JPWO2014141889A1 - 研磨パッド及び研磨方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、研磨面を有する研磨部材を備える研磨パッドであって、前記研磨部材がダイラタンシー特性を有する材料を含有する研磨パッドを提供する。

Description

本発明は、研磨パッド及び研磨方法に関する。
従来、半導体デバイス、電子部品等の材料、特に、Si基板(シリコンウェハ)、GaAs(ガリウム砒素)基板、ガラス、ハードディスクやLCD(液晶ディスプレイ)用基板等の薄型基板(被研磨物)の表面(加工面)では、平坦性が求められるため、研磨パッドを研磨スラリと共に用いる化学機械研磨加工が行われている。一方、将来のパワーデバイスなどに適用され得る材料、例えば、サファイア、SiC、GaN及びダイヤモンドなどは、研磨加工の困難な難加工材料として知られている。
これまで、新たな研磨加工技術を開発する際、いわゆる、プレストニアンの経験則を参考にして、研磨パッドや研磨スラリの材料や構造及び研磨条件の検討がなされている。プレストニアンの経験則とは、簡単にいえば、被研磨物の研磨量が、研磨パッドと被研磨物との間の相対速度(以下、単に「相対速度」という。)、それら両者の間の押圧力(以下、単に「研磨圧力」という。)、並びに研磨時間に比例するという経験則である。ところが、このプレストニアンの経験則に基づいて相対速度及び研磨圧力を高めても、研磨装置の能力の限界などのために、被研磨物(以下、「ワーク」ともいう。)、特に難加工材料、を短時間で効率的に研磨するには不十分であることが分かっている。
そこで、研磨スラリとして、非プレストニアン挙動を示すスラリの検討がなされている。例えば、特許文献1は、分散安定性が改善され、非プレストニアン研磨特性を示す研磨スラリの製造方法を提供することを意図して、(a)水中に研磨粒子及びアニオン性ポリマー酸分散剤を分散させる段階;及び(b)生成した分散液にアルカリ性物質を研磨粒子100重量部を基準に0.1〜8重量部の量で添加する段階を含む、研磨スラリの製造方法が提案されている。
特開2006−279050号公報
しかしながら、本発明者らが、上記特許文献1を始めとする従来の技術を詳細に検討したところ、従来の技術では、いまだに被研磨物を短時間で効率的に研磨するには不十分であることが分かった。すなわち、特許文献1(特に段落0043及び図3)によると、研磨レートが研磨圧力によって比例して直線的に増加せず、臨界点以上の圧力で急激に増加する、非プレストニアン挙動を示すことを確認した、とされている。ところが、その図3から明らかなように、特許文献1に係る研磨スラリを用いると、研磨圧力が低いところでの研磨レートが、一般的な研磨スラリを用いる場合よりも少なくなる。そのため、たとえ臨界点以上の圧力で急激に研磨レートが増加しても、一般的な研磨スラリよりも短時間で効率的に研磨することができていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、被研磨物を短時間で効率的に研磨することができる研磨パッド、及びその研磨パッドを用いた研磨方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、研磨パッドにおける研磨面を構成する材料として、特定の挙動を示す材料を採用することで、被研磨物を短時間で効率的に研磨することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]研磨面を有する研磨部材を備える研磨パッドであって、研磨部材がダイラタンシー特性を有する材料を含有する研磨パッド。
[2]ダイラタンシー特性を有する材料は、ダイラタンシー特性を有する樹脂、又は、無機粒子と媒液とを含有するダイラタンシー特性を有する無機粒子組成物を含む、[1]記載の研磨パッド。
[3]ダイラタンシー特性を有する樹脂を含むダイラタンシー特性を有する材料は、無機粒子を更に含む、[2]記載の研磨パッド。
[4]ダイラタンシー特性を有する樹脂は、ダイラタンシー特性を有するシリコーン樹脂を含有する、[2]又は[3]に記載の研磨パッド。
[5]研磨部材は、シート状の繊維基材と、その繊維基材に含浸したダイラタンシー特性を有する材料とを含有する、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[6]研磨部材は、窪み部を有する基材と、窪み部内に充填されたダイラタンシー特性を有する材料とを含有する、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[7][1]〜[6]のいずれか1つに記載の研磨パッドを用いて被研磨物を研磨する工程を有する、研磨方法。
本発明によれば、被研磨物を短時間で効率的に研磨することができる研磨パッド、及びその研磨パッドを用いた研磨方法を提供することができる。
本発明の研磨パッドの一例を示す模式的な断面図である。 本発明の研磨パッドの別の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の研磨パッドの更に別の一例を示す模式的な断面図である。 実施例における研磨試験の結果を示す棒グラフの図である。 実施例における別の研磨試験の結果を示す図である。 実施例における更に別の研磨試験の結果を示す図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本実施形態の研磨パッドは、研磨面を有する研磨部材を備える研磨パッドであって、研磨部材がダイラタンシー特性を有する材料を含有するものである。ここで「ダイラタンシー特性を有する材料」とは、剪断歪を付与すると、その剪断歪を付与しない場合と比較して、より高い粘性を有する材料を意味する。本実施形態においては、ある高さの周波数(つまり、ある高さの剪断速度)にて剪断歪を付与すると、それよりも低い周波数(つまり、それよりも低い剪断速度)にて剪断歪を付与した場合と比較して、より高い粘性を有する材料であっても、ダイラタンシー特性を有する材料に該当する。
ある材料がダイラタンシー特性を有する材料(以下、単に「ダイラタント材」という。)であるか否かは、下記のようにして確認することができる。まず、測定対象の材料を厚さ2mm×幅5mm×長さ10mmの直方体の形状に成形したものを試料とし、その試料を2つ用意する。次いで、2つの試料により固体剪断測定用治具(固定された治具)を試料の厚さ方向に挟み、さらにそれらを試料の厚み方向(積層方向)に上記とは別の2つの固体剪断測定用治具(振動を付与するための治具)により挟む。そして、振動を付与するための治具を、研磨パッドの使用温度、所定の2種以上の周波数、0.1%の剪断歪み量、という条件で試料の剪断方向(厚さ方向に直交する方向)に振動させることで、それぞれの周波数における複素弾性率を測定する。このようにして、複素弾性率を測定できる装置としては、例えば、アイティー計測制御株式会社製の動的粘弾性試験装置(型式:DVA−200/L2)が挙げられる。その結果、より低い周波数を付与した際の複素弾性率に対するより高い周波数を付与した際の複素弾性率の比(ダイラタント係数。以下、これを「D係数」と表記する。)が、1.0を超えた場合、その材料はダイラタント材であると判断する。本発明の目的をより有効かつ確実に奏する観点から、ダイラタント材は、実際の研磨温度に近い温度である30℃において、1Hzの周波数を付与した際の複素弾性率(G 1HZ)に対する100HZの周波数を付与した際の複素弾性率(G 100Hz)の比(G 100HZ/G 1HZ)としてのD係数が3.0を超えると好ましい。ダイラタント材のD係数は、ダイラタント材に含まれる各材料の種類や配合比を適宜調整することにより、制御することができる。なお、複素弾性率は、所定の周波数で試料を振動させながら、−20℃から10℃/分で昇温し、10℃昇温する毎にその温度で2分間保持して、昇温を再開する、という温度プロファイルにより80℃までの温度範囲で測定し、上述のとおり、30℃の温度における複素弾性率の結果に基づいてD係数を算出する。このD係数の上限は特に限定されないが、例えば、D係数は10.0以下であってもよく、8.0以下であってもよく、6.0以下であってもよい。
