JPWO2014178115A1 - 数値制御装置 - Google Patents

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Abstract

数値制御装置(1i)は、ワークに対して前記ワークに対向する工具を工具軸周りにそれぞれ相対的に回転させる複数の主軸と、複数の前記ワークに複数の前記工具が相対的に近づくように送り動作を行う送り軸とを有する工作機械(900i)を制御する数値制御装置(1i)であって、連動同期タップ指令に従って、前記複数の主軸のうちの基準側の主軸の回転及び送りに連動側の主軸の回転及び送りを連動させて、前記複数の工具で同時に同期タップ加工を行う連動同期タップ加工手段(50i)を備える。

Description

本発明は、数値制御装置に関する。
特許文献1には、スピンドルモータで回転駆動される主軸がそれぞれに設けられた5個のタップ加工アセンブリと5個のタップ加工アセンブリを横一列に支持するとともに送りモータで往復駆動されるフレームとを有する多軸タップ加工装置において、各スピンドルモータを個別に送りモータと同期回転させて、各主軸の先端に装着されたタップにより工作物に対する各タップ孔の加工を行うことが記載されている。これにより、特許文献1によれば、工作物のタップ加工箇所の変更に対応して主軸の配置を変更するには、フレーム部材に形成する挿通孔と保持プレートを工作物の加工箇所に対応したものに変更して主軸を軸承するタップ加工アセンブリの配置を変えるだけでよいので、変更のために必要な部品点数が少なくなるとされている。
特開2001−252825号公報
特許文献1に記載の多軸タップ加工装置では、工作物のタップ加工箇所の変更に対応して主軸の配置を適宜変更することを目的とするものであるため、各主軸間で加工条件(例えば、工具長、加工穴深さ)を同一にすることが前提となっている。すなわち、特許文献1に記載の多軸タップ加工装置は、各主軸間で加工条件が異なる場合に関する記載が一切なく、各主軸間で加工条件が異なる場合に複数の工具で同時に同期タップ加工を行う際の精度をどのようにして向上させるのかについても一切記載がない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、各主軸間で加工条件が異なる場合に複数の工具で同時に同期タップ加工を行う際の精度を向上できる数値制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の1つの側面にかかる数値制御装置は、ワークに対して前記ワークに対向する工具を工具軸周りにそれぞれ相対的に回転させる複数の主軸と、複数の前記ワークに複数の前記工具が相対的に近づくように送り動作を行う送り軸とを有する工作機械を制御する数値制御装置であって、連動同期タップ指令に従って、前記複数の主軸のうちの基準側の主軸の回転及び送りに連動側の主軸の回転及び送りを連動させて、前記複数の工具で同時に同期タップ加工を行う連動同期タップ加工手段を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、連動同期タップ加工手段が、連動同期タップ指令に従って、複数の主軸のうちの基準側の主軸の回転及び送りに連動側の主軸の回転及び送りを連動させて、複数の工具で同時に同期タップ加工を行う。これにより、各主軸間の加工条件の違いを考慮しながら、複数の工具で同時に同期タップ加工を精度よく行うことができる。すなわち、各主軸間で加工条件が異なる場合に複数の工具で同時に同期タップ加工を行う際の精度を向上できる。
図1は、実施の形態における工作機械の構成を示す図である。 図2は、実施の形態にかかる数値制御装置の構成を示す図である。 図3は、実施の形態におけるZ1軸を固定する場合の連動同期タップ指令を示す図である。 図4は、実施の形態におけるワーク座標系及び機械座標系を示す図である。 図5は、実施の形態における各主軸間で工具長・加工穴深さが同じでピッチが異なる場合のワークの加工手順を示す図である。 図6は、実施の形態におけるZ1軸を稼働する場合の連動同期タップ指令の一例を示す図である。 図7は、実施の形態における各主軸間で工具長が同じで加工穴深さ・ピッチが異なる場合のワークの加工手順を示す図である。 図8は、実施の形態における各主軸間で工具長が同じで加工穴深さ・ピッチが異なる場合のワークの加工手順を示す図である。 図9は、実施の形態における各主軸間で工具長・加工穴深さ・ピッチが異なる場合のワークの加工手順を示す図である。 図10は、実施の形態における各主軸間で工具長・加工穴深さ・ピッチが異なる場合のワークの加工手順を示す図である。 図11は、実施の形態にかかる数値制御装置の動作を示すフローチャートである。 図12は、実施の形態の変形例における工作機械の構成を示す図である。 図13は、実施の形態の他の変形例における工作機械の構成を示す図である。 図14は、実施の形態の他の変形例における工作機械の構成を示す図である。 図15は、基本の形態における工作機械の構成を示す図である。 図16は、基本の形態における工作機械の構成及びワークの加工手順を示す図である。
以下に、本発明にかかる数値制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
実施の形態にかかる数値制御装置1iについて説明する前に、基本の形態にかかる数値制御装置1の概略構成について図15及び図16を用いて説明する。図15は、基本の形態にかかる数値制御装置1の構成を示すブロック図である。図16は、基本の形態における工作機械900の構成及びワークW1の加工手順を示す図である。
工作機械900は、図16に示すように、刃物台906、及びワーク支持部907を有する。工作機械900は、X1軸、Z1軸、及びS1軸を有する。X1軸は、刃物台906を移動させる移動軸である。Z1軸は、刃物台906をX1軸と垂直な方向に移動させる移動軸である。工具T1の工具軸T1aは、その延長線がワークW1における被加工面W1aに交差している。すなわち、Z1軸は、工具T1に対向するワークW1に工具T1が相対的に近づく方向へ送り動作を行う送り軸である。S1軸は、Z1軸に平行な回転中心線の周りにワーク支持部907を回転させる回転軸である。すなわち、S1軸は、ワークW1に対向する工具T1を工具軸T1a周りにワークW1に対して相対的に回転させる主軸である。
工具T1は、タップ加工を行うための工具であり、ワークW1に雌ネジ穴(タップ)を形成するための工具である。すなわち、工具T1は、雌ネジ穴に形成すべきネジ溝に対応した凸部を表面に有する。数値制御装置1は、工作機械900を制御して、S1軸(主軸)の回転及び送りを同期させることで、同期タップ加工を行う。
なお、Z1軸は、工具T1に対向するワークW1に工具T1が相対的に近づく方向へ送り動作を行うように、ワーク支持部907側に設けられていてもよい。S1軸は、ワークW1に対向する工具T1を工具軸T1a周りにワークW1に対して相対的に回転させるように、刃物台906側に設けられていてもよい。
工作機械900は、図15に示すように、さらに、サーボモータ5a〜5cを有する。サーボモータ5a,5bは、刃物台906に対して、それぞれ、X1軸の移動、Z1軸(送り軸)の移動を行う。主軸モータ5cは、S1軸(主軸)の回転を行う。
