JPWO2014156549A1 - 緑豆蛋白ゲル状組成物及びチーズ様食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、緑豆蛋白を含む緑豆蛋白ゲル状組成物、及び緑豆蛋白ゲル状組成物を用いたチーズ様食品を得ることを目的とする。【解決手段】緑豆蛋白とアルカリ金属イオンとを含む緑豆蛋白ゲル状組成物であって、緑豆蛋白ゲル状組成物全量を基準としてアルカリ金属イオンを50mM以上含む、緑豆蛋白ゲル状組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、緑豆蛋白ゲル状組成物及びチーズ様食品に関する。
緑豆(Vigna radiataの種子)は、中国では炎症を鎮める漢方の一種として用いられている生理機能の高い種子であり、中国及び東南アジア圏において広く食されている。また、緑豆は、主要な食物アレルゲンとされていないことから、蛋白源として非常に有用な食品である。特許文献1では、緑豆から緑豆蛋白を抽出し、パン及びクッキーに使用することが開示されている。一方、非特許文献1には、緑豆蛋白は高い気泡性を持つものの、他種蛋白と比較してゲル化力が弱いことが記載されている。
ゲル化食品は、蛋白等のゲル化力を利用した食品であり、例えば、チーズ、ヨーグルト等の発酵食品、ゼリー、プリン等のデザート類等が挙げられる。ゲル化食品の多くには、乳蛋白、卵蛋白、ゼラチン等の動物性蛋白が利用されている。これらの動物性蛋白は主要な食物アレルギー原因食品であるため、これらの原料を用いない植物性ゲル化食品について多く検討されている。例えば、特許文献2では、凝固剤として卵白類、澱粉類、乳蛋白、小麦蛋白、大豆蛋白、ゼラチン、コラーゲン等を使用して、プロセスチーズ様の食品を製造する方法が開示されている。しかし、特許文献2に記載されたプロセスチーズ様の食品は完全な純植物性ではなく、乳アレルギー又は卵アレルギー等の患者は摂取することができない。特許文献3では、乳等の動物性蛋白を用いずに、大豆蛋白と植物性油脂を混合し、乳酸菌で発酵させることにより、純植物性のクリームチーズ様食品を製造する方法が開示されている。
米国特許第4111927号明細書 特開2000−184854号公報 特許第4569630号公報
Pakistan Journal of Nutrition 9 (4): 373-379, 2010
緑豆から抽出した緑豆蛋白については、論文等で報告例があるにも関わらず、食品用途で広く使用されているわけではない。上述のとおり緑豆蛋白は、他の蛋白よりゲル化力が弱いため、ゲル化剤としては不十分な機能しか持ち合わせておらず、このような緑豆蛋白のゲル化を利用したゲル化食品は未だ得られていない。また、特許文献3に記載のチーズ様食品は、純植物性ではあるものの、大豆自体が主要食物アレルギーの一種である点と、大豆蛋白特有の風味の点から、満足の得られるものではない。このように、主要食物アレルギー物質を用いることなく良好な風味と持った純植物性チーズ様食品は、未だ得られていない。
そこで本発明は、緑豆蛋白を含む緑豆蛋白ゲル状組成物、及び緑豆蛋白ゲル状組成物を用いたチーズ様食品を得ることを目的とする。
本発明の緑豆蛋白ゲル状組成物は、緑豆蛋白とアルカリ金属イオンとを含み、緑豆蛋白ゲル状組成物全量を基準としてアルカリ金属イオンを50mM以上含む。
本発明によれば、動物性蛋白、大豆蛋白等を添加しなくても、十分な強度を有するゲル状組成物を得ることができる。
緑豆蛋白ゲル状組成物において、アルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン及びカリウムイオンの少なくとも一方を用いることができる。
緑豆蛋白ゲル状組成物は、ゲル状組成物全量を基準として、さらに油脂を50重量%以下含んでもよい。
本発明はまた、上記緑豆蛋白ゲル状組成物とフレーバーとを含有するチーズ様食品を提供する。本発明のチーズ様食品は、動物性蛋白又は大豆蛋白等の主要アレルギー原因食品を用いなくても、良好な風味と食感を有するチーズ様食品を提供することができる。