ダイラタント材は、30℃で50Hzの周波数を付与した際の複素弾性率が、2.0×10〜6.0×10Paであると好ましく、1.0×10〜4.0×10Paであるとより好ましい。50Hzにおける複素弾性率が2.0×10Pa以上であることにより、変形時に熱として消失したエネルギーを考慮した材料の動的物性値(材料の硬度)を更に高めて研磨能率を一層向上させるという効果が得られる。また、50Hzにおける複素弾性率が6.0×10Pa以下であることにより、研磨品質をより良好にするという効果が得られる。50Hzにおける複素弾性率は、周波数を1Hz及び100Hzから50Hzに変更する他は、D係数を算出する際の複素弾性率を測定する上記と同様の方法により測定することができる。
ダイラタント材としては、例えば、ダイラタンシー特性を有する樹脂(以下、「ダイラタント樹脂」という。)、ダイラタンシー特性を有するでんぷん組成物(以下、「ダイラタントでんぷん組成物」という。)、及びダイラタンシー特性を有する無機粒子組成物(以下、「ダイラタント無機粒子組成物」という。)が挙げられる。また、ダイラタンシー特性を有する材料として知られている材料も、本実施形態に係るダイラタント材として用いることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ダイラタント樹脂としては、例えば、ダイラタンシー特性を有するシリコーン樹脂、及びダイラタンシー特性を有するポリウレタンが挙げられる。ダイラタンシー特性を有するシリコーン樹脂としては、例えば、末端に置換基を有していてもよいジメチルポリシロキサン樹脂、ホウ素によって架橋されているジメチルポリシロキサン樹脂が挙げられる。ホウ素によって架橋されているジメチルポリシロキサン樹脂としては、例えば、特表2007−516303号公報に記載されているポリボロジメチルシロキサンが挙げられる。また、市販されているものとして、上記末端及び側鎖に置換基を有していてもよいジメチルポリシロキサン樹脂としては、例えば、ダウ・コーニング社製の商品名「DOW CORNING(登録商標) 3179 DILATANT COMPOUND」に含まれているヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサン樹脂、信越化学工業株式会社製のものが挙げられ、また、株式会社バウンシー製のスナッチ・クレイ(商品名)シリーズ(例えば、品番:BX−050C、BX−100C、BX−050T、BX−100T)に含まれているものが挙げられる。ダイラタンシー特性を有するポリウレタンとしては、例えば、特開平5−320305号公報に記載されたものが挙げられる。
ダイラタント樹脂を用いる場合、ダイラタント材が、その樹脂に加えて、その他の成分を含むダイラタンシー特性を有する樹脂組成物(以下、「ダイラタント樹脂組成物」という。)であってもよい。ダイラタント樹脂組成物に含まれるダイラタント樹脂以外の成分としては、例えば、水酸基含有シリコーン樹脂などの、ダイラタント材に親水性を付与するような改質剤;シリコンオイルなどの溶媒や分散媒(以下、溶媒及び分散媒をまとめて「媒液」という。);無機酸化物粒子(例えば、セリア(CeO)、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、酸化マンガン(MnO,Mn,Mn等)及びチタニア(TiO)の粒子)、粘土鉱物粒子(例えば、カオリナイト、アンティゴライト、パイロフィライト、イライト、モンモリロナイト及びバーミキュライトの粒子)、ダイヤモンド粒子、SiC粒子及びBC粒子などの無機粒子;及びメチルセルロース、ヒドロキシメチレンセルロースなどの増粘剤が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。ダイラタント樹脂組成物が無機粒子を含むことは、ダイラタント樹脂組成物が研磨パッドに一層保持されやすくなる観点、及び、親水性を高めて研磨スラリが水を含む場合にその研磨スラリをなじみやすくする観点から好ましい。これにより、結果として、研磨パッドの研磨特性が更に向上する。ダイラタント樹脂組成物としては、例えば、上述の商品名「DOW CORNING(登録商標) 3179 DILATANT COMPOUND」、スナッチ・クレイ(商品名)シリーズ(例えば、品番:BX−050C、BX−100C、BX−050T、BX−100T)が挙げられる。
ダイラタント樹脂組成物に含まれる各成分の含有割合は、ダイラタント樹脂組成物がダイラタンシー特性を有するような範囲であれば特に限定されない。例えば、ダイラタント樹脂組成物の全量に対するダイラタント樹脂の含有割合は、より良好なダイラタント特性を保持する観点から、50質量%以上100質量%未満であると好ましく、70質量%以上100質量%未満であるとより好ましい。また、ダイラタント樹脂組成物がダイラタント樹脂と共に無機粒子をも含む場合、より良好なダイラタント特性を保持すると共に、無機粒子を含むことによる上記効果をも保持する観点から、ダイラタント樹脂の上記好ましい含有割合に加えて、無機粒子の含有割合は、20〜30質量%であると好ましい。また、無機粒子の平均粒径は、ダイラタント材による本発明の効果をより有効かつ確実に奏する観点から、100nm〜5.0μmであると好ましく、200nm〜1.5μmであるとより好ましく、250nm〜1.0μmであると更に好ましい。
ダイラタント無機粒子組成物は、無機粒子とその媒液とを含むものであって、ダイラタンシー特性を有するものである。無機粒子を構成する材料としては、例えば、セリア、シリカ(例えばナノシリカ)及びチタニア(TiO)などの無機酸化物、並びに、カオリナイト、アンティゴライト、パイロフィライト、イライト、モンモリロナイト及びバーミキュライトなどの粘土鉱物などが挙げられる。これらの中では、より有効且つ確実にダイラタント特性を保持する観点から、無機酸化物が好ましく、セリアがより好ましい。媒液としては、例えば、水、並びに、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの低級グリコール、グリコールエーテル類、及びそれらの水溶液が挙げられ、これらの中では水が好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。ただし、ダイラタント無機粒子組成物は、水を含む研磨スラリを用いる場合、その水の中に無機粒子が拡散してしまい、研磨能率が低下することもある。その場合、例えば上記ダイラタント樹脂組成物を少量添加することで改善することができる。
ダイラタント無機粒子組成物に含まれる各成分の含有割合は、ダイラタント無機粒子組成物がダイラタンシー特性を有するような範囲であれば特に限定されない。例えば、ダイラタント無機粒子組成物の全量に対する無機粒子の含有割合は、より良好なダイラタント特性を保持する観点から、70〜95質量%であると好ましく、80〜85質量%であるとより好ましい。同様の観点から、媒液の含有割合は、5〜30質量%であると好ましく、15〜20質量%であるとより好ましい。この場合、無機粒子が無機酸化物粒子であって、かつ、媒液が水であると、更に良好なダイラタント特性を保持することができるので好ましい。
本実施形態のダイラタント材は、摩耗により研磨されて系から排出されるものを除いて、研磨パッドに予め保持されているものであって、研磨の途中に新たに供給されない点で、研磨パッドに保持されず(すなわち、研磨加工中にも研磨パッド上を移動して系外に排出され)、研磨の途中に新たに供給される研磨材(砥粒)や研磨スラリとは異なる。つまり、本実施形態において、ダイラタント材は、研磨パッドの保管及び使用中に研磨パッドに保持され得る程度の物性を有するものである。また、ダイラタント材は、新たに供給される研磨材(砥粒)を研磨パッド上に留め、保持しやすくする機能を有している。ダイラタント材は、研磨パッドの使用温度において、研磨スラリの粘度よりもはるかに高い粘度を有し、流動性は非常に低いので、研磨屑以外、研磨パッドから極めて流失し難い。