数値制御装置1は、表示部3、入力操作部2、制御演算部50、及び駆動部20を備える。例えば、ユーザによる加工プログラム11の自動起動ボタンの操作に応じて、加工プログラム11の自動起動の信号が制御演算部50へ供給される。これに応じて、制御演算部50は、加工プログラム11を起動して、加工プログラム11に従い、X1軸の移動量指令、Z1軸の移動量指令・移動速度指令、S1軸の回転数指令を生成して駆動部20へ供給する。駆動部20は、X1軸サーボ制御部4a、Z1軸サーボ制御部4b、及びS1軸主軸制御部4cを有し、制御演算部50から入力されたX1軸の移動量指令、Z1軸の移動量指令・移動速度指令、S1軸の回転数指令に従い、X1軸用のサーボモータ5a、Z1軸用のサーボモータ5b、及びS1軸用の主軸モータ5cを駆動する。
制御演算部50は、記憶部8、解析処理部17、補間処理部60、加減速処理部70、軸データ入出力部90、入力制御部6、画面処理部16、及びデータ設定部7を有する。
加工プログラム11の自動起動の信号は、PLC(図示せず)経由で機械制御信号処理部(図示せず)に入力される。機械制御信号処理部は、記憶部8経由で解析処理部17に指示して加工プログラム11を起動させる。
記憶部8は、パラメータ9、工具データ10、加工プログラム11、画面表示データ15を記憶するとともに、ワークスペースとしての共有エリア14及び演算データエリア19を有している。工具データ10は、例えば、工具補正番号と工具補正量とが複数の工具補正番号について対応付けられたテーブルデータである。工具データ10を参照することにより、工具補正番号に対応する工具補正量を特定することができる。
解析処理部17は、加工プログラム11の起動指示に応じて、記憶部8から加工プログラム11を読み出し、加工プログラム11の各ブロック(各行)について解析処理を行う。例えば、解析処理部17は、解析したブロック(行)にGコード(例えば、Gコード「G0」、「G1」など)が含まれていれば、その解析結果に工具補正量を加味して補間処理部60へ渡す。
補間処理部60は、解析処理部17から解析結果(位置指令)を受け取り、解析結果(位置指令)に対する補間処理を行い、補間処理の結果(移動量、回転量等)を加減速処理部70へ供給する。
加減速処理部70は、補間処理部60から供給された補間処理の結果に対して加減速処理を行う。加減速処理部70は、X1軸、Z1軸、S1軸に関する加減速処理の結果(送り速度、回転数等)を軸データ入出力部90に直接出力する。
例えば、数値制御装置1は、図16に示すようなワークW1の加工を制御する。
図16のステップ16Aでは、数値制御装置1が、加工プログラム11の記述(例えば、Gコード「G0」)に従って、Z1軸を制御して、工具T1を加工開始位置に移動させる。
図16のステップ16Bでは、数値制御装置1が、加工プログラム11の記述(例えば、Gコード「G1」)に従って、S1軸、Z1軸を制御して、ワークW1に対して工具T1を工具軸Ta1周りに相対的に回転させる(すなわち、S1軸を回転させワークW1を回転させる)とともに、ワークW1に工具T1が相対的に近づくように送り動作を行う(すなわち、Z1軸を移動させS1軸を送って工具T1をワークW1に近づける)。このとき、S1軸(主軸)の回転及び送りを同期させることで、工具T1によるワークW1の同期タップ加工を行う。これにより、雌ネジ穴W1bにおけるネジ溝のピッチを略一定にすることができ、ワークW1に雌ネジ穴W1bを高精度に形成することができる。
そして、ワークW1に雌ネジ穴W1bが形成されたら、数値制御装置1は、刃物台906及びワーク支持部907を制御して、S1軸(主軸)の回転方向を加工時と逆にするとともに、S1軸(主軸)の回転及び送りを同期させることで、工具T1を雌ネジ穴W1bから引き抜く。これにより、工具T1が雌ネジ穴W1bに干渉することを抑制しながら、工具T1を雌ネジ穴W1bから引き抜くことができる。
基本の形態では、図15及び図16に示されるように、数値制御装置1による1回の加工で1つの雌ネジ穴W1bしか加工できないので、加工したい雌ネジ穴が複数存在する場合に加工のサイクルタイムが全体として長くなりやすい。
それに対して、仮に、数値制御装置1において、主軸及び工具をそれぞれ複数設け、各主軸を互いに独立して個別に送り軸に同期させる場合を考える。この場合、複数の主軸で複数の工具を同時に回転させることができ、複数の雌ネジ穴の加工を同時に行うことができるため、加工のサイクルタイムを短縮できる。
しかし、各主軸を互いに独立して個別に送り軸に同期させるので、各主軸間で加工条件(例えば、工具長、加工穴深さ)が異なる場合に、加工条件の違いを無視した加工が行われる可能性があり、各主軸間で加工条件が異なる場合に複数の工具で同時に同期タップ加工を行うことができない可能性がある。
そこで、本実施の形態では、数値制御装置1iにおいて、各主軸を互いに独立して個別に送り軸に同期させるのではなく、基準側の主軸の回転及び送りに連動側の主軸の回転及び送りを連動させ、複数の工具で同時に同期タップ加工を行うことで、各主軸間で加工条件が異なる場合における複数の工具で同時に同期タップ加工を行う際の精度の向上と段取り時間の短縮によるサイクルタイム向上とを目指す。
具体的には、数値制御装置1iにおいて、以下の工夫を行う。図1は、それぞれ、実施の形態にかかる数値制御装置1iにより制御される工作機械900iの構成を示す図である。図2は、実施の形態1にかかる数値制御装置1iの構成を示すブロック図である。以下では、基本の形態と異なる部分を中心に説明する。
工作機械900iは、図1に示すように、2つの刃物台906i1,906i2、及び2つのワーク支持部907i1,907i2を有する。工作機械900iは、X1軸、Z1軸、S1軸、X2軸、Z2軸、及びS2軸を有する。工作機械900iでは、2つの工具T1,T2が設けられ、2つの工具T1,T2がそれぞれ対応するワークW1,W2に対向している。工作機械900iでは、Z2軸側に刃物台906i1及びワーク支持部907i2が設けられ、Z1軸側にワーク支持部907i1及び刃物台906i2が設けられている。刃物台906i2は、固定されている。
Z1軸は、工具T1に対向するワークW1に工具T1が相対的に近づく方向へ送り動作を行う送り軸である。また、Z1軸は、工具T1と工具T1に対向するワークW1との間の距離を変えるための送り動作を行う送り軸である。S1軸は、Z1軸に平行な回転中心線の周りにワーク支持部907i1を回転させる回転軸である。すなわち、S1軸は、ワークW1に対向する工具T1を工具軸T1a周りにワークW1に対して相対的に回転させる主軸である。
Z2軸は、工具T1,T2に対向するワークW1,W2に工具T1,T2がそれぞれ相対的に近づく方向へ送り動作を行う送り軸である。Z2軸は、複数の工具T1,T2を複数のワークW1,W2に同時に近づけるように送り動作を行う。S2軸は、Z2軸に平行な回転中心線の周りにワーク支持部907i2を回転させる回転軸である。すなわち、S2軸は、ワークW2に対向する工具T2を工具軸T2a周りにワークW2に対して相対的に回転させる主軸である。
