JP2022097806A - 粘着剤、粘着シートおよび光学粘着シート - Google Patents
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Abstract
飛散防止フィルムに必要な要求品質である、高い接着性と、耐熱性とを、薄膜であっても満足することができ、かつ筐体ガラスフィルムに必要な、耐打痕性にも優れる粘着シートを作製できる粘着剤の提供。
【解決手段】
アクリル系共重合体(A)、エポキシ樹脂(B)及び、硬化剤(C)を含み、
アクリル系共重合体(A)は、モノマー(a-1)~(a-3)を含むモノマー混合物の共重合体であり、
前記モノマー混合物100質量%中にモノマー(a-1)を10~50質量%、モノマー(a-2)を40~80質量%、モノマー(a-3)を5~10質量%含有し、
エポキシ樹脂(B)は、重量平均分子量(Mw)が200~1000のビスフェノール型エポキシ樹脂である、粘着剤組成物により解決される。
【選択図】 なし
Description
即ち、本発明に係る粘着剤組成物は、アクリル系共重合体(A)、エポキシ樹脂(B)、及び硬化剤(C)を含み、アクリル系共重合体(A)は、下記モノマー(a-1)~(a-3)を含むモノマー混合物の共重合体であり、前記モノマー混合物100質量%中にモノマー(a-1)を10~50質量%、モノマー(a-2)を40~80質量%、モノマー(a-3)を5~10質量%含有し、エポキシ樹脂(B)は、重量平均分子量(Mw)が200~1000のビスフェノール型エポキシ樹脂である、ことを特徴とする。
(a-1)炭素数8~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー
(a-2)ホモポリマーのガラス転移温度が0~100℃の(メタ)アクリル酸エステルモノマー(ただし、モノマー(a-1)および(a-3)を除く)
(a-3)カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー
また、透明性に優れているため、光学部材に用いられる飛散防止フィルムとして好適に用いることができる。
尚、本明細書では、アクリル系共重合体(A)、(a-1)炭素数8~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、(a-2)ホモポリマーのガラス転移温度が0~100℃の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(a-3)カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、および重量平均分子量(Mw)が300~1000のビスフェノール型エポキシ樹脂(B)を、それぞれ共重合体(A)、モノマー(a-1)、モノマー(a-2)、モノマー(a-3)、およびエポキシ樹脂(B)と略記することがある。
本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に1種単独で、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
アクリル系共重合体(A)は、下記モノマー(a-1)~(a-3)を含むモノマー混合物の共重合体であり、
前記モノマー混合物100質量%中にモノマー(a-1)を10~50質量%、モノマー(a-2)を40~80質量%、モノマー(a-3)を5~10質量%含有し、
エポキシ樹脂(B)は、重量平均分子量(Mw)が200~1000のビスフェノール型エポキシ樹脂である。
(a-1)炭素数8~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー
(a-2)ホモポリマーのガラス転移温度が0~100℃の(メタ)アクリル酸エステルモノマー(ただし、モノマー(a-1)および(a-3)を除く)
(a-3)カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー
本発明の粘着剤組成物は、アクリル系共重合体(A)を構成するモノマーとして、炭素数8~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a-1)、ホモポリマーのガラス転移温度が0~100℃の(メタ)アクリル酸エステルモノマー(a-2)、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a-3)を、それぞれ特定量使用することで、粘着層に硬さと柔らかさの両立というトレードオフの性質が得られるため、粘着層が薄膜であっても、高い接着性と、耐熱性が両立でき、さらに耐打痕性にも優れたものとすることができる。
本明細書におけるアクリル系共重合体(A)は、炭素数8~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a-1)、ホモポリマーのガラス転移温度が0~100℃の(メタ)アクリル酸エステルモノマー(a-2)、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a-3)を含むモノマー混合物の共重合である。
また、前記モノマー混合物100質量%中にモノマー(a-1)を10~50質量%、モノマー(a-2)を40~80質量%、モノマー(a-3)を5~10質量%含有する。
本発明の効果を妨げない範囲でその他モノマーを併用してもよい。
モノマー(a-1)は、炭素数8~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーである。ただし、モノマー(a-3)を除く。