次に本実施形態の研磨パッドについて、いくつかの実施態様を例示する。ただし、本発明の研磨パッドはそれらに限定されない。
本実施形態の第1の態様の研磨パッドは、研磨部材が、シート状の繊維基材と、その繊維基材に含浸したダイラタント材とを含有するものである。図1は、そのような研磨パッドの一例を示す模式的な断面図である。図1に示す研磨パッド100は、シート状の繊維基材とその繊維基材に含浸されたダイラタント材とを含有する研磨部材である研磨層110と、その研磨層110を支持する支持材120と、両面テープ130と、剥離紙140とを、この順に積層して備える。研磨パッド100は、研磨層110の研磨面P1を被研磨物と接触させて研磨するものである。
シート状の繊維基材は、研磨布の基材として用いられ得るものであれば特に限定されず、従来公知のものであってもよい。シート状の繊維基材は、繊維を交絡させた不織布であっても、織物であっても編物であってもよいが、本発明の効果をより有効かつ確実に奏する観点から不織布であると好ましい。不織布を得る際に繊維を交絡させる方法は特に限定されず、例えば、ニードルパンチ法であってもよく、スパンレース、サーマルボンド、ケミカルボンド、ステッチボンド、スチームジェット法であってもよい。また、シート状の繊維基材の繊維材料としては、天然繊維及び合成繊維のいずれであってもよく、例えば、綿及び麻などの天然繊維、並びに、ポリエチレンテレフタレート(PET)、その他のポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン及び(メタ)アクリル樹脂等の樹脂繊維などの合成繊維が挙げられる。これらの中では、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン及び(メタ)アクリル樹脂からなる群より選ばれる材料が好ましい。繊維材料は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
繊維の繊度の好適な範囲は、繊維材料の種類によっても異なるが、概して、2d〜12dであると好ましく、2d〜6dであるとより好ましい。この繊度が上記下限値以上であることにより、研磨層が含浸のための空隙を保持しやすくなる傾向にある。また、その繊度が上記上限値以下であることにより、研磨層がより良好な柔軟性を有し、より均一な回復性を有しやすくなる傾向にある。
繊維基材の密度は、0.05g/cm〜0.30g/cmであると好ましく、0.10g/cm〜0.20g/cmであるとより好ましい。この密度が上記下限値以上であることにより、ダイラタント材を一層均一に成型・保持することができる。また、その密度が上記上限値以下であることにより、ダイラタント材の含浸加工が更に容易になり、ダイラタント材をより多く保持することができる。
シート状の繊維基材に含浸されるダイラタント材は、上述の本実施形態のダイラタント材であればよく、すでに説明したので、ここでは説明を省略する。
研磨層110における繊維基材とダイラタント材との配合比は、特に限定されないが、それらの合計量100質量部に対して繊維基材が10〜40質量部となるような配合比であると好ましく、20〜30質量部となるような配合比であるとより好ましい。配合比が上記下限値以上であることにより、繊維基材によるダイラタント材の保持能をより高くすることができる。また、配合比が上記上限値以下であることにより、剪断歪を付与する前後における粘性の差が一層大きな、ダイラタンシー特性に更に優れた研磨層となる。なお、研磨層110において、ダイラタント材は、少なくとも、被研磨物と接触する研磨面P1に含浸されていればよく、必ずしも研磨層110の全体に含浸されている必要はない。
研磨層110の厚さは、0.5mm〜10.0mmであると好ましく、1.0mm〜3.0mmであるとより好ましい。この厚さが上記下限値以上であることにより、研磨層110が、更に優れたダイラタンシー特性を有することができる。また、その厚さが上記上限値以下であることにより、研磨パッド100のエッジだれをより小さくすることができる。厚さは、日本工業規格(JIS K 6505)に準拠して測定される。
研磨層110のD係数(30℃において、1Hzの周波数を付与した際の複素弾性率に対する100Hzの周波数を付与した際の複素弾性率の比)は、本発明による目的をより有効かつ確実に奏する観点から、1.5以上であると好ましく、2.0以上であるとより好ましい。研磨層110のD係数は、ダイラタント材のD係数と同じようにして測定することができる。研磨層110のD係数は、ダイラタント材とシート状の繊維基材との配合比を調整したり、ダイラタント材に含まれる各材料の種類や配合比を適宜調整したりすることにより、制御することができる。研磨層110のD係数の上限は特に限定されないが、例えば、D係数は8.0以下であってもよく、6.0以下であってもよく、4.0以下であってもよい。
研磨層110の密度は、0.60g/cm〜1.0g/cmであると好ましく、0.75g/cm〜0.95g/cmであるとより好ましい。密度が0.60g/cm以上であることにより、更に有効に、研磨圧による研磨布のヘタリを抑制する(永久歪みを抑制する)という効果が得られる。また、密度が1.0g/cm以下であることにより、ワークとの接触点において、更に十分な研磨圧を得られる(接触面積の増大による作用点の圧力低下を抑制する)という効果を奏する。これらの結果、密度が上記範囲内にあると、より高い研磨レート、より長い研磨布の寿命と共に、更に十分に高い被研磨物の平坦性を確保できる研磨布となりやすい。密度は、日本工業規格(JIS K 6505)に準拠して測定される。
研磨パッド100に備えられる支持材120、両面テープ130及び剥離紙140の材質や厚さは特に限定されず、従来の研磨パッドに用いられるものと同じであってもよい。本実施形態の研磨パッド100において支持材120は必須ではないが、支持材120としては、例えばPETフィルムが挙げられ、両面テープ130としては、例えば、PETフィルムなどの可撓性の基材の両面にアクリル系粘着剤などの粘着剤層が形成されたものが挙げられる。また、支持材120は図示しない接着剤などにより研磨層110と接合していてもよい。
研磨パッド100の製造方法は、研磨層110を、例えば以下のようにして作製する他は、特に限定されず、従来と同様であってもよい。研磨層110は、シート状の繊維基材にダイラタント材を含浸することにより得られる。ダイラタント材が加熱により流動性を有するようになるものである場合(例えば、ダイラタント特性を有する熱可塑性樹脂やその熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物である場合)、ダイラタント材を繊維基材上に載置した後、それらの全体を容器に収容し、恒温槽内などで加熱することにより、載置されたダイラタント材を流動させて、繊維基材に含浸する。その後、全体を冷却し、必要に応じて切断、成形することにより、ダイラタント材を繊維基材に含浸した研磨層110が得られる。あるいは、ダイラタント材が加熱によっても流動性を有しない場合(例えば、ダイラタント特性を有する熱硬化性樹脂やその熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物である場合、ダイラタントでんぷん組成物やダイラタント無機粒子組成物である場合)、予め、熱硬化性樹脂、でんぷんあるいは無機粒子を、流動性を有する程度に媒液と混合した後、その混合液中に繊維基材を浸漬する。次いで、それらを乾燥してダイラタント特性を有する程度にまで媒液を揮発除去することで、繊維基材にダイラタント材を含浸させたものを得る。その後、必要に応じて、切断、成形することにより、ダイラタント材を繊維基材に含浸した研磨層110が得られる。