工具T2は、タップ加工を行うための工具であり、ワークW2に雌ネジ穴(タップ)を形成するための工具である。すなわち、工具T2は、雌ネジ穴に形成すべきネジ溝に対応した凸部を表面に有する。数値制御装置1iは、工作機械900iを制御して、S2軸(主軸)の回転及び送りを同期させることで、同期タップ加工を行う。
工作機械900iは、図2に示すように、サーボモータ5a〜5fを有する。サーボモータ5aは、X1軸の移動を行う。サーボモータ5bは、Z1軸(第2の送り軸)の移動を行う。主軸モータ5cは、S1軸(主軸)の回転を行う。サーボモータ5d,5eは、刃物台906i1及びワーク支持部907i2に対して、それぞれ、X2軸の移動、Z2軸(送り軸)の移動を行う。主軸モータ5fは、S2軸(主軸)の回転を行う。
なお、それに応じて、駆動部20iは、X1軸サーボ制御部4a、Z1軸サーボ制御部4b、S1軸主軸制御部4c、X2軸サーボ制御部4d、Z2軸サーボ制御部4e、及びS2軸主軸制御部4fを有する。
数値制御装置1iは、制御演算部50(図15参照)に代えて、制御演算部(連動同期タップ加工手段)50iを備える。制御演算部50iは、解析処理部17に代えて解析処理部17iを有するとともに、連動同期タップ制御部30i及び連動同期タップ主軸制御部80iを有する。
解析処理部17iは、連動同期タップ指令解析手段18iを有する。解析処理部17iは、例えば、加工プログラムをブロック(行)毎に解析するが、解析対象ブロックに連動同期タップ指令(図3、図6参照)が含まれている場合、連動同期タップ指令解析手段18iにより解析を行う。連動同期タップ指令解析手段18iは、例えば、加工プログラム中の連動同期タップ指令を解析して、その解析結果を記憶部8経由で連動同期タップ制御部30iへ供給する。
図2に示す連動同期タップ制御部30iは、基準側の主軸の回転及び送りに連動側の主軸の回転及び送りを連動させるように制御を行う。例えば、連動同期タップ制御部30iは、基準側の主軸(S2軸)の工具T2及びワークW2間の距離と連動側の主軸(S1軸)の工具T1及びワークW1間の距離との違いが基準側の主軸(S2軸)の工具長と連動側の主軸(S1軸)の工具長との違いに対応したものになるように連動させる。あるいは、例えば、連動同期タップ制御部30iは、基準側の主軸(S2軸)の工具T2及びワークW2間の距離と連動側の主軸(S1軸)の工具T1及びワークW1間の距離との違いが基準側の主軸(S2軸)の加工穴深さと連動側の主軸(S1軸)の加工穴深さとの違いに対応したものになるように連動させる。
具体的には、連動同期タップ制御部30iは、工具長演算手段31i、穴深さ演算手段32i、実行順序制御手段33i、シフト量演算手段34i、及び速度演算手段35iを有する。
工具長演算手段31iは、工具T1の工具補正番号「T1」と工具T2の工具補正番号「T2」とをそれぞれ解析処理部17iから記憶部8経由で取得する。工具長演算手段31iは、記憶部8の工具データ10を参照し、工具補正番号「T1」,「T2」に対応した工具補正量をそれぞれ取得する。これにより、工具長演算手段31iは、例えば基準工具長に工具補正量を加算することなどにより、工具T1の工具長Lt1と工具T2の工具長Lt2とをそれぞれ演算する。
穴深さ演算手段32iは、Z1軸の位置指令及びZ2軸の位置指令をそれぞれ解析処理部17iから記憶部8経由で取得する。穴深さ演算手段32iは、Z1軸の位置指令及びZ2軸の位置指令に応じて、主軸(S1軸)の工具T1で加工すべき雌ネジ穴の加工穴深さD1と、主軸(S2軸)の工具T2で加工すべき雌ネジ穴の加工穴深さD2とをそれぞれ演算する。例えば、図3に示す場合、Z1軸の位置指令(Z1軸=固定)及びZ2軸の位置指令(Z2=50)に応じて、主軸(S1軸)の加工穴深さD1と主軸(S2軸)の加工穴深さD2とが互いに均等な値として演算される。例えば工具長演算手段31iにより求められた工具T1の工具長Lt1に応じた工具T1の工具先端位置をZt1とし、解析処理部17iにより解析されたZ2軸の指令位置をZc2とすると、加工穴深さD1,D2は、それぞれ、次の数式1により求めることができる。
D1=D2=Zt1−Zc2・・・数式1
あるいは、各主軸間で加工条件(例えば、工具長、加工穴深さ)が異なる場合(例えば、図6に示す連動同期タップ指令の場合)、Z1軸を移動させる処理と、Z2軸の移動及び各主軸(S1軸、S2軸)の回転を行う処理とを行う必要がある。実行順序制御手段33iは、これらの複数の処理の実効順序を制御する。
例えば、実行順序制御手段33iは、各主軸間で加工条件(例えば、工具長、加工穴深さ)が異なるとの解析結果を取得した場合、現在のブロックにおける前半の補間周期でZ1軸を移動させる位置指令を生成し、後半の補間周期でZ2軸を移動させる位置指令を生成する。すなわち、実行順序制御手段33iは、1つのブロック内で複数の処理の実効順序を時系列的に制御する。
あるいは、例えば、実行順序制御手段33iは、各主軸間で加工条件(例えば、工具長、加工穴深さ)が異なるとの解析結果を取得した場合、Z2軸の位置指令を補間周期毎に生成しながらZ2軸を移動させて、工具T1,T2の先端がワークW1,W2に到達するタイミングに同期してZ1軸を移動させる位置指令を生成するとともに、Z2軸を移動させる位置指令を生成する。すなわち、実行順序制御手段33iは、1つのブロック内で複数の処理の実効順序を並行的に制御する。
シフト量演算手段34iは、各主軸間で加工条件(例えば、工具長、加工穴深さ)が異なるとの解析結果を取得した場合(例えば、図6に示す連動同期タップ指令の場合)、Z1軸の移動量ΔZ1を演算する。
例えば、シフト量演算手段34iは、基準側の主軸(S2軸)の工具T2及びワークW2間の距離と連動側の主軸(S1軸)の工具T1及びワークW1間の距離との違いが基準側の主軸(S2軸)の工具長と連動側の主軸(S1軸)の工具長との違いに対応したものになるように、Z1軸の移動量を演算する。例えば、加工穴深さD1と加工穴深さD2とが均等であり、工具T1の工具長Lt1と工具T1の工具長Lt2とが異なっている場合、Z1軸の移動量ΔZ1aを次の数式2により求めることができる。
ΔZ1a=Lt1−Lt2・・・数式2
あるいは、例えば、シフト量演算手段34iは、基準側の主軸(S2軸)の工具T2及びワークW2間の距離と連動側の主軸(S1軸)の工具T1及びワークW1間の距離との違いが基準側の主軸(S2軸)の加工穴深さD2と連動側の主軸(S1軸)の加工穴深さD1との違いに対応したものになるように、Z1軸の移動量を演算する。例えば、工具T1の工具長Lt1と工具T1の工具長Lt2とが均等であり、加工穴深さD1と加工穴深さD2とが異なっている場合、Z1軸の移動量ΔZ1bを次の数式3により求めることができる。
ΔZ1b=D1−D2・・・数式3
速度演算手段35iは、基準側のピッチ指令(例えば、図3に示す「F2=0.5」)、及び基準側の回転数指令(例えば、図3に示す「S1000」)を解析処理部17iから記憶部8経由で取得する。速度演算手段35iは、例えば、基準側の指令されたピッチに基準側の指令された回転数を乗算することで、基準側の主軸の送り速度を演算する。例えば、基準側の指令されたピッチをPf2とし、基準側の指令された回転数をNc2とすると、基準側のZ2軸の送り速度v2は、次の数式4により求めることができる。