モノマー(a-1)を含有することで、粘着層に十分なぬれ性と凝集性を付与することができ、基材への密着性を向上することができる。炭素数が8未満であると粘着層の柔軟性が低下し、基材密着性が低下する。また、炭素数が12を超えると、粘着層の剛直性が低下し、耐久性が低下する。
モノマー(a-2)は、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が0~100℃の(メタ)アクリル酸エステルモノマーである。ただし、モノマー(a-1)および(a-3)を除く。
モノマー(a-2)を含有することで、粘着層に十分な凝集性を付与することができ、基材への密着性を向上することができる。ホモポリマーのガラス転移温度が0℃未満であると粘着層の剛直性が低下し、耐熱性が低下する。また、ホモポリマーのガラス転移温度が100℃を超えると、粘着層の柔軟性が低下し、接着性が低下する。
より好ましくは、Tgが5~100℃の(メタ)アクリル酸エステルモノマーであり、さらに好ましくは、10~95℃の(メタ)アクリル酸エステルモノマーである。
ここで、ホモポリマーのガラス転移温度が0~100℃であるモノマーとは、重合によりホモポリマーを形成したときのTgが0~100℃であるモノマーを意味する。なお、ホモポリマーのTgは文献値やカタログ値などの公表値を使用することができる。
モノマー(a-3)は、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーである。なお、炭素数8~12のアルキル基を有する場合、またはホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が0~100℃の(メタ)アクリル酸エステルモノマーであっても、カルボキシル基を有する場合は、モノマー(a-3)に該当する。
モノマー(a-3)を含有することで、粘着層に十分な剛直性を付与することができ、耐熱性が向上する。また、粘着層の極性を高めるため、高極性被着体への密着性が向上する。
これらの中でも、十分な接着性を担保できる面で(メタ)アクリル酸が好ましい。
共重合体(A)は、モノマー(a-1)、モノマー(a-2)、及びモノマー(a-3)以外に、その他モノマーを使用できる。
その他モノマーは、炭素数8~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a-1)以外のホモポリマーのガラス転移温度が0℃未満の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、アミド結合を有するモノマー、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸モノマー、ビニルモノマー等が挙げられる。
N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、などの複素環を有する化合物等が挙げられる。
共重合体(A)は、モノマー混合物を重合することで合成できる。重合は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合など公知の重合方法が可能であるが、溶液重合が好ましい。溶液重合で使用する溶媒は、例えば、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アニソール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどが好ましい。
重合温度は、60~120℃の沸点反応が好ましい。重合時間は、5~12時間程度が好ましい。
過酸化物は、例えば、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3などのジアルキルパーオキサイド;
t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシアセテート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンなどのパーオキシエステル;シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド;
2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレート、などのパーオキシケタール;
クメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチルシクロヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;
ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;
ビス(t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)などの2,2’-アゾビスバレロニトリル;
2,2’-アゾビス(2-ヒドロキシメチルプロピオニトリル)などの2,2’-アゾビスプロピオニトリル;
1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)などの1,1’-アゾビス-1-アルカンニトリル等が挙げられる。
エポキシ樹脂(B)は、重量平均分子量(Mw)が200~1000のビスフェノール型エポキシ樹脂である。エポキシ樹脂(B)を含むことで、被着体への高い接着性を発現する。特に、筐体ガラス用フィルムの粘着層と使用した際、熱処理後の粘着剤硬度を向上させることができ、高い耐熱性と耐打痕性を発現する。
