化合物を含有できる。
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシランなどのビニル基を有するアルコキシシラン化合物;
3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリプロポキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するアルコキシシラン化合物;
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなどのメルカプト基を有するアルコキシシラン化合物;
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物;
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン化合物;
3-クロロプロピルトリメトキシシラン、n-ヘキシルトリメトキシシラン、n-ヘキシルトリエトキシシラン、n-デシルトリメトキシシラン、n-デシルトリエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチルブチリデン)プロピルアミン、1,3,5-トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、分子内にアルコキシシリル基を有するシリコーンレジンなどが挙げられる。
本発明の粘着シートは、粘着剤組成物の硬化物である粘着層を備える。なかでも、基材、および粘着剤組成物の硬化物である粘着層を備えることが好ましい。
粘着シートは、例えば、基材に粘着剤組成物を塗工、乾燥することで粘着層を形成して作製する。また、剥離性シートに粘着剤組成物を塗工、乾燥することで粘着層を形成し、基材を貼り合わせて作製する。また、粘着層の基材と接していない面は、通常、異物の付着防止のため使用する直前まで剥離性シートを貼り合せる。乾燥温度は、通常60~150℃程度である。粘着層の厚みは、通常0.1~200μm程度である。
基材の粘着層と接する面には密着性向上のため、例えば、コロナ放電処理等の乾式処理やアンカーコート剤塗布等の湿式処理といった易接着処理を予め行うことができる。
基材は、単独または複数の基材を積層した積層体を使用できる。
本発明の粘着シートを、基材を有する光学粘着シートとして用いる場合には、透明で光透過可能なフィルムを基材として用いることが好ましい。
基材の厚みは、通常10~250μm程度である。
剥離性シートの厚みは、通常10~250μm程度である。
本発明の粘着シートは、被着体として光学部材に用いられる光学粘着シートとして好適に用いることができる。
本発明の粘着剤組成物の硬化物である粘着層は、透明性に優れるため、光学粘着シートとして好適に用いることができる。
光学粘着シートは、光学部材に貼り付けて用いられる粘着シートであって、表示デバイス等の表面保護シートとして好適である。
光学粘着シートは、例えば、光学フィルムに粘着剤組成物を塗工、乾燥することで粘着層を形成して作製する。また、剥離性シートに粘着剤組成物を塗工、乾燥することで粘着層を形成し、光学フィルムを貼り合わせて作製する。また、粘着層の光学フィルムと接していない面は、通常、異物の付着防止のため使用する直前まで剥離性シートを貼り合せる。乾燥温度は、通常60~150℃程度である。粘着層の厚みは、通常0.1~200μm程度である。
本発明の粘着組成物は、接着力が高く、難接着基材である超撥水処理ガラスに対しても、優れた密着性を有する。
また、表中の配合量は、質量部である。尚、表中の空欄は配合していないことを表す。
なお、共重合体の重量平均分子量および粘度の測定方法は以下の通りである。
重量平均分子量(Mw)の測定は、島津製作所社製GPC「LC-GPCシステム」を用いた。重量平均分子量(Mw)の決定は、分子量既知のポリスチレンを標準物質とした換算で行った。
装置名:島津製作所社製、LC-GPCシステム「Prominence」
カラム:東ソー社製GMHXL 4本、東ソー社製HXL-H 1本を連結した。
移動相溶媒 : テトラヒドロフラン
流量 : 1.0ml/分
カラム温度 : 40℃
粘度の測定は、温度25℃相対湿度55%の条件でブルックフィールド粘度計を用いて測定した。
装置名:HADV-E(ブルックフィールド社製)
使用したスピンドル:HANo.7
回転数:50rpm
《材料》
<モノマー>
[(a-1)炭素数4~8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル]
EHA : アクリル酸2-エチルヘキシル
BA : アクリル酸n-ブチル
[(a-2)水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル]
HEA : アクリル酸2-ヒドロキシエチル
HBA : アクリル酸4-ヒドロキシブチル
[(a-3)脂環構造を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル]
CHA : アクリル酸シクロヘキシル
IBXA : アクリル酸イソボルニル
DCPA : アクリル酸ジシクロペンタニル
[(a-4)N置換(メタ)アクリルアミド]
DAAM : ジアセトンアクリルアミド
ACMO : アクリロイルモルホリン
NVP : N-ビニルピロリドン
[その他モノマー]
MA : アクリル酸メチル
<硬化剤(B)>
B-1 : トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
B-2 : ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