第1の態様の研磨パッド100は、研磨層110が、より高い剪断歪を付与することより、より低い剪断歪を付与する場合と比較して、より高い粘性を有するようになるダイラタント材を備えている。その結果、研磨層110がダイラタンシー特性を有するようになるので、研磨加工の際に、相対速度を高めたり研磨圧力を大きくしたりすると、被研磨物の研磨レートが劇的に高くなり、従来のプレストニアンの経験則に従う材料のみを用いた研磨層を備える研磨パッドと比較して、飛躍的に研磨時間を短くすることができる。さらに、化学機械研磨などにより研磨スラリを用いる場合、研磨スラリ中の砥粒がダイラタント材に埋め込まれて保持されるため、研磨レートをより高めることができる。また、研磨層110に含まれるダイラタント材は、相対速度の変化に伴い、その粘性が変化するため、砥粒を効率的にダイラタント材に埋め込みたい場合は相対速度や研磨圧力を低くすればよい。その後、相対速度や研磨圧力を高くすると、ダイラタント材はその粘性が上昇し、そこに埋め込まれた砥粒をより強固に保持するため、砥粒を有効に研磨に利用することができる。すなわち、本態様によると、研磨加工を継続しつつ砥粒の埋め込み及び保持の両方をより効率的かつ確実に行うことができる。また、研磨層110はシート状の繊維基材にダイラタント材を含浸させたものであるので、研磨層110の研磨面P1は比較的均一な硬さとなり、かつ比較的平坦である。そのため、被研磨物をより均一に研磨することができる。さらに、ダイラタント材を繊維基材に含浸していることにより研磨面P1全体に均一にダイラタント材が分布しているため、ダイラタント材の効果を研磨面P1全体でより有効に発揮することができる。また、第1の態様では、研磨パッド100の基材としてシート状の繊維基材を示したが、不織布のようなシート状の繊維基材にポリウレタンのような樹脂を含浸して形成される従来の研磨パッドを基材とし、そこに更にダイラタント材を含浸して本実施形態に係る研磨パッドを形成することも可能である。
本実施形態の第2の態様の研磨パッドは、研磨部材が、窪み部を有する基材と、窪み部内に充填されたダイラタント材とを含有するものである。図2は、そのような研磨パッドの一例を示す模式的な断面図である。図2に示す研磨パッド200は、窪み部218を有する基材212と窪み部218内に充填されたダイラタント材214とを含有する研磨部材である研磨層210と、その研磨層210を支持する支持材120と、両面テープ130と、剥離紙140とを、この順に積層して備える。研磨パッド200は、研磨層210のダイラタント材214による研磨面P21及び基材212による研磨面P22を被研磨物と接触させて研磨するものである。また、研磨層210の研磨面P22には溝216が形成されている。支持部材120、両面テープ130及び剥離紙140は、上記第1の態様の研磨パッド100が備えるものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
基材212は、弾性を示すものであり、複数の空隙212bが形成されたマトリックス樹脂212aを備える。空隙212bの形成方法は、特に限定されず、従来知られている方法であってもよい。例えば、中空微粒子をマトリックス樹脂212a内に分散させたり、マトリックス212a中に化学発泡剤を配合させてガス発泡させたり、マトリックス樹脂212aと不活性ガスとを加圧混練して減圧発泡したりして空隙212bを形成することができる。なお、基材として、空隙212bが存在しない以外は基材212と同様であるものも用いることが可能である。
基材212は、従来の研磨パッド、特に硬質の研磨パッドの研磨層として用いられるものであれば特に限定されず、マトリックス樹脂212aとしては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリノルボルネン樹脂及びトランス−ポリイソプレン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中では、入手及び加工の容易性、及び、本発明の目的を一層有効且つ確実に奏する観点から、ポリウレタン樹脂が好ましく、マトリックス樹脂212aがポリウレタン樹脂を50質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましく、90質量%以上含むことが更に好ましく、95質量%以上含むことが特に好ましい。
ポリウレタン樹脂としては、例えば、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂及びポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中では、本発明の目的をより有効且つ確実に奏する観点から、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂が好ましい。
ポリウレタン樹脂は、常法により合成してもよく、市販品を入手してもよい。市販品としては、例えば、SMP((株)SMPテクノロジーズ社製商品名)、及びディアプレックス(三菱重工業(株)社製商品名)が挙げられる。
ポリノルボルネン樹脂は、常法により合成してもよく、市販品を入手してもよい。市販品としては、例えば、ノーソレックス(日本ゼオン(株)社製商品名)が挙げられる。トランス−ポリイソプレン樹脂は、常法により合成してもよく、市販品を入手してもよい。市販品としては、例えば、クラレTPI(クラレ(株)社製商品名)が挙げられる。スチレン−ブタジエン樹脂は、常法により合成してもよく、市販品を入手してもよい。市販品としては、例えば、アスマー(旭化成(株)社製商品名)が挙げられる。
以下、基材212に関し、マトリックス樹脂212aとしてポリウレタン樹脂を採用する場合について説明する。マトリックス樹脂212aは、好ましくは、イソシアネート基含有化合物を主成分としており、基材212は、研磨加工時に被研磨物の被研磨面(加工面)に、必要に応じて研磨スラリを介して、当接する研磨面P22を有している。マトリックス樹脂212aは、イソシアネート基含有化合物と活性水素化合物とを混合した混合液から形成されたポリウレタン樹脂成形体に、スライス処理やバフ等の表面研削処理を施すことで形成される。
マトリックス樹脂212aのガラス転移温度は、研磨パッドの耐熱性及び寸法安定性の観点から、30〜90℃であると好ましく、30〜75℃であるとより好ましい。ガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置により測定される。
また、マトリックス樹脂212aの融点は、ガラス転移温度よりもある程度高い方が、研磨パッド200を用いた研磨加工時及びドレス処理時に研磨面P22の温度が高くなり過ぎても、研磨面P22が過剰に軟化することを防ぐことができる。かかる観点から、マトリックス樹脂212aの融点は、150℃以上が好ましく、160℃以上がより好ましい。融点は、示差走査熱量測定装置により測定される。
基材212における空隙212bの体積割合は、基材212の全体を基準として、10〜60体積%であると好ましく、15〜45体積%であるとより好ましい。空隙212bの体積割合が上記範囲内であることにより、スラリの保持性と硬度の維持性とを更に高めることができる。
本実施形態に係る基材212は、独泡率が80%以上であると好ましく、90%以上であるとより好ましい。独泡率がかかる範囲にあると、研磨層210が、余分な研磨スラリを保持し難く(余分な研磨スラリが研磨層210に滞留し難く)、被研磨物を研磨層210へ押し付けた際に生じる研磨層の沈み込みが、被研磨物の押し込みを解除した際に速やかになくなり研磨層210が元の形状に戻りやすい(以下、このような性質を「回復特性」という。)。回復特性に優れるということは、デッシング及びエロージョンが発生し難いということである。ここで、「独泡率」とは、基材212が有する気泡の内、他の気泡と連結していない独立した気泡の割合を意味し、「独立気泡率」と同義である。独泡率の上限は特に限定されない。独泡率は、ASTM D2856(1998)に準拠して測定される。