v2=Pf2×Nc2・・・数式4
速度演算手段35iは、例えば、各主軸間で加工条件(例えば、工具長、加工穴深さ)が異なるとの解析結果を取得した場合、連動側の主軸の送り速度をさらに演算する。例えば、工具T1の工具長Lt1と工具T1の工具長Lt2とが均等であり、加工穴深さD1と加工穴深さD2とが異なっている場合、基準側の工具がワーク表面に到達してから穴底に到達するまでの時間がΔt2=D2/(v2)であるので、連動側のZ1軸の送り速度v1は、次の数式5により求めることができる。
v1=(D1−D2)/(Δt2)
=v2(D1−D2)/(D2)・・・数式5
数式5において、D1≧0であり、D2≧0である。v1>0の場合、連動側のZ1軸がZ2軸に近づく方向に移動し、v1<0の場合、連動側のZ1軸がZ2軸から遠ざかる方向に移動する。
連動同期タップ主軸制御部80iは、同一の送りに対する基準側の主軸の回転数及び連動側の主軸の回転数の違いが加工すべきネジ溝の異なるピッチに対応したものになるように、基準側の主軸の回転数と連動側の主軸の回転数とをそれぞれ求める。具体的には、連動同期タップ主軸制御部80iは、基準主軸回転数演算手段81i及び連動主軸回転数演算手段82iを有する。
基準主軸回転数演算手段81iは、基準側の送り軸であるZ2軸の移動量を、補間処理部60から加減速処理部70経由で取得する。また、基準主軸回転数演算手段81iは、基準側のピッチ指令を、解析処理部17iから記憶部8、連動同期タップ制御部30i、補間処理部60、及び加減速処理部70経由で取得する。基準主軸回転数演算手段81iは、例えば、基準側のZ2軸の移動量を基準側のピッチで除算することで、基準側の主軸の移動量(回転速度)を演算する。これにより、基準側の送り軸と基準側の主軸の移動(回転)とを同期させることができる。
連動主軸回転数演算手段82iは、基準側の送り軸であるZ2軸の移動量と、連動側の送り軸であるZ1軸の移動量(例えば、上記の数式5で算出されたv1から補間処理部60で演算された制御周期当たりの移動量)とを、補間処理部60から加減速処理部70経由で取得する。また、連動主軸回転数演算手段82iは、連動側のピッチ指令を、解析処理部17iから記憶部8、連動同期タップ制御部30i、補間処理部60、及び加減速処理部70経由で取得する。連動主軸回転数演算手段82iは、基準側のZ2軸の移動量と連動側のZ1軸の移動量とを加算し、加算結果を連動側のピッチで除算することで、基準側の主軸の移動量(回転速度)を演算する。これにより、主軸の移動量(回転速度)を連動側のピッチに対応するとともに送り軸に同期したものとすることができる。
例えば、Z1軸を固定する場合、演算された基準側のZ2軸の送り速度をv2とし、連動側のZ1軸の送り速度をv1とした場合、Z1軸を固定とするため、v1=0となる。連動側の指令されたピッチをPf1とすると、連動側の主軸(S1軸)について駆動すべき回転数N1は、次の数式6により求めることができる。
N1=(v1+v2)/(Pf1)
=v2/(Pf1)
=Pf2×Nc2/(Pf1)・・・数式6
あるいは、例えば、各主軸間で加工条件(例えば、工具長、加工穴深さ)が異なる場合、演算された基準側のZ2軸の送り速度をv2とし、連動側の指令されたピッチをPf1とすると、連動側のZ1軸の送り速度v1は上記の数式5で求められるから、連動側の主軸(S1軸)について駆動すべき回転数N1は、次の数式7により求めることができる。
N1=(v1+v2)/(Pf1)
=v2×D1/{(D2)×(Pf1)}
=Pf2×Nc2×D1/{(D2)×(Pf1)}
・・・数式7
連動同期タップ制御部30iは、Z1軸の駆動位置・送り速度、及びZ2軸の駆動位置・送り速度を、補間処理部60、加減速処理部70、連動同期タップ主軸制御部80i、及び軸データ入出力部90経由で駆動部20iへ供給する。また、連動同期タップ主軸制御部80iは、基準側の主軸(S2軸)の駆動回転数N2、及び連動側の主軸(S1軸)の駆動回転数N1を、軸データ入出力部90経由で駆動部20iへ供給する。これにより、基準側の主軸の回転及び送りに連動側の主軸の回転及び送りを連動させるように、X1軸、Z1軸、S1軸、X2軸、Z2軸、及びS2軸を連動駆動させる。
次に、Z1軸を固定する場合の加工プログラム11の連動同期タップ指令について図3を用いて説明する。図3は、Z1軸を固定する場合の連動同期タップ指令を示す図である。
連動同期タップ指令は、例えば、図3に示すようなコードを含む。Gコード「G180」は、そのブロックが連動同期タップ指令であることを示している。
図3に示す「Z2=50.」の記述は、主軸S2で加工すべき穴底の位置(mm)に対応したZ2軸の位置指令を示す。図3に示す場合、「Z1」についての記述が省略されていることから、Z1軸を固定状態に維持することが指令されているものと解析される。
なお、Z1軸の位置指令は、図4に示すZ1軸の機械座標原点Oz1を基準にして指令される。Z2軸の位置指令は、図4に示すZ2軸の機械座標原点Oz2を基準にして指令される。Z1軸の機械座標系では、Z1軸の機械座標原点Oz1からZ2軸の機械座標原点Oz2へ向かう方向が+Z方向である。Z2軸の機械座標系では、Z2軸の機械座標原点Oz2からZ1軸の機械座標原点Oz1へ向かう方向が+Z方向である。図4は、ワーク座標系及び機械座標系を示す図である。図4に示すOw1,Ow2は、それぞれ、連動側、基準側のワーク座標系の原点である。
図3に示す「S1=S2」の記述は、複数の主軸のうちどの主軸が基準側の主軸でありどの主軸が連動側の主軸であるのかを指定している。図3の場合、「S1=S2」の記述における最右辺の主軸(S2軸)が基準側の主軸でありそれ以外の軸(S1軸)が連動側の主軸であると解析される。
なお、基準側の主軸又は連動側の主軸の指定に「−」符号付きで指令した場合、逆タップの指令であると解析される。例えば、「S1=−S2」の場合、連動側の主軸(S1軸)が正タップであり、基準側の主軸(S2軸)が逆タップであると解析される。あるいは、例えば、「−S1=S2」の場合、連動側の主軸(S1軸)が逆タップであり、基準側の主軸(S2軸)が正タップであると解析される。例えば、「−S1=−S2」の場合、連動側の主軸(S1軸)が逆タップであり、基準側の主軸(S2軸)が逆タップであると解析される。
「F1=1.0」の記述は、主軸(S1軸)の工具T1で加工すべき雌ネジ穴のネジ溝のピッチ(mm)を示している。「F2=0.5」の記述は、主軸(S2軸)の工具T2で加工すべき雌ネジ穴のネジ溝のピッチ(mm)を示している。
「S1000」の記述は、基準側の主軸の回転数(rpm)を示す。図3の場合、S2軸が基準側の主軸に指定されているので、「S1000」の記述は、S2軸の回転数を示す。
「T1」の記述は、連動側の工具の工具補正番号を示している。図3の場合、連動側の工具として工具補正番号「T1」の工具T1が指定されているものと解析される。解析処理部17iは、例えば工具補正番号「T1」を記憶部8経由で連動同期タップ制御部30iへ供給する。