B-3 : ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体
B-4 : N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン
B-5 : N,N'-ジフェニルメタン-4,4'-ビス(1-アジリジンカルボキサイト)
<水添炭化水素樹脂(C)>
C-1 : アルコンM-90(C9系水添石油樹脂)
C-2 : FTR6100(スチレン系水添石油樹脂)
C-3 : YSポリスターTH130(水添テルペン樹脂)
[合成例1:共重合体(A-1)]
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と記述する。)に、アクリル酸2-エチルヘキシル(EHA)79.0部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)1.0部、アクリル酸シクロヘキシル(CHA)10.0部、ジアセトンアクリルアミド(DAAM)10.0部、酢酸エチル100部、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNという)0.2部を仕込み、この反応容器内の雰囲気を窒素ガスで置換した。その後、窒素雰囲気下で撹拌しながら、65℃まで加熱し反応を開始した。その後、反応溶液を65℃で4時間反応させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈して不揮発分30%、粘度3000mPa・sの共重合体(A-1)溶液を得た。得られた共重合体(A-1)の重量平均分子量は120万であった。
表1の質量比率に従って原料および使用量を変更した以外は、合成例1と同様の方法で共重合体(A)を合成した。得られた共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)を表3に示す。
<粘着剤組成物の調製>
得られた共重合体(A-1)溶液中の共重合体(A-1)100部に対して、硬化剤(B)としてトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト体(B-1)1.0部に、不揮発分が20%となるように酢酸エチルを配合し撹拌して粘着剤組成物を得た。
得られた粘着剤組成物を、厚み50μmの剥離性シート(ポリエチレンテレフタレート(PET)、「E7004」、シリコーン系剥離層、東洋紡社製)の剥離層上に、乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、120℃で3分間乾燥することで粘着層を形成した。次いで、この粘着層に、厚み38μmの剥離性シート(ポリエチレンテレフタレート、「SP-PET3811」、シリコーン系剥離層、リンテック社製)の剥離層面を貼り合せ、「剥離性シート/粘着層/剥離性シート」の積層体を作製した。次いで、得られた積層体を温度25℃相対湿度55%の条件で1週間熟成させて、粘着シートを得た。
表2に示す通り、共重合体の種類、硬化剤の種類、および配合量(質量部)を変更した以外は実施例1と同様にして、粘着シートを得た。
<粘着剤組成物の調製>
得られた共重合体(A-5)溶液中の共重合体(A-5)100部に対して、水添炭化水素樹脂(C)として、C9系水添石油樹脂であるアルコンM-90(C-1)20部、硬化剤(B)としてトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト体(B-1)2.0部に、不揮発分が20%となるように酢酸エチルを配合し撹拌して粘着剤組成物を得た。
得られた粘着剤組成物を、厚み50μmの剥離性シート(ポリエチレンテレフタレート(PET)、「E7004」、シリコーン系剥離層、東洋紡社製)の剥離層上に、乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、120℃で3分間乾燥することで粘着層を形成した。次いで、この粘着層に、厚み38μmの剥離性シート(ポリエチレンテレフタレート、「SP-PET3811」、シリコーン系剥離層、リンテック社製)の剥離層面を貼り合せ、「剥離性シート/粘着層/剥離性シート」の積層体を作製した。次いで、得られた積層体を温度25℃相対湿度55%の条件で1週間熟成させて、粘着シートを得た。
表2に示す通り、共重合体の種類、硬化剤の種類、水添炭化水素樹脂の種類、および配合量(質量部)を変更した以外は実施例11と同様にして、粘着シートを得た。
[試験用積層体[A];PETフィルム/粘着層/無アルカリガラス]
得られた粘着シートから幅25mm×長さ100mmのサイズに切り出してPETフィルム/粘着層/剥離性シートからなる試験用粘着シート[A]を作製した。
試験用粘着シート[A]の剥離性シートを剥がし、露出した粘着層を25℃、相対湿度50%RH雰囲気で無アルカリガラス板(EN-A1:旭硝子社製)にラミネーターを用いて貼着し、PETフィルム/粘着層/ガラスからなる試験用積層体[A]を得た。
得られた粘着シートから幅66mm×長さ145mm(6.1インチ型ディスプレイに相当)のサイズに切り出してPETフィルム/粘着層/剥離性シートからなる試験用粘着シート[B]を作製した。
試験用粘着シート[B]の剥離性シートを剥がし、露出した粘着層を25℃、相対湿度50%RH雰囲気で超撥水ガラス(Simplism)にラミネーターを用いて貼着し、PETフィルム/粘着層/超撥水ガラスからなる試験用積層体[B]を得た。
得られた粘着シートから幅66mm×長さ145mm(6.1インチ型ディスプレイに相当)のサイズに切り出してPETフィルム/粘着層/剥離性シートからなる試験用粘着シート[C]を作製した。