本実施形態に係る基材212は、ショアD硬度が25〜70°であると好ましく、30〜60°であるとより好ましい。ショアD硬度が上記下限値以上であることにより、研磨加工時に基材212の沈み込みが抑制され、被研磨物の一層高度な平坦化が可能となり、上記上限値以下であることにより、被研磨物でのスクラッチの発生を更に抑制することができる。ショアD硬度は、JIS−K−6253(2012)に準拠して測定される。
本実施形態に係る基材212は、密度(かさ密度)が0.50〜1.00g/cmであると好ましく、0.60〜0.90g/cmであるとより好ましい。密度が上記下限値以上であることにより、研磨加工時に基材212の沈み込みが抑制され、被研磨物の一層高度な平坦化が可能となり、上記上限値以下であることにより、研磨スラリの保持性を高め、被研磨物でのスクラッチの発生を更に抑制することができる。密度は、JIS−K−7222(2005)に準拠して測定される。
本実施形態に係る基材212の厚さは特に限定されず、例えば、0.5〜3.0mmであってもよい。また、基材212は、その研磨面P22に図示しない開孔を有してもよい。
基材212の製造方法は、従来の硬質の研磨パッドにおける研磨層の製造方法と同様であればよい。例えば、基材212は、マトリックス樹脂212aがポリウレタン樹脂の場合、イソシアネート基含有化合物と、活性水素化合物と、必要に応じて中空微粒子等とをそれぞれ準備する原料準備工程と、イソシアネート基含有化合物と、活性水素化合物と、必要に応じて中空微粒子等とを混合した混合液を調製する混合工程と、混合液を型枠に注入する注型工程と、型枠内でポリウレタン成形体を形成する硬化成型工程と、ポリウレタン成形体にスライス処理及び/又は表面研削処理を施して基材212を得る基材形成工程とを有する、いわゆる乾式成型によって得ることができる。
窪み部218は、上述のようにして得られた基材212の研磨面P22側に、エンドミル又はルーターなどの開孔形成用の器具を用いて形成することができる。あるいは、窪み部218は、基材212の注型工程及び硬化成型工程において、モールド成型等によって形成されてもよい。上述の窪み部218の深さは、そこに充填するダイラタント材214による本発明の効果をより有効かつ確実に奏する観点から、0.5mm以上であることが好ましく、0.8mm以上であることがより好ましい。窪み部218の深さの上限は特に限定されず、窪み部218に代えて、基材212の厚さ方向に貫通する貫通孔(図示せず)が形成されてもよい。
窪み部218の開口の大きさは、特に限定されず、最も長い径(開口形状が円形である場合は直径、開口形状が矩形である場合は対角径)が5mm〜50mmであってもよい。また、窪み部218の隣接する開口端間の距離(ピッチ)も特に限定されず、最も短い部分で1mm〜10mmであってもよく、最も長い部分で1mm〜25mmであってもよい。
窪み部218の開口形状や断面形状は特に限定されず、開口形状が円形であっても矩形であっても不定形であってもよく、断面形状が図示するように矩形であってもよいが、それに代えて、いわゆるV字状であっても、いわゆるU字状であっても、半円弧状であってもよい。断面形状は、窪み部218に充填されるダイラタント材214の厚さをより一様にして、ダイラタント材214による研磨効果をより均一にする観点から、図示するように矩形であることが好ましい。
溝216は、研磨加工時の研磨スラリの供給や研磨屑の排出の観点から、好ましくは設けられるものであり、基材212の研磨面P22に溝加工やエンボス加工により形成される。溝216の研磨面P22における平面形状(パターン)は、特に限定されず、例えば、放射状、同心円状、格子状及び螺旋状が挙げられる。また、溝216の断面形状は、特に限定されず、例えば、矩形状、いわゆるU字状、いわゆるV字状及び半円弧状が挙げられる。さらに、溝216のピッチ、幅及び深さは、研磨屑の排出や研磨スラリの移動が可能であればよく、特に制限されるものではない。
窪み部218に充填されるダイラタント材214は、上述の本実施形態のダイラタント材であればよく、すでに説明したので、ここでは説明を省略する。
窪み部218にダイラタント材214を充填する方法は、特に限定されず、例えば、ダイラタント材214を窪み部218に押し込むことにより埋め込んで充填してもよい。あるいは、上記第1の態様で説明したような加熱や媒液との混合によって流動性を付与した状態で、ダイラタント材214を窪み部に注入した後、冷却や乾燥によってダイラタンシー特性を付与してもよい。あるいは、ダイラタント材214を窪み部218の形状と合致するように成形した後、窪み部218に埋め込むことで充填してもよい。
第2の態様の研磨パッド200は、研磨層210が、より高い剪断歪を付与することより、より低い剪断歪を付与する場合と比較して、より高い粘性を有するようになるダイラタント材214を備えている。その結果、研磨層210がダイラタント材214の部分でダイラタンシー特性を有するようになるので、研磨加工の際に、相対速度を高めたり研磨圧力を大きくしたりすると、被研磨物の研磨レートが劇的に高くなり、従来のプレストニアンの経験則に従う材料のみを用いた研磨層を備える研磨パッドと比較して、飛躍的に研磨時間を短くすることができる。さらに、化学機械研磨などにより研磨スラリを用いる場合、研磨スラリ中の砥粒がダイラタント材214に埋め込まれて保持されるため、研磨レートをより高めることができる。また、ダイラタント材214は、相対速度の変化に伴い、その粘性が変化するため、砥粒を効率的にダイラタント材214に埋め込みたい場合は相対速度や研磨圧力を低くすればよい。その後、相対速度を高くすると、ダイラタント材214はその粘性が上昇し、そこに埋め込まれた砥粒をより強固に保持するため、砥粒を有効に研磨に利用することができる。すなわち、本態様によると、研磨加工を継続しつつ砥粒の埋め込み及び保持の両方をより効率的かつ確実に行うことができる。また、第2の態様の研磨パッド200は、研磨部材(研磨層)においてダイラタント材を含浸するのが困難な場合に、ダイラタント材を用いることができる点で特に有用である。さらに、第2の態様の研磨パッド200では、ダイラタント材214による研磨面P21と基材212による研磨面P22との面積比を任意に調整することが可能となり、研磨パッド200の研磨性能をより容易に制御することができる。また、第2の態様の研磨パッド200では、ダイラタント材214による研磨面P21を任意の位置に配置することができるので、被研磨物と接触する面のみに、あるいは被研磨物と接触する頻度が高い面のみに、選択的に研磨面P21を配置することで、より少量のダイラタント材214を用いて、より効果的に被研磨物を研磨することも可能となる。
本実施形態の第3の態様の研磨パッドは、第2の態様の研磨パッド200と同様に、研磨部材が、窪み部を有する基材と、窪み部内に充填されたダイラタント材とを含有するものである。ただし、基材がいわゆるスエードタイプである点で、第2の態様の研磨パッド200とは異なる。図3は、そのような研磨パッドの一例を示す模式的な断面図である。図3に示す研磨パッド300は、窪み部318を有する基材312と、窪み部318内に充填されたダイラタント材314とを含有する研磨部材である研磨層310と、その研磨層310を支持する支持材120と、両面テープ130と、剥離紙140とを、この順に積層して備える。研磨パッド300は、研磨層310のダイラタント材314による研磨面P31及び基材312による研磨面P32を被研磨物と接触させて研磨するものである。支持部材120、両面テープ130及び剥離紙140は、上記第1の態様の研磨パッド100が備えるものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