なお、基準側の工具は、連動同期タップ指令の前に、予め、T指令等により指定されている。図3の場合、基準側の工具として工具補正番号「T2」の工具T2が予め指定されて解析される。解析処理部17iは、例えば工具補正番号「T2」を記憶部8経由で連動同期タップ制御部30iへ供給する。
次に、各主軸間で工具長・加工穴深さが同じでピッチが異なる場合のワークの加工手順について、図5を用いて説明する。
ステップ5Aでは、数値制御装置1iが、加工プログラム11の連動同期タップ指令(例えば、図3に示す「G180」の記述)に従って、Z2軸を制御して、工具T1,T2をそれぞれ加工開始位置に移動させる。
ステップ5Bでは、数値制御装置1iが、加工プログラム11の連動同期タップ指令(例えば、図3に示す「Z2=50. S1=S2 F1=1.0 F2=0.5 S1000 T1」の記述)に従って、S1軸、S2軸、Z2軸を制御して、ワークW1に対して工具T1を工具軸Ta1周りに相対的に回転させ(すなわち、S1軸を回転させワークW1を回転させ)、ワークW2に対して工具T2を工具軸Ta2周りに相対的に回転させる(すなわち、S2軸を回転させワークW2を回転させる)とともに、ワークW1,W2に工具T1,T2がそれぞれ相対的に近づくように送り動作を行う(すなわち、Z2軸を移動させS1軸、S2軸をそれぞれ送って工具T1,T2をワークW1,W2に近づける)。このとき、同一の送りに対する基準側の主軸(S2軸)の回転数及び連動側の主軸(S1軸)の回転数の違いが加工すべきネジ溝の異なるピッチに対応したものになるように連動させて、複数の工具T1,T2による複数のワークW1,W2の同期タップ加工を同時に行う。
例えば、図3に示す場合、基準側の指令されたピッチ(F2)がPf2=0.5mmであり、基準側の指令された回転数(S)がNc2=1000rpmであるので、Z2軸の送り速度は、上記の数式4よりv2=500mm/minと求められる。そして、連動側の指令されたピッチ(F1)がPf1=1.0mmであり、Z2軸の送り速度がv2=500mm/minであるので、連動側の主軸(S1軸)の駆動回転数は、上記の数式6よりN1=500rpmと求められる。
あるいは、例えば、基準側の指令されたピッチ(F2)がPf2=1mmであり、基準側の指令された回転数(S)がNc2=1000rpmである場合、Z2軸の送り速度は、上記の数式4よりv2=1000mm/minと求められる。そして、連動側の指令されたピッチ(F1)がPf1=0.5mmであるとすると、Z2軸の送り速度がv2=1000mm/minであるので、連動側の主軸(S1軸)の駆動回転数は、上記の数式6よりN1=2000rpmと求められる。
あるいは、例えば、基準側の指令されたピッチ(F2)がPf2=0.75mmであり、基準側の指令された回転数(S)がNc2=1000rpmである場合、Z2軸の送り速度は、上記の数式4よりv2=750mm/minと求められる。そして、連動側の指令されたピッチ(F1)がPf1=0.5mmであるとすると、Z2軸の送り速度がv2=750mm/minであるので、連動側の主軸(S1軸)の駆動回転数は、上記の数式6よりN1=1500rpmと求められる。
このように、加工すべきネジ溝のピッチが各主軸間で異なる場合に、複数の工具T1,T2による複数のワークW1,W2の同期タップ加工を同時に精度よく行うことができる。
次に、Z1軸を稼働する場合の加工プログラムの連動同期タップ指令について図6を用いて説明する。図6は、Z1軸を稼働する場合の連動同期タップ指令を示す図である。
図6に示す連動同期タップ指令では、「Z1」についての記述が含まれている。すなわち、「Z1=55.」は、主軸S1で加工すべき穴底の位置(mm)に対応したZ1軸の位置指令を示す。図6に示す場合、「Z1」についての記述が明示されていることから、Z1軸を稼働するZ1軸の位置指令が指令されているものと解析される。
例えば、図6に示す場合、Z1軸の位置指令Z1=55mmとZ2軸の位置指令Z2=50mmとの差Z1−Z2=5mmが、主軸(S1軸)の加工穴深さD1と主軸(S2軸)の加工穴深さD2との差D1−D2(≒5mm)に対応している。
次に、各主軸間で工具長が同じで加工穴深さ・ピッチが異なる場合のワークの加工手順について、図7を用いて説明する。図7では、加工穴深さD1が加工穴深さD2より大きい場合(D1>D2)について例示している。
ステップ7Aでは、数値制御装置1iが、加工プログラム11の連動同期タップ指令(例えば、図6に示す「G180」の記述)に従って、Z2軸を制御して、工具T1,T2をそれぞれ加工開始位置に移動させる。
ステップ7Bでは、数値制御装置1iが、加工プログラム11の連動同期タップ指令(例えば、図6に示す「Z1=55. Z2=50. S1=S2 F1=1.0 F2=0.5 S1000 T1」の記述)に従って、S1軸、S2軸、Z1軸、Z2軸を制御して、ワークW1に対して工具T1を工具軸Ta1周りに相対的に回転させ(すなわち、S1軸を回転させワークW1を回転させ)、ワークW2に対して工具T2を工具軸Ta2周りに相対的に回転させる(すなわち、S2軸を回転させワークW2を回転させる)とともに、ワークW1,W2に工具T1,T2がそれぞれ相対的に近づくように送り動作を行う(すなわち、Z2軸を移動させS1軸、S2軸をそれぞれ送って工具T1,T2をワークW1,W2に近づける)。このとき、基準側の主軸(S2軸)の工具T2及びワークW2間の距離と連動側の主軸(S1軸)の工具T1及びワークW1間の距離との違いが基準側の主軸(S2軸)の加工穴深さD2と連動側の主軸(S1軸)の加工穴深さD1との違いに対応したものになるように連動させて、複数の工具T1,T2による複数のワークW1,W2の同期タップ加工を同時に行う。すなわち、D1>D2であるので、+Z方向にZ1軸を稼働させる。
例えば、図6に示す場合、基準側の指令されたピッチ(F2)がPf2=0.5mmであり、基準側の指令された回転数(S)がNc2=1000rpmであるので、Z2軸の送り速度は、上記の数式4よりv2=500mm/minと求められる。そして、基準側の加工穴深さD2=5mm、連動側の加工穴深さD1=10mmとすると、連動側の指令されたピッチ(F1)がPf1=1.0mmであり、Z2軸の送り速度がv2=500mm/minであるので、Z1軸の送り速度は、上記の数式5より500mm/minと求められ、連動側の主軸(S1軸)の駆動回転数は、上記の数式7よりN1=1000rpmと求められる。
あるいは、例えば、基準側の指令されたピッチ(F2)がPf2=0.5mmであり、基準側の指令された回転数(S)がNc2=1500rpmである場合、Z2軸の送り速度は、上記の数式4よりv2=750mm/minと求められる。そして、基準側の加工穴深さD2=6mm、連動側の加工穴深さD1=10mmとし、連動側の指令されたピッチ(F1)がPf1=0.75mmであるとすると、Z2軸の送り速度がv2=750mm/minであるので、Z1軸の送り速度は、上記の数式5より500mm/minと求められ、連動側の主軸(S1軸)の駆動回転数は、上記の数式7よりN1≒1667rpmと求められる。
このように、加工すべき加工穴深さと加工すべきネジ溝のピッチとが各主軸間で異なる場合に、複数の工具T1,T2による複数のワークW1,W2の同期タップ加工を同時に精度よく行うことができる。