硬化剤(C)は、共重合体(A)のカルボキシル基と反応することで、粘着層の凝集力が向上し、接着性、耐熱性、耐打痕性がより向上する。
これらのうち、イソシアネート化合物が高い凝集力と密着性を両立できる観点から好ましい。イソシアネート化合物を使用することで、耐熱接着性が向上できる。
本発明の粘着剤組成物は、課題を解決できる範囲であれば、シランカップリング剤(D)を含有できる。シランカップリング剤(D)を含有することで、ガラスへの密着性が向上し、特に、熱処理後の耐熱接着性が飛躍的に向上する。
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシランなどのビニル基を有するアルコキシシラン化合物;
3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリプロポキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するアルコキシシラン化合物;
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなどのメルカプト基を有するアルコキシシラン化合物;
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物;
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン化合物;
3-クロロプロピルトリメトキシシラン、n-ヘキシルトリメトキシシラン、n-ヘキシルトリエトキシシラン、n-デシルトリメトキシシラン、n-デシルトリエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチルブチリデン)プロピルアミン、1,3,5-トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、分子内にアルコキシシリル基を有するシリコーンレジンなどが挙げられる。
本発明の粘着剤組成物には、課題を解決できる範囲であれば、任意成分として各種樹脂、オイル、軟化剤、染料、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤及び帯電防止剤等を含有できる。
本発明の粘着シートは、粘着剤組成物の硬化物である粘着層を備える。なかでも、基材、および粘着剤組成物の硬化物である粘着層を備えることが好ましい。
粘着シートは、例えば、基材上に粘着剤組成物を塗工、乾燥することで粘着層を形成して作製する。また、剥離性シートに粘着剤組成物を塗工、乾燥することで粘着層を形成し、基材を貼り合わせて作製することもできる。また、粘着層の基材と接していない面は、通常、異物の付着防止のため使用する直前まで剥離性シートを貼り合せて用いられる。乾燥温度は、通常60~150℃程度である。
粘着層の厚みは、通常0.1~200μm程度である。
本発明の粘着剤組成物は、通常用いられる範囲である厚みで用いることができることはもちろん、0.1~30μm、さらには0.1~10μmといった薄膜であっても、接着性と耐熱性を充分に達成することが可能であるという優れた効果を有している。
基材の粘着層と接する面には密着性向上のため、例えば、コロナ放電処理等の乾式処理やアンカーコート剤塗布等の湿式処理といった易接着処理を予め行うことができる。
基材は、単独または複数の光学フィルムを積層した積層体を使用できる。
基材の厚みは、通常10~250μm程度である。
剥離性シートの厚みは、通常10~250μm程度である。
本発明の粘着シートは、被着体として光学部材に用いられる光学粘着シートとして好適に用いることができる。
本発明の粘着剤組成物の硬化物である粘着層は、透明性に優れるため、光学粘着シートとして好適に用いることができる。
光学粘着シートは、光学部材に貼り付けて用いられる粘着シートであって、表示デバイス等の表面保護シートとして好適である。また、薄膜での高い接着性、および耐熱性に優れ、飛散防止性も良好であり、かつ電子部品による圧痕を防止するための、耐打痕性にも優れているため、カバーガラス用フィルムとしてだけでなく、筐体ガラス用フィルムとしても、好適に用いることができる。
光学粘着シートは、例えば、光学フィルムに粘着剤組成物を塗工、乾燥することで粘着層を形成して作製する。また、剥離性シートに粘着剤組成物を塗工、乾燥することで粘着層を形成し、光学フィルムを貼り合わせて作製することもできる。また、粘着層の光学フィルムと接していない面は、通常、異物の付着防止のため使用する直前まで剥離性シートを貼り合せて用いられる。乾燥温度は、通常60~150℃程度である。粘着層の厚みは、通常0.1~200μm程度である。
加えて、本発明の粘着剤組成物は、通常用いられる範囲である厚みで用いることができることはもちろん、従来より薄膜であっても、接着性と耐熱性を充分に達成することが可能であるという優れた効果を有している。
なお、共重合体の重量平均分子量の測定方法は以下の通りである。
重量平均分子量(Mw)の測定は、島津製作所社製GPC「LC-GPCシステム」を用いた。重量平均分子量(Mw)の決定は、分子量既知のポリスチレンを標準物質とした換算で行った。
装置名:島津製作所社製、LC-GPCシステム「Prominence」
カラム:東ソー社製GMHXL 4本、東ソー社製HXL-H 1本を連結した。
移動相溶媒 : テトラヒドロフラン
流量 : 1.0ml/分