本発明によれば、緑豆蛋白を用いた、高い強度を持つゲル状組成物を得ることができる。したがって、動物性蛋白及び大豆蛋白を用いなくてもゲル状組成物を提供することができるため、これらの蛋白に対するアレルギーを持つ人であっても食することが可能である。また、本発明のゲル状組成物には緑豆蛋白が含まれるため、緑豆蛋白由来の各種栄養分を摂取することができる。また、本発明の緑豆蛋白ゲル状組成物を用いることにより、チーズに物性及び風味が非常に近いチーズ様食品を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(緑豆蛋白ゲル状組成物)
本実施形態における緑豆蛋白ゲル状組成物は、緑豆蛋白とアルカリ金属イオンとを含む。緑豆蛋白ゲル状組成物は、緑豆蛋白を含む緑豆蛋白組成物とアルカリ金属イオンとを混合して乳化物とし、凝固させることによって得られる。
(緑豆蛋白)
緑豆蛋白ゲル状組成物の原料となる緑豆蛋白源として、緑豆蛋白を含む緑豆蛋白組成物を利用できる。緑豆蛋白組成物として、緑豆豆乳、分離緑豆蛋白組成物等を用いることができ、これらをそのまま利用してもよく、これらを乾燥したものを利用してもよく、これらを殺菌後に乾燥したものを利用してもよい。緑豆豆乳は、丸緑豆又は脱澱粉緑豆等から蛋白成分を水又は温水で抽出し、抽出した溶液から澱粉及び食物繊維成分を除去することにより得ることができる。また、UF膜(限界ろ過膜)による処理等により、緑豆豆乳の蛋白成分を濃縮することもできる。分離緑豆蛋白組成物は、緑豆豆乳から等電点沈殿等の処理により蛋白を濃縮することによって得ることができる。なお、緑豆蛋白組成物は、粗蛋白量として緑豆蛋白を乾燥重量で60重量%以上含むことが好ましく、80重量%以上含むことがより好ましい。したがって、緑豆豆乳等の原料となる丸緑豆又は脱澱粉緑豆として、丸緑豆又は脱澱粉緑豆中における蛋白質の含有率が高いものを用いることがよい。
分離緑豆蛋白組成物は、例えば以下の様に調製することができる。すなわち、丸緑豆に水又は温水を加え、10時間から30時間程度浸漬し、粉砕後メッシュで種皮を除去する。その後、中性pH付近にて抽出を行い、不溶物を分離して緑豆豆乳を得る。次に、得られた緑豆豆乳をpH3.5〜5.5付近に調整し、等電点沈殿物を分離緑豆蛋白組成物として回収する。回収した沈殿物(分離緑豆蛋白組成物)に水及びアルカリ剤を加え、固形分濃度5〜15重量%、pH5.7〜8.0、好ましくはpH6.8〜7.5付近に調整し、液体状態の分離緑豆蛋白組成物を得る。この様にして得られた溶液は、そのまま以降の工程に用いてもよいし、乾燥して用いてもよいし、乾燥後に再度溶解して用いてもよい。乾燥させる場合、乾燥前に殺菌処理を行ってもよい。また、等電点沈殿物を中和せずに乾燥したものを用いてもよい。
緑豆蛋白ゲル状組成物中の緑豆蛋白の含有量は、ケルダール法により算出される粗蛋白量として、緑豆蛋白ゲル状組成物全量を基準として、8.3〜15.0重量%であることが好ましく、8.3〜13.3重量%であることがより好ましく、10.0〜13.3重量%であることがさらに好ましい。緑豆蛋白の含有量が上記範囲内であることにより、緑豆蛋白自身が持つもろさは少ないが、強度のある、特徴的なゲルを形成することができる。緑豆蛋白ゲル状組成物中の緑豆蛋白の濃度測定方法としては、例えば、ウエスタンブロッティング法を用いることができる。具体的には、緑豆蛋白ゲル状組成物を摩砕し、SDS及び2−メルカプトエタノール等の還元剤を含むサンプルバッファーを加え、10分間沸騰水中で蛋白を抽出する。その後、何点かの濃度に調整した緑豆蛋白(コントロール)を用いて、サンプルと同時にSDS−PAGEを行い、セミドライ法によりPVDF(Polyvinylidene difluoride)膜に転写する。転写した膜に一次抗体として抗緑豆蛋白抗体
を反応させ、AP(Alkaline phosphatase)又はHRP(Horse radishperoxidase)等で標識された抗体を二次抗体として用いて一次抗体と反応させ、酵素活性による発色等により、緑豆蛋白を定量することができる。