次に、各主軸間で工具長が同じで加工穴深さ・ピッチが異なる場合のワークの加工手順について、図8を用いて説明する。図8では、加工穴深さD1が加工穴深さD2より小さい場合(D1<D2)について例示している。
ステップ8Aでは、数値制御装置1iが、加工プログラム11の連動同期タップ指令(例えば、図6に示す「G180」の記述)に従って、Z2軸を制御して、工具T1,T2をそれぞれ加工開始位置に移動させる。
ステップ8Bでは、数値制御装置1iが、加工プログラム11の連動同期タップ指令(例えば、図6に示す「Z1=55. Z2=50. S1=S2 F1=1.0 F2=0.5 S1000 T1」の記述)に従って、S1軸、S2軸、Z1軸、Z2軸を制御して、ワークW1に対して工具T1を工具軸Ta1周りに相対的に回転させ(すなわち、S1軸を回転させワークW1を回転させ)、ワークW2に対して工具T2を工具軸Ta2周りに相対的に回転させる(すなわち、S2軸を回転させワークW2を回転させる)とともに、ワークW1,W2に工具T1,T2がそれぞれ相対的に近づくように送り動作を行う(すなわち、Z2軸を移動させS1軸、S2軸をそれぞれ送って工具T1,T2をワークW1,W2に近づける)。このとき、基準側の主軸(S2軸)の工具T2及びワークW2間の距離と連動側の主軸(S1軸)の工具T1及びワークW1間の距離との違いが基準側の主軸(S2軸)の加工穴深さD2と連動側の主軸(S1軸)の加工穴深さD1との違いに対応したものになるように連動させて、複数の工具T1,T2による複数のワークW1,W2の同期タップ加工を同時に行う。すなわち、D1<D2であるので、−Z方向にZ1軸を稼働させる。
例えば、基準側の指令されたピッチ(F2)がPf2=0.5mmであり、基準側の指令された回転数(S)がNc2=1500rpmである場合、Z2軸の送り速度は、上記の数式4よりv2=750mm/minと求められる。そして、基準側の加工穴深さD2=6mm、連動側の加工穴深さD1=4mmとし、連動側の指令されたピッチ(F1)がPf1=0.75mmであるとすると、Z2軸の送り速度がv2=750mm/minであるので、Z1軸の送り速度は、上記の数式5より−250mm/minと求められ、連動側の主軸(S1軸)の駆動回転数は、上記の数式7よりN1≒667rpmと求められる。
このように、加工すべき加工穴深さと加工すべきネジ溝のピッチとが各主軸間で異なる場合に、複数の工具T1,T2による複数のワークW1,W2の同期タップ加工を同時に精度よく行うことができる。
次に、各主軸間で工具長・加工穴深さ・ピッチが異なる場合のワークの加工手順について、図9を用いて説明する。図9では、工具T1の工具長Lt1が工具T2の工具長Lt2より長く(Lt1>Lt2)、加工穴深さD1が加工穴深さD2より大きい場合(D1>D2)について例示している。
ステップ9Aでは、数値制御装置1iが、加工プログラム11の位置決め指令(G00等)に従って、Z2軸を制御して、工具T1,T2を基準位置に移動させる。
ステップ9Bでは、数値制御装置1iが、加工プログラム11の連動同期タップ指令(例えば、図9に示す「T1」の記述)に従って、Z1軸を制御して、ワークW1に対して工具T1を相対的に移動させ、工具T1とワークW1との間の距離を変える。このとき、基準側の主軸(S2軸)の工具T2及びワークW2間の距離と連動側の主軸(S1軸)の工具T1及びワークW1間の距離との違いが基準側の主軸(S2軸)の工具長Lt2と連動側の主軸(S1軸)の工具長Lt1との違いに対応したものになるように連動させる。すなわち、Lt1>Lt2であるので、−Z方向にLt1−Lt2の移動量でZ1軸を稼働させる。
ステップ9Cでは、数値制御装置1iが、加工プログラム11の連動同期タップ指令(例えば、図6に示す「G180」の記述)に従って、Z2軸を制御して、工具T1,T2をそれぞれ加工開始位置に移動させる。このとき、ステップ9Bで工具T1とワークW1との間の距離を変えたことにより、2つの工具T1,T2の先端をほぼ同時にワークW1,W2の表面に到達させることができる。
ステップ9Dでは、数値制御装置1iが、加工プログラム11の連動同期タップ指令(例えば、図6に示す「Z1=55. Z2=50. S1=S2 F1=1.0 F2=0.5 S1000 T1」の記述)に従って、S1軸、S2軸、Z1軸、Z2軸を制御して、ワークW1に対して工具T1を工具軸Ta1周りに相対的に回転させ(すなわち、S1軸を回転させワークW1を回転させ)、ワークW2に対して工具T2を工具軸Ta2周りに相対的に回転させる(すなわち、S2軸を回転させワークW2を回転させる)とともに、ワークW1,W2に工具T1,T2がそれぞれ相対的に近づくように送り動作を行う(すなわち、Z2軸を移動させS1軸、S2軸をそれぞれ送って工具T1,T2をワークW1,W2に近づける)。このとき、基準側の主軸(S2軸)の工具T2及びワークW2間の距離と連動側の主軸(S1軸)の工具T1及びワークW1間の距離との違いが基準側の主軸(S2軸)の加工穴深さD2と連動側の主軸(S1軸)の加工穴深さD1との違いに対応したものになるように連動させて、複数の工具T1,T2による複数のワークW1,W2の同期タップ加工を同時に行う。すなわち、D1>D2であるので、+Z方向にZ1軸を稼働させる。
このように、工具の工具長、加工すべきネジ溝のピッチ、及び加工穴深さが各主軸間で異なる場合に、複数の工具T1,T2による複数のワークW1,W2の同期タップ加工を同時に精度よく行うことができる。
次に、各主軸間で工具長・加工穴深さ・ピッチが異なる場合のワークの加工手順について、図10を用いて説明する。図10では、工具T1の工具長Lt1が工具T2の工具長Lt2より短く(Lt1<Lt2)、加工穴深さD1が加工穴深さD2より大きい場合(D1>D2)について例示している。
ステップ10Aでは、数値制御装置1iが、加工プログラム11の位置決め指令(G00等)に従って、Z2軸を制御して、工具T1,T2を基準位置に移動させる。
ステップ10Bでは、数値制御装置1iが、加工プログラム11の連動同期タップ指令(例えば、図6に示す「T1」の記述)に従って、Z1軸を制御して、ワークW1に対して工具T1を相対的に移動させ、工具T1とワークW1との間の距離を変える。このとき、基準側の主軸(S2軸)の工具T2及びワークW2間の距離と連動側の主軸(S1軸)の工具T1及びワークW1間の距離との違いが基準側の主軸(S2軸)の工具長Lt2と連動側の主軸(S1軸)の工具長Lt1との違いに対応したものになるように連動させる。すなわち、Lt1<Lt2であるので、+Z方向にLt2−Lt1の移動量でZ1軸を稼働させる。
ステップ10Cでは、数値制御装置1iが、加工プログラム11の連動同期タップ指令(例えば、図6に示す「G180」の記述)に従って、Z2軸を制御して、工具T1,T2をそれぞれ加工開始位置に移動させる。このとき、ステップ10Bで工具T1とワークW1との間の距離を変えたことにより、2つの工具T1,T2の先端をほぼ同時にワークW1,W2の表面に到達させることができる。