基材312に形成された複数の窪み部318は、研磨面P31側に開口した開気孔である。窪み部318の形状は、特に限定されず、図示するような基材312の厚さ方向に長い錐体状や紡鐘形状であってもよく、略球状であってもよい。基材312は、この開気孔である窪み部318の他に、図示しない複数の閉気孔を有していてもよい。
基材312は、従来の研磨パッド、特にスエードタイプの研磨パッドの研磨層として用いられるものであれば特に限定されず、基材312を構成する材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリサルホン樹脂及びポリイミド樹脂等の樹脂が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中では、本発明の目的を一層有効且つ確実に奏する観点から、ポリウレタン樹脂が好ましい。
ポリウレタン樹脂としては、例えば、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂及びポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中では、本発明の目的をより有効且つ確実に奏する観点から、ポリエステル系ポリウレタン樹脂が好ましい。
ポリウレタン樹脂は、常法により合成してもよく、市販品を入手してもよい。市販品としては、例えば、クリスボン(DIC(株)製商品名)、サンプレン(三洋化成工業(株)製商品名)及びレザミン(大日精化工業(株)製商品名)が挙げられる。
ポリサルホン樹脂は、常法により合成してもよく、市販品を入手してもよい。市販品としては、例えば、ユーデル(ソルベイアドバンストポリマーズ(株)製商品名)が挙げられる。
ポリイミド樹脂は、常法により合成してもよく、市販品を入手してもよい。市販品としては、例えば、オーラム(三井化学(株)製商品名)が挙げられる。
基材312は、上記の樹脂以外に、研磨パッドの研磨層に通常含まれてもよい材料、例えば、カーボンブラックなどの顔料、親水性添加剤及び疎水性添加剤の1種又は2種以上を含んでもよい。これらの任意に用いられる材料は、窪み部318や閉気孔の大きさ及び個数を制御するのに用いられてもよい。
基材312は研磨面P31側に、より微細な気泡が複数形成された微多孔構造を有するスキン層領域と、より大きな気泡(上記の閉気孔及び開気孔)が複数形成された発泡樹脂領域とを含んでもよい。発泡樹脂領域は、スキン層領域の研磨面P31とは反対側に形成されており、その厚さは特に限定されないが、例えば0.3〜2.0mmである。発泡樹脂領域では、マトリックスとなる樹脂中に、複数の開気孔である窪み部318が形成されており、その窪み部318は、スキン層を経由して研磨面P31側に開口している。
窪み部318の開口の大きさは、特に限定されないが、精密研磨の観点から、平均径で5〜80μmであると好ましく、20〜50μmであるとより好ましい。開口の平均径が上記の範囲内であれば、目詰まりによるスクラッチが生じ難く、かつ平坦性のより高い研磨を行うことができる。開口の平均径(算術平均)は、基材312の任意の表面を撮影したマイクロスコープの二値化画像より画像解析することにより得られる。
また、窪み部318の深さは、特に限定されないが、ダイラタント材の充填性の観点から、平均で200〜1000μmであると好ましく、400〜700μmであるとより好ましい。窪み部318の深さは、基材312の任意の断面を撮影した電子顕微鏡写真を画像解析することにより得られる。
基材312の厚さは、特に限定されないが、0.3〜1.5mmであると好ましい。基材312の厚さが0.3mm以上であることにより、研磨パッド300の寿命をより十分に保証することができ、1.5mm以下であることにより、基材312の適度な硬度を維持でき、被研磨物の外周ダレをより有効に防ぐことができる。
基材312の圧縮率は、仕上げ研磨に用いる場合の有用性の観点から、1〜50%であると好ましく、2〜20%であるとより好ましい。また、同様の観点から、基材312に含まれる樹脂の100%モジュラスが2〜50MPaであると好ましく、10〜35MPaであるとより好ましい。圧縮率は日本工業規格(JIS L 1021)に準拠して、ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を用いて求められる。具体的には、初荷重で30秒間加圧した後の厚さt1を測定し、次に最終圧力の下で5分間放置後の厚さt2を測定する。これらから、圧縮率を下記式:
圧縮率(%)=(t1−t2)/t1×100
から算出する。このとき、初荷重は100g/cm、最終圧力は1120g/cmとする。100%モジュラスは、基材312に含まれる樹脂と同じものを用いた無発泡の樹脂シートを100%伸ばしたとき、すなわち元の長さの2倍に伸ばしたとき、に掛かる荷重を断面積で割った値である。圧縮率及び100%モジュラスが上記の範囲内であれば、研磨パッドに求められる適度な弾性特性から、被研磨物をより効率良くかつ一層高品位に研磨を行うことができる。
基材312の製造方法は、従来のスエードタイプの研磨パッドにおける研磨層の製造方法と同様であればよい。例えば、基材312は、ポリウレタン樹脂などの樹脂と、その樹脂を溶解可能であって凝固液に混和する溶媒と、必要に応じて基材312に含ませるその他の材料とを混合し、更に必要に応じて減圧下で脱泡して樹脂溶液を調製する樹脂溶液調製工程と、樹脂溶液を成膜用基材に塗布する塗布工程と、塗布した樹脂溶液中の樹脂をシート状に凝固再生して前駆体シートを得る凝固再生工程と、前駆体シート中に残存する溶媒を除去して上記開気孔(窪み部318)や閉気孔を形成する溶媒除去工程とを有する、いわゆる湿式成膜によって得ることができる。
窪み部318に充填されるダイラタント材314は、上述の本実施形態のダイラタント材であればよく、すでに説明したので、ここでは説明を省略する。
窪み部318にダイラタント材314を充填する方法は、特に限定されず、例えば、上記第1の態様で説明したような加熱や媒液との混合によって流動性を付与した状態で、ダイラタント材314を窪み部に注入した後、冷却や乾燥によってダイラタンシー特性を有するようにしてもよい。あるいは、ダイラタント材314が加熱により流動性を有するようになるものである場合(例えば、ダイラタント特性を有する熱可塑性樹脂やその熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物である場合)、ダイラタント材314を基材312上に載置した後、それらの全体を恒温槽内などで加熱することにより、載置されたダイラタント材314を流動させて、窪み部318内に充填してもよい。
第3の態様の研磨パッド300は、研磨層310が、より高い剪断歪を付与することより、より低い剪断歪を付与する場合と比較して、より高い粘性を有するようになるダイラタント材314を備えている。その結果、研磨層310がダイラタント材314の部分でダイラタンシー特性を有するようになるので、研磨加工の際に、相対速度を高めたり研磨圧力を大きくしたりすると、被研磨物の研磨レートが劇的に高くなり、従来のプレストニアンの経験則に従う材料のみを用いた研磨層を備える研磨パッドと比較して、飛躍的に研磨時間を短くすることができる。さらに、化学機械研磨などにより研磨スラリを用いる場合、研磨スラリ中の砥粒がダイラタント材314に埋め込まれて保持されるため、研磨レートをより高めることができる。また、ダイラタント材314は、相対速度の変化に伴い、その粘性が変化するため、砥粒を効率的にダイラタント材314に埋め込みたい場合は相対速度や研磨圧力を低くすればよい。その後、相対速度を高くすると、ダイラタント材314はその粘性が上昇し、そこに埋め込まれた砥粒をより強固に保持するため、砥粒を有効に研磨に利用することができる。すなわち、本態様によると、研磨加工を継続しつつ砥粒の埋め込み及び保持の両方をより効率的かつ確実に行うことができる。また、第3の態様の研磨パッド300においては、基材312がスエードタイプの研磨パッドの研磨層に用いられる軟らかい基材であるため、研磨圧力や相対速度を低くすることにより、最終仕上げに用いる研磨パッドとしても適用可能である。その結果、研磨パッド300のみを用いて、一次研磨から仕上げ研磨まで幅広く適用することもできる。