(アルカリ金属イオン)
アルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン又はカリウムイオン等の1価イオン類を例示できる。また、これらから選ばれる2種以上を組み合わせて含むこともできる。アルカリ金属イオンをゲル状組成物に供給するためには、水溶液中で電離しアルカリ金属をイオンの形態としてもたらすことのできる塩類を添加すればよく、塩化物、炭酸塩、リン酸塩等の塩類を用いることができる。これらの塩類の中でも、風味等の点から、塩化物を用いることが好ましい。緑豆蛋白ゲル状組成物に含まれるアルカリ金属イオンの量は、緑豆蛋白ゲル状組成物全量を基準として50mM以上であることが好ましく、3M以下であることが好ましく、1M以下であることがより好ましい。また、2種以上のアルカリ金属イオンを用いる場合には、それらの合計の濃度が上記の範囲内であればよい。なお、本明細書では、モル濃度(単位M)を、ゲル状組成物1L当たりに含まれるモル数を意味する語として使用している。また、ナトリウムイオンの含有量は、緑豆蛋白ゲル状組成物に含まれる総アルカリ金属イオン中の50mol%以上であることが好ましい。ナトリウムイオンの含有量が50mol%以上であると、カリウムイオンが多い場合と比較して風味が良好である。緑豆蛋白ゲル状組成物中のアルカリ金属イオンの濃度測定方法としては、例えば蛍光X線分析法を用いることができる。
(油脂)
本実施形態の緑豆蛋白ゲル状組成物には、油脂を混合してもよい。油脂としては、動植物性油脂、及びこれらを原料とする硬化油、分別油、エステル交換油、ジグリセリド、中鎖脂肪酸含有油脂等の加工油脂から選択される1種又は2種以上を使用することができる。動物性油脂の例としては、牛脂、乳脂、豚脂、魚油、鯨油等が挙げられる。植物性油脂の例としては、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、落花生油、サル脂、シア脂、カカオ脂、からし油等が挙げられる。これらの中でも、植物性油脂を使用することが好ましい。特にパーム分別油又は菜種硬化油を用いると、口溶けの良好な食感を付与できるため、より好ましい。油脂の融点は、所望するゲル状組成物の硬さを考慮し適宜選択できるが、15〜40℃が好ましく、20〜37℃がより好ましい。ゲル状組成物に油脂を含有させる場合の油脂の濃度としては、ゲル状組成物全量を基準として、50重量%以下が好ましく、1〜50重量%がより好ましく、5〜40重量%がさらに好ましく、10〜30重量%が特に好ましい。緑豆蛋白ゲル状組成物中の油脂の濃度測定方法としては、例えばソックスレー法を用いることができる。
(緑豆蛋白ゲル状組成物の製造方法)
緑豆蛋白ゲル状組成物を得るための材料の混合方法としては、様々な方法を選択することができ、例えば、公知のホモゲナイザー等の均質化手段を利用することができる。均質化により、材料の乳化物が得られる。その際の均質化圧力は、ゲル状組成物の組織の硬さに影響するので、好みの品質に応じて適宜設定すればよいが、一般には2.5〜15MPa(25〜150kg/cm2)が適当である。また、プロセスチーズ様の食感を求める場合には、フードプロセッサー、ミキサー、サイレントカッター等により材料を混合し均質化することもできる。
乳化物の凝固すなわちゲル化の方法としては、様々な方法を選択することができる。例えば、80℃以上の温度で任意の時間加熱することで乳化物を凝固させることができる。また、蛋白質架橋酵素であるトランスグルタミナーゼを乳化物に添加し、反応させることにより乳化物を凝固させることもできる。さらに、既存のゲル化剤を乳化物に添加することにより、得られる緑豆蛋白ゲル状組成物のゲル強度及びゲルの性質を改変することもできる。
上記の方法で得られた緑豆蛋白ゲル状組成物は、そのまま喫食用として提供することができ、また、さまざまなゲル化食品に応用して提供することができる。ゲル化食品としては、例えば、チーズ様食品、ゼリー状食品、嚥下障害を持つ高齢者向けの固形状食品又は半固形状食品等が挙げられる。