試験用粘着シート[C]から剥離性シートを剥がし、露出した粘着層を25℃、相対湿度50%RH雰囲気でスマートフォン(Galaxy10:Samsung社製)の超撥水ガラス面にラミネーターを用いて貼着し、PETフィルム/粘着層/スマートフォン(粘着層貼付面は超撥水ガラス)からなる試験用積層体[C]を得た。
<透明性>
試験用積層体[A]を23℃、相対湿度50%で1週間放置した後に、HAZEを測定した。なお、HAZEは日本電色工業社製Turbidimeter NDH5000Wを用いて測定した。評価基準は以下の通りである。
○:HAZEが1.0未満(良好)。
×:HAZEが1.0以上(不良)。
試験用積層体[A]を、23℃、相対湿度50%で1週間放置した後に、180度方向に300mm/分の速度で引き剥がす180°ピール試験を実施した。剥離時の剥離強度を測定し、再剥離性を2段階で評価した。
○:「剥離強度が2N未満であり、実用上全く問題がない」
×:「剥離強度が2N以上であり、実用不可」
試験用積層体[A]を、23℃、相対湿度50%で1週間放置した後に、180度方向に300mm/分の速度で引き剥がす180°ピール試験を実施した。剥離後のガラス表面の曇りを目視で観察し、再剥離性および汚染性を3段階で評価した。
◎:「ガラス表面に曇りがない、実用上全く問題がない」
○:「ガラス表面にわずかな曇りが認められるが、実用上問題がない」
×:「ガラス表面に曇り、または粘着層の転着が認められた、実用不可」
試験用積層体[B]を、耐熱密着性試験として40℃の条件下に500時間放置し、25℃、相対湿度50%雰囲気にて冷却した後、気泡の発生および粘着シートの浮きや剥がれを以下の条件で目視評価した(試験条件[2])。又、耐湿熱密着性試験の評価として、試験用積層体[B]を40℃、相対湿度90%雰囲気で500時間放置し、25℃、相対湿度50%雰囲気にて冷却した後、気泡の発生および粘着シートの浮きや剥がれを以下の条件で目視評価した(試験条件[3])。
耐熱密着性(試験条件[2])および耐湿熱密着性(試験条件[3])について、下記の3段階の評価基準に基づいて評価を行った。
◎:「気泡の発生、浮き・ハガレが全く認められず、実用上全く問題がない」
○:「気泡の発生、浮き・ハガレがわずかに認められるが、実用上問題がない」
△:「気泡の発生、浮き・ハガレが顕著に認められ、実用不可」
試験用積層体[C]を、耐熱密着性試験として40℃の条件下に500時間放置し、25℃、相対湿度50%雰囲気にて冷却した後、気泡の発生および粘着シートの浮きや剥がれを以下の条件で目視評価した(試験条件[2])。又、耐湿熱密着性試験の評価として、試験用積層体[C]を40℃、相対湿度90%雰囲気で500時間放置し、25℃、相対湿度50%雰囲気にて冷却した後、気泡の発生および粘着シートの浮きや剥がれを以下の条件で目視評価した(試験条件[3])。
耐熱密着性(試験条件[2])および耐湿熱密着性(試験条件[3])について、下記の3段階の評価基準に基づいて評価を行った。
◎:「気泡の発生、浮き・ハガレが全く認められず、実用上全く問題がない」
○:「気泡の発生、浮き・ハガレがわずかに認められるが、実用上問題がない」
△:「気泡の発生、浮き・ハガレが顕著に認められ、実用不可」
試験用積層体[A]を、耐熱性試験として105℃の条件下に500時間放置し、25℃、相対湿度50%雰囲気にて冷却した後、気泡の発生および粘着シートの浮きや剥がれを以下の条件で目視評価した(耐熱性)。又、耐湿熱性試験の評価として、上記試験用積層体を85℃、相対湿度85%雰囲気で500時間放置し、25℃、相対湿度50%RH雰囲気にて冷却した後、気泡の発生および粘着シートの浮きや剥がれを以下の条件で目視評価した(耐湿熱性)。
耐熱密着性および耐湿熱密着性について、下記の3段階の評価基準に基づいて評価を行った。
◎:「気泡の発生、浮き・ハガレが全く認められず、実用上全く問題がない」
○:「気泡の発生、浮き・ハガレがわずかに認められるが、実用上問題がない」
△:「気泡の発生、浮き・ハガレが顕著に認められ、実用不可」
一方、比較例の粘着剤組成物は、前記特性を全て満たすことはできなかった。
Claims (4)
- アクリル系共重合体(A)と硬化剤(B)と、水添炭化水素樹脂(C)とを含み、
前記アクリル系共重合体(A)は、下記(a-1)~(a-4)を含むモノマー混合物の共重合体であり、かつ
前記モノマー混合物100質量%中に(a-3)を10質量%以上30質量%未満、および(a-4)を5質量%以上20質量%未満含み、
前記硬化剤(B)の含有量は、アクリル系共重合体(A)100質量部に対し、0.1質量部以上10質量部以下であり、
前記水添炭化水素樹脂(C)は、環状炭化水素構造を有するC9系水添石油樹脂、スチレン系水添石油樹脂および水添テルペン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
前記水添炭化水素樹脂(C)の含有量は、アクリル系共重合体(A)100質量部に対し、5~30質量部である、粘着剤組成物。
(a-1)炭素数4~8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(a-2)水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(a-3)脂環構造を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(a-4)N置換(メタ)アクリルアミド - 前記硬化剤(B)は、イソシアネート硬化剤である、請求項1記載の粘着剤組成物。
- 請求項1または2記載の粘着剤組成物の硬化物である粘着層を備えた、粘着シート。
- 請求項1または2記載の粘着剤組成物の硬化物である粘着層を備えた、光学粘着シート。
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