本実施形態の研磨パッドを用いた研磨方法は、上述の研磨パッドを用いて被研磨物を研磨する工程を有する。その具体的な一例を説明する。まず、片面研磨機の保持定盤に被研磨物を保持させる。次いで、保持定盤と対向するように配置された研磨定盤に研磨パッドを装着する。研磨定盤に研磨パッドを装着する際、両面テープ130から剥離紙140を剥離して、両面テープ130の粘着層を露出させた後、露出した粘着層を研磨定盤に接触させ押圧する。そして、被研磨物と研磨パッドとの間に砥粒(研磨粒子)を含む研磨スラリを循環供給すると共に、被研磨物を研磨パッドの方に所定の研磨圧力にて押圧しながら研磨定盤ないし保持定盤を回転させることで、被研磨物を化学機械研磨により研磨する。研磨スラリは、特に限定されず、従来の化学機械研磨に用いられるものであってもよく、砥粒として、例えば、セリア、シリカ、酸化マンガン及びダイヤモンドが挙げられる。これらの砥粒の中では、研磨部材が疎水性のダイラタント材を含有する本実施形態の研磨パッドと組み合わせることで、研磨スラリの馴染みを改善できる観点から、ダイラタント材に含まれる無機粒子と同じ材質の砥粒が好ましい。
また、本実施形態の研磨パッドを用いて研磨する前に、その研磨パッドの研磨部材に含まれるダイラタント材に砥粒が埋め込まれた状態でドレス処理(コンディショニング処理)を施すと好ましい。通常、ドレス処理においては、研磨加工におけるよりも、研磨部材に付与される剪断応力が小さいため、本実施形態において、ドレス処理における研磨部材の粘性は、研磨加工時の研磨部材の粘性よりも低い。そのため、ドレス処理前に研磨部材の研磨面から突出した砥粒の高さが不均一であっても、突出した砥粒をドレス処理によってダイラタント材に埋め込みやすくなり、突出した砥粒の高さをより均一に揃えやすくなる。その結果、研磨加工時に、ダイラタント材に埋め込まれた砥粒が被研磨物をより均等なエネルギーで研磨することが可能になり、被研磨物の被研磨面における表面粗さを更に小さくすることができる。
本実施形態の研磨パッドは、レンズ、平行平面板、反射ミラー等の光学材料、ハードディスク用基板、半導体用シリコンウェハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板の研磨、サファイア、SiC、GaN及びダイヤモンドを始めとする難加工材等の研磨に好適に用いられる。特に、従来のプレストニアンの経験則に従う材料のみを用いた研磨層を備える研磨パッドでは、装置の能力的な制約や時間的な制約により十分に研磨することが困難であった、サファイア、SiC、GaN及びダイヤモンドなどの難加工材料の研磨に好適に用いられる。本実施形態によれば、ダイラタント材を用いることにより、研磨レートを劇的に高くすることも可能になるので、上述の難加工材料を比較的短時間に十分研磨することもできる。また、従来の研磨パッドは、粗研磨(一次研磨)及び仕上げ研磨(二次研磨)のいずれかにしか適していなかったが、本実施形態の研磨パッドは、相対速度や研磨圧力を変化させることに伴う研磨レートの変化量が大きいため、粗研磨及び仕上げ研磨の両方に使用することも可能である。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上記本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。例えば、上記本実施形態では、研磨層は、支持材120、両面テープ130及び剥離紙140を備えていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、支持部材120、両面テープ130及び剥離紙140の全てを備えていなくてもよい。あるいは、支持材120を備えていなくてもよく、両面テープ130に代えて研磨層に粘着剤のみを塗布し、剥離紙140を貼り合わせるようにしてもよい。ただし、研磨パッドの搬送時や研磨機への装着時の取り扱いを容易にすることを考慮すれば、支持材120を備えることが好ましく、両面テープ130を用いることが好ましい。
また、本実施形態の第1及び第3の態様でも、第2の態様と同様に研磨層の研磨面に溝が形成されていてもよく、反対に第2の態様において、溝が形成されていなくてもよい。さらには、第2の態様において基材212の材料を不織布などのシート状の繊維基材に変更してもよい。この場合、シート状の繊維基材は、本実施形態の第1の態様にて説明したものと同じものを用いることができる。さらに、第2の態様において、窪み部218に繊維基材に含浸したダイラタント材を充填してもよい。
また、本実施形態の第2の態様では窪み部218が複数存在し、その複数の窪み部218内にダイラタント材214が充填されているが、それに代えて、研磨層の周縁を除いて、1つの窪み部が研磨層の大部分に形成されてもよい。すなわち、研磨層は、その周縁部にのみ基材212による研磨面P22を有し、研磨層の大部分(例えば、研磨面の全体に対して80%以上、より好ましくは90%以上)の研磨面がダイラタント材214による研磨面に占められていてもよい。この場合、研磨層の研磨面の大部分がダイラタント材214によるものであるため、ダイラタント材214を用いることによる上記本発明の効果をより有効かつ確実に奏することができる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ダイラタント樹脂として、信越化学工業社製のジメチルポリシロキサン樹脂(30%キシレン溶液の25℃での動粘度:21000cS、25℃での屈折率:1.403、25℃での比重:0.97、引火点:315℃以上、150℃で3時間での揮発分:1〜3%)を用意した。次いで、ニーダーを用いて、上記ダイラタント樹脂80質量部と、無機酸化物粒子としてセリア粒子(昭和電工社製、商品名「SHOROX−V2104」)20質量部とを均一に混練して、ダイラタント材(1)を得た。得られたダイラタント材(1)のD係数(30℃、G 100HZ/G 1HZ。以下同様。)は、3.9であり、30℃における周波数50Hzでの複素弾性率は2.34×10Paであった。
ダイラタント材(1)を、容器内の不織布(市販の手芸用フェルト、密度:0.075g/cm、厚さ:4mm)の上に載置した後、その全体を40℃に加熱した恒温槽に収容して、ダイラタント材(1)を不織布に含浸させた。そして、含浸させたものを恒温槽から取り出して冷却し、研磨層(研磨部材)を得た。この際、ダイラタント材(1)は、研磨面から不織布の厚さ方向の約3mmまで含浸したことを目視にて確認した。この研磨層を円形で370φの大きさに切り出して、研磨層のみを備える研磨パッドを得た。その後、両面テープにて研磨装置の回転定盤に研磨パッドを、ダイラタント材(1)が含浸されていない側の面で貼り合わせ、コンディショニング処理を10分間行った後、研磨試験を行った。その結果、研磨レートは、図4に示すものとなった。このときのコンディショニング処理条件及び研磨条件は下記のとおりに設定した。
〔コンディショニング条件〕
CMPパッドコンディショナー:ダイヤモンド砥粒、#100Mesh
初期コンディショニング:P=3kPa、N=30rpm、20分間
第二コンディショニング:P=6kPa、N=60rpm、10分間
〔研磨条件〕
研磨装置:武蔵野電子社製卓上型ポリシング装置(商品名「MA−300D」)
研磨スラリ:昭和電工社製、商品名「SHOROX−V2104」、砥粒…セリア粒子(平均粒径0.4μm)、砥粒濃度…5質量%、溶媒…純水
研磨スラリ流量:20mL/分
被研磨物:ASソーダライムガラス、φ2インチ、厚さ1.8mm(旭硝子社製)