(チーズ様食品)
本実施形態におけるチーズ様食品とは、緑豆蛋白、アルカリ金属イオン、油脂及びフレーバーを含むものであり、これらを混合し、凝固させた物である。チーズ様食品に用いられるフレーバーとしては、チーズ風味を有するものを適宜用いることができる。チーズ様食品中のフレーバーの含有量は、チーズ様食品全量を基準として1.0重量%以下であることが好ましく、0.5重量%以下であることがより好ましい。
チーズ様食品は、原料を混合して得られる乳化物を、ゲル状組成物と同様の方法で凝固させることにより作成することができる。また、乳化物を酸性にして凝固させることにより作成することもできる。酸性化手段としては、酸を添加する方法、乳酸菌発酵する方法、又はこれらを組合せる方法等を利用できる。
酸を添加しpHを下げる場合は、乳化物をそのまま又は濃縮して用いることができる。乳酸菌発酵を行う場合には、予め乳化物を殺菌工程に供することが好ましい。このような殺菌に用いられる殺菌装置としては、通常の殺菌装置であれば特に制限されない。殺菌条件も特に限定されないが、通常80〜160℃で、3秒から15分間程度である。pH調整のための酸は特に種類に限定なく使用でき、リン酸、塩酸、硫酸等の無機酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、GDL(グルコノ−δ−ラクトン)等の有機酸等を例示でき、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。風味上、有機酸を用いることが好ましい。
乳酸発酵によってpHを下げる場合、乳酸菌は通常のヨーグルト又はチーズに用いられるものを使用することができ、特に限定されない。乳酸菌としては、例えば、ラクトバシルス・ブルガリカス(Lactbacillus bulgaricus)、ラクトバシルス・ヘルベティカス(Lactobacillushelveticus)、ラクトバシルス・ラクチス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcuslactis subsp. cremoris)等のラクトバシルス属;ラクトコッカス・ラク
チス・サブスピーシーズ・ラクチス(Lactococcus lactis subsp. lactis)、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシーズ・ジアセチラクチス(Lactococcus lactis subsp.diacetylactis)、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシーズ・ラクチス・バイオバー・ジアセチラクチス(Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis)等のラ
クトコッカス属;ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)等のストレプトコッカス属;ロイコノストック・メセンテオリデス・サブスピーシーズ・クレモリス(Leuconostoc mesenteorides subsp.cremoris)、ロイコノストック・シュードメセンテオリデス(Leuconostoc pseudomesenteorides)等のロイコノストック属;ビ
フィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム
・ロンガム(Bifidobacteriumlongum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)等のビフィドバクテリウム属等の公知の菌株を用いることができる。また、これらの乳酸菌は1種を単独で又は2種以上の任意の組み合わせで使用することができる。
発酵方法としては、予め作成したバルクスターターを添加することができ、凍結濃縮菌又は凍結乾燥濃縮菌を、直接乳化物に添加することもできる。添加量は、発酵温度、発酵時間に応じて調整することができる。乳酸発酵温度及び時間は20〜50℃、3〜48時間が好ましく、20〜45℃、4〜30時間がより好ましい。