ステップ10Dでは、数値制御装置1iが、加工プログラム11の連動同期タップ指令(例えば、図6に示す「Z1=55. Z2=50. S1=S2 F1=1.0 F2=0.5 S1000 T1」の記述)に従って、S1軸、S2軸、Z1軸、Z2軸を制御して、ワークW1に対して工具T1を工具軸Ta1周りに相対的に回転させ(すなわち、S1軸を回転させワークW1を回転させ)、ワークW2に対して工具T2を工具軸Ta2周りに相対的に回転させる(すなわち、S2軸を回転させワークW2を回転させる)とともに、ワークW1,W2に工具T1,T2がそれぞれ相対的に近づくように送り動作を行う(すなわち、Z2軸を移動させS1軸、S2軸をそれぞれ送って工具T1,T2をワークW1,W2に近づける)。このとき、基準側の主軸(S2軸)の工具T2及びワークW2間の距離と連動側の主軸(S1軸)の工具T1及びワークW1間の距離との違いが基準側の主軸(S2軸)の加工穴深さD2と連動側の主軸(S1軸)の加工穴深さD1との違いに対応したものになるように連動させて、複数の工具T1,T2による複数のワークW1,W2の同期タップ加工を同時に行う。すなわち、D1>D2であるので、+Z方向にZ1軸を稼働させる。
このように、工具の工具長、加工すべきネジ溝のピッチ、及び加工穴深さが各主軸間で異なる場合に、複数の工具T1,T2による複数のワークW1,W2の同期タップ加工を同時に精度よく行うことができる。
次に、実施の形態にかかる数値制御装置1iの動作について図11を用いて説明する。図11は、実施の形態にかかる数値制御装置1iの動作を示すフローチャートである。
ステップST1では、数値制御装置1iが、連動同期タップ指令に従って、複数の主軸における基準側の主軸と連動側の主軸とをそれぞれ認識する。例えば、図3、図6に示す連動同期タップ指令の場合、S2軸が基準側の主軸であり、S1軸が連動側の主軸であると認識する。そして、数値制御装置1iは、基準側の主軸(S2軸)の工具長Lt2と連動側の主軸(S1軸)の工具長Lt1とをそれぞれ求め、工具長差ΔT=Lt1−Lt2を求める。数値制御装置1iは、工具長差ΔTが略0である(すなわち、絶対値が閾値未満である)か否かを判断し、工具長差ΔTが略0である(ステップST1で「Yes」の)場合、処理をステップST5へ進め、工具長差ΔTが略0でない(ステップST1で「No」の)場合、処理をステップST2へ進める。
ステップST2では、数値制御装置1iが、工具長差ΔTが0より小さい(すなわち、絶対値が閾値以上であり且つ負の値である)か否かを判断し、工具長差ΔTが0より小さい(ステップST2で「Yes」の)場合、処理をステップST4へ進め、工具長差ΔTが0以上である(ステップST2で「No」の)場合、処理をステップST3へ進める。
ステップST3では、数値制御装置1iが、Z1軸を工具長差ΔT分だけZ1軸の−Z方向へ早送り(G00)で移動させる。その後、数値制御装置1iは、Z2軸を制御して、工具T1,T2をそれぞれ加工開始位置に移動させる。
ステップST4では、数値制御装置1iが、Z1軸を工具長差ΔT分だけZ1軸の+Z方向へ早送り(G00)で移動させる。その後、数値制御装置1iは、Z2軸を制御して、工具T1,T2をそれぞれ加工開始位置に移動させる。
ステップST5では、数値制御装置1iが、連動同期タップ指令に従って、基準側の主軸(S2軸)の加工穴深さD2と連動側の主軸(S1軸)の加工穴深さD1とをそれぞれ求め、穴深さ差ΔD=D1−D2を求める。数値制御装置1iは、穴深さ差ΔDが略0である(すなわち、絶対値が閾値未満である)か否かを判断し、穴深さ差ΔDが略0である(ステップST5で「Yes」の)場合、処理をステップST9へ進め、穴深さ差ΔDが略0でない(ステップST5で「No」の)場合、処理をステップST6へ進める。
ステップST6では、数値制御装置1iが、穴深さ差ΔDが0より小さい(すなわち、絶対値が閾値以上であり且つ負の値である)か否かを判断し、穴深さ差ΔDが0より小さい(ステップST6で「Yes」の)場合、処理をステップST8へ進め、穴深さ差ΔDが0以上である(ステップST6で「No」の)場合、処理をステップST7へ進める。
ステップST7では、数値制御装置1iが、Z2軸を制御して、工具T1,T2をそれぞれ加工開始位置に移動させ、切り込ませる。このとき、数値制御装置1iは、Z2軸の制御と並行して、Z1軸を穴深さ差ΔD分だけZ1軸の+Z方向へ移動させる。また、基準側の主軸の送り速度v2と連動側の主軸の送り速度v1とを数式5により制御し、基準側の主軸の回転数N2と連動側の主軸の回転数N1とを数式7により制御する。
ステップST8では、数値制御装置1iが、Z2軸を制御して、工具T1,T2をそれぞれ加工開始位置に移動させ、切り込ませる。このとき、数値制御装置1iは、Z2軸の制御と並行して、Z1軸を穴深さ差ΔD分だけZ1軸の−Z方向へ移動させる。また、基準側の主軸の送り速度v2と連動側の主軸の送り速度v1とを数式5により制御し、基準側の主軸の回転数N2と連動側の主軸の回転数N1とを数式7により制御する。
ステップST9では、数値制御装置1iが、Z1軸を固定状態に維持しながら、Z2軸を制御して、工具T1,T2をそれぞれ加工開始位置に移動させ、切り込ませる。このとき、数値制御装置1iは、例えば、基準側の主軸の回転数N2と連動側の主軸の回転数N1とを互いに均等になるように制御してもよい。
以上のように、実施の形態では、数値制御装置1iにおいて、制御演算部50iが、連動同期タップ指令に従って、複数の主軸のうちの基準側の主軸(S2軸)の回転及び送りに連動側の主軸(S1軸)の回転及び送りを連動させて、複数の工具T1,T2で同時に同期タップ加工を行う。これにより、各主軸(S1軸、S2軸)間の加工条件の違いを考慮しながら、複数の工具T1,T2で同時に同期タップ加工を精度よく行うことができる。すなわち、各主軸間で加工条件が異なる場合に、複数の工具で同時に同期タップ加工を行う際の精度を向上でき、段取り時間の短縮によるサイクルタイム向上を実現できる。
また、実施の形態では、数値制御装置1iにおいて、制御演算部50iが、例えば、連動同期タップ指令に従って、同一の送りに対する基準側の主軸(S2軸)の回転数及び連動側の主軸(S1軸)の回転数の違いが加工すべきネジ溝の異なるピッチに対応したものになるように連動させて、複数の工具T1,T2で同時に異なるピッチの同期タップ加工を行う。これにより、各主軸間の加工条件の違いを考慮しながら、異なるピッチにより、複数の工具で同時に同期タップ加工を行うことができる。したがって、加工のバリエーションを広げることができる。
また、実施の形態では、数値制御装置1iにおいて、制御演算部50iが、例えば、連動同期タップ指令に従って、基準側の主軸(S2軸)の工具T2及びワークW2間の距離と連動側の主軸(S1軸)の工具T1及びワークW1間の距離との違いが基準側の主軸(S2軸)の工具長と連動側の主軸(S1軸)の工具長との違いに対応したものになるように連動させて、複数の工具T1,T2で同時に同期タップ加工を行う。例えば、各主軸をZ2軸で送った時に各主軸がほぼ同時にワークの表面に到達するように、複数の主軸における一部の主軸(S1軸)と、一部の主軸(S1軸)に対向するワークW1との距離を変えてから、連動して同時に同期タップを行うことができる。これにより、工具の工具長が各主軸間で異なる場合に、複数の工具T1,T2による複数のワークW1,W2の同期タップ加工を同時に精度よく行うことができる。したがって、加工のバリエーションを広げることができる。