カラム温度 : 40℃
(合成例1:共重合体(A))
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と記述する。)に、アクリル酸2-エチルヘキシル(EHA)10部、アクリル酸メチル(MA)80部、アクリル酸10部、酢酸エチル100部、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNという)0.2部を仕込み、この反応容器内の雰囲気を窒素ガスで置換した。その後、窒素雰囲気下で撹拌しながら、65℃まで加熱し反応を開始した。その後、反応溶液を65℃で4時間反応させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈して不揮発分30%の共重合体(A-1)溶液を得た。得られた共重合体(A-1)の重量平均分子量は180万であった。
表1の質量比率に従って原料および使用量を変更した以外は、合成例1と同様の方法でアクリル系共重合体を製造した。得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)を表1に示す。
EHA : アクリル酸2-エチルヘキシル
OTA : アクリル酸n-オクチル
DCA : アクリル酸ドデシル
[モノマー(a-2)]
MA : アクリル酸メチル(Tg:6℃)
IBXA : アクリル酸イソボルニル(Tg:97℃)
BzA : アクリル酸ベンジル(Tg:6℃)
DMAEMA : メタクリル酸ジメチルアミノエチル(Tg:18℃)
[モノマー(a-3)]
AA : アクリル酸
MAA : メタクリル酸
[その他モノマー]
BA : アクリル酸n-ブチル
EA : アクリル酸エチル
<粘着剤の調製>
得られた共重合体(A-1)溶液中の共重合体(A-1)100重量部に対して、エポキシ樹脂(B)として、エポキシ樹脂(B-1)「JER825」(ビスフェノール型エポキシ樹脂、Mw=350、三菱ケミカル社製)5重量部、硬化剤(C)として、硬化剤(C-1)「ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト体」0.01重量部を、不揮発分が20%となるように酢酸エチルを配合し撹拌して粘着剤溶液を得た。
得られた粘着剤溶液を、厚み50μmの剥離性シート(ポリエチレンテレフタレート(PET)、「E7004」、シリコーン系剥離層、東洋紡社製)上に、乾燥後の厚さが5μmになるように塗工し、120℃で3分間乾燥することで粘着層を形成した。次いで、この粘着層に、厚み38μmの剥離性シート(ポリエチレンテレフタレート、「SP-PET3811」、シリコーン系剥離層、リンテック社製)の片面を貼り合せ、「剥離性シート/粘着層/剥離性シート」の積層体を作製した。次いで、得られた積層体を温度25℃相対湿度55%の条件で1週間熟成させて、粘着シートを得た。
表2に示す通り、共重合体、エポキシ樹脂、硬化剤の種類、および配合量を変更した以外は実施例1と同様にして、粘着シートを得た。
<粘着剤の調製>
上記共重合体(A-2)溶液中の共重合体(A-2)100重量部に対して、エポキシ樹脂(B)として、JER825(ビスフェノール型エポキシ樹脂、Mw=350、三菱ケミカル社製)5重量部、硬化剤(C)として、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト体(I-1)1.0重量部、シランカップリング剤(D)として、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン0.1重量部、不揮発分が20%となるように酢酸エチルを配合し撹拌して粘着剤溶液を得た。
前記、実施例1の粘着シートの作製手順に従い粘着シートを得た。
表2に示す通り、共重合体、エポキシ樹脂、硬化剤の種類、および配合量を変更した以外は実施例13と同様にして、粘着シートを得た。
B-1 :JER825
(ビスフェノール型エポキシ樹脂、Mw=350、三菱ケミカル社製)
B-2 :JER828
(ビスフェノール型エポキシ樹脂、Mw=370、三菱ケミカル社製)
B-3 :JER806
(ビスフェノール型エポキシ樹脂、Mw=330、三菱ケミカル社製)
B-4 :JER1001
(ビスフェノール型エポキシ樹脂、Mw=900、三菱ケミカル社製)
[硬化剤(C)]
C-1 :ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
C-2 :トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
C-3 :イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
C-4 :N、N、N'、N'-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン
[シランカップリング剤(D)]
D-1 : 3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
[試験用積層体1:PETフィルム/粘着層/ガラス]
得られた粘着シートから幅25mm×長さ100mmのサイズに切り出してPETフィルム/粘着層/剥離性シートからなる試験用粘着シート1を作製した。
この試験用粘着シート1から剥離性シートを剥がし、露出した粘着層を25℃、相対湿度50%雰囲気下で無アルカリガラス板(EN-A1:旭硝子社製)にラミネーターを用いて貼着し、PETフィルム/粘着層/ガラスからなるものを試験用積層体1とした。