発酵を行う場合には、予め乳化物にグルコース、マルトース、乳糖等の乳酸菌資化性糖類を添加しておくことが好ましい。乳酸菌資化性糖類を添加する場合の添加量は、使用する乳酸菌の種類に応じて乳酸を発生させるに十分な量でよく、通常は乳化物中0.2〜5重量%程度が適当である。
酸性に調整する場合のpHは、嗜好に合わせて適宜設定すればよいが、一般にpH3.5〜6であり、好ましくはpH3.5〜5.5であり、より好ましくは4〜5.5であり、さらに好ましくは4.5〜5.5である。pHが3.5以上であると、酸味を抑えられる。また、pHが6以下であると、発酵を行う場合は発酵の風味を十分に付すことができ、ホエーを除去して製造する場合はカードの回収率を上げることができる。
乳化物を所定のpHに調整した後、必要であればホエーを分離してカードを回収する工程を行うことができる。ホエーを分離した場合には、固形分が高く、固形状又は半固形状のクリームチーズ様食品を製造できる。ホエーの分離を行う場合には、従来公知の分離方法を使用すればよい。ホエーの分離には遠心分離機の使用が好適ではあるが、機械圧搾等を利用することもできる。また、ホエーを分離しない場合には、固形分が低く、液状又はペースト状のクリームチーズ様食品を製造できる。ホエーを分離するかしないかは製造する食品の用途に適した物性を考慮して適宜決定することができる。
次に、上記のホエーを分離しない乳化物又は乳化物からホエーを除去したカードを加熱殺菌する。上記発酵法を用いて酸性化する場合、アルカリ金属イオンを含む原料を乳化物として発酵を行ってもよく、アルカリ金属イオンを除いた原料を乳化物として発酵を行い、発酵後にアルカリ金属イオンを加えてもよい。加熱条件は特に限定されないが、70〜85℃で1秒〜15分程度が適当である。
加熱殺菌後、必要により均質化を行い、酸性乳化物を得る。均質化処理としては公知のホモゲナイザー等の手段を利用することができる。その時の均質化圧力は1.0〜15MPa(10〜150kg/cm2)が適当である。均質化した後、4〜10℃程度まで冷
却して、チーズ様食品を得る。
本実施形態の緑豆蛋白ゲル状組成物及びチーズ様食品は他に、大豆蛋白又は乳蛋白等の、緑豆由来以外の蛋白を含んでいてもよく、風味付与の目的でミルクフレーバー等の香料;グルタミン酸ソーダ等の調味料;各種香辛料;フルーツピューレ等のピューレ類;フルーツパウダー等のパウダー類;ショ糖、グルコース、ソルビトール、アスパルテーム、ステビア等の甘味料等を含むことができる。また色調の調整の目的でβ‐カロチン、アンナットカラー等の油溶性色素を含むことができる。また澱粉又は水溶性大豆多糖類等の増粘安定剤、各種保存料等の添加剤も含むことができる。チーズ様食品中の水分は、含量が高いほど食品の物性がペースト状又は液状に近づき、低いほど固形状に近づくので、必要な物性に合わせて調整すればよい。
なお、緑豆蛋白ゲル状組成物及びチーズ様食品には、乳化安定性を付与するために、レシチン、脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド等の乳化剤;ローカストビーンガム、グァーガム、キサンタンガム、アラビアガム、寒天、ゼラチン等のゲル化剤を使用してもよい。使用しすぎると風味又は食感を損ねてしまうことに留意する。逆に本発明は、このような添加剤を多量に使用しなくとも、ゲル状組成物又はチーズ様食品を製造できる点に利点がある。よってこれらの添加剤を使用する場合には、その添加量は、緑豆蛋白ゲル状組成物又はチーズ様食品全量中、0.5重量%未満が好ましく、0.2%未満がより好ましく、0.1%未満がさらに好ましく、0.05%未満が最も好ましい。
本実施形態の緑豆蛋白ゲル状組成物及びチーズ様食品は、そのまま喫食用として提供することができ、その他、例えばスプレッド、フィリング、生クリーム、サワークリーム等代用品、クリームソース、カレーソース等のソース類、チーズケーキ、プリン、ババロ