また、実施の形態では、数値制御装置1iにおいて、制御演算部50iが、例えば、連動同期タップ指令に従って、基準側の主軸(S2軸)の工具T2及びワークW2間の距離と連動側の主軸(S1軸)の工具T1及びワークW1間の距離との違いが基準側の主軸(S2軸)の加工穴深さD2と連動側の主軸(S1軸)の加工穴深さD1との違いに対応したものになるように連動させて、複数の工具T1,T2で同時に同期タップ加工を行う。例えば、各主軸をZ2軸で送った時に各主軸の加工穴深さが均等になるように、複数の主軸における一部の主軸(S1軸)と一部の主軸(S1軸)に対向するワークW1との距離を変えながら、連動して同時に同期タップを行うことができる。これにより、加工すべき加工穴深さが各主軸間で異なる場合に、複数の工具T1,T2による複数のワークW1,W2の同期タップ加工を同時に精度よく行うことができる。したがって、加工のバリエーションを広げることができる。
なお、実施の形態では、基準側の主軸に対して1つの連動側の主軸が連動する場合について例示しているが、基準側の主軸に対して複数の連動側の主軸が連動してもよい。例えば、図3、図6に示す連動同期タップ指令において、「S1=S2」の記述に代えて「S3=S1=S2」の記述を用いてもよい。この場合でも、「S3=S1=S2」の記述における最右辺の主軸(S2軸)が基準側の主軸でありそれ以外の軸(S3軸、S1軸)が連動側の主軸であると解析される。
あるいは、工作機械900jの構成は、図12に示す構成であってもよい。工作機械900jでは、Z2軸側に2つのワーク支持部907i1,907i2が設けられ、Z1軸側に2つの刃物台906i1,906i2が設けられている。刃物台906i2は、固定されている。工作機械900jにおいて、Z2軸(送り軸)は、複数のワークW1,W2を複数の工具T1,T2に近づく方向へ送る。Z1軸(第2の送り軸)は、1つの工具T1を1つの工具T1に対向するワークW1に近づく方向へ送る。この場合も、各主軸(S1軸、S2軸)、Z1軸、Z2軸を制御して、実施の形態と同様の制御を行うことができる。
あるいは、工作機械900kの構成は、図13に示す構成であってもよい。工作機械900kでは、Z2軸側にワーク支持部907i1及び刃物台906i2が設けられ、Z1軸側に刃物台906i1及びワーク支持部907i2が設けられている。刃物台907i2は、固定されている。工作機械900kにおいて、Z2軸(送り軸)は、複数のワークW1,W2における一部のワークW1を工具T1に近づく方向へ送るとともに、複数の工具T1,T2における工具T1を除く残りの工具T2を残りの工具T2に対向するワークW2に近づく方向へ送る。Z1軸(第2の送り軸)は、1つの工具T1を1つの工具T1に対向するワークW1に近づく方向へ送る。この場合も、各主軸(S1軸、S2軸)、Z1軸、Z2軸を制御して、実施の形態と同様の制御を行うことができる。
あるいは、工作機械900pの構成は、図14に示す構成であってもよい。工作機械900pでは、Z2軸側に2つの刃物台906i1,906i2が設けられ、Z1軸側に2つのワーク支持部907i1,907i2が設けられている。ワーク支持部907i2は、固定されている。工作機械900pにおいて、Z2軸(送り軸)は、複数の工具T1,T2を複数のワークW1,W2に近づく方向へ送る。Z1軸(第2の送り軸)は、1つの工具T1に対向するワークW1を1つの工具T1に近づく方向へ送る。この場合も、各主軸(S1軸、S2軸)、Z1軸、Z2軸を制御して、実施の形態と同様の制御を行うことができる。
以上のように、本発明にかかる数値制御装置は、同期タップ加工に有用である。
1,1i 数値制御装置、50,50i 制御演算部。

Claims (7)

  1. ワークに対して前記ワークに対向する工具を工具軸周りにそれぞれ相対的に回転させる複数の主軸と、複数の前記ワークに複数の前記工具が相対的に近づくように送り動作を行う送り軸とを有する工作機械を制御する数値制御装置であって、
    連動同期タップ指令に従って、前記複数の主軸のうちの基準側の主軸の回転及び送りに連動側の主軸の回転及び送りを連動させて、前記複数の工具で同時に同期タップ加工を行う連動同期タップ加工手段を備えた
    ことを特徴とする数値制御装置。
  2. 前記連動同期タップ加工手段は、前記連動同期タップ指令に従って、前記基準側の主軸の回転方向と前記連動側の主軸の回転方向とが逆になるように連動させて、前記複数の工具で同時に逆タップ加工を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  3. 前記連動同期タップ加工手段は、前記連動同期タップ指令に従って、同一の送りに対する前記基準側の主軸の回転数及び前記連動側の主軸の回転数の違いが異なるピッチに対応したものになるように連動させて、前記複数の工具で同時に前記異なるピッチの同期タップ加工を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  4. 前記連動同期タップ加工手段は、前記連動同期タップ指令に従って、前記基準側の主軸の回転方向と前記連動側の主軸の回転方向とが逆になるように連動させて、前記複数の工具で同時に逆タップ加工を行う
    ことを特徴とする請求項3に記載の数値制御装置。
  5. 前記工作機械は、前記複数の工具における1つの工具と前記1つの工具に対向するワークとの間の距離を変える第2の送り軸をさらに有し、
    前記連動同期タップ加工手段は、前記連動同期タップ指令に従って、前記基準側の主軸の工具及びワーク間の距離と前記連動側の主軸の工具及びワーク間の距離との違いが前記基準側の主軸の工具長と前記連動側の主軸の工具長との違いに対応したものになるように連動させて、前記複数の工具で同時に同期タップ加工を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  6. 前記工作機械は、前記複数の工具における1つの工具と前記1つの工具に対向するワークとの間の距離を変える第2の送り軸をさらに有し、
    前記連動同期タップ加工手段は、前記連動同期タップ指令に従って、前記基準側の主軸の工具及びワーク間の距離と前記連動側の主軸の工具及びワーク間の距離との違いが前記基準側の主軸の加工穴深さと前記連動側の主軸の加工穴深さとの違いに対応したものになるように連動させて、前記複数の工具で同時に同期タップ加工を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  7. 前記送り軸は、前記複数のワークを前記複数の工具に近づく方向へ送り、
    前記第2の送り軸は、前記1つの工具を前記1つの工具に対向するワークに近づく方向へ送る
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の数値制御装置。
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