得られた粘着シートから幅75mm×長さ150mmのサイズ(6.1インチ相当)に切り出してPETフィルム/粘着層/剥離性シートからなる試験用粘着シート2を作製した。
この試験用粘着シート2から剥離性シートを剥がし、露出した粘着層を25℃、相対湿度50%雰囲気下でスマートフォン(iPhone(登録商標)11:Apple社製)のディスプレイに貼付したものを試験用積層体2とした。
<透明性>
試験用積層体1を23℃、相対湿度50%で1週間放置した後に、HAZEを測定した。 HAZEは日本電色工業社製Turbidimeter NDH5000Wを用いて測定した。
[評価基準]
○:HAZEが1.0未満(良好)。
×:HAZEが1.0以上(不良)。
試験用積層体1を23℃、相対湿度50%で24時間放置した後に、180度方向に300mm/分の速度で引き剥がす180°ピール試験を実施した。剥離時の剥離強度を測定し、接着性を2段階で評価した。
[評価基準]
○:「剥離強度が20N以上であり、実用上全く問題がない」
△:「剥離強度が10N以上、20N未満であるが、実用可能」
×:「剥離強度が10N未満であり、実用不可」
試験用積層体1を150℃雰囲気下で30分放置し、次いで、25℃、相対湿度50%RH雰囲気で30分静置した後、180度方向に300mm/分の速度で引き剥がす180°ピール試験を実施した。剥離時の剥離強度を測定し、接着性を3段階で評価した。
[評価基準]
○:「剥離強度が30N以上であり、実用上全く問題がない」
△:「剥離強度が20N以上、30N未満であり実用可能」
×:「剥離強度が20N未満であり、実用不可」
試験用積層体1を150℃雰囲気下で30分放置し、次いで、25℃、相対湿度50%雰囲気下で30分静置した後、試験用粘着シートの端部を目視にて観察した。試験用粘着シートからの粘着剤のはみ出し長さを測定し、耐熱性を3段階で評価した。
[評価基準]
○:「はみ出しが無く、実用上全く問題がない」
△:「はみ出し長さが0.2mm以内であり、実用可能」
×:「はみ出し長さが0.2mmよりも大きく、実用不可」
試験用積層体2を高さ1mの位置からコンクリート面に落下させ、試験用粘着シート2が、ディスプレイの情報表示面から剥がれたか否かを目視で確認し、耐衝撃性を2段階で評価した。
[評価基準]
○:「剥がれが無く、実用上全く問題がない」
×:「剥がれが確認され、実用不可」
試験用積層体2を、試験用粘着シート2が貼付されたディスプレイ面が上になるように載置し、50gのステンレス球を1.5mの高さから、試験用粘着シート2が貼付されたディスプレイ面に落下させた時に、ディスプレイガラスが飛び散るか否かを目視で確認し、飛散防止性を2段階で評価した。
[評価基準]
○:「ガラスは割れたが、その破片の周囲への飛散は無く、実用上全く問題がない」
×:「ガラスは割れ、その破片の周囲への飛散が確認され、実用不可」
試験用積層体2を、150℃雰囲気下で30分放置し、その後、25℃、相対湿度50%雰囲気下で30分静置した。試験用粘着シート1上に、直径1mmのステンレスビーズを20個置き、さらに、ステンレスビーズの上に無アルカリガラス板(EN-A1:旭硝子社製)を設置した。最上面の無アルカリガラス板上に、重さ500gの錘を設置し、25℃、相対湿度50%雰囲気下で、24時間放置した後、錘、無アルカリガラスおよび、ステンレスビーズを取り外し、ステンレスビーズの押し付けによる圧痕の有無を目視で確認し、耐打痕性を3段階で評価した。
[評価基準]
○:「圧痕が無く、実用上全く問題がない」
△:「打痕が5個以内であり、実用可能」
×:「圧痕が5個よりも多くあり、実用不可」
また、従来よりも、薄膜である膜厚5μmであっても、高い接着性と、耐熱性とを有しており、かつ筐体ガラス用フィルムに必要な、耐打痕性にも良好であることが確認できた。
一方、比較例1~8の粘着剤組成物は、前記特性を全て満たすことはできなかった。
Claims (6)
- アクリル系共重合体(A)、エポキシ樹脂(B)、及び硬化剤(C)を含み、
アクリル系共重合体(A)は、下記モノマー(a-1)~(a-3)を含むモノマー混合物の共重合体であり、
前記モノマー混合物100質量%中に、モノマー(a-1)を10~50質量%、モノマー(a-2)を40~80質量%、モノマー(a-3)を5~10質量%含有し、
エポキシ樹脂(B)は、重量平均分子量(Mw)が200~1000のビスフェノール型エポキシ樹脂である、粘着剤組成物。
(a-1)炭素数8~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー
(a-2)ホモポリマーのガラス転移温度が0~100℃の(メタ)アクリル酸エステルモノマー(ただし、モノマー(a-1)および(a-3)を除く)
(a-3)カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー - エポキシ樹脂(B)の含有量は、アクリル系共重合体(A)100質量部に対し、5~45質量部である、請求項1記載の粘着剤組成物。
- 硬化剤(C)は、イソシアネート化合物を含む、請求項1または2記載の粘着剤組成物。
- さらにシランカップリング剤(D)を含む、請求項1~3いずれか1項記載の粘着剤組成物。
- 請求項1~4いずれか1項記載の粘着剤組成物の硬化物である粘着層を備えた、粘着シート。
- 請求項1~4いずれか1項記載の粘着剤組成物の硬化物である粘着層を備えた、光学粘着シート。
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