ア等の洋菓子材料等の食品素材として広く利用することができる。
以下、実施例により本発明の実施形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(製造例1)緑豆豆乳粉末の調製方法
水5重量部に丸緑豆1重量部を加えて、22時間浸漬させ、定法により皮部と胚部を分離した。その後、コロイドミル(特殊機化工業株式会社製)を用いて粉砕を行い、pHを8.5に調整後、ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)で撹拌しながら50℃、30分間抽出を行い、3,000×gで遠心分離して不溶物を除き、緑豆豆乳を得た。
得られた緑豆豆乳を120℃でそれぞれ10秒間、連続式直接加熱方式殺菌器(アルファ・ラバル株式会社製)で加熱を行い、スプレードライヤーで噴霧乾燥を行い、緑豆豆乳粉末を得た。
(製造例2)分離緑豆蛋白組成物の調製方法
緑豆豆乳粉末の調製方法と同様に緑豆豆乳を得た。得られた緑豆豆乳を、塩酸でpH4.5に調整して等電点沈殿させ、遠心分離して酸沈カードを得た。これに4倍量の水を加えて水酸化ナトリウムでpH7.0に調整し、分離緑豆蛋白組成物を含有する溶液を得た。得られた溶液を120℃でそれぞれ10秒間、連続式直接加熱方式殺菌機(アルファ・ラバル株式会社製)で加熱を行い、スプレードライヤーで噴霧乾燥を行い、分離緑豆蛋白組成物を得た。
(比較製造例1)分離ひよこ豆蛋白組成物の調整方法
脱皮ひよこ豆を用いて、分離緑豆蛋白組成物と同様の方法により、分離ひよこ豆蛋白組成物を得た。
得られた緑豆豆乳粉末、分離緑豆蛋白組成物及び分離ひよこ豆蛋白組成物中の、蛋白質含量(重量%)及びpHを測定した。蛋白質含量は、ケルダール法により測定した窒素量に窒素係数6.25を掛けた粗蛋白含量(CP/dry)で表した。結果を表1に示した。
Figure 2014156549
(無脂緑豆蛋白ゲル状組成物)
(比較例1)
アルカリ金属塩添加が緑豆蛋白組成物のゲル化に及ぼす影響について検証した。まず比較例1として、水135gに上記分離緑豆蛋白組成物30g(緑豆蛋白ゲル状組成物の全量に対して粗蛋白含量として15.1重量%)を添加し、80℃で30分加熱し、緑豆蛋白ゲル状組成物Aを得た。
(実施例1〜3)
次に実施例1、2として、アルカリ金属イオンとしてナトリウム又はカリウムがゲル状組成物全量を基準として50、100、150、200mMとなるように、NaCl又はKClをそれぞれ添加した以外は、比較例1と同様にサンプルを調製し、緑豆蛋白ゲル状組成物B〜Iを得た。また、実施例3として、ナトリウムとカリウムの合計濃度が100mMとなるように、NaClとKClを、緑豆蛋白ゲル状組成物全量を基準として70mM:30mM、50mM:50mM、30mM:70mMとなるようにそれぞれ添加した以外は、比較例1と同様にサンプルを調製し、緑豆蛋白ゲル状組成物J〜Lを得た。
比較例1及び実施例1〜3で得られた緑豆蛋白ゲル状組成物のゲル強度を測定した。ゲル強度の測定方法としては、厚さ20mmのゲル状組成物のサンプルを用意し、5mmの球形プランジャーを用い、レオナー(株式会社山電製)を使用して評価を行った。破断強度(gf)及び破断変形(cm)を測定し、これらの値を掛け合わせたものをゲル強度(gf・cm)として評価した。その結果を表2に示した。測定結果より、アルカリ金属イオンを全く添加していない比較例1では、ゲル強度が21.3gf・cmであったのに対して、アルカリ金属塩であるNaCl及びKClの少なくとも一方を添加したすべての条件で、無添加の場合よりもゲル強度が増強されていることが確認された。また、緑豆蛋白ゲル状組成物J〜Lの測定結果より、NaClとKClの合計濃度が同じであれば、ナトリウムとカリウムの混合比率は分離緑豆蛋白ゲル状組成物のゲル強度に影響を及ぼさないことが確認された。
Figure 2014156549
(アルカリ金属イオン濃度と緑豆蛋白濃度がゲル形成に及ぼす影響)