定盤回転速度×研磨圧力:4960kPa・rpm/分
また、研磨圧力を32.0kPaとし、定盤回転数を30〜140rpm/分に変化させて、研磨レートの変化を確認したところ図5に示す結果となった。
(比較例1)
ダイラタント材(1)を用いない以外は実施例1と同様にして研磨パッドを作製し、研磨試験を行った。結果は図4及び図5に示すものとなった。
(実施例2)
硬質パッド(ニッタハース社製、商品名「MH−N15A」、厚さ:1.1mm、30℃における周波数50Hzでの複素弾性率:2.16×10Pa)を用意し、370φの円形状に切り出した。次いで、その硬質パッドの研磨面に、10mmφの円柱状の窪み部(ディンプル)を、15mmピッチで硬質パッドの全体に縦横に格子状に配列するよう、エンドミルを用いて形成した。窪み部の深さは硬質パッドの厚さの90%(つまり1mm)とした。形成した窪み部に実施例1で調製したダイラタント材(1)を押し込むように埋め込んで充填して、研磨層のみを備える研磨パッドを得た。次に、実施例1と同様にして、研磨パッドを研磨装置の回転定盤に貼り合わせ、コンディショニング処理を30分間行った後、研磨試験を行った。結果を図4に示す。
また、研磨圧力を49.6kPaとし、定盤回転数を20〜140rpm/分に変化させて、研磨レートの変化を確認したところ図6に示す結果となった。
(比較例2)
窪み部を形成せず、ダイラタント材(1)を用いない以外は実施例2と同様にして研磨パッドを作製し、研磨試験を行った。結果を図4及び図6に示す。
(実施例3)
不織布(市販の手芸用フェルト、密度:0.075g/cm、厚さ:4mm)に代えて、不織布であるフジボウ愛媛社製のフェルト基材(2d×51mmのポリエステル繊維のニードルパンチにより形成したフェルト基材、密度0.10g/cm、厚さ:2.4mm、30℃における周波数50Hzでの複素弾性率:1.73×10Pa)を用いた以外は実施例1と同様にして、研磨パッドを得た。ダイラタント材の含浸量は、フェルト基材の厚さの90%(つまり2.2mm)とした。なお、研磨パッドの30℃における周波数50Hzでの複素弾性率は8.22×10Paであった。次に、実施例1と同様にして、研磨パッドを研磨装置の回転定盤に貼り合わせ、コンディショニング処理を30分間行った後、研磨試験を行った。結果を図4に示す。なお、この実施例3においては、実施例1、2で行った、結果を図5及び図6に示すような研磨試験は行わなかった(以下、実施例4、5、及び比較例3〜5において同様)。
(比較例3)
ダイラタント材(1)を用いない以外は実施例3と同様にして研磨パッドを作製し、研磨試験を行った。結果を図4に示す。
(実施例4)
不織布パッド(フジボウ愛媛社製、商品名「FPK7000C」、厚さ:1.3mm、30℃における周波数50Hzでの複素弾性率:1.42×10Pa)を用意し、370φの円形状に切り出した。次いで、その不織布パッドの研磨面に、10mmφの円柱状の窪み部(ディンプル)を、12mmピッチで不織布パッドの全体に縦横に格子状に配列するよう、エンドミルを用いて形成した。窪み部の深さは硬質パッドの厚さの90%(つまり1.2mm)とした。形成した窪み部に実施例1で調製したダイラタント材(1)を押し込むように埋め込んで充填して研磨層のみを備える研磨パッドを得た。次に、実施例1と同様にして、研磨パッドを研磨装置の回転定盤に貼り合わせ、コンディショニング処理を30分間行った後、研磨試験を行った。結果を図4に示す。
(比較例4)
窪み部を形成せず、ダイラタント材(1)を用いない以外は実施例4と同様にして研磨パッドを作製し、研磨試験を行った。結果を図4に示す。
(実施例5)
ダイラタント樹脂として、株式会社バウンシー製のポリシロキサン樹脂(商品名「スナッチ・クレイ BX−100C」)を用意した。次いで、ニーダーを用いて、上記ダイラタント樹脂80質量部と、無機酸化物粒子としてセリア粒子(昭和電工社製、商品名「SHOROX−V2104」)20質量部とを均一に混練して、ダイラタント材(2)を得た。得られたダイラタント材(2)のD係数は、5.4であり、30℃における周波数50Hzでの複素弾性率は1.28×10Paであった。
次に、不織布パッド(フジボウ愛媛社製、商品名「FPK7000C」、厚さ:1.3mm、30℃における周波数50Hzでの複素弾性率:1.42×10Pa)を用意し、370φの円形状に切り出した。次いで、その不織布パッドの研磨面に、10mmφの円柱状の窪み部(ディンプル)を、12mmピッチで不織布パッドの全体に縦横に格子状に配列するよう、エンドミルを用いて形成した。窪み部の深さは硬質パッドの厚さの90%(つまり1.2mm)とした。形成した窪み部にダイラタント材(2)を押し込むように埋め込んで充填して研磨層のみを備える研磨パッドを得た。次に、実施例1と同様にして、研磨パッドを研磨装置の回転定盤に貼り合わせ、コンディショニング処理を30分間行った後、研磨試験を行った。結果を図4に示す。
図4に示す結果から分かるとおり、ダイラタント材を含有する研磨パッドを用いることで、4960kPa/分の研磨条件において、研磨レートが3〜6倍程度に改善した。また、図5に示す結果から分かるとおり、不織布にダイラタント材を含浸したパッドでは、高回転になるにつれて、ダイラタント材による顕著な効果が表れ、回転数に対して研磨レートが比例的に高くなるのではなく、累乗的に高くなった。さらに、図6に示す結果から分かるとおり、硬質ウレタンパッドにダイラタント材を充填した研磨パッドでも、ダイラタント材による研磨レートの向上効果が確認された。
本出願は、2013年3月12日出願の日本特許出願(特願2013−49471)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の研磨パッドは、レンズ、平行平面板、反射ミラー等の光学材料、ハードディスク用基板、半導体用シリコンウェハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板の研磨、サファイア、SiC、GaN及びダイヤモンドを始めとする難加工材等の研磨に好適に用いられ、これらの分野において、産業上の利用可能性がある。特に、サファイア、SiC、GaN及びダイヤモンドなどの難加工材料の研磨に好適に用いられる。
100、200、300…研磨パッド、110、210、310…研磨層、120…支持材、130…両面テープ、140…剥離紙、214、314…ダイラタント材。

Claims (7)

  1. 研磨面を有する研磨部材を備える研磨パッドであって、前記研磨部材がダイラタンシー特性を有する材料を含有する研磨パッド。
  2. 前記ダイラタンシー特性を有する材料は、ダイラタンシー特性を有する樹脂、又は、無機粒子と媒液とを含有するダイラタンシー特性を有する無機粒子組成物を含む、請求項1記載の研磨パッド。
  3. 前記ダイラタンシー特性を有する樹脂を含む前記ダイラタンシー特性を有する材料は、無機粒子を更に含む、請求項2記載の研磨パッド。
  4. 前記ダイラタンシー特性を有する樹脂は、ダイラタンシー特性を有するシリコーン樹脂を含有する、請求項2又は3に記載の研磨パッド。
  5. 前記研磨部材は、シート状の繊維基材と、その繊維基材に含浸した前記ダイラタンシー特性を有する材料とを含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の研磨パッド。
  6. 前記研磨部材は、窪み部を有する基材と、前記窪み部内に充填された前記ダイラタンシー特性を有する材料とを含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の研磨パッド。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の研磨パッドを用いて被研磨物を研磨する工程を有する、研磨方法。
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