非特許文献1において、分離緑豆蛋白は、溶液中の蛋白組成物濃度を16重量%以上(粗蛋白濃度として13.7重量%)にすることでゲル化することが報告されている。また、上記の無脂緑豆蛋白ゲル状組成物の検討では、アルカリ金属塩を添加することにより緑豆蛋白ゲル状組成物のゲル強度をさらに向上させることに成功させている。ここでは、アルカリ金属イオンの濃度と緑豆蛋白の濃度が分離緑豆蛋白のゲル化に及ぼす影響について、検証を行った。評価方法としてはまず、表3に示すように、ゲル状組成物全量中のNaCl濃度を30、50、100、150又は200mMとし、ゲル状組成物全量中の緑豆蛋白濃度を、粗蛋白濃度として10.0、11.6又は13.3重量%になるように水に分散させ、それぞれ溶液を調製した。次に、均一に混合した溶液を直径25mmのケーシングに充填し、80℃湯浴中で30分加熱し、水冷し、ケーシングから取り出した。取り出した後、ゲル化して形状を保っているものをA、ゲル化しなかったものをBとして評価した。結果を表3に示した。
混合溶液全量中のアルカリ金属塩濃度が30mMである場合は、非特許文献1で示された結果と同様に、分離緑豆蛋白組成物のゲル中の粗蛋白含量が13重量%に達しなければゲル化しなかった。一方、アルカリ金属塩濃度が50m以上である場合には、分離緑豆蛋白組成物のゲル中の粗蛋白含量が10重量%でもゲル化することが確認された。以上のことから、アルカリ金属塩を添加することにより分離緑豆蛋白組成物の最低ゲル化濃度が向上することを新たに発見した。
Figure 2014156549
(含脂蛋白ゲル状組成物)
表4に示す配合割合で、各種の蛋白組成物、水及び大豆白絞油を混合し、ワーリングブレンダーにより均一なペーストを作製した。蛋白組成物としては、分離緑豆蛋白組成物、分離大豆蛋白(商品名フジプロE、不二製油株式会社製)及び緑豆豆乳粉末を用い、それぞれゲル状組成物全量に対して粗蛋白含量が13.3重量%となるように調製した。ペーストを80℃湯浴中で30分間加熱したあと水冷し、比較例2〜4の含脂蛋白ゲル状組成物を得た。また、比較例2〜4の各配合に加えて、含脂蛋白ゲル状組成物全量を基準としてNaClを200mM添加したものを同様に製造し、実施例5、6及び比較例5の含脂蛋白ゲル状組成物を得た。
得られた含脂蛋白ゲル状組成物のゲル強度を、レオナーを用いて、上述の無脂緑豆蛋白ゲル状組成物の評価と同様の方法で評価した。結果を表4に示した。緑豆蛋白組成物を用いた場合、NaClを添加することにより大きくゲル強度が増強された。一方、分離大豆蛋白を用いてゲル状組成物を作製した場合、アルカリ金属イオンの添加によってゲル強度が減少することが確認された。これは、分離緑豆蛋白組成物が、アルカリ金属イオンを加えることにより特異的にゲル強度が増強されることを示している。また、この機能は緑豆豆乳粉末についても同様であり、ゲル強度自体は分離緑豆蛋白組成物に劣るものの、緑豆豆乳粉末にアルカリ金属イオンを加えることによりゲル強度が増強されることが確認された。
Figure 2014156549
(チーズ様食品)
表5に示す配合割合で、実施例7、8として分離緑豆蛋白組成物又は緑豆豆乳粉末を含むチーズ様食品を製造した。また、比較例6〜8として、分離大豆蛋白組成物、分離エンドウ蛋白組成物(商品名NUTRALYS S85F、ロケット社製)又は分離ひよこ豆蛋白組成物を含むチーズ様食品を製造した。表5中の配合割合単位は重量部である。製造方法としては、各種蛋白組成物14重量部(粗蛋白含量として11.6重量部)に対して、水59重量部を添加し、ロボクープ(株式会社エフ・エム・アイ社製)を使用して充分に混錬した。その後、菜種油を25重量部加え混練後、食塩を1.5重量部(チーズ様食品全量に対し257mM)添加し、充分に混錬した後に、チーズフレーバー2種を計0.1重量部添加し、80℃で30分間加熱し、各種蛋白組成物を含むチーズ様食品を得た。
Figure 2014156549
得られたチーズ様食品についてゲル化能を評価した。評価基準としては、ケーシングから取り出した後、ゲル化して形状を保っているものをA、形状を保たなかったものをBとした。また、オイルオフ(油脂分の分離)の有無について観察した。結果を表6に示した。分離緑豆蛋白組成物、緑豆豆乳粉末及び分離大豆蛋白組成物を用いた場合(実施例7、8及び比較例6)では、形状を良好に保つゲルを形成することができ、また、得られたゲル状組成物にオイルオフは認められなかった。一方で、分離エンドウ蛋白組成物及び分離ひよこ豆蛋白組成物を用いた場合(比較例7、8)はオイルオフが多く、また、良好なゲルを形成することができなかった。
Figure 2014156549
上記実施例7及び比較例6で得られたチーズ様食品を使用して、下記の官能評価及び物性評価を行った。
(官能評価)
分離緑豆蛋白又は分離大豆蛋白を含むチーズ様食品について、一般パネリスト12名による官能評価を行った。食感の官能評価については、硬さ、非弾性及び伸展性を評価項目とし、これらについて市販品プロセスチーズ(六甲バター社製:ベビーチーズ(プレーン))を5段階評価の5として相対評価を行った。また、風味の官能評価については、チーズフレーバーとの相性が良いものを5、フレーバーの乗りが良いものを5、異味が感じられないものを5としてそれぞれ5段階で相対評価を行った。硬さ、非弾性及び伸展性の3項目の平均点を、食感のチーズらしさの点数とし、チーズフレーバーとの相性、フレーバーの乗り及び異味のなさの3項目の平均点を、風味のチーズらしさの点数とした。結果を表7に示した。すべての項目について、分離緑豆蛋白組成物を用いた場合の方が、分離大豆蛋白組成物を用いた場合よりも高く良好な評価であった。また、食感については、分離緑豆蛋白組成物を用いることにより、市販品のプロセスチーズにより近い食感を有するチーズ様食品を作製することができた。
Figure 2014156549
(物性評価)
実施例7及び比較例6で得られたチーズ様食品の物性について物性を評価した。コントロールとして市販品プロセスチーズ(六甲バター社製:ベビーチーズ(プレーン))を用いた。これらを厚さ12mmに切り分け、5mmの球形プランジャーを用い、レオナー(株式会社山電製)を使用して評価を行った。物性の評価項目としては、破断変形(mm)、破断歪率(%)、もろさ変形(mm)及びもろさ歪率(%)を測定した。もろさ変形とは、破断点からもろさの点までの変形距離であり、もろさ歪率とは、サンプルのもとの厚さに対するもろさ変形の比率である。また、もろさの点とは、上記破断試験において、破断後にさらにプランジャーを進入させた際に、応力が再び上昇に転じる点である。結果を表8に示した。
Figure 2014156549
評価の結果、コントロールである市販品プロセスチーズの物性は、破断変形と破断歪率は低く、もろさ変形ともろさ歪率が高いことが特徴であった。一方で、比較例6は破断変形と歪率が高く、もろさ変形ともろさ歪率が低くなっており、市販品プロセスチーズとは全く異なる物性を示すことが確認された。分離緑豆蛋白組成物を用いた実施例7は、もろさ変形ともろさ歪率については、ほぼコントロールと同等であり、破断変形と破断歪率については分離大豆蛋白ゲルよりもコントロールに近い値であった。すなわち、分離緑豆蛋白組成物を用いたチーズ様食品は、よりプロセスチーズに近い物性であることが確認された。以上から、チーズ様食品は、他の植物性蛋白組成物の中でも特に分離緑豆蛋白組成物を用いることによって、一般的なプロセスチーズに近い風味及び物性を示すことが確認された。

Claims (4)

  1. 緑豆蛋白とアルカリ金属イオンとを含む緑豆蛋白ゲル状組成物であって、緑豆蛋白ゲル状組成物全量を基準としてアルカリ金属イオンを50mM以上含む、緑豆蛋白ゲル状組成物。
  2. アルカリ金属イオンがナトリウムイオン及びカリウムイオンの少なくとも一方である、請求項1記載の緑豆蛋白ゲル状組成物。
  3. さらに、緑豆蛋白ゲル状組成物全量を基準として油脂を50重量%以下含む、請求項1又は2記載の緑豆蛋白ゲル状組成物。
  4. 請求項3記載の緑豆蛋白ゲル状組成物とフレーバーとを含有するチーズ様食